(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】非接触式携帯端末操作装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20241111BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G07G1/00 311Z
G07G1/12 361C
G07G1/00 301D
(21)【出願番号】P 2020159328
(22)【出願日】2020-09-24
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】510289412
【氏名又は名称】株式会社IGREK plus
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】山田 龍治
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-106878(JP,A)
【文献】特開2007-310441(JP,A)
【文献】特開2020-126282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末のタッチパネル画面を露出させた状態で前記携帯端末を保持するケース部と、
前記ケース部に保持された前記携帯端末の前記タッチパネル画面から所定の距離離れた領域に前記タッチパネル画面と重なるように検知領域を形成し、前記検知領域内におけるユーザの指の動作を検知する検知部と、
前記検知部の結果に基づいて、前記タッチパネル画面を操作するための操作信号を前記携帯端末に送信する信号送信部と、
を備え、
前記信号送信部は、前記検知領域の所定の場所に前記指が位置したときに、前記検知領域の前記所定の場所に重なる前記タッチパネル画面上の位置を操作する前記操作信号を送信
し、
前記信号送信部は、前記ユーザの前記指が前記検知領域内に進入したときに前記タッチパネル画面のタップ操作信号を送信し、前記検知領域内に進入したまま前記ユーザの前記指の位置が変わるときに前記タッチパネル画面のスワイプ操作信号を送信することを特徴とする非接触式携帯端末操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触式携帯端末操作装置において、
前記検知部は、前記検知領域内に進入した前記ユーザの前記指までの距離に基づいて前記ユーザの前記指の位置を検知するレーザセンサであることを特徴とする非接触式携帯端末操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触式携帯端末操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店などの店舗においてタブレット端末を用いて注文などを行う機会が増えている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、施設の利用者から施設端末により商品の注文を受け付ける商品注文支援システムであって、施設が提供する商品の情報を含む商品ページを施設端末に表示させる商品表示処理部と、商品表示処理部により表示される商品ページにおいて利用者により選択される商品をお気に入り商品に登録する商品登録処理部と、商品登録処理部により登録されるお気に入り商品のうち所定のお気に入り商品の画像を含むお気に入りページを施設端末に表示させるお気に入り商品表示処理部と、を備える商品注文支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、新型コロナウイルス感染症の流行により、感染症対策をしながら経済活動を継続することが求められている。タブレット端末で注文を行う飲食店などにおいてもタブレット端末に触れることなく注文を行えるようにすることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、携帯端末に触れることなく操作することを可能とする非接触式携帯端末操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る非接触式携帯端末操作装置は、携帯端末のタッチパネル画面を露出させた状態で前記携帯端末を保持するケース部と、前記ケース部に保持された前記携帯端末の前記タッチパネル画面から所定の距離離れた領域に前記タッチパネル画面と重なるように検知領域を形成し、前記検知領域内におけるユーザの指の動作を検知する検知部と、前記検知部の結果に基づいて、前記タッチパネル画面を操作するための操作信号を前記携帯端末に送信する信号送信部と、を備え、前記信号送信部は、前記検知領域の所定の場所に前記指が位置したときに、前記検知領域の前記所定の場所に重なる前記タッチパネル画面上の位置を操作する前記操作信号を送信することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る非接触式携帯端末操作装置において、前記検知部は、前記検知領域内に進入した前記ユーザの前記指までの距離に基づいて前記ユーザの前記指の位置を検知するレーザセンサであることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る非接触式携帯端末操作装置において、前記信号送信部は、前記ユーザの前記指が前記検知領域内に進入したときに前記タッチパネル画面のタップ操作信号を送信し、前記検知領域内に進入したまま前記ユーザの前記指の位置が変わるときに前記タッチパネル画面のスワイプ操作信号を送信することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、携帯端末に触れることなく操作することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置の側面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置において、タブレット端末を設置している様子を示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置において、タブレット端末を装着した後の正面図である。
【
図4】本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置において、タブレット端末のタッチパネル画面上に検知領域が形成された様子を示す図である。
【
図5】本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置において、検知領域上で操作している様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置10の側面図である。
図2は、本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置10において、タブレット端末8を設置している様子を示す図である。
【0013】
図3は、本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置10において、タブレット端末8を装着した後の正面図である。
【0014】
図4は、本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置10において、タブレット端末8のタッチパネル画面上に検知領域17が形成された様子を示す図である。
図5は、本発明に係る実施形態の非接触式携帯端末操作装置10において、検知領域17上で操作している様子を示す図である。
【0015】
非接触式携帯端末操作装置10は、タブレット端末8のタッチパネル画面に直接触れることなく操作する装置である。非接触式携帯端末操作装置10は、ケース部12と、検知部16と、信号送信部21を有する制御部18とを備えている。
【0016】
ケース部12は、タブレット端末8のタッチパネル画面を露出させた状態でタブレット端末8を保持する機能を有する。
【0017】
ケース部12は、
図2に示されるように、タブレット端末8の長手方向が床面と平行となるように挿入可能なタブレット案内レール25を有する略C字状の本体部22と、本体部22の長手方向両端部に嵌合可能な端部24,26とを有している。
【0018】
本体部22の下部の長手方向両端部には、
図2に示されるように、2つの脚部が形成されている。2つの脚部の側面は、
図1に示されるように、本体部22の底部を支持するための凹部が形成されており、本体部22を着脱可能な構成となっている。
【0019】
図1に示されるように、ケース部12の上部はタブレット端末8のタッチパネル画面から所定の距離だけ離れた位置まで延伸した庇部が形成されている。この庇部の先端部に検知部16が取り付けられている。
【0020】
検知部16は、ケース部12に保持されたタブレット端末8のタッチパネル画面から所定の距離離れた領域にタッチパネル画面と重なるように検知領域17を形成し、検知領域17内におけるユーザの指6の動作を検知する機能を有する。検知領域17は、タブレット端末8を正面から見た場合に、タブレット端末8のタッチパネル画面と一致して重なるように形成されている仮想のスクリーンである。
【0021】
検知部16は、検知領域17内に進入したユーザの指6までの距離に基づいてユーザの指6の位置を検知するレーザセンサである。
【0022】
検知部16は、投光部からレーザを投光し、受光素子上の受光位置や光が返ってくる時間を検出することで対象物の位置情報を検出する機能をレーザセンサである。位置情報を検知する手法として、三角測定式と時間計測式が存在する。
【0023】
三角測定式は、対象物との距離が変わることで、検出素子CMOS上で集光される位置が変わり、その位置情報を使って検出を行う。
【0024】
三角測定式による計測方法として、より具体的には、対象物に半導体レーザからレーザ光を照射し、対象物から反射した光は、受光レンズで集約され受光素子へと結像される。距離が変動すると、集光される反射光の角度が変わり、それにともない受光素子上に結像される位置が変化する。この受光素子上の結像位置の変化が対象物の移動量とともに変化することから、結像位置の変化量を読み取り、対象物の移動量として計測することが出来る。
【0025】
時間計測式は、発光したレーザ光が、物体に当たって戻ってくるまでの時間で距離を測定し、ワークの表面状態に影響されずに安定した検出ができる。
【0026】
時間計測式による計測方法として、より具体的には、レーザの反射光を受光するまでの時間Tを検出し、距離Yを算出する。計算式は、2Y(往復距離)=C(光の速さ)×T(反射光を受光するまでの時間)となり、この計算式に基づいて求める。
【0027】
制御部18は、検知部16から送信される検知結果に基づいて、タブレット端末8を制御する機能を有しており、信号送信部21を備えて構成される。
【0028】
信号送信部21は、検知部16の結果に基づいて、タブレット端末8のタッチパネル画面を操作するための操作信号をタブレット端末8に送信する機能を有している。
【0029】
信号送信部21は、無線通信にてタブレット端末8に信号を送信することが出来る。無線通信の手段は、種々存在するが、例えば、ブルートゥース(登録商標)などを用いることが出来る。ここでは、無線通信にてタブレット端末8と通信接続を行うものとして説明したが、もちろん、通信ケーブルなどを接続して有線通信を行ってもよい。
【0030】
信号送信部21は、検知領域17の所定の場所にユーザの指6が位置したときに、検知領域17の所定の場所に重なるタッチパネル画面上の位置を操作する操作信号を送信する。ここで、タッチパネル画面と検知領域17は正面側から見たときに重なるように原点を一致させており、例えば、検知領域17のXY座標とタッチパネル画面のXY座標が一致するように設定されている。
【0031】
信号送信部21は、ユーザの指6が検知領域17内に進入したときにタブレット端末8のタッチパネル画面のタップ操作信号を送信する機能を有する。
【0032】
また、信号送信部21は、検知領域17内に進入したままユーザの指6の位置が変わるときにタブレット端末8のタッチパネル画面のスワイプ操作信号を送信する。このように、ユーザの指6が検知領域17に入ったか、あるいは、入った状態で移動するかによって、タップ操作かスワイプ操作であるかを判断している。
【0033】
続いて、上記構成の非接触式携帯端末操作装置10の作用について説明する。従来、飲食店などの店舗において効率化の観点からタブレット端末8などを用いて注文などのやり取りを行うシステムが導入されている。
【0034】
タブレット端末8は、静電容量センサなどを用いたタッチセンサを備えており、ユーザの指6が画面に触れることにより操作を行う必要がある。近年、新型コロナウイルス感染症の流行により、共用物などに不必要に触れないようにすることが求められている。このような課題に対して、非接触式携帯端末操作装置10は顕著な効果を発揮する。
【0035】
非接触式携帯端末操作装置10において、
図1,2に示されるように、タブレット端末8をタブレット案内レール25に沿って案内させて本体部22に設置する。そして、本体部22の両端に端部24,26を取り付け、
図3のように設置を完成する。
【0036】
非接触式携帯端末操作装置10を駆動させると検知部16からレーザが出力され、
図1及び
図4に示されるように、タブレット端末8のタッチパネル画面から所定の距離(例えば、数cm)だけ離れた領域に検知領域17が形成される。
【0037】
そして、
図5(a)に示されるようにユーザの指6が検知領域17の外側にいるときは検知部16により検知がされないため、タッチパネル画面も操作されない。
【0038】
そして、
図5(b)に示されるようにユーザの指6が検知領域17内に進入し、検知部16により検知されたときに検知領域17における位置に対応するタッチパネル画面の位置が操作されるための操作信号が信号送信部21により送信される。これにより、タッチパネル画面がタップ操作されて、例えば、飲食店などにおいて所望の注文を行うことが出来る。
【0039】
上記のように、非接触式携帯端末操作装置10によれば、タブレット端末8のタッチパネル画面から所定の距離離れた検知領域17を操作することで、タブレット端末8を操作することができる。すなわち、非接触でタブレット端末8を操作することができるため、新型コロナウイルス感染症などの予防に顕著な効果を奏する。
【0040】
そして、
図5(b)に示されるように指6が検知領域17内に進入したときは、タッチパネル画面に接触されたときと同様の操作を行うための操作信号が出力された後、
図5(c)に示されるように指6が検知領域17の外側に出ていった後は、タッチパネル画面から離されたのと同様の取り扱いとなる。
【0041】
また、
図5(b)に示されるように指6が検知領域17内に進入した後、
図5(d)に示されるように指6を検知領域17内で移動させたときは、タッチパネル画面上でスワイプ操作を行ったのと同様の操作がなされる。
【符号の説明】
【0042】
6 指、8 タブレット端末、10 非接触式携帯端末操作装置、12 ケース部、16 検知部、17 検知領域、18 制御部、21 信号送信部、22 本体部、24,26 端部、25 タブレット案内レール。