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特許7584684機械学習装置、WBS作成装置、機械学習方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】機械学習装置、WBS作成装置、機械学習方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20241108BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20241108BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/10 310
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023576619
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 JP2022038871
(87)【国際公開番号】W WO2023145158
(87)【国際公開日】2023-08-03
【審査請求日】2024-01-05
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/003585
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】西本 一平
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-176010(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112685804(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112069417(CN,A)
【文献】大島 丈史,プロジェクトマネジメントへのAI活用の知識分類モデル,Journal of International Association of P2M,Vol.13 No.1, 2018,2018年,p.121-141
【文献】内平直志,人工知能とプロジェクトマネジメント,IEICE Fundamentals Review [online],Vol.13 No.4,2020年05月10日,p.277-283,[2022年4月12日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20200510011451/https://www.jstage.jst.go.jp/article/essfr/13/4/13_277/_pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準規格のWBSワークパッケージに関する第1情報と、前記標準規格に対応するプロジェクトのWBSワークパッケージに関する第2情報と、前記標準規格に対応するプロジェクトのプロセス診断結果に関する第3情報とを取得する取得部と、
前記第1情報と前記第2情報と前記第3情報とに基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことにより、前記第1情報と前記第2情報と前記第3情報とを関連付けた、WBSの作成に用いられる関連情報を生成する学習制御部と
を備える、機械学習装置。
【請求項2】
請求項1に記載の機械学習装置であって、
前記関連情報は、前記WBSワークパッケージの内容を含む、機械学習装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の機械学習装置であって、
前記関連情報は、前記WBSワークパッケージ同士を関連付けるトレース情報を含む、機械学習装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の機械学習装置であって、
前記関連情報は、前記標準規格及び前記プロジェクトの少なくともいずれか1つの用語及び名称の少なくともいずれか1つを含む、機械学習装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の機械学習装置であって、
前記関連情報は、診断情報の用語及び名称の少なくともいずれか1つを含む、機械学習装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の機械学習装置であって、
前記取得部は、ネットワークから前記第1情報及び前記第2情報を取得する、機械学習装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の機械学習装置であって、
前記第2情報が取得される前記プロジェクトは、現在のプロジェクトを含む、機械学習装置。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の機械学習装置であって、
前記機械学習装置はクラウドサーバーに設けられている、機械学習装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の機械学習装置を備え、
現在のプロジェクトの情報と、前記関連情報とに基づいて、前記現在のプロジェクトのWBSを作成する、WBS作成装置。
【請求項10】
取得部が、標準規格のWBSワークパッケージに関する第1情報と、前記標準規格に対応するプロジェクトのWBSワークパッケージに関する第2情報と、前記標準規格に対応するプロジェクトのプロセス診断結果に関する第3情報とを取得し、
学習制御部が、前記第1情報と前記第2情報と前記第3情報とに基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことにより、前記第1情報と前記第2情報と前記第3情報とを関連付けた、WBSの作成に用いられる関連情報を生成する、機械学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械学習装置、WBS作成装置、機械学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品を開発するプロジェクトは、顧客が要求する品質、価格及び期限を満たす製品を作成する活動である。しかしながら、プロジェクトの中でも特にソフトウェア開発では、システムに組み込まれるまで顧客が要求する品質、価格及び期限を満たした活動が計画的に遂行されているか否かを判断することが難しい。このような課題を抱えているソフトウェア開発では、WBS(Work Breakdown Structure)を活用することが提案されている。
【0003】
WBSは、プロジェクトの開始から完了までのすべての作業を抜け漏れなく洗い出すことが可能な仕組みである。しかしながら、近年のプロジェクトでは、WBSワークパッケージ数が増加し、WBSワークパッケージ間の繋がりの複雑さが増加している傾向にある。さらに、同じ組織の中で、品質特性に差異がある製品を並行して作成する場合もある。品質特性の中でも特に性能及び拡張性、運用及び保守性、システム環境及びエコロジーを求められる標準規格の準拠の差異は、プロジェクトに対するWBSの作成を困難化させている。
【0004】
このような問題を解決するために様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、成果物には管理IDが付与され、管理IDにはトレース情報が付随され、トレース情報がトレーサビリティID記録端末に登録される技術が提案されている。特許文献2には、状態変数及び判定データを教師データとして用いる教師あり学習が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-5802号公報
【文献】特開2017-188030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、有識者が、顧客から受けた要求を分析し、組織の過去のプロジェクト実績から抽出した最適な再利用資産から、WBSのベースを作成することが一般的である。しかしながら、この作成方法では、有識者のスキルに依存する要素が多く、また、限られた時間でWBSのベースに顧客から受けた要求を適宜組み込みつつ、標準規格の準拠の整合性を確立することは困難である。
【0007】
そこで、このような問題に対して、標準規格の情報に基づいて学習を行うことが考えられるが、標準規格の情報だけでは適切なWBSを作成できないという問題があった。
【0008】
そこで、本開示は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、適切な汎用WBSを作成可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る機械学習装置は、標準規格のWBSワークパッケージに関する第1情報と、前記標準規格に対応するプロジェクトのWBSワークパッケージに関する第2情報と、前記標準規格に対応するプロジェクトのプロセス診断結果に関する第3情報とを取得する取得部と、前記第1情報と前記第2情報と前記第3情報とに基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことにより、前記第1情報と前記第2情報と前記第3情報とを関連付けた、WBSの作成に用いられる関連情報を生成する学習制御部とを備える。

【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、標準規格のWBSワークパッケージに関する第1情報と、標準規格に対応するプロジェクトのWBSワークパッケージに関する第2情報と、標準規格に対応するプロジェクトのプロセス診断結果に関する第3情報とに基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことにより関連情報を生成する。このような構成によれば、適切な汎用WBSを作成することができる。
【0011】
本開示の目的、特徴、局面及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る機械学習装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る機械学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図3】実施の形態1に係るID管理テーブルの一例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る機械学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5】実施の形態1に係る用語管理テーブルの一例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る機械学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7】実施の形態1に係る汎用WBSタスクテーブルの一例を示す図である。
図8】実施の形態1に係る汎用WBSリンクテーブルの一例を示す図である。
図9】実施の形態1に係るリンク種別の一例を示す図である。
図10】ニューラルネットワークの構成例を示す図である。
図11】実施の形態2に係るWBS作成装置の構成の一例を示すブロック図である。
図12】実施の形態2に係る情報入力部の入力画面の一例を示す図である。
図13】実施の形態2に係る情報出力部の出力画面の一例を示す図である。
図14】実施の形態2に係る情報出力部の出力画面の一例を示す図である。
図15】その他の変形例に係る機械学習装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図16】その他の変形例に係る機械学習装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係る機械学習装置の構成の一例を示すブロック図である。図1の機械学習装置は、規格管理部101と、汎用WBS制御部105と、資産管理部111と、診断管理部121とを含む。規格管理部101、汎用WBS制御部105、資産管理部111、及び、診断管理部121の少なくともいずれかは、1つの端末に設けられてもよいし、複数の端末に分散して設けられてもよい。また、図1の機械学習装置はクラウドサーバーに設けられてもよい。
【0014】
規格管理部101は、標準規格のWBSワークパッケージに関する第1情報を管理する。資産管理部111は、標準規格に対応するプロジェクトのWBSワークパッケージに関する第2情報を管理する。診断管理部121は、標準規格に対応するプロジェクトのプロセス診断結果の評定結果に関する第3情報を管理する。標準規格に対応するプロジェクトは、例えば、標準規格を再利用したプロジェクトなどを含む。以下の説明では、標準規格に対応するプロジェクトを単に「プロジェクト」とのみ記載することもある。第1情報は、標準規格のWBSワークパッケージそのものを含んでもよいし、第2情報は、プロジェクトのWBSワークパッケージそのものを含んでもよい。
【0015】
汎用WBS制御部105は、規格管理部101及び資産管理部111で管理されている第1情報、第2情報及び第3情報に基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことにより、第1情報、第2情報及び第3情報を関連付ける関連情報を生成する。WBSワークパッケージに関する学習は、WBSワークパッケージそのものの学習であってもよい。
【0016】
この学習により生成される関連情報は、汎用WBSの作成などに用いられる。本実施の形態1に係る関連情報は、ID管理テーブル106、用語管理テーブル107、汎用WBSタスクテーブル108、及び、汎用WBSリンクテーブル109の少なくともいずれか1つを含む。しかしながら、関連情報はこれらに限ったものではなく、例えば、これらテーブル以外のテーブルを含んでもよい。
【0017】
規格管理部101は、例えば、規格情報テーブル102と、規格用語テーブル103と、規格関連テーブル104とを、第1情報として管理する。規格情報テーブル102には、標準規格に定義された情報に基づいた技術系プロセス活動、管理系プロセス活動、及び、支援系プロセス活動を含むWBSワークパッケージが登録される。規格用語テーブル103には、標準規格に定義された用語の意味が登録される。規格関連テーブル104には、標準規格の名称と関連する他の標準規格の名称とが登録される。
【0018】
資産管理部111は、例えば、資産情報テーブル112と、資産用語テーブル113と、資産関連テーブル114とを、第2情報として管理する。資産情報テーブル112には、過去のプロジェクトで実行した技術系プロセス活動、管理系プロセス活動、及び、支援系プロセス活動を含むWBSワークパッケージが登録される。資産用語テーブル113には、プロジェクトで定義された用語の意味が登録される。資産関連テーブル114には、プロジェクトで準拠する標準規格の再利用によって生成されるプロジェクトの名称が登録される。
【0019】
診断管理部121は、例えば、診断情報テーブル122と、診断用語テーブル123と、診断関連テーブル124とを、第3情報として管理する。診断情報テーブル122には、過去のプロジェクトで診断した技術系プロセス活動、管理系プロセス活動、及び、支援系プロセス活動を含む評定結果が登録される。診断用語テーブル123には、プロジェクトで定義された用語の意味が登録される。診断関連テーブル124には、プロジェクトで準拠する標準規格の再利用によって生成されるプロジェクトの名称が登録される。
【0020】
汎用WBS制御部105は、取得部105aと、学習制御部105bとを含む。取得部105aは、規格管理部101から第1情報を取得し、資産管理部111から第2情報を取得し、診断管理部121から第3情報を取得する。なお、取得部105aは、ネットワークから第1情報、第2情報及び第3情報を取得してもよい。
【0021】
学習制御部105bは、機械学習機能を有しており、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことにより、第1情報、第2情報及び第3情報を関連付ける関連情報を生成する。本実施の形態1に係る関連情報は、ID管理テーブル106、用語管理テーブル107、汎用WBSタスクテーブル108、及び、汎用WBSリンクテーブル109の少なくともいずれか1つを含む。
【0022】
ID管理テーブル106は、標準規格またはプロジェクトを識別する識別子と、それと関連する標準規格またはプロジェクトの識別子と、標準規格またはプロジェクトの名称と、バージョン管理とを記録するテーブルである。つまり、ID管理テーブル106は、標準規格及びプロジェクトの少なくともいずれか1つの名称を含む。
【0023】
用語管理テーブル107は、標準規格またはプロジェクトを識別する識別子と、それと同じ用語を用いる他の標準規格またはプロジェクトを識別する識別子と、定義された用語とを記録するテーブルである。つまり、用語管理テーブル107は、標準規格及びプロジェクトの少なくともいずれか1つの用語を含む。
【0024】
汎用WBSタスクテーブル108は、汎用WBSに用いられるWBSワークパッケージを識別する識別子と、汎用WBSに用いられるWBSワークパッケージが定義されている標準規格の識別子と、汎用WBSに用いられるWBSワークパッケージの内容とを記録するテーブルである。つまり、汎用WBSタスクテーブル108は、WBSワークパッケージの内容を含む。
【0025】
汎用WBSリンクテーブル109は、汎用WBSに用いられるWBSワークパッケージ間のリンク種別と、リンク元の汎用WBSに用いられるWBSワークパッケージの識別子と、リンク先の汎用WBSに用いられるWBSワークパッケージの識別子とを記録するテーブルである。つまり、汎用WBSリンクテーブル109は、WBSワークパッケージ同士を関連付けるトレース情報を含む。
【0026】
学習制御部105bは、規格情報テーブル102と規格関連テーブル104とを用いて教師あり学習を行うことにより、ID管理テーブル106を生成する。また、学習制御部105bは、資産情報テーブル112と資産関連テーブル114とを用いて強化学習を行うことにより、ID管理テーブル106を強化する。また、学習制御部105bは、診断情報テーブル122と診断関連テーブル124とを用いて強化学習を行うことにより、ID管理テーブル106を強化する。
【0027】
学習制御部105bは、規格用語テーブル103と規格関連テーブル104とを用いて教師あり学習を行うことにより、用語管理テーブル107を生成する。また、学習制御部105bは、資産用語テーブル113と資産関連テーブル114とを用いて強化学習を行うことにより、用語管理テーブル107を強化する。また、学習制御部105bは、診断用語テーブル123と診断関連テーブル124とを用いて強化学習を行うことにより、用語管理テーブル107を強化する。
【0028】
学習制御部105bは、ID管理テーブル106と、用語管理テーブル107と、規格情報テーブル102に記録されている標準規格のWBSワークパッケージの内容とを用いて教師あり学習を行うことにより、汎用WBSタスクテーブル108を生成する。また、学習制御部105bは、ID管理テーブル106と、用語管理テーブル107と、資産情報テーブル112に記録されているプロジェクトのWBSワークパッケージの内容とを用いて強化学習を行うことにより、汎用WBSタスクテーブル108を強化する。また、学習制御部105bは、ID管理テーブル106と、用語管理テーブル107と、診断情報テーブル122に記録されているプロジェクトのプロセス診断結果の内容とを用いて強化学習を行うことにより、汎用WBSタスクテーブル108を強化する。
【0029】
学習制御部105bは、ID管理テーブル106と、用語管理テーブル107と、規格情報テーブル102に記録されている標準規格のWBSワークパッケージの相関情報とを用いて教師あり学習を行うことにより、汎用WBSリンクテーブル109を生成する。また、学習制御部105bは、ID管理テーブル106と、用語管理テーブル107と、資産情報テーブル112に記録されているプロジェクトのWBSワークパッケージの相関情報とを用いて強化学習を行うことにより、汎用WBSリンクテーブル109を強化する。また、学習制御部105bは、ID管理テーブル106と、用語管理テーブル107と、診断情報テーブル122に記録されているプロジェクトのプロセス診断結果の相関情報とを用いて強化学習を行うことにより、汎用WBSリンクテーブル109を強化する。
【0030】
なお、汎用WBSタスクテーブル108及び汎用WBSリンクテーブル109の汎用WBS情報に不足がある場合には、不足する情報が手動で登録されてもよい。また、以上の説明において強化学習の代わりに例えば教師あり学習が行われてもよい。
【0031】
図2は、ID管理テーブル106に関する学習制御部105bの機械学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図3には、ID管理テーブル106の一例が示されている。
【0032】
図示しないが、ID管理テーブル106に関する機械学習処理が開始すると、取得部105aが、規格関連テーブル104、資産関連テーブル114または診断関連テーブル124から標準規格またはプロジェクトの名称などを取得する。以下、取得部105aで取得された名称を「取得名称」と記して説明する。
【0033】
ステップS1にて、学習制御部105bは、取得名称と一致する名称がID管理テーブル106のデータ303及びデータ304に登録されているか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合には図2の処理が終了し、これらが一致しないと判定された場合には処理がステップS2に進む。
【0034】
ステップS2にて、学習制御部105bは、取得名称をデータ303及びデータ304に登録する。例えば、データ303のマスターには取得名称の通称などが登録され、データ304のスレーブには取得名称のバージョンなどが登録される。
【0035】
ステップS3にて、学習制御部105bは、取得名称を識別するための識別子を生成してデータ301に登録する。
【0036】
ステップS4にて、学習制御部105bは、取得名称が示す標準規格またはプロジェクトと関連する過去の標準規格またはプロジェクトが、ID管理テーブル106に登録されているか否かを判定する。例えば、学習制御部105bが、規格情報テーブル102に基づいて、取得名称が示す標準規格が過去の標準規格を流用していると判定した場合に、取得名称が示す標準規格は、過去の標準規格と関連すると判定される。例えば、学習制御部105bが、規格情報テーブル102、資産情報テーブル112及び診断情報テーブル122に基づいて、取得名称が示すプロジェクトが過去のプロジェクトを流用していると判定した場合に、取得名称が示すプロジェクトは、過去のプロジェクトと関連すると判定される。
【0037】
取得名称が示す標準規格またはプロジェクトが、過去の標準規格またはプロジェクトと関連すると判定された場合には処理がステップS5に進む。取得名称の標準規格またはプロジェクトが、過去の標準規格またはプロジェクトと関連しないと判定された場合には図2の処理が終了する。
【0038】
ステップS5にて、学習制御部105bは、過去の標準規格またはプロジェクトの識別子を、それと関連する取得名称のデータ302に登録する。その後、図2の処理が終了する。学習制御部105bが学習を行うことによって、例えばステップS4の判定などが適切化され、図3のID管理テーブル106が適切化される。
【0039】
図4は、用語管理テーブル107に関する学習制御部105bの機械学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図5には、用語管理テーブル107の一例が示されている。
【0040】
用語管理テーブル107に関する学習制御部105bの機械学習処理は、例えば図2のステップS3で識別子が生成された標準規格またはプロジェクトについて行われる。図示しないが当該機械学習処理が開始すると、取得部105aが、規格用語テーブル103、資産用語テーブル113または診断用語テーブル123から、ステップS3で識別子が生成された標準規格またはプロジェクトで使用される用語などを取得する。以下、取得部105aで取得された用語を「取得用語」と記して説明する。
【0041】
ステップS11にて、学習制御部105bは、取得用語と意味が一致する用語が用語管理テーブル107のデータ503に登録されているか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合には処理がステップS12に進み、これらが一致しないと判定された場合には処理がステップS13に進む。
【0042】
ステップS12にて、学習制御部105bは、用語管理テーブル107のデータ501から、ステップS11で取得用語と意味が一致すると判定された用語を使用する過去の標準規格またはプロジェクトの識別子を取得する。
【0043】
ステップS13にて、学習制御部105bは、図2のステップS3にて生成された識別子をデータ501に登録する。学習制御部105bは、ステップS12の処理を行っていた場合には、ステップS12で取得された識別子をデータ502に登録する。
【0044】
ステップS14にて、学習制御部105bは、取得用語をデータ503に登録する。その後、図4の処理が終了する。学習制御部105bが学習を行うことによって、例えばステップS11の判定などが適切化され、図5の用語管理テーブル107が適切化される。
【0045】
図6は、汎用WBSタスクテーブル108及び汎用WBSリンクテーブル109に関する学習制御部105bの機械学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図7には、汎用WBSタスクテーブル108の一例が示され、図8には、汎用WBSリンクテーブル109の一例が示されている。
【0046】
汎用WBSタスクテーブル108及び汎用WBSリンクテーブル109に関する学習制御部105bの機械学習処理は、例えば図2のステップS3で識別子が生成された標準規格またはプロジェクトについて行われる。図示しないが当該機械学習処理が開始すると、取得部105aが、規格情報テーブル102、資産情報テーブル112または診断情報テーブル122から、ステップS3で識別子が生成された標準規格またはプロジェクトで使用されるWBSワークパッケージなどを取得する。以下、取得部105aで取得されたWBSワークパッケージを「取得パッケージ」と記して説明する。
【0047】
ステップS21にて、学習制御部105bは、汎用WBSタスクテーブル108及び汎用WBSリンクテーブル109に、取得パッケージのリンク先となるWBSワークパッケージが登録されているか否かを判定する。取得パッケージのリンク先となるWBSワークパッケージが登録されていると判定された場合には処理がステップS23に進み、取得パッケージのリンク先となるWBSワークパッケージが登録されていないと判定された場合には処理がステップS22に進む。
【0048】
ステップS22にて、学習制御部105bは、汎用WBSタスクテーブル108及び汎用WBSリンクテーブル109に、取得パッケージと活動が同じであるWBSワークパッケージが登録されているか否かを判定する。取得パッケージと活動が同じであるWBSワークパッケージが登録されていると判定された場合には処理がステップS23に進み、取得パッケージと活動が同じであるWBSワークパッケージが登録されていないと判定された場合には図6の処理が終了する。
【0049】
ステップS23にて、学習制御部105bは、タスクIDを生成してデータ701に登録し、図2のステップS3にて生成された識別子をデータ702に登録する。
【0050】
ステップS24にて、学習制御部105bは、取得パッケージの内容をデータ703に登録する。
【0051】
ステップS25にて、学習制御部105bは、WBSワークパッケージのタスク情報に基づいて、リンク種別をデータ801に登録する。また、学習制御部105bは、データ701のうちリンク先となるWBSワークパッケージのタスクIDをデータ802に登録し、データ701のうちリンク元となるWBSワークパッケージのタスクIDをデータ803に登録する。その後、図6の処理が終了する。学習制御部105bが学習を行うことによって、例えばステップS24の登録などが適切化され、図7の汎用WBSタスクテーブル108、及び、図8の汎用WBSリンクテーブル109が適切化される。
【0052】
図9は、図8におけるリンク種別の一例を説明するための図である。リンク種別が0であることは、リンク先がリンク元にとっての次の工程であることを示す。リンク種別が1であることは、リンク先とリンク元とが同等の工程であることを示す。リンク種別が2であることは、リンク先がリンク元の一部の工程であることを示す。
【0053】
図2のステップS1~ステップS5の処理、図4のステップS11~ステップS14の処理、図6のステップS21~ステップS25の処理は、汎用WBSワークパッケージを十分に学習するまで繰り返し実行される。なお、標準規格またはプロジェクトのWBSワークパッケージは、複数のリンク種別のパターンで実装されていることが好ましい。
【0054】
図10は、ニューラルネットワークの構成例を示す図である。学習制御部105bの機械学習は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、デザインレビュー達成度予知を学習してもよい。図10に示されるように、ニューラルネットワークは、1個のニューロンx1、x2、x3、…、xlを含む入力層、m個のニューロンy1、y2、y3、…、ymを含む中間層(隠れ層)、及び、n個のニューロンz1、z2、z3、…、znを含む出力層を含む。なお、図10のニューラルネットワークの構成例では、1層のみの中間層が設けられているが、2層以上の中間層が設けられてもよい。また、学習制御部105bの機械学習(ニューラルネット)に、汎用の計算機またはプロセッサを用いてもよいが、大規模PCクラスター等を適用すると、より高速に処理することが可能である。
【0055】
ニューラルネットワークでは、汎用WBSワークパッケージに関連付けられるID管理テーブル106、用語管理テーブル107、汎用WBSタスクテーブル108または汎用WBSリンクテーブル109の学習、つまり関連情報の学習が行われてもよい。ニューラルネットワークでは、関連情報と、関連情報の正否を示す判定データとの組み合わせに基づく検証結果に従い、いわゆる「教師あり学習」により、標準規格及びプロジェクトのWBSワークパッケージなどを関連付ける関連情報が学習されてもよい。ここで、「教師あり学習」とは、ある入力と結果(ラベル)との組を大量に学習装置に与えることで、それらの検証結果に存在する特徴を学習し、入力から結果を推定するモデル、すなわち、入力と結果との関係性を帰納的に獲得可能な学習をいう。
【0056】
なお、学習制御部105bの機械学習は「教師あり学習」に限ったものではない。例えば、ニューラルネットワークを用いて、正しい関連情報、すなわち、正常に検証基準を満たしているID管理テーブル106、用語管理テーブル107、汎用WBSタスクテーブル108または汎用WBSリンクテーブル109のみを蓄積し、いわゆる「教師なし学習」によって、汎用WBSワークパッケージを学習してもよい。例えば、ID管理テーブル106、用語管理テーブル107、汎用WBSタスクテーブル108または汎用WBSリンクテーブル109の検証結果の達成度合いが極めて高い場合には、「教師なし学習」の手法が有効であると考えられる。
【0057】
ここで、「教師なし学習」とは、入力データのみを大量に与えることで、対応する教師データを与えなくても、入力データがどのような分布をしているかを学習することによって、入力データの圧縮、分類、整形等が可能な学習をいう。この学習によれば、似た検証結果に分類するクラスタリングが可能となる。この結果を用いて何らかの基準を設けてデータを最適にするような出力の割り当てを行えば、出力の予測を実現することが可能となる。
【0058】
また、「教師なし学習」と「教師あり学習」との中間的な「半教師あり学習」と呼ばれる学習によって、汎用WBSワークパッケージを学習してもよい。「半教師あり学習」では、例えば、一部のみ入力と出力のデータの組が存在し、それ以外は入力のみのデータが存在する場合に有効である。
【0059】
<実施の形態1のまとめ>
以上のような本実施の形態1によれば、標準規格のWBSワークパッケージに関する第1情報だけでなく、プロジェクトのWBSワークパッケージに関する第2情報、及び、プロジェクトのプロセス診断結果に関する第3情報にも基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことによって関連情報を生成する。このような構成によれば、例えば、第1情報で不足する内容を第2情報または第3情報で補うことが可能となるため、WBSワークパッケージに関する学習を適切に行うことができ、その結果として、適切な汎用WBSを作成可能な関連情報を生成することができる。すなわち、検証結果の達成を高める要因が複雑であり、また、プロジェクトのWBSワークパッケージを予め設定するのが困難な場合であっても、高精度のWBSを作成可能な予知モデルを生成することが可能となる。
【0060】
なお、学習制御部105bは、上記WBSワークパッケージに関する学習として、ID管理テーブル106、用語管理テーブル107、汎用WBSタスクテーブル108または汎用WBSリンクテーブル109を学習してもよい。また、学習制御部105bは、同一の開発現場で稼働する複数の規格管理部101、複数の資産管理部111及び複数の診断管理部121から取得される第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、WBSワークパッケージに関する学習を行ってもよい。また、学習制御部105bは、異なる開発現場で独立して稼働する複数の規格管理部101、複数の資産管理部111及び複数の診断管理部121から取得される第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、WBSワークパッケージに関する学習を行ってもよい。また、規格管理部101、資産管理部111及び診断管理部121のいずれかが、第1情報、第2情報及び第3情報が取得される対象に途中で追加されてもよいし、当該対象から途中で除去されてもよい。
【0061】
なお、複数の汎用WBS制御部105において検証結果は共有(共用)されてもよい。第1例として、同一のニューラルネットワークのモデルが複数の汎用WBS制御部105において共有されてもよい。具体的には、複数の汎用WBS制御部105の間の差分を反映させるためのネットワークの各重み係数が、通信手段を用いて送信されてもよい。第2例として、ニューラルネットワークの入力と出力との検証結果を共有することにより、機械学習の重み等が共有されてもよい。第3例として、予め用意されたデータベースにアクセスして、より妥当なニューラルネットワークのモデルをロードすることで、同じようなモデルが用いられるように状態が共有されてもよい。なお、複数の汎用WBS制御部105の検証結果の共有は、第1例~第3例に限ったものではない。
【0062】
<実施の形態2>
図11は、本実施の形態2に係るWBS作成装置の構成の一例を示すブロック図である。以下、本実施の形態2に係るWBS作成装置は、プロジェクトの固有WBSワークパッケージを作成する固有WBS作成装置であるものとして説明する。また以下では、本実施の形態2に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じまたは類似する参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0063】
図11に示されるように、本実施の形態2に係るWBS作成装置は、実施の形態1で説明した図1の機械学習装置に、情報入力部1101と、固有WBS制御部1102と、情報出力部1103とが追加された構成と同様である。
【0064】
情報入力部1101は、現在のプロジェクト、または、現在のプロジェクトと対応する標準規格などを入力情報として取得する。固有WBS制御部1102は、入力情報に基づいて、汎用WBS制御部105から機械学習によって作成された汎用WBSワークパッケージなどの関連情報を取得する。固有WBS制御部1102は、入力情報と、関連情報とに基づいて、プロジェクトの開発規模や変化度合いに応じた現在のプロジェクトの固有WBSワークパッケージまたは固有WBSを作成する。情報出力部1103は、固有WBS制御部1102で作成された固有WBSワークパッケージまたは固有WBSを出力する。
【0065】
なお本実施の形態2において、機械学習で用いられる第2情報が取得されるプロジェクトは、実施の形態1のように過去のプロジェクトであってもよいし、情報入力部1101に入力される現在の新規のプロジェクトであってもよい。
【0066】
また、本実施の形態2のように固有WBSワークパッケージを作成する構成において、ニューラルネットワークモデルが用いられてもよい。例えば、出力層は、ニューラルネットワークの入力層に入力される検証結果と、汎用WBSワークパッケージに対する達成の合否を表す情報または有効とされるWBSワークパッケージとの親和性を算出してもよい。そして、出力層が、当該親和性に基づいて、汎用WBSワークパッケージに対する達成の合否を表す情報または有効とされるWBSワークパッケージを出力してもよい。
【0067】
図12は、情報入力部1101の入力画面の一例を示す図である。主要WBS選択画面1201は、汎用WBS制御部105のID管理テーブル106から取得したプロジェクトの名称を選択可能に表示する。プロジェクトの名称の表示として、全てのプロジェクトの名称が一覧で表示されてもよいし、プロジェクトの名称がプルダウン形式で表示されてもよい。
【0068】
統合対象WBS選択画面1202は、汎用WBS制御部105のID管理テーブル106から取得した標準規格の名称を選択可能に表示する。標準規格の名称の表示として、全てのプロジェクトの名称が一覧で表示されてもよいし、プロジェクトの名称がプルダウン形式で表示されてもよい。また、統合対象WBS選択画面1202は、主要WBS選択画面1201でプロジェクトが表示された場合に、当該プロジェクトと関連付けられた標準規格(例えばプロジェクトが準拠する標準規格)を、予めチェックを付した状態で表示してもよい。また、統合対象WBS選択画面1202は、プロジェクトに関連付けられた標準規格を、必要に応じて追加または削除して表示してもよい。
【0069】
図13は、情報出力部1103の出力画面の一例を示す図である。固有WBS制御部1102は、汎用WBS制御部105の汎用WBSタスクテーブル108及び汎用WBSリンクテーブル109に登録された汎用WBSワークパッケージから、情報入力部1101で選択されたプロジェクトと関連付けられた標準規格を取得する。そして、固有WBS制御部1102は、入力情報と、取得された標準規格とに基づいて固有WBSを作成し、固有WBS出力画面1301は、作成された固有WBSを表示する。
【0070】
プロジェクトに新たに追加されたWBSワークパッケージが存在する場合には、固有WBS出力画面1301は、追加されたWBSワークパッケージを強調表示してもよい。また、プロジェクトに新たに追加されたWBSワークパッケージが複数存在する場合に、情報出力部1103は、それらから一つのWBSワークパッケージを選択できるように構成されてもよい。
【0071】
固有WBS出力画面1302は、選択されたWBSワークパッケージのプロジェクトの出力を開始するためのボタンである。出力形式は、テキストであってもよいし、他のプリケーションツールに応じたファイル形式であってもよい。
【0072】
なお本実施の形態2では、情報入力部1101及び情報出力部1103の表示が、一の画面で選択的に表示されるように構成されており、固有WBS出力画面1303は、図12の表示に戻るためのボタンである。固有WBS出力画面1304は、WBS作成装置の動作を終了するためのボタンである。
【0073】
図14は、情報出力部1103の出力画面の一例を示す図であり、具体的にはプロジェクトに新たに追加されたWBSワークパッケージが複数存在する場合の選択画面の一例を示す図である。主要WBS確定画面1401は、情報入力部1101の主要WBS選択画面1201で選択されたプロジェクトなどの名称を表示する。
【0074】
WBSワークパッケージ選択画面1402は、選択されたプロジェクトに該当する複数のWBSワークパッケージの名称を選択可能に例えば一覧などで表示する。WBSワークパッケージ選択画面1402は、主要WBS確定画面1401でプロジェクトが表示された場合に、当該プロジェクトに新たに追加された複数のWBSワークパッケージを、予めチェックを付した状態で表示してもよい。
【0075】
なお、実運用上、プロジェクトに新たに追加されたWBSワークパッケージが存在しない場合がある。そのような場合には、WBSワークパッケージ選択画面1402は、当該プロジェクトと関連付けられた標準規格と近似する他の標準規格または他のプロジェクトのWBSワークパッケージを表示してもよい。WBSワークパッケージ選択画面1402では、複数のWBSワークパッケージからプロジェクトに使用するワークパッケージを選択することができる。
【0076】
<実施の形態2のまとめ>
本実施の形態2では、現在のプロジェクトの情報と、関連情報とに基づいて、現在のプロジェクトのWBSを作成する。このような構成によれば、適切な固有WBSを作成することができる。
【0077】
<その他の変形例>
上述した図1の取得部105a及び学習制御部105bを、以下「取得部105a等」と記す。取得部105a等は、図15に示す処理回路81により実現される。すなわち、処理回路81は、標準規格のWBSワークパッケージに関する第1情報と、標準規格に対応するプロジェクトのWBSワークパッケージに関する第2情報と、標準規格に対応するプロジェクトのプロセス診断結果に関する第3情報とを取得する取得部105aと、第1情報と第2情報と第3情報とに基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことにより、第1情報と第2情報と第3情報とを関連付ける関連情報を生成する学習制御部105bと、を備える。処理回路81には、専用のハードウェアが適用されてもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサが適用されてもよい。プロセッサには、例えば、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)などが該当する。
【0078】
処理回路81が専用のハードウェアである場合、処理回路81は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。取得部105a等の各部の機能それぞれは、処理回路を分散させた回路で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
【0079】
処理回路81がプロセッサである場合、取得部105a等の機能は、ソフトウェア等との組み合わせにより実現される。なお、ソフトウェア等には、例えば、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェア及びファームウェアが該当する。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリに格納される。図16に示すように、処理回路81に適用されるプロセッサ82は、メモリ83に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、機械学習装置は、処理回路81により実行されるときに、標準規格のWBSワークパッケージに関する第1情報と、標準規格に対応するプロジェクトのWBSワークパッケージに関する第2情報と、標準規格に対応するプロジェクトのプロセス診断結果に関する第3情報とを取得するステップと、第1情報と第2情報と第3情報とに基づいてWBSワークパッケージに関する学習を行うことにより、第1情報と第2情報と第3情報とを関連付ける関連情報を生成するステップと、が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ83を備える。換言すれば、このプログラムは、取得部105a等の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ83は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、それらのドライブ装置、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
【0080】
以上、取得部105a等の各機能が、ハードウェア及びソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、取得部105a等の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば、取得部105aについては専用のハードウェアとしての処理回路81、インターフェース及びレシーバなどでその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサ82としての処理回路81がメモリ83に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0081】
以上のように、処理回路81は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0082】
なお、各実施の形態及び各変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態及び各変形例を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0083】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、限定的なものではない。例示されていない無数の変形例が、想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0084】
105a 取得部、105b 学習制御部。
図1
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