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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】電磁開閉器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/30 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H01H50/30 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023520766
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 JP2022001400
(87)【国際公開番号】W WO2022239299
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2021080922
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲口 隆
(72)【発明者】
【氏名】堀田 克輝
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 勝俊
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/202653(WO,A1)
【文献】特開昭64-003934(JP,A)
【文献】特開2000-231869(JP,A)
【文献】特開2002-324469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 50/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定鉄心と、
前記固定鉄心を支持する緩衝部材と、
前記固定鉄心に対向して配置されている可動鉄心と、
前記可動鉄心を支持する第1可動部材と、
前記第1可動部材が前記固定鉄心から離れる方向に前記第1可動部材を付勢する第1付勢部材と、
前記第1付勢部材の第1付勢力に抗して前記第1可動部材及び前記可動鉄心を前記固定鉄心に向けて移動させ得る電磁力を発生させ得る操作コイルと、
一対の固定接点と、
可動接触子を含む第2可動部材と、
前記可動接触子上に設けられており、かつ、前記一対の固定接点に対向する一対の可動接点と、
前記第2可動部材を前記一対の固定接点に向けて付勢する第2付勢部材とを備え、
前記第1付勢力は、前記第2付勢部材の第2付勢力より大きく、
前記操作コイルを励磁することによって、前記一対の可動接点が前記一対の固定接点に接触し、それから前記第1可動部材が前記第2可動部材から離れ、それから前記可動鉄心は前記固定鉄心に当接し、
前記操作コイルを励磁することによって前記可動鉄心を前記固定鉄心に当接させたときに、前記第1可動部材は前記第2可動部材から、前記可動鉄心が前記固定鉄心に当接したときに生じる前記緩衝部材の復元力によって前記第2可動部材が前記第1可動部材に接触することを防止し得る間隔を空けて配置されている、電磁開閉器。
【請求項2】
固定鉄心と、
鉄心棒と、鉄心板とを含む可動鉄心とを備え、前記鉄心板は、前記鉄心棒に固定されており、かつ、前記固定鉄心に面しており、さらに、
前記鉄心板が前記固定鉄心から離れる方向に前記可動鉄心を付勢する第1付勢部材と、
前記第1付勢部材の第1付勢力に抗して前記鉄心板が前記固定鉄心に近づく方向に前記可動鉄心を移動させ得る電磁力を発生させ得る操作コイルと、
一対の固定接点と、
可動接触子を含む可動部材と、
前記可動接触子上に設けられており、かつ、前記一対の固定接点に対向する一対の可動接点と、
前記可動部材を前記一対の固定接点に向けて付勢する第2付勢部材と
前記固定鉄心と、前記可動鉄心と、前記第1付勢部材と、前記操作コイルと、前記一対の固定接点と、前記可動部材と、前記一対の可動接点と、前記第2付勢部材とを収容する筐体とを備え、
前記第2付勢部材は、前記筐体と前記可動部材とに接触しており、
前記第1付勢力は、前記第2付勢部材の第2付勢力より大きく、かつ、前記第2付勢力と逆向きであり、
前記操作コイルが励磁されて前記一対の可動接点が前記一対の固定接点に接触するまでは、前記可動鉄心は前記可動部材に接触しており、前記操作コイルが励磁されて前記一対の可動接点が前記一対の固定接点に接触した後に、前記可動鉄心は前記可動部材から離れ、
前記操作コイルを励磁することによって前記鉄心板を前記固定鉄心に当接させたときに、前記可動鉄心は前記可動部材から間隔を空けて配置されている、電磁開閉器。
【請求項3】
前記間隔は、前記一対の固定接点の第1厚さと前記一対の可動接点の第2厚さとの和より大きい、請求項1または請求項2に記載の電磁開閉器。
【請求項4】
前記間隔は、0.1mm以上である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電磁開閉器。
【請求項5】
前記間隔は、5.0mm以下である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電磁開閉器。
【請求項6】
前記第2可動部材は、前記第1可動部材に向けて前記可動接触子から突出する絶縁突起を含み、
前記絶縁突起は、前記一対の可動接点の間に配置されている、請求項1に記載の電磁開閉器。
【請求項7】
前記可動部材は、前記可動鉄心に向けて前記可動接触子から突出する絶縁突起を含み、
前記絶縁突起は、前記一対の可動接点の間に配置されている、請求項2に記載の電磁開閉器。
【請求項8】
前記第2可動部材に向けた前記固定鉄心の移動を規制するストッパをさらに備える、請求項に記載の電磁開閉器。
【請求項9】
前記一対の固定接点が設けられている一対の固定接触子と、
前記第2可動部材に向けた前記第1可動部材の移動を規制するストッパと、
前記一対の固定接触子の一つに接続されているトリップコイルと、
前記トリップコイルに過電流が流れるときに、前記トリップコイルに発生する電磁力によって移動し得るプランジャと、
前記プランジャに連動して、前記第1可動部材から離れるように前記第2可動部材を移動させ得る開極レバーとをさらに備える、請求項1に記載の電磁開閉器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁開閉器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開昭64-3934号公報(特許文献1)は、固定鉄心と、可動鉄心と、コイルと、可動枠と、可動接触子と、一対の可動接点と、一対の固定接点とを備える電磁接触器を開示している。コイルは、可動鉄心を固定鉄心に向けて移動させる。可動接触子は、可動枠に設けられている。一対の可動接点は、可動接触子に設けられている。一対の固定接点は、一対の可動接点に対向している。可動鉄心の動作により、一対の可動接点は一対の固定接点に接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭64-3934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された電磁接触器では、可動接点が固定接点に接触した後も、可動鉄心が固定鉄心に衝突するまで、可動鉄心は固定鉄心に向けて移動する。そのため、この電磁接触器では、閉極動作時の接点バウンスは、可動接点が固定接点に接触する第1の時点と、可動鉄心が固定鉄心に衝突する第2の時点において生じる。第1の時点から可動接点と固定接点との間に電流が流れ始めるため、第1の時点における接点バウンスに起因する可動接点及び固定接点の消耗は小さい。これに対し、第2の時点における接点バウンスは、可動鉄心が固定鉄心に衝突する振動が可動接点に伝わった時点で生じる。第1の時点から第2の時点までの間に、可動接点と固定接点との間に流れる電流は増加する。そのため、第2の時点における接点バウンスに起因する可動接点及び固定接点の消耗は、より一層大きい。
【0005】
本開示は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、可動鉄心が固定鉄心に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点及固定接点の消耗を減少させることができる電磁開閉器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一の局面の電磁開閉器は、固定鉄心と、可動鉄心と、第1可動部材と、第1付勢部材と、操作コイルと、一対の固定接点と、第2可動部材と、一対の可動接点と、第2付勢部材とを備える。可動鉄心は、固定鉄心に対向して配置されている。第1可動部材は、可動鉄心を支持している。第1付勢部材は、第1可動部材が固定鉄心から離れる方向に第1可動部材を付勢する。操作コイルは、第1付勢部材の第1付勢力に抗して第1可動部材及び可動鉄心を固定鉄心に向けて移動させ得る電磁力を発生させ得る。第2可動部材は、可動接触子を含む。一対の可動接点は、可動接触子上に設けられており、かつ、一対の固定接点に対向している。第2付勢部材は、第2可動部材を一対の固定接点に向けて付勢する。第1付勢部材の第1付勢力は、第2付勢部材の第2付勢力より大きい。操作コイルを励磁することによって可動鉄心を固定鉄心に当接させたときに、第1可動部材は第2可動部材から間隔を空けて配置されている。
【0007】
本開示の第二の局面の電磁開閉器は、固定鉄心と、可動鉄心と、第1付勢部材と、操作コイルと、一対の固定接点と、可動部材と、一対の可動接点と、第2付勢部材とを備える。可動鉄心は、鉄心棒と、鉄心板とを含む。鉄心板は、鉄心棒に固定されており、かつ、固定鉄心に面している。第1付勢部材は、鉄心板が固定鉄心から離れる方向に可動鉄心を付勢する。操作コイルは、第1付勢部材の第1付勢力に抗して鉄心板が固定鉄心に近づく方向に可動鉄心を移動させ得る電磁力を発生させ得る。可動部材は、可動接触子を含む。一対の可動接点は、可動接触子上に設けられており、かつ、一対の固定接点に対向する。第2付勢部材は、可動部材を一対の固定接点に向けて付勢する。第1付勢力は、第2付勢部材の第2付勢力より大きい。操作コイルを励磁することによって鉄心板を固定鉄心に当接させたときに、可動鉄心は可動部材から間隔を空けて配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の第一の局面及び第二の局面の電磁開閉器によれば、可動鉄心が固定鉄心に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点及び固定接点の消耗を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の電磁開閉器(第1状態)の概略正面図である。
図2】実施の形態1の電磁開閉器(第2状態)の概略正面図である。
図3】実施の形態1の電磁開閉器(第3状態)の概略正面図である。
図4】実施の形態1の電磁開閉器(接点が摩耗した状態)の概略正面図である。
図5】電源と負荷とを接続する三相ラインの各々に配置された実施の形態1の電磁開閉器において発生するアークエネルギーと、当該三相ラインの各々に配置された比較例の電磁開閉器において発生するアークエネルギーとを示す図である。
図6】実施の形態2の電磁開閉器(第1状態)の概略正面図である。
図7】実施の形態2の電磁開閉器(第2状態)の概略正面図である。
図8】実施の形態2の電磁開閉器(第3状態)の概略正面図である。
図9】実施の形態3の電磁開閉器(第1状態)の概略正面図である。
図10】実施の形態3の電磁開閉器(第2状態)の概略正面図である。
図11】実施の形態3の電磁開閉器(第3状態)の概略正面図である。
図12】実施の形態3及び実施の形態4の電磁開閉器における操作コイルへ電流を供給するための回路図である。
図13】実施の形態3の電磁開閉器(トリップ状態)の概略正面図である。
図14】実施の形態4の電磁開閉器(第1状態)の概略断面図である。
図15】実施の形態4の電磁開閉器(第1状態)の概略部分拡大図である。
図16】実施の形態4の電磁開閉器の概略部分拡大図である。
図17】実施の形態4の電磁開閉器(第2状態)の概略断面図である。
図18】実施の形態4の電磁開閉器(第3状態)の概略断面図である。
図19】実施の形態4の電磁開閉器(第3状態)の概略部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0011】
実施の形態1.
図1から図5を参照して、実施の形態1の電磁開閉器1を説明する。電磁開閉器1は、固定鉄心11と、可動鉄心21と、可動部材20と、第1付勢部材24と、操作コイル13と、一対の固定接点27a,27bと、一対の固定接触子26a,26bと、可動部材30と、一対の可動接点37a,37bと、第2付勢部材35と、筐体5とを主に備える。電磁開閉器1は、ストッパ16と、緩衝部材12とをさらに備えてもよい。
【0012】
筐体5は、固定鉄心11と、可動鉄心21と、可動部材20と、第1付勢部材24と、操作コイル13と、固定接点27a,27bと、固定接触子26a,26bの一部と、可動部材30と、可動接点37a,37bと、第2付勢部材35とを収容する。筐体5は、ストッパ16と、緩衝部材12とをさらに収容してもよい。筐体5は、下ケース6と、上ケース7とを含む。下ケース6は、取付台6aと、取付台6a上に設けられている筒体6bとを含む。取付台6aの表面は、x方向と、x方向に垂直なy方向とに延在している。取付台6aの表面の法線は、x方向及びy方向に垂直なz方向に延在している。筐体5は、例えば、絶縁樹脂(例えば、ナイロン66、ナイロン6、ナイロンまたはフェノール樹脂など)のような絶縁材料で形成されている。
【0013】
固定鉄心11は、例えば、互いに積層されている複数のケイ素鋼板によって形成されている。固定鉄心11は、筐体5(例えば、取付台6a)に固定されている。固定鉄心11は、緩衝部材12を介して、筐体5(例えば、取付台6a)に固定されてもよい。緩衝部材12は、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突したときに撓むまたは縮むことにより、可動鉄心21と固定鉄心11との衝突による衝撃を吸収する。本実施の形態では、緩衝部材12は、例えば、板ばねである。緩衝部材12は、コイルばねであってもよいし、ゴム製のクッションであってもよい。
【0014】
可動鉄心21は、例えば、互いに積層されている複数のケイ素鋼板によって形成されている。可動鉄心21は、固定鉄心11に対向して配置されている。可動鉄心21は、例えば、取付台6aの法線方向(z方向)に沿って移動可能である。
【0015】
可動部材20は、可動鉄心21とともに、例えば、取付台6aの法線方向(z方向)に沿って移動可能である。可動部材20は、例えば、可動バー20aと、突出部20bとを含む。可動部材20は、可動鉄心21を支持している。具体的には、可動鉄心21は、可動バー20aのうち固定鉄心11に面する表面に固定されている。突出部20bは、可動バー20aのうち固定鉄心11に面する表面とは反対側の表面(可動バー20aのうち可動部材30に対向する表面)から突出している。可動部材20は、例えば、絶縁樹脂(例えば、フェノール樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂またはナイロン樹脂など)のような絶縁材料で形成されている。
【0016】
第1付勢部材24は、可動部材20が固定鉄心11から離れる方向に、可動部材20を付勢する。第1付勢部材24は、例えば、圧縮ばね(すなわち、圧縮されていてエネルギーが蓄積されているばね)である。第1付勢部材24の第1付勢力(第1復元力)は、第2付勢部材35の第2付勢力(第2復元力)より大きい。第1付勢部材24の一端は、可動部材20(特定的には、可動バー20a)に固定されている。第1付勢部材24の他端は、例えば、コイルケース14に固定されている。具体的には、第1付勢部材24の一端は、可動部材20(特定的には、可動バー20a)上に設けられているばね受けに取り付けられている。第1付勢部材24の他端は、例えば、コイルケース14上に設けられているばね受けに取り付けられている。
【0017】
操作コイル13は、コイルケース14に収容されている。操作コイル13及びコイルケースは、下ケース6(取付台6a)に固定されている。コイルケース14は、例えば、絶縁材料で形成されている。操作コイル13は、第1付勢部材24の第1付勢力に抗して可動部材20及び可動鉄心21を固定鉄心11に向けて移動させ得る電磁力を発生させ得る。操作コイル13に電流を供給することによって、操作コイル13は、第1付勢部材24の第1付勢力に抗して可動部材20及び可動鉄心21を固定鉄心11に向けて移動させ得る電磁力を発生させる。
【0018】
ストッパ16は、可動部材30に向けた可動部材20の移動を規制する。ストッパ16は、例えば、絶縁材料で形成されている。ストッパ16は、筐体5(下ケース6(筒体6b))に固定されている。ストッパ16は、例えば、固定板である。ストッパ16は、第1主面16aと、第1主面16aとは反対側の第2主面16bとを含む。第1主面16aは、可動バー20aに面している。可動部材20(可動バー20a)がストッパ16の第1主面16aに当接することによって、可動部材30に向けた可動部材20の移動は停止する。第2主面16bは、固定接触子26a,26bに面している。第2主面16bは、可動接触子31に対向している。
【0019】
ストッパ16には、貫通孔16cが設けられている。図1に示されるように、貫通孔16c内に、可動部材20の一部(例えば、突出部20b)が位置し得る。図2及び図3に示されるように、貫通孔16c内に、可動部材30一部(例えば、絶縁突起32a)が位置し得る。
【0020】
固定接触子26a,26bは、例えば、筐体5に固定されている。固定接触子26a,26bは、例えば、下ケース6(筒体6b)と上ケース7とによって挟持されている。固定接触子26a,26bは、筐体5を貫通しており、筐体5の内部から筐体5の外部に延在している。固定接触子26a,26bは、銅、鉄、銅合金または鉄合金のような導電材料で形成されている。固定接触子26a,26bは、例えば、ストッパ16(第2主面16b)上に配置されている。
【0021】
固定接点27a,27bは、固定接触子26a,26b上に設けられている。固定接点27a,27bは、銀合金のような導電材料で形成されている。固定接点27a,27bは、固定接触子26a,26bに電気的に接続されている。固定接点27a,27bは、ロー付けまたはかしめなどによって、固定接触子26a,26b上に設けられてもよい。固定接点27a,27bは、固定接触子26a,26bと一体成形されてもよい。
【0022】
可動部材30は、可動鉄心21及び可動部材20の移動方向(z方向)に沿って移動可能である。可動部材30は、可動接触子31を含む。可動接触子31は、銅、鉄、銅合金または鉄合金のような導電材料で形成されている。可動接触子31は、固定接点27a,27bに面する第1表面31aと、第1表面31aとは反対側の第2表面31bとを含む。第2表面31bは、例えば、上ケース7に面している。
【0023】
可動部材30は、クロスバー32をさらに含んでもよい。クロスバー32は、可動接触子31を保持する。クロスバー32は、例えば、絶縁樹脂(例えば、フェノール樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂またはナイロン樹脂など)のような絶縁材料で形成されている。クロスバー32は、絶縁突起32aと、中空部32bとを含む。絶縁突起32aは、可動接触子31の第1表面31a上に設けられている。絶縁突起32aは、可動接点37aと可動接点37bとの間に配置されている。絶縁突起32aは、可動部材20に向けて可動接触子31から突出している。中空部32bは、可動接触子31の第2表面31b上に設けられている。
【0024】
可動接点37a,37bは、可動接触子31(第1表面31a)上に設けられている。可動接点37a,37bは、銀合金のような導電材料で形成されている。可動接点37a,37bは、可動接触子31に電気的に接続されている。可動接点37a,37bは、ロー付けまたはかしめなどによって、可動接触子31上に設けられてもよい。可動接点37a,37bは、可動接触子31と一体成形されてもよい。可動接点37a,37bは、固定接点27a,27bに対向している。具体的には、可動接点37aは固定接点27aに対向しており、可動接点37bは固定接点27bに対向している。
【0025】
第2付勢部材35は、可動部材30を固定接点27a,27bに向けて付勢する。第2付勢部材35は、例えば、圧縮ばね(すなわち、圧縮されていて、エネルギーが蓄積されているばね)である。第2付勢部材35の第2付勢力(第2復元力)は、第1付勢部材24の第1付勢力(第1復元力)より小さい。第2付勢部材35の一端は、可動部材30(可動接触子31)に接触している。第2付勢部材35の他端は、例えば、筐体5(上ケース7)に接触している。具体的には、第2付勢部材35の一端は、可動部材30(可動接触子31)上に設けられているばね受けに取り付けられている。第2付勢部材35の他端は、例えば、筐体5(上ケース7)の突起に接触している。第2付勢部材35は、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間の接触を維持させ得る。
【0026】
図3を参照して、操作コイル13を励磁することによって可動鉄心21を固定鉄心11に当接させたときに、可動部材20は可動部材30から間隔Gを空けて配置される。間隔Gは、0.1mm以上であってもよく、0.2mm以上であってもよい。間隔Gは、5.0mm以下であってもよい。間隔Gは、固定接点27a,27bの第1厚さt1と可動接点37a,37bの第2厚さt2との和より大きい。固定接点27a,27bの第1厚さt1は、電磁開閉器1が新品のときの固定接点27a,27bの厚さである。可動接点37a,37bの第2厚さt2は、電磁開閉器1が新品のときの可動接点37a,37bの厚さである。そのため、図4に示されるように、固定接点27a,27b及び可動接点37a,37bが完全に摩耗するまで、操作コイル13を励磁することによって可動鉄心21を固定鉄心11に当接させたときに、可動部材20を可動部材30から離間させ続けることができる。
【0027】
電磁開閉器1の動作及び作用を説明する。
図1を参照して、操作コイル13に電流を供給していない時、電磁開閉器1は、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bから離れている第1状態(開極状態)にある。具体的には、第1付勢部材24の第1付勢力(第1復元力)は、第2付勢部材35の第2付勢力(第2復元力)より大きい。そのため、第1付勢部材24の第1付勢力によって、可動鉄心21及び可動部材20は、固定鉄心11から離れる方向(+z方向)に移動する。
【0028】
可動部材20(突出部20b)は、可動部材30(絶縁突起32a)に接触する。可動部材30は、可動部材20とともに、固定鉄心11から離れる方向(+z方向)に移動する。可動接点37a,37bは、固定接点27a,27bから離れる。こうして、操作コイル13に電流を供給していない時、電磁開閉器1は、開極状態にある。可動部材20はストッパ16に当接して、固定接点27a,27bに向けた可動部材20の移動は停止する。
【0029】
図2を参照して、操作コイル13に電流を供給する。操作コイル13は、第1付勢部材24の第1付勢力に抗して可動部材20及び可動鉄心21を固定鉄心11に向けて移動させ得る電磁力を発生させる。可動鉄心21及び可動部材20は、固定鉄心11に向けて移動する。第2付勢部材35は、可動接点37a,37b及び可動部材30を、固定接点27a,27bに向けて移動させる。
【0030】
可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触して、電磁開閉器1は、閉極状態になる。可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触すると、可動接点37a,37b及び可動部材30の移動は停止する。可動接点37a,37b及び可動部材30の移動が停止した時には、可動鉄心21は依然として固定鉄心11から離れている。電磁開閉器1は、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触している(閉極状態)が、可動鉄心21は固定鉄心11から離れている第2状態になる。可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触した後も、操作コイル13において発生する電磁力のため、可動鉄心21及び可動部材20は、固定鉄心11に向けて移動する。可動部材20(突出部20b)は、可動部材30(絶縁突起32a)から離れる。
【0031】
可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突する際、接点バウンスが発生する。本明細書において、接点バウンスは、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突した時の反力によって可動接点37a,37bが固定接点27a,27bから離れる方向に弾み、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに安定的に接触するまでに可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの衝突が繰り返される現象を意味する。可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突した時点から、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に電流が流れはじめる。接点バウンスは、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間にアークを発生させる。しかし、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突した時点では、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に流れる電流は小さい。電磁開閉器1の第2状態において発生する接点バウンスは、可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bをあまり消耗させない。
【0032】
図3に示されるように、操作コイル13において発生する電磁力のため、可動鉄心21及び可動部材20は、固定鉄心11に向けてさらに移動する。可動鉄心21は、固定鉄心11に衝突して、固定鉄心11に接触する。電磁開閉器1は、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触しており(閉極状態)、かつ、可動鉄心21が固定鉄心11に接触している第3状態になる。緩衝部材12は、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突したときに撓むまたは縮むことにより、可動鉄心21と固定鉄心11との衝突による衝撃を吸収する。撓んだまたは縮んだ緩衝部材12は、緩衝部材12の元の形に戻ろうとする。可動鉄心21及び固定鉄心11は緩衝部材12から復元力を受ける。この復元力のため、可動鉄心21及び固定鉄心11はわずかに上方に移動することがある。
【0033】
本実施の形態では、操作コイル13を励磁することによって可動鉄心21を固定鉄心11に当接させたときに、可動部材20は可動部材30から間隔Gを空けて配置される。そのため、可動鉄心21と固定鉄心11との衝突による衝撃及び緩衝部材12の復元力によって、接点バウンスが発生することが防止され得る。可動鉄心21と固定鉄心11との衝突時に可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に発生するアークのエネルギーが減少する。電磁開閉器1の第3状態における可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗は、減少し得るまたは無くなり得る。
【0034】
これに対し、比較例の電磁開閉器では、操作コイル13を励磁することによって可動鉄心21を固定鉄心11に当接させたときに、可動部材20は可動部材30に接触している。すなわち、比較例では、操作コイル13を励磁することによって可動鉄心21を固定鉄心11に当接させたときに、間隔Gはゼロである。そのため、可動鉄心21と固定鉄心11との衝突による衝撃及び緩衝部材12の復元力によって、接点バウンスが発生する。そして、電磁開閉器1の第2状態から第3状態まで移行する間に、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に流れる電流は増加する。その結果、比較例では、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に発生するアークのエネルギーが増加する。電磁開閉器1の第3状態において発生する接点バウンスは、可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bを激しく消耗させる。
【0035】
図5に示されるように、電源(図示せず)と負荷(図示せず)とに接続されている三相(R相、S相及びT相)電気配線の各々に配置された実施の形態1の電磁開閉器1において発生するアークのエネルギーは、当該三相電気配線の各々に配置された比較例の電磁開閉器において発生するアークのエネルギーより大幅に低減されている。本実施の形態の電磁開閉器1によれば、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗が、減少し得る。
【0036】
本実施の形態の電磁開閉器1の効果を説明する。
本実施の形態の電磁開閉器1は、固定鉄心11と、可動鉄心21と、第1可動部材(可動部材20)と、第1付勢部材24と、操作コイル13と、一対の固定接点27a,27bと、第2可動部材(可動部材30)と、一対の可動接点37a,37bと、第2付勢部材35とを備える。可動鉄心21は、固定鉄心11に対向して配置されている。第1可動部材は、可動鉄心21を支持している。第1付勢部材24は、第1可動部材が固定鉄心11から離れる方向に第1可動部材を付勢する。操作コイル13は、第1付勢部材24の第1付勢力に抗して第1可動部材及び可動鉄心21を固定鉄心11に向けて移動させ得る電磁力を発生させ得る。第2可動部材は、可動接触子31を含む。一対の可動接点37a,37bは、可動接触子31上に設けられており、かつ、一対の固定接点27a,27bに対向している。第2付勢部材35は、第2可動部材を一対の固定接点27a,27bに向けて付勢する。第1付勢部材24の第1付勢力は、第2付勢部材35の第2付勢力より大きい。操作コイル13を励磁することによって可動鉄心21を固定鉄心11に当接させたときに、第1可動部材は第2可動部材から間隔Gを空けて配置されている。
【0037】
そのため、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスの期間が短くなり得る、または、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスが無くなり得る。可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗が、減少し得る。
【0038】
本実施の形態の電磁開閉器1では、上記間隔Gは、一対の固定接点27a,27bの第1厚さt1と一対の可動接点37a,37bの第2厚さt2との和より大きい。
【0039】
そのため、固定接点27a,27b及び可動接点37a,37bが完全に摩耗するまで、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗が、減少し続け得る。
【0040】
本実施の形態の電磁開閉器1では、上記間隔Gは、0.1mm以上である。
そのため、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスの期間が短くなり得る、または、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスが無くなり得る。可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗が、より確実に減少し得る。
【0041】
本実施の形態の電磁開閉器1では、上記間隔Gは、5.0mm以下である。
電磁開閉器1が開極状態(第1状態)から閉極状態(第2状態)に遷移する途中に、第1可動部材(可動部材20)は第2可動部材(可動部材30)に衝突する。上記間隔Gが5.0mm以下であるため、第1可動部材と第2可動部材との衝突による衝撃が減少する。この衝撃に起因して第1可動部材及び第2可動部材が機械的損傷を受けることが防止され得る。
【0042】
本実施の形態の電磁開閉器1では、第2可動部材(可動部材30)は、第1可動部材(可動部材20)に向けて可動接触子31から突出する絶縁突起32aを含む。絶縁突起32aは、一対の可動接点37a,37bの間に配置されている。
【0043】
絶縁突起32aは、可動接点37a,37bの間にアークが発生すること、及び、固定接点27a,27bの間にアークが発生することを防止することができる。アークに起因して、可動接点37a,37bが短絡すること、及び、固定接点27a,27bが短絡することが防止され得る。
【0044】
本実施の形態の電磁開閉器1は、固定鉄心11を支持する緩衝部材12をさらに備える。
【0045】
緩衝部材12は、可動鉄心21と固定鉄心11との衝突による衝撃を吸収する。そのため、緩衝部材12は、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスの期間を短くし得る、または、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスを無くし得る。可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗が、さらに減少し得る。
【0046】
実施の形態2.
図6から図8を参照して、実施の形態2の電磁開閉器1bを説明する。本実施の形態の電磁開閉器1bは、実施の形態1の電磁開閉器1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
【0047】
電磁開閉器1bは、ストッパ40をさらに備える。ストッパ40は、例えば、筐体5に着脱可能に設けられている。ストッパ40は、例えば、取付台6aと筒体6bとによって挟持されてもよい。ストッパ40は、可動部材30に向けた固定鉄心11の移動を規制する。ストッパ40は、例えば、筐体5の内部空間に向けて突出する突起41を含む。
【0048】
緩衝部材12は、コイルばねである。緩衝部材12は、板バネであってもよいし、ゴム製のクッションであってもよい。緩衝部材12は、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突したときに撓むまたは縮むことにより、可動鉄心21と固定鉄心11との衝突による衝撃を吸収する。撓んだまたは縮んだ緩衝部材12は、緩衝部材12の元の形に戻ろうとする。固定鉄心11は、緩衝部材12の復元力を受ける。固定鉄心11と、固定鉄心11にくっついている可動鉄心21とは、可動部材30に向けて移動する。
【0049】
ストッパ40は、可動部材30に向けた固定鉄心11の移動を規制する。具体的には、固定鉄心11が突起41に接触すると、可動部材30に向けた固定鉄心11の移動は停止する。こうして、ストッパ40は、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突した後、可動部材20が可動部材30から離間され続けることを確実にする。
【0050】
本実施の形態の電磁開閉器1bは、実施の形態1の電磁開閉器1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0051】
本実施の形態の電磁開閉器1bは、第2可動部材(可動部材30)に向けた固定鉄心11の移動を規制する第1ストッパ(ストッパ40)をさらに備える。
【0052】
第1ストッパ(ストッパ40)は、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突した後、第1可動部材(可動部材20)が第2可動部材(可動部材30)から離間され続けることを確実にする。そのため、可動鉄心21が固定鉄心11に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗が、より確実に減少し得る。
【0053】
実施の形態3.
図9から図13を参照して、実施の形態3の電磁開閉器1cを説明する。電磁開閉器1cは、例えば、電源(図示せず)と負荷(図示せず)とを接続する電気配線に配置されている。本実施の形態の電磁開閉器1cは、実施の形態1の電磁開閉器1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。電磁開閉器1cは、電源側グリッド51、電源側グリッド固定材54、負荷側グリッド52、負荷側グリッド固定材56、アークランナー53及び開閉/トリップ機構80をさらに備える。
【0054】
筐体5は、上ケース7と、下ケース6とを備える。下ケース6には、仕切り板46,47が設けられる。仕切り板47は、仕切り板46に対して、固定鉄心11に近位する側に配置されている。仕切り板46,47は、筐体5の内部空間を、上ケース7側の空間141と、下ケース6側の空間142とに分ける。仕切り板46,47は、固定接点27a,27b及び可動接点37a,37bの開極時に、空間142において発生するアークが、空間141に設けられる開閉/トリップ機構80などに伝わることを防ぐ。仕切り板46,47は、当該アークによって熱せられた空間142内の高温の気体(例えば、空気)が空間141に設けられる開閉/トリップ機構80などに伝わることを防ぐ。上ケース7、下ケース6及び仕切り板46,47は、絶縁樹脂(例えば、ナイロン66、ナイロン6、ナイロンまたはフェノール樹脂など)のような絶縁材料で形成されている。
【0055】
仕切り板47は、平板部47aと、突起部47bとを含む。平板部47aに、貫通孔47cが設けられている。突起部47bは、例えば、貫通孔47cを囲む環状部材であってもよいし、貫通孔47cを囲む複数の柱状部材であってもよい。仕切り板47(突起部47b)は、可動部材30に向けた可動部材20の移動を規制しており、実施の形態1のストッパ16に相当する。仕切り板46に、貫通孔46aが設けられている。仕切り板46の貫通孔46aは、仕切り板47の貫通孔47cに連通している。
【0056】
固定接触子26aは、下ケース6の上面と、仕切り板46の上面と、仕切り板46に形成される貫通孔46aを規定する側壁と、仕切り板46の上面とは反対側の仕切り板46の下面とにわたって、設けられている。固定接触子26aは、電源側固定接触子である。固定接触子26aは、例えば、鉄または銅のような導電材料で形成されている。
【0057】
固定接触子26aの一端は、電源側端子110を構成している。電源側端子110は、下ケース6にねじこまれるねじ130を用いて、電源(図示せず)に接続されている電源側外部導体120に固定されている。電源側端子110は、電源側外部導体120に電気的に接続されている。電源側外部導体120は、例えば、バスバーである。固定接触子26aの他端は、仕切り板46の下面上に設けられている。固定接触子26aには、固定接点27aが設けられている。固定接点27aは、固定接触子26aの他端と固定接触子26aのうち貫通孔46aに面する部分との間に設けられている。
【0058】
電源側グリッド51は、固定接点27a,27bと可動接点37a,37bとにおいて発生するアークを消弧し得る。電源側グリッド51は、例えば、鉄のような磁性体で形成されている。電源側グリッド51は、固定接点27a,27b及び可動接点37a,37bに対して電源側端子110に近位する側に配置されている。電源側グリッド51は、z方向に沿って、互いに離間されて配列されている。電源側グリッド固定材54は、電源側グリッド51を支持している。電源側グリッド固定材54は、例えば、絶縁性のファイバー紙で形成されている。電源側グリッド固定材54に、電源側グリッド固定材窓55が形成されている。電源側グリッド固定材窓55は、下ケース6内の高温の気体(例えば、空気)を通過させる。
【0059】
下ケース6のうち、電源側グリッド固定材54に対向する部分に、窓8が形成されている。下ケース6内の高温の気体(例えば、空気)は、窓8を通って、筐体5(下ケース6)の外部に排出される。
【0060】
固定接触子26bは、負荷側端子111に近位する側の仕切り板46の上面と、仕切り板46に形成される貫通孔46aを規定する側壁と、仕切り板46の上面とは反対側の仕切り板46の下面とにわたって、設けられている。固定接触子26bは、負荷側固定接触子である。固定接触子26bの一端は、トリップコイル60に電気的に接続されている。固定接触子26bの他端は、仕切り板46の下面に設けられている。固定接触子26bには、固定接点27bが設けられている。固定接点27bは、固定接触子26bの他端と固定接触子26bのうち貫通孔46aに面する部分との間に設けられている。
【0061】
負荷側端子111は、例えば、鉄のような導電性を有する磁性体で形成されている。負荷側端子111の一端は、トリップコイル60に、電気的に接続されている。負荷側端子111は、トリップコイル60を介して、固定接触子26bに電気的に接続されている。負荷側端子111の他端は、モータのような負荷(図示せず)に接続されている。負荷側端子111の他端は、下ケース6にねじこまれるねじ131を用いて、モータのような負荷(図示せず)に接続されている負荷側外部導体121に固定されている。負荷側端子111は、負荷側外部導体121に電気的に接続されている。負荷側外部導体121は、例えば、バスバーである。
【0062】
負荷側グリッド52は、固定接点27a,27bと可動接点37a,37bとにおいて発生するアークを消弧し得る。負荷側グリッド52は、例えば、鉄のような磁性体で形成されている。負荷側グリッド52は、固定接点27a,27b及び可動接点37a,37bに対して負荷側端子111に近位する側に配置されている。負荷側グリッド52は、z方向に沿って、互いに離間されて配列されている。負荷側グリッド固定材56は、負荷側グリッド52を支持している。負荷側グリッド固定材56は、例えば、絶縁性のファイバー紙で形成されている。負荷側グリッド固定材56に、負荷側固定材窓57が形成されている。電源側グリッド固定材窓55は、下ケース6内の高温の気体(例えば、空気)を通過させる。
【0063】
下ケース6のうち、負荷側グリッド固定材56に対向する部分に、窓9が形成されている。下ケース6内の高温の気体(例えば、空気)は、窓9を通って、筐体5(下ケース6)の外部に排出される。
【0064】
緩衝部材12、固定鉄心11、操作コイル13、コイルケース14、第1付勢部材24及び可動部材20は、上ケース7の空間141内に配置されている。固定鉄心11は、緩衝部材12を介して、上ケース7に固定されている。コイルケース14は、絶縁スペーサ15を介して、上ケース7に固定されている。図9から図11及び図13に示されるように、可動部材20の突出部20bの少なくとも一部は、貫通孔47c内に位置し得る。第2付勢部材35、可動部材30、可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bは、下ケース6の空間142内に配置されている。図9から図11に示されるように、可動部材30の絶縁突起32aの少なくとも一部は、貫通孔46a,47c内に位置し得る。可動部材30の絶縁突起32aは、開極レバー82の一端82aに対向し得る。
【0065】
アークランナー53は、下ケース6の空間142内に設けられている。アークランナー53は、例えば、可動接点37a,37bに対して固定接点27a,27bから遠位する側に配置されている。アークランナー53は、例えば、下ケース6に固定されている。アークランナー53は、例えば、鉄または銅のような導電材料で形成されている。
【0066】
アークランナー53は、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bから離れるときに、固定接点27a,27bと可動接点37a,37bとの間に発生するアークが、可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bから離れる方向に走行する経路である。固定接触子26a,26b、アーク及び可動接触子31が形成する電流回路によって、アークを電源側グリッド51側または負荷側グリッド52側に押すローレンツ力が、アークに作用する。さらに、電源側グリッド51及び負荷側グリッド52は磁性体で形成されているため、電源側グリッド51及び負荷側グリッド52はアークを引き寄せる。そのため、固定接点27aと可動接点37aとの間に発生するアークは、アークランナー53を通って、電源側グリッド51に移動する。固定接点27bと可動接点37bとの間に発生するアークは、アークランナー53を通って、負荷側グリッド52に移動する。
【0067】
図12を参照して、操作コイル13は、電気配線151を介して、外部電源150に接続されている。電気配線151には、操作コイルスイッチ94が設けられている。操作コイルスイッチ94は、外部電源150から操作コイル13への電流の供給と、当該電流の供給の停止とを切り替えるスイッチである。
【0068】
図9から図11及び図13を参照して、開閉/トリップ機構80は、トリップコイル60と、プランジャ61と、プランジャ押しばね62と、リンク棒63と、絶縁固定部材64aと、絶縁パイプ65と、ハンドル81と、開極レバー82と、マグバー83と、ラッチ85と、レバー86と、U軸87と、上リンク88と、下リンク89と、アーム90とを、主に含む。
【0069】
トリップコイル60は、絶縁固定部材64aに固定されている。トリップコイル60の一端は、固定接触子26bの一端に接続されている。トリップコイル60の他端は、負荷側端子111の一端に接続されている。トリップコイル60の内側に、絶縁パイプ65が配置されている。
【0070】
絶縁パイプ65の内部に、プランジャ61が配置されている。プランジャ61は、鉄のような磁性体で形成されている。プランジャ61は、トリップコイル60に過電流が流れるときに、トリップコイル60に発生する電磁力によって、絶縁パイプ65の長手方向(z方向)に移動し得る。トリップコイル60に発生する電磁力によってプランジャ61が移動する際、プランジャ61の外周面は、絶縁パイプ65の内周面に接触する。過電流は、トリップコイル60に通常流れる電流より非常に大きい電流である。過電流は、例えば、トリップコイル60に通常流れる電流の10倍以上である。過電流の大きさは、電磁開閉器1cの用途に応じて適宜定められ得る。プランジャ61は、胴部と、胴部より大きな直径を有する頭部とを含む。プランジャ61の頭部は、プランジャ61のうちトリップコイルから遠位する部分(例えば、プランジャ61の下端部分)である。
【0071】
リンク棒63は、ピン64によって回転可能に支持されている。ピン64は、絶縁固定部材64aに固定されている。リンク棒63の一端は、二股に分かれており、プランジャ61の頭部を挟んでいる。プランジャ61の移動に伴い、リンク棒63はピン64を中心に回転し得る。プランジャ押しばね62の一端は、リンク棒63のうちリンク棒63の一端に近い部分に固定されている。プランジャ押しばね62の他端は、絶縁固定部材64aに固定されている。プランジャ押しばね62は、圧縮ばね(圧縮されていて、エネルギーが蓄積されているばね)である。プランジャ押しばね62は、リンク棒63を付勢して、リンク棒63を時計回り回転させ得る。
【0072】
ハンドル81は、ピン81aと、回転部81bと、操作部81cとを含む。回転部81bは、ピン81aによって回転可能に支持されている。操作部81cは、回転部81bに設けられている。操作部81cは、筐体5(上ケース7)に形成された開口7aを通って、筐体5(上ケース7)の外部に突き出ている。回転部81bに、レバー86が設けられている。レバー86は、ピン81aによって、回転可能に支持されている。レバー86は、回転部81bからラッチ85に向けて延在している。
【0073】
ラッチ85は、ピン85aによって回転可能に支持されている。ラッチ85は、例えば、L字形状を有している。ラッチ85の一端は、レバー86の近くにある。ラッチ85の他端は、マグバー83の近くにある。
【0074】
マグバー83は、回転部83aと、突起部83bとを含む。回転部83aは、ピン84によって回転可能に支持されている。突起部83bは、回転部83aからラッチ85に向けて延在している。突起部83bは、ラッチ85の他端に接触している。
【0075】
上リンク88の一端は、ピン88aによって、回転部81bに連結されている。上リンク88は、回転部81bに回転可能に連結されている。U軸87の一端は、上リンク88の他端に設けられている貫通孔と下リンク89の一端に設けられている貫通孔とに挿入されている。U軸87の他端は、レバー86に設けられている貫通孔に挿入されている。
【0076】
下リンク89の一端は、U軸87によって、上リンク88の他端に連結されている。下リンク89は、上リンク88に回転可能に連結されている。下リンク89の他端は、ピン95aによって、アーム90に連結されている。
【0077】
アーム90は、アームピン91によって、回転可能に支持されている。開極レバー82に近位するアーム90の端部は、アームリンクピン92によって、開極レバー82の他端82bに連結されている。トリップコイル60に近位するアーム90の端部に、スイッチレバー95が設けられている。スイッチレバー95は、操作コイルスイッチ94を押圧することによって、操作コイルスイッチ94をオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、操作コイルスイッチ94から離れることによって、操作コイルスイッチ94をオン状態からオフ状態に切り替える。
【0078】
開極レバー82は、ピン93によって、回転可能に支持されている。開極レバー82の一端82aは、貫通孔47c内に位置している。開極レバー82の他端82bは、アームリンクピン92によって、アーム90に連結されている。開極レバー82は、プランジャ61に連動して、可動部材20から離れるように可動部材30を移動させ得る。
【0079】
電磁開閉器1cの動作及び作用を説明する。
電磁開閉器1cには、オフ状態、レディ状態及びトリップ状態という3種類のハンドル81の状態がある。
【0080】
ハンドル81がオフ状態(図示せず)にあるときの電磁開閉器1cを説明する。
ハンドル81がオフ状態にあるとき、ハンドル81は時計回り方向に倒されている。ハンドル81がオフ状態にあるとき、ハンドル81は、右側に倒されている。ハンドル81がオフ状態にあるとき、外部電源150(図12を参照)から供給される電流の有無に係わらず、開極レバー82によって可動接点37a,37bは固定接点27a,27bから離されており、電磁開閉器1cは開極状態にある。また、ハンドル81がオフ状態にあるとき、スイッチレバー95は操作コイルスイッチ94から離れており、操作コイルスイッチ94はオフ状態にある。操作コイル13は、外部電源150に電気的に接続されていない。そのため、たとえ外部電源150がオン状態にあっても、操作コイル13に電流が流れず、操作コイル13は励磁されない。可動鉄心21は、第1付勢部材24の第1付勢力(第1復元力)によって、固定鉄心11から離されている。可動部材20(突出部20b)が仕切り板47(突起部47b)に当接している。
【0081】
ハンドル81がオフ状態からレディ状態に切り替わるときの電磁開閉器1cの動作を説明する。
【0082】
図9から図11に示されるように、ハンドル81を反時計回りに回転させることによって、ハンドル81はオフ状態からレディ状態になる。ハンドル81がレディ状態にあるとき、ハンドル81は、反時計方向に倒されている。図9に示されるように、ハンドル81がレディ状態にあり、かつ、外部電源150がオフ状態にある場合には、可動接点37a,37bは固定接点27a,27bから離されており、電磁開閉器1cは開極状態にある。図10及び図11に示されるように、ハンドル81がレディ状態にあり、かつ、外部電源150がオン状態にある場合には、可動接点37a,37bは固定接点27a,27bに接触しており、電磁開閉器1cは閉極状態にある。
【0083】
具体的には、ハンドル81がレディ状態にあるとき、電磁開閉器1cは、リモートで開極状態と閉極状態との間で切り替られ得る。このリモートスイッチングは、外部電源150をオン状態にすることによって外部電源150から出力される電流を操作コイル13に与えるとともに、電磁開閉器1cをリモートで閉極させるステップと、外部電源150をオフ状態にすることによって外部電源150から操作コイル13への電流の供給を断つとともに、電磁開閉器1cをリモートで開極させるステップとを含む。
【0084】
図9を参照して、ハンドル81を反時計回りに回転させると、回転部81bはピン81aを中心に反時計回りに回転する。回転部81bの回転に伴い、回転部81bに連結されている上リンク88が移動し、上リンク88に連結されている下リンク89も移動する。下リンク89に連結されているアーム90がアームピン91を中心に反時計回りに回転する。アーム90に連結されている開極レバー82は、ピン93を中心に時計回りに回転する。
【0085】
開極レバー82の一端82aは、可動部材30(絶縁突起32a)から離れる。第2付勢部材35は、可動部材30及び可動接点37a,37bを固定接点27a,27bに向けて移動させる。可動部材30(絶縁突起32a)は、可動部材20(突出部20b)に当接する。第1付勢部材24の第1付勢力(第1復元力)は、第2付勢部材35の第2付勢力(第2復元力)より大きい。そのため、可動部材20及び可動鉄心21は、固定鉄心11に向けて移動しない。可動部材20(可動バー20a)は、仕切り板47(突起部47b)に接触したままである。電磁開閉器1cは、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bから離れている第1状態(開極状態)にある。
【0086】
アーム90がアームピン91を中心に反時計回りに回転することにより、アーム90に設けられるスイッチレバー95は、操作コイルスイッチ94を押圧する。操作コイルスイッチ94は、オン状態になる。
【0087】
図10及び図12を参照して、外部電源150をオフ状態からオン状態に切り替える。電流が外部電源150から操作コイル13に供給されて、操作コイル13が励磁される。操作コイル13は、第1付勢部材24の第1付勢力に抗して可動鉄心21及び可動部材20を固定鉄心11に向けて移動させ得る電磁力を発生させる。可動鉄心21及び可動部材20は、固定鉄心11に向けて移動する。第2付勢部材35は、可動接点37a,37b及び可動部材30を、固定接点27a,27bに向けて移動させる。
【0088】
可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触して、電磁開閉器1cは閉極状態になる。主電流は、電源側端子110から、固定接触子26a、固定接点27a、可動接点37a、可動接触子31、可動接点37b、固定接点27b、固定接触子26b及びトリップコイル60を経由して、負荷側端子111へ流れる。
【0089】
可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触すると、可動接点37a,37b及び可動部材30の移動は停止する。可動接点37a,37b及び可動部材30の移動が停止した時には、可動鉄心21は依然として固定鉄心11から離れている。電磁開閉器1cは、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触している(閉極状態)が、可動鉄心21は固定鉄心11から離れている第2状態になる。可動接点37a,37b及び可動部材30の移動が停止した後も、操作コイル13において発生する電磁力のため、可動鉄心21及び可動部材20は、固定鉄心11に向けて移動する。可動部材20(突出部20b)は、可動部材30(絶縁突起32a)から離れる。
【0090】
可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突する際、接点バウンスが発生する。接点バウンスは、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間にアークを発生させる。しかし、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突した時点から、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に流れる電流が流れ始める。そのため、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突した時点では、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に流れる電流は小さい。電磁開閉器1cの第2状態において発生する接点バウンスは、可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bをあまり消耗させない。
【0091】
図11を参照して、操作コイル13において発生する電磁力のため、可動鉄心21及び可動部材20は、固定鉄心11に向けてさらに移動する。可動鉄心21は、固定鉄心11に衝突して、固定鉄心11に接触する。電磁開閉器1cは、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触しており(閉極状態)、かつ、可動鉄心21は固定鉄心11に接触している第3状態になる。緩衝部材12は、可動鉄心21と固定鉄心11との衝突による衝撃を吸収する。可動鉄心21が固定鉄心11に衝突することにより、可動鉄心21及び固定鉄心11は緩衝部材12から復元力を受ける。この復元力のため、可動鉄心21及び固定鉄心11はわずかに上方に移動することがある。
【0092】
本実施の形態では、操作コイル13を励磁することによって可動鉄心21を固定鉄心11に当接させたときに、可動部材20は可動部材30から間隔Gを空けて配置される。そのため、可動鉄心21と固定鉄心11との衝突による衝撃及び緩衝部材12の復元力によって、接点バウンスが発生することが防止され得る。可動鉄心21と固定鉄心11との衝突時に可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に発生するアークのエネルギーが減少する。電磁開閉器1cの第3状態における可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗は、減少し得るまたは無くなり得る。
【0093】
図11に示されるように電磁開閉器1cが第3状態にあるときに、外部電源150(図12を参照)をオフ状態に切り替える。操作コイル13へ電流が供給されなくなる。図9に示されるように、第1付勢部材24は、可動部材20及び可動鉄心21を、固定鉄心11から遠ざかるように移動させる。可動部材20は、可動部材30に当接する。可動部材20及び可動部材30は、さらに固定鉄心11から遠ざかるように移動する。可動接点37a,37bは、固定接点27a,27bから離れる。電磁開閉器1cは、開極状態になる。可動部材20及び可動部材30は、さらに固定鉄心11から遠ざかるように移動する。可動部材20(可動バー20a)が仕切り板47(突起部47b)に当接する。可動部材20及び可動部材30の移動は停止する。
【0094】
このように、ハンドル81がレディ状態にあるときに、外部電源150をオフ状態からオン状態に切り替える、または、外部電源150をオン状態からオフ状態に切り替えることにより、リモートで電磁開閉器1cをスイッチング動作が行われる。それから、操作者がハンドル81を操作して、ハンドル81がレディ状態からオフ状態に切り替えられたときに、電磁開閉器1cは、外部電源150の状態にかかわらず、開極状態に維持される。
【0095】
ハンドル81がレディ状態からトリップ状態(図13を参照)に切り替わるときの電磁開閉器1cの動作を説明する。
【0096】
ハンドル81がレディ状態にあり、かつ、電磁開閉器1cが第3状態にあるときに(図11を参照)、電磁開閉器1cに過電流が流れることがある。電磁開閉器1cに過電流が流れると、電磁開閉器1cは強制的に開極される(トリップ状態)。過電流は、例えば、負荷側端子111に接続されている負荷(図示せず)がショートしたときに流れる電流、または、負荷側端子111が地絡したときに流れる電流である。負荷側端子111が地絡することは、負荷側端子111と大地との間に形成されるインピーダンスを介して、負荷側端子111が大地に電気的に接続されることを意味する。
【0097】
ハンドル81がレディ状態にあり、かつ、電磁開閉器1cが第3状態にあるとき、電磁開閉器1cは閉極状態にある。電磁開閉器1cに通常の電流が流れるとき、通常の電流は、固定接触子26bに接続されているトリップコイル60に流れる。トリップコイル60において磁場が発生する。この磁場のため、プランジャ61をトリップコイル60に向けて移動させる吸引力が、プランジャ61に作用する。しかし、トリップコイル60に通常の電流が流れているときにプランジャ61に作用する吸引力は、プランジャ押しばね62の付勢力(復元力)より弱い。そのため、プランジャ61の下端は、トリップコイル60から最も離れた位置にある。
【0098】
電磁開閉器1cに過電流が流れると、トリップコイル60により強い磁場が発生する。このより強い磁場のため、より大きな吸引力が、プランジャ61に作用する。そのため、プランジャ61は、プランジャ押しばね62の復元力に抗して、負荷側端子111の一端に向けて移動する。
【0099】
プランジャ61の移動により、リンク棒63は、ピン64を中心に反時計回りに回転する。マグバー83は、リンク棒63によって、ピン84を中心に時計回りに回転する。ラッチ85は、マグバー83(突起部83b)によって、ピン85aを中心に反時計回りに回転する。レバー86の先端が、ラッチ85から外れる。ハンドル81は、ピン81aを中心にして時計回りに回転する。ハンドル81の回転には、例えば、ピン81aに設けられているトーションばね(図示せず)の復元力が利用され得る。こうして、ハンドル81は、トリップ状態に切り替わる。ハンドル81がトリップ状態にあるとき、ハンドル81は、オフ状態におけるハンドル81の第1の位置とレディ状態におけるハンドル81の第2の位置との間に位置する。
【0100】
レバー86は、ピン81aを中心に反時計回りに回転する。U軸87と上リンク88とは、上方向に移動する。上リンク88に連結されている下リンク89は、右上方向に移動する。下リンク89に連結されるアーム90は、アームピン91を中心に時計回りに回転する。アームリンクピン92を介してアーム90に連結されている開極レバー82は、ピン93を中心に反時計回りに回転する。開極レバー82の一端82aが可動部材30(絶縁突起32a)を押し下げる。こうして、電磁開閉器1cは、開極状態になる。
【0101】
アーム90がアームピン91を中心に時計回りに回転すると、スイッチレバー95も時計回りに回転する。スイッチレバー95は、操作コイルスイッチ94から離れる。操作コイルスイッチ94は、オフ状態になる。外部電源150から操作コイル13への電流の供給が停止される。第1付勢部材24は、可動部材20及び可動鉄心21を、固定鉄心11から遠ざかるように移動させる。可動部材20は、可動部材30に当接する。可動部材20及び可動部材30は、さらに固定鉄心11から遠ざかるように移動する。可動接点37a,37bは、固定接点27a,27bから離れる。電磁開閉器1cは、開極状態になる。可動部材20及び可動部材30は、さらに固定鉄心11から遠ざかるように移動する。可動部材20(可動バー20a)が仕切り板47(突起部47b)に当接する。可動部材20及び可動部材30の移動は停止する。
【0102】
本実施の形態の電磁開閉器1cは、実施の形態1の電磁開閉器1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0103】
本実施の形態の電磁開閉器1cは、一対の固定接触子26a,26bと、第2ストッパ(突起部47b)と、トリップコイル60と、プランジャ61と、開極レバー82とをさらに備える。一対の固定接触子26a,26bには、一対の固定接点27a,27bが設けられている。第2ストッパは、第2可動部材(可動部材30)に向けた第1可動部材(可動部材20)の移動を規制する。トリップコイル60は、一対の固定接触子26a,26bの一つ(例えば、固定接触子26b)に接続されている。プランジャ61は、トリップコイル60に過電流が流れるときに、トリップコイル60に発生する電磁力によって移動し得る。開極レバー82は、プランジャ61に連動して、第1可動部材から離れるように第2可動部材を移動させ得る。
【0104】
そのため、電磁開閉器1cに過電流が流れたときに固定接点27a,27bと可動接点37a,37bとの間で発生するアークは、消弧され易くなる。電磁開閉器1cに過電流が流れたときの可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗が、減少し得る。
【0105】
実施の形態4.
図14から図19を参照して、実施の形態4の電磁開閉器1dを説明する。本実施の形態の電磁開閉器1dは、実施の形態3の電磁開閉器1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
【0106】
図14から図19に示されるように、電磁開閉器1dは、固定鉄心11(図9を参照)に代えて、固定鉄心154を備えている。電磁開閉器1dは、可動部材20(図9を参照)及び可動鉄心21(図9を参照)に代えて、可動鉄心165を備えている。電磁開閉器1dは、磁極板160と、永久磁石161とをさらに備えている。電磁開閉器1dは、固定鉄心154、可動鉄心165、磁極板160、永久磁石161及び操作コイル13によって構成される電磁石170を備えている。電磁石170は、直流電流で駆動される。図15図16及び図19は、電磁開閉器1dのうち、電磁石170の概略図である。電磁開閉器1dは、緩衝部材12(図9を参照)を備えていない。
【0107】
固定鉄心154は、中空ケースの形状を有している。図15図16及び図19に示されるように、固定鉄心154は、板部材155と、板部材155に対向する板部材156と、側壁157とを含む。側壁157は、板部材155,156に接続されている。板部材155に、貫通孔155aが設けられている。板部材156に貫通孔156aが設けられている。図14図17及び図18に示されるように、固定鉄心154は、絶縁スペーサ15と突起部47bとによって挟持されている。板部材155は、突起部47b上に設けられている。板部材156は、絶縁スペーサ15上に設けられている。固定鉄心154は、例えば、ケイ素鋼鈑で形成される。
【0108】
図14から図19に示されるように、可動鉄心165は、鉄心棒166と、鉄心板167,168とを含む。可動鉄心165は、例えば、ケイ素鋼鈑で形成される。
【0109】
図15図16及び図19に示されるように、鉄心棒166の長手方向は、貫通孔155a,156aが互いに離れている方向(z方向)である。鉄心棒166は、端部166aと、端部166aとは反対側の端部166bとを含む。端部166aは、板部材155、鉄心板167または可動部材30に近い鉄心棒166の端部である。端部166bは、板部材156または鉄心板168に近くかつ可動部材30から遠い鉄心棒166の端部である。鉄心棒166は、貫通孔155aを通り抜けて、固定鉄心154の内部から固定鉄心154の外部まで延在している。図18及び図19に示されるように、操作コイル13が励磁されるとき、鉄心棒166の端部166bは貫通孔156a内に進入する。
【0110】
鉄心板167,168は、鉄心棒166に固定されている。具体的には、鉄心板167は、鉄心棒166の端部166aに固定されている。鉄心板168は、鉄心棒166の端部166bに固定されている。鉄心板167は、固定鉄心154の外部にあり、板部材155の外表面に対向している。鉄心板168は、固定鉄心154の内部にあり、板部材156の内表面に対向している。
【0111】
図14から図19に示されるように、磁極板160は、固定鉄心154の内部に配置されている。磁極板160は、鉄心棒166と固定鉄心154の側壁157との間に配置されている。磁極板160は、鉄心棒166の長手方向(z方向)に沿って延在している。磁極板160は、端160aを含む。端160aは、板部材156、鉄心板168、または、鉄心棒166の端部166bに近く、かつ、可動部材30から遠い磁極板160の端である。図14及び図15に示されるように、操作コイル13が励磁されていないとき、第1付勢部材24の第1付勢力によって、可動鉄心165の鉄心板168は、磁極板160の端160aに当接する。磁極板160は、可動部材30に向けた可動鉄心165の移動を規制しており、可動鉄心165に対するストッパーとして機能する。磁極板160は、例えば、ケイ素鋼鈑で形成される。
【0112】
永久磁石161は、固定鉄心154の内部に配置されている。永久磁石161は、固定鉄心154の側壁157と磁極板160との間に配置されている。図15図16及び図19に示されるように、永久磁石161は、磁極面162と、磁極面162とは反対側にある磁極面163とを含む。磁極面162は、側壁157に対向している。磁極面163は、磁極板160に対向している。磁極面163は、磁極面162とは反対の極性を有する。例えば、磁極面162はN極面であり、磁極面163はS極面である。
【0113】
図14から図19に示されるように、第1付勢部材24は、鉄心棒166の端部166bと筐体5の上ケース7とに接続されている。具体的には、第1付勢部材24の一端は、鉄心棒166の端部166bに設けられているばね受けに取り付けられている。第1付勢部材24の他端は、筐体5の上ケース7に設けられているばね受け(図示せず)に取り付けられている。第1付勢部材24は、鉄心板167が固定鉄心154の板部材155から離れる方向(図14から図19における+z方向)に、可動鉄心165を付勢する。
【0114】
図14から図19に示されるように、操作コイル13は、固定鉄心11の内部に配置されている。操作コイル13は、鉄心棒166と磁極板160との間に配置されている。操作コイル13は、第1付勢部材24の第1付勢力に抗して鉄心板167が固定鉄心154の板部材155に近づく方向(-z方向)に可動鉄心165を移動させ得る電磁力を発生させ得る。図18に示されるように、操作コイル13を励磁することによって鉄心板167を固定鉄心154の板部材155に当接させたときに、可動鉄心165は可動部材30から間隔Gを空けて配置される。
【0115】
本実施の形態では、可動部材30の絶縁突起32aは、可動鉄心165に向けて可動接触子31から突出している。具体的には、絶縁突起32aは、鉄心棒166の端部166aまたは鉄心板167に向けて可動接触子31から突出している。
【0116】
図12及び図14から図19を参照して、本実施の形態の電磁開閉器1dの動作及び作用を説明する。本実施の形態の電磁開閉器1dの動作及び作用は、以下に記載するように、実施の形態3の電磁開閉器1cの動作及び作用と同様である。
【0117】
図14に示されるように、ハンドル81を反時計回りに回転させることによって、ハンドル81はオフ状態からレディ状態になる。ハンドル81がレディ状態にあり、かつ、外部電源150がオフ状態にある場合には、可動接点37a,37bは固定接点27a,27bから離されており、電磁開閉器1dは開極状態にある。図17及び図18に示されるように、ハンドル81がレディ状態にあり、かつ、外部電源150がオン状態にある場合には、可動接点37a,37bは固定接点27a,27bに接触しており、電磁開閉器1dは閉極状態にある。
【0118】
具体的には、図14及び図15を参照して、ハンドル81を反時計回りに回転させると、実施の形態3と同様に、開極レバー82の一端82aは、可動部材30(絶縁突起32a)から離れる。第2付勢部材35は、可動部材30及び可動接点37a,37bを固定接点27a,27bに向けて移動させる。可動部材30(絶縁突起32a)は、可動鉄心165に当接する。第1付勢部材24の第1付勢力(第1復元力)は、第2付勢部材35の第2付勢力(第2復元力)より大きい。また、永久磁石161の磁力線(図15の点線を参照)のため、可動鉄心165の鉄心板168は、永久磁石161に向けて引きつけられる。そのため、可動鉄心165は移動せず、鉄心板168は磁極板160の端160aに当接したままである。電磁開閉器1dは、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bから離れている第1状態(開極状態)にある。
【0119】
また、ハンドル81を反時計回りに回転させると、実施の形態3と同様に、アーム90がアームピン91を中心に反時計回りに回転して、アーム90に設けられるスイッチレバー95は、操作コイルスイッチ94(図12及び図14を参照)を押圧する。操作コイルスイッチ94は、オン状態になる。
【0120】
図12及び図16を参照して、外部電源150をオフ状態からオン状態に切り替える。電流が外部電源150から操作コイル13に供給されて、操作コイル13が励磁される。操作コイル13は、第1付勢部材24の第1付勢力に抗して鉄心板167が固定鉄心154の板部材155に近づく方向(-z方向)に可動鉄心165を移動させ得る電磁力を発生させる。また、図16に示されるように、操作コイル13の磁力線(図16の細実線を参照)の向きは、永久磁石161の磁力線(図16の点線を参照)の向きと反対である。そのため、操作コイル13の磁力は、永久磁石161の磁力を打ち消す。さらに、操作コイル13の磁力のため、鉄心板167は、固定鉄心154の板部材155に向けて引きつけられる。操作コイルの磁力による引力と第2付勢部材35の第2付勢力とによって、可動鉄心165と可動部材30とは、互いに接触したまま、鉄心板167が固定鉄心154の板部材155に近づく方向(-z方向)に移動する。可動接点37a,37bは、固定接点27a,27bに向けて移動する。
【0121】
図17に示されるように、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触して、電磁開閉器1dは閉極状態になる。主電流は、電源側端子110から、固定接触子26a、固定接点27a、可動接点37a、可動接触子31、可動接点37b、固定接点27b、固定接触子26b及びトリップコイル60を経由して、負荷側端子111へ流れる。
【0122】
可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触すると、可動接点37a,37b及び可動部材30の移動は停止する。可動接点37a,37b及び可動部材30の移動が停止した時には、可動鉄心165の鉄心板167は依然として固定鉄心154の板部材155から離れている。電磁開閉器1dは、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触している(閉極状態)が、可動鉄心21の鉄心板167は固定鉄心154の板部材155から離れている第2状態になる。可動接点37a,37b及び可動部材30の移動が停止した後も、操作コイル13において発生する電磁力のため、鉄心板167が固定鉄心154の板部材155に近づく方向(-z方向)に、可動鉄心165は移動し続ける。可動鉄心165は、可動部材30(絶縁突起32a)から離れる。
【0123】
可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突する際、接点バウンスが発生する。接点バウンスのため、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間にアークが発生する。しかし、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突した時点から、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に流れる電流が流れ始める。そのため、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに衝突した時点では、可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に流れる電流は小さい。電磁開閉器1dの第2状態において発生する接点バウンスは、可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bをあまり消耗させない。
【0124】
図18及び図19を参照して、操作コイル13において発生する電磁力のため、鉄心板167が固定鉄心154の板部材155に近づく方向(-z方向)に、可動鉄心165はさらに移動する。鉄心板167がは、固定鉄心154の板部材155に衝突して、固定鉄心154の板部材155に接触する。電磁開閉器1dは、可動接点37a,37bが固定接点27a,27bに接触しており(閉極状態)、かつ、可動鉄心165の鉄心板167は固定鉄心154の板部材155に接触している第3状態になる。
【0125】
本実施の形態では、操作コイル13を励磁することによって可動鉄心165の鉄心板167を固定鉄心154の板部材155に当接させたときに、可動鉄心165は可動部材30から間隔Gを空けて配置される。そのため、可動鉄心165の鉄心板167と固定鉄心154の板部材155との衝突による衝撃によって、接点バウンスが発生することが防止され得る。可動鉄心165の鉄心板167と固定鉄心154の板部材155との衝突時に可動接点37a,37bと固定接点27a,27bとの間に発生するアークのエネルギーが減少する。電磁開閉器1dの第3状態における可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗は、減少し得るまたは無くなり得る。
【0126】
本実施の形態の電磁開閉器1dは、以下の効果を奏する。
本実施の形態の電磁開閉器1dは、固定鉄心154と、可動鉄心165と、第1付勢部材24と、操作コイル13と、一対の固定接点27a,27bと、可動部材30と、一対の可動接点37a,37bと、第2付勢部材35とを備える。可動鉄心165は、鉄心棒166と、鉄心板167とを含む。鉄心板167は、鉄心棒166に固定されており、かつ、固定鉄心154に面している。第1付勢部材24は、鉄心板167が固定鉄心154から離れる方向に可動鉄心165を付勢する。操作コイル13は、第1付勢部材24の第1付勢力に抗して鉄心板167が固定鉄心154に近づく方向に可動鉄心165を移動させ得る電磁力を発生させ得る。可動部材30は、可動接触子31を含む。一対の可動接点37a,37bは、可動接触子31上に設けられており、かつ、一対の固定接点27a,27bに対向する。第2付勢部材35は、可動部材30を一対の固定接点27a,27bに向けて付勢する。第1付勢部材24の第1付勢力は、第2付勢部材35の第2付勢部材35の第2付勢力より大きい。操作コイル13を励磁することによって鉄心板167を固定鉄心154に当接させたときに、可動鉄心165は可動部材30から間隔Gを空けて配置されている。
【0127】
そのため、可動鉄心165の鉄心板167が固定鉄心154に衝突する時点における接点バウンスの期間が短くなり得る、または、可動鉄心165の鉄心板167が固定鉄心154に衝突する時点における接点バウンスが無くなり得る。可動鉄心165の鉄心板167が固定鉄心154に衝突する時点における接点バウンスに起因する可動接点37a,37b及び固定接点27a,27bの消耗が、減少し得る。
【0128】
また、電磁開閉器1dでは、可動部材20(図9を参照)及び可動鉄心21(図9を参照)に代えて、可動鉄心165が採用されている。そのため、電磁開閉器1dを構成する部品の数を減らすことができる。電磁開閉器1dの構成の簡素化、及び、電磁開閉器1dの低コスト化を実現することができる。
【0129】
本実施の形態の電磁開閉器1dでは、可動部材30は、可動鉄心165に向けて可動接触子31から突出する絶縁突起32aを含む。絶縁突起32aは、一対の可動接点37a,37bの間に配置されている。
【0130】
絶縁突起32aは、可動接点37a,37bの間にアークが発生すること、及び、固定接点27a,27bの間にアークが発生することを防止することができる。アークに起因して、可動接点37a,37bが短絡すること、及び、固定接点27a,27bが短絡することが防止され得る。
【0131】
今回開示された実施の形態1-4はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態1-4の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本開示の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0132】
1,1b,1c,1d 電磁開閉器、5 筐体、6 下ケース、6a 取付台、6b 筒体、7 上ケース、7a 開口、8,9 窓、11 固定鉄心、12 緩衝部材、13 操作コイル、14 コイルケース、15 絶縁スペーサ、16,40 ストッパ、16a 第1主面、16b 第2主面、16c 貫通孔、20 可動部材、20a 可動バー、20b 突出部、21 可動鉄心、24 第1付勢部材、26a,26b 固定接触子、27a,27b 固定接点、30 可動部材、31 可動接触子、31a 第1表面、31b 第2表面、32 クロスバー、32a 絶縁突起、32b 中空部、35 第2付勢部材、37a,37b 可動接点、41 突起、46 仕切り板、46a 貫通孔、47 仕切り板、47a 平板部、47b 突起部、47c 貫通孔、51 電源側グリッド、52 負荷側グリッド、53 アークランナー、54 電源側グリッド固定材、55 電源側グリッド固定材窓、56 負荷側グリッド固定材、57 負荷側固定材窓、60 トリップコイル、61 プランジャ、62 ばね、63 リンク棒、64 ピン、64a 絶縁固定部材、65 絶縁パイプ、80 開閉/トリップ機構、81 ハンドル、81a ピン、81b 回転部、81c 操作部、82 開極レバー、82a 一端、82b 他端、83 マグバー、83a 回転部、83b 突起部、84 ピン、85 ラッチ、85a ピン、86 レバー、87 U軸、88 上リンク、88a ピン、89 下リンク、90 アーム、91,92,93 ピン、94 操作コイルスイッチ、95 スイッチレバー、95a ピン、110 電源側端子、111 負荷側端子、120 電源側外部導体、121 負荷側外部導体、130,131 ねじ、141,142 空間、150 外部電源、151 電気配線、154 固定鉄心、155,156 板部材、155a,156a 貫通孔、157 側壁、160 磁極板、160a 端、161 永久磁石、162,163 磁極面、165 可動鉄心、166 鉄心棒、166a,166b 端部、167,168 鉄心板、170 電磁石。
図1
図2
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図5
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