(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】洋上風車用ジャケット構造体システム、及び洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法
(51)【国際特許分類】
B60P 3/00 20060101AFI20241108BHJP
B62D 63/00 20060101ALI20241108BHJP
B63B 73/30 20200101ALI20241108BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20241108BHJP
E04H 12/10 20060101ALI20241108BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20241108BHJP
F03D 13/40 20160101ALI20241108BHJP
E02B 3/20 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
B60P3/00 Z
B62D63/00
B63B73/30
E04G21/16
E04H12/10 Z
F03D13/25
F03D13/40
E02B3/20 Z
(21)【出願番号】P 2023189654
(22)【出願日】2023-11-06
【審査請求日】2023-11-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)開催日令和5年10月13日 講演・展示会名Global Offshore Wind Summit-Japan 2023(会期:令和5年10月11日~13日)開催場所北九州国際会議場(福岡県北九州市小倉北区浅野3-9-30)一般社団法人日本発電協会/世界風力会議主催<資 料>令和5年10月13日セミナー講演資料(2)開催日(公開日)令和4年11月10日 講演・展示会名Global Offshore Wind Summit-Japan 2022(会期:令和4年11月9日~10日) 開催場所あきた芸術劇場ミルハス(秋田県秋田市千秋明徳町2-52)、秋田市文化創造館(秋田県秋田市千秋明徳町3-16)一般社団法人日本発電協会主催<資 料>令和4年11月10日 セミナー講演資料(3)発行日 令和4年11月24日 刊行物技術情報誌 「Aspire」Vol.01 日鉄エンジニアリング株式会社発行 電子版アドレス<URL: https://www.eng.nipponsteel.com/company/pdf/aspire_01.pdf ><資 料>技術情報誌 「Aspire」Vol.01(4)開催日令和5年3月15日~17日 展示会名WIND EXPO 春 2023 開催場所東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)RX Japan株式会社主催 <資 料>展示会 展示資料及び動画キャプチャ(5)発行日(公開日)令和5年8月20日 刊行物 日経コンストラクション 2023年8月号 株式会社日経BP発行<資 料>日経コンストラクション2023年8月号(6)ウェブサイトの掲載日令和5年1月12日 ウェブサイトのアドレス https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1129C0R10C23A1000000/(日本経済新聞電子版 株式会社 日本経済新聞社配信)<資 料>日本経済新聞電子版 令和5年1月12日版(7)ウェブサイトの掲載日令和5年6月12日 ウェブサイトのアドレス https://www.nikkei.com/articl
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】越智 直哉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 三樹雄
(72)【発明者】
【氏名】谷口 政宏
(72)【発明者】
【氏名】江藤 麻美
(72)【発明者】
【氏名】成重 斎貴
(72)【発明者】
【氏名】上野 知之
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0056740(US,A1)
【文献】特開2022-040823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 13/40
B62D 63/00
B63B 73/30
E04G 21/16
E04H 12/10
F03D 13/25
E02B 3/20
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレグを有する洋上風車用ジャケット構造体、を備える洋上風車用ジャケット構造体システムであって、
前記洋上風車用ジャケット構造体の搬送時において、
前記複数のレグに含まれる第1レグは、第1搬送台車及び第2搬送台車のそれぞれに載置され、
前記第1レグは、前記第1搬送台車及び前記第2搬送台車に挟まれ
、
前記第1レグの下部は、地面に配置される設置台に設置され、
前記設置台は、前記第1搬送台車及び前記第2搬送台車のそれぞれに係止されて搬送可能に構成され、
前記設置台は、前記第1搬送台車及び前記第2搬送台車に挟まれて搬送される、
ことを特徴とする洋上風車用ジャケット構造体システム。
【請求項2】
前記設置台は爪部を備え、
前記第1レグは、前記下部に設けられ、且つ、前記下部の径よりも径が大きい蓋部材を更に備え、
前記蓋部材は、前記第1レグの内部にグラウトが流入することを抑制し、
前記爪部は、前記第1レグが前記設置台から浮き上がることを防止するため、前記蓋部材と係合する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の洋上風車用ジャケット構造体システム。
【請求項3】
前記設置台は、当接部材を更に備え、
前記当接部材は、前記設置台に対する前記下部の水平方向の位置を決めるため、前記蓋部材と当接する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の洋上風車用ジャケット構造体システム。
【請求項4】
前記レグの下端は、前記下端の軸方向に沿って見て十字状の十字状部材を備え、
前記設置台は、前記十字状部材が挿入される穴を有し、
前記穴に挿入される前記十字状部材の下端は、地面及び前記設置台に接触しない、
ことを特徴とする請求項
1乃至
3のいずれか1項に記載の洋上風車用ジャケット構造体システム。
【請求項5】
前記設置台の上部には、第1水平材と、第2水平材と、が設けられ、
前記洋上風車用ジャケット構造体の搬送時において、
前記第1水平材は、前記第1レグの管軸を挟んで、前記第2水平材の反対側に位置し、
前記第1水平材及び前記第2水平材の下面は、前記第1搬送台車及び前記第2搬送台車の上面に当接する、
ことを特徴とする請求項
1乃至3のいずれか1項に記載の洋上風車用ジャケット構造体システム。
【請求項6】
前記第1水平材及び前記第2水平材のそれぞれは、前記設置台と取り外し可能にピン接合され、
前記第1水平材と前記設置台とがピン接合される位置は、前記第2水平材と前記設置台とがピン接合される位置と、前記第1レグを挟んで、対称である、
ことを特徴とする請求項
5に記載の洋上風車用ジャケット構造体システム。
【請求項7】
第1鋼管杭の内部に挿入される第1レグを備える第1洋上風車用ジャケット構造体と、
第2鋼管杭の内部に挿入される第2レグを備える第2洋上風車用ジャケット構造体と、
第3鋼管杭及び第4鋼管杭に接続される第3レグと、前記第3鋼管杭及び前記第4鋼管杭と前記第3レグとを接続する接続部材と、を備える第3洋上風車用ジャケット構造体と、
を含む洋上風車用ジャケット構造体システムであって、
前記第1洋上風車用ジャケット構造体の搬送時において、前記第1レグは第1設置台に設置され、
前記第2洋上風車用ジャケット構造体の搬送時において、前記第2レグは第2設置台に設置され、
前記第3洋上風車用ジャケット構造体の搬送時において、前記接続部材は第3設置台に設置され、
前記第1設置台は、2台の第1搬送台車のそれぞれに係止され
て搬送可能に構成され、
前記第1設置台は、前記2台の第1搬送台車に挟まれ
て搬送され、
前記第2設置台は、1台の第2搬送台車に支持され、
前記第3設置台は、1台の第3搬送台車に支持され、
前記接続部材は、前記第3鋼管杭が挿入される第3さや管を備え、
前記第3設置台は、前記第3さや管が設置され、
前記第3設置台の両端には、脚が設けられており、
前記1台の第3搬送台車は、前記両端に設けられる前記脚に挟まれる、
ことを特徴とする洋上風車用ジャケット構造体システム。
【請求項8】
複数のレグを有する洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法であって、
前記複数のレグに含まれる第1レグは、第1搬送台車及び第2搬送台車のそれぞれに載置され、
前記複数のレグに含まれる第1レグは、前記第1搬送台車及び前記第2搬送台車に挟まれ
、
前記第1レグの下部は、地面に配置される設置台に設置され、
前記設置台は、前記第1搬送台車及び前記第2搬送台車のそれぞれに係止されて搬送可能に構成され、
前記設置台は、前記第1搬送台車及び前記第2搬送台車に挟まれて搬送される、
ことを特徴とする洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洋上風車用ジャケット構造体システム、及び洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洋上風車用ジャケット構造体を搬送台車で搬送することが行われている。
特許文献1は、洋上風車用ジャケット構造体におけるレグのスタビングを支持部材上に設けること、ドーリーを利用して下部ジャケットを搬送すること、を開示する。
特許文献2は、モノパイル式基礎のトランジションピースを多軸台車で搬送すること、を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-46721号公報
【文献】特開2022-40823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、下部ジャケットを搬送するためにどのようにドーリーを利用するのか、の開示がない。また、特許文献2では、ジャケット構造体を多軸台車で搬送することが想定されていない。
【0005】
本開示は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、洋上風車用ジャケット構造体を搬送台車で安定して搬送することが可能な洋上風車用ジャケット構造体システム、及び洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本開示の態様1に係る洋上風車用ジャケット構造体システムは、複数のレグを有する洋上風車用ジャケット構造体、を備える洋上風車用ジャケット構造体システムであって、前記洋上風車用ジャケット構造体の搬送時において、前記複数のレグに含まれる第1レグは、第1搬送台車及び第2搬送台車のそれぞれに載置され、前記第1レグは、前記第1搬送台車及び前記第2搬送台車に挟まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、洋上風車用ジャケット構造体を搬送台車で安定して搬送することが可能な洋上風車用ジャケット構造体システム、及び洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システムの斜視図である。
【
図3】第1レグが第1設置台に設置された状態を示す第1側面図である。
【
図4】第1レグが第1設置台に設置された状態を示す第2側面図である。
【
図7】第1レグが第1搬送台車及び第2搬送台車に挟まれた状態を示す正面図である。
【
図9】第2実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本開示の一実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システムを説明する。
洋上風車用ジャケット構造体システムは、複数のレグを有する洋上風車用ジャケット構造体を備える。なお、本実施形態において、洋上風車用ジャケット構造体システムが備える洋上風車用ジャケット構造体は、完成状態のものであってもよいし、製作途中のものであってもよい。洋上風車用ジャケット構造体システムは、例えば、1つ以上の洋上風車用ジャケット構造体を備える。洋上風車用ジャケット構造体は、海底地盤に打設された鋼管杭に接続されることで、洋上に設置される。洋上風車用ジャケット構造体は、洋上において、不図示の洋上風車を支持する。
なお、洋上風車用ジャケット構造体システムが洋上風車用ジャケット構造体を複数含む場合、複数の洋上風車用ジャケット構造体のそれぞれの構造または形状は、いずれも同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0010】
以下、本実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システム1に含まれる洋上風車用ジャケット構造体の1つである、第1洋上風車用ジャケット構造体10の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システム1の斜視図である。
図2は、
図1に示すII部の拡大図である。
図3は、第1レグ11が第1設置台S1に設置された状態を示す第1側面図である。
図4は、第1レグ11が第1設置台S1に設置された状態を示す第2側面図である。
図5は、
図4のV部の拡大図である。
図6は、
図4の平面図である。
図7は、第1レグ11が第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に挟まれた状態を示す正面図である。
図8は、
図7の平面図である。
【0011】
(第1洋上風車用ジャケット構造体10の構成)
図1に示すように、第1洋上風車用ジャケット構造体10は、第1レグ11と、ブレース12と、トランジションピース13と、を備える。
第1レグ11は、第1洋上風車用ジャケット構造体10の備えるレグである。第1レグ11は、上下方向に延びる。本実施形態において、第1レグ11は、筒状の部材である。換言すれば、第1レグ11は、中空の部材である。第1レグ11の下部は、不図示の鋼管杭の上端に接続される。第1レグ11の上端は、トランジションピース13に接続される。この時、第1レグ11は、上端に接続されるトランジションピース13の寸法と、下端に接続される鋼管杭同士の間隔と、に合わせて、適宜屈曲又は湾曲していてもよい。
本実施形態において、第1洋上風車用ジャケット構造体10は、複数の第1レグ11を含む。具体的には、第1洋上風車用ジャケット構造体10は、4つの第1レグ11を有する。
【0012】
本実施形態において、第1レグ11と鋼管杭とは、第1レグ11の下部が鋼管杭の上端から鋼管杭の内部に挿入されることで接続される。なお、接続後の第1レグ11と鋼管杭とは、第1レグ11の外周面と鋼管杭の内周面との間にグラウトが充填されることで固定される。
ここで、第1レグ11の内部にグラウトが流入すると、第1レグ11と鋼管杭とを固定するためのグラウトが余分に必要となる原因となる。
これを抑えるために、第1レグ11の下部には、筒状である第1レグ11の開口を塞ぎ、第1レグ11の内部にグラウトが流入することを抑制するための蓋部材11C(
図3参照)が設けられる。これにより、第1レグ11と鋼管杭とを固定するために必要なグラウトの量を抑えることができる。
【0013】
本実施形態において、蓋部材11Cの径は、第1レグ11の下部の径よりも大きい。このことで、蓋部材11Cによって、第1レグ11の下部にフランジ状の部分が形成される。以下、この部分をフランジ部11fという。フランジ部11fには、後述する第1設置台S1の爪部S1cが係合される。このことで、第1設置台S1から第1レグ11が浮き上がることを防止することができる(詳細は後述する)。
【0014】
第1レグ11を鋼管杭の内部に挿入する際、又は、第1レグ11の下部を第1設置台S1に設置する際、第1レグ11の下端を適宜位置合わせする必要がある。この位置合わせを容易にするために、第1レグ11の下端には、十字状部材11Gが備えられる。十字状部材11Gは、第1レグ11の下端を、鋼管杭の上端、又は後述する第1設置台S1の穴S1h(
図6参照)に導くガイドとして機能する。十字状部材11Gは、第1レグ11の下端の軸方向に沿って見て十字状に形成される。十字状部材11Gは、例えば、複数の板状の部材を十字状に組み合わせて配置することで形成される。
【0015】
十字状部材11Gは、例えば、
図3及び
図4に示すように、第1レグ11の径方向の中央において下方に突出する頂点11Gtを有する形状とすることが好ましい。このことで、例えば、第1レグ11を鋼管杭に位置合わせする際、十字状部材11Gの頂点11Gtが鋼管杭の内部に挿入された後は、第1レグ11が下方に移動する際に十字状部材11Gが鋼管杭に当接し続けることで、第1レグ11の中心軸が鋼管杭の中心軸に一致するように導かれるようにすることができる。
十字状部材11Gに頂点11Gtを設けるために、十字状部材11Gを形成する板状の部材のそれぞれは、例えば、台形状あるいは三角形状であることが好ましい。また、十字状部材11Gによる、第1レグ11と鋼管杭又は第1設置台S1との位置合わせをより行いやすくするため、十字状部材11Gの、第1レグ11の下端の軸方向に直行する方向の寸法は、例えば、蓋部材11Cの径と同じ程度であることが好ましい。あるいは、十字状部材11Gの、第1レグ11の下端の軸方向に直行する方向の寸法は、十字状部材11Gが鋼管杭の内部に収容可能な程度であれば、
図6に示すように、蓋部材11Cの径より大きくてもよい。
【0016】
ブレース12は、第1洋上風車用ジャケット構造体10の周方向に沿って、4本の第1レグ11を互いに接続する。ブレース12は、例えば、第1レグ11に対して溶接により接合される。このことで、ブレース12は、4本の第1レグ11からなる構造を補強する。
トランジションピース13は、第1洋上風車用ジャケット構造体10における、洋上風車が接続される部分である。具体的には、トランジションピース13には、洋上風車タワーの下端が接続される。また、トランジションピース13は、前述した4つのレグによって支持される。
以上の各構成により、第1洋上風車用ジャケット構造体10は、洋上風車を支持する。
【0017】
(第1洋上風車用ジャケット構造体の製作時及び搬送時の態様)
本実施形態に係る第1洋上風車用ジャケット構造体10は、前述の各構成を陸上のヤード(工場)にて組み立てるようにして製作された後、洋上の設置場所に輸送される。そして、あらかじめ海底地盤に打設された鋼管杭に接続されることで、洋上に据え付けられる。また、第1洋上風車用ジャケット構造体10は、製作中における各工程に合わせて、
図1及び
図2に示すように、搬送台車Dによって地上を搬送される。
【0018】
以下、本実施形態に係る第1洋上風車用ジャケット構造体10の、製作時及び搬送時の態様について説明する。
すなわち、例えば、第1洋上風車用ジャケット構造体10の製作時、複数の第1レグ11のそれぞれは、
図3又は
図4に示すように、第1設置台S1に設置される。製作中の第1洋上風車用ジャケット構造体10の搬送は、第1レグ11が設置された第1設置台S1を、
図1及び
図2に示すように、搬送台車Dによって移動させることで行われる。この時、第1設置台S1と搬送台車Dとは、水平材H(
図7参照)によって接続される。このことで、搬送台車Dによって第1設置台S1及び第1レグ11を移動可能とする。
【0019】
(第1設置台)
第1洋上風車用ジャケット構造体10において、第1レグ11同士をブレース12で接続する作業は、第1レグ11が不図示の治具に立てかけられた状態で行われる。この時、第1レグ11の下部は、地面に配置される第1設置台S1(設置台)に設置される。
図3又は
図4に示すように、第1設置台S1は、第1脚部S1aと、第1梁部S1bと、爪部S1cと、当接部材S1dと、を備える。
第1脚部S1aは、地面と接する部分である。第1脚部S1aは、例えば、地面に沿って水平方向に延びる。この時、第1脚部S1aは、例えば、第1洋上風車用ジャケット構造体10が搬送される際の進行方向に沿って延びる。このことで、搬送台車Dを、第1脚部S1aの長手方向に沿って配置できるようにする。
第1脚部S1aには、例えば、公知のH型鋼又はI型鋼が用いられる。この時、第1脚部S1aは、例えば、ウェブの部分が地面に対して直行するように配置され、フランジの部分が地面に接するように配置される。第1設置台S1において、第1脚部S1aは略平行に2つ設けられる。なお、本実施形態において、略平行とは、相対角度が5°以下であることをいう。このことで、第1設置台S1に第1レグ11が設置される時、第1レグ11の下部が、2つの第1脚部S1aの間に位置するようにされる。
2つの第1脚部S1aは、それぞれ、
図3~
図6に示すように、後述する水平材Hをピン接合可能な接合部S1a1を有する。接合部S1a1は、第1脚部S1aのそれぞれの上部に設けられる。接合部S1a1は、2つの第1脚部S1aに対して、それぞれ2か所ずつ設けられる。
【0020】
第1梁部S1bは、前述した2つの第1脚部S1aを互いに接続する。すなわち、第1梁部S1bは、地面に沿う方向のうち、第1脚部S1aが伸びる方向と直行する方向に延びる。そして、第1梁部S1bの両端は、略平行に設けられた2つの第1脚部S1aにそれぞれ接合される。第1梁部S1bには、例えば、公知のH型鋼又はI型鋼が用いられる。この時、第1梁部S1bは、例えば、ウェブの部分が地面に対して直行するように配置され、フランジの部分が地面に接するように配置される。第1設置台S1において、第1梁部S1bは略平行に2つ設けられる。このことで、第1設置台S1に第1レグ11が設置される時、第1レグ11の下部が、2つの第1梁部S1bの間に位置するようにされる。
【0021】
上述のように、第1設置台S1に第1レグ11が設置される時、第1レグ11の下部は、2つの第1脚部S1aの間、且つ、2つの第1梁部S1bの間に位置する。換言すれば、第1設置台S1は、2つの第1脚部S1aと2つの第1梁部S1bとによって形成される穴S1hを有し、第1レグ11は、第1レグ11の下部が穴S1hに挿入されるようにして、第1設置台S1に設置される。この時、穴S1hには、
図3及び
図4に示すように、十字状部材11Gが挿入される。このことで、十字状部材11Gは、第1レグ11を第1設置台S1に設置する際のガイドとして機能する。
なお、本実施形態において、穴S1hに挿入される十字状部材11Gの下端は、地面及び第1設置台S1に接触しない。すなわち、本実施形態において、
図4に示すように、第1脚部S1a及び第1梁部S1bの高さh1は、十字状部材11Gの高さh2以上である。また、穴S1hを平面視した場合の大きさは、
図6に示すように、十字状部材11Gを、穴S1hに干渉することなく収容可能な程度である。このことで、十字状部材11Gに、第1レグ11の重量などの荷重が作用することを防ぐことができる。
【0022】
第1レグ11の十字状部材11Gが第1設置台S1の穴S1hに挿入された時、第1レグ11の蓋部材11Cは、
図3~
図6に示すように、第1設置台S1の第1脚部S1a及び第1梁部S1bの上面に当接する。これにより、第1レグ11が、第1設置台S1に設置される。この時、2つの第1脚部S1a及び2つの第1梁部S1bのそれぞれに対する第1レグ11の蓋部材11Cの接触面積を等しくすることで、均等に第1レグ11の荷重を作用させるようにするため、第1脚部S1aと第1梁部S1bとは、互いに同じ高さであることが好ましい。また、2つの第1脚部S1aと2つの第1梁部S1bとによって形成される穴S1hは、正方形状であって、一辺の長さが、蓋部材11Cの径よりも小さく、かつ、十字状部材11Gを収容可能な程度である正方形状であることが好ましい。また、穴S1hの一辺の長さは、十字状部材11Gを、穴S1hに干渉することなく収容可能な程度であることが好ましい。すなわち、例えば、十字状部材11Gにおける第1レグ11の下端の軸方向に直行する方向の寸法が蓋部材11Cの径より大きい場合であっても、
図6に示すように、平面視において十字状部材11Gを形成する板をそれぞれ穴S1hの対角線に沿うように配置することで、十字状部材11Gを収容可能な程度の長さであることが好ましい。
【0023】
爪部S1cは、第1脚部S1a又は第1梁部S1bに溶接等によって取り付けられる板状の部材である。爪部S1cは、第1脚部S1a又は第1梁部S1bの上面に立てられた状態で、板面の縁部が第1脚部S1a又は第1梁部S1bに接合される。このことで、例えば、爪部S1cの第1脚部S1a又は第1梁部S1bへの溶接面を小さくして、溶接の作業性を向上させることができる。
爪部S1cは、
図5に示すように、切り欠きS1c1を備える。切り欠きS1c1が第1レグ11の蓋部材11Cと当接することで、爪部S1cは、第1レグ11の蓋部材11Cと係合する。このことで、爪部S1cは、第1設置台S1に設置された第1レグ11が、第1設置台S1から浮き上がることを防止する。
【0024】
切り欠きS1c1は、
図5に示すように、爪部S1cと、第1脚部S1a又は第1梁部S1bと、が当接する部分の端部を切り欠くようにして設けられる。切り欠きS1c1の、第1脚部S1a又は第1梁部S1bの上面に沿う方向の寸法d1は、第1レグ11に下部に蓋部材11Cによって形成されるフランジ部11fと係合可能な程度である。切り欠きS1c1の、第1脚部S1a又は第1梁部S1bの上面に直交する方向の寸法d2は、蓋部材11Cの厚さと同等である。
ここで、上述のように、第1レグ11の下部には、第1レグ11の下部よりも径の大きい蓋部材11Cによって、フランジ部11fが形成されている。このため、
図3に示すように、第1設置台S1の穴S1hに第1レグ11の下部が挿入された後に、
図4に示すように、第1脚部S1a及び第1梁部S1bの上面に爪部S1cが取り付けられると、爪部S1cの切り欠きS1c1が、蓋部材11Cと係合する。これにより、爪部S1cによって、第1設置台S1に設置された第1レグ11が、第1設置台S1から浮き上がることを防止することができる。
爪部S1cは、例えば、2つの第1脚部S1a及び2つの第1梁部S1bのそれぞれに、均等に設けられる。すなわち、爪部S1cは、例えば、
図6に示すように、第1レグ11の蓋部材11Cと、第1脚部S1a又は第1梁部S1bとの接触面Aのそれぞれにおいて、接触面の長手方向の両端付近に、2か所ずつ設けられる。このことで、爪部S1cによって確実に第1レグ11が第1設置台S1から浮き上がることを防げるようにすることが好ましい。
【0025】
当接部材S1dは、
図6に示すように、第1設置台S1に対する第1レグ11の下部の水平方向の位置を決めるため、蓋部材11Cと当接する。本実施形態において、当接部材S1dは、例えば、第1脚部S1a及び第1梁部S1bのそれぞれに溶接等によって取り付けられる板状の部材である。以下、当接部材S1dについて、2つの第1脚部S1aのうち一方の第1脚部S1aに設けられるものについて説明するが、他方の第1脚部S1a、及び、2つの第1梁部S1bにおいても同様に設けられる。
【0026】
当接部材S1dは、一方の第1脚部S1aにおける、穴S1hの一辺の中間に相当する部分に設けられる。当接部材S1dは、例えば、蓋部材11Cと当接する当接板S1d1と、当接板S1d1を補強する補強板S1d2と、を含む。
当接板S1d1は、第1脚部S1aの上面に立てられた状態で、板面の縁部が第1脚部S1aに接合される。そして、第1脚部S1aの上面において、当接板S1d1は、間隔をあけて2つ配置される。2つの当接板S1d1は、互いに同じ形状を有する。当接板S1d1の、上下方向に沿う縁部のうち、穴S1hに面する側の縁部は、例えば、
図3に示すように、下方から上方に向かうにつれて穴S1hから離れるように傾斜する傾斜部S1dsを有することが好ましい。このことで、第1レグ11を第1設置台S1に設置するとき、傾斜部S1dsに接触した蓋部材11Cが、下方に移動するにつれて穴S1hの中央の側に導かれるようにすることができる。
補強板S1d2は、
図3及び
図6に示すように、2つの当接板S1d1における第1レグ11の上下方向に沿う縁部、すなわち、水平方向に面する縁部のうち、穴S1hに面しない側の縁部同士を接続するように設けられる。すなわち、補強板S1d2は、第1脚部S1aの上面に立てられた状態で、板面の縁部が、第1脚部S1aの上面と、2つの当接板S1d1の上下方向に沿う縁部のうち穴S1hに面しない側の縁部と、に接合される。このことで、補強板S1d2は、第1脚部S1aの上面に立てられた当接板S1d1が、蓋部材11Cの接触などによって倒れる、又は変形することを抑える。
なお、当接部材S1dは、上述の構成に限らず、例えば、傾斜部S1dsに相当する部分を備えたブロック状の部材であってもよい。
【0027】
(搬送台車)
図2に示すように、搬送台車Dは、第1洋上風車用ジャケット構造体10を搬送する。搬送台車Dは、搬送対象を載置可能な荷台Dcと、荷台Dcを移動させる複数の車輪Dtと、を備える。搬送台車Dには、例えば、公知のドーリーが好適に用いられる。なお、荷台Dcは、上下方向に移動可能である。
搬送台車Dは、第1洋上風車用ジャケット構造体10における複数の第1レグ11のそれぞれに配置される。第1レグ11のそれぞれに配置された搬送台車Dのそれぞれは、例えば第1洋上風車用ジャケット構造体10を直進させる際、同時に同じ方向に同じ速度で移動する。あるいは、第1洋上風車用ジャケット構造体10の進行方向を曲げる際は、搬送台車Dのそれぞれの速度を適宜変化させる。このことで、搬送台車Dは、第1レグ11乃至第1洋上風車用ジャケット構造体10を搬送する。
【0028】
第1洋上風車用ジャケット構造体10の搬送時において、第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2のそれぞれに載置される。この時、第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に挟まれる。すなわち、1つの第1レグ11は、2台の搬送台車Dによって搬送される。なお、本実施形態において、第1搬送台車D1と第2搬送台車D2とは、互いに同じ構成である。以下、本実施形態において、第1搬送台車D1と第2搬送台車D2とを区別しない場合に、搬送台車Dという。
【0029】
第1レグ11が搬送台車Dによって搬送される際、第1レグ11は、第1設置台S1に設置された状態で搬送される。本実施形態において、搬送台車Dは、第1設置台S1を移動させることで、第1レグ11を搬送する。本実施形態において、搬送台車Dによって第1設置台S1を移動させる際は、1つの第1設置台S1を、2台の搬送台車Dによって移動させる。すなわち、第1設置台S1は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2のそれぞれに係止され、且つ、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に挟まれる。この時、搬送台車Dは、第1設置台S1の第1脚部S1aの長手方向に沿うように配置される。このことで、第1設置台S1は、第1脚部S1aが延びる方向に移動可能となる。
本実施形態において、搬送台車Dは、次に述べる水平材Hを介して、第1設置台S1に係止される。
【0030】
(水平材)
水平材Hは、搬送台車Dと第1設置台S1とを係止する。水平材Hは、第1洋上風車用ジャケット構造体10の搬送時、すなわち、第1設置台S1を搬送台車Dによって移動させる際に、第1設置台S1に取り付けられる。
第1水平材H1及び第2水平材H2の下面は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2の上面に当接する。すなわち、搬送台車Dは、第1設置台S1に取り付けられた水平材Hの下に荷台Dcが位置するように配置された状態で、荷台Dcを上方に移動させることで、水平材Hを持ち上げる。このことで、搬送台車Dは、水平材Hを介して第1設置台S1を持ち上げる。本実施形態において、搬送台車Dと第1設置台S1とを係止するとは、搬送台車Dによって第1設置台S1が持ち上げられた状態をいう。また、本実施形態において、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に第1レグ11が載置されるとは、第1レグ11が設置された第1設置台S1が、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に載置されることをいう。
【0031】
搬送台車Dと第1設置台S1とを係止する際、第1設置台S1の上部には、第1水平材H1と、第2水平材H2と、が設けられる。第1水平材H1と、第2水平材H2とは、互いに同じ構成である。第1水平材H1及び第2水平材H2は、水平方向に沿って延びる部材である。この時、第1水平材H1及び第2水平材H2は、それぞれ、第1脚部S1aが延びる方向に直交する方向に延びる。
第1水平材H1及び第2水平材H2のそれぞれは、
図7に示すように、ピンPiによって、第1設置台S1と取り外し可能にピン接合される。具体的には、第1水平材H1及び第2水平材H2のそれぞれは、
図7に示すように、2つの第1脚部S1aにそれぞれ設けられた接合部S1a1のそれぞれにピン接合される。この時、第1水平材H1は、第1レグ11の管軸を挟んで、第2水平材H2の反対側に位置するように配置される。なお、第1水平材H1と第1設置台S1とがピン接合される位置は、第2水平材H2と第1設置台S1とがピン接合される位置と、第1レグ11を挟んで、対称である。このような配置とすることで、搬送台車Dによって第1設置台S1を安定して持ち上げることができる。
【0032】
(洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法)
次に、本実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法について説明する。すなわち、本実施形態において、第1洋上風車用ジャケット構造体10は、上述した各構成を用いて複数の第1レグ11を移動させることで搬送される。この時、第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2のそれぞれに載置され、複数のレグに含まれる第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に挟まれる。このことで、複数の第1レグ11のそれぞれを安定して搬送することを可能にする。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システム1によれば、第1洋上風車用ジャケット構造体10の搬送時において、第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2のそれぞれに載置される。また、第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に挟まれる。すなわち、第1洋上風車用ジャケット構造体10が搬送される際、第1レグ11は、第1搬送台車D1と第2搬送台車D2との間に位置する状態とされる。これにより、第1洋上風車用ジャケット構造体10を、複数の搬送台車Dによって安定して搬送することができる。
【0034】
また、第1レグ11の下部が設置される第1設置台S1は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2のそれぞれに係止される。これにより、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2によって第1設置台S1を移動させることで、第1レグ11を移動させることができる。したがって、第1設置台S1を、第1洋上風車用ジャケット構造体10を製作する際の建方架台として機能させることに加えて、製作後の第1洋上風車用ジャケット構造体10を搬送する際の搬送架台としても機能させることができる。
また、第1設置台S1は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に挟まれる。これにより、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2によって、第1設置台S1を安定して搬送することができる。したがって、第1洋上風車用ジャケット構造体10を安定して搬送することができる。
【0035】
また、蓋部材11Cは、第1レグ11の内部にグラウトが流入することを抑制する。これにより、第1レグ11の内部にグラウトが流入することによって、鋼管杭と第1レグ11とを固定する際に、余分にグラウトが必要となることを抑えることができる。
また、爪部S1cは、第1レグ11が第1設置台S1から浮き上がることを防止するため、蓋部材11Cと係合する。これにより、蓋部材11Cを、第1レグ11の内部にグラウトが流入することを抑制するために機能させることに加えて、第1レグ11が第1設置台S1に載置された状態から、第1レグ11が浮き上がることを抑制するために機能させることができる。
【0036】
また、第1設置台S1に設けられる当接部材S1dは、第1設置台S1に対する第1レグ11の下部の水平方向の位置を決めるため、蓋部材11Cと当接する。これにより、蓋部材11Cを、前述の2つの機能に加えて、第1設置台S1に対して第1レグ11の位置合わせをするために機能させることができる。
【0037】
また、第1レグ11の下端は十字状部材11Gを備え、第1設置台S1は、十字状部材11Gが挿入される穴S1hを有する。すなわち、十字状部材11Gは、第1設置台S1が有する穴S1hに挿入される。これにより、十字状部材11Gを、例えば、第1設置台S1に第1レグ11を配置するためのガイドとして用いることができる。よって、第1設置台S1に第1レグ11を配置しやすくすることができる。
また、穴S1hに挿入される十字状部材11Gの下端は、地面及び第1設置台S1に接触しない。これにより、十字状部材11Gに、第1レグ11の自重がかかることを防ぐことができる。よって、十字状部材11Gが必要以上の強度を有することを抑えることができる。よって、例えば、十字状部材11Gの費用を抑えることができる。
【0038】
また、第1洋上風車用ジャケット構造体10の搬送時において、第1水平材H1は、第1レグ11の管軸を挟んで、第2水平材H2の反対側に位置する。すなわち、第1レグ11は、第1水平材H1及び第2水平材H2によって挟まれる。そして、第1水平材H1及び第2水平材H2の下面は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2の上面に当接する。これにより、例えば、第1水平材H1及び第2水平材H2を、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2によって持ち上げることで、第1設置台S1及び第1設置台S1に配置された第1レグ11を持ち上げることができる。したがって、第1水平材H1及び第2水平材H2を設けることで、第1設置台S1及び第1レグ11を持ち上げやすくすることができる。
【0039】
また、第1水平材H1及び第2水平材H2のそれぞれは、第1設置台S1と取り外し可能にピン接合される。これにより、第1設置台S1が建方架台として用いられる際に第1水平材H1及び第2水平材H2が第1設置台S1に取り付けられないようにすることで、第1設置台S1の大きさを抑えることができる。また、第1設置台S1に第1水平材H1及び第2水平材H2が溶接等によって互いに相対移動不可の状態で接合される場合と比較して、例えば、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2が走行する路面の形状に応じて第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2の姿勢が変化した際に、柔軟に対応しやすくすることができる。
また、第1設置台S1が搬送架台として用いられる際に、第1水平材H1及び第2水平材H2を取り付けることで、第1設置台S1を第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2によって持ち上げやすくすることができる。
更に、第1水平材H1と第1設置台S1とがピン接合される位置は、第2水平材H2と第1設置台S1とがピン接合される位置と、第1レグ11を挟んで、対称である。これにより、第1レグ11を、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2によって、安定的に支持した状態で搬送することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る第1洋上風車用ジャケット構造体10の搬送方法によれば、第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2のそれぞれに載置される。この時、第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に挟まれる。すなわち、第1洋上風車用ジャケット構造体10が搬送される際、第1レグ11は、第1搬送台車D1と第2搬送台車D2との間に位置する状態とされる。これにより、第1洋上風車用ジャケット構造体10を、複数の搬送台車Dによって安定して搬送することができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、本開示に係る第2実施形態の洋上風車用ジャケット構造体システム1を、
図9~
図12を参照して説明する。
図9は、第2実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システム1の斜視図である。
図10は、
図9のIX部の拡大図である。
図11は、
図10のX方向の矢視図である。
図12は、
図9のXI部の拡大図である。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0042】
本実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システム1は、
図9に示すように、第1洋上風車用ジャケット構造体10と、第2洋上風車用ジャケット構造体20と、第3洋上風車用ジャケット構造体30と、を含む。これらの洋上風車用ジャケット構造体は、それぞれ互いに異なる構造を有する。すなわち、これらの洋上風車用ジャケット構造体は、例えば、それぞれの高さや、鋼管杭との接続の様式が互いに異なる。以下、これらの洋上風車用ジャケット構造体の構造について具体的に説明する。
【0043】
第1洋上風車用ジャケット構造体10は、上述の第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。なお、第2実施形態では、第1レグ11が接続される鋼管杭を、第1鋼管杭(不図示)という。すなわち、第2実施形態において、第1洋上風車用ジャケット構造体10は、第1鋼管杭の内部に挿入される第1レグ11を備える。
【0044】
第2洋上風車用ジャケット構造体20は、第1洋上風車用ジャケット構造体10と同様の構成を備えるが、
図9に示すように、高さが第1洋上風車用ジャケット構造体10よりも高い点で、第1洋上風車用ジャケット構造体10と相違する。なお、第2実施形態において、第2洋上風車用ジャケット構造体20の備えるレグを、第2レグ21という。また、第2レグ21が接続される鋼管杭を、第2鋼管杭(不図示)という。すなわち、第2実施形態において、第2洋上風車用ジャケット構造体20は、第2鋼管杭の内部に挿入される第2レグ21を備える。
【0045】
第3洋上風車用ジャケット構造体30は、第1洋上風車用ジャケット構造体10及び第2洋上風車用ジャケット構造体20の備える各構成に加えて、接続部材32を更に備える点で第1洋上風車用ジャケット構造体10及び第2洋上風車用ジャケット構造体20と相違する。なお、第2実施形態において、第3洋上風車用ジャケット構造体30の備えるレグを、第3レグ31という。第3レグ31は、接続部材32を介して、第3鋼管杭及び第4鋼管杭(いずれも不図示)に接続される。すなわち、第2実施形態において、第3洋上風車用ジャケット構造体30は、第3鋼管杭及び第4鋼管杭に接続される第3レグ31と、第3鋼管杭及び第4鋼管杭と第3レグ31とを接続する接続部材32と、を備える。
以下、接続部材32の詳細について説明する。
【0046】
接続部材32は、第3レグ31の下端に設けられる。このことで、接続部材32は、第3レグ31と、第3鋼管杭及び第4鋼管杭と、を接続可能とする。
接続部材32は、
図12に示すように、第3さや管32aと、第4さや管32bと、接続板32cと、補強部材32dと、を備える。
第3さや管32aは、上下方向に沿って延びる筒状の部材である。第3さや管32aの内部には、第3鋼管杭が挿入される。第3さや管32aの内部に第3鋼管杭が挿入された後は、第3さや管32aと第3鋼管杭とは、例えば、グラウトにより固定される。
第4さや管32bは、上下方向に沿って延びる筒状の部材である。第4さや管32bの内部には、第4鋼管杭が挿入される。第4さや管32bの内部に第4鋼管杭が挿入された後は、第4さや管32bと第4鋼管杭とは、例えば、グラウトにより固定される。
【0047】
ここで、第3洋上風車用ジャケット構造体30において、第3レグ31と、第3鋼管杭及び第4鋼管杭と、の接続は、次のようにして行われる。
すなわち、まず、予め海底地盤に打設された第4鋼管杭の上方に第4さや管32bが位置する状態として、第3洋上風車用ジャケット構造体30を下方に移動させることで、第4さや管32bの内部に第4鋼管杭を挿入させ、第4さや管32bと第4鋼管杭とをグラウトによって固定する。すなわち、第4鋼管杭は、いわゆる先打ち杭であり、第4さや管32bは、先打ち杭に対応する。その後に、第3さや管32aの上方から、第3さや管32aの内部に第3鋼管杭を挿入し、その状態で第3鋼管杭を海底地盤に打設する。第3鋼管杭の打設を完了した後に、第3さや管32aと第3鋼管杭とをグラウトによって固定する。すなわち、第3鋼管杭は、いわゆる後打ち杭であり、第3さや管32aは、後打ち杭に対応する。
上述の作業、すなわち、第3さや管32aと第3鋼管杭との接続、及び、第4さや管32bと第4鋼管杭との接続を行いやすくするために、第3さや管32aの上端、及び第4さや管32bの下端には、それぞれ、第3拡径部32ae、及び第4拡径部32beが形成されることが好ましい。
【0048】
接続板32cは、第3レグ31の下端と、第3さや管32a及び第4さや管32bとを接続する板状の部材である。接続板32cは、
図12に示すように、第3さや管32a及び第4さや管32bの上側と下側とに設けられる。
補強部材32dは、接続板32cによる第3レグ31の下端と第3さや管32a及び第4さや管32bとの接続を補強する板状の部材である。補強部材32dは、第3レグ31と第3さや管32a及び第4さや管32bとの間、及び、第3さや管32aと第4さや管32bとの間に、それぞれ設けられる。補強部材32dは、例えば、接続板32c、第3さや管32a、及び第4さや管32bのそれぞれに、溶接により接合される。これにより、補強部材32dは、接続部材32の構造を補強する。
【0049】
(洋上風車用ジャケット構造体の製作時及び搬送時の態様)
第2洋上風車用ジャケット構造体20及び第3洋上風車用ジャケット構造体30は、第1実施形態において説明した第1洋上風車用ジャケット構造体10と同様に、地上のヤード(工場)にて製作された後、洋上の設置場所に輸送され、洋上に配置される。また、第2洋上風車用ジャケット構造体20及び第3洋上風車用ジャケット構造体30は、製作中における各工程に合わせて、地上を搬送される。
【0050】
以下、第2洋上風車用ジャケット構造体20及び第3洋上風車用ジャケット構造体30の、製作時及び搬送時の態様についてそれぞれ説明する。
第1洋上風車用ジャケット構造体10の、製作時及び搬送時の態様については、第1実施形態において説明したものと同一であるため、説明を省略する。なお、第2実施形態では、第1洋上風車用ジャケット構造体10の搬送時において、第1設置台S1は、2台の第1搬送台車D1のそれぞれに係止され、且つ、2台の第1搬送台車D1に挟まれるものとする。
【0051】
(第2洋上風車用ジャケット構造体の製作時及び搬送時の態様)
第2洋上風車用ジャケット構造体20の製作時、複数の第2レグ21のそれぞれは、第2設置台S2に設置される。製作中の第2洋上風車用ジャケット構造体20の搬送は、例えば第2洋上風車用ジャケット構造体20を直進させる際、第2レグ21が設置された第2設置台S2のそれぞれを、第2搬送台車D2によって同時に同じ方向に同じ速度で移動させることで行われる。あるいは、第2洋上風車用ジャケット構造体20の進行方向を曲げる際は、第2搬送台車D2のそれぞれの速度を適宜変化させる。第2搬送台車D2は、第1実施形態の第1搬送台車D1と同様の構成を備える。
第2洋上風車用ジャケット構造体20の搬送時において、第2レグ21は第2設置台S2に設置されている。この時、第2設置台S2は、1台の第2搬送台車D2に支持される。このことで、第2搬送台車D2によって第2設置台S2及び第2レグ21を移動可能とする。
【0052】
(第2設置台)
第2洋上風車用ジャケット構造体20において、第2レグ21同士をブレース12で接続する作業は、例えば、第2レグ21が不図示の治具に立てかけられた状態で行われる。この時、第2レグ21の下部は、地面に配置される第2設置台S2に設置される。
図10及び
図11に示すように、第2設置台S2は、第2天板S2aと、第2脚部S2bと、を備える。
第2天板S2aは、第2レグ21の下端が設置される正方形状又は長方形状の部材である。この時、第2天板S2aのうちの2辺は、第2搬送台車D2の進行方向に沿うように配置される。第2天板S2aは、第2脚部S2bによって支持される。
ここで、第2レグ21は、第1洋上風車用ジャケット構造体10の第1レグ11と同様に、下端に十字状部材11Gを備える。このため、天板には、第1設置台S1が備える穴S1hと同様の構成(穴S2h)を備えることが好ましい。また、第2天板S2aの厚さは、第2レグ21の下端に設けられた十字状部材11Gの高さ以上であることが好ましい。
【0053】
第2脚部S2bは、第2設置台S2における、地面と接する部分である。第2脚部S2bは、第2天板S2aの両端に設けられる。ここで、上述のように、正方形状又は長方形状の第2天板S2aのうちの2辺は、第2搬送台車D2の進行方向に沿うように配置される。第2実施形態において、第2脚部S2bは、前述のように配置された第2天板S2aの、第2搬送台車D2の進行方向に直交する方向の両端に一対に設けられる。
【0054】
前述のように一対に設けられた第2脚部S2bは、それぞれ、支柱部S2b1と、支柱補強部S2b2と、を備える。以下、一対に設けられた第2脚部S2bの一方についてのみ説明し、他方については一方と同様の構成であるため、説明を省略する。
支柱部S2b1は、地面と直交する方向に沿って延びる。第2脚部S2bは、例えば、
図10及び
図11に示すように、正方形状又は長方形状である第2天板S2aの角部のそれぞれに設けられる。換言すれば、支柱部S2b1は、第2搬送台車D2の進行方向に沿って2つ設けられる。あるいはこれに限らず、支柱部S2b1は、第2搬送台車D2の進行方向に沿って3つ以上設けられてもよい。
支柱補強部S2b2は、支柱部S2b1を補強するために設けられる。すなわち、支柱補強部S2b2は、前述のように複数設けられた支柱部S2b1の下端同士を接続する。また、支柱補強部S2b2は、地面に接するように設けられる。このことで、支柱補強部S2b2は、例えば、第2レグ21の重量によって支柱部S2b1が変形することを抑える。また、支柱補強部S2b2が地面に接することで、支柱部S2b1のみが接する場合と比較して、第2脚部S2bが地面に接する表面積を大きくする。このことで、第2レグ21の重量による地面への負荷を小さくする。
【0055】
前述の構成を備える第2設置台S2は、1台の第2搬送台車D2に支持される。すなわち、第2レグ21が設置された第2設置台S2を第2搬送台車D2によって持ち上げる際、第2搬送台車D2は、一対に設けられた第2脚部S2bの間から、第2天板S2aの下に進入する。第2搬送台車D2は、第2天板S2aの下に第2搬送台車D2が位置する状態で、荷台Dcを上方に移動させることで、第2設置台S2及び第2レグ21を持ち上げる。このことで、第2搬送台車D2によって、第2レグ21乃至第2洋上風車用ジャケット構造体20を搬送可能とする。すなわち、第2洋上風車用ジャケット構造体20の搬送時において、1台の第2搬送台車D2は、第2設置台S2の両端に設けられる第2脚部S2bに挟まれる。
【0056】
(第3洋上風車用ジャケット構造体の製作時及び搬送時の態様)
図12に示すように、第3洋上風車用ジャケット構造体30の製作時、複数の第3レグ31のそれぞれは、第3設置台S3に支持される。より具体的には、第3レグ31は、第3レグ31の下端に設けられた接続部材32の第3さや管32aが第3設置台S3に設置されることで、第3設置台S3に支持される。製作中の第3洋上風車用ジャケット構造体30の搬送は、例えば第3洋上風車用ジャケット構造体30を直進させる際、第3さや管32aが設置された第3設置台S3のそれぞれを、第3搬送台車D3によって同時に同じ方向に同じ速度で移動させることで行われる。あるいは、第3洋上風車用ジャケット構造体30の進行方向を曲げる際は、第3搬送台車D3のそれぞれの速度を適宜変化させる。第3搬送台車D3は、第1実施形態の第1搬送台車D1と同様の構成を備える。
第3洋上風車用ジャケット構造体30の搬送時において、接続部材32は第3設置台S3に支持されている。この時、第3設置台S3は、1台の第3搬送台車D3に支持される。このことで、第3搬送台車D3によって第3設置台S3及び第3レグ31を移動可能とする。
【0057】
(第3設置台)
第3洋上風車用ジャケット構造体30において、第3レグ31同士をブレース12で接続する作業は、第3レグ31が不図示の治具に立てかけられた状態で行われる。この時、第3レグ31は、地面に配置される第3設置台S3に支持される。
図12に示すように、第3設置台S3は、第3天板S3aと、第3脚部S3b(脚)と、を備える。
第3天板S3aは、第3さや管32aの下端が設置される正方形状又は長方形状の部材である。この時、第3天板S3aのうちの2辺は、第3搬送台車D3の進行方向に沿うように配置される。第3天板S3aは、第3脚部S3bによって支持される。
ここで、第3さや管32aは、上述のように、上端に第3拡径部32aeを備えるが、下端に拡径部を備えていない。第4さや管32bに設けられた第4拡径部32beは、第3さや管32aの下端に対して強度が低い。下端に第4拡径部32beを備える第4さや管32bを第3天板S3aに設置すると、第4拡径部32beへの負担が大きくなる。このため、
図12に示すように、第4拡径部32beは、直接第3設置台S3に載せられないようにすることが好ましい。換言すれば、第3天板S3aには第3さや管32aが設置されることが好ましい。
また、第3さや管32aは筒状の部材であり、下端に十字状部材11Gを備えない。このため、第3天板S3aにおいては、穴が設けられなくてよい。また、第3さや管32aから作用される重量に対応可能な強度を確保できれば、第3天板S3aの厚さは任意に決定されてよい。
【0058】
第3脚部S3bは、地面と接する部分である。第3脚部S3bは、第3天板S3aの両端に設けられる。ここで、上述のように、正方形状又は長方形状の第3天板S3aのうちの2辺は、第3搬送台車D3の進行方向に沿うように配置される。第2実施形態において、第3脚部S3bは、前述のように配置された第3天板S3aの、第3搬送台車D3の進行方向に直交する方向の両端に一対に設けられる。
第3脚部S3bは、第2脚部S2bと同様の構成を備える。すなわち、前述のように一対に設けられた第3脚部S3bは、それぞれ、支柱部S2b1と、支柱補強部S2b2と、を備える。
前述の構成を備える第3設置台S3は、1台の第3搬送台車D3に支持される。すなわち、第3さや管32aが設置された第3設置台S3を第3搬送台車D3によって持ち上げる際、第3搬送台車D3は、一対に設けられた第3脚部S3bの間から、第3天板S3aの下に進入する。第3搬送台車D3は、第3天板S3aの下に第3搬送台車D3が位置する状態で、荷台Dcを上方に移動させることで、第3設置台S3及び第3レグ31を持ち上げる。このことで、第3搬送台車D3によって、第3さや管32aを介して、第3レグ31乃至第3洋上風車用ジャケット構造体30を搬送可能とする。すなわち、第3洋上風車用ジャケット構造体30の搬送時において、1台の第3搬送台車D3は、第3設置台S3の両端に設けられる第3脚部S3bに挟まれる。
【0059】
以上説明したように、第2実施形態に係る洋上風車用ジャケット構造体システム1によれば、第1洋上風車用ジャケット構造体10の第1レグ11が設置される第1設置台S1は、2台の第1搬送台車D1のそれぞれに係止され、且つ、2台の第1搬送台車D1に挟まれる。第2洋上風車用ジャケット構造体20の第2レグ21が設置される第2設置台S2は、1台の第2搬送台車D2に支持される。第3洋上風車用ジャケット構造体30の接続部材32が設置される第3設置台S3は、1台の第3搬送台車D3に支持される。このように、洋上風車用ジャケット構造体システム1に含まれる複数の種類の洋上風車用ジャケット構造体ごとに、個別に設置台を設けることで、より洋上風車用ジャケット構造体ごとに適した設置台とすることができる。よって、より洋上風車用ジャケット構造体の製作及び搬送を効率的に行いやすくすることができる。
また、第3設置台S3には、接続部材32が備える第3さや管32aが設置される。第3設置台S3の両端には第3脚部S3b(脚)が設けられており、1台の第3搬送台車D3は、両端に設けられる第3脚部S3bに挟まれる。これにより、接続部材32を備える第3洋上風車用ジャケット構造体30の搬送を行いやすくすることができる。
【0060】
なお、本開示の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第2設置台S2の第2天板S2aに、第1設置台S1の当接部材S1d及び爪部S1cに相当する構成が設けられてもよい。
また、第3設置台S3の第3天板S3aに、第1設置台S1の当接部材S1dに相当する構成が設けられてもよい。
【0061】
その他、本開示の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 洋上風車用ジャケット構造体システム
10 第1洋上風車用ジャケット構造体
11 第1レグ
11C 蓋部材
11G 十字状部材
12 ブレース
13 トランジションピース
20 第2洋上風車用ジャケット構造体
21 第2レグ
30 第3洋上風車用ジャケット構造体
31 第3レグ
32 接続部材
32a 第3さや管
32b 第4さや管
32c 接続板
32d 補強部材
D 搬送台車
D1 第1搬送台車
D2 第2搬送台車
D3 第3搬送台車
H 水平材
H1 第1水平材
H2 第2水平材
S1 第1設置台
S1a 第1脚部
S1a1 接合部
S1b 第1梁部
S1c 爪部
S1d 当接部材
S2 第2設置台
S2a 第2天板
S2b 第2脚部
S2b1 支柱部
S2b2 支柱補強部
S3 第3設置台
S3a 第3天板
S3b 第3脚部
【要約】
【課題】洋上風車用ジャケット構造体を搬送台車で安定して搬送することが可能な洋上風車用ジャケット構造体システム、及び洋上風車用ジャケット構造体の搬送方法を提供することを目的とする。
【解決手段】洋上風車用ジャケット構造体システムは、複数のレグを有する洋上風車用ジャケット構造体、を備える洋上風車用ジャケット構造体システムであって、洋上風車用ジャケット構造体の搬送時において、複数のレグに含まれる第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2のそれぞれに載置され、第1レグ11は、第1搬送台車D1及び第2搬送台車D2に挟まれることを特徴とする。
【選択図】
図2