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特許7584669突出部材を有する履物具及びクリートアセンブリを形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】突出部材を有する履物具及びクリートアセンブリを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/14 20060101AFI20241108BHJP
   A43B 13/22 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A43B13/14 A
A43B13/22 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023542736
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 IB2022050318
(87)【国際公開番号】W WO2022153252
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】63/137,899
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ダニング,クリストファ
(72)【発明者】
【氏名】ドルシュ,フィリップ セバスティアン
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-524604(JP,A)
【文献】特開2005-218543(JP,A)
【文献】特開2019-150621(JP,A)
【文献】特開2020-075415(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102247032(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 13/14~13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前足領域と、
踵領域と、
アッパーと、
前記アッパーに接続されたソール構造と、
複数の突出部材を備え、前記ソール構造に接続されたクリートアセンブリを含み、
前記クリートアセンブリは、
第1の基部から延在し、第1の中足に面する部分及び前足に面する部分を画定する第1の突出部材と、
前記第1の突出部材を越えて延在し、第1の地面係合面を画定する第1のスタッド部材と、
前記踵領域に最も踵側の突出部材として配置され、第2の基部から延在し、第2の中足に面する部分及び踵に面する部分を画定する第2の突出部材と、
前記第2の突出部材を越えて延在し、第2の地面係合面を画定する第2のスタッド部材と、
前記第1の基部及び前記第1の中足に面する部分によって画定される第1の鋭角と、
前記第1の基部及び前記前足に面する部分によって画定される第1の鈍角と、
前記第2の基部及び前記第2の中足に面する部分によって画定される第2の鋭角と、
前記第2の基部及び前記踵に面する部分によって画定される第2の鈍角と、
前記前足領域に配置され、前記前足領域にある複数の突出部材のうち、前記踵領域の前記第2の突出部材に最も近い突出部材である第3の突出部材と、
前記第3の突出部材を越えて延在し、第3の地面係合面を画定する第3のスタッド部材と、を含み、
前記第3の地面係合面は、前記第2の地面係合面と同一平面内にあり、かつ前記第1の地面係合面とは同一平面内に無い、履物具。
【請求項2】
前記第1の鈍角及び前記第2の鈍角の各々は95度以上145度以下であり、
前記第1の鋭角及び前記第2の鋭角の各々は35度以上85度以下である、請求項1に記載の履物具。
【請求項3】
前記第1の基部が前記履物具の前記前足領域に少なくとも部分的に配置される前記クリートアセンブリの前足部から形成され、前記第2の基部が前記履物具の前記踵領域に少なくとも部分的に配置される前記クリートアセンブリの踵部分から形成される、請求項1に記載の履物具。
【請求項4】
前記第1の突出部材は互いに一体的に形成された複数の突出部材の一部であり、前記第2の突出部材は、互いに一体的に形成された第2の複数の突出部材の一部である、請求項1に記載の履物具。
【請求項5】
前記第2の突出部材が、前記踵領域における2つの突出部材のうちの1つであり、前記第3の突出部材が、前記前足領域の最後方部分における2つの突出部材のうちの1つであり、前記踵領域における両方の突出部材および前記前足領域の最後方部分における両方の突出部材が、すべて同一平面内にある地面係合面を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項6】
前記第1の突出部材は前記第1の基部と一体的に形成され、前記第2の突出部材は前記第2の基部と一体的に形成される、請求項1に記載の履物具。
【請求項7】
前記第1及び第2のスタッド部材の各々が、取り外し可能なスタッド先端部として構成される、請求項1に記載の履物具。
【請求項8】
前記第1のスタッド部材は前記第1の突出部材とは別個のコンポーネントであり、前記第2のスタッド部材は、前記第2の突出部材とは別個のコンポーネントである、請求項1に記載の履物具。
【請求項9】
前記第1の突出部材及び前記第2の突出部材のそれぞれが、耐引掻性である射出成形ポリマー材料を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項10】
前記第1の突出部材は、前記第1の突出部材のより広い部分が前記第1の基部に近接して配置されるように円形断面を有するテーパ形状を含み、前記第2の突出部材は、前記第2の突出部材のより広い部分が前記第2の基部に近接して配置されるようにテーパ形状を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項11】
アッパーと、
前記アッパーに接続され、前足領域、中足領域、及び踵領域を画定するソール構造と、
前記ソール構造に固定されるクリートアセンブリを含み、
前記クリートアセンブリは、
前記前足領域において前記ソール構造に固定され、かつ、第1の基部から延在し、前記第1の基部と一体的に形成され、前記中足領域に向かって角度が付けられた第1の複数の突出部材を含み、前記前足領域における前記第1の複数の突出部材は、前記第1の基部から延在し、地面係合面を画定する、前記ソール構造の内側領域における最後方部分の突出部材を含む前足部と、
前記踵領域において前記ソール構造に固定され、かつ、第2の基部から延在し、前記第2の基部と一体的に形成され、前記中足領域に向かって角度付けられた第2の複数の突出部材を含み、前記第2の複数の突出部材は、前記第2の基部から延在し、地面係合面を画定する前記ソール構造の内側領域における最も踵側の突出部材を含むとともに、前記第2の基部と前記最も踵側の突出部材における中足部に面する側面との間の鋭角と、前記第2の基部と前記最も踵側の突出部材の踵に面する側との間の鈍角とを形成する、踵部と、
を含み、
前記ソール構造の内側領域において、前記前足領域の前記最後方部分の突出部材が、前記踵領域の前記最も踵側の突出部材に最も近い突出部材であり、
前記前足領域の前記最後方部分の突出部材の地面係合面は、前記踵領域の前記最も踵側の突出部材の地面係合面と同一平面内にあり、かつ前記前足領域における前記第1の複数の突出部材の少なくとも1つの突出部材の地面係合面とは同一平面内に無い、履物具。
【請求項12】
前記第1及び第2の複数の突出部材の各々から延びる取り外し可能なスタッド先端部をさらに備える、請求項11に記載の履物具。
【請求項13】
前記第1の基部の少なくとも一部分が射出成形によって前記第1の複数の突出部材の少なくとも1つの突出部材と一体に形成され、
前記第2の基部の少なくとも一部分が射出成形によって前記第2の複数の突出部材の少なくとも1つの突出部材と一体に形成される、請求項11に記載の履物具。
【請求項14】
前足部と踵部とを含む金型を用いてクリートアセンブリを形成する方法であって、
クリートアセンブリを形成するために第1の材料を前記金型の前記前足部における金型空洞に射出することであって、前記金型空洞が水平面に対して鋭角の外角を画定する傾斜に沿って配置されたそれぞれのスタッド凹部ベースをそれぞれ画定する複数のスタッド凹部を含み、それぞれのスタッド凹部ベースが前記傾斜に沿って傾斜していること、及び
前記クリートアセンブリを前記水平面に対して実質的に垂直な角度で前記金型空洞から取り外すことを含む、方法。
【請求項15】
第1の材料を金型空洞に射出する前に、複数のスタッド先端部をスタッド凹部のそれぞれ1つに挿入することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、基部から延びる突出部材を有するクリートアセンブリを含む履物具に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの従来の靴または履物具は一般に、アッパーと、アッパーの下端に取り付けられたソールとを備える。従来の靴は、靴を足に固定する前に着用者の足を受け入れるために、アッパー及びソールの内面によって形成される内部空間、すなわち空隙または空洞をさらに含む。ソールはアッパーの下面に取り付けられ、アッパーと地面との間に配置される。結果として、ソールは典型的には靴が着用されている及び/又は使用されているときに、着用者に安定性及びクッション性を提供する。いくつかの例では、ソールがアウトソール、ミッドソール、及びインソールなどの複数のコンポーネントを含むことができる。アウトソールはソールの底面に牽引力を提供してもよく、ミッドソールはアウトソールの内面に取り付けられてもよく、ソールにクッション性及び/または追加の安定性を提供してもよい。例えば、ソールはソールに沿った1つ以上の所望の位置での安定性を増加させ得る特定の発泡材料、またはランニング、歩行、もしくは別の活動中の足及び/もしくは脚への応力もしくは衝撃エネルギーを減少させ得る発泡材料を含み得る。
【0003】
アッパーは一般的に、ソールから上方に延び、足を完全にまたは部分的に包む内部空洞を画定する。ほとんどの場合、アッパーは足のインステップ及びつま先領域にわたって、ならびにその内側及び外側を横切って延在する。多くの履物具はまた、インステップ領域を横切って延在し、空洞内への開口部を画定するアッパーの縁部間の間隙を架橋するシュータンを含むことができる。シュータンはまた、靴の締め付けの調整を可能にするように設けられてもよく、内部空間または空洞からの足の進入及び/または退出を可能にするようにユーザによって操作可能であってもよい、紐締めシステムの下に設けられてもよい。加えて、紐締めシステムは着用者がアッパー及び/またはソールの特定の寸法を調整することを可能にし、それによって、アッパーが様々なサイズ及び形状を有する多種多様なフットタイプを収容することを可能にし得る。
【0004】
多くのシューズのアッパーはアッパーを形成するために利用することができ、シューズの1つ以上の意図された用途に基づいて使用するために選択することができる多種多様な材料を含むことができる。アッパーはまた、アッパーの特定の領域に特有の様々な材料を含む部分を含んでもよい。例えば、より高い程度の抵抗または剛性を提供するために、追加の安定性がアッパーの前部、または踵領域に隣接して望ましい場合がある。対照的に、靴の他の部分は耐延伸性、可撓性、通気性、または吸湿性を有する領域を提供するために、柔らかい織布を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多くの場合、地面の牽引力を改善するためにソール構造に固定されたクリートアセンブリなどの構造特性が改善されたソールと共に、快適性が向上し、より良好なフィット性を有するアッパーを有する履物具が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載の履物具は様々な構成を有することができる。履物具がアッパーと、アッパーに接続されたソール構造とを有してもよい。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態はアッパーと、アッパーに接続されたソール構造と、ソール構造に接続されたクリートアセンブリとを含む履物具を提供する。クリートアセンブリは第1の基部から延びる第1の突出部材を含むことができる。第1の突出部材は第1の中足に面する部分及び前足に面する部分を画定することができる。第2の突出部材は第2の基部から延在することができ、第2の中足に面する部分及び踵に面する部分を画定することができる。第1の鋭角は第1の基部及び第1の中足部に面する部分によって画定され得る。第1の鈍角が第1の基部及び前足部に面する部分によって画定され得る。第2の鋭角は第2の基部及び第2の中足部に面する部分によって画定され得る。第2の鈍角が第2の基部及び踵に面する部分によって画定され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、履物具は95度と145度との間(両端を含む)の第1の鈍角及び第2の鈍角を含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、履物具は両方とも35~85度の第1の鋭角及び第2の鋭角を含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、履物具はクリートアセンブリの前足部から形成された第1の基部を含むことができる。クリートアセンブリの前足部は履物具の前足領域に少なくとも部分的に配置され得る。第2の基部はクリートアセンブリの踵部分から形成することができる。クリートアセンブリの踵部分は履物具の踵領域に少なくとも部分的に配置され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、履物具は第1の複数の突出部材の一部である第1の突出部材を含むことができる。第2の突出部材は第2の複数の突出部材の一部であってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、履物具は基部の一部分に平行な地面係合面を含む第1または第2の複数の突出部材の少なくとも1つの突出部材を含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、履物具は第1の複数の突出部材と、第2の複数の突出部材とを含むことができる。第1及び第2の複数の突出部材の突出部材の各々は履物具の中足領域に向かって角度を付けられ得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、履物具は一体的に形成された第1の複数の突出部材を含むことができる。第2の複数の突出部材は追加的または代替的に、一体的に形成されることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、履物具は取り外し可能なスタッド先端部を含む1つ以上の突出部材を含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、履物具は例えば、ポリベンゾイミダゾール、ポリパラフェニレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、被覆ポリプロピレン、またはポリプロピレンなどのポリマーに添加される他の添加剤などの、耐引掻性ポリマーから射出成形される1つまたは複数の突出部材を含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、履物具は第1の突出部材のより広い部分が第1の基部に近接して配置されるようにテーパ形状を含む第1の突出部材を含むことができ、第2の突出部材は第2の突出部材のより広い部分が第2の基部に近接して配置されるようにテーパ形状を含むことができる。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態はアッパーと、アッパーに接続され、前足領域と、中足領域と、踵領域とを画定するソール構造と、ソール構造に固定されたクリートアセンブリとを含む履物具を提供する。クリートアセンブリは前足領域でソール構造に固定された前足部を含むことができる。前足部は第1の基部から延びる第1の複数の突出部材を含むことができる。第1の複数の突出部材は中足領域に向かって角度を付けられ得る。クリートアセンブリの踵部分は踵領域においてソール構造に固定することができる。踵部分は第2の基部から延びる第2の複数の突出部材を含むことができる。第2の複数の突出部材は中足領域に向かって角度を付けられ得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、履物具は複数の突出部材を含むことができる。複数の突出部材の各突出部材は地面係合面を含むことができる。各地面係合面は突出部材間で変化し得る表面積を画定することができる。履物具の中足領域に最も近い突出部材の表面は履物具の前足または踵領域に最も近い突出部材の表面積よりも大きくてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、履物具が取り外し可能なスタッド先端部を含む複数の突出部材を含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、履物具は第1の突出部材と一体的に形成された第1の基部と、第2の突出部材と一体的に形成された第2の基部とを含むことができる。基部の各々は別々であってもよく、別個であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、履物具は(例えば、履物具の側面から見たときに)中足に面する側壁及び足の前に面する側壁を画定することができる前足領域内に突出部材を含むことができる。中足に面する側壁は基部と鋭角を形成することができ、前足に面する側壁は基部と鈍角を形成することができる。一般に、突出部材は基部から下方に延在することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、履物具は互いに一体的に形成された中足に面する側壁及び前足に面する側壁を有する突出部材を含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、履物具は(例えば、履物具の側面から見たときに)中足に面する側壁及び踵に面する側壁を画定することができる踵領域内に突出部材を含むことができる。中足に面する側壁は基部と鋭角を形成することができ、踵に面する側壁は基部と鈍角を形成することができる。一般に、突出部材は基部から下方に延在することができる。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態は履物具用のクリートアセンブリを形成する方法を提供する。本方法がクリートアセンブリを形成するために、第1の材料を金型空洞内に射出することを含むことができる。金型空洞は水平面に対して鋭角の外角を画定する傾斜に沿って配置されたそれぞれのスタッド凹部ベースをそれぞれ画定する複数のスタッド凹部を含むことができる。水平面が金型空洞の外側に配置されてもよい。本方法はまた、クリートアセンブリを、水平面に対して実質的に垂直な角度で金型空洞から取り外すことを含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では履物具用のクリートアセンブリを形成する方法はクリートアセンブリを履物具のソール構造に固定することを含むことができる。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態はアッパーと、ソール構造と、ソール構造に接続されたクリートアセンブリとを含む履物具を提供する。クリートアセンブリは基部から延びる複数の突出部材を含む。各突出部材は履物具の内側または外側の一方から見たときに、基部に対して第1の外角及び第2の外角を画定する側壁を含む。第1の外部角度は第2の外部角度よりも大きい。
【0028】
いくつかの実施形態では本開示はアッパーと、アッパーに接続されたソール構造と、ソール構造に接続されたクリートアセンブリとを含む履物具を提供する。クリートアセンブリは第1の基部から延びる第1の突出部材を含むことができる。第1の突出部材は第1の中足に面する部分及び前足に面する部分を画定することができる。第2の突出部材は第2の基部から延在することができ、第2の中足に面する部分及び踵に面する部分を画定することができる。第1の鋭角は第1の基部及び第1の中足部に面する部分によって画定され得る。第1の鈍角は第1の基部及び前足部に面する部分によって画定され得る。第2の鋭角は第2の基部及び第2の中足部に面する部分によって画定され得る。第2の鈍角は第2の基部及び踵に面する部分によって画定され得る。
【0029】
その特徴及び利点を含む、履物具の他の態様は図面及び本明細書の詳細な説明を検討すると、当業者には明らかになるのであろう。したがって、履物具のそのような態様はすべて、詳細な説明及びこの概要に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本開示の実施形態による、クリートアセンブリを含む、左靴として構成された履物具の上面側面等角図である。
図2図1の履物具の側面図である。
図3図1の履物具の上面図である。
図4図1の履物具の上部の層の概略図である。
図5図1の履物具のシュータンの一部の概略図である。
図6図1のクリートアセンブリの一部分のための金型の概略図である。
図7図6の金型の金型開口部の概略図である。
図8図1のクリートアセンブリの突出部材の側面図である。
図9】本開示の実施形態による突出部材の外形の概略図である。
図10】本開示の実施形態による、突出部材のプロファイルの別の概略図である。
図11】本開示の実施形態による、滑り止めアセンブリを含む履物具のソール構造の内側側面図である。
図12図11のソール構造の底面図である。
図13図11のソール構造の側面図である。
図14図12のソール構造のA-A線に沿った断面側面図である。
図15図11のソール構造の上面図である。
図16図12のソール構造体のB-B断面図である。
図17図12のソール構造のC-C線に沿った断面図である。
図18図12のソール構造のD-D線に沿った断面図である。
図19図12のソール構造の線E-Eに沿った断面図である。
図20図12のソール構造のF-F線に沿った断面図である。
図21図12のソール構造の線G-Gに沿った断面図である。
図22】本開示の実施形態によるクリートアセンブリのための金型の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明及び添付の図面はアッパー及びソール構造を含むことができるシューズの様々な実施形態または構成を開示する。靴またはソール構造の実施形態がランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズに関して開示されるが、靴またはソール構造の実施形態に関連する概念は例えば、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキー及びスノーボードブーツ、サッカー用シューズ及びクリート靴、ウォーキングシューズ、ならびに陸上競技用クリート靴を含む、広範囲の履物及び履物スタイルに適用され得る。靴またはソール構造の概念はまた、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、及びヒールを含む、非運動選手であると考えられる履物の物品に適用されてもよい。履物に加えて、本明細書に記載される特定の概念はまた、ヘルメット、パッドもしくは保護パッド、脛ガード、及び手袋を含む、他のタイプの衣服または他の運動器具に適用され、組み込まれてもよい。さらに、本明細書に記載される特定の概念はクッション、バックパックストラップ、ゴルフクラブ、または他の消費者製品もしくは工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書で説明される概念は様々な製品において利用され得る。
【0032】
「約」という用語が本明細書で使用される場合、例えば、本明細書の開示の実施形態を含み得る、履物または他の製品のために使用される典型的な測定及び製造手順、これらの手順における不注意な誤り、組成物または混合物を作製するために使用される成分の製造、供給源、または純度の差異を介して生じ得る数値量の変動等を指す。本開示を通して、「約」及び「およそ」という用語はその用語が先行する数値の±5%の値の範囲を指す。
【0033】
用語「重量パーセント」、「wt-%」、「重量によるパーセント」、「重量%」、及びそれらの変形は本明細書で使用される場合、物質または成分の濃度を、その物質または成分の重量を、例えば組成物または組成物の特定の成分の総重量で割って、100を乗じたものとして意味する。本明細書で使用される場合、「パーセント」、「%」などは「重量パーセント」及び「wt-%」と同義であり得ることが理解される。
【0034】
本開示はアッパー及び/またはソールまたはソール構造などの履物具及び/または履物具の特定のコンポーネントを対象とする。アッパーはニットコンポーネント、織布、及び/または不織布を含んでもよい。
ニットコンポーネントは、糸の編み込みによって、織物は、糸の織り込みによって、不織布は、単層不織布の製造によって製造されてもよい。編み物はたて編み、よこ編み、往復編み、丸編み、及び/または他の適切な編み作業によって形成される織物を含む。ニット織物は例えば、プレーンニット構造、メッシュニット構造、及び/またはリブニット構造を有してもよい。織布としては例えば、平織り、綾織り、朱子織り、ドビー織り、ジャカード織り、二重織り、及び/または二重布織りなどの多数の織り形態のいずれかによって形成された織物が含まれるが、これらに限定されるものではない。不織布としては例えば、エアレイド法及び/またはスパンレイド法によって製造された布地が挙げられる。アッパーは様々な特性または様々な視覚特性を有し得る、第1の糸、第2の糸、及び/または第3の糸などの様々な材料を備えてもよい。
【0035】
図1図3はアッパー102及びソール構造104を含む履物具100の例示的な実施形態を示す。アッパー102はソール構造104に取り付けられ、足が挿入され得る内部空洞106を一緒に画定する。参考までに、履物具100は前足領域108、中足領域110、及び踵領域112を画定する。前足領域108は一般に、足指、足の親指の付け根のふくらみ母指球、及び中足骨を足指または指骨に接続する関節を含む、足の部分を包む履物具100の部分に対応する。中足領域110は前足領域108に近接して隣接し、一般に、足のブリッジとともに、足のアーチを包む履物具100の部分に対応する。踵領域112は中足領域110に近接して隣接し、一般に、踵または踵骨、足首、及び/またはアキレス腱を含む、足の後部を包む履物具100の部分に対応する。
【0036】
多くの従来の履物アッパーは接合または縫い目での縫い合わせによって接合される複数の要素(例えば、織物、ポリマー発泡体、ポリマーシート、皮革、及び合成皮革)から形成される。特に、図4及び図5を参照すると、アッパー102は第1の層114及び第2の層116から形成され得る。第1の層114はアッパー102を通る通気性を促進する穴として構成された複数の凹部118を含むことができる。第2の層116が少なくとも部分的に透明であり、第1の層114に押し付けられ得る。図4に示されるように、第2の層116はドットまたはピクセルなどのパターンを有するスキンとして構成される。図5に示されるように、履物具100のシュータン120は同様に、アッパー102の通気性をさらに高めるために、複数の凹部118を有する第1の層114を含む。
【0037】
履物具100はまた、図3に示される内側122及び外側124を含む。特に、外側面124は履物具100の外側部分に対応し、内側面122は履物具100の内側部分に対応する。したがって、左右の履物具は対向する外側及び内側側面を有し、その結果、内側側面122はユーザが履物具100を着用しているときに互いに最も近く、一方、外側側面124は着用中に互いに最も遠い側面として画定される。内側122及び外側124は履物具100の対向する遠位端において互いに隣接する。
【0038】
特に明記しない限り、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側122、及び外側124は履物具100の境界又は領域を画定することを意図する。そのために、前足領域108、中足領域110、踵領域112、内側122、及び外側124は一般的に、履物具100のセクションを特徴付ける。さらに、アッパー102及びソール構造104の両方は前足領域108、中足領域110、踵領域112、ならびに内側122及び外側124内の部分を有するものとして特徴付けられ得る。したがって、アッパー102及びソール構造104、ならびに/またはアッパー102及びソール構造104の個々の部分は前足領域108、中足領域110、踵領域112、ならびに内側122及び外側124内に配置されるその部分を含み得る。
【0039】
ソール構造104はアッパー102に接続または固定され、履物具100がユーザによって着用されるときに、ユーザの足と地面との間に延在する。ソール構造104はアウトソール、ミッドソール、ヒール、バンプ、及び/またはインソールを含むことができる1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造はソール構造に構造的完全性を提供するとともにユーザに牽引力を提供するアウトソールと、クッションシステムを提供するミッドソールと、ユーザのアーチを支持するインソールとを含むことができる。
【0040】
再び図1及び図2を参照すると、ソール構造104はクリートアセンブリ130を含む。クリートアセンブリ130は前足部132及び踵部分134を含む。前足部132は複数の突出部材136と、基部138とを含む。複数の突出部材136は基部138から延び、側面視において、各突出部材136の側壁140と基部138との間に少なくとも2つの別個の角度を画定することができる。
【0041】
図示の実施形態では、側壁140は円筒の外面として構成される。例えば図1及び図2に示すように、円筒は基部138に近接して配置されたより広い部分を有するテーパ形状の円筒(例えば、錐台)として構成することができる。他の実施形態では、突出部材136がファセット加工されてもよく、側壁は突出部材136のファセット加工された外面の単一のファセットのみであってもよい。したがって、第1のファセットによって画定される第1の側壁は第1のファセットと基部138との間の第1の角度を画定することができ、同じ突出部材の第2のファセットによって画定される第2の側壁は第2のファセットと基部138との間の第2の角度を画定することができる。第1の角度は第2の角度とは異なり得る。
【0042】
側面図で見たときの側壁140と基部138によって形成される突出部材136の明確で異なる角度は複数の突出部材の個々の突出部材136間で変化し得る。そのような別個の角度のさらなる詳細が図8図10を参照して以下に説明される。同様に、踵部分134は基部146から延びる複数の突出部材144を含む。前足部132と同様に、踵部分134の突出部材144のうちの1つまたは複数は各突出部材144の側壁148と基部146との間に少なくとも2つの別個の角度を画定することができる。
【0043】
複数の突出部材136、144の各々はそれぞれの側壁140、148によって概して境界付けられるそれぞれの地面係合面150を含む。複数の突出部材136、144がファセット面を含む実施形態では、地面係合面が概して、ファセット面によって境界付けられ得る。前足部132の各突出部材136は様々なサイズ(例えば、表面積)の地面係合面150を含むことができる。例えば、履物具100の中足領域110により近い突出部材136の地面係合面150は前足領域108により近い突出部材136の地面係合面150より大きくてもよい。同様に、接地係合面150の表面積は履物具100の内側122及び外側124に対する突出部材136の位置に対して変化してもよい。図示の実施形態では、地面係合面150が概して平面である。しかしながら、他の実施形態では、突出部材は概して凸状または凹状の幾何学的形状を有する地面係合面を含むことができる。
【0044】
一般に、クリートアセンブリ130の前足部132及び踵部分134のそれぞれは射出成形によって形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、図6に示す金型160などの射出金型を使用して、クリートアセンブリ130の前足部132を形成することができる。金型160は2ピース剛性金型として構成され、複数の突出部材136の幾何学的形状に対応する複数の凹部を有する空洞162を含む。空洞162は金型160の傾斜部分164に形成される。空洞162に対する傾斜部分164はクリートアセンブリ130の前足部132の型160からの除去の成功を促進し、クリートアセンブリ130のアンダーカット形状を排除する。
【0045】
いくつかの実施形態では、製造プロセス中に、予め形成されたスタッド先端部が空洞162に追加され、射出成形プロセスの前に複数の凹部に挿入されてもよい。予備成形スタッド先端部はクリートアセンブリ130を形成するために、射出材料とは異なる材料から形成することができる。例えば、スタッド先端部はポリマー注入材料であってもよい注入材料と比較して、比較的耐摩耗性または耐引掻性が高い材料から形成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、クリートアセンブリ130は取り外し可能なスタッド先端部を含むことができる。例えば、スタッド先端部はねじ部品を介して前足部132及び踵部分134に固定することができる。
【0046】
図7に示されるように、突出部材136の地面係合面150に対応する金型160の部分は金型160の傾斜部分164に対して概ね平行(例えば、鋭角または実質的に平行)である。そのような幾何学的形状はクリートアセンブリ130に形成されるアンダーカット形状をさらに低減する。図6及び図7に示される対応する型及び型の特徴はクリートアセンブリ130の踵部分134を製造するために使用され得る。
【0047】
図8はクリートアセンブリ130の前足部132の単一の突出部材136Aを示す。突出部材136Aは例として示されており、突出部材136、144のいずれかのうちの1つまたは複数に対応することができることを理解されたい。特に、図8に示す基準線は概して、立面側面図において複数の突出部材136のうちの1つに隣接する基部138に沿って延びる軸170などの軸に対する相対角度にかかわらず、突出部材136、144のいずれかに対応することができる。この点に関して、基準線(例えば、線172、174)は突出部材134、144の様々な側壁に対応することができ、様々な角度で基準線(例えば、線170)と交差することができる。
【0048】
図示の実施形態では、突出部材136Aが基部138に沿って延在する軸170を画定する。側壁140の第1の部分は第1の線172に少なくとも部分的に沿って配置され、側壁140の第2の部分は第2の線174に沿って配置される。第1の線172は第1の外角176で軸170と交差し、第2の線174は第2の外角178で軸170と交差する。第1の外角176は鈍角(すなわち、90度より大きい)であり、履物具100の前足領域108に面する(例えば、図1及び図2を参照)。第2の外角178は鋭角(すなわち、90度未満)であり、履物具100の中足領域110に面する。一般的に、図8に示す角度は使用中に十分な接地面積及び強度を提供しながら、射出成形型からの取り外しを容易にすることができる。
【0049】
踵部分134の各突出部材144はそれに対応して、履物具100の踵領域112に面する側壁148の部分と基部146とによって形成される第1の外角を画定することができる。加えて、踵部分134の各突出部材144は履物具100の中足領域110に面する側壁148の部分と基部146とによって形成される対応する第2の外角を画定することができる。突出部材136Aと同様に、踵部分134の突出部材144の第1の外角は鈍角であり、踵部分134の突出部材144の第2の外角は鋭角である。
【0050】
一般的に、第1の外角176は約95度~145度であり得る。さらに、第2の外角178は約35度~85度であり得る。したがって、履物具100の外端(すなわち、前足領域108または踵領域112)に面する突出部材136、144の各外角は約95~145度であり得る。追加的または代替的に、履物具100の中足領域110に面する突出部材136、144の各外角は約45度~85度であり得る。
【0051】
図9及び図10は本開示のいくつかの実施形態による、突出部材の追加の幾何学的形状を図示する。例えば、図9はベース面202から延在し、側壁204及び地面係合面206を含む突出部材200を示す。履物具の端部(すなわち、前足領域または踵領域)に面する側壁204の一方の側はベース面202と第1の角度208を形成する。履物具の中足領域に面する側壁204の第2の側部はベース面202と第2の角度210を形成する。図示の例では、第1の角度208は約110度であり、第2の角度210は約70度である。
【0052】
図10はベース面222から延在し、側壁224及び地面係合面226を含む突出部材220を示す。履物具の端部に面するの1つの側壁224は基部表面と第1の角度228を形成する。履物具の中足領域に面する側壁224の第2の側部は基部表面222と第2の角度230を形成する。図示の例では第1の角度228は約110度であり、第2の角度230は約80度である。
【0053】
図9及び図10にそれぞれ示されている地面係合面206、226は対応するベース面202、222にほぼ平行である。しかしながら、他の実施形態では、クリートアセンブリの1つ以上の地面係合面が基部に対して斜めにされ得る。突出部材200、220の各々はクリートアセンブリ130の複数の突出部材136、144のうちの1つまたは複数によって使用され得る例示的な幾何学的形状を提供する。
【0054】
図11から図21は本発明の一実施形態によるソール構造240の例示的な実施形態を示す。ソール構造104と同様に、ソール構造240はアッパーに取り付けられ、足が挿入され得る内部空洞を一緒に画定するように構成される。参考までに、ソール構造240は前足領域248、中足領域250、及び踵領域252を画定する。前足領域248は一般的に、例えば、足指、足の親指の付け根のふくらみ母指球、及び中足骨を足指または指骨に接続する関節を含む足の部分を包み込む履物具100などの履物具の部分に対応する。中足領域250は前足領域248に近接し、それに隣接し、一般的に、足のブリッジとともに、足のアーチを包み込む履物具の部分に対応する。踵領域252は中足領域250に近接して隣接し、一般に、踵または踵骨、足首、及び/またはアキレス腱を含む、足の後部を包む履物具の部分に対応する。
【0055】
ソール構造240はまた、図11に示される内側面256と、図13に示される外側面258とを含む。特に、外側面258は履物具の外側部分に対応し、内側面256は履物具の内側部分に対応する。したがって、左右の履物具は対向する外側面及び内側面を有し、その結果、使用者が履物具を着用しているとき、内側面が互いに最も近くなり、一方、外側面は着用している間、互いに最も遠い側面として定義される。内側面256及び外側面258は履物具の対向する遠位端において互いに隣接する。
【0056】
ソール構造104と同様に、ソール構造240はクリートアセンブリ260を含む。クリートアセンブリ260は前足部262及び踵部分264を含む。前足部262は複数の突出部材266と、基部268とを含む。複数の突出部材266は基部268から延在し、基部268に対して第1の外角270及び第2の外角272を画定することができる。同様に、踵部分264は基部276から延びる複数の突出部材274を含む。前足部262と同様に、踵部分264の突出部材274のうちの1つまたは複数は第1の外角278及び第2の外角280を画定することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、前足部262は複数の突出部材266及び基部268が一体的に形成されるように、単一の本体を含むことができる。同様に、踵部分264は複数の突出部材274のうちの少なくとも1つが基部274と一体に形成されるように、単一の本体を含むことができる。他の実施形態では、前足部262及び踵部分264の各々がそれぞれ1つまたは複数の基部268、274を含むことができる。
【0058】
図11及び図13に示されるように、第1の外角270、278の各々はソール構造240の外端(すなわち、前足領域248または踵領域252)に面し、第2の外角272、280の各々はソール構造240の中心(すなわち、中足領域250)に面する。第1の外角270、278は約95度から145度である。第2の外角280は約35度から85度である。
【0059】
ここで図16から図21を参照すると、複数の突出部材266、274は履物具のつま先または踵端から見たときに、それぞれの基部268、276からほぼ垂直に下方に延びる。さらに、各突出部材266、274は地面係合面284を形成する、それぞれの突出部材266、274を越えて延在するスタッド部材282を含むことができる。図16及び図21に示されるように、クリートアセンブリ260のいくつかの地面係合部材284は実質的に同じ平面上に配置され得る。さらに、図17に示されるように、クリートアセンブリ260のいくつかの地面係合面284は別個の平面上に配置され得る。
【0060】
図22は例えば、ソール構造104などのソール構造のための金型300を示す。ソール構造104と同様に、金型300は前足部302及び踵部分304を含むことができる。一般的に、金型300は複数のスタッド凹部308(例えば、スタッド凹部308AからD)を含む負の空間を画定する。複数のスタッド凹部308の各々はそれぞれの基部310(例えば、基部310AからD)を画定する。前足部302内の複数の基部310の各々は概して、傾斜312に沿って配置される。例えば、複数のスタッド凹部308のうちの第1のスタッド凹部308Aは第1の傾斜に沿って配置された第1のベース308Aを画定し、第2のスタッド凹部308Bは第2の傾斜に沿って配置された第2のベース310Bを画定し、第3のスタッド凹部308Cは第3の傾斜に沿って配置された第3のベース308Cを画定する。
【0061】
図示の実施形態では、第1、第2、及び第3の傾斜のそれぞれは一般的な傾斜312と同じ方向に傾斜している。さらに、図示の実施形態では、第1の基部310Aの第1の傾斜部分は一般的な傾斜312に対してわずかに歪んでおり(例えば、30度未満)、第3の基部310Cの第3の傾斜部分は一般的な傾斜312に対してわずかに歪んでいる(例えば、10度未満)。さらに、図示のように、一般的な傾斜312、したがって第1、第2、及び第3の傾斜のそれぞれは水平面318に対して鋭角を形成する。踵部分304に形成された第4のスタッド凹部308Dは前足部302の一般的な傾斜312に対向する傾斜を有する傾斜に沿って配置された第4の基部308Dを画定する。
【0062】
複数のスタッド凹部308の各基部310の傾斜はソール構造が水平面318に対してほぼ垂直に金型300から除去されることを可能にする。ソール構造を形成するために材料が金型300内に射出されるとき、前足部302及び踵部分304の各々の一般的な傾斜(例えば傾斜312)は対応する複数のスタッド凹部308内に形成されたスタッドが水平面318に対して概して垂直である直線中心線320を画定することを可能にする。加えて、前足部302及び踵部分304の各々の全体的な傾斜は金型300内のソール構造をロックすることができる金型内のアンダーカットを防止する。
【0063】
一般的に、突出部材136、144、200、220、266、274などの上述の突出部材はクリートアセンブリのための構造を提供し、各クリートアセンブリは一般に、履物具の中足部に向かって傾斜している。同様に、上述の金型300は履物具の中足部に向かって概ね傾斜したクリート部材を有するソール構造用の金型を提供する。そのようなクリート部材が牽引能力を高めることができる積極的なスタイルを提供することができる。さらに、そのようなクリート部材の幾何学的形状は不必要な分割線を導入することなくアンダーカットの複雑さを克服する射出成形プロセスを容易にする。
【0064】
本明細書に記載される実施形態のいずれも、異なる実施形態に関連して開示される構造または方法のいずれかを含むように修正することができる。さらに、本開示は具体的に示されるタイプの履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示される実施形態のいずれかの履物具の態様は任意のタイプの履物、衣服、または他の運動器具で機能するように修正されてもよい。
【0065】
前述のように、本発明は特定の実施形態及び実施例に関連して上述されているが、本発明は必ずしもそのように限定されるものではなく、多数の他の実施形態、実施例、使用、修正、及び実施形態からの逸脱は本明細書に添付される特許請求の範囲によって包含されることが意図されることが、当業者によって理解されるのであろう。本明細書に引用される各特許及び刊行物の全開示はそのような各特許または刊行物が参照により個々に本明細書に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な特徴及び利点は以下の特許請求の範囲に記載されている。
[産業上の利用可能性]
【0066】
前述の説明を考慮すると、本発明に対する多数の修正が当業者には明らかであろう。したがって、この説明は例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にする目的で提示される。添付の特許請求の範囲内にあるすべての変更に対する排他的権利が留保される。
【0067】
[関連出願との相互参照]
本出願は2021年1月15日に出願された米国仮出願第63/137,899号の優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、本出願の一部とみなされる。
図1
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