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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】サーバおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241111BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023084724
(22)【出願日】2023-05-23
【審査請求日】2023-06-01
【審判番号】
【審判請求日】2024-02-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【弁理士】
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】倉重 健
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 彩乃
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】田中 寛人
【審判官】相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】特許第7071718(JP,B1)
【文献】特許第7125729(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0169083(KR,A)
【文献】舘谷 浩司,第206回 ネットコンサル舘谷が読む 海外インターネット業界ニュース KAIGAI INTERNET NEWS 206,月刊ネット販売 第22巻 第5号 Net hanbai,日本,宏文出版株式会社,2021年04月25日,第22巻,22-23ページ
【文献】White Day Campaign ~クッキーを渡してリアルプレゼントを贈ろう!!~,[online],2020年03月28日,[2023年11月13日検索],インターネット,<URL:https://web.archive.org/web/20200328102307/https://www.showroom-live.com/campaign/whiteday2020>
【文献】[初心者向け]ビゴライブのギフトの贈り方とお得に入手する方法,[online],2020年12月16日,[2023年11月13日検索],インターネット,<URL:https://buzzliver.jp/bigolive-gift/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者による販売対象の紹介と受注とが可能なライブ配信を提供するサーバであって、
前記ライブ配信の視聴者の端末から前記販売対象の購入を要求する購入要求信号を受信し、前記購入要求信号に基づいて前記視聴者に前記販売対象を購入させるための購入処理を行う購入処理手段と、
前記購入処理が完了したことに応じて前記視聴者に特別ギフトを付与する特別ギフト付与手段と、
前記視聴者から、前記特別ギフトとは異なる通常ギフトを使用するための第1ギフト使用信号を受信したことに応じて、前記通常ギフトに対応する報酬を、前記配信者に付与する報酬付与手段と、
前記視聴者から前記特別ギフトを使用するための第2ギフト使用信号を受信したことに応じて、前記特別ギフトに対応するエフェクトを、前記視聴者とは別の視聴者の端末に表示させる特別ギフト処理手段と、
を備えるサーバ。
【請求項2】
配信者による販売対象の紹介と受注とが可能なライブ配信を提供するサーバであって、
前記ライブ配信の視聴者から前記販売対象の購入を要求する購入要求信号を受信し、前記購入要求信号に基づいて前記視聴者に前記販売対象を購入させるための購入処理を行う購入処理手段と、
前記購入処理が完了したことに応じて前記視聴者に特別ギフトを付与する特別ギフト付与手段と、
前記視聴者から、前記特別ギフトとは異なる通常ギフトを使用するための第1ギフト使用信号を受信したことに応じて、前記通常ギフトに対応する第1報酬を、前記配信者に付与する報酬付与手段と、
前記視聴者から前記特別ギフトを使用するための第2ギフト使用信号を受信したことに応じて、前記通常ギフトよりも前記配信者への還元率が高くなるよう設定された第2報酬を、前記配信者に付与する特別ギフト処理手段と、
を備えるサーバ。
【請求項3】
前記視聴者から前記第2ギフト使用信号を受信したことに応じて、前記ライブ配信で紹介される前記販売対象または別の販売対象に適用可能なクーポンを当該視聴者に付与するクーポン付与手段をさらに備える請求項に記載のサーバ。
【請求項4】
前記クーポン付与手段は、値引き条件の異なる複数のクーポンのなかからランダムにひとつのクーポンを選択し、選択されたクーポンを付与する請求項3に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバおよびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ライブコマース(Live Commerce)とは、ライブ配信とEC(E-Commerce)とを組み合わせた新しい接客・販売手法である。ライブコマースによると、場所にとらわれず、実店舗で行うような購買体験をユーザに提供することができる(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
【0003】
非特許文献1に記載の技術では、ライブ配信内で商品の購入が完了すると、配信画面内の演出およびコメントログが表示される。これによりライバーは視聴者が商品を購入したことを知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2021/106034号パンフレット
【文献】特開2019-109785号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】「ライブコマースについて」、SHOWROOM Inc.、URL:https://support.showroom-live.com/hc/ja/articles/900006084866-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、ライブ配信を盛り上げるためのギフティングなどの機能とEコマースの機能とに関連は無く互いに独立しているので、ライブ配信内でEコマースを行うというライブコマースの特性を活かし切れていない。
【0007】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライブコマースにおいてEコマースの機能とライブ配信の機能とに関連を持たせることでライブコマースをより盛り上げることができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、サーバに関する。このサーバは、配信者による販売対象の紹介と受注とが可能であり、かつ、配信者による視聴者からのギフトの受け取りが可能なライブ配信を提供するサーバであって、視聴者が販売対象を注文するための動作を行うことを条件として、当該視聴者による、通常ギフトとは異なる特別ギフトの使用を可能とする可能化手段を備える。
【0009】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、配信者による販売対象の紹介と受注とが可能であり、かつ、配信者による視聴者からのギフトの受け取りが可能なライブ配信の視聴者の端末に、販売対象を注文するための動作を受け付ける機能と、販売対象を注文するための動作の受け付けに応じて、視聴者による通常ギフトとは異なる特別ギフトの使用が可能となったこと、を視聴者に通知する機能と、を実現させる。
【0010】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、配信者による販売対象の紹介と受注とが可能であり、かつ、配信者による視聴者からのギフトの受け取りが可能なライブ配信の視聴者の端末に、ギフトの使用の指示を受け付ける機能と、ギフトの使用の指示の受け付けに応じて、ライブ配信で紹介される販売対象に適用可能なクーポンが視聴者に付与されたこと、を視聴者に通知する機能と、を実現させる。
【0011】
本発明の別の態様は、サーバである。このサーバは、販売対象の紹介と受注とが可能な第1ライブ配信と、第1ライブ配信とは異なる第2ライブ配信と、が同じ配信者によって異なるタイミングで行われるライブ配信システムのサーバであって、第1ライブ配信または第2ライブ配信のいずれか一方のライブ配信において、他方のライブ配信で使用可能なデジタルアイテムを視聴者に付与する付与手段を備える。
【0012】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、配信者による販売対象の紹介と受注とが可能な第1ライブ配信の視聴者の端末に、販売対象を注文するための動作を受け付ける機能と、販売対象を注文するための動作の受け付けに応じて、第1ライブ配信とは異なるが同じ配信者により行われる第2ライブ配信で使用可能なギフトが視聴者に付与されたこと、を視聴者に通知する機能と、を実現させる。
【0013】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、配信者による視聴者からのギフトの受け取りが可能な第2ライブ配信の視聴者の端末に、ギフトの使用の指示を受け付ける機能と、ギフトの使用の指示の受け付けに応じて、第2ライブ配信とは異なるが同じ配信者が行う第1ライブ配信で紹介される販売対象に適用可能なクーポンが視聴者に付与されたこと、を視聴者に通知する機能と、を実現させる。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ライブコマースにおいてEコマースの機能とライブ配信の機能とに関連を持たせることでライブコマースをより盛り上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態に係るライブコマースシステムの構成を示す模式図である。
図2図1の配信者携帯端末の機能および構成を示すブロック図である。
図3図1の配信者制御端末の機能および構成を示すブロック図である。
図4図1の視聴者端末の機能および構成を示すブロック図である。
図5図1のLCサーバの機能および構成を示すブロック図である。
図6図5の配信情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
図7図5のコメント履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
図8図5のエフェクト送信履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
図9図5のユーザ情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
図10図5のギフト情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
図11図5のシェア履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
図12図5のカートイン履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
図13図5のクーポン情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
図14】LCライブ配信中に視聴者に特別ギフトが付与される際のLCサーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図15】視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される配信画面の代表画面図である。
図16】視聴者端末のディスプレイに表示される、ギフト領域が重畳表示された配信画面の代表画面図である。
図17】視聴者端末のディスプレイに表示される、ポップアップ通知が重畳表示された配信画面の代表画面図である。
図18】視聴者端末のディスプレイに表示される、ギフト領域が重畳表示された配信画面の代表画面図である。
図19】視聴者端末のディスプレイに表示される、エフェクトが重畳表示された配信画面の代表画面図である。
図20】視聴者端末のディスプレイに表示される、ポップアップ通知が重畳表示された配信画面の代表画面図である。
図21】本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図22】変形例に係るライブコマースシステムの概念図である。
図23】変形例に係る管理サーバの配信情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
図24】変形例に係る管理サーバのユーザ情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
図25】本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示されるLCライブ配信の配信画面の代表画面図である。
図26】本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示されるLCライブ配信の配信画面の代表画面図である。
図27】本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図28】本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される、ギフト領域が重畳表示された非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図29】本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される、エフェクトが重畳表示された非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図30】本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図31】本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される、通知画像が重畳表示された非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
図32】本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示されるLCライブ配信の配信画面の代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0018】
実施の形態に係るライブコマースシステムでは、販売対象の商品および/または役務(以下、単に販売対象と称す)の販売を目的として行われるライブ配信(以下、LCライブ配信と称す)において、Eコマースの機能に加えて配信者へのギフティング機能が提供される。LCライブ配信の視聴者による販売対象を注文するための動作が検出されると、当該視聴者は通常ギフトとは異なる特別ギフトの使用が可能となる。また、LCライブ配信内で視聴者が特定のギフトを使用すると、当該視聴者に当該LCライブ配信で使用可能なクーポンが付与される。これにより、LCライブ配信における販売対象の購入が促進されると共にギフティングも促進され、LCライブ配信をより盛り上げることができる。
【0019】
図1は、実施の形態に係るライブコマースシステム1の構成を示す模式図である。ライブコマースシステム1は、LC(ライブコマース)サーバ10と、配信者側の配信者携帯端末20と、配信者側の配信者制御端末30と、視聴者(52a、52b、…)側の視聴者端末50(50a、50b、…)と、を備える。配信者および視聴者をユーザと総称することがある。LCサーバ10、配信者携帯端末20、配信者制御端末30および視聴者端末50はインターネットなどのネットワーク60により互いに通信可能に接続される。LCサーバ10は、ネットワーク60に接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。配信者携帯端末20は、例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよい。配信者制御端末30は、例えばデスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。視聴者端末50は、例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。
【0020】
配信者携帯端末20および配信者制御端末30は配信者側の端末を構成する。配信者側では、配信者22が配信者携帯端末20に向けて販売対象を紹介し、配信制御者32が配信者制御端末30を通じてLCライブ配信の内容を制御する。本実施の形態では配信者側が配信者22と配信制御者32とを含む場合を説明するが、他の実施の形態では一名の配信者が一台の端末を用いてLCライブ配信を行ってもよい。この場合、以下で説明する配信者制御端末30の機能を配信者携帯端末20に持たせてもよい。
【0021】
LCサーバ10は、配信者側による販売対象の紹介と受注とが可能であり、かつ、配信者側による視聴者52からのギフトの受け取りが可能なLCライブ配信を提供する。LCサーバ10は、LCライブ配信が行われている間、コメントやシェアやカートインなどの視聴者側の反応を履歴データとして蓄積する。配信制御者32は、LCライブ配信中、販売対象の紹介の仕方を策定し、配信者22に指示をする。
【0022】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者携帯端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者端末50で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者がコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者が所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者と視聴者とのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをサーバからユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。
【0023】
本明細書において「動画データ」は、配信者携帯端末20の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、配信者携帯端末20の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、視聴者端末50で再生されることで、視聴者によるコンテンツの視聴を可能とする。本実施の形態では、動画データが配信者携帯端末20で生成されてから視聴者端末50で再生されるまでの間に、圧縮や伸張や符号化や復号やトランスコーディングなどの、データの形式やサイズや仕様を変更する処理が行われることが想定されている。このような処理の前後で動画データが表す内容(例えば、動画像や音声)は実質的に変わらないので、本実施の形態ではそのような処理が行われた後の動画データはそのような処理が行われる前の動画データと同じであるとして説明する。すなわち、動画データが配信者携帯端末20で生成されてからサーバ10を経由して視聴者端末50で再生される場合、配信者携帯端末20で生成された動画データと、LCサーバ10を通過する動画データと、視聴者端末50で受信されて再生される動画データと、は全て同じ動画データである。
【0024】
図1の例では、配信者22がLCライブ配信において販売対象を紹介している。配信者22の配信者携帯端末20は配信者22の像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。併せて配信者携帯端末20および配信者制御端末30はそれぞれ、録画された配信者22の動画像VDをディスプレイに表示させることで、配信者側(配信者22および配信制御者32)による配信内容の確認を可能とする。
【0025】
配信者22のLCライブ配信の視聴をプラットフォームに要求した視聴者52a、52bの視聴者端末50a、50bはそれぞれ、ネットワーク60を介してLCライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各視聴者端末50a、50bで表示される動画像VD1、VD2は配信者22の配信者携帯端末20が撮像した動画像VDと実質的に同一であり、各視聴者端末50a、50bで出力される音声も配信者22の配信者携帯端末20が録音した音声と実質的に同一である。
【0026】
配信者22の配信者携帯端末20における録音・録画と、視聴者52a、52bの視聴者端末50a、50bにおける動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者22が紹介する販売対象についてひとりの視聴者52aが質問を視聴者端末50aに入力すると、LCサーバ10は当該質問をリアルタイムで配信者22の配信者携帯端末20および配信制御者32の配信者制御端末30に表示させると共に各視聴者52a、52bの視聴者端末50a、50bにも表示させる。配信者22が質問に回答をすると、その回答の動画像と音声が各視聴者52a、52bの視聴者端末50a、50bで出力され、これにより配信者22と視聴者52aとの会話が成立したと認識される。このように、LCライブ配信では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とするライブ配信が実現される。
【0027】
各視聴者端末50a、50bで表示される動画像VD1、VD2には、視聴者52が販売対象を注文するためのカートアイコン616と、視聴者52がギフトを使用するためのギフトアイコン650と、が重畳表示される。視聴者52は同じLCライブ配信のなかで、カートアイコン616をタップすることで販売対象を注文、購入することができ、かつ、ギフトアイコン650をタップすることで配信者側にギフトを贈ることができる。
【0028】
図2は、図1の配信者携帯端末20の機能および構成を示すブロック図である。図2および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0029】
配信者22は、ダウンロードサイトからネットワーク60を介して、本実施の形態に係るアプリケーションプログラムを配信者携帯端末20にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、アプリケーションプログラムは配信者携帯端末20にプリインストールされていてもよい。アプリケーションプログラムが配信者携帯端末20により実行されることにより、配信者携帯端末20はネットワーク60を介してLCサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、配信者携帯端末20(のCPUなどのプロセッサ)がアプリケーションプログラムを実行することにより実現する機能を配信者携帯端末20の機能として説明する。それらの機能は実際はアプリケーションプログラムが配信者携帯端末20に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、LCサーバ10から配信者携帯端末20のウェブブラウザにネットワーク60を介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。同様に、配信制御者32は配信者制御端末30にアプリケーションプログラムをインストールし、視聴者は視聴者端末50にアプリケーションプログラムをインストールする。
【0030】
配信者携帯端末20は、配信者22の像および音声を記録した動画データを生成してLCサーバ10に提供する。配信者携帯端末20は、撮像制御部202と、音声制御部204と、動画送信部206と、配信側UI制御部208と、配信側通信部210と、を含む。撮像制御部202は図2では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部202はカメラから画像データを取得する。音声制御部204は図2では不図示のマイクロフォンと接続され、マイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部204は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部206は、撮像制御部202により取得された画像データおよび音声制御部204により取得された音声データを含む動画データを、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。動画送信部206による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部202および音声制御部204による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部206による送信と、は実質的に同時に行われる。
【0031】
配信側UI制御部208は、配信者22向けのUIを制御する。配信側UI制御部208は、図2では不図示のディスプレイと接続され、動画送信部206による送信対象となっている動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させる。配信側UI制御部208は、図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して配信者22による入力を取得する。配信側UI制御部208は、動画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、配信者22から入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者により入力されたコメントと、LCサーバ10から取得した情報と、を含んでもよい。
【0032】
配信側通信部210は、LCライブ配信中のLCサーバ10との間の通信を制御する。配信側通信部210は、配信側UI制御部208が取得した配信者22による入力の内容を、LCサーバ10にネットワーク60を介して送信する。配信側通信部210は、LCライブ配信に関連付けられた各種の情報をLCサーバ10からネットワーク60を介して受信する。
【0033】
図3は、図1の配信者制御端末30の機能および構成を示すブロック図である。配信者制御端末30は、ネットワーク60を介して配信者携帯端末20と協働し、LCライブ配信を提供する。配信者制御端末30は、表示制御部302と、コメント処理部304と、販売対象制御部306と、を含む。
【0034】
表示制御部302は、LCライブ配信の内容を制御するための配信制御画面を生成し、配信者制御端末30のディスプレイに表示させる。コメント処理部304は、LCライブ配信の視聴者52の視聴者端末50で入力されたコメントを配信制御画面に表示させる。コメント処理部304は、配信制御者32によるコメントの入力を受け付ける。コメント処理部304は、配信者側の配信者IDと入力されたコメントとを含むコメント入力信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0035】
販売対象制御部306は、LCライブ配信において紹介する販売対象を制御する。販売対象制御部306は、配信制御画面において販売対象の紹介を開始するための指示を受け付けると、紹介を開始する販売対象の販売対象IDを含む紹介開始要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。販売対象制御部306は、配信制御画面において販売対象の紹介を終了するための指示を受け付けると、紹介を終了する販売対象の販売対象IDを含む紹介終了要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0036】
本実施の形態では、配信制御者32は配信者制御端末30を通じて販売対象の紹介の開始、終了を行い、またコメント対応を行う場合を説明するが、他の実施の形態では配信者制御端末30はクーポンの発行や値引きの受け付けを行ってもよい。
【0037】
図4は、図1の視聴者端末50の機能および構成を示すブロック図である。視聴者端末50は、LCサーバ10からLCライブ配信に係る動画データを取得して再生する。視聴者端末50は、視聴側UI制御部502と、視聴側通信部504と、購入受付部506と、を含む。視聴側通信部504は、LCライブ配信中のLCサーバ10との間の通信を制御する。視聴側通信部504は、ネットワーク60を介してLCサーバ10からLCライブ配信に係る動画データを受信する。
【0038】
視聴側UI制御部502は、視聴者向けのUIを制御する。視聴側UI制御部502は、図2では不図示のディスプレイおよびスピーカと接続され、受信された動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させると共に音声をスピーカから出力させる。ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力されることを、合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。視聴側UI制御部502は、図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して視聴者による入力を取得する。視聴側UI制御部502は、LCサーバ10から取得された動画データの画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、カートアイコン616やギフトアイコン650などの視聴者から入力を受け付けるための様々なオブジェクトと、視聴者や配信者により入力されたコメントと、LCサーバ10により生成された情報と、を含む。
【0039】
視聴側通信部504は、視聴側UI制御部502が取得した視聴者による入力の内容を、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。視聴者による入力は、コメントの入力と、LCライブ配信において無料で使用可能なエフェクト(以下、ギフトのエフェクトと区別するためにLCエフェクトと称す)の表示要求と、LCライブ配信のシェア要求と、を含む。視聴者によりコメントが入力された場合、視聴側通信部504は当該視聴者の視聴者IDと当該コメントとを含むコメント入力信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。視聴者によりLCエフェクトの表示要求がなされた場合、視聴側通信部504は当該視聴者の視聴者IDと当該LCエフェクトを特定するエフェクトIDとを含むエフェクト表示要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。視聴者によりシェア要求がなされた場合、視聴側通信部504は、当該視聴者の視聴者IDを含むシェア要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0040】
購入受付部506は、LCライブ配信に関連付けられた販売対象を注文するための動作を受け付ける。LCライブ配信を視聴している視聴者は、所望の販売対象を注文するために所定の動作を行う。購入受付部506はこの所定の動作を購入の指示として受け付ける。所定の動作は、例えばLCライブ配信の配信画面に表示されている販売対象のサムネイルをタップすることであってもよい。あるいはまた、所定の動作は、販売対象のリストのなかから所望の販売対象を選択することであってもよい。あるいはまた、所定の動作は、所望の販売対象をカートに入れる(カートイン)ための一連の入力であってもよい。あるいはまた、所定の動作は、販売対象の注文を進めるためのカートアイコン616のタップや販売対象を注文することや販売対象の購入のための決済を完了させることであってもよい。購入受付部506は、所定の動作を受け付けると、所定の動作を行った視聴者の視聴者IDと所定の動作に係る販売対象の販売対象IDとを含む購入要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0041】
図5は、図1のLCサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。LCサーバ10は、配信情報提供部104と、中継部102と、EC処理部108と、反応受付部106と、ギフト処理部110と、支払い処理部112と、使用可能化部114と、クーポン付与部130と、ランキング生成部132と、配信情報保持部116と、ユーザ情報保持部122と、クーポン情報保持部124と、ギフト情報保持部134と、コメント履歴保持部118と、エフェクト送信履歴保持部120と、シェア履歴保持部126と、カートイン履歴保持部128と、を備える。
【0042】
図6は、図5の配信情報保持部116の一例を示すデータ構造図である。配信情報保持部116は、ライブコマースシステム1が提供するLCプラットフォームにおいて現在行われているLCライブ配信の情報を保持する。配信情報保持部116は、LCプラットフォームにおいてLCライブ配信を特定するストリームIDと、当該LCライブ配信の配信者側を特定するユーザIDである配信者IDと、当該LCライブ配信を通して購入可能な販売対象を特定する販売対象IDと、当該LCライブ配信の視聴者を特定するユーザIDである視聴者IDと、各視聴者がおまけギフトを有しているか否かを示すフラグと、各視聴者がスーパーランダムギフトの使用権を有している場合にはその使用可能期間と、を対応付けて保持する。使用可能期間は周期的に更新される。
【0043】
配信者IDは配信者を特定してもよいし、配信者のグループ(例えば、企業)を特定してもよい。LCライブ配信において複数の販売対象を扱う場合、複数の販売対象IDがストリームIDに対応付けて登録される。
【0044】
おまけギフトは、LCライブ配信中にいつでも使用できる通常ギフトとは異なる特別ギフトのひとつである。おまけギフトは、LCライブ配信において視聴者が販売対象を注文するための動作を行うことを条件として無料で当該視聴者に付与される。おまけギフトは、それが付与されたLCライブ配信でのみ使用可能となるよう設定される。本実施の形態では1種類のおまけギフトを設ける場合を説明するが、他の実施の形態ではレアリティまたはエフェクトの豪華さの異なる複数のおまけギフトを設けてもよいし、配信者に付与される報酬の異なる複数のおまけギフトを設けてもよい。例えば、注文された販売対象の量または金額に応じたおまけギフトが付与されるよう構成してもよい。エフェクトの豪華さは、エフェクトの持続時間、エフェクトの大きさ、エフェクトの変化量、エフェクトのコスト、エフェクトが静止画かアニメーションか、等の要素により定義されてもよい。例えば、エフェクトが大きいほど、または持続時間が長いほど、より豪華なエフェクトであると定義してもよい。
【0045】
スーパーランダムギフトは特別ギフトのひとつである。スーパーランダムギフトは、通常ギフトであるランダムギフトに対応し、特にその上位互換版またはアップグレード版である。スーパーランダムギフトは、ランダムギフトよりも配信者への還元率が高くなるよう設定される。より具体的には、スーパーランダムギフトにより配信者が得られる報酬の期待値は、ランダムギフトにより配信者が得られる報酬の期待値よりも高くなるよう設定される。さらに、視聴者によるスーパーランダムギフトの使用の指示が受け付けられると、LCライブ配信で紹介される販売対象に適用可能なクーポンが当該視聴者に付与される。
【0046】
本実施の形態に係るライブコマースシステム1が提供するLCプラットフォームでは、ユーザがLCライブ配信を行う場合そのユーザは配信者となり、また同じユーザが他のユーザが配信するLCライブ配信を視聴する場合は視聴者となる。したがって、配信者・視聴者の別は固定的なものではなく、あるとき配信者IDとして登録されていたユーザIDが別のタイミングでは視聴者IDとして登録されることもある。
【0047】
図7は、図5のコメント履歴保持部118の一例を示すデータ構造図である。コメント履歴保持部118は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信においてコメントが投稿された時刻である投稿時刻と、当該コメントを投稿した視聴者または配信者を特定する投稿者IDと、当該コメントと、を対応付けて保持する。
【0048】
図8は、図5のエフェクト送信履歴保持部120の一例を示すデータ構造図である。エフェクト送信履歴保持部120は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信においてLCエフェクトが送信(または使用)された時刻である送信時刻と、当該LCエフェクトを送信した視聴者を特定する送信者IDと、当該LCエフェクトを特定するエフェクトIDと、を対応付けて保持する。
【0049】
図9は、図5のユーザ情報保持部122の一例を示すデータ構造図である。ユーザ情報保持部122は、ユーザに関する情報を保持する。ユーザ情報保持部122は、ユーザを特定するユーザIDと、当該ユーザが有しているポイントと、当該ユーザに付与された報酬と、当該ユーザが所有しているクーポンを特定するクーポンIDと、を対応付けて保持する。
【0050】
ポイントは、LCプラットフォーム内で流通する電子的価値である。ユーザはクレジットカードや他の決済手段によりポイントを購入する。報酬はLCプラットフォーム内で定義される電子的価値であり、配信者がLCプラットフォームの管理者から受け取る金銭の額を決めるための指標である。LCプラットフォームでは、LCライブ配信内やLCライブ配信外で視聴者が配信者にギフトを贈ると、視聴者のポイントが消費され、併せて配信者の報酬が相応分だけ増加する。
【0051】
図10は、図5のギフト情報保持部134の一例を示すデータ構造図である。ギフト情報保持部134は、LCライブ配信において視聴者が使用可能なギフトに関する情報を保持する。ギフトは、以下の特徴を有する電子データである。
・ポイントや金銭を対価として購入可能、または無料で付与可能。
・視聴者が配信者に贈ることができるもの。配信者にギフトを贈ることを、ギフトを使用する、またはギフトを投げるともいう。
・ギフトの購入と使用とがセットで同時に発生するタイプのものもあれば、購入した後、視聴者が任意のタイミングで使用可能なタイプのものもある。
・視聴者が配信者にギフトを贈ると、その配信者に相応の報酬が付与される。
・ギフトが使用された場合、ギフトに関連付けられた効果が生じることがある。例えば、ギフトに対応するエフェクトがライブ配信ルーム画面に表れる。
【0052】
ギフト情報保持部134は、ギフトを特定するギフトIDと、当該ギフトを配信者に贈った場合に当該配信者に付与される報酬である付与報酬と、当該ギフトを使用する際に支払うべき対価である対価ポイントと、通常ギフトであるか特別ギフトであるかを示すギフトの種別と、を対応付けて保持する。視聴者は、LCライブ配信の視聴中に、所望のギフトの対価ポイントを支払うことで配信者に当該ギフトを贈ることができる。この対価ポイントの支払いは適宜の電子的決済手段により行われてもよく、例えば対価ポイントを視聴者が管理者に支払うことで行われてもよい。あるいはまた、銀行振込やクレジットカードによる支払いが用いられてもよい。付与報酬と対価ポイントとの関係は管理者が任意に設定可能である。例えば、付与報酬=対価ポイントに設定してもよい。または付与報酬に1.2などの所定の係数を乗じて得られるポイントを対価ポイントに設定してもよいし、付与報酬に所定の手数料ポイントを加算して得られるポイントを対価ポイントに設定してもよい。
【0053】
図10の例では、ギフトID「RAN」で特定されるギフトは、LCライブ配信中の任意のタイミングで使用可能なランダムギフトである。視聴者が300ポイントの対価を支払ってランダムギフトを使用すると抽選が実行され、100ポイント、500ポイント、1000ポイントのいずれかが配信者に報酬として付与される。ギフトID「SRAN」で特定されるギフトは特別ギフトであり、ランダムギフト「RAN」のアップグレード版である。視聴者がランダムギフトと同じ300ポイントの対価を支払ってスーパーランダムギフトを使用すると抽選が実行され、200ポイント、700ポイント、2000ポイントのいずれかが配信者に報酬として付与される。ギフトID「LSB」で特定されるギフトはおまけギフトである。販売対象の注文に応じて無料で付与されるので対価ポイントは0に設定される。
【0054】
図11は、図5のシェア履歴保持部126の一例を示すデータ構造図である。シェア履歴保持部126は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信において当該LCライブ配信がシェアされた時刻であるシェア時刻と、当該LCライブ配信をシェアした視聴者を特定するシェア元IDと、を対応付けて保持する。シェアは、視聴者がLCプラットフォーム以外のシステムやサービス(例えば、ソーシャルネットワークサービス(SNS)やメッセージングサービスやプッシュ通知サービス)にLCライブ配信の情報を提供することにより実現される。シェアを実現するための技術自体は公知であるから本明細書では詳述しない。
【0055】
図12は、図5のカートイン履歴保持部128の一例を示すデータ構造図である。カートイン履歴保持部128は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信においてカートインが発生した時刻であるカートイン時刻と、当該カートインを行った視聴者を特定する視聴者IDと、当該カートインの対象となった販売対象を特定する販売対象IDと、を対応付けて保持する。図12の例では、第1行目に保持されるデータは、LCライブ配信「ST01」の4分22秒時点で、視聴者「ABC」が販売対象「PD001」をカートに入れたことを示す。
【0056】
図13は、図5のクーポン情報保持部124の一例を示すデータ構造図である。クーポン情報保持部124は、LCプラットフォームで使用可能な、値引き条件の異なる複数のクーポンの情報を保持する。クーポン情報保持部124は、クーポンを特定するクーポンIDと、当該クーポンが特定の配信者のLCライブ配信でのみ使用可能となるよう設定されている場合におけるその配信者のユーザIDである対象配信者IDと、当該クーポンが特定の販売対象に対してのみ適用可能となるよう設定されている場合におけるその販売対象を特定するIDである対象販売対象IDと、当該クーポンの有効期限と、当該クーポンの値引き条件と、を対応付けて保持する。値引き条件は、例えば割引率を指定してもよいし、値引き額を指定してもよい。
【0057】
図13の例では、同じ配信者「LV1」の同じ販売対象「PD001」に対して、値引き条件の異なる3種類のクーポン「CP1」、「CP2」、「CP3」が設定されている。図13の「(NA)」は該当する条件がないことを示す。例えばクーポン「CP4」は任意の配信者のLCライブ配信で扱われる任意の販売対象に適用可能である。クーポン「CP5」は任意の配信者のLCライブ配信で扱われる販売対象「PD002」に適用可能である。クーポン「CP6」は配信者「LV2」のLCライブ配信で扱われる任意の販売対象に適用可能である。
【0058】
有効期限のフィールドを「現在の配信が終了するまで」に設定することで、クーポンが付与されたLCライブ配信内でのみ当該クーポンを使用可能としてもよい。
【0059】
図5に戻り、配信情報提供部104は、ネットワーク60を介して、配信者携帯端末20からLCライブ配信を開始する旨の通知を受けると、当該LCライブ配信を特定するストリームIDと、当該LCライブ配信の配信者側の配信者IDと、を配信情報保持部116に登録する。配信情報提供部104は、ネットワーク60を介して、視聴者端末50からLCライブ配信に関する情報の提供要求を受けると、配信情報保持部116を参照して現在視聴可能なLCライブ配信のリストを生成する。配信情報提供部104は、ネットワーク60を介して、生成されたリストを要求元の視聴者端末50に送信する。要求元の視聴者端末50は、受信したリストに基づいてLCライブ配信選択画面を生成し、ディスプレイに表示させる。
【0060】
視聴者端末50は、ライブ配信選択画面においてLCライブ配信の選択を受け付けると、選択されたLCライブ配信のストリームIDを含む配信要求を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。配信情報提供部104は、受信した配信要求に含まれるストリームIDにより特定されるLCライブ配信の、要求元の視聴者端末50への提供を開始する。配信情報提供部104は、当該ストリームIDの視聴者IDに要求元の視聴者端末50の視聴者のユーザIDが含まれるように配信情報保持部116を更新する。
【0061】
中継部102は、配信情報提供部104によって開始されたLCライブ配信において、配信者携帯端末20から視聴者端末50への動画データの伝送を中継する。中継部102は、LCライブ配信中すなわち動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を視聴側通信部504から受信する。ユーザ入力を示す信号は、視聴者端末50のディスプレイに表示されたオブジェクトの指定を示すオブジェクト指定信号であってもよく、当該オブジェクト指定信号は、視聴者の視聴者IDと、視聴者が視聴しているLCライブ配信を特定するストリームIDと、当該LCライブ配信を行っている配信者の配信者IDと、オブジェクトを特定するオブジェクトIDと、を含む。オブジェクト指定信号は、視聴者による配信者に対するギフトの使用を示すギフト使用信号であってもよい。この場合、オブジェクトIDは使用されたギフトを特定するギフトIDとなる。同様に、中継部102は、動画データの再生中における配信者によるユーザ入力を示す信号、例えばオブジェクト指定信号を配信者携帯端末20の配信側通信部210から受信する。
【0062】
EC処理部108は、LCライブ配信における電子商取引(Eコマース)に係る処理を行う。EC処理部108は、LCライブ配信において視聴者が販売対象を購入することを可能とする。EC処理部108は、LCライブ配信におけるカートに関する処理を行う。EC処理部108は、例えば特許文献1や特許文献2や非特許文献1に記載される公知の技術を用いて実現されてもよい。また、本実施の形態におけるコメントの入力や反映、販売対象の登録や紹介やカートインや注文、LCエフェクトの送信や反映、もまた例えば特許文献1や特許文献2や非特許文献1に記載される公知の技術を用いて実現されてもよい。
【0063】
反応受付部106は、LCライブ配信中の視聴者側の反応を示す信号を、視聴者側の視聴者端末50からネットワーク60を介して受信する。反応受付部106は、反応を示す信号の受信に応じてコメント履歴保持部118、エフェクト送信履歴保持部120、シェア履歴保持部126およびカートイン履歴保持部128を更新する。
【0064】
反応受付部106は、LCライブ配信中に視聴者端末50または配信者制御端末30からネットワーク60を介してコメント入力信号を受信する。反応受付部106は、当該LCライブ配信において、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が生成された時刻に、当該信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が、当該信号に含まれるコメントを入力したことを示すデータをコメント履歴保持部118に登録する。
【0065】
反応受付部106は、LCライブ配信中に視聴者端末50からネットワーク60を介してエフェクト表示要求信号を受信する。反応受付部106は、当該LCライブ配信において、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が生成された時刻に、当該信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が、当該信号に含まれるエフェクトIDで特定されるLCエフェクトを送信したことを示すデータをエフェクト送信履歴保持部120に登録する。
【0066】
反応受付部106は、LCライブ配信中に視聴者端末50からネットワーク60を介してシェア要求信号を受信する。反応受付部106は、当該LCライブ配信において、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が生成された時刻に、当該信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が当該LCライブ配信をシェアしたことを示すデータをシェア履歴保持部126に登録する。
【0067】
反応受付部106は、LCライブ配信中に視聴者端末50からネットワーク60を介して購入要求信号を受信する。反応受付部106は、当該LCライブ配信において、受信した信号を受け付けた時刻または当該信号が生成された時刻に、当該信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者が、当該信号に含まれる販売対象IDで特定される販売対象をカートインしたことを示すデータをカートイン履歴保持部128に登録する。
【0068】
ギフト処理部110は、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトの付与報酬に応じて配信者の報酬を増加させるようにユーザ情報保持部122を更新する。ギフト処理部110は、ギフト情報保持部134を参照し、受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDに対応する付与報酬を特定する。ギフト処理部110は、ギフト使用信号に含まれる配信者IDに対応する報酬に、特定された付与報酬を加えるようユーザ情報保持部122を更新する。ギフト処理部110は、ギフト使用信号に含まれるギフトIDがランダムギフトのギフトID「RAN」またはスーパーランダムギフトのギフトID「SRAN」である場合は、上述のとおりの抽選処理を行うことで付与報酬を決定する。
【0069】
支払い処理部112は、ギフト使用信号の受信に応じて、視聴者によるギフトの対価の支払いを処理する。支払い処理部112は、ギフト情報保持部134を参照し、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトの対価ポイントを特定する。支払い処理部112は、ギフト使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントから特定された対価ポイントを差し引くようユーザ情報保持部122を更新する。
【0070】
使用可能化部114は、LCライブ配信の視聴者が販売対象を注文するための動作を行うことを条件として、当該視聴者による、通常ギフトとは異なる特別ギフトの使用を可能とする。使用可能化部114は、EC処理部108において視聴者のカートに入っている販売対象の購入確定処理が完了すると、当該視聴者におまけギフト(図10の「LSB」)を付与すると共に、当該視聴者によるスーパーランダムギフト(図10の「SRAN」)の使用が可能となる期間を開始する。使用可能化部114は、購入確定処理を完了させた視聴者の「おまけギフト有無」フィールドが「有」となり、スーパーランダムギフトの使用可能期間が設定値の「5:00」(現在から5分後)となるよう配信情報保持部116を更新する。スーパーランダムギフトの使用可能期間がNAから設定値に変更されることで、スーパーランダムギフトの使用権が設定される。
【0071】
本実施の形態では、LCライブ配信の視聴者が販売対象を注文するための動作に応じて当該視聴者に当該LCライブ配信でのみ使用可能な特別ギフトが付与される場合を説明するが、他の実施の形態では、特別ギフトは同じ配信者または他の配信者による別のLCライブ配信または非LCライブ配信で使用可能なように設定されてもよい。
【0072】
クーポン付与部130は、LCライブ配信の視聴者による特別ギフトの使用の指示を受け付けると、LCライブ配信で紹介される販売対象に適用可能なクーポンを当該視聴者に付与する。クーポン付与部130は、視聴者端末50からスーパーランダムギフトの使用を示すギフト使用信号を受信すると、値引き条件の異なる複数のクーポンのなかからランダムにひとつのクーポンを選択する。クーポン付与部130は、ギフト使用信号の送信元の視聴者端末50の視聴者に、選択されたクーポンが付与されるようにユーザ情報保持部122を更新する。図6図9図13の例では、視聴者「USR1」が配信者「LV1」のLCライブ配信「ST01」においてスーパーランダムギフトを使用した場合、いずれも配信者「LV1」のLCライブ配信で紹介される販売対象「PD001」に適用可能な3つのクーポン「CP1」、「CP2」、「CP3」のなかからランダムにひとつのクーポンが視聴者「USR1」に付与される。
【0073】
ランキング生成部132は、おまけギフトを配信者が受け取った量で配信者間の順位が決まるランキングを生成する。
【0074】
以上の構成によるライブコマースシステム1の動作を説明する。
図14は、LCライブ配信中に視聴者に特別ギフトが付与される際のLCサーバ10における一連の処理の流れを示すフローチャートである。使用可能化部114は、視聴者のカートに入っている販売対象の購入確定処理の完了を待ち受ける(S202)。完了を検出した場合(S202のY)、使用可能化部114は販売対象を注文した視聴者へのおまけギフトの付与を行う(S204)。使用可能化部114は、販売対象を注文した視聴者にスーパーランダムギフトの使用権を設定する(S206)。
【0075】
クーポン付与部130は、視聴者がスーパーランダムギフトを使用したか否か判定する(S208)。使用していない場合(S208のN)、ギフト処理部110は配信情報保持部116を参照し、視聴者によるスーパーランダムギフトの使用可能期間が経過したか否かを判定する(S210)。経過していない場合、処理はステップS208に戻り、経過した場合はクーポンの付与を行わずに処理は終了する。
【0076】
スーパーランダムギフトの使用が検出された場合(S208のY)、クーポン付与部130は視聴者に付与するクーポンを抽選により決定する(S212)。クーポン付与部130は、スーパーランダムギフトを使用した視聴者に、ステップS212で決定されたクーポンを付与する(S214)。
【0077】
図15は、視聴者52の視聴者端末50のディスプレイに表示される配信画面600の代表画面図である。配信画面600は、配信者22の配信者携帯端末20で生成された動画像をリアルタイムで表示すると共に、視聴者による販売対象の購入を可能とするカート機能を備えている。配信画面600は、コメント入力領域602と、コメント表示領域604と、シェアボタン606と、ハートボタン608と、LCサーバ10から受信した動画データを再生することにより得られる配信者22の動画像610と、サムネイル612と、LCライブ配信の配信時間を示す時刻表示領域614と、カートアイコン616と、ギフトアイコン650と、を有する。視聴側UI制御部502は、動画データを再生することにより得られる動画像610に、他のオブジェクトを重畳表示することにより配信画面600を生成する。
【0078】
コメント入力領域602は視聴者52によるコメントの入力を受け付ける。視聴者52は所望のコメントをコメント入力領域602に入力して送信ボタンをタップする。視聴側通信部504は、送信ボタンへのタップを検出すると、コメント入力領域602に入力されたコメントを含むコメント入力信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0079】
コメント表示領域604は、視聴者により入力されたコメントと、配信者側により入力されたコメントと、システムからの通知と、を含みうる。システムからの通知は、視聴者が販売対象を購入したことを示すメッセージを含む。視聴側UI制御部502はLCサーバ10から受信した表示すべきコメントを含むコメント表示領域604を生成する。
【0080】
シェアボタン606は、視聴者によるシェア要求を受け付けるためのオブジェクトである。視聴側UI制御部502は、シェアボタン606へのタップを検出すると、LCライブ配信をシェア可能な外部サービスの候補を配信画面600に表示させる。視聴側通信部504は、視聴者の視聴者IDと選択された外部サービスの情報とを含むシェア要求を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。
【0081】
ハートボタン608は、視聴者によるLCエフェクトの表示要求を受け付けるためのオブジェクトである。視聴側通信部504は、ハートボタン608へのタップを検出すると、視聴者の視聴者IDを含むエフェクト表示要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10は、エフェクト表示要求信号を受信すると、LCライブ配信に参加している全ての参加者(配信者側、視聴者側含む)の端末に、エフェクト表示指示を送信する。視聴側UI制御部502は、エフェクト表示指示をLCサーバ10から受信すると、ハートの形をしたエフェクト(LCエフェクト)を配信画面600に表示させる。LCエフェクトはLCライブ配信を盛り上げるために使用される。
【0082】
サムネイル612は、LCライブ配信において現在紹介中の販売対象を示すサムネイルである。LCサーバ10は、配信者側から販売対象の紹介開始の要求を受けてから紹介終了の要求を受けるまでの間、LCライブ配信の配信画面600に、紹介中の販売対象を表すサムネイル612を表示させる。購入受付部506は、サムネイル612へのタップを検出すると、対応する販売対象をカートに入れるための購入要求信号を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。あるいはまた、購入受付部506は、サムネイル612へのタップを検出すると、対応する販売対象の詳細を説明する画面をディスプレイに表示させ、当該画面から販売対象をカートに入れるための指示を受け付けてもよい。
【0083】
カートアイコン616は、カートに入れられた販売対象のリストを表示する画面に遷移するためのアイコンである。視聴者はこの画面から購入手続きを進めることができる。視聴者が配信画面600を下から上にスワイプすると、視聴側UI制御部502は、LCライブ配信で紹介されたかされる予定の販売対象と、紹介はされないが当該LCライブ配信の内容に関連する販売対象と、を含むリストを配信画面600に重畳して表示させる。視聴者がそのリストにおいて所望の販売対象を選択すると、購入受付部506は選択された販売対象をカートに入れるための処理を行う。これらのカートや購入手続きに係る機能は公知の電子商取引の技術を用いて実現されてもよい。
【0084】
視聴側UI制御部502は、ギフトアイコン650へのタップが検出されると、ギフト情報要求を生成し、ネットワーク60を介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10の中継部102は、ギフト情報要求を受信すると、ギフト情報保持部134および配信情報保持部116を参照して使用可能なギフトのギフトIDを特定する。LCサーバ10は、特定されたギフトIDを含むギフト情報を生成し、要求元の視聴者端末50に送信する。視聴者端末50の視聴側UI制御部502は、受信したギフト情報に基づき、ギフトの選択を受け付けるためのギフト領域622を生成する。ギフト領域622は、受信したギフト情報に含まれるギフトIDで特定されるギフトのギフトオブジェクトを含む。視聴側UI制御部502は生成されたギフト領域622を配信画面600に重畳して表示させる。
【0085】
図16は、視聴者端末50のディスプレイに表示される、ギフト領域622が重畳表示された配信画面600の代表画面図である。図16の例では、配信情報保持部116においておまけギフト有無=無、使用可能期間=NAとなっている視聴者の視聴者端末50に表示されるギフト領域622が示される。このギフト領域622は通常ギフトのギフトオブジェクトを含むが特別ギフトのギフトオブジェクトは含まない。ギフト領域622は、ランダムギフト「RAN」を表すギフトオブジェクト624を含む。
【0086】
図16の配信画面600において視聴者がギフト領域622のギフトオブジェクトをタップすると、視聴側UI制御部502は当該視聴者による当該ギフトオブジェクトの指定を受け付ける。視聴側通信部504は指定されたギフトオブジェクトが表すギフトのギフトIDを含むギフト使用信号を生成してLCサーバ10に送信する。
【0087】
図15の配信画面600において視聴者がカートアイコン616をタップし、カートに入っている販売対象の購入確定処理を完了させると、上述のとおりにスーパーランダムギフトの使用権およびおまけギフトが当該視聴者に付与される。使用可能化部114は、これらの付与が完了すると、付与完了信号を生成し、ネットワーク60を介して視聴者端末50に送信する。視聴側UI制御部502は、付与完了信号を受信すると、販売対象の購入確定処理の完了に応じておまけギフトおよびスーパーランダムギフトの使用が可能となったこと、を視聴者に通知するポップアップ通知626を生成する。視聴側UI制御部502は生成されたポップアップ通知626を配信画面600に重畳して表示させる。
【0088】
図17は、視聴者端末50のディスプレイに表示される、ポップアップ通知626が重畳表示された配信画面600の代表画面図である。ポップアップ通知626は、視聴者におまけギフトが付与されたことを示すテキストおよびおまけギフトのアイコンが表示される領域628と、視聴者がスーパーランダムギフトを使用することができるようになったことを示すテキストおよび使用可能期間およびスーパーランダムギフトのアイコンが表示される領域630と、を含む。
【0089】
図17の配信画面600において、視聴者がOKボタンをタップしてポップアップ通知626を閉じた後、ギフトアイコン650をタップすると、視聴側UI制御部502はギフト情報要求を生成し、LCサーバ10に送信する。LCサーバ10の中継部102は、ギフト情報要求を受信すると、ギフト情報保持部134および配信情報保持部116を参照して使用可能なギフトのギフトIDを特定する。この場合、配信情報保持部116において要求元の視聴者は、おまけギフト有無=有、使用可能期間=4:25等と記録されているので、中継部102はおまけギフトのギフトID「LSB」およびスーパーランダムギフトのギフトID「SRAN」を使用可能なギフトのギフトIDに含める。LCサーバ10は、特定されたギフトIDを含むギフト情報を生成し、要求元の視聴者端末50に送信する。視聴者端末50の視聴側UI制御部502は、受信したギフト情報に基づき、ギフトの選択を受け付けるためのギフト領域632を生成する。ギフト領域632は、受信したギフト情報に含まれるギフトIDで特定されるギフトのギフトオブジェクトを含む。視聴側UI制御部502は生成されたギフト領域632を配信画面600に重畳して表示させる。
【0090】
図18は、視聴者端末50のディスプレイに表示される、ギフト領域632が重畳表示された配信画面600の代表画面図である。ギフト領域632は、おまけギフト「LSB」を表すギフトオブジェクト634と、スーパーランダムギフト「SRAN」を表すギフトオブジェクト636と、を含む。ギフトオブジェクト634には、それを無料で使用することができる(すなわち、既に付与されている)ことを示す「0pt」の表示638が関連付けられる。ギフトオブジェクト636には、スーパーランダムギフトの使用可能期間の表示640が関連付けられる。
【0091】
図18の配信画面600において視聴者がギフト領域632のギフトオブジェクト634をタップすると、視聴側UI制御部502は当該視聴者による当該ギフトオブジェクト634の指定を受け付ける。視聴側通信部504は指定されたギフトオブジェクト634が表すおまけギフトのギフトID「LSB」を含むギフト使用信号を生成してLCサーバ10に送信する。併せて視聴側UI制御部502は、おまけギフト「LSB」のエフェクト642を配信画面600に重畳して表示させる。
【0092】
図19は、視聴者端末50のディスプレイに表示される、エフェクト642が重畳表示された配信画面600の代表画面図である。同様のエフェクトが他の視聴者の視聴者端末50および配信者の配信者携帯端末20にも表示される。
【0093】
図18の配信画面600において視聴者がギフト領域632のギフトオブジェクト636をタップすると、視聴側UI制御部502は当該視聴者による当該ギフトオブジェクト636の指定を受け付ける。視聴側通信部504は指定されたギフトオブジェクト636が表すおまけギフトのギフトID「SRAN」を含むギフト使用信号を生成してLCサーバ10に送信する。当該ギフト使用信号を受信したクーポン付与部130は上記のとおりにクーポンの抽選を行い、視聴者に付与するクーポンを決定する。クーポン付与部130は、決定されたクーポンの情報を含むクーポン付与信号を生成し、ネットワーク60を介して視聴者端末50に送信する。視聴側UI制御部502は、クーポン付与信号を受信すると、LCライブ配信で紹介される販売対象に適用可能なクーポンが視聴者に付与されたこと、を視聴者に通知するポップアップ通知644を生成する。視聴側UI制御部502は生成されたポップアップ通知644を配信画面600に重畳して表示させる。
【0094】
図20は、視聴者端末50のディスプレイに表示される、ポップアップ通知644が重畳表示された配信画面600の代表画面図である。ポップアップ通知644は、現在のLCライブ配信で紹介される特定の販売対象に適用可能なクーポンが視聴者に付与されたことを示すテキストおよび値引き条件が表示される領域を含む。
【0095】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0096】
本実施の形態に係るライブコマースシステム1によると、Eコマースの機能とギフティングの機能との連携が可能となる。LCライブ配信における販売対象の注文によって特別ギフトが使用可能となり、また所定のギフトを使用することによりクーポンが提供される。これにより、視聴者の活動がより活発になることでLCライブ配信を盛り上げることができる。
【0097】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、視聴者がLCライブ配信において販売対象を注文すると、通常ギフトとは異なる特別ギフトの使用権が当該視聴者に付与される。したがって、ギフティングにより配信者に貢献したい層の視聴者によるライブコマースの利用を促進することができる。また、目的の販売対象があってLCライブ配信に参加した視聴者におまけギフトなどの特別ギフトを付与することで、ギフティングを体験してもらい、その良さを実感してもらうことができる。
【0098】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、視聴者がスーパーランダムギフトを使用すると当該視聴者にクーポンが付与される。したがって、ギフティングにより配信者に貢献したい層の視聴者によるライブコマースの利用を促進することができる。
【0099】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、単に販売対象を購入して終了ではなく、購入に紐付くギフティング体験を提供することで、エンターテイメント性の高いライブコマースを提供できる。
【0100】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、おまけギフトに付与報酬を持たせることで、販売対象の購入に対するポイントバックを実現することができる。
【0101】
図21を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図21は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるLCサーバ10、配信者携帯端末20、配信者制御端末30、視聴者端末50のそれぞれを実現しうる。
【0102】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、およびRAM(Random Access Memory)903を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。また、情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0103】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0104】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0105】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0106】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0107】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0108】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0109】
通信装置929は、例えば、ネットワーク60に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワーク60は、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0110】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0111】
以上、実施の形態に係るライブコマースシステム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0112】
実施の形態では、販売対象の購入完了によってスーパーランダムギフトの使用権が設定され、そのスーパーランダムギフトを使用した場合に抽選によりクーポンが視聴者に付与される場合を説明したが、これに限られない。例えば、所定の通常ギフト(例えば、ランダムギフト)を使用すると抽選によりクーポンが視聴者に付与されてもよい。この場合、クーポン付与部130は、視聴者がランダムギフトを使用することを条件として、LCライブ配信で紹介される販売対象に適用可能なクーポンを当該視聴者に付与する。クーポン付与部130は、値引き条件の異なる複数のクーポンのなかからランダムにひとつのクーポンを選択し、選択されたクーポンを付与する。
【0113】
実施の形態では、視聴者が販売対象を注文するための動作を行うことを条件として、おまけギフトおよびスーパーランダムギフトの使用を可能とする場合を説明したが、これに限られない。例えば、配信者への付与報酬の異なる複数のギフトを設けてもよい。使用可能化部114は、これらの複数のギフトのなかからランダムにひとつのギフトを選択して視聴者に付与してもよい。あるいはまた、使用可能化部114は、複数のギフトのなかから販売対象の購入額および/または購入量に応じたギフトを選択して視聴者に付与してもよい。例えば、購入額が高いほど大きな付与報酬のギフトが選択される。あるいはまた、おまけギフトが付与される条件とスーパーランダムギフトの使用が可能となる条件とを異ならせてもよい。例えば、おまけギフトは任意の販売対象の購入確定処理の完了により付与されてもよい。これに対してスーパーランダムギフトの使用権は、購入された販売対象の総額がしきい値を超えた場合に付与されてもよい。このように複数種類の特別ギフトの付与条件に差を設けることで、視聴者による販売対象の購入を促進することができる。
【0114】
実施の形態では、視聴者に付与するクーポンを抽選により決定する場合を説明したが、これに限られず、例えば視聴者が使用したギフトの量および/または額が多いほどより有利な値引き条件のクーポンを当該視聴者に付与するよう構成されてもよい。あるいはまた、視聴者に付与するクーポンを予め定めておいてもよい。
【0115】
実施の形態では、ギフティングに応じてクーポンを付与する場合を説明したが、これに限られず、例えばLCライブ配信における視聴者と配信者とのインタラクションの度合いに応じてクーポンを付与してもよい。インタラクションの度合いは使用されたギフトの量の他に、コメントの量、LCエフェクトの量、シェアの量、カートインの量、視聴時間、視聴者や配信者がクリアしたミッションを含む。例えば、LCライブ配信における視聴者と配信者とのインタラクションの度合いが大きいほど値引き条件がより有利なクーポンが当該視聴者に付与されてもよい。
【0116】
例えば、LCサーバはコメント履歴保持部118、エフェクト送信履歴保持部120、シェア履歴保持部126およびカートイン履歴保持部128を参照し、視聴者と配信者とのインタラクションの度合いを算出してもよい。LCサーバは、算出された度合いに応じた値引き条件を有するクーポンを視聴者に付与してもよい。
【0117】
実施の形態では、クーポンの付与も特別ギフトの使用可能化もLCライブ配信内でリアルタイムで行われる場合を説明したが、これに限られず、例えば1日一回のバッチ処理によりクーポンの付与や特別ギフトの付与が行われてもよい。このバッチ処理は各種履歴保持部を参照することで実現されてもよい。
【0118】
実施の形態では、クーポンをLCライブ配信内で使用する場合を説明したが、これに限られず、例えば企業の実店舗で利用可能なクーポンを発行してもよい。
【0119】
実施の形態では、LCサーバ10が配信者側による販売対象の紹介と受注とが可能であり、かつ、配信者側による視聴者からのギフトの受け取りが可能なLCライブ配信を提供する場合を説明したが、これに限られない。例えば、LCサーバは、配信者側による販売対象の紹介と受注とが可能であるがギフティング機能はないLCライブ配信と、ギフティング機能を備えた非LCライブ配信と、が同じ配信者によって異なるタイミングで行われるライブ配信システムのサーバであってもよい。この場合、LCライブ配信のプラットフォームと非LCライブ配信のプラットフォームとは同じ管理者により管理されてもよいし、それぞれ異なる管理者により管理されてもよい。
【0120】
図22は、変形例に係るライブコマースシステム4の概念図である。ライブコマースシステム4は、企業のライブコマースを提供するLCプラットフォームと、個人のライブ配信(非LCライブ配信)を提供するライブ配信(LS)プラットフォームと、を管理する。同じ配信者40は、インフルエンサーとして企業の販売対象を紹介し、受注するLCライブ配信をLCプラットフォームで提供すると共に、ライバーとして非LCライブ配信をLSプラットフォームで提供する。同じ配信者40であるから上記のLCライブ配信と非LCライブ配信とは異なるタイミングで行われる。また、プラットフォームの構成上、LCライブ配信にギフティング機能は実装されておらず、非LCライブ配信にEコマース機能は実装されていない。
【0121】
ライブコマースシステム4の管理サーバ(不図示)は下記の点を除いてLCサーバ10と同様の機能を有する。管理サーバは、LCライブ配信または非LCライブ配信のいずれか一方のライブ配信において、他方のライブ配信で使用可能なデジタルアイテムを視聴者に付与する。デジタルアイテムは、例えばギフト、クーポン、バッジ、アニメーション、エフェクトなどである。図22の例では、管理サーバは、LCライブ配信において視聴者が販売対象を注文するための動作を行うことを条件として、非LCライブ配信で使用可能なおまけギフト42などの特別ギフトを当該視聴者に付与する。管理サーバは、非LCライブ配信において、当該非LCライブ配信の配信者と同じ配信者が行うLCライブ配信で紹介される販売対象に適用可能なクーポン44を視聴者に付与する。
【0122】
企業のLCライブ配信において販売対象の購入に応じて特別ギフトを配布することで、LCライブ配信の視聴者を同じ配信者による非LCライブ配信へと送客することができる。加えて、個人の非LCライブ配信においてクーポンを配布することで、非LCライブ配信の視聴者を同じ配信者によるLCライブ配信へと送客することができる。これにより、LCライブ配信と非LCライブ配信との相互作用により両者を盛り上げていくことができる。視聴者による企業のLCライブ配信と個人の非LCライブ配信との間の回遊を促し、それぞれのライブ配信の視聴者を増やし、より盛り上げることができる。さらに、一方のライブ配信に新たに流入した視聴者を回遊のサイクルに取り込んで他方のライブ配信に送客することができる。
【0123】
図23は、変形例に係る管理サーバの配信情報保持部416の一例を示すデータ構造図である。配信情報保持部416は、ライブコマースシステム4が提供するLCプラットフォームにおいて現在行われているLCライブ配信の情報と、ライブコマースシステム4が提供するLSプラットフォームにおいて現在行われている非LCライブ配信の情報と、を保持する。配信情報保持部416は、ライブコマースシステム4においてライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者を特定するユーザIDである配信者IDと、当該ライブ配信がLCライブ配信であるか非LCライブ配信であるかの別を示す配信種別と、LCライブ配信であれば当該LCライブ配信を通して購入可能な販売対象を特定する販売対象IDと、当該ライブ配信の視聴者を特定するユーザIDである視聴者IDと、を対応付けて保持する。
【0124】
図24は、変形例に係る管理サーバのユーザ情報保持部422の一例を示すデータ構造図である。ユーザ情報保持部422は、ライブコマースシステム4のユーザに関する情報を保持する。ユーザ情報保持部422は、ユーザを特定するユーザIDと、当該ユーザが有しているポイントと、当該ユーザに付与された報酬と、当該ユーザが所有しているクーポンを特定するクーポンIDと、当該ユーザが所有している特別ギフトを特定する特別ギフトIDと、対象配信者IDと、を対応付けて保持する。ユーザIDと特別ギフトIDと対象配信者IDとの関係は、ユーザIDで特定されるユーザは、対象配信者IDで特定される配信者が行う非LCライブ配信でのみ特別ギフトIDで特定される特別ギフトを使用することができる、というものである。
【0125】
本変形例においてLCライブ配信の視聴者に付与される特別ギフトは、当該LCライブ配信の配信者と同じ配信者が行う非LCライブ配信でのみ使用可能となるよう設定される。他の変形例では、特別ギフトは任意の配信者の非LCライブ配信で使用可能となるよう設定されてもよい。
【0126】
本変形例においてLCライブ配信の視聴者に付与される特別ギフトは、当該LCライブ配信の配信者と同じ配信者が行う非LCライブ配信では視聴者が入手できないよう設定される。具体的には、非LCライブ配信のギフトアイコンをタップすることで表示される使用可能ギフトの一覧に特別ギフトは含まれない。これにより、LCライブ配信への回遊を促すことができる。
【0127】
本変形例において管理サーバは、LCライブ配信で注文された販売対象の対価または購入総額が大きいほど豪華な特別ギフトを視聴者に付与する。これにより、視聴者がより高額なまたはより多くの販売対象を購入することを動機付けることができる。
【0128】
本変形例において管理サーバは、LCライブ配信の視聴者に付与される特別ギフトを、非LCライブ配信において配信者が受け取った量で配信者間の順位が決まるランキングを生成する。これにより、LCライブ配信および非LCライブ配信の両方について配信者の配信意欲を向上させることができる。
【0129】
本変形例において管理サーバは、非LCライブ配信における視聴者と配信者とのインタラクションの度合いが大きいほど値引き条件がより有利なクーポンを視聴者に付与する。これにより、非LCライブ配信におけるインタラクションを活性化することができる。
【0130】
以下、代表画面図によりLCライブ配信におけるおまけギフトの付与から非LCライブ配信におけるおまけギフトの使用に至るまでの流れを説明する。
図25は、本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示されるLCライブ配信の配信画面400の代表画面図である。LCライブ配信の配信画面400は、図15の配信画面600からギフトアイコン650を除いたものに相当する。これは、本変形例においてLCライブ配信がギフティング機能を有さないことに対応する。
【0131】
図26は、本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示されるLCライブ配信の配信画面400の代表画面図である。図25の配信画面400において視聴者がカートアイコン616をタップし、販売対象の購入確定処理を完了すると、図26の配信画面400が表示される。図26のコメント表示領域604は、販売対象の購入確定処理の完了に応じて、LCライブ配信とは異なるが同じ配信者により行われる非LCライブ配信で使用可能なおまけギフトが視聴者に付与されたこと、を視聴者に通知する。図26では、視聴者が販売対象を購入したことを示すコメント402と、視聴者が特別ギフト(この場合は「ライブショッピングベイビー」という名称のおまけギフト)を獲得した旨を示すコメント404と、がコメント表示領域604に表示される。
【0132】
管理サーバは、視聴者のカートに入っている販売対象の購入確定処理が完了すると、当該視聴者におまけギフトを付与する。このおまけギフトは、視聴者が販売対象を購入したLCライブ配信の配信者と同じ配信者が行う非LCライブ配信でのみ使用可能となるように設定される。管理サーバは、購入確定処理を完了させた視聴者の特別ギフトIDにおまけギフトのギフトIDが登録され、対象配信者IDに視聴者が販売対象を購入したLCライブ配信の配信者の配信者IDが登録されるようユーザ情報保持部422を更新する。
【0133】
図27は、本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面450の代表画面図である。非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面450は、ギフティング機能に対応するオブジェクトは有するが、Eコマース機能に対応するオブジェクトは有さない。これは、本変形例において非LCライブ配信がEコマース機能を有さないことに対応する。
【0134】
ライブ配信ルーム画面450は、配信者の配信者携帯端末20で生成された動画像をリアルタイムで表示する。ライブ配信ルーム画面450は、管理サーバから受信した動画データを再生することにより得られる配信者の動画像452と、ギフトアイコン454と、コメント入力領域456と、コメント表示領域458と、視聴終了ボタン460と、を有する。視聴側UI制御部502は、動画データを再生することにより得られる動画像452に、他のオブジェクト、すなわちギフトオブジェクト454、コメント入力領域456、コメント表示領域458、視聴終了ボタン460を重畳表示することによりライブ配信ルーム画面450を生成する。
【0135】
視聴者端末の視聴側UI制御部502は、ギフトアイコン454へのタップが検出されると、ギフト情報要求を生成し、ネットワーク60を介して管理サーバに送信する。管理サーバは、ギフト情報要求を受信すると、ギフト情報保持部およびユーザ情報保持部422を参照して使用可能なギフトのギフトIDを特定する。管理サーバは、ギフト情報要求に含まれる視聴者IDと配信者ID(視聴者が視聴している非LCライブ配信の配信者)との組が、ユーザ情報保持部422に含まれるユーザIDと対象配信者IDとの組と一致する場合、ユーザ情報保持部422の当該エントリの特別ギフトIDを抽出し、使用可能なギフトのギフトIDのリストに含める。管理サーバは、特定されたギフトIDのリストを含むギフト情報を生成し、要求元の視聴者端末に送信する。視聴者端末の視聴側UI制御部502は、受信したギフト情報に基づき、ギフトの選択を受け付けるためのギフト領域462を生成する。ギフト領域462は、受信したギフト情報に含まれるギフトIDで特定されるギフトのギフトオブジェクトを含む。視聴側UI制御部502は生成されたギフト領域462をライブ配信ルーム画面450に表示させる。
【0136】
図28は、本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される、ギフト領域462が重畳表示された非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面450の代表画面図である。ギフト領域462は、通常ギフトのギフトオブジェクト466、468と、おまけギフトのギフトオブジェクト464と、を含む。図28のライブ配信ルーム画面450において視聴者がギフト領域462のギフトオブジェクト464をタップすると、視聴側UI制御部502は当該視聴者による当該ギフトオブジェクト464の指定を受け付ける。視聴側UI制御部502は、指定されたギフトオブジェクト464が表すおまけギフトに対応するエフェクト470を生成する。視聴側UI制御部502は、生成されたエフェクト470をライブ配信ルーム画面450に表示させる。併せて視聴側通信部204は指定されたギフトオブジェクト464が表すおまけギフトのギフトIDを含むギフト使用信号を生成して管理サーバに送信する。管理サーバがおまけギフトのギフトIDを含むエフェクト表示指示信号を配信者の配信者携帯端末20および他の視聴者の視聴者端末に送ることで、非LCライブ配信に参加している配信者および他の視聴者の端末でも同様のエフェクトが表示される。
【0137】
図29は、本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される、エフェクト470が重畳表示された非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面450の代表画面図である。図29のコメント表示領域458は、視聴者がおまけギフトを配信者に贈ったことを示すシステムメッセージを含んでもよい。このシステムメッセージは、上記のオブジェクト指定信号への返信に含まれてもよい。このように、非LCライブ配信において、LCライブ配信で取得可能なおまけギフトのエフェクトが表示されることにより、ライブコマースの認知拡大を図ることができる。また、配信者は、おまけギフトを誰が使用したかを知ることで、どの視聴者がLCライブ配信で購入してくれたかを知ることでき、その視聴者に非LCライブ配信でお礼を述べることができる。販売対象ごとに異なるおまけギフトを設けた場合には、どの販売対象を購入してくれたかまで配信者が把握することができる。
【0138】
以下、代表画面図により非LCライブ配信におけるクーポンの付与からLCライブ配信におけるクーポンの使用に至るまでの流れを説明する。
図30は、本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面476の代表画面図である。ライブ配信ルーム画面476は、視聴者によりタップされた場合、当該視聴者にクーポンを付与するための処理をトリガーするオブジェクト472を有する。オブジェクト472はライブ配信ルーム画面476に常に表示されてもよいし、視聴者が所定の条件を充たした場合に表示が開始されてもよい。例えば、視聴者がギフトアイコン454へのタップを通じて所定のギフトを使用した場合にオブジェクト472の表示が開始されてもよいし、視聴者が使用したギフトの累積額が所定のしきい値を上回った場合にオブジェクト472の表示が開始されてもよい。
【0139】
視聴者端末の視聴側UI制御部502は、オブジェクト472へのタップが検出されると、取得対象のクーポンのクーポンIDを含むクーポン取得要求を生成し、ネットワーク60を介して管理サーバに送信する。管理サーバは、クーポン取得要求を受信すると、当該要求に含まれる視聴者IDに対応付けて当該要求に含まれるクーポンIDが登録されるようにユーザ情報保持部422を更新する。管理サーバは、クーポン付与完了信号を生成し、要求元の視聴者端末に送信する。視聴者端末の視聴側UI制御部502は、受信したクーポン付与完了信号に基づき、非LCライブ配信の配信者と同じ配信者が行うLCライブ配信で紹介される販売対象に適用可能なクーポンが視聴者に付与されたこと、を視聴者に通知する通知画像474を生成する。通知画像474は、付与されたクーポンの説明と値引き条件と有効期限とを含む。視聴側UI制御部502は生成された通知画像474をライブ配信ルーム画面476に表示させる。
【0140】
図31は、本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示される、通知画像474が重畳表示された非LCライブ配信のライブ配信ルーム画面476の代表画面図である。
【0141】
図32は、本変形例に係る、視聴者の視聴者端末のディスプレイに表示されるLCライブ配信の配信画面478の代表画面図である。図31の非LCライブ配信の配信者は、後日、図32のLCライブ配信を行う。図31の非LCライブ配信でクーポンを取得した視聴者が図32のLCライブ配信に視聴者として参加する。管理サーバは、この視聴者の視聴者端末からLCライブ配信への参加要求を受け付けると、ユーザ情報保持部422を参照し、当該視聴者に当該LCライブ配信で使用可能なクーポンが付与されているか否かを判定する。付与されている場合、管理サーバはそのクーポンのクーポンIDを含むクーポン表示要求を生成し、ネットワーク60を介して要求元の視聴者端末に送信する。視聴者端末の視聴側UI制御部502は、受信したクーポン表示要求に含まれるクーポンIDで特定されるクーポンを表すクーポンオブジェクト480を生成し、配信画面478に重畳表示させる。視聴者がクーポンオブジェクト480をタップすると、クーポンを適用するための処理が開始される。
【0142】
上記の変形例では、クーポンの付与も特別ギフトの使用可能化もライブ配信内でリアルタイムで行われる場合を説明したが、これに限られず、例えば1日一回のバッチ処理によりクーポンの付与や特別ギフトの付与が行われてもよい。このバッチ処理は各種履歴保持部を参照することで実現されてもよい。
【0143】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0144】
サーバにより実現される機能の少なくとも一部は、サーバ以外の装置、例えば配信者携帯端末や配信者制御端末や視聴者端末により実現されてもよい。配信者携帯端末や配信者制御端末や視聴者端末により実現される機能の少なくとも一部は、それ以外の装置、例えば、サーバにより実現されてもよい。例えば、LCサーバのLC機能を有するサーバと、LCサーバの残りの機能を有する別のサーバと、を設けてもよい。
【要約】

【課題】ライブコマースにおいてEコマースの機能とライブ配信の機能とに関連を持たせることでライブコマースをより盛り上げる。
【解決手段】サーバは、配信者による販売対象の紹介と受注とが可能であり、かつ、配信者による視聴者からのギフトの受け取りが可能なライブ配信を提供するサーバであって、視聴者が販売対象を注文するための動作を行うことを条件として、当該視聴者による、通常ギフトとは異なる特別ギフトの使用を可能とする可能化手段を備える。
【選択図】図1
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