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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】冷凍空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20241108BHJP
   F24F 1/22 20110101ALI20241108BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20241108BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20241108BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F1/22
F24F11/88
F24F11/89
F25B49/02 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023201323
(22)【出願日】2023-11-29
【審査請求日】2023-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】三浦 真
(72)【発明者】
【氏名】ムン チャンウク
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-141083(JP,A)
【文献】特開平06-147609(JP,A)
【文献】特許第7176125(JP,B2)
【文献】特開2019-011904(JP,A)
【文献】福森 幹太,建築設備Q&A,空気調和衛生工学 6月号,第86巻, 第6号,日本,杉山 敦 公益社団法人空気調和・衛生工学会,2012年06月05日,第67-73頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 1/22
F24F 11/88
F24F 11/89
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータ回路と、
前記インバータ回路により動力供給される第1のコンポーネントと、
前記インバータ回路に接続される第2のコンポーネントと、
少なくとも前記インバータ回路を収容する電気箱と、
前記インバータ回路と前記第1のコンポーネントを接続し、少なくとも部分的に前記電気箱内に配置される第1の配線と、
前記インバータ回路と前記第2のコンポーネントとを、前記電気箱内に配置される中継コネクタを介して接続する第2の配線と
を含み、前記第2の配線は、前記電気箱内において前記第1の配線と近接する前記インバータ回路と前記中継コネクタとの間の該電気箱内に配置される部分を有し、前記第2の配線の前記部分にだけ飛来ノイズ低減対策が施されている、冷凍空気調和装置。
【請求項2】
前記第1のコンポーネントは、前記電気箱の外部に配置された圧縮機モータまたはファンモータである、請求項1に記載の冷凍空気調和装置。
【請求項3】
前記第2のコンポーネントは、前記電気箱の外部に配置され、前記インバータ回路により動力供給されるファンモータまたは圧縮機モータである、請求項2に記載の冷凍空気調和装置。
【請求項4】
前記第1のコンポーネントは、前記電気箱の外部に配置された圧縮機モータであり、前記第2のコンポーネントは、前記電気箱の外部に配置され、前記インバータ回路により動力供給されるファンモータである、請求項1に記載の冷凍空気調和装置。
【請求項5】
前記第2の配線は、前記インバータ回路の端子を発し、前記電気箱の下方で前記電気箱の外に引き出され、前記電気箱を外側で通過して前記ファンモータに接続される、請求項に記載の冷凍空気調和装置。
【請求項6】
前記飛来ノイズ低減対策は、ツイスト化またはシールドケーブル化である、請求項1に記載の冷凍空気調和装置。
【請求項7】
前記第2の配線は、前記電気箱内に配置される前記部分と、前記電気箱外に配置される1または複数の他の部分を含み、前記1または複数の他の部分は、ツイスト化およびシールドケーブル化のいずれも施されていない、請求項に記載の冷凍空気調和装置。
【請求項8】
前記インバータ回路は、それぞれ、1または複数の圧縮機駆動用出力端子および1または複数のファン駆動用出力端子を備える、1または複数のインバータ部を備える、請求項1に記載の冷凍空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷凍空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機などの冷凍空気調和装置においては、製品の雑音端子電圧が一定のノイズレベル以下であることが求められる。圧縮機とファンモータを有する上吹きタイプのビル用マルチ空気調和機(例えばVRF(Variable Refrigerant Flow))においては、インバータ回路からファンモータや圧縮機モータへ動力供給線が接続されるが、例えばファンモータへの動力供給配線に外来ノイズが重畳し、それにより製品の雑音端子電圧のノイズレベルが悪化し得る。上記ノイズ源としては、種々の電気部品が考えられるが、ファンモータや圧縮機モータを駆動する動力供給配線自体がノイズ源となる可能性がある。一般に、電気箱内に電気部品を納めることで、それらから放射されるノイズの影響をシールドし、電気箱の外へのノイズの影響を一定程度抑制することができる。しかしながら、依然として、最小限の対策により、製品の雑音端子電圧のノイズレベルを改善することができる技術の開発が求められている。
【0003】
これまで、ノイズ対策として、例えば特開平7-095791号公報(特許文献1)が知られている。特許文献1は、空気調和機のブラシレスモータの巻線に供給するチョッピング電圧により発生する雑音の処理技術に係りその雑音による誤動作や回路の破壊を防止する空気調和機に関する技術を開示する。特許文献1は、より具体的には、ブラシレスモータとブラシレスモータ制御手段とを接続している空気調和機において、ブラシレスモータとブラシレスモータ制御手段とを接続する配線を室外機内に配設する際、ブラシレスモータ1の巻線に電圧を供給するための配線と他の配線とを束ねないようにする構成を開示する。しかしながら、依然として、製品の雑音端子電圧のノイズレベルのさらなる改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-095791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記点に鑑みてなされたものであり、最小限の対策により、インバータ回路から他のコンポーネントへの配線に重畳し得る外来ノイズを低減し、装置全体の雑音端子電圧のノイズレベルを改善することができる、冷凍空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では、上記課題を解決するために、下記特徴を有する冷凍空気調和装置を提供する。冷凍空気調和装置は、インバータ回路と、インバータ回路により動力供給される第1のコンポーネントと、インバータ回路に接続される第2のコンポーネントと、少なくともインバータ回路を収容する電気箱とを備える。冷凍空気調和装置は、さらに、インバータ回路と第1のコンポーネントを接続し、少なくとも部分的に電気箱内に配置される第1の配線と、インバータ回路と第2のコンポーネントとを接続する第2の配線とを含む。ここで、上記第2の配線は、上記電気箱内に配置される部分を有し、第2の配線の部分に対し飛来ノイズ低減対策が施されている。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、最小限の対策により、インバータ回路から他のコンポーネントへの配線に重畳し得る外来ノイズを低減し、装置全体の雑音端子電圧のノイズレベルを改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態による、室内機および室外機を備える空気調和機を示す概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態による空気調和機の構成例を示した図である。
図3図3は、本発明の実施形態による空気調和機の室外機の電気箱内の部品の配置を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の実施形態による空気調和機の室外機内の電気箱および配線の引き回しを示す概略図である。
図5図5は、本発明の他の実施形態による空気調和機の室外機の電気箱内の部品の配置を示すブロック図である。
図6図6は、電気箱内の配線のツイスト化を行わない場合の雑音端子電圧の測定結果を示すグラフである。
図7図7は、電気箱内の配線のツイスト化を伴う、本発明の実施形態による空気調和機の室外機における雑音端子電圧の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明の実施形態は、以下に説明する具体的な実施形態に限定されるものではない。なお、図面において、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
【0010】
本開示は、冷凍空気調和装置を対象とする。本発明の実施形態による冷凍空気調和装置は、インバータ回路と、インバータ回路により動力供給される第1のコンポーネント(例えば圧縮機モータやファンモータ)と、インバータ回路に接続される第2のコンポーネント(例えばファンモータや圧縮機モータ)と、少なくともインバータ回路を収容する電気箱とを備える。冷凍空気調和装置は、さらに、インバータ回路と第1のコンポーネントを接続し、少なくとも部分的に電気箱内に配置される第1の配線と、インバータ回路と第2のコンポーネントとを接続する第2の配線とを備える。この構成において、第2の配線は、電気箱内に配置される部分を有し、第2の配線の部分に対しては、飛来ノイズ低減対策が施されている。
【0011】
上記構成により、電気箱内において、インバータ回路から第2のコンポーネントへの配線に重畳し得る第1の配線由来の外来ノイズを低減し、装置全体の雑音端子電圧のノイズレベルを改善することが可能となる。その際に、第2の配線のうちの電気箱内に配置される部分にだけ最小限の対策を施せばよく、冷凍空気調和装置のコストを低減することが可能となる。
【0012】
好ましい実施形態において、第1のコンポーネントは、電気箱の外部に配置された圧縮機モータまたはファンモータである。圧縮機モータまたはファンモータへの動力供給を行う配線は、電力が比較的大きく、そのような配線に対応してその影響を受けやすい配線にノイズ対策を行うことにより、効率的に大きな効果が得られる。より好ましい実施形態においては、第1のコンポーネントは、電気箱の外部に配置された圧縮機モータである。圧縮機モータへの動力供給を行う配線の方が、ファンモータへの動力供給を行う配線より電力が大きく、より効率的に大きな効果が得られる。
【0013】
特定の実施形態において、第2のコンポーネントは、電気箱の外部に配置され、インバータ回路により動力供給されるファンモータまたは圧縮機モータである。そのような、電気箱の外部への配線部分を有し、外来ノイズが重畳すると製品の雑音端子電圧を悪化させやすい動力線に対して優先して飛来ノイズ低減対策を行うことによって、効率的に大きな効果が得られる。より好ましい実施形態において、第2のコンポーネントは、電気箱の外部に配置され、インバータ回路により動力供給されるファンモータである。圧縮機モータへの動力供給を行う配線の方が、ファンモータへの動力供給を行う配線より電力が大きく、より電力が大きな配線の影響を受けやすい動力線に対して優先して飛来ノイズ低減対策を行うことによって、効率的に大きな効果が得られる。
【0014】
他の特定の実施形態において、第2の配線は、電気箱に収容される第2のコンポーネントとしての端子台、フィルタ、直流リアクトルおよび制御基板それぞれへ接続される複数の動力線のうちの少なくとも1つの動力線であってもよい。影響を受けやすい動力線に対して優先して飛来ノイズ低減対策を行うことによって、効率的に大きな効果が得られる。
【0015】
1または複数の実施形態においては、第2の配線に加えて、インバータ回路に含まれる複数の回路間の信号線、インバータ回路と制御基板との間の信号線、制御基板と1または複数のセンサまたはアクチュエータとの間の信号線およびインバータ回路と高圧遮断装置との間の信号線のうちの少なくとも1つの信号線の電気箱内の部分に対し飛来ノイズ低減対策が施されてもよい。このような信号線に対しても、最小限の対策を行うことにより、ノイズレベルの低減の効果が見込まれる。
【0016】
好ましい実施形態において、第1のコンポーネントは、電気箱の外部に配置された圧縮機モータであり、第2のコンポーネントは、電気箱の外部に配置され、インバータ回路により動力供給されるファンモータである。上記構成により、電気箱内においてインバータ回路からファンモータへの動力供給のための配線に重畳し得る、より電力の大きな動力供給用の配線である圧縮機モータへの第1の配線由来の外来ノイズを低減し、装置全体の雑音端子電圧のノイズレベルを大きく改善することが可能となる。その際に、最小限の対策で済み、冷凍空気調和装置のコストを低減することが可能となる。
【0017】
特定の実施形態において第2の配線は、インバータ回路の端子を発し、電気箱の下方で電気箱の外に引き出され、電気箱を外側で通過してファンモータに接続される。電気箱から外への配線は、水のトラップのために、電気箱下側から外に出されることが多く、結果としてファンモータに接続されるまで長い距離を引き回される傾向があるところ、上記構成により、第2の配線の多くを占める電気箱外の部分へのノイズ低減対策を簡易化することにより、コストの削減が見込まれる。
【0018】
好ましい実施形態においては、飛来ノイズ低減対策は、ツイスト化またはシールドケーブル化である。より好ましくは、飛来ノイズ低減対策は、ツイスト化である。ツイスト化することにより、対費用効果高く、第2の配線の一部の範囲に対し、ノイズを低減することが可能となる。
【0019】
好ましい実施形態においては、第2の配線は、電気箱内に配置される前記部分と、電気箱外に配置される1または複数の他の部分を含み、1または複数の他の部分は、ツイスト化およびシールドケーブル化のいずれも施されていない。電気箱外に配置される1または複数の他の部分へのツイスト化およびシールドケーブル化が省略されているので、コストが削減される。
【0020】
1または複数の実施形態において、インバータ回路は、それぞれ、1または複数の圧縮機駆動用出力端子および1または複数のファン駆動用出力端子を備える、1または複数のインバータ部を備える。
【0021】
特定の実施形態において、冷凍空気調和装置は、空気調和機である。特定の実施形態において、インバータ回路、第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、インバータ回路を収容する電気箱は、空気調和機の室外機に配置される。
【0022】
以下、図1図4を参照しながら、本発明の実施形態による冷凍空気調和装置の一例としての空気調和機について説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態による、1または複数の室内機10および室外機20を備える空気調和機1を示す概略図である。空気調和機1は、冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)で冷媒を循環させることによって、空気調和を行う機器である。図1に示すように、空気調和機1は、それぞれ室内(被空調空間)に設置される1または複数の室内機10(10a,10b…)と、屋外に設置される室外機20とを備える。
【0024】
なお、図1では、複数の室内機10として、2台の室内機10a,10bが示されているが、室内機10の台数は、特に限定されるものではなく、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。また、室外機20の台数も、特に限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0025】
1または複数の室内機10と室外機20とは、冷媒配管2を介して接続される。空気調和機1は、室内機10が設置される室内に、室内機10と無線または有線により通信を行い、室内機10を操作するための操作装置を含んでもよい。
【0026】
なお、図1に示す例では、空気調和機1は、上吹きタイプの室外機20を備えるビル用マルチエアコンの実施形態を一例として示すが、本発明の実施形態においては、空気調和機1の形態は、特に限定されるものではない。
【0027】
図2は、本発明の実施形態による空気調和機1の構成例を示した図である。各室内機10と室外機20とは、熱媒体としての冷媒が循環する2本の配管2a,2bにより接続される。冷媒としては、例えばR410aやR32などのハイドロフルオロカーボンが用いられる。また、室内機10と室外機20とは、互いに通信を行うために通信線により接続される。なお、室内機10と室外機20とは、通信線により有線接続されることに限定されるものではなく、無線接続されていてもよい。
【0028】
室内機10は、運転中、室内の空気を取り込み、取り込んだ空気と、室外機20から供給される冷媒との間で熱交換し、冷却された空気または暖められた空気を吹き出し、室内を設定温度になるように冷却または暖める。このために、室内機10は、室内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器11と、室内の空気を室内熱交換器11へ取り込み、室内熱交換器11により熱交換された空気を吹き出すための室内ファン12とを備える。
【0029】
室内機10は、室外機20へ室内の温度を通知するために、室内の温度を検出する室温センサ13を備える。さらに、室内機10は、冷媒を膨張させ、室内熱交換器11を流れる冷媒の流量を調整するための室内膨張弁14を含む。
【0030】
室内機10を冷房として使用する場合、室内熱交換器11は、蒸発器として機能し、冷媒は液とガスが混在した二相流の状態(液冷媒)として室内熱交換器11へ流入する。冷媒は、室内熱交換器11において室内ファン12により取り込まれた空気と室内熱交換を行うことで液成分が蒸発し、ガス冷媒として室内熱交換器11から排出され、室外機20へ送られる。
【0031】
室外機20は、制御装置からの指定を受けて起動し、リモコンなどにより設定された運転モードで運転を開始する。運転モードは、冷房モード、暖房モード、送風モードなどである。室外機20は、設定された設定温度、室内温度、配管温度等に応じて、冷媒の温度、圧力、流量等を制御する。また、室外機20は、制御装置からの指令を受けて運転を停止する。
【0032】
室外機20は、配管2a、2bを介して1または複数の室内機10(図2では10a~10c)と接続されており、冷媒を循環させる。このため、冷媒を循環させる圧縮機21を備える。圧縮機21によって圧縮された冷媒ガスは、室外熱交換器22において室外ファン23によって取り込まれた空気と熱交換を行い、高圧の液冷媒となる。また、室外機20は、暖房運転も可能にするため、冷媒が流れる方向を逆にするための四方弁25を備える。室外膨張弁24は、暖房時に高圧の状態となった冷媒を、低温、低圧の冷媒にするとともに、冷媒の流量を調整するために備えられる。
【0033】
圧縮機21は、運転周波数を変えることで冷媒の流量が変えられる。圧縮機21の運転周波数を高くすると、冷媒供給量が大きくなり、空調能力が大きくなる。反対に圧縮機21の運転機周波数を低くすると、冷媒供給量が小さくなり、空調能力が小さくなる。
【0034】
室外機20は、室外機制御装置26を備える。室外機制御装置26は、圧縮機21のモータおよび室外ファン23のモータを駆動するためのインバータ回路を備える。室外機制御装置26は、また、複数の室内機10a~10cの室温センサ13a~13cにより検出された各室内温度と、設定温度と、室外機20内のセンサにより検出された配管温度と、運転モードとに基づき、圧縮機21の運転周波数と、室外ファン23の回転数と、室外膨張弁24の開度とを制御する。また、設定された運転モードに応じて、四方弁25を切り替える。室外機制御装置26は、電気箱30内に収容される。電気箱30は、典型的には金属製のものである。
【0035】
図3は、本発明の実施形態による空気調和機1の室外機20の電気箱30内の部品の配置を示すブロック図である。図3に示すように、電気箱30内には、制御装置26を構成する部品として、端子台31と、1または複数のインバータ基板(回路)32と、1または複数のノイズフィルタ35と、1または複数の直流リアクトル(DCL)36と、制御基板37とを備える。図3に示す実施形態では、2つのインバータ基板(第1インバータ基板32A,第2インバータ基板32B)と、2つのノイズフィルタ(第1ノイズフィルタ35A,第2ノイズフィルタ35B)と、2つのDCL(第1DCL36A、第2DCL36B)とが電気箱30内に収容されている。
【0036】
外部からの商用電圧が接続される端子台31から、配線(動力線)P1によりノイズフィルタ35A,35Bに電源が供給される。ノイズフィルタ35A,35Bからは、さらに、配線(動力線)P2A,P2Bによりインバータ基板32A,32Bの入力端子に電源(一次側三相交流(RST))が供給される。ノイズフィルタ35A,35Bは、さらに、配線(動力線)P3A,P3Bを介してインバータ基板32A,32B内の電源回路に、さらに配線(動力線)P6を介して制御基板37の入力端子に接続される。電気箱30に収容されるインバータ基板32A,32Bの一方の出力端子((二次側三相交流(UVW)))と電気箱30外のファンモータ23a,23bとは、配線(動力線)P4A,P4Bにより接続される。同様に、電気箱30に収容されるインバータ基板32A,32Bのもう一方の出力端子((二次側三相交流(UVW)))と電気箱30外の圧縮機モータ21a,21bとは、配線(動力線)P5A,P5Bにより接続される。電気箱30に収容されるインバータ基板3232A,32Bと電気箱30内の第1DCL36a,第2DCL36bとは、配線(動力線)P6A,P6Bにより接続される。
【0037】
また、図3に示す構成では、2つのインバータ基板32A,32B間を、信号線S1を介して接続する。制御基板37には、外部のセンサ類40およびアクチュエータ類41が信号線S2および信号線S3を介してそれぞれ接続される。センサ類40には低圧側圧力センサ、高圧側圧力センサ、温度センサなどが含まれ得る。アクチュエータ類41には、電磁バルブ、膨張弁などが含まれ得る。制御基板37には、さらに、外部の高圧遮断装置42が信号線S4を介して接続される。制御基板37には、さらに、インバータ基板32Bが信号線S5を介して接続される。
【0038】
上述したように電気部品が動力線P1~P7および信号線S1~S5により配線されるところ、空気調和機1においては、製品の雑音端子電圧が一定のノイズレベル以下であることが求められる。金属製の電気箱30内に、これらの電気部品(32A,32B,35A,35B,36A,36B,37)を収容することによって、それらから放射されるノイズの影響をシールドし、電気箱30の外へのノイズの影響を抑制することができる。一方、電気箱30内部において、例えばファンモータ23a,23bや圧縮機モータ21a,21bへの動力線P4A,P4B,P5A,P5Bに外来ノイズが重畳し、それにより製品の雑音端子電圧のノイズレベルが悪化する可能性がある。上記外来ノイズのノイズ源としては、種々の電気部品が考えられるが、特にファンモータ23a,23bや圧縮機モータ21a,21bを駆動する動力線P4A,P4B,P5A,P5Bがノイズ源となる可能性がある。
【0039】
そこで、本発明の実施形態による空気調和機1では、電気箱30内のインバータ基板32とインバータ基板32により動力供給される第1のコンポーネントとを接続し、少なくとも部分的に電気箱30内に配置される第1の配線と、この電気箱30内に配置される配線からの外来ノイズの影響を受け得る、インバータ基板32と第2のコンポーネントとを接続する第2の配線が設けられる構成において、第2の配線の電気箱30内に配置される部分に対して、飛来ノイズ低減対策を施す構成を採用する。これにより、最小限の対策により、電気箱30内で生じ得る、インバータ基板32から第2のコンポーネントへの配線に重畳する可能性のある外来ノイズを低減し、装置全体の雑音端子電圧のノイズレベルの改善を図る。
【0040】
図3に示す実施形態において、電気箱30の外の圧縮機モータ21a,21bが、第1のコンポーネントに対応し、インバータ基板32A,32Bと圧縮機モータ21a,21bとを接続する動力線P5A,P5Bが、少なくとも部分的に電気箱30内に配置される第1の配線に対応する。図3に示す実施形態において、電気箱30の外のファンモータ23a,23bが、第2のコンポーネントに対応し、インバータ基板32A,32Bとファンモータ23a,23bとを接続する動力線P4A,P4Bが第2の配線に対応する。
【0041】
図3に示す実施形態において、インバータ基板32Aのコネクタ33Aと、第1ファンモータ23aとを結ぶ動力線P4Aの中間に、中継コネクタ34Aが設けられている。中継コネクタ34Aは、インバータ基板32Aのコネクタ33Aと中継コネクタ34Aとの間の電気箱30内に位置する配線部分と、中継コネクタ34Aと第1ファンモータ23aとの間の電気箱30外に位置する配線部分とを再結合および分離可能に接続するように構成される。この動力線P4Aのインバータ基板32Aと中継コネクタ34Aとの間の電気箱30内に配置される配線部分に対しは飛来ノイズ低減対策が施される。
【0042】
ここで、飛来ノイズ低減対策は、好ましくは、ツイスト化またはシールド化であるが、費用対効果の観点からは、より好ましい実施形態では、飛来ノイズ低減対策は、ツイスト化である。つまり、電気箱30内に配置される配線部分は、ツイスト配線となっており、一方、電気箱30外に配置される1または複数の他の配線部分は、ツイスト化もシールドケーブル化もいずれも施されていない。
【0043】
一方、飛来ノイズ低減対策は、動力線P4Aのインバータ基板32Aと中継コネクタ34Aとの間の配線部分に限定されており、中継コネクタ34Aと第1ファンモータ23aとの間の電気箱30外に位置する配線部分には、ツイスト化またはシールド化のいずれも施されていない。
【0044】
同様に、インバータ基板32Bのコネクタ33Bと、第2ファンモータ23bとを結ぶ動力線P4Bには、中継コネクタ34Bが設けられている。中継コネクタ34Bは、インバータ基板32Bのコネクタ33Bと中継コネクタ34Bとの間の電気箱30内に位置する配線部分と、中継コネクタ34Bと第2ファンモータ23bとの間の電気箱30外に位置する配線部分とを再結合および分離可能に接続するように構成される。この動力線P4Bのインバータ基板32Bと中継コネクタ34Bとの間の電気箱30内に配置される配線部分に対しては飛来ノイズ低減対策(ツイスト化,シールドケーブル化)が施される。一方、飛来ノイズ低減対策は、動力線P4Bのインバータ基板32Bと中継コネクタ34Bとの間の配線部分に限定されており、中継コネクタ34Bと第2ファンモータ23bとの間の電気箱30外に位置する配線部分には、イスト化またはシールド化のいずれも施されていない。
【0045】
ツイスト化による効果は、単品の特性改善ではなく、飛来する外来ノイズの打ち消し効果を増加するものと考える。信号の対線が平行である場合、飛来ノイズの電磁波によって磁場が発生すると、それに伴い起電力が発生し、誘導電流が発生してノイズ源となる。一方、信号線をねじる(ツイスト)ことで、ねじれ毎に起電力が逆向きに働くようになり、このため、起電力がノイズを打ち消しあうようになり、飛来ノイズからの影響を低減することができると考えられる。
【0046】
このように、動力線P4A,P4Bの電気箱30内に位置する配線部分に飛来ノイズ低減対策を施す(ツイスト化する)ことで、ファンモータ23aへの配線の、電気箱30内の他の動力線に由来する外来ノイズの影響を打ち消し、ノイズレベルを改善することができる。飛来ノイズ低減対策を施す箇所を、動力線P4A,P4Bの電気箱30内に位置し、外来ノイズの飛来しやすい領域でのみの範囲に限定することで、配線全体に飛来ノイズ低減対策を施す必要がなく、最小の対策で期待の効果を得ることができるようになる。また、部品追加なく、製品の雑音端子電圧のノイズレベルを改善することが可能となる。
【0047】
なお、図3を参照しながら、配線部分に対して直接飛来ノイズ低減対策を施す構成、より具体的には、ツイスト化またはシールドケーブル化を施す構成について説明した。しかしながら、上記に加えて、ノイズ対策を行ってもよい。例えば、所定の配線まわりにリングコアなど一般的なノイズ対策品を取り付けてもよい。
【0048】
図4は、本発明の実施形態による空気調和機の上吹きタイプの室外機内の電気箱および配線の引き回しを示す概略図である。図4(A)は、室外機の側面から見た場合の内部の配置を示し、図4(B)は、室外機の正面から見た場合の内部の配置を示す。図4において、白抜きの黒の太線は、電気箱30内の配線部分を示し、黒の太線は、電気箱30とは重ならない電気箱30外の配線部分を示し、灰色の破線は、電気箱30に隠れた電気箱30外の配線部分を示す。
【0049】
図4に示すように、インバータ基板32A,32Bからファンモータ23a,23bへの動力線P4A,P4Bは、インバータ基板32A,32Bのコネクタ33A,33B(出力端子)を発し、水のトラップのため電気箱30の下方で電気箱30の外に引き出され、電気箱30の裏側を回り、電気箱30の外側で下から上まで通過してファンモータ23a,23bに接続される。そのため、上吹きタイプの室外機20において、ファンモータ23a,23bへの配線は、製品の構造上、配線長が長く、特に、電気箱30内の配線の長さよりも、電気箱30外の長さの方がかなり長くなる傾向にある。また、製品構成上、ファンモータ23a,23bへの配線は、電気箱30内において圧縮機モータ21a,21bへの配線と近接しやすく、外来ノイズ、主に圧縮機21側のスイッチングノイズの影響を受けやすい。そのため、本発明の実施形態による電気箱内の配線の構成は、これに限定されるものではないが、上吹きタイプの空気調和機の室外機に対して特に好適に適用することができる。
【0050】
金属製の電気箱30内に電気部品を納めることで、それらから放射されるノイズの影響を電気箱がシールドとして機能し、電気箱30の外へのノイズの影響を抑制するとともに、かつノイズ発生源(一例として圧縮機モータ21a,21bへの動力線)と接近しやすい、電気箱30内のファンモータ23a,23bへの配線をツイスト化することで、ほかの電気部品及び配線からの外来ノイズによって生じるノイズ電流を打ち消し、対費用効果高く、製品の雑音端子電圧のノイズレベルが改善することができる。
【0051】
なお、図3および図4を用いて説明した実施形態において、圧縮機21および室外ファン23がそれぞれ2系統あるものとして、それぞれ、1つの圧縮機駆動用出力端子および1つのファン駆動用出力端子を備える2つのインバータ基板を備えるものとして説明した。しかしながら、インバータ基板(回路)の構成は、図3および図4に示す形態に限定されるものではない。例えば、圧縮機21が1系統で、室外ファン23が2系統ある場合、1つの圧縮機駆動用出力端子および2つのファン駆動用出力端子を備える1つのインバータ基板を備えてもよい。また、圧縮機21および室外ファン23がそれぞれ2系統あるものとして、2つの圧縮機駆動用出力端子および2つのファン駆動用出力端子を備える1つのインバータ基板を備えてもよい。
【0052】
上述までの実施形態では、電気箱30内の配線部分でノイズを発生させる第1のコンポーネントは、電気箱30の外の圧縮機モータ21a,21bが対応し、外来ノイズの影響を受け得る配線を有する第2のコンポーネントは、電気箱30の外のファンモータ23a,23bが対応していた。しかしながら、配線からノイズを発生させる第1のコンポーネントおよびノイズの影響を受け一部での飛来ノイズ低減対策が施される配線を有する第2のコンポーネントは、図3および図4に示すものに限定されない。電気箱30内において、任意の動力線が、ノイズ発生源となり得るし、電気箱30にある任意の動力線P1~P7および任意の信号線S1~S5が、ノイズの影響を受ける可能性があり、その電気箱30内の配線部分について、飛来ノイズ低減対策が施されてもよい。
【0053】
図5は、本発明の他の実施形態による空気調和機1の室外機20の電気箱30内の部品の配置を示すブロック図である。図5に示す他の実施形態も、図3に示した実施形態と同様の構成を有しており、以下、相違点を中心に説明する。電気箱30内には、2つのインバータ基板32A,32Bと、2つのノイズフィルタ35A,35Bと、2つのDCL36A、36Bとが収容されている。
【0054】
図5に示す他の実施形態において、電気箱30の外のファンモータ23a,23bが上記第1のコンポーネントに対応し、インバータ基板32A,32Bとファンモータ23a,23bとを接続する動力線P4A,P4Bが、少なくとも部分的に電気箱30内に配置される第1の配線に対応する。図5に示す実施形態において、電気箱30の外の圧縮機モータ21a,21bが第2のコンポーネントに対応し、インバータ基板32A,32Bと圧縮機モータ21a,21bとを接続する動力線P5A,P5Bが第2の配線に対応する。
【0055】
図5に示す他の実施形態において、インバータ基板32A,32Bのコネクタ38A,38Bと、圧縮機モータ21a,21bとを結ぶ動力線P5A,P5Bの中間に、中継コネクタ39A,39Bが設けられている。中継コネクタ39A,39Bは、インバータ基板32A,32Bのコネクタ38A,38Bと中継コネクタ39A、39Bとの間の電気箱30内に位置する配線部分と、中継コネクタ39Aと圧縮機モータ21a,21bとの間の電気箱30外に位置する配線部分とを再結合および分離可能に接続するように構成される。この動力線P5A,P5Bのインバータ基板32A,32Bと中継コネクタ39A,39Bとの間の電気箱30内に配置される配線部分に対しては飛来ノイズ低減対策が施される。一方、飛来ノイズ低減対策は、動力線P5A,P5Bのインバータ基板32A,32Bと中継コネクタ39A,39Bとの間の配線部分に限定されており、中継コネクタ39A,39Bと圧縮機モータ21a,21bとの間の電気箱30外に位置する配線部分には、いずれの飛来ノイズ低減対策も施されていない。
【0056】
このように、動力線P5A,P5Bの電気箱30内に位置する配線部分をツイスト化することで、圧縮機モータ21aへの配線に対する電気箱30内の他の動力線に由来する外来ノイズの影響を打ち消し、製品のノイズレベルを改善することができる。ツイスト化する箇所を、動力線P5A,P5Bの電気箱30内に位置し、外来ノイズの飛来しやすい領域のみの範囲に限定することで、配線全体をツイスト化する必要がなく、最小のツイスト化で期待の効果を得ることができる。また、部品追加なく、製品の雑音端子電圧のノイズレベルを改善することが可能となる。
【0057】
上述したように、任意の動力線がノイズ発生源となり、電気箱30にある任意の動力線P1~P7または信号線S1~S5が、ノイズの影響を受ける可能性がある。そのため、第2の配線は、電気箱30に収容される第2のコンポーネントとしての端子台31、フィルタ35、直流リアクトル36および制御基板37それぞれへ接続される複数の動力線P1,P2,P3,P6,P7のうちの少なくとも1つの動力線であってもよい。また、これらの第2の配線に加えて、インバータ基板32に含まれる複数の回路間の信号線S1、制御基板37と1または複数のセンサ40またはアクチュエータ41との間の信号線S2,S3、インバータ基板32と高圧遮断装置42との間の信号線S4およびインバータ基板32と制御基板37との間の信号線S5のうちの少なくとも1つの信号線の電気箱30内の部分に対し飛来ノイズ低減対策が施されてもよい。
【0058】
以下、図6および図7を参照しながら、ツイスト化を行うことによって空気調和機1の室外機20の雑音端子電圧のノイズレベルを低減できる利点について説明する。図6は、電気箱内の配線のツイスト化を行わない空気調和機の室外機の雑音端子電圧の測定結果を示すグラフである。図7は、電気箱30内の配線のツイスト化を伴う、本発明の実施形態による空気調和機1の室外機20の雑音端子電圧の測定結果を示すグラフである。
【0059】
図6および図7は、横軸が周波数を表し、縦軸が、ノイズレベルを示す、測定データのスペクトル解析結果である。図6(A)および図7(A)は、準尖頭値(Q.Peak)のグラフであり、図6(B)および図7(B)は、平均値(MEAN)のグラフである。また、図6および図7の測定は、インバータ基板32A,32Bと、ファンモータ23a,23bとを接続する配線P4A,P4Bの電気箱30内の一部(図3のコネクタ33A,33Bから中継コネクタ34A,34Bの間の区間)を、ツイスト化しない場合(図6)およびツイスト化した場合(図7)の測定結果を示す。図6および図7を比較すると、0.15MHz~10MHzの間で、全体的にノイズレベルの値が小さくなり、改善したことがわかる。
【0060】
図7に示す測定結果は、第1のコンポーネントが、電気箱30の外部に配置された圧縮機モータ21a,21bであり、第2のコンポーネントが、電気箱30の外部に配置されたファンモータ23a,23bである実施形態において、雑音端子電圧のノイズレベルを低減できことを実証するものである。なお、配線のインピーダンス特性も測定したが、減衰特性において、上述した0.5MHz~190MHzの範囲内の特性に大きな差異が見られなかった。つまり、配線のツイスト化の効果は、配線単品でのインピーダンス特性/減衰特性では違いがないことを確認した。
【0061】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、最小限の対策により、インバータ回路から他のコンポーネントへの配線に重畳し得る外来ノイズを低減し、装置全体の雑音端子電圧のノイズレベルを改善することができる空気調和機を提供することが可能となる。
【0062】
上述までの実施形態では、本実施形態による電気箱を備える空気調和機を一例に説明した。しかしながら、本実施形態による電気箱は、空気調和機のものに限定されるものではない。他の実施形態では、本発明の構成が、空気調和機以外の冷凍空気調和装置に対して適用されてもよい。ここで、冷凍空気調和装置は、冷凍空気調和機器とも呼ばれ、冷凍空気調和機器とは、上述した空気調和機のほか、冷蔵庫、冷凍庫など、冷媒および冷凍サイクルを利用した機器を総称するものである。冷凍空気調和機器の例としては、より具体的には、パッケージエアコンやビル用マルチエアコンなど上記空気調和機、冷凍機やチリングユニットなどの熱源機器、ショーケースや冷凍冷蔵庫、ユニットクーラー、製氷機など業務用冷凍機、カーエアコンなどの輸送用冷凍機器、ヒートポンプ給湯機などが含まれ得る。
【0063】
なお、本発明の実施形態は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれ得る。例えば、上記した実施形態は、分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…空気調和機、2…冷媒配管、10…室内機、11…室内熱交換器、12…室内ファン、13…室温センサ、14…室内膨張弁、20…室外機、21…圧縮機、21a,21b…圧縮機モータ、22…室外熱交換器、23…室外ファン、23a,23b…ファンモータ、24…室外棒業弁、25…四方弁、26…室外機制御装置、30…電気箱、31…端子台、32…インバータ基板、33,38…コネクタ、34,39…中継コネクタ、35…ノイズフィルタ、36…直流リアクトル、37…制御基板、40…センサ類、41…アクチュエータ類、42…高圧遮断装置
【要約】
【課題】 冷凍空気調和装置を提供すること。
【解決手段】 冷凍空気調和装置1は、インバータ回路32と、インバータ回路32により動力供給される第1のコンポーネント(例えば21a,21b)と、インバータ回路32に接続される第2のコンポーネント(例えば23a,23b)と、少なくともインバータ回路32を収容する電気箱30と、インバータ回路32と第1のコンポーネント(例えば21a,21b)を接続し、少なくとも部分的に電気箱30内に配置される第1の配線P5A,P5Bと、インバータ回路32と第2のコンポーネント(例えば23a,23b)とを接続する第2の配線P4A,P4Bとを含む。第2の配線P4A,P4Bは、電気箱30内に配置される部分(33Aと34Aとの間,33Bと34Bとの間)を有し、第2の配線P4Aの部分(33A-34A,33B-34B)に対し飛来ノイズ低減対策が施されている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7