(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】携帯端末ケース
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20241108BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20241108BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241108BHJP
G06F 3/02 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
G06F1/16 313A
G06F1/16 312J
G06F1/16 313C
G06F1/16 312G
H04M1/11 Z
H05K5/02 C
G06F3/02 520
(21)【出願番号】P 2024074975
(22)【出願日】2024-05-02
【審査請求日】2024-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】509032070
【氏名又は名称】群光電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】古畑 義矢
(72)【発明者】
【氏名】薬真寺 俊史
(72)【発明者】
【氏名】金子 翔哉
(72)【発明者】
【氏名】林 中堯
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-87908(JP,A)
【文献】特開2013-25420(JP,A)
【文献】特開2022-191862(JP,A)
【文献】特開2006-24178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
H04M 1/11
H05K 5/02
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を保持するケース部材と、
前記携帯端末に対する入力操作を行う入力部を有する入力装置と、
前記ケース部材と前記入力装置とを着脱可能に連結する連結部材と、を備え、
前記ケース部材は、前記携帯端末の画面を前記入力装置に沿わせた閉じ状態と、前記ケース部材が前記入力装置に対して立設された開き状態とに変更可能であり、
前記ケース部材は前記開き状態において所定の立設角度の範囲で姿勢変更可能であり、
前記ケース部材に、前記開き状態における前記ケース部材の姿勢を保持するスタンドが設けられている携帯端末ケース。
【請求項2】
前記入力装置における前記入力部を挟んでユーザーとは反対側の部分に、前記スタンドの下端部が差し込まれることにより前記ケース部材を前記所定の立設角度を固定する溝部が形成されている請求項1に記載の携帯端末ケース。
【請求項3】
前記入力装置における前記入力部を挟んでユーザーとは反対側の部分に、前記ケース部材の下端部が差し込まれることにより前記ケース部材を前記所定の立設角度の範囲で姿勢変更可能に保持する溝部が形成されている請求項1に記載の携帯端末ケース。
【請求項4】
前記溝部に、前記ケース部材と前記入力装置とを電気的に接続する端子が設けられている請求項3に記載の携帯端末ケース。
【請求項5】
前記端子を支持し、且つ、前記ケース部材の姿勢変更に伴って揺動可能な支持部材を備える請求項4に記載の携帯端末ケース。
【請求項6】
前記溝部に、さらに下方に凹入する凹入部が形成され、
前記凹入部に前記支持部材が設けられ、
前記支持部材の揺動端部が前記凹入部の凹入形状に沿って揺動するように構成されている請求項5に記載の携帯端末ケース。
【請求項7】
前記連結部材が、帯状部材であり、前記帯状部材の一端部が前記ケース部材に接続され、前記帯状部材の他端部が前記入力装置に接続され、
前記一端部と前記ケース部材との間の第1接続箇所、及び、前記他端部と前記入力装置との間の第2接続箇所のうちの少なくとも何れか一方が着脱可能である請求項1に記載の携帯端末ケース。
【請求項8】
前記閉じ状態において、前記帯状部材が前記ケース部材及び前記入力装置の少なくとも何れか一方に沿った状態で、前記第1接続箇所と前記第2接続箇所との間に位置し、
前記ケース部材及び前記入力装置の少なくとも何れか一方の前記帯状部材が沿った部分に、前記帯状部材が弛むことを防止する弛み防止部が設けられている請求項7に記載の携帯端末ケース。
【請求項9】
前記閉じ状態において、前記帯状部材が少なくとも前記ケース部材に沿った状態で、前記第1接続箇所と前記第2接続箇所との間に位置し、
前記スタンドは、前記ケース部材に沿った収納姿勢に姿勢変更可能に前記ケース部材に設けられ、
前記閉じ状態において前記スタンドを前記収納姿勢にすることにより前記帯状部材における前記ケース部材に沿った部分が前記スタンドにより覆われるように構成されている請求項7に記載の携帯端末ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、タブレット端末あるいはスマートフォン等の携帯端末を保持するための携帯端末ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯端末ケースとして、例えば、特許文献1に記載されているように、携帯端末の表示画面をユーザーが目視し易いように、携帯端末を斜め傾斜姿勢に保持するとともに、携帯端末に対する入力操作を行う入力装置としてキーボード等を支持するものがある。すなわち、板状のケース本体部の表面に携帯端末が入り込むための凹溝を形成して、携帯端末が斜め傾斜姿勢にて保持されるように構成され、ケース本体部における携帯端末の手前側の平坦面部分にキーボードが配置される構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、ケース本体部に対して携帯端末を着脱することができるので、携帯端末を取り外して容易に持ち運ぶことが可能である。しかしながら、携帯端末をケース本体部に装着したときは、携帯端末が斜め傾斜姿勢に保持することは可能であるが、携帯端末の傾斜姿勢は常に一定であり、ユーザーにとっての使い勝手がよくないものとなっていた。又、上記従来構成では、携帯端末を取り外した状態では、携帯端末だけでなくキーボードも取り外して、それらを各別に持ち運びしなければならず、持ち運びの際に煩わしさがある、という不利な面もある。
【0005】
本発明の目的は、上述したような不利を解消して、携帯端末を使用する場合における使い勝手の向上を図ることができるとともに、携帯端末及び携帯端末に対する入力操作を行う入力装置等を持ち運ぶときの煩わしさを解消することが可能な携帯端末ケースを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯端末ケースの特徴構成は、携帯端末を保持するケース部材と、前記携帯端末に対する入力操作を行う入力部を有する入力装置と、前記ケース部材と前記入力装置とを着脱可能に連結する連結部材と、を備え、前記ケース部材は、前記携帯端末の画面を前記入力装置に沿わせた閉じ状態と、前記ケース部材が前記入力装置に対して立設された開き状態とに変更可能であり、前記ケース部材は前記開き状態において所定の立設角度の範囲で姿勢変更可能であり、前記ケース部材に、前記開き状態における前記ケース部材の姿勢を保持するスタンドが設けられている点にある。
【0007】
本発明によれば、ケース部材に携帯端末が保持される。ケース部材が開き状態にあると、ケース部材は入力装置に対して立設状態となり、しかも、所定の立設角度の範囲で姿勢変更させることができる。しかも、そのとき、スタンドを用いることでケース部材の姿勢を所望の位置で保持することができる。その結果、ユーザーは携帯端末の画面が見やすい姿勢に変更して入力部を操作して携帯端末を操作することができ、使い勝手がよいものとなる。
【0008】
そして、ケース部材が閉じ状態に変更されると、ケース部材は、携帯端末の画面を入力装置に沿わせた状態で閉じた状態となる。ケース部材と入力装置とは連結部材を介して連結されているので、ケース部材と入力装置とが一体化された状態で持ち運びすることができる。
【0009】
従って、携帯端末を使用する場合における使い勝手の向上を図ることができるとともに、携帯端末及び携帯端末に対する入力操作を行う入力装置等を持ち運ぶときの煩わしさを解消することが可能な携帯端末ケースを提供できるに至った。
【0010】
本発明においては、前記入力装置における前記入力部を挟んでユーザーとは反対側の部分に、前記スタンドの下端部が差し込まれることにより前記ケース部材を前記所定の立設角度を固定する溝部が形成されていると好適である。
【0011】
本構成によれば、スタンドの下端部を入力装置に形成された溝部に差し込むことにより、ケース部材が所定の立設角度にて固定されるので、ケース部材に保持されている携帯端末が不安定になることなく姿勢が安定した状態となる。その結果、携帯端末の画面がタッチパネル等で構成されてユーザーが画面を触ることがあっても、姿勢が安定した状態で作業が行い易い。
【0012】
本発明においては、前記入力装置における前記入力部を挟んでユーザーとは反対側の部分に、前記ケース部材の下端部が差し込まれることにより前記ケース部材を前記所定の立設角度の範囲で姿勢変更可能に保持する溝部が形成されていると好適である。
【0013】
本構成によれば、ケース部材の下端部を溝部に差し込むことにより、所定の立設角度の範囲で姿勢変更可能に保持することができる。つまり、ユーザーはケース部材を溝部に差し込むだけでよく煩わしさがない。
【0014】
本発明においては、前記溝部に、前記ケース部材と前記入力装置とを電気的に接続する端子が設けられていると好適である。
【0015】
本構成によれば、ケース部材の下端部を溝部に差し込むだけ、入力装置との間での電気的な接続が行われるので、別途、ケース部材の差し込み操作とは別に電気的な接続状態を確立する操作等は不要であり煩わしさなく入力装置との接続を行える。
【0016】
本発明においては、前記端子を支持し、且つ、前記ケース部材の姿勢変更に伴って揺動可能な支持部材を備えると好適である。
【0017】
本構成によれば、ケース部材を姿勢変更させる場合であっても、その姿勢変更に伴って揺動する支持部材に端子が備えられるので、ケース部材の姿勢変更によって端子に無理な力が加わることがないので、端子が損傷するおそれが少ない。
【0018】
本発明においては、前記溝部に、さらに下方に凹入する凹入部が形成され、前記凹入部に前記支持部材が設けられ、前記支持部材の揺動端部が前記凹入部の凹入形状に沿って揺動するように構成されていると好適である。
【0019】
本構成によれば、溝部より下方に凹入している凹入部に支持部材が設けられるので、支持部材が大きく突出して邪魔になることがなく、しかも、支持部材は凹入部の凹入形状に沿って揺動するので、凹入部の周縁部と支持部材との間が大きく開放されることがないので塵埃が侵入するおそれが少ない。
【0020】
本発明においては、前記連結部材が、帯状部材であり、前記帯状部材の一端部が前記ケース部材に接続され、前記帯状部材の他端部が前記入力装置に接続され、前記一端部と前記ケース部材との間の第1接続箇所、及び、前記他端部と前記入力装置との間の第2接続箇所のうちの少なくとも何れか一方が着脱可能であると好適である。
【0021】
本構成によれば、帯状部材によってケース部材と入力装置とが帯状部材によって連結されるので、ケース部材を姿勢変更させるときに、容易に折れ曲がりし易く、作業性がよい。又、一端部と他端部との何れか一方が着脱できるので、ケース部材と入力装置とを分離して持ち運びすることが可能となる。
【0022】
本発明においては、前記閉じ状態において、前記帯状部材が前記ケース部材及び前記入力装置の少なくとも何れか一方に沿った状態で、前記第1接続箇所と前記第2接続箇所との間に位置し、前記ケース部材及び前記入力装置の少なくとも何れか一方の前記帯状部材が沿った部分に、前記帯状部材が弛むことを防止する弛み防止部が設けられていると好適である。
【0023】
本構成によれば、ケース部材が閉じ状態にあるときに、帯状部材が弛むことを防止することができるので、帯状部材が外方に出っ張って持ち運び時に邪魔になることがなく煩わしさがない。
【0024】
本発明においては、前記閉じ状態において、前記帯状部材が少なくとも前記ケース部材に沿った状態で、前記第1接続箇所と前記第2接続箇所との間に位置し、前記スタンドは、前記ケース部材に沿った収納姿勢に姿勢変更可能に前記ケース部材に設けられ、前記閉じ状態において前記スタンドを前記収納姿勢にすることにより前記帯状部材における前記ケース部材に沿った部分が前記スタンドにより覆われるように構成されていると好適である。
【0025】
本構成によれば、ケース部材が閉じ状態にあるときにスタンドを用いることにより帯状部材を覆うことができるので、帯状部材が持ち運び時に邪魔になるおそれがより一層少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】開状態にあるときの携帯端末ケースの斜視図である。
【
図2】開状態にあるときの携帯端末ケースの縦断側面図である。
【
図6】閉じ状態にあるときの携帯端末ケースの平面図である。
【
図8】閉じ状態にあるときの携帯端末ケースの斜視図である。
【
図9】閉じ状態にあるときの携帯端末ケースの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る携帯端末ケースの実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0028】
以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0029】
図1に、本発明に係る携帯端末ケースが示されている。携帯端末ケースは、携帯端末としてのタブレット端末Tを保持するケース部材1と、タブレット端末Tに対する入力操作を行う入力部としてのキーボード2を有する入力装置3と、を備えている。そして、ケース部材1は、ケース部材1が入力装置3に対して立設された開き状態(
図1、
図2に示す状態)と、タブレット端末Tの画面を入力装置3に沿わせた閉じ状態(
図8、
図9に示す状態)と、に変更可能であり、ケース部材1に、開き状態におけるケース部材1の姿勢を保持するスタンド4が設けられている。
【0030】
〔ケース部材〕
ケース部材1は、弾性変形可能な樹脂材にて構成され、タブレット端末Tの外周部を囲う状態で保持することができるように構成されている。
図1,
図2に示すように、ケース部材1は、外壁部5と、外壁部5の内側に外壁部5と間隔を隔てて設けられタブレット端末Tの外周部分を保持する保持部6と、を有している。外壁部5と保持部6とは周壁部7を介して接続されている。
【0031】
外壁部5は、タブレット端末Tの背面側に位置しており、タブレット端末Tの背部を支持するようにケース部材1の略全面にわたって設けられている。保持部6は、タブレット端末Tを前面側から保持するようにタブレット端末Tの外周部の全域にわたる状態で設けられている。タブレット端末Tは、外壁部5と保持部6との間に位置して抜け外れが阻止される状態で保持される。
【0032】
タブレット端末Tをケース部材1に装着するときは、タブレット端末Tを外壁部5と保持部6との間に入り込むように、保持部6を少し変形させながら装着する。周壁部7における左右両側及び上下両側のそれぞれの内面側に弾性変形可能なリブ(当たり部)(図示せず)が設けられ、タブレット端末Tを弾性的に保持することができるように構成されている。
【0033】
タブレット端末Tの外周部の全域にわたる保持部6のうち、タブレット端末Tの右側に位置する右側保持部6aは、他の部分よりも幅広に形成されている。この右側保持部6aと外壁部5との間の領域を利用して複数の電気部品が収納されている。
【0034】
すなわち、
図1に示すように、右側保持部6aと外壁部5との間の領域の上下中間部に、タブレット端末Tに備えられる外部接続端子が接続可能なケース側接続端子8が備えられている。ケース側接続端子8の下方側に電気回路や電子部品等を備えた電子基板9が内装されている。又、電子基板9に装着される状態で、電源供給用の外部接続端子10と、イヤホン等の外部音響機器が接続されるイヤホン端子11とが備えられている。又、後述するように入力装置3との間での電気接続が行われる接続端子からの配線が電子基板9に接続されている。
【0035】
入力装置3におけるキーボード2による入力情報が配線及び電子基板9を介してタブレット端末Tに入力される。外部接続端子10を介してタブレット端末Tに対して電源供給が行われ、タブレット端末Tからイヤホン端子11を介して音声情報が外部に出力される。
【0036】
スタンド4は、ケース部材1の裏面側の上下中間部にヒンジ12を介して横軸芯X1周りで揺動可能に取り付けられている。ケース部材1が開き状態にあるときは、スタンド4はケース部材1から離間するように揺動して、下端部にてケース部材1の荷重を受止め支持するように構成されている。
【0037】
図2及び
図3に示すように、入力装置3におけるキーボード2を挟んでユーザーとは反対側(
図2においては右側、
図3においては上側)の部分に、スタンド4の下端部が差し込まれることによりケース部材1を所定の立設角度を固定するスタンド用溝部13が形成されている。尚、図中、14は、ペン15を収納するためのペン収納部である。
【0038】
図2に示すように、スタンド4の下端部がスタンド用溝部13に差し込まれると、ケース部材1は、立設角度が所定の角度に固定された状態で支持される。但し、スタンド4を、スタンド用溝部13から抜き外してスタンド4の下端部を設置面(机の表面)にて受止めることにより、ケース部材1を所定の角度よりもさらに後倒れ姿勢にした状態で姿勢保持することができる。
【0039】
〔入力装置〕
入力装置3は、
図1~
図3に示すように、前側に位置する状態でキーボード2が備えられている。ユーザーはキーボード2を操作するので前側(F)がユーザー側に対応している。入力装置3におけるキーボード2を挟んでユーザーとは反対側すなわち後側の部分に、ケース部材1の下端部が差し込まれることによりケース部材1を所定の立設角度の範囲で姿勢変更可能に保持するケース用溝部16が形成されている。そして、ケース用溝部16に、ケース部材1と入力装置3とを電気的に接続する端子が設けられている。
【0040】
入力装置3は、上側本体部分17と下側本体部分18とを重ね合わせて構成され、上側本体部分17にキーボード2が支持されている。ケース用溝部16は、上側本体部分17におけるキーボード2の後側箇所に左右方向に沿って延びる状態で形成されている。
図3、
図5に示すように、ケース用溝部16に、さらに下方に凹入する凹入部19が形成され、凹入部19にケース部材1の姿勢変更に伴って揺動可能な支持部材20が設けられている。
【0041】
凹入部19は、ケース用溝部16の左右方向に間隔をあけて左右一対形成されており、左右の凹入部19のそれぞれに支持部材20が設けられている。
図4及び
図5に示すように、支持部材20の前側に、支持部材20を左右向き軸芯X2周りで揺動可能に支持する支持軸21が設けられている。支持軸21は、上側本体部分17に設けられたブラケット22によって支持されている。
【0042】
支持部材20は、支持軸21によって支持軸21の軸芯X2周りで揺動可能に支持されている。支持部材20は、ねじりバネ23によって揺動端側が上方に向かうように揺動付勢されている。支持部材20は揺動端部に設けられた係止片24が上側本体部分17に設けられた受止め部25に係止することで、それ以上の上方揺動が規制されて姿勢が保持される。
【0043】
支持部材20の揺動端部が凹入部19の凹入形状に沿って揺動するように構成されており、支持部材20と凹入部19の内縁部との間の隙間が小さく、塵埃が内部に侵入するおそれが少なくなるようにしている。つまり、支持部材20は、揺動端側の上面部が、第1面部20aと第2面部20bとを有する。第1面部20aは、支持部材20が上限位置にある状態において、ほぼ水平姿勢である。第2面部20bは、支持部材20が上限位置にある状態において、揺動端側に向かうほど下方に位置するように傾斜している。揺動端側の上面部をこのように構成することにより、第1面部20aと第2面部20bが凹部の内縁部に沿って移動する。
【0044】
図3に示すように、左右の支持部材20にはそれぞれ、上方に向けて突出する係合突起26が形成されている。ケース部材1の下端部には、左右の係合突起26に嵌り合い係合する係合孔27が形成されており、ケース部材1の下端部をケース用溝部16に差し込むことによって係合孔27と係合突起26とが嵌り合い、ケース部材1と左右の支持部材20とが一体的に支持軸21の軸芯X2周りで揺動するように構成されている。
【0045】
左右の支持部材20のうちの右側に位置する支持部材20において係合突起26と係合孔27とが嵌り合う箇所には、ケース部材1と入力装置3とを電気的に接続する接続部28が設けられている。詳述はしないが、係合突起26側の接続端子29と係合孔27側の接続端子30とが差し込み接続されることで電気的な接続が行えるように構成されている。
【0046】
係合突起26側の接続端子29は支持部材20に支持されており、係合突起26側の接続端子29と係合孔27側の接続端子30とが差し込み接続された状態で、支持部材20が揺動することによって、ケース部材1が姿勢変更することができる。
【0047】
支持部材20の下部には、下方に向けて突出する突起部31が形成されている。又、支持部材20の下方には、支持部材20が下方側に向けて揺動すると突起部31が接当する規制部32が設けられている。支持部材20がねじりバネ23の付勢力に抗して下方に揺動するとき、所定角度以上揺動すると、突起部31が規制部32に接当することによりそれ以上の下方側への移動が規制される。
【0048】
また、
図2、
図4、及び、
図5に示すように、上側本体部分17における受止め部25の下方に、係止片24が入り込むガイド凹部が形成されている。係止片24は、支持部材20の上限位置と下限位置に亘って、ガイド凹部に沿って移動する。このように、ガイド凹部が係止片24をガイドすることにより、こじれ等が防止され、支持部材20が、上限位置と下限位置に亘って、スムーズに揺動する。
【0049】
〔帯状部材〕
携帯端末ケースは、ケース部材1と入力装置3とを着脱可能に連結する連結部材としての帯状部材33を備えている。帯状部材33の一端部がケース部材1に接続され、帯状部材33の他端部が入力装置3に接続されている。帯状部材33は、折れ曲がり可能な軟質材にて構成されている。
【0050】
帯状部材33の一端部とケース部材1との間の第1接続箇所34が着脱可能に構成されている。すなわち、帯状部材33の一端部とケース部材1の外壁部5とが磁石の磁力によって吸着される状態で接続されている。ケース部材1の外壁部5の内部、及び、帯状部材33の内部のそれぞれに磁石35,36が内装されており、それらの吸着力によって帯状部材33の一端部とケース部材1とが接続される。磁石35,36による吸着力は、通常の使用状態では分離することがなく、ユーザーが手で引っ張り操作することによって分離可能な吸着力に設定されている。
【0051】
一方、帯状部材33の他端部と入力装置3との間の第2接続箇所37は固定状態で接続されている。帯状部材33の他端部が、入力装置3の上側本体部分17と下側本体部分18との間に挟み込まれて抜け止めされた状態で入力装置3に固定されている。
【0052】
開き状態にあるケース部材1の下端部を入力装置3の支持部材20から抜き外し、タブレット端末Tの表面がキーボード2の上面側に重なり合うように畳み込むことにより、
図6,
図7に示すように、ケース部材1を閉じ状態に切り換えることができる。畳み込みによる姿勢変更の際に、帯状部材33が任意の形状に折れ曲がることにより、ケース部材1を容易に姿勢変更することができる。
【0053】
図7に示すように、ケース部材1が閉じ状態にあるとき、帯状部材33がケース部材1及び入力装置3のそれぞれに沿った状態で、第1接続箇所34と第2接続箇所37との間に位置しており、ケース部材1の帯状部材33が沿った部分に、帯状部材33が弛むことを防止する弛み防止部38が設けられている。
【0054】
図2及び
図7に示すように、弛み防止部38は、ケース部材1の外壁部5のうち立設姿勢における第1接続箇所34よりも下側箇所に位置しており、外方側に膨出する状態で設けられている。このような弛み防止部38を設けることにより、閉じ状態において帯状部材33に弛みが生じない状態で収納することができる。
【0055】
帯状部材33を少し長めに設定しておくと、開き状態にあるケース部材1を閉状態に向けて畳み込むときに、帯状部材33が突っ張った状態となって畳み込み操作の邪魔になることを防止できる。そして、このように帯状部材33を少し長めに設定しても、弛み防止部38によって張りを与えることにより、閉じ状態において弛みが生じない状態で収納することができる。
【0056】
上述したように、スタンド4は、帯状部材33よりも幅広の略板状であり、ケース部材1の裏面側に横軸芯X1周りで揺動可能に取り付けられている。
図6及び
図7に示すように、閉じ状態においてスタンド4をケース部材1に沿った収納姿勢にすることにより、帯状部材33におけるケース部材1に沿った部分がスタンド4により覆われるように構成されている。このように収納姿勢にあるスタンド4によって帯状部材33が覆われるので、帯状部材33が外方に大きく露出することがなく、持ち運びの際に邪魔になることがない。
【0057】
ケース部材1が入力装置3におけるキーボード2の上方を覆うように閉じ状態に姿勢変更した状態において、ケース部材1及び入力装置3の前端部同士が磁石の磁力によって吸着される状態で接続されている。
図1に示すように、入力装置3の前端部に左右方向に間隔をあけて磁石39が内装されており、ケース部材1における閉じ状態において入力装置3側の磁石39に対抗する位置に磁石40が内装されている。ケース部材1が閉じ状態になると、前端側は磁石39,40同士の吸着力により接続される。ケース部材1の後端側は帯状部材33によって入力装置3と接続されているので、ケース部材1と入力装置3とがしっかりと接続された状態となる。
【0058】
ケース部材1が閉じ状態に切り換わると、入力装置3の左右両側部に形成された突条部41がケース部材1の左右両側部に形成された凹入溝42に嵌り合う状態となり、前後方向並びに左右方向の位置決めを行えるようになっている。
【0059】
又、
図6に示すように、ケース部材1の四隅には、吊り下げ支持用の外部紐(ストラップ)(図示せず)を装着するためのストラップホール43が形成されている。
【0060】
〔引っ掛け紐〕
携帯端末ケースには、ケース部材1が閉じ状態に切り換えられた非使用状態において、携帯端末ケース全体を机の横側等に設けられたフック等に引っ掛けて保持することが可能な引っ掛け紐45(索状体の一例)が備えられている。引っ掛け紐45は、ケース部材1及び入力装置3のそれぞれに備えられている。
【0061】
図8及び
図9に示すように、ケース部材1の左側の横側部に、両端部がケース部材1の内部に位置し、且つ、中途部がケース部材1から突出した突出状態とケース部材1側へ後退した後退状態とに変更可能な引っ掛け紐45が設けられている。一方、入力装置3の左側の横側部においても同様に、閉じ状態においてケース部材1側の引っ掛け紐45に対向する位置に、両端部が入力装置3の内部に位置し、且つ、中途部が入力装置3から突出した突出状態と入力装置3側へ後退した後退状態とに変更可能な引っ掛け紐45が設けられている。
【0062】
図10、
図11に示すように、引っ掛け紐45は、ケース部材1及び入力装置3の左側横側部に内装されるとともに、ケース部材1及び入力装置3に形成された長孔状の挿通孔46を通して一部が外方に露出する状態で設けられている。
【0063】
図10及び
図11にケース部材1の引っ掛け紐45が示されている。
引っ掛け紐45の近傍には、引っ掛け紐45の突出状態と後退状態との変更を行う操作部材47が備えられている。操作部材47がスライド操作可能であり、引っ掛け紐45の両端を結ぶ直線に沿った方向に操作部材47をスライド操作することにより、突出状態と後退状態とに変更することができる。
【0064】
引っ掛け紐45の一端部(
図11の左側部分)がケース部材1に固定され、引っ掛け紐45の他端部(
図11の右側部分)が操作部材47に固定されている。そして、操作部材47を、引っ掛け紐45が弛む側にスライド操作することにより、
図11(a)に示す突出状態となり、操作部材47における操作部47aを手で操作して、引っ掛け紐45が緊張する側にスライドすることにより、
図11(b)に示す後退状態となるように構成されている。
【0065】
ケース部材1の内部に、引っ掛け紐45の中途部が突出する際に中途部における一端部側の部分と中途部における他端部側の部分とが近づく側にガイドするガイド部48が備えられている。ガイド部48は、
図11に示すように、一端部側(左側)に位置し中途部の突出方向における突出側に位置するほど他端部側(右側)に位置する第1傾斜面49と、他端部側(右側)に位置し中途部の突出方向における突出側に位置するほど一端部側(左側)に位置する第2傾斜面50と、を有する。
【0066】
引っ掛け紐45は、後退状態において、中途部が第1傾斜面49及び第2傾斜面50に沿った状態でケース部材1の内部に位置する。従って、引っ掛け紐45は後退状態において中途部が外方側に寄った位置で待機することになる。この待機状態から操作部材47における操作部47aをスライド操作して突出状態に切り換える際に、引っ掛け紐45は、波型に撓んだりすることなく円滑に突出状態に切り換えることができる。
【0067】
図示はしていないが、入力装置3側の引っ掛け紐45もケース部材1側の引っ掛け紐45と同様に、操作部材47をスライドすることによって突出状態と後退状態とに変更することができる。
【0068】
入力装置3側の引っ掛け紐45及びケース部材1側の引っ掛け紐45をそれぞれ突出状態に切り換えた状態で、
図12に示すように、机の横等に設けられるフック部材51に一対の引っ掛け紐45を引っ掛けることで、安定した状態で携帯端末ケースを支持することができる。
【0069】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、入力装置3にスタンド用溝部13が形成される構成としたが、このような溝部を形成せずに、入力装置3の上面が平坦面で形成される構成でもよい。
【0070】
(2)上記実施形態では、ケース用溝部16に形成された左右一対の凹入部19にそれぞれ支持部材20が設けられる構成としたが、凹入部19及び支持部材20が3つ以上設けるものでもよく、1つだけ設けるものでもよい。1つだけ設ける場合には、左右方向の中央部に設けるものでもよい。
【0071】
(3)上記実施形態では、入力装置3のキーボード2とタブレット端末Tとが電気配線を介して接続される構成としたが、この構成に限らず、例えば、Wi-Fiあるいはブルートゥース(登録商標)等の無線通信技術を用いて情報を通信可能に構成するものでもよい。
【0072】
(4)上記実施形態では、ケース部材1と入力装置3とを着脱可能に連結する連結部材として帯状部材33を備える構成としたが、帯状部材33に代えて、複数の紐状体を用いて連結する等、種々の構成を採用することができる。
【0073】
(5)上記実施形態では、帯状部材33とケース部材1とを磁石の吸着力により着脱可能に連結する構成としたが、この構成に代えて、例えば、フック状部材とそれが着脱可能に係合する係合部材とを用いて連結する構成等、種々の構成を採用することができる。
【0074】
(6)上記実施形態では、帯状部材33の一端部とケース部材1との間の第1接続箇所34、及び、帯状部材33の他端部と入力装置3との間の第2接続箇所37のうちの第1接続箇所34が着脱可能であり、第2接続箇所37が固定状態で連結される構成としたが、この構成に代えて、第1接続箇所34が固定状態で連結され、第2接続箇所37が着脱可能に連結される構成としてもよく、第1接続箇所34、及び、第2接続箇所37のそれぞれが着脱可能に設けられるものでもよい。
【0075】
(7)上記実施形態では、スタンド4は、帯状部材33よりも幅広の略板状に設けられ、帯状部材33が収納姿勢のスタンド4により覆われる構成としたが、この構成に代えて、スタンド4が、棒状体を折り曲げて構成されるものでもよく、複数の棒体を連結して構成されるものでもよい。
【0076】
(8)上記実施形態では、携帯端末としてタブレット端末Tを保持する構成としたが、携帯端末としてスマートフォンを保持する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、例えば、タブレット端末Tあるいはスマートフォン等の携帯端末を保持するための携帯端末ケースに適用できる。
【符号の説明】
【0078】
1 ケース部材
2 キーボード(入力部)
3 入力装置
4 スタンド
13 スタンド用溝部(溝部)
16 ケース用溝部(溝部)
19 凹入部
20 支持部材
29,30 接続端子(端子)
33 帯状部材(連結部材)
34 第1接続箇所
37 第2接続箇所
38 弛み防止部
【要約】
【課題】携帯端末を使用する場合における使い勝手の向上を図ることができるとともに、携帯端末及び携帯端末に対する入力操作を行う入力装置等を持ち運ぶときの煩わしさを解消する。
【解決手段】携帯端末を保持するケース部材1と、携帯端末に対する入力操作を行う入力部を有する入力装置3と、ケース部材1と入力装置3とを着脱可能に連結する連結部材33と、を備え、ケース部材1は、携帯端末の画面を入力装置3に沿わせた閉じ状態と、ケース部材1が入力装置3に対して立設された開き状態とに変更可能であり、ケース部材1は開き状態において所定の立設角度の範囲で姿勢変更可能であり、ケース部材1に、開き状態におけるケース部材1の姿勢を保持するスタンド4が設けられている。
【選択図】
図2