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特許7584722コアネットワーク装置、障害監視端末、障害監視方法および障害監視システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】コアネットワーク装置、障害監視端末、障害監視方法および障害監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/10 20220101AFI20241108BHJP
【FI】
H04L43/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024552309
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 JP2022046261
(87)【国際公開番号】W WO2024127598
(87)【国際公開日】2024-06-20
【審査請求日】2024-09-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】上吉川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】青山 哲也
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-133672(JP,A)
【文献】特開2017-73645(JP,A)
【文献】国際公開第2016/203553(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と移動端末との間の通信状況を監視する通信状況監視部と、
前記通信状況に基づいて、前記基地局と前記移動端末との間でデータ伝送している第1の期間に、前記基地局の通信エリア内に設置されており前記基地局に無線通信障害が発生しているか否かを監視する障害監視端末による監視を停止し、前記基地局と前記移動端末との間でデータ伝送していない第2の期間に、前記障害監視端末による監視を行うように、前記基地局に前記障害監視端末による監視の停止および再開を指示する障害監視制御部と、
を備えることを特徴とするコアネットワーク装置。
【請求項2】
前記基地局は前記移動端末とトンネリングした通信路を使ってデータ伝送し、
前記通信状況監視部は、前記通信路のトンネリング識別子毎に前記通信状況を監視することを特徴とする請求項1に記載のコアネットワーク装置。
【請求項3】
前記通信状況監視部は、前記基地局からのデータ伝送が予め定められた時間停止していることを検知した場合、前記基地局と前記移動端末とが予め定められた時間無線切断状態を継続した場合、前記移動端末からパケットを受信した場合、前記基地局が前記移動端末に無線リソースを割り当てた場合、または、前記基地局が前記移動端末とのコントロールプレーン手順を開始したことを検知した場合、前記障害監視制御部に通知を出力することを特徴とする請求項1に記載のコアネットワーク装置。
【請求項4】
前記基地局は、前記障害監視端末の無線リソースを解放する、前記障害監視端末の無線リソースの割り当てを低減する、または、前記障害監視端末が送受信する障害監視用データのトラフィックを低減することによって、前記障害監視端末による監視を停止することを特徴とする請求項1に記載のコアネットワーク装置。
【請求項5】
前記基地局は、ページングによって前記障害監視端末に無線リソースを再割り当てする、前記障害監視端末に割り当てる無線リソースを増大する、または、前記障害監視端末が送受信する障害監視用データのトラフィックを増大することによって、前記障害監視端末による監視を再開することを特徴とする請求項1に記載のコアネットワーク装置。
【請求項6】
前記障害監視端末が送信する障害監視用データに基づいて、前記基地局と前記障害監視端末との間の無線接続断を検知し、検知結果を障害監視サーバに伝送する端末管理部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコアネットワーク装置。
【請求項7】
基地局と無線信号の送受信を行う無線送受信部と、
前記基地局との間で障害監視用データを送受信して前記基地局に無線通信障害が発生しているか否かを監視する障害監視部と、
前記無線通信障害の発生の有無の判定結果を障害監視サーバに通知する障害監視サーバ用送受信部と、
前記基地局と移動端末との間でデータ伝送している第1の期間に前記障害監視部による監視を停止し、前記基地局と前記移動端末との間でデータ伝送していない第2の期間に前記障害監視部による監視を行うようにする指示に従って前記無線送受信部を制御し、前記基地局との間の無線接続が切断された後、自発的に再接続を行わないように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする障害監視端末。
【請求項8】
前記障害監視部は、電波強度の低下、無線リソース制御コネクション障害、パケット到達率の低下、およびスループットの低下のうち少なくとも1つを前記無線通信障害として検知することを特徴とする請求項7に記載の障害監視端末。
【請求項9】
コアネットワーク装置が、基地局と移動端末との間の通信状況を監視し、前記基地局と前記移動端末との間でデータ伝送が開始される前に、前記基地局の通信エリア内に設置された障害監視端末による無線通信障害の監視を停止させるステップと、
前記コアネットワーク装置が、前記移動端末による前記基地局との通信が終了した後に、監視を停止していた前記障害監視端末による無線通信障害の監視を再開させるステップと、
前記障害監視端末が、無線通信障害を検知した場合、障害監視サーバに対して通知するステップと、
を含み、
前記障害監視端末は、前記基地局との間の無線接続が切断された後、自発的に再接続を行わないように制御することを特徴とする障害監視方法。
【請求項10】
前記基地局は前記移動端末とトンネリングした通信路を使ってデータ伝送し、
前記通信状況の監視は、前記通信路のトンネリング識別子毎に行うことを特徴とする請求項9に記載の障害監視方法。
【請求項11】
前記通信状況を監視し、前記基地局からのデータ伝送が予め定められた時間停止していることを検知した場合、前記基地局と前記移動端末とが予め定められた時間無線切断状態を継続した場合、前記移動端末からパケットを受信した場合、前記基地局が前記移動端末に無線リソースを割り当てた場合、または、前記基地局が前記移動端末とのコントロールプレーン手順を開始したことを検知した場合、通知を出力し、当該通知により前記障害監視端末による監視を停止および再開するタイミングを決定することを特徴とする請求項9に記載の障害監視方法。
【請求項12】
前記障害監視端末の無線リソースを解放する、前記障害監視端末の無線リソースの割り当てを低減する、または、前記障害監視端末が送受信する障害監視用データのトラフィックを低減することによって、前記障害監視端末による監視を停止することを特徴とする請求項9に記載の障害監視方法。
【請求項13】
前記障害監視端末に無線リソースを再割り当てする、前記障害監視端末に割り当てる無線リソースを増大する、または、前記障害監視端末が送受信する障害監視用データのトラフィックを増大することによって、前記障害監視端末による監視を再開することを特徴とする請求項9に記載の障害監視方法。
【請求項14】
前記コアネットワーク装置において、前記障害監視端末が送信する障害監視用データに基づいて、前記基地局と前記障害監視端末との間の無線接続断を検知し、検知結果を障害監視サーバに伝送するステップ、
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の障害監視方法。
【請求項15】
前記障害監視端末は、電波強度の低下、無線リソース制御コネクション障害、パケット到達率の低下、およびスループットの低下のうち少なくとも1つを前記無線通信障害として検知することを特徴とする請求項9に記載の障害監視方法。
【請求項16】
基地局と、前記基地局と無線通信する移動端末とを有する無線通信システムの無線通信障害を監視する障害監視システムであって、
前記基地局の通信エリア内に設置された障害監視端末と、
コアネットワーク装置と、
を備え、
前記コアネットワーク装置は、
基地局と移動端末との間の通信状況を監視する通信状況監視部と、
前記通信状況に基づいて、前記基地局と前記移動端末との間でデータ伝送している第1の期間に、前記基地局の通信エリア内に設置されており前記基地局に無線通信障害が発生しているか否かを監視する障害監視端末による監視を停止し、前記基地局と前記移動端末との間でデータ伝送していない第2の期間に、前記障害監視端末による監視を行うように、前記基地局に監視の停止および再開を指示する障害監視制御部と、
を有することを特徴とする障害監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムの無線通信障害を監視するコアネットワーク装置、障害監視端末、障害監視方法および障害監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、高可用性を実現するために障害監視機能が提供される。例えば、特許文献1には、移動端末によって、接続中の無線ネットワークの無線通信障害を監視する方法が開示されている。この移動端末は、診断モジュールが診断インタフェースを介してモデムから診断メッセージを受信し、受信した診断メッセージを処理することで、無線ネットワークとの通信を制御するために使用するネットワークステータス情報をアプリケーションに提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5518957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、基地局の通信エリア内に移動端末が存在して初めて障害を検知することができるため、通信エリア内に移動端末が存在しない時間が長いようなユースケースでは、通信断時間が増大して無線通信システムの可用性が低下する場合がある。このため、基地局の通信エリア内に障害監視用の監視端末を設置して、この監視端末によって基地局の無線通信障害を監視することが考えられる。しかしながら、ただ監視端末を設置するだけでは、監視端末に無線リソースが常時割り当てられてしまうため、移動端末に十分な無線リソースを確保することができず、無線通信システムの可用性が低下する場合があるという問題があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、無線通信システムの可用性を向上させることが可能なコアネットワーク装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかるコアネットワーク装置は、基地局と移動端末との間の通信状況を監視する通信状況監視部と、通信状況に基づいて、基地局と移動端末との間でデータ伝送している第1の期間に、基地局の通信エリア内に設置されており基地局に無線通信障害が発生しているか否かを監視する障害監視端末による監視を停止し、基地局と移動端末との間でデータ伝送していない第2の期間に、障害監視端末による監視を行うように、基地局に障害監視端末による監視の停止および再開を指示する障害監視制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示にかかるコアネットワーク装置は、無線通信システムの可用性を向上させることが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1にかかる障害監視システムの構成を示す図
図2図1に示す第1のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第1の例を示す図
図3図1に示す第1のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第2の例を示す図
図4図1に示す第2のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第1の例を示す図
図5図1に示す第2のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第2の例を示す図
図6】コアネットワーク装置の機能構成を示す図
図7図1に示す障害監視端末のハードウェア構成の第1の例を示す図
図8図1に示す障害監視端末のハードウェア構成の第2の例を示す図
図9】障害監視端末の機能構成の第1の例を示す図
図10】障害監視端末の機能構成の第2の例を示す図
図11】実施の形態1にかかる障害監視システムの動作を説明するための第1のシーケンス図
図12】実施の形態1にかかる障害監視システムの動作を説明するための第2のシーケンス図
図13】第1のコアネットワーク装置が使用する参照表の一例を示す図
図14】第1の変形例にかかる障害監視システムの構成を示す図
図15】第2の変形例にかかる障害監視システムの構成を示す図
図16】実施の形態2にかかる障害監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図17】実施の形態3にかかる障害監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図18】実施の形態4にかかる障害監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図19】実施の形態5にかかる障害監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図20】実施の形態6にかかる障害監視システムの構成を示す図
図21図20に示す第1のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第1の例を示す図
図22図20に示す第1のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第2の例を示す図
図23図20に示す第2のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第1の例を示す図
図24図20に示す第2のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第2の例を示す図
図25】実施の形態6にかかる障害監視システムの動作を説明するための第1のシーケンス図
図26】実施の形態6にかかる障害監視システムの動作を説明するための第2のシーケンス図
図27】第3の変形例にかかる障害監視システムの構成を示す図
図28】第4の変形例にかかる障害監視システムの構成を示す図
図29】第5の変形例にかかる障害監視システムの構成を示す図
図30】実施の形態7にかかる障害監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図31】実施の形態8にかかる障害監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図32】実施の形態9にかかる障害監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図33】実施の形態10にかかる障害監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施の形態にかかるコアネットワーク装置、障害監視端末、障害監視方法および障害監視システムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる障害監視システム1の構成を示す図である。なお、ここでは、列車400の車上に搭載され、列車400の進行に伴って移動する移動端末である車上端末420と、駅200に設置された基地局240とを有するローカル5Gシステムである無線通信システムに生じる無線通信障害の監視を行う障害監視システム1について説明する。車上端末420と基地局240とにより構成される無線通信システムは、鉄道事業においてホーム監視などの地車間通信に使用されたり、鉄道自営網の補完を目的として利用される。
【0011】
なお、複数の駅200に基地局240が設置されるため、以下では、それぞれの駅200を区別する場合、駅200-1、駅200-2と、符号の後にハイフンおよび数字を付して各駅200を区別する。複数の駅200のそれぞれを区別する必要がない場合には、単に駅200と称する。また、駅200の場合と同様に、同様の機能を有する複数の構成要素のそれぞれを区別する必要がない場合、各構成要素に対して付する符号のみを記載し、同様の機能を有する複数の構成要素のそれぞれを区別する場合、各構成要素に対して付された符号の後に、ハイフンおよび数字を付して各構成要素を区別する。
【0012】
障害監視システム1は、共通部100に設置された、第1のコアネットワーク装置120Aと、障害監視サーバ140と、DN(Data Network)160とを有する。また、障害監視システム1は、各駅200に設置された、第2のコアネットワーク装置120Bと、基地局240の通信エリア内に設置された障害監視端末220とを有する。具体的には、駅200-1には、第2のコアネットワーク装置120B-1と、障害監視端末220-1と、基地局240-1とが設置されている。駅200-2には、第2のコアネットワーク装置120B-2と、障害監視端末220-2と、基地局240-2とが設置されている。
【0013】
第1のコアネットワーク装置120Aと障害監視サーバ140とは、Nafインタフェースで通信する。障害監視端末220-1および基地局240-1は5G無線で通信する。障害監視端末220-1および障害監視サーバ140は障害監視サーバ用インタフェースで通信する。基地局240-1および第2のコアネットワーク装置120B-1はN3インタフェースで通信する。また、基地局240-1および第1のコアネットワーク装置120AはN1インタフェースおよびN2インタフェースで通信する。第2のコアネットワーク装置120B-1および第1のコアネットワーク装置120AはN4インタフェースで通信する。第2のコアネットワーク装置120B-1および障害監視サーバ140はN6インタフェースで通信する。第2のコアネットワーク装置120B-1およびDN160はN6インタフェースで通信する。
【0014】
駅200-2に設置された第2のコアネットワーク装置120B-2、障害監視端末220-2および基地局240-2についても、駅200-1に設置された装置と同様に駅200-2内および駅200-2と共通部100との間で通信する。図示していないが、具体的には、以下の通りである。障害監視端末220-2および基地局240-2は5G無線で通信する。障害監視端末220-2および障害監視サーバ140は障害監視サーバ用インタフェースで通信する。基地局240-2および第2のコアネットワーク装置120B-2はN3インタフェースで通信する。基地局240-2および第1のコアネットワーク装置120AはN1インタフェースおよびN2インタフェースで通信する。第2のコアネットワーク装置120B-2および第1のコアネットワーク装置120AはN4インタフェースで通信する。第2のコアネットワーク装置120B-2および障害監視サーバ140はN6インタフェースで通信する。第2のコアネットワーク装置120B-2およびDN160はN6インタフェースで通信する。
【0015】
列車400には、車上端末420が設置されている。車上端末420は、各基地局240の通信エリア内に存在する場合、在圏している通信エリアを構成する基地局240と5G無線で通信を行う。なお、ここでは、列車400は、駅200-1から駅200-2に向かう方向に進行しているものとする。また、図1では1台の列車400のみ示しているが、複数の列車400のそれぞれが、車上端末420を搭載しているものとする。また、1台の列車400に複数台の車上端末420が搭載されていてもよい。
【0016】
障害監視システム1は、基地局240と車上端末420とを有する無線通信システムの無線通信障害を監視する機能を有する。車上端末420が送信する無線信号に基づいて、無線通信障害を監視する場合、車上端末420が基地局240の通信エリア内に存在しない場合には、障害の監視を行うことができない。そこで、障害監視システム1は、基地局240の通信エリア内に固定された障害監視端末220を有する。障害監視端末220を用いることで、車上端末420が通信エリア内に存在しない期間であっても、無線通信障害の監視を行うことが可能になる。しかしながら、障害監視端末220が基地局240と常時接続している場合、基地局240の無線リソースが割り当てられるため、車上端末420の無線リソースを十分に確保できない場合が考えられる。このため、無線通信システムの可用性向上のために、障害監視システム1は、車上端末420が基地局240と通信中である第1の期間は、その基地局240の通信エリア内に設置された障害監視端末220に割り当てられた無線リソースを低減または解放して障害監視端末220による無線通信障害の監視を停止し、車上端末420の無線リソースを確保し、車上端末420が基地局240と通信していない第2の期間に、障害監視端末220を用いた無線通信障害の監視を行う機能を有する。
【0017】
図2は、図1に示す第1のコアネットワーク装置120Aのハードウェア構成の第1の例を示す図である。第1の例では、第1のコアネットワーク装置120Aは、基地局240と接続される通信インタフェースであるN1/N2インタフェース終端部121と、第1のコアネットワーク装置120Aで使用される情報を記憶するメモリ122と、第2のコアネットワーク装置120Bと接続される通信インタフェースであるN4インタフェース終端部123と、汎用の処理回路であるCPU(Central Processing Unit)124と、第1のコアネットワーク装置120Aの各部に給電することができる電源回路125と、障害監視サーバ140と接続される通信インタフェースであるNafインタフェース終端部126と、を有する。メモリ122は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)などである。
【0018】
図3は、図1に示す第1のコアネットワーク装置120Aのハードウェア構成の第2の例を示す図である。第2の例では、第1のコアネットワーク装置120Aは、N1/N2インタフェース終端部121と、N4インタフェース終端部123と、電源回路125と、Nafインタフェース終端部126と、処理回路127とを有する。第2の例において、第1のコアネットワーク装置120Aは、第1の例のCPU124およびメモリ122の代わりに、専用のハードウェアである処理回路127を有する。処理回路127は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。
【0019】
図4は、図1に示す第2のコアネットワーク装置120Bのハードウェア構成の第1の例を示す図である。第1の例では、第2のコアネットワーク装置120Bは、基地局240と接続される通信インタフェースであるN3インタフェース終端部261と、第2のコアネットワーク装置120Bで使用される情報を記憶するメモリ262と、第1のコアネットワーク装置120Aと接続される通信インタフェースであるN4インタフェース終端部263と、汎用の処理回路であるCPU264と、第2のコアネットワーク装置120Bの各部に給電することができる電源回路265と、障害監視サーバ140およびDN160と接続される通信インタフェースであるN6インタフェース終端部266とを有する。
【0020】
図5は、図1に示す第2のコアネットワーク装置120Bのハードウェア構成の第2の例を示す図である。第2の例では、第2のコアネットワーク装置120Bは、N3インタフェース終端部261と、N4インタフェース終端部263と、電源回路265と、N6インタフェース終端部266と、処理回路267とを有する。第2の例において、第2のコアネットワーク装置120Bは、第1の例のCPU264およびメモリ262の代わりに、専用のハードウェアである処理回路267を有する。
【0021】
図6は、コアネットワーク装置120の機能構成を示す図である。コアネットワーク装置120の機能は、図1に示すようにハードウェアとしては複数の装置である第1のコアネットワーク装置120Aおよび第2のコアネットワーク装置120Bにより実現される。
【0022】
コアネットワーク装置120は、サブスクライバの認証を行うAUSF(AUthentication Server Function)131と、ポリシー制御を行うPCF(Policy Control Function)132と、サブスクライバ関連情報を保持するUDM(Unified Data Management)133と、ネットワークデータ分析を行うNWDAF(NetWork Data Analytics Function)134と、モビリティ管理を行うAMF(Access and Mobility management Function)135と、セッション管理を行うSMF(Session Management Function)136と、サブスクライバ関連情報を登録するUDR(Unified Data Repository)137と、外部アプリケーションサーバとして動作するAF(Application Function)138と、ユーザデータのパケット転送を行うUPF(User Plane Function)139とを有する。なお、ここで示すNF(Network Function)は一例であり、図6に示したNFよりも少ないNFでコアネットワーク装置120を実現してもよいし、図6に示したNFよりも多いNFでコアネットワーク装置120を実現してもよい。
【0023】
図6に示したNFのうち、UPF139以外のNFは、第1のコアネットワーク装置120Aで実現され、UPF139の機能は第2のコアネットワーク装置120Bで実現される。なお、AUSF131、PCF132、UDM133、NWDAF134、AMF135、SMF136、UDR137およびAF138の機能は、図2に示す第1のコアネットワーク装置120AによりCPU124およびプログラムを用いて実現されてもよいし、図3に示す第1のコアネットワーク装置120Aにより専用のハードウェアを用いて実現されてもよい。図2に示す第1のコアネットワーク装置120Aの場合、AUSF131、PCF132、UDM133、NWDAF134、AMF135、SMF136、UDR137およびAF138の機能を記述したプログラムを格納するメモリ122から、CPU124がプログラムを読みだして実行することにより、AUSF131、PCF132、UDM133、NWDAF134、AMF135、SMF136、UDR137およびAF138の機能を実現することができる。また、図3に示す第1のコアネットワーク装置120Aの場合、AUSF131、PCF132、UDM133、NWDAF134、AMF135、SMF136、UDR137およびAF138の機能は処理回路127として実装される。
【0024】
なお、AUSF131、PCF132、UDM133、NWDAF134、AMF135、SMF136、UDR137およびAF138の機能の一部を専用回路で実現し、一部をプログラムおよびCPU124で実現してもよい。
【0025】
また、UPF139の機能は、図4に示す第2のコアネットワーク装置120BによりCPU264およびプログラムを用いて実現されてもよいし、図5に示す第2のコアネットワーク装置120Bにより専用のハードウェアを用いて実現されてもよい。図4に示す第2のコアネットワーク装置120Bの場合、UPF139の機能は、プログラムとして記述され、メモリ262に格納される。CPU264は、メモリ262に格納されたプログラムを読みだして実行することにより、UPF139の機能を実現することができる。図5に示す第2のコアネットワーク装置120Bの場合、UPF139の機能は処理回路267として実装される。なお、UPF139の機能の一部を専用回路で実現し、一部をプログラムおよびCPU264で実現してもよい。CPU124およびCPU264が実行するプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、インターネットなどの通信路を介して提供されてもよい。
【0026】
図7は、図1に示す障害監視端末220のハードウェア構成の第1の例を示す図である。第1の例では、障害監視端末220は、基地局240との無線通信インタフェースである通信モジュール221と、障害監視端末220で使用する情報を記憶するメモリ222と、汎用の処理回路であるCPU223と、障害監視端末220の各部に給電することができる電源回路224と、障害監視サーバ140と接続される通信インタフェースである障害監視サーバ用インタフェース終端部225とを有する。
【0027】
図8は、図1に示す障害監視端末220のハードウェア構成の第2の例を示す図である。第2の例では、障害監視端末220は、通信モジュール221と、電源回路224と、障害監視サーバ用インタフェース終端部225と、処理回路226とを有する。第2の例において、障害監視端末220は、第1の例におけるメモリ222およびCPU223の代わりに、専用のハードウェアである処理回路226を有する。
【0028】
図9は、障害監視端末220の機能構成の第1の例を示す図である。障害監視端末220は、5G無線の送受信手順を実施する無線送受信部231と、5G無線の制御を行う制御部232と、無線通信障害の判定結果を障害監視サーバ140に伝送する際の送受信手順を実施する障害監視サーバ用送受信部233と、無線通信障害の監視および判定を行う障害監視部234とを有する。
【0029】
なお、無線送受信部231、制御部232、障害監視サーバ用送受信部233、および障害監視部234の機能は、図7に示す障害監視端末220によりCPU223およびプログラムを用いて実現されてもよいし、図8に示す障害監視端末220により専用のハードウェアを用いて実現されてもよい。図7に示す障害監視端末220の場合、無線送受信部231、制御部232、障害監視サーバ用送受信部233、および障害監視部234の機能は、プログラムとして記述され、メモリ222に格納される。CPU223は、メモリ222に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、無線送受信部231、制御部232、障害監視サーバ用送受信部233、および障害監視部234の機能を実現することができる。図8に示す障害監視端末220の場合、無線送受信部231、制御部232、障害監視サーバ用送受信部233、および障害監視部234の機能は、処理回路226として実装される。なお、無線送受信部231、制御部232、障害監視サーバ用送受信部233、および障害監視部234の機能の一部を専用回路で実現し、一部をプログラムおよびCPU223で実現してもよい。CPU223が実行するプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、インターネットなどの通信路を介して提供されてもよい。
【0030】
図10は、障害監視端末220の機能構成の第2の例を示す図である。第2の例において、障害監視端末220の機能は、第1の障害監視端末220Aおよび第2の障害監視端末220Bの2台の装置に分かれて実現される。第1の障害監視端末220Aは、無線送受信部231と、制御部232とを有する。第2の障害監視端末220Bは、第1の障害監視端末220Aと接続するインタフェースである端末接続部235と、障害監視サーバ用送受信部233と、障害監視部234とを有する。なお、図10では1台の第1の障害監視端末220Aと1台の第2の障害監視端末220Bとを示しているが、第1の障害監視端末220Aは基地局240の通信エリア内に設置する必要があるのに対して、第2の障害監視端末220Bの設置位置は基地局240の通信エリア内でなくてもよいため、基地局240毎に設置された複数の第1の障害監視端末220Aに対して1台の第2の障害監視端末220Bを設ける構成としてもよい。
【0031】
図11は、実施の形態1にかかる障害監視システム1の動作を説明するための第1のシーケンス図である。図12は、実施の形態1にかかる障害監視システム1の動作を説明するための第2のシーケンス図である。図12に示す動作は、図11に示す動作に続いて実行される。なお、図11に示す動作の開始時点において、列車400は、図1に示す進行方向に移動中であって、駅200-1に到着する前の時点とする。駅200-2には列車400は到着しておらず、障害監視端末220-2による無線通信障害の監視を行うものとする。まず、障害監視端末220-2は、障害監視端末220-2と基地局240-2との間でRRC(Radio Resource Control)コネクションを確立する(ステップS001)。障害監視端末220-2は、基地局240-2を介してC-Plane(Control Plane)でPDU(Packet Data Unit)セッション確立手順を実施することによって、AMF135、SMF136を介して第2のコアネットワーク装置120B-2とPDUセッションを確立する(ステップS002)。
【0032】
障害監視端末220-2は、基地局240-2および第2のコアネットワーク装置120B-2を介してU-Plane(User Plane)で障害監視サーバ140と障害監視用データ伝送を行う(ステップS003)。このとき、障害監視端末220-2は、電波強度の低下、RRCコネクション障害、パケット到達率の低下、およびスループットの低下のうち少なくとも1つを検出すると、これらの事象を無線通信障害として検出する障害検出を行う(ステップS004)。障害監視端末220-2は、無線通信障害を検出すると、障害監視サーバ用インタフェース終端部225を通じてAF138として動作する障害監視サーバ140に無線通信障害の判定結果を送信することにより障害を通知する(ステップS005)。
【0033】
ここで、列車400が駅200-1に到着する(ステップS006)。車上端末420が基地局240-1の通信エリア内に入るため、車上端末420と基地局240-1との間で無線リソースの割り当てが行われて、RRCコネクションが確立される(ステップS007)。車上端末420は、基地局240-1を介してC-PlaneでPDUセッション確立手順を実施することによって、AMF135、SMF136を介して第2のコアネットワーク装置120B-1とPDUセッションを確立する(ステップS008)。
【0034】
車上端末420は、基地局240-1、第2のコアネットワーク装置120B-1を介してU-PlaneでDN160とデータ伝送を行う(ステップS009)。列車400が駅200-1を出発する(ステップS010)。列車400が進行して、車上端末420が基地局240-1の通信エリアから外れると、第2のコアネットワーク装置120B-1において、車上端末420と基地局240-1との間のデータ伝送が停止したことを検出する(ステップS011)。第2のコアネットワーク装置120B-1は、GTP(GPRS Tunneling Protocol)トンネリングID(IDentification)毎のデータ伝送状況を監視しており、例えば、第2のコアネットワーク装置120B-1は、車上端末420および基地局240-1のいずれからもデータ伝送がされていない状態が予め定められた時間継続していることを検知すると、データ伝送の停止として検出することができる。第2のコアネットワーク装置120B-1は、URR(Usage Reporting Rule)に基づいて、N4インタフェース終端部263を通じてSMF136にN4インタフェースでデータ伝送停止を検出したことの通知を行う(ステップS012)。SMF136は、第2のコアネットワーク装置120B-1のUPF139からの通知を転送する(ステップS013)。
【0035】
NWDAF134は、UPF139からの通知をSMF136から受信すると、受信した通知に基づいて、無線通信障害監視の停止対象を選択する(ステップS014)。このとき、NWDAF134は、図13に示す参照表を保持しておき、参照表に従って、無線通信障害監視の停止対象の基地局240を選択することができる。
【0036】
図13は、第1のコアネットワーク装置120Aが使用する参照表の一例を示す図である。参照表は、データ伝送停止を検出したことの通知の送信元である「通知送信元」の第2のコアネットワーク装置120Bと、「無線通信障害監視の停止対象」の基地局240と、「無線通信障害監視の再開対象」の基地局240とを識別する情報を対応づけている。ここでは、基地局240および障害監視端末220の設置位置と、列車400の進行方向とは予め定まっている。また、通知は、送信元の第2のコアネットワーク装置120Bにおいて「データ伝送停止」が検出されたときに送信される。このため、「通知送信元」の第2のコアネットワーク装置120Bが設置された駅200の次に列車400が到着する予定の駅200に設置された基地局240が「無線通信障害監視の停止対象」となり、「通知送信元」の第2のコアネットワーク装置120Bが設置された駅200に設置された基地局240が、「無線通信障害監視の再開対象」となる。具体的には、「通知送信元」が第2のコアネットワーク装置120B-1である場合、「無線通信障害監視の停止対象」が「基地局240-2」となり、「無線通信障害監視の再開対象」が「基地局240-1」となる。また、「通知送信元」が第2のコアネットワーク装置120B-2である場合、「無線通信障害監視の停止対象」が「基地局240-3」となり、「無線通信障害監視の再開対象」が「基地局240-2」となる。なお、図示していないが、基地局240-3は、列車400が駅200-2の次に到着する予定の駅200-3に設置されている。
【0037】
図11の説明に戻る。ステップS014では、「通知送信元」は第2のコアネットワーク装置120B-1であるため、「無線通信障害監視の停止対象」として「基地局240-2」が選択される。NWDAF134は、選択した「無線通信障害監視の停止対象」である「基地局240-2」に対して、障害監視端末220-1の無線リソースを解放するよう指示する無線リソース解放指示をAMF135に出力する(ステップS015)。AMF135は、基地局240-2に対して無線リソース解放要求を送信し(ステップS016)、基地局240-2は、障害監視端末220-2に割り当てていた無線リソースを解放する(ステップS017)。なお、ここでは、無線通信障害の監視を停止する方法として、障害監視端末220に割り当てていた無線リソースを解放することとしたが、障害監視端末220に割り当てる無線リソースを低減してもよいし、障害監視端末220が送信する障害監視用データのトラフィックを低減してもよい。障害監視端末220-2は、無線リソースが解放された後、自発的に無線の再接続を行わないように制御される(ステップS018)。
【0038】
図12の説明に移る。NWDAF134は、ステップS013でSMF136から受信した通知に基づいて、無線通信障害監視の再開対象を選択する(ステップS019)。このときにも、図13に示すような参照表が用いられる。ステップS019では、「通知送信元」は第2のコアネットワーク装置120B-1であるため、「無線通信障害監視の再開対象」として「基地局240-1」が選択される。NWDAF134は、AMF135に対して、無線通信障害監視の再開対象の基地局240-1にページングを行うよう指示する(ステップS020)。AMF135は、基地局240-1に対してページングを行い(ステップS021)、基地局240-1は障害監視端末220-1に対してページングを行う(ステップS022)。これにより、障害監視端末220-1に対して無線リソースの再割り当てが行われる。
【0039】
なお、ここでは、ページングにより無線リソースの再割り当てを行うことで、無線通信障害監視を再開することとしたが、無線通信障害監視の再開方法は、無線リソースの割り当てを増大することによって行われてもよいし、障害監視端末220-1が送受信する障害監視用データのトラフィックを増大することによって行われてもよい。
【0040】
障害監視端末220-1は、無線リソースが再割り当てされた後、障害監視を再開し(ステップS023)、障害監視用データの伝送を行う(ステップS024)。ここで、障害監視端末220-1と基地局240-1との間で無線接続が切断されると、AMF135で障害が検出され(ステップS025)、AMF135は、Nafインタフェースを通じて障害監視サーバ140に無線通信障害の判定結果を伝送することによって、障害を通知する(ステップS026)。
【0041】
列車400が駅200-2に到着すると(ステップS027)、ステップS007からステップS009と同様の手順で、車上端末420と基地局240-2との間でRRCコネクションが確立され(ステップS028)、車上端末420と第2のコアネットワーク装置120B-2との間でPDUセッションが確立され(ステップS029)、車上端末420、基地局240-2、第2のコアネットワーク装置120B-2、および、DN160の間でデータ伝送が行われる(ステップS030)。
【0042】
列車400が駅200-2を出発し(ステップS031)、車上端末420が基地局240-2の通信エリアから外れると、データ伝送は停止する。この後は、ステップS011以降の手順と同様の手順が繰り返し実施される。
【0043】
なお、ここでは、図1に示すように、1つの駅200に基地局240、第2のコアネットワーク装置120B、および障害監視端末220が1台ずつ設置された構成の障害監視システム1について説明したが、システム構成は、図1に示す例に限定されない。
【0044】
図14は、第1の変形例にかかる障害監視システム1Aの構成を示す図である。障害監視システム1Aでは1つの駅200に複数台の基地局240が設置されており、1台の基地局240に対して1台の第2のコアネットワーク装置120Bが設置されている。なお、ここでは、駅200-1に設置された複数の基地局240-1のそれぞれを区別するために、共通の符号である「240-1」の後に、ハイフンと数字とを付することによって、各基地局240を区別している。駅200-1には、4台の基地局240-1-1~240-1-4が設置されている。各基地局240は、ホーム毎に設けられてもよいし、基地局240-1-3および基地局240-1-4のように、同一のホームに複数の基地局240が設けられてもよい。4台の第2のコアネットワーク装置120B-1-1~120B-1-4が基地局240-1-1~240-1-4のそれぞれに対応して設けられている。駅200-2には、基地局240-2-1~240-2-4と第2のコアネットワーク装置120B-2-1~120B-2-4とが設置されている。
【0045】
図15は、第2の変形例にかかる障害監視システム1Bの構成を示す図である。障害監視システム1Bでは、1つの駅200に複数台の基地局240が設置されており、複数台の基地局240に対して1台の第2のコアネットワーク装置120Bが設置されている。図15の例では、駅200-1には、4台の基地局240-1-1~240-1-4と2台の第2のコアネットワーク装置120B-1-1,120B-1-2とが設置されている。第2のコアネットワーク装置120B-1-1は、基地局240-1-1および基地局240-1-2と接続されており、第2のコアネットワーク装置120B-1-2は、基地局240-1-3および基地局240-1-4と接続されている。
【0046】
また、駅200-2には、8台の基地局240-2-1~240-2-8と、第2のコアネットワーク装置120B-2-1とが設置されている。第2のコアネットワーク装置120B-2-1は、基地局240-2-1~240-2-8のそれぞれと接続されている。
【0047】
駅200-3には、8台の基地局240-3-1~240-3-8が設置されており、駅200-4には、8台の基地局240-4-1~240-4-8が設置されており、駅200-5には、8台の基地局240-5-1~240-5-8が設置されている。また、24台の基地局240-3-1~240-3-8,240-4-1~240-4-8,240-5-1~240-5-8のそれぞれと接続された第2のコアネットワーク装置120B-4が設置される。第2のコアネットワーク装置120B-4の設置場所は特に制限されない。
【0048】
図14および図15に示すように、第2のコアネットワーク装置120Bは、1台の基地局240に対して1台設置されてもよいし、複数台の基地局240に対して1台設置されてもよい。また、1台の第2のコアネットワーク装置120Bが接続する複数台の基地局240の設置範囲についても制限されず、駅200のホーム毎であってもよいし、駅200毎であってもよいし、複数の駅200毎であってもよい。また、これらの設置方法が混在していてもよい。なお、図14および図15では省略されているが、障害監視端末220は、1台の基地局240に対して1台以上設置されており、対応する基地局240の通信エリア内に設置されている。
【0049】
以上説明したように、実施の形態1によれば、コアネットワーク装置120は、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部である第2のコアネットワーク装置120BのUPF139と、通信状況に基づいて、基地局240と車上端末420との間でデータ伝送している第1の期間に、基地局240の通信エリア内に設置されており基地局240に無線通信障害が発生しているか否かを監視する障害監視端末220による監視を停止し、基地局240と車上端末420との間でデータ伝送していない第2の期間に、障害監視端末220による監視を行うように、基地局240に障害監視端末220による監視の停止および再開を指示する障害監視制御部である第1のコアネットワーク装置120AのNWDAF134と、を備える。これにより、基地局240が車上端末420との間でデータ伝送している第1の期間には、障害監視端末220による監視が停止され、基地局240が車上端末420との間でデータ伝送していない第2の期間には、障害監視端末220による監視が行われるようになる。したがって、第1の期間では、車上端末420のために十分な無線リソースを確保することが可能になり、基地局240が車上端末420と通信できない第2の期間においても、障害監視端末220により基地局240の無線通信障害を検知することが可能になる。したがって、基地局240および車上端末420により構成される無線通信システムの可用性を向上させることが可能になる。
【0050】
通信状況監視部であるUPF139は、通知基準である「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、基地局240から障害監視端末220へのデータ伝送が予め定められた時間以上停止していることを検知したこと」を満たすと、通知を障害監視制御部であるNWDAF134に出力する。
【0051】
ここで、基地局240は、車上端末420と通信するためのトンネリングした通信路を識別するためのトンネリング識別子であるGTPトンネリングID毎に通信状況を監視する。また、基地局240は、障害監視端末220の無線リソースを解放する、障害監視端末220の無線リソースの割り当てを低減する、または、障害監視端末220が送受信する障害監視用データのトラフィックを低減することによって、障害監視端末220による監視を停止する。また、基地局240は、障害監視端末220に無線リソースを再割り当てする、障害監視端末220に割り当てる無線リソースを増大する、または、障害監視端末220が送受信する障害監視用データのトラフィックを増大することによって、障害監視端末220による監視を再開する。
【0052】
また、コアネットワーク装置120は、障害監視端末220が送信する障害監視用データに基づいて、基地局240と障害監視端末220との間の無線接続断を検知し、検知結果を障害監視サーバ140に伝送する端末管理部であるAMF135をさらに備える。
【0053】
また、実施の形態1によれば、障害監視端末220は、基地局240と無線信号の送受信を行う無線送受信部231と、基地局240との間の無線接続を切断した後、自発的に再接続を行わないように制御する制御部232と、基地局240との間で障害監視用データを送受信して基地局240に無線通信障害が発生しているか否かを監視する障害監視部234と、無線通信障害の発生の有無の判定結果を障害監視サーバ140に通知する障害監視サーバ用送受信部233と、を備える。また、障害監視部234は、電波強度の低下、RCCコネクション障害、パケット到達率の低下、およびスループットの低下のうち少なくとも1つを無線通信障害として検知する。
【0054】
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、NWDAF134が無線通信障害監視の停止および再開の対象を選択するために使用する通知の通知基準は、「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、基地局240から障害監視端末220へのデータ伝送が予め定められた時間以上停止していることを検知したこと」としていた。実施の形態2では、この通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240と車上端末420とが予め定められた時間以上無線切断状態を継続したことを検知したこと」とする。AMF135は、例えば、タイマを用いて、通知基準を満たしたか否かを判断することができる。なお、以下において実施の形態2におけるシステム構成は図1に示す障害監視システム1の構成と同様であり、障害監視システム1の有する各装置の構成についても、実施の形態1と同様であることとする。
【0055】
図16は、実施の形態2にかかる障害監視システム1の動作を説明するためのシーケンス図である。図16では省略されているが、ステップS001からステップS010までの動作は、図11で説明した実施の形態1と同様である。ステップS010で列車400が駅200-1を出発して、車上端末420が基地局240-1の通信エリアを外れると、データ伝送が停止する。このとき、AMF135は、基地局240-1と車上端末420との間のデータ伝送状況を監視しており、基地局240-1と車上端末420との間で、予め定められた時間以上無線切断状態が継続したことを検知する(ステップS101)。AMF135は、NWDAF134にNafインタフェースで通知を出力する(ステップS102)。NWDAF134は、AMF135からの通知に基づき、無線通信障害監視の停止対象を選択する(ステップS014)。図16では省略されているが、ステップS014以降の動作については、ステップS019で無線通信障害監視の再開対象を選択する際に、ステップS102で出力された通知に基づいて判断される以外は、図11および図12で説明した実施の形態1と同様である。
【0056】
以上説明したように、実施の形態2によれば、コアネットワーク装置120は、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部を第1のコアネットワーク装置120AのAMF135により実現することができる。
【0057】
通信状況監視部であるAMF135は、通知基準である「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240と車上端末420とが予め定められた時間以上無線切断状態を継続したことを検知したこと」を満たすと、通知を障害監視制御部であるNWDAF134に出力する。実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0058】
実施の形態3.
上記の実施の形態1では、NWDAF134が無線通信障害監視の停止および再開の対象を選択するために使用する通知の通知基準は、「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、基地局240から障害監視端末220へのデータ伝送が予め定められた時間以上停止していることを検知したこと」としていた。実施の形態2では、この通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240と車上端末420とが予め定められた時間以上無線切断状態を継続したことを検知したこと」とした。実施の形態3では、通知基準を、「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、車上端末420からのパケットを受信したこと」とする。なお、以下において実施の形態3におけるシステム構成は図1に示す障害監視システム1の構成と同様であり、障害監視システム1の有する各装置の構成についても、実施の形態1と同様であることとする。
【0059】
図17は、実施の形態3にかかる障害監視システム1の動作を説明するためのシーケンス図である。図17では省略されているが、ステップS001からステップS010までの動作は、図11で説明した実施の形態1と同様である。また、ステップS010の後、図12で説明した実施の形態1のステップS027からステップS030と同様の動作が実施される。車上端末420が基地局240-2、第2のコアネットワーク装置120B-2を介してDN160とデータ伝送を開始すると、第2のコアネットワーク装置120B-2はGTPトンネリングID毎にデータ伝送状況を監視しており、車上端末420からのパケットを受信したことを検知することで、車上端末420と基地局240-2との間でデータ伝送が開始したことを検出する(ステップS201)。
【0060】
第2のコアネットワーク装置120B-2は、URRに基づき、N4インタフェース終端部263を通じてSMF136にN4インタフェースで通知を出力する(ステップS202)。SMF136は、第2のコアネットワーク装置120B-2からの通知をNWDAF134に転送する(ステップS013)。NWDAF134は、SMF136から受信した第2のコアネットワーク装置120B-2からの通知に基づき、無線通信障害監視の停止対象を選択する(ステップS014)。図17では省略されているが、ステップS014以降は、図11および図12で示したステップS015~ステップS026の動作と、ステップS026に続いてステップS031の動作とが行われる。なお、このとき、ステップS019で無線通信障害監視の再開対象を選択する際には、ステップS202で第2のコアネットワーク装置120B-2が出力した通知に基づいて判断される以外は、図11で説明した実施の形態1と同様である。
【0061】
以上説明したように、実施の形態3によれば、コアネットワーク装置120は、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部を第2のコアネットワーク装置120BのUPF139により実現することができる。
【0062】
通信状況監視部であるUPF139は、通知基準である「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、車上端末420からのパケットを受信したこと」を満たすと、通知を障害監視制御部であるNWDAF134に出力する。実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0063】
実施の形態4.
上記の実施の形態1では、NWDAF134が無線通信障害監視の停止および再開の対象を選択するために使用する通知の通知基準は、「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、基地局240から障害監視端末220へのデータ伝送が予め定められた時間以上停止していることを検知したこと」としていた。実施の形態2では、この通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240と車上端末420とが予め定められた時間以上無線切断状態を継続したことを検知したこと」とした。実施の形態3では、通知基準を、「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、車上端末420からのパケットを受信したこと」とした。実施の形態4では、通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240が車上端末420に無線リソースを割り当てたこと」とする。なお、以下において実施の形態4におけるシステム構成は図1に示す障害監視システム1の構成と同様であり、障害監視システム1の有する各装置の構成についても、実施の形態1と同様であることとする。
【0064】
図18は、実施の形態4にかかる障害監視システム1の動作を説明するためのシーケンス図である。図18では省略されているが、ステップS001からステップS010までの動作は、図11で説明した実施の形態1と同様である。また、ステップS010の後、図12で説明した実施の形態1のステップS027およびステップS028と同様の動作が実施される。このときAMF135は、基地局240-2の無線リソース割り当て状況を監視しており、基地局240-2による車上端末420への無線リソース割当を検知する(ステップS301)。AMF135は、NafインタフェースでNWDAF134に通知を出力する(ステップS102)。NWDAF134は、AMF135からの通知に基づき、無線通信障害監視の停止対象を選択する(ステップS014)。図18では省略されているが、ステップS014以降は、図11で示したステップS015~ステップS026の動作と、ステップS026に続いてステップS029からステップS031の動作とが行われる。なお、このとき、ステップS019で無線通信障害監視の再開対象を選択する際には、ステップS102でAMF135が出力した通知に基づいて判断される以外は、図11で説明した実施の形態1と同様である。
【0065】
以上説明したように、実施の形態4によれば、コアネットワーク装置120は、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部を第1のコアネットワーク装置120AのAMF135により実現することができる。
【0066】
通信状況監視部であるAMF135は、通知基準である「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240が車上端末420に無線リソースを割り当てたこと」を満たすと、通知を障害監視制御部であるNWDAF134に出力する。実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0067】
実施の形態5.
上記の実施の形態1では、NWDAF134が無線通信障害監視の停止および再開の対象を選択するために使用する通知の通知基準は、「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、基地局240から障害監視端末220へのデータ伝送が予め定められた時間以上停止していることを検知したこと」としていた。実施の形態2では、この通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240と車上端末420とが予め定められた時間以上無線切断状態を継続したことを検知したこと」とした。実施の形態3では、通知基準を、「第2のコアネットワーク装置120BのUPF139において、車上端末420からのパケットを受信したこと」とした。実施の形態4では、通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240が車上端末420に無線リソースを割り当てたこと」とした。実施の形態5では、通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240が車上端末420とのC-Plane手順を開始したことを検知したこと」とする。なお、以下において実施の形態5におけるシステム構成は図1に示す障害監視システム1の構成と同様であり、障害監視システム1の有する各装置の構成についても、実施の形態1と同様であることとする。
【0068】
図19は、実施の形態5にかかる障害監視システム1の動作を説明するためのシーケンス図である。図19では省略されているが、ステップS001からステップS010までの動作は、図11で説明した実施の形態1と同様である。また、ステップS010の後、図11で説明した実施の形態1のステップS027からステップS29の動作が実施される。このときAMF135は、車上端末420および基地局240-2によるC-Plane手順の開始を検知する(ステップS401)。AMF135は、NafインタフェースでNWDAF134に通知を出力する(ステップS102)。NWDAF134は、AMF135からの通知に基づき、無線通信障害監視の停止対象を選択する(ステップS014)。図19では省略されているが、ステップS014以降は、図11で示したステップS015~ステップS026の動作と、ステップS026に続いてステップS029からステップS031の動作とが行われる。なお、このとき、ステップS019で無線通信障害監視の再開対象を選択する際には、ステップS102でAMF135が出力した通知に基づいて判断される以外は、図11で説明した実施の形態1と同様である。
【0069】
以上説明したように、実施の形態5によれば、コアネットワーク装置120は、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部を第1のコアネットワーク装置120AのAMF135により実現することができる。
【0070】
通信状況監視部であるAMF135は、通知基準である「第1のコアネットワーク装置120AのAMF135において、基地局240が車上端末420とのC-Plane手順を開始したことを検知したこと」を満たすと、通知を障害監視制御部であるNWDAF134に出力する。実施の形態5によれば、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0071】
実施の形態6.
図20は、実施の形態6にかかる障害監視システム1Cの構成を示す図である。実施の形態1にかかる障害監視システム1では、図6に示すコアネットワーク装置120の機能を、UPF以外の機能を有する第1のコアネットワーク装置120Aと、UPFの機能を有する第2のコアネットワーク装置120Bとに分けて実現していた。これに対して、実施の形態6にかかる障害監視システム1Cでは、図6に示すコアネットワーク装置120の機能を、UPFおよびSMF以外の機能を有する第1のコアネットワーク装置120Cと、UPFおよびSMFの機能を有する第2のコアネットワーク装置120Dとに分けて実現する。第1のコアネットワーク装置120Cは、共通部100に設置され、第2のコアネットワーク装置120Dは、駅200に設置される。以下、実施の形態1と異なる部分について主に説明し、実施の形態1と共通の事項については説明を省略する。
【0072】
障害監視システム1Cは、障害監視システム1の第1のコアネットワーク装置120Aの代わりに第1のコアネットワーク装置120Cを有し、第2のコアネットワーク装置120Bの代わりに第2のコアネットワーク装置120Dを有する。これに伴い、第1のコアネットワーク装置120Cと第2のコアネットワーク装置120Dとの間はSBI(Service Based Interface)インタフェースで通信する。また、障害監視サーバ140と第2のコアネットワーク装置120Dとの間はNafインタフェースまたはN6インタフェースで通信する。
【0073】
図21は、図20に示す第1のコアネットワーク装置120Cのハードウェア構成の第1の例を示す図である。第1のコアネットワーク装置120Cは、図2に示す第1のコアネットワーク装置120AのN4インタフェース終端部123の代わりに、第2のコアネットワーク装置120Dと接続される通信インタフェースであるSBIインタフェース終端部128を有する。
【0074】
図22は、図20に示す第1のコアネットワーク装置120Cのハードウェア構成の第2の例を示す図である。第1のコアネットワーク装置120Cは、図3に示す第1のコアネットワーク装置120AのN4インタフェース終端部123の代わりに、第2のコアネットワーク装置120Dと接続される通信インタフェースであるSBIインタフェース終端部128を有する。図22に示す第2の例において、第1のコアネットワーク装置120Cは、図21に示す第1の例のCPU124およびメモリ122の代わりに、専用のハードウェアである処理回路127を有する。
【0075】
図23は、図20に示す第2のコアネットワーク装置120Dのハードウェア構成の第1の例を示す図である。第2のコアネットワーク装置120Dは、図4に示す第2のコアネットワーク装置120BのN4インタフェース終端部263の代わりに、第1のコアネットワーク装置120Cと接続される通信インタフェースであるSBIインタフェース終端部268と、障害監視サーバ140と接続される通信インタフェースであるNafインタフェース終端部269とを有する。
【0076】
図24は、図20に示す第2のコアネットワーク装置のハードウェア構成の第2の例を示す図である。第2のコアネットワーク装置120Dは、図5に示す第2のコアネットワーク装置120BのN4インタフェース終端部263の代わりに、第1のコアネットワーク装置120Cと接続される通信インタフェースであるSBIインタフェース終端部268と、障害監視サーバ140と接続される通信インタフェースであるNafインタフェース終端部269とを有する。図24に示す第2の例において、第2のコアネットワーク装置120Dは、図23に示す第1の例のCPU264およびメモリ262の代わりに、専用のハードウェアである処理回路267を有する。
【0077】
なお、実施の形態6においても、コアネットワーク装置120の機能構成は図6に示した通りであり、障害監視端末220のハードウェア構成は図7および図8を用いて説明した例と同様であり、障害監視端末220の機能構成は、図9および図10を用いて説明した例と同様である。
【0078】
図25は、実施の形態6にかかる障害監視システム1Cの動作を説明するための第1のシーケンス図である。図26は、実施の形態6にかかる障害監視システムの動作を説明するための第2のシーケンス図である。図26に示す動作は、図25に示す動作に続いて実行される。なお、図25および図26は、図11および図12に示す動作を、図20に示す障害監視システム1Cで行った場合の例を示している。以下、図11および図12と異なる部分について主に説明し、実施の形態1と同様の部分については説明を省略する。
【0079】
図25に示すステップS501からステップS518の動作については、SMF136が第2のコアネットワーク装置120D-1,120D-2に備わっている以外は、図11に示すステップS001からステップS018の動作と同様である。以下、具体的な相違点を説明する。ステップS502において、障害監視端末220-2は、基地局240-2を介してC-PlaneでPDUセッション確立手順を実施することによって、第1のコアネットワーク装置120CのAMF135を介して、第2のコアネットワーク装置120D-2とPDUセッションを確立する。また、ステップS508では、車上端末420は、C-PlaneでPDUセッション確立手順を実施することによって、第1のコアネットワーク装置120CのAMFを介して、第2のコアネットワーク装置120D-1とPDUセッションを確立する。また、SMF136が第2のコアネットワーク装置120Dに備わっているため、ステップS512では、第2のコアネットワーク装置120D-1内のUPF139からSMF136に通知が行われる。また、ステップS513では、通知がNafインタフェースを用いて、第2のコアネットワーク装置120D-1のSMF136から第1のコアネットワーク装置120CのNWDAF134に転送される。
【0080】
図26に示すステップS519からステップS531の動作については、SMF136が第2のコアネットワーク装置120D-1,120D-2に備わっている以外は、図12に示すステップS019からステップS031の動作と同様である。以下、具体的な相違点を説明する。ステップS529において、車上端末420は、C-PlaneでPDUセッション確立手順を実施することによって、第1のコアネットワーク装置120CのAMFを介して、第2のコアネットワーク装置120D-2とPDUセッションを確立する。
【0081】
図27は、第3の変形例にかかる障害監視システム1Dの構成を示す図である。第3の変形例は、図14に示す第1の変形例の第2のコアネットワーク装置120B-1-1~120B-1-4の代わりに、第2のコアネットワーク装置120D-1-1~120D-1-4を有し、第2のコアネットワーク装置120B-2-1~120B-2-4の代わりに、第2のコアネットワーク装置120D-2-1~120D-2-4を有する。
【0082】
図28は、第4の変形例にかかる障害監視システム1Eの構成を示す図である。第4の変形例は、図15に示す第2の変形例の第2のコアネットワーク装置120B-1-1~120B-1-2,120B-2-1,120B-4の代わりに、第2のコアネットワーク装置120D-1-1~120D-1-2,120D-2-1,120D-4を有する。第4の変形例にかかる障害監視システム1Eは、第2の変形例と同様に、1つの駅200に複数台の基地局240が設置されており、複数台の基地局240に対して1台の第2のコアネットワーク装置120Dが設置されている。
【0083】
なお、上記では、第2のコアネットワーク装置120DがUPFおよびSMFの機能を有することとしたが、UPFの機能を有する装置と、SMFの機能を有する装置とを物理的に分けてもよい。図29は、第5の変形例にかかる障害監視システム1Fの構成を示す図である。第5の変形例では、1台の基地局240に対して、UPFの機能を有する第2のコアネットワーク装置120Bを1台設置し、複数台の第2のコアネットワーク装置120Bに対して、SMFの機能を有する第2のコアネットワーク装置120Eを1台設置している。
【0084】
以上説明したように、実施の形態6では、図6に示すようなコアネットワーク装置120の機能を、UPFおよびSMFの機能を有する第2のコアネットワーク装置120Dと、UPFおよびSMF以外の機能を有する第1のコアネットワーク装置120Cとに分けて実現することができる。このような実施の形態6にかかる障害監視システム1Cにおいても、実施の形態1と同様に、基地局240が車上端末420との間でデータ伝送している第1の期間には、障害監視端末220による監視が停止され、基地局240が車上端末420との間でデータ伝送していない第2の期間には、障害監視端末220による監視が行われるようになる。したがって、第1の期間では、車上端末420のために十分な無線リソースを確保することが可能になり、基地局240が車上端末420と通信できない第2の期間においても、障害監視端末220により基地局240の無線通信障害を検知することが可能になる。したがって、基地局240および車上端末420により構成される無線通信システムの可用性を向上させることが可能になる。
【0085】
実施の形態7.
上記の実施の形態6では、NWDAF134が無線通信障害監視の停止および再開の対象を選択するために使用する通知の通知基準は、「第2のコアネットワーク装置120DのUPF139において、基地局240から障害監視端末220へのデータ伝送が予め定められた時間以上停止していることを検知したこと」としていた。実施の形態7では、この通知基準を、実施の形態2と同様に、「第1のコアネットワーク装置120CのAMF135において、基地局240と車上端末420とが予め定められた時間以上無線切断状態を継続したことを検知したこと」とする。AMF135は、例えば、タイマを用いて、通知基準を満たしたか否かを判断することができる。なお、以下において実施の形態7におけるシステム構成は図20に示す障害監視システム1Cの構成と同様であり、障害監視システム1Cの有する各装置の構成についても、実施の形態6と同様であることとする。
【0086】
図30は、実施の形態7にかかる障害監視システム1Cの動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、図30に示す動作は、動作の主体が第1のコアネットワーク装置120Aの代わりに第1のコアネットワーク装置120Cとなり、第2のコアネットワーク装置120Bの代わりに第2のコアネットワーク装置120Dとなる以外は、図16に示す実施の形態2の動作と同様である。図30に示すステップS509,S510,S601,S602,S514の動作は、図16に示すステップS009,S010,S101,S102,S014の動作と同様である。
【0087】
以上説明したように、実施の形態7によれば、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部を第1のコアネットワーク装置120CのAMF135により実現することができる。
【0088】
実施の形態8.
実施の形態8では、NWDAF134が無線通信障害監視の停止および再開の対象を選択するために使用する通知の通知基準を、「第2のコアネットワーク装置120DのUPF139において、車上端末420からのパケットを受信したこと」とする。なお、以下において実施の形態8におけるシステム構成は図20に示す障害監視システム1Cの構成と同様であり、障害監視システム1Cの有する各装置の構成についても、実施の形態6と同様であることとする。
【0089】
図31は、実施の形態8にかかる障害監視システム1Cの動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、図31に示す動作は、動作の主体が第1のコアネットワーク装置120Aの代わりに第1のコアネットワーク装置120Cとなり、第2のコアネットワーク装置120Bの代わりに第2のコアネットワーク装置120Dとなる以外は、図17に示す実施の形態3の動作と同様である。図31に示すステップS510,S527~S530,S701,S702,S513,S514の動作は、図17に示すステップS010,S027~S030,S201,S202,S013,S014の動作と同様である。また、図31に示すステップS510,S527~S530,S513,S514の動作は、実施の形態6において同じ符号を用いて説明した動作と同様である。以下、実施の形態3との相違点について主に説明する。
【0090】
ステップS702において、通知先のSMF136が第2のコアネットワーク装置120D-2に備わっているため、第2のコアネットワーク装置120D-2のUPF139は、URRに基づき、第2のコアネットワーク装置120D-2のSMF136に通知を出力する。また、ステップS513では、通知がNafインタフェースを用いて、第2のコアネットワーク装置120D-2のSMF136から第1のコアネットワーク装置120CのNWDAF134に転送される。
【0091】
以上説明したように、実施の形態8によれば、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部を第2のコアネットワーク装置120DのUPF139により実現することができる。
【0092】
実施の形態9.
実施の形態9では、NWDAF134が無線通信障害監視の停止および再開の対象を選択するために使用する通知の通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120CのAMF135において、基地局240が車上端末420に無線リソースを割り当てたこと」とする。なお、以下において実施の形態9におけるシステム構成は図20に示す障害監視システム1Cの構成と同様であり、障害監視システム1Cの有する各装置の構成についても、実施の形態6と同様であることとする。
【0093】
図32は、実施の形態9にかかる障害監視システム1Cの動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、図32に示す動作は、動作の主体が第1のコアネットワーク装置120Aの代わりに第1のコアネットワーク装置120Cとなり、第2のコアネットワーク装置120Bの代わりに第2のコアネットワーク装置120Dとなる以外は、図18に示す実施の形態4の動作と同様である。図32に示すステップS510,S527,S528,S801,S802,S514の動作は、図18に示すS010,S027,S028,S301,S102,S014の動作と同様である。
【0094】
以上説明したように、実施の形態9によれば、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部を第1のコアネットワーク装置120CのAMF135により実現することができる。
【0095】
実施の形態10.
実施の形態10では、NWDAF134が無線通信障害監視の停止および再開の対象を選択するために使用する通知の通知基準を、「第1のコアネットワーク装置120CのAMF135において、基地局240が車上端末420とのC-Plane手順を開始したことを検知したこと」とする。なお、以下において実施の形態10におけるシステム構成は図20に示す障害監視システム1Cの構成と同様であり、障害監視システム1Cの有する各装置の構成についても、実施の形態6と同様であることとする。
【0096】
図33は、実施の形態10にかかる障害監視システム1Cの動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、図33に示す動作は、動作の主体が第1のコアネットワーク装置120Aの代わりに第1のコアネットワーク装置120Cとなり、第2のコアネットワーク装置120Bの代わりに第2のコアネットワーク装置120Dとなる以外は、図19に示す実施の形態6の動作と同様である。図33に示すステップS510,S527~S529,S901,S902,S514の動作は、図19に示すS010,S027~S029,S401,S102,S014の動作と同様である。
【0097】
以上説明したように、実施の形態10によれば、基地局240と移動端末である車上端末420との間の通信状況を監視する通信状況監視部を第1のコアネットワーク装置120CのAMF135により実現することができる。
【0098】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0099】
例えば、上記では、列車400に搭載された車上端末420と駅200に設置された基地局240とにより構成される無線通信システムの無線通信障害を監視する障害監視システム1,1A,1B,1C,1D,1E,1Fについて説明したが、本開示の技術を適用する範囲はかかる例に限定されない。移動端末は、列車400に搭載された車上端末420に制限されず、移動可能な端末であればよい。また、基地局240は、駅200に設置されたものに限定されない。しかしながら、複数の基地局240のそれぞれが構成する通信エリアがリニアに連なっており、その通信エリア内を移動端末が予め定められた経路に沿って走行し、各基地局240の通信エリア内に入ったときにその基地局240と通信するような無線通信システムであって、移動端末が基地局240との間でデータ伝送していない第2の期間がデータ伝送している第1の期間と比較して長くなるような無線通信システムに対して適用することが効果的である。例えば、高速道路や路線バスの運行経路上に設置された基地局240と、車両に搭載された移動端末とにより構成される無線通信システムに対しても本開示の障害監視システム1,1A,1B,1C,1D,1E,1Fを適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F 障害監視システム、100 共通部、120 コアネットワーク装置、120A,120C 第1のコアネットワーク装置、120B,120B-1,120B-2,120B-1-1~120B-1-4,120B-2-1~120B-2-4,120B-4,120D,120D-1,120D-2,120D-1-1~120D-1-4,120D-2-1~120D-2-4,120D-4 第2のコアネットワーク装置、121 N1/N2インタフェース終端部、122,222,262 メモリ、123,263 N4インタフェース終端部、124,223,264 CPU、125,224,265 電源回路、126,269 Nafインタフェース終端部、127,226,267 処理回路、128,268 SBIインタフェース終端部、131 AUSF、132 PCF、133 UDM、134 NWDAF、135 AMF、136 SMF、137 UDR、138 AF、139 UPF、140 障害監視サーバ、160 DN、200,200-1~200-5 駅、220,220-1,220-2 障害監視端末、220A 第1の障害監視端末、220B 第2の障害監視端末、221 通信モジュール、225 障害監視サーバ用インタフェース終端部、231 無線送受信部、232 制御部、233 障害監視サーバ用送受信部、234 障害監視部、235 端末接続部、240,240-1,240-2,240-1-1~240-1-4,240-2-1~240-2-8,240-3-1~240-3-8,240-4-1~240-4-8,240-5-1~240-5-8 基地局、261 N3インタフェース終端部、266 N6インタフェース終端部、400 列車、420 車上端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33