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特許7584788聴覚機能訓練装置、聴覚機能訓練方法、及び、聴覚機能訓練プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】聴覚機能訓練装置、聴覚機能訓練方法、及び、聴覚機能訓練プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61F 11/00 20220101AFI20241111BHJP
   G09B 21/00 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
A61F11/00 320
G09B21/00 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021000169
(22)【出願日】2021-01-04
(65)【公開番号】P2022105402
(43)【公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100131428
【弁理士】
【氏名又は名称】若山 剛
(72)【発明者】
【氏名】川島 隆太
(72)【発明者】
【氏名】野内 類
(72)【発明者】
【氏名】河田 百合子
【審査官】丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-114038(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109509485(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 11/00
G09B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
訓練者の聴覚機能を訓練する聴覚機能訓練装置であって、
音圧が設定可能であるとともに、少なくとも1つの認知課題からなり、前記訓練者の認知機能が活発に用いられるようにするための認知課題群をそれぞれ表す音群を、前記設定された音圧にて発生する音発生部と、
前記訓練者が前記音群を聴取することにより行われた、前記認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得する情報取得部と、
前記取得された正誤情報に基づいて前記音圧を決定する音圧決定部と、
を備える、聴覚機能訓練装置。
【請求項2】
請求項1に記載の聴覚機能訓練装置であって、
前記音圧決定部は、前記取得された正誤情報が、前記認知課題群の達成を表す達成条件を満足する場合、前記音圧として、当該正誤情報の基となった前記音群の音圧よりも小さい値を決定する、聴覚機能訓練装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の聴覚機能訓練装置であって、
前記音圧決定部は、前記取得された正誤情報が、前記認知課題群の未達を表す未達条件を満足する場合、前記音圧として、当該正誤情報の基となった前記音群の音圧よりも大きい値を決定する、聴覚機能訓練装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の聴覚機能訓練装置であって、
前記音発生部は、前記認知課題群の難易度が設定可能であるとともに、前記設定された難易度の認知課題群をそれぞれ表す音群を、前記設定された音圧にて発生し、
前記聴覚機能訓練装置は、前記音圧の変化に伴って変化するように前記難易度を決定する難易度決定部を備える、聴覚機能訓練装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の聴覚機能訓練装置であって、
前記認知課題群は、エピソード記憶機能が用いられるエピソード記憶課題と、作業記憶機能が用いられる作業記憶課題と、注意機能が用いられる注意課題と、のうちの少なくとも1つを含む、聴覚機能訓練装置。
【請求項6】
請求項5に記載の聴覚機能訓練装置であって、
前記エピソード記憶課題は、単語群を表す音群が順に発生させられ、
前記作業記憶課題は、数字群を表す音群が順に発生させられ、
前記注意課題は、音節群の中から選択された音節を表す音が発生させられる、聴覚機能訓練装置。
【請求項7】
健康な人である訓練者の聴覚機能を訓練する聴覚機能訓練方法であって、
少なくとも1つの認知課題からなり、前記訓練者の認知機能が活発に用いられるようにするための第1認知課題群をそれぞれ表す第1音群を第1音圧にて発生し、
前記訓練者が前記第1音群を聴取することにより行われた、前記第1認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得し、
前記取得された正誤情報に基づいて第2音圧を決定し、
少なくとも1つの認知課題からなり、前記訓練者の認知機能が活発に用いられるようにするための第2認知課題群をそれぞれ表す第2音群を前記第2音圧にて発生する、
ことを含む、聴覚機能訓練方法。
【請求項8】
訓練者の聴覚機能を訓練する聴覚機能訓練装置によって行われる聴覚機能訓練方法であって、
少なくとも1つの認知課題からなり、前記訓練者の認知機能が活発に用いられるようにするための第1認知課題群をそれぞれ表す第1音群を第1音圧にて発生し、
前記訓練者が前記第1音群を聴取することにより行われた、前記第1認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得し、
前記取得された正誤情報に基づいて第2音圧を決定し、
少なくとも1つの認知課題からなり、前記訓練者の認知機能が活発に用いられるようにするための第2認知課題群をそれぞれ表す第2音群を前記第2音圧にて発生する、
ことを含む、聴覚機能訓練方法。
【請求項9】
訓練者の聴覚機能を訓練するための処理をコンピュータに実行させる聴覚機能訓練プログラムであって、
前記処理は、
少なくとも1つの認知課題からなり、前記訓練者の認知機能が活発に用いられるようにするための第1認知課題群をそれぞれ表す第1音群を第1音圧にて発生させ、
前記訓練者が前記第1音群を聴取することにより行われた、前記第1認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得し、
前記取得された正誤情報に基づいて第2音圧を決定し、
少なくとも1つの認知課題からなり、前記訓練者の認知機能が活発に用いられるようにするための第2認知課題群をそれぞれ表す第2音群を前記第2音圧にて発生させる、
ことを含む、聴覚機能訓練プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、聴覚機能訓練装置、聴覚機能訓練方法、及び、聴覚機能訓練プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
訓練者の聴覚機能を訓練する聴覚機能訓練装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の聴覚機能訓練装置は、訓練者が聞き取りにくい周波数が強調された可聴音信号を用いることにより、訓練者の聴覚機能を訓練する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-282820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願の発明者らは、鋭意検討の結果、訓練者の認知機能が活発に用いられている状態において、訓練者の聴覚機能が音圧の低下に適応する能力が高められやすいことを見出した。
【0005】
しかしながら、上記聴覚機能訓練装置においては、可聴音信号が用いられるとともに、訓練にて可聴音信号の強度が変化しない。このため、上記聴覚機能訓練装置においては、訓練者の聴覚機能を向上できない場合がある、という課題があった。
【0006】
本発明の目的の一つは、訓練者の聴覚機能を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面では、聴覚機能訓練装置は、訓練者の聴覚機能を訓練する。
聴覚機能訓練装置は、音発生部と、情報取得部と、音圧決定部と、を備える。
音発生部は、音圧が設定可能であるとともに、少なくとも1つの認知課題からなる認知課題群をそれぞれ表す音群を、設定された音圧にて発生する。
情報取得部は、訓練者が音群を聴取することにより行われた、認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得する。
音圧決定部は、取得された正誤情報に基づいて上記音圧を決定する。
【0008】
他の一つの側面では、聴覚機能訓練方法は、訓練者の聴覚機能を訓練する。
聴覚機能訓練方法は、
少なくとも1つの認知課題からなる第1認知課題群をそれぞれ表す第1音群を第1音圧にて発生し、
訓練者が第1音群を聴取することにより行われた、第1認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得し、
取得された正誤情報に基づいて第2音圧を決定し、
少なくとも1つの認知課題からなる第2認知課題群をそれぞれ表す第2音群を第2音圧にて発生する、
ことを含む。
【0009】
他の一つの側面では、聴覚機能訓練プログラムは、訓練者の聴覚機能を訓練するための処理をコンピュータに実行させる。
【0010】
聴覚機能訓練プログラムの処理は、
少なくとも1つの認知課題からなる第1認知課題群をそれぞれ表す第1音群を第1音圧にて発生させ、
訓練者が第1音群を聴取することにより行われた、第1認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得し、
取得された正誤情報に基づいて第2音圧を決定し、
少なくとも1つの認知課題からなる第2認知課題群をそれぞれ表す第2音群を第2音圧にて発生させる、
ことを含む。
【発明の効果】
【0011】
訓練者の聴覚機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の聴覚機能訓練装置の構成を表すブロック図である。
図2】第1実施形態の聴覚機能訓練装置の機能を表すブロック図である。
図3】第1実施形態の聴覚機能訓練装置が用いる認知課題の説明図である。
図4】第1実施形態の聴覚機能訓練装置が用いる認知課題と難易度との関係を表す表である。
図5】第1実施形態の聴覚機能訓練装置が用いる認知課題群の説明図である。
図6】第1実施形態の聴覚機能訓練装置が実行する処理を表すフローチャートである。
図7】第1実施形態の聴覚機能訓練装置が実行する処理を表すフローチャートである。
図8】第1実施形態の聴覚機能訓練装置が実行する処理を表すフローチャートである。
図9】第1実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置の機能を表すブロック図である。
図10】第1実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置が実行する処理を表すフローチャートである。
図11】第1実施形態の第3変形例の聴覚機能訓練装置の機能を表すブロック図である。
図12】聴覚機能を訓練する前後における聴力レベルの変化を表すグラフである。
図13】第2実施形態の聴覚機能訓練装置の構成を表すブロック図である。
図14】第2実施形態のサーバ装置の機能を表すブロック図である。
図15】第2実施形態のクライアント装置の機能を表すブロック図である。
図16】第2実施形態の第1変形例のサーバ装置の機能を表すブロック図である。
図17】第2実施形態の第1変形例のクライアント装置の機能を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の、聴覚機能訓練装置、聴覚機能訓練方法、及び、聴覚機能訓練プログラムに関する各実施形態について図1乃至図17を参照しながら説明する。
【0014】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の聴覚機能訓練装置は、訓練者の聴覚機能を訓練する。
聴覚機能訓練装置は、音発生部と、情報取得部と、音圧決定部と、を備える。
音発生部は、音圧が設定可能であるとともに、少なくとも1つの認知課題からなる認知課題群をそれぞれ表す音群を、設定された音圧にて発生する。
情報取得部は、訓練者が音群を聴取することにより行われた、認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得する。
音圧決定部は、取得された正誤情報に基づいて音圧を決定する。
【0015】
これによれば、認知課題群をそれぞれ表す音群が発生させられる。更に、認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤に基づいて、発生する音群の音圧が変更される。これにより、訓練者の認知機能が活発に用いられている状態において、訓練者に聴取される音群の音圧を変化させることができる。この結果、訓練者の聴覚機能を向上させることができる。
次に、第1実施形態の聴覚機能訓練装置について、より詳細に説明する。
【0016】
(構成)
図1に表されるように、聴覚機能訓練装置10は、バスBU1を介して互いに接続された、処理装置11、記憶装置12、入力装置13、及び、出力装置14を備える。例えば、聴覚機能訓練装置10は、コンピュータ(換言すると、情報処理装置)により構成される。なお、コンピュータは、サーバ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、又は、タブレット型コンピュータであってよい。また、コンピュータは、据置型ゲーム機、携帯型ゲーム機、テレビ受像機、又は、スマートフォン等の少なくとも一部であってよい。また、聴覚機能訓練装置10は、互いに通信可能に接続された複数の装置により構成されてもよい。
【0017】
処理装置11は、記憶装置12に記憶されているプログラムを実行することにより、記憶装置12、入力装置13、及び、出力装置14を制御する。これにより、処理装置11は、後述する機能を実現する。
【0018】
本例では、処理装置11は、CPU(Central Processing Unit)である。なお、処理装置11は、CPUに代えて、又は、CPUに加えて、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、DSP(Digital Signal Processor)を含んでもよい。
【0019】
本例では、記憶装置12は、揮発性メモリと不揮発性メモリとを含む。例えば、記憶装置12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、半導体メモリ、有機メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、及び、SSD(Solid State Drive)の少なくとも1つを含む。
【0020】
入力装置13は、聴覚機能訓練装置10の外部から情報を入力する。本例では、入力装置13は、マイクロフォン、及び、キー式ボタンを備える。なお、入力装置13は、キー式ボタンに代えて、又は、キー式ボタンに加えて、キーボード、又は、マウスを備えていてもよい。
【0021】
出力装置14は、聴覚機能訓練装置10の外部に情報を出力する。本例では、出力装置14は、スピーカを備える。なお、出力装置14は、スピーカに代えて、又は、スピーカに加えて、ヘッドフォン、又は、イヤフォンを備えていてもよい。また、出力装置14は、ディスプレイを備えてもよい。
【0022】
(機能)
聴覚機能訓練装置10は、訓練者の聴覚機能を訓練する。図2に表されるように、聴覚機能訓練装置10の機能は、音圧・難易度決定部101と、認知課題情報記憶部102と、音制御部103と、出力部104と、入力部105と、正誤情報取得部106と、正誤情報記憶部107と、を含む。
【0023】
音圧・難易度決定部101は、音制御部103が発生する音群の音圧を決定する。音圧・難易度決定部101は、音制御部103が発生する音群が表す認知課題群の難易度を決定する。本例では、音圧・難易度決定部101は、音圧決定部、及び、難易度決定部に対応する。
なお、音圧・難易度決定部101の機能の詳細は、後述される。
【0024】
認知課題情報記憶部102は、複数の難易度のそれぞれと対応付けられた複数の認知課題群をそれぞれ表す複数の認知課題情報群を記憶する。認知課題情報記憶部102は、各認知課題情報が表す認知課題の正答を表す正答情報を、当該認知課題情報と対応付けて記憶する。
【0025】
認知課題群は、エピソード記憶機能が用いられるエピソード記憶課題と、作業記憶機能が用いられる作業記憶課題と、注意機能が用いられる注意課題と、のうちの少なくとも1つを含む。
本例では、認知課題群は、エピソード記憶課題と、作業記憶課題と、注意課題と、を含む。
【0026】
エピソード記憶課題は、単語群(例えば、「いぬ」、「ねこ」、及び、「いす」等)を表す音群(本例では、音声群)が順に発生させられる。エピソード記憶課題に対する回答は、訓練者が音群を聴取し、聴取した音群が表す単語群を聴取した順に発声することにより行われる。本例では、エピソード記憶課題に対する回答は、入力部105(本例では、入力装置13のマイクロフォン)を介して聴覚機能訓練装置10に入力される。
【0027】
図3の(A)に表されるように、エピソード記憶課題を構成する期間は、課題提示期間P1と、課題提示期間P1に後続する回答期間P2と、からなる。課題提示期間P1は、最初の無音期間SP-0と、連続するN組の発音期間PP-n及び無音期間SP-nからなる。エピソード記憶課題において、Nは、2以上の整数を表し、且つ、nは、1乃至Nの整数を表す。エピソード記憶課題は、各発音期間PP-nにて1つの単語を表す音が発生させられ、且つ、各無音期間SP-0,SP-n、及び、回答期間P2にて音が発生させられない。
【0028】
エピソード記憶課題において、Nは、使用される単語(換言すると、使用単語)の数(換言すると、単語群を構成する単語の数)を表す。図4に表されるように、エピソード記憶課題の難易度は、使用単語の数Nが大きくなるほど高くなる。本例では、難易度は、高くなるほど大きくなる整数により表される。なお、難易度は、高くなるほど小さくなる整数により表されてもよい。
【0029】
エピソード記憶課題において、各発音期間PP-nの長さは、500ms乃至700msである。エピソード記憶課題において、課題提示期間P1における最初の無音期間SP-0の長さは、500msである。エピソード記憶課題において、課題提示期間P1における最後の無音期間SP-Nを除いて、各無音期間SP-n’の長さは、1sである。n’は、1乃至N-1の整数を表す。本例では、課題提示期間P1における最後の無音期間SP-Nの長さは、課題提示期間P1の長さが、基準時間に一致するように設定される。本例では、基準時間は、使用単語の数Nが、3、4、5、及び、6である場合、それぞれ、5s、7s、10s、及び、10sである。
本例では、エピソード記憶課題に対する回答は、回答期間P2にて行われる。本例では、回答期間P2の長さは、3sである。
なお、課題提示期間P1、回答期間P2、無音期間SP-0,SP-n、及び、発音期間PP-nのそれぞれの長さは、上述の長さと異なる長さに設定されていてもよい。
【0030】
作業記憶課題は、数字群(例えば、「9」、「4」、及び、「7」等)を表す音群(本例では、音声群)が順に発生させられる。作業記憶課題に対する回答は、訓練者が音群を聴取し、聴取した音群が表す数字群を聴取した順と逆順に発声することにより行われる。本例では、作業記憶課題に対する回答は、入力部105(本例では、入力装置13のマイクロフォン)を介して聴覚機能訓練装置10に入力される。
【0031】
本例では、作業記憶課題を構成する期間も、エピソード記憶課題を構成する期間と同様である。従って、図3の(A)に表されるように、作業記憶課題を構成する期間は、課題提示期間P1と、課題提示期間P1に後続する回答期間P2と、からなる。課題提示期間P1は、最初の無音期間SP-0と、連続するN組の発音期間PP-n及び無音期間SP-nからなる。作業記憶課題において、Nは、2以上の整数を表し、且つ、nは、1乃至Nの整数を表す。作業記憶課題は、各発音期間PP-nにて1つの数字を表す音が発生させられ、且つ、各無音期間SP-0,SP-n、及び、回答期間P2にて音が発生させられない。
【0032】
作業記憶課題において、Nは、使用される数字(換言すると、使用数字)の数(換言すると、数字群を構成する数字の数)を表す。図4に表されるように、作業記憶課題の難易度は、使用数字の数Nが大きくなるほど高くなる。
【0033】
作業記憶課題において、各発音期間PP-nの長さは、300ms乃至600msである。作業記憶課題において、課題提示期間P1における最初の無音期間SP-0の長さは、500msである。作業記憶課題において、課題提示期間P1における最後の無音期間SP-Nを除いて、各無音期間SP-n’の長さは、1sである。n’は、1乃至N-1の整数を表す。本例では、課題提示期間P1における最後の無音期間SP-Nの長さは、課題提示期間P1の長さが、基準時間に一致するように設定される。本例では、基準時間は、使用数字の数Nが、3、4、5、及び、6である場合、それぞれ、5s、7s、10s、及び、10sである。
本例では、作業記憶課題に対する回答は、回答期間P2にて行われる。本例では、回答期間P2の長さは、3sである。
なお、課題提示期間P1、回答期間P2、無音期間SP-0,SP-n、及び、発音期間PP-nのそれぞれの長さは、上述の長さと異なる長さに設定されていてもよい。
【0034】
注意課題は、音節群(例えば、「あ」、及び、「い」等、又は、「/a/」、及び、「/i/」等)の中から選択された音節を表す音(本例では、音声)が発生させられる。本例では、音節は、母音により構成される。なお、音節は、母音及び子音の組み合わせにより構成されていてもよい。
【0035】
注意課題に対する回答は、訓練者が音を聴取し、聴取した音の中で、予め設定された注目音節を表す音が聴取された時に、注目音節の聴取を表す操作を行うことにより行われる。本例では、注意課題に対する回答は、入力部105(本例では、入力装置13のキー式ボタン)を介して聴覚機能訓練装置10に入力される。本例では、注目音節の聴取を表す操作は、入力装置13のキー式ボタンを押下する操作である。
【0036】
図3の(B)に表されるように、注意課題を構成する期間は、課題提示期間P1と、課題提示期間P1に後続する回答期間P2と、からなる。課題提示期間P1は、無音期間SP-0と、無音期間SP-0に後続する発音期間PP-1と、からなる。注意課題は、発音期間PP-1にて1つの音節を表す音が発生させられ、且つ、無音期間SP-0、及び、回答期間P2にて音が発生させられない。
【0037】
図4に表されるように、注意課題の難易度は、注意課題において使用される音節の種類の数(換言すると、使用音節の数)が大きくなるほど高くなるとともに、注意課題において設定される注目音節の種類の数(換言すると、注目音節の数)が大きくなるほど高くなる。
【0038】
注意課題において、課題提示期間P1における無音期間SP-0の長さは、2sである。注意課題において、発音期間PP-1の長さは、200ms乃至300msである。本例では、回答期間P2の長さは、注意課題を構成する期間の長さが、基準時間に一致するように設定される。本例では、基準時間は、5sである。本例では、注意課題に対する回答は、回答期間P2にて行われる。
なお、課題提示期間P1、回答期間P2、無音期間SP-0、及び、発音期間PP-1のそれぞれの長さは、上述の長さと異なる長さに設定されていてもよい。
【0039】
音制御部103は、音圧が設定可能であるとともに、認知課題群の難易度が設定可能である。音制御部103は、音圧・難易度決定部101により決定された音圧が設定されるとともに、音圧・難易度決定部101により決定された難易度が設定される。
【0040】
音制御部103は、認知課題情報記憶部102に記憶されている認知課題情報群のうちの、設定された難易度を有する認知課題情報群を取得する。音制御部103は、取得された認知課題情報群が表す認知課題群をそれぞれ表す音群を、設定された音圧にて出力部104を介して発生する。
【0041】
図5に表されるように、本例では、音制御部103は、認知課題群期間TPにおいて、認知課題群をそれぞれ表す音群を発生する。認知課題群期間TPは、連続する、エピソード記憶課題期間TP1、作業記憶課題期間TP2、注意課題期間TP3、及び、休憩期間BPからなる。なお、エピソード記憶課題期間TP1、作業記憶課題期間TP2、及び、注意課題期間TP3の順序は、図5に表される順序と異なっていてもよい。
【0042】
エピソード記憶課題期間TP1において、互いに異なる複数のエピソード記憶課題を表す音群が発生させられる。作業記憶課題期間TP2において、互いに異なる複数の作業記憶課題を表す音群が発生させられる。注意課題期間TP3において、互いに異なる複数の注意課題を表す音群が発生させられる。
本例では、休憩期間BPにおいて、音は、発生させられない。なお、休憩期間BPにおいて、認知課題を表さない音が発生させられていてもよい。
【0043】
本例では、エピソード記憶課題期間TP1、作業記憶課題期間TP2、及び、注意課題期間TP3のそれぞれの長さは、5分である。また、本例では、休憩期間BPの長さも、5分である。
なお、エピソード記憶課題期間TP1、作業記憶課題期間TP2、注意課題期間TP3、及び、休憩期間BPのそれぞれの長さは、上述の長さと異なる長さに設定されていてもよい。
本例では、音制御部103及び出力部104は、音発生部に対応する。
【0044】
出力部104は、出力装置14により構成される。
入力部105は、入力装置13により構成される。
【0045】
正誤情報取得部106は、認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得する。本例では、正誤情報取得部106は、情報取得部に対応する。
【0046】
本例では、正誤情報取得部106は、認知課題がエピソード記憶課題、又は、作業記憶課題である場合、当該認知課題に対して訓練者が発した音声を回答として入力部105(本例では、入力装置13のマイクロフォン)を介して受け付ける。正誤情報取得部106は、受け付けられた回答を、公知の音声認識技術を用いて文字列に変換し、変換後の文字列と、当該回答の基となった認知課題情報と対応付けて認知課題情報記憶部102に記憶されている正答情報と、を照合することにより、正誤情報を取得する。
【0047】
本例では、正誤情報取得部106は、認知課題が注意課題である場合、当該認知課題に対して訓練者が行った操作を回答として入力部105(本例では、入力装置13のキー式ボタン)を介して受け付ける。正誤情報取得部106は、受け付けられた回答と、当該回答の基となった認知課題情報と対応付けて認知課題情報記憶部102に記憶されている正答情報と、を照合することにより、正誤情報を取得する。
【0048】
正誤情報記憶部107は、正誤情報取得部106により取得された正誤情報を記憶する。
【0049】
以下、音圧・難易度決定部101の機能の詳細が説明される。
音圧・難易度決定部101は、前回の認知課題群期間TPにおいて取得された正誤情報が正誤情報記憶部107に記憶されている(換言すると、前回の正誤情報が存在する)か否かを判定する。
【0050】
音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が存在しない場合、音圧初期値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群の音圧として決定する。本例では、音圧初期値は、訓練者の語音了解閾値(SRT:Speech Recognition Threshold)に設定される。なお、音圧初期値は、訓練者の平均聴力閾値に設定されてもよい。また、音圧初期値は、訓練者の語音了解閾値、及び、訓練者の平均聴力閾値の少なくとも1つに基づいて決定されてもよい。
【0051】
本例では、音圧初期値は、聴覚機能訓練装置10の操作者又は訓練者により聴覚機能訓練装置10に入力される。なお、聴覚機能訓練装置10は、語音了解閾値又は平均聴力閾値を取得するための検査を行う機能を有していてもよい。また、聴覚機能訓練装置10の操作者は、訓練者であってもよい。
【0052】
音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が存在しない場合、難易度初期値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群が表す認知課題群の難易度として決定する。本例では、難易度初期値は、最も難易度が低いことを表す1である。なお、難易度初期値は、1よりも高い値であってもよい。
【0053】
音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が存在する場合、前回の正誤情報が達成条件を満足するか否かを判定する。達成条件は、認知課題群の達成を表す条件である。本例では、達成条件は、認知課題群の正答率が所定の達成閾値(本例では、70%)以上である、という条件である。認知課題群の正答率は、当該認知課題群に対する正誤情報のうちの、正答を表す正誤情報の数の、当該認知課題群に対する正誤情報の総数に対する割合である。
【0054】
なお、達成条件は、認知課題群の連続正答数が所定の達成閾値以上である、という条件であってもよい。認知課題群の連続正答数は、当該認知課題群に対する正誤情報のうちの、正答を表す正誤情報の基となった認知課題が当該認知課題群において連続する数である。
【0055】
音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が達成条件を満足する場合、前回の認知課題群期間TPにおいて、音制御部103が発生した音群(換言すると、当該正誤情報の基となった音群)の音圧(換言すると、前回の音圧)よりも所定の音圧変化量(本例では、3dB)だけ小さい値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群の音圧(換言すると、今回の音圧)として決定する。
【0056】
更に、音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が達成条件を満足する場合、当該正誤情報の基となった音群が表す認知課題群の難易度(換言すると、前回の難易度)よりも所定の難易度変化量(本例では、1)だけ高い値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群が表す認知課題群の難易度(換言すると、今回の難易度)として決定する。
【0057】
また、音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が存在する場合、前回の正誤情報が未達条件を満足するか否かを判定する。未達条件は、認知課題群の未達を表す条件である。本例では、未達条件は、認知課題群の正答率が所定の未達閾値(本例では、50%)未満である、という条件である。
【0058】
なお、未達条件は、認知課題群の連続誤答数が所定の未達閾値以上である、という条件であってもよい。認知課題群の連続誤答数は、当該認知課題群に対する正誤情報のうちの、誤答を表す正誤情報の基となった認知課題が当該認知課題群において連続する数である。
【0059】
音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が未達条件を満足する場合、前回の音圧よりも所定の音圧変化量(本例では、3dB)だけ大きい値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群の音圧として決定する。
【0060】
更に、音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が未達条件を満足する場合、前回の難易度よりも所定の難易度変化量(本例では、1)だけ低い値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群が表す認知課題群の難易度として決定する。
【0061】
音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合、聴覚機能訓練装置10の操作者又は訓練者によって入力部105を介して音圧調整情報が入力されたか否かを判定する。音圧調整情報は、音圧の増加を表す情報、又は、音圧の減少を表す情報である。
【0062】
音圧・難易度決定部101は、音圧調整情報が入力され、且つ、音圧調整情報が音圧の増加を表す場合において、前回の音圧よりも所定の音圧調整量(本例では、3dB)だけ大きい値が所定の上限値以下であるとき、当該値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群の音圧として決定する。本例では、上限値は、初期値として決定された音圧、及び、認知課題群の難易度の変更に伴って決定された音圧、のうちの最新(換言すると、直近)の音圧に所定の調整範囲量(本例では、3dB)を加えた値である。なお、音圧調整量は、調整範囲量よりも小さい量(例えば、1dB、又は、2dB等)であってもよい。また、調整範囲量は、音圧変化量よりも小さい量(例えば、1dB、又は、2dB等)であってもよい。
【0063】
また、音圧・難易度決定部101は、音圧調整情報が入力され、且つ、音圧調整情報が音圧の減少を表す場合において、前回の音圧よりも所定の音圧調整量(本例では、3dB)だけ小さい値が所定の下限値以上であるとき、当該値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群の音圧として決定する。本例では、下限値は、初期値として決定された音圧、及び、認知課題群の難易度の変更に伴って決定された音圧、のうちの最新の音圧から所定の調整範囲量(本例では、3dB)を減じた値である。
【0064】
なお、音圧・難易度決定部101は、音圧を増加させる場合と、音圧を減少させる場合と、で異なる音圧調整量を用いてもよい。また、音圧・難易度決定部101は、上限値と下限値とで異なる調整範囲量を用いてもよい。
【0065】
音圧・難易度決定部101は、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合、聴覚機能訓練装置10の操作者又は訓練者によって入力部105を介して音圧調整情報が入力されなかったとき、前回の音圧と同じ値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群の音圧として決定する。
【0066】
なお、聴覚機能訓練装置10の機能の説明は、後述の聴覚機能訓練装置10の動作の説明によって補足されてよい。
【0067】
(動作)
次に、聴覚機能訓練装置10の動作について、図6乃至図8を参照しながら説明する。
聴覚機能訓練装置10は、聴覚機能訓練装置10の操作者により入力装置13を介して入力される実行指示に従って、訓練者の聴覚機能を訓練するため、図6に表される処理を実行する。
先ず、聴覚機能訓練装置10は、音圧・難易度決定処理を実行する(図6のステップS101)。具体的には、聴覚機能訓練装置10は、音圧・難易度決定処理として、図7に表される処理を実行する。
【0068】
聴覚機能訓練装置10は、前回の正誤情報が存在するか否かを判定する(図7のステップS201)。
この時点では、前回の正誤情報は、存在しない。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、ステップS202へ進む。
【0069】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、音圧初期値を今回の音圧として決定する(図7のステップS202)。次いで、聴覚機能訓練装置10は、難易度初期値を今回の難易度として決定する(図7のステップS203)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0070】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、記憶装置12に記憶されている認知課題情報群のうちの、決定された今回の難易度を有する認知課題情報群を取得する(図6のステップS102)。
【0071】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、取得された認知課題情報群が表す認知課題群を構成する複数の認知課題のそれぞれを1つずつ順に処理対象として用いるループ処理(ステップS103~ステップS107)を実行する。
【0072】
ループ処理において、聴覚機能訓練装置10は、処理対象である認知課題を表す音群を、決定された今回の音圧にて出力装置14を介して発生する(図6のステップS104)。
ループ処理において、聴覚機能訓練装置10は、処理対象である認知課題に対する訓練者の回答を受け付ける(図6のステップS105)。
【0073】
ループ処理において、聴覚機能訓練装置10は、受け付けられた回答と、処理対象である認知課題を表す認知課題情報と対応付けて記憶装置12に記憶されている正答情報と、に基づいて正誤情報を取得し、取得された正誤情報を記憶装置12に記憶させる(図6のステップS106)。
【0074】
そして、聴覚機能訓練装置10は、取得された認知課題情報群が表す認知課題群を構成する複数の認知課題のすべてに対して、ループ処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。本例では、終了条件は、図6のステップS101~ステップS107の処理が、所定の反復回数(本例では、3回)だけ繰り返し実行された、という条件である。
【0075】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、1回しか実行されていない。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図6のステップS101へ戻る。
【0076】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、図7のステップS201へ進む。
この時点では、前回の正誤情報は、存在する。従って、聴覚機能訓練装置10は、図7のステップS201にて「Yes」と判定し、図7のステップS204へ進む。
【0077】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の正誤情報が達成条件を満足するか否かを判定する(図7のステップS204)。
ここでは、前回の正誤情報が達成条件を満足する場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図7のステップS205へ進む。
【0078】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の音圧よりも音圧変化量だけ小さい値を、今回の音圧として決定する(図7のステップS205)。次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の難易度よりも難易度変化量だけ高い値を、今回の難易度として決定する(図7のステップS206)。
これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0079】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、上述した場合と同様に、図6のステップS102~ステップS107の処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。
【0080】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、2回しか実行されていない。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図6のステップS101へ戻る。
【0081】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、図7のステップS201へ進む。
この時点では、前回の正誤情報は、存在する。従って、聴覚機能訓練装置10は、図7のステップS201にて「Yes」と判定し、図7のステップS204へ進む。
【0082】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の正誤情報が達成条件を満足するか否かを判定する(図7のステップS204)。
ここでは、前回の正誤情報が達成条件を満足せず、且つ、前回の正誤情報が未達条件を満足する場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図7のステップS207へ進む。
【0083】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の正誤情報が未達条件を満足するか否かを判定する(図7のステップS207)。上記仮定に従えば、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図7のステップS208へ進む。
【0084】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の音圧よりも音圧変化量だけ大きい値を、今回の音圧として決定する(図7のステップS208)。次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の難易度よりも難易度変化量だけ低い値を、今回の難易度として決定する(図7のステップS209)。
これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0085】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、上述した場合と同様に、図6のステップS102~ステップS107の処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。
【0086】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、3回、実行されている。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図6に表される処理の実行を終了する。
【0087】
本例では、図6のステップS101~ステップS107の処理の1回目の実行において用いられた、音圧、認知課題群、及び、当該認知課題群をそれぞれ表す音群が、第1音圧、第1認知課題群、及び、第1音群にそれぞれ対応し、且つ、当該処理の2回目の実行において用いられた、音圧、認知課題群、及び、当該認知課題群をそれぞれ表す音群が、第2音圧、第2認知課題群、及び、第2音群にそれぞれ対応する、と解釈されてよい。
【0088】
また、本例では、図6のステップS101~ステップS107の処理の2回目の実行において用いられた、音圧、認知課題群、及び、当該認知課題群をそれぞれ表す音群が、第1音圧、第1認知課題群、及び、第1音群にそれぞれ対応し、且つ、当該処理の3回目の実行において用いられた、音圧、認知課題群、及び、当該認知課題群をそれぞれ表す音群が、第2音圧、第2認知課題群、及び、第2音群にそれぞれ対応する、と解釈されてよい。
【0089】
その後、実行間隔時間(本例では、3日乃至4日)が経過した後、聴覚機能訓練装置10は、聴覚機能訓練装置10の操作者により入力装置13を介して入力される実行指示に従って、再び、図6に表される処理を実行する。なお、聴覚機能訓練装置10は、図6に表される処理の実行が終了してから、実行間隔時間が経過した時点、又は、実行間隔時間よりも所定の時間だけ前の時点にて、操作者に実行指示の入力を促す情報を通知してもよい。
【0090】
上述した場合と同様に、聴覚機能訓練装置10は、図6のステップS101へ進むことにより、図7のステップS201へ進む。
この時点では、前回の正誤情報は、存在する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図7のステップS204へ進む。
【0091】
ここでは、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図7のステップS207へ進み、再び、「No」と判定し、図7のステップS210へ進む。
【0092】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、音圧調整処理を実行する(図7のステップS210)。具体的には、聴覚機能訓練装置10は、音圧調整処理として、図8に表される処理を実行する。
聴覚機能訓練装置10は、音圧調整情報が入力されたか否かを判定する(図8のステップS301)。
【0093】
ここでは、音圧調整情報が入力されなかった場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図8のステップS302へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の音圧と同じ値を、今回の音圧として決定する(図8のステップS302)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図8に表される処理(換言すると、図7のステップS210の処理)の実行を終了する。
【0094】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の難易度と同じ値を、今回の難易度として決定する(図7のステップS211)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0095】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、上述した場合と同様に、図6のステップS102~ステップS107の処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。
【0096】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、1回しか実行されていない。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図6のステップS101へ戻る。
【0097】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、図7のステップS201へ進む。
この時点では、前回の正誤情報は、存在する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図7のステップS204へ進む。
【0098】
ここでは、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図7のステップS207へ進み、再び、「No」と判定し、図7のステップS210へ進む。
【0099】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、音圧調整情報が入力されたか否かを判定する(図8のステップS301)。
ここでは、音圧の増加を表す音圧調整情報が入力された場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図8のステップS303へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、入力された音圧調整情報が音圧の増加を表すか否かを判定する(図8のステップS303)。
【0100】
上記仮定に従えば、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図8のステップS304へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、増加後音圧が上限値以下であるか否かを判定する(図8のステップS304)。増加後音圧は、前回の音圧に所定の音圧調整量(本例では、3dB)を加えた値である。また、上限値は、初期値として決定された音圧(本例では、図7のステップS202にて決定された音圧)、及び、認知課題群の難易度の変更に伴って決定された音圧(本例では、図7のステップS205、又は、ステップS208にて決定された音圧)、のうちの最新の音圧に所定の調整範囲量(本例では、3dB)を加えた値である。
【0101】
上記仮定に従えば、増加後音圧は、上限値以下である。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、前回の音圧よりも音圧調整量だけ大きい値を、今回の音圧として決定する(図8のステップS305)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図8に表される処理(換言すると、図7のステップS210の処理)の実行を終了する。
【0102】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の難易度と同じ値を、今回の難易度として決定する(図7のステップS211)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0103】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、上述した場合と同様に、図6のステップS102~ステップS107の処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。
【0104】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、2回しか実行されていない。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図6のステップS101へ戻る。
【0105】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、図7のステップS201へ進む。
この時点では、前回の正誤情報は、存在する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図7のステップS204へ進む。
【0106】
ここでは、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図7のステップS207へ進み、再び、「No」と判定し、図7のステップS210へ進む。
【0107】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、音圧調整情報が入力されたか否かを判定する(図8のステップS301)。
ここでは、音圧の増加を表す音圧調整情報が入力された場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図8のステップS303へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、入力された音圧調整情報が音圧の増加を表すか否かを判定する(図8のステップS303)。
【0108】
上記仮定に従えば、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図8のステップS304へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、増加後音圧が上限値以下であるか否かを判定する(図8のステップS304)。
【0109】
上記仮定に従えば、この時点では、増加後音圧は、上限値よりも大きい。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、前回の音圧と同じ値を、今回の音圧として決定する(図8のステップS302)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図8に表される処理(換言すると、図7のステップS210の処理)の実行を終了する。
【0110】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の難易度と同じ値を、今回の難易度として決定する(図7のステップS211)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0111】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、上述した場合と同様に、図6のステップS102~ステップS107の処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。
【0112】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、3回、実行されている。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図6に表される処理の実行を終了する。
【0113】
その後、実行間隔時間が経過した後、聴覚機能訓練装置10は、聴覚機能訓練装置10の操作者により入力装置13を介して入力される実行指示に従って、再び、図6に表される処理を実行する。
【0114】
上述した場合と同様に、聴覚機能訓練装置10は、図6のステップS101へ進むことにより、図7のステップS201へ進む。
この時点では、前回の正誤情報は、存在する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図7のステップS204へ進む。
【0115】
ここでは、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図7のステップS207へ進み、再び、「No」と判定し、図7のステップS210へ進む。
【0116】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、音圧調整情報が入力されたか否かを判定する(図8のステップS301)。
ここでは、音圧の減少を表す音圧調整情報が入力された場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図8のステップS303へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、入力された音圧調整情報が音圧の増加を表すか否かを判定する(図8のステップS303)。
【0117】
上記仮定に従えば、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図8のステップS306へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、減少後音圧が下限値以上であるか否かを判定する(図8のステップS306)。減少後音圧は、前回の音圧から所定の音圧調整量(本例では、3dB)を減じた値である。また、下限値は、初期値として決定された音圧(本例では、図7のステップS202にて決定された音圧)、及び、認知課題群の難易度の変更に伴って決定された音圧(本例では、図7のステップS205、又は、ステップS208にて決定された音圧)、のうちの最新の音圧から所定の調整範囲量(本例では、3dB)を減じた値である。
【0118】
上記仮定に従えば、減少後音圧は、下限値以上である。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、前回の音圧よりも音圧調整量だけ小さい値を、今回の音圧として決定する(図8のステップS307)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図8に表される処理(換言すると、図7のステップS210の処理)の実行を終了する。
【0119】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の難易度と同じ値を、今回の難易度として決定する(図7のステップS211)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0120】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、上述した場合と同様に、図6のステップS102~ステップS107の処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。
【0121】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、1回しか実行されていない。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図6のステップS101へ戻る。
【0122】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、図7のステップS201へ進む。
この時点では、前回の正誤情報は、存在する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図7のステップS204へ進む。
【0123】
ここでは、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図7のステップS207へ進み、再び、「No」と判定し、図7のステップS210へ進む。
【0124】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、音圧調整情報が入力されたか否かを判定する(図8のステップS301)。
ここでは、音圧の減少を表す音圧調整情報が入力された場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図8のステップS303へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、入力された音圧調整情報が音圧の増加を表すか否かを判定する(図8のステップS303)。
【0125】
上記仮定に従えば、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図8のステップS306へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、減少後音圧が下限値以上であるか否かを判定する(図8のステップS306)。
【0126】
上記仮定に従えば、減少後音圧は、下限値以上である。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、前回の音圧よりも音圧調整量だけ小さい値を、今回の音圧として決定する(図8のステップS307)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図8に表される処理(換言すると、図7のステップS210の処理)の実行を終了する。
【0127】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の難易度と同じ値を、今回の難易度として決定する(図7のステップS211)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0128】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、上述した場合と同様に、図6のステップS102~ステップS107の処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。
【0129】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、2回しか実行されていない。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図6のステップS101へ戻る。
【0130】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、図7のステップS201へ進む。
この時点では、前回の正誤情報は、存在する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図7のステップS204へ進む。
【0131】
ここでは、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図7のステップS207へ進み、再び、「No」と判定し、図7のステップS210へ進む。
【0132】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、音圧調整情報が入力されたか否かを判定する(図8のステップS301)。
ここでは、音圧の減少を表す音圧調整情報が入力された場合を想定する。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図8のステップS303へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、入力された音圧調整情報が音圧の増加を表すか否かを判定する(図8のステップS303)。
【0133】
上記仮定に従えば、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、図8のステップS306へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、減少後音圧が下限値以上であるか否かを判定する(図8のステップS306)。
【0134】
上記仮定に従えば、減少後音圧は、下限値未満である。従って、聴覚機能訓練装置10は、「No」と判定し、前回の音圧と同じ値を、今回の音圧として決定する(図8のステップS302)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図8に表される処理(換言すると、図7のステップS210の処理)の実行を終了する。
【0135】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、前回の難易度と同じ値を、今回の難易度として決定する(図7のステップS211)。これにより、聴覚機能訓練装置10は、図7に表される処理(換言すると、図6のステップS101の処理)の実行を終了する。
【0136】
次いで、聴覚機能訓練装置10は、上述した場合と同様に、図6のステップS102~ステップS107の処理を実行した後、図6のステップS108へ進む。
次いで、聴覚機能訓練装置10は、終了条件が満足されるか否かを判定する(図6のステップS108)。
【0137】
この時点では、図6のステップS101~ステップS107の処理は、3回、実行されている。従って、聴覚機能訓練装置10は、「Yes」と判定し、図6に表される処理の実行を終了する。
【0138】
このようにして、聴覚機能訓練装置10は、図6に表される処理を繰り返し実行することにより、訓練者の聴覚機能を訓練する。
【0139】
以上、説明したように、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10は、訓練者の聴覚機能を訓練する。聴覚機能訓練装置10は、音発生部(本例では、音制御部103及び出力部104)と、情報取得部(本例では、正誤情報取得部106)と、音圧決定部(本例では、音圧・難易度決定部101)と、を備える。
【0140】
音発生部は、音圧が設定可能であるとともに、少なくとも1つの認知課題からなる認知課題群をそれぞれ表す音群を、設定された音圧にて発生する。
情報取得部は、訓練者が音群を聴取することにより行われた、認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤を表す正誤情報を取得する。
音圧決定部は、取得された正誤情報に基づいて音圧を決定する。
【0141】
これによれば、認知課題群をそれぞれ表す音群が発生させられる。更に、認知課題群のそれぞれに対する回答の正誤に基づいて、発生する音群の音圧が変更される。これにより、訓練者の認知機能が活発に用いられている状態において、訓練者に聴取される音群の音圧を変化させることができる。この結果、訓練者の聴覚機能を向上させることができる。
【0142】
更に、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10において、音圧決定部は、取得された正誤情報が、認知課題群の達成を表す達成条件を満足する場合、音圧として、当該正誤情報の基となった音群の音圧よりも小さい値を決定する。
【0143】
これによれば、訓練者が認知課題群を達成した場合に、発生する音群の音圧が小さくされる。これにより、訓練者は、より小さい音圧の音群を聴取する。この結果、訓練者の聴覚機能を向上させることができる。
【0144】
更に、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10において、音圧決定部は、取得された正誤情報が、認知課題群の未達を表す未達条件を満足する場合、音圧として、当該正誤情報の基となった音群の音圧よりも大きい値を決定する。
【0145】
ところで、訓練者が認知できない音を聞いている場合、訓練者の認知機能は、活発に用いられにくい。従って、訓練者が認知課題群を未達である場合に、仮に、発生する音群の音圧が大きくされないと、訓練者の認知機能が活発に用いられない状態が継続する虞がある。
【0146】
そこで、聴覚機能訓練装置10においては、訓練者が認知課題群を未達である場合に、発生する音群の音圧が大きくされる。これにより、訓練者の認知機能が活発に用いられない状態が継続することを抑制できる。この結果、訓練者の聴覚機能を向上させることができる。
【0147】
更に、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10において、音発生部は、認知課題群の難易度が設定可能であるとともに、設定された難易度の認知課題群をそれぞれ表す音群を、設定された音圧にて発生する。加えて、聴覚機能訓練装置10は、音圧の変化に伴って変化するように難易度を決定する難易度決定部(本例では、音圧・難易度決定部101)を備える。
【0148】
ところで、訓練者にとって認知課題群の難易度が適切でない場合、訓練者の認知機能は、活発に用いられにくい。従って、仮に、発生する音群が表す認知課題群の難易度が変化しないと、訓練者の認知機能が活発に用いられない状態が継続する虞がある。
【0149】
これに対し、聴覚機能訓練装置10においては、認知課題群の難易度が適切に決定される。これにより、訓練者の認知機能が活発に用いられない状態が継続することを抑制できる。この結果、訓練者の聴覚機能を向上させることができる。
【0150】
加えて、聴覚機能訓練装置10においては、認知課題群の難易度は、音圧の変化に伴って変化させられる。従って、訓練者に音圧の変化を認識させにくくすることができる。この結果、訓練者に意識させることなく、訓練者の聴覚機能を向上させることができる。
【0151】
更に、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10において、認知課題群は、エピソード記憶機能が用いられるエピソード記憶課題と、作業記憶機能が用いられる作業記憶課題と、注意機能が用いられる注意課題と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0152】
ところで、エピソード記憶機能、作業記憶機能、及び、注意機能のそれぞれと、聴覚を介した認知機能と、の間に強い相関が存在する。従って、聴覚機能訓練装置10のように、エピソード記憶課題、作業記憶課題、及び、注意課題のうちの少なくとも1つを含む認知課題群を用いることにより、訓練者の聴覚機能を向上させることができる。
【0153】
なお、聴覚機能訓練装置10は、音圧と独立して難易度を変更してもよい。この場合、聴覚機能訓練装置10は、音圧に対して用いられる達成条件と異なる達成条件を難易度に対して用いてもよい。また、この場合、聴覚機能訓練装置10は、音圧に対して用いられる未達条件と異なる未達条件を難易度に対して用いてもよい。
【0154】
また、聴覚機能訓練装置10は、新規の訓練者に対する聴覚機能訓練装置10の使用が開始する場合、記憶装置12に記憶されている正誤情報を消去してよい。また、聴覚機能訓練装置10は、聴覚機能訓練装置10の操作者により入力装置13を介して入力される消去指示に従って、記憶装置12に記憶されている正誤情報を消去してよい。
【0155】
また、聴覚機能訓練装置10は、複数の訓練者に対して独立に動作するように構成されていてもよい。この場合、聴覚機能訓練装置10は、訓練者を識別する訓練者識別情報と対応付けて正誤情報を記憶することが好適である。
【0156】
また、聴覚機能訓練装置10は、音圧・難易度決定部101により決定された音圧を表す音圧情報を出力部104を介して出力し、出力部104により出力される音の音圧を、当該音圧情報が表す音圧に設定する操作を、聴覚機能訓練装置10の操作者が行うことにより、出力部104により出力される音の音圧が、当該決定された音圧に設定されるように構成されていてもよい。
【0157】
<第1実施形態の第1変形例>
次に、第1実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置について説明する。第1実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置に対して、音圧調整処理を実行しない点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第1変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0158】
図9に表されるように、第1実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置10Aの機能は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10の機能に対して、音圧・難易度決定部101に代えて音圧・難易度決定部101Aを有する点が相違する。
【0159】
音圧・難易度決定部101Aは、前回の正誤情報が達成条件及び未達条件のいずれも満足しない場合、前回の音圧と同じ値を、今回の認知課題群期間TPにおいて音制御部103が発生する音群の音圧として決定する点が音圧・難易度決定部101と相違する。
【0160】
従って、第1実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置10Aは、図7に表される処理に代えて、図10に表される処理を実行する。図10に表される処理は、図7に表される処理に対して、ステップS210の処理に代えてステップS210Aの処理を有する点が相違する。
【0161】
聴覚機能訓練装置10Aは、図10のステップS207にて「No」と判定された場合、ステップS210Aへ進む。次いで、聴覚機能訓練装置10Aは、前回の音圧と同じ値を、今回の音圧として決定する(図10のステップS210A)。次いで、聴覚機能訓練装置10Aは、図10のステップS211へ進む。
【0162】
第1実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置10Aによっても、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10と同様の作用及び効果が奏される。
【0163】
<第1実施形態の第2変形例>
次に、第1実施形態の第2変形例の聴覚機能訓練装置について説明する。第1実施形態の第2変形例の聴覚機能訓練装置は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置に対して、難易度を変更しない点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第2変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0164】
第1実施形態の第2変形例の聴覚機能訓練装置10は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10に対して、認知課題群の難易度を変更しない(換言すると、一定に維持する)点が相違する。
【0165】
第1実施形態の第2変形例の聴覚機能訓練装置10によっても、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10と同様の作用及び効果が奏される。
【0166】
<第1実施形態の第3変形例>
次に、第1実施形態の第3変形例の聴覚機能訓練装置について説明する。第1実施形態の第3変形例の聴覚機能訓練装置は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置に対して、操作者によって正誤情報が入力される点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第3変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0167】
図11に表されるように、第1実施形態の第3変形例の聴覚機能訓練装置10Bの機能は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10の機能に対して、正誤情報取得部106に代えて正誤情報取得部106Bを有する点が相違する。
【0168】
正誤情報取得部106Bは、聴覚機能訓練装置10の操作者により入力部105を介して入力された正誤情報を受け付けることにより正誤情報を取得する点が正誤情報取得部106と相違する。従って、本例では、訓練者の回答の正誤は、聴覚機能訓練装置10の操作者によって判定される。
【0169】
第1実施形態の第3変形例の聴覚機能訓練装置10Bによっても、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10と同様の作用及び効果が奏される。
【0170】
<実施例>
図12は、聴覚機能を訓練する前後における聴力レベルの変化を表す。本例では、聴力レベルの変化は、訓練後の純音聴力閾値から、訓練前の純音聴力閾値を減じた値である。図12の(A)、(B)、(C)、及び、(D)は、125Hz、250Hz、1000Hz、及び、8000Hzに対する聴力レベルの変化をそれぞれ表す。
【0171】
本例では、訓練者は、60歳乃至80歳の健康な人である。本例では、各訓練者に対して、4週間のうちの8日において訓練が行われた。本例では、各日における訓練において、各訓練者に対して、認知課題群をそれぞれ表す音群が発生させられる処理が3回、実行された。
【0172】
図12において、長方形E1は、音圧及び難易度の両方が変更される第1実施形態の聴覚機能訓練装置10を用いて聴覚機能を訓練した13人の訓練者に対する聴力レベルの変化の平均値を表す。図12において、長方形E2は、音圧のみが変更される(換言すると、音圧が変更され、且つ、難易度が変更されない)第1実施形態の第2変形例の聴覚機能訓練装置10を用いて聴覚機能を訓練した13人の訓練者に対する聴力レベルの変化の平均値を表す。
【0173】
図12において、長方形C1は、音圧及び難易度の両方が変更されない第1比較例の聴覚機能訓練装置を用いて聴覚機能を訓練した10人の訓練者に対する聴力レベルの変化の平均値を表す。図12において、長方形C2は、難易度のみが変更される(換言すると、音圧が変更されず、且つ、難易度が変更される)第2比較例の聴覚機能訓練装置を用いて聴覚機能を訓練した14人の訓練者に対する聴力レベルの変化の平均値を表す。
【0174】
図12に表されるように、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10、及び、第1実施形態の第2変形例の聴覚機能訓練装置10は、第1比較例の聴覚機能訓練装置、及び、第2比較例の聴覚機能訓練装置よりも、純音聴力閾値を小さくすることができる(換言すると、訓練者の聴覚機能を向上させることができる)。
【0175】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の聴覚機能訓練装置について説明する。第2実施形態の聴覚機能訓練装置は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置に対して、サーバ装置及びクライアント装置により構成される点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0176】
(構成)
図13に表されるように、第2実施形態の聴覚機能訓練装置2は、サーバ装置20と、クライアント装置30と、を備える。サーバ装置20と、クライアント装置30と、は、通信回線NWを介して互いに通信可能に接続される。
【0177】
通信回線NWは、無線通信の伝送路を含んでいてもよい。また、サーバ装置20からクライアント装置30への通信(換言すると、下り通信)と、クライアント装置30からサーバ装置20への通信(換言すると、上り通信)と、で異なる伝送路が用いられてもよい。この場合、下り通信は、放送であってもよい。
【0178】
サーバ装置20、及び、クライアント装置30のそれぞれは、コンピュータ(換言すると、情報処理装置)により構成される。なお、コンピュータは、サーバ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、又は、タブレット型コンピュータであってよい。また、コンピュータは、据置型ゲーム機、携帯型ゲーム機、テレビ受像機、又は、スマートフォン等の少なくとも一部であってよい。
【0179】
本例では、サーバ装置20は、サーバ型コンピュータにより構成される。なお、サーバ装置20は、互いに通信可能に接続された複数の装置により構成されてもよい。
本例では、クライアント装置30は、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、据置型ゲーム機、携帯型ゲーム機、テレビ受像機、又は、スマートフォンにより構成される。
【0180】
サーバ装置20は、バスBU2を介して互いに接続された、処理装置21、記憶装置22、及び、通信装置23を備える。処理装置21、及び、記憶装置22は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10の処理装置11、及び、記憶装置12と同様の機能をそれぞれ有する。
【0181】
通信装置23は、サーバ装置20の外部の装置と通信する。本例では、通信装置23は、カード型、又は、オンボード型の、ネットワークアダプタ、又は、ネットワークインタフェースを備える。
【0182】
クライアント装置30は、バスBU3を介して互いに接続された、処理装置31、記憶装置32、入力装置33、出力装置34、及び、通信装置35を備える。処理装置31、記憶装置32、入力装置33、及び、出力装置34は、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10の処理装置11、記憶装置12、入力装置13、及び、出力装置14と同様の機能をそれぞれ有する。通信装置35は、通信装置23と同様の機能を有する。
【0183】
(機能)
図14に表されるように、サーバ装置20の機能は、音圧・難易度決定部201と、認知課題情報記憶部202と、音情報生成部203と、送信部204と、受信部205と、正誤情報取得部206と、正誤情報記憶部207と、を含む。
【0184】
図15に表されるように、クライアント装置30の機能は、受信部301と、音制御部302と、出力部303と、入力部304と、送信部305と、を含む。
【0185】
音圧・難易度決定部201、認知課題情報記憶部202、及び、正誤情報記憶部207は、第1実施形態の音圧・難易度決定部101、認知課題情報記憶部102、及び、正誤情報記憶部107とそれぞれ同様の機能を有する。
【0186】
音情報生成部203は、音圧が設定可能であるとともに、認知課題群の難易度が設定可能である。音情報生成部203は、音圧・難易度決定部201により決定された音圧が設定されるとともに、音圧・難易度決定部201により決定された難易度が設定される。
【0187】
音情報生成部203は、認知課題情報記憶部202に記憶されている認知課題情報群のうちの、設定された難易度を有する認知課題情報群を取得する。音情報生成部203は、取得された認知課題情報群が表す認知課題群をそれぞれ表す音群を表すとともに、設定された音圧を表す音情報を生成する。
【0188】
送信部204は、音情報生成部203により生成された音情報を通信装置23を介してクライアント装置30へ送信する。
【0189】
クライアント装置30の受信部301は、サーバ装置20により送信された音情報を通信装置35を介して受信する。
音制御部302は、受信部301により受信された音情報が表す音群を、当該音情報が表す音圧にて出力部303を介して発生する。
本例では、音情報生成部203、音制御部302、及び、出力部303は、音発生部に対応する。
【0190】
出力部303は、出力装置34により構成される。
入力部304は、入力装置33により構成される。
【0191】
送信部305は、認知課題がエピソード記憶課題、又は、作業記憶課題である場合、当該認知課題に対して訓練者が発した音声を回答として入力部304(本例では、入力装置33のマイクロフォン)を介して受け付ける。また、送信部305は、認知課題が注意課題である場合、当該認知課題に対して訓練者が行った操作を回答として入力部304(本例では、入力装置33のキー式ボタン)を介して受け付ける。
【0192】
送信部305は、受け付けられた回答を表す回答情報を通信装置35を介してサーバ装置20へ送信する。また、送信部305は、クライアント装置30の操作者又は訓練者によって入力部304を介して入力された音圧調整情報を通信装置35を介してサーバ装置20へ送信する。
【0193】
サーバ装置20の受信部205は、クライアント装置30により送信された回答情報を通信装置23を介して受信する。また、受信部205は、クライアント装置30により送信された音圧調整情報を通信装置23を介して受信する。
正誤情報取得部206は、受信部205により受信された回答情報が表す回答と、当該回答の基となった認知課題情報と対応付けて認知課題情報記憶部202に記憶されている正答情報と、に基づいて正誤情報を取得する。
【0194】
第2実施形態の聴覚機能訓練装置2によっても、第1実施形態の聴覚機能訓練装置10と同様の作用及び効果が奏される。
【0195】
<第2実施形態の第1変形例>
次に、第2実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置について説明する。第2実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置は、第2実施形態の聴覚機能訓練装置に対して、クライアント装置が正誤情報を取得する点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の第1変形例の説明において、第2実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0196】
図16に表されるように、第2実施形態の第1変形例のサーバ装置20Aの機能は、第2実施形態のサーバ装置20の機能に対して、正誤情報取得部206が削除された点、送信部204に代えて送信部204Aを有する点、及び、受信部205に代えて受信部205Aを有する点が相違する。
【0197】
また、図17に表されるように、第2実施形態の第1変形例のクライアント装置30Aの機能は、第2実施形態のクライアント装置30の機能に対して、正誤情報取得部306Aが追加された点、受信部301に代えて受信部301Aを有する点、及び、送信部305に代えて送信部305Aを有する点が相違する。
【0198】
サーバ装置20Aの送信部204Aは、音情報生成部203により生成された音情報に加えて、当該音情報の基となった認知課題情報と対応付けて認知課題情報記憶部202に記憶されている正答情報を通信装置23を介してクライアント装置30Aへ送信する。
【0199】
クライアント装置30Aの受信部301Aは、サーバ装置20Aにより送信された音情報及び正答情報を通信装置35を介して受信する。
正誤情報取得部306Aは、認知課題がエピソード記憶課題、又は、作業記憶課題である場合、当該認知課題に対して訓練者が発した音声を回答として入力部304(本例では、入力装置33のマイクロフォン)を介して受け付ける。また、正誤情報取得部306Aは、認知課題が注意課題である場合、当該認知課題に対して訓練者が行った操作を回答として入力部304(本例では、入力装置33のキー式ボタン)を介して受け付ける。
【0200】
正誤情報取得部306Aは、受け付けられた回答と、当該回答の基となった音情報とともに受信された正答情報と、に基づいて正誤情報を取得する。
送信部305Aは、正誤情報取得部306Aにより取得された正誤情報を通信装置35を介してサーバ装置20Aへ送信する。また、送信部305Aは、クライアント装置30Aの操作者又は訓練者によって入力部304を介して入力された音圧調整情報を通信装置35を介してサーバ装置20Aへ送信する。
【0201】
サーバ装置20Aの受信部205Aは、クライアント装置30Aにより送信された正誤情報を通信装置23を介して受信する。また、受信部205Aは、クライアント装置30Aにより送信された音圧調整情報を通信装置23を介して受信する。
正誤情報記憶部207は、受信部205Aにより受信された正誤情報を記憶装置22に記憶させる。
【0202】
第2実施形態の第1変形例の聴覚機能訓練装置2によっても、第2実施形態の聴覚機能訓練装置2と同様の作用及び効果が奏される。
【0203】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。
【符号の説明】
【0204】
10,10A,10B,2 聴覚機能訓練装置
20,20A サーバ装置
30,30A クライアント装置
11,21,31 処理装置
12,22,32 記憶装置
13,33 入力装置
14,34 出力装置
23,35 通信装置
101,101A,201 音圧・難易度決定部
102,202 認知課題情報記憶部
103,302 音制御部
104,303 出力部
105,304 入力部
106,106B,206,306A 正誤情報取得部
107,207 正誤情報記憶部
203 音情報生成部
204,204A,305,305A 送信部
205,205A,301,301A 受信部
BU1,BU2,BU3 バス
NW 通信回線

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17