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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】位相調整器及び半導体光集積素子
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/025 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
G02F1/025
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024108834
(22)【出願日】2024-07-05
(62)【分割の表示】P 2024510647の分割
【原出願日】2023-08-17
【審査請求日】2024-07-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋介
(72)【発明者】
【氏名】高林 正和
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-179165(JP,A)
【文献】特開2020-112582(JP,A)
【文献】特開2003-015176(JP,A)
【文献】特開2003-177369(JP,A)
【文献】特開2018-205343(JP,A)
【文献】特開2015-106133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0009195(US,A1)
【文献】特開2005-062855(JP,A)
【文献】特開2014-224902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00- 1/125
G02F 1/21- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の表面に積層されたInPからなる半導体層によって構成された下部クラッド層、AlInGaAsまたはInGaAsPのいずれからなる混晶半導体を含む半導体層によって構成された光導波路コア層、及びInPからなる半導体層によって構成された上部クラッド層を含むストライプ状のリッジ構造を有する第1光導波路部と、
ストライプ方向において前記第1光導波路部に接して設けられ、前記リッジ構造を有する位相調整部と、
前記ストライプ方向において前記位相調整部に接して設けられ、前記リッジ構造を有する第2光導波路部と、
前記第1光導波路部、前記位相調整部、及び前記第2光導波路部の表面を少なくとも覆う保護絶縁膜と、
前記位相調整部の前記リッジ構造の頂部に設けられ、前記ストライプ方向に沿って延在する上部位相調整電極と、
前記下部クラッド層に電気的に接続された下部位相調整電極と、
前記保護絶縁膜上に形成され、前記上部位相調整電極に電気的に接続された第1引き出し電極と、
前記保護絶縁膜上に形成され、前記上部位相調整電極に電気的に接続された第2引き出し電極と、
を備える位相調整器。
【請求項2】
前記第1引き出し電極は前記上部位相調整電極の一端に接続され、前記第2引き出し電極は前記上部位相調整電極の他端に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の位相調整器。
【請求項3】
前記上部位相調整電極の一部が、保護絶縁膜を介して前記リッジ構造の頂部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の位相調整器。
【請求項4】
前記上部位相調整電極は、前記ストライプ方向に沿って2つに分割された第1上部位相調整電極及び第2上部位相調整電極からなり、
前記第1上部位相調整電極の一端に前記第1引き出し電極の一端が接続され、前記第1上部位相調整電極の他端に前記第2引き出し電極の一端が接続され、
前記第2上部位相調整電極の一端に前記第1引き出し電極の他端が接続され、前記第2上部位相調整電極の他端に前記第2引き出し電極の他端が接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の位相調整器。
【請求項5】
前記第1引き出し電極と前記第2引き出し電極間の第1抵抗値と、前記上部位相調整電極と前記下部位相調整電極の間の第2抵抗値との比率は、100以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の位相調整器。
【請求項6】
入射した信号光を複数の光導波路に分岐する光分波器と、
前記複数の光導波路に一端がそれぞれ接続された複数の光変調器と、
前記複数の光変調器の他端に前記光導波路を介して一端がそれぞれ接続された請求項1から3のいずれか1項に記載の位相調整器と、
記位相調整器のそれぞれの他端に前記光導波路を介して接続された光合分波器と、
を備える半導体光集積素子。
【請求項7】
前記光合分波器から分岐した2つの出力のうち、第1出力は前記光導波路を介して光出力部に接続され、第2出力は前記光導波路を介して光モニタに接続されることを特徴とする請求項に記載の半導体光集積素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位相調整器及び半導体光集積素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信用の半導体光集積素子として、光分波器、位相変調器、位相調整器、及び光合波器を用いたマッハツェンダー型の光干渉計が開示されている (例えば、特許文献1-3)。
【0003】
特許文献1-3では、光導波路を伝搬する信号光の位相を変化させるため、光導波路に設けたダイオードに逆バイアスとなる電圧を印加する手法、光導波路に設けたダイオードに順バイアスとなる電圧を印加して電流を流す手法、光導波路の周辺に設けたヒータ電極に電流を流して光導波路の温度を変える手法などを用いた位相調整器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-163876号公報
【文献】特開2016-133664号公報
【文献】特開2019-191252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
位相調整器において、逆バイアスを印加する手法で位相を調整する際には、印加電圧に対して位相変化量と光損失量が同時に急峻に大きくなる特性を示す。したがって、十分な位相変化量が得られるバイアス領域では、光導波路を伝搬する光信号の光損失が急激に大きくなるため制御が難しいという課題がある。
【0006】
ヒータを用いて位相を調整する手法を用いる場合には、印加電力に概ね比例する位相変化量が得られるため制御しやすい利点がある一方で、光損失の調整は難しいこと、比較的大きな電力をヒータ電極に印加する必要がある点などに課題がある。
【0007】
順バイアス電圧を印加して電流を流す手法は、上述の2つの手法の中間的な特性を示し、比較的制御しやすい手法である。しかしながら、小型の位相調整器において、所望の位相変化量及び所望の光損失量を両方とも得るのは難しいという課題がある。
【0008】
また、特許文献1-3に記載の手法を用いた複数の位相調整器を直列に組み合わせた場合は、位相変化量及び光損失量の制御性は改善できるものの、素子サイズが大きくなってしまうという課題がある。
【0009】
本開示は上記のような問題点を解消するためになされたもので、光導波路を伝搬する光信号の損失量及び位相変化量の調整が可能で、かつ小型化された位相調整器、及びかかる位相調整器を半導体基板上に集積した半導体光集積素子を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る位相調整器は、
半導体基板の表面に積層されたInPからなる半導体層によって構成された下部クラッド層、AlInGaAsまたはInGaAsPのいずれからなる混晶半導体を含む半導体層によって構成された光導波路コア層、及びInPからなる半導体層によって構成された上部クラッド層を含むストライプ状のリッジ構造を有する第1光導波路部と、
ストライプ方向において前記第1光導波路部に接して設けられ、前記リッジ構造を有する位相調整部と、
前記ストライプ方向において前記位相調整部に接して設けられ、前記リッジ構造を有する第2光導波路部と、
前記第1光導波路部、前記位相調整部、及び前記第2光導波路部の表面を少なくとも覆う保護絶縁膜と、
前記位相調整部の前記リッジ構造の頂部に設けられ、前記ストライプ方向に沿って延在する上部位相調整電極と、
前記下部クラッド層に電気的に接続された下部位相調整電極と、
前記保護絶縁膜上に形成され、前記上部位相調整電極に電気的に接続された第1引き出し電極と、
前記保護絶縁膜上に形成され、前記上部位相調整電極に電気的に接続された第2引き出し電極と、を備える。
【0011】
本開示に係る半導体光集積素子は、
入射した信号光を複数の光導波路に分岐する光分波器と、
前記複数の光導波路に一端がそれぞれ接続された複数の光変調器と、
前記複数の光変調器の他端に前記光導波路を介して一端がそれぞれ接続された上述の位相調整器と、
前記複数の位相調整器の他端に前記光導波路を介して接続された光合分波器と、
を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る位相調整器によれば、光導波路を伝搬する光信号の損失量及び位相変化量の調整が可能で、かつ小型化された位相調整器が得られるという効果を奏する。
【0013】
本開示に係る半導体光集積素子によれば、光導波路を伝搬する光信号の損失量及び位相変化量の調整が可能で、かつ小型化された位相調整器を半導体基板上に集積した半導体光集積素子が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1に係る位相調整器における信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図である。
図2】実施の形態1に係る位相調整器の上面図である。
図3】実施の形態1に係る位相調整器の光導波路部における信号光の伝搬方向に垂直な方向の断面図である。
図4】実施の形態1に係る位相調整器の位相調整部における信号光の伝搬方向に垂直な方向の断面図である。
図5】実施の形態2に係る位相調整器における信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図である。
図6】実施の形態3に係る位相調整器における信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図である。
図7】実施の形態3に係る位相調整器の上面図である。
図8】実施の形態4に係る半導体光集積素子の上面図である。
図9】実施の形態4に係る半導体光集積素子の光変調器における信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図である。
図10】実施の形態4に係る半導体光集積素子の光変調器における信号光の伝搬方向に垂直な方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る位相調整器の一例である位相調整器500の信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図である。図2は、実施の形態1に係る位相調整器の一例である位相調整器500の上面図である。
【0016】
<実施の形態1に係る位相調整器の構成>
実施の形態1に係る位相調整器500は、半導体基板100上に、第1光導波路部10aと、ストライプ方向において第1光導波路部10aに接して設けられた位相調整部20と、ストライプ方向において位相調整部20に接して設けられた第2光導波路部10bと、を備える。
【0017】
図3は、実施の形態1に係る位相調整器500の第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bにおける信号光の伝搬方向に垂直な方向の断面図である。第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bは、半導体基板100の表面に順次積層された下部クラッド層101、光導波路コア層102、及び上部クラッド層103を含むストライプ状のリッジ構造を有する。
【0018】
光導波路コア層102を構成する材料の屈折率は、下部クラッド層101を構成する材料の屈折率及び上部クラッド層103を構成する材料の屈折率よりも大きい。光導波路コア層102の屈折率と、下部クラッド層101の屈折率及び上部クラッド層103の屈折率との屈折率差により、位相調整器500に入力した信号光を、光導波路コア層102内で垂直方向に閉じ込めて、光出力側へと伝搬することができる。
【0019】
また、半導体基板100の表面に対して水平方向に対しては、上述のように、第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bはストライプ状のリッジ構造を有する。かかるリッジ構造を被覆するように、光導波路コア層102よりも屈折率の小さい保護絶縁膜300を形成することにより、入力した信号光を、上述の屈折率差により、光導波路コア層102内で半導体基板100の表面に対して水平方向に閉じ込めて、光出力側へと伝搬することができる。
【0020】
信号光の伝搬方向に垂直な方向における位相調整部20の断面図を図4に示す。位相調整部20は、半導体基板100の表面に順次積層された下部クラッド層201、光導波路コア層202、及び上部クラッド層203を含むストライプ状のリッジ構造を有する。
【0021】
図1及び図2に示すように、位相調整部20の上部クラッド層203の表面には、上部クラッド層203と電気的に接続された上部位相調整電極211が形成されている。また、半導体基板100の裏面には、下部位相調整電極210が形成されている。下部位相調整電極210は、下部クラッド層201に電気的に接続されている。なお、図3において、下部位相調整電極210は半導体基板100を介して下部クラッド層201に電気的に接続されているが、下部位相調整電極210を例えば下部クラッド層201上に形成して、下部位相調整電極210が下部クラッド層201と直接、電気的に接続するように配置してもよい。なお、下部位相調整電極210の上述の両方の接続の態様を、下部位相調整電極210は下部クラッド層201と電気的に接続する、と表現する。図2において、第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bの光導波路コア層102は、本来は上面側からは見えないが、説明の便宜上、内部の位置を光導波路コア層102aとして図示している。
【0022】
第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bの下部クラッド層101と位相調整部20の下部クラッド層201は、結晶成長層として、連続した一つの半導体層であってもよいし、あるいは互いに異なる半導体層であってもよい。第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bの光導波路コア層102及び上部クラッド層103と、位相調整部20の光導波路コア層202及び上部クラッド層203も、それぞれ、結晶成長層として、連続した一つの半導体層であってもよいし、あるいは互いに異なる半導体層であってもよい。さらに、リッジ構造として、第1光導波路部10a、位相調整部20、及び第2光導波路部10bにおいて、共通する一つの連続したリッジ構造であってもよいし、あるいは互いに異なる光導波路コア層構造であってもよい。
【0023】
光導波路コア層202の屈折率は、下部クラッド層201の屈折率及び上部クラッド層203の屈折率よりも大きい。光導波路コア層202の屈折率と、下部クラッド層201の屈折率及び上部クラッド層203の屈折率との屈折率差により、入力した信号光を、光導波路コア層202内で垂直方向に閉じ込めて、光出力側へと伝搬することができる。
【0024】
また、半導体基板100の表面に水平な方向に関しては、上述のように、位相調整部20はストライプ状のリッジ構造を有する。かかるリッジ構造を被覆するように、光導波路コア層202よりも屈折率の小さい保護絶縁膜300を形成することにより、入力した信号光を、上述の屈折率差により、光導波路コア層202内で半導体基板100の表面に対して水平方向に閉じ込めて、光出力側へと伝搬することができる。
【0025】
位相調整部20において、リッジ構造の頂部で露出する上部クラッド層203の表面に設けられた上部位相調整電極211は、信号光が伝搬する方向、つまりストライプ方向に沿って延在する。位相調整部20において、上部位相調整電極211の一端、つまり信号光が入力する側に第1引き出し電極220が電気的に接続され、上部位相調整電極211の他端、つまり信号光が出力する側に第2引き出し電極221が接続される。なお、第1引き出し電極220及び第2引き出し電極221は、上部位相調整電極211と接続する部位以外は、保護絶縁膜300上に形成されている。
【0026】
位相調整器500の外部に設けられた電源により、第1引き出し電極220と第2引き出し電極221との間に電位差が与えられる。この電位差に応じて上部位相調整電極211が延在するストライプ方向に沿って、上部位相調整電極211の内部に電流が流れる。
【0027】
上部位相調整電極211は延在するストライプ方向に対して電気的な抵抗を持つため、上部位相調整電極211内を電流が流れると、ジュール熱が発生する。すなわち、上部位相調整電極211はヒータとして機能する。上部位相調整電極211から発生したジュール熱が上部クラッド層203を介して光導波路コア層202に熱伝導すると、熱光学効果により光導波路コア層202の屈折率は変化する。つまり、熱光学効果を用いて、位相調整部20の光導波路コア層202内を伝搬する信号光の位相を変化させることができる。
【0028】
また、第1引き出し電極220と第2引き出し電極221との間に電位差が与えられると、第1引き出し電極220及び第2引き出し電極221と、下部位相調整電極210との間にも、位相調整器500の外部に設けられた電源により、電位差が与えられる。この電位差に応じて、下部クラッド層201、光導波路コア層202、及び上部クラッド層203を通過する電流が流れる。
【0029】
かかる電流が流れることにより、光導波路コア層202に存在するキャリア量が変化すると、キャリアプラズマ効果により、光導波路コア層202の屈折率及び光損失量が変化しする。つまり、下部クラッド層201、光導波路コア層202、及び上部クラッド層203を通過する電流の電流量を調整することにより、位相調整部20の光導波路コア層202を伝搬する信号光の位相及び光損失量を変化させることができる。
【0030】
したがって、実施の形態1に係る位相調整器500によれば、位相調整部20において電気抵抗を利用したヒータによる位相調整機能と、光導波路コア層202を通過する電流による位相及び光損失量の調整機能とを同時に得ることができるため、位相調整器の小型化を実現することが可能となり、ひいてはかかる位相調整器を集積する半導体光集積素子の小型化も図ることができる。
【0031】
以上、実施の形態1に係る位相調整器500の基本的な半導体層構造について説明した。さらに、上部位相調整電極211と半導体層との接触抵抗を低減するために、低抵抗な半導体からなるコンタクト層を、上部位相調整電極211と上部クラッド層203との間に形成してもよい。また、リッジ形状の側壁を光導波路コア層202よりも屈折率の低い半導体層で覆ったうえで保護絶縁膜300を形成するなど、一般的に知られている構造を付加してもよい。
【0032】
<実施の形態1に係る位相調整器の製造方法>
次に、実施の形態1に係る位相調整器500の製造方法の詳細について、以下に説明する。
半導体基板100の一例であるn型InP(インジウムリン)基板の表面に、例えば有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)のようなエピタキシャル結晶成長方法を用いて、下部クラッド層101及び下部クラッド層201となる層厚2.0μmのn型InP層を結晶成長する。続いて、光導波路コア層102及び光導波路コア層202となるAlInGaAsまたはInGaAsPなど、信号光の波長に合わせてAl、In、Ga、As、Pから適切な組成で選択した混晶半導体層を結晶成長する。さらに、上部クラッド層103及び上部クラッド層203となる層厚が3.0μmのp型InP層を順次結晶成長する。。
【0033】
光導波路コア層102及び光導波路コア層202は、入力する光信号の波長に応じて組成及び膜厚を適宜選択すればよい。例えば、光信号の波長が光通信において一般的によく用いられる1.55μmである場合、フォトルミネッセンス法による発光ピーク波長が1.2μmとなる層厚が400nmのInGaAsP混晶半導体などが光導波路コア層102及び光導波路コア層202を構成する混晶半導体の一例として挙げられる。
【0034】
また、光導波路コア層102及び光導波路コア層202は、多重量子井戸構造と呼ばれる層厚が10nm程度で互いに組成の異なる混晶半導体からなる各層を交互に複数回積層した構造を用いてもよい。この場合、いわゆる量子閉じ込めシュタルク効果により、バイアスを印加した際に光導波路コア層202において急峻な屈折率変化及び光損失量変化が得られるようになる。
【0035】
また、光導波路コア層に効率的に光を閉じ込めるため、光導波路コア層102及び光導波路コア層202の上下方向にSCH(Separate Confinement Heterostructure)層と呼ばれる、下部クラッド層101及び下部クラッド層201並びに上部クラッド層103及び上部クラッド層203よりも屈折率が高く、光導波路コア層102及び光導波路コア層202よりも屈折率が低い混晶半導体からなる積層構造を付加してもよい。
【0036】
また、第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bと位相調整部20との間で、異なる光導波路コア層構造を採用してもよい。例えば、位相調整部20の光導波路コア層202を形成した後に、第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bとなる領域に対して、薬液を用いたウェットエッチング法または反応性ガスのプラズマを用いたドライエッチング法などで光導波路コア層を選択的に除去し、除去した領域に再度、層構成の異なる光導波路コア層をMOCVD法によって結晶成長すればよい。
【0037】
続いて、第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bと位相調整部20とを、リッジ形状に加工するため、上部クラッド層103及び上部クラッド層203の表面に、所望の光導波路形状となるように、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、保護マスクとして幅1.0μmから3.0μmのストライプ状にパターニングされたSiO2膜を形成する。SiO2膜で覆われていない領域を、下部クラッド層101及び下部クラッド層201が露出するまで、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いてエッチングする。
【0038】
次に、リッジ形状を呈する第1光導波路部10a及び第2光導波路部10bと位相調整部20の両側面及びリッジ構造以外の半導体領域の表面を、汚染、水分などから保護するために、プラズマCVD法などを用いて、例えば膜厚500nmのSiO2膜を、保護絶縁膜300として成膜する。
【0039】
続いて、位相調整部20についてはリッジ構造の上部、つまり頂部のSiO2膜を選択的に除去し、上部クラッド層203が表面に露出した状態として、上部位相調整電極211となる導電膜を成膜する。上述したように、上部位相調整電極211は一定の抵抗値を有してヒータとして機能する必要がある。したがって、上部位相調整電極211を構成する材料として、白金、チタンなどの金属、ニクロムなどの合金、窒化タンタルなどの金属窒化物、酸化インジウムスズなどの金属酸化物、などが挙げられる。上部位相調整電極211は、膜厚が200nm程度の薄膜で構成される。
【0040】
続いて、位相調整部20において光信号の入力側となる上部位相調整電極211の一端の付近の部位に接して第1引き出し電極220を、光信号の出力側となる上部位相調整電極211の他端の付近の部位に接して第2引き出し電極221を形成する。第1引き出し電極220及び第2引き出し電極221の形成方法として、蒸着法、スパッタ法、めっき法などが挙げられる。
【0041】
第1引き出し電極220及び第2引き出し電極221を構成する材料として、金などの低抵抗金属を用いる。第1引き出し電極220及び第2引き出し電極221を構成する材料の一例として、膜厚3μmの金が挙げられる。
【0042】
ここで、上部位相調整電極211の両端部間の抵抗値R1(第1抵抗値)、すなわち第1引き出し電極220と第2引き出し電極221との間の抵抗値R1は、上部位相調整電極211と下部位相調整電極210の間に順方向電圧を印加した際の半導体層の抵抗値R2(第2抵抗値)と同程度になるように設定することが好適である。この理由としては、一方の抵抗値が低すぎる場合にはもう一方の電極間に十分な電流が流れず、熱光学効果による屈折率変化とキャリアプラズマ効果による屈折率変化及び光損失量変化の両者を同時に得ることができないからである。
【0043】
一般的にInP系半導体材料を用いた位相調整器において光信号の位相を半波長シフトするには、電流注入によるキャリアプラズマ効果では20mW程度、ヒータを用いた熱光学効果では50mW程度の印加電力が必要である。したがって、各効果が発現するために必要な電流がそれぞれ流れるように、上部位相調整電極211の両端部間の抵抗値R1と、上部位相調整電極211と下部位相調整電極210の間の半導体層の抵抗値R2との比率、つまりR1/R2は100以下、好ましくはR1/R2を10以下、さらに好ましくはR1/R2を1程度とすればよい。
【0044】
<実施の形態1の効果>
以上、実施の形態1に係る位相調整器によれば、位相調整器の位相調整部に、一端に第1引き出し電極が接続され他端に第2引き出し電極が接続された上部位相調整電極を設けたので、光導波路を伝搬する光信号の損失量及び位相変化量の調整が可能で、かつ小型化された位相調整器が得られるという効果を奏する。
【0045】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る位相調整器における信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図である。実施の形態2に係る位相調整器600は、上部位相調整電極211内を流れる電流の電流量が、上部位相調整電極211と下部位相調整電極210との間を流れる電流の電流量に対して極端に小さくならないようにするため、図5に示すように上部位相調整電極211と上部クラッド層203との間の一部の領域について絶縁膜310が形成されている構成である点が、実施の形態1に係る位相調整器500とは異なる。
【0046】
一般的な半導体デバイスにおいて、電極と半導体層の界面における接触抵抗を低減するため、接触面となる半導体層として、不純物を高濃度にドーピングしたり、あるいはキャリア移動度の高い半導体層を用いるなど、低抵抗となる半導体層を用いる。一方、上部位相調整電極211は、光導波路コア層の屈折率を熱光学効果により変化させるのに十分なジュール熱を発生させるために、抵抗値の大きな薄膜金属などを構成材料として用いる。
【0047】
ここで、上部位相調整電極211と半導体層の界面近傍の半導体層の抵抗値が上部位相調整電極211の両端部間の抵抗値R1よりも十分に小さくなった場合は、第1引き出し電極220と第2引き出し電極221との間を流れる電流は一定の抵抗値R1を持つ上部位相調整電極211内を流れず、低抵抗である半導体層内を流れるため、光導波路コア層202を加熱するための十分なジュール熱が発生しないおそれがある。
【0048】
そこで、実施の形態2に係る位相調整器600では、上部位相調整電極211と上部クラッド層203との間の一部の領域に絶縁膜310を形成する。絶縁膜310の上に上部位相調整電極211が形成された領域は、電流は上部位相調整電極211内のみを流れ、半導体層側には流れないため、上部位相調整電極211の両端部間の抵抗値R1に応じて確実にジュール熱を発生させることができる。したがって、実施の形態2に係る位相調整器600では、熱光学効果による屈折率変化と、キャリアプラズマ効果による屈折率変化及び光損失量変化の両者を同時に得ることができる。
【0049】
<実施の形態2の効果>
以上、実施の形態2に係る位相調整器によると、上部位相調整電極と上部クラッド層との間の一部の領域に絶縁膜を形成したので、熱光学効果による屈折率変化と、キャリアプラズマ効果による屈折率変化及び光損失量変化の両者を同時に得ることができるため、光導波路を伝搬する光信号の損失量及び位相変化量の調整が容易に可能で、かつ小型化された位相調整器が得られるという効果を奏する。
【0050】
実施の形態3.
図6は、実施の形態3に係る位相調整器における信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図である。また、図7は、実施の形態3に係る位相調整器の上面図である。
【0051】
図6及び図7に示すように、実施の形態3に係る位相調整器700は、上部位相調整電極211がストライプ方向に沿って少なくとも2つ以上の複数の電極に分割され、分割されたそれぞれの上部位相調整電極にはそれぞれ2つの引き出し電極が形成され、これらの引き出し電極の一方ずつはそれぞれ等電位に接続されている。以下では、上部位相調整電極211が2つに分割された場合を一例として説明する。
【0052】
位相調整器700の上部位相調整電極211は、ストライプ方向に沿って2つに分割された第1上部位相調整電極211a及び第2上部位相調整電極211bからなる。第1上部位相調整電極211aの一端に第1引き出し電極220の一端が接続され、第1上部位相調整電極211aの他端に第2引き出し電極221の一端が接続されている。さらに、第2上部位相調整電極211bの一端に第1引き出し電極220の他端が接続され、第2上部位相調整電極211bの他端に第2引き出し電極221の他端が接続されている。なお、上記説明において、一端とは光信号の入力側を、他端とは光信号の出力側をそれぞれ表す。
【0053】
本開示の位相調整器では、上部位相調整電極211内を流れる電流と、上部位相調整電極と下部位相調整電極210との間を流れる電流の両方が十分に流れる必要がある。そこで、実施の形態3では、位相調整部20を複数に分割し、分割されたそれぞれの位相調整部20は、外部に設けられた電源に対して電気的に並列に接続された構成とする。かかる構成により、上部位相調整電極211内を流れる電流も、上部位相調整電極211と下部位相調整電極210の間を流れる電流も、光導波路コア層202において位相を変化させるために必要な電流量が得られる。したがって、位相調整器に必要な電源構成を大型化、複雑化することなく、光信号の位相及び光損失量を容易に調整することができる。
【0054】
<実施の形態3の効果>
以上、実施の形態3に係る位相調整器によると、上部位相調整電極をストライプ方向に沿って少なくとも2つ以上の複数の電極に分割したので、光導波路コア層において位相を変化させるために必要な電流量が得られるため、光導波路を伝搬する光信号の損失量及び位相変化量の調整が容易に可能で、かつ小型化された位相調整器が得られるという効果を奏する。
【0055】
実施の形態4.
図8は、実施の形態4に係る半導体光集積素子1000の上面図であり、図9は、実施の形態4に係る半導体光集積素子1000の光変調器における信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図であり、図10は、実施の形態4に係る半導体光集積素子1000の光変調器における信号光の伝搬方向に垂直な方向の断面図である。なお、半導体光集積素子1000の一例として、マッハツェンダー型変調器を挙げている。
【0056】
<実施の形態4に係る半導体光集積素子の構成>
実施の形態4に係る半導体光集積素子1000の一例であるマッハツェンダー型変調器は、図8の上面図に示すように、基板100a上にそれぞれ設けられた、入力した信号光を2本の光導波路10に分岐する光分波器30と、光分波器30で2本に分岐した光導波路10のそれぞれに設けられ、高速に変調された電気信号を印加することにより変調された光信号を生成する光変調器40と、光導波路10を介して光変調器40のそれぞれに接続された実施の形態1から3のいずれかに係る位相調整器と、が接続され、この2本の光導波路10の光信号を入力とし、さらに2本の光導波路へと分岐して光信号を出力する光合分波器50と、を備える。なお、基板100aは、半導体基板100と、半導体基板100上に形成された各半導体層を含みうる。
【0057】
実施の形態4に係る半導体光集積素子1000の一例であるマッハツェンダー型変調器の光合分波器50からの出力の一端は光導波路を介して外部に信号光を出力する光出力部60に接続され、別の一端は光モニタ70に接続される。つまり、光合分波器50からの2つの出力である第1出力及び第2出力のうち、第1出力は光導波路を介して光出力部60に接続され、第2出力は光導波路を介して光モニタ70に接続される。
【0058】
光分波器30は、例えば1入力2出力型、あるいは2入力2出力型の多モード干渉型光導波路 (MMI: Multi Mode Interference)を用いることができる。
【0059】
光変調器40における信号光の伝搬方向に平行な方向の断面図を図9に、光変調器40の信号光の伝搬方向に垂直な方向の断面図を図10にそれぞれ示す。光変調器40は、例えばn型InPからなる下部クラッド層401と、i型のAlInGaAsまたはInGaAsPなどの混晶半導体層、あるいはこれらを積層した量子井戸構造からなる光導波路コア層402と、p型InPからなる上部クラッド層403を順次形成した半導体各層と、下部クラッド層401に電気的に接続する下部位相変調電極410と、上部クラッド層403と電気的に接続する上部位相変調電極411と、で構成される。光変調器40は、上部位相変調電極411に高速変調された電圧信号を印加することで光導波路コア層402を伝搬する信号光の位相を変調することができる。
【0060】
分岐された2本の光導波路10にそれぞれ形成された上部位相変調電極411を対として差動信号を与える手法がよく用いられる。かかる手法により、効率的に変調された光信号を生成することができる。光合分波器50は、例えば2入力2出力型MMIを用いることができる。
【0061】
マッハツェンダー型変調器では、光分波器30において2本の光導波路10へと分岐出力された信号光間に光変調器40によって位相差を与え、光合分波器50の出力側ではこの位相差に応じて光出力部60側、もしくは光モニタ70側へと光信号が出力される。したがって、光変調器40で与えた位相差に対応して光強度及び位相が変調された光信号を、光出力部60からマッハツェンダー型変調器の外部に出力することができる。
【0062】
ここで、出力される光信号の信号雑音比を向上させるためには、光合分波器50に入力する2本の光導波路10からの光信号間の位相差を正確に制御することに加えて、さらに光信号強度が合致している必要がある。そこで、実施の形態4に係る半導体光集積素子1000に搭載された位相調整器の位相調整部を用いて位相及び光損失量を調整することにより、光信号の位相及び光信号強度を所望の値に正確に合致させることができる。したがって、実施の形態4に係る半導体光集積素子1000では、小型化が可能で、かつ光信号の信号雑音比が高いマッハツェンダー型変調器を実現することができる。
【0063】
光モニタ70の一例として、例えば光導波路を伝搬する信号光強度を検出するためのフォトダイオードが挙げられる。光モニタ70を構成するフォトダイオードは、半導体基板上で光導波路内に集積したフォトダイオードでもよく、光導波路の端部からマッハツェンダー型変調器の外部に出力された信号光を受光する位置に設置されたフォトダイオードでもよい。
【0064】
光モニタ70を用い、マッハツェンダー型変調器の信号雑音比を改善する手順を、以下に説明する。マッハツェンダー型変調器に入力した信号光は、光分波器30で分岐されて2本の光導波路10を伝搬する。2本の光導波路10のそれぞれに接続された位相調整器の位相調整部20の上部位相調整電極211に沿って流れる電流と、上部位相調整電極211と下部位相調整電極210との間に流れる電流とを与えることにより、それぞれの光導波路10を伝搬する光の位相及び光強度を変化させることができる。
【0065】
マッハツェンダー型光導波路では、2本の光導波路10をそれぞれ伝搬する信号光の位相差に応じて光合分波器50から出力される信号光が変化するので、光モニタ70を用いて光信号の強度を測定することにより、2本の光導波路間の位相差をモニタすることができる。
【0066】
実施の形態4に係る半導体光集積素子1000では、光モニタ70で検出する光信号強度が最大になるように位相調整部20への電流値を調整したとき、2入力2出力型MMIの光学的特性により、光合分波器50のもう一方の光出力端への光出力、すなわち光出力部60における光出力は最小になる。理想的な場合、つまり、2本の光導波路10の光強度が完全に一致し、位相差が半波長分である場合、光出力部60の光出力はゼロとなる。
【0067】
以上に説明したように、位相調整部20の電流値を調整した状態を初期状態として、光変調器40の上部位相変調電極411に高速変調された電圧信号を印加することにより、2本の光導波路間の位相差に応じて高速変調された光出力が光出力部60から得られる。初期状態の光出力を限りなくゼロに近づけられればオン状態時の光出力との比は極めて大きくなるので、小型で、かつ信号雑音比が高いマッハツェンダー型変調器を実現することができる。
【0068】
<実施の形態4の効果>
以上、実施の形態4に係る半導体光集積素子によると、光変調器の上部位相変調電極に高速変調された電圧信号を印加することにより、2本の光導波路間の位相差に応じて高速変調された光出力が光出力部から得られるため、位相調整器に必要な電源構成を大型化、複雑化することなく、光信号の位相及び光損失量を調整することができる半導体光集積素子が得られるという効果を奏する。
【0069】
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
【0070】
従って、例示されていない無数の変形例が、本開示の技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0071】
10 光導波路、10a 第1光導波路部、10b 第2光導波路部、20 位相調整部、30 光分波器、40 光変調器、50 光合分波器、60 光出力部、70 光モニタ、100 半導体基板、100a 基板、101、201、401 下部クラッド層、102、102a、202、402 光導波路コア層、103、203、403 上部クラッド層、210 下部位相調整電極、211 上部位相調整電極、211a 第1上部位相調整電極、211b 第2上部位相調整電極、220 第1引き出し電極、221 第2引き出し電極、300 保護絶縁膜、410 下部位相変調電極、411 上部位相変調電極、500、600、700 位相調整器、1000 半導体光集積素子
【要約】
【課題】光信号の調整が可能で、かつ小型化された位相調整器を得る。
【解決手段】本開示の位相調整器500は、リッジ構造を有する第1光導波路部10aと、第1光導波路部10aに接しリッジ構造を有する位相調整部20と、位相調整部20に接しリッジ構造を有する第2光導波路部10bと、第1光導波路部10a、位相調整部20、及び第2光導波路部10bの表面を覆う保護絶縁膜300と、位相調整部20のリッジ構造の頂部に設けられストライプ方向に延在する上部位相調整電極211と、下部クラッド層101に接続された下部位相調整電極210と、保護絶縁膜300上に形成され上部位相調整電極211に接続された第1引き出し電極220と、保護絶縁膜300上に形成され上部位相調整電極211に接続された第2引き出し電極221と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10