(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法、並びに、プログラム
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20241111BHJP
A63B 69/36 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
A63B71/06 U
A63B69/36 541P
(21)【出願番号】P 2020199914
(22)【出願日】2020-12-01
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】500140921
【氏名又は名称】株式会社ライズシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】野村 昇
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-270508(JP,A)
【文献】特開2020-013512(JP,A)
【文献】特開2017-045160(JP,A)
【文献】特開2015-201081(JP,A)
【文献】特開2017-006192(JP,A)
【文献】特開2017-173418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00-69/40
A63B 71/00-71/16
G06Q 50/00-99/00
G16Z 99/00
G09B 1/00-19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく前記生徒の前記ゴルフスイングの診断結果を取得し、前記診断結果に基づいて、練習方法を抽出する練習方法抽出手段と、
前記練習方法抽出手段により抽出された前記練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出手段と、
前記練習方法抽出手段により抽出された前記練習方法、および、前記副作用抽出手段により抽出された前記副作用を含む処方箋を作成する処方箋作成手段と、
前記生徒が前記処方箋作成手段により作成された前記処方箋に基づいた練習を実行した場合の経過観察を実行する経過観察手段と
を有し、
前記処方箋作成手段は、前記経過観察手段による経過観察結果を前記処方箋にさらに含める
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記処方箋作成手段は、前記生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、前記処方箋の情報量を決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記処方箋作成手段は、前記生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、前記処方箋の表現方法を決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記練習方法抽出手段は、前記生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、前記練習方法を抽出する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置であって、
前記生徒が前記処方箋作成手段により作成された前記処方箋に基づいた練習を実行した場合の経過予想を作成する経過予想作成手段をさらに備え、
前記処方箋作成手段は、前記経過予想作成手段により作成された前記経過予想を前記処方箋にさらに含める
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記経過観察手段は、前記生徒が前記処方箋作成手段により作成された前記処方箋に基づいた練習を実行した場合に、前記副作用抽出手段により抽出された前記副作用が発生、または、発生の兆しがあるか否かを経過観察する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
ゴルフレッスンの補助となる情報を生成する情報処理装置の情報処理方法であって、
生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく前記生徒の前記ゴルフスイングの診断結果を取得し、前記診断結果に基づいて、練習方法を抽出する練習方法抽出ステップと、
前記練習方法抽出ステップの処理により抽出された前記練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出ステップと、
前記練習方法抽出ステップの処理により抽出された前記練習方法、および、前記副作用抽出ステップの処理により抽出された前記副作用を含む処方箋を作成する
第1の処方箋作成ステップと、
前記処方箋作成ステップの処理により作成された前記処方箋に基づいた練習を前記生徒が実行した場合の経過観察を実行する経過観察ステップと、
前記経過観察ステップの処理による経過観察結果を前記処方箋にさらに含める第2の処方箋作成ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
ゴルフレッスンの補助となる情報を生成する情報処理装置を制御するコンピュータが実行するプログラムであって、
生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく前記生徒の前記ゴルフスイングの診断結果を取得し、前記診断結果に基づいて、練習方法を抽出する練習方法抽出ステップと、
前記練習方法抽出ステップの処理により抽出された前記練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出ステップと、
前記練習方法抽出ステップの処理により抽出された前記練習方法、および、前記副作用抽出ステップの処理により抽出された前記副作用を含む処方箋を作成する
第1の処方箋作成ステップと、
前記処方箋作成ステップの処理により作成された前記処方箋に基づいた練習を前記生徒が実行した場合の経過観察を実行する経過観察ステップと、
前記経過観察ステップの処理による経過観察結果を前記処方箋にさらに含める第2の処方箋作成ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法、並びに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運動の上達に向けて、効率的な練習を支援するために、様々な技術が用いられている。例えば、ゴルフにおいては、実際の競技、すなわち、ゴルフ場でプレーを楽しむためには、ゴルフ練習場等で、技術を向上させる必要がある。例えば、短時間でゴルフスイングが上達できるように支援するための技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の技術は、ユーザのスイングを撮像し、ディープラーニングを用いた学習処理の結果と、ユーザのスイングを撮像した動画に基づいて、スイングの良否を判定するものである。
【0005】
さて、実際に機械ではなく人のコーチが生徒を教える場合、ユーザのスイングの良否を判定し、改善点を指摘したり、改善するための練習方法を提示するにあたっては、現状のユーザのスイングの状態以外にも、経験により導き出される様々な知見が重要である。様々な技術を導入して、ゴルフの上達の支援を行うためには、通常、人が経験により得る知見と同様の情報を反映させることが重要となる。
【0006】
そこで、本発明は、前記課題を解決すること、すなわち、人が経験により得る知見にできるだけ近い情報を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能な、情報処理装置および情報処理方法、並びに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置の一側面は、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく生徒のゴルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出する練習方法抽出手段と、練習方法抽出手段により抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出手段と、練習方法抽出手段により抽出された練習方法、および、副作用抽出手段により抽出された副作用を含む処方箋を作成する処方箋作成手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の情報処理装置の他の側面は、処方箋作成手段が、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、処方箋の情報量を決定することを特徴とする。
【0009】
本発明の情報処理装置の他の側面は、処方箋作成手段が、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、処方箋の表現方法を決定することを特徴とする。
【0010】
本発明の情報処理装置の他の側面は、練習方法抽出手段が、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、練習方法を抽出することを特徴とする。
【0011】
本発明の情報処理装置の他の側面は、生徒が処方箋作成手段により作成された処方箋に基づいた練習を実行した場合の経過予想を作成する経過予想作成手段をさらに備え、処方箋作成手段は、経過予想作成手段により作成された経過予想を処方箋にさらに含めることを特徴とする。
【0012】
本発明の情報処理装置の他の側面は、生徒が処方箋作成手段により作成された処方箋に基づいた練習を実行した場合の経過観察を実行する経過観察手段をさらに備え、処方箋作成手段は、経過観察手段による経過観察結果を処方箋にさらに含めることを特徴とする。
【0013】
本発明の情報処理装置の他の側面は、経過観察手段が、生徒が処方箋作成手段により作成された処方箋に基づいた練習を実行した場合に、副作用抽出手段により抽出された副作用が発生、または、発生の兆しがあるか否かを経過観察することを特徴とする。
【0014】
本発明の情報処理方法の一側面は、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく生徒のゴルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出する練習方法抽出ステップと、練習方法抽出ステップの処理により抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出ステップと、練習方法抽出ステップの処理により抽出された練習方法、および、副作用抽出ステップの処理により抽出された副作用を含む処方箋を作成する処方箋作成ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明のプログラムの一側面は、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく生徒のゴルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出する練習方法抽出ステップと、練習方法抽出ステップの処理により抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出ステップと、練習方法抽出ステップの処理により抽出された練習方法、および、副作用抽出ステップの処理により抽出された副作用を含む処方箋を作成する処方箋作成ステップとを含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、人が経験により得る知見にできるだけ近い情報を反映させてゴルフのレッスンを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ゴルフレッスン支援装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】判定/診断処理部13の診断例について説明するための図である。
【
図3】生徒の性格や特性を示す情報の例について説明するための図である。
【
図4】生徒の性格や特性を示す情報の例について説明するための図である。
【
図5】生徒の性格や特性を示す情報の例について説明するための図である。
【
図6】生徒の性格や特性を示す情報の例について説明するための図である。
【
図7】処方箋作成処理1について説明するためのフローチャートである。
【
図8】処方箋作成処理1について説明するためのフローチャートである。
【
図9】ゴルフレッスン支援装置41が有する機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図10】処方箋作成処理2について説明するためのフローチャートである。
【
図11】処方箋作成処理2について説明するためのフローチャートである。
【
図12】処方箋作成処理2について説明するためのフローチャートである。
【
図13】ゴルフレッスン支援装置71が有する機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図14】処方箋作成処理3について説明するためのフローチャートである。
【
図15】処方箋作成処理3について説明するためのフローチャートである。
【
図16】処方箋作成処理3について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態の情報処理装置および情報処理方法、並びに、プログラムについて、
図1~
図16を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例であるゴルフレッスン支援装置1が有する機能構成を示す機能ブロック図である。
【0020】
ゴルフレッスン支援装置1は、センシングデータ取得部11、入力制御部12、判定/診断処理部13、性格・特性情報取得部14、評価情報取得部15、生徒管理データベース16、アドバイスデータベース17、アドバイス抽出結果データベース18、アドバイス抽出処理部19、副作用データベース20、副作用抽出処理部21、経過観察処理部22、経過予想作成部23、処方箋作成結果データベース24、処方箋作成処理部25、および、処方箋出力処理部26の機能を含んで構成されている。ゴルフレッスン支援装置1は、情報処理装置に対応する。
【0021】
センシングデータ取得部11は、レッスンを受けている対象者(以下、生徒と称する)のゴルフスイングおよび打球の弾道に関するセンシングデータを取得し、判定/診断処理部13に供給する。センシングデータとは、例えば、身体部位のうち、頭部中央、顎部、手右下腿、右大腿、左下腿、左大腿、骨盤、上部胴体、右上腕、右前腕、左上腕、または、左前腕などの位置の変動を表すデータ、ボールスピード、打出角、打出方向、スピン量、スピン方向、滞空時間、飛距離、フェイス面上のインパクト位置、インパクト時のフェイス面角度、または、ヘッドスピードなどの、ゴルフクラブやゴルフボールに関する測定データなどである。
【0022】
入力制御部12は、例えば、音声入力装置、テキスト入力装置などの入力デバイスからの、ユーザ(多くの場合は、コーチ等)の操作入力を制御し、判定/診断処理部13、または、アドバイス抽出処理部19に供給する。具体的には、入力制御部12は、例えば、判定/診断処理部13による判定/診断において必要な情報(例えば、初期情報なので全体の診断をする、フックを直している途中なので飛距離については加味しない、矯正のための変則打法のドリルなので、下半身は判定しない、など)の入力を制御して、判定/診断処理部13に供給したり、アドバイス抽出処理部19によって抽出されるアドバイスの対象となる生徒の生徒IDの入力を制御して、アドバイス抽出処理部19に供給する。
【0023】
判定/診断処理部13は、センシングデータ取得部11から供給されたセンシングデータ、および、入力制御部12から供給された、ユーザの操作入力に基づいて、生徒が治すべき個所を判定・診断し、判定・診断結果をアドバイス抽出処理に供給する。なお、判定/診断処理部13は、センシングデータ取得部11から供給された複数回のセンシングデータのばらつきを考慮した判定・診断を行うことが可能である。
【0024】
判定/診断処理部13の判定・診断のアウトプットは、「スライスする」「フックする」「飛距離が短い」「スイングヘッドの軌道が正しくない」「体重移動が正しくない」などの項目だけであってもよいし、項目とそれに対応するセンシングデータであってもよいし、レッスンを受けている対象者のセンシングデータと、理想的なデータとの乖離を示すデータであってもよい。さらに、この診断のアウトプットは、例えば、「スライスする」や「フックする」という評価項目をさらに詳細に区分して、例えば、「プッシュスライス」「プッシュ」「プッシュフック」「スライス」「フェード(ストレートスライス)」「ストレート」「ドロゥ(ストレートフック)」「フック」「プルスライス」「プル」「プルフック」としてもよいし、理想的なストレートの弾道に対する乖離度としてもよい。
【0025】
また、判定/診断処理部13の診断のアウトプットは、所定の方法によるグループ分けの結果としてもよい。グループ分けの一例として、例えば、
図2に示されるように、スイングタイプを「上体と下半身の使い方バランス」「切り返しタイプ」「フェイスローテーション」に着目して分類するとともに、現在の力量(例えば、ハンディキャップなどを基に数値化可能)や打球の弾道の評価結果などに基づいてレベル分け(ここでは1~3)することにより、24パターンに分類することなどが可能である。
【0026】
また、診断の内容は、入力制御部12から供給されるユーザの操作入力によって、例えば、「上体と下半身の使い方バランス」「切り返しタイプ」「フェイスローテーション」「飛距離」または「弾道」など、所定の項目に着目して決められるものであってもよい。なお、判定・診断方法は、理想とするスイングや打球の弾道との一致率または乖離率で判定する、ディープラーニングによる学習データを用いるなど、どのようなものであってもよい。
【0027】
性格・特性情報取得部14は、それぞれの生徒の性格や特性に関する情報を取得し、生徒IDに対応付けて、生徒管理データベース16に供給して登録する。生徒の性格や特性は、例えば、既存のエゴグラムやエムグラム、ビックファイブと言われるメジャーな性格判断テスト、各種適正判断の結果を用いるものであってもよいし、独自のゴルフ上達適正診断などのプログラムを作成し、それを反映するものであってもよい。
【0028】
具体的には、性格・特性情報取得部14は、例えば、各種性格判断テスト等の結果として、「気が弱い」「気が強い」「論理的」「直感的」「凝り性」「飽きっぽい」「○○選手のファン」「○○タイプの選手を目指している」などの項目をパラメータとして取得することができる。
【0029】
また、性格・特性情報取得部14は、生徒の性格や特性を、例えば、
図3に示されるような、「レッスン適正タイプ診断結果」に基づいて分類した結果を取得することができる。
図3に示す「レッスン適正タイプ診断結果」においては、性格や特性を、調停者、献身家、楽天家、堅実家、達成者、芸術家、観察者、統率者、完全主義者などに分類している。
【0030】
また、性格・特性情報取得部14は、生徒の性格や特性を、例えば、
図4に示されるような「運動経験値などの適正」に基づいて分類した結果を取得することができる。
図4に示す「運動経験値などの適正」においては、運動経験、運動の成功体験、または、運動神経の有無などに基づいて、運動経験値の高低を分類している。
【0031】
また、性格・特性情報取得部14は、生徒の性格や特性を、例えば、
図5に示されるような「練習環境と練習習慣など」に基づいて分類した結果を取得することができる。
図5に示す「練習環境と練習習慣など」においては、体力、モチベーション、お金や時間の有無等に基づいて、練習環境と習慣、および、期待できる練習回数の高低を定め、グループに分類している。
【0032】
また、性格・特性情報取得部14は、生徒の性格や特性を、例えば、
図6に示されるような「ゴルフ年齢と現状技量」のグラフにおいていずれの場所に位置するかを取得することができる。
【0033】
性格・特性情報取得部14は、これらの、生徒の性格や特性を表す情報を、1つまたは複数取得して、生徒管理データベース16に生徒IDと対応付けて登録する。
【0034】
これらの、生徒の性格や特性を表す情報は、単独であっても、後述する、アドバイス等の抽出や、処方箋の作成における情報量および表現方法の決定に有用な情報であるが、これらの情報は、複数存在することにより、より、有用な情報として活用することが可能である。具体的には、例えば、
図6に示される「ゴルフ年齢と現状技量」において、ゴルフ年齢が少ない、すなわち、経験が浅い場合は、飛躍的に上達するケースも多く、コーチ(人)が練習メニューを考える場合には、これまでに経験に基づいて、現状の技能に一般的に適していると考えられるレッスンよりも高度なレッスンを課すことにより、生徒の上達を促すことができる場合がある。これは、
図4に示される「運動経験値などの適正」で運動経験値が高い生徒や、
図5に示される「練習環境と練習習慣など」で練習環境が整っており、練習頻度が高い生徒などに顕著である。すなわち、性格・特性情報取得部14が、ゴルフのレッスンの組み立てに反映させるために有用な、例えば、
図3~
図6を用いて説明したような生徒の性格や特性を表す情報を複数種類取得し、生徒管理データベース16に生徒IDと対応付けて登録することにより、人が経験により得る知見にできるだけ近い情報を反映させることが可能となり、後述するアドバイス等の抽出処理や、処方箋の作成における情報量および表現方法の決定処理において、その生徒の性格特性に合致した、よりよい処理を行うことが可能となる。
【0035】
評価情報取得部15は、ゴルフレッスン支援装置1を利用した生徒、または、コーチ等の、処方箋に関する評価情報を取得し、生徒IDに対応付けて、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0036】
生徒管理データベース16は、生徒のID、性格・特性情報、評価情報、および、経過観察に必要な情報などを登録するデータベースである。具体的には、生徒管理データベース16には、例えば、生徒のID、性格・特性情報取得部14から供給された性格・特性情報、判定/診断処理部13による診断結果、アドバイス抽出処理部19によるアドバイス、ドリル、メソッドなどの練習方法の抽出結果、処方箋作成処理部25により作成された処方箋の情報、および、評価情報取得部15から供給された評価情報などを含む情報が登録されている。また、生徒管理データベース16には、判定/診断処理部13による診断結果に加えて、判定・診断の基となったセンシングデータも登録することができる。
【0037】
生徒管理データベース16は、これらの情報をログとして時系列に複数保存することにより、生徒それぞれの経過情報を記憶することができる。すなわち、ゴルフレッスン支援装置1の各機能は、生徒管理データベース16を参照することにより、対応する生徒が、新たなアドバイス等を受けるタイミングであるか、いずれかのアドバイスの実行中、すなわち、経過観察中であるかを検出することができるとともに、それぞれの生徒が、どのような処方箋を基に練習を行うことにより、どのように上達したか、その達成度合いや、いずれかの練習によって副作用が発生したか否かを検出することが可能である。
【0038】
アドバイスデータベース17は、アドバイス、ドリル、メソッドなど(以下、アドバイス等と称する)の、各種練習方法に関する情報を登録するデータベースである。
【0039】
アドバイス抽出結果データベース18は、外部から、または、経過観察処理部22から供給された、判定・診断結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)、生徒の性格や特性に関する情報、実行されたアドバイス等、および、アドバイス等を実行して練習したのちの改善率(必要に応じて、練習後のセンシングデータ)を含む情報を登録する。
【0040】
これらの登録項目のパラメータの例について説明する。診断結果については、例えば、「フック」「スライス」「飛距離不足」「スイングヘッドの軌道」「体重移動」などの項目と、必要に応じてセンシングデータと、それらの項目ごとに、理想値との乖離を示す数値をパラメータとして用いたり、
図2を用いて説明した所定の分類のうちのいずれのグループに対応するかをパラメータとして用いることができる。生徒の性格・特性としては、生徒管理データベース16に登録されているものと同一のパラメータが用いられ、例えば、「気が弱い」「気が強い」「論理的」「直感的」「凝り性」「飽きっぽい」「○○選手のファン」「○○タイプの選手を目指している」などの項目をパラメータとして用いたり、
図3を用いて説明した「レッスン適正タイプ診断結果」や、
図4を用いて説明した「運動経験値などの適正」や、
図5を用いて説明した「練習環境と練習習慣など」や、
図6を用いて説明した「ゴルフ年齢と現状技量」を、単独で、または、複数でパラメータとして用いることができる。また、実行されたアドバイス等は、アドバイスデータベース17に登録されている各種のアドバイス、メソッド、ドリルなどとなる。そして、アドバイス等を実行して練習したのちの改善率は、それぞれの診断結果ごとの数値的な改善率と、必要に応じて、練習したのちのセンシングデータとなる。
【0041】
すなわち、アドバイス抽出結果データベース18には、“フック○○R”の“「気が強い」「飽きっぽい」性格・特性の生徒”が“○○ドリル”を実行した場合、“フックが○○R改善された”といった情報や、“飛距離××m”の“「凝り性」「△△選手のファン」性格・特性の生徒”が“△△選手メソッド”を実行した場合、“飛距離が○○m改善された”といった情報や、
図2を用いて説明した所定の分類のうちの“Ba有2ランク”に分類され、“楽天家”“運動経験度高” な性格・特性の生徒”が“××ドリル”を実行した場合、“スライスが△△%改善された”などの情報が登録される。
【0042】
アドバイス抽出処理部19は、生徒管理データベース16を参照し、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得し、判定/診断処理部13から供給された診断結果と、生徒の性格や特性に関する情報に基づいて、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒に適したアドバイス等を、アドバイスデータベース17から抽出し、診断結果、および、生徒IDとともに、副作用抽出処理部21、経過観察処理部22、および、処方箋作成処理部25に供給する。
【0043】
具体的には、アドバイス抽出処理部19は、診断結果と、生徒の性格・特性をキーとして、アドバイス抽出結果データベース18から対応するデータを抽出し、その中で、改善率の平均が最も高いアドバイス等を抽出する。アドバイス抽出結果データベース18に登録される生徒の性格や特性に関する情報が複数である場合、アドバイス抽出処理部19は、そのすべての項目が一致するデータの中で、改善率の平均が最も高いアドバイス等を抽出してもよいし、そのうちのいずれか重要な項目に関して、改善率の平均を算出し、その上位の中で、さらに、他の項目が一致し、かつ、改善率の平均が最も高いアドバイス等を抽出するようにしてもよい。また、アドバイス抽出処理部19は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が、いずれかのアドバイス等の実行中、すなわち、経過観察中である場合、実行中のアドバイス等を抽出するものとしてもよいし、実行中のアドバイス等に加えて、現在の診断結果に基づいた異なるアドバイス等を、さらに抽出するものとしてもよい。
【0044】
アドバイス抽出処理部19は、入力制御部12から供給された生徒ID、抽出されたアドバイス等に関する情報、および、判定/診断処理部13から供給された診断結果を、生徒管理データベース16に供給して登録するとともに、副作用抽出処理部21、経過観察処理部22、および、処方箋作成処理部25に供給する。
【0045】
これにより、アドバイス抽出処理部19は、例えば、性格や特性が異なる生徒が、同じようにスライス気味であっても、例えば、直感的で飽きっぽい人は○○をアドバイス、理論的で努力家の人は××ドリル、××選手にあこがれている人は××メソッド、“Ba有2ランク”で楽天家かつ運動経験度高の人は△△メソッドなど、生徒の性格や特性に最も適した異なるアドバイス等を抽出することができる。さらに具体的には、例えば、
図6を用いて説明した「ゴルフ年齢と現状技量」において、ゴルフ年齢が少ない、すなわち、経験が浅い生徒であって、かつ、
図4に示される「運動経験値などの適正」で運動経験値が高い生徒や、
図5に示される「練習環境と練習習慣など」で練習環境が整っており、練習頻度が高い生徒などである場合には、現状の技能に一般的に適していると考えられるレッスンよりも高度なレッスンを課すことにより、技術の上達が促されたという情報が、アドバイス抽出結果データベース18に蓄積されていた場合、アドバイス抽出処理部19は、例えば、同じようにスライス気味で、直感的で飽きっぽい生徒に対して、「ゴルフ年齢と現状技量」と、「運動経験値などの適正」や「練習環境と練習習慣など」に応じたレベルのアドバイス等を抽出することができる。
【0046】
副作用データベース20は、アドバイスデータベース17に登録されているアドバイス、メソッド、ドリル等を実施した場合に発生しうる副作用が登録されているデータベースである。
【0047】
具体的には、例えば、アドバイスデータベース17に、スライスを修正するための「スライス撲滅●●ドリル」 が登録されている場合を例として、このドリルに対応して副作用データベース20に登録される情報について説明する。「スライス撲滅●●ドリル」が、例えば、クローズスタンス気味に立ち、手の返しを意識させるものである場合、このドリルには、初心者には難しいが、比較的簡単に打感の良い球種に変るため、継続して貰いやすい という利点がある半面、徐々に手先の動きばかりになってくるという副作用がある。また、アッパー目の動きになるとチーピンが出る、手を使い過ぎてフックになる、アイアンでシャンクが出る、手先の動きと起き上がりが強くなるためにヒールヒットとなる、といった副作用が起こりうる。その場合、副作用データベース20には、「スライス撲滅●●ドリル」に対して、「手先の動きばかりになる」「アッパー目の動きになるとチーピンが出る」「手を使い過ぎてフックになる」「アイアンでシャンクが出る」「手先の動きと起き上がりが強くなるためにヒールヒットとなる」という副作用が登録される。
【0048】
また、例えば、アドバイスデータベース17に、スイング軌道やミート率などを改善させるための「下半身利用改善メソッド」が登録されている場合例として、このドリルに対応して副作用データベース20に登録される情報について説明する。「下半身利用改善メソッド」が、例えば、足を揃えて振る事により覚える腕のローテンションドリルから、テークバックで左足を軽く地面から浮かし、テイクバックトップで左足着地からスタートする、いわゆる一本足打法を取り入れた練習を行うものである場合、このメソッドには、「それまでよりも足が動き出す事により、一旦、早い起き上がりやスウェー、クラブの開きなどが発生する」「それらの補正なども含め、3ヶ月ほどで徐々にドローが出始める」「肘の使い方を間違え、強まり過ぎるとチーピンを含め、フック系のミスが増えてくる」「インサイドに上げる、上げ過ぎる事などにより、シャンクなども出やすい傾向」という副作用が登録される。
【0049】
このとき、副作用データベース20には、それぞれの副作用が発生しやすい時系列を含めた情報、発生しやすい頻度、初心者に発生しやすい副作用であるか、上級者にも発生しがちな副作用であるかなどを基にした重み付け情報などを合わせて登録するようにしてもよい。
【0050】
副作用抽出処理部21は、副作用データベース20を参照し、現在実行中のドリル等の副作用を抽出する処理を行う。
【0051】
具体的には、副作用抽出処理部21は、アドバイス抽出処理部19から、生徒ID、および、抽出されたアドバイスの情報の供給を受けた時、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングであるか、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であるかを判断する。対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングである場合、副作用抽出処理部21は、副作用データベース20を参照し、対応するアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報を取得して、生徒IDとともに、処方箋作成処理部25に供給するとともに、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0052】
経過観察処理部22は、生徒管理データベース16に登録されている生徒ごとの経過情報を参照し、アドバイス等の練習方法の抽出や、処方箋の作成にフィードバックする処理を実行する。また、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16に登録されている実行中のアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報に基づいて、副作用が現れた場合に通知を行うために必要な処理を行う。
【0053】
具体的には、経過観察処理部22は、アドバイス抽出処理部19から、生徒IDおよびアドバイス等に関する情報の供給を受けた時、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングであるか、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であるかを判断する。対応する生徒が現在実行中のアドバイス等の経過観察状態である場合、経過観察処理部22は、アドバイス抽出処理部19から供給された生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16に登録されている今回の診断結果および前回の診断結果、並びに、実行中のアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報を参照し、副作用が発生したか、または、発生の兆しがあるか否かを判断し、判断結果を処方箋作成処理部25に供給する。
【0054】
また、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、評価情報が付与されている場合、評価情報に対応付けて、次回のアドバイス等の抽出や処方箋の作成において、評価情報に対応した重み付け処理などを行うように、アドバイス抽出処理部19によるアドバイス等の抽出、および、処方箋作成処理部25による処方箋の作成を制御する。
【0055】
また、経過観察処理部22は、アドバイス抽出処理部19から、生徒IDおよびアドバイス等に関する情報の供給を受け、経過予想作成部23に供給する。経過観察処理部22は、後述する処理により作成された経過予想に関する情報を、経過予想作成部23から取得し、処方箋作成処理部25に供給する。
【0056】
さらに、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、蓄積されている情報のうち、アドバイス抽出結果データベース18、および、処方箋作成結果データベース24に登録可能な情報を抽出し、アドバイス抽出結果データベース18、および、処方箋作成結果データベース24に供給して登録する。
【0057】
経過予想作成部23は、経過観察処理部22の制御に基づいて、対応する生徒が提示された処方箋を実行した場合の経過予想に関する情報を作成し、経過観察処理部22に供給する。経過予想作成部23による経過予想の作成方法は、いかなる方法であってもよい。
【0058】
処方箋作成結果データベース24は、外部、または、経過観察処理部22から供給された、生徒の性格や特性に関する情報、実行された処方箋の情報量、実行された処方箋の表現のタイプ、および、処方箋を実行して練習したのちの改善率を含む情報を登録する。
【0059】
処方箋作成結果データベース24に登録される各項目のパラメータの例について説明する。生徒の性格・特性としては、上述した場合と同様に、例えば、「気が弱い」「気が強い」「論理的」「直感的」「凝り性」「飽きっぽい」「○○選手のファン」「○○タイプの選手を目指している」などの項目をパラメータとして用いたり、
図3を用いて説明した「レッスン適正タイプ診断結果」や、
図4を用いて説明した「運動経験値などの適正」や、
図5を用いて説明した「練習環境と練習習慣など」や、
図6を用いて説明した「ゴルフ年齢と現状技量」を、単独で、または、複数でパラメータとして用いることができる。生徒の性格・特性に関しては、複数のパラメータを対応付けて、「気が強い」かつ「飽きっぽい」性格・特性であるとしたり、「凝り性」かつ「△△選手のファン」の性格・特性であるとしてもよい。
【0060】
アドバイス等の情報量に関しては、例えば、文字数や、実施項目数などをパラメータとすることができる。アドバイス等の表現のタイプとしては、理論的な数値を多く入れる、直感的にわかる表現とする、やわらかい表現とする、鼓舞するような表現とする、などの分類が考えられる。そして、アドバイス等を実行して練習したのちの改善率は、上述した場合と同様に、それぞれの診断結果ごとの数値的な改善率となる。
【0061】
すなわち、処方箋作成結果データベース24には、「直感的で飽きっぽい性格・特性の生徒」に、「文字数と実施項目が少ないアドバイス」を「直感的」な表現で処方した場合、「問題点が〇〇%改善された」や、「凝り性で理屈っぽい性格・特性の生徒」 に、「実施項目は少ないが理論的な数値を多く入れたアドバイス」を「論理的」な表現で処方した場合、「問題点が〇〇%改善された」や、「Ba有2ランクで楽天家で運動経験度高の生徒」に、「文字数も実施項目も中程度のアドバイス」を「鼓舞するような表現」な表現で処方した場合、「問題点が〇〇%改善された」などの情報が登録されている。
【0062】
処方箋作成処理部25は、アドバイス抽出処理部19から、抽出されたアドバイス等、および、生徒IDの供給を受ける。処方箋作成処理部25は、生徒管理データベース16を参照し、生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得し、処方箋作成結果データベース24を参照して、生徒の性格や特性に関する情報に基づいて、アドバイス抽出処理部19により抽出されたアドバイスや、メソッドまたはドリルの提示において、生徒の性格や特性に適した情報量、表現方法で記載された処方箋を作成する。
【0063】
具体的には、処方箋作成処理部25は、生徒の性格・特性をキーとして、処方箋作成結果データベース24から対応するデータを抽出し、その中で、改善率の平均が最も高い情報量、表現方法を抽出する。処方箋作成結果データベース24に登録される生徒の性格や特性に関する情報が複数である場合、処方箋作成処理部25は、そのすべての項目が一致するデータの中で、改善率の平均が最も高い情報量および表現方法を抽出してもよいし、そのうちのいずれか重要な項目に関して、改善率の平均を算出し、その上位の中で、さらに、他の項目が一致し、かつ、改善率の平均が最も高い情報量および表現方法を抽出するようにしてもよい。
【0064】
また、処方箋作成処理部25は、副作用抽出処理部21から、対応するアドバイス等を実行した場合に発生しうる副作用に関する情報を取得し、作成される処方箋に含める。さらに、処方箋作成処理部25は、経過観察処理部22による経過観察結果や、経過予想作成部23により作成される経過予想に関する情報を取得し、作成される処方箋に含める。
【0065】
そして、処方箋作成処理部25は、アドバイス抽出処理部19から供給されたアドバイス等、副作用抽出処理部21から供給された副作用に関する情報、経過観察処理部22から供給された経過観察や経過予想等を用いて、処方箋作成結果データベース24を参照して得られた、生徒の性格・特性に適した情報量、表現方法で、処方箋を作成する。具体的には、処方箋作成処理部25は、処方箋作成結果データベース24に登録されている、気が弱いか気が強いかによって語尾を変更する、論理的であるか否かによって情報量を変更(抽出されたアドバイス等から、情報数、文字数などを調整)する、懐疑的な人か否かによって効果の具体例の量を変更する、などの要素に基づいて、生徒の性格・特性に適した情報量、表現方法で、処方箋を作成する。処方箋作成処理部25は、作成した処方箋を、処方箋出力処理部26に供給するとともに、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0066】
これにより、処方箋作成処理部25は、アドバイス抽出処理部19により抽出されたアドバイス等を用い、生徒の性格や特性に合致した情報量や表現方法であり、かつ、アドバイス等の副作用や経過観察等を含めた処方箋を作成することができる。すなわち、処方箋作成処理部25は、アドバイス抽出処理部19から供給されたアドバイス等が同一であった場合においても、「直感的で飽きっぽい性格・特性の生徒」には、「文字数と実施項目が少ない、直感的でシンプルな表現」で、そのアドバイスを実行した場合に想定される副作用や簡単な経過予測とともに処方箋として作成したり、「凝り性で理屈っぽい性格・特性の生徒」に、「実施項目は少ないが理論的な数値を多く入れた理論的な表現」で、そのアドバイスを実行した場合に想定される副作用とその理由や、詳細な数値を含む経過予測とともに処方箋として作成すること、すなわち、生徒の性格や特性に合わせた情報量や表現の処方箋を作成することができる。
【0067】
具体的には、処方箋作成処理部25は、例えば、「理論的」で「効果に対して懐疑的」な生徒に対して「修正手法は複数ありますが、〇〇メソッドが 〇〇な点や××な点で優位性があり、〇〇な貴方に向いているでしょう。ただし、△△に力が入りすぎてしまい、ヘッドスピードが落ちてしまうことが原因の××の発生に注意することが重要です。また、類似系スイングの生徒が同一メソッドを実行したことにより平均〇ヶ月で技術が向上したという実績があります」といった、理論的に効果を示した処方箋を作成することができる。また、処方箋作成処理部25は、例えば、「楽天家」で「直感的」な生徒に対して「参考動画が沢山あって分かりやすい××ドリルがお勧めです。△△に注意しながら、動画の真似をすることにより、平均○カ月で効果が表れます」といった、短くて平易な内容の処方箋を作成することができる。
【0068】
また、処方箋作成処理部25は、経過観察中の生徒に対して、例えば、「理論的」で「効果に対して懐疑的」な生徒に対して「今実行中の○○メソッドにより、フックが○○%改善されましたが、△△に力が入りすぎてしまい、ヘッドスピードが落ちてしまうことが原因の××の副作用が発生しつつあります。△△の動きとヘッドスピードに注意して、○○メソッドを続けることにより、あと、平均×ヶ月で技術がさらに××%向上すると予測されます」といった、理論的に現在の効果や副作用を示した処方箋を作成することができる。また、処方箋作成処理部25は、例えば、「楽天家」で「直感的」な生徒に対して「今実行中の××ドリルで飛距離が△△%改善されました。これからも△△に注意しながら、あと○カ月頑張れば、○○%まで改善されます」といった、短くて平易な内容の処方箋を作成することができる。
【0069】
処方箋出力処理部26は、処方箋作成処理部25により作成された処方箋の供給を受け、例えば、表示装置、印字装置、音声出力装置、またはこれらの機能を有する出力デバイスに対して、処方箋に対応する情報の出力を制御する。
【0070】
なお、ここでは、ゴルフレッスン支援装置1に含まれる機能を1つの装置に含まれるものとして説明したが、ゴルフレッスン支援装置1に含まれる各機能は、複数の装置によって実現されるものであってもかまわない。例えば、センシングデータ取得部11、入力制御部12、および、処方箋出力処理部26の機能を、他の機能を有するゴルフレッスン支援装置とは異なる端末装置として構成し、複数のユーザが、端末装置をそれぞれ用いて、ゴルフレッスン支援装置と相互に情報を授受することが可能なようにしてもよい。
【0071】
また、ここでは、センシングデータ取得部11は、レッスンを受けている生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関するセンシングデータを取得し、判定/診断処理部13に供給するものとして説明したが、センシングデータに代わって、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道を撮像した動画像を取得し、ゴルフレッスン支援装置1の他の各機能が、必要に応じて、動画像データを解析処理することが可能なようにしてもよい。
【0072】
このように、ゴルフレッスン支援装置1は、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく前記生徒の前記ゴルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出するアドバイス抽出処理部19と、アドバイス抽出処理部19により抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出処理部21と、アドバイス抽出処理部19により抽出された練習方法、および、副作用抽出処理部21により抽出された副作用を含む処方箋を作成する処方箋作成処理部25とを有するので、実施予定のアドバイス、メソッド、ドリルなどの練習方法に対する副作用やデメリットをあらかじめ提示することができ、人が経験により得る知見のうちの一つである、練習方法に特有の副作用に関する情報を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0073】
また、ゴルフレッスン支援装置1は、アドバイス抽出処理部19が、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、練習方法を抽出し、処方箋作成処理部25が、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、処方箋の情報量や表現方法を決定するので、性格や特性に合う練習方法を、性格や特性に合う情報量および表現方法で提示でき、人が経験により得る知見のうちの一つである、生徒の性格や特性に合わせた練習方法の提示方法を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0074】
次に、
図7および
図8のフローチャートを参照して、ゴルフレッスン支援装置1が実行する、処方箋作成処理1について説明する。ここでは、各データベースには、処理に必要十分な情報がすでに登録されているものとして説明する。
【0075】
ステップS1において、センシングデータ取得部11は、センシングデータを取得し、判定/診断処理部13に供給する。
【0076】
ステップS2において、入力制御部12は、生徒IDや評価項目の入力など、処理に必要となるユーザの操作入力を制御し、判定/診断処理部13、および、アドバイス抽出処理部19に供給する。
【0077】
ステップS3において、判定/診断処理部13は、センシングデータ取得部11から供給されたセンシングデータ、および、入力制御部12から供給された、ユーザの操作入力に基づいて、判定・診断処理を実行し、判定・診断結果をアドバイス抽出処理部19に供給する。
【0078】
ステップS4において、アドバイス抽出処理部19は、生徒管理データベース16を参照し、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得する。
【0079】
ステップS5において、アドバイス抽出処理部19は、判定/診断処理部13から供給された判定・診断結果と、生徒の性格や特性に関する情報に基づいて、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒に適したアドバイス等を、アドバイスデータベース17から抽出する。また、アドバイス抽出処理部19は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が、いずれかのアドバイスの実行中、すなわち、経過観察中である場合、実行中のアドバイスを抽出するものとしてもよいし、実行中のアドバイス等に加えて、現在の診断結果に基づいた異なるアドバイス等を、さらに抽出するものとしてもよい。
【0080】
具体的には、アドバイス抽出処理部19は、診断結果と、生徒の性格・特性をキーとして、アドバイス抽出結果データベース18から対応するデータを抽出し、その中で、改善率の平均が最も高いアドバイスを抽出する。アドバイス抽出結果データベース18に登録される生徒の性格や特性に関する情報が複数である場合、アドバイス抽出処理部19は、そのすべての項目が一致するデータの中で、改善率の平均が最も高いアドバイス等を抽出してもよいし、そのうちのいずれか重要な項目に関して、改善率の平均を算出し、その上位の中で、さらに、他の項目が一致し、かつ、改善率の平均が最も高いアドバイス等を抽出するようにしてもよい。
【0081】
ステップS6において、アドバイス抽出処理部19は、入力制御部12から供給された生徒ID、抽出されたアドバイス等、および、判定/診断処理部13から供給された判定・診断結果を、生徒管理データベース16に供給して登録するとともに、副作用抽出処理部21、経過観察処理部22、および、処方箋作成処理部25に供給する。
【0082】
ステップS7において、副作用抽出処理部21は、アドバイス抽出処理部19から、生徒ID、抽出されたアドバイス等、および、判定/診断処理部13から供給された判定・診断結果の供給を受け、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングである否かを判断する。
【0083】
ステップS7において、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングであると判断された場合、ステップS8において、副作用抽出処理部21は、副作用データベース20を参照し、対応するアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報を取得して、生徒IDとともに、処方箋作成処理部25に供給する。
【0084】
ステップS7において、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングではないと判断された場合、または、ステップS8の処理の終了後、ステップS9において、経過観察処理部22は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であるか否かを判断する。
【0085】
ステップS9において、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であると判断された場合、ステップS10において、経過観察処理部22は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、実行中のアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報に基づいて、副作用が発生したか、または、発生の兆しがあるか否か、もしくは、改善度合いなどの経過観察状況を判断し、判断結果を処方箋作成処理部25に供給する。
【0086】
ステップS9において、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態ではないと判断された場合、または、ステップS10の処理の終了後、ステップS11において、経過観察処理部22は、アドバイス抽出処理部19から供給された、生徒IDおよびアドバイス等に関する情報の供給を、経過予想作成部23に供給する。経過予想作成部23は、経過観察処理部22の制御に基づいて、対応する生徒が提示された処方箋を実行した場合の経過予想を作成し、経過観察処理部22に供給する。経過観察処理部22は、供給された経過予想を処方箋作成処理部25に供給する。
【0087】
ステップS12において、処方箋作成処理部25は、アドバイス抽出処理部19から、抽出されたアドバイス、および、生徒IDの供給を受け、生徒管理データベース16を参照し、生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得する。
【0088】
ステップS13において、処方箋作成処理部25は、ステップS12の処理により取得した生徒の性格や特性に関する情報に基づいて、処方箋作成結果データベース24を参照し、生徒の性格や特性に合致した情報量および表現方法を抽出する。そして、処方箋作成処理部25は、アドバイス抽出処理部19から供給されたアドバイス等、副作用抽出処理部21から供給された副作用に関する情報、経過観察処理部22から供給された経過観察情報や経過予想等を用いて、処方箋作成結果データベース24を参照して得られた、生徒の性格・特性に適した情報量、表現方法で、処方箋を作成し、処方箋出力処理部26に供給するとともに、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0089】
ステップS14において、処方箋出力処理部26は、処方箋作成処理部25により作成された処方箋の供給を受け、出力を制御する。
【0090】
ステップS15において、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、評価情報が付与されているか否かを判断する。
【0091】
ステップS15において、評価情報が付与されていると判断された場合、ステップS16において、経過観察処理部22は、評価情報に対応付けて、次回のアドバイス等の抽出や処方箋の作成において、評価情報に対応した重み付け処理などを行うように、アドバイス抽出処理部19によるアドバイス等の抽出、および、処方箋作成処理部25による処方箋の作成を制御する。
【0092】
ステップS15において、評価情報が付与されていないと判断された場合、または、ステップS16の処理の終了後、ステップS17において、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、蓄積されている情報のうち、アドバイス抽出結果データベース18、および、処方箋作成結果データベース24に登録可能な情報を抽出し、アドバイス抽出結果データベース18、および、処方箋作成結果データベース24に供給して登録し、処理が終了される。
【0093】
このような処理により、ゴルフレッスン支援装置1では、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく生徒のゴルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出するステップと、抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出するステップと、抽出された練習方法、および、抽出された副作用を含む処方箋を作成するステップとが実行されるので、実施予定のアドバイス、メソッド、ドリルなどの練習方法に対する副作用やデメリットをあらかじめ提示することができ、人が経験により得る知見のうちの一つである、練習方法に特有の副作用に関する情報を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0094】
また、ゴルフレッスン支援装置1では、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、練習方法が抽出され、処方箋の情報量や表現方法が決定されるので、性格や特性に合う練習方法を、性格や特性に合う情報量および表現方法で提示でき、人が経験により得る知見のうちの一つである、生徒の性格や特性に合わせた練習方法の提示方法を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0095】
以上説明したゴルフレッスン支援装置1は、アドバイス抽出処理、処方箋作成処理、および、副作用抽出処理を、データベースに登録された情報に基づいて行うものであると説明したが、これらの処理は、機械学習、いわゆる、ディープラーニング等の手法により学習される結果を利用して実現することも可能である。
【0096】
図9は、アドバイス抽出処理、処方箋作成処理、および、副作用抽出処理を、ディープラーニング等の機械学習を利用して実現するゴルフレッスン支援装置41が有する機能構成を示す機能ブロック図である。ゴルフレッスン支援装置41は、情報処理装置に対応する。
【0097】
なお、
図9においては、
図1を用いて説明したゴルフレッスン支援装置1における場合と同様の機能については、同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。すなわち、ゴルフレッスン支援装置41は、アドバイス抽出結果データベース18に代わって、第1の学習処理部51、アドバイス抽出処理部19に代わって、アドバイス抽出処理部52、副作用データベース20に代わって、第2の学習処理部53、副作用抽出処理部21に代わって、副作用抽出処理部54、処方箋作成結果データベース24に代わって、第3の学習処理部55、処方箋作成処理部25に代わって、処方箋作成処理部56が設けられている以外は、基本的に、
図1を用いて説明したゴルフレッスン支援装置1と同様の機能を有している。
【0098】
第1の学習処理部51は、外部から供給されたデータ、および、経過観察処理部22から供給された情報を教師データとして、どのような性格や特性を有する生徒が、どんな課題に対してどのようなアドバイス等を実行した場合にどれぐらい改善が見られたかについてのディープラーニングを行う。学習の教師データのセットの例としては、例えば、「診断結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)/生徒の性格・特性/利用アドバイス等/アドバイス等を実行して練習したのちの診断結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)」などがある。第1の学習処理部51は、利用アドバイス等の構成(文字、図解、動画等)を解析したり、練習前後の評価結果を解析可能な、テキストデータ、画像データ、音声データ、および、数値データの解析能力を有する。
【0099】
具体的には、第1の学習処理部51は、“フック○○R”の“「気が強い」「飽きっぽい」性格・特性の生徒”が“○○ドリル”を実行した場合の“練習後の診断結果”すなわち “フックが○○R改善された”といった情報や、“飛距離××m”の“「凝り性」「△△選手のファン」性格・特性の生徒”が“△△選手メソッド”を実行した場合の“練習後の診断結果”すなわち“飛距離が○○m改善された”といった情報や、
図2を用いて説明した所定の分類のうちの“Ba有2ランク”に分類され、“楽天家”“運動経験度高”な性格・特性の生徒”が“××ドリル”を実行した場合の“練習後の診断結果”すなわち“スライスが△△%改善された”などの情報を教師データとして、ディープラーニングを実行する。
【0100】
また、第1の学習処理部51は、具体的には、“フック○○R”の“「ゴルフ年齢が低い」「運動経験値が高い」性格・特性の生徒”が“○○ドリル”を実行した場合の“練習後の診断結果”すなわち “フックが○○R改善された”といった情報や、“飛距離××m”の“「ゴルフ年齢が低い」「練習環境が良い」性格・特性の生徒”が“××ドリル”を実行した場合の“練習後の診断結果”すなわち“飛距離が○○m改善された”といった情報を教師データとして、ディープラーニングを実行する。
【0101】
すなわち、第1の学習処理部51は、教師データのそれぞれから、意味を持つ特徴量を抽出し、生徒の性格や特性に応じてどのような特徴を有するアドバイス等が適しているかを学習することができる。具体的には、第1の学習処理部51は、例えば、性格の項目に直感的が含まれている生徒は、説明動画が多く含まれているメソッドを実行した場合に改善率が良いことや、特性の項目において運動経験が多いことが示される生徒は、繰り返し項目が多いドリルを実行した場合に改善率が良いことや、理論的で凝り性な性格・特性の生徒は、骨格や筋肉の動きの説明を含むアドバイスやメソッドが適していることや、ゴルフ年齢が少ない、すなわち、経験が浅い生徒であって、かつ、運動経験値が高い生徒や、練習環境が整っている生徒や、練習頻度が高い生徒には、現状の技能に一般的に適していると考えられるレッスンよりも高度なレッスンを課すことにより、技術の上達が促されたことなどを、学習データから自動的に抽出する。
【0102】
また、第1の学習処理部51は、アドバイスデータベース17に登録された新しいアドバイス等に対して、単独で特徴量を抽出し、その情報を保持するものとしてもよい。これにより、実績のないアドバイス等であっても、その特徴が生徒の性格や特性に合致していれば、効果的なアドバイス等として抽出することができる。これにより、例えば、日々更新されるレッスンメソッド動画なども、生徒の性格や特性に合致していれば、提示することが可能となる。
【0103】
そして、第1の学習処理部51は、アドバイス抽出処理部52から、生徒の性格・特性に関する情報、および、診断結果の供給を受け、学習結果に基づいて、生徒の課題のみならず、性格・特性に合わせて、最も改善が見込まれるアドバイス等などの傾向を示す情報を、アドバイス抽出処理部52に供給する。
【0104】
アドバイス抽出処理部52は、生徒管理データベース16を参照し、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得し、判定/診断処理部13から供給された診断結果とともに、第1の学習処理部51に供給する。そして、アドバイス抽出処理部52は、第1の学習処理部51による学習結果に基づいて、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒に適したアドバイスを、アドバイスデータベース17から抽出し、生徒IDとともに、副作用抽出処理部54、経過観察処理部22、および、処方箋作成処理部56に供給する。
【0105】
なお、アドバイス抽出処理部52は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が、いずれかのアドバイスの実行中、すなわち、経過観察中である場合、実行中のアドバイスを抽出するものとしてもよいし、実行中のアドバイス等に加えて、現在の診断結果に基づいた異なるアドバイス等を、さらに抽出するものとしてもよい。また、アドバイス抽出処理部52は、抽出されたアドバイス、および、判定/診断処理部13から供給された診断結果を、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0106】
これにより、アドバイス抽出処理部52は、例えば、性格・特性の異なる生徒が、同じようにスライス気味であっても、例えば、直感的で飽きっぽい人は○○をアドバイス、理論的で努力家の人は××ドリル、××選手にあこがれている人は××メソッド、“Ba有2ランク”で楽天家かつ運動経験度高の人は△△メソッドなど、生徒の性格や特性からことなるアドバイス等を抽出することができる。
【0107】
また、
図1を用いて説明したゴルフレッスン支援装置1のように、アドバイスデータベース17に登録されている情報に基づいて、生徒の性格・特性に適したアドバイス等が抽出される場合は、それぞれのアドバイス等が実行された場合の改善率を基に、生徒の性格・特性に適したアドバイス等が抽出されていた。これに対して、ゴルフレッスン支援装置41の第1の学習処理部51は、アドバイスデータベース17に登録されているアドバイス等の特徴量、例えば、動画が多く含まれている、言葉が平易(または理論的)、図解が多い、繰り返し項目が少ない(または多い)などの特徴量を学習し、それらの特徴量を用いて、適したアドバイス等の傾向を検出するので、アドバイス抽出処理部52は、生徒それぞれの性格・特性に適したアドバイス等の傾向に基づいて、使用実績がないアドバイス等も含めて、生徒それぞれの性格・特性に適した特徴量を有するアドバイス等を抽出することができる。
【0108】
第2の学習処理部53は、外部から供給されたデータ、および、経過観察処理部22から供給された情報を教師データとして、どのアドバイス等を実行した場合にどのような副作用があるかについてのディープラーニングを行う。学習の教師データのセットの例としては、例えば、「診断結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)/利用アドバイス等/アドバイス等の実行後の診断結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)」などがある。判定/診断処理部13による診断結果のうちのいずれかが悪くなった過去の実施結果が、すなわち、発生した副作用またはデメリットである。第2の学習処理部53は、練習前後の評価結果を解析可能な、テキストデータ、画像データ、音声データ、および、数値データの解析能力を有する。
【0109】
具体的には、第2の学習処理部53は、教師データのそれぞれから、意味を持つ特徴量を抽出し、どの様なアドバイス等を実行した場合に、どのような副作用やデメリットが発生するかを学習することができる。具体的には、第2の学習処理部53は、例えば、スライスを修正するための「スライス撲滅●●ドリル」を実行した場合に、チーピンが出る、シャンクが出る、ヒールヒットになる、などの副作用が発生することや、スイング軌道やミート率などを改善させるための「下半身利用改善メソッド」を実行した場合に、クラブの開きが発生したり、ドローが発生したり、シャンクが発生することなどを、学習データから自動的に抽出することができる。
【0110】
そして、第2の学習処理部53は、副作用抽出処理部54から、抽出されたアドバイス等の情報の供給を受け、学習結果に基づいて、対応するアドバイス等を実行した場合に発生する可能性のある副作用なデメリットを示す情報を、副作用抽出処理部54に供給する。
【0111】
副作用抽出処理部54は、アドバイス抽出処理部52から、生徒ID、および、抽出されたアドバイスの情報の供給を受けた時、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングであるか、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であるかを判断する。対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングである場合、副作用抽出処理部54は、抽出されたアドバイスの情報を第2の学習処理部53に供給し、対応するアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報を取得して、生徒IDとともに、処方箋作成処理部56に供給する。
【0112】
第3の学習処理部55は、外部から供給されたデータ、および、経過観察処理部22から供給された情報を教師データとして、どのような性格や特性を有する生徒が、どの程度の情報量で、どのような表現のタイプで記載された処方箋を実行した場合にどれぐらい改善が見られたかについてのディープラーニングを行う。学習の教師データのセットの例としては、例えば、「診断結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)/生徒の性格・特性/処方箋の内容/アドバイス等を実行して練習したのちの診断判定結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)」などがある。すなわち、第3の学習処理部55は、提示された処方箋や、処方箋のもととなったアドバイス等の構成(文字、図解、動画等)を解析したり、練習前後の評価結果を解析可能な、テキストデータ、画像データ、音声データ、および、数値データの解析能力を有する。
【0113】
具体的には、第3の学習処理部55は、教師データのそれぞれから、意味を持つ特徴量を抽出し、生徒の性格や特性に応じて、どの程度の情報量で、どのような表現のタイプで記載された処方箋が適しているかを学習することができる。具体的には、第3の学習処理部55は、例えば、性格の項目に直感的が含まれている生徒は、文字数が少なく、表現方法としては動画や図解を主にした処方箋を実行した場合の改善率が良いことや、特性の項目において運動経験が多いことが示される生徒は、あまり文字数が多いと効果が減少するが、明るくやる気を鼓舞するような表現の処方箋を実行した場合に改善率が良いことや、理論的で凝り性な性格・特性の生徒は、文字数は比較的多くても大丈夫であり、データや図解を多くした表現の処方箋を実行した場合に改善率が良いことなどを、学習データから自動的に抽出する。
【0114】
そして、第3の学習処理部55は、処方箋作成処理部56から、生徒の性格・特性に関する情報、および、利用するアドバイス等に関する情報の供給を受け、学習結果に基づいて、性格・特性に合わせて、最も改善が見込まれる情報量および表現方法を示す情報を、アドバイス抽出処理部52に供給する。
【0115】
処方箋作成処理部56は、アドバイス抽出処理部52から、抽出されたアドバイス、および、生徒IDの供給を受ける。処方箋作成処理部56は、生徒管理データベース16を参照し、生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得し、第3の学習処理部55に供給して、学習結果に基づいて、アドバイス抽出処理部52により抽出されたアドバイスや、メソッドまたはドリルの提示において、生徒の性格や特性に適した情報量、表現方法を示す情報の供給を受ける。
【0116】
また、処方箋作成処理部56は、副作用抽出処理部54から、対応するアドバイス等を実行した場合に発生しうる副作用に関する情報を取得し、作成される処方箋に含める。
【0117】
さらに、処方箋作成処理部56は、経過観察処理部22による経過観察結果や、経過予想作成部23により作成される経過予想に関する情報を取得し、作成される処方箋に含める。
【0118】
処方箋作成処理部56は、アドバイス抽出処理部52から供給されたアドバイス等、副作用抽出処理部54から供給された副作用に関する情報、経過観察処理部22から供給された経過観察結果や経過予想等を用いて、第2の学習処理部53から供給された、生徒の性格・特性に適した情報量、表現方法で、処方箋を作成する。処方箋作成処理部56は、作成した処方箋を処方箋出力処理部26に供給するとともに、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0119】
これにより、処方箋作成処理部56は、アドバイス抽出処理部52により抽出されたアドバイス等を用い、生徒の性格や特性に合致した情報量や表現方法であり、かつ、アドバイス等の副作用や経過観察等を含めた処方箋を作成することができる。
【0120】
具体的には、処方箋作成処理部56は、
図1を用いて説明した場合と同様に、アドバイス抽出処理部52から供給されたアドバイス等が同一であった場合においても、生徒の性格や特性に合致した情報量および表現方法で、アドバイス等を実行した場合に起こりうる副作用を含めた処方箋を作成することができる。
【0121】
さらに、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、蓄積されている情報のうち、第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55によるディープラーニングに利用可能な情報を抽出し、第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55に供給する。第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55は、経過観察処理部22から供給された情報を教師データとして、さらに学習を行うことが可能となる。
【0122】
このように、ゴルフレッスン支援装置41は、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく生徒の前ルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出するアドバイス抽出処理部52と、アドバイス抽出処理部52により抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出処理部54と、アドバイス抽出処理部52により抽出された練習方法、および、副作用抽出処理部54により抽出された副作用を含む処方箋を作成する処方箋作成処理部56とを有するので、実施予定のアドバイス、メソッド、ドリルなどの練習方法に対する副作用やデメリットをあらかじめ提示することができ、人が経験により得る知見のうちの一つである、練習方法に特有の副作用に関する情報を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0123】
また、ゴルフレッスン支援装置41は、アドバイス抽出処理部52が、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、練習方法を抽出し、処方箋作成処理部56が、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、処方箋の情報量や表現方法を決定するので、性格や特性に合う練習方法を、性格や特性に合う情報量および表現方法で提示でき、人が経験により得る知見のうちの一つである、生徒の性格や特性に合わせた練習方法の提示方法を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0124】
なお、ここでは、ゴルフレッスン支援装置41に含まれる機能を1つの装置に含まれるものとして説明したが、ゴルフレッスン支援装置41に含まれるものとして説明した機能は、複数の装置によって実現されるものであってもかまわない。また、ここでは、センシングデータに代わって、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道を撮像した動画像を取得し、ゴルフレッスン支援装置41の他の各機能が、必要に応じて、動画像データを解析処理することが可能なようにしてもよい。
【0125】
次に、
図10~
図11のフローチャートを参照して、ゴルフレッスン支援装置41が実行する、処方箋作成処理2について説明する。ここでは、第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55は、処理に必要十分な学習をすでに行っているものとして説明する。
【0126】
ステップS31において、センシングデータ取得部11は、センシングデータを取得し、判定/診断処理部13に供給する。
【0127】
ステップS32において、入力制御部12は、生徒IDや評価項目の入力など、処理に必要となるユーザの操作入力を制御し、判定/診断処理部13、および、アドバイス抽出処理部52に供給する。
【0128】
ステップS33において、判定/診断処理部13は、センシングデータ取得部11から供給されたセンシングデータ、および、入力制御部12から供給された、ユーザの操作入力に基づいて、判定・診断処理を実行し、判定・診断結果をアドバイス抽出処理部52に供給する。
【0129】
ステップS34において、アドバイス抽出処理部52は、生徒管理データベース16を参照し、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得する。
【0130】
ステップS35において、アドバイス抽出処理部52は、判定/診断処理部13から供給された判定・診断結果と、生徒の性格や特性に関する情報を、第1の学習処理部51に供給する。
【0131】
ステップS36において、第1の学習処理部51は、アドバイス抽出処理部52から、生徒の性格・特性に関する情報、および、診断結果の供給を受け、学習結果に基づいて、生徒の課題のみならず、性格・特性に合わせて、最も改善が見込まれるアドバイス、ドリル、メソッドなどを示す情報を、アドバイス抽出処理部52に供給する。
【0132】
ステップS37において、アドバイス抽出処理部52は、第1の学習処理部51から供給された学習結果に基づいて、アドバイスデータベース17から、対応するアドバイス等を抽出する。
【0133】
なお、アドバイス抽出処理部52は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が、いずれかのアドバイススの実行中、すなわち、経過観察中である場合、ステップS34~ステップS37の処理を省略し、実行中のアドバイス等を抽出するものとしてもよいし、実行中のアドバイス等に加えて、現在の診断結果に基づいた異なるアドバイス等を、さらに抽出するものとしてもよい。
【0134】
ステップS38において、アドバイス抽出処理部52は、入力制御部12から供給された生徒ID、抽出されたアドバイス等、および、判定/診断処理部13から供給された判定・診断結果を、生徒管理データベース16に供給して登録するとともに、処方箋作成処理部56、経過観察処理部22、および、副作用抽出処理部54に供給する。
【0135】
ステップS39において、副作用抽出処理部54は、アドバイス抽出処理部52から、生徒ID、抽出されたアドバイス等、および、判定/診断処理部13から供給された判定・診断結果の供給を受け、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングである否かを判断する。
【0136】
ステップS39において、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングであると判断された場合、ステップS40において、副作用抽出処理部54は、抽出されたアドバイス等の情報を第2の学習処理部53に供給する。
【0137】
ステップS41において、第2の学習処理部53は、副作用抽出処理部54から供給された情報の供給を受け、学習結果に基づいて、対応するアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報を検出し、副作用抽出処理部54に供給する。副作用抽出処理部54は、検出された副作用やリスクの情報を、生徒IDとともに、処方箋作成処理部25に供給する。
【0138】
ステップS39において、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングではないと判断された場合、または、ステップS41の処理の終了後、ステップS42において、経過観察処理部22は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であるか否かを判断する。
【0139】
ステップS42において、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であると判断された場合、ステップS43において、経過観察処理部22は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、実行中のアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報に基づいて、副作用が発生したか、または、発生の兆しがあるか否かを判断し、判断結果を処方箋作成処理部25に供給する。
【0140】
ステップS42において、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態ではないと判断された場合、または、ステップS43の処理の終了後、ステップS44において、経過観察処理部22は、アドバイス抽出処理部52から供給された、生徒IDおよびアドバイス等に関する情報の供給を、経過予想作成部23に供給する。経過予想作成部23は、経過観察処理部22の制御に基づいて、対応する生徒が提示された処方箋を実行した場合の経過予想を作成し、経過観察処理部22に供給する。経過観察処理部22は、供給された経過予想を処方箋作成処理部56に供給する。
【0141】
ステップS45において、処方箋作成処理部56は、アドバイス抽出処理部52から、抽出されたアドバイス、および、生徒IDの供給を受け、生徒管理データベース16を参照し、生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得する。
【0142】
ステップS46において、処方箋作成処理部56は、生徒管理データベース16から取得した、生徒の性格・特性に関する情報を、第3の学習処理部55に供給する。
【0143】
ステップS47において、第3の学習処理部55は、処方箋作成処理部56から、生徒の性格・特性に関する情報の供給を受け、学習結果に基づいて、生徒の性格・特性に適した情報量、表現方法を検出し、処方箋作成処理部56に供給する。
【0144】
ステップS48において、処方箋作成処理部56は、アドバイス抽出処理部52から供給されたアドバイス等、副作用抽出処理部54から供給された副作用に関する情報、経過観察処理部22から供給された経過観察や経過予想等を用いて、第3の学習処理部55から供給された、生徒の性格・特性に適した情報量、表現方法で、処方箋を作成し、処方箋出力処理部26に供給するとともに、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0145】
ステップS49において、処方箋出力処理部26は、処方箋作成処理部56により作成された処方箋の供給を受け、出力を制御する。
【0146】
ステップS50において、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、評価情報が付与されているか否かを判断する。
【0147】
ステップS50において、評価情報が付与されていると判断された場合、ステップS51において、経過観察処理部22は、評価情報に対応付けて、次回のアドバイス等の抽出や処方箋の作成において、評価情報に対応した重み付け処理などを行うように、アドバイス抽出処理部52によるアドバイス等の抽出、および、処方箋作成処理部56による処方箋の作成を制御する。
【0148】
ステップS50において、評価情報が付与されていないと判断された場合、または、ステップS51の処理の終了後、ステップS52において、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、蓄積されている情報のうち、第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55に登録可能な情報を抽出し、第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55に供給する。
【0149】
ステップS53において、第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55は、供給された情報に基づいて、それぞれ、学習処理を行い、処理が終了される。
【0150】
このような処理により、ゴルフレッスン支援装置41では、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく生徒のゴルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出するステップと、抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出するステップと、抽出された練習方法、および、抽出された副作用を含む処方箋を作成するステップとが実行されるので、実施予定のアドバイス、メソッド、ドリルなどの練習方法に対する副作用やデメリットをあらかじめ提示することができ、人が経験により得る知見のうちの一つである、練習方法に特有の副作用に関する情報を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0151】
また、ゴルフレッスン支援装置41では、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、練習方法が抽出され、処方箋の情報量や表現方法が決定されるので、性格や特性に合う練習方法を、性格や特性に合う情報量および表現方法で提示でき、人が経験により得る知見のうちの一つである、生徒の性格や特性に合わせた練習方法の提示方法を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0152】
なお、
図9を用いて説明したゴルフレッスン支援装置41においては、第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55による学習結果に基づいた処理を実行するものとして説明したが、これらの学習処理の一部が、
図1を用いて説明したゴルフレッスン支援装置1における場合と同等なデータベースを用いた処理と置き換わっていてもよいことは言うまでもない。
【0153】
図9を用いて説明したゴルフレッスン支援装置41においては、アドバイス等の抽出、副作用の抽出、並びに、処方箋に適した情報量および表現方法の抽出について、第1の学習処理部51、第2の学習処理部53、および、第3の学習処理部55がそれぞれ学習を行うものとして説明したが、第1の学習処理部51、および、第3の学習処理部55が実行していた、生徒の性格・特性に合ったアドバイス等の抽出、並びに、処方箋に適した情報量および表現方法の抽出について、1つの学習処理部において、学習処理を行うものとしてもよい。
【0154】
図13は、生徒の性格・特性に合ったアドバイス等の抽出、処方箋に適した情報量および表現方法の抽出について、1つの学習処理装置が学習処理を行うゴルフレッスン支援装置71が有する機能構成を示す機能ブロック図である。ゴルフレッスン支援装置71は、情報処理装置に対応する。
【0155】
なお、
図13においては、
図9を用いて説明したゴルフレッスン支援装置41における場合と同様の機能については、同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。すなわち、ゴルフレッスン支援装置71は、第1の学習処理部51、および、第3の学習処理部55に代わって、第4の学習処理部81、アドバイス抽出処理部52、および、処方箋作成処理部56に代わって、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82が設けられている以外は、基本的に、
図9を用いて説明したゴルフレッスン支援装置41と同様の機能を有している。
【0156】
第4の学習処理部81は、外部から供給されたデータ、および、経過観察処理部22から供給された情報を教師データとして、どのような性格や特性を有する生徒が、どんな課題に対してどのようなアドバイス等を用いて、どれぐらいの情報量でどのような表現方法で処方箋を作成し、実行した場合にどれぐらい改善が見られたかについてのディープラーニングを行う。学習の教師データのセットの例としては、例えば、「診断判定結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)/生徒の性格・特性/利用アドバイス等/処方箋の内容/練習後の診断結果(項目および数値、必要に応じてセンシングデータ)」などがある。第4の学習処理部81は、利用アドバイス等の構成(文字、図解、動画等)や処方箋の構成(文字、図解、動画等)を解析したり、練習前後の評価結果を解析可能な、テキストデータ、画像データ、音声データ、および、数値データの解析能力を有する。
【0157】
具体的には、第4の学習処理部81は、教師データのそれぞれから、意味を持つ特徴量を抽出し、生徒の性格や特性に応じてどのようなアドバイス等が適しているか、処方箋の情報量や表現方法は、どのようなものが適しているかを学習することができる。具体的には、第4の学習処理部81は、例えば、性格の項目に直感的が含まれている生徒は、動画や図解が多いアドバイス等を用いて、情報量は少なめで、動画や図解を主にした処方箋を実行した場合に改善率が良いことや、特性の項目において運動経験が多いことが示される生徒は、あまり文字数が多いと効果が減少するが、繰り返し項目が多いアドバイス等を用いて、明るくやる気を鼓舞するような表現の処方箋を実行した場合に改善率が良いことや、理論的で凝り性な性格・特性の生徒は、筋肉や骨格の動きを詳細に伝えるアドバイスを用いて、文字数は比較的多く、データや図解を多くした表現の処方箋を実行した場合に改善率が良いことなどを、学習データから自動的に抽出する。また、第4の学習処理部81は、具体的には、例えば、性格の項目に直感的が含まれ、ゴルフ年齢が少ない、すなわち、経験が浅い生徒であって、かつ、運動経験値が高い生徒や、練習環境が整っている生徒や、練習頻度が高い生徒は、現状の技能に一般的に適していると考えられるレッスンよりも高度なレッスンに基づいた、情報量は少なめで、動画や図解を主にした処方箋を用いて練習を実行した場合に、改善率が良いことなどを、学習データから自動的に抽出する。
【0158】
そして、第4の学習処理部81は、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82から、生徒の性格・特性に関する情報の供給を受け、学習結果に基づいて、性格・特性に合わせて、最も改善が見込まれるアドバイス等の傾向、並びに、情報量および表現方法を示す情報を、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82に供給する。
【0159】
アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、生徒管理データベース16を参照し、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得し、判定/診断処理部13から供給された診断結果とともに、第4の学習処理部81に供給し、第4の学習処理部81による学習結果に基づいて、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒に適したアドバイス等の傾向、並びに、情報量および表現方法を示す情報の供給を受ける。そして、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、第4の学習処理部81から供給された、生徒の性格・特性に適したアドバイス等の傾向に基づいて、対応する生徒に適したアドバイス等を、アドバイスデータベース17から抽出するとともに、対応する生徒ID、判定・診断結果、および、提供するアドバイス等の情報を副作用抽出処理部54および経過観察処理部22に供給する。
【0160】
これにより、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、例えば、性格・特性の異なる生徒が、同じようにスライス気味であっても、例えば、直感的で飽きっぽい人は○○をアドバイス、理論的で努力家の人は××ドリル、××選手にあこがれている人は××メソッド、“Ba有2ランク”で楽天家かつ運動経験度高の人は△△メソッドなど、生徒の性格や特性からことなるアドバイス等を抽出することができる。また、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が、いずれかのアドバイス等の実行中、すなわち、経過観察中である場合、実行中のアドバイス等を抽出するものとしてもよいし、実行中のアドバイス等に加えて、現在の診断結果に基づいた異なるアドバイス等を、さらに抽出できるようにすることも可能である。
【0161】
そして、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、副作用抽出処理部54から、対応するアドバイス等を実行した場合に発生しうる副作用に関する情報を取得し、経過観察処理部22から、経過観察結果や、経過予想作成部23により作成される経過予想に関する情報を取得する。
【0162】
そして、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、抽出したアドバイス等、副作用抽出処理部54から供給された副作用に関する情報、経過観察処理部22から供給された経過観察結果や経過予想等を用いて、第4の学習処理部81から供給された、生徒の性格・特性に適した情報量、表現方法で、処方箋を作成する。アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、作成した処方箋を処方箋出力処理部26に供給するとともに、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0163】
このように、ゴルフレッスン支援装置71は、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく生徒のゴルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出するアドバイス抽出・処方箋作成処理部82と、抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出する副作用抽出処理部54とを有し、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82が、抽出された練習方法、および、副作用抽出処理部54により抽出された副作用を含む処方箋を作成するので、実施予定のアドバイス、メソッド、ドリルなどの練習方法に対する副作用やデメリットをあらかじめ提示することができ、人が経験により得る知見のうちの一つである、練習方法に特有の副作用に関する情報を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0164】
また、ゴルフレッスン支援装置71は、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82が、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、練習方法を抽出し、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、処方箋の情報量や表現方法を決定するので、性格や特性に合う練習方法を、性格や特性に合う情報量および表現方法で提示でき、人が経験により得る知見のうちの一つである、生徒の性格や特性に合わせた練習方法の提示方法を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0165】
なお、ここでは、ゴルフレッスン支援装置71に含まれる機能を1つの装置に含まれるものとして説明したが、ゴルフレッスン支援装置71に含まれるものとして説明した機能は、複数の装置によって実現されるものであってもかまわない。また、ここでは、センシングデータに代わって、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道を撮像した動画像を取得し、ゴルフレッスン支援装置71の他の各機能が、必要に応じて、動画像データを解析処理することが可能なようにしてもよい。
【0166】
次に、
図14~
図16のフローチャートを参照して、ゴルフレッスン支援装置41が実行する、処方箋作成処理3について説明する。ここでは、第2の学習処理部53、および、第4の学習処理部81は、処理に必要十分な学習をすでに行っているものとして説明する。
【0167】
ステップS71において、センシングデータ取得部11は、センシングデータを取得し、判定/診断処理部13に供給する。
【0168】
ステップS72において、入力制御部12は、生徒IDや評価項目の入力など、処理に必要となるユーザの操作入力を制御し、判定/診断処理部13、および、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82に供給する。
【0169】
ステップS73において、判定/診断処理部13は、センシングデータ取得部11から供給されたセンシングデータ、および、入力制御部12から供給された、ユーザの操作入力に基づいて、判定・診断処理を実行し、判定・診断結果をアドバイス抽出・処方箋作成処理部82に供給する。
【0170】
ステップS74において、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、生徒管理データベース16を参照し、入力制御部12から供給された生徒IDに対応する生徒の性格や特性に関する情報を取得する。
【0171】
ステップS75において、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、判定/診断処理部13から供給された判定・診断結果と、生徒の性格や特性に関する情報を、第4の学習処理部81に供給する。
【0172】
ステップS76において、第4の学習処理部81は、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82から、生徒の性格・特性に関する情報、および、診断結果の供給を受け、学習結果に基づいて、生徒の課題のみならず、性格・特性に合わせて、最も改善が見込まれるアドバイス等の傾向、並びに、情報量および表現方法を示す情報を、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82に供給する。
【0173】
ステップS77において、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、第4の学習処理部81から供給された学習結果に基づいて、アドバイスデータベース17から、対応するアドバイス等を抽出し、生徒ID、判定・診断結果、および、アドバイスの抽出結果を、副作用抽出処理部54および経過観察処理部22に供給する。
【0174】
なお、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒が、いずれかのアドバイス等の実行中、すなわち、経過観察中である場合、ステップS74~ステップS77の処理を省略し、実行中のアドバイス等を抽出するものとしてもよいし、実行中のアドバイス等に加えて、現在の診断結果に基づいた異なるアドバイス等を、さらに抽出するものとしてもよい。
【0175】
ステップS78において、副作用抽出処理部54は、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82から、生徒ID、抽出されたアドバイス等、および、判定・診断結果の供給を受け、生徒管理データベース16を参照し、供給された生徒IDに対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングである否かを判断する。
【0176】
ステップS78において、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングであると判断された場合、ステップS79において、副作用抽出処理部54は、抽出されたアドバイス等の情報を第2の学習処理部53に供給する。
【0177】
ステップS80において、第2の学習処理部53は、副作用抽出処理部54から供給された情報の供給を受け、学習結果に基づいて、対応するアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報を検出し、副作用抽出処理部54に供給する。副作用抽出処理部54は、検出された副作用やリスクの情報を、生徒IDとともに、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82に供給する。
【0178】
ステップS78において、対応する生徒が新たなアドバイス等を受けるタイミングではないと判断された場合、または、ステップS80の処理の終了後、ステップS81において、経過観察処理部22は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であるか否かを判断する。
【0179】
ステップS81において、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態であると判断された場合、ステップS82において、経過観察処理部22は、生徒IDに基づいて、生徒管理データベース16を参照し、実行中のアドバイス等を実施した場合に発生しうる副作用やリスクの情報に基づいて、副作用が発生したか、または、発生の兆しがあるか否かを判断し、判断結果を、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82に供給する。
【0180】
ステップS81において、対応する生徒は、現在実行中のアドバイス等の経過観察状態ではないと判断された場合、または、ステップS82の処理の終了後、ステップS83において、経過観察処理部22は、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82から供給された、生徒IDおよびアドバイス等に関する情報の供給を、経過予想作成部23に供給する。経過予想作成部23は、経過観察処理部22の制御に基づいて、対応する生徒が提示された処方箋を実行した場合の経過予想を作成し、経過観察処理部22に供給する。経過観察処理部22は、供給された経過予想を、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82に供給する。
【0181】
ステップS84において、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82は、第4の学習処理部81による学習結果に基づいて抽出したアドバイス、副作用抽出処理部54から供給された、対応するアドバイス等を実行した場合に発生しうる副作用に関する情報、および、経過観察処理部22から、経過観察結果や、経過予想作成部23により作成される経過予想に関する情報に基づいて、第4の学習処理部81による学習結果により得られた生徒の性格・特性に適した情報量、表現方法で、処方箋を作成し、処方箋出力処理部26に供給するとともに、生徒管理データベース16に供給して登録する。
【0182】
ステップS85において、処方箋出力処理部26は、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82により作成された処方箋の供給を受け、出力を制御する。
【0183】
ステップS86において、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、評価情報が付与されているか否かを判断する。
【0184】
ステップS86において、評価情報が付与されていると判断された場合、ステップS87において、経過観察処理部22は、評価情報に対応付けて、次回のアドバイス等の抽出や処方箋の作成において、評価情報に対応した重み付け処理などを行うように、アドバイス抽出・処方箋作成処理部82によるアドバイス等の抽出、および、処方箋の作成を制御する。
【0185】
ステップS86において、評価情報が付与されていないと判断された場合、または、ステップS87の処理の終了後、ステップS88において、経過観察処理部22は、生徒管理データベース16を参照し、蓄積されている情報のうち、第2の学習処理部53、および、第4の学習処理部81に登録可能な情報を抽出し、第2の学習処理部53、および、第4の学習処理部81に供給する。
【0186】
ステップS89において、第2の学習処理部53、および、第4の学習処理部81は、供給された情報に基づいて、それぞれ、学習処理を行い、処理が終了される。
【0187】
このような処理により、ゴルフレッスン支援装置71では、生徒のゴルフスイングおよび打球の弾道に関する情報に基づく生徒のゴルフスイングの診断結果を取得し、診断結果に基づいて、練習方法を抽出するステップと、抽出された練習方法を実施した場合に発生しうる副作用を抽出するステップと、抽出された練習方法、および、抽出された副作用を含む処方箋を作成するステップとが実行されるので、実施予定のアドバイス、メソッド、ドリルなどの練習方法に対する副作用やデメリットをあらかじめ提示することができ、人が経験により得る知見のうちの一つである、練習方法に特有の副作用に関する情報を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0188】
また、ゴルフレッスン支援装置71では、生徒の性格または特性のうちの少なくとも1つに基づいて、練習方法が抽出され、処方箋の情報量や表現方法が決定されるので、性格や特性に合う練習方法を、性格や特性に合う情報量および表現方法で提示でき、人が経験により得る知見のうちの一つである、生徒の性格や特性に合わせた練習方法の提示方法を反映させてゴルフのレッスンを支援することが可能である。
【0189】
なお、
図13を用いて説明したゴルフレッスン支援装置71においては、第2の学習処理部53、および、第4の学習処理部81による学習結果に基づいた処理を実行するものとして説明したが、第2の学習処理部53における学習による副作用抽出処理が、
図1を用いて説明したゴルフレッスン支援装置1の副作用データベース20と同等なデータベースを用いた処理と置き換わっていてもよいことは言うまでもない。
【0190】
上述した技術は、ハードウェアとしては、例えば、パーソナルコンピュータに適用することができる。
【0191】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0192】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0193】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0194】
1…ゴルフレッスン支援装置、 11…センシングデータ取得部、 12…入力制御部、 13…判定/診断処理部、 14…性格・特性情報取得部、 15…評価情報取得部、 16…生徒管理データベース、 17…アドバイスデータベース、 18…アドバイス抽出結果データベース、 19、52…アドバイス抽出処理部、 20…副作用データベース、 21、54…副作用抽出処理部、 22…経過観察処理部、 23…経過予想作成部、 24…処方箋作成結果データベース、 25、55…処方箋作成処理部、 26…処方箋出力処理部、 51…第1の学習処理部、 53…第2の学習処理部、 55…第3の学習処理部、 81…第4の学習処理部、 82…アドバイス抽出・処方箋作成処理部