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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】バッテリー
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/566 20210101AFI20241108BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/512 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20241108BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20241108BHJP
【FI】
H01M50/566
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/557
H01M50/55 101
H01M50/536
H01M50/538
H01M50/188
H01M50/184 A
H01M50/505
H01M50/512
H01M50/516
H01M50/627
H01M50/586
H01M50/593
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204411
(22)【出願日】2022-12-21
(65)【公開番号】P2023154390
(43)【公開日】2023-10-19
【審査請求日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】202210357139.6
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211478881.9
(32)【優先日】2022-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】孔 瀟
(72)【発明者】
【氏名】徐 永剛
(72)【発明者】
【氏名】曹 星宇
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-125492(JP,A)
【文献】特開2019-012589(JP,A)
【文献】特開2019-061949(JP,A)
【文献】特開2019-003891(JP,A)
【文献】特開2015-103318(JP,A)
【文献】特開2011-216402(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112421188(CN,A)
【文献】特開2020-013745(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3836297(EP,A1)
【文献】国際公開第2018/155522(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/016747(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/003185(WO,A1)
【文献】中国実用新案第216120651(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/10-50/198
H01M 50/60-50/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極リードを有する少なくとも一つの単体セルを含むセルと、
開口を含み、前記セルを収容した筐体と、
前記開口を覆うカバープレートアセンブリと、
前記カバープレートアセンブリに固定され、前記カバープレートアセンブリを貫通する端子本体および前記筐体の内側に面する前記カバープレートアセンブリの表面に接続されたベースプレートを含む端子と、
を含み、
前記ベースプレートと前記端子本体が、一体形成された素子であり、
前記電極リードが超音波溶接によりタブを形成し、
前記タブが、前記ベースプレートにレーザー溶接され、超音波溶接領域およびレーザー溶接領域を有し、
前記レーザー溶接領域が、前記超音波溶接領域内に位置し、
前記ベースプレート上の前記端子本体の軸の投影が、点Oであり、
前記カバープレートアセンブリの長さ方向に沿って延伸し、且つ前記点Oを通過する直線が、Lであり、前記カバープレートアセンブリの幅方向に沿った中心線が、第3中心線であり、前記直線L上の前記ベースプレートの辺縁の投影が、線分MNを形成し、点Mが、前記第3中心線から最も遠く離れた前記ベースプレート上の点であり、点Nが、前記第3中心線に最も近い前記ベースプレート上の点であり、線分NOの長さ対線分MOの長さの比率、つまり線分NOの長さ/線分MOの長さは、1.5~4である、
バッテリー。
【請求項2】
前記線分NOの前記長さ対前記線分MOの前記長さの比率が、2~3である請求項に記載のバッテリー。
【請求項3】
前記電極リードが、重ね合わせて溶接され、前記タブを形成する請求項に記載のバッテリー。
【請求項4】
前記カバープレートアセンブリが、さらに、前記端子本体にスリーブ接続されたシールリングを含み、前記カバープレートアセンブリに対して垂直な方向に沿った前記レーザー溶接領域の投影が、前記シールリングと重なり合わない請求項に記載のバッテリー。
【請求項5】
各前記電極リードが、積み重ねられて溶接され、前記タブを形成し、溶接することによって形成された領域が、タブ溶接領域であり、前記ベースプレート上の前記端子本体の前記軸の前記投影が、前記点Oであり、前記ベースプレート上の前記タブ溶接領域の中心の投影が、点Qであり、前記点Qが、前記点Oより前記カバープレートアセンブリの前記第3中心線に近い請求項に記載のバッテリー。
【請求項6】
前記点Oおよび前記点Qが、前記カバープレートアセンブリの前記長さ方向に沿った同一線上にはない請求項に記載のバッテリー。
【請求項7】
前記セルが、2つの単体セルを含み、前記2つの単体セルが、前記カバープレートアセンブリの前記幅方向に沿って並んで配置され、前記2つの単体セルと同じ極性を有するタブが、同じベースプレートに溶接された請求項に記載のバッテリー。
【請求項8】
前記同じベースプレートに溶接された前記2つのタブが、前記カバープレートアセンブリの前記幅方向に沿って前記点Oの両側に配置された請求項に記載のバッテリー。
【請求項9】
前記カバープレートアセンブリの前記長さ方向に沿った前記ベースプレートの中心線が、第1中心線であり、前記点Oが、第1中心線に位置し、
前記第1中心線に近い前記タブ溶接領域の境界上の任意の点から前記第1中心線までの距離が、前記端子本体の半径より大きい請求項に記載のバッテリー。
【請求項10】
前記カバープレートアセンブリの前記長さ方向に沿った中心線が、第2中心線であり、前記第1中心線が、前記第2中心線と一致し、前記2つのタブ溶接領域が、前記点Oを対称の中心として、互いに対称的に配置された請求項に記載のバッテリー。
【請求項11】
前記タブ溶接領域が、ストリップ状のタブ溶接領域であり、前記ストリップ状のタブ溶接領域が、前記カバープレートアセンブリの前記長さ方向に沿って延伸し、
前記タブ溶接領域の長さが、aであり、前記点Oと前記第3中心線上の前記点Qの投影点の間の距離が、0.5aより大きいか、それに等しい請求項に記載のバッテリー。
【請求項12】
各前記電極リードが、積み重ねられて溶接され、前記タブを形成し、溶接することによって形成された領域が、タブ溶接領域であり、前記ベースプレートが、中空部を備え、前記中空部が、前記タブ溶接領域および前記端子本体を避けて配置された請求項に記載のバッテリー。
【請求項13】
前記カバープレートアセンブリはカバープレート本体を含み、前記カバープレート本体および前記ベースプレートが、いずれも電解液注入孔を備え、前記2つの電解液注入孔が、同軸的に配置され、前記電解液注入孔は、前記ベースプレートに配置された前記2つのタブの間に位置する請求項に記載のバッテリー。
【請求項14】
前記カバープレートアセンブリの長さ方向に沿った前記ベースプレートの長さが、30mm~70mmである請求項1に記載のバッテリー。
【請求項15】
前記ベースプレートが、前記カバープレートアセンブリに対して平行である請求項1に記載のバッテリー。
【請求項16】
前記単体セルが、主体部および前記主体部に接続された前記タブを有し、
前記タブが、湾曲して前記ベースプレートに接続され、前記タブと前記主体部の間に分離領域が形成され、
前記バッテリーが、さらに、前記タブの側面および/または前記分離領域に面する前記主体部に配置された絶縁体を含む請求項1に記載のバッテリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーの分野に関するものであり、特に、バッテリーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の急速な発展に伴い、電気自動車用のバッテリーに関する研究がますます増え、バッテリーは、より広範囲に利用されるようになった。
【0003】
従来のバッテリーは、通常、タブを接続プレートに溶接してから、接続プレートを端子に溶接する。そのため、処理工程が多く、溶接コストが高くなるため、バッテリーの製造に不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、バッテリーの製造をより便利に行い、溶接コストを下げることのできるバッテリーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術課題を解決するため、本発明の1つの実施形態は、セル、筐体、カバープレートアセンブリ、および端子を含むバッテリーを提供する。セルは、タブを含む。筐体は、開口を含み、セルは、筐体内に収容される。カバープレートアセンブリは、開口を覆う。端子は、カバープレートアセンブリに固定され、端子は、カバープレートアセンブリを貫通する端子本体および筐体の内側に面するカバープレートアセンブリの表面に接続されたベースプレートを含み、タブは、ベースプレートに溶接される。
【0006】
1つの実施形態において、ベースプレート上の端子本体の軸の投影は、点Oである。カバープレートアセンブリの長さ方向に沿って延伸し、且つ点Oを通過する直線は、Lであり、カバープレートアセンブリの幅方向に沿った中心線は、第3中心線であり、直線L上のベースプレートの辺縁の投影は、線分MNを形成し、点Mは、第3中心線から最も遠く離れたベースプレート上の点であり、点Nは、第3中心線に最も近いベースプレート上の点であり、線分NOの長さ対線分MOの長さの比率、つまり線分NOの長さ/線分MOの長さは、1.5~4である。
【0007】
1つの実施形態において、線分NOの長さ対線分MOの長さの比率は、2~3である。
【0008】
1つの実施形態において、端子は、一体形成された素子である。
【0009】
1つの実施形態において、セルは、少なくとも1つの単体セルを含み、単体セルは、複数の電極リードを有し、電極リードは、重ね合わせて溶接され、タブを形成する。
【0010】
1つの実施形態において、電極リードは、超音波溶接によりタブを形成し、タブは、ベースプレートにレーザー溶接される。タブは、超音波溶接領域およびレーザー溶接領域を有し、レーザー溶接領域は、超音波溶接領域内に位置する。カバープレートアセンブリは、さらに、端子本体にスリーブ接続されたシールリングを含み、カバープレートアセンブリに対して垂直な方向に沿ったレーザー溶接領域の投影は、シールリングと重なり合わない。
【0011】
1つの実施形態において、各電極リードは、積み重ねられて溶接され、タブを形成し、溶接することによって形成された領域は、タブ溶接領域である。ベースプレート上の端子本体の軸の投影は、点Oであり、ベースプレート上のタブ溶接領域の中心の投影は、点Qであり、点Qは、点Oよりカバープレートアセンブリの第3中心線に近い。
【0012】
1つの実施形態において、点Oおよび点Qは、カバープレートアセンブリの長さ方向に沿った同一線上にはない。
【0013】
1つの実施形態において、セルは、2つの単体セルを含み、2つの単体セルは、カバープレートアセンブリの幅方向に沿って並んで配置される。2つの単体セルと同じ極性を有するタブは、同じベースプレートに溶接される。
【0014】
1つの実施形態において、同じベースプレートに溶接された2つのタブは、カバープレートアセンブリの幅方向に沿って点Oの両側に配置される。
【0015】
1つの実施形態において、カバープレートアセンブリの長さ方向に沿ったベースプレートの中心線は、第1中心線であり、点Oは、第1中心線に位置する。第1中心線に近いタブ溶接領域の境界上の任意の点から第1中心線までの距離は、端子本体の半径より大きい。
【0016】
1つの実施形態において、カバープレートアセンブリの長さ方向に沿った中心線は、第2中心線であり、第1中心線は、第2中心線と一致する。2つのタブ溶接領域は、点Oを対称の中心として、互いに対称的に配置される。
【0017】
1つの実施形態において、タブ溶接領域は、ストリップ状のタブ溶接領域であり、ストリップ状のタブ溶接領域は、カバープレートアセンブリの長さ方向に沿って延伸する。タブ溶接領域の長さは、aであり、点Oと第3中心線上の点Qの投影点の間の距離は、0.5aより大きいか、それに等しい。
【0018】
1つの実施形態において、各電極リードは、積み重ねられて溶接され、タブを形成し、溶接することによって形成された領域は、タブ溶接領域である。ベースプレートは、中空部を備え、中空部は、タブ溶接領域および端子本体を避けて配置される。
【0019】
1つの実施形態において、カバープレート本体およびベースプレートは、いずれも電解液注入孔を備え、2つの電解液注入孔は、同軸的に配置され、電解液注入孔は、ベースプレートに配置された2つのタブの間に位置する。
【0020】
1つの実施形態において、カバープレートアセンブリの長さ方向に沿ったベースプレートの長さは、30mm~70mmである。
【0021】
1つの実施形態において、ベースプレートは、カバープレートアセンブリに対して平行である。
【0022】
1つの実施形態において、セルは、少なくとも1つの単体セルを含み、単体セルは、主体部および主体部に接続されたタブを有する。タブは、湾曲してベースプレートに接続され、タブと主体部の間に分離領域が形成される。単体セルは、さらに、タブの側面および/または分離領域に面する主体部に配置された絶縁体を含む。
【0023】
本発明の1つの実施形態は、また、バッテリーの製造方法を提供し、製造方法は、以下のステップを含む。端子をバッテリーのカバープレートアセンブリに固定し、端子のベースプレートは、カバープレートアセンブリの背面に位置する。セル上の複数の電極リードを重ね合わせてから溶接し、電極リードは、溶接された後、セルのタブを形成する。タブをベースプレートに溶接する。
【0024】
1つの実施形態において、電極リードは、重ね合わせて溶接された後、タブ溶接領域を形成する。タブをベースプレートに溶接するステップは、タブをベースプレートに溶接して、端子溶接領域を形成するステップを含み、端子溶接領域は、タブ溶接領域内に位置する。
【0025】
1つの実施形態において、タブは、超音波溶接工程を採用して、ベースプレートに溶接される。
【0026】
1つの実施形態において、タブは、レーザー溶接工程を採用して、ベースプレートに溶接される。
【0027】
1つの実施形態において、端子は、円柱の端子本体およびベースプレートを含み、カバープレートアセンブリは、端子本体にスリーブ接続されたシールリングを含む。
【0028】
タブをベースプレートに溶接するステップにおいて、溶接する時、カバープレートアセンブリに対して垂直な方向に沿った溶接領域の投影は、シールリングと重なり合わない。
【0029】
1つの実施形態において、バッテリーの製造方法は、さらに、以下のステップを含む。タブをベースプレートに溶接した後、タブを湾曲させて、セルをカバープレートアセンブリに対して垂直にする。セルをバッテリーの筐体内に入れる。カバープレートアセンブリを筐体に溶接する。
【発明の効果】
【0030】
先行技術と比較して、本発明の実施形態において、端子は、端子本体およびベースプレートを含む。つまり、ベースプレートは、端子の一部であり、タブは、ベースプレートに直接溶接されるため、接続プレートを省略することができる。タブを接続プレートに溶接してから接続プレートをベースプレートに溶接する必要がないため、接続プレートの処置工程が減り、それにより、バッテリー製造の便利性を向上させ、溶接コストを下げることができる。
【0031】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。タブを端子に直接溶接することによって、セル構造部材の重量が減り、溶接プロセスが簡易化されるため、それにより、エネルギー密度が増加し、コストが下がり、効率が上がる。さらに、端子のベースプレートのサイズを最適化することによって、本発明の実施形態が提供するタブと端子の間を直接溶接接続する構造および方法は、カバープレートアセンブリの幅対長さの比率が1:4より大きいバッテリに応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0033】
図1】本発明の1つの実施形態に係るバッテリーを製造するステップの図である。
図2】本発明の1つの実施形態に係るバッテリーの構造概略図である。
図3】1つの実施形態に係るセル内のタブをベースプレートに溶接した後の構造概略図である。
図4図3の領域Aの拡大図である。
図5】本発明の1つの実施形態に係るバッテリーの筐体を除去した後の構造概略図である。
図6】本発明の1つの実施形態に係るカバープレートアセンブリの平面図である。
図7図6の領域AAの断面図である。
図8図7の領域Bの拡大図である。
図9】本発明の1つの実施形態に係るカバープレートアセンブリの拡大図である。
図10】本発明の1つの実施形態に係る端子の構造概略図である。
図11】本発明の1つの実施形態に係るカバープレートアセンブリの平面図である。
図12図11の領域BBの断面図である。
図13図12の領域Cの拡大図である。
図14】本発明の1つの実施形態に係るベースプレートの構造概略図である。
図15】本発明の1つの実施形態に係るバッテリーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施形態の目的、技術方案および利点をより明確にするために、以下、本発明の様々な実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。しかしながら、当業者は、本発明の様々な実施形態において、読者が本発明をよりよく理解するために、多くの技術的詳細が提供されることを理解することができる。しかしながら、これらの技術的詳細および以下の各実施形態に基づく様々な変更および修正がなくても、本発明によって請求される技術方案を実現することができる。
【0035】
以下の説明では、開示された各実施形態を説明する目的から、開示された各実施形態を完全に理解するために、何らかの具体的な詳細を記載する。ただし、当業者は、実施形態がこれらの具体的な詳細のうちの1つまたは複数なしに実施されてもよいことを認識するべきである。他の場合では、実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、本出願に関連する周知のデバイス、構造、および技術は、詳細に示されないか、または記載されない可能性がある。
【0036】
文脈で特に必要とされない限り、明細書および請求の範囲を通して、「備える」という用語とそのバリエーション、例えば「含む」や「有する」などは、オープンで包括的な意味を有すると理解するべきであり、すなわち、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0037】
以下、本発明の目的、特徴、および利点をよりよく理解するために、図面を参照しながら本発明の様々な実施形態について詳しく説明する。図面に示される実施形態は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の技術方案の本質的な精神を説明するものであることを理解するべきである。
【0038】
明細書全体にわたる「1つの実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に説明される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、明細書全体の各箇所における「1つの実施例では」または「実施形態では」という表現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。また、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の方法で組み合わせることができる。
【0039】
本明細書および添付の請求の範囲で使用されるように、単数形「一」および「前記」は、文脈がそうでないことを明確に記載しない限り、複数の指示対象も含む。「または」という用語は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「および/あるいは」を含む意味で一般的に使用される。
【0040】
下記の説明において、本発明の構造および動作形態を明確に示すために、多くの方向性の語を用いて説明するが、「前」、「後」、「左」、「右」、「外」、「内」、「外側に」、「内側に」、「上」、「下」などの語は、限定的な語ではなく、便宜上の語として理解されるべきである。
【0041】
タブがセルの上側から延伸する従来の二次電池では、接続プレートを採用して端子とタブを電気接続するが、処理工程が多く、接続プレートを介して端子とタブを接続することによって、溶接コストも増加する。また、セルのサイズが増加して、正端子と負端子の間の距離が増加するにつれ、接続プレートの幅も増加するため、それにより、原材料のコストが増え、エネルギー密度が減少する。
【0042】
本願の発明者は、この問題について研究し、タブを端子に直接溶接するバッテリー構造および製造方法を提案した。しかしながら、検証の際に、セルの幅対長さの比率が大きい時、例えば、セルの幅対長さの比率が1:3より大きい時、正および負端子とタブの間の距離に関する従来の工業規格に基づいて、セルのタブを端子のベースプレートに溶接するために、タブの位置をセルの長さの両端に沿って円弧状領域の位置に相対的に近接する必要があるため、タブが曲がったり丸まったりしやすく、それにより、溶接効果に影響を与え、タブが裂けやすいことを発見した。また、タブを端子の円柱本体の底部に直接溶接した時、発生した熱によって端子の円柱本体の底部にある下部プラスチックが溶融しやすいため、それにより、バッテリの性能に影響を与える。発明者は、さらに、この問題について研究を行い、端子の底部のサイズおよび溶接位置を調整することによってこの問題を解決し、溶接性能を改善できることを発見した。
【0043】
以下、本発明の第1実施形態に係るバッテリーについて、図面を参照しながら説明する。図2および図4に示すように、バッテリーは、筐体4、カバープレートアセンブリ2、端子1、および2つの単体セル3を含む。筐体4は、開口を含み、各単体セル3は、カバープレートアセンブリ2に対して垂直であり、各単体セル3は、筐体4に収容され、カバープレートアセンブリ2は、開口を覆い、筐体4に固定して接続される。具体的に説明すると、カバープレート本体22および筐体4は、溶接により接続することができる。本実施形態において、2つの単体セル3は、セルを形成し、別の実施形態において、セルは、1つの単体セルまたは本実施形態より多い単体セルを含むことができる。各単体セル3は、カバープレートアセンブリ2とともにわずかな傾斜で筐体内に配置されてもよい。端子1は、カバープレートアセンブリ2に固定され、端子1は、カバープレートアセンブリ2およびベースプレート11を貫通する端子本体12を含み、ベースプレート11は、カバープレートアセンブリ2の背面に位置し、タブ31は、ベースプレート11に溶接される。言及すべきこととして、端子1は、一体形成された素子である。つまり、ベースプレート11は、端子1の底部に形成されたプレート本体であり、その面積は、端子本体12より大きい。タブ31は、ベースプレート11に直接溶接されるため、接続プレートを省略することができる。タブ31を接続プレートに溶接してから接続プレートをベースプレート11に溶接する必要がないため、接続プレートの処理工程が減り、それにより、バッテリーの製造の便利性を向上させることができる。
【0044】
また、単体セル3は、複数の電極リードを有し、電極リードは、重ね合わせて溶接され、タブ31を形成し、タブ31は、ベースプレート11に溶接される。
【0045】
具体的に説明すると、図4に示すように、電極リードを重ね合わせて溶接した後、タブ31上にタブ溶接領域312が形成される。タブ31をベースプレート11に溶接した後、タブ31上に端子溶接領域313が形成される。
【0046】
好ましくは、端子溶接領域313は、タブ溶接領域312内に位置し、さらに好ましくは、タブ溶接領域312の表面は、粗面であり、且つ端子溶接領域は、レーザー溶接領域である。
【0047】
さらに好ましくは、タブ溶接領域312は、超音波溶接領域である。具体的に説明すると、電極リードは、超音波溶接によりタブ31を形成し、タブ31は、ベースプレート11にレーザー溶接される。つまり、タブ溶接領域312は、超音波溶接領域であり、端子溶接領域313は、レーザー溶接領域である。しかしながら、注意すべきこととして、いくつかの実施形態において、タブ溶接領域312および端子溶接領域313は、抵抗溶接等の他の溶接方法を採用して形成されてもよい。
【0048】
また、図1図4に示すように、端子1は、ベースプレート11を含むだけでなく、端子本体12も含む。ベースプレート11は、カバープレートアセンブリ2の背面に位置し、カバープレートに対して平行であり、端子1は、カバープレートアセンブリ2を貫通して配置され、ベースプレート11および端子本体12は、一体形成された素子であり、好ましくは、ベースプレート11および端子本体12は、互いに垂直である。カバープレートアセンブリ2は、端子1の端子本体12の外側にスリーブ接続されたシールリング21を含む。カバープレートアセンブリに対して垂直な方向に沿った端子溶接領域313の投影は、シールリング21と重なり合わない。タブ31をベースプレート11に溶接するプロセスの間、端子本体12の外側にスリーブ接続されたシールリング21が損傷するのを防ぐために、カバープレートアセンブリ2に対して垂直な方向に沿った端子溶接領域313の中心の投影は、シールリング21から遠く離して配置される。
【0049】
好ましくは、ベースプレート11は、カバープレートアセンブリ2の中心方向に向かってカバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿って延伸する。
【0050】
具体的に説明すると、図4に示すように、接続プレートが省略されるため、タブ31をベースプレート11に直接溶接できるようにするために、ベースプレート11の面積を増やし、ベースプレート11は、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿ってカバープレートアセンブリ2の中心方向に向かって延伸する。図4に示すように、ベースプレート11上の端子本体12の軸の位置は、点Oであり、ベースプレート11上のタブ溶接領域312の中心の正投影は、点Qである。カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿って、ベースプレート11上の点Oは、ベースプレート11のカバープレートアセンブリ2の中心から遠く離れた側に位置し、ベースプレート11上の点Qは、ベースプレート11のカバープレートアセンブリ2の第3中心線に近い側に位置する。つまり、点Qは、点Oよりカバープレートアセンブリ2の第3中心線に近い。
【0051】
さらに、点Oおよび点Qは、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿った同一線上にはない。
【0052】
つまり、点Oは、カバープレートアセンブリ2の中心からできる限り遠く離れるように配置され、点Qは、カバープレートアセンブリ2の中心に近接して配置されるため、点Oと点Qをできる限り遠くに離すことができる。端子溶接領域313は、タブ溶接領域312内に位置するため、タブ溶接領域312の中心が端子1の位置から遠くに離れた時、端子溶接領域313をシールリング21からできる限り遠く離れるように維持することができ、タブ31をベースプレート11に溶接した時にシールリング21が損傷するのを防ぐことができる。
【0053】
また、好ましくは、図4に示すように、端子溶接領域313は、タブ溶接領域312の中心領域に位置し、より好ましくは、端子溶接領域313の中心は、タブ溶接領域312の中心と一致する。
【0054】
また、図4に示すように、タブ溶接領域312は、ストリップ状のタブ溶接領域312であり、ストリップ状のタブ溶接領域312は、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿って延伸する。つまり、タブ溶接領域312の長さ方向は、カバープレートアセンブリ2の長さ方向と同じである。タブ溶接領域312の長さは、aであり、カバープレートアセンブリ2の幅方向延伸線5に沿った点Qと点Oの間の垂直距離bは、0~0.5aの範囲内にある。つまり、点Oと第3中心線上の点Qの投影点の間の距離は、0.5aより大きいか、それに等しい。
【0055】
好ましくは、タブ溶接領域312の長さは、aであり、カバープレートアセンブリ2の幅方向延伸線5に沿った点Qと点Oの間の垂直距離bは、0.5a、0.6a、0.7a、0.8a、0.9a、およびaのうちの任意の2つによって構成される区間の範囲内であってもよいが、本発明はこれに限定されない。これにより、点Oと点Qの間の距離ができる限り遠くになるため、タブ31をベースプレート11に溶接した時、高い溶接温度によってシールリング21に生じる熱的影響を減らす、または取り除くことができる。
【0056】
また、図4および図14に示すように、ベースプレート11は、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿ってカバープレートアセンブリ2の中心部に向かって延伸するため、ベースプレート11が拡張され、タブ31をベースプレート11に溶接するのに便利である。具体的に説明すると、図4および図14に示すように、ベースプレート11は、互いに対向して配置された第1側113および第2側114を含み、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿って、第1側113と点Oの間の距離c対第2側114と点Oの間の距離dの比率は、1.5から4までの任意の数である。つまり、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿って延伸し、且つ点Oを貫通する直線は、Lであり、カバープレートアセンブリ2の幅方向に沿った中心線は、第3中心線であり、直線L上のベースプレートの辺縁の投影は、線分MNを形成し、点Mは、第3中心線から最も遠いベースプレート上の点であり、点Nは、第3中心線に最も近いベースプレート上の点であり、線分NOの長さ対線分MOの長さの比率は、1.5~4である。好ましくは、線分NOの長さ対線分MOの長さの比率は、2~3である。ベースプレート11が十分な長さを有することによって、タブ31とベースプレート11の間の溶接領域をベースプレート11上の端子本体12の領域からずらすことができ、単体セル31を筐体4に入れた後、タブ31を直接ベースプレートに向けることができるため、タブ31をベースプレート11に溶接するのに便利である。
【0057】
選択的に、点Pと点Oの間の長さ対点Qと点Oの間の長さの比率は、2~3である。好ましくは、点Pと点Oの間の長さ対点Qと点Oの間の長さの比率は、2.5である。
【0058】
図4および図14に示すように、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿って、ベースプレート11の長さは、30から70mmまでの任意の数である。c対dの比率が1.5より大きく、且つベースプレート11の長さが30mmより大きい時、タブ31および端子本体12の位置をより便利にずらすことができるため、端子1の溶接領域は、シールリング21をできる限り避けることができる。c対dの比率が4を超える時、またはベースプレート11の長さが70mmより大きい時は、ベースプレート11が長すぎることによって、内部抵抗が増加する。
【0059】
また、図4に示すように、本実施形態において、カバープレートアセンブリ2の幅方向に沿って、点Qは、点Oのカバープレートアセンブリ2の中心に近い側に位置する。具体的に説明すると、本実施形態において、図4に示すように、2つの単体セル3は、カバープレートアセンブリ2の幅方向に沿ってカバープレートアセンブリ2の両側に対向配置される。つまり、2つの単体セル3は、カバープレートアセンブリ2の幅方向に沿って並んで配置され、2つの単体セル3と同じ極性を有するタブは、同じベースプレートに溶接される。同時に、2つの単体セル上の2つのタブ31は、カバープレートアセンブリ2の幅方向に沿って点Oの両側に対向配置される。つまり、点Oは、2つの単体セル3の2つのタブ31の中心に位置する。別の実施形態において、2つの単体セル3と同じ極性を有するタブは、積み重ねて一緒に溶接してもよい。この時、2つの単体セル3上の2つのタブ31は、カバープレートアセンブリ2の幅方向に沿った点Oの両側にはない。
【0060】
また、好ましくは、図4に示すように、点Oおよび2つのタブ溶接領域312は、カバープレートアセンブリ2の幅方向に沿って間隔を空けて配置されるため、2つのタブ溶接領域312を点Oからできる限り遠くに離すことができる。同時に、図4に示すように、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿ったベースプレート11の中心線は、第1中心線であり、点Oは、第1中心線に位置し、第1中心線に近いタブ溶接領域312の境界上の任意の点から第1中心線までの距離は、端子本体12の半径より大きいため、タブ31をベースプレート11に溶接した時、溶接する辺縁は、端子本体12から遠く離れているため、高い溶接温度によるシールリング21への熱的影響を減らす、または取り除くことができる。
【0061】
また、図4に示すように、好ましくは、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿った中心線は、第2中心線であり、第1中心線は、第2中心線と一致し、2つのタブ溶接領域312は、点Oを対称の中心として、互いに対称的に配置される。
【0062】
また、図5図13に示すように、カバープレートアセンブリ2は、シールリング21を含むだけでなく、カバープレート本体22、上部プラスチックリング23、および下部プラスチックリング24も含む。カバープレート本体22は、取り付け孔を備える。端子1の端子本体12は、取り付け孔の中に位置し、取り付け孔の孔壁から間隔を空けて配置される。上部プラスチックリング23は、カバープレート本体22の前面に固定され、上部プラスチックリング23は、端子本体12の外側にスリーブ接続され、下部プラスチックリング24は、カバープレート本体22の背面に配置されて、端子本体12の外側にスリーブ接続され、ベースプレート11は、下部プラスチックリング24の背面に位置する。下部プラスチックリング24は、ベースプレート11とカバープレート本体22の間に位置し、ベースプレート11をカバープレート本体22から分離することができる。また、図13に示すように、シールリング21は、端子本体12にスリーブ接続され、端子本体12と取り付け孔の間の間隙を密封することができる。具体的に説明すると、上部プラスチックリング23は、端子本体12およびカバープレート本体22に固定して接続され、例えば、接着剤等で貼り付けてもよく、当然のことながら、係合させてもよい。
【0063】
当然のことながら、いくつかの実施形態において、カバープレートアセンブリ2は、本発明の範囲を逸脱しない限り、先行技術において開示されたカバープレートアセンブリ2の他の構造を有することもできる。
【0064】
本実施形態において、図9に示すように、カバープレート本体22は、ストリップ状のカバープレートである。カバープレートの長さ方向に沿って対向配置された2つの端子1、上部プラスチックリング23、シールリング21、および下部プラスチックリング24がある。2つの端子1のうちの1方は、正端子13であり、他方は、負端子14である。2つの端子1の構造は同じであり、タブ31を有する溶接領域も同じである。
【0065】
図9に示すように、2つの単体セル3は、カバープレート本体22の幅方向に沿ってカバープレート本体22の両側に対向配置される。各セル3は、2つのタブ31を有し、2つのタブ31のうちの1つは、正極タブ314であり、他のタブ31は、負極タブ315である。正極タブ314は、正端子13に溶接され、負極タブ315は、負端子14に溶接される。2つのタブ31のベースプレート11は、いずれもカバープレート本体22の長さ方向に沿ってカバープレート本体22の中心方向に向かって延伸する。
【0066】
また、図14に示すように、ベースプレート11は、拡張されるため、ベースプレート11の質量も増加する。ベースプレート11の重量を減らして材料を節約するために、図14に示すように、ベースプレート11は、また、中空部を備える。中空部は、端子1の溶接領域および端子本体12を避けて配置される。具体的に説明すると、本実施形態において、点Oの両側に2つのノッチ115がある。2つのノッチ115を提供した後、ベースプレート11の重量を効果的に減らすことができる。当然のことながら、いくつかの実施形態において、中空部は、ベースプレート11に提供される貫通孔であってもよく、ノッチ115の位置は、端子1の溶接領域および端子本体12を避けることさえできれば、必要に応じて調整することができる。また、図5に示すように、バッテリーは、筐体4も含む。筐体4は、開口を有し、各単体セル3は、カバープレートアセンブリ2に対して垂直であり、各単体セル3は、筐体4内に位置し、カバープレートアセンブリ2のカバープレート本体22は、開口上で覆われ、筐体4に固定して接続される。具体的に説明すると、カバープレート本体22および筐体4は、溶接により接続されてもよい。
【0067】
バッテリーの製造ステップは、以下の通りである。
【0068】
まず、カバープレートアセンブリ2を準備し、端子1とカバープレートアセンブリ2を組み立てる。
【0069】
図4に示すように、カバープレート本体22の幅方向に沿って、2つの単体セル3をカバープレートアセンブリ2の両側に対向配置する。
【0070】
図4に示すように、単体セル3の電極リードを超音波溶接により一緒に溶接して、タブ31をベースプレート11上に置き、タブ31をレーザー溶接によりベースプレート11に溶接する。レーザー溶接領域は、超音波溶接領域内にある。
【0071】
単体セル3を引き抜いて、単体セル3のタブ31を湾曲させ、単体セル3をカバープレートアセンブリ2に対して垂直にして、図5および図8に示した状態を形成する。具体的に説明すると、図15に示すように、単体セル3は、主体部32およびタブ31を含み、タブ31は、湾曲してベースプレート11に溶接され、タブ31と主体部32の間に分離領域30が形成される。バッテリーは、また、絶縁体9を含む。絶縁体9は、分離領域30内に配置され、絶縁体9は、タブ31の側面および分離領域30に面する主体部32に取り付けられる。2つの単体セルがある。絶縁体9の一端は、1つの単体セルの主体部32上にあり、他端は、別の単体セルの主体部32上にある。絶縁体9は、1つの単体セルから別の単体セルに延伸する。タブの分離領域30に面する2つの単体セルと同じ極性を有する側面は、いずれも絶縁体9によって取り付けられるため、タブ31は、湾曲した後、主体部32から分離される。絶縁体9は、絶縁テープまたは断熱材等であってもよい。別の実施形態において、絶縁体9は、タブの分離領域に面する側のみに取り付けられてもよく、または主体部の分離領域に面する側のみに取り付けられてもよい。本実施形態において、2つの単体セル3を例に挙げるが、別の実施形態において、1つの単体セル3またはそれ以上の単体セル3があってもよい。
【0072】
単体セル3を筐体4内に入れ、カバープレート本体22と筐体4を一緒に溶接し、バッテリーの予備製造が完了する。
【0073】
当然のことながら、実際の状況において、必要に応じて電解質溶液を筐体4に注入してもよい。そのため、図9および図10に示すように、カバープレート本体22およびベースプレート11は、いずれも電解液注入孔6を備える。2つの電解液注入孔6は、同軸的に配置され、電解液注入孔6は、2つのタブ31の間に位置する。
【0074】
本発明の第2実施形態は、バッテリーの製造方法に関する。第1実施形態に基づくバッテリーの製造方法は、図1図4に示した通りである。バッテリーの製造方法は、以下のステップを含む。
【0075】
端子1をバッテリーのカバープレートアセンブリ2に固定する。端子1のベースプレート11は、カバープレートアセンブリ2の背面に位置する。
【0076】
電極リードをセル上で重ね合わせ、重ね合わせた電極リードを溶接し、溶接した後、電極リードは、セルのタブ31を形成する。
【0077】
タブ31をベースプレート11に溶接する。
【0078】
好ましくは、ベースプレート11は、カバープレートアセンブリ2の長さ方向に沿ってカバープレートアセンブリ2の中心方向に向かって延伸する。そのため、ベースプレート11にレーザー溶接可能領域を提供することができる。
【0079】
溶接してタブ31を形成した後、タブ31は、ベースプレート11に直接溶接されるため、接続プレートを省略することができる。タブ31を接続プレートに溶接してから接続プレートをベースプレート11に溶接する必要がないため、接続プレートの処理工程が減り、それにより、バッテリーの製造の便利性を向上させることができる。
【0080】
好ましくは、重ね合わせた電極リードを溶接した後、タブ31上にタブ溶接領域312を形成する。
【0081】
タブ31をベースプレート11に溶接するステップは、具体的に、以下を含む。タブ溶接領域312で溶接することにより、タブ31をベースプレート11に溶接し、溶接した後、タブ31上に端子溶接領域313を形成する。
【0082】
端子溶接領域313は、タブ溶接領域312内に位置する。
【0083】
プロセスの制限により、端子溶接領域313をタブ溶接領域312で溶接しなかった場合、例えば、電極リードが接合されていない領域で溶接した時、電極引き出し本体の各層間に間隙が生じるため、溶接不良を起こす。
【0084】
注意すべきこととして、本実施形態の単体セルは、ワインディングセルである。ワインディングセルは、正電極フィルム、分離フィルム、および負電極フィルムを積み重ねることによって形成される。正電極フィルム、分離フィルム、および負電極フィルムは、1つのセル群に結合される。複数のコア群があり、セル群が順番に積み重ねられる。各正電極フィルムおよび各負電極フィルムは、いずれも1つの電極引き出し本体を有する。各正電極フィルムの電極引き出し本体は、突き合わせ接合してから溶接され、正極タブ314を形成し、各負電極フィルムの電極引き出し本体は、突き合わせ接合してから溶接され、負極タブ315を形成する。
【0085】
また、先行技術では、接続プレートを配置してタブ31に接続するため、ベースプレート11は、通常、非常に制限される。ベースプレート11の面積は、基本的に、シールリング21の面積に等しいため、接続プレートをベースプレート11に溶接する時、溶接している間にシールリング21を避けることができず、シールリング21が溶けやすい。本実施形態では、ベースプレート11が拡張されるため、ベースプレート11上により多くの選択的溶接領域があり、溶接している間にシールリング21を避けることができる。
【0086】
また、先行技術では、タブ31を接続プレートに溶接してから、接続プレートをレーザー溶接によってセルに近い端子1の下表面に固定するため、厚さのある接続プレートを貫通してレーザー溶接するために、溶接領域の温度をかなり高温にする必要がある。そのため、端子の外側にスリーブ接続されたシール素子は、加熱されて変形しやすく、封止不良が生じる。しかしながら、本実施形態では、タブ31が薄く、溶接領域の温度を高温にしなくてもタブ31を貫通して溶接することができるため、シール素子が溶ける可能性を下げることができる。
【0087】
さらに、接続プレートが省略されるため、端子本体12およびベースプレート11が一体形成され、接続プレートをレーザー溶接によってセルに近い端子1の下表面に固定するプロセスがない。そのため、端子1の外側のシール素子への熱的影響がないため、端子1の封止効果を保証することができる。
【0088】
また、好ましくは、図4に示すように、タブ溶接領域312の表面は、粗面であり、端子溶接領域313は、レーザー溶接領域である。つまり、タブ31は、ベースプレートにレーザー溶接される。タブ溶接領域312の表面は、粗面であるため、レーザー溶接機を用いてタブ溶接領域312を照射した時、レーザー光の反射率が低く、溶接品質を向上させることができる。
【0089】
好ましくは、タブ溶接領域312は、超音波溶接領域である。つまり、電極リードは、超音波溶接により一緒に溶接される。超音波溶接は、高周波振動波を使用して溶接したい2つの物体表面に伝送する。圧力下で、2つの物体表面は、互いに擦れて分子層の間の融合を形成する。溶接したい2つの物体表面の間の摩擦力を増やすために、超音波溶接に用いる溶接ヘッドと溶接シートの表面を不均一にする。タブを両側から締め付けて超音波溶接を行った時、溶接した後、タブ31の表面は、不均一な表面になる。
【0090】
当然のことながら、いくつかの実施形態において、電極リードは、一緒にレーザー溶接されてもよい。溶接した後、タブ溶接領域312の表面は、浮き出しにされるため、タブ溶接領域312の表面は、粗面になる。
【0091】
また、図9図13に示すように、カバープレートアセンブリ2は、端子1の端子本体12の外側にスリーブ接続されたシールリング21を含む。タブ31をベースプレート11に溶接するステップにおいて、溶接する時、カバープレートアセンブリ2に対して垂直な方向に沿った溶接領域の中心の投影は、シールリング21から遠くに離れているため、タブ31を溶接した時にシールリング21が損傷するのを減らすことができる。
【0092】
図7および図8に示すように、バッテリーの製造方法は、さらに、以下のステップを含む。タブ31をベースプレート11に溶接した後、タブ31を湾曲させて、セルをカバープレートアセンブリ2に対して垂直にし、セルをバッテリーの筐体4内に入れ、カバープレートアセンブリ2を筐体4に溶接する。
【0093】
具体的に説明すると、タブ31を溶接した後、単体セル3を引き抜いて、単体セル3がカバープレートアセンブリ2に対して垂直になるまでタブ31を湾曲させ、その後、セルをバッテリーの筐体4内に入れ、カバープレートアセンブリ2を筐体4に溶接する。
【0094】
以上、本発明のより好ましい実施形態について詳細に説明したが、必要に応じて、様々な特許、出願、および出版物の態様、特徴、および概念を使用して追加の実施形態を提供するために、実施例の態様を修正することができることが理解されるべきである。
【0095】
上記の詳細な説明を考慮して、これらおよび他の変更を実施形態に加えることができる。一般的に、請求の範囲では、使用される用語は、説明および請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定されると考えられるべきではなく、これらの請求の範囲が享受するすべての同等範囲とともに全ての可能な実施形態を含むと理解されるべきである。
【0096】
当業者であれば理解できるように、これらの実施形態は、本発明を実施するための特定の実施例である。しかしながら、実際の応用において、本発明の精神および範囲を逸脱しない限り、実施形態に対して形式および詳細に関する変更を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明のバッテリーは、バッテリーの技術分野に応用することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 端子
2 カバープレートアセンブリ
3 単体セル
4 筐体
5 幅方向延長線
6 電解液注入孔
9 絶縁体
11 ベースプレート
12 端子本体
13 正端子
14 負端子
21 シールリング
22 カバープレート本体
23 上部プラスチックリング
24 下部プラスチックリング
30 分離領域
31 タブ
32 主体部
113 第1側
114 第2側
115 ノッチ
312 タブ溶接領域
313 端子溶接領域
314 正極タブ
315 負極タブ
a 長さ
b 垂直距離
c、d 距離
L 直線
M、N、O、Q 点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15