(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】乾燥機
(51)【国際特許分類】
D06F 58/08 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
D06F58/08
(21)【出願番号】P 2023514984
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(86)【国際出願番号】 KR2021011907
(87)【国際公開番号】W WO2022050750
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113131
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113132
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113133
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョチュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ホンチュン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョクス
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヤンクク
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンチュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン オシン
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンチ
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨンチュ
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0065931(KR,A)
【文献】中国実用新案第201254659(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 58/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類が格納される空間を定義するドラムボディーと、前記ドラムボディーの前面を形成し、前記ドラムボディー内に連通するドラム投入口が形成される前方カバーと、前記ドラムボディーの後面を形成する後方カバーを含むドラムと、
前記後方カバーから離隔して位置し、パネル貫通孔が形成される固定パネルと、
前記パネル貫通孔に設けられるステータ及び前記ステータにより回転するローターを含むモーターと、
前記固定パネルに固定されるハウジングと、前記ハウジングに位置して前記ローターに結合する第1軸と、前記ハウジングに位置して前記後方カバーに結合する第2軸と、前記ハウジングの内部に位置して前記第1軸の回転速度を下げ、前記第1軸の回転力を前記第2軸に伝達する連動ギアを含む動力伝達部と、
前記固定パネルを補強するよう前記パネル貫通孔に取り付けられ
た駆動部ブラケットであって、前記固定パネルの前面に締結される駆動部ブラケットと、を含むことを特徴とする、乾燥機。
【請求項2】
前記駆動部ブラケットは、
前記パネル貫通孔の円周面に重なって前記固定パネルに固定され、前記ステータを支持するリング部と、
前記リング部の内側に突出し、前記ハウジングの外側を支持するハウジング締結部と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記リング部は前記パネル貫通孔の外周面に対応して多数の締結孔が形成され、前記ステータは前記固定パネルを貫通して前記締結孔に固定されることを特徴とする、請求項2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記リング部は前記パネル貫通孔が前記固定パネル側に突出する突出部がさらに形成されることを特徴とする、請求項3に記載の乾燥機。
【請求項5】
前記ハウジングの外周面に前記ハウジングの中心を基準として半径方向に延びる複数の固定突起が形成され、
前記ハウジング締結部は複数の固定突起に対応する位置に前記リング部から前記リング部の中心側に向かって突出する複数のハウジング締結突部が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の乾燥機。
【請求項6】
前記複数のハウジング締結突部のそれぞれは多数のハウジング固定孔が形成され、前記複数の固定突起のそれぞれは締結部材により前記ハウジング固定孔のいずれかに結合する締結孔が形成されることを特徴とする、請求項5に記載の乾燥機。
【請求項7】
前記複数のハウジング締結突部はそれぞれ前記ハウジングの挿入方向に延びる複数の係止突起が形成され、前記複数の固定突起のそれぞれは前記複数の係止突起のいずれにより支持され、前記複数の係止突起のいずれと交差する方向に延びることを特徴とする、請求項6に記載の乾燥機。
【請求項8】
複数の前記係止突起のそれぞれは前記複数の固定突起のいずれが挿入される係止溝が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の乾燥機。
【請求項9】
前記複数の固定突起のそれぞれは前記複数のハウジング締結突部のいずれが挿入される固定溝が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の乾燥機。
【請求項10】
前記複数の係止突起はそれぞれ前記複数の固定突起のいずれが挿入される複数の係止溝が形成され、
前記複数の固定突起はそれぞれ複数の固定溝が形成されて、前記複数の固定溝のそれぞれは前記複数の係止溝のいずれに結合することを特徴とする、請求項7に記載の乾燥機。
【請求項11】
前記複数の係止溝の少なくとも1つ又は前記複数の固定溝の少なくとも1つは入口側に傾斜面が形成されることを特徴とする、請求項10に記載の乾燥機。
【請求項12】
前記複数の係止溝のいずれと前記複数の固定溝のいずれは前記ハウジングの中心を基準として回転する前記ハウジングを基準として互いに挿入されることを特徴とする、請求項10に記載の乾燥機。
【請求項13】
前記複数の固定突起は少なくとも3つ以上からなり、前記複数のハウジング締結突部は少なくとも3つ以上からなることを特徴とする、請求項5に記載の乾燥機。
【請求項14】
前記固定パネルは前記駆動部ブラケットと前記ステータの間に位置し、前記駆動部ブラケットと前記固定パネルは前記ステータを支持することを特徴とする、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項15】
前記動力伝達部は、
前記第1軸の端部に形成され、前記連動ギアに動力を伝達する主動ギアと、
前記第2軸の端部に形成され、前記連動ギアから動力を受ける従動ギアと、を含み、
前記連動ギアは、前記主動ギアに噛み合って回転する第1ギア、及び前記第1ギアと同軸に回転し、前記第1ギアの直径より小さい直径で前記従動ギアと噛み合う第2ギアを含むことを特徴とする、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項16】
前記第1軸、前記第2軸及び前記ローターは同軸に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項17】
前記ハウジングの外周面は平坦部と前記平坦部から延びる湾曲部を含み、
前記駆動部ブラケットは前記ハウジングの平坦部及び湾曲部に対応する溝を形成することを特徴とする、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項18】
前記駆動部ブラケットは前記溝内に前記パネル貫通孔に連通するブラケット貫通孔をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の乾燥機。
【請求項19】
前記駆動部ブラケット又は前記固定パネルに位置し、前記パネル貫通孔の円周面を覆うシーリング部をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の乾燥機。
【請求項20】
前記動力伝達部は前記ローターの回転軸に沿って前記シーリング部と前記モーターの間に位置することを特徴とする、請求項19に記載の乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乾燥機に関し、より具体的には、ドラムとドラムを回転させるモーターの動力伝達構造を改善した乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥機は対象物を乾燥する装置であって、熱風を対象物収容部の内部に供給して対象物を乾燥させる装置である。
【0003】
対象物収容部を円筒形のドラム状に形成し、このドラムを回転させながらドラム内に熱風を供給するドラム乾燥機が多く使用される。特に、家庭用乾燥機としては略水平軸を基準として回転するドラム乾燥機がよく使用されている。
【0004】
かかるドラム乾燥機にはドラムを回転させるためのモーターが使用され、モーターの駆動力がベルトなどの動力伝達部を介してドラムに伝達されてドラムを回転させる。一般的にモーターの回転軸はドラムの回転軸とは異なる。これをベルト式という。
【0005】
従って、ベルトなどの動力伝達部による動力損失が発生する可能性があり、モーター及びベルトのような動力伝達部を取り付けるためにケース内に別の空間が必要である。
【0006】
最近のほとんどのドラム洗濯機はベルト式ではなく、直結式(又は直駆動式)ドラムタイプの洗濯機である。直結式とは、モーターの回転軸とドラムの回転軸が同軸である形態を意味し、一般的にモーターのステータがタブの後壁又は下壁に取り付けられる。通常、洗濯機に使用されるモーターをDD(direct drive)モーターといい、かかる洗濯機をDD洗濯機という。
【0007】
直結式はベルト式に比べて非常に様々な利点を有する。一例として、ドラム駆動RPMとドラムトルクを様々な環境で様々に変更して制御することができる。またドラム回転方向やドラム回転角度の制御が非常に容易である。また動力損失が減少してエネルギー節約の利点がある。
【0008】
もちろん乾燥兼用洗濯機の場合には、タブにモーターが備えられるので、ドラムとモーターの直結構造を容易に適用できる。しかし、洗濯機能を提供しない純粋な乾燥機の場合には、モーターを固定するためのタブのような構成がないので、直結式乾燥機を具現することが容易ではない。
【0009】
従って、既存の乾燥機の場合、ベルト式に比べて様々な利点を有する直結式であるにもかかわらず、乾燥機に直結式を適用することが容易ではなく、構造的に直結式が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述した問題を解決するためのものであって、ローターの回転速度を下げてドラムに伝達するが、ローターの回転中心とドラムの回転中心が同心軸上にある駆動部が備えられた乾燥機を提供することを目的とする。
【0011】
また本発明は上述した問題を解決するためのものであって、駆動部の体積を最小化した乾燥機を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は上述した問題を解決するためのものであって、ドラムに供給される空気の流路を改善した乾燥機を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は上述した問題を解決するためのものであって、ドラムを駆動するモーターの冷却流路を改善した乾燥機を提供することを目的とする。
【0014】
また本発明は上述した問題を解決するためのものであって、モーターと動力伝達部を固定するための固定構造を改善した乾燥機を提供することを目的とする。
【0015】
また本発明は上述した問題を解決するためのものであって、モーターの動力を伝達する動力伝達部で発生する振動を低減させた乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る乾燥機によれば、衣類が格納される空間を提供するドラムボディーと、ドラムボディーの前面を形成する前方カバー、ドラムボディーの後面を形成する後方カバーと、前方カバーを貫通してドラムボディー内に連通するドラム投入口が備えられたドラムと、後方カバーから離隔して位置し、貫通孔が形成される固定パネルと、貫通孔に設けられるステータ及びステータにより回転するローターを含むモーターと、ローターに連結される第1軸と後方カバーに連結される第2軸と第1軸の回転力を減速して第2軸に伝達する連動ギアを含み、固定パネルに固定されるハウジングを備える動力伝達部と、貫通孔に取り付けられ、ステータが設けられる位置を制限し、ハウジングを設けるとき、第1軸の回転軸とステータの回転中心が一致するようにハウジングの設置位置を補正する駆動部ブラケットを含むことが好ましい。
【0017】
駆動部ブラケットは、貫通孔の外周面に重なって固定パネルに固定され、ステータを支持するリンク状のリング部と、リング部の内側に突出し、ハウジングの外側を支持するハウジング締結部を備えることが好ましい。
【0018】
リング部は貫通孔の外周面に対応して多数の締結孔が形成され、ステータは固定パネルを貫通して締結孔に固定されることが好ましい。
【0019】
リング部は貫通孔が固定パネル側に突出する突出部をさらに含むことが好ましい。
【0020】
ハウジングの外周面にハウジングの中心を基準として半径方向に延びる多数の固定突起が形成され、ハウジング締結部は多数の固定突起に対応する位置にリング部からリング部の中心側に向かって突出する複数のハウジング締結突部が形成されることが好ましい。
【0021】
各々のハウジング締結突部は多数の固定孔が形成され、それぞれの固定突起は固定孔を貫通する締結部材が挿入されて締結される締結孔が形成されることが好ましい。
【0022】
各々のハウジング締結突部にはハウジングの挿入方向に延びる係止突起が形成され、ハウジング固定突起は係止突起に交差する方向に延びて係止突起に支持されることが好ましい。
【0023】
係止突起にはハウジング固定突起が挿入される係止溝が形成されることが好ましい。
【0024】
ハウジング固定突起にはハウジング締結突部が挿入される固定溝が形成されることが好ましい。
【0025】
係止突起はハウジング固定突起が挿入される係止溝が形成され、ハウジング固定突起は係止溝が挿入される固定溝が形成されることが好ましい。
【0026】
係止溝及び固定溝のいずれには入口側が拡張される傾斜面が形成されることが好ましい。
【0027】
係止溝と固定溝はハウジングがハウジングの中心を基準として回転することにより交差して挿入されることが好ましい。
【0028】
固定突起とハウジング締結突部はハウジングを中心とする半径方向に少なくとも3つ以上からなることが好ましい。
【0029】
駆動部ブラケットは固定パネルを介してステータを支持することが好ましい。
【0030】
動力伝達部は、第1軸の端部に形成されて連動ギアに動力を伝達する主動ギアと、第2軸の端部に形成されて連動ギアから動力を受ける従動ギアを含み、連動ギアは、主動ギアに噛み合って回転する第1ギアと、第1ギアと同軸に一緒に回転し、第1ギアの直径より小さい直径で従動ギアと噛み合う第2ギアを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る乾燥機によれば、ローターの回転速度を下げてドラムに伝達するが、ローターの回転中心とドラムの回転中心が同心軸上にある駆動部が備えられた乾燥機を提供することができる。
【0032】
また、本発明に係る乾燥機によれば、駆動部の体積を最小化した乾燥機を提供することができる。
【0033】
また、本発明に係る乾燥機によれば、ドラムに供給される空気の流路を改善した乾燥機を提供することができる。
【0034】
また、本発明に係る乾燥機によれば、ドラムを駆動するモーターの冷却流路を改善した乾燥機を提供することができる。
【0035】
また本発明に係る乾燥機によれば、モーターと動力伝達部を固定するための固定構造を改善した乾燥機を提供することができる。
【0036】
また、本発明に係る乾燥機によれば、モーターの動力を伝達する動力伝達部で発生する振動を低減させた乾燥機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
添付する図面は本発明のさらなる理解を提供するためのものであり、この発明に含まれてその一部を構成し、本発明の実施例を例示し、説明と共に本発明の原理を説明するためのものである。
【0038】
【
図1】本発明の一実施例に係る乾燥機を示す断面図である。
【0039】
【
図2】本発明の一実施例に係る乾燥機を示す分解斜視図である。
【0040】
【
図3】本発明の一実施例に係る乾燥機の駆動部を示す分解斜視図である。
【0041】
【
図4】本発明の一実施例に係る乾燥機の駆動部を示す断面図である。
【0042】
【
図5】本発明の一実施例に係る駆動部のギア部を示す斜視図である。
【0043】
【
図6】本発明の一実施例に係る駆動部のギア部を示す簡略図である。
【0044】
【
図7】本発明の他の実施例に係る乾燥機の駆動部を示す分解斜視図である。
【0045】
【
図8】本発明の他の実施例に係る乾燥機の駆動部を示す断面図である。
【0046】
【
図9】本発明の他の実施例に係る駆動部のギア部を示す斜視図である。
【0047】
【
図10】本発明の他の実施例に係る駆動部のギア部を示す簡略図である。
【0048】
【
図11】本発明の一実施例に係る駆動部ブラケットを示す背面図である。
【0049】
【
図12】本発明の一実施例に係る駆動部ブラケットを示す斜視図である。
【0050】
【
図13】本発明の一実施例に係る駆動部冷却構造を示す背面図である。
【0051】
【
図14】本発明の一実施例に係る駆動部冷却構造を示す斜視図である。
【0052】
【
図15】本発明の他の実施例に係る駆動部冷却構造を示す背面図である。
【0053】
【
図16】本発明の他の実施例による駆動部冷却構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明に係る一実施例について具体的に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加するにおいて、同じ構成要素に対してはたとえ他の図に示されていてもできる限り同じ符号を使用するようにしている。また本発明に係る実施例を説明するにおいて、関連する公知構成又は技術に関する具体的な説明が本発明の実施例の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合は、詳しい説明を省略する。
【0055】
また、本発明に係る実施例の構成要素を説明する際、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用するが、これらはその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質、順番または順序などは限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されていると言及された時には、その他の構成要素に直接連結されていたり又は接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」することもできることで理解すべきである。
【0056】
以下、本発明の一実施例に係る乾燥機について具体的に説明する。
【0057】
図1は本発明の一実施例に係る乾燥機を示す断面図であり、
図2は本発明の一実施例に係る乾燥機を示す分解斜視図である。
【0058】
図1に示すように、乾燥機100は、キャビネット1、キャビネット内に回転可能に備えられて衣類(洗濯対象物又は乾燥対象物)が格納される空間を提供するドラム2、ドラム2に高温の乾燥空気(常温より高度の空気、室内空気の乾燥度より高い乾燥度の空気)を供給して衣類から水分を除去する供給部3、及びドラムを回転させる駆動部(D)を含む。
【0059】
キャビネット1は、乾燥機の前面を形成する前方パネル11、及び乾燥機の底面を形成するベースパネル17を含む。前方パネル11にはドラム2に連通する投入口111が備えられるが、投入口111はドア113により閉鎖される。
【0060】
前方パネル11には制御パネル115が備えられ、制御パネル115にはユーザからの制御命令が入力される入力部116、ユーザが選択可能な制御命令などの情報が出力される表示部117が備えられる。入力部116は、乾燥機に電力供給を要請する電力供給要請部、多数のコースのうち、ユーザが所望するコースを選択するコース入力部、及びユーザが選択したコースの開始を要請する実行要請部を含む。
【0061】
ドラム2は中空の円筒状である。一例として、
図1ではドラム2が、前面と後面が開放した円筒状のドラムボディー21、ドラムボディー21の前面を形成する前方カバー22及びドラムボディー21の後面を形成する後方カバー23からなる場合が示されている。前方カバー22にはドラムボディー21の内部と外部を連通するドラム投入口221が備えられる。
【0062】
ドラム2は支持パネル12と固定パネル15のいずれかに回転可能に固定されるが、一例として、
図1では後方カバー23は駆動部(D)を介して固定パネル15に回転可能に固定され、前方カバー22は支持パネル12に回転可能に連結された場合が示されている。
【0063】
支持パネル12はキャビネット1に固定されて前方パネル11と前方カバー22の間に位置する。一例として、
図1では支持パネル12がベースパネル17に固定されて前方パネル11と前方カバー22の間に位置する場合が示されている。この場合、前方パネル11の後面(支持パネルに向かう面)は支持パネル12に固定され、下端はベースパネル17に固定される。
【0064】
支持パネル12には、支持パネル貫通孔122、支持パネル貫通孔122とドラム投入口221を連結するドラム連結ボディー123、及び支持パネル貫通孔122と投入口111を連結するパネル連結ボディー126が備えられる。
【0065】
支持パネル貫通孔122は支持パネル12を貫通するように備えられて投入口111とドラム投入口221を連通する手段である。
【0066】
ドラム連結ボディー123は支持パネル12の後面(支持パネルが提供する空間のうち、ドラム投入口に向かう面)に固定されたパイプからなる。ドラム連結ボディー123の一端は支持パネル貫通孔122を囲み、ドラム連結ボディー123の自由端は前方カバー22を支持する。即ち、ドラム連結ボディー123の自由端はドラム投入口221に挿入されるか、又はドラム投入口221を形成する前方カバー22の自由端に接する。
【0067】
一例として、
図1ではドラム連結ボディー123の自由端が前方カバー22の自由端に接する場合が示されている。この場合、ドラム連結ボディー123にはリンク状のダンパー124(連結ダンパー)が備えられる。連結ダンパー124はドラム2が回転又は振動するとき、ドラム投入口221がドラム連結ボディー123から分離される危険(ドラム内の空気がキャビネットに漏出する危険)を最小化する手段である。
【0068】
連結ダンパー124は圧縮性材質(外力により体積の増減が可能な材質)からなる。この場合、連結ダンパー124はドラム連結ボディー123の自由端とドラム投入口221の縁部(前方カバーの自由端)の間で圧縮した状態を維持する。これにより、ドラム2が支持パネル12と固定パネル15の間で振動する場合、ドラム投入口221がドラム連結ボディー123から分離されることを最小化することができる。連結ダンパー124の一例として、繊維を圧縮して製作したフェルト(felt)がある。
【0069】
パネル連結ボディー126は支持パネル12の前面(支持パネルが提供する空間のうち、前方パネルに向かう面)に固定されたパイプからなる。パネル連結ボディー126の一端は支持パネル貫通孔122を囲み、パネル連結ボディー126の他端は投入口111に連結される。従って、投入口111から供給された衣類は、パネル連結ボディー126、支持パネル貫通孔122、ドラム連結ボディー123及びドラム投入口221を通ってドラムボディー21に移動する。
【0070】
固定パネル15は後方カバー23から離隔したところに位置するようにキャビネット1に固定される。一例として、
図1では固定パネル15がベースパネル17に固定されて乾燥機100の後面(キャビネットの後面)を形成する場合が示されている。
【0071】
図2に示すように、固定パネル15には駆動部(D)が取り付けられる空間を提供する駆動部取付溝153が備えられる。駆動部取付溝153は固定パネル15がドラムの後方カバー23に向かって凹んで折り曲げられた溝からなる。固定パネル15にはドラム2の回転軸が貫通する固定パネル貫通孔155が備えられ、固定パネル貫通孔155は駆動部取付溝153内に位置する。
【0072】
支持パネル12にはパネル連結ボディー126を貫通するドラム排気口(第1排気口)128が備えられ、固定パネル15にはパネル排気口(第2排気口)157及び供給口158が備えられる。
【0073】
供給口158は固定パネル15を貫通する多数の供給孔が駆動部取付溝153を囲むように配置されて備えられる(多数の供給孔は駆動部取付溝を囲むリンクを形成する)。
【0074】
図1に示すように、供給部3は、第1排気口128と第2排気口157を連結する排気ダクト31、第2排気口157に排出される空気を供給口158に導く供給ダクト32、及び排気ダクトに設けられて空気の除湿と加熱を順に実行する熱交換部34を含む。第1排気口128にはドラム2から排気ダクト31に移動する空気をろ過するフィルター129が備えられる。
【0075】
排気ダクト31は、第1排気口128に連結された第1ダクト311、第2排気口157に連結された第2ダクト312、及び第1ダクト311と第2ダクト312を連結する第3ダクト313を含む。第3ダクト313はベースパネル17に固定される。
【0076】
排気ダクト31にはドラム2内の空気を第2排気口157に移動させるファン315が備えられ、
図1ではファン315が熱交換部34と第2ダクト312の間に位置したことが示されている。
【0077】
熱交換部34は排気ダクト31に流入した空気の除湿と加熱を順に進行する様々な装置からなるが、一例として、
図1では熱交換部34がヒートポンプ(heat pump)からなる場合が示されている。
【0078】
即ち、
図1の熱交換部34は、排気ダクト31に流入した空気から水分を除去する第1熱交換器(吸熱部)341、及び排気ダクト31内に備えられて吸熱部341を通過した空気を加熱する第2熱交換器(発熱部)343を含む。
【0079】
吸熱部341と発熱部343は空気の移動方向に沿って順に配置され、冷媒の循環流路を形成する冷媒管349を介して互いに連結される。冷媒は排気ダクト31の外部に位置する圧縮機345により冷媒管349に沿って移動し、冷媒管349には発熱部343から吸熱部341に移動する冷媒の圧力を調節する圧力調節器347が備えられる。
【0080】
吸熱部341は排気ダクト31に流入した空気の熱を冷媒に伝達することにより空気を冷却(冷媒を蒸発)する手段であり、発熱部343は圧縮機345を通過した冷媒が有する熱を空気に伝達することにより空気を加熱(冷媒を凝縮)する手段である。
【0081】
図2に示すように、供給ダクト32は固定パネル15に固定されて第2排気口157に排出される空気を供給口158にガイドする手段である。
【0082】
供給口158がリング状に配置された多数の供給孔からなる場合、供給ダクト32は、固定パネル15に固定されて第2排気口157と供給口158を連結する流路を形成するダクトボディー321、及びダクトボディー321を貫通するローター収容部322を含む。駆動部取付溝153に固定された駆動部(D)はローター収容部322により供給ダクト32の外部に露出される。
【0083】
供給口158を介してキャビネット1内に供給された空気がドラム2に供給されるように、ドラム2には後方カバー23を貫通する空気流入口233が備えられ、固定パネル15には供給口158から排出された空気を空気流入口233に導く流路形成部159が備えられる。
【0084】
空気流入口233は後方カバー23を貫通する多数の孔がドラム2の回転中心を囲むリンクを形成するように配置される。流路形成部159の一端(固定パネルに固定された一端)は供給口158を囲み、他端(ドラムに接する一端)は空気流入口を囲むパイプからなる。ドラム2の回転時に発生する振動が固定パネル15に伝達されることを最小化するために、流路形成部159は大きい弾性を有する材質(ゴムなど)からなる。
【0085】
駆動部(D)は、駆動部取付溝153に固定されるモーター5、及びモーターにより発生する動力をドラム2に伝達する動力伝達部6を含む。
【0086】
駆動部(D)の重さ及び駆動部(D)の作動時に発生する外力により固定パネル15が変形することを最小化するために、駆動部取付溝153にはモーター5が固定される空間を提供する駆動部ブラケット4が備えられる。駆動部ブラケット4は、駆動部取付溝153に固定されるリンク状の金属(固定パネルの強度よりも大きい強度を有する金属)からなる。
【0087】
図2に示すように、モーター5は、駆動部ブラケット4に固定されて回転磁界(rotating field)を形成するステータ51、及び回転磁界により回転するローター52を含む。
【0088】
ステータ51は、駆動部ブラケット4に固定されるコア511、コア511を貫通するコア貫通孔512及びコア511の縁周面に等間隔で配置された電磁石513を含む。
【0089】
ローター52は、円盤状(disk)のローターボディー52a、ローターボディー52aに固定されるパイプ状のローター縁周面52b及びローター縁周面に固定される多数の永久磁石525を含む。永久磁石525は、N極とS極が交番して露出するようにローター縁周面52bに固定される。
【0090】
動力伝達部6は、モーター5の回転力を減速又は加速してドラム2に伝達するためのものである。以下、添付図面を参照しながら、本発明の動力伝達部6について詳しく説明する。
【0091】
図3及び
図4に示すように、本発明の一実施例に係る動力伝達部6は、中空の筺体状であり、固定パネル15に固定されるハウジング60a、一端はローターボディー52aに連結され、他端はハウジング60a内に位置して、主動ギア631aが形成される第1軸63a、第1軸63aの主動ギア631aに噛み合い、ハウジング60a内に回転可能に位置する多数の連動ギア64a、及び連動ギアに噛み合い、後方カバー23に連結される第2軸652aを含む従動ギア65aを含む。
【0092】
第1軸63aはローター52の回転力を連動ギア64aに伝達するためのものである。第1軸63aにはハウジング60aの内側に位置する主動ギア631aが備えられる。第1軸63aは主動ギア631aからハウジング60aの外側に延びてローターボディー52aに連結される。
【0093】
第1軸63aがローターボディー52aに直結する場合、第1軸63aとローターボディー52aの間で変形が発生する可能性があるが、ローターボディー52aの変形を防止するために、第1軸63aは固定板524を介してローターボディー52aに固定される。固定板524はローターボディー52aに固定されることによりローターボディー52aの強度を補強することができる。
【0094】
主動ギア631aの端部には従動ギア65aの第1軸孔653aに挿入される主動ギア軸632aが形成される。主動ギア軸632aと第1軸孔653aはそれぞれ第1軸63aの回転中心と従動ギア65aの回転中心が一致するように形成される。即ち、第1軸63aの主動ギア631aと従動ギア65aの第2軸652aは同じ回転軸上に位置して回転する。
【0095】
従動ギア65aは、連動ギア64aに噛み合う従動ギアボディー651a、従動ギアボディー651aの回転軸中心に第1軸63aの主動ギア軸632aが挿入されるように形成される第1軸孔653a、及び第1軸孔653aに備えられて主動ギア軸632aを回転可能に支持する第1軸孔ベアリング654aを含む。
【0096】
第1軸63aと従動ギア65aは主動ギア軸632aが第1軸孔653aに挿入されることにより同軸状態でそれぞれ回転可能に締結される。かかる第1軸63aと従動ギア65aの同軸結合により、第1軸63aと従動ギア65aの回転時に偏心を防止することができる。
【0097】
第2軸652aは連動ギア64aの回転力をドラム2に伝達するためのものである。第2軸652aは、ハウジング60a内に備えられ、連動ギア64aから動力を受ける従動ギア65aから延びる。即ち、第2軸652aは従動ギア65aの回転軸を中心としてハウジング60aの外側方向(即ち、ドラム2の方向)に延びる。
【0098】
第2軸652aは従動ギア65aと一体に形成される。第2軸652aは第1軸63aと同心軸(concentric axis)を形成することが好ましい。第2軸652aと第1軸63aが同心軸を形成すると、ドラム2の回転時に動力伝達部6に発生する振動を最小化することができる。
【0099】
ハウジング60aは固定パネル15に固定されてコア貫通孔512に位置することが好ましい。ハウジング60aの体積を最小化することにより駆動部(D)の体積を最小化することができる。
【0100】
ハウジング60aは、固定パネル15に向かう面が開放した筺体状の第1ハウジング61aと、第1ハウジング61aの開放面を閉鎖する第2ハウジング62aを含む。
【0101】
第1ハウジング61aには第1軸支持部611a及び第1軸支持部611aを貫通する第1軸貫通孔612aが備えられる。第1軸63aは第1軸貫通孔612aに挿入されることにより第1ハウジング61aを貫通し、第1軸支持部611aには第1軸63aを第1ハウジング61aに回転可能に固定する第1軸受け613aが備えられる。
【0102】
第1軸支持部611aは第1ハウジング61aからローターボディー52aに向かって突出したボス(boss)状であるか、又は第1ハウジング61aから第2ハウジング62aに向かって突出したボス状である。
【0103】
第1軸支持部611aが第1ハウジング61aから第2ハウジング62aに向かって突出したボス状(第1ハウジング61aからハウジング60aの中心を向って突出した形態)であると、ハウジング60aの体積を最小化する効果がある(駆動部(D)の体積最小化、乾燥機の体積最小化が可能)。
【0104】
第2ハウジング62aには第2軸支持部621a及び第2軸支持部621aを貫通する第2軸貫通孔622aが備えられる。第2軸652aは第2軸貫通孔622aを介して第2ハウジング62aを貫通し、第2軸支持部621aには第2軸652aを第2ハウジング62aに回転可能に固定する第2軸受け623aが備えられる。第2軸受け623aにより第2軸652aが回転可能に支持されることにより、従動ギア65aがハウジング60aの内部で回転可能に支持される。
【0105】
第2軸支持部621aは第2ハウジング62aから固定パネル貫通孔155に向かって突出したボス状(ドラム2の後方カバー23に向かって突出した形態)である。
【0106】
一対の第1軸受け613aは第1軸支持部611aにおいて第1軸63aの長手方向に平行に配置される。一対の第2軸受け623aは第2軸支持部621aにおいて第2軸652aの長手方向に平行に配置される。
【0107】
第1軸受け613a及び第2軸受け623aがそれぞれ2つ以上のベアリングからなると、ローター52の回転時に第1軸63aと第2軸652aが偏心することを最小化する効果がある。即ち、第1軸受け613aと第2軸受け623aが複数個からなる場合、第1軸63aと第2軸652aの回転時に偏心が発生することを最小化することができる。
【0108】
駆動部(D)の体積が大きいと、ベアリング数の増加が容易ではないが、乾燥機100はハウジング60aがステータ51のコア貫通孔512に位置する構造、及び第1軸支持部611aがハウジング60aの中心に向かって突出したボス構造などにより駆動部の体積を最小化することができるので、第1軸受け613aと第2軸受け623aの数を増加させることができる。
【0109】
ハウジング60aの体積を最小化するために、第1ハウジング61aの直径と第2ハウジング62aの直径が互いに異なるように設定される。即ち、第1ハウジング61aの直径は第2ハウジング62aの直径より小さく設定されるか、又は第2ハウジング62aの直径より長く設定される。ハウジング60aの体積を最小化するために、第1ハウジング61aと第2ハウジング62aの外形はコア貫通孔512に対応する円筒状に形成される。
【0110】
その他には、第1ハウジング61aと第2ハウジング62aの外形はハウジング60a内に備えられる連動ギア64aの数による連動ギア64aの外郭の形状に対応して形成されてもよい。
【0111】
具体的には、連動ギア64aは、第1軸63aとこの第1軸63aに同軸に設けられる第2軸652aを中心として複数個からなる。連動ギア64aが3つ以上の多数個からなる場合、連動ギア64aにより形成される外郭面は多角形状に形成される。従って、第1ハウジング61aと第2ハウジング62aで形成されるハウジング60aは、連動ギア64aの数によって連動ギア64aが3つである場合は三角形状に形成され、連動ギア64aが4つである場合には四角形状に形成される。
【0112】
ハウジング60aは固定パネル15の駆動部取付孔153に締結される駆動部ブラケット4により固定される。駆動部ブラケット4の外周面は駆動部取付孔153に対応して形成され、内周面はハウジング60aの外郭形状に対応して形成される。
【0113】
連動ギア64aは第1ハウジング61aと第2ハウジング62aの間に位置する連結軸625aにより回転可能に備えられる。連結軸625aは連動ギア64aの数に対応して備えられる。
【0114】
本発明の一実施例に係る動力伝達部では、一例として、連動ギア64a及び連結軸625aが120°ずつ離隔した3つのギア及び軸からなる場合について説明する。
【0115】
それぞれの連動ギア64aは、連結軸625aにより連結軸625aに回転可能に締結される第1ボディー641a、第1ボディー641aの円周面に設けられ、第1軸63aの主動ギア631aに噛み合う第1ギア642a、第1ボディー641aに固定され、第1ボディー641aの直径より小さい直径を有する第2ボディー643a、及び第2ボディー643aの円周面に設けられ、第2軸652aが備えられる従動ギア65aに結合した第2ギア644aを含む。
【0116】
第1ハウジング61aと第2ハウジング62aの内側には連結軸625aを固定するための第1連結軸孔(図示せず)及び第2連結軸孔624aが対向する位置に形成される。第1連結軸孔と第2連結軸孔624aには連結軸625aを回転可能に支持するベアリング(図示せず)が備えられる。
【0117】
従動ギア65aに備えられる第2軸652aは固定パネル貫通孔155に挿入されてドラム2の後方カバー23を連結する。第2軸652aの回転による後方カバー23の破損を防止するために、後方カバー23には第2軸652aの一端が固定される別の軸ブラケット(図示せず)が備えられる。
【0118】
図4に示すように、第1軸63aの主動ギア631aは第1ギア642aの間に形成された空間に位置する。また第1軸支持部611aの自由端は第1ハウジング61aの中央に形成された第1軸貫通孔612aに挿入されてハウジング60aを貫通する。このような構造(第1軸支持部611aと第1ハウジング61aの構造)により、ハウジング60aの体積を最小化することができる。
【0119】
固定パネル貫通孔155を密閉するために(ドラム2に供給された空気がキャビネット1の外部に露出することを防止するために)、駆動部ブラケット4又は固定パネル15にはさらにシーリング部41が備えられる。駆動部ブラケット4が固定パネル貫通孔155を囲むリンク状に形成され、リンク状のコア511は駆動部ブラケット4に固定され、ハウジング60aはコア貫通孔512に位置する場合、シーリング部41は駆動部ブラケット4と第2ハウジング62aの間に形成された空間を密閉する。
【0120】
上述した構造を有する駆動部(D)の作動過程は以下の通りである。
図6に示すように、ローター52が時計方向に回転すると、第1軸63a及び主動ギア631aも時計方向に回転する。
【0121】
主動ギア631aが時計方向に回転すると、連動ギア64aは第1ギア642aにより反時計方向に回転する。第1ギア642aが反時計方向に回転すると、第2ギア644aも反時計方向に回転する。
【0122】
ここで、連動ギア64aはハウジング60a内に回転可能に支持された状態であるので、第2ギア644aが反時計方向に回転すると、従動ギア65aは時計方向に回転する。
【0123】
ドラム2と従動ギア65aは第2軸652aにより連結されるので、ドラム2はローター52と同じ方向に回転する。
【0124】
図示したように、第1ギア642aの直径は主動ギア631aの直径より大きく設定され、第2ギア644aの直径は第1ギア642aの直径よりは小さく設定される。
【0125】
第1ギア642a、第2ギア644a及び主動ギア631aが上述したように形成されると、駆動部(D)はローター52の回転数より低い回転数でドラム2を回転させる。即ち、駆動部(D)が減速機の役割も果たす。
【0126】
上述したような第1ギア642a及び第2ギア644aが備えられる連動ギア64aと、第1ギア642aに噛み合う主動ギア631a及び第2ギア644aに噛み合う従動ギア65aとは、連動ギア64aの第1ギア642a及び第2ギア644aにそれぞれ平行に配置されてハウジング60a内の主動ギア631a、連動ギア64a及び従動ギア65aの設置体積を最小化する。
【0127】
また、連動ギア64aの第1ギア642a及び第2ギア644aにそれぞれ第1軸の主動ギア631aと第2軸652aが形成される従動ギア65aが噛み合った状態で第1軸63aと第2軸652aは同軸に結合することにより、第1軸63aの回転が連動ギア64aから従動ギア65aに伝達されるとき、第1軸63aと従動ギア65aの間に偏心が発生することを防止することができる。
【0128】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の他の実施例に係る動力伝達部について詳しく説明する。
【0129】
図7乃至
図10に示すように、本発明の他の実施例に係る動力伝達部6は、中空の筺体状であり、固定パネル15に固定されるハウジング60b、一端はローターボディー52aに連結され、他端はハウジング60b内に位置して、主動ギア631bが形成される第1軸63b、第1軸63bの主動ギア631bに噛み合い、ハウジング60b内に回転可能に位置する多数の連動ギア64b、連動ギアに噛み合い、後方カバー23に連結される第2軸652bを含む従動ギア65b、及び第1軸63b、連動ギア64b、従動ギア65bを回転可能に支持してハウジング60bに固定されるキャリア67bを備える。
【0130】
ハウジング60bは固定パネル15に固定されてコア貫通孔512に位置することが好ましい。ハウジング60bの体積を最小化することにより駆動部(D)の体積を最小化することができる。
【0131】
ハウジング60bは、固定パネル15に向かう面が開放した筺体状の第1ハウジング61bと、第1ハウジング61bの開放面を閉鎖する第2ハウジング62bを含む。
【0132】
第1ハウジング61bには第1軸63bが貫通して露出される第1軸貫通孔612bが備えられる。第1軸63bは第1軸貫通孔612bに挿入されることにより第1ハウジング61bを貫通し、ローターボディー52aに連結される。
【0133】
第2ハウジング62bには第2軸652bが貫通して露出される第2軸貫通孔622bが備えられる。第2軸652bは第2軸貫通孔622bに挿入されることにより第2ハウジング62bを貫通し、ドラムの後方カバー23に連結される。
【0134】
ハウジング60bは固定パネル15の駆動部取付孔155に締結される駆動部ブラケット4により固定される。駆動部ブラケット4の外周面は駆動部取付孔155に対応して形成され、内周面はハウジング60bの外郭形状に対応して形成される。
【0135】
第1ハウジング61bと第2ハウジング62bの外形はハウジング60b内に備えられる連動ギア64bの数による連動ギア64bの外郭の形状に対応して形成されてもよい。
【0136】
具体的には、連動ギア64bは、第1軸63bとこの第1軸63bに同軸に設けられる第2軸652bを中心として複数個からなる。連動ギア64bが3つ以上の多数個からなる場合、連動ギア64bにより形成される外郭面は多角形状に形成される。従って、第1ハウジング61bと第2ハウジング62bで形成されるハウジング60bは、連動ギア64bの数によって連動ギア64bが3つである場合は三角形状に形成され、連動ギア64bが4つである場合には四角形状に形成される。
【0137】
第1ハウジング61bとキャリア67bの間及び第2ハウジング62bとキャリア67bの間には、キャリア67b内の第1軸63b、連動ギア64b、従動ギア65bの駆動時に発生する振動及びノイズが第1ハウジング61b及び第2ハウジング62bに伝達されることを防止するためのリンク状の第1キャリアダンパー613bと第2キャリアダンパー623bが設けられる。
【0138】
キャリア67bは第1軸63b、連動ギア64b及び従動ギア65bをそれぞれ回転可能に支持すると共に、ハウジング60bに締結するためのものである。
【0139】
キャリア67bは、第1軸63b、連動ギア64b及び従動ギア65bを別々に締結して第1軸63bと第2軸652bが備えられる従動ギア65bの間の偏心を防止してハウジング60bに固定するためのものである。かかるキャリア67bにより動力伝達部6の組み立て性を向上させると同時に、第1軸63b、連動ギア64b及び従動ギア65bの間の偏心を防止することができる。
【0140】
キャリア67bは、第1ハウジング61bの内側面に向かって位置し、第1軸63bを回転可能に支持するキャリアカバー671bと、第2ハウジング62bの内側面に向かって位置し、第2軸652bを回転可能に支持するキャリアベース676bを備える。
【0141】
キャリアカバー671bとキャリアベース676bの間には連動ギア64bが回転可能に備えられる。キャリアカバー671bには連動ギア64bが回転可能に挿入される多数の連結軸675bが備えられる。キャリアベース676bには連結軸675bが挿入される多数の連結軸溝675bが形成される。
【0142】
キャリアカバー671bには第1軸支持部673b及びこの第1軸支持部673bを貫通する第1軸支持孔672bが備えられる。第1軸63bは第1軸貫通孔612bに挿入されることによりキャリアカバー671bを貫通し、第1軸支持部673bには第1軸63bをキャリアカバー671bに回転可能に固定する第1軸受け674bが備えられる。
【0143】
第1軸支持部673bはキャリアカバー671bからキャリアカバー671bに向かって突出したボス状であり、キャリアカバー671bからキャリアベース676bに向かって突出したボス状であってもよい。
【0144】
第1軸支持部673bがキャリアカバー671bからキャリアベース676bに向かって突出したボスであると、キャリア67bの体積を最小化する効果がある。
【0145】
キャリアベース676bには第2軸支持部677b及び第2軸支持部677bを貫通する第2軸支持孔678bが備えられる。第2軸652bは第2軸支持孔678bを介してキャリアベース676bを貫通し、第2軸支持部677bには第2軸652bをキャリアベース676bに回転可能に固定する第2軸受け679bが備えられる。
【0146】
第2軸支持部677bはキャリアベース676bから第2ハウジング62bに向かって突出したボスであるか、又はキャリアベースからキャリアカバー671bに向かって突出したボス状である。
【0147】
一対の第1軸受け674bは第1軸支持部673bにおいて第1軸63bの長手方向に平行に配置される。一対の第2軸受け679bは第2軸支持部677bにおいて第2軸652bの長手方向に平行に配置される。
【0148】
第1軸受け674b及び第2軸受け679bがそれぞれ2つ以上のベアリングからなると、ローター52の回転時に第1軸63bと第2軸652bが偏心することを最小化することができる。即ち、第1軸受け674bと第2軸受け679bが複数個からなる場合、第1軸63bと第2軸652bの回転時に偏心が発生することを最小化することができる。
【0149】
第1軸63bはローター52の回転力を連動ギア64bに伝達するためのものである。第1軸63bはキャリア67bの内側に位置する主動ギア631bを含む。第1軸63bはキャリア67bの内側に位置する主動ギア631bから延びてキャリアカバー671bの第1軸支持部673bにより回転可能に支持され、第1軸貫通孔612bを通過してハウジング60bの外側に延びてローターボディー52aに連結される。
【0150】
第1軸63bがローターボディー52aに直結する場合、第1軸63bとローターボディー52aの間で変形が発生する可能性があるが、ローターボディー52aの変形を防止するために、第1軸63bは固定板524を介してローターボディー52aに固定される。固定版524はローターボディー52aに固定することによりローターボディー52aの強度を補強することができる。
【0151】
主動ギア631bの端部には従動ギア65bの第1軸孔653bに挿入される主動ギア軸632bが形成される。主動ギア軸632bと第1軸孔653bはそれぞれ第1軸63bの回転中心と従動ギア65bの回転中心が一致するように形成される。即ち、第1軸63bの主動ギア631bと従動ギア65bの第2軸652bは同じ回転軸上に位置して回転する。
【0152】
従動ギア65bは、連動ギア64bに噛み合う従動ギアボディー651b、従動ギアボディー651bの回転軸中心に第1軸63bの主動ギア軸632bが挿入されるように形成される第1軸孔653b、及び第1軸孔653bに備えられて主動ギア軸632bを回転可能に支持する第1軸孔ベアリング654bを備える。
【0153】
第1軸63bと従動ギア65bは主動ギア軸632bが第1軸孔653bに挿入されることにより同軸状態でそれぞれ回転可能に締結される。かかる第1軸63bと従動ギア65bの同軸結合は第1軸63bと従動ギア65bの回転時に偏心を防止することができる。
【0154】
第2軸652bは連動ギア64bの回転力をドラム2に伝達するためのものである。第2軸652bは、キャリア67b内に備えられ、連動ギア64bから動力を受ける従動ギア65bから延びる。即ち、第2軸652bはキャリアベース676bの第2軸支持部677bに回転可能に支持され、第2軸貫通孔622bを通過してハウジング60bの外側に延びる。
【0155】
第2軸652bは第1軸63bと同心軸(concentric axis)を形成することが好ましい。第2軸652bと第1軸63bが同心軸を形成すると、ドラム2の回転時に動力伝達部6で発生する振動を最小化することができる。
【0156】
第2軸652bは従動ギア65bの回転軸を中心としてキャリア67bの外側方向(即ち、ドラム2の方向)に延びる。第2軸652bは従動ギア65bと一体に形成される。
【0157】
第2軸652bはキャリア67b内に位置する従動ギア65bから延びてキャリアベース676bの第2軸支持部677bにより回転可能に支持され、第2軸貫通孔622bを通過してハウジングの外側に延びて後方カバー23に連結される。
【0158】
連動ギア64bはキャリア67bに備えられる連結軸675bにより回転可能にキャリアカバー671bとキャリアベース676bの間に備えられる。連結軸675bは連動ギア64bの数に対応して設けられる。
【0159】
本発明の他の実施例に係る動力伝達部では、一例として、連動ギア64b及び連結軸675bが120°ずつ離隔した3つのギア及び軸からなる場合について説明する。
【0160】
キャリアカバー671bにはキャリアベース676b側に延びる多数の連結軸675bが備えられる。キャリアベース676bには連結軸675bが挿入される連結軸溝675bが形成される。連結軸675bと連動ギア64bの間には連動ギア64bを回転可能に支持するベアリング(図示せず)が備えられる。
【0161】
それぞれの連動ギア64bは、連結軸675bを介して連結軸675bに回転可能に締結される第1ボディー641b、第1ボディー641bの円周面に設けられ、第1軸63bの主動ギア631bに噛み合う第1ギア642b、第1ボディー641bに固定され、第1ボディー641bの直径より小さい直径を有する第2ボディー643b、及び第2ボディー643bの円周面に設けられ、第2軸652bが備えられる従動ギア65bに結合した第2ギア644bを含む。
【0162】
従動ギア65bに備えられる第2軸652bは固定パネル貫通孔155に挿入されてドラム2の後方カバー23を連結する。第2軸652bの回転による後方カバー23の破損を防止するために、後方カバー23には第2軸652bの一端が固定される軸ブラケット(図示せず)が備えられる。
【0163】
図9及び
図10に示すように、第1軸63bの主動ギア631bは第1ギア642bの間に形成された空間に位置する。また第1軸支持部673bの自由端はキャリアカバー671bの中央に形成された第1軸支持孔672bに挿入されてハウジング60bの第1軸貫通孔612bを貫通する。このような構造によりキャリア67bとハウジング60bの体積を最小化することができる。
【0164】
固定パネル貫通孔155を密閉するために(ドラム2に供給された空気がキャビネット1の外部に漏出することを防止するために)、駆動部ブラケット4又は固定パネル15にはさらにシーリング部41が備えられる。駆動部ブラケット4が固定パネル貫通孔155を囲むリンク状に形成され、リング状のコア511は駆動部ブラケット4に固定され、ハウジング60bはコア貫通孔512に位置する場合、シーリング部41は駆動部ブラケット4と第2ハウジング62bの間に形成された空間を密閉する。
【0165】
上述した構造を有する駆動部(D)の作動過程は以下の通りである。
図10に示すように、ローター52が時計方向に回転すると、第1軸63b及び主動ギア631bも時計方向に回転する。
【0166】
主動ギア631bが時計方向に回転すると、連動ギア64bは第1ギア642bにより反時計方向に回転する。第1ギア642bが反時計方向に回転すると、第2ギア644bも反時計方向に回転する。
【0167】
ここで、連動ギア64bはハウジング60b内に回転可能に支持された状態であるので、第2ギア644bが反時計方向に回転すると、従動ギア65bは時計方向に回転する。
【0168】
ドラム2と従動ギア65bは第2軸652bにより連結されるので、ドラム2はローター52と同じ方向に回転する。
【0169】
図示したように、第1ギア642bの直径は主動ギア631bの直径より大きく設定され、第2ギア644bの直径は第1ギア642bの直径よりは小さく設定される。
【0170】
第1ギア642b、第2ギア644b及び主動ギア631bが上述したように形成されると、駆動部(D)はローター52の回転数より低い回転数でドラム2を回転させる。即ち、駆動部(D)が減速機の役割も果たす。
【0171】
上述したように、本発明の他の実施例に係る動力伝達部6においては、第1ギア642b及び第2ギア644bが備えられる連動ギア64bと、第1ギア642bに噛み合う主動ギア631b及び第2ギア644bに噛み合う従動ギア65bは、連動ギア64bの第1ギア642b及び第2ギア644bにそれぞれ平行に配置されて、ハウジング60b内の主動ギア631b、連動ギア64b及び従動ギア65bの設置体積を最小化することができる。
【0172】
また、連動ギア64bの第1ギア642b及び第2ギア644bにそれぞれ第1軸の主動ギア631bと第2軸652bが形成される従動ギア65bが噛み合った状態で第1軸63bと第2軸652bが同軸状態でキャリア67b内に結合することにより、第1軸63bの回転が連動ギア64bから従動ギア65bに伝達されるとき、第1軸63bと従動ギア65bの間に偏心が発生することを防止することができる。
【0173】
また、主動ギア631bが備えられる第1軸63b、連動ギア64b、第2軸652bが備えられる従動ギア65bは、キャリア67b内に組み合わせられた状態でハウジング60b内に締結され、ハウジング60bは駆動部ブラケット4により固定パネル15に固定されることにより、駆動部(D)の組み立て工程を単純化することができる。
【0174】
駆動部ブラケット4は、
図11及び
図12に示すように、駆動部(D)の重さ及び駆動部(D)の作動時に発生する外力により固定パネル15が変形することを最小化するために、駆動部取付溝153に締結される。
【0175】
駆動部ブラケット4に固定されるモーター5と動力伝達部4は駆動部(D)により同軸の回転軸を有して締結される。即ち、駆動部ブラケット4の中央部には動力伝達部6が締結され、駆動部ブラケット4の外郭部には別の締結部材(図示せず)によりステータ51の外郭部が締結される。
【0176】
駆動部ブラケットには、固定パネル15を介してステータ51に締結されるモーター締結孔421が形成され、中央部にハウジング60a,60bの設置空間を形成するリンク状のリング部42と、リング部42の内周面から突出してハウジング60a,60bが固定されるハウジング締結部43が形成される。
【0177】
モーター締結孔421にはステータ51との締結公差を形成するために、さらに固定パネル15の後方からステータ51側に突出する突出部422が形成される。突出部422にモーター締結孔421が形成される。従って、駆動部ブラケット4とステータ51は突出部422-駆動部取付溝155-ステータ51の順に固定パネル15に締結される。
【0178】
動力伝達部6のハウジング60a,60bの外側面にはハウジング締結部43に対応するハウジング固定突起68aが突設される。ハウジング固定突起68aはハウジング60a,60bの第2軸652a,652bの回転軸を中心として同じ半径で形成される。ハウジング固定突起68aには別の締結部材(図示せず)が挿入されるハウジング固定孔69aが形成される。
【0179】
ハウジング締結部43とハウジング固定突起68aはそれぞれ対応して多数個からなる。ハウジング締結部43とハウジング固定突起68aはそれぞれ少なくとも3対以上からなる。
【0180】
モーター締結孔421、ハウジング締結部43はいずれもハウジング60a,60bの第2軸の回転軸を中心として同じ半径で配置される。従って、モーター締結孔421に締結されるモーター5のステータ51とハウジング締結部43に締結されるハウジング60a,60bの第2軸652a,652bは同じ中心軸を有するように駆動部ブラケット4に締結される。
【0181】
ハウジング締結部43には、リング部42の内周面から突出するハウジング締結突部431と、ハウジング締結突部431からハウジング60a,60bの挿入方向と反対方向に折り曲げられた係止突起433が備えられる。
【0182】
ハウジング締結部43には第2ハウジング60a,60bの前面が装着され、ハウジング固定突起68aのハウジング固定孔69aに対応するハウジング締結孔432が形成される。ハウジング締結孔432とハウジング固定孔69aは別の締結部材が挿入されて固定される。
【0183】
係止突起433にはハウジング固定突起68aが挿入される係止溝434が形成される。係止溝434は係止突起433の側方向に形成され、ハウジング60a,60bが駆動部ブラケット4に装着された後、ハウジング60a,60bの中心を基準として回転することによりハウジング固定突起68aが係止溝434に挿入される。
【0184】
ハウジング固定突起68aには係止溝434に対応する位置にハウジング固定溝69bが形成される。ハウジング固定溝69bは係止溝434に交差する方向に挿入されることによりハウジング60a,60bが駆動部ブラケット4に固定される。
【0185】
ハウジング固定溝69bは入口側が拡張された傾斜面の形態で形成される。ハウジング固定溝69bが係止溝434に交差して挿入され、ハウジング固定溝69bの入口からハウジング固定溝69bの内側に移動することにより、ハウジング60a,60bの位置が駆動部ブラケット4の中心に移動して固定される。
【0186】
駆動部ブラケット4の駆動部取付孔155に締結されることにより固定パネル15の強度を補強することができる。これと同時に、駆動部ブラケット4にハウジング60a,60bが締結されるとき、ハウジング60a,60bの設置位置を駆動部ブラケット4の中心に補正することができる。また駆動部ブラケット4にモーター5のステータ51と動力伝達部6のハウジング60a,60bを締結することにより、モーター5と動力伝達部6の回転軸を同軸に一致させることができる。
【0187】
ドラム2の後方カバー23にはリング状の多数の供給孔158a、158bが備えられる。
図2及び
図13に示すように、乾燥機100には第2排気口157から排出された空気を供給孔158a,158bに均一に供給する流路ガイド324がさらに備えられる。
【0188】
空気は流路抵抗が小さい方に移動するので、流路ガイド324を備えない乾燥機100の場合、第2排気口157を介してダクトボディー321に流入した空気は時計方向に沿ってダクトボディー321の内部を移動する量と反時計方向に沿ってダクトボディー321の内部を移動する量が異なる。
【0189】
例えば、時計方向に沿ってダクトボディー321の内部を移動する空気の量が時計方向に沿ってダクトボディー321の内部を移動する空気の量より多いと、基準線(L)の左側に位置する供給孔158aには多量の空気が供給されるが、基準線(L)の右側に位置する供給孔158bには少量の空気が供給される。
【0190】
このような空気供給量の不均衡はドラム2内の衣類に供給される空気量の不均衡を引き起こす。即ち、衣類の位置によって供給される空気量が異なる現象は、乾燥時間が長くなる問題と、一部の衣類は過乾燥状態となり、一部の衣類は未乾燥状態となる問題を引き起こす。
【0191】
流路ガイド324は、時計方向に沿ってダクトボディー321の内部を移動する空気量と反時計方向に沿ってダクトボディーの内部を移動する空気量を類似するか又は等しく維持することにより、上記の問題を解決することができる。即ち、流路ガイド324によりダクトボディー321に流入した空気は、一部は流路ガイド324を基準として左側に位置する供給孔158aに移動し、残りは流路ガイド324を基準として右側に位置する供給孔158bに移動するためである。
【0192】
上述した構造を有する乾燥機100はダクトボディー321がモーター5を取り囲む構造であるので(モーターがローター収容部の内部に位置するので)、モーター5が過熱される可能性がある。
【0193】
モーター5の効果的な冷却のために(具体的にはステータ51の冷却のために)、乾燥機100にはさらに冷却流路35が備えられる。
【0194】
図13及び
図14は本発明の一実施例に係る冷却流路35を示す。図示したように、一実施例による冷却流路35は、キャビネット1内の空気をモーター5と循環接触してモーター5を冷却させる。
【0195】
冷却流路35は、後方カバー23の下部にキャビネット1の内部と貫通する第1冷却孔236、後方カバー23の上部にキャビネット1の内部と貫通する第2冷却孔237、及びダクトボディー321の外側に固定されて第1冷却孔236、第2冷却孔237とローター収容部322を連通するダクトカバー36を含む。
【0196】
第1冷却孔236と第2冷却孔237は後方カバー23を貫通することによりローター収容部322の空気とキャビネット1内の空気を循環してローター収容部322のモーター5を冷却する。
【0197】
ダクトカバー36は、ローター収容部322を覆うカバー板361a、カバー板361aの下部において第1冷却孔236に延びる第1冷却ダクト362a、及びカバー板361aの上部において第2冷却孔237に延びる第2冷却ダクト363aを備える。
【0198】
即ち、ダクトカバー36はダクトボディー321の外側に締結されることにより、キャビネット1内の空気が第1冷却孔236、ローター収容部322、第1冷却孔236に移動する流路を形成する。
【0199】
キャビネット1内の空気は熱交換部34、供給ダクト32を用いてドラム2内の衣類を乾燥させる空気よりは相対的に低い温度を形成し、キャビネット1内の空気が冷却流路35を介してローター収容部322に移動することによりモーター5を冷却する。
【0200】
さらにベースパネル17には圧縮機345で発生する熱を冷却するためにキャビネット1内の空気をキャビネット1の外部に排出するための別の排気ファン(図示せず)が備えられて、キャビネット1内の加熱された高温の空気は排気ファンによりキャビネット1の外部に排出されるので、キャビネット1内の空気は熱交換部34、供給ダクト32、ドラム2内の空気よりは相対的に低く形成される。
【0201】
第1冷却ダクト362aから流入した空気が第2冷却ダクト363aを介して排出されることを容易にすると共に、モーター5を効果的に冷却するために、ローター52にはさらに多数の翼523(vane)が備えられる。
【0202】
翼523はローターボディー52aからダクトカバー36に向かって突出した板(board)からなる。翼523は1つの板からなるか又は多数の板からなる。いずれの場合にも翼523はローターボディー52aの直径方向に平行に設けられることが好ましい。
【0203】
翼523がローターボディー52aの直径方向に平行な板からなると、ローター52の回転時にローター収容部322内の空気を強制に移動させる羽根車(impeller)の機能を行うことができる。
【0204】
ステータ51で発生した熱がより効果的にローター収容部322に排出されるように、ローター52はローターボディー52aを貫通するローター貫通孔521をさらに含む。ローター貫通孔521は多数の孔が第1軸63a,63bを囲むリンクを形成するように配置される。
【0205】
ローター貫通孔521はローターボディー52aの直径方向に対する長さがローターボディー52aの円周方向に対する長さよりも長く設定されたスリットからなる。この場合、翼523はローターボディー52aの直径方向に平行なローター貫通孔521の縁部に固定される。
【0206】
モーター5の冷却をより効果的に進行するために、第1冷却ダクト362a、ローター52の回転中心及び第2冷却ダクト353は1つの直線上に延びる方向に配置される。
【0207】
従って、ローター52の回転時に外気は第1冷却孔236と第1冷却ダクト362aを介してローター収容部322に流入され、ローター収容部322に流入した空気はモーター5を冷却させた後、第2冷却ダクト363aと第2冷却孔237を介してローター収容部322の外部に排出される。
【0208】
図15及び
図16は本発明の他の実施例に係る冷却流路35を示す。図示したように、他の実施例による冷却流路35は、固定パネルの一定部分を冷却流路35で形成してモーター5を冷却させる。
【0209】
ダクトカバー36は供給ダクト32の全体を覆うように供給ダクト32に向かう面が開放する筺体状に形成される。供給ダクト32の場合、固定パネル15の供給口158の配置形態によってリンク状に形成され、ダクトカバー36は供給ダクト32の外郭部を覆う四角形態で形成される。
【0210】
ダクトカバー36が供給ダクト32を覆う場合、供給ダクト32の外周面とダクトカバー36の内隅の間には空間が形成され、ダクトカバー36の内隅の位置に対応する固定パネル15に第1冷却孔236と第2冷却孔237が形成される。
【0211】
ダクトカバー36は、供給ダクト32、第1冷却孔236及び第2冷却孔237により形成される面積より広い面積のカバー板361bと、カバー板361bの外周面において供給ダクト32より高く固定パネル15に固定されるカバー側壁362bを備える。
【0212】
カバー板361bとカバー側壁362bにより第1冷却孔236と第2冷却孔237が連通され、ローター収容部322に備えられるモーター5は第1冷却孔236と第2冷却孔237を通過する空気により冷却される。
【0213】
第1冷却孔236と第2冷却孔237はキャビネット1内の空気が移動する通路の役割をする。第1冷却孔236は固定パネル15の下側に形成され、第2冷却孔237は固定パネル15の上側に形成される。第1冷却孔236と第2冷却孔237はキャビネット1内の空気をダクトカバー36の内部に流入させる。第1冷却孔236と第2冷却孔237は供給ダクト32の中心に対して反対側の角に形成されてもよい。
【0214】
第1冷却孔236から流入した空気がより容易に第2冷却孔237を介して排出されると同時に、モーター5を効果的に冷却するために、さらにローター52にローター52の回転時に羽根車の役割をする多数の翼523(vane)と、ローターボディー52aを貫通するローター貫通孔521が備えられる。翼523とローター貫通孔521に関する説明は一実施例で説明したので、詳しい説明は省略する。
【0215】
第1冷却孔236と第2冷却孔237のいずれかには、キャビネット1内の空気がダクトカバー36の内部を強制循環するように循環ファン(図示せず)がさらに備えられる。循環ファンが備えられる場合、モーター5の冷却をより効果的に行うことができる。
【0216】
上述した乾燥機100は循環式乾燥システムを備える場合を基準として説明したが、乾燥機100は排気式乾燥システムにも適用することができる。循環式乾燥システムはドラム2から排出された空気の除湿と加熱を順に行った後、ドラムに高温乾燥な空気を再供給する乾燥方式をいう。排気式乾燥システムは外気を加熱してドラム2に供給し、熱交換を終了した後、ドラム2から排出される空気をキャビネット1の外部に排気する乾燥方式をいう。
【0217】
乾燥機100が排気式乾燥システムである場合、供給部3は、第1排気口128と第2排気口157を連結する排気ダクト、外気(キャビネット内の空気又はキャビネット外の空気)をドラム2に供給する供給ダクト、及び供給ダクトに流入した空気を加熱する熱交換部を含む。
【0218】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。
【0219】
従って、本発明に開示の実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、これらの実施例により、本実施例の技術思想の範囲が限定されることではない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。