IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東莞市康祥電子有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6461 20110101AFI20241108BHJP
【FI】
H01R13/6461
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023092741
(22)【出願日】2023-06-05
(65)【公開番号】P2024074757
(43)【公開日】2024-05-31
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】111144471
(32)【優先日】2022-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】523214199
【氏名又は名称】東莞市康祥電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】羅 明
(72)【発明者】
【氏名】林 永常
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲イク▼宏
(72)【発明者】
【氏名】張 弘典
(72)【発明者】
【氏名】鍾 軒禾
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0194755(US,A1)
【文献】中国実用新案第212062763(CN,U)
【文献】中国特許第112448235(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6461
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子列に配列された複数の第1の端子と、
前記第1の端子列と平行する第2の端子列に配列された複数の第2の端子と、
前記第1の端子列と前記第2の端子列の間に、互いに所定距離を隔てて絶縁を形成する
ように設置された複数のシールドスペーサと、を含む電気コネクタにおいて、
複数の前記第1の端子は、いずれも、相手コネクタに突き合わせする第1の突き合わせ部と、回路基板の表面パッドに溶接された溶接部と、前記第1の突き合わせ部と前記溶接部とを接続する第1の接続部とを有し、
複数の前記第2の端子は、いずれも、相手コネクタに突き合わせする第2の突き合わせ部と、回路基板の貫通孔に挿入する挿入部と、前記第2の突き合わせ部と前記挿入部とを接続する第2の接続部とを有し、
前記第1の端子および前記第2の端子のそれぞれは、汎用信号端子ペアと、前記汎用信号端子ペアの両側にそれぞれ設けられた2つの機能端子と、2つの前記機能端子の一側にそれぞれ設けられた2つの電源端子と、2つの前記電源端子の一側にそれぞれ設けられた2つの差分端子ペアと、2つの前記差分端子ペアの一側にそれぞれ設けられた2つの接地端子とを含み、
前記第1の端子列と前記第2の端子列は、互いの電気信号特性が相反になるように順序に配置され、
前記第1の端子は、前記第1の端子列の汎用信号端子ペアの中心線に対して対称的に設置され、前記第2の端子は、前記第2の端子列の汎用信号端子ペアの中線に対して対称的に設置され、
複数の前記シールドスペーサは、2つの外側シールドスペーサと、2つの内側シールドスペーサと、中間シールドスペーサとを含み、
前記外側シールドスペーサのそれぞれは、一つの接地端子および一対の差分端子ペアに対応し、前記内側シールドスペーサのそれぞれは、一つの機能端子および一つの電源端子に対応し、前記中間シールドスペーサは、汎用信号端子ペアに対応し、
2つの前記外側シールドスペーサと2つの前記内側シールドスペーサとは、前記中間シールドスペーサに対して対称的に設置され、
前記第1の端子列の接地端子の第1の突き合わせ部と、対応する前記第2の端子列の接地端子の第2の突き合わせ部とは、前記外側シールドスペーサの対向する両側に電気的に接続され、
前記第1の端子列の電源端子の第1の突き合わせ部と、対応する前記第2の端子列の電源端子の第2の突き合わせ部とは、前記内側シールドスペーサの対向する両側に電気的に接続され、
前記第1の端子列のそれぞれの第1の端子の第1の突き合わせ部から前記対応するシールドスペーサまでの距離および前記第1の接続部から前記対応するシールドスペーサまでの距離は、いずれも等しい第1の距離であり、
前記第2の端子列のそれぞれの第2の端子の第2の突き合わせ部から前記対応するシールドスペーサまでの距離および前記第2の接続部から前記対応するシールドスペーサまでの距離は、いずれも等しい第2の距離であり、
前記第1の距離と前記第2の距離とは等しく、
前記差分端子ペアの電源端子ペアに近い差分端子の対応する外側シールドスペーサへの投影は、前記対応する外側シールドスペーサの端を超えない、ことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
第1の端子列に配列された複数の第1の端子と、
前記第1の端子列と平行する第2の端子列に配列された複数の第2の端子と、
前記第1の端子列と前記第2の端子列の間に、互いに所定距離を隔てて絶縁を形成するように設置された複数のシールドスペーサと、を含む電気コネクタにおいて、
複数の前記第1の端子は、いずれも、相手コネクタに突き合わせする第1の突き合わせ部と、回路基板の表面パッドに溶接された溶接部と、前記第1の突き合わせ部と前記溶接部とを接続する第1の接続部とを有し、
複数の前記第2の端子は、いずれも、相手コネクタに突き合わせする第2の突き合わせ部と、回路基板の貫通孔に挿入する挿入部と、第2の突き合わせ部と前記挿入部とを接続する第2の接続部とを有し、
前記第1の端子および前記第2の端子は、いずれも、汎用信号端子ペアと、前記汎用信号端子ペアの両側にそれぞれ設けられた2つの機能端子と、2つの機能端子の一側にそれぞれ設けられた2つの電源端子と、2つの前記電源端子の一側にそれぞれ設けられた2つの差分端子ペアと、2つの前記差分端子ペアの一側にそれぞれ設けられた2つの接地端子とを含み、
前記第1の端子列と前記第2の端子列とは、互いの電気信号特性が相反になるように順序に配置し、前記第1の子は前記第1の端子列の汎用信号端子ペアの中線に対して対称的に設置され、前記第2の端子は、前記第2の端子列の汎用信号端子ペアの中心線に対して対称的に設置され、
複数の前記シールドスペーサは、2つの外側シールドスペーサと、2つの内側シールドスペーサと、中間シールドスペーサとを含み、
外側シールドスペーサのそれぞれは、一つの接地端子および一対の差分端子ペアに対応し、内側シールドスペーサのそれぞれは、一つの機能端子および一つの電源端子に対応し、中間シールドスペーサは、汎用信号端子ペアに対応し、
2つの前記外側シールドスペーサと2つの前記内側シールドスペーサとは、前記中間シールドスペーサに対して対称的に設置され、
前記第2の端子列の前記第2の端子の2つの接地端子、汎用信号端子ペアおよび2つの電源端子の前記挿入部は、第1の挿入列に並べられ、
前記第2の端子列の前記第2の端子の2つの差分端子ペアおよび2つの機能端子の挿入部は、第2の挿入列に並べられ、
前記第1の挿入列と前記第2の挿入列とは、いずれも前記中線に対して対称的に設置され、
前記第2の端子列の2つの差分端子ペアにおけるそれぞれの差分端子の第2の接続部が挿入部と接続する箇所の幅は、第2の接続部の他の部分の幅より大きく、
前記第1の端子列の前記接地端子の第1の接続部は、前記外側シールドスペーサに電気的に接続され、
前記第2の端子列の前記接地端子の第2の接続部は、前記外側シールドスペーサに電気的に接続されている、ことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項3】
さらに、第1の絶縁位置決め構造を含み、
前記シールドスペーサは、所定の間隔を前記第1の絶縁位置決め構造で保持するように、互いに平行に前記第1の絶縁位置決め構造に挿通され、
前記第1の絶縁位置決め構造は、第1の表面と、前記第1の表面に対向する第2の表面とを有し、
前記第1の表面から前記シールドスペーサまでの距離は、前記第2の表面から前記シールドスペーサまでの距離に等しく、
前記第1の絶縁位置決め構造の前記第1の表面は前記第1の端子列の前記第1の端子の下面に当接し、
前記第1の絶縁位置決め構造の前記第2の表面は、前記第2の端子列の前記第2の端子の上面に当接する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
第2の絶縁位置決め構造をさらに備え、
前記第1の端子列の前記第1の端子は、所定の間隔を前記第2の絶縁位置決め構造で保持するように、互いに平行に前記第2の絶縁位置決め構造に挿通され、
前記第2の絶縁位置決め構造は、前記シールドスペーサの上面に当接する第3の表面を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
さらに、第3の絶縁位置決め構造を含み、
前記第2の端子列の前記第2の端子は、所定の間隔を前記第3の絶縁位置決め構造で保持するように、互いに平行に前記第3の絶縁位置決め構造に挿通され、
第3の絶縁位置決め構造は、前記シールドスペーサの下面に当接する第4の表面を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
さらに、第4の絶縁位置決め構造を備え、
前記シールドスペーサ、前記第1の端子列の前記第1の端子および前記第2の端子列の前記第2の端子は、それぞれ、所定の間隔を前記第4の絶縁位置決め構造で保持するように、互いに平行に前記第4の絶縁位置決め構造に挿通されいる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
さらに、第1の金属ハウジングを含み、
前記第1の端子列の前記第1の端子の前記第1の突き合わせ部、前記第2の端子列の前記第2の端子の前記第2の突き合わせ部、および前記シールドスペーサの前記第1の突き合わせ部および前記第2の突き合わせ部に対応する部分が前記第1の金属ハウジングに位置し、
前記第1の金属ハウジングは、相手コネクタが挿入されるための一対のインタフェースと、前記第1の突き合わせ部が対向する第1の内面と、前記第2の突き合わせ部が対向する第2の内面とを含み、
前記第1の突き合わせ部から前記第1の内面までの距離は、前記第2の突き合わせ部から前記第2の内面までの距離に等しい、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
さらに、第2の金属ハウジングを含み、
前記第1の端子の前記溶接部および前記第2の端子の前記挿入部は、前記第2の金属ハウジングに位置し、
前記第2の金属ハウジングは、接続部と挿入部とを含み、
前記接続部は前記第1の金属ハウジングに接続され、
前記挿入部は前記回路基板に挿入され、
前記第1の接続部から前記第2の金属ハウジングまでの距離は、前記第2の接続部から前記回路基板までの距離と等しい、ことを特徴とする請求項7記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記相手コネクタは、第3の内面と、前記第3の内面に対向する第4の内面とを有し、
前記相手コネクタが前記電気コネクタに挿入されると、前記第1の端子列の前記第1の端子の前記第1の突き合わせ部は、前記第3の内面に対応し、前記第2の端子列の前記第2の端子の前記第2の突き合わせ部は、前記第4の内面に対応し、
前記第1の突き合わせ部から前記第3の内面までの距離は、前記第2の突き合わせ部から前記第4の内面までの距離に等しい、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記第1の端子列の前記接地端子の前記第1の接続部は、前記外側シールドスペーサに当接して電気的に接続される第1の突起を有し、
前記第2の端子列の前記接地端子の前記第2の接続部は、前記外側シールドスペーサに当接して電気的に接続される第2の突起を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、特に、2列の端子間に互いに分離された複数のシールドスペーサが設けられ、それぞれ表面実装技術および挿入実装技術の方法で回路基板に設けられた電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気コネクタは、電子装置間で電気信号を伝送するために、電子装置の電気的接続構造に用いられている。最もよく使用されているのは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)の電気コネクタである。USBの電気コネクタは、type Cの規格が開発された後、2列に対応して設けられたが電気信号特性の配列順序が相反する端子を有し、上下2列の端子間は、相互に電磁結合の作用でクロストーク(crosstalk)を生成しやすいから、端子で伝送する電気信号にノイズ(noise)を発生し、特に高周波信号の差分端子ペアにとって、伝送する電気信号の品質がよくないため、電子装置の電子性能に影響してしまう。
【発明の概要】
【0003】
これに鑑み、本発明の目的は、上下2列の端子の間にシールド(shielding)の作用を生成するように、2列の端子がそれぞれ表面実装技術(SMT)と挿入実装技術(DIP)で回路板に溶接するとともに、平行に配置する2列の端子の間に複数のシールドスペーサが設けられたことによって、上、下の2列の端子の間にクロストークを発生することを避けるとともに、接地端子をアースとすることができる、複合装着型電気コネクタを提供することにある。また、シールドスペーサは互いに分離して設置されるため、同列の端子間にクロストークが発生することも回避できる。
【0004】
本発明に係る電気コネクタの一実施例は、複数の第1の端子と、複数の第2の端子と、複数のシールドスペーサとを備える。複数の第1の端子は第1の端子列にするように配列され、それぞれの第1の端子は、相手コネクタに突き合わせする第1の突き合わせ部と、回路基板の表面パッドに溶接された溶接部と、第1の突き合わせ部と溶接部とを接続する第1の接続部とを含む。複数の第2の端子は、第1の端子列に平行する第2の端子列にするように配列され、それぞれの第2の端子は、相手コネクタに突き合わせする第2の突き合わせ部と、回路基板の貫通孔に挿入する挿入部と、第2の突き合わせ部と前記挿入部とを接続する第2の接続部とを含み、その中、第1の端子および第2の端子のそれぞれは、汎用信号端子ペアと、前記汎用信号端子ペアの両側にそれぞれ設けられた2つの機能端子と、2つの機能端子側にそれぞれ設けられた2つの電源端子と、2つの電源端子側にそれぞれ設けられた2つの差分端子ペアと、2つの差分端子ペア側にそれぞれ設けられた2つの接地端子とを含む。第1の端子列と第2の端子列との電気信号特性は、相互順序が相反するように配置し、前記第1の端子は、前記第1の端子列の汎用信号端子ペアの中心線に対して対称的に設置され、前記第2の端子は、前記第2の端子列の汎用信号端子ペアの中線に対して対称的に設置されている。複数のシールドスペーサは、第1の端子列と第2の端子列の間に設置し、互いに所定距離を隔てて絶縁を形成し、これらのシールドスペーサは、2つの外側シールドスペーサと、2つの内側シールドスペーサと、中間シールドスペーサとを含み、外側シールドスペーサのそれぞれは、一つの接地端子および一対の差分端子ペアに対応し、内側シールドスペーサのそれぞれは、一つの機能端子および一つの電源端子に対応し、中間シールドスペーサは、汎用信号端子ペアに対応し、これらの外側シールドスペーサとこれらの内側シールドスペーサとは、中間シールドスペーサに対して対称的に設置されている。第1の端子列の接地端子の第1の突き合わせ部と、対応する第2の端子列の接地端子の第2の突き合わせ部とは、外側シールドスペーサの対向する両側に電気的に接続されている。その中、第1の端子列の電源端子の第1の突き合わせ部と対応する第2の端子列の電源端子の第2の突き合わせ部とは、前記内側シールドスペーサの対向する両側に電気的に接続されている。第1の端子列のそれぞれの第1の端子の第1の突き合わせ部から対応するシールドスペーサまでの距離および第1の接続部から対応するシールドスペーサまでの距離は、いずれも等しい第1の距離である。第2の端子列のそれぞれの第2の端子の第2の突き合わせ部から対応するシールドスペーサまでの距離および第2の接続部から対応するシールドスペーサまでの距離は、いずれも等しい第2の距離である。その中、第1の距離と第2の距離は等しい。差分端子ペアの電源端子ペアに近い差分端子の対応する外側シールドスペーサへの投影は、対応する外側シールドスペーサの端を超えない。
【0005】
本発明の電気コネクタの他の実施例は、複数の第1の端子と、複数の第2の端子と、複数のシールドスペーサとを含む。複数の第1の端子は第1の端子列にするように配列され、それぞれの第1の端子は、相手コネクタに突き合わせする第1の突き合わせ部と、回路基板の表面パッドに溶接された溶接部と、第1の突き合わせ部と溶接部とを接続する第1の接続部とを含む。複数の第2の端子は、第1の端子列に平行する第2の端子列にするように配列され、それぞれの第2の端子は、相手コネクタに突き合わせする第2の突き合わせ部と、回路基板の貫通孔に挿入する挿入部と、第2の突き合わせ部と前記挿入部とを接続する第2の接続部とを含む。その中、第1の端子および第2の端子のそれぞれは、汎用信号端子ペアと、前記汎用信号端子ペアの両側にそれぞれ設けられた2つの機能端子と、2つの機能端子側にそれぞれ設けられた2つの電源端子、2つの電源端子側にそれぞれ設けられた2つの差分端子ペアと、2つの差分端子ペア側にそれぞれ設けられた2つの接地端子とを含む。第1の端子列と第2の端子列との電気信号特性は、相互順序が相反するように配置し、前記第1の子は前記第1の端子列の汎用信号端子ペアの中線に対して対称に設置され、前記第2の端子は、前記第2の端子列の汎用信号端子ペアの中心線に対して対称的に設置されている。複数のシールドスペーサは、第1の端子列と第2の端子列との間に設置し、互いに所定距離を隔てて絶縁を形成する。これらのシールドスペーサは、2つの外側シールドスペーサと、2つの内側シールドスペーサと、中間シールドスペーサとを含み、外側シールドスペーサのそれぞれは、一つの接地端子および一対の差分端子ペアに対応し、内側シールドスペーサのそれぞれは、一つの機能端子および一つの電源端子に対応し、中間シールドスペーサは、汎用信号端子ペアに対応し、これらの外側シールドスペーサとこれらの内側シールドスペーサとは、中間シールドスペーサに対して対称的に設置されている。第1の端子列の接地端子の第1の突き合わせ部と、対応する第2の端子列の接地端子の第2の突き合わせ部とは、外側シールドスペーサの対向する両側に電気的に接続されている。その中、第1の端子列の前記第1の端子の前記溶接部は一列に並べられ、第2の端子列の前記第2の端子の2つの接地端子、汎用信号端子ペアおよび2つの電源端子の前記挿入部は、第1の挿入列に並べられ、第2の端子列の前記第2の端子の2つの差分端子ペアおよび2つの機能端子の挿入部は、第2の挿入列に並べられ、第1の挿入列と第2の挿入列とは、いずれも前記中線に対して対称的に設置されている。その中、第2の端子列の2つの差分端子ペアのそれぞれの差分端子の第2の接続部と挿入部との接続箇所の幅は、第2の接続部の他の部分の幅より大きい。第1の端子列の前記接地端子の第1の接続部は、外側シールドスペーサに電気的に接続され、第2の端子列の前記接地端子の第2の接続部は、外側シールドスペーサに電気的に接続されている。
【0006】
本発明の電気コネクタは、第1の端子列のそれぞれの第1の端子の第1の突き合わせ部から対応するシールドスペーサまでの距離および第1の接続部から対応するシールドスペーサまでの距離は、いずれも等しい第1の距離で、第2の端子列のそれぞれの第2の端子の第2の突き合わせ部から対応するシールドスペーサまでの距離および第2の接続部から対応するシールドスペーサまでの距離は、いずれも等しい第2の距離で、さらに第1の距離と第2の距離とを等しくすることによって、シールドスペーサが第1の端子列および第2の端子列に対して等しいシールド効果を発生させ、より好ましい全体的なシールド効果を獲得する。差分端子ペアの電源端子ペアに接近する差分端子の対応の外側シールドスペーサへの投影は対応の外側シールドスペーサの端を超えないことによって、外側シールドスペーサは、高周波稼働の差分端子ペアにより好ましいシールド効果を付与する。第2の端子列の2つの差分端子ペアのそれぞれの差分端子の第2の接続部と挿入部との接続箇所の幅が第2の接続部の他の部分の幅より大きくすることによって、第2の端子の被覆できない部位に対して抵抗を増加することを避けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明に係る電気コネクタの一実施例を示す斜視図である。
図2図2は、図1の電気コネクタの部分斜視分解図である。
図3図3は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図4図4は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図5図5は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図6図6は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図7図7は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図8図8は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図9図9は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図10図10は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図11図11は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図12図12は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図13図13は、本発明に係る電気コネクタの製造過程を示す図である。
図14図14は、図1の電気コネクタの平面図である。
図15図15は、図14のA-A線の断面図である。
図16図16は、図1の電気コネクタの第1の端子列、第2の端子列およびシールドスペーサと回路基板との接続の斜視図である。
図17図17は、図1の電気コネクタの第1の端子列、第2の端子列およびシールドスペーサの配置構造の斜視図である。
図18図18は、図17の右側面図である。
図19図19は、図17の平面図である。
図20図20は、図17の底面図である。
図21図21は、図17の正面図である。
図22図22は、図17の背面図である。
図23図23は、第2の端子列の差分端子ペアが被覆されない箇所で端子幅を増加させることを示す模式図である。
図24図24は、第2の端子列の差分端子ペアが被覆されない箇所で端子幅を増加させることを示す模式図である。
図25図25は、ソフトウェアによってシミュレーションした本発明の電気コネクタの差分モード/コモンモード変換と信号周波数との関係図である。
図26図26は、ソフトウェアによってシミュレーションした本発明の電気コネクタのリターン損失と信号周波数との関係図である。
図27図27は、ソフトウェアによってシミュレーションした本発明の電気コネクタの差分信号端子ペアのクロストークと信号周波数との関係図である。
図28図28は、ソフトウェアによってシミュレーションした本発明の電気コネクタの挿入損失と信号周波数との関係図である。
図29図29は、ソフトウェアによってシミュレーションした本発明の電気コネクタの汎用信号端子ペアと差分信号端子ペアとの間のクロストークと信号周波数との関係図である。
図30図30は、本発明の電気コネクタの差分モード/コモンモード変換と信号周波数とを実測した関係図である。
図31図31は、本発明の電気コネクタのリターン損失と信号周波数とを実測した関係図である。
図32図32は、本発明の電気コネクタの差分信号端子ペアのクロストークと信号周波数とを実測した関係図である。
図33図33は、本発明の電気コネクタの挿入損失と信号周波数とを実測した関係図である。
図34図34は、本発明の電気コネクタの汎用信号端子ペアと差分信号端子ペアとの間のクロストークと信号周波数とを実測した関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および図2を参照すると、本発明の電気コネクタの一実施例が示されており、本実施例の電気コネクタ1は、表面実装技術および挿入実装技術で回路基板Pに設けられ、回路基板Pと電気的に接続されている。
【0009】
本実施例の電気コネクタ1は、絶縁ハウジング10と、絶縁ハウジング10に固着した複数の第1の端子20および複数の第2の端子30と、第1の端子20と第2の端子30との間に設けられた複数のシールドスペーサ40とを備える。本実施例の電気コネクタ1は、さらに、第1の金属ハウジング50と、第2の金属ハウジング60とを含み、第1の金属ハウジングと第2の金属ハウジング60とは、絶縁ハウジング10を覆い、第1の金属ハウジング50の前端に相手コネクタの挿入に用いるための挿入口51を形成する。複数の第1の端子20および複数の第2の端子30は、平行する第1の端子列と第2の端子列とにそれぞれ並べられ、第1の端子列の第1の端子20は、回路基板Pに表面実装技術で設けられ、第2の端子列の第2の端子30は、回路基板Pに挿入実装技術で設けられている。
【0010】
本発明に係る電気コネクタ1の製造過程を示す図3図13を参照されたい。図3に示すように、帯状金属原料をプレスおよび折り曲げ工程で複数のシールドスペーサ40を形成した後、図4に示すように、複数のシールドスペーサを金型にセットしてインサート射出成形(insert molding)の工程で、シールドスペーサ40に2つの第1の絶縁位置決め構造11を形成し、複数のシールドスペーサ40を第1の絶縁体12に挿通させることによって、複数のシールドスペーサ40は第1の絶縁位置決め構造11によって互いに所定の距離を保つ。第1の絶縁位置決め構造11は、第1の表面111および第2の表面112を有し、第1の表面111と第2の表面112とは対向に設けられた。第1の表面111とシールドスペーサ40との距離は、第2の表面112とシールドスペーサ40との距離に等しい。
【0011】
図5に示すように、帯状金属原料をプレスおよび折り曲げ工程で複数の第1の端子20を形成した後、図6に示すように、複数の第1の端子20を金型内にセットしてインサート射出成形工程で複数の第1の端子20に第2の絶縁位置決め構造12を形成し、複数の第1の端子20を第2の絶縁位置決め構造12に挿通させることによって、複数の第1の端子20は第2の絶縁位置決め構造12によって互いに所定の距離を保つ。第2の絶縁位置決め構造12は、第3の表面121を有する。第1の端子20のそれぞれは、相手コネクタに突き合わせする第1の突き合わせ部20aと、回路基板Pの表面パッドに溶接された溶接部20bと、第1の突き合わせ部20aと溶接部20bとを接続する第1の接続部20cとを備える。本実施例の第2の絶縁位置決め構造12は、溶接部20bおよび第1の接続部20cを完全に覆い、第1の突き合わせ部20aの下面を部分的に覆う。第2の絶縁位置決め構造12は、第1の接続部20cと溶接部20bとの接続箇所に対応し、第1の絶縁位置決め構造11を収納するように端子が覆われない第1のスロット122(図15を参照)が形成されている。第3の表面121は、第1の突き合わせ部20aに対応する。
【0012】
図7に示すように、帯状金属原料をプレスおよび折り曲げ工程で複数の第2の端子30を形成した。次に、図8に示すように、複数の第2の端子30を金型内にセットしてインサート射出成形工程で複数の第2の端子30に第3の絶縁位置決め構造13を形成し、複数の第2の端子を第3の絶縁位置決め構造に挿通させることによって、複数の第2の端子30は、第3の絶縁位置決め構造13によって互いに所定の距離を保つ。第3の絶縁位置決め構造13は、第4の表面131を有する。端子30のそれぞれは、相手コネクタに突き合わせする第2の突き合わせ部30aと、回路基板Pの貫通孔に挿入される挿入部30bと、第2の突き合わせ部30aと挿入部30bとを接続する第2の接続部30cとを含む。本実施例の第3の絶縁位置決め構造13は、挿入部30bおよび第2の接続部30cを完全に覆い、第2の突き合わせ部30aの上面を部分的に覆う。第3の絶縁位置決め構造13は、第2の接続部30cと挿入部30bとの接続箇所に対応し、第1の絶縁位置決め構造11を収納するように端子が覆われない第2のスロット132が形成され、第2のスロット132は第1のスロットと対応する。
【0013】
図9に示すように、複数の第1の端子20と複数の第2の端子30との間にシールドスペーサ40が位置するように、位置決め完了した複数の第1の端子20、複数の第2の端子30および複数のシールドスペーサ40が並べられ、図10に示すように、第2の絶縁位置決め構造12と第3の絶縁位置決め構造13の位置決め柱および位置決め孔とシールドスペーサ40の位置決め孔とが互いに結合されることによって組み立て構造が形成される。そして、図11に示すように、複数の第1の端子20、複数の第2の端子30および複数のシールドスペーサ40を組み立てた後の組み立て構造を金型に入れて、射出成型工程で第4の絶縁位置決め構造を形成する。第4の絶縁位置決め構造14は、第1の突き合わせ部20aの一部、第2の突き合わせ部30aの一部を覆い、相手コネクタの端子と突き合わせする部分だけを残し、それと同時に、第4の絶縁位置決め構造14は、第1の突き合わせ部20aと、第2の突き合わせ部30aと、シールドスペーサ40との間の隙間を完全に充填することによって、第1の突き合わせ部20aと第2の突き合わせ部30aとに対応するシールドスペーサ40の部分を被覆する。
【0014】
本実施例の電気コネクタ1は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB) Type Cの電気コネクタであり、第1の端子列の第1の端子20と第2の端子列の第2の端子30とは、共に12本の端子を有している。上列の第1の端子20は、中央に位置する汎用信号端子ペア21と、汎用信号端子ペア21の両側にそれぞれ設けられた2つの機能端子22、23と、2つの機能端子22、23側にそれぞれ設けられた2つの電源端子24、25と、2つの当該電源端子24、25側にそれぞれ設けられた2つの差分端子ペア26、27と、2つの差分端子ペア26、27側にそれぞれ設けられた2つの接地端子28、29とを備える。下列の第2の端子30は、中央に位置する汎用信号端子ペア31と、汎用信号端子ペア31の両側にそれぞれ設けられた2つの機能端子32、33と、2つの機能端子32、33側にそれぞれ設けられた2つの電源端子34、35と、2つの電源端子34、35側にそれぞれ設けられた2つの差分端子ペア36、37と、2つの差分端子ペア36、37側にそれぞれ設けられた2つの接地端子38、39とを備える。上列の端子20と下列の端子30の配置は、USB type C仕様書の仕様に従って、電気信号特性が互いに逆の順序で配置されるように配置され、上方列端子20と下方列端子30の両方が、通常の信号端子ペアの21、31の中心線に対して対称に配置されている。ここでの対称配置とは、端子形状および端子配置の設置形態を含む。
【0015】
第1の端子列の第1の端子20と第2の端子列の第2の端子30との間には、平行に配列された複数のシールドスペーサ40が設けられている。複数のシールドスペーサ40は、金属で製造されて、相互に絶縁になるように相互に所定距離を隔てて設置されている。複数のシールドスペーサ40は、2つの外側シールドスペーサ41と、2つの内側シールドスペーサ42と、中間シールドスペーサ43とを含む。外側シールドスペーサ41は、上列の接地端子28と差分端子ペア26とに対応し、かつ下列の接地端子39と差分端子ペア37とに対応し、他方の外側シールドスペーサ41は、上列の接地端子29と差分端子ペア27とに対応し、下列の接地端子38と差分端子ペア36とに対応する。内側シールドスペーサ42は、上列の機能端子22と電源端子24とに対応し、下列の機能端子33と電源端子35とに対応し、他方の内側シールドスペーサ42は、上列の機能端子23と電源端子25とに対応し、下列の機能端子32と電源端子34とに対応し、中間シールドスペーサ43は、上列の汎用信号端子ペア21と下列の汎用信号端子ペア31とに対応する。2つの外側シールドスペーサ41と2つの内側シールドスペーサ42は、中間シールドスペーサ43に対して対称に配置されている。
【0016】
図12に示すように、第1の金属ハウジング50は、第4の絶縁位置決め構造14に挿入され、第1の金属ハウジング50は、第4の絶縁位置決め構造14に係合構造および締り嵌めで位置決めされる。第1の端子20の第1の突き合わせ部20aおよび第2の端子30の第2の突き合わせ部30aは、第1の金属ハウジング50内に位置している。第1の金属ハウジング50は、筒形構造を呈し、その一端に前記挿入口51を形成し、他端は第4の絶縁位置決め構造14に当接し第4絶縁ティーチング構造14で閉鎖する。
【0017】
図13に示すように、第2の金属ハウジング60は、第2の絶縁位置決め構造12の後端および第1の金属ハウジング60に係合構造61、62でそれぞれ係合され、第2の金属ハウジング60は、挿入部63を有し、電気コネクタ1全体とともに回路基板Pに位置決めされる。
【0018】
図14および図15を参照すると、第1の金属ハウジング50は、対向して配置された第1の内面52および第2の内面53を有する。第1の内面52は、第1の端子20の第1の突き合わせ部20aに対応する。第2の内面53は、第2の端子30の第2の突き合わせ部30aに対応する。第1の内面52から第1の突き合わせ部20aの上面までの距離は、第2の内面53から第2の突き合わせ部30aの下面までの距離に等しい。相手コネクタCが挿入口51から第1の金属ハウジング50に差し込まれたとき、第1の端子20の第1の突き合わせ部20aから相手コネクタCの金属ハウジングC1の第1の端子20に対応する内面C11までの距離D3は、第2の端子30の第2の突き合わせ部30aから相手コネクタCの金属ハウジングC1の第2の端子30に対応する内面C12までの距離D4に等しい。
【0019】
また、第1の端子20の第1の接続部20cから第2の金属ハウジング60の内面までの距離は、第2の端子30の第2の接続部30cから回路基板Pまでの距離に等しい。
【0020】
図16図22を参照し、本実施例の第1の端子列の接地端子28、29の第1の突き合わせ部20aと、対応する第2の端子列の接地端子39、38の第2の突き合わせ部30aとは、外側シールドスペーサ41の対向する両側に電気的に接続されている。第1の端子列の電源端子24、25の第1の突き合わせ部20aと、対応する第2の端子列の電源端子35、34の第2の突き合わせ部30aとは、内側シールドスペーサ42の対向する両側に電気的に接続されている。
【0021】
第1の端子列の各第1の端子20の第1の突き合わせ部20aから対応するシールドスペーサ40までの距離および第1の接続部20cから対応するシールドスペーサ40までの距離は、すべて等しい第1の距離D1であり、第2の端子列の各第2の端子30の第2の突き合わせ部30aから対応するシールドスペーサ40までの距離および第2の接続部30cから対応するシールドスペーサ40までの距離は、すべて等しい第2の距離D2である。第1の距離D1は第2の距離D2と等しい。すなわち、第1の端子20の第1の突き合わせ部20aと第1の接続部20cから対応するシールドスペーサ40までの距離は、第2の端子30の第2の突き合わせ部30aと第2の接続部30cから対応するシールドスペーサ40までの距離に等しい。再び図15を参照すると、本実施例では、第2の絶縁位置決め構造12の第3の表面121をシールドスペーサ40の上面に当接させ、第3の絶縁位置決め構造13の第4の面131をシールドスペーサ40の下面に当接させることによって、第1の距離D1が第2の距離D2に等しくなる。他の実施例では、第1の距離D1と第2の距離D2とが等しくなるように、第1の絶縁位置決め構造11の第1の表面111と第2の表面112とがそれぞれ第1の端子20の下面および第2の端子30の上面に当接させるようにしてもよい。
【0022】
図19に示すように、差分端子ペア26、27の電源端子ペア24、25に近接する差分端子は、対応する外側シールドスペーサ41上に、対応する外側シールドスペーサ41の端を超えないように投影される。図20に示すように、差分端子ペア36、37の電源端子ペア34、35に近接する差分端子は、対応する外側シールドスペーサ41上に、対応する外側シールドスペーサ41の端を越えないように投影される。
【0023】
図5および図7を併せて参照すると、第1の端子列の第1の端子20の溶接部20bは一列に並べられ、第2の端子列の第2の端子30の2つの接地端子38、39、汎用信号端子ペア31および2つの電源端子34、35の挿入部30bは、第1の挿入列に並べられ、第2の端子列の第2の端子30の2つの差分端子ペア36、37および2つの機能端子32、33の挿入部は第2の挿入列に並べられ、第1の挿入列と第2の挿入列とはすべて中線に対して対称的に設置されている。
【0024】
図17および図18に示すように、第1の端子列の第1の端子20の接地端子28、29の第1の接続部20cは、側方向フランジ20dを有し、第2の端子列の第2の端子30の接地端子38、39の第2の接続部30cは、側方向フランジ30dを有し、外側シールドスペーサ41は、接地端子28、29に対応する第1の接続部20cと接地端子38、39の第2の接続部30cにそれぞれ側方向フランジ41a、41bが設置されている。側方向フランジ41aは、上方へ彎曲に延伸して、第1の接続部20cの側方向フランジ20dに当接し、側方向フランジ41bは、下方へ彎曲に延伸して、第2の接続部30cの側方向フランジ30dに当接することによって、接地端子28、29の第1の接続部20cは外側シールドスペーサ41に電気的に接続され、接地端子38、39の第2の接続部30cは外側シールドスペーサ41に電気的に接続されている。側方フランジ20dは、第1の突起20eを有し、側方フランジ30dは,第2の突起30eを有し、側方フランジ20dの第1の突起20eが外側シールドスペーサ41の側方フランジ41aに当接し、側方フランジ30dの第2の突起30eが外側シールドスペーサ41の側方フランジ41bに当接する。
【0025】
図23および図24を参照し、第3の絶縁位置決め構造13は、第2の接続部30cと挿入部30bとの接続箇所に対応し、第1の絶縁位置決め構造11を収納するように端子が覆われない第2のスロット132が形成され、その中、図24では、図23の第1の絶縁位置決め構造11およびシールドスペーサ40を除去した後に、第3の絶縁位置決め構造13の第2のスロット132を露出し、第2の端子30の差分端子ペア36、37の第2の接続部30cと挿入部30bの接続箇所は第2のスロット132から露出しているので、第2の端子30は、ここでは一部が第3の絶縁位置決め構造13に被覆されていないので、インピーダンスが増加する。差分端子ペア36、37は高周波信号を伝送するので、インピーダンス増加は高周波信号伝送に影響するので、第2の接続部30cと挿入部30bとの接続部の幅を第2の端子30の差分端子ペア36、37の他の部分の幅より大きくし、導体断面積を増加させて抵抗値を下げ、第2のスロット132を設けられたことによる抵抗増加を補償する。
【0026】
図25から図29は、ソフトウェアによってシミュレーションした本発明の電気コネクタ1の差分モード/コモンモード変換、リターン損失、差分信号端子ペアのクロストーク、挿入損失、汎用信号端子ペアと差分信号端子ペアとの間のクロストークの図であり、以下の表1は、ソフトウェアによってシミュレーションした本発明の電気コネクタ1の各項目のデータである。図30から図34は、本発明の電気コネクタの差分モード/コモンモード変換、リターン損失、差分信号端子ペアのクロストーク、挿入損失、汎用信号端子ペアと差分信号端子ペアとの間のクロストークを実測した図であり、表2は、本発明の電気コネクタの各データを実測した各項目のデータである。本発明の電気コネクタは、ソフトウェアシミュレーションでも実際測定でもUSB4 2.0の規格に合致し、例えば、USB4 2.0の規格の差モード/コモンモード変換は、10GHzの場合に-20dB~-17dBと規定するが、本発明の電気コネクタの差モード/コモンモード変換は、10GHzの場合に-20dB~-30dBであり、しかも10GHz以上の周波数ではいずれも-20dB未満を維持する。例えば、挿入損失(insertion loss)は、10GHzの場合に7.5dBより大きい必要があり、本発明の電気コネクタの挿入損失は、10GHzの場合に-0.5dB~-1.0dBである。
【0027】
表1は、ソフトウェアによってシミュレーションした本発明の電気コネクタ1の各項目のデータである。
【0028】
表2は、実際に測定した本発明の電気コネクタの各項目のデータである。
【0029】
以上は、本発明の好ましい実施例についての説明に過ぎず、本発明の実施範囲は、これにより限定されるものではなく、すなわち、本発明の特許請求の範囲および新規説明内容によって同等の簡単な変更と修飾は、本発明特許の範囲に含まれる。さらに、本発明に係る実施例または特許請求の範囲のいずれかは、本発明が開示する目的または利点または特徴のすべてに達する必要はない。また、要約書および発明の名称は、単に特許文献の検索に使用されるだけであるため、本発明の権利範囲を制限するものではない。さらに、本明細書または特許請求の範囲に記載の「第1の」、「第2の」などの用語は、単に要素(element)の名称の命名、または、異なる実施例または範囲の区別に使用されるだけであるため、要素に係る数の上限または下限についての制限には使用されない。
【符号の説明】
【0030】
1 複合装着型電気コネクタ
10 絶縁ハウジング
11 第1の絶縁位置決め構造
12 第2の絶縁位置決め構造
13 第3の絶縁位置決め構造
14 第4の絶縁位置決め構造
20 第1の端子
20a 第1の突合せ部
20b 溶接部
20c 第1の接続部
20d 側方向フランジ
20e 第1の突起
21 汎用信号端子ペア
22、23 機能端子
24、25 電源端子
26、27 差分端子ペア
28、29 接地端子
30 第2の端子
30a 第2の突合せ部
30b 挿入部
30c 第2の接続部
30d 側方向フランジ
30e 第2の突起
31 汎用信号端子ペア
32、33 機能端子
34、35 電源端子
36、37 差分端子ペア
38、39 接地端子
40 シールドスペーサ
41 外側シールドスペーサ
41a 側方向フランジ
41b 側方向フランジ
42 内側シールドスペーサ
43 中間シールドスペーサ
50 第1の金属ハウジング
51 挿入口
52 第1の内面
53 第2の内面
60 第2の金属ハウジング
61、62 係合構造
63 挿入部
111 第1の表面
112 第2の表面
121 第3の表面
122 第1のスロット
131 第4の表面
132 第2のスロット
P 回路基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34