(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】情報通信端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/825 20140101AFI20241108BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20241108BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20241108BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/53
A63F13/30
(21)【出願番号】P 2022034747
(22)【出願日】2022-03-07
(62)【分割の表示】P 2020200634の分割
【原出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関戸 大彦
(72)【発明者】
【氏名】島野 雄太
(72)【発明者】
【氏名】小林 史弥
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-006054(JP,A)
【文献】特開2015-027343(JP,A)
【文献】特開2015-139608(JP,A)
【文献】特開平11-065417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置において育成可能なキャラクタ群を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記ゲーム装置から、当該ゲーム装置において育成済みのキャラクタ
に関する第1キャラクタ情報を取得する第
1取得手段と、
前記ゲーム装置とは異なる外部装置から、キャラクタに関する第2キャラクタ情報を取得する第2取得手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記育成可能なキャラクタ群のうち、前記第1キャラクタ情報に対応するキャラクタと前記第2キャラクタ情報に対応するキャラクタとを、識別可能な態様で前記表示手段に表示させ、
前記識別可能な態様で表示されているキャラクタの
いずれかが選択
されたことに応じて、当該
選択されたキャラクタ
の詳細情報
を前記表示手段
に表示させ
、
前記詳細情報は、
前記第1キャラクタ情報に対応するキャラクタと前記第2キャラクタ情報に対応するキャラクタの両方で表示される第1詳細情報と、
前記第1キャラクタ情報に対応するキャラクタでは表示される一方で、前記第2キャラクタ情報に対応するキャラクタでは表示されない第2詳細情報と、
を含み、
前記第1詳細情報には、前記詳細情報が表示されたキャラクタを前記ゲーム装置において育成するためのデータの入手先の情報が含まれる情報通信端末。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記育成可能なキャラクタ群のうち、前記第1キャラクタ情報及び前記第2キャラクタ情報のいずれにも対応しないキャラクタを、識別不可能な態様で前記表示手段に表示させる請求項1に記載の情報通信端末。
【請求項3】
前記ゲーム装置において育成可能なキャラクタの各々は、複数の種類のいずれかに分類されており、
前記表示制御手段は、前記第1キャラクタ情報に対応するキャラクタと同一種類に分類されたキャラクタ群、及び前記第2キャラクタ情報に対応するキャラクタと同一種類に分類されたキャラクタ群の少なくともいずれかを、前記育成可能なキャラクタ群として前記表示手段に表示させる
請求項1または2に記載の情報通信端末。
【請求項4】
前記育成可能なキャラクタ群には、初期状態で表示されないキャラクタ
が含
まれ、
前記表示制御手段は、
前記第1キャラクタ情報に前記初期状態で表示されないキャラクタに関する情報が含まれることを条件として、当該キャラクタを前記表示手段に表示させる
請求項
1乃至3のいずれか1項に記載の
情報通信端末。
【請求項5】
第2キャラクタ情報は、前記ゲーム装置とは異なるゲーム装置において育成されたキャラクタ
に関する情報である請求項
1乃至4のいずれか1項に記載の情報通信端末。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記キャラクタ群の表示において、前記第1キャラクタ情報に対応するキャラクタと
前記第2キャラクタ情報に対応するキャラクタとで表示態様を異ならせる請求項
1乃至
5のいずれか1項に記載の
情報通信端末。
【請求項7】
前記第2詳細情報には、前記詳細情報が表示されたキャラクタの育成傾向に関する情報が含まれる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報通信端末。
【請求項8】
前記キャラクタの育成傾向に関する情報は、当該キャラクタの性質を示す情報である請求項7に記載の情報通信端末。
【請求項9】
前記育成可能なキャラクタは、各々が異なる外観を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
情報通信端末。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至
9のいずれか1項に記載
の情報通信端末
の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、情報通信端末及びプログラムに関し、特にキャラクタの育成機能を有する電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームに係るキャラクタの収集状況を容易に把握可能ならしめるべく、ユーザによって登録された登録キャラクタと、登録されていない未登録キャラクタと、を一覧にて識別可能な図鑑ページを構成する技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の図鑑ページでは、登録キャラクタ及び未登録キャラクタを把握できるものの、図鑑完成のために、ユーザがどのようにゲームを進めるべきであるかの具体的な指針を提示するものではなかった。
【0005】
本発明は、育成すべきキャラクタを容易に把握可能ならしめるゲームシステム、情報通信端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、複数の進化段階を経て進化するキャラクタの育成に係るゲームプレイを提供するゲーム装置と、該ゲーム装置と通信可能に構成され、かつ、少なくとも1体のキャラクタから派生して進化可能な一群のキャラクタを示す進化フローを表示手段に表示させる情報通信端末と、を含んで構成されるゲームシステムであって、ゲーム装置で育成可能なキャラクタの各々には、該キャラクタの種類及び進化状態を一意に特定可能な種別情報が定められており、進化フローは、初期状態で少なくとも一部のキャラクタが識別不可能な態様で表示され、対応する一群のキャラクタについて各進化段階のキャラクタの種類数が識別可能に構成されるものであり、情報通信端末は、ゲーム装置において育成済みのキャラクタに係る種別情報を取得する第1の取得手段と、第1の取得手段により取得された種別情報に係るキャラクタが含まれる進化フローを、育成済みのキャラクタを識別不可能な態様から識別可能な態様に変更して表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える。また本発明のゲームシステムは、複数の成長段階を経て成長するキャラクタの育成に係るゲームプレイを提供するゲーム装置と、該ゲーム装置と通信可能に構成され、かつ、少なくとも1体のキャラクタから派生して成長可能な一群のキャラクタを示す派生フローを表示手段に表示させる情報通信端末と、を含んで構成されるゲームシステムであって、ゲーム装置で育成可能なキャラクタの各々には、該キャラクタの性質を示す性質情報が定められており、ゲーム装置は、着用者の活動状態の情報を取得する活動状態取得手段と、育成中のキャラクタに係る性質情報と活動状態の情報とに基づいて、当該育成中のキャラクタが次の成長段階でいずれのキャラクタに成長するかを決定する決定手段と、を備え、派生フローは、初期状態で少なくとも一部のキャラクタが識別不可能な態様で表示され、対応する一群のキャラクタについて各成長段階のキャラクタの種類数が識別可能に構成されるものであり、情報通信端末は、ゲーム装置において育成済みのキャラクタを示す情報を取得する第1の取得手段と、第1の取得手段により取得された情報に係る育成済みのキャラクタが含まれる派生フローを、該育成済みのキャラクタを識別不可能な態様から識別可能な態様に変更して表示手段に表示させる表示制御手段と、派生フローにおいて識別可能な態様で表示されているキャラクタについて選択を受け付ける第1の受付手段と、を備え、表示制御手段は、第1の受付手段により育成済みのキャラクタの選択が受け付けられた場合に、当該育成済みのキャラクタの性質情報を含む詳細情報を、表示手段にさらに表示させる。
本発明の情報通信端末は、ゲーム装置において育成可能なキャラクタ群を表示手段に表示させる表示制御手段と、ゲーム装置から、当該ゲーム装置において育成済みのキャラクタに関する第1キャラクタ情報を取得する第1取得手段と、ゲーム装置とは異なる外部装置から、キャラクタに関する第2キャラクタ情報を取得する第2取得手段と、を備え、表示制御手段は、育成可能なキャラクタ群のうち、第1キャラクタ情報に対応するキャラクタと第2キャラクタ情報に対応するキャラクタとを、識別可能な態様で表示手段に表示させ、識別可能な態様で表示されているキャラクタのいずれかが選択されたことに応じて、当該選択されたキャラクタの詳細情報を表示手段に表示させ、詳細情報は、第1キャラクタ情報に対応するキャラクタと第2キャラクタ情報に対応するキャラクタの両方で表示される第1詳細情報と、第1キャラクタ情報に対応するキャラクタでは表示される一方で、第2キャラクタ情報に対応するキャラクタでは表示されない第2詳細情報と、を含み、第1詳細情報には、詳細情報が表示されたキャラクタをゲーム装置において育成するためのデータの入手先の情報が含まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、育成すべきキャラクタを容易に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの構成を例示した図
【
図2】本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図
【
図3】本発明の実施形態に係るスマートフォン200の機能構成を例示したブロック図
【
図4】本発明の実施形態に係るサーバ300の機能構成を例示したブロック図
【
図5】本発明の実施形態に係るゲーム装置100において表示される育成ゲームの画面を例示した図
【
図6】本発明の実施形態に係る育成ゲームにおける、育成中のキャラクタに係る表示ステータスを説明するための図
【
図7】本発明の実施形態に係る育成ゲームにおける、キャラクタの進化条件を説明するための図
【
図8】本発明の実施形態に係るスマートフォン200において表示される進化フローを説明するための図
【
図9】本発明の実施形態に係るスマートフォン200において表示される進化フローを説明するための別の図
【
図10】本発明の実施形態に係るスマートフォン200において表示されるキャラクタの詳細情報を例示した図
【
図11】本発明の実施形態に係るスマートフォン200において表示される卵種一覧表示の画面を例示した図
【
図12】本発明の実施形態に係るゲーム装置100で実行される状態制御処理を例示したフローチャート
【
図13】本発明の実施形態に係るスマートフォン200で実行される表示処理を例示したフローチャート
【
図14】本発明の実施形態に係るゲームシステムで使用される各種情報のデータ構成を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、複数の進化段階を経て進化するキャラクタの育成に係るゲームプレイを提供可能なゲーム装置、及び情報通信端末の一例としての、ゲーム装置と連携動作が可能なスマートフォンを含んで構成されるゲームシステムに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、複数の進化段階を経て進化するキャラクタの育成に係るゲームプレイを提供することが可能な任意の機器、及び該機器から取得した情報に基づく表示を行うことが可能な他の任意の機器を含んで構成される任意のシステムに適用可能である。
【0011】
また、本明細書において、ゲーム装置の着用者が「活動」している状態とは、着用者が所定の身体動作を行っている状態に限らず、例えば交感神経系に所定の変化が生じている状態も含むものとして説明する。また「着用者」とは、ゲーム装置100を着用状態にあるユーザを指すものとして説明するが、一時的に非着用の状態としているユーザを除外するものではない。また、ゲームシステムの利用においてゲーム装置100の着用を必須とするものではないため、以下の実施形態の説明では、必要に応じて「着用者」をゲームシステムを利用する「ユーザ」として言及する。
【0012】
《ゲームシステムの構成》
図1は、本実施形態のゲームシステムの構成を例示した図である。図示されるように、本実施形態のゲームシステムは、着用状態において着用者の活動状態を検出及び計測可能な各種センサを備えるゲーム装置100、該ゲーム装置100と情報通信が可能に構成されたスマートフォン200、及び該スマートフォン200と通信可能に構成されたサーバ300を含んで構成される。
【0013】
ゲーム装置100は、例えば着用者の手首に装着可能なブレスレット状に構成されており、着用状態において着用者の活動状態に係る種々の項目を計測可能である。本実施形態では、着用者によるゲーム装置100が備える後述の表示部110の表示内容の確認を容易ならしめるべく、ゲーム装置100の装着箇所が手首であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ゲーム装置100の装着部位は、指、上腕、腰、脚部等、着用者の身体のいずれであってもよい。
【0014】
ゲーム装置100は、キャラクタの育成に係る電子ゲーム(育成ゲーム)を実行可能に構成されており、起動中において、活動状態の計測結果に応じて育成ゲームの進行制御を行う。ここで、実行される育成ゲームでは、ユーザは一時に1体のキャラクタを育成可能であり、複数の進化段階を経てキャラクタ及びその外観が進化するよう構成することで、育成表現を実現する。また育成ゲームは、所定の条件が満たされたことを条件として再スタートが可能に構成されており、ユーザは、種々の進化経過をたどるキャラクタ育成を繰り返し行うことが可能である。
【0015】
なお、ユーザ間での公平性を担保すべく、キャラクタの育成表現については、進化し得るキャラクタの種類が予め定められているものとする。詳細は後述するが、少なくとも1体の初期キャラクタ(もしくは該初期キャラクタが誕生する卵)から派生して進化可能なキャラクタが進化段階ごとに予め定められており、少なくとも一部の進化段階において複数種類のキャラクタに進化可能なよう分岐が定義されることで、育成ゲームの多様性及び興趣性を向上させる。以下の説明において、当該少なくとも1体の初期キャラクタから派生して進化可能な一群のキャラクタを、(1つの)卵種に属するキャラクタ群として言及する。
【0016】
またスマートフォン200は、例えば携帯電話やスマートフォン等の汎用的な情報通信端末である。スマートフォン200は、ゲームシステムの利用に係る専用アプリケーションのプログラムが実行されることで、ゲームシステムの利用に係る各種表示及びGUIの提供が可能な状態になる。
【0017】
ゲーム装置100とスマートフォン200とは、例えば近距離無線通信により接続可能に構成され、育成ゲーム及び専用アプリケーションにおいて通信開始に係る操作入力がなされたことを受けて通信接続が確立される。ゲーム装置100とスマートフォン200とが通信接続された状態にある場合、ゲーム装置100で実行中の育成ゲームの進行を示す情報のスマートフォン200への転送、専用アプリケーションを通じて行われた設定や取得された更新情報のゲーム装置100への転送がなされる。
【0018】
また、本実施形態の説明ではゲームシステムに係るサービス提供を行う構成機器としてサーバ300を具備するものとして説明するが、本発明の実施に係りサーバ300は必須の構成ではない。本実施形態では、スマートフォン200とサーバ300とは、ネットワーク400を介して通信接続が確立されるものとする。
【0019】
〈ゲーム装置の構成〉
ここで、本実施形態のゲームシステムに係るゲーム装置100の機能構成について、
図2のブロック図を参照して説明する。
【0020】
制御部101は、例えばマイクロコンピュータであり、ゲーム装置100の各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、記録媒体102に記録された各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0021】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリ等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータや、育成ゲームの進行状況を示す情報(育成情報)等を記録する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0022】
検出部104は、着用者の活動状態を示す各種情報を検出し、検出結果を出力する。本実施形態では検出部104は、加速度センサと心拍センサを具備し、それぞれゲーム装置100に生じた移動、着用者の心拍を検出する。加速度センサと心拍センサの詳細な説明は省略するが、検出部104による検出結果の出力は、予め定められた時間間隔でなされ、直近の出力後に検出された歩数及び心拍数の情報を含む。
【0023】
取得部105は、ゲーム装置100に装着された不図示のメモリカードから、育成ゲームに係る種々の情報を取得する。本実施形態のゲーム装置100は、工場出荷状態において、少なくとも1種類の卵種(初期卵種)に属するキャラクタ群に係る育成ゲームを実行可能に構成されているが、特定のタイミングにおいて取得部105が他の卵種の育成を可能ならしめるメモリカード(卵種カード)から情報を取得することで、新たな卵種(初期卵種以外)に属するキャラクタ群に係る育成ゲームを実行することが可能となる。また詳細は後述するが、本実施形態のゲーム装置100は、育成中のキャラクタを使用した対戦ゲームを実現する1つの手法として、対戦ゲーム用のメモリカード(対戦カード)を使用することが可能に構成される。対戦カードは、いずれかのキャラクタに係る情報が記憶されている場合に取得部105により情報取得がなされることで、情報取得を行ったゲーム装置100において対戦ゲームが実行され、その対戦結果の情報が格納される。そして、当該キャラクタに係る情報を記憶させたゲーム装置100において、再度該対戦カードが装着された場合に、取得部105は対戦結果の情報を取得する。
【0024】
表示制御部106は、ゲーム装置100における情報表示の制御を司る。表示制御部106は、育成中のキャラクタについて記録媒体102に記録されている表示用情報を用いて、例えばLCD等であってよい表示部110に表示させる育成ゲームに係る各種画面を構成する。
【0025】
操作入力部107は、物理的な操作部材(ボタン)等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部107は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。
【0026】
通信部108は、ゲーム装置100が有するスマートフォン200との通信インタフェースである。通信部108は、常時通信接続を行う状態にあるのではなく、上述したように育成ゲームのメニュー等から通信開始に係る項目を選択する操作入力がなされたことに応じて通信接続が可能な状態に移行するよう構成されているものとする。また通信部108は、この他、所定の機器との近接無線通信を行う通信インタフェースを兼ねる。近接無線通信については、該所定の機器との近接が検出されたことに応じて通信接続が行われ、必要な情報の取得がなされた後に切断される。
【0027】
〈スマートフォンの構成〉
次に、本実施形態のゲームシステムに係るスマートフォン200の機能構成について、
図3のブロック図を参照して説明する。以下に説明するスマートフォン200の各種機能構成は、スマートフォン200の固有構成に係るものと、専用アプリケーションが実行されることで実現されるものとを含む。なお、以下の説明において、ゲーム装置100と同様の機能を実現する構成については、峻別するために「端末」の接頭文字を付して示す。
【0028】
端末制御部201は、例えばCPUであり、スマートフォン200が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には端末制御部201は、例えば端末記録媒体202に記録されている各ブロックの動作プログラムや、測定結果の表示機能を含む提示用アプリケーションのプログラムを読み出し、端末メモリ203に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0029】
端末記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。端末記録媒体202は、スマートフォン200が有する各ブロックの動作プログラムや専用アプリケーションに係るプログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータや表示用情報等を記録する。端末メモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。端末メモリ203は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0030】
卵種DB204は、本実施形態のゲームシステムに係る育成ゲームで育成可能な卵種の情報(卵種情報)を管理するデータベースである。卵種情報は、例えば
図14(a)に示されるように、卵種を一意に特定する卵種ID1401に関連付けて、該卵種に属するキャラクタ群を示す所属キャラクタ情報1402、及び該卵種に係るキャラクタ育成の各進化段階における進化条件を示す進化条件情報1403を含んで構成されるものであってよい。ここで、所属キャラクタ情報1402は、該当の卵種に属するキャラクタの各々について、例えば
図14(b)に示されるように、該キャラクタを一意に特定するキャラクタID1411に関連付けて、該当の卵種における該キャラクタの進化段階を特定する進化段階ID1412、及び該キャラクタに関する種々の情報を示す詳細情報1413を含んで構成されるものであってよい。各キャラクタに係る詳細情報1413には、該キャラクタの名称1421、該キャラクタをスマートフォン200において表示させるために用いられる表示用情報1422、ゲーム装置100において該キャラクタの育成を解放するための条件(入手すべき卵種カード)を示す入手情報1423、該キャラクタについて定められたゲーム上のプロフィール1424、後述の対戦ゲームにおいて発動可能な特技を示すスキル情報1425、及び育成ゲームにおいて該キャラクタの調子の更新方法を記述した性質情報1426を含んで構成されるものであってよい。また卵種に係る進化条件情報1403は、該卵種に属するキャラクタの各々について、例えば
図14(c)に示されるように、該キャラクタから次の進化段階で進化可能なキャラクタの各々を特定する進化先キャラクタID1431、それらのキャラクタに進化するために必要な進化スコアの閾値を示す必要進化スコア1432、同じく必要な対戦ゲームの戦績(例えば勝率)を示す必要戦績1433、及び同じく必要なミッションの達成数を示す必要ミッション達成数1434を含んで構成されるものであってよい。なお、ここに示した調子、進化スコア、対戦ゲームの詳細、ミッションの内容については、詳細を後述する。
【0031】
端末表示制御部205は、スマートフォン200における情報表示を司る。端末表示制御部205は、例えば描画用チップ等の描画装置を含み、例えばLCD等であってよい端末表示部210に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。本実施形態のスマートフォン200では、専用アプリケーションを実行することにより、ゲーム装置100において行われている育成ゲームの興趣体験を拡張させる種々の要素を情報表示を介してユーザに提供することができる。
【0032】
端末操作入力部206は、例えば操作部材や各種センサ等の、スマートフォン200が有するユーザインタフェースである。端末操作入力部206は、操作部材や各種センサに対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を端末制御部201に出力する。本実施形態では端末操作入力部206は物理的な操作部材に加え、例えば端末表示部210の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサを含むものとする。
【0033】
端末通信部207は、スマートフォン200が有する外部装置との通信インタフェースである。本実施形態では端末通信部207は、ゲーム装置100との間で近距離無線通信を行い、ゲーム装置100において行われた育成ゲームに係る育成情報を受信することができる。また端末通信部207は、ネットワーク400を介してサーバ300と接続し、情報の送受信が可能に構成されている。
【0034】
〈サーバの構成〉
次に、本実施形態のゲームシステムに係るサーバ300の機能構成について、
図4のブロック図を参照して説明する。なお、サーバ300の機能構成の説明において、ゲーム装置100及びスマートフォン200が有する構成と同様の機能を実現する構成については、これらの構成と峻別するために、「サーバ」との接頭文字を付して示すものとする。
【0035】
サーバ制御部301は、例えばCPUであり、サーバ300が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部301は、例えばサーバ記録媒体302に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、サーバメモリ303に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0036】
サーバ記録媒体302は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記録媒体302は、サーバ300が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。サーバメモリ303は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ303は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0037】
ユーザDB304は、ゲームシステムを利用するユーザの各々について、各種の情報(ユーザ情報)を管理するデータベースである。1人のユーザについて管理されるユーザ情報は、例えば
図14(d)に示されるように、該ユーザを一意に特定するユーザID1441に関連付けて、該ユーザが使用するゲーム装置100において育成中のキャラクタや対戦ゲームに使用したキャラクタを特定する使用キャラクタID1442、後述のネットワーク400を介して行われる対戦ゲームについての戦績情報1443を含んで構成されるものであってよい。
【0038】
サーバ卵種DB305は、サーバ300において行われる対戦ゲームの処理や集計処理で参照するための卵種情報を管理するデータベースである。本実施形態では発明の理解を容易にすべく、卵種情報については、卵種DB204で管理されるものと同様の構成であるものとして説明する。
【0039】
実行部306は、ネットワーク400を介して実現される、各ユーザに係るキャラクタを他のキャラクタと対戦させる対戦ゲームを実行する。ネットワーク400を介して実現される対戦ゲームは、共通敵に対して複数人のユーザの各々がキャラクタを参加させて行われる所謂レイドバトルや、ユーザ同士が互いのキャラクタを対戦させるVSバトルが含まれるものとする。
【0040】
集計部307は、実行部306により実行された対戦ゲームの結果に基づいて加算されるポイントの多寡を集計し、ポイント総数に基づくユーザランキングを構成する。ユーザランキングは、レイドバトル、VSバトルのそれぞれについて構成され、各スマートフォン200において閲覧可能なよう、適時提供されるものとする。ユーザランキングは、各順位のユーザについて、例えばユーザ名、ポイント数、使用したキャラクタの情報を含んで構成されるものであってよい。
【0041】
サーバ通信部308は、サーバ300が有する、他の装置との通信を行うための通信インタフェースである。サーバ通信部308は、有線無線を問わず、所定の通信方式によりネットワーク400を介して各スマートフォン200と接続し、データの送受信を行う。
【0042】
《キャラクタ育成》
続いて、本実施形態のゲームシステムのゲーム装置100において実行される育成ゲームによって実現される、キャラクタの育成要素について概要を説明する。
【0043】
育成ゲームの実行中、例えば
図5に示されるように、基本的には、育成対象の1体のキャラクタ(育成中のキャラクタ)が表示部110に表示され、ゲーム装置100の着用者はその様子を把握することができる。表示部110に表示されるキャラクタは、育成ゲームが進行して成長するごとに、外観が異なるキャラクタに変更される。
【0044】
ゲーム装置100では、例えば
図14(e)に示されるような育成情報を構成して、育成ゲームの進行状況を管理する。図示されるように育成情報は、育成中のキャラクタを一意に特定するキャラクタID1451に関連付けて、現在実行されている育成ゲームにおいて該育成中のキャラクタに至るまでに経てきた進化段階の各キャラクタを示す進化履歴情報1452、該育成中のキャラクタを参加させて行われた対戦ゲームの戦績(対戦数、勝敗)を示す戦績情報1453、該育成中のキャラクタの活動量を示す活動量情報1454、該育成中のキャラクタの調子状態を示す調子情報1455、該育成中のキャラクタの外観を示す表示ステータス1456、次の進化段階の進化先を決定するために参照される進化スコア1457、該育成中のキャラクタについて現在設定されているミッションを示す設定ミッション情報1458、及び該育成中のキャラクタが達成したミッションを示す達成ミッション情報1459を含んで構成されるものであってよい。
【0045】
ゲーム装置100で実行中の育成ゲームについては、少なくとも育成中のキャラクタをキャラクタ群に含む卵種情報が記録媒体102に格納されており、キャラクタID1451及び対応する卵種情報により、育成中のキャラクタがいずれの卵種に属するキャラクタ群のうちのいずれであるか、またいずれの進化段階であるかを特定できる。
【0046】
育成ゲームでは、ゲーム装置100を装着した着用者の活動状態に応じて、育成中のキャラクタの各種状態の更新、進化スコアの蓄積が行われながら進行する。また1つの進化段階に係る計測期間が終了した際の進化スコアの蓄積量に応じて、進化の可否、及び進化先(次の進化段階のキャラクタ)の決定が行われる。以下、育成ゲームの進行中に更新される各種パラメータについて説明する。なお、本実施形態の育成ゲームでは、育成ゲームの進行中に更新される以下の各種パラメータは、成長段階ごとに定められた計測期間について管理されるものとし、当該期間の終了後には一度リセットされ、次の成長段階(もしくは同一の成長段階のやり直し)について再度初期値から更新が行われるとして説明する。
【0047】
〈活動量〉
本実施形態のゲーム装置100では、検出部104が出力する検出結果に基づいて、本発明に係る第1のパラメータとしての各種活動量の情報(活動量情報1454)が更新される。即ち、着用者がゲーム装置100を着用した状態で例えば歩行、ランニング、筋力トレーニング等の活動を行うことで検出結果の出力に変動が生じ、該出力に基づいて着用者の活動状態を示す活動量情報1454が更新される。
【0048】
上述したように、本実施形態の検出部104は歩数と心拍数を検出可能に構成されるため、活動量はその2種類についてそれぞれ管理される。歩数に係る活動量は、育成中のキャラクタの成長段階について定められた計測期間中に検出された歩数の合計値(総歩数)が格納される。一方、心拍数に係る活動量は、検出された心拍数の値が格納される。本実施形態のゲーム装置100では、検出部104は歩数に関しては、1歩分に相当する移動の検出に応じて「歩数+1」の検出結果を出力するため、前者の活動量については、静止状態にある場合には更新されない。対して、心拍数に関しては、検出部104は例えば5分等の所定の時間間隔で検出を行って「1分当たりの拍動数」を検出結果として出力するため、後者の活動量については、同間隔で更新されることになる。
【0049】
即ち、本実施形態の育成ゲームでは、着用者の活動状態は育成中のキャラクタの活動量に反映され、着用者の活動状態が活発であるほど、育成中のキャラクタの活動量も大きい値になる。これにより、育成中のキャラクタとの一体感を着用者に与えることができ、育成中のキャラクタに対する愛着を持たせ、着用者の育成に対する関心、並びに運動意欲を高めることができる。
【0050】
〈調子〉
本実施形態のゲーム装置100では、育成ゲームの興趣性を向上させるべく、キャラクタには本発明に係る第2のパラメータとしての調子の概念が設けられている。調子は、キャラクタの心的状態を表現しており、例えば、「好調」、「普通」、「不調」の3段階で管理される。育成中のキャラクタの調子は着用者の活動状態に応じて推移するが、この推移の条件がキャラクタごとの性質として性質情報1426で定義されている。
【0051】
キャラクタの性質は、キャラクタが好む運動の種類や休息のとり方に応じて、複数種類のいずれかに分類されているものとする。例えば、ストイック(克己的)な性質を有するキャラクタについては、心拍数が高く上昇するような激しい運動を行うことを好み、運動していない状態の持続を嫌う傾向にあるため、高い活動量の状態が継続するほど好調状態に推移し、低い活動量の状態が継続するほど不調状態に推移するよう、調子の更新方法が性質情報1426に記述される。反して、例えばレイジー(怠惰)な性質を有するキャラクタについては、心拍数が高く上昇するような激しい運動を行うことを嫌い、運動していない状態の持続を好む傾向にあるため、高い活動量の状態が継続するほど不調状態に推移し、低い活動量の状態が継続するほど好調状態に推移するよう、調子の更新方法が性質情報1426に記述される。
【0052】
このように育成中のキャラクタの調子については、着用者の活動状態の検出結果だけでなく、キャラクタ固有に定められた性質情報1426を参照して、パラメータ(調子情報1455)の更新がなされる。よって、着用者が活動した分だけ成長させるような単調な育成ゲームではなく、キャラクタの個性に合わせた運動を行う方が好適に成長する等、攻略性の幅を拡げた興趣性の高い育成ゲームを実現することができる。なお、本実施形態の説明では、キャラクタの性質と調子の更新方法の組み合わせについて両極の2種類の例を挙げて説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、他の種類の組み合わせが設けられていてもよいことは容易に理解されよう。
【0053】
〈表示ステータス〉
表示部110に表示される育成中のキャラクタの外観の態様は、表示ステータスによって制御される。1つのキャラクタについて表示ステータスは複数種類設けられており、上述した育成中のキャラクタに係る活動量情報1454及び調子情報1455に応じて、いずれかの種類に係る表示ステータスが決定され、表示ステータス1456が更新される。
【0054】
表示ステータスの決定は、着用者と連動することによる一体感の提示を行うべく、基本的には着用者の活動状態を反映した外観となるよう制御される。より詳しくは、育成中のキャラクタの歩数に係る活動量及び心拍数に係る活動量に応じて、着用者の活動状態を例えば
図6(a)に示される「走り」、「特訓」、「歩き」、「通常」、「休憩」、「未装着」の6種類に分類し、活動状態を反映した外観の表示となるよう育成中のキャラクタの表示ステータス1456が更新される。ここで、歩数に係る活動量及び心拍数に係る活動量のいずれも検出されない「未装着」の状態については、厳密には着用者の活動状態に該当しないが、以下の説明では発明の理解を容易にするため、着用者の活動状態の一態様として言及する。
【0055】
図6(a)に示されるように、本実施形態のゲーム装置100では、着用者の活動状態は、移動(歩行)を行っているか否か、及び心拍数の基礎心拍数からの上昇の程度(2段階の閾値との比較)に応じて上記6種類に分類される。図の例では、例えば心拍数と基礎心拍数の差分が高い方の閾値を上回る状態(心拍数「高」の状態)について、移動を行っているか否かで「走り」の活動状態とするか、「特訓」の活動状態とするかを分けている。ここで、基礎心拍数とは、着用者が、運動をしていない平常状態にある所定のタイミングにおいて計測された着用者の平均的な心拍数を指す。なお、「休憩」の活動状態は、所定時間以上の「通常」の活動状態が継続したことを条件として判定されるものとする。
【0056】
また、心拍数と基礎心拍数の差分が低い方の閾値を下回る状態(心拍数「低」の状態)で、かつ、移動を行っていない「通常」の活動状態については、着用者が育成中のキャラクタの状態を落ち着いて確認できる状況にあると推定されるため、例えば
図6(b)のように、さらに調子情報1455を反映した表示ステータスに設定される。即ち、着用者の活動状態が「通常」に分類される場合は、育成中のキャラクタの調子(「好調」、「普通」、「不調」)に応じた表示ステータスに決定される。
【0057】
当該調子を反映した育成中のキャラクタの表示により、着用者は、行った運動がキャラクタの育成にあたり好適なものであったかを確認しつつ、今後行う運動の参考にすることができる。
【0058】
〈進化スコア〉
本実施形態のゲーム装置100では、育成中のキャラクタの進化先を決定する1つの基準として進化スコアを設ける。進化スコアは、1つの進化段階に係る計測期間中に育成中のキャラクタに生じた事象ごとに蓄積されるパラメータである。本実施形態のゲーム装置100では、以下の3種類の事象について進化スコアの蓄積量を導出し、進化スコア1457を更新する。
・着用者の活動状態の変化
・対戦ゲームの対戦結果
・未装着の状態の継続
【0059】
着用者の活動状態の変化に応じた進化スコアの蓄積量は、歩数に係る活動量と心拍数に係る活動量のそれぞれについて導出された一次スコアを、導出のタイミングにおける育成中のキャラクタの調子に応じて補正することで決定される。歩数に係る進化スコアの蓄積は、総歩数が例えば50の倍数を超えるごとに行われ、一定の値が一次スコアとして設定される。一方、心拍数に係る進化スコアの蓄積は、心拍数の計測のたびに行われ、心拍数と基礎心拍数の差分(心拍数の基礎心拍数からの上昇分)に比例した値が一次スコアとして導出される。また調子に応じた補正は、一次スコアに対して所定の係数を乗じるものであってよく、例えば「好調」の場合には2を、「通常」の場合には1を、「不調」の場合には0.5を、それぞれ一次スコアに乗じることで、進化スコアの蓄積量が決定される。
【0060】
即ち、着用者の活動状態の変化に応じた進化スコアの蓄積量は、着用者の活動状態が活発であるほど多くなる(蓄積頻度が上昇する、または蓄積量が増加する)。また進化スコアの蓄積量は、一次スコアが同一の値であっても、調子に応じて異ならせるよう制御される。
【0061】
対戦ゲームの対戦結果に応じた進化スコアの蓄積は、対戦ゲームに係る対戦結果が得られたタイミングで行われ、蓄積量は基本的には対戦ゲームに勝利した場合に正の値(加算される)、敗北した場合に負の値(減算される)となるよう決定されるものであってよい。ここで、対戦相手のキャラクタとの間で進化段階の違いによる有利不利の関係が生じ得るため、対戦ゲームの対戦結果に応じた進化スコアの蓄積量は、育成中のキャラクタの進化段階と対戦相手のキャラクタの進化段階に応じて変更されるものとする。
【0062】
また、未装着の状態の継続に応じた進化スコアの蓄積量は、基本的には負の値であってよい。一つの側面では、これは、キャラクタの育成を放置した状態が継続することを回避するためのものであり、ユーザをより積極的なゲームプレイに促すべく、進化スコアの減算を行う。他の側面では、後述の進化フローにおけるキャラクタの表示開放を目的とするユーザの興趣体験を維持するためのものであり、過剰に蓄積された進化スコアを、所望する進化先への進化条件を満たす値に調整する救済手段として用いられるものであってよい。
【0063】
なお、計測期間は1時間~48時間等に設定されるものであるところ、ユーザが入浴時や睡眠時に着用を望まないことも考えられる。また就学児等がユーザである場合、常時着用が認められない状態が続くことも考えられる。このような状況を踏まえると、未装着の状態の継続に応じた進化スコアの減算は、育成ゲームへの関心を削ぎ得る可能性があるため、ゲーム装置100を電断状態にしている場合には計測期間の計測に係るタイマーを停止させるよう制御してよい。この他、過度に連続的な運動を着用者に促すことになり得る状況や、対戦ゲーム等で負傷状態となったキャラクタに対して運動を行わせる等、ゲーム進行上の不都合が生じる状況に際しても、キャラクタを休眠状態とし、計測期間の計測に係るタイマーを強制的に停止させるよう制御してもよい。この場合、着用者にその旨を通知する情報を、表示部110を介して提示するようにしてよい。
【0064】
〈対戦ゲーム〉
上述したように、本実施形態のゲームシステムでは、各ユーザは育成中のキャラクタを参加させた対戦ゲームをプレイすることができる。対戦ゲームは、例えばゲーム装置100が所定の機器に近接したことによって行われた近接無線通信を契機としてゲーム装置100で行われるもの、他のユーザが育成したキャラクタの情報が記憶された対戦カードからの情報取得を契機としてゲーム装置100で行われるもの、育成中のキャラクタの情報を対戦カードに記憶させ、該対戦カードが他のゲーム装置100に挿入されたことを契機として該他のゲーム装置100で行われるもの、専用アプリケーションを介してサーバ300に育成中のキャラクタの情報を送信したことを契機としてサーバ300で行われるもの、が設けられていてよい。いずれの態様の対戦ゲームであっても、最終的にはゲーム装置100において対戦結果の情報が取得され、戦績情報1453及び進化スコア1457の更新が行われる。
【0065】
対戦ゲームは、ゲーム装置100における演算負荷を低減すべく、例えば対戦ゲームに参加する各キャラクタについて、進化スコア1457に基づいて体力を、調子情報1455に基づいて攻撃力を、進化段階やキャラクタ種別に基づいて攻撃の成功確率を決定し、所定回数のターン、両キャラクタの攻撃が成功するか否かの抽選を繰り返して、最終的に相手の体力をなくしたキャラクタを勝利とする簡易的な方式で勝敗の決定がなされるものであってよい。
【0066】
なお、他の機器において対戦ゲームが実行される場合、ゲーム装置100間やサーバ300における集計結果と齟齬が生じないよう、対戦結果の取得が行われるまで育成ゲームが進行しない旨を通知するとともに、育成中のキャラクタの表示部110への表示を停止するよう制御されてもよい。
【0067】
〈ミッション〉
また、育成ゲームを好適に進行させるべく、本実施形態のゲーム装置100では、着用者を自発的に運動に促すミッションの設定(受注)が可能に構成される。ミッションは、特定の運動項目についての達成目標を設定するものであり、該達成目標が達成したことを条件として育成中のキャラクタに達成報酬(トロフィー)を付与するものである。
【0068】
ミッションは、継続的なゲーム装置100の着用が実現されるよう、毎日更新されて自動で受注されるデイリーミッション、1日あたりの受注回数に上限が設定されているハードミッション、専用アプリケーションにおいて選択されたことに応じて任意のタイミングで受注されるスペシャルミッション等、種々の種類があってよい。またミッションの対象となる運動項目も、例えば、ミッション受注時からの総歩数や進化スコアの蓄積量等の活動量情報1454に基づいて達成判断が行われるものに加えて、スクワットや腹筋等の検出部104の検出結果に基づいて達成判断が行われるものが含まれていてよい。この他、対戦ゲームの実行に係るものを含んでいてもよい。
【0069】
受注され得るミッションの情報及び達成判断手法の情報は、予め記録媒体102に格納されており、日付の変更や選択操作、あるいはスマートフォン200からの情報取得に応じて、該当するミッションを選択し、必要な情報がメモリ103に展開されればよい。
【0070】
〈進化〉
本実施形態の育成ゲームでは、育成中のキャラクタについての計測期間が経過したことを条件として、進化先となるキャラクタの決定がなされる。育成中のキャラクタから進化可能なキャラクタの情報は、該当の卵種の進化条件情報1403に定められており、このうちのいずれかのキャラクタが進化先のキャラクタとして決定される。進化条件情報1403は、進化可能なキャラクタのそれぞれについて設定された進化条件を定義している。本実施形態では進化条件は、例えば
図7に示されるように、計測期間中における進化スコアの蓄積量、対戦ゲームの勝率、ミッションの達成数(トロフィー付与数)の少なくともいずれかについて、満たすべき値をそれぞれ規定するものであってよい。
【0071】
計測期間が経過すると、達成した進化条件の特定がなされ、進化先となるキャラクタが決定される。このとき、達成した進化条件が複数存在する場合には、例えばそのうちの最も達成が困難な進化条件、あるいは、抽選により選択されたいずれか1つの進化条件に基づいて、進化先となるキャラクタの決定が行われるものであってよい。
【0072】
進化先となるキャラクタが決定すると、ゲーム装置100において、該キャラクタへの進化が可能である旨の通知が行われる。当該通知は、進化させるか否かのユーザの意思確認に係る選択項目を含む。当該通知がなされる状態においては、ユーザによる通知に対する操作入力がなされるまで、いずれのキャラクタについても計測期間に係る計測は行われないよう制御される。
【0073】
そして、進化先となるキャラクタに進化させる旨の項目の選択操作が受け付けられると、進化演出の表示を経て、育成中のキャラクタから進化先となるキャラクタへの進化が遂行される。即ち、当該進化後は、進化先となるキャラクタが、新たな育成中のキャラクタとして設定され、新たな計測期間に係る計測が開始される。より詳しくは、実行されている育成ゲームに係る育成情報について、キャラクタID1451の変更、進化履歴情報1452の更新(進化先となるキャラクタの情報追加)、戦績情報1453、活動量情報1454、調子情報1455、進化スコア1457、及び達成ミッション情報1459の初期化、及び初期化後の活動量情報1454及び調子情報1455に基づく表示ステータス1456の変更が行われる。
【0074】
また、進化先となるキャラクタに進化させない旨の項目の選択操作が受け付けられた場合には、進化に係る処理を行わず、育成中のキャラクタが継続して育成対象となり、計測期間を初期化した上で同一の進化段階に係る計測期間の計測が再度開始される。このとき、育成情報は、戦績情報1453、活動量情報1454、調子情報1455、進化スコア1457の初期化、及び初期化後の活動量情報1454及び調子情報1455に基づく表示ステータス1456の変更のみ行われる。このように進化させない旨の選択を可能ならしめることで、例えば所望の進化先とならなかった場合や、お気に入りのキャラクタから進化させたくない場合等、ユーザの好適なゲームプレイを担保することができる。
【0075】
なお、計測期間の経過後にいずれの進化条件も達成されていなかった場合も、その旨が通知され、同様に同一の進化段階について再計測を行うよう制御される。
【0076】
《専用アプリケーション》
次に、本実施形態のゲームシステムにおいて、スマートフォン200で実行される専用アプリケーションが提供する機能について説明する。本実施形態の専用アプリケーションでは、サーバ300を介した対戦ゲームのゲームプレイ、サーバ300において集計されたユーザランキングの閲覧、スペシャルミッションの受注手続、育成ゲームで育成可能な卵種に係る進化フローの閲覧が可能に構成される。
【0077】
〈対戦ゲームのゲームプレイ及びユーザランキングの閲覧〉
上述したように、本実施形態のゲームシステムでは、ユーザはサーバ300において実行される対戦ゲームに育成中のキャラクタを参加させてゲームプレイを行うことが可能である。対戦ゲームのゲームプレイは、ユーザは使用するゲーム装置100とスマートフォン200とを通信接続させ、実行中の育成ゲームに係る育成情報を専用アプリケーションに反映させたことを条件として提供される。専用アプリケーションを介して行われる対戦ゲームは、ゲーム装置100において実行される対戦ゲームと同様の処理により勝敗が決定されるものであっても、ゲーム装置100とは異なるプレイ体験を提供するものであってもよい。
【0078】
またサーバ300において行われた対戦ゲームについては、対戦結果に基づくユーザランキングが構成されており、該ユーザランキングの情報を取得することで、専用アプリケーションにおいて所定の範囲の順位のユーザの情報の閲覧が可能に構成される。ユーザランキングの閲覧は、少なくとも選択に係る操作入力がなされたユーザについて、該ユーザが対戦ゲーム時に使用していたキャラクタの情報を閲覧することが可能に構成されるものとする。
【0079】
〈スペシャルミッションの受注手続〉
本実施形態のゲーム装置100において設定可能なミッションのうちのスペシャルミッションについて、ユーザは専用アプリケーションを介して受注手続を行うことができる。受注手続は、専用アプリケーション上における、受注可能なミッションの提示及び設定するミッションの選択受け付けと、選択されたミッションの情報のスマートフォン200からゲーム装置100への送信と、を含む。
【0080】
〈進化フローの閲覧〉
本実施形態のゲーム装置100において実行される育成ゲームは、育成可能な卵種について、進化の分岐を経て該卵種に属するいずれかのキャラクタに進化する様子をユーザに提示可能に構成されている。このような態様のゲームでは、未知の態様のキャラクタに進化する興趣体験をユーザに提供できる反面、進化し得るキャラクタの存在をユーザが把握できないまま、ユーザの育成ゲームに対する関心が低減してしまう可能性がある。このため、本実施形態の専用アプリケーションでは、ゲーム装置100において育成ゲームが可能な卵種について、卵種に属するキャラクタ群をユーザに知らしめる進化フローの閲覧が可能に構成される。
【0081】
卵種に係る進化フローは少なくとも、例えば
図8(a)に示されるように、該卵種に属するキャラクタ群について、各進化段階のキャラクタの種類数、即ち、各進化段階で進化し得るキャラクタの数を識別可能に構成されているものとする。
図8(a)は、専用アプリケーションに対応付けられたゲーム装置100において、該卵種のキャラクタの育成ゲームが実行されていない初期状態で表示される進化フローを例示したものであり、全てのキャラクタが識別不可能な態様(「?」で表現)のアイコンで示されているが、各進化段階に配置されたアイコンの数により、進化し得るキャラクタの種類数が把握可能に構成される。また対応付けられたゲーム装置100において育成ゲームが開始された後は、スマートフォン200と該ゲーム装置100とが通信接続されて育成情報の取得がなされたことを条件として、
図8(b)に示されるように、育成済みのキャラクタが識別可能な態様に変更されて進化フローが表示される。育成済みのキャラクタの情報は、取得した育成情報の進化履歴情報1452に含まれており、当該情報に基づいて進化フローの表示用情報が更新されることで、進化フローの表示制御がなされる。
【0082】
また
図8(b)に示されるように、育成中のキャラクタについては、該キャラクタに至るまでに経た進化段階のキャラクタが特定可能なよう、進化フローにおける該当のキャラクタ間を結ぶラインが着色されて表示される。本実施形態に係る育成ゲームは、初期キャラクタからの育成を繰り返し実行することが想定されるゲームであり、特に進化フローにおいて識別可能な態様に変更されたキャラクタが増加した状態において、育成中のキャラクタに至るまでの成長経過が判別しにくくなることも考えられる。このため、例えば進化フローの表示に係り通信接続を行って育成情報が取得された際に、現在実行中の育成ゲームに係り、育成中のキャラクタに至るまでに経た進化段階のキャラクタを段階的に特定する演出を伴いながら、進化フローの表示を行うよう構成してもよい。
【0083】
また、進化フローにおいて識別可能な態様で表示されているキャラクタについては、該キャラクタの表示に対する長押し操作等が受け付けられたことを条件として、例えば
図9(a)に示されるような、操作対象のキャラクタから進化可能な次の段階のキャラクタを特定する表示がなされる。図の例では、キャラクタ901に対する長押し操作が受け付けられた場合に、キャラクタ901について進化条件が規定されているキャラクタ902及び903との間を結ぶラインが着色されて表示されることで、進化可能であることが示されている。このような表示は、
図9(b)に示されるように、次の進化段階の該当キャラクタがいずれも未育成の状態であっても行われるよう構成することで、ユーザを繰り返しのゲームプレイに誘導することができる。
【0084】
この他、進化フローにおいて識別可能な態様で表示されているキャラクタについては、該キャラクタの表示に対する選択操作が受け付けられたことを条件として、該キャラクタの詳細情報が表示される。詳細情報は、キャラクタの所属キャラクタ情報の詳細情報1413に定められている情報であり、例えば
図10(a)に示されるように、該キャラクタのキャラクタ名1001、キャラクタ画像1002、プロフィール1003、使用可能スキル1004、キャラクタ性質1005、及び入手可能製品情報1006の項目が含まれるものであってよい。
【0085】
ところで、ユーザの育成ゲームに対する関心を高めるとの観点では、進化フローにおけるキャラクタの識別可能な態様への変更は、対応付けられたゲーム装置100において育成済みであることを要件とする必要はない。例えば、ユーザランキングにおいて他のユーザの使用キャラクタの情報を取得したことや、対戦ゲームに係る対戦相手のキャラクタの情報を取得したことを条件として、該変更が行われるものであってもよい。即ち、進化フローにおけるキャラクタの識別可能な態様への変更は、サーバ300や近接無線通信相手の機器等のゲーム装置と異なる外部装置から、キャラクタを特定する情報が取得されたことに基づいて行われるものであってもよい。
【0086】
一方で、例えば他のユーザの使用キャラクタの情報を閲覧したことをもって、該キャラクタの育成を行った場合と同様の状態としてしまえば、ユーザ間の公平性が担保されない。このため、外部装置から取得された情報に基づいて変更される識別可能な態様と、対応付けられたゲーム装置100から取得された育成情報に基づいて変更される態様とは、異なるよう制御される。キャラクタの識別可能な態様の差異は、例えば、前者がモノクロかつ不鮮明な画像で表示するのに対し、後者がカラーかつ鮮明な画像で表示する、等で表現されるものであってよい。また進化フローにおける識別可能な態様で表示されているキャラクタの表示に対する操作入力を条件として行われる表示についても、例えば次の段階のキャラクタを特定する情報の表示は参照不可能である旨の通知にする、詳細情報の表示項目はキャラクタ名1001、キャラクタ画像1002、及び入手可能製品情報1006のみとする(
図10(b))等、育成情報に基づく場合と異なる態様としてよい。即ち、進化フローにおけるキャラクタに係る表示変更は、該キャラクタを育成済みであるか否かに応じて異なるよう制御される。
【0087】
なお、本実施形態では、初期状態の進化フローにおいて、全てのキャラクタが識別不可能な態様であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、
少なくとも一部が識別不可能な態様であればよい。この他、進化フローは、初期状態で識別不可能な態様のアイコンとしても表示されないシークレットのキャラクタを含むよう構成されるものであってもよい。当該シークレットのキャラクタについては、ユーザランキングにおける他のユーザの使用キャラクタの情報として取得されたとしても、これを条件としては進化フローに表示させないよう制御され、対応付けられたゲーム装置100から受信した育成情報に含まれていた場合にのみ表示させるよう制御されるものであってよい。
【0088】
また進化フローは、卵種に属するキャラクタ群ごとに設けられており、対応付けられたゲーム装置100からの育成情報を取得しない任意のタイミングにおいても、閲覧可能に構成されるものであってよい。例えば、進化フローの閲覧の前段の表示として、
図11に示されるような、複数の卵種の一覧表示の画面が設けられ、該画面においていずれかの卵種を選択する操作が受け付けられたことを条件として、該当の卵種に係る進化フローの表示が行われればよい。また図示されるように、卵種の一覧表示の画面において、対応付けられたゲーム装置100で現在育成中のキャラクタが属する卵種、即ち、直近に取得された育成情報に係るキャラクタが属する卵種は、識別子1101が付されて判別可能にされるものであってよい。この他、
図11の一覧表示の画面の例では、各卵種について、該卵種における進化フローに含まれるキャラクタの識別可能な態様への変更状態(例えば、全ての詳細情報が確認可能な態様となったキャラクタの割合)の情報1102が示されている。
【0089】
なお、育成ゲームにおいて育成可能な卵種は、例えば新たな卵種カードの販売時やダウンロードコンテンツの購入時等に、サーバ300や近接無線通信相手の機器等の外部装置から必要な情報を受信したことに応じて追加可能に構成されるものであってよい。
【0090】
《状態制御処理》
以下、本実施形態のゲームシステムのゲーム装置100において、育成中のキャラクタの表示状態を制御するために実行する状態制御処理について、
図12のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本状態制御処理は、例えばゲーム装置100の電源が投入された際に開始されるものとして説明する。
【0091】
S1201で、制御部101は、着用者の活動状態について、検出部104の検出結果の情報を取得する。
【0092】
S1202で、制御部101は、S1202において取得された検出結果の情報に基づいて、育成中のキャラクタに係る活動量を更新する。より詳しくは、制御部101は、検出結果の情報に基づいて歩数に係る活動量及び心拍数に係る活動量を導出し、育成情報の活動量情報1454を更新する。
【0093】
S1203で、制御部101は、育成中のキャラクタに係る性質情報1426と検出結果の情報とに基づいて、育成中のキャラクタに係る調子を更新する。より詳しくは、制御部101は、記録媒体102に格納されている卵種情報の性質情報1426を参照して育成中のキャラクタの性質を把握し、着用者の活動状態の検出結果により推移する調子を特定して、育成情報の調子情報1455を更新する。
【0094】
S1204で、制御部101は、更新後の活動量情報1454及び調子情報1455に基づいて、育成中のキャラクタの表示ステータスを更新する。より詳しくは、制御部101は、更新後の活動量情報1454に応じて着用者の活動状態を分類し、活動状態が「通常」以外に分類されるのであれば、該分類に基づいて育成情報の表示ステータス1456を更新する。また制御部101は、着用者の活動状態が「通常」に分類されるのであれば、更新後の調子情報1455に基づいて育成情報の表示ステータス1456を更新する。
【0095】
S1205で、制御部101は、更新後の活動量情報1454及び調子情報1455に基づいて、育成中キャラクタの進化スコアの蓄積に係る処理を行う。より詳しくは、制御部101は、更新後の活動量情報1454に基づいて一次スコアを導出し、該一次スコアに対して更新後の調子情報1455に応じた係数を乗じることで進化スコアの蓄積量を導出し、育成情報の進化スコア1457を更新する(蓄積量を加算した値に変更する)。
【0096】
S1206で、制御部101は、育成中のキャラクタについて行われた対戦ゲームの対戦結果の情報を取得したか否かを判断する。制御部101は、対戦結果の情報を取得したと判断した場合は処理をS1207に移し、取得していないと判断した場合は処理をS1208に移す。
【0097】
S1207で、制御部101は、対戦結果の情報に基づいて育成中のキャラクタの進化スコアの蓄積に係る処理を行う。より詳しくは、制御部101は、対戦結果の情報に含まれる勝敗の情報と育成中のキャラクタ及び対戦相手のキャラクタの進化段階の情報とに基づいて進化スコアの蓄積量を導出し、育成情報の進化スコア1457を更新する。また制御部101は、対戦結果の勝敗の情報に基づいて、育成情報の戦績情報1453を更新する。
【0098】
S1208で、制御部101は、設定中のミッションの達成条件が満たされたか否かを判断する。本ステップの判断は、設定ミッション情報1458に含まれるミッションの情報と育成情報の該当する情報とに基づいて行われる。制御部101は、設定中のミッションの達成条件が満たされたと判断した場合は処理をS1209に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS1210に移す。
【0099】
S1209で、制御部101は、達成済みのミッションの情報を設定ミッション情報1458から削除するとともに、該当のミッションについての達成情報及び報酬の付与に係る情報を達成ミッション情報1459に追加する。
【0100】
S1210で、制御部101は、育成中のキャラクタの進化段階に係る計測期間が経過したか否かを判断する。制御部101は、計測期間が経過したと判断した場合は処理をS1211に移し、経過していないと判断した場合は処理をS1215に移す。
【0101】
S1211で、制御部101は、育成情報の戦績情報1453、進化スコア1457及び達成ミッション情報1459に基づいて、育成中のキャラクタから進化可能なキャラクタのいずれかの進化条件が満たされたか否かを判断する。制御部101は、進化可能なキャラクタのいずれかの進化条件が満たされたと判断した場合は、進化先のキャラクタを決定して処理をS1212に移す。また制御部101は、いずれの進化条件も満たされていないと判断した場合は処理をS1214に移す。
【0102】
S1212で、制御部101は、進化させるか否かの通知を表示部110に表示させるよう表示制御部106を制御し、該通知に対して進化させる旨の選択操作がなされたか否かを判断する。制御部101は、進化させる旨の選択操作がなされた場合は処理をS1213に移し、進化させない旨の選択操作がなされた場合は処理をS1214に移す。
【0103】
S1213で、制御部101は、育成中のキャラクタの進化先のキャラクタへの進化演出を表示制御部106に行わせるとともに、育成情報の更新を行い、処理をS1215に移す。当該更新は、キャラクタID1451の進化先のキャラクタのキャラクタIDへの変更、進化履歴情報1452への進化先のキャラクタのキャラクタIDの追加、戦績情報1453、活動量情報1454、調子情報1455、進化スコア1457、及び達成ミッション情報1459の初期化、初期化後の活動量情報1454及び調子情報1455に基づく表示ステータス1456の変更を含む。また制御部101は、進化先のキャラクタの進化段階に係る計測期間に係る計測を開始させる。
【0104】
一方、計測期間が経過したものの進化を行わない場合、制御部101はS1214で、進化がなされず同一の成長段階について育成ゲームが継続する旨の通知を表示制御部106に行わせるとともに、育成情報の更新を行い、処理をS1215に移す。本ステップで行われる更新は、キャラクタID1451及び進化履歴情報1452に係る変更を行わない以外は、S1213で行われる更新と同様であってよい。また制御部101は、育成中のキャラクタの進化段階に係る計測期間に係る計測を初期化し、再度計測を開始させる。
【0105】
S1215で、表示制御部106は制御部101の制御の下、更新後の表示ステータス1456に基づく態様で育成中のキャラクタを表示部110に表示させる処理を行い、処理をS1201に戻す。
【0106】
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置によれば、着用者の運動意欲を惹起させつつ、育成の多様性及び興趣性を向上させた育成ゲームのゲームプレイを実現することが可能になる。
【0107】
《表示処理》
次に、本実施形態のゲームシステムのスマートフォン200において、対応付けられたゲーム装置100からの育成情報の受信に応じて進化フローを表示するために実行する表示処理について、
図13のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、端末制御部201が、例えば端末記録媒体202に記憶されている専用アプリケーションのプログラムを読み出し、端末メモリ203に展開して実行することにより実現することができる。
【0108】
なお、本表示処理は、例えば対応付けられたゲーム装置100からの育成情報が受信された際に開始されるものとして説明する。また本表示処理の実行に先立って、既に受信した育成情報に基づく育成済みのキャラクタを特定する情報(解放キャラクタ情報)、及び、ユーザランキングの閲覧等により取得された、育成済みではないキャラクタを特定する情報(限定解放キャラクタ情報)は端末記録媒体202に格納されているものとする。また表示対象の進化フローについては、過去に表示された際に識別可能な態様とされたキャラクタの情報(解放状況情報)が、解放キャラクタ情報と限定解放キャラクタ情報のいずれに基づいて識別可能な態様とされたか否かの情報を関連付けて端末記録媒体202に管理されているものとする。
【0109】
S1301で、端末制御部201は、受信した育成情報に基づいて、育成中のキャラクタが含まれる卵種情報の特定を行う。より詳しくは端末制御部201は、育成情報のキャラクタID1451と同一のキャラクタIDを所属キャラクタ情報1402に含む卵種情報を特定する。
【0110】
S1302で、端末制御部201は、受信した育成情報の進化履歴情報1452に基づいて、端末記録媒体202に格納されている解放キャラクタ情報を更新する。また限定解放キャラクタ情報に含まれるキャラクタの情報が進化履歴情報1452に含まれる場合には、端末制御部201は、限定解放キャラクタ情報から当該キャラクタに係る情報を削除する。
【0111】
S1303で、端末表示制御部205は端末制御部201の制御の下、S1301で特定された進化フローを端末表示部210に表示させる。このとき、端末表示制御部205は、解放状況情報を参照して今回の進化フローの表示に際して、キャラクタの表示態様が変化するキャラクタを特定し、該キャラクタの表示態様を変更する処理を行う。具体的には、端末表示制御部205は、解放状況情報、解放キャラクタ情報及び限定解放キャラクタ情報のいずれにも含まれないキャラクタについては、識別不可能な表示態様を維持する。また端末表示制御部205は、解放状況情報に含まれないが、解放キャラクタ情報または限定解放キャラクタ情報に含まれるキャラクタについては、識別不可能な表示態様から識別可能な表示態様に変更する処理を行う。このとき、限定解放キャラクタ情報に含まれるキャラクタについては、モノクロかつ不鮮明な画像を用いて外観を表示する態様に変更され、解放キャラクタ情報に含まれるキャラクタについては、カラーかつ鮮明な画像を用いて外観を表示する態様に変更される。また端末表示制御部205は、解放状況情報に含まれるが限定解放キャラクタ情報に基づいて識別可能な態様とされたキャラクタについて、解放キャラクタ情報に含まれるのであれば、該キャラクタの外観を表示する態様を、カラーかつ鮮明な画像を用いる態様に変更する。
【0112】
S1304で、端末表示制御部205は端末制御部201の制御の下、育成中のキャラクタ及び該育成中のキャラクタに至るまでに経た進化段階のキャラクタを段階的に特定する演出表示を、S1303で表示された進化フローに重畳させて表示させる。
【0113】
このようにすることで、本実施形態の情報通信端末によれば、育成すべきキャラクタを容易に把握可能ならしめることができる。
【0114】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲームシステムは、1以上のコンピュータを該ゲームシステムの各装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0115】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:検出部、105:取得部、106:表示制御部、107:操作入力部、108:通信部、110:表示部、200:スマートフォン、201:端末制御部、202:端末記録媒体、203:端末メモリ、204:卵種DB、205:端末表示制御部、206:端末操作入力部、207:端末通信部、210:端末表示部、300:サーバ、301:サーバ制御部、302:サーバ記録媒体、303:サーバメモリ、304:ユーザDB、305:サーバ卵種DB、306:実行部、307:集計部、308:サーバ通信部、400:ネットワーク