(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】情報提供装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241111BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2023090330
(22)【出願日】2023-05-31
【審査請求日】2024-04-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520132171
【氏名又は名称】五味田 匡功
(73)【特許権者】
【識別番号】523204617
【氏名又は名称】株式会社ext
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】五味田 匡功
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-067162(JP,A)
【文献】長倉 克枝,ニュース&リポート,日経コンピュータ,日本,日経BP,2023年05月11日,no.1094,p.8
【文献】廣川 聡美,情報化に関するトピックを分かりやすく説明! よく分かる情報化解説,月刊J-LIS -地方自治情報誌-,地方公共団体情報システム機構,2017年06月01日,第4巻 第3号,p.39~41
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業への補助金、助成金その他の給付(補助
金)の申請に用いられる補助金申請書の作成に関する質問を受信するよう構成された質問受信部と、
前記質問に対する回答であって、前記事業に関する情報(
質問又は該質問から抽出された事業内容)の提供を促す回答を
事業に関する補助金の申請書に記載すべき事業情報に関する知見を含む言語モデルに生成させるよう構成された回答生成部と、
生成した前記回答を端末に提供する通信部と、
前記事業情報であって、前記回答に基づいて
前記端末から提供された事業データを受信するよう構成された事業データ受信部と、
前記事業データに対する分析結果を生成するよう構成された分析部と、
前記分析結果に基づいて起案された補助金申請書案を受信するよう構成された申請書案受信部と、
前記補助金申請書の修正案を生成するよう構成された修正案生成部と、
をさらに備え、
採択された被採択補助金申請書の情報が格納された申請書データベースをさらに備え、
前記分析部は、事業の内容において前記補助金申請書案と類似する被採択補助金申請書の情報が含まれた分析結果を生成するよう構成される、情報提供装置。
【請求項2】
前記分析部は、図表が含まれた分析結果を生成するよう構成される、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記分析部は、前記事業が社会又は環境に与える影響の定量的な評価が含まれた分析結果を生成するよう構成される、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記分析部は、前記補助金申請書案の要約を生成するよう構成される、請求項
1に記載の情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事業を行うときに、補助金、助成金その他の給付(補助金等)を活用することが行われている。補助金等の活用に際し、通常、事業者は、補助金等の審査を行う者に申請書を提出する。補助金等は、この申請書に対する審査により、採択されるか否かが決定される。しかしながら、専門的な知識と労力とを要する申請書の作成は、事業者にとって容易ではない場合がある。そこで、補助金等の申請書の作成を支援する技術への要望がある。
【0003】
補助金等の申請書の作成を支援する技術に関し、特許文献1は、公共下水道事業における予算要望・補助金交付申請の支援方法であって、概略設計の結果と詳細設計の結果から合成図を作成すること等を特徴とする予算要望・補助金交付申請の支援方法を開示している。特許文献1の技術によれば、予算要望・補助金交付申請のための管理図の作成に多くの労力を要する必要がなく、予算要望・補助金交付申請業務における作業工数を大幅に削減するとの効果を奏し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、公共下水道事業における補助金交付申請等について管理図の作成に要する労力を削減し得るにとどまる。一般に、申請書の作成においては、記載事項の取捨選択及びその書き方によって採択される見込みが変わり得る。そのため、特許文献1の技術は、記載事項の取捨選択及びその書き方に専門的な知識を要する一般的な申請書の作成を支援する点において、さらなる改良の余地がある。
【0006】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、書類作成に有益な情報の提供等を介して補助金等の申請書の作成を支援する手段の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、事業に関する情報の提供を促す回答をGPTに生成させ、該回答に基づいて提供された事業データに対する分析結果を生成すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
本発明は、事業への補助金、助成金その他の給付(補助金等)の申請に用いられる補助金申請書の作成に関する質問を受信するよう構成された質問受信部と、前記質問に対する回答であって、前記事業に関する情報(事業情報)の提供を促す回答をGPTに生成させるよう構成された回答生成部と、前記事業情報であって、前記回答に基づいて提供された事業データを受信するよう構成された事業データ受信部と、前記事業データに対する分析結果を生成するよう構成された分析部と、を備える、情報提供装置を提供する。
【0009】
事業に関する情報である事業情報が補助金等の申請書に過不足なく記載されていることにより、補助金等の採択率を高め得る。しかしながら、補助金等の申請書に記載すべき事業情報が事業の種類等に応じて様々であるため、事業情報を過不足なく列挙することは、容易でない場合がある。
【0010】
本発明の情報提供装置は、補助金申請書の作成に関する質問に対し、大規模なテキストデータのコーパスで人間のようなテキストを生成するよう訓練されたGPTに事業情報の提供を促す回答を生成させる。テキストデータのコーパスには、各種の事業について、該事業に関する補助金等の申請書に記載すべき事業情報に関する知見が含まれる。よって、本発明の情報提供装置は、補助金等の申請書にさらに含めるべき事業情報を示す回答という、補助金等の採択率をよりいっそう高める情報を提供できる。これにより、本発明の情報提供装置は、補助金等の申請書の作成を支援できる。
【0011】
ところで、申請書に記載すべき事業情報には、予測財務諸表等によって例示される事業データが含まれ得る。このような事業データの分析結果が補助金申請書に添えられることにより、当該補助金の採択率がさらに高められ得る。
【0012】
本発明の情報提供装置は、GPTによって生成された事業情報の提供を促す回答に基づいて提供された事業データを受信し、その分析結果を生成できる。すなわち、本発明の情報提供装置は、補助金等の申請書に含めるべき事業データの分析結果という、補助金等の採択率をよりいっそう高める情報を提供できる。これにより、本発明の情報提供装置は、補助金等の申請書の作成を支援できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、書類作成に有益な情報の提供等を介して補助金等の申請書の作成を支援する手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態におけるシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の情報提供装置1で実行される情報提供処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態の情報提供処理において生成された情報の提供を促す回答の一例である。
【
図6】
図6は、本実施形態の情報提供処理において生成された分析結果の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0016】
図1は、本実施形態におけるシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。情報提供システムS(システムS)は、少なくとも、情報提供装置1を含んで構成される。システムSは、ネットワークNを介して情報提供装置1と通信可能な端末Tを含んで構成されることが好ましい。
【0017】
〔補助金申請書〕
本実施形態における「補助金申請書」は、事業への補助金、助成金その他の給付(補助金等)の申請に用いられる各種書類を指す。事業の内容及び補助金等の種類は、特に限定されない。補助金等として、例えば、事業への補助金、助成金、支援金、協力金、給付金等が挙げられる。本実施形態の情報提供装置1は、事業に関する情報(事業情報)の提供を促す回答をGPTに生成させるよう構成されているため、事業の内容及び補助金等の種類を限定することなく、補助金申請書を作成するための情報を提供できる。
【0018】
〔情報提供装置1〕
情報提供装置1は、少なくとも、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備える。情報提供装置1の種類は、特に限定されない。該種類として、例えば、サーバ、クラウドサーバ等が挙げられる。
【0019】
[制御部11]
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0020】
制御部11は、必要に応じて記憶部12及び/又は通信部13と協働する。そして、制御部11は、情報提供装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、質問受信部111、回答生成部112、読上部113、事業データ受信部114、分析部115、申請書案受信部116、修正案生成部117、提供部118等を実現する。本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する情報提供処理の好ましい流れの説明において示される。
【0021】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。
【0022】
記憶部12は、ネットワークNを介してNAS、SAN、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0023】
記憶部12には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、受信した質問、質問に対する回答、対話の履歴、言語モデル(GPT)、申請書データベース、音声認識モデル、音声合成モデル等が記憶されている。
【0024】
(言語モデル)
言語モデルは、Generative Pre-trained Transformer又はこれに基づく言語モデルであれば特に限定されない。以下、このような言語モデルは、単に「GPT」とも称される。言語モデルは、記憶部12に格納されていてもよく、情報提供装置1の記憶部12の構成を簡略化すべく、通信部13を介した通信によって利用可能な他のサーバに格納されていてもよい。
【0025】
事業に関する情報(事業情報)が補助金等の申請書に過不足なく記載されていることにより、補助金等の採択率を高め得る。しかしながら、補助金等の申請書に記載すべき事業情報が事業の種類等に応じて様々であるため、事業情報を過不足なく列挙することは、容易でない場合がある。
【0026】
GPTである言語モデルは、各種の事業について、該事業に関する補助金等の申請書に記載すべき事業情報に関する知見を含み得る。これにより、本実施形態の情報提供装置1は、補助金申請書の作成に関する質問に対して、補助金等の申請書にさらに含めるべき事業情報を示す回答という、補助金等の採択率をよりいっそう高める情報を提供できる。
【0027】
具体的な言語モデルとして、例えば、OpenAIによるChatGPT、GPT-3、GPT-4、EleutherAIによるGPT-J等が挙げられる。大規模なテキストデータのコーパスで訓練されている言語モデルが記憶部12等に格納されることにより、本実施形態の情報提供装置1は、補助金等の申請書にさらに含めるべき事業情報を示す回答を、事業の内容を問わず生成し得る。加えて、このような言語モデルが記憶部12等に格納されることは、本実施形態の情報提供装置1が人間によって書かれたかのような回答を生成することを可能とする。
【0028】
言語モデルは、質問に含まれる事業の内容と補助金等の申請書に記載すべき事業情報とを対応付けた学習データによる事前学習が行われたGPTであることが好ましい。これにより、本実施形態の情報提供装置1は、事業情報が事業の内容に応じて過不足なく申請書に記載されるよう、補助金等の申請書にさらに含めるべき事業情報を示す回答を生成できる。ここで言う事前学習は、特に限定されない。該事前学習として、例えば、上述の学習データを用いた転移学習及び/又はファインチューニング等が挙げられる。
【0029】
また、言語モデルは、既に学習してある言語モデルを使用し、より軽量な言語モデルを生み出す「蒸留」によって軽量化された言語モデルでもよい。これにより、情報提供装置1は、より軽量な処理により、迅速に情報を提供できる。特に、上述の学習データを用いた事前学習が行われた後に「蒸留」が行われた言語モデルを用いることにより、情報提供装置1は、質問から回答までの時間が事前学習によって長くなることを防ぐことができる。
【0030】
(申請書データベース)
申請書データベース(データベース)には、申請が採択された被採択補助金申請書の情報が格納される。当該情報は、採択された被採択補助金申請書の一部又は全部のデータを取得できるようにする情報を含むものであれば、特に限定されない。当該情報は、例えば、被採択補助金申請書の一部又は全部のデータ、被採択補助金申請書のURLの1以上を含む。受信した質問に含まれる事業の内容に応じた情報を情報提供装置1が提供することを可能とすべく、当該情報は、被採択補助金申請書に関する事業の内容・分類等と関連付けられて格納されることが好ましい。
【0031】
(音声認識モデル)
音声認識モデルは、質問(質問データ)の態様を音声からテキストに変換可能なモデルであれば、特に限定されない。音声認識モデルは、例えば、音響分析に関するモデル、音響モデル、言語モデル等を含む。
【0032】
音声認識モデルに音響分析に関するモデルが含まれることにより、情報提供装置1は、質問を構成する音声の特徴量(周波数や音の強弱)を調べ、音響モデルにおいて扱いやすいデータとして抽出し変換できる。
【0033】
音声認識モデルに音響モデルが含まれることにより、情報提供装置1は、音響分析においてデータ化された特徴量を事前学習された音響モデルのデータと照らし合わせ、音波の最小単位である音素を抽出できる。
【0034】
音声認識モデルに言語モデルが含まれることにより、情報提供装置1は、抽出された音素を正確なテキストデータに変換できる。認識精度を高めるため、音声認識モデルは、例えば、OpenAIによる音声認識モデルWhisper等によって例示される、ニューラルネットワークを用いたモデルであることが好ましい。
【0035】
(音声合成モデル)
音声合成モデルは、回答生成部112において生成された回答等のテキストデータを、該テキストデータを読み上げる音声に変換可能なモデルであれば、特に限定されない。音声合成モデルは、例えば、規則合成の音声合成モデル、波形接続型音声合成の音声合成モデル、統計的パラメトリック音声合成の音声合成モデル等でよい。
【0036】
なかでも、音声合成モデルは、隠れマルコフモデル音声合成、ニューラルネットワーク音声合成によって例示される統計的パラメトリック音声合成の音声合成モデルであることが好ましい。これにより、情報提供装置1は、隠れマルコフモデルに比べて表現力が高く、より自然な音声合成を行える。
【0037】
音声認識モデルと音声合成モデルとが記憶部12に格納されることにより、情報提供装置1は、音声対話によって、補助金申請書に関する書類作成のための情報を提供できる。特に、音声認識モデルと統計的パラメトリック音声合成の音声合成モデルとが記憶部12に格納されることにより、情報提供装置1は、人間と対話するときのような自然な音声対話によって、補助金申請書に関する書類作成のための情報を提供できる。
【0038】
[通信部13]
通信部13は、情報提供装置1をネットワークNに接続して端末T等と通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部13として、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、無線LANに接続可能なデバイス、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0039】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、情報提供装置1及び端末T等を互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0040】
〔端末T〕
端末Tは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。端末Tは、情報提供装置1から提供された情報を表示する処理、ユーザインタフェースを介した利用者の入力を情報提供装置1に提供する処理等を実行可能である。
【0041】
〔情報提供処理のメインフローチャート〕
図2は、本実施形態の情報提供装置1で実行される情報提供処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図3は、
図2から続く図である。
図4は、
図3から続く図である。以下は、
図2から
図4を用いた、本実施形態の情報提供装置1で実行される情報提供処理の好ましい流れの一例である。
【0042】
まず、制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して質問受信部111を実行する。そして、制御部11は、質問受信部111に関するステップS1の処理を実行する。
【0043】
[ステップS1:質問を受信]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、端末T等から質問を受信する処理を実行する(ステップS1、質問受信ステップ)。制御部11は、受信された質問を記憶部12に記憶し、処理をステップS2に移す。
【0044】
(質問について)
質問受信ステップで受信可能な質問の態様は、テキストの態様を少なくとも含む。質問受信ステップで受信される質問は、事業への補助金等の申請に用いられる補助金申請書の作成に関する質問を含む。以下、単に「受信された質問」とある場合は、質問受信ステップで受信された補助金申請書の作成に関する質問を指す。また、単に「受信された質問に関する事業」とある場合は、質問に関する補助金申請書と対応する事業を指す。加えて、質問受信ステップで受信可能な質問は、情報提供装置1が生成した回答において提供を促された情報が含まれた質問を含む。以下、このような質問は、「情報付質問」とも称される。
【0045】
補助金申請書に関する書類作成のための情報を情報提供装置1が音声対話によって提供できるようにすべく、質問受信ステップで受信可能な質問の態様は、音声の態様を含むことが好ましい。このとき、管理処理は、質問受信部111に関するステップS2からステップS3の処理を含むことが好ましい。
【0046】
[ステップS2:質問が音声の態様であるか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、ステップS1で受信された質問の態様が音声であるか判別する処理を実行する(ステップS2、質問態様判別ステップ)。音声であると判別したならば、制御部11は、処理をステップS3に移す。音声であると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0047】
[ステップS3:質問をテキストの態様に変換]
制御部11は、記憶部12と協働して、ステップS2で音声の態様であると判別された質問の態様を、記憶部12に格納された音声認識モデルを用いて、テキストの態様に変換する処理を実行する(ステップS3、音声認識ステップ)。制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0048】
続いて、制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して回答生成部112を実行する。そして、制御部11は、回答生成部112に関する処理である、ステップS4の処理を実行する。
【0049】
[ステップS4:質問に対する回答を生成させる]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、記憶部12等に格納されたGPTに、ステップS1で受信された質問に対する回答を生成させる処理を実行する(ステップS4、回答生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0050】
回答生成ステップは、ステップS1で受信された質問に対する回答であって、該受信された質問に関する事業に関する情報(事業情報)の提供を促す回答をGPTに生成させる。すなわち、制御部11は、記憶部12等に格納されたGPTのニューラルネットワークを該GPTに対応するエンジンで処理し、質問及び対話の履歴を入力として回答を生成する処理を実行する。
【0051】
このような生成は、例えば、「事業内容は、(※受信された質問に含まれる事業内容)です。この事業についての補助金申請書を仕上げる際に、申請に必要な要素の一覧から採択率の高い申請書にするために必要な情報及びデータを列挙してください。」とのプロンプトによって実現される。ただし、上述のプロンプトのうち「(※受信された質問に含まれる事業内容)」は、ステップS1で受信された質問又は該質問から抽出された事業内容によって置き換えられる。
【0052】
回答生成ステップは、事業情報の例示を含む回答をGPTに生成させる手順を含むことが好ましい。そのような回答をGPTに生成させるプロンプトとして、例えば、以下に例示する各種プロンプトが挙げられる。
【0053】
プロンプトの例:「補助金プログラムの目的とプロジェクトの関連性を強調する方法は?」、「プロジェクトのイノベーション性や独自性を示す方法は?」、「実現可能性、計画性、効果測定方法を説明する方法は?」、「プロジェクトがもたらす地域経済や産業界へのインパクトを説明する方法は?」、「プロジェクトの環境や持続可能性への取り組みを説明する方法は?」、「リスクとリスク管理方法を適切に示す方法は?」、「プロジェクトの実施体制やチームメンバーの役割を明確に示す方法は?」、「予算計画や費用対効果の評価方法を説明する方法は?」等。
【0054】
ステップS1で受信された質問が情報付質問である場合、回答生成ステップは、補助金等の申請書にさらに含めるべき事業情報の有無を判別し、そのような事業情報がある場合に、さらなる情報の提供を促す回答を生成させることが好ましい。このような生成は、例えば、「(※受信された情報付質問)採択率の高い申請書にするために必要な情報及びデータが不足しているようであれば教えてください。」とのプロンプトによって実現される。ただし、上述のプロンプトのうち「(※受信された情報付質問)」は、ステップS1で受信された情報付質問によって置き換えられる。これにより、情報提供装置1は、補助金等の申請書にさらに含めるべき事業情報を示す回答という、補助金等の採択率をよりいっそう高める情報を提供できる。
【0055】
処理の肥大化を防ぐべく、回答生成ステップは、回答生成におけるトークン数に上限(例えば、4096トークン)が設けられた手順であることが好ましい。「トークン」は、GPTにおける文字、単語等に相当する処理単位である。回答生成におけるトークン数は、履歴のトークン数、質問のトークン数、回答のトークン数の合計である。これにより、本実施形態の情報提供装置1は、回答生成における処理の肥大化を防ぎ、より迅速に情報を提供できる。
【0056】
回答生成ステップは、質問に対する回答の構成をGPTにより生成し、当該構成に含まれる回答要素をGPTによりさらに生成する手順を含むことが好ましい。これにより、情報提供装置1は、回答生成におけるトークン数に上限が設けられた場合であっても、トークン数の上限を上回る長さの回答を生成できる。
【0057】
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して読上部113を実行することが好ましい。このとき、制御部11は、読上部113に関する処理であるステップS5の処理を実行する。これにより、情報提供装置1は、音声対話によって、対象とするサービスの分野における多様な質問に対する正確な情報を提供できる。
【0058】
[ステップS5:回答を音声により読み上げ]
制御部11は、記憶部12と協働して、ステップS4で生成された回答を音声により読み上げる処理を実行する(ステップS5、読上ステップ)。制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0059】
読上ステップにおける読み上げの手順は、特に限定されず、従来技術の音声合成技術を用いた手順でよい。該手順は、パラメトリック音声合成の音声合成モデルを用いた手順を含むことが好ましい。これにより、情報提供装置1は、隠れマルコフモデルに比べて表現力が高く、より自然な音声合成を行える。該手順は、なかでも、隠れマルコフモデル音声合成より表現力が高く自然な音声合成を行える、ニューラルネットワーク音声合成を用いた手順を含むことが好ましい。
【0060】
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して事業データ受信部114を実行する。そして、制御部11は、事業データ受信部114に関する処理である、ステップS6の処理を実行する。
【0061】
[ステップS6:事業データが提供されたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、事業データが端末T等から提供されたか判別する処理を実行する(ステップS6、事業データ提供判別ステップ)。提供されたと判別したならば、制御部11は、提供された事業データを受信し、記憶部12に記憶して、処理をステップS7に移す。提供されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0062】
事業データ提供判別ステップにおける「事業データ」は、ステップS4で生成された回答に基づいて提供された事業データ等で良く、特に限定されない。事業データは、例えば、工程表、予測財務諸表等によって例示される事業計画に関するデータ、マーケットリサーチの結果によって例示される効果測定に関するデータ等を含む。
【0063】
事業データが受信された場合、制御部11は、記憶部12と協働して分析部115を実行する。そして、制御部11は、分析部115に関する処理を実行する。以下、分析部115に関する処理の一例として、ステップS7からステップS8の分析結果に関する図表を生成する一連の処理、及び、ステップS9からステップS10の定量的な評価を生成する一連の処理が説明される。分析部115に関する処理は、これらの処理に限定されず、事業データを分析する各種の処理を含む。当該処理は、例えば、類似する事業の一般的なデータと分析対象である事業データとを比較したコメントをGPTに生成させる処理を含む。
【0064】
分析部115に関する処理を実行することにより、情報提供装置1は、GPTによって生成された事業情報の提供を促す回答に基づいて提供された事業データを受信し、その分析結果を生成できる。すなわち、本実施形態の情報提供装置1は、補助金等の申請書に含めるべき事業データの分析結果という、補助金等の採択率をよりいっそう高める情報を提供できる。これにより、情報提供装置1は、補助金等の申請書の作成を支援できる。
【0065】
[ステップS7:図表を生成するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、ステップS6で受信された事業データの分析結果に関する図表を生成するか判別する処理を実行する(ステップS7、図表生成判別ステップ)。生成すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS8に移す。生成すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0066】
図表生成判別ステップは、特に限定されず、例えば、利用者から図表を生成せよとの指示があった場合に図表を生成すると判別する手順、事業データに基づいてGPTが図表の生成が可能であるとの回答を生成した場合に図表を生成すると判別する手順等でよい。
【0067】
[ステップS8:分析結果に関する図表を生成]
制御部11は、記憶部12と協働して、ステップS7で生成すると判別された分析結果に関する図表を生成する処理を実行する(ステップS8、図表生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0068】
図表生成ステップは、特に限定されない。該ステップは、例えば、事業データの流れ図、事業データのチャート、事業データのグラフ、事業データの表、事業データのインフォグラフィックをRPA等によって例示される各種の従来技術により生成する手順を含む。
【0069】
上述の手順で図表を生成することにより、情報提供装置1は、事業データの分析結果を示す図表を生成できる。すなわち、図表生成ステップを含む情報提供処理を実行するよう構成された情報提供装置1は、データ分析プラグインに相当する機能を提供できる。すなわち、このように構成された情報提供装置1は、補助金等の申請書に含めるべき事業データの分析結果の図表という、補助金等の採択率をよりいっそう高める情報を提供できる。これにより、情報提供装置1は、補助金等の申請書の作成を支援できる。
【0070】
[ステップS9:定量的な評価を生成するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、ステップS6で受信された事業データの分析結果に含める定量的な評価を生成するか判別する処理を実行する(ステップS9、定量的評価生成判別ステップ)。生成すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS10に移す。生成すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0071】
定量的評価生成判別ステップは、特に限定されず、例えば、利用者から定量的な評価を生成せよとの指示があった場合に定量的な評価を生成すると判別する手順、事業データに基づいてGPTが定量的な評価の生成が可能であるとの回答を生成した場合に定量的な評価を生成すると判別する手順等でよい。
【0072】
[ステップS10:定量的な評価を生成]
制御部11は、記憶部12と協働して、ステップS9で生成すると判別された定量的な評価を生成する処理を実行する(ステップS10、定量的評価生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0073】
定量的評価生成ステップは、特に限定されない。該ステップは、例えば、事業が社会又は環境に与える影響の定量的な評価をRPA等によって例示される従来技術により生成する手順を含む。また、該ステップは、例えば、予測財務諸表に基づく各種キャッシュフロー・実質期間損益等を同様に生成する手順を含む。
【0074】
上述の手順で定量的な評価を生成することにより、情報提供装置1は、事業データの分析結果に含める定量的評価を生成できる。よって、定量的評価生成ステップを実行するよう構成された情報提供装置1は、インパクト評価プラグインに相当する機能を提供できる。すなわち、このように構成された情報提供装置1は、補助金等の申請書に含めるべき事業データの定量的評価という、補助金等の採択率をよりいっそう高める情報を提供できる。よって、情報提供装置1は、補助金等の申請書の作成を支援できる。
【0075】
情報提供処理は、補助金申請書案に関する各種情報を提供する処理を含むことが好ましい。該処理において、制御部11は、まず、記憶部12と協働して申請書案受信部116を実行する。そして、制御部11は、申請書案受信部116に関するステップS11の処理を実行する。
【0076】
[ステップS11:補助金申請書案を受信できるか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、補助金申請書案を端末T等から受信できるか判別する処理を実行する(ステップS11、申請書案受信判別ステップ)。受信できると判別したならば、制御部11は、補助金申請書案を受信し、記憶部12に記憶して、処理をステップS12に移す。受信できると判別しなかったならば、制御部11は、処理を提供ステップに移す。補助金申請書案は、例えば、本実施形態の情報提供装置1から提供された各種情報に基づいて起案された補助金申請書案等である。
【0077】
以下、補助金申請書案を受信した場合に実行される各種情報を提供する処理の一例として、補助金申請書案の修正案を生成するステップS12の処理、類似申請書の情報を付与するステップS13からステップS14の処理、及び、申請書案の要約を生成するステップS15からステップS16の処理が説明される。各種情報を提供する処理は、これらの処理に限定されず、ステップS11で受信された補助金申請書案に関する情報を提供する各種の処理を含む。当該処理は、例えば、補助金申請書案の訳文をGPTに生成させる処理を含む。
【0078】
補助金申請書案の修正案を生成するステップS12の処理において、制御部11は、まず、記憶部12と協働して修正案生成部117を実行する。そして、制御部11は、修正案生成部117に関するステップS12の処理を実行する。
【0079】
[ステップS12:補助金申請書案の修正案を生成]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、記憶部12等に格納されたGPTに、ステップS11で受信された補助金申請書案の修正案を生成させる処理を実行する(ステップS12、修正案生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0080】
修正案生成ステップは、特に限定されない。修正案生成ステップは、例えば、「(※補助金申請書案)この補助金申請書案の誤字脱字、文法、及び表現の誤り並びにそれらの修正案を挙げてください。」とのプロンプト等によって実現される。ただし、上述のプロンプトのうち「(※補助金申請書案)」は、ステップS11で受信された補助金申請書案によって置き換えられる。
【0081】
記載事項の書き方に専門的な知識を要す申請書の作成において、適切な書き方の申請書を作成するのは、容易でない場合がある。修正案生成ステップを含む情報提供処理を実行するよう構成された情報提供装置1は、文章校正プラグインに相当する機能を提供できる。すなわち、このように構成された情報提供装置1は、記載事項の書き方に関する専門的な知識を有していない申請者に、適切な書き方の申請書に改めるための情報を提供できる。これにより、情報提供装置1は、補助金等の申請書の作成を支援できる。
【0082】
類似申請書の情報を付与するステップS13からステップS14の処理において、制御部11は、まず、記憶部12と協働して分析部115を実行する。そして、制御部11は、分析部115に関するステップS13からステップS14の処理を実行する。
【0083】
[ステップS13:類似申請書の情報が格納されているか判別]
制御部11は、記憶部12と協働して、ステップS11で受信された補助金申請書案に類似する被採択補助金申請書(類似申請書)の情報が申請書データベースに格納されているか判別する処理を実行する(ステップS13、類似申請書判別ステップ)。格納されていると判別したならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。格納されていると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0084】
類似申請書判別ステップは、特に限定されない。類似申請書判別ステップは、例えば、事業の内容・分類がステップS11で受信された補助金申請書案と一致又は類似するかに基づいて類似申請書を検索するクエリを申請書データベースに対して実行し、当該クエリの実行結果に1以上の類似申請書が含まれる場合に格納されていると判別する手順を含む。
【0085】
[ステップS14:類似申請書の情報を付与]
制御部11は、記憶部12と協働して、ステップS13で格納されていると判別された類似申請書の情報を出力に付与する処理を実行する(ステップS14、類似申請書情報付与ステップ)。制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0086】
類似申請書情報付与ステップは、特に限定されない。該ステップは、例えば、被採択補助金申請書の一部又は全部のデータ、被採択補助金申請書のURLの1以上を出力に付与する手順を含む。
【0087】
類似申請書情報付与ステップを実行するよう構成された情報提供装置1は、同様の事業・補助金における補助金申請が採択されたときの補助金申請書という、補助金等の採択率をよりいっそう高める情報を提供できる。すなわち、このように構成された情報提供装置1により、利用者は、類似した過去の申請書を比較し、成功した申請書から学ぶことができる。
【0088】
申請書案の要約を生成するステップS15からステップS16の処理において、制御部11は、まず、記憶部12と協働して分析部115を実行する。そして、制御部11は、分析部115に関するステップS15からステップS16の処理を実行する。
【0089】
[ステップS15:申請書案の要約を生成するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、ステップS11で受信した申請書案の要約を生成するか判別する処理を実行する(ステップS15、要約生成判別ステップ)。生成すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。生成すると判別しなかったならば、制御部11は、処理を提供ステップに移す。
【0090】
[ステップS16:申請書案の要約を生成]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、記憶部12等に格納されたGPTに、ステップS11で受信された補助金申請書案の要約を生成させる処理を実行する(ステップS16、要約生成ステップ)。制御部11は、処理を提供ステップに移す。
【0091】
大規模なテキストデータのコーパスで訓練されているGPTを用いることにより、情報提供装置1は、事業の内容を問わず、補助金申請書案の要約を生成できる。そして、情報提供装置1は、専門的な書き方で書かれた補助金申請書案が読みやすい要約の形でまとめられた情報という、書類作成のために有益な情報を提供できる。すなわち、要約生成ステップを実行するよう構成された情報提供装置1は、自動要約機能を提供できる。
【0092】
[提供ステップ]
ステップS1からステップS16の処理の後、制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して提供部118を実行する。そして、制御部11は、提供部118に関する処理である、これらのステップにおいて生成・付与等された情報を端末T等に提供する処理(提供ステップ)を実行する。これにより、本実施形態の情報提供装置1は、書類作成のための各種情報を提供できる。よって、本実施形態の情報提供装置1は、各種情報の提供により、補助金等の申請書の作成を支援できる。
【0093】
[インタラクティブなフィードバック]
情報提供処理は、利用者が提案内容を入力すると、リアルタイムでフィードバックを提供し、改善点を提案する処理を含むよう構成されていることが好ましい。これにより、情報提供装置1は、インタラクティブなフィードバック機能を提供できる。該処理は、例えば、テキストボックスに質問が入力されたときにその質問を情報提供装置1に送信し、情報提供装置1から該質問への回答を受信して表示するよう構成されたスクリプトを含むWebページの表示を端末Tに指令する手順等によって実現される。
【0094】
<使用例>
以下、情報提供装置1の使用例が説明される。
【0095】
〔質問の送信〕
まず、端末Tを介して情報提供装置1を利用する利用者は、事業「新規ソフトウェア開発」への補助金申請書の作成に関する第1質問Q1「新規ソフトウェア開発に対する補助金でいいものがあったら教えてください。」を情報提供装置1に送信する。情報提供装置1は、送信された質問を受信する。
【0096】
〔回答の生成〕
図5は、本実施形態の情報提供処理において生成された情報の提供を促す回答の一例である。
図5に描かれた端末Tの画面には、送信された質問(第1質問Q1)及び情報提供装置1において生成された回答(第1回答A1・第2回答A2)が表示されている。
【0097】
情報提供装置1は、送信された第1質問Q1「新規ソフトウェア開発に対する補助金でいいものがあったら教えてください。」に対し、経済産業省が管轄する「ものづくり補助金」等の利用を提案する第1回答A1を生成する。情報提供装置1は、さらに、「開発内容の詳細説明」「開発の目的と効果」「開発の工程計画」「開発の技術的な詳細」「財務情報」「事業者情報」の各種情報の提供を促す第2回答A2を生成する。
【0098】
第2回答A2は、「開発内容の詳細説明:開発するソフトウェアの詳細な説明や技術的な解決すべき課題の記載が必要です」、「開発の目的と効果:ソフトウェア開発によってどのような目的や効果を達成するかを明確に説明し、事業計画の妥当性を証明する必要があります。」、「開発の技術的な詳細:使用する技術の詳細、開発環境や開発ツール、関連する特許やライセンスなどの情報が必要です。」との回答により、ソフトウェア開発の事業で補助金を申請する場合に必要な具体的な情報の提供を促す。これにより、利用者は、補助金申請書についての専門的な知識がない場合であっても、補助金の採択率を高め得る具体的な情報を補助金申請書に含めることができる。
【0099】
また、第2回答A2は、「開発の工程計画:ソフトウェア開発の工程や期間、人員、予算などを明確に計画し、プロジェクトの進行管理を証明する必要があります。」、「財務情報:事業計画に基づく財務情報(予算、投資額、収支計画など)を提出する必要があります」、「事業者情報:事業者の法人登記簿謄本や役員名簿、従業員数、資本金などの情報が必要です。」、「その他必要な書類:申請書に必要な書類(申請書、事業計画書、開発計画書、資料請求書など)があります。」との回答により、ソフトウェア開発の事業で補助金を申請する場合に必要な具体的な事業データの提供を促す。これにより、利用者は、補助金申請書についての専門的な知識がない場合であっても、補助金の採択率を高め得る具体的な事業データを補助金申請書に含めることができる。
【0100】
〔情報・データの提供〕
利用者は、
図5の入力領域Iを介して「開発内容の詳細説明」「開発の目的と効果」「開発の工程計画」「開発の技術的な詳細」等に関する情報を入力する。端末Tは、情報提供装置1に入力された情報を送信する。情報提供装置1は、送信された情報を受信する。また、利用者は、
図5の入力領域Iを介して「財務情報」に関する予算、投資額、収支計画などの事業データを提供する。端末Tは、情報提供装置1に提供された事業データを送信する。情報提供装置1は、送信された事業データを受信する。
【0101】
〔分析結果の生成〕
情報提供装置1は、受信された事業データの分析結果を生成する。また、情報提供装置1は、利用者の指示に応じて、図表等の態様の分析結果及び事業が社会又は環境に与える影響の定量的な評価が含まれた分析結果を生成する。
【0102】
図6は、本実施形態の情報提供処理において生成された分析結果の一例である。
図6に描かれた端末Tの画面には、図表等及び定量的評価の生成を指令する第2質問Q2、情報提供装置1によって生成された図表等(第1図表等F1、第2図表等F2、第3図表等F3)及び情報提供装置1において生成された定量的な評価を含む第3回答A3が表示されている。
【0103】
第1図表等F1は、新規ソフトウェア開発の事業における開発の流れを示すフローチャートである。情報提供装置1は、開発の流れに関する事業データからフローチャートを生成することにより、採択率を高めるべく開発の流れがビジュアル化された補助金申請書の作成を支援できる。
【0104】
第2図表等F2は、新規ソフトウェア開発の事業における開発スケジュールを示すガントチャートである。情報提供装置1は、開発スケジュールに関する事業データからガントチャートを生成することにより、採択率を高めるべく開発スケジュールがビジュアル化された補助金申請書の作成を支援できる。
【0105】
第3図表等F3は、新規ソフトウェア開発の事業における予測売上高の推移を示すグラフである。情報提供装置1は、予測売上高の推移に関する事業データからグラフを生成することにより、採択率を高めるべく予測売上高の推移がビジュアル化された補助金申請書の作成を支援できる。
【0106】
図6に示された第3回答A3は、環境アセスメント、社会的責任評価、ライフサイクルアセスメント、経済的影響評価に関する定量的評価を含む。第3回答A3が環境アセスメントに関する定量的評価を含むことにより、情報提供装置1は、環境に対する影響、対策、環境保全費用等を事前に評価した定量的評価を示す補助金申請書の作成を支援できる。第3回答A3が社会的責任評価に関する定量的評価を含むことにより、情報提供装置1は、企業の社会的・環境的な取り組み、政策、報告書等を事前に評価した定量的評価を示す補助金申請書の作成を支援できる。第3回答A3がライフサイクルアセスメントに関する定量的評価を含むことにより、情報提供装置1は、製品・サービスの生産、使用、廃棄等のフェーズにおける環境負荷を事前に評価した定量的評価を示す補助金申請書の作成を支援できる。第3回答A3が経済的影響評価に関する定量的評価を含むことにより、情報提供装置1は、プロジェクトがもたらす経済効果、雇用効果等を事前に評価した定量的評価を示す補助金申請書の作成を支援できる。
【0107】
〔申請書案の送信〕
利用者は、端末Tを介して、情報提供装置1により提供された回答に基づいて作成した補助金申請書案を情報提供装置1に送信する。情報提供装置1は、送信された補助金申請書案を受信する。情報提供装置1は、受信された補助金申請書案の修正案を生成し、端末Tに送信する。利用者は、端末Tを介して修正案を確認し、補助金申請書案を修正する。
【0108】
利用者は、端末Tを介して、送信された補助金申請書案の要約を情報提供装置1に指示する。情報提供装置1は、送信された補助金申請書案の要約を生成し、端末Tに送信する。利用者は、端末Tを介して要約を確認する。これにより、利用者は、自らの意図通りの申請書案であるか否かを要約の確認を介して把握することができる。そして、利用者は、意図と異なる申請書案である場合に、該要約を用いて申請書案を改善することができる。
【0109】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
S システム
1 情報提供装置
11 制御部
111 質問受信部
112 回答生成部
113 読上部
114 事業データ受信部
115 分析部
116 申請書案受信部
117 修正案生成部
118 提供部
12 記憶部
13 通信部
N ネットワーク
T 端末
【要約】
【課題】書類作成に有益な情報の提供等を介して補助金等の申請書の作成を支援する手段を提供すること。
【解決手段】本発明の情報提供装置1は、事業への補助金、助成金その他の補助金等の申請に用いられる補助金申請書の作成に関する質問を受信するよう構成された質問受信部111と、前記質問に対する回答であって、前記事業に関するデータの提供を促す回答をGPTに生成させるよう構成された回答生成部112と、前記事業のデータであって、前記回答に基づいて提供された事業データを受信するよう構成された事業データ受信部114と、前記事業データに対する分析結果を生成するよう構成された分析部115と、を備える。
【選択図】
図1