(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】電動ブラシ
(51)【国際特許分類】
A61C 17/22 20060101AFI20241111BHJP
A46B 13/02 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
A61C17/22 C
A46B13/02
(21)【出願番号】P 2021510566
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(86)【国際出願番号】 IB2019053519
(87)【国際公開番号】W WO2019211737
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】102018000004978
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520423921
【氏名又は名称】アンドレア・トレヴィザーニ
【氏名又は名称原語表記】Andrea TREVISANI
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・トレヴィザーニ
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-023191(JP,U)
【文献】西独国特許出願公告第01198783(DE,B)
【文献】特表2014-526326(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0896126(KR,B1)
【文献】特開2013-226202(JP,A)
【文献】特開平08-000358(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107468362(CN,A)
【文献】特開平07-327739(JP,A)
【文献】特表2013-537824(JP,A)
【文献】特開平07-116027(JP,A)
【文献】特表2013-526379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/22
A46B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(10)と、
前記本体(10)に回転可能に接続され、ステム(4)及び前記ステム(4)の一端に配置された回転要素(6)を有し、前記回転要素が複数の刷毛(8)を含み、第1回転方向(r1)、及び第1回転方向(r1)とは反対の第2回転方向(r2)に回転可能であるヘッド(2)と、
前記ヘッド(2)のステム(4)に少なくとも一部が配置され、前記ヘッド(2)の回転要素(6)を回転させるために設けられる伝達軸(12)と、
前記本体(10)内に配置され、前記本体(10)内の電源手段(16)から電力を供給されて回転し、前記伝達軸(12)を介してヘッド(2)の回転要素(6)を回転させるように構成されたモータ(14)と、
を備えた歯清掃用の電動歯ブラシ(1)であって、
前記本体(10)に対して第1屈曲方向(f1)に向かうヘッド(2)の相対的な傾斜を検出するために設けられ、前記伝達軸(12)が本体(10)に対して第1屈曲方向(f1)に傾斜しているときに、前記伝達軸(12)によって押されるように伝達軸(12)の周りに配置され、押されるとモータ(14)により第1回転方向(r1)に向かってヘッド(2)の回転要素(6)を回転させる第1プッシュスイッチ(18A)と、
前記本体(10)に対して第1屈曲方向(f1)とは反対の第2屈曲方向(f2)に向かうヘッド(2)の相対的な傾斜を検出するために設けられ、前記伝達軸(12)が本体(10)に対して第2屈曲方向(f2)に傾斜しているときに、伝達軸(12)によって押されるように伝達軸(12)の周りに配置され、押されるとモータ(14)を介して第2回転方向(r2)に向かってヘッド(2)の回転要素(6)を回転させる第2プッシュスイッチ(18B)と、
前記本体(10)に対して前記第1屈曲方向(f1)及び第2屈曲方向(f2)にほぼ垂直である第3屈曲方向(f3)に向かうヘッド(2)の相対的な傾斜を検出するために設けられ、前記伝達軸(12)が前記本体(10)に対して前記第3屈曲方向(f3)に傾斜しているときに、伝達軸(12)によって押されるように伝達軸(12)の周りに配置され、押されるとモータ(14)により第1回転方向(r1)又は第2回転方向(r2)に向かってヘッド(2)の回転要素(6)を回転させる第3プッシュスイッチ(18C)と、をさらに備え
、
軸(z)を中心として、第1所定位置から第2所定位置への回転を検出するために設けた複数の傾斜スイッチ(20)を備え、
前記第2所定位置は、前記第1所定位置に対してほぼ+90°又は-90°回転しており、
前記第1所定位置にあると判断されたとき、第3プッシュスイッチ(18C)が押されても、モータ(14)により回転要素(6)を回転させず、
第1プッシュスイッチ(18A)又は第2プッシュスイッチ(18B)が押されると、前記モータ(14)により回転要素(6)を回転させ、
前記第2所定位置にあると判断されたとき、第1プッシュスイッチ(18A)及び/又は第2プッシュスイッチ(18B)が押されても、モータ(14)により回転要素を回転させず、
前記第3プッシュスイッチ(18C)が押されると、前記モータ(14)により回転要素(6)を回転させる、歯清掃用の電動歯ブラシ(1)。
【請求項2】
前記第1プッシュスイッチ(18A)が、前記第1屈曲方向(f1)に向かう前記伝達軸(12)の片側に配置され、第2プッシュスイッチ(18B)が、第2屈曲方向(f2)に向かう伝達軸(12)の片側に配置されるか、
又は、前記第1プッシュスイッチ(18A)が、第2屈曲方向(f2)に向かう前記伝達軸(12)の片側に配置され、前記第2プッシュスイッチ(18B)が、第1屈曲方向(f1)に向かう前記伝達軸(12)の片側に配置される、請求項1に記載の電動歯ブラシ(1)。
【請求項3】
前記第3プッシュスイッチ(18C)は、前記第3屈曲方向(f3)又は前記第3屈曲方向とは反対方向に向かう前記伝達軸(12)の片側に配置される、請求項1又は2に記載の電動歯ブラシ(1)。
【請求項4】
前記第1プッシュスイッチ(18A)を前記モータ(14)から切り離すように構成された第1リレーと、前記第2プッシュスイッチ(18B)を前記モータ(18B)から切り離すように構成された第2リレーとを備え、
前記第1プッシュスイッチ(18A)及び前記第2プッシュスイッチ(18B)は、傾斜スイッチ(20)により第2所定位置にあることが検出されたときに、回転要素(6)を回転させないように、第1リレー及び第2リレーによってモータ(14)から切り離され、
前記傾斜スイッチ(20)によって前記第1所定位置にあることが検出されたときに、回転要素(6)を回転させないように、第3プッシュスイッチ(18C)をモータ(14)から切り離すように構成された第3リレーをさらに備える、請求項
1から3のいずれかに記載の電動歯ブラシ(1)。
【請求項5】
前記プッシュスイッチ(18A、18B、18C)は、前記本体(10)の内部に配置されている、請求項1から
4のいずれか1項に記載の電動歯ブラシ(1)。
【請求項6】
前記プッシュスイッチ(18A、18B、18C)は、前記ヘッド(2)のステム(4)の内側に配置され、前記ステムは柔軟な素材で形成されている、請求項1から
5のいずれか1項に記載の電動歯ブラシ(1)。
【請求項7】
前記複数の傾斜スイッチ(2)が取り付けられ、前記縦軸(z)に垂直な横軸(y)に対して傾斜しているときでも、傾斜スイッチの正しい動作を可能にするように構成された振動支持体(21)をさらに備える、請求項
1から
6のいずれか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項8】
前記ヘッド(2)は、前記本体(10)に取り外し可能に結合され、及び/又は前記回転要素(6)は、前記ヘッド(4)のステム(4)に取り外し可能に結合される、請求項1から
7のいずれか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項9】
前記電源手段(16)は電池又は充電式電池である、請求項1から
8のいずれか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項10】
前記ヘッド(2)と前記本体(10)の接続ポイントに配置され、本体(10)に対するヘッド(10)の屈曲を可能にすると共に、本体(10)の水密性を保証するように構成された環状ガスケット又はベローズを含む、請求項1から
9のいずれか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項11】
前記回転要素(6)は、軸zに直交する刷毛を有する円筒形ブラシである、請求項1から
10のいずれか1項に記載の電動歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に口腔衛生装置、特に電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科医が教える正しいブラッシング動作は常に、下の歯は下から上に、上の歯は上から下に、歯の平面すなわち咀嚼面は横方向にブラッシングしなければならないというものである。
【0003】
従来技術を使用して製造された電動歯ブラシには、2つの反対回転方向に交互に回転する回転ヘッドを有するものがある。残念ながら、現在の電動歯ブラシは、回転がどんなルールによっても制御されておらず、単に2つの可能な方向に切り換えられているだけであるので、歯科医が教える正しいブラッシング動作を実行しない状態にあることがわかる。
【0004】
このように、現在の電動歯ブラシの動作は、歯科医が要求する適切な歯間クリーニング及び歯肉マッサージの要件を満たしていない。
【0005】
現在、正しいブラッシング動作は手動の歯ブラシによって行われているだけなのかもしれない。残念ながら、手動の歯ブラシの動作は、かなりの時間がかかる上、歯科衛生はほどほどでしかない。
【0006】
特許文献1には、回転ブラシで歯を掃除するための電動歯ブラシが記載されている。しかしながら、前述の問題は未解決のままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的の1つは、歯科医が要求するような、手動歯ブラシの正しい使用に取って代わることができる、適切な歯間クリーニングを確実にすると共に、適切な歯肉マッサージを確実にする電動歯ブラシを提供することである。
【0009】
前述及び他の目的及び利点は、本発明の一態様によれば、請求項1に記載された特徴を有する電動歯ブラシによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属項に記載され、その内容は本説明の不可欠な部分であることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付図面を参照して、本発明に係る電動歯ブラシのいくつかの好ましい実施形態の機能的及び構造的特徴について説明する。
【
図1】本発明に係る電動歯ブラシの第1実施形態を示す。
【
図2】電動歯ブラシのヘッドが、例えば屈曲方向に屈曲し、図の上部にあるプッシュスイッチを押すように形成された
図1の電動歯ブラシを示す。
【
図3】電動歯ブラシのヘッドを、例えば屈曲方向に屈曲し、図の下部にあるプッシュスイッチを押すように形成された電動歯ブラシを示す。
【
図6】電動歯ブラシ内で使用できる回路図の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の複数の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、構成上の詳細及び以下の説明に示されるか又は図面に示される構成要素の構成に限定されないことを明確にすべきである。本発明は、他の実施形態を想定することができ、実際には、異なる方法で実施又は達成することができる。また、表現及び用語には説明的な目的があり、限定的なものとして解釈されるべきではないことも理解されるべきである。「含む」及び「備える」の使用及びそれらの変形は、以下に記載される要素及びそれらの同等物、ならびに追加の要素及びそれらの同等物を包含すると理解されるべきである。
【0012】
まず、
図1を参照すると、本発明に係る電動歯ブラシの第1実施形態が示されている。
【0013】
この電動歯ブラシ1は、本体10とヘッド2からなる歯をクリーニングするための歯ブラシである。
【0014】
ヘッド2は、ステム4と、ステム4の一端に配置された回転要素6とを備える。
【0015】
回転要素6は、複数の刷毛8を含み、2つの反対の回転方向、特に、第1回転方向r1と、第1回転方向r1とは反対の第2回転方向r2に回転するように構成されている。
【0016】
ヘッド2は、回動可能に前記本体10に接続されている。
【0017】
電動歯ブラシ1は、ヘッド2のステム4に少なくとも部分的に収容された伝達軸12をさらに備える。伝達軸12は、ヘッド2の回転要素6を回転させるために設けられている。
【0018】
回転要素6は、伝達軸12の軸に直交する回転軸を中心として回転する。
【0019】
さらに、電動歯ブラシ1は、電源手段16から電力を供給され、回転要素6を第1回転方向r1及び第2回転方向r2に回転させるように、伝達軸12を介してヘッド2の回転要素6に伝達される回転運動を生成するモータ14を含む。このモータ14及び電源手段16は、本体10内に配置されている。
【0020】
図1に示すように、電動歯ブラシ1は、第1屈曲方向f1に向かう、本体10に対するヘッド2の相対的な傾斜を検出するために提供される第1プッシュスイッチ18Aを備える。この第1プッシュスイッチ18Aは、伝達軸12が本体10に対して第1屈曲方向f1に向かって傾斜しているときに、伝達軸12によって押されるように、伝達軸12の周囲に配置されている。第1プッシュスイッチ18Aが押されると、モータ14を介して第1回転方向r1に向かってヘッド2の回転要素6が回転する。
【0021】
電動歯ブラシ1は、前記第1屈曲方向f1とは反対の第2屈曲方向f2に向かう、本体10に対するヘッド2の相対的な傾斜を検出するために設けた第2プッシュスイッチ18Bを備える。第2プッシュスイッチ18Bは、伝達軸12が本体10に対して第2屈曲方向f2に向かって傾斜しているときに、伝達軸12によって押されるように、伝達軸12の周りに配置されている。第2プッシュスイッチ18Bが押されると、モータ14を介して第2回転方向r2に向かってヘッド2の回転要素6が回転する。
【0022】
図4に示すように、電動歯ブラシ1はまた、第3屈曲方向f3に向かう、本体10に対するヘッド2の相対的な傾斜を検出するために設けた第3プッシュスイッチ18Cを備える。第3屈曲方向f3は、前記第1屈曲方向f1及び前記第2屈曲方向f2にほぼ垂直である。第3プッシュスイッチ18Cは、伝達軸12が本体10に対して第3屈曲方向f3に向かって傾斜しているときに、第3プッシュスイッチ18Cが伝達軸12によって押されるように、伝達軸12の周りに配置されている。第3プッシュスイッチ18Cは、モータ14により第1回転方向r1又は第2回転方向r2に向かってヘッド2の回転要素6を回転させる。
【0023】
この状態は、歯の咀嚼面をクリーニングするために提供されているので、回転要素が第1又は第2回転方向r1、r2に向かって回転するかどうかは重要ではない。
【0024】
第3プッシュスイッチ18Cは、第3屈曲方向f3又は第3屈曲方向f3と反対方向に向かう伝達軸12の片側に配置することができる。
【0025】
図2を参照すると、一実施形態では、第1プッシュスイッチ18Aは、第1屈曲方向f1に面する伝達軸12の片側に配置でき、第2プッシュスイッチ18Bは、第2屈曲方向f2に面する伝達軸12の片側に配置できる。この配置によれば、ヘッド2が
下向きに曲げられると、第2プッシュスイッチ18Bが押され、
上向きに曲げられると第1プッシュスイッチ18Aが押される。
【0026】
この場合、スイッチの圧力はピボットポイントに依存する。
【0027】
図3を参照すると、さらなる実施形態では、第1プッシュスイッチ18Aは、第2屈曲方向f2に面する伝達軸12の片側に配置してもよく、第2プッシュスイッチ18Bは、第1屈曲方向f1に面する伝達軸12の片側に配置してもよい。この配置によれば、ヘッド2が上向きに曲げられると、第1プッシュスイッチ18Aが押され、下向きに曲げられると、第2プッシュスイッチ18Bが押される。
【0028】
例えば、プッシュスイッチは、標準スイッチ、押しボタンスイッチ、又はマイクロスイッチであればよい。
【0029】
さらなる例として、
図1~3から観察されるように、回転要素6は、軸zに直交する刷毛を有する円筒形のブラシであってもよい。換言すれば、回転要素は、ローラ形状であってもよい。また
図4を参照すると、回転要素6は円形構造を有し、その一表面のみから刷毛が突出していてもよい。
【0030】
引き続き図面を参照すると、本体10は、細長部13及びドーム部15を備えてもよい。ドーム部15は、伝達軸12の通路のための開口部を有していてもよい。ドーム部15内に、前記プッシュスイッチ18A,18B,18Cを配置してもよい。細長部13及びドーム部15は、一体的に形成してもよいし、別々に形成して組み立ててもよい。さらに、細長部13及びドーム部15は、プラスチック材料又はアルミニウムなどの金属材料によって形成してもよい。例えば、細長部は、円筒形、多角形、又はユーザによる把持を容易にすることができる任意の形状であればよい。
【0031】
電動歯ブラシ1の実用的な使用例を見ると、電動歯ブラシ1は、例えば下顎歯列弓の左外側部分に配置されるとすぐに動作を開始し、水しぶきを避けるために唇は半分閉じられる。その瞬間、ステムのわずかな上向きの屈曲により、第2プッシュスイッチ18Bが作動し、モータ14に信号を送り、回転要素6を反時計回りに回転させる。すなわち、回転要素6は、歯及び歯茎を下から上に磨く。動作を継続し、電動歯ブラシを歯の咀嚼面上に動かすと、この位置専用の第3プッシュスイッチ18Cが作動し、回転要素を2つの可能な方向r1又はr2の一方に回転させる。
【0032】
再び90°回転すると、歯ブラシは下顎歯列弓の左内側にあることが分かる。その瞬間、歯ブラシが下顎歯列弓の左外側部分にあるときに検出される屈曲とは反対のステムのわずかな屈曲が、第2プッシュスイッチ18Bを作動させ、モータ14に信号を送り、回転要素6を時計回りに回転させる。このようにして、ブラッシングは再び下から上となる。したがって、歯の4つの部分で繰り返される操作により、どのような場合でも正しい回転方向で器具が検出され、常に下から上に歯を磨くことができる。
【0033】
図4の例に示すように、電動歯ブラシ1は、第1所定位置から第2所定位置への回転を検出するために設けた複数の傾斜スイッチ20を備えていてもよい。
【0034】
本説明及び特許請求の範囲において、「縦方向」の位置及び方向を示す用語及び表現は、伝達軸12の軸方向にほぼ平行であると理解されるべきである。さらに、「横方向」を示す用語及び表現は、回転要素6の回転軸の方向にほぼ垂直であると理解されるべきである。
【0035】
第2所定位置は、第1所定位置に対して実質的に+90°又は-90°回転される。
【0036】
電動歯ブラシ1が第1所定位置にあると判断された場合、第3プッシュスイッチ18Cがヘッド2のステム4によって押されても、ヘッド2はモータ14により回転要素6を回転させることができない。第1プッシュスイッチ18A又は第2プッシュスイッチ18Bが押されれば、前記モータ14により回転要素6を回転させてもよい。
【0037】
一方、電動歯ブラシ1が第2所定位置にあると判断された場合、第1プッシュスイッチ18A及び/又は第2プッシュスイッチ18Bが押されても、回転要素を回転させることはできない。第3プッシュスイッチ18Cを押すだけで、前記モータ14により回転要素6を回転させることができる。
【0038】
例えば、
図1及び
図3を参照すると、
図1は、第1所定位置にある電動歯ブラシを示し、
図3は、第2所定位置にある電動歯ブラシを示している。
【0039】
第1所定位置は、歯の側壁を清掃するために設けられており、第3屈曲方向f3に向かうヘッド2の屈曲、ひいては伝達軸12の屈曲は不要であるばかりでなく、第3屈曲方向f3に向かう屈曲が検出された場合にも、モータを対照的に制御することができるので、検出から除外されなければならない。このため、第3屈曲方向f3に向かう屈曲を検出するために設けたプッシュスイッチ18Cは無効にされ、起こり得る屈曲を検出するためには使用されない。
【0040】
逆に、第2所定位置は、歯の咀嚼面を清掃するために設けられており、第1又は第2屈曲方向に向かうヘッド2の屈曲、ひいては伝達軸12の屈曲は不要であるばかりでなく、第1及び第2屈曲方向に向かう屈曲が検出された場合には、モータを対照的に制御することができるので、検出から除外されなければならない。このため、第1又は第2屈曲方向に向かう屈曲を検出するために設けたプッシュスイッチ18A、18Bは無効にされ、起こりうる屈曲を検出するためには使用されない。
【0041】
次の解決策により、これらのスイッチを無効にすることができる。
【0042】
電動歯ブラシ1は、第1プッシュスイッチ18Aをモータ14から切り離すための第1リレーと、第2プッシュスイッチ18Bをモータ14から切り離すための第2リレーとを備えていてもよい。
【0043】
電動歯ブラシ1が傾斜スイッチ20によって前記第2位置にあることが検出されると、第1プッシュスイッチ18A及び第2プッシュスイッチ18Bは、第1リレー及び第2リレーによってモータ14から切断される。この結果、第1プッシュスイッチ18A及び第2プッシュスイッチ18Bは、回転要素6を回転させることができない。
【0044】
電動歯ブラシ1は、第3プッシュスイッチ18Cをモータ14から切り離すように構成された第3リレーをさらに備えてもよい。
【0045】
電動歯ブラシ1が傾斜スイッチ20によって前記第1位置にあることが検出されると、第3プッシュスイッチ18Cはモータ14から切り離され、第3プッシュスイッチ18Cはモータ14により回転要素6を回転させることができない。
【0046】
図3を参照すると、電動歯ブラシは、複数の傾斜スイッチ20が取り付けられた振動支持体21をさらに備えていてもよい。
【0047】
振動支持体21は、一端が本体10にヒンジ固定された単純な回路基板であればよい。
【0048】
振動支持体21は、電動歯ブラシが前記長軸zに垂直な横軸yに対して傾斜しているときでさえ、傾斜スイッチ20の正しい機能を可能にするように構成されている。
【0049】
この状況は、ユーザが歯を磨きながら洗面台に屈むと発生するかもしれない。
【0050】
振動支持体21は、傾斜が補償されることを可能にし、傾斜スイッチ20の正しい動作を保証する。
【0051】
図示しない代替の実施形態では、プッシュスイッチ18A、18B、18Cは、歯ブラシ1の本体10に収容する代わりに、ヘッド2のステム4内で、伝達軸12の周りに配置されている。この場合、ステムは柔軟な素材で形成される。同じステムは、屈曲してプッシュスイッチの1つを押す。
【0052】
前述の実施形態のいずれか1つにおいて、ヘッド2は、本体10に取り外し可能に結合してもよく、回転要素6は、ヘッド2のステム4に取り外し可能に結合してもよい。
【0053】
回転要素6のみの定期的な交換は、より経済的な解決策であり、本体10とヘッド2との間の回転部分を損なうことがない点で好ましい。回転部分は、ヘッドのステムに必要とされる柔軟性と、同時に本体の水密性とを保証するために非常に正確な結合を必要とするポイントである。
【0054】
さらに、電源手段16は、1以上の交換可能な電池又は再充電可能な電池であってもよい。
【0055】
さらに、電動歯ブラシは、ヘッド2と本体10との接続ポイントに配置された環状ガスケット又はベローズを備えていてもよい。このような環状ガスケット又はベローズは、本体10に対してヘッド2を屈曲可能とし、本体10の水密性を保証できるにするように構成されている。
【0056】
環状ガスケットは、例えば、Oリングであってもよい。
【0057】
したがって、本発明によって得られる利点は、手動歯ブラシの正しい使用に取って代わることができる電動歯ブラシを提供し、適切な歯間洗浄を確実にし、歯科医が必要とする適切な歯肉マッサージを確実にすることである。
【0058】
さらに、電動歯ブラシの回転要素の回転速度により、歯と歯茎を通過する毛の数は、通常の手動歯ブラシを使用して達成できる数の数倍になる。これにより、歯の頸部を覆うガイド付きの激しい歯肉マッサージが行われる。これは、「歯周病」の治療に非常に役立つ動作であり、使用する練り歯磨きの特性をより有効に活用して、歯をより徹底的にクリーニングする。さらに、内部と咀嚼面のブラッシング能力が向上しているため、デンタルフロスと非常によく似た作用があり、使用量を減らすことはできないものの、時間を大幅に節約可能となる。
【0059】
本発明による電動歯ブラシの様々な態様及び実施形態を説明した。各実施形態は、他の任意の実施形態と組み合わせることができることが理解される。さらに、本発明は、記載された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲内で変更可能である。