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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】エレクトロクロミック素子及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/155 20060101AFI20241108BHJP
   G02F 1/15 20190101ALI20241108BHJP
【FI】
G02F1/155
G02F1/15
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023552202
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2022081597
(87)【国際公開番号】W WO2022199467
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-08-28
(31)【優先権主張番号】202110313813.6
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ス,ジペン
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-025672(JP,A)
【文献】特開平03-107991(JP,A)
【文献】特開2008-165219(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0067021(KR,A)
【文献】特開2020-020849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/155
G02F 1/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基材層、第1導電層、エレクトロクロミック層、第2導電層及び第2基材層を含むエレクトロクロミック素子であって、
前記第1基材層、前記第1導電層、前記エレクトロクロミック層、前記第2導電層及び前記第2基材層は順次積層され、
前記第1導電層が、第1導電領域と、前記第1導電領域と離隔して設けられる第1制御モジュールと、を含み、
前記第2導電層が、第2導電領域と、前記第2導電領域と離隔して設けられ、かつ前記第1制御モジュールに対向して設けられる第2制御モジュールと、を含み、
前記エレクトロクロミック層が、前記第1制御モジュール及び前記第2制御モジュールに対向して設けられる第1変色領域と、前記第1導電領域及び前記第2導電領域に対向して設けられる第2変色領域とを含み、
前記第1制御モジュールと前記第2制御モジュールが、前記第1変色領域の色の変化を制御するために使用され、
前記第1制御モジュールは、互いに並列に接続された複数の第1サブモジュールであって、それぞれが、順次接続された複数の第1制御ユニットを含む、複数の第1サブモジュールを含み、
前記第2制御モジュールは、互いに並列に接続された複数の第2サブモジュールであって、それぞれが、順次接続された複数の第2制御ユニットを含む、複数の第2サブモジュールを含み、
前記エレクトロクロミック素子は、
一方の端部が前記第1サブモジュールと接続される複数の第1接続構造と、
前記第1基材層に設けられ、前記第1接続構造の他方の端部を固定するために使用される第1固定領域と、をさらに含み、
一方の端部が前記第2サブモジュールと接続される複数の第2接続構造と、
前記第2基材層に設けられ、前記第2接続構造の他方の端部を固定するために使用される第2固定領域と、をさらに含み、
一方の端部が前記第1導電領域と接続され、他方の端部が前記第1固定領域に固定される第3接続構造、又は一方の端部が前記第2導電領域と接続され、他方の端部が前記第2固定領域に固定される第4接続構造をさらに含む、
エレクトロクロミック素子。
【請求項2】
前記複数の第1制御ユニットは、第1方向に配列され、
前記複数の第2制御ユニットは、前記第1方向に垂直な第2方向に配列される、
請求項に記載のエレクトロクロミック素子。
【請求項3】
隣接する2つの前記第1制御ユニット又は隣接する2つの前記第2制御ユニットを離隔させる少なくとも1つのエレクトロクロミック離隔層をさらに含む
請求項に記載のエレクトロクロミック素子。
【請求項4】
前記第1固定領域及び前記第2固定領域と可動的に接続され、前記第1変色領域の色の変化を制御するように前記第1制御モジュール及び前記第2制御モジュールの導通を制御するために使用され、
前記第2変色領域の色の変化を制御するように前記第1導電領域及び前記第2導電領域の導通を制御するためにも使用される制御装置をさらに含む
請求項に記載のエレクトロクロミック素子。
【請求項5】
前記第1基材層及び前記第2基材層と接続される密封構造をさらに含む
請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
【請求項6】
カバー板と、
前記カバー板に設けられる請求項1からのいずれか1項に記載のエレクトロクロミック素子と、を含む
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2021年03月24日に提出された出願番号が202110313813.6で発明名称が「エレクトロクロミック素子及び電子機器」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電子技術分野に属し、具体的に、エレクトロクロミック素子及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、エレクトロクロミック技術は、ユーザーの要求に応じて電子機器の外観に対して変色調整を行うことができ、電子機器の差別化に大きな余地をもたらす。関連技術において、図1に示すように、電子機器は、カバーとエレクトロクロミック層とを含む。そのうち、エレクトロクロミック層は、上層基材、上導電層、下層基材、下導電層、エレクトロクロミック材料層、電解質層、イオン貯蔵層、及びメンブレンスイッチ導電層を含み、メンブレンスイッチ導電層によって上導電層及び下導電層を制御してパターンの表示を実現させる。
【0004】
しかし、関連技術において、電子機器のカバーの色を変化させるために、エレクトロクロミック層を全体的に変色させるように制御することしかできず、変色方式は十分に柔軟ではない。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、関連技術におけるエレクトロクロミック層の変色方式が十分に柔軟ではないという問題を解決できるエレクトロクロミック素子及び電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
第1の側面において、本願の実施例は、
第1基材層、第1導電層、エレクトロクロミック層、第2導電層及び第2基材層を含むエレクトロクロミック素子であって、
第1基材層、第1導電層、エレクトロクロミック層、第2導電層及び第2基材層は順次積層され、
第1導電層は、第1導電領域と、第1導電領域と離隔して設けられる第1制御モジュールと、を含み、
第2導電層は、第2導電領域と、第2導電領域と離隔して設けられ、かつ第1制御モジュールに対向して設けられる第2制御モジュールと、を含み、
エレクトロクロミック層は、第1制御モジュール及び第2制御モジュールに対向して設けられる第1変色領域と、第1導電層及び第2導電層に対向して設けられる第2変色領域とを含み、
第1制御モジュールと第2制御モジュールは、第1変色領域の色の変化を制御するために使用される、
エレクトロクロミック素子を提供した。
【0007】
第2の側面において、本願の実施例は、
カバー板と、
カバー板に設けられる第1の側面に記載のエレクトロクロミック素子と、を含む
電子機器を提供した。
【0008】
本願の実施例では、第1制御モジュールと第1導電領域とは互いに独立しており、第2制御モジュールと第2導電領域とは互いに独立しているので、エレクトロクロミック層における第1変色領域と第2変色領域との色の変化も互いに独立している。即ち、第1制御モジュール及び第2制御モジュールが導通された後、エレクトロクロミック層における第1変色領域の色の変化を実現させることができ、第2変色領域は、第1導電領域及び第2導電領域が導通されていない場合に、第1変色領域に従って変化しなくてもよい。これによって、エレクトロクロミック素子の局所変色機能が実現され、変色方式の柔軟性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】関連技術における電子機器の構造模式図である。
図2】本願の実施例に係るエレクトロクロミック素子の構造模式図その1である。
図3】本願の実施例に係るエレクトロクロミック素子の構造模式図その2である。
図4図2におけるA領域の拡大図である。
図5図3におけるB領域の拡大図である。
図6】本願の実施例に係るエレクトロクロミック素子の構造模式図その3である。
図7図6におけるC領域の拡大図である。
図8図6のD-Dに沿った断面図である。
図9図8におけるE領域の拡大図である。
図10図8におけるF領域の拡大図である。
図11】本願の実施例に係るエレクトロクロミック素子の表示効果模式図である。
図12】本願の実施例に係る電子機器の構造模式図である。
【0010】
そのうち、図2図12における図面符号と部材名称との対応関係は次のとおりである。
102上層基材、104下層基材、202上導電領域、204下導電領域、302第1横方向制御モジュール、304第2横方向制御モジュール、402第1縦方向制御モジュール、404第2縦方向制御モジュール、RX11第1サブ受信モジュール、RX12第2サブ受信モジュール、RX13第3サブ受信モジュール、TX11第1サブ送信モジュール、TX12第2サブ送信モジュール、TX13第3サブ送信モジュール、3022第1面内細導電層、3024受信モジュール縁部リード線、3026第3接続構造、3028第1固定領域、4022第2面内細導電層、4024送信モジュール縁部リード線、4026第4接続構造、4028第2固定領域、502エレクトロクロミック層、5022エレクトロクロミック材料層、5024イオン貯蔵層、5026電解質層、602制御装置、6022フレキシブルプリントサーキット、6024制御チップ及び周辺部品、6026 FPCインタフェース、702エレクトロクロミック離隔層、802縁部シーラント、902カバー板、904接続部品、1102局所サブユニットを点灯させたパターン、1104最終表示パターン、1202第1画像表示領域、1204第2パターン表示領域。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、当然ながら、説明される実施例は本願の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が得た他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものとする。
【0012】
本願の明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の技術用語は、特定の順序又は優先順位を記述するものではなく、類似の対象を区別するためのものである。なお、このように使用される用語は、本願の実施例をここで図示又は説明する以外の順番で実施できるように、場合によっては互換してもよい。また、明細書及び請求項において、「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも一つを表し、符号の「/」は、一般的に前後の関連する対象が「又は」の関係にあることを表す。
【0013】
以下において、図面を参照しながら、本願の実施例によって提供されるエレクトロクロミック素子及び電子機器を、具体的な実施例及びその応用シーンにより詳しく説明する。
【0014】
本願の実施例は、第1基材層、第1導電層、エレクトロクロミック層、第2導電層及び第2基材層を含むエレクトロクロミック素子であって、第1基材層、第1導電層、エレクトロクロミック層、第2導電層及び第2基材層は順次積層され、第1導電層は、第1導電領域と、第1導電領域と離隔して設けられる第1制御モジュールと、を含み、第2導電層は、第2導電領域と、第2導電領域と離隔して設けられ、かつ第1制御モジュールに対向して設けられる第2制御モジュールと、を含み、エレクトロクロミック層は、第1制御モジュール及び第2制御モジュールに対向して設けられる第1変色領域と、第1導電層及び第2導電層に対向して設けられる第2変色領域とを含み、第1制御モジュールと第2制御モジュールは、第1変色領域の色の変化を制御するために使用される、エレクトロクロミック素子を提供した。
【0015】
この実施例では、エレクトロクロミック素子に、第1基材層、第1導電層、エレクトロクロミック層、第2導電層及び第2基材層が順次設けられている。そのうち、第1導電層は、第1導電領域及び少なくとも1つの第1制御モジュールを含む。また、第1制御モジュールのそれぞれは第1導電領域と離隔して設けられ、即ち、第1制御モジュールと第1導電領域とは接続されておらず、互いに独立している。第2導電層は、第2導電領域及び少なくとも1つの第2制御モジュールを含む。また、第2制御モジュールのそれぞれは第2導電領域と離隔して設けられ、即ち、第2制御モジュールと第2導電領域とは接続されておらず、互いに独立している。第1制御モジュールと第2制御モジュールはエレクトロクロミック層に対して対称に設けられ、また、第1制御モジュール及び第2制御モジュールは両方ともエレクトロクロミック層の第1変色領域に対応し、第1導電層及び第2導電層は両方ともエレクトロクロミック層の第2変色領域に対応する。
【0016】
本願の実施例では、第1制御モジュールと第1導電領域とは互いに独立しており、第2制御モジュールと第2導電領域とは互いに独立しているので、エレクトロクロミック層における第1変色領域と第2変色領域との色の変化も互いに独立している。即ち、第1制御モジュール及び第2制御モジュールが導通された後、エレクトロクロミック層における第1変色領域の色の変化を実現させることができ、第2変色領域は、第1導電領域及び第2導電領域が導通されていない場合に、第1変色領域に従って変化しなくてもよい。これによって、エレクトロクロミック素子の局所変色機能が実現され、変色方式の柔軟性が向上する。
【0017】
また、第1制御モジュール及び第2制御モジュールは、ユーザーのタッチ入力を検知するためにも使用され、即ち、第1制御モジュール及び第2制御モジュールは、第1導電領域及び第2導電領域に対して独立してユーザーのタッチ入力を検知することができる。これによって、エレクトロクロミック素子の局所タッチ機能が実現され、タッチ方式の柔軟性が向上する。
【0018】
説明すべきことは、タッチ入力を検知する時に、対応する第1制御モジュールと第2制御モジュールのセットで容量が形成され、当該制御モジュールのセットがタッチ入力を検知したか否かは、当該容量値の大きさにより決定することができる点である。
【0019】
いくつかの実施例では、当該エレクトロクロミック素子が電子機器のカバー板に適用される場合には、例えば、時間や他のパターンなどを電子機器のカバー板に表示させるなどの電子機器のカバー板の局所パターンの可変機能、及び電子機器の裏面の局所表示機能を実現させ、電子機器のパワーセーブの目的を達成し、電子機器のカバー板の機能を増加させることができる。
【0020】
本願の一実施例では、第1制御モジュールは、互いに並列に接続された複数の第1サブモジュールであって、それぞれが、順次接続された複数の第1制御ユニットを含む、複数の第1サブモジュールを含む。第2制御モジュールは、互いに並列に接続された複数の第2サブモジュールであって、それぞれが、順次接続された複数の第2制御ユニットを含む、複数の第2サブモジュールを含む。
【0021】
この実施例では、第1制御モジュール及び第2制御モジュールのそれぞれに、小さな制御ユニットが設けられている。小さな制御ユニットのそれぞれに対して導通制御を行うことによって、局所変色を実現して、所望のパターンを表示させる。また、小さな制御ユニットの信号検出によって、タッチ入力に対する検知を決定する。関連技術におけるメンブレンスイッチによって導電を制御する方式に比べると、本願の上記の変色とタッチ方式は、コストがより低く、電力消費もより低い。
【0022】
本願の一実施例では、複数の第1制御ユニットは、第1方向に配列され、複数の第2制御ユニットは、第1方向に垂直な第2方向に配列される。
【0023】
この実施例では、複数の第1制御ユニットの配列方向は、複数の第2制御ユニットの配列方向に対して垂直である。配列方向を垂直にすることによって、小さな制御ユニットのそれぞれの座標の位置決めを行う。例えば、複数の第1制御ユニットを横方向、複数の第2制御ユニットを縦方向に配列し、横方向をx座標、縦方向をy座標とすることで、小さな制御ユニットのそれぞれの位置決めを実現させ、変色とタッチの領域を正確かつ迅速に決定することができる。
【0024】
具体的な実施例では、図2図10に示すように、第1基材層は上層基材102であり、第2基材は下層基材104であり、上層基材102と下層基材104は対向して設けられる。上層基材102と下層基材104は、カラスやプラスチック樹脂などである。
【0025】
第1導電層と上層基材102は、下層基材104の表面に向かって貼合され、第2導電層と下層基材104は、上層基材102の表面に向かって貼合され、エレクトロクロミック層502は、第1導電層と第2導電層との間に設けられる。
【0026】
第1導電層は、第1導電領域と少なくとも1つの第1制御モジュールとを含む。図2に示すように、第1導電領域は上導電領域202であり、少なくとも1つの第1制御モジュールの数は2つであり、また、第1制御モジュールはいずれも横方向に設けられる。少なくとも1つの第1制御モジュールは、第1横方向制御モジュール302と第2横方向制御モジュール304とを含み、第1横方向制御モジュール302及び第2横方向制御モジュール304は両方とも上導電領域202と離隔されている。
【0027】
第2導電層は、第2導電領域と少なくとも1つの第2制御モジュールとを含む。図3に示すように、第2導電領域は下導電領域204であり、少なくとも1つの第2制御モジュールの数は2つであり、また、第2制御モジュールはいずれも縦方向に設けられる。少なくとも1つの第2制御モジュールは、第1縦方向制御モジュール402と第2縦方向制御モジュール404とを含み、第1縦方向制御モジュール402及び第2縦方向制御モジュール404は両方とも下導電領域204と離隔さていれる。
【0028】
説明すべきことは、以下の点である。横方向パターンと縦方向パターンは表示の要求に応じて設計され、パターンの設計は同じであってもよい。横方向制御モジュールと縦方向制御モジュールは、それぞれタッチの送信層と受信層として、互いに対応するように設計される。横方向及び縦方向によりタッチの座標の位置決めすることによって、タッチの位置を決定する。エレクトロクロミック表示を同時に実現させるために、第1横方向制御モジュール302と第1縦方向制御モジュール402は上下方向において対応して重なるように設計される。この実施例では、上層を横方向とし、下層を縦方向とすることを例として挙げたが、具体的に実施する時には、下層を横方向とし、上層を縦方向としてもよく、ここで特に限定しない。
【0029】
図4は、図2におけるA領域の拡大図である。第1横方向制御モジュール302は、横方向導電層であり、タッチセンサの受信(Receive,RX)モジュールとして機能することができる。RXモジュールの数は、表示の要求に応じて設定されてもよい。第1横方向制御モジュール302は上記の複数の第1サブモジュールを含む。図4に示すように、第1横方向制御モジュール302は、第1サブ受信モジュールRX11と、第2サブ受信モジュールRX12と、第3サブ受信モジュールRX13とを含む。上記のサブ受信モジュールのそれぞれは、第1サブモジュールである。所望の位置により受信モジュールを設計し、また、表示の要求に応じてサブ受信モジュールのそれぞれのサブ受信ユニット(即ち、制御ユニット)を設計する。サブ受信ユニットは、細導電層によって接続される。
【0030】
図5は、図3におけるB領域の拡大図である。第2縦方向制御モジュール404は、縦方向導電層であり、タッチセンサの送信(Transport,TX)モジュールとしてRXモジュールと適合して設けられてもよい。第2縦方向制御モジュール404は上記の複数の第2サブモジュールを含む。図5に示すように、第2縦方向制御モジュール404は、第1サブ送信モジュールTX11と、第2サブ送信モジュールTX12と、第3サブ送信モジュールTX13とを含む。上記のサブ送信モジュールのそれぞれは、第2サブモジュールである。所望の位置により送信モジュールを設計し、また、必要に応じてサブ送信ユニット(即ち、制御ユニット)を設計する。サブ送信ユニットモジュールは、細導電層によって接続される。
【0031】
サブ受信ユニットの数とサブ送信ユニットの数は、互いに適合して設定される。制御モジュールは、例として角形状であるが、三角形状、円形状、棒形状、矢印形状などであってもよい。
【0032】
説明すべきことは、導電領域及び制御モジュールは、例えば酸化インジウム錫、メタルメッシュ等の導電物質などの金属酸化物であってもよい点である。
【0033】
本願の一実施例では、当該エレクトロクロミック素子は、一方の端部が第1サブモジュールと接続される複数の第1接続構造と、第1基材層に設けられ、第1接続構造の他方の端部を固定するために使用される第1固定領域と、をさらに含む。
【0034】
この実施例では、エレクトロクロミック素子は、複数の第1接続構造と、第1基材層に設けられる第1固定領域とをさらに含み、第1接続構造の一方の端部は、第1サブモジュールと接続され、当該第1固定領域は、第1接続構造を固定するために使用される。当該第1固定領域は、制御装置と接続されてもよい。さらに第1接続構造によって、第1サブモジュールへの制御信号の伝達を実現させるとともに、第1サブモジュールからの検知信号の受信を実現させることができる。これによって、エレクトロクロミック素子の局所変色と局所タッチの機能が実現され、変色方式とタッチ方式の柔軟性が向上する。また、第1固定領域を利用して複数の第1接続構造を固定することによって、エレクトロクロミック素子の配線を乱雑にならずに明瞭にすることができる。
【0035】
本願の一実施例では、第1導電層は第1面内細導電層をさらに含み、第1導電層には、第1接続線が配置されている。第1面内細導電層と第1接続線との組み合わせは、第1接続構造となる。第1面内細導電層は、第1接続線の一方の端部及び第1サブモジュールと接続され、第1接続線の他方の端部は、第1固定領域に固定される。そのうち、第1面内細導電層は、幅が細く設計され、リード線として機能することができる。第1接続構造の一部を面内細導電層として設計することによって、リード線の利用によりエレクトロクロミック素子の表示効果に影響を与えることが避けられる。
【0036】
もちろん、第1面内細導電層はリード線であってもよい。しかし、リード線である場合に、リード線は幅が細く設計される必要がある。
【0037】
本願の一実施例では、当該エレクトロクロミック素子は、一方の端部が第2サブモジュールと接続される複数の第2接続構造と、第2基材層に設けられ、第2接続構造の他方の端部を固定するために使用される第2固定領域と、をさらに含む。
【0038】
この実施例では、エレクトロクロミック素子は、複数の第2接続構造と、第2基材層に設けられる第2固定領域とをさらに含み、第2接続構造の一方の端部は、第2サブモジュールと接続され、当該第2固定領域は、第2接続構造を固定するために使用される。当該第2固定領域は、制御装置と接続されてもよい。さらに第2接続構造によって、第2サブモジュールへの制御信号の伝達を実現させるとともに、第2サブモジュールからの検知信号の受信を実現させることができる。これによって、エレクトロクロミック素子の局所変色と局所タッチの機能が実現され、変色方式とタッチ方式の柔軟性が向上する。また、第2固定領域を利用して複数の第2接続構造を固定することによって、エレクトロクロミック素子の配線を乱雑にならずに明瞭にすることができる。
【0039】
本願の一実施例では、第2導電層は第2面内細導電層をさらに含み、第2導電層には、第2接続線が配置されている。第2面内細導電層と第2接続線との組み合わせは、第2接続構造となる。第2面内細導電層は、第2接続線の一方の端部及び第2サブモジュールと接続され、第2接続線の他方の端部は、第2固定領域に固定される。そのうち、第2面内細導電層は、幅が細く設計され、リード線として機能することができる。第2接続構造の一部を面内細導電層となるように設計することによって、リード線の利用によりエレクトロクロミック素子の表示効果に影響を与えることが避けられる。
【0040】
もちろん、第2面内細導電層はリード線であってもよい。しかし、リード線である場合に、リード線は幅が細く設計される必要がある。
【0041】
本願の一実施例では、当該エレクトロクロミック素子は、一方の端部が第1導電領域と接続され、他方の端部が第1固定領域に固定される第3接続構造をさらに含む。
【0042】
この実施例では、エレクトロクロミック素子は、複数の第3接続構造をさらに含み、第3接続構造は、一方の端部が第1導電領域と接続され、他方の端部が第1固定領域に固定される。さらに第3接続構造によって、第1導電領域への制御信号の伝達を実現させるとともに、第1導電領域からの検知信号の受信を実現させることができる。これによって、エレクトロクロミック素子の第1導電領域の変色とタッチの機能が実現され、変色方式とタッチ方式の柔軟性が向上する。
【0043】
本願の一実施例では、当該エレクトロクロミック素子は、一方の端部が第2導電領域と接続され、他方の端部が第2固定領域に固定される第4接続構造をさらに含む。
【0044】
この実施例では、エレクトロクロミック素子は、複数の第4接続構造をさらに含み、第4接続構造は、一方の端部が第2導電領域と接続され、他方の端部が第2固定領域に固定される。さらに第4接続構造によって、第2導電領域への制御信号の伝達を実現させるとともに、第2導電領域からの検知信号の受信を実現させることができる。これによって、エレクトロクロミック素子の第2導電領域の変色とタッチの機能が実現され、変色方式とタッチ方式の柔軟性が向上する。
【0045】
本願の一実施例では、当該エレクトロクロミック素子は、第1固定領域及び第2固定領域と可動的に接続され、第1変色領域の色の変化を制御するように第1制御モジュール及び第2制御モジュールの導通を制御するために使用される制御装置をさらに含む。
【0046】
この実施例では、制御装置は、第1固定領域及び第2固定領域と接続されることによって、第1接続構造及び第2接続構造と接続される。制御装置は、第1接続構造を介して制御信号を第1制御モジュールに送信するとともに、第2接続構造を介して制御信号を第2制御モジュールに送信することによって、エレクトロクロミック素子の局所変色の機能を実現させる。あるいは、制御装置は、第1接続構造を介して第1制御モジュールから送信された検知信号を受信するとともに、第2接続構造を介して第2制御モジュールから送信された検知信号を受信することによって、エレクトロクロミック素子の局所タッチの機能を実現させる。上記の方式により、変色方式とタッチ方式の柔軟性が向上する。
【0047】
説明すべきことは、以下の点である。制御装置と第1固定領域及び第2固定領域とは可動的に接続され、制御装置は、第1固定領域及び/又は第2固領域に対して回転可能である。当該エレクトロクロミック素子が電子機器のカバー板に適用される場合に、制御装置は、電子機器内に係合することができ、実用性が向上する。
【0048】
本願の一実施例では、制御装置は、第2変色領域の色の変化を制御するように第1導電領域及び第2導電領域の導通を制御するためにも使用される。
【0049】
この実施例では、制御装置は、第1固定領域及び第2固定領域と接続されることによって、第3接続構造及び第4接続構造と接続される。制御装置は、第3接続構造を介して制御信号を第1導電領域に送信するとともに、第4接続構造を介して制御信号を第2導電領域に送信することによって、エレクトロクロミック素子の導電領域の変色の機能を実現させる。あるいは、制御装置は、第3接続構造を介して第1導電領域から送信された検知信号を受信するとともに、第4接続構造を介して第2導電領域から送信された検知信号を受信することによって、エレクトロクロミック素子の導電領域のタッチの機能を実現させる。上記の方式により、変色方式とタッチ方式の柔軟性が向上する。
【0050】
具体的な実施例では、図2図5に示すように、第1接続構造は、第1面内細導電層3022と受信モジュール縁部リード線3024(即ち、第1接続線)とを含み、第1面内細導電層3022は、第1横方向制御モジュール302と受信モジュール縁部リード線3024とを連通するために使用される。第2接続構造は、第2面内細導電層4022と送信モジュール縁部リード線4024(即ち、第2接続線)とを含み、第2面内細導電層4022は、第2縦方向制御モジュール404と送信モジュール縁部リード線4024とを連通するために使用される。
【0051】
第3接続構造3026は、上導電領域202と第1固定領域3028とを接続するために使用され、第4接続構造4026は、下導電領域204と第2固定領域4028とを接続するために使用される。第3接続構造3026及び第4接続構造4026は両方ともリード線である。
【0052】
受信モジュール縁部リード線3024、送信モジュール縁部リード線4024、第3接続構造3026、第4接続構造4026は、金属であるAg、銅Cuなどの抵抗の低い導電物質であってもよい。
【0053】
図6は、エレクトロクロミック素子の上層基材102と下層基材104の組み合わせを電子機器のカバー板902に設けた構造図である。図7は、図6におけるC領域の拡大図である。図6図7に示すように、制御装置602は、上層基材102及び下層基材104と可動的に接続される。制御装置602は、フレキシブルプリントサーキット(Flexible Printed Circuit,FPC)6022、制御チップ及び周辺部品6024、FPCインタフェース6026を含み、そのうち、FPCインタフェース6026は、電子機器のマザーボードと係合され、電子機器との通信を実現させる。
【0054】
一方、制御装置602は、第1固定領域3028を介して受信モジュール縁部リード線3024と連通され、第2固定領域4028を介して送信モジュール縁部リード線4024と連通される。制御装置602は、電子機器のマザーボードから送信された制御信号を受信した後、制御信号を受信モジュール縁部リード線3024及び送信モジュール縁部リード線4024を介して第1横方向制御モジュール302及び第1縦方向制御モジュール402に送信する。これによって、エレクトロクロミック素子の局所色表示が実現される。あるいは、制御装置602は、受信モジュール縁部リード線3024及び送信モジュール縁部リード線4024を介して第1横方向制御モジュール302及び第1縦方向制御モジュール402の検知信号を電子機器のマザーボードに送信する。これによって、電子機器のマザーボードは、それに応じてタッチ入力に対して処理を行うことができる。
【0055】
他方、制御装置602は、電子機器のマザーボードから送信された制御信号を受信した後、制御信号を第3接続構造3026及び第4接続構造4026を介して上導電領域202及び下導電領域204に送信する。これによって、エレクトロクロミック素子の導電領域の色表示が実現される。あるいは、制御装置602は、第3接続構造3026及び第4接続構造4026を介して上導電領域202及び下導電領域204の検知信号を電子機器のマザーボードに送信する。これによって、電子機器のマザーボードは、それに応じて導電領域上で発生したタッチ入力に対して処理を行うことができる。
【0056】
本願の一実施例では、当該エレクトロクロミック素子は、隣接する2つの第1制御ユニット又は隣接する2つの第2制御ユニットを離隔させる少なくとも1つのエレクトロクロミック離隔層をさらに含む。
【0057】
この実施例では、エレクトロクロミック素子は、エレクトロクロミック離隔層をさらに含む。当該エレクトロクロミック離隔層は、第1制御モジュールに対して垂直に設けられることで、隣接する2つの第1制御ユニットを離隔させる。あるいは、当該エレクトロクロミック離隔層は、第2制御モジュールに対して垂直に設けられることで、隣接する2つの第2制御ユニットを離隔させる。上記の方式により、局所ユニットの個別な変色を実現させ、変色したユニットが、それに隣接する変色していないユニットに影響を与えることを避け、表示効果を向上させることができる。
【0058】
本願の一実施例では、当該エレクトロクロミック素子は、第1基材層及び第2基材層と接続される密封構造をさらに含む。
【0059】
この実施例では、エレクトロクロミック素子は、密封構造をさらに含む。密封構造は、第1基材層と第2基材層とを接続し、第1基材層と第2基材層との間に設けられる構造を密封することで、ダストや水などの物質による第1基材層と第2基材層との間に設けられる構造の汚れを避ける。
【0060】
具体的な実施例では、図8は、図6のD-Dに沿った断面図であり、図9は、図8におけるE領域の拡大図であり、図10は、図8におけるF領域の拡大図である。図8図10に示すように、エレクトロクロミック層502は、エレクトロクロミック材料層5022、イオン貯蔵層5024及び電解質層5026を含む。イオン貯蔵層5024は、エレクトロクロミック材料層5022にイオンを提供するために使用される。電解質層5026は、エレクトロクロミック材料層5022とイオン貯蔵層5024との間に設けられ、イオンのエレクトロクロミック材料層5022とイオン貯蔵層5024との間での伝達のためのモジュールとして機能する。説明すべきことは、エレクトロクロミック層502は従来技術においてかなり成熟しているので、ここでは説明を省略する点である。
【0061】
エレクトロクロミック素子は、複数のエレクトロクロミック離隔層702(即ち、エレクトロクロミック離隔柱)がさらに設けられている。当該エレクトロクロミック離隔層702は、第1制御モジュールに対して垂直に設けられることで、第1横方向制御モジュール302における隣接する2つのサブ受信ユニットを離隔させる。あるいは、当該エレクトロクロミック離隔層702は、第2制御モジュールに対して垂直に設けられることで、第1縦方向制御モジュール402における隣接する2つのサブ送信ユニットを離隔させる。2つのエレクトロクロミック離隔層702の間に位置するサブユニットは、制御モジュールによって個別的に制御される。これによって、局所ユニットの個別的な変色を実現させ、変色したユニットとそれに隣接する変色していないユニットとを区別することができる。エレクトロクロミック離隔層702には、フォトレジスト等の材料が採用されてもよい。
【0062】
エレクトロクロミック素子は密封構造、即ち縁部シーラント802をさらに含む。縁部シーラント802は、密封作用を有し、ダストや水などの物質によるエレクトロクロミック素子の汚れを避ける。
【0063】
本願の実施例では、制御装置602によって、サブユニットを点灯させて変色を実現させるか否かを行単位で制御する。サブユニットの大きさは、表示の要求に応じて設計される。例えば、大きさが4mmである指一本で電子機器の裏面を利用してゲームをする場合には、第1横方向制御モジュール302と第1縦方向制御モジュール402のそれぞれ9つだけのサブユニットが必要になる。
【0064】
図2図10には、サブ受信モジュールが6行3列であり、サブ送信モジュールが6行3列であることを例として説明したが、必要に応じてn行、m列に設計してもよい。図11に示すように、必要に応じて複数の行と複数の列に設計し、サブユニットの大きさを小さくしてピクセル点を形成し、各点の点灯制御によって全体的なパターンの表示を実現させる。符号1102は局所サブユニットを点灯させたパターンであり、符号1104は最終表示パターンである。行列の電圧によって各サブユニットの変色を制御し、所望のパターンを表示させる。具体的には、行単位でRX1~RX(n)、TX1~TX(m)に対して時分割で導通制御を行う。変色技術は、ミリ秒以内に変色を完了し、パターンの形成を迅速に実現させることができる。例えば、クロックの表示を実現させる場合に、局所のエレクトロクロミック制御を行うことによって、変色していないものと色が違うパターンを表示させる。それと同時に、相互容量タッチ機能を実現させるために、タッチの時にサブ送信モジュールにより信号を出力し、サブ受信モジュールにより信号を受信し、そして制御装置によって処理を行うことでタッチの位置を検出する必要がある。説明すべきことは、サブ受信モジュールを上層と下層との一方に設計し、サブ送信モジュールを上層と下層との他方に設計してもよい点である。
【0065】
本願の実施例では、上下層基材における制御モジュールを小さな制御ユニットに分割し、小さな制御ユニットのそれぞれに対して制御を行うことで局所変色と局所タッチの機能を実現させる。また、離隔層を加えることで、小さな制御ユニットに対する個別的な変色制御を実現させ、表示効果を向上させる。さらに、個別的な制御装置を設計し、時分割多元接続により、表示、タッチ、及びエレクトロクロミック素子の全体に対して制御を行う。
【0066】
本願の実施例は、カバー板と、カバー板に設けられる上記の実施例に記載のエレクトロクロミック素子とを含む電子機器をさらに提供する。
【0067】
この実施例では、図8に示すように、電子機器は、カバー板902と上記の実施例に記載のエレクトロクロミック素子とを含み、エレクトロクロミック素子は、カバー板902に設けられる。具体的には、カバー板902は、エレクトロクロミック素子の上層基材102と貼合される。上記の方式により、例えば、時間や他のパターンなどを電子機器のカバー板902に表示させるなどの電子機器のカバー板902の局所パターン可変機能、及び電子機器のカバー板902の局所タッチ操作機能を実現させ、電子機器のパワーセーブの目的を達成し、電子機器のカバー板の機能を増加させ、電子機器の差別化を実現させることができる。
【0068】
説明すべきことは、本願の実施例における電子機器のカバー板は、2Dカバー板、3Dカバー板などであってもよい点である。
【0069】
本願の一実施例では、当該電子機器は、エレクトロクロミック素子をカバー板に接着させるために使用される接続部品をさらに含む。
【0070】
この実施例では、図9図10に示すように、カバー板902とエレクトロクロミック素子の上層基材102との間には、例えば光学両面テープなどの接続部品904が設けられている。即ち、両面テープによりカバー板902を上層基材102に接着させ、電子機器のカバー板902の局所色表示と局所タッチ機能を実現させる。
【0071】
具体的な実施例では、図12に示すように、本願の実施例に係る電子機器は、第1画像表示領域1202と第2パターン表示領域1204に分けられる。第1画像表示領域1202は、カバー板902、上層基材102、上導電領域202、エレクトロクロミック材料層5022、電解質層5026、イオン貯蔵層5024、下導電領域204、下層基材104を含む。第2パターン表示領域1204は、カバー板902、上層基材102、第1横方向制御モジュール302と第2横方向制御モジュール304、エレクトロクロミック材料層5022、電解質層5026、イオン貯蔵層5024、第1縦方向制御モジュール402と第2縦方向制御モジュール404、下層基材104を含む。
【0072】
当該電子機器は、可動型の電子機器であっても、又は非可動型の電子機器であってもよい。例示的に、可動型の電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、携帯情報端末、車載電子機器、ウェアラブル機器、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer,UMPC)、ネットブック又はパーソナルディジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA)等であってもよく、非可動型の電子機器は、サーバ、ネットワーク接続型ストレージ(Network Attached Storage,NAS)、パーソナルコンピュータ(personal computer,PC)、テレビジョン(television,TV)、現金自動預払機又はキオスク等であってもよく、本願の実施例では具体的に限定しない。
【0073】
説明すべきことは、本明細書において、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句「1つの……を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。また、本願の実施形態における方法及び装置の範囲は、ここで示された又は議論された順番に機能を実行することに限定されず、関連する機能によっては、ほぼ同時に、或いは反対の順番に機能を実行することをさらに含んでもよい。例えば、説明順と異なる順番に上記の方法を実行してもよく、さらに、各ステップを添加し、省略し、又は組み合わせてもよい。また、一部の例示を参照して説明した特徴を、他の例示に組み合わせてもよい。
【0074】
以上の実施形態に対する説明によって、当業者であれば上記実施例の方法がソフトウェアと必要な共通ハードウェアプラットフォームとの組合せという形態で実現できることを明確に理解可能であり、当然ながら、ハードウェアによって実現してもよいが、多くの場合において前者はより好ましい実施形態である。このような見解をもとに、本願の技術的解決手段は実質的に又は従来技術に寄与する部分はソフトウェア製品の形で実施することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器等であってもよい)に本願の各実施例に記載の方法を実行させる複数の命令を含む。
【0075】
以上、図面を参照しながら本願の実施例を説明したが、本願は上記の具体的な実施形態に限定されず、上記の具体的な実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、本願の示唆をもとに、当業者が本願の趣旨及び特許請求の保護範囲から逸脱せずに得る多くの形態は、いずれも本願の保護範囲に属するものとする。
図1
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