(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】テーブルクッション
(51)【国際特許分類】
A47B 37/00 20060101AFI20241111BHJP
【FI】
A47B37/00 504A
(21)【出願番号】P 2020197653
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591115279
【氏名又は名称】株式会社アイリス
(74)【代理人】
【識別番号】100182154
【氏名又は名称】吉田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】大隅 洋
(72)【発明者】
【氏名】青山 直樹
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-022377(JP,A)
【文献】特開2014-018991(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0032953(KR,A)
【文献】実公昭58-001241(JP,Y2)
【文献】登録実用新案第3174416(JP,U)
【文献】米国特許第08863672(US,B1)
【文献】西独国特許出願公開第03508184(DE,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 37/00
A47B 13/12
A47B 13/08
A47C 27/00
A47C 20/00
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状に形成され、全部又は一部が光を透過する透明又は半透明の天板部(10)と、
前記天板部に着脱自在に配置され、載置する箇所に応じて変形可能なクッション材で形成され、前記天板部を支持する支持部(20)と、
前記支持部の表面側に区画され
た一又は複数の有底の凹みであり、前記天板部の背面側で
、立体形状の鑑賞物(D)を収容する
変形可能な区画部(30)と
を備えることを特徴とするテーブルクッション。
【請求項2】
請求項1に記載されたテーブルクッションであって、
前記支持部に取り付けられ、前記天板部における外周縁の全部又は一部を覆う被覆部(40)と
を備えることを特徴とするテーブルクッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルクッションに関する。さらに詳しく説明すると、本発明は、好みの鑑賞物を収容できるテーブルクッションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テーブルとクッションが一体になったテーブルクッションが販売されている。テーブルクッションは、使用者がリラックスしている状態で、作業をする際に使用される。例えば、使用者は、椅子に着席している状態で、膝の上にテーブルクッションを載せて、本を読んだり、パーソナルコンピュータを使用することができる。また、使用者は、ベッドの上で寝そべった状態で、テーブルクッションをベッドの上に載せて、本を読んだり、パーソナルコンピュータを使用することができる。このように、様々な状況で使用できるテーブルクッションが存在するが、特許文献を基に従来の技術を説明する。
【0003】
例えば、軽量かつコンパクトで、携帯性にすぐれ、外出先のベンチ等でも使用できるコンパクトテーブルの技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、 自動車走行中でも、膝の上に載せたテーブルが動かず、落ち着いて飲食することが出来、化粧台テーブルとして、書類記入用、ノートパソコン用テーブルとして、又室内、室外においても多方面で利用可能で、持ち運び出来る携帯用多機能テーブルの技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、既存品のテーブルクッションには、天板部やクッション部に加飾をしたり、キャラクターなどの柄を印刷しているものがある。
【0004】
しかし、特許文献1や2に示された技術や既存品では、使用者がテーブルクッションを自分好みに変更できないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-165980公報
【文献】実用新案登録第3174416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような社会的、技術的背景に基づいたものであり、次のような目的を達成する。本発明の目的は、好みの鑑賞物を収容できるテーブルクッションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
(1)請求項1のテーブルクッションは、平板状に形成され、全部又は一部が光を透過する透明又は半透明の天板部(10)と、前記天板部に着脱自在に配置され、載置する箇所に応じて変形可能なクッション材で形成され、前記天板部を支持する支持部(20)と、前記支持部の表面側に区画された一又は複数の有底の凹みであり、前記天板部の背面側で、立体形状の鑑賞物(D)を収容する変形可能な区画部(30)とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2のテーブルクッションは、請求項1に記載されたテーブルクッションであって、前記天板部は、前記天板部における外周縁の全部又は一部を覆う被覆部(40)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明のテーブルクッションは好みの鑑賞物を収容できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第一実施形態のテーブルクッション1の外観図である。
【
図2】
図2は、テーブルクッション1を分解した状態を示す外観図である。
【
図3】
図3は、テーブルクッション1を分解した状態を示す側面図である。
【
図4】
図4は、テーブルクッション1の一部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態の概要
本実施形態のテーブルクッション1は、平板状に形成され、全部又は一部が光を透過する透明又は半透明の天板部10と、天板部10に着脱自在に配置され、載置する箇所に応じて変形可能なクッション材で形成され、天板部10を支持する支持部20と、支持部20の表面側に区画され、天板部10の背面側で鑑賞物Dを収容する区画部30とを備える。テーブルクッション1は、使用者好みの鑑賞物Dを区画部30に収容することができる。
【0011】
(2)実施形態の詳細
〔第一実施形態〕
第一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、第一実施形態のテーブルクッション1の外観図であり、
図1(b)は、テーブルクッション1の断面を示す断面図である。
図2は、テーブルクッション1を分解した状態を示す外観図である。
図3は、テーブルクッション1を分解した状態を示す側面図である。
図4(a)は、
図1(b)のR1部分を示す拡大図であり、
図4(b)及び(c)は、
図3のR2部分を示す拡大図である。
【0012】
〔テーブルクッション1〕
第一実施形態におけるテーブルクッション1は、例えば、使用者が椅子に着席している状態で、膝の上に支持部20を載せて、天板部10の上に本やパーソナルコンピュータ等を載置して使用することができる。テーブルクッション1は、
図1(a)に示すように外形が略円筒形状に形成され、
図1(b)に示すように、断面視略トーラス形状に形成されている。テーブルクッション1は、天板部10、支持部20とから構成されている。テーブルクッション1は、天板部10と支持部20との間に区画された区画部30に鑑賞物Dを収容できる。
【0013】
〔天板部10〕
天板部10は、使用者が作業等に使用する平らな板であり、支持部20の上に着脱自在に載置される。
図1及び2に示すように、天板部10は、平板状に形成され、光を透過する透明なアクリル板で形成されている。本例において、天板部10の寸法は、例えば直径が440mm、厚みが2mmの円形の平板形状に形成されている。天板部10は、支持部20に載置された状態で、天板部10の外周縁を被覆部40に覆われることで、支持部20に支持される。天板部10は、全部又は一部が光を透過する透明又は半透明の部材であれば、アクリル板に限らず、他の部材でも良い。
【0014】
〔支持部20〕
支持部20は、天板部10を支持する支持部材であり、天板部10を着脱自在に載置できる。
図1及び2に示すように、支持部20は、略トーラス形状に形成され、載置された箇所に応じて変形可能なクッション材で形成されている。
図1(a)に示すように、支持部20は、表面生地21、背面生地25、側面生地28及び発泡ビーズ29とから構成されたクッションである。表面生地21、背面生地25及び側面生地28は、肌触りが良く、変形可能なポリエステル繊維から形成されている。
【0015】
支持部20は、表面生地21、背面生地25及び側面生地28とが縫製されて形成されている。表面生地21は、背面生地25及び側面生地28と縫製されることで、表面部22、第一底部23及び被覆部40に区画される。表面部22は、
図1(b)に示すように、天板部10側から第一底部23側にかけて径が徐々に窄まる有底の漏斗状に形成されている。表面部22は、
図1(b)に示すように、支持部20の表面外側において、被覆部40と連なり、支持部20の中段内側において、第一底部23と連なっている。第一底部23は、
図1(a)に示すように、支持部20の略中央において、円形形状に形成されている。第一底部23は、支持部20の中段内側において、表面部22と連なり、第二底部27と縫製されている。
【0016】
背面生地25は、表面生地21及び側面生地28と縫製されることで、背面部26、第二底部27に区画される。背面部26は、
図1(b)に示すように、底面側から第二底部27側にかけて径が徐々に窄まる有底の漏斗状に形成されている。背面部26は、
図1(b)に示すように、支持部20の中段内側において、第二底部27と連なっている。第二底部27は、支持部20の略中央において、円形形状に形成されている。第二底部27は、支持部20の中段内側において、背面部26と連なり、第一底部23と縫製されている。
【0017】
側面生地28は、表面生地21及び背面生地25と縫製されることで、
図1(b)に示すように、略円筒形状に形成されている。支持部20は、表面生地21、背面生地25及び側面生地28とが縫製されることで、トーラス形状に区画された袋部29hが形成されている。袋部29hには、緩衝材となる詰物として発泡ビーズ29が詰め込まれている。発泡ビーズ29は、ポリスチレン等の合成樹脂の発泡体であり、略円柱形状に形成され、撓み変形又は弾性変形可能である。本例において、発泡ビーズ29は、径寸法が1.0mm以下のマイクロビーズを使用している。
【0018】
〔区画部30〕
区画部30は、鑑賞物Dを収容するために区画される箇所である。
図1に示すように、区画部30は、支持部20の表面側に形成された有底の漏斗状の凹みとなる表面部22と、平板状の天板部10とで区画されている。区画部30内には、一又は複数の鑑賞物Dを収容できる。区画部30に収容された鑑賞物Dは、透明な天板部10を通して、鑑賞することができる。本例において、区画部30は、支持部20の表面側に1カ所形成されているが、複数形成されても良い。
【0019】
〔被覆部40〕
被覆部40は、支持部20表面側において、天板部10を着脱自在に固定する部材である。被覆部40は、
図1(a)に示すように、支持部20の表面外側において、表面生地21が内側に折り返されて、天板部10の外周縁を覆うように輪状に形成されている。被覆部40は、支持部20の表面外側において、表面部22と連なっている。被覆部40に外周縁を覆われた天板部10は、
図4(a)に示すように、表面部22及び被覆部40との間に挟み込まれしっかりと固定される。被覆部40は、天板部10の外周縁全体を覆うため、使用者の腕等が天板部10の縁の角に直接触れない。
【0020】
〔鑑賞物D〕
鑑賞物Dは、使用者が好んでいる人形、マスコット、フィギュア、玩具、文房具、装飾品その他の品物等である。使用者は、テーブルクッション1の区画部30に、好みの鑑賞物Dを収容することで、テーブルクッション1を自分好みに変更することができる。使用者は、テーブルクッション1の天板部10や支持部20の模様等を取り替えることなく、テーブルクッション1を自分好みに変更することができる。なお、鑑賞物Dは、一つに限らず複数収容することができる。また、鑑賞物Dは、異なる種類の鑑賞物Dを複数収容しても良い。例えば、使用者は、鑑賞物Dとして、同じアニメーションに登場するキャラクターの人形を複数入れても良い。また、使用者は、鑑賞物Dとして、同じアニメーションに登場するキャラクターの人形と、そのキャラクターに関連する模様の生地等を入れても良い。
【0021】
〔テーブルクッション1の組み立て方法〕
次に、以上のように構成されたテーブルクッション1を組み立てる方法について説明する。
図2及び
図3に示すように、テーブルクッション1を構成する天板部10、支持部20及び鑑賞物Dを用意する。使用者は、テーブルクッション1の区画部30に好みの鑑賞物Dを収容する。使用者は、
図4(b)に示すように、表面部22に近接している被覆部40を持ち上げて、
図4(c)に示すように、被覆部40と表面部22との間に隙間を拡げる。使用者は、
図4(a)に示すように、拡げられた隙間に天板部10を嵌め込み、持ち上げた被覆部40を下ろす。使用者は、天板部10における外周縁の全部について被覆部40で覆う。
【0022】
このように形成されたテーブルクッション1は、使用者の好みの鑑賞物Dを収容できる。テーブルクッション1は、変形が自在な支持部20で区画された区画部30に収容されるため、鑑賞物Dが変形することがない。テーブルクッション1は、変形が自在な支持部20を有しているため、天板部10の面の傾きや鑑賞物Dを鑑賞しやすい角度に調整することができる。例えば、使用者は、膝の上にテーブルクッション1を載せた状態で、天板部10の面の傾きを作業しやすい角度にすることができる。
【0023】
テーブルクッション1は、外周縁の全部について被覆部40で覆われ、使用者の腕等が天板部10の縁の角に直接触れないため、痛みを防ぐことができる。さらに、テーブルクッション1は、天板部10を外すと単なるクッションとしても利用可能になる。使用者は、自分好みの鑑賞物Dを収容したテーブルクッション1を、スマートフォン等で撮影をして、写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービスに投稿することができる。
【0024】
以上、本発明の実施の形態の説明を行ったが、本発明は、この実施の形態に限定されることはなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内で変更ができる。天板部10は、アクリル板に限らず全部又は一部が光を透過する透明又は半透明であれば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリスチレン、ABS及びポリカーボネートその他の合成樹脂でも良いし、ガラス等でも良い。支持部20は、ポリエステル繊維に限らず、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリイミド系樹脂から形成された繊維でも良い。
【0025】
本例において、テーブルクッション1は、外形が略円筒形状に形成されているが、例えば、三角、四角、その他の多角形を基準とした立体形状でも良いし、星形、ハート型等の形状を基準とした立体形状でも良い。本例において、被覆部40は、表面生地21が内側に折り返されて、形成されているが、他の生地を縫製して形成しても良い。また、被覆部40は、天板部10を着脱自在に固定するのであれば、生地ではなく、他の部材(例えば、ゴム、面ファスナー等)であっても良い。本例において、区画部30には、鑑賞物Dとして品物等を入れてるが、例えば、品物を見やすくする照明や、品物を電飾する光源等を入れても良い。
【0026】
本例において、袋部29hには、緩衝材となる詰物として発泡ビーズ29が詰め込まれているが、他の部材(例えば、綿、パイプ、ストロー等)であっても良い。発泡ビーズ29は、ポリスチレン等の合成樹脂の発泡体に限らず、ポリエチレン等その他の合成樹脂の発泡体でも良いし、発泡していない合成樹脂でも良い。発泡ビーズ29は、径寸法が1.0mm以下のマイクロビーズを使用しているが、テーブルクッション1の用途等に応じて他の大きさのものに変更しても良い。テーブルクッション1は、発泡ビーズ29の径寸法が小さい程、支持部20の変形が滑らかになり程よい弾力を有し、使用者の体に合うようになる。
【符号の説明】
【0027】
1 :テーブルクッション
10 :天板部
20 :支持部
30 :区画部
40 :被覆部