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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】鉄道車両用電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 1/00 20060101AFI20241108BHJP
   B60L 7/14 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B60L1/00 C
B60L7/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024531769
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 JP2022026619
(87)【国際公開番号】W WO2024009361
(87)【国際公開日】2024-01-11
【審査請求日】2024-08-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】力武 純吾
【審査官】柳幸 憲子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-128353(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056588(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/109607(WO,A1)
【文献】特開2010-215014(JP,A)
【文献】特開2010-215013(JP,A)
【文献】国際公開第2024/084668(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00-3/12,7/00-13/00,15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電部を介して一次巻線が架線に接続される主変圧器と、前記主変圧器と前記架線とを電気的に遮断又は接続する開閉器と、前記架線と前記開閉器との間に設けられ、前記架線から印加される架線電圧を検出する電圧検出器とを備えた鉄道車両に搭載され、前記主変圧器の二次巻線に接続され、前記主変圧器を介して印加される交流電圧を直流電圧に変換するコンバータと、前記直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサを介して前記コンバータから印加される直流電圧を鉄道車両駆動用の推進モータへの駆動電圧に変換して前記推進モータに印加するインバータとを備えた第1の電力変換装置と、前記主変圧器の三次巻線に接続され、前記鉄道車両に搭載された補機に電力を供給する第2の電力変換装置と、を備えた鉄道車両用電力変換装置であって、
前記コンバータは、前記架線からの電力の供給が行われる給電期間においては、前記平滑コンデンサの電圧であるコンデンサ電圧を一定にするように動作し、前記架線からの電力の供給が行われない無給電期間においては、前記推進モータが発生する回生電力を前記主変圧器を介して前記第2の電力変換装置に供給する動作を行い、
前記インバータは、前記給電期間においては、前記推進モータを駆動する駆動トルクを出力し、前記無給電期間においては、前記補機の所要電力に基づいて決定された回生電力の目標値に従って動作し、
前記コンバータは、前記無給電期間においては、前記三次巻線に印加する電圧を前記架線電圧と前記主変圧器の巻数比とによって定まる目標電圧に一致させるように動作し、
前記コンバータは、前記給電期間において、
前記推進モータが力行動作しているときには、前記コンバータから前記平滑コンデンサに向かう第1の方向の電流量を調整する動作を行うことで前記コンデンサ電圧を制御し、
前記推進モータが回生動作しているときには、前記平滑コンデンサから前記コンバータに向かう第2の方向の電流量を調整する動作を行うことで前記コンデンサ電圧を制御する
ことを特徴とする鉄道車両用電力変換装置。
【請求項2】
前記インバータは、前記無給電期間においては、前記コンデンサ電圧を前記コンデンサ電圧の目標値に一致させるように動作する
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用電力変換装置。
【請求項3】
前記第1の電力変換装置の動作を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記補機の所要電力に基づいて前記回生電力の目標値を決定する第1の制御と、
前記第1の制御の実施後に前記架線電圧を参照せずに、一定の振幅及び周波数の正弦波電圧を生成する第2の制御と、
前記第2の制御で生成される前記正弦波電圧のゼロクロスを前記無給電期間の経過後に検出した新たな架線電圧の波形に合わせる第3の制御と、を実施する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用電力変換装置。
【請求項4】
前記鉄道車両には、複数の鉄道車両によって編成された列車の列車情報を管理する列車情報管理装置が搭載され、前記補機の所要電力に関する情報は、前記列車情報管理装置から前記第1の電力変換装置に伝送される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用電力変換装置。
【請求項5】
前記補機の所要電力に関する情報は、前記第2の電力変換装置から前記第1の電力変換装置に伝送される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交流架線から供給される交流電力を受電して走行する鉄道車両用電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電化された鉄道路線は、各変電所毎に電力を供給する範囲である、き電区間で区切られ、また、変電所毎に交流電力の電圧位相が異なっている。このため、交流電化された鉄道路線では、き電区間の境界において、給電ができない区間が設けられている。この区間は「デッドセクション」と呼ばれている。従って、交流電化された鉄道路線を走行する鉄道車両において、デッドセクションの通過時は、交流架線からの給電が途切れる無給電期間になる。一方、例えば熱帯又は亜熱帯地方に敷設される鉄道路線では、鉄道車両に搭載される補機のうち、少なくとも空調装置に関しては、無給電期間でも連続的に動作することが要求仕様とされることがある。なお、補機とは、鉄道車両に搭載されて電力が供給される機器のうち、推進モータ以外の機器を指して呼ぶ名称である。補機への電力供給は、補助電源装置と呼ばれる電力変換装置によって行われる。
【0003】
上記のような技術的背景の下、下記特許文献1には、デッドセクションの通過時に、鉄道車両駆動用の推進モータからの回生電力を主変換装置のコンバータが主変圧器を介して補助電源装置に供給することにより、デッドセクションの通過時であっても、通常走行時と同じように、鉄道車両に搭載された補機に連続的に電力を供給する技術が開示されている。この動作は、「ポンプバック」と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6510060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、無給電期間における補助電源装置の電力需要については、考慮されていない。無給電期間において、推進モータの回生電力供給量と補助電源装置の電力需要量とに不一致があると、補助電源装置への回生電力供給が円滑に行われない可能性がある。例えば、補助電源装置へ回生できなかった電圧が平滑コンデンサの電圧の跳ね上がりの要因となり、保護検知が働いてしまうという問題、或いは補助電源装置への回生電力量が足りずに、補機への電力供給が停止してしまうといった問題が生じ得る。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、無給電期間であっても、補機への電力供給を円滑に行うことができる鉄道車両用電力変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本開示に係る鉄道車両用電力変換装置は、主変圧器と、開閉器と、電圧検出器とを備えた鉄道車両に搭載される。主変圧器は受電部を介して一次巻線が架線に接続され、開閉器は主変圧器と架線とを電気的に遮断又は接続し、電圧検出器は架線と開閉器との間に設けられ、架線から印加される架線電圧を検出する。鉄道車両用電力変換装置は、第1の電力変換装置と、第2の電力変換装置とを備える。第1の電力変換装置は、コンバータと、平滑コンデンサと、インバータとを備える。コンバータは、主変圧器の二次巻線に接続され、主変圧器を介して印加される交流電圧を直流電圧に変換する。平滑コンデンサは、直流電圧を平滑する。インバータは、平滑コンデンサを介してコンバータから印加される直流電圧を鉄道車両駆動用の推進モータへの駆動電圧に変換して推進モータに印加する。第2の電力変換装置は、主変圧器の三次巻線に接続され、鉄道車両に搭載された補機に電力を供給する。コンバータは、架線からの電力の供給が行われる給電期間においては、平滑コンデンサの電圧であるコンデンサ電圧を一定にするように動作する。また、コンバータは、架線からの電力の供給が行われない無給電期間においては、推進モータが発生する回生電力を主変圧器を介して第2の電力変換装置に供給する動作を行う。インバータは、給電期間においては、推進モータを駆動する駆動トルクを出力し、無給電期間においては、補機の所要電力に基づいて決定された回生電力の目標値に従って動作する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る鉄道車両用電力変換装置によれば、無給電期間であっても、補機への電力供給を円滑に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置を含む鉄道車両システムの電気系統の構成例を示す図
図2図1に示す主変換装置の構成例を示す図
図3】実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置の給電期間におけるエネルギーフローの説明に供する図
図4】実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置の無給電期間におけるエネルギーフローの説明に供する図
図5】実施の形態に係る主変換装置の給電期間及び無給電期間での動作説明に供するタイムチャート
図6】実施の形態に係る主変換装置の給電期間における動作の要点の説明に供する図
図7】実施の形態に係る主変換装置の無給電期間における動作の要点の説明に供する図
図8】実施の形態に係るインバータ制御部の動作説明に供する動作フロー図
図9】実施の形態に係るコンバータ制御部の動作説明に供する動作フロー図
図10】実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置を備える鉄道車両の伝送系統の構成例を示す図
図11】実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置における情報伝送の説明に供するフローチャート
図12】実施の形態に係る制御装置の機能を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図
図13】実施の形態に係る制御装置の機能を実現するハードウェア構成の他の例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照し、本開示の実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置について詳細に説明する。なお、以下では、物理的な接続と電気的な接続とを区別せずに、単に「接続」と称して説明する。即ち、「接続」という文言は、構成要素同士が直接的に接続される場合と、構成要素同士が他の構成要素を介して間接的に接続される場合との双方を含んでいる。
【0011】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置を含む鉄道車両システムの電気系統の構成例を示す図である。実施の形態に係る鉄道車両システムは、受電部101と、電圧検出器であるACPT(Alternating Current Potential Transformer)102と、開閉器103と、主変圧器104と、主変換装置105と、推進モータ106と、補助電源装置107とを備えて構成される。なお、図1は、主変換装置105を4台とし、推進モータ106を4台とする構成であるが、一例であり、台数は異なっていても構わない。また、図1は、主変換装置105の1台に推進モータ106が1台接続される構成であるが、主変換装置105の1台に複数の推進モータ106が接続される構成であってもよい。また、図1は、主変圧器104に1台の補助電源装置107が接続される構成であるが、主変圧器104に複数の補助電源装置107が接続される構成であってもよい。また、図1において、主変換装置105及び補助電源装置107は、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置を構成する。
【0012】
受電部101は、鉄道車両が架線100からの交流電力を受電するための機器である。受電部101の例は、パンタグラフ、集電靴などである。鉄道車両への給電は、鉄道車両の上部に取り付けられるパンタグラフを想定しているが、線路の横に設置される第三軌条であっても構わない。
【0013】
開閉器103は、主変圧器104と架線100とを電気的に開閉する機器である。開閉器103の一例は遮断器であり、鉄道車両用としては、真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker:VCB)がよく用いられる。なお、主変圧器104と架線100との間を電気的に開閉、即ち遮断及び接続できる機器であれば遮断器でなくてもよい。
【0014】
ACPT102は、受電部101の受電電圧を測定する機器である。ACPT102は、架線100と開閉器103との間に設けられ、架線100から印加される架線電圧を検出する。
【0015】
主変圧器104は、一次巻線141と、二次巻線142と、三次巻線143とを備える。一次巻線141は、受電部101及び開閉器103を介して架線100に接続される。また、二次巻線142は主変換装置105に接続され、三次巻線143は補助電源装置107に接続される。一次巻線141には架線電圧が印加され、二次巻線142及び三次巻線143には、一次巻線141との間の巻数比によって決まる電圧が生じる。二次巻線142は主変換装置105の個数分を設置し、三次巻線143は補助電源装置107の個数分を設置し、それぞれの巻線と各装置とを一対一で接続するのを基本とするが、1つの巻線と複数の装置とをリアクトルを介して接続するような構成としても構わない。
【0016】
主変圧器104の一次巻線141に印加される架線電圧は、コンバータ210の電流制御の基準となる電圧であり、本稿では「基準電圧」と呼ぶことがある。なお、二次巻線142に生じる電圧を基準電圧としてもよい。
【0017】
主変換装置105は、コンバータ210と、インバータ230とを備える。コンバータ210は、主変圧器104の二次巻線142に接続され、主変圧器104を介して印加される交流電圧を直流電圧に変換する。インバータ230は、直流側が中間リンク部153を介してコンバータ210に接続され、交流側が推進モータ106に接続される。インバータ230は、中間リンク部153から印加される直流電圧を推進モータ106への駆動電圧に変換して推進モータ106に印加する。なお、本稿では、主変換装置105を「第1の電力変換装置」と呼ぶことがある。
【0018】
推進モータ106は、鉄道車両駆動用のモータである。鉄道車両は、推進モータ106の回転によって駆動力を得て走行する。また、鉄道車両は、推進モータ106の発生するトルクによって、加速又は減速する。
【0019】
補助電源装置107は、主変圧器104の三次巻線143に接続され、前述した補機への電力供給を行う。補機の例は、車内照明装置、ドア開閉装置、空調装置、保安機器、コンプレッサ、バッテリ、制御電源などである。なお、本稿では、補助電源装置107を「第2の電力変換装置」と呼ぶことがある。
【0020】
図2は、図1に示す主変換装置105の構成例を示す図である。主変換装置105は、コンバータ210と、平滑コンデンサ220と、インバータ230と、制御装置240とを備える。また、制御装置240は、コンバータ制御部242と、インバータ制御部244とを備える。コンバータ制御部242はコンバータ210の動作を制御し、インバータ制御部244はインバータ230の動作を制御する。なお、制御装置240は、コンバータ制御部242とインバータ制御部244とを区別して構成する必要はなく、共用できる部分は共用し、両者を一体的に構成してもよい。
【0021】
コンバータ210は、一次側端子211と、二次側端子212とを備える。コンバータ210は、一次側端子211に印加される単相交流電圧と、二次側端子212に印加される直流電圧とを相互に変換することができる。この動作は、コンバータ制御部242によって制御される。コンバータ210は、一次側端子211の電圧を調整することで、インバータ230側に融通する電力を制御する。また、一次側端子211の1つには、電流センサ213が配置されている。電流センサ213は、コンバータ210の一次側に流れる電流を検出する。なお、図2では、3個の二次側端子212を有し、二次側に3種類の電位を出力することが可能な3レベルコンバータを例示しているが、この例に限定されない。二次側端子212の個数は2個でもよく、4個以上でも構わない。二次側端子212の個数が2個の構成は、2レベルコンバータと呼ばれる。
【0022】
インバータ230は、一次側端子231と、二次側端子232とを備える。前述した、コンバータ210の二次側端子212と、インバータ230の一次側端子231との間の部位は、前述した中間リンク部153を構成する。インバータ230は、一次側端子231に印加される直流電圧と、二次側端子232に印加される交流電圧とを相互に変換することができる。この動作は、インバータ制御部244によって制御される。インバータ230は、二次側端子232の電圧を調整することで推進モータ106の出力トルクを制御する。推進モータ106が三相交流モータの場合、二次側端子232に出力する電圧は三相交流電圧となる。なお、図2では、2個の一次側端子231を有し、一次側に2種類の電位を出力することが可能な2レベルインバータを例示しているが、この例に限定されない。一次側端子231の個数は3以上でも構わない。一次側端子231の個数が3個の構成は、3レベルインバータと呼ばれる。
【0023】
平滑コンデンサ220は、コンバータ210の二次側端子212と、インバータ230の一次側端子231との間に接続され、直流電圧の変動を抑制する機能を有する。コンバータ210及びインバータ230が共に2レベルの構成である場合、平滑コンデンサ220は1個だけでも構わない。また、平滑コンデンサ220には、並列に電圧センサ221が配置されている。電圧センサ221は、平滑コンデンサ220の両端の電圧であるコンデンサ電圧を検出する。なお、平滑コンデンサ220は中間リンク部153の構成要素であり、コンデンサ電圧は、「中間リンク電圧」とも呼ばれる。
【0024】
図3は、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置の給電期間におけるエネルギーフローの説明に供する図である。また、図4は、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置の無給電期間におけるエネルギーフローの説明に供する図である。なお、給電期間とは、架線100からの電力が正常に主変圧器104に印加されている期間を意味する。また、無給電期間には、鉄道車両が実際にデッドセクションを通過する期間と、当該期間の前後において開閉器103が開状態である期間とが含まれている。即ち、無給電期間とは、主変圧器104と架線100とが電気的に遮断され、主変圧器104に架線100からの電力が供給されない期間を意味する。
【0025】
通常時において、鉄道車両の駆動に必要な電力は受電部101、開閉器103及び主変圧器104を介して主変換装置105及び補助電源装置107に供給される。主変換装置105は、供給される電力を推進モータ106への駆動電力に変換して推進モータ106を駆動する。補助電源装置107は、供給される電力を補機への駆動電力に変換して補機を動作させる。
【0026】
無給電期間中においては、架線100から給電することができない。このため、制御装置240に備えられるコンバータ制御部242は、推進モータ106の運動エネルギーを回生させ、そのときの回生電力を主変換装置105と、主変圧器104とを介して、補助電源装置107に供給するポンプバックを行う。以降の説明において、主変換装置105に関する記載がある場合、ポンプバックを行う主変換装置105のことを指すものとする。なお、ポンプバックを行う主変換装置105は、主変圧器104毎に1台とする。1台の主変換装置105がポンプバックを行うことにより、主変圧器104に供給される回生電力が不安定になることを防止できる。ポンプバックを行う1台の主変換装置105は、予め決められていてもよいし、列車情報を管理する列車情報管理装置が、指定してもよい。列車情報管理装置については、後述する。
【0027】
図5は、実施の形態に係る主変換装置105の給電期間及び無給電期間での動作説明に供するタイムチャートである。図5の横軸は時間を表している。また、図5の縦軸方向には、上段側から順に、ACPT102の検出波形、デッドセクション通過信号、インバータ電力、ポンプバックの状態信号、開閉器103の状態信号、及びコンバータ制御に使用する電圧波形を示している。図5において、鉄道車両は左から右側に走行する。
【0028】
鉄道車両がデッドセクションを通過する前には、デッドセクション通過信号が出力される。時刻t1でデッドセクション通過信号が出力され、時刻t10でデッドセクション通過信号の出力が解除される。時刻t2で回生電力が決定され、時刻t3でポンプバックが開始される。時刻t4で開閉器103が開放され、開である状態は時刻t11まで継続される。時刻t5から時刻t6までが、実際にデッドセクションを通過している期間である。時刻t7から時刻t8の期間では、コンバータ210の出力電圧波形をACPT102の検出波形に合わせる制御が行われる。時刻t9でポンプバックが終了し、時刻t12で回生から力行に移行する。
【0029】
次に、図5のタイムチャートを参照して、主変圧器104及び主変換装置105の挙動について説明する。まず、架線100からの給電があるとき、コンバータ210は、コンデンサ電圧がコンデンサ電圧目標値になるように動作する。主変圧器104は、コンバータ210が必要な電力を受電できるように、コンバータ210の一次側端子211に単相交流電圧を出力する。コンバータ210は、平滑コンデンサ220が指令値通りの電圧に追従できるように、二次側端子212に直流電圧を出力する。一方、インバータ230は、推進モータ106が指令値通りのトルクを出力できるように、二次側端子232に電圧を出力する。
【0030】
時刻t1でデッドセクション通過信号が出力され、この信号を受け取ると、インバータ230は、力行トルクを絞ることで力行電力を下げ、推進モータ106への電流の供給を停止する。その後、推進モータ106は回生状態に移行して回生電力を発生する。時刻t2では回生電力が決定され、時刻t3でポンプバックが開始される。回生電力は、補助電源装置107において必要とされる補機所要電力に基づいて決定される。補機所要電力は、デッドセクションの通過に伴う無給電期間において、補助電源装置107の負荷である補機に必要とされる電力である。本稿では、この制御を「回生電力決定制御」と呼ぶ。また、本稿では、回生電力決定制御を「第1の制御」と呼ぶことがある。
【0031】
補機所要電力の情報は、主変換装置105の制御装置240に伝送される。補機所要電力の情報伝送は、図示しない補助電源装置107の制御装置から制御装置240に伝送することができる。補機所要電力は、補助電源装置107が出力する電圧と、補助電源装置107が補機に供給する電流とによって、演算で求めることが可能である。また、これに代え、鉄道車両システムが備えている列車情報管理装置を使用して、補機所要電力の情報を制御装置240に伝送してもよい。なお、列車情報管理装置を使用する場合の実施例については、後述する。また、図5では、ポンプバックが開始される前に回生電力が決定される例を示しているが、この例に限定されない。ポンプバックの開始後に回生電力が決定されることでもよい。
【0032】
時刻t3でポンプバックの動作に切り替わると、インバータ230は、コンデンサ電圧の維持に必要な電力を、推進モータ106から回生させるように動作する。主変換装置105から出力される回生電力は、補機所要電力の情報に基づいて決定されているので、主変換装置105からの回生電力と補助電源装置107に接続される補機での消費電力とはほぼ一致し、開閉器103に流れる電流は迅速にゼロに近づく。これにより、時刻t4で開閉器103を開放することが可能になる。
【0033】
実際にデッドセクションを通過している時刻t5から時刻t6の期間は、架線電圧を計測できなくなる。このため、開閉器103の状態信号がOFFになる時刻t4、即ち時刻t5よりも前の時刻t4から、架線電圧を参照しない制御に切り替わる。具体的に、コンバータ210は、架線電圧を参照せずに、一定の振幅及び周波数の正弦波電圧を一次側端子211に出力する。本稿では、この制御を「架線電圧非参照制御」と呼ぶ。また、本稿では、架線電圧非参照制御を「第2の制御」と呼ぶことがある。架線電圧非参照制御は、デッドセクションを通過した後の時刻t7まで継続される。
【0034】
鉄道車両がデッドセクションを通過した時点の時刻t6以降、ACPT102によって架線電圧の計測が再開される。ところが、架線電圧とコンバータ210が生成する電圧とは、位相が異なるので、仮にこの時点で開閉器103を閉じるとすると、主変圧器104に過大な突入電流が流れるおそれがある。この過大電流を防止するため、コンバータ210は、生成中の正弦波電圧を徐々に新たな架線100によるACPT102の検出波形に合わせる制御を行う。具体的に、コンバータ210は、補助電源装置107への電力供給を続けながら、正弦波電圧のゼロクロスを新たな架線電圧の波形に合わせる制御を行う。ゼロクロスの制御は、正弦波電圧の周波数を少しずつ変化させればよい。この制御により、正弦波電圧の位相が架線電圧の位相に追従して、正弦波電圧の位相と架線電圧の位相とが同期する。本稿では、この制御を「架線電圧位相追従制御」と呼ぶ。また、本稿では、架線電圧位相追従制御を「第3の制御」と呼ぶことがある。
【0035】
時刻t8で正弦波電圧の位相と架線電圧の位相とが同期し、その後の時刻t9でポンプバックが終了し、更にその後の時刻t11で開閉器103が閉じられる。時刻t11以降、架線100からの給電が再開され、時刻t12以降、通常の力行制御に戻る。
【0036】
次に、給電の有無による主変換装置105の動作の差異について図6及び図7を参照して説明する。図6は、実施の形態に係る主変換装置105の給電期間における動作の要点の説明に供する図である。また、図7は、実施の形態に係る主変換装置105の無給電期間における動作の要点の説明に供する図である。
【0037】
まず、給電期間の動作について説明する。給電期間において、架線100から供給された電力は、主変圧器104を通じて2方向に分かれ、一方は補助電源装置107に供給され、他方は、コンバータ210、平滑コンデンサ220及びインバータ230を経由して、推進モータ106に供給される。コンバータ210から推進モータ106へ向かう電力の流れは、推進モータ106に力行トルクを付与する力行時の流れである。力行時において、コンバータ210は、コンデンサ電圧がコンデンサ電圧目標値になるようにプラスの電流量を調整する動作を行う。プラスの電流量とは、コンバータ210から平滑コンデンサ220に向かう第1の方向の電流量である。ここで言う第1の方向は、コンバータ210が平滑コンデンサ220を充電する方向である。このとき、インバータ230は、推進モータ106の力行トルクを制御する。また、推進モータ106からコンバータ210へ向かう電力の流れは、推進モータ106が回生電力を発生する回生時の流れである。回生時において、コンバータ210は、コンデンサ電圧がコンデンサ電圧目標値になるようにマイナスの電流量を調整する。マイナスの電流量とは、平滑コンデンサ220からコンバータ210に向かう第2の方向の電流量である。ここで言う第2の方向は、コンバータ210が平滑コンデンサ220に蓄積された電荷を放電させる方向である。このとき、インバータ230は、推進モータ106の回生トルクを制御する。
【0038】
次に、無給電期間の動作について説明する。無給電期間においては、推進モータ106で発生した回生電力が、インバータ230、平滑コンデンサ220、コンバータ210及び主変圧器104を経由して、補助電源装置107に供給される。電力の流れは、1方向である。コンバータ210は、出力電圧が一定の目標架線電圧になるように動作する。目標架線電圧は、無給電期間において、コンバータ210が三次巻線143に印加する電圧である。目標架線電圧は、架線電圧と主変圧器104の巻数比とによって定まる電圧である。ここで言う主変圧器104の巻数比は、一次巻線141と三次巻線143との巻数比である。
【0039】
コンバータ210が主変圧器104を介して補助電源装置107に供給する電力は、補助電源装置107の負荷である補機の所要電力に依存し、その所要電力に応じた電力を供給する必要がある。このため、コンバータ210は、コンデンサ電圧を一定にするコンデンサ電圧一定制御を実施することができない。そこで、このときのコンデンサ電圧一定制御は、インバータ230が担う。インバータ230は、コンデンサ電圧がコンデンサ電圧目標値になるようにマイナスの電流を調整する。ここで言うマイナスの電流とは、インバータ230が平滑コンデンサ220を充電する向きに流れる電流を意味している。
【0040】
なお、無給電期間が経過すると、再び給電期間に戻る。このときは、図6の動作となる。このとき、コンバータ210は、コンデンサ電圧一定制御に復帰し、インバータ230は、推進モータ106の駆動トルクを制御する駆動トルク制御に復帰する。
【0041】
次に、実施の形態に係るコンバータ制御部242及びインバータ制御部244の動作について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、実施の形態に係るインバータ制御部244の動作説明に供する動作フロー図である。また、図9は、実施の形態に係るコンバータ制御部242の動作説明に供する動作フロー図である。
【0042】
まず、図8に示すように、インバータ制御部244の内部では、駆動トルク目標値をインバータトルク目標値として出力する処理の制御系と、前述したコンデンサ電圧をコンデンサ電圧目標値に一致させる制御を行う制御系とが存在する。2つの制御系による出力は、回生電力決定フラグによって切り替えられる。回生電力決定フラグは、回生電力決定制御によって回生電力が決定されたときに出力される。前述した図5のタイムチャートでは、時刻t2で決定されている。この回生電力は、前述したように、補機所要電力に基づいて決定される。また、前述したように、補機所要電力は、列車情報管理装置から制御装置240に伝送される。この伝送処理については、更に幾つかの図面を用いて後述する。
【0043】
コンデンサ電圧をコンデンサ電圧目標値に一致させる制御系は、図8に示すように、コンデンサ電圧検出値とコンデンサ電圧目標値との差分を補機所要電力を初期値としてPI(Proportional Integral)制御することで制御値を演算する。そして、演算した制御値をインバータトルク目標値としてインバータ230を駆動することで、前述したインバータ230によるコンデンサ電圧一定制御が実施される。
【0044】
次に、コンバータ制御部242について説明する。図9に示すように、コンバータ制御部242の内部では、架線電圧の検出値を取り込んで制御演算に使用する制御系と、架線電圧をトリガにして生成した正弦波電圧を制御演算に使用する制御系とが存在する。2つの制御系による出力は、波形の同一性確認完了フラグ及び架線電圧非参照制御の状態フラグによって切り替えられる。架線電圧非参照制御の状態フラグは、架線電圧非参照制御が実施されている期間においては、常時出力されている。波形の同一性確認完了フラグは、架線電圧位相追従制御において、正弦波電圧の位相と架線電圧の位相とが同期したと判定されたときに出力される。
【0045】
図9に示されるように、架線電圧非参照制御の状態フラグが出力され、且つ波形の同一性確認完了フラグが出力されていなければ、コンバータ制御部242の内部で生成した正弦波電圧が制御演算に使用される。図5のタイムチャートで見れば、時刻t4から時刻t7までの期間が、この状態に対応している。一方、架線電圧非参照制御の状態フラグが出力されず、又は、波形の同一性確認完了フラグが出力されていれば、架線電圧の検出値が取り込まれて制御演算に使用される。図5のタイムチャートで見れば、時刻t4までの期間と、時刻t8以降の期間とが、この状態に対応している。
【0046】
次に、補機所要電力を列車情報管理装置から制御装置240に伝送する処理について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置を備える鉄道車両の伝送系統の構成例を示す図である。また、図11は、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置における情報伝送の説明に供するフローチャートである。
【0047】
図10には、1両の指令車80と、少なくとも2両の電動車82及び2両の付随車84とを有して編成される列車が示されている。指令車80は、図示しない運転台が搭載される車両である。電動車82は、上述した推進モータ106が搭載される車両である。付随車84は、運転台及び推進モータ106が搭載されない車両である。列車は、推進モータ106が搭載される電動車82によって推進力が付与される。
【0048】
指令車80には、列車情報管理装置50が搭載されている。列車情報管理装置50は、列車内で伝送される列車情報を管理する装置である。電動車82には、上述した主変換装置105が搭載されている。
【0049】
列車情報管理装置50は、列車内で伝送される列車情報を管理する装置である。列車情報には、補助電源装置107に関する動作情報も含まれており、列車情報管理装置50は、前述した補機所要電力の情報も管理している。従って、補機所要電力の情報を、伝送線86を通じて電動車82の各々の主変換装置105に伝送することが可能となる。また、列車情報には、前述したデッドセクション通過信号も含まれている。
【0050】
図11において、列車情報管理装置50は、デッドセクション通過信号を受信すると(ステップS11)、指定された電動車82の主変換装置105に補機所要電力の情報を送信する(ステップS12)。ステップS12の処理は、デッドセクション通過信号が解除され無い限り継続され(ステップS13,No)、デッドセクション通過信号が解除されれば(ステップS13,Yes)、図11の処理フローを抜ける。
【0051】
補機所要電力の情報を受信した後の主変換装置105の動作は、前述した通りである。主変換装置105は、無給電期間において、補機所要電力の情報に基づいて推進モータ106が発生する回生電力を制御するので、無給電期間であっても、補機への電力供給を円滑に行うことが可能となる。
【0052】
以上説明したように、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置は、コンバータ、平滑コンデンサ及びインバータを備え、主変圧器の二次巻線に接続される第1の電力変換装置と、主変圧器の三次巻線に接続され、鉄道車両に搭載された補機に電力を供給する第2の電力変換装置とを備える。コンバータは、架線からの電力の供給が行われる給電期間においては、平滑コンデンサの電圧であるコンデンサ電圧を一定にするように動作する。また、コンバータは、架線からの電力の供給が行われない無給電期間においては、推進モータが発生する回生電力を主変圧器を介して第2の電力変換装置に供給する動作を行う。インバータは、給電期間においては、推進モータを駆動する駆動トルクを出力し、無給電期間においては、補機の所要電力に基づいて決定された回生電力の目標値に従って動作する。このように構成された、鉄道車両用電力変換装置によれば、無給電期間において、推進モータの回生電力供給量と補助電源装置の電力需要量とが一致するように動作する。これにより、無給電期間であっても、補機への電力供給を円滑に行うことが可能となる。また、補助電源装置へ回生できなかった電圧が平滑コンデンサの電圧の跳ね上がりの要因となり、保護検知が働いてしまうという問題が生じるのを回避することができる。また、補助電源装置への回生電力量が足りずに、補機への電力供給が停止してしまうといった問題が生じるのも回避することができる。
【0053】
また、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置は、無給電期間において、コンバータは、三次巻線に印加する電圧を架線電圧と主変圧器の巻数比とによって定まる目標電圧に一致させるように動作し、インバータは、コンデンサ電圧をコンデンサ電圧の目標値に一致させるように動作する。また、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置は、給電期間において、コンバータは、推進モータが力行動作しているときには、コンバータから平滑コンデンサに向かう第1の方向の電流量を調整する動作を行うことでコンデンサ電圧を制御し、推進モータが回生動作しているときには、平滑コンデンサからコンバータに向かう第2の方向の電流量を調整する動作を行うことでコンデンサ電圧を制御する。このように構成された鉄道車両用電力変換装置によれば、給電期間と無給電期間との間の制御の受け渡しを円滑に行うことができる。
【0054】
また、実施の形態に係る鉄道車両用電力変換装置において、制御装置は、補機の所要電力に基づいて回生電力の目標値を決定する第1の制御を実施し、第1の制御の実施後に架線電圧を参照せずに、一定の振幅及び周波数の正弦波電圧を生成する第2の制御を実施し、第2の制御で生成される正弦波電圧のゼロクロスを無給電期間の経過後に検出した新たな架線電圧の波形に合わせる第3の制御を実施するように制御系を構成することができる。第1の制御を実施する際に必要とされる回生電力の目標値に関する情報は、第2の電力変換装置から受領してもよいし、鉄道車両に搭載される列車情報管理装置から受信してもよい。なお、列車情報管理装置を利用する形態であれば、電動車が複数編成されている列車において、補機への電力供給を所望の電動車に指示することができる。また、複数の電動車に指示することで、回生電力が不足する事態になることを確実に防止することができる。
【0055】
最後に、上述した制御装置240の機能を実現するためのハードウェア構成について、図12及び図13の図面を参照して説明する。図12は、実施の形態に係る制御装置240の機能を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図13は、実施の形態に係る制御装置240の機能を実現するハードウェア構成の他の例を示すブロック図である。
【0056】
実施の形態における制御装置240の機能の一部又は全部を実現する場合には、図12に示されるように、演算を行うプロセッサ300、プロセッサ300によって読みとられるプログラムが保存されるメモリ302、及び信号の入出力を行うインタフェース304を含む構成とすることができる。
【0057】
プロセッサ300は、演算手段である。プロセッサ300は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)と称される演算手段であってもよい。また、メモリ302には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)を例示することができる。
【0058】
メモリ302には、実施の形態における制御装置240の機能を実行するプログラムが格納されている。プロセッサ300は、インタフェース304を介して必要な情報を授受し、メモリ302に格納されたプログラムをプロセッサ300が実行し、メモリ302に格納されたテーブルをプロセッサ300が参照することにより、上述した処理を行うことができる。プロセッサ300による演算結果は、メモリ302に記憶することができる。
【0059】
また、実施の形態における制御装置240の機能の一部を実現する場合には、図13に示す処理回路303を用いることもできる。処理回路303は、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。処理回路303に入力する情報、及び処理回路303から出力する情報は、インタフェース304を介して入手することができる。
【0060】
なお、制御装置240における一部の処理を処理回路303で実施し、処理回路303で実施しない処理をプロセッサ300及びメモリ302で実施してもよい。
【0061】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0062】
50 列車情報管理装置、80 指令車、82 電動車、84 付随車、86 伝送線、100 架線、101 受電部、102 ACPT、103 開閉器、104 主変圧器、105 主変換装置、106 推進モータ、107 補助電源装置、141 一次巻線、142 二次巻線、143 三次巻線、153 中間リンク部、210 コンバータ、211,231 一次側端子、212,232 二次側端子、213 電流センサ、220 平滑コンデンサ、221 電圧センサ、230 インバータ、240 制御装置、242 コンバータ制御部、244 インバータ制御部、300 プロセッサ、302 メモリ、303 処理回路、304 インタフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13