(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】車両の少なくとも部分的に自動化された運転のための方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241108BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20241108BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20241108BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20241108BHJP
E04H 6/10 20060101ALI20241108BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20241108BHJP
E04H 6/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G08G1/16 A
B60W30/06
B60W60/00
B60W40/02
E04H6/10 A
E04H6/42 Z
E04H6/00 A
(21)【出願番号】P 2023534925
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2021084613
(87)【国際公開番号】W WO2022122738
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】102020215537.2
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ペカロフスキー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ニモ,マシュー
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-087161(JP,A)
【文献】特開2015-074321(JP,A)
【文献】特開2005-024515(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0349838(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60W 30/06
B60W 60/00
B60W 40/02
E04H 6/10
E04H 6/42
E04H 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場(501、701)内に配置された、それぞれが、それぞれ
の車両(719)用の走行通路(511、717)の仮想壁(713、715)を規定するスキャン平面(709、711)を備える少なくとも1つの周囲センサ(705、707)を使用して前記駐車場(501、701)内において
前記車両(719)を少なくとも部分的に自動化して運転するための方法であって、
前記少なくとも1つの周囲センサ(705、707)の測定データを表す測定データ信号を受信する工程と、
物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかを前記測定データに基づいて判定する工程と、
前記車両(719)の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化して制御するための制御信号を、少なくとも1つの物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかの前記判定の結果に基づいて生成する工程と、
生成された前記制御信号を出力する工程と
を含む方法において、
前記少なくとも1つの物体が前記車両(719)を含み、
物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかを前記測定データに基づいて判定する前記工程が、前記車両(719)が前記走行通路(511、717)に対して内側から前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかが前記測定データに基づいて判定されることを含み、
前記制御信号が、前記車両(719)が前記走行通路(511、717)に対して内側から前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかの前記判定の結果に基づいて生成される、
方法。
【請求項2】
駐車場(501、701)内に配置された、それぞれが、それぞれ
の車両(719)用の走行通路(511、717)の仮想壁(713、715)を規定するスキャン平面(709、711)を備える少なくとも1つの周囲センサ(705、707)を使用して前記駐車場(501、701)内において
前記車両(719)を少なくとも部分的に自動化して運転するための方法であって、
前記少なくとも1つの周囲センサ(705、707)の測定データを表す測定データ信号を受信する工程と、
物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかを前記測定データに基づいて判定する工程と、
前記車両(719)の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化して制御するための制御信号を、少なくとも1つの物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかの前記判定の結果に基づいて生成する工程と、
生成された前記制御信号を出力する工程と
を含む方法において、
前記少なくとも1つの物体が張出部(405、605)を含み、
物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかを前記測定データに基づいて判定する前記工程が、前記張出部(405、605)が前記走行通路(511、717)に対して外側から前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかが前記測定データに基づいて判定されることを含み、
前記制御信号が、前記張出部(405、605)が前記走行通路(511、717)に対して外側から前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかの前記判定の結果に基づいて生成される、
方法。
【請求項3】
駐車場(501、701)内に配置された、それぞれが、それぞれ
の車両(719)用の走行通路(511、717)の仮想壁(713、715)を規定するスキャン平面(709、711)を備える少なくとも1つの周囲センサ(705、707)を使用して前記駐車場(501、701)内において
前記車両(719)を少なくとも部分的に自動化して運転するための方法であって、
前記少なくとも1つの周囲センサ(705、707)の測定データを表す測定データ信号を受信する工程と、
物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかを前記測定データに基づいて判定する工程と、
前記車両(719)の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化して制御するための制御信号を、少なくとも1つの物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかの前記判定の結果に基づいて生成する工程と、
生成された前記制御信号を出力する工程と
を含む方法において、
前記仮想壁(713、715)が、前記走行通路(511、717)に沿って延在する複数の壁部分に分割され、
物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかを前記測定データに基づいて判定する前記工程が、前記車両(719)の動作に応じて前記壁部分のうちの少なくとも1つが選択されることを含み、
前記少なくとも1つの選択された壁部分についてのみ、物体が前記少なくとも1つの選択された壁部分を貫通したかどうかが判定され、選択されなかった前記壁部分については、物体が前記選択されなかった壁部分を貫通したかどうかが判定されない、
方法。
【請求項4】
物体が前記仮想壁(713、715)を貫通したかどうかを前記測定データに基づいて判定する前記工程が、前記測定データが基準測定データと比較されることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法の全ての工程を実行するために設置されている装置(201)。
【請求項6】
駐車場(501、701)内において車両(719)を少なくとも部分的に自動化して運転するためのシステム(721)であって、
前記駐車場(501、701)内に配置され、前記車両(719)用の走行通路(511、717)の仮想壁(713、715)を規定するスキャン平面(709、711)を備えた少なくとも1つの周囲センサ(705、707)と、
請求項5に記載の装置(201)とを含むシステム(721)。
【請求項7】
コンピュータによってコンピュータプログラム(303)を実行する際に、前記コンピュータに請求項1~4のいずれか一項に記載の方法を実行させる指令を含む、コンピュータプログラム(303)。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラム(303)が保存されている機械可読記憶媒体(301)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場内における車両の少なくとも部分的に自動化された運転のための方法に関する。本発明は、装置、システム、コンピュータプログラム、および機械可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102017212376号明細書には、駐車場内における空いている区域を検出するための方法およびシステムが開示されている。
独国特許出願公開第102015201209号明細書には、所与の駐車空間内において車両を引渡ゾーンから割り当てられた駐車スペースまで自動的に移動させるための方法が開示されている。
【0003】
独国特許出願公開第102012015968号明細書には、駐車エリアにおいて車両を無人運転で動かすための方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許出願公開第102017212376号明細書
【文献】独国特許出願公開第102015201209号明細書
【文献】独国特許出願公開第102012015968号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底にある課題は、駐車場内において車両を少なくとも部分的に自動化して効率良く運転するための構想を提供することに見られる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立形式請求項のそれぞれの主題によって解決される。本発明の有利な構成は、それぞれ従属する下位請求項の主題である。
第1の態様によれば、駐車場内に配置された、それぞれが、それぞれの車両用の走行通路の仮想壁を規定するスキャン平面を備える少なくとも1つの周囲センサを使用して駐車場内における車両の少なくとも部分的に自動化された運転のための方法であって、
少なくとも1つの周囲センサの測定データを表す測定データ信号を受信する工程と、
物体が仮想壁を貫通したかどうかを測定データに基づいて判定する工程と、
車両の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化して制御するための制御信号を、少なくとも1つの物体が仮想壁を貫通したかどうかの判定の結果に基づいて生成する工程と、
生成された制御信号を出力する工程とを含む方法が提供される。
【0007】
第2の態様によれば、第1の態様による方法の全ての工程を実行するために設置されている装置が提供される。
第3の態様によれば、駐車場内における車両の少なくとも部分的に自動化された運転のためのシステムであって、
駐車場内に配置され、車両用の走行通路の仮想壁を規定するスキャン平面を備えた少なくとも1つの周囲センサと、
第2の態様による装置とを含むシステムが提供される。
【0008】
第4の態様によれば、コンピュータプログラムであって、コンピュータ、例えば第2の態様による装置および/または第3の態様によるシステムによってコンピュータプログラムを実行する際に、このコンピュータに第1の態様による方法を実行させる指令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0009】
第5の態様によれば、第4の態様によるコンピュータプログラムが保存されている機械可読記憶媒体が提供される。
本発明は、走行通路の長さ側を確定する仮想壁が、物体がこの仮想壁を貫通するかどうかについて監視されることによって、上述の課題を解決可能であるという知見に基づいており、この知見を包含する。これによって、車両にとって潜在的な危険となり得る物体が効率良く検出され得る。したがって、例えばそのような物体との衝突が回避されるように車両は少なくとも部分的に自動化されて運転され得る。つまり、駐車場内において車両は少なくとも部分的に自動化されて、有利な形で効率良く運転され得る。
【0010】
「少なくとも部分的に自動化された運転」という表現は、支援された運転、部分的に自動化された運転、高度に自動化された運転、完全に自動化された運転の場合のうちの1つまたは複数を含む。
【0011】
支援された運転とは、車両の運転者が車両の横方向または縦方向のどちらかの運転を継続的に行うことを意味する。他のそれぞれの運転作業(すなわち、車両の縦方向または横方向の運転の制御)は自動的に実施される。これはつまり、支援された車両の運転では、横方向または縦方向のどちらかの運転が自動的に制御されるということである。
【0012】
部分的に自動化された運転とは、特定の状況(例えば、高速自動車道での走行、駐車場内での走行、物体の追い越し、車線区分線によって確定されている車線内での走行)において、および/または一定の期間について、車両の縦方向または横方向の運転が自動的に制御されることを意味する。車両の運転者は自ら車両の縦方向または横方向の運転を手動制御しなくてもよい。しかし、運転者は、必要に応じて手動介入できるように、縦方向または横方向の運転の自動的な制御を継続的に監視しなければならない。運転者は、車両の運転を完全に引き継げるように常に備えておかなければならない。
【0013】
高度に自動化された運転とは、一定の期間について、特定の状況(例えば、高速自動車道での走行、駐車場内での走行、物体の追い越し、車線区分線によって確定されている車線内での走行)において、車両の縦方向または横方向の運転が自動的に制御されることを意味する。車両の運転者は自ら車両の縦方向または横方向の運転を手動制御しなくてもよい。運転者は、必要に応じて手動介入できるように縦方向または横方向の運転の自動的な制御を継続的に監視しなくてもよい。必要に応じて、縦方向または横方向の運転の制御を引き継ぐための引継要求が運転者に対して自動的に、特に十分な時間的余裕をもって発せられる。つまり、運転者は、縦方向または横方向の運転の制御を引き継ぐことが潜在的に可能でなければならない。横方向または縦方向の運転の自動的な制御の限界は自動的に認識される。高度に自動化された運転では、あらゆる初期状況において、リスクが最小となる状態を自動的に生じさせることは可能ではない。
【0014】
完全に自動化された運転とは、特定の状況(例えば、高速自動車道での走行、駐車場内での走行、物体の追い越し、車線区分線によって確定されている車線内での走行)において、車両の縦方向および横方向の運転が自動的に制御されることを意味する。車両の運転者は自ら車両の縦方向および横方向の運転を手動制御しなくてもよい。運転者は、必要に応じて手動介入できるように、縦方向および横方向の運転の自動的な制御を監視しなくてもよい。横方向および縦方向の運転の自動的な制御を終了する前に、運転作業(車両の横方向および縦方向の運転の制御)を引き継ぐための要求が運転者に対して自動的に、特に十分な時間的余裕をもって行われる。運転者が運転作業を引き継がない限り、リスクが最小となる状態に自動的に戻される。横方向および縦方向の運転の自動的な制御の限界は自動的に認識される。全ての状況において、リスクが最小となるシステム状態に自動的に戻ることが可能である。
【0015】
一実施形態によれば、少なくとも1つの周囲センサはそれぞれ、レーダーセンサ、ライダーセンサ、特に2Dライダーセンサ、超音波センサ、映像センサ、磁場センサ、および赤外線センサからなる周囲センサの群から選択される要素である。
【0016】
一実施形態において、少なくとも1つの物体は車両を含み、物体が仮想壁を貫通したかどうかを測定データに基づいて判定する工程は、車両が走行通路に対して内側から仮想壁を貫通したかどうかが測定データに基づいて判定されることを含み、制御信号は、車両が走行通路に対して内側から仮想壁を貫通したかどうかの判定の結果に基づいて生成される、ことが企図されている。
【0017】
これによって、例えば、車両がその割り当てられた走行通路から少なくとも部分的に離れたどうかを効率良く検出され得、そのような場合には、例えば効率良く対策が講じられ得るという技術的利点がもたらされる。例えば、出力された制御信号に基づいて車両の横方向および/または縦方向の運転が少なくとも部分的に自動化された制御の際、この車両が少なくとも部分的に自動化されて走行通路内に戻されるように、制御信号が生成されていてもよい。例えば、車両は少なくとも部分的に自動化されて停車させることができる。
【0018】
一実施形態では、少なくとも1つの物体は張出部を含み、物体が仮想壁を貫通したかどうかを測定データに基づいて判定する工程が、張出部が走行通路に対して外側から仮想壁を貫通したかどうかが測定データに基づいて判定されることを含み、制御信号は、張出部が走行通路に対して外側から仮想壁を貫通したかどうかの判定の結果に基づいて生成される、ことが企図されている。
【0019】
これによって、例えば、走行通路内に外側から突出する物体が効率良く検出され得るという技術的利点がもたらされる。そのような物体、すなわち張出部は、車両にとって潜在的な衝突物体となり得る。したがって、そのような場合に適切な対策が効率良く講じられ得る。そのような対策は、例えば、相応に生成された制御信号に基づく、少なくとも部分的に自動化された停車または少なくとも部分的に自動化された回避運転を含む。
【0020】
本明細書の趣旨における張出部は、特に、それ自体の底面を超えて突出する物体である。そのような物体は、例えば別の車両の開かれた後部ドアである。そのような物体は、例えば別の車両、特にトラックの開かれた荷台ドアである。
【0021】
本明細書の趣旨における張出部は、特に、別の物体に隣接して配置されている、あるいは別の物体に含まれている物体であって、張出部がその別の物体の底面を超えて突出する物体である。そのような物体は、例えば別の車両(別の物体)に配置されているサイクルキャリアあるいはラゲッジキャリアである。そのような物体は、例えば別の車両の屋根の上に配置されており、その別の車両の底面を超えて前方および/または後方へ突出する。例えばそのような物体は、別の車両の荷室に部分的に配置されておりそこからその別の車両の底面を超えて突出する。
【0022】
張出部は、張出物体と呼ばれ得る。
一実施形態によれば、物体が仮想壁を貫通したかどうかを測定データに基づいて判定する工程は、測定データが基準測定データと比較されることを含むことが企図されている。
【0023】
これによって、例えば、判定が効率良く行われ得るという技術的利点がもたらされる。基準測定データは、例えば仮想壁を貫通する物体が存在しないときの基準測定に対応する。測定データを基準測定データと比較することによって、特に仮想壁における変化が認識され得る。例えば、変化が認識されたときに、仮想壁を貫通する物体が検出される。例えば、変化が認識されないときに、仮想壁を貫通する物体が存在しないと決定される。
【0024】
一実施形態によれば、仮想壁は、走行通路に沿って延在する複数の壁部分に分割され、物体が仮想壁を貫通したかどうかを測定データに基づいて判定する工程は、車両の動作に応じて壁部分のうちの少なくとも1つが選択されることを含み、少なくとも1つの選択された壁部分についてのみ、物体が少なくとも1つの選択された壁部分を貫通したかどうかが判定され、選択されなかった壁部分については、物体が選択されなかった壁部分を貫通したかどうかが判定されない、ことが企図されている。
【0025】
これによって、例えば、判定が効率良く行われ得るという技術的利点がもたらされる。このように、例えば、車両の走行方向に対して車両の後方に位置する壁部分は選択されなくてもよい。車両の走行方向に対して車両の後方において壁部分を貫通して走行通路内に突出する物体は、通常は車両にとっての危険、少なくとも直接的な危険とならない。
【0026】
したがって、例えば、判定が時間効率良く、プロセス効率良く、すなわち計算効率良く行われ得る。
一実施形態によれば、第1の態様による方法はコンピュータによって実現される方法である。
【0027】
一実施形態によれば、第1の態様による方法は第2の態様による装置を用いて実行または実施される。
第2の態様による装置および/または第3の態様によるシステムの技術的な機能性は、第1の態様による方法の対応する技術的な機能性から直接明らかとなり、その逆も同様である。つまり、特に、装置の特徴および/またはシステムの特徴が対応する方法の特徴から明らかとなり、その逆も同様である。
【0028】
一実施形態において、周囲センサは駐車場の屋根に配置されている。
一実施形態において、周囲センサは駐車場の柱に配置されている。
一実施形態によれば、仮想壁は、車道あるいは走行面、概して駐車場の地面に対して垂直または非垂直である。
【0029】
一実施形態によれば、第1の態様による方法は、出力された制御信号に基づいて車両の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化された制御を含む。
一実施形態によれば、車両の横方向および/または縦方向の運転の少なくとも部分的に自動化された制御は、車両の横方向および/または縦方向の運転の遠隔制御を含む。
【0030】
「少なくとも1つの」という表現は、「1つまたは複数の」という表現を含む。複数の周囲センサは、例えば同一の周囲センサ、または、例えば異なる周囲センサである。複数の周囲センサの場合、例えば1つまたは複数の周囲センサが駐車場の屋根に配置されており、および/または、例えば1つまたは複数の周囲センサがそれぞれ駐車場の柱に配置されている。一実施形態によれば、複数の周囲センサは空間的に分散されて駐車場内に配置されている。周囲センサは、例えば固定的に駐車場内に配置されている。
【0031】
複数の周囲センサの場合、一実施形態では、これらのセンサは、それぞれのスキャン平面によって規定される仮想壁が走行通路の長さ方向の両側を境界付けるように配置されている。したがって、例えば、走行通路を長さ方向に境界付ける、第1の仮想壁および第1の仮想壁に対向して位置する第2の仮想壁が設けられており、第1および第2の仮想壁は、例えば互いに平行である。
【0032】
省略形「bzw.(あるいは)」は、「beziehungsweise(あるいは)」を表す。「あるいは」という表現は、特に「ないしは」を表す。「ないしは」という表現は、特に「および/または」という表現を含む。
【0033】
本発明の例示的実施例は図面に描写されており、以下の説明においてより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、車両の少なくとも部分的に自動化された運転のための方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は車両の少なくとも部分的に自動化された運転のためのシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、駐車場内に配置された、それぞれが、それぞれの車両用の走行通路の仮想壁を規定するスキャン平面を備える少なくとも1つの周囲センサを使用して駐車場内における車両の少なくとも部分的に自動化された運転のための方法であって、
少なくとも1つの周囲センサの測定データを表す測定データ信号を受信する工程101と、
物体が少なくとも1つの仮想壁を貫通したかどうかを測定データに基づいて判定する工程103と、
車両の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化された制御のための制御信号を、少なくとも1つの物体が少なくとも1つの仮想壁を貫通したかどうかの判定の結果に基づいて生成する工程105と、
生成された制御信号を出力する工程107とを含む、方法のフローチャートを示す。
【0036】
図2は、第1の態様による方法の全ての工程を実行するために設置されている装置201を示す。
図3は、コンピュータプログラム303が保存されている機械可読記憶媒体301を示す。コンピュータプログラム303は、コンピュータによってコンピュータプログラム303を実行する際に、このコンピュータに第1の態様による方法を実行させる指令を含む。
【0037】
図4には、駐車スペース403に駐車されている車両401が示す。車両401はその荷室407に物体を載せ、この物体405が荷室407から突出する。
車両401の底面は、参照符号409が付された中括弧で示されている。
【0038】
物体405は、張出長さ411をもってこの底面409を超えて突出し、この張出長さ411が中括弧で示されている。
駐車スペース403に対する物体405の高さは、参照符号413が付された中括弧で示されている。
【0039】
このように、物体405は車両401の底面409から突出する。本明細書の趣旨において物体405は張出部である。
車両401の傍らを通り過ぎる車両は、例えば物体405と衝突する可能性がある。
【0040】
したがって、このような張出部405を検出する必要がある。
ここで説明されている構想によりこの検出が可能になる。
図5は、複数の駐車スペース503を含む駐車場501が示す。複数の駐車スペース503には、第1の車両505および第2の車両507が駐車する。
【0041】
第3の車両509が両方の駐車中の車両505、507の間を、例えば、空いている駐車スペースを探して、または駐車場501の出口(図示せず)の方向に走行する。この第3の車両509は、例えば少なくとも部分的に自動化されて運転される。
【0042】
中括弧によって示されている走行通路511が規定あるいは確定される。分かりやすくするために、走行通路511の両側、すなわち紙面に対して左側および右側を境界付ける2本の破線が示されている。左側の破線には参照符号513が付され、右側の破線には参照符号515が付されている。
【0043】
第3の車両509は、走行通路511を、参照符号517が付された矢印によって示された走行方向に走行する。
例えば、第1の車両503または第2の車両507が、
図4による車両401と同様に、その荷室に対応する張出物体を載せられる限り、第3の車両517がこの張出物体と衝突する可能性がある。
【0044】
これに関して、ここで説明されている構想によれば、周囲センサが駐車場501内に空間的に分散されて配置されており、これらの周囲センサのそれぞれが仮想壁を規定するスキャン平面を備えることが企図されている。分かりやすくするために、これらの周囲センサは
図5には示されていない。例示的な配置は
図7を参照されたい。
【0045】
図5は、駐車場501の概略平面図が示す。仮想壁は、例えば駐車場501の地面519に対して垂直であり、それぞれ左右の破線513、515に沿って延在し、したがって、仮想的に走行通路511を長さ方向に境界付ける。
【0046】
図6は、駐車スペース603に駐車されている車両601、特にバン(セダン)が示す。車両601は、開放された位置あるいは姿勢にある荷室ドア605を備える。このように、開放された荷室ドア605は車両601の底面607を超えて突出し、したがって本明細書による張出部である。
【0047】
図7は駐車場701が示す。駐車場701は車両用の走行面703を含む。
駐車場701は、駐車場701内に空間的に分散されて配置されている第1の周囲センサ705および第2の周囲センサ707を含む。第1の周囲センサ705は、例えばライダーセンサ、例えば2Dライダーセンサである。第2の周囲センサ707は、例えばライダーセンサ、例えば2Dライダーセンサである。
【0048】
例えば、両方の周囲センサ705、707はそれぞれ駐車場701の柱(図示せず)に配置されている。例えば、両方の周囲センサ705、707は駐車場701の屋根(図示せず)に配置されている。
【0049】
第1の周囲センサ705は、第1のスキャン平面709を備える。第2の周囲センサ707は、第2のスキャン平面711を備える。
両方のスキャン平面709、711は、好適には走行面703に対して垂直に延在する。第1のスキャン平面709は第1の仮想壁713を確定する、あるいはそのような壁を規定する。第2のスキャン平面711は第2の仮想壁715を確定する、あるいはそのような壁を規定する。
【0050】
このように、両方の仮想壁713、715は、車両719を少なくとも部分的に自動化されて運転され得る走行通路717を仮想的に長さ方向に境界付ける。
さらに、両方の周囲センサ705、707と接続されている
図2による装置201が設けられている。その場合には、両方の周囲センサ705、707はそれぞれの測定データ信号を装置201に供給することができる。
【0051】
そこで、装置201を使用して、物体が例えば第1の仮想壁713および/または第2の仮想壁715を貫通したかどうかを測定データに基づいて判定することが可能である。対応する結果に基づいて、装置201は、車両719の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化された制御のための制御信号を生成する。続いて、装置201は、生成された制御信号を出力する。例えば、生成された制御信号は無線通信インターフェース(図示せず)に出力され、この無線通信インターフェースを用いて、生成された制御信号は遠隔制御信号として車両719に送信され得る。
【0052】
したがって、走行通路717に対して仮想壁713、715を外側から貫通する物体を検出することが有利な形で可能になる。さらに、車両719が仮想壁713、715の一方または両方を走行通路717に対して内側から貫通する限り、これを検出することが有利な形で可能になる。このように、例えば、車両719がその所与の目標軌道を外れて走行通路717から出たときに有利な形で検出され得る。その場合、車両719の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化された制御のために相応に生成される制御信号は、例えば、この制御信号に基づいて車両719の横方向および/または縦方向の運転を少なくとも部分的に自動化された制御の際に車両719が走行通路717内に戻るようなものであってもよい。
【0053】
一実施形態では、測定データが基準測定データと比較される、基準測定データは物体によって貫通されていない仮想壁713、715を表す、あるいは特徴付けることが企図されている。基準測定データに対して測定データが変化すると、例えば、物体が対応する仮想壁713、715を貫通したことが決定され得る。
【0054】
一実施形態では、少なくとも部分的に自動化されて運転される車両が少なくとも1つの周囲センサの近くに位置しているときにのみ方法が実施されることが企図されている。
周囲センサの最大高さおよび/または密度は、例えば周囲センサの仕様に応じる。車両の側面からの所与の距離は、例えばシステムの安全仕様に基づいて選択されている。例えば、この所与の距離は、許可あるいは許容される張出部の長さに応じ、および/または別の車両の最高許容速度、および/または歩行者、および/または少なくとも部分的に自動化して運転される車両の目標軌道からの許容される最大の逸脱に応じる。
【0055】
図7には、これに関して、駐車場内における車両の少なくとも部分的に自動化された運転のためのシステム721が示されており、システム721は両方の周囲センサ705、707、ならびに装置201を含む。