IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

特許7584582カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置
<>
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図1
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図2
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図3
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図4
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図5
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図6
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図7
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図8
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図9
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図10
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図11
  • 特許-カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】カートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20241108BHJP
   A24F 40/05 20200101ALI20241108BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20241108BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/05
A24F40/40
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023110991
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2021539399の分割
【原出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2023123820
(43)【公開日】2023-09-05
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0093372
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0126289
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0281883(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0007836(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0208821(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0227837(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03158883(EP,A2)
【文献】国際公開第2016/126544(WO,A1)
【文献】中国実用新案第204157645(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を収容する液体保存部と、
前記液体保存部から前記エアロゾル生成物質を伝達されてエアロゾルを発生させる霧化器と、
エアロゾルを排出する排出孔を含み、前記液体保存部の一側端部に結合されるマウスピースと、
前記液体保存部の内部に配置され、前記マウスピースの前記排出孔と前記霧化器を連結することで、前記霧化器で発生したエアロゾルを前記排出孔に伝達する伝達管と、
前記液体保存部と前記マウスピースとの間のエアロゾルが伝達される伝達経路上に配置されて液体を吸収する吸収部材と、を含み、
前記吸収部材は、互いに離隔されて配置される2つの吸収部材部分を含み、
前記伝達経路は、前記2つの吸収部材部分の間に配置される、カートリッジ。
【請求項2】
前記吸収部材が配置される載置部をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記吸収部材は、前記マウスピースが前記液体保存部に結合されることで固定される、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジの断面は、長方形を有する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記吸収部材は、前記伝達経路を妨害せず、前記2つの吸収部材部分を互いに連結するように配列され、前記2つの吸収部材部分のうち1つに吸収された液体を前記2つの吸収部材部分のうち他の1つに拡散させる少なくとも1つの吸収要素部分をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記エアロゾルが伝達される前記伝達経路上に配置されて液体の移動を防止する網をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記霧化器は、
前記エアロゾル生成物質を加熱するヒータと、
前記ヒータを取り囲んで前記液体保存部の他側端部を密封してエアロゾルが発生するチャンバを形成する下部キャップと、
前記下部キャップの前記チャンバに配置され、前記エアロゾル生成物質を吸収し、前記ヒータによって加熱されることでエアロゾルを発生させる液体伝達手段と、を含み、
前記伝達管の一端は、前記チャンバと連通する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
請求項1に記載のカートリッジと、
前記カートリッジが脱着可能に結合される収容空間を含む本体と、
前記本体に対して移動自在に結合され、前記本体に対して移動して前記マウスピースの少なくとも一部を覆うか、露出させるスライダと、を含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良質のエアロゾルを発生させうるカートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、エアロゾルの吸入感を改善することができるカートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを生成する方法に係わる需要が増加している。
【0003】
非燃焼式エアロゾル生成装置としては、本体にエアロゾル生成物質を収容するカートリッジを含む装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、良質のエアロゾルを発生させうるカートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置を提供する。
【0005】
また、本発明が解決しようとする課題は、エアロゾルの吸入感を改善することができるカートリッジ及びそれを含むエアロゾル生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例に係わるカートリッジは、エアロゾル生成物質を収容する液体保存部、液体保存部からエアロゾル生成物質を伝達されてエアロゾルを発生させる霧化器、エアロゾルを排出する排出孔を含み、液体保存部の一側端部に結合されるマウスピース、液体保存部の内部に配置されてマウスピースの排出孔と霧化器とを連結することで、霧化器で発生したエアロゾルを排出孔に伝達する伝達管、及び伝達管と排出孔との間でエアロゾルが伝達される伝達経路上に配置されて液体を吸収する吸収部材を含んでもよい。
【0007】
実施例を通じて解決しようとする課題が上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【発明の効果】
【0008】
エアロゾル生成装置の液体は、ユーザの口腔に直接到逹してユーザに不快感を与えてしまう。そのようなユーザの不快感は、1以上の実施例に係わるカートリッジ及びエアロゾル生成装置によって防止されうる。
【0009】
実施例による効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
図2図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
図3図1に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
図4】一実施例に係わるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】一実施例に係わるカートリッジを概略的に示す分離斜視図である。
図6図5に図示されたカートリッジの断面図である。
図7図5に図示されたカートリッジで液滴が発生する例示を概略的に示す斜視図である。
図8図5に図示されたカートリッジでエアロゾルの排出経路に係わる一実施例を示す分離斜視図である。
図9図8に図示された実施例で液滴が吸収される例示を示す図面である。
図10図9に図示された実施例で吸収された液滴が吸収部材の全体に拡散される例示を示す図面である。
図11図5に図示されたカートリッジでエアロゾルの排出経路に係わる他の実施例を示す分離斜視図である。
図12図5に図示されたカートリッジでエアロゾルの排出経路に係わるさらに他の実施例を示す分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一実施例に係わるカートリッジは、エアロゾル生成物質を収容する液体保存部、液体保存部からエアロゾル生成物質を伝達されてエアロゾルを発生させる霧化器、エアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを排出する排出孔を含み、液体保存部の一側端部に結合されるマウスピース、液体保存部の内部に配置されてマウスピースの排出孔と霧化器とを連結することで、霧化器で発生したエアロゾルを排出孔に伝達する伝達管、及び伝達管と排出孔との間でエアロゾルが伝達される伝達経路上に配置されて液体を吸収する吸収部材を含んでもよい。
【0012】
また、カートリッジは、吸収部材を収容するための載置部をさらに含んでもよい。
【0013】
また、吸収部材は、マウスピースが液体保存部に結合されることで固定されうる。
【0014】
また、吸収部材は、排出孔に位置し、カートリッジは、排出孔に吸収部材を固定する固定部材をさらに含んでもよい。
【0015】
また、カートリッジの断面は、互いに対向する表面に沿って延びる2つの長辺と、長辺よりも短い長さを有し、2つの長辺の両側端部をそれぞれ連結する2つの短辺を含んでもよい。
【0016】
また、吸収部材の断面形状は、前記カートリッジの断面形状と対応し、吸収部材は、エアロゾルが通過する通孔を含んでもよい。
【0017】
また、吸収部材は、2つの吸収部材部分を含み、2つの吸収部材部分が互いに離隔されることで、伝達経路が2つの吸収部材部分の間に配置されうる。
【0018】
また、吸収部材は、2つの吸収部材部分を互いに連結するように配列された少なくとも1つの吸収要素部分をさらに含んでもよい。
【0019】
また、吸収部材の体積は、50mm~120mmでもある。
【0020】
また、カートリッジは、エアロゾルが伝達される伝達経路上に配置されて液体の移動を防止する網をさらに含んでもよい。
【0021】
また、吸収部材は、スポンジ、フェルト及び綿のうち、少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0022】
また、霧化器は、エアロゾル生成物質を加熱するヒータ、ヒータを取り囲んで液体保存部の他側端部を密封してエアロゾルが発生するチャンバを形成する下部キャップ、下部キャップのチャンバに配置され、エアロゾル生成物質を吸収し、ヒータによって加熱されることで、エアロゾルを発生させる液体伝達手段を含み、伝達管の一端は、チャンバと連通することができる。
【0023】
他の実施例に係わるエアロゾル生成装置は、前述したカートリッジ、カートリッジが脱着可能に結合される収容空間を含む本体、及び本体に対して移動自在に結合され、本体に対して移動してマウスピースの少なくとも一部を覆うか、露出させるスライダを含んでもよい。
【0024】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0025】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0026】
ここで使用された「少なくとも1つ」のような表現は、全体構成リスト(list)を修飾し、リストの個別構成を修飾しない。例えば、「a、b及びcのうち少なくとも1つ」という表現は、「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」、または「a、b及びc」をいずれも含むと理解されねばならない。
【0027】
あるエレメントまたはあるレイヤが他のエレメントまたは他のレイヤの「上部に」、「上に」、「連結された」または「結合された」と指称されるとき、これは、他のエレメントまたは他のレイヤに直接連結されるか、直接結合されるか、または別途の結合されたエレメントまたはレイヤが存在してもよい。対照的に、あるエレメントが他のエレメントまたはレイヤの「直ぐ上に」、「直上に」、「直接連結された」または「直接結合された」と言及されたときには、中間に別途のエレメントが存在していないと理解されねばならない。同じ参照番号は、全体として同じ要素を指称する。
【0028】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0029】
以下、図面に基づいて本発明の実施例について詳細に説明する。
【0030】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0031】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10を含む。
【0032】
カートリッジ20は、エアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部が本体10の収容空間19に挿入されることで、カートリッジ20が本体10に装着されうる。
【0033】
カートリッジ20は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0034】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分や、これら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0035】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0036】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合にもなるが、それらに限定されない。
【0037】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気体の相に変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気が混合された状態の気体を意味する。
【0038】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることでエアロゾル生成物質の相を変換することができる。一実施例において、カートリッジ20は、自体の電力源を含み、本体10から伝達される電気的な制御信号や無線信号によって作動することでエアロゾルを発生させうる。
【0039】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を行う霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0040】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を行うことと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を保有する要素を含むことを意味する。
【0041】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(例えば、wick;芯)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータを含んでもよい。
【0042】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つを含んでもよい。
【0043】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現される。また、ヒータは、ニクロム線のような素材を用いて液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置された伝導性フィラメントによっても具現される。
【0044】
また、霧化器は、別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能とエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能をいずれも行うメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の発熱体によっても具現される。
【0045】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部から視覚的に確認可能なようにカートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な部分を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び液体保存部21の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によっても作製される。代案として、突出窓21aだけが透明な素材によっても作製される。
【0046】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを通じてカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0047】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0048】
スライダ7は、本体10に対して移動自在に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆うか、マウスピース22の少なくとも一部を外部に露出させる機能を行う。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0049】
図1に図示されたように、スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有することができるが、スライダ7の構造は、図面に図示された構造に制限されない。例えば、スライダ7は、本体10の縁部に結合された状態を保持しながら、本体10に対して移動可能なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板構造を有することができる。他の例として、スライダ7は、湾曲された円弧状の断面形状を有する曲がった半円筒状などの構造を有することができる。
【0050】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含む。磁性体は永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0051】
磁性体は、スライダ7の互いに対向する1つの第1磁性体8aと第2磁性体8bを含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向である本体10の長手方向(すなわち、本体10が延びる方向)に沿って互いに離隔して配置される。
【0052】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動することにより、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を介して互いに対向するように1つが設けられうる。
【0053】
スライダ7の位置によって、マウスピース22の端部は、固定磁性体9と第1磁性体8aとの間、または固定磁性体9と第2磁性体8bとの間に作用する磁力によって覆われるか、露出されうる。
【0054】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動することにより、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bが移動する経路上に配置される位置変化感知センサー3を含む。位置変化感知センサー3は、例えば、磁場の変化を感知するためにホール効果(hall effect)を用いるホール集積回路(Hall Integrated Circuit)を含み、感知された磁場の変化に基づいて信号を生成することができる。
【0055】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置5において本体10とカートリッジ20とスライダ7の水平方向の断面(例えば、長手方向を横切る方向での断面)の形状は、略長方形でもある。すなわち、水平方向の断面は、互いに対向する表面に沿って延びる2つの長辺と、長辺よりも短い長さを有し、2つの長辺の両側端部をそれぞれ連結する2つの短辺を含んでもよい。但し、実施例は、そのようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形や楕円形や正方形や様々な形態の多角形の断面形状を有してもよい。
【0056】
また、エアロゾル生成装置5が長手方向に沿って必ずしも直線的に延びる構造に制限されるのではない。例えば、エアロゾル生成装置5は、ユーザが手で把持しやすく、例えば、流線形に湾曲されるか、特定領域で既設定の角度に折り曲げられつつ長く延びる。
【0057】
図2は、図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0058】
図2に図示されたように、スライダ7は、本体10に結合されたカートリッジのマウスピース22の端部が覆われる位置に移動することができる。その場合、マウスピース22は、外部の不純物から保護され、清潔な状態に保持されうる。
【0059】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを通じてカートリッジ20の突出窓21aを視覚的に確認することで、カートリッジ20が保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させうる。
【0060】
図3は、図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0061】
図3では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態でユーザが自分の口腔にマウスピース22を挿入してマウスピース22の排出孔22aを通じて排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0062】
図3に図示されたように、スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した場合にもカートリッジ20の突出窓21aは、スライダ7の長孔7aを通じて外部に露出されうる。これにより、ユーザは、スライダ7の位置に関係なく、カートリッジ20が保有するエアロゾル生成物質の残量を視覚的に確認することができる。
【0063】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置5は、位置変化感知センサー3を含んでもよい。位置変化感知センサー3は、スライダ7の位置変化を感知することができる。
【0064】
一実施例において、位置変化感知センサー3は、磁性材料(magnetic material)の磁化または磁場の方向、強度などの変化を感知することができる。スライダ7には、磁石が含まれ、位置変化感知センサー3は、スライダ7に含まれる磁石の移動を感知することができる。
【0065】
例えば、位置変化感知センサー3は、ホール効果センサー(hall effect sensor)、回転コイル(rotating coil)、磁気抵抗素子(magnetoresistor)、またはSQUID(superconducting quantum interference device)でもあるが、それらに制限されるものではない。
【0066】
以下の説明では、図2に図示されたようにスライダ7がマウスピース22の端部を覆う位置を第1位置と指称し、図3に図示されたようにスライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置を第2位置と指称する。スライダ7が本体10と結合された状態で、ユーザは、スライダ7を第1位置及び第2位置の間の区間に沿って移動させうる。位置変化感知センサー3は、第1位置及び第2位置の間の区間に沿って移動するスライダ7の位置変化を感知することができる。
【0067】
一実施例において、スライダ7が第1位置から第2位置に移動した場合、エアロゾル生成装置5の制御部は、位置変化感知センサー3から入力信号を受信することができる。制御部は、入力信号に応答してエアロゾル生成装置5のモードを予熱モードに設定することができる。
【0068】
また、制御部は、カートリッジ20が本体10に装着されたか否かを決定する。エアロゾル生成装置5にカートリッジ20と本体10との結合如何を検出する別途のセンサーが備えられうる。または、制御部は、カートリッジ20のヒータと電気的に連結される本体10内部の回路に周期的に電流を印加して出力値を受信することで、カートリッジ20が本体10に装着されたか否かを決定する。
【0069】
一実施例において、カートリッジ20が本体10に装着された後、制御部は、位置変化感知センサー3から受信した入力信号に応答してエアロゾル生成装置5のモードを予熱モードに設定する。カートリッジ20が本体10に装着されていないと決定された場合、制御部が位置変化感知センサー3から入力信号を受信しても、エアロゾル生成装置5のモードを予熱モードに設定しない。
【0070】
また、制御部は、スライダ7の位置変化に基づいてエアロゾル生成装置5のモードをスリープモードに切換えることができる。一実施例において、スライダ7が第2位置から第1位置に移動した場合、制御部は、位置変化感知センサー3から入力信号を受信した後、エアロゾル生成装置5のモードをスリープモードに設定することができる。
【0071】
図4は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0072】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、バッテリ410、ヒータ420、センサー430、ユーザインターフェース440、メモリ450及び制御部460を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400の内部構造は、図4に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置400の設計によって、図4に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0073】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、カートリッジを除いた本体のみで構成され、その場合、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体及びカートリッジを含み、その場合、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体及びカートリッジに分けられて位置する。または、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成のうち、少なくとも一部は、本体及びカートリッジそれぞれに位置することもできる。
【0074】
以下では、エアロゾル生成装置400に含まれた各構成が位置する空間を限定せず、各構成の動作について説明する。
【0075】
バッテリ410は、エアロゾル生成装置400の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ410は、ヒータ420が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ410は、エアロゾル生成装置400内に備えられた他のハードウェア構成、例えば、センサー430、ユーザインターフェース440、メモリ450及び制御部460の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ410は、充電が可能なバッテリでも、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ410は、リチウムポリマー(Li-Polymer)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0076】
ヒータ420は、制御部460の制御によってバッテリ410から電力を供給される。ヒータ420は、バッテリ410から電力を供給されてエアロゾル生成装置400に挿入されたシガレットを加熱するか、エアロゾル生成装置400に結合されたカートリッジを加熱することができる。
【0077】
ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の本体に位置する。または、エアロゾル生成装置400が本体及びカートリッジで構成される場合、ヒータ420は、カートリッジに位置する。ヒータ420がカートリッジに位置する場合、ヒータ420は、本体及び/またはカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ410から電力を供給されうる。
【0078】
ヒータ420は、任意の適した電気抵抗性物質で形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ420は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されない。
【0079】
一実施例において、ヒータ420は、カートリッジに含まれた構成でもある。カートリッジは、ヒータ420、液体伝達手段及び液体保存部を含んでもよい。液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動し、ヒータ420は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ420は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0080】
他の実施例において、ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の収容空間に挿入されたシガレットを加熱することができる。エアロゾル生成装置400の収容空間にシガレットが収容されることにより、ヒータ420は、シガレットの内部及び/または外部に位置する。これにより、ヒータ420は、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。
【0081】
一方、ヒータ420は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ420は、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタが含まれる。
【0082】
エアロゾル生成装置400は、少なくとも1つのセンサー430を含んでもよい。少なくとも1つのセンサー430でセンシングされた結果は、制御部460に伝達され、センシング結果によって制御部460は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ)挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が行われるようにエアロゾル生成装置400を制御することができる。
【0083】
例えば、少なくとも1つのセンサー430は、パフ感知センサーを含んでもよい。パフ感知センサーは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0084】
また、少なくとも1つのセンサー430は、温度感知センサーを含んでもよい。温度感知センサーは、ヒータ420(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル生成装置400は、ヒータ420の温度を感知する別途の温度感知センサーを含むか、別途の温度感知センサーを含む代わりに、ヒータ420自体が温度感知センサーの役割を行うことができる。または、ヒータ420が温度感知センサーの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置400に別途の温度感知センサーがさらに含まれる。
【0085】
また、少なくとも1つのセンサー430は、位置変化感知センサーを含んでもよい。位置変化感知センサーは、本体に対して移動自在に結合されたスライダの位置変化を感知することができる。
【0086】
ユーザインターフェース440は、ユーザにエアロゾル生成装置400の状態に係わる情報を提供する。ユーザインターフェース440は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0087】
但し、エアロゾル生成装置400には、上の例示された多様なユーザインターフェース440の例示のうち、一部のみ取捨選択して具現されうる。
【0088】
メモリ450は、制御部460で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ450は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0089】
メモリ450には、エアロゾル生成装置400の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、少なくとも1つの電力プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0090】
制御部460は、エアロゾル生成装置400の全般的な動作を制御する。制御部460は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0091】
制御部460は、少なくとも1つのセンサー430によってセンシングされた結果を分析し、後続して行われる処理を制御する。
【0092】
制御部460は、少なくとも1つのセンサー430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420の動作が開始または終了するようにヒータ420に供給される電力を制御することができる。また、制御部460は、少なくとも1つのセンサー430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するようにヒータ420に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0093】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、複数のモードを有する。例えば、エアロゾル生成装置400のモードは、予熱モード、動作モード、休止モード、スリープモードを含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400のモードは、それに制限されない。
【0094】
エアロゾル生成装置400が用いられていない状態でエアロゾル生成装置400は、スリープモードを保持し、制御部406は、スリープモードでヒータ420に電力が供給されないように、バッテリ410の出力電力を制御することができる。例えば、エアロゾル生成装置400の使用前、またはエアロゾル生成装置400の使用が終了した後、エアロゾル生成装置400は、スリープモードで動作する。
【0095】
制御部460は、エアロゾル生成装置400に対するユーザ入力を受信した後、ヒータ420の動作を開始するために、エアロゾル生成装置400のモードを予熱モードに設定(例えば、エアロゾル生成装置400のモードをスリープモードから予熱モードに転換)しうる。
【0096】
また、制御部460は、パフ感知センサーを用いてユーザのパフを感知した後、エアロゾル生成装置400のモードを予熱モードから加熱モードに切換えられる。
【0097】
また、エアロゾル生成装置400が加熱モードで動作した時間が既設定の時間を徒過すれば、制御部460は、エアロゾル生成装置400のモードを加熱モードから休止モードに切換えられる。
【0098】
また、制御部460は、パフ感知センサーを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が最大パフ回数に到逹すれば、ヒータ420に対する電力供給を中断することができる。
【0099】
予熱モード、動作モード、及び休止モードそれぞれに対応する温度プロファイルが設定されうる。制御部406は、各モード別に温度プロファイルによってエアロゾル生成物質が加熱されるように、モード別に電力プロファイルに基づいてヒータ420に供給される電力を制御することができる。
【0100】
制御部460は、少なくとも1つのセンサー430によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース440を制御することができる。例えば、パフ感知センサーを用いてパフ回数をカウントした後、現在パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、制御部460は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いてユーザにエアロゾル生成装置400がすぐに終了することを通知することができる。
【0101】
一実施例において、既設定のパフ回数は、ヒータ420が終了する最大パフ回数から所定の回数(例:1回)だけ差し引かれた回数でもある。例えば、最大パフ回数が10回に設定された場合、制御部460は、パフ感知センサーを用いてパフ回数をカウントして現在パフ回数が9回に到逹する場合、制御部460は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いて、ユーザにエアロゾル生成装置400がすぐに終了することを通知する。
【0102】
また、制御部460は、パフ感知センサーを用いてパフ回数をカウントした後、現在パフ回数が最大パフ回数に到逹すれば、ヒータ420の動作を終了する。例えば、現在パフ回数が最大パフ回数に到逹した場合、制御部460は、エアロゾル生成装置400のモードをスリープモードに設定することができる。
【0103】
一方、図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置400は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電するのに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置400は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電することができる。
【0104】
図5は、一実施例に係わるカートリッジを概略的に示す分離斜視図であり、図6は、図5に図示されたカートリッジの断面図である。
【0105】
図5及び図6を参照すれば、カートリッジ20は、前述したように液体保存部21と霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0106】
霧化器は、液体保存部21に配置されてエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させるヒータ50と、ヒータ50を取り囲み、エアロゾルを発生させうるチャンバを形成する下部キャップ30と、ヒータ50によって加熱されるように下部キャップ30のチャンバに配置され、エアロゾル生成物質を吸収する液体伝達手段40を含む。液体伝達手段40は、エアロゾル生成物質を吸収した状態を保持し続け、ヒータ50によって液体伝達手段40が加熱されれば、液体伝達手段40に保持されているエアロゾル生成物質が気化してエアロゾルが発生する。
【0107】
図5及び図6に図示されたヒータ50、下部キャップ30、及び液体伝達手段40の構造は、例示であって、様々な形態に変形されうる。例えば、ヒータ50は、液体伝達手段40に巻かれず、液体伝達手段40に隣接して配置されうる。また、液体伝達手段40の構造がメッシュ状や板状に変形されうる。一実施例において、ヒータ50と液体伝達手段40は、1つの構成要素に統合されて具現されうる(例えば、金属素材のメッシュ状のヒータによっても具現される)。
【0108】
液体保存部21の一側端部にマウスピース22が結合され、液体保存部21の他側端部に下部キャップ30が結合される。下部キャップ30は、液体伝達手段40とヒータ50を支持すると共に、液体保存部21の他側端部を密封する機能を行うことができる。下部キャップ30の上端には、液体伝達手段40の両側端部を支持する支持片30pが設けられる。
【0109】
下部キャップ30は、液体保存部21の他側端部に挿入され、密封性能の向上のために下部キャップ30と液体保存部21との間にゴムやシリコンのような弾性素材の封止リング39が配置される。
【0110】
また、下部キャップ30は、チャンバに空気を伝達する空気通路31を含む。外部の空気が下部キャップ30の空気通路31を通過して液体伝達手段40に供給されうる。
【0111】
液体保存部21の内部には、マウスピース22の排出孔22aとエアロゾルが発生するチャンバ49とを連結することで、チャンバ49で発生したエアロゾルを排出孔22aに伝達する伝達管60が配置される。例えば、伝達管60の一端は、チャンバ49と連結されており、伝達管60の他端は、マウスピース22の排出孔22aに連結されている。図6を参照すれば、チャンバ49で発生したエアロゾルの移動経路が矢印で図示されている。エアロゾルは、伝達管60を通じて排出孔22aに伝達されうる。一方、図5及び図6で図示された実施例によれば、伝達管60は、液体保存部21が延びる長手方向に沿って液体保存部21の中心軸線上に配置されるが、実施例は、そのような伝達管60の位置によって制限されない。例えば、伝達管60は、液体保存部21のエッジに偏って配置されうる。
【0112】
伝達管60と液体伝達手段40との間には、加圧部70が配置される。加圧部70は、チャンバ49に向かう伝達管60の一端(例えば、伝達管60の下端)と液体伝達手段40との間に配置されて液体伝達手段40を下部キャップ30に向かう方向に加圧する機能を行う。
【0113】
加圧部70は、ゴムやシリコンのような弾性を有する素材を含んでもよい。これにより、加圧部70は、伝達管60と液体伝達手段40との間に加圧部70が圧縮状態で配置されることで、加圧部70が液体伝達手段40を堅く加圧することができる。そのような加圧部70の加圧作用によって液体伝達手段40が加熱されてエアロゾルを発生させる作用を反復的に遂行しても、下部キャップ30のチャンバ49に液体伝達手段40が安定して保持されうる。
【0114】
加圧部70は、伝達管60の一端を取り囲み、伝達管60の一端をチャンバに連結する連結管71を含む。伝達管60の一端側には、加圧部70の連結管71にかかるように伝達管60の外側から突出するフランジを含む。
【0115】
液体保存部21は、液体保存部21の内部で伝達管60の他端を取り囲み、伝達管60の他端(例えば、伝達管60の上端)を排出孔22aに連結する支持管22bを含む。また、液体保存部21は、伝達管60の他端側に液体保存部21の支持管22bにかかるように伝達管60の外側から突出するフランジを含む。したがって、伝達管60は、両端にそれぞれ形成されたフランジによってチャンバと排出孔22aとの間で堅固に支持されうる。
【0116】
加圧部70は、接触部72と伝達孔73をさらに含んでもよい。接触部72は、液体伝達手段40と直接接触するように連結管71の外側から液体伝達手段40に向かって延びる。伝達孔73は、液体保存部21に収容されているエアロゾル生成物質が液体伝達手段に伝達されるように接触部72の外側で上下方向に開放されうる。液体伝達手段40は、ほぼ円筒状にも作製され、液体伝達手段40に接触する接触部72の表面は、液体伝達手段40の外側表面の形状に対応して曲面形状を有することができる。
【0117】
カートリッジ20の液体保存部21の下端には、本体と電気的な連結のための端子21tが外部に露出されるように設けられる。例えば、下部キャップ30の下側端部には、端子21tが設けられる。端子21tは、本体と電気的な連結のために下部キャップ30の外側に露出されるように設けられる。端子21tは、本体から供給された電気をヒータ50に伝達する機能を行う。端子21tは、下部キャップ30の端子通路36を貫通してチャンバに向かって突出する結合管21pを含む。結合管21pは、ヒータ50の端部(例えば、コイル形態のヒータ50の端部)と堅固に結合される。
【0118】
図7は、図5に図示されたカートリッジで液滴が発生する例示を概略的に示す斜視図である。
【0119】
図7を参照すれば、チャンバで発生したエアロゾルが伝達管60を通じて排出孔22aに伝達される過程でエアロゾルは冷却されうる。エアロゾルの冷却によってエアロゾルが伝達される伝達経路(例えば、伝達管60の内部)で液滴LQが発生しうる。ユーザがエアロゾル生成装置の使用する場合、伝達管60の内部に発生した液滴LQは、ユーザの吸入圧力によってユーザの口腔に直接伝達されうる。そのような場合、ユーザに不快感を与えてしまう問題点が発生しうる。
【0120】
図8は、図5に図示されたカートリッジでエアロゾルの排出経路に係わる一実施例を示す分離斜視図である。
【0121】
図8を参照すれば、図7で説明した問題点を解決するために、カートリッジ20は、液体を吸収することができる吸収部材220を含んでいる。吸収部材220は、伝達管60とマウスピース22の排出孔22aとの間でエアロゾルが伝達される伝達経路上に配置され、吸収部材220は、伝達経路を妨害しない形状を有することができる。
【0122】
例えば、図8に図示された実施例において、吸収部材220は、前述したカートリッジの断面形状に対応する断面形状を有し、吸収部材220は、エアロゾルの伝達経路を妨害しないように、エアロゾルが通過する通孔を含んでもよい。すなわち、吸収部材220は、通孔を基準に長辺に沿って両側に配置された2部分が互いに連結されている。これは、吸収部材220において2部分のうち、いずれか一部に液体が不均一に吸収されても、吸収部材220の2部分は、互いに連結されているので、吸収部材220全体を用いて液体を吸収することができる。
【0123】
吸収部材220は、伝達管60の他端に配置された載置部221に配置され、吸収部材220が載置部221に収容された後、マウスピース22を液体保存部21に結合させることで、吸収部材220は安定して固定されうる。
【0124】
吸収部材220は、液体を吸収することができる物質によっても作製される。例えば、吸収部材220は、フェルト(felt)、スポンジ(sponge)及び面などによって作製されるが、その限りではない。
【0125】
また、吸収部材220は、液体の使用中に発生する液体を十分に吸収するように吸収部材220の体積は、50mm~120mmでもある。
【0126】
図9は、図8に図示された実施例において、液滴が吸収される例示を示す図面であり、図10は、図9に図示された実施例で吸収された液滴が吸収部材内で拡散される例示を示す図面である。
【0127】
図9を参照すれば、エアロゾルが伝達される伝達経路上に液滴LQが発生するか、ユーザの吸入によって液滴LQが移動し、液滴LQと吸収部材220が接触する。吸収部材220は、液体を吸収する物質であるので、液滴LQは、吸収部材220に吸収され、エアロゾルが伝達される伝達経路上で除去されうる。
【0128】
図10を参照すれば、液滴LQが吸収部材220上に完全に吸収された後、液滴が吸収部材220の全体に拡散されうる。したがって、液滴LQが吸収部材220の一部を通じて吸収されても、吸収部材220全体に拡散されるので、吸収部材220の全体積は、液滴LQの吸収に使用されうる。
【0129】
図11は、図5に図示されたカートリッジでエアロゾルの排出経路に係わる他の実施例を示す分離斜視図である。以下では、上述した説明と重複する説明は省略する。
【0130】
図11を参照すれば、カートリッジ20は、液体を吸収することができる複数の吸収部材220を含んでいる。図11に図示された実施例において、複数の吸収部材220a、220bは、2つと図示されているが、それに制限されず、2つを超過してもよい。例えば、複数の吸収部材220のうち、一部220a、220bは、伝達経路を挟んで離隔して配置されうる。複数の吸収部材220のうち、他の一部は、離隔して配置された吸収部材220a、220bの間を連結するように配置されうる。したがって、図11に図示された実施例のように、2つの吸収部材220a、200bにおいて、いずれか一部に液体が不均一に吸収されても、2つの吸収部材220a、220bは、互いに連結されているので、吸収部材220全体を用いて液体を吸収することができる。
【0131】
吸収部材220a、220bは、伝達管60の他端に配置された載置空間22に配置され、吸収部材220a、220bが載置空間22に収容された後、マウスピース22を液体保存部21に結合させることで、吸収部材220a、220bは安定して固定されうる。
【0132】
図12は、図5に図示されたカートリッジでエアロゾルの排出経路に係わるさらに他の実施例を示す分離斜視図である。
【0133】
図12を参照すれば、カートリッジ20は、液体を吸収することができる複数の吸収部材220を含んでいる。図12に図示された実施例において、複数の吸収部材220a、220bは、2つと図示されているが、その限りではない。すなわち、複数の吸収部材220の個数は、2つを超過してもよい。例えば、複数の吸収部材220のうち、一部220a、220bは、伝達経路を挟んで離隔して配置されており、複数の吸収部材220のうち、他の一部は、離隔して配置された吸収部材220a、220bの間を連結するように配置されうる。
【0134】
吸収部材220a、220bは、マウスピース22のエアロゾルが外部に吐出される排出孔22aに配置されうる。すなわち、排出孔22aは、吸収部材220a、220bが収容されうる載置空間22を形成しており、吸収部材220a、220bは、載置空間22に配置される。吸収部材220a、220bが載置空間22に収容された後、吸収部材220a、220bを固定するために、固定部材223が載置空間22に固設されうる。例えば、固定部材223は、載置空間22に超音波融着によって固設されるが、固設方式は、それに制限されず、接着剤など多様な方式によっても固設される。
【0135】
一方、図6ないし図12には、図示されていないが、カートリッジ20は、エアロゾルが伝達される伝達経路上に配置されて液体の移動を防止する網をさらに含んでもよい。ユーザがエアロゾル装置を使用してエアロゾルを吸入するとき、液体は、網によって濾過されるので、液体がユーザに伝達されることが防止されうる。
【0136】
図6ないし図12は、説明の便宜上、カートリッジ20に吸収部材220が配置された3つの例示が図示されているが、吸収部材220が配置される位置は、それらに限定されない。すなわち、吸収部材220は、カートリッジ20の製造仕様によって、エアロゾルが外部に伝達される伝達経路の他の位置に配置されうる。
【0137】
図4の制御部460及びユーザインターフェース440のような図面においてブロックで表現される構成要素、要素、モジュールまたは、ユニット(この段落で総称して「構成要素」)のうち、少なくとも1つは、前述した例示的な実施例によってそれぞれの機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェア構造としても具現される。例えば、これらコンポネントのうち、少なくとも1つは、メモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような1つ以上のマイクロプロセッサの制御を通じてそれぞれの機能を行う直接回路構造または他の制御装置を使用することができる。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つは、モジュール、プログラムまたはコードの一部によって具体的に具現され、これは、特定の論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令を含み、1つ以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置によって実行される。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つは、それぞれの機能を行う中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサなどのプロセッサを含むか、これによって具現されうる。これら構成要素のうち、2以上は、1以上の単一構成要素に結合され、単一構成要素は、結合された2以上の構成要素の全動作または機能を行うことができる。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つの機能のうち、一部は、他の構成要素によって行われうる。また、バス(bus)は、前記ブロック図に図示されていないが、構成要素を通じる通信は、バスを通じて行われうる。前記例示的な実施例の機能的な側面は、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによって具現されうる。また、ブロックまたは処理段階で表現された構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理などのための任意の数の関連技術を採用することができる。
【0138】
上述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載の内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれるものと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12