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特許7584507拡散装置用回収可能な取り付けフレームアセンブリを備えた水処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】拡散装置用回収可能な取り付けフレームアセンブリを備えた水処理システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/20 20230101AFI20241108BHJP
【FI】
C02F3/20 Z
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022518389
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 US2020053967
(87)【国際公開番号】W WO2021067717
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】16/593,870
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517031915
【氏名又は名称】ジャガー,クローディアス
【氏名又は名称原語表記】JAEGER,Claudius
【住所又は居所原語表記】516 Mapleton Ave.,Boulder,CO 80304 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャガー,クローディアス
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-037676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0236412(US,A1)
【文献】特開昭52-103840(JP,A)
【文献】特開2003-290788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 3/14- 3/26
7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理タンク中の水曝気用水処理システムであって、
前記タンク中の前記水の上面の上に位置する少なくとも一つのブリッジであって、前記タンクの第1側壁部からこのタンクの第2側壁部まで延在する通路を有するブリッジと、
少なくとも一つの回収可能な拡散アセンブリであって、
フレーム、複数の曝気要素、これら曝気要素を前記フレームに固定する複数の取り付けブラケット、および前記曝気要素に結合し前記曝気要素に空気流れを供給する第1空気配分導管、を有する少なくとも一つの回収可能な取り付けフレームアセンブリ、および
前記ブリッジに固定した、このブリッジから前記タンクのフロアまで延在し、前記水の前記上面より上にある第1位置と前記水の前記上面より下にある第2位置との間で前記回収可能な取り付けフレームアセンブリを移動させる少なくとも一つのガイドレールアセンブリ
を有する少なくとも一つの回収可能な拡散アセンブリと、
前記通路に沿って前記取り付けフレームアセンブリを搬送する少なくとも一つの搬送装置と、
前記送装置と前記少なくとも一つのガイドレールアセンブリとの間において前記取り付けフレームアセンブリを移動させる少なくとも一つのクレーンアセンブリと、
を有することを特徴とする水曝気用水処理システム。
【請求項2】
前記通路が、この通路の長さに沿って延在する平行ガイドトラックを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記搬送装置が、前記ガイドトラックに係合し、前記通路の前記長さに沿って前記搬送装置を移動させる車輪および/またはキャスターを有する請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記搬送装置の幅が前記ブリッジの幅に対応する請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記クレーンが取り付け基部を有し、この基部が前記少なくとも一つのイドレールアセンブリに近接する前記通路に固定される構成を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記クレーンが取り付け基部を有し、そしてさらにこのクレーンが基部プレートおよび複数の車輪および/またはキャスターを備えた移転トロリーを有し、前記取り付け基部が前記移転トロリーの前記基部プレートに固定される請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記通路が少なくとも一つのクレーン取り付けプレートを有し、前記移転トロリーの前記基部プレートが前記少なくとも一つの取り付けプレートに固定され、前記クレーンを前記通路に固定するように構成される請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記移転トロリーの前記複数の車輪および/またはキャスターが前記平行ガイドトラックに係合する構成である請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも一つのガイドレールアセンブが第1および第2の平行ガイドレール、前記第1空気配分導管に結合した第2空気配分導管、およびこれらガイドレール間に位置するとともに、前記回収可能な取り付けフレームアセンブリに接続した据え付けロッドを有し、この据え付けロッドによって、前記水の前記上面より上にある第1位置と前記タンクのフロア上の第2位置との間において前記取り付けフレームアセンブリの前記ガイドレールに沿った移動を促進する構成の請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
さらに、前記回収可能な取り付けフレームアセンブリが、対向する第1端部および第2端部を備え、前記第1端部において前記フレームに固定した制御アームを有する請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記回収可能な取り付けフレームアセンブリの制御アームの前記第2端部に前記据え付けロッドが接続される請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
さらに、前記ブリッジが前記タンクの外部に位置し、かつ前記取り付けフレームアセンブリを前記ブリッジ移転しかつこのブリッジから取り出す受け取りプラットホームを有する少なくとも一つの移転ステーションを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記搬送装置が、複数の車輪と、前記フレームの幅に対応する幅を有する上部支持面とを備えたカートを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
処理タンク中の水を曝気する方法であって、
前記タンク中の前記水の上面より上に、前記タンクの第1側壁部からこのタンクの第2側壁部まで延在する通路を有する少なくとも一つのブリッジを位置させ、
フレーム、複数の曝気要素、このフレームにこれら曝気要素を固定する複数の取り付けブラケット、および前記曝気要素に結合し空気流れを前記曝気要素に供給する第1空気配分導管、を有する少なくとも一つの回収可能な取り付けフレームアセンブリを設け、
前記ブリッジに、このブリッジから前記タンクのフロアまで延在する少なくとも一つのガイドレールアセンブリを固定し、
搬送装置上の前記少なくとも一つの取り付けフレームアセンブリを前記ブリッジの一端から前記少なくとも一つのガイドレールアセンブリに近接する前記通路の所定位置まで搬送し、
少なくとも一つの移転クレーンを前記少なくとも一つのガイドレールアセンブリに近接する前記通路に固定し、
前記少なくとも一つの取り付けフレームアセンブリを前記搬送装置から移動させて、前記移転クレーンによって前記少なくとも一つのガイドレールアセンブリに接続し、
前記少なくとも一つの取り付けフレームアセンブリを前記少なくとも一つのガイドレールアセンブリに接続して、前記第1空気配分導管に空気を供給するとともに、前記水の前記上面より上の第1位置と前記水の表面より下の第2位置との間において前記回収可能な取り付けフレームアセンブリを移動させ、
前記水の前記上面より上の前記第1位置から前記水より下の第2位置まで前記回収可能な取り付けフレームアセンブリを移動させ、そして
前記第1空気配分導管への空気の流れを開始することを特徴とする、処理タンク中の水を曝気する方法。
【請求項15】
前記通路が、この通路の長さに沿って延在する平行ガイドトラックを有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記搬送装置が、前記ガイドトラックに係合し、前記通路の長さに沿って前記搬送装置を移動させる構成の車輪および/またはキャスターを有する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記搬送装置の幅が前記ブリッジの幅に対応する請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記クレーンが、前記少なくとも一つのイドレールアセンブリに近接する前記通路に固定される構成の取り付け基部を有する請求項14に記載の方法
【請求項19】
前記クレーンが取り付け基部を有し、そしてこのクレーンがさらに基部プレートおよび複数の車輪および/またはキャスターを備えた移転トロリーを有し、前記取り付け基部を前記移転トロリーの前記基部プレートに固定する請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記通路が少なくとも一つのクレーン取り付けプレートを有し、前記移転トロリーの前記基部プレートを前記少なくとも一つの取り付けプレートに固定し、前記クレーンを前記通路に固定する構成の請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記移転トロリーの複数の車輪および/またはキャスターが前記平行ガイドトラックに係合する構成の請求項19に記載の方法
【請求項22】
前記少なくとも一つのガイドレールアセンブリが第1および第2の平行ガイドレール、前記第1空気配分導管に結合した第2空気配分導管、および前記ガイドレール間に位置するとともに、前記回収可能な取り付けフレームアセンブリに接続した据え付けロッドを有し、前記据え付けロッドによって、前記水の前記上面より上の前記第1位置と前記タンクのフロア上の第2位置との間において前記取り付けフレームアセンブリの前記ガイドレールに沿った移動を促進するように構成させた請求項14に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体としては廃水処理に関し、具体的には廃水処理ベイスン(wastewater treatment basins)内の液体または水を気化する際に使用する回収可能な曝気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
活性汚泥システムの場合、これを使用して微生物(バイオマス)から好気性消化作用によって廃水中の有機固形物を分解する。次に、微生物をリサイクルし、残った生成物は処理水と廃棄固形物である。炭素質の生物化学的酸素要求量(CBOD)は、廃水中の生分解性炭素系有機物の量である。これについては、生物化学的要求量(BOD)として測定する。この有機物、即ち栄養素の場合、微生物による好気性栄養素の消化によって廃水中の酸素が枯渇するため、目的は廃水中の有機固形物を除去し、BODレベルを下げることにある。これはBOD除去としても知られている。BODのレベルは制御できるため、最終的な上澄み水は流水や河川に放出できる。
【0003】
活性汚泥法でBODを処理する基本的な反応式は、
BOD+O+細菌→CO+HO(BOD+酸素→二酸化炭素+水)である。
【0004】
微生物の場合、酸素を使用して懸濁固形物(SS)を分解するため、水と固形物との混合物中に酸素を導入する必要がある。この混合物については、活性汚泥浮遊物質(MLSS)と呼ぶ。酸素の量に関しては、バイオマスが廃棄物タンク内において滞留時間内で固形物を分解するのに十分大きい必要がある。水(DO)に溶解する酸素の量を最大化するために、酸素移動効率(OTE)を調べる。酸素が増える程、バイオマスの供給および適正な固形物に対するバイオマスの比(F:M)の維持が容易になる。微生物および固形物がフロックと呼ばれる凝集体を形成する。
【0005】
生物学的栄養素の取り出しも活性汚泥法の一部である。これは、窒素およびリンが処理水を受け取る表面水内における有害な藻類の成長を促進する元素であるからである。活性汚泥法における酸素の別な要求量は、アンモニアを硝酸塩に酸化(硝化)することによって発生する。
【0006】
この一般式は、NO-→NO-→NO→NO→Nガスである。
【0007】
各種型式の水処理装置が開発され、例えば浄化プラント/廃水処理嫌気性消化タンクに利用されている。一般的なシステムの場合、複数の曝気要素を配送導管に設けることによって、配送導管を空気または気体を曝気要素に供給するために使用する一方で、曝気要素の固定にも使用する。次に、複数の配送導管を組み合わせて、システムを構築する。
【0008】
公知システムでは、管型拡散要素、ディスク型拡散要素および/またはストリップ型拡散要素を水処理タンクの底部あるいは処理ポンドの底面に専用ブラケットを介して全体的に固定するか、あるいは自重により固定するため、曝気要素は処理すべき処理タンクまたはポンドの底部に固定したままになっている。一般に、曝気要素は各種型式のグリッド構成またはゾーン構成で処理すべき水タンクまたは水ポンドの底部に設ける。拡散ストリップ、拡散管または拡散ディスクの形を取る曝気要素は、通常の形で使用される限り、活性汚泥法では消耗品であり、かなりの摩耗や引き裂きを受ける点で、拡散要素のフレーム構造や本体を取り囲む膜やその他の素材が拡散要素周囲の水の動きによって損傷を受ける傾向がある。従って、これら曝気要素の場合、通常6~10年毎に交換を行う。拡散要素のフレーム構造/本体それ自体もデブリによって閉塞するか、時間を経るうちに歪曲することさえあり、また曝気要素をタンクフロアに固定するクランプ、ブラケットやその他の要素もすり減るか損傷を受けるため、交換や修理が必要になる。このため、拡散要素の保守は難しい上にコストがかさみ、時間の要するものである。これは、損傷を受けた構成部品については、拡散要素が、上記のように、クランプ、ブラケットやその他の固定手段によってタンクまたはポンドの底部に固定されている間に、これにアクセスし、交換する必要があるからである。
【0009】
上述したように、一般的にストリップ型式や管型式の曝気要素についても、例えば組立用ブラケットやその他の取り付け手段によって処理すべきタンクや水のフロアや底部の所定部分に固定する。これら型式の構成は固定式グリッド拡散システムとして公知である。例示すると、ある型式の組立用ブラケットの場合、連動する上下のプロファイルド(Profiled)部分を各曝気要素の両端において曝気要素の周囲に固定する。次に、タンクフロアに直接入り込んだ中央底部開口(hole)のアンカーボルトか、あるいは2つの外側開口に入り込んだ2つの高さ調節式アンカーのいずれかによってフロアに組立用ブラケットを固定し、拡散装置をタンクの底部に対して水平化し、曝気要素の位置を維持する。なお、曝気要素の端部のみではなく、曝気要素の長さに沿って複数のブラケットを利用してもよい。
【0010】
これら固定式のグリッドシステムを廃水処理システム操作に使用した場合の問題点は、一旦装着し、水ベイスン内で運転する曝気要素の保守にある。固定式グリッドタイプの拡散システムを備え付け、修理し、交換し、あるいはこれにアクセスする際に、水ベイスンを排水しなければならない。廃水処理プラントの場合、システムが第2タンクまたはベイスンを有し、そして第1タンクを使用しない状態でこの第2タンクの運転を続行しない限り、この時点で曝気ベイスンを完全に停止する必要がる。
【0011】
従って、回収可能なモジュラーシステムには冗長性が組み込まれている。即ち、可動時間は100%である。というのは、修理時に、あるいは保守運転時にベイスンと曝気システム全体の運転を止める必要がなく、運転/保守に関するコストを大幅に下げることが可能になるからである。
【0012】
回収可能な曝気システムの場合、水処理システムに利用するために開発されたシステムであるが、現時点での大半のシステムは壁取り付け式である。即ち、曝気要素フレームはタンクの壁に固定する取り付けシステムと連携して動作するため、曝気要素ラックの利用可能な配置構成をタンクまたはベイスン壁部近くの距離まで詰めることができる。ベイスン幅は例えば12.5m以上(40フィート以上)であり、全体として使用できるシステムが回収式か固定式化の限界を決定するものである。さらに、共通な壁を共有する細長い曝気ベイスンの場合、無理のない投資コストでの回収可能なシステムの実行可能性に関して限界がある。
【0013】
従って、本発明に係るブリッジ取り付け式システムに基づく回収可能な拡散フレームは、タンクの幾何学的構成がタンクの底部をカバーする十分な個数の拡散フレームを保証しない場合には、あるいはタンクの中心における空気の配分を保証しない場合には、タンクの端から端まで渡すことによって壁取り付け式システムの課題を解決するものである。本システムの場合、さらに平行なタンクシステム、あるいは冗長性のあるタンクシステムを使用する必要はない。
【0014】
本発明のシステムの場合、フレームおよび拡散装置がブリッジに沿って所定位置に移動し、ブリッジの長さに沿って存在する所定位置における配備または取り外しを可能にする拡散装置フレームまたはラックおよび移転可能なクレーン用の搬送装置を有する移転システムによって拡散装置およびフレームの交換操作および保守操作を促進するシステムである。
【0015】
即ち、本発明では、固定式グリッド型システムにおいてタンクフロアまたはポンドフロアに締め付けブラケットやその他の手段によって曝気要素を固定するのではなく、タンクを跨ぐブリッジに固定したガイドレールシステムにタンク内を上下動できる回収可能な取り付けフレームまたはラックに曝気要素を固定する。さらに、水処理に使用され、通常はタンクまたはベイスンの壁に取り付けられる公知回収可能な拡散装置とは異なり、本発明に係るシステムアセンブリの場合、タンクまたはベイスンの幾何学的形状および寸法に応じて構成できるブリッジ取り付けシステムによってタンクまたはベイスンの含有物全体にアクセスできる。システム補修やシステム保守が必要な場合のタンク排水に伴う非稼働時間(ダウンタイム)をなくすことによって運転効率を改善する。
【0016】
上述したように、本発明に係るシステムの場合、壁取り付け式システムの単独使用と比較して、タンク当たりより多くの回収可能曝気要素を配備できるため、矩形タンクや円形タンクに見られるタンク幅および/またはタンク径に関する制限を撤廃できる。このため、円形タンクの場合よりも、回収可能な拡散装置を使用して曝気容量を改善できる。壁取り付けシステム単独の場合、幅/直径の上限はほぼ60ft(18.25m)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】米国特許第9,81,480号
【文献】米国特許第9,70,752号
【発明の概要】
【0018】
本発明の実施態様は、新規な廃水処理システムにブリッジ取り付け式の回収可能な曝気システムを設けることによって上記課題に対処するものである。
【0019】
本発明の態様は、水処理ベイスン(water treatment basin)に使用する水処理システムであって、タンクの壁間に延在するブリッジアセンブリ、および拡散装置フレームアセンブリに固定して、拡散装置フレームアセンブリを配備しかつ回収(retrieve)するガイドレールシステムを備えた回収可能な曝気アセンブリを有する水処理システムに関する。本システムは、さらに、拡散装置アセンブリを移動しかつ配備する搬送システムであって、ブリッジの長さに沿ってフレームアセンブリを移動させる搬送装置およびブリッジに沿って吊り上げ位置間を移動して、フレームアセンブリをガイドレールシステムと移転装置との間において移動させる移転可能なクレーンを有する。タンクを跨ぎかつ水の表面より上に位置するブリッジシステムおよびブリッジシステム上の所定位置から配備できる回収可能は曝気要素フレームアセンブリを設けることによって、曝気要素およびフレームを必要なときに交換または保守でき、タンクから水を排水する必要もなく、また冗長性を確保するための第2タンクも必要ない。
【0020】
本発明の態様は、水処理タンクを跨ぐ少なくとも一つのブリッジアセンブリ、拡散装置要素用であって、高い位置と低い位置との間を移動して、水タンクに出入りする少なくとも一つの回収可能な拡散装置フレームアセンブリ、ブリッジアセンブリに固定した少なくとも一つのガイドレールシステムであって、水の表面より上にある第1位置とタンクの底面上にある第2位置との間においてフレームアセンブリを移動させるガイドレールシステム、およびブリッジの長さに沿ってフレームアセンブリを移動させる搬送装置、およびブリッジに沿って吊り上げ位置間において移動可能なクレーンを有する水処理システムを提供するものである。ブリッジ通路は、移転装置および移転可能なクレーンの両者の車輪またはキャスターを納める一体化したガイドトラックを備えることができる。付言すると、このクレーンは、これを使用してラックアセンブリを移動する際にブリッジまたは通路の固定できる基部を有する。さらに、ブリッジに沿うクレーンの移動を促進するために、クレーンには、搬送装置の車輪またはキャスターも使用するブリッジのトラックと協同する車輪および/またはキャスターを設けることができるため、ブリッジまたは通路に沿ってクレーンを移動させてから、フレームアセンブリを移動させる吊り上げ位置に固定できる。
【0021】
本発明のもう一つの態様は、処理ベイスンまたは処理タンク内で廃水を処理する方法に関する。ベイスンを跨ぐ少なくとも一つのブリッジを設けるとともに、および複数の回収可能な曝気システムまたはガイドレールシステムをブリッジの長さに沿って存在する所定位置に設ける。ブリッジ通路内に設けたガイドトラック内をブリッジ通路に沿って拡散装置フレームをガイドレールシステムまで移動させる搬送装置、および搬送カートとガイドレールシステムとの間において拡散装置フレームを移動させる移転可能なクレーンを有する搬送システムを設ける。
【0022】
以下に、本発明のさらに具体的な特徴を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の目的、およびその他の目的および作用効果については、添付の概略図を参照して記載する以下の説明からより明らかになるはずである。添付図面中、
【0024】
図1A図1Aは、本発明に係る水処理システムの等角投影図である。
図1B図1Bは、少なくとも2つのブリッジアセンブリを備えた矩形タンク構成を有する水処理システムを示す等角投影図である。
図1C図1Cは、図1のシステムを示す別な等角投影図である。
図2A図2Aは、図1Cに示す直立レールガイドおよびフレームアセンブリを有する回収可能な曝気システムを示す図である。
図2B図2Bは、図2Aに示す直立レールガイド、フレームアセンブリおよびカートを有するブリッジを示す正面図である。
図3A図3Aは、ブリッジアセンブリ、搬送カート、回収可能なフレームアセンブリ、および回収可能な取り付けフレームアセンブリを移動しかつ位置決めするためにブリッジアセンブリに固定した吊り上げ/移転クレーンを示す端面図である。
図3B図3Bは、回収可能な取り付けフレームアセンブリを備えた吊り上げ/移転クレーンを示す斜視図である。
図4A-B】図4Aおよび図4Bは、直立ガイドレールおよび取り付けフレームアセンブリを備えたガイドレールをそれぞれ示す図である。
図5A-D】図5A図5Dは、取り付けブラケットおよび曝気要素を有する回収可能な取り付けフレームアセンブリを示す詳細図である。
図6A図6Aは、ブリッジ上に位置する携帯式カート/クレーンアセンブリを備えたブリッジの一部を示す正面図である。
図6B図6Bは、ブリッジアセンブリ、このブリッジ上に取り付けフレームアセンブリを有する移転カート、および低い位置にある取り付けフレームアセンブリを示す上面図である。
図7図7は、取り付けフレームアセンブリを支持する拡散ラック移転カートを備えるブリッジアセンブリを示す別な図である。
図8A-9B】図8A図9Bは、ブリッジ通路上の移転可能なクレーンを示す斜視図である。
図10A-B】図10A図10Bは、取り付けフレームアセンブリをリフトする図9A図10Bの移転クレーンを示す斜視図である。
図11A-B】11A~図11Bは、クレーンによるカート上への載置後の移転カート上の所定位置にある取り付けフレームアセンブリを示す図である。
図12A-E】図12A図12Eは、移転可能なクレーン、移転トロリー、およびクレーン取り付け基部を示す図である。
図13図13は、移転カート上の所定位置にある取り付けフレームアセンブリを示す図である。
図14図14は、ブリッジから、あるいはブリッジ上に拡散フレームアセンブリを吊り上げかつ移転するブリッジアセンブリの端部に位置する移転ステーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を細部にわたって参照して説明する。図1Aおよび図1Cに示すように、水処理システム10は少なくとも一つのブリッジ2、少なくとも一つの回収可能な(retrievable)取り付けフレームアセンブリ6および直立ガイドレールシステム19を有する回収可能な曝気システム200、移転可能なクレーンまたは吊り上げ装置8、およびフレームアセンブリをブリッジ2に沿ってフレームアセンブリおよび曝気要素を水処理タンク14内に展開する位置に移動させる移動可能な移転装置(moveable transfer device)またはカート58を有する。図1Aに示す水処理システム10の意図する使用対象は、水処理タンク14であるため、ブリッジ2が水処理タンク14を横断し、以下に説明するように、ブリッジアセンブリ2の少なくとも一端の移転ステーション22を介して取り付けフレームアセンブリおよびクレーンまたは吊り上げ装置(lifting device)8に作業員がアクセスできる。従って、本発明水処理システムの場合、回収可能な曝気システムをタンクの壁のみに取り付ける必要がない代わり、曝気要素を取り付けた取り付けフレームを水タンクに各種構成で設けることができ、これによってタンク全体における水の曝気および処理効率を改善でき、保守および修理のためにタンクの排水する必要はない。
【0026】
上記したように、本発明に係るシステムの場合、壁のみに取り付けるシステムよりも、タンク当たりの修復可能な曝気要素数をより大きくでき、従って矩形タンクまたは円形タンクのタンク幅および/またはタンク径に関する制限を撤廃できる。従って、本発明システムの場合、回収可能な拡散装置(diffusers)を利用する曝気容量を円形タンクよりもより大きくできる。壁のみに取り付ける回収可能なシステムの幅/直径に関する制限はほぼ60ft(18.25m)である。
【0027】
ブリッジ2については、鋼製で、複数の支持体16を有するのが好ましく、各支持体はタンク14の一般的にはコンクリート製フロア3に固定した安定化基部(stabilizing base)18を有する。さらに、ブリッジ2はこのブリッジの長さにわたって横断する通路、即ちキャットウォーク20を有する。少なくとも一つの、好ましくは2つの相互に平行配列したガイドトラック21を設ける。このガイドトラックは通路20の長さにわたって延在するため、それぞれカート58およびクレーン8の車輪またはキャスターを使用する、通路20に沿うカート58およびクレーン8の移動が容易になる。これについては、例えば図2aおよび12aを参照して後述する。即ち、クレーン8および移転カート58については、同じトラックシステム上の走行できるのが好ましい。さらに、ブリッジアセンブリは移転ステーション(transfer station)22を有し、これらステーションは通路の両対向端部に位置し、かつタンク14の壁に対して外部に位置するため、移転ステーション22を介してシステム作業員がブリッジアセンブリ2にアクセスでき、通路20で使用する取り付けフレームアセンブリ6、カート58の各部材を積み下ろしできる(以下に言及する図15も参照)。
【0028】
図1Bに示すように、水ベイスン(water basin)の大きさおよび幾何学的形状に応じて、一つかそれ以上のブリッジ2を使用することができる。例えば図1Bに示すように、本システムはタンク14全体にわたって一つかそれ以上のブリッジ2を使用でき、図1Bに示す矩形タンク14などの各種のベイスン構成に対処できる。図1Bには、矩形タンク14に2つのブリッジ2を使用する例を示すが、本発明のシステムの場合、タンクの幾何学的形状に応じて、任意の個数のブリッジを任意の構成で使用する任意のタンク構成に利用できる。
【0029】
図1C図2A図4Bおよび図4A図4Bに示すように、回収可能な曝気システム200は直立ガイドレールアセンブリ19、取り付けフレーム12を有する取り付けフレームアセンブリ6、およびブラケット17を介してフレーム12に取り付けた複数の曝気要素15を有する(以下に言及する図5A図5Dも参照)。直立ガイドレールアセンブリ19は水表面上の位置とタンク14のフロア3上の位置との間でフレームアセンブリ6を移転するものである。直立ガイドレールアセンブリ19については、相互に平行配置し、ブリッジ2からタンク14のフロア3まで延在する2つの直立ガイドレール34、36、直立ガイドレールアセンブリ19をタンク14のフロア3に固定する下部固定用ブラケット38、および直立ガイドレールアセンブリ19をブリッジシステム2のレールか別な構成部材に固定する上部固定用ブラケット40を有するのが好ましい。空気を空気配送導管29に供給する可撓性ホース52については、適正な弁結合によって可撓性の空気供給ホース52に接続する直立ガイドレール34、36間に設ける。制御アーム25の第1端部42については空気配送導管29に固定し、制御アーム25の対向配置した第2端部44については取り付けフレーム12内の中心にある空気配送導管27の端部に近接配置する。
【0030】
据え付け(固定用)ブラケット(hold-down bracket)またはロッド37については、直立ガイドレール34、36の間に設け、空気配送ライン22に結合する。このブラケットまたはロッドは、標準的な運転時にシステム自体の浮力によって拡散装置ラックが浮き上がることを防止する。据え付きロッド37に固定したガイドブラケット90については、それぞれガイドレール34、36の周囲に摺動係合し、据え付けロッド37の移動を容易にする。通路20に設けた空気圧源または油圧源またはジャッキシステムの場合、作動時に、据え付けロッド37および空気配送導管29がガイドブラケット90によって直立ガイドレール34、36間においてこれらレールに沿って直立に押し下げられることによって、図2Aに示すように、取り付けフレーム12および曝気要素15がタンクおよび水内において位置を下げ、タンク14のフロアに位置する。いずれもタンク14のフロアおよびブリッジ2または通路20に固定された直立ガイドレール34、36により、据え付けブラケットまたはロッド37および空気配送導管29を安定的に支持することになり、ガイドレールやその他の支持構造体をタンクの壁に固定する必要はない。
【0031】
なお、取り付けフレームアセンブリ6と併用する場合には、直立ガイドレールシステム19は水処理タンクの壁に取り付け、固定すればよく、ブリッジアセンブリ2および通路20は必要ない。
【0032】
図5A図5Dに示すように、取り付けフレーム12は平行かつ相互に離間した少なくとも2つの取り付けレール24、26を有する。複数の曝気要素15については、2つの取り付けレール24、26それぞれが曝気要素15の対向端部に近接するように設ける。添付図面には、横断面が楕円形の細長い曝気要素を示すが、本発明に係るフレームアセンブリ6および水処理システム10と併用する場合には、管状またはディスク状の要素やその他の要素を使用でき、効果は同じである。
【0033】
さらに別な、少なくとも2つの取り付けレール28を取り付けレール24、26に対して直立に設け、ほぼ矩形の取り付けレール12を形成する。取り付けフレーム12の中心に中心空気配送導管27を設け、以下に説明する方法で曝気要素15に空気流を供給する。各曝気要素15については、適正なカップリングによって中心の空気配送導管27に結合し、空気が曝気要素15に流入するようにするとともに、ブラケット17を用いて取り付けレール24、26に固定する。図5Bに示すように、取り付けブラケット17については、ねじ込むなどによって取り付けレール24、26に固定する。図5Cに示すように、曝気要素を取り付けフレームに設ける場合には、ブラケット17が曝気要素15の対向端部に近接する曝気要素15の周囲に係合するため、曝気要素15が取り付けレール24、26に固着し、各曝気要素15がそれぞれの取り付けレール24、26を超えて所定の長さ延在する。例えば、本出願と同じ発明者による米国特許第9,81,480号記載のブラケット装置を挙げることができる。なお、この特許についてはここに援用する。次に、中心空気配送導管27に対して直立で、ブリッジアセンブリ2、特に通路20に対して直立上方に延在する別な空気配送導管29に中心空気配送導管27を接続し、通路20に設けた可撓性の空気ホース52を介して設けた空気源に接続する。以下により詳しく説明するように、空気配送導管29は取り付けフレーム12から上方に延在し、かつ直立ガイドレールシステム19の直立ガイドレール34、36間に延在する。
【0034】
曝気要素15については、エラストマー系の可撓性管状膜を有する、横断面が実質的に楕円形の細長い曝気ストリップ状要素として例示するが、この管状膜はこれを曝気要素の周囲に設けた時に曝気要素の上面にのみ位置する空気スリット(air slits)を有するとともに、気体または空気を供給する配分導管に曝気要素を接続するネジ式接続部を有する空気用入り口を有する。この形式の曝気要素の場合、曝気要素の支持部材が波形の中空形状および波形外面を有する硬く剛性を示すプラスチック素材からなるため、支持部材の内面および外面の両者において波形表面の突出部間に複数の溝が形成する。なお、上述したように、取り付けフレームアセンブリは、公知である管状またはディスク状拡散装置/曝気要素と併用でき、断面が楕円形のストリップ状拡散体と同じ効果を発揮する。
【0035】
上述したように、取り付けフレームアセンブリについては、曝気要素が取り付けフレーム12内の所定位置にあるときに浮力を発生する設計である。フレーム構成部材それ自体については、ステンレス鋼などの軽量素材で構成するのが好ましいが、他の好ましい軽量素材も使用可能であり、効果は同じである。曝気要素15の構成、特に、その細長い設計は、横断面が楕円形の管状であっても、あるいは平坦形状であっても取り付けフレームアセンブリに浮力を与えるものである。(取り付けフレームアセンブリに利用できる細長く、断面が楕円形の曝気要素の実例については、本明細書に援用する要旨を記載している、本出願人による米国特許第9,70,752号を参照すること)。据え付けブラケットまたはロッド37は、曝気要素15をタンク内の所定位置に設け、取り付けフレームをタンクのフロア上に設け、かつタンクのフロア上のこの位置に取り付けフレーム12および曝気要素15を維持した状態で取り付けフレーム12を低く下げる際に役立つものであるが、曝気要素15による取り付けフレーム12の浮力については、曝気要素に流入する空気流れを調節し、取り付けフレーム12を水中において低く下げることを容易にする必要がある。この曝気要素および拡散体フレーム要素への空気流れを遮断し、曝気要素から空気が抜け、浮力が最小化する。例えば、遮断弁によって空気供給を中断してから、曝気要素によって空気供給システムから空気を抜くことによって、取り付けフレーム12をより簡単に水中で低く下げることができる。
【0036】
図6A図6Bおよび図7を参照して説明を続ける。曝気要素15を所定位置に有する取り付けフレーム12については、例えば接続フランジなどによって吊り上げケーブル100を取り付けフレーム12に固定することによってこれをタンクから手動で取り外すことができる。従って、取り付けフレーム12および曝気要素15については、クレーン8および吊り上げケーブル100などを使用して水タンク14から手動で引き出すことができ、構成部材を保守または交換できる。
【0037】
直立ガイドレールシステム19については、上端において一つかそれ以上の上端固定用ブラケット40によってブリッジ2に固定する。このブリッジはタンク表面上のタンクの一つかそれ以上の壁82からタンクの壁間に完全に、あるいは部分的に延在する。図には円形タンクを示すが、正方形タンクや矩形タンクなどの他の任意のタンク形状も水処理システム10には使用可能である。空気配分ライン22については、可撓性ホース52に接続し、ブリッジレールの外側を走る一つかそれ以上の空気供給導管54に接続するか、あるいはブリッジ2の通路20の下に設け、空気を取り付けフレーム12内の曝気要素15に供給する構成である。
【0038】
上述したように、水処理システム10はブリッジ2、取り付けフレームアセンブリ6、直立ガイドレールアセンブリ19、吊り上げクレーン8、および搬送装置58を有する。搬送装置、即ちカート58としては図示のカート58などの車輪付きカートを使用でき、取り付けフレーム12および曝気要素15をブリッジ2および通路20に沿って水タンクへの所定の配備位置に移動するか、あるいは修理又は保守のためにブリッジ2から取り付けフレーム12および曝気要素15を引き離す。
【0039】
図3Aおよび図3Bに示す最良の実施態様から理解できるように、吊り上げ/旋回用クレーン8は取り付け基部102、ポスト103、および吊り上げ/旋回用アーム104を有する。取り付け基部102はブリッジ2の通路20に固定する。参考までに説明すると、通路2は通路2の表面に固定した複数の取り付けプレート90を設ける。各取り付けプレート90は取り付けプレート102を固定する複数の貫通孔91を有する。クレーン8については、2つの直立ガイドレールアセンブリ19の間に設けるため、一つのクレーン8がクレーンの吊り上げ/旋回用アーム104を旋回することによって2つのアセンブリ19に対応できる。吊り上げ/旋回用アーム104ついては、クレーン8が取り付けフレーム12に係合し、これを吊り上げ、ブリッジに、具体的には搬送装置58、ここでは通路20に位置する移動式カートまたはフレームに旋回するために十分な高さにあるブリッジ2の上部レール64を超えて延在する。クレーン8は、取り付けフレーム12内に中心空気導管27のフランジまたはその他の要素に装着する滑車ライン100を有する。
【0040】
直立ガイドシステム19によって水タンクから取り付けフレーム12を取り外した後、図6Aおよび図6Bに示すように、公知技術に従ってクレーン8を作動し、水の上にありかつブリッジ2および通路20に対して直立な位置から取り付けフレーム12を移転カート58上の位置に手動で移動させる。次に、クレーン8の滑車ライン100から取り付けフレーム12を解放し、移動式カート58を介してブリッジ2および通路20から取り出し、移転ステーション22に移し、ブリッジ2から取り外す(図15)。同様に、移転ステーション22において移転カート58に取り付けフレーム12および曝気要素15を積み込み、移転ステーション22からブリッジ2および通路20に移動させることができるため、初期かまたは使用後のいずれかにおいて取り付けフレーム12および曝気要素15をタンク内に配備できる。
【0041】
図4Aおよび図4Bはそれぞれ水処理システム10の斜視図および端面図であり、この水処理システムはブリッジ2、直立ガイドレールシステム19、回収可能な取り付けフレームアセンブリ6、およびカート58を有する。図4Aおよび図4Bに示すように、取り付けフレームアセンブリ6はさらに一端において制御アーム25に固定し、他端においてフレーム12に固定した安定化用アーム101を備えていてもよく、このように構成すると、フレーム12および曝気要素15を水平な状態で水に出し入れすることが容易になる。
【0042】
図7は、車輪付きカートやフレームなどの移動式搬送装置58上の所定位置に取り付けフレーム12が載置した状態にある取り付けフレーム12およびクレーン8を示す図である。図13からも理解できるように、移転カート58については、全体として軽量ではあるが、頑丈な矩形鋼または金属フレームとして形成し、このフレームは上部レール95、下部レール97、およびこれら上下レール95、97の間に延在しかつこれらレールを接続する直立レール99を有する。移転カート58は下部レール97に位置する車輪またはキャスター59を有する構成であるため、ブリッジ2の通路20内に形成したガイドトラック21におけるカート58の移動が容易になる。カート58はブリッジ2および通路20の幅に対応する寸法であり、取り付けフレーム12をカート58上に位置できる高さを有するため、取り付けフレーム12と曝気要素15は通路20に沿って移転カート58を搬送する際に、ブリッジ2および通路20の上部レール64上において十分なクリアランスを有することになる。
【0043】
クレーン8については、図9A図13Dに示すように、ブリッジ2に取り付け、固定するものとして上記に説明したが、クレーン8は別な実施態様も可能であり、通路20に固定した取り付けプレート90間における移転がより容易になる。このクレーン8の場合、上記クレーン8と作用効果は同じであるが、取り付け基部102については、移転トロリー300に固定できる。この移転トロリー300の場合、実質的に矩形の基部プレート302および車輪および/またはキャスター304を有し、これらについては、取り付けブラケット310によって基部プレート302の対向側部に設けかつ取り付ける。取り付け基部102については、複数のボルトなどによって移転トロリー300の基部プレート302に固定する。さらに別なボルト308を使用して、取り付けプレート90に設けた通し孔91に貫通することによって移転トロリー300を通路20に固定する。運転時には、図8Aおよび図8Bに示すように、クレーン8を移転トロリー300に固定し、かつこの移転トロリー300を少なくとも一つの直立ガイドレールアセンブリ19に近接する通路20上の取り付けプレート90に固定する。図9Aおよび図9Bに、移転トロリー300によって通路2上の取り付けプレート90間で行うクレーン8の移転を示す。一旦、移転トロリー300、従ってクレーン8が通路20上の取り付けプレート90に固定されると、クレーン8がフレーム12および曝気要素15を吊り上げ、および/または吊り下げ、直立ガイドレールシステム(図10Aおよび図10B)を配備するか、あるいはフレーム12および曝気要素15を移転カート58に移転し、かつこれから取り外す準備が整う(図11Aおよび図11B)。図12Dおよび図12Eに例示するように、車輪が移転カート58によっても使用される通路20上の案内トラック21に係合し、これらトラック内を移動する。クレーン8をブリッジ2上の異なる位置に設ける必要がある場合には、ボルト306を緩めるか外せばよく、手動で移転トロリー300をガイドトラック21に沿って再配置し、通路20上の別な取り付けプレート90に固定することができる。
【0044】
既に説明したように、水処理システム10は少なくとも一つの移転ステーション22を有するが、これについては図14に示す通りである。この移転ステーション22はブリッジ2および通路20の一端かまたは両端に位置し、フレームアセンブリが位置する移転カート58を受け取るプラットホーム400を有し、タンク14の壁上から離れて延在するため、プラットホーム400はタンク14の外側に位置することになる。フレーム12を曝気要素とともにタンク14内に配備する場合には、オペレーターが移転カート58を移転ステーションに移し、移転ステーション22にある可動式クレーンまたはフォークリフトを介してカート58に曝気要素15とともにフレーム12を積載し、これらを通路20に沿って移転ステーション22から配備位置に搬送することができる。同様に、曝気要素15とともにフレーム12をタンク14から取り出す必要がある場合には、移転カート58をフレーム12および曝気要素15とともにブリッジ2の長さに沿って移転ステーション22に移し、フォークリフトか可動式クレーンを利用してこれを取り上げ、タンク外側の地上で利用するか、あるいは廃水処理プラントの保守領域かあるいは作業場に移すことができる。
【0045】
無論、本発明はどのような意味においても本明細書および添付図面に例示した具体例に制限されるものではなく、特許請求の範囲に包摂される変更例を包含するものである。
【符号の説明】
【0046】

2 ブリッジ
3 フロア
6 取り付けフレームアセンブリ
8 吊り上げ装置/クレーン
10 水処理システム
12 取り付けフレーム
14 水処理タンク
15 曝気要素
16 支持体
17 ブラケット
18 安定化基部
19 直立ガイドレールシステム
20 通路/キャットウォーク
21 ガイドトラック
22 移転ステーション/空気配送ライン
24、26 取り付けレール
25 制御アーム
27 空気配送導管
28 取り付けレール
29 空気配送導管
34、36 直立ガイドレール
37 ロッド
38 下部固定用ブラケット
40 上部固定用ブラケット
42 第1端部
44 第2端部
52 可撓性ホース
54 空気供給導管
58 カート/移動式搬送装置
64 上部レール
82 壁
90 ガイドブラケット/取り付けプレート
91 貫通孔
95 上部レール
97 下部レール
99 直立レール
100 滑車ライン/吊り上げケーブル
101 安定化用アーム
102 取り付け基部/取り付けプレート
103 ポスト
104 吊り上げ/旋回用アーム
200 曝気システム
300 移転トロリー
302 基部プレート
304 車輪および/またはキャスター
308 ボルト
310 取り付けブラケット
400 プラットホーム
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14