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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】車載機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20241111BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241111BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20241111BHJP
   G03B 19/07 20210101ALI20241111BHJP
   G03B 19/06 20210101ALI20241111BHJP
   H04N 23/51 20230101ALI20241111BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20241111BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241111BHJP
   B62D 41/00 20060101ALI20241111BHJP
   B60R 11/04 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G03B17/56 A
G03B15/00 V
G03B30/00
G03B19/07
G03B19/06
H04N23/51
H04N23/695
H04N7/18 J
B62D41/00
B60R11/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023109770
(22)【出願日】2023-07-04
(62)【分割の表示】P 2021107227の分割
【原出願日】2015-01-06
(65)【公開番号】P2023145450
(43)【公開日】2023-10-11
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】上 三千洋
(72)【発明者】
【氏名】荒谷 良彦
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-120557(JP,A)
【文献】特開2000-118300(JP,A)
【文献】特開2003-306106(JP,A)
【文献】登録実用新案第3156350(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0265328(US,A1)
【文献】特開2003-169233(JP,A)
【文献】特開2003-276507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
G03B 15/00
G03B 30/00
G03B 19/07
G03B 19/06
H04N 23/51
H04N 23/695
H04N 7/18
B62D 41/00
B60R 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車内に取り付けられる車載機器であって、
円筒の形状に構成された本体部に設けられた、前記車両の車外を撮影する第1のカメラと、
前記車両の車内を撮影する第2のカメラと、
前記本体部を前記円筒の所定の中心軸を中心に回転可能にして前記車両に取り付けるためのブラケットと、
を有し、
前記第1のカメラの撮影方向は、前記本体部を前記中心軸を中心に回転させることにより前記ブラケットに対する前記本体部の姿勢を変化させることで、変更可能であり、
前記第2のカメラの撮影方向は、前記本体部を前記中心軸を中心に回転させなくとも、前記本体部に対する前記第2のカメラが設けられた部分の姿勢を変化させることで、変更可能である
車載機器。
【請求項2】
前記第1のカメラは、前記車両に取り付けた際の鉛直方向の画角が前記第2のカメラの鉛直方向の画角よりも小さくなるように構成されている
請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記第1のカメラのレンズは前記本体部に固定され、
前記第2のカメラは、上下及び左右の方向に撮影方向を変更可能に構成される
請求項1又は2に記載の車載機器。
【請求項4】
ドライブレコーダである請求項1から3のいずれか1項に記載の車載機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカメラを有する車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、車外を撮影する第1のカメラに加え、第1のカメラと異なる場所、例えば、車内を撮影可能な第2のカメラを備えた車載機器が知られている。このような車載機器、例えば、ドライブレコーダにおいては、第1のカメラを車外に向け、第2のカメラは車内に向くように取り付けることで、業務用車両では第2のカメラを車内用の防犯カメラとして機能させ、一般車両では第2のカメラをドライブ中の車内を撮影するためのカメラとして機能させることができる。
【0003】
一方、ドライブレコーダは、道路運送車両の保安基準等により取り付け位置が規制されており、例えば、車両のフロントガラスに取り付ける場合、フロントガラスの上端から上下方向に20%以内の範囲に取り付けなければならない。そのため、第1のカメラと第2のカメラとの相対位置が固定されている場合、取り付け位置によっては、第2のカメラによる任意の場所の撮影ができない場合がある。
【0004】
これに対しては、第2のカメラを回転させて撮影方向を変更可能なドライブレコーダが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-120557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のドライブレコーダは、1つの回転機構で第2のカメラを回転させて撮影方向を変更するため、取り付け位置によっては第2のカメラを任意の方向に向けることができず、任意の場所の撮影ができない場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、複数のカメラのそれぞれで任意の場所の撮影が可能な車載機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)第1のカメラと、撮影方向を変更可能な第2のカメラと、を備え、前記第2のカメラは、撮影方向を任意の方向に変更可能に、直接及び/又は間接的に、少なくとも平行でない2方向に、前記第1のカメラに対して相対的に回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、第1のカメラの撮影方向に基づいて車載機器を車両の取付け箇所に取り付けた場合においても、第2のカメラを任意の方向に向けて、任意の場所を撮影することができる。つまり、第1のカメラ及び第2のカメラのそれぞれで、任意の場所を撮影することができる。
【0010】
第1のカメラに対する第2のカメラの少なくとも平行でない2方向の相対的な回転としては、車両の取付け箇所に車載機器を取り付けた際の第1のカメラに対して、第2のカメラが何れの方向にも相対的に回転可能に構成するとよい。例えば、第1のカメラに対して何れの方向にも相対的に回転可能な回転機構を設けるとよい。何れの方向にも相対的に回転可能に構成することで、第2のカメラの撮影方向を任意の場所に向けた任意の方向に、より詳細に変更することができる。
【0011】
また、車両の取付け箇所に車載機器を取り付けた際の第1のカメラに対して、水平方向と、鉛直方向と、に第2のカメラを回転可能に構成するとなおよい。例えば、第1のカメラに対して、水平方向における左周り回転及び/又は右周り回転と、鉛直方向における上周り回転及び/又は下周り回転と、に第2のカメラを回転可能な2つの回転機構を設けるとよい。この場合、第2のカメラを直接回転させるように構成してもよく、間接的に回転させるように構成してもよい。第2のカメラをこのように構成することで、簡単な構成で、少なくとも平行でない2方向からの第2のカメラの撮影方向の変更が可能になる。
【0012】
なお、ここでいう平行でない2方向とは、第2のカメラの回転方向が、少なくとも何れかで交差する2方向とするとよい。何れかで交差する2方向としては、鋭角(例えば、第1の回転方向に対する第2の回転方向が30度以内)に交差するように2方向を構成してもよく、直交(例えば、90度)するように2方向を構成するとなおよい。
【0013】
第1のカメラに対して第2のカメラを間接的に平行でない2方向に相対的に回転させる構成としては、例えば、第2のカメラを支持するケース等を、第1のカメラに対して、平行でない2方向に回転可能な構成にするとよい。また、第1のカメラに対して第2のカメラを直接及び間接的に平行でない2方向に相対的に回転させる構成としては、第2のカメラを回転自在に支持するケースを、第2のカメラの回転方向と異なる方向に第1のカメラに対して回転可能な構成にするとよい。
【0014】
なお、車両の取付け箇所に車載機器を取り付けた際の第1のカメラは、直接又は間接的に、車両に固定される構成とするとよい。例えば、取付け用ブラケットを介して車両に固定されるように構成してもよく、ケースに固定された状態で取付け用ブラケットを介してケースを車両に固定されるように構成してもよい。また、第2のカメラを回転させる際においても第1のカメラが固定されているとなおよい。
【0015】
また、第1のカメラ及び第2のカメラは、第1のカメラを車外に向け、第2のカメラが車内に向くように構成してもよく、第1のカメラを車内に向け、第2のカメラが車外に向くように構成してもよい。特に、第1のカメラを車外に向け、第2のカメラが車内に向くように構成するとよい。
【0016】
また、車載機器は、複数のカメラ付きのナビゲーション装置とするとよく、ドライブレコーダ機能付きのナビゲーション装置やドライブレコーダとするとなおよい。ナビゲーション装置に用いることで、例えば、第1のカメラ及び第2のカメラが撮影した画像(静止画又は動画)と地図情報とを関連付けて記憶させることができる。また、ドライブレコーダに用いることで、例えば、第2のカメラを防犯カメラとして機能させたり、ドライブ中の車内を撮影するカメラとして機能させたりすることができる。
【0017】
また、例えば、車外及び車内におけるドライバの死角となる場所を撮影可能に第2のカメラの撮影方向を変更するとよい。この場合、車載機器は、画像を表示可能なモニタを有するとよい。モニタは、車載機器が有してもよく、別の機器(例えば、ナビゲーション装置やスマートホンの液晶モニタ等)のモニタを用いることができるように構成してもよい。このようにすることで、ドライバはモニタを見ることで死角となる場所を確認することができる。なお、このように使用する場合は、死角を見るのに適切な画角の第2のカメラを用いるとなおよく、例えば、幅方向の両側が湾曲しない程度の画角のカメラを用いるとよい。撮影画像の幅方向の両側が湾曲しないことで、距離感をつかみ易くなり、より死角を確認し易くなる。特に、第2のカメラを幅方向の両側が湾曲しない画角のカメラとし、第1のカメラを幅方向の両側が湾曲するくらいの広角なカメラにするとよい。
【0018】
(2)前記平行でない2方向の相対的な回転の少なくとも1つは、前記第1のカメラが撮影不能な場所を撮影可能となる位置まで前記第2のカメラを回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、第1のカメラの撮影不能な場所を撮影可能となる位置まで第2のカメラを回転させた後、回転してきた方向と異なる方向(例えば、交差する方向)に更に第2のカメラを回転させることで、第1のカメラの撮影不能な場所で、第2のカメラによる更なる撮影方向の変更が可能となる。
【0020】
第1のカメラの撮影不能な場所としては、例えば、第1のカメラの画角から外れた場所とするとよく、第1のカメラの撮影方向から180度回転させた場所とするとなおよい。また、第1のカメラの撮影不能な場所を第2のカメラで撮影するには、第1のカメラの撮影不能な場所が第2のカメラの画角内に収まるように第2のカメラを直接又は間接的に回転可能に構成するとよく、第1のカメラに対して第2のカメラを直接又は間接的に180度以上回転可能に構成するとなおよい。
【0021】
(3)前記第1のカメラに対して、直接及び/又は間接的に、前記第2のカメラを所定角度以上回転させた場合に、前記第2のカメラで撮影した画像が通常視認される画像となるように、前記第2のカメラで撮影した撮影画像を、該撮影画像の法線方向に180度回転させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
これによれば、第2のカメラを回転させた場合においても、第2のカメラで撮影した撮影画像を、通常視認される向きの画像とすることができる。例えば、第1のカメラの撮影方向に基づいて車載機器を車両の取付け箇所に取り付けた後、第2のカメラを第1のカメラに対して上下方向に90以上回転させた場合においても、第2のカメラで撮影した画像が、ユーザの視認に対して撮影画像の法線周りに180度回転した画像(例えば、上下が反転した画像)となることなく、通常視認される向きの画像とすることができる。
【0023】
所定角度としては、上下方向に90度以上させた場合とするとよく、第2のカメラを第1のカメラに対して上下方向に180度回転させた場合とするとなおよい。
【0024】
通常視認される画像としては、撮影画像を表示可能な表示装置を通常の状態で設置して撮影画像を当該表示装置に表示させた際に、表示装置に表示される画像の上下方向が、ユーザの視認に対して反転した画像と認識されない画像とするとよい。
【0025】
(4)前記第1のカメラは、車両に取り付けた際の水平方向の画角が前記第2のカメラの水平方向の画角よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする。
【0026】
これによれば、第1のカメラで車外を撮影するために第1のカメラを車外に向けて車両の取付け箇所に取り付けた場合に、第2のカメラで車外を撮るよりも水平方向における広角な映像を撮ることができる。第1のカメラの水平方向の画角を第2のカメラの水平方向の画角よりも大きくする構成としては、第2のカメラよりも広角なレンズを用いるとよい。
【0027】
(5)前記第1のカメラは、車両に取り付けた際の鉛直方向の画角が前記第2のカメラの鉛直方向の画角よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【0028】
これによれば、第1のカメラで車外を撮影するために第1のカメラを車外に向けて車両の取付け箇所に取り付けた場合に、第2のカメラで車外を撮るよりも外光の入射を低減させることができる。第1のカメラの鉛直方向の画角を第2のカメラの鉛直方向の画角よりも小さくする構成としては、第2のカメラよりも鉛直方向の画角の狭いレンズを用いるとよい。
【0029】
(6)前記第1のカメラを有する第1の本体部と、前記第2のカメラを有し、前記第2のカメラを回転自在に支持すると共に、前記第1の本体部に相対的に回転可能に構成された第2の本体部と、を備えたことを特徴とする。
【0030】
これによれば、第1のカメラの撮影方向に基づいて第1の本体部を車両の取り付け位置に取り付けた場合においても、第2の本体部及び第2のカメラを第1の本体部に対して回転させることで、任意の方向に第2のカメラを向けて、第2のカメラで任意の場所を撮影することができる。
【0031】
第2のカメラは、第2の本体部の第1の本体部に対する回転方向を含むいずれの方向にも回転可能に第2の本体部に支持される構成とするとよく、第2の本体部の第1の本体部に対する回転方向と異なる方向に回転可能に第2の本体部に支持される構成とするとなおよい。第2の本体部が第2のカメラを何れの方向にも回転自在に支持される構成としては、第2のカメラに回転中心を設定し、この回転中心を中心に、第2の本体部に第2のカメラを回転自在に支持させるとよい。例えば、第2のカメラにボールジョイントを一体的に取り付け、ボールジョイントの回転中心を中心に、第2の本体部にボールジョイントを回転自在に支持させるとよい。また、第2のカメラが第2の本体部に回転自在に支持される構成としては、第2のカメラに回転軸を設定し、回転軸を中心に、第2の本体部に第2のカメラを回転自在に支持させるとよい。
【0032】
第2の本体部は、第2本体部の回転方向における第1のカメラの画角から外れた場所を、少なくとも第2のカメラが撮影可能となる回転位置まで、第1の本体部に対して相対的に回転可能に接続される構成とするとよい。例えば、第2の本体部は、第1の本体部に対して、180度以上回転可能に構成されるとよく、少なくとも180度回転可能に構成されるとなおよい。第2の本体部が第1の本体部に180度以上回転可能に構成されることで、第1のカメラの画角の範囲と重なる部分から、第2の本体部の回転方向における第1のカメラの画角から外れた場所までを撮影することができる。また、180度回転可能に構成されることで、少なくとも、第2の本体部の回転方向における第1のカメラの画角から外れた場所を第2のカメラで撮影することができる。
【0033】
第1のカメラは、第1の本体部に回転可能に固定(以下、「半固定」という)されているとよく、第1の本体部と一体的に設けられるとなおよい。第1のカメラが第1の本体部に半固定されることで、例えば、第1の本体部を車両の取り付け位置に取付けた後でも、第1のカメラの向きを変更可能になる。また、第1のカメラが第1の本体部と一体的に設けられることで、車載機器を簡単な構成にすることができる。
【0034】
なお、半固定とは、所定以上の回転トルクが付与された場合は回転し、所定未満の回転トルクが付与された場合は回転せずに姿勢が保持される状態とするとよい。所定以上の回転トルクとしては、例えば、ユーザが第1のカメラを摘まんで回転させる際に作用する回転トルクとするとよい。言い換えると、所定以上の回転トルクとしては、ユーザの意志により直接又は間接的に第1のカメラに作用する回転トルクとするとよく、例えば、ユーザの操作によって駆動するモータ等の動力やユーザの手等により作用する回転トルクとするとよい。所定未満の回転トルクとしては、車載機器を車両の取付け箇所に取り付けた後に、走行中の車両の振動等により第1のカメラに作用する回転トルク等とするとよい。言い換えると、所定未満の回転トルクとしては、第1のカメラを回転させようとするユーザの意志とは関係なく、第1のカメラに作用する回転トルクとするとよい。
【0035】
第1のカメラが第1の本体部と一体的とは、少なくとも第1のカメラを構成する第1のレンズが第1の本体部に固定されている構成とするとよい。
【0036】
また、第1の本体部及び第2の本体部は、矩形箱状にするとよく、円筒形状にするとなおよい。円筒形状にした場合は、第1の本体部と第2の本体部とを同径にするとよい。
【0037】
(7)前記第2の本体部は、前記第2のカメラを回転方向に案内するために切り欠かれた案内部を有し、前記案内部の外縁の少なくとも一部は、前記第2の本体部の外周面に対して凹状となるように形成されていることを特徴とする。
【0038】
これによれば、第2の本体部の案内部の外縁が第2の本体部の外周面に対して凹状となるように形成されているため、案内部における第2の本体部からの第2のカメラの相対的な突出量が多くなり、ユーザが第2のカメラを動かし易くなる。例えば、第2の本体部の案内部の外縁周域の外周面と異なる外周面(例えば、案内部の反対側の外周面(他の外周面))に対する突出量が小さくなるように第2のカメラを形成した場合においても、案内部の外縁が前述した他の外周面よりも凹状に形成されることで、案内部における第2のカメラの突出量を他の外周面からの突出量よりも相対的に大きくすることができる。
【0039】
凹状に形成される案内部の外縁としては、第2のカメラの案内方向と略平行な両側とするとよい。
【0040】
(8)前記第1の本体部は、略円筒形状に形成され、前記第2の本体部は、略円筒形状に形成され、かつ、該第2の本体部の中心軸が前記第1の本体部の中心軸と同軸上に位置し、該第1の本体部の中心軸と同軸上で前記第1の本体部に対して相対的に回転するように、前記第1の本体部に回転可能に接続されていることを特徴とする。
【0041】
これによれば、第1の本体部と第2の本体部とが略円筒形同士なので、車載機器の外形が大きく変化することなく、第1の本体部に対して第2の本体部を回転させることができる。つまり、車載機器の外形を大きく変更することなく、第2のカメラの撮影方向を変更することができる。
【0042】
第1の本体部と第2の本体部とは、それぞれの外径を同径にするとよい。それぞれの外径を同径にすることで、第2の本体部を回転させた際の車載機器の外形が大きく変化することを更に防止することができ、例えば、車両の取付け箇所に車載機器を取り付けた後に第2の本体部を回転させても、第2の本体部が他の機器と干渉することを防止することができる。
【0043】
(9)前記第2のカメラは、前記第2の本体部の中心軸と直交する回転軸を中心に、前記第2の本体部に回転自在に支持されていることを特徴とする。
【0044】
これによれば、第2の本体部の中心軸に対して斜めに第2のカメラが回転するように構成するよりも、第2の本体部の中心軸の軸方向の先端側(中心軸の軸方向における第1の本体部が接続されている側と反対側)に第2のカメラを位置させることができ、例えば、水平方向における回転範囲を大きくすることができる。
【0045】
(10)前記第2の本体部の中心軸の軸方向における前記第1の本体部と反対側の端部は、前記第2のカメラの回転に沿った形状となるように半球状に形成されていることを特徴とする。
【0046】
これによれば、第2の本体部の軸方向における第1の本体部と反対側の端部で、第2のカメラが不要に突出したり凹んだりすることなく、第2の本体部の端部に沿って回転させることができる。
【0047】
(11)前記第2の本体部は、前記第1の本体部に対して少なくとも180度回転可能に支持されていることを特徴とする。
【0048】
これによれば、第2の本体部を回転させるだけで、第1のカメラの画角の範囲外を第2のカメラで撮影することができる。
【0049】
(12)所定以上の回転トルクが前記第2の本体部に付与されると、前記第1の本体部に対して前記第2の本体部が回転し、所定未満の回転トルクが前記第2の本体部に付与されると、前記第2の本体部が回転することなく、前記第1の本体部に保持される本体保持手段を備えたことを特徴とする。
【0050】
これによれば、第2の本体部に所定以上の回転トルクが付与された場合には、第1の本体部に対して第2の本体部が回転可能になり、所定未満の回転トルクが第2の本体部に付与された場合には、本体部に対して第2の本体部を任意の回転位置で保持させることができる。
【0051】
所定以上の回転トルクとしては、例えば、ユーザが第2の本体部を摘まんで回転させる際に第2の本体部に作用する回転トルクとするとよい。言い換えると、所定以上の回転トルクとしては、第2の本体部を回転させようとするユーザの意志により直接又は間接的に第2の本体部に作用する回転トルクとするとよく、例えば、ユーザの操作によって稼働するモータ等の動力やユーザの手により作用する回転トルクとするとよい。所定未満の回転トルクとしては、車載機器を車両の取付け箇所に取り付けた後に、走行中の車両の振動等により第2の本体部に作用する回転トルクや第2のカメラを回転させる際に第2の本体部に作用する回転トルクとするとよい。言い換えると、所定未満の回転トルクとしては、第2の本体部を回転させようとするユーザの意志とは関係なく、第2の本体部に作用する回転トルクとするとよい。
【0052】
このとき、第1の本体部は、直接又は取付け用ブラケット等を介して、車両の取付け箇所に固定されているとよい。車両の取付け箇所に固定される際には、第1のカメラが車外に向くように固定されるとよい。
【0053】
(13)所定以上の回転トルクが前記第2のカメラに付与された場合は、前記第2の本体部に対して前記第2のカメラが回転し、所定未満の回転トルクが前記第2のカメラに付与された場合には、前記第2の本体部に前記第2のカメラが保持されるカメラ保持手段を備えたことを特徴とする。
【0054】
これによれば、第2のカメラに所定以上の回転トルクが付与された場合には第2のカメラが回転可能になり、所定未満の回転トルクが第2のカメラに付与された場合には第2のカメラを任意の回転位置で第2の本体部に保持させることができる。
【0055】
所定以上の回転トルクとしては、例えば、ユーザが第2のカメラを摘まんで回転させる際に第2のカメラに作用する回転トルクとするとよい。言い換えると、所定以上の回転トルクとしては、第2のカメラを回転させようとするユーザの意志により直接又は間接的に第2のカメラに作用する回転トルクとするとよく、例えば、ユーザの操作によって稼働するモータ等の動力やユーザの手により作用する回転トルクとするとよい。所定未満の回転トルクとしては、車載機器を車両の取付け箇所に取り付けた後に、走行中の車両の振動等により第2のカメラに作用する回転トルクや第2の本体部を回転させる際の第2のカメラに作用する回転トルクとするとよい。言い換えると、所定未満の回転トルクとしては、第2のカメラを回転させようとするユーザの意志とは関係なく、第2のカメラに作用する回転トルクとするとよい。このとき第2の本体部は、本体保持手段によって第1の本体部に任意の回転位置で保持されているとよい。例えば、(12)における回転トルク(例えば、第1の回転トルクという)は、(13)における回転トルク(例えば、第2の回転トルクという)よりも大きくなるように構成するとよい。
【0056】
(14)前記第1の本体部を車両の取り付け位置に固定する固定手段を備えたことを特徴とする。
【0057】
これによれば、第1の本体部が不要に動かないように第1の本体部を車両の取付け箇所に取付けることができる。固定手段としては、例えば、第1の本体部に装着可能な取付け用ブラケットとするとよい。取付け用ブラケットとしては、第1の本体部の向き(例えば、車両の取付け箇所における第1の本体部の姿勢)を変更可能に構成するとよい。言い換えると、第1のカメラの撮影方向を変更可能に第1の本体部を固定可能に構成するとよい。
【0058】
また、固定手段としては、第1の本体部に装着可能なリング部材及び取付け箇所に取り付け可能な取付け部材を有する取付け用ブラケットと、リング部材を第1の本体部に固定させる固定部材と、を備えるとなおよい。固定部材としては、第1の本体部とでリング部材を挟んで固定する構成とするとよく、第1の本体にねじ込んで固定させる構成とするとなおよい。固定部材を第1の本体部にねじ込んでリング部材を挟んで固定することで、例えば、固定部材のねじ込みを緩めるだけでリング部材の挟持が緩まり、第1の本体部を容易に回転させることが可能になる。つまり、第1の本体部の固定状態と可動状態との変更が容易となる。
【0059】
また、第1の本体部は、固定部材により不要に回転しないように保持されていればよく、例えば、第1の本体部に対する第2の本体部を回転させる際に作用する回転トルク(例えば、上述した第1の回転トルク)よりも大きな回転トルク(例えば、第3の回転トルクという)で保持されているとよい。特に、第1の本体部は、固定部材に回転不能に固定されるとよい。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、複数のカメラのそれぞれで任意の場所の撮影が可能な車載機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明の実施形態に係るドライブレコーダの斜視図である。
図2】本実施形態に係るドライブレコーダのドラレコ本体を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係るドラレコ本体の第1の本体部を説明する図である。
図4】本実施形態に係るドラレコ本体の第2の本体部を説明する図である。
図5図4に示す第2の本体部の分解組立図である。
図6】本実施形態に係るドライブレコーダのブラケットを示す図である。
図7】本実施形態に係るドライブレコーダの固定部材を示す図である。
図8】本実施形態に係るドライブレコーダの取り付けを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明の実施形態に係る車載機器について、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態においては、車載機器の一例として、車外及び車内の任意の場所を同時に撮影可能な2つのカメラを有するドライブレコーダ1を用いて説明する。
【0063】
まず、ドライブレコーダ1の概略構成について、図1から図7を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明の実施形態に係るドライブレコーダ1を基端側から見た斜視図であり、(b)は先端側から見た斜視図である。図2(a)は、本実施形態に係るドライブレコーダ1のドラレコ本体10を基端側から見た斜視図であり、(b)はドラレコ本体10の上面図である。図3(a)及び(b)は、本実施形態に係るドラレコ本体10の第1の本体部100の断面図であり、(c)は側面図である。なお、図1から図3においては、第1の本体部100に対して第2の本体部200を180度回転させた状態を示している。また、図3においては、第1本体部100の内部に収容される電子部品等は省略している。
【0064】
図4(a)は本実施形態に係るドラレコ本体10の第2の本体部200の斜視図であり、(b)は第2の本体部200の正面図であり、(c)は上面図である。図5は、第2の本体部200の分解組立図である。図6(a)及び(b)は、本実施形態に係るドライブレコーダ1のブラケット20の斜視図であり、(c)は側面図である。図7(a)及び(b)は、本実施形態に係るドライブレコーダ1の固定部材30の斜視図であり、(c)は側面図である。
【0065】
図1(a)及び(b)に示すように、ドライブレコーダ1は、先端部が略半球状の略円筒形に形成されたドライブレコーダ本体(以下、「ドラレコ本体」という)10と、ドラレコ本体10の基端部に、該ドラレコ本体10の中心軸Xを中心に相対的に回転可能に装着される取付け用ブラケット(以下、単に「ブラケット」という)20と、ブラケット20をドラレコ本体10の基端部に固定させる固定部材30と、を備えている。
【0066】
ドラレコ本体10は、中心軸Xを中心にブラケット20が回転可能に装着される第1の本体部100と、中心軸Xを中心に第1の本体部100に回転可能に支持される第2の本体部200と、を備えている。つまり、ドラレコ本体10は、車両の取付け箇所に取り付けられるブラケット20に対して、第1の本体部100が中心軸Xを中心に相対的に回転可能であり、第1の本体部100に対して、第2の本体部200が中心軸Xを中心に相対的に回転可能に構成されている。なお、本実施形態においては、ドラレコ本体10は、直径が約40mm、軸方向の長さが約110mmに形成されている。
【0067】
図2(a)に示すように、第1の本体部100は、略円筒形に形成されており、第1のカメラを構成する撮像素子等の電子部品が内蔵(図示せず)されると共に、第1のカメラを構成する第1のレンズ101が外周面100a上に配設されている。図2(b)に示すように、第1のレンズ101は、ドラレコ本体10の軸方向における略中央部において、中心軸Xと直交する方向を向くように配設されており、本体部100の外周面101aから僅かに突出するように設けられている。
【0068】
また、第1のレンズ101には、中心軸Xが水平方向と略平行になるようにドライブレコーダ1を車両の取付け箇所に取り付けた際の、モニタに表示される左右方向の画角(水平方向の画角)が後述する第2のカメラ210の第2のレンズ211よりも大きく、モニタに表示される上下方向の画角(鉛直方向の画角)が第2のレンズ211よりも小さいレンズが用いられている。なお、ここでいうモニタは、撮影した画像を表示させるためのモニタであり、例えば、スマートホンの液晶画面等をいう。水平方向の画角を大きくすることで、車外を撮影する際に広角な画像を得ることが可能になり、鉛直方向の画角を小さくすることで、車外を撮影する際に不要な外光が入射することを低減させることが可能になる。本実施形態においては、第1のレンズ101として、水平方向の画角が100度、鉛直方向の画角が75度のレンズが用いられている。なお、水平方向の画角は、90度以上が望ましい。
【0069】
第1の本体部100の第1のレンズ101の基端側には、ブラケット20を装着可能な装着凹部102が設けられている。装着凹部102は、ブラケット20を装着した際に、ブラケット20の後述するリング部材21の外周面21b(図6参照)と、第1の本体部100の外周面100aと、が同一平面上に位置するように、外周面100aに対して凹状に形成されている。つまり、装着凹部102は、ブラケット20のリング部材21の厚さの分だけ外周面100aに対して凹状に形成されている。また、装着凹部102の外径は、ブラケット20が回転可能になるように、ブラケット20のリング部材21の内径よりも僅かに小さくなるように形成されている。
【0070】
外周面100aと装着凹部102との境界には、ブラケット20を装着凹部102に装着した際にブラケット20のリング部材21の側面21c(図6参照)と当接可能な当接面103が、中心軸Xと直交する方向に立設されている。当接面103には、周方向における一部に噛合部104が形成されており、噛合部104は、互いに隣接した複数の凹部104a及び凸部104bから構成されている。
【0071】
第1の本体部100の装着凹部102の基端側(ドラレコ本体10の基端部)には、固定部材40を先端側に向けてねじ込み可能なネジ部105が設けられている。ネジ部105は、装着凹部102に対して凹状に形成されており、装着凹部102とネジ部105との境界には、固定部材30の軸方向におけるねじ込み量を規制する規制面106が、中心軸Xと直交する方向に立設されている。
【0072】
ここで、中心軸Xの軸方向における装着凹部102の長さは、ブラケット20のリング部材21を装着凹部102に装着した際の、前記軸方向における当該リング部材21の長さよりも短くなるように形成されている。そのため、ブラケット20のリング部材21を装着凹部102に装着すると、上述した規制面106は、リング部材21の内側に位置することになる。これにより、装着凹部102にリング部材21を装着した後に、ネジ部105に固定部材30をねじ込むと、固定部材30が規制面106に規制されることなく、リング部材21が固定部材30と当接面103とに挟持され、リング部材21を固定可能になる。一方、固定部材30のねじ込み量を減らすと、リング部材21が装着凹部102上で回転可能になる。
【0073】
図3(a)及び(b)に示すように、第1の本体部100の先端部には、中心軸Xを中心に、第2の本体部200を回転可能に支持する支持部107が設けられている。支持部107は、第1の本体部100の内周面100bに形成されている。つまり、第1の本体部100は、内周面100b側で第2の本体部200を回転可能に支持している。
【0074】
支持部107は、中心軸Xを中心とする回転方向に第2の本体部200を案内すると共に、第2の本体部200が第1の本体部100から軸方向に抜け落ちないように支持する案内支持部108と、第2の本体部200の後述するギア部222と係合して第2の本体部200を任意の回転位置で保持可能な一対の突起部109a,109bと、第1の本体部100に対する第2の本体部200の相対的な回転量を規制する回転規制部110と、を備えている。
【0075】
案内支持部108は、第2の本体部200が第1の本体部100の周方向に回転するように、第1の本体部100の周方向と略平行に設けられており、内周面100bから中心軸Xに向けて突出している。一対の突起部109a,109bは、内周面100b側から中心軸Xに向けて突出しており、所定以上の回転トルクが付与された場合には弾性変形し、所定未満の回転トルクが付与された場合には弾性変形しないように形成されている。具体的には、一対の突起部109a,109bは、第2の本体部200を回転させるために、ユーザによって第2の本体部200に回転トルクが付与された場合には弾性変形し、車両の振動や第2のカメラ210を回転させる場合等に生じる回転トルクが第2の本体部200に付与された場合には、弾性変形しないようになっている。一対の突起部109a,109bが弾性変形することで、係合する第2の本体部200のギア部222上を移動可能になり、第1の本体部100に対して第2の本体部200が回転可能になる。一方、一対の突起部109a,109bが弾性変形しないことで、第2の本体部200のギア部222との係合が保持され、第1の本体部100に対する第2の本体部200の回転位置が保持される。
【0076】
回転規制部110は、第2の本体部200に設けられた後述する規制凸部224に当接して、第1の本体部100に対する第2の本体部200の回転量を規制する。具体的には、回転規制部110は、図3(c)に示すように、第2の本体部200の規制凸部に当接可能な規制面110a,110bを有しており、案内支持部108によって案内される第2の本体部200の規制凸部224に規制面110a,110bが当接することで、第2の本体部200の回転を規制している。
【0077】
規制面110a,110bによる回転量の規制範囲としては、例えば、第1のレンズ101を水平方向に向けた第1の本体部100に対して第2の本体部200を鉛直方向に回転させる場合を例にとると、第1のレンズ101の撮影方向よりも僅かに下方に回転した位置から、第1のレンズ101の撮影方向に対して上方から180度回転した位置から僅かに下方に回転した位置まで、第2のカメラ210が回転可能となるように、規制面110a,110bがそれぞれ設けられている。例えば、第1の本体部100に対して第2の本体部200が鉛直方向に230度回転可能となるように設けられている。
【0078】
図4(a)から(c)に示すように、第2の本体部200は、先端が略半球状の略円筒形状に形成されており、第1の本体部100に接続される円筒部分の外径は、第1の本体部100の外径と略同径に形成されている。第2の本体部200の円筒部分の外径を第1の本体部100の外径と略同径にすることで、第2の本体部200を回転させても、ドラレコ本体10の外形が大きく変化することはない。そのため、車両の取付け箇所にドライブレコーダ1を取り付けた後に、第2の本体部200を回転させても、第2の本体部200が取付け箇所の周域にある他の機器等と干渉することを防止することができる。
【0079】
また、第2の本体部200は、車内を撮影可能な第2のカメラ210と、第2のカメラ210を回転自在に支持するケース部材220と、を備えている。
【0080】
第2のカメラ210は、車内を撮影するための第2のレンズ211及び撮像素子等の電子部品(図示せず)と、第2のレンズ211を支持すると共に、電子部品を収容するカメラ筐体212と、を備えている。本実施形態においては、第2のレンズ211は、中心軸Xが水平方向と略平行になるように、ドライブレコーダ1を車両の取付け箇所に取り付けた際の鉛直方向の画角が第1のレンズ101よりも大きいレンズが用いられており、例えば、水平方向の画角が45度、鉛直方向の画角が30度のレンズが用いられている。
【0081】
図5に示すように、カメラ筐体212は、第2のレンズ211を支持するレンズ支持部213と、レンズ支持部213が接続される本体部214と、を備えている。レンズ支持部213は、本体部214から突出するように設けられている。本体部214は、一対の回転支持部材230a,230b(図5参照)を介して、中心軸X(図4(a)参照)と直交する回転軸Z(図4(a)参照)を中心に、ケース部材220に回転自在に支持されている。
【0082】
具体的には、本体部214は、回転軸Zの軸方向における両端がカットされた略球状に形成されており、カットされた部分に、一対の回転支持部材230a,230bが配設されている。また、一対の回転支持部材230a,230bには、ケース部材220の内周面に形成された固定凹部221に固定される固定突起231と、本体部214の内面に設けられた鋸歯状の凹凸部215と係合可能な係合突起232と、が設けられており、固定突起231でケース部材220の固定凹部221に固定された状態で、係合突起232で本体部214の凹凸部215を回転可能に保持している。
【0083】
係合突起232は、本体部214の凹凸部215に向けて突出しており、所定以上の回転トルクが付与された場合には弾性変形し、所定未満の回転トルクが付与された場合には弾性変形しないように形成されている。具体的には、第2のカメラ210を回転させるために、ユーザによって第2のカメラ210に回転トルクが付与された場合には弾性変形し、車両の振動や第2の本体部200を回転させる場合等により生じる回転トルクが付与された場合には、弾性変形しないようになっている。係合突起232が弾性変形することで、本体部214の凹凸部215が係合突起232上を移動可能になり、第2のカメラ210がケース部材220に対して回転可能になる。一方、係合突起232が弾性変形しないことで、本体部214の凹凸部215と係合突起232との係合が保持され、ケース部材220に対する第2のカメラ210の回転位置が保持される。
【0084】
なお、本実施形態においては、第2のカメラ210を回転させるための回転トルクは、前述した第2の本体部200を回転させるための回転トルクよりも小さくなるように設定されている。
【0085】
ケース部材220は、回転軸Zを中心に、第2のカメラ210が回転する際に、レンズ支持部213がケース部材220の外形に沿って移動可能となるように、先端部が略半球状に形成されている。ケース部材220の先端部を略半球状にすることで、第2のカメラ210を回転させた場合においても、レンズ支持部213がケース部材220に隠れたり、ケース部材220から不要に突出したりすることが防止される。
【0086】
また、ケース部材220は、第2の本体部200の前述した一対の突起部109a,109bと係合可能なギア部222と、第2の本体部200の前述した案内支持部108が摺動可能な摺動溝223と、第2の本体部200の前述した回転規制部110に当接可能な規制凸部224と、第2のカメラ210のレンズ支持部213を回転軸Zを中心とする回転方向に案内可能に切り欠かれた案内部225と、を備えている。
【0087】
ギア部222は、ケース部材220の基端部において、第2の本体部200の回転方向と略平行に設けられている。摺動溝223は、ギア部222の上方に設けられており、ギア部222よりも凹状、かつ第2の本体部200の回転方向と略平行に形成されている。規制凸部224は、摺動溝223の上方に設けられており、第2の本体部200が回転した際に、回転規制部110の規制面110a,110bに当接可能に形成されている。
【0088】
案内部225は、中心軸Xと略平行にレンズ支持部213が移動可能となるように形成されている。案内部225によるレンズ支持部213の案内範囲としては、例えば、第1のレンズ101を水平方向に向け、中心軸Xが水平方向と略平行な第1の本体部100に対して、水平方向に回転させる場合を例にとると、レンズ支持部213に保持された第2のレンズ211のレンズ面が第1のレンズ101のレンズ面と略平行になる位置よりも、若干、第1のレンズ101側に回転した位置から、ドライブレコーダ1を車両の取付け位置に取り付けた際に、第2のカメラ210で車両の側方が撮影可能となる位置まで、案内可能になっている。
【0089】
また、案内部225は、図4(b)及び(c)に示すように、回転軸Zの軸方向両側に位置する外縁225aが、ケース部材220の他の外周面よりも凹状となるように形成されている。案内部225の回転軸Zの軸方向両側の外縁を凹状にすることで、例えば、案内部225における第2の本体部200からのレンズ支持部213の相対的な突出量が多くなり、ユーザがレンズ支持部213を動かし易くなる。具体的には、第2の本体部200の案内部225の近傍の外周面と異なる外周面(例えば、案内部225の反対側の外周面)に対する相対的な突出量が小さくなるようにレンズ支持部213を形成した場合においても、案内部225の外縁が他の外周面よりも凹状に形成されることで、案内部225におけるレンズ支持部213の突出量を他の外周面からの突出量よりも相対的に大きくすることができる。
【0090】
図6(a)から(c)に示すように、ブラケット20は、円環状に形成されたリング部材21と、車両の取付け箇所に取り付け可能な取付け部材22と、を備えている。
【0091】
リング部材21は、第1の本体部100の軸方向における基端部側から、第1の本体部100の装着凹部102に装着可能、且つ、装着された際に装着凹部102で回転可能となるように、内周面21aの外径が装着凹部102の外周面の外径よりも僅かに大きくなるように形成されている。また、リング部材21は、リング部材21を第1の本体部100の装着凹部102に装着した際に、第1の本体部100の外周面100aとリング部材21の外周面21bとが略同一平面上に位置するように、外径が、第1の本体部100の外径と略同径(例えば、同径又は僅かに小さい若しくは僅かに大きい)に形成されている。本実施形態においては、リング部材21の外径は、第1の本体部100の外周面100aの外径と同径の約40mmに形成されている。
【0092】
更に、リング部材21の内周面21a及び外周面21bと直交する側面21c、21dのうち、リング部材21を第1の本体部100の装着凹部102に装着した際に第1の本体部100の前述した噛合部104と接触可能な側面21cには、第1の本体部100の噛合部104と噛み合い可能な噛合部23が設けられている。噛合部23は、周方向に互いに隣接して形成された鋸歯状の複数の凹部23a及び凸部23bから構成されており、第1の本体部100の噛合部104の複数の凹部104a及び凸部104bの何れかと噛合することで、リング部材21と第1の本体部100との相対的な回転を規制している。
【0093】
取付け部材22は、矩形板状に形成されており、車両の取付け箇所に固定するための両面テープが貼り付けられる取付け面22aと、リング部材21と接続される接続面22bと、を有している。取付け面22aは、平面状に形成されている。接続面22bは、取付け面22aがリング部材21の外周面21bの接線方向と略平行になるように、支持脚部24を介してリング部材21の外周面21bに接続されている。
【0094】
図7(a)から(c)に示すように、固定部材30は、円環状に形成されており、第1の本体部100の軸方向における基端部側から、第1の本体部100のネジ部105に螺合可能となるように、内周面30aにネジ溝31が形成されている。また、固定部材30は、固定部材30を第1の本体部100のネジ部105に螺合した際に、第1の本体部100の外周面100aと固定部材30の外周面30bとが略同一平面上に位置するように、外径が、第1の本体部100の外径と略同径(例えば、同径又は僅かに小さい若しくは僅かに大きい)に形成されている。本実施形態においては、固定部材30の外径は、第1の本体部100の外周面100aの外径と同径の約40mmに形成されている。更に、固定部材30の内周面30a及び外周面30bと直交する側面30cは、リング部材21の側面21dと当接可能に形成されている。
【0095】
ここで、本実施形態に係るドライブレコーダ1は、公知の無線LANモジュールを内蔵しており、専用のアプリケーションをスマートホン等にダウンロードすることで、撮影した画像をスマートホン等の液晶画面で確認することができるようになっている。
【0096】
また、本実施形態に係るドライブレコーダ1は、車両の取付け箇所に取り付けた後、第2のカメラ210の撮影方向を変更するために、ユーザが第1の本体部100に対して第2の本体部200を90度以上回転させた場合に、撮影した画像を、該画像の法線周りに180度回転させてスマートホン等の液晶画面に表示することができるようになっている。例えば、スマートホンに画像を回転させるためのボタンがあり、ボタンを押すと反転するようになっている。なお、画像の反転は、例えば、自動で反転するように構成されていてもよい。また、ボタンは、物理的なボタンに限らず、液晶画面上に設けられるタッチ式の構成にしてもよい。
【0097】
このように構成することで、例えば、第2の本体部200を回転させた後に第2のカメラ210により撮影された画像をスマートホンで確認する際に、スマートホンに表示される画像を通常視認される向きの画像とすることができる。つまり、スマートホンに表示される画像が、第2のカメラ210を回転させたことによる法線周りに回転した画像(天地が逆転した画像)となることを防止することができるようになっている。
【0098】
次に、本実施形態に係るドライブレコーダ1の取り付け方法について、図8を参照しながら説明する。本実施形態においては、ドライブレコーダ1を取り付ける車両の取付け箇所として、車両のフロントガラスに取り付ける場合を用いて説明する。また、本実施形態においては、第1の本体部100及び第2のカメラ210で撮影した画像を、無線LANでスマートホンに表示させて、ユーザがスマートホンに表示された画像を確認しながら撮影方向を調整する場合を用いて説明する。図8は、本実施形態に係るドライブレコーダ1の取り付けを説明するための説明図である。
【0099】
まず、図8に示すように、ドラレコ本体10の基端部側から、ドラレコ本体10の装着凹部102にブラケット20のリング部材21を装着させる。ブラケット20のリング部材21は、内周面の外径が、装着凹部102の外周面の外径よりも僅かに大きくなるように形成されているため、装着凹部102にリング部材21を装着した状態においては、ドラレコ本体10に対してブラケット20が固定されず、回転可能な状態になっている。
【0100】
次に、ドラレコ本体10の基端部側から、ドラレコ本体10のネジ部105に固定部材30を螺合させる。ネジ部105に固定部材30を螺合させると、第1の本体部100の当接面103と固定部材30の側面30cとにブラケット20のリング部材21が挟まれ、ブラケット20の回転が規制される。また、当接面103に形成された噛合部104と、側面21cに形成された噛合部23とが噛み合い、ドラレコ本体10にブラケット20が固定可能になる。このようにして、一旦、ブラケット20をドラレコ本体10に仮固定しておく。
【0101】
次に、ドラレコ本体10に仮固定されたブラケット20を車両のフロントガラスに取り付ける。本実施形態においては、ブラケット20の取付け部材22の取付け面22aに貼り付けられた両面テープを用いて、ブラケット20を車両のフロントガラスに貼り付ける。
【0102】
ここで、ドライブレコーダ1を車両のフロントガラスに貼り付ける場合、道路運送車両の保安基準等により、フロントガラスの上端から上下方向に20%以内の範囲内にドライブレコーダ1を貼り付けなければならない。そこでまず、車両の内部から、ドラレコ本体10に仮固定されたブラケット20をフロントガラスの上端から上下方向に20%以内の範囲内に貼り付ける。このとき、ドラレコ本体10の中心軸Xが水平方向と略平行になるように、ブラケット20をフロントガラスに貼り付ける。
【0103】
ブラケット20をフロントガラスに貼り付けると、次に、ドラレコ本体10に螺合されている固定部材30を緩め、フロントガラスに貼り付けられたブラケット20に対してドラレコ本体10を回転可能にする。ドラレコ本体10が回転可能になると、次に、スマートホンに、第1の本体部100が撮影した画像を表示させる。なお、スマートホンには、予め専用のアプリケーションをダウンロードしておく。また、ドライブレコーダ1も予め電源に接続しておく。スマートホンに第1の本体部100が撮影した画像が表示されると、ユーザは、スマートホンに映し出される画像を見ながら、所望の画像が得られるように第1の本体部100を上下方向に回転させて、撮影方向を調整する。
【0104】
第1の本体部100により所望の画像が得られるようになると、固定部材30をネジ部105にねじ込み、第1の本体部100をブラケット20に回転不能に固定する。固定部材30をネジ部105にねじ込むと、当接面103に形成された噛合部104と、側面21cに形成された噛合部23とが噛み合うため、ブラケット20に第1の本体部100が回転不能に固定される。そのため、例えば、走行中の車両の振動等によってブラケット20に対する第1の本体部100の固定が緩むことはない。つまり、車両の振動等で、第1の本体部100によって撮影される画像の向きが不要に変更されてしまうことはない。
【0105】
次に、第2の本体部200を上方から回転させて、第2のカメラ210を車内に向ける。本実施形態においては、第1の本体部100に対して第2の本体部200を180度回転させる。第1の本体部100に対して第2の本体部200を180度回転させることで、第2のカメラ210で車内を撮影可能になる。このとき、第2の本体部200は、第1の本体部100の一対の突起部109a,109bと第2の本体部200のギア部222との係合により、回転しないように保持されているが、ユーザが第2の本体部200に回転トルクを付与することで回転可能になる。また、第1の本体部100に対して第2の本体部200を90度以上回転させると、スマートホンに表示される画像は、第2のカメラ210が撮影した画像を法線周りに180と回転した画像となる。つまり、スマートホンには、通常視認する向きと同じ向きの画像が表示される。
【0106】
次に、ユーザは、スマートホンに表示される第2のカメラ210が撮影する画像を見ながら、所望の場所が撮影可能となるように、第2のカメラ210を水平方向に回転させる。このとき、第2のカメラ210は、一対の回転支持部材230a,230bの係合突起232とカメラ筐体212の本体部214に設けられた鋸歯状の凹凸部215との係合により、回転しないように保持されているが、ユーザが第2のカメラ210に回転トルクを付与することで回転可能になる。このとき、第2のカメラ210は、第2の本体部200を回転させるための回転トルクよりも小さな回転トルクで回転するため、第2の本体部200は、第1の本体部100に保持された状態が維持されている。また、案内部225の外縁225aが凹状に形成されているため、フロントガラスに取り付けられた状態でも、第2のカメラ210を動かしやすくなっている。
【0107】
第2のカメラ210の撮影方向が決まると、ドライブレコーダ1の車両のフロントガラスへの取り付けが終了する。これにより、車両のエンジンの始動及び停止に連動して、車外及び車内それぞれの所望の映像が撮影されるようになる。なお、第2の本体部200及び第2のカメラ210は、走行中の車両の振動によって作用する回転トルクでは回転しないようになっているため、走行中の車両の振動等によって第2のカメラ210が撮影する画像の向きが不要にずれたりすることはない。
【0108】
以上説明したように、本実施形態に係るドライブレコーダ1は、第1の本体部100に対して第2の本体部200が180度以上回転可能に支持され、第2の本体部200の回転方向と直交する方向に、第2の本体部200に対して第2のカメラ210が回転自在に支持されている。そのため、第1の本体部100の第1のレンズ101が車外を向くようにドライブレコーダ1をフロントガラスに取り付けた場合においても、第2の本体部200を回転させることで、第2のカメラ210で車内を撮影可能になり、第2の本体部200及び第2のカメラ210を回転させることで、車内における所望の場所を撮影することができる。つまり、ドライブレコーダ1は、車外と車内のそれぞれにおいて、所望の画像を撮影することができる。
【0109】
また、ドライブレコーダ1は、第2の本体部200を90度以上回転させると、第2のカメラ210が撮影する画像を、画像の法線方向に180度回転させ、通常視認される向きの画像としてスマートホンに表示させる。そのため、第2の本体部200を回転させた場合においても、スマートホンを見ながらの第2のカメラ210の撮像方向の調整が容易となる。
【0110】
また、ドライブレコーダ1は、車外を撮影する第1の本体部100の第1のレンズ101に、水平方向の画角が大きく、鉛直方向の画角が狭いレンズが用いられている。そのため、外光の入射を低減させながら、車外を広角で撮影することができる。
【0111】
また、ドライブレコーダ1は、第1の本体部100と第2の本体部200とが略同径の略円筒形状に形成され、それぞれが同軸上で相対的に回転するように構成されている。そのため、例えば、第1の本体部100及び第2の本体部200を回転させた場合においても、ドライブレコーダ1の外径の変化が殆どなく、車両の取付け箇所に取り付けた場合においても、回転による他の機器等への干渉を防止することができる。
【0112】
また、ドライブレコーダ1は、第2の本体部200の案内部225の外縁225aが凹状に形成されている。そのため、レンズ支持部を不要に突出させることなく、ユーザが第2のカメラ210を容易に回転させることができる。例えば、ドライブレコーダ1を車両の取付け箇所に取り付けた後においても、容易に第2のカメラ210を回転させることができる。
【0113】
また、ドライブレコーダ1は、第1の本体部100にブラケット20を回転可能に装着し、固定部材30と第1の本体部100とでブラケット20を挟んで固定するように構成されている。そのため、ブラケット20を車両のフロントガラスに取り付けた後でも、容易に第1の本体部100を回転させて、第1の本体部100による撮影方向の調整を行うことができる。
【0114】
また、第2のカメラ210は、第2の本体部200の回転方向と直交する方向に回転するように構成されている。そのため、例えば、第2のカメラ210を第2の本体部200の回転方向に対して斜めに回転させるよりも、第2の本体部200の中心軸Xの軸方向の先端側(中心軸Xの軸方向における第1の本体部100が接続されている側と反対側)に第2のカメラ210を位置させることができ、例えば、水平方向における回転範囲を大きくすることができる。
【0115】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0116】
例えば、本実施形態においては、車載機器の一例として、ドライブレコーダ1を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る車載機器としては、例えば、複数のカメラを有するナビゲーション装置に用いてもよい。ナビゲーション装置に用いることで撮影した画像(動画又は静止画)をナビゲーション機能の地図情報と関連させて記憶させることができる。例えば、絵図の代わりに撮影した画像を用いて地図を構成させることもできる。
【0117】
また、本実施形態においては、車載機器の一例として、2つのカメラを有するドライブレコーダ1を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る車載機器としては、例えば、3つ以上のカメラを有し、3つ以上のカメラの何れか2つ、又はそれぞれが本発明と同様の構成を備えるドライブレコーダであってもよい。
【0118】
また、本実施形態においては、第2のカメラ210を第2の本体部200の回転方向と直交する方向に回転可能に構成したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る車載機器においては、第2の本体部に対して第2のカメラを何れの方向にも回転可能に第2の本体部に支持させる構成であってもよい。例えば、第2のカメラのカメラ筐体の本体部を、回転中心を中心に回転可能なボールジョイントで構成し、カメラ筐体をケース部材で回転自在に支持させる構成であってもよい。また、第2の本体部の回転方向に対して、直交せず交差する方向に回転可能となるように、第2のカメラを第2の本体部に回転可能に支持させる構成であってもよい。
【0119】
また、本実施形態においては、第1の本体部100に第1のレンズを固定した構成を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。第1の本体部100に対して第1のレンズを回転自在に支持させる構成であってもよい。また、第2のカメラを第2の本体部と一体で構成し、第1の本体部に対して第2の本体部を平行でない2方向に回転可能に構成してもよい。例えば、第1の本体部を第1のカメラとし、第2の本体部を第2のカメラとし、第1のカメラに対して第2のカメラを平行でない2方向に回転可能に構成してもよい。
【0120】
また、本実施形態においては、第1の本体部100に対して、第2のカメラ210を直接及び間接的に平行でない2方向に回転させる構成を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。第1の本体部100に対して、第2のカメラ210を直接的に平行でない2方向に回転させる構成であってもよく、第2のカメラを間接的に平行でない2方向に回転させる構成であってもよい。
【0121】
また、本実施形態においては、車内における所望の場所を撮影可能に第2のカメラ210の向きを調整したが、第2のカメラ210でドライバの死角を撮影可能に調整してもよい。第2のカメラ210でドライバの死角を確認できるようにすることで、安全運転が可能になる。
【0122】
また、本実施形態においては、第1の本体部100及び第2のカメラ210で撮影した画像をスマートホンで確認する構成を用いて説明したが、例えば、ドラレコ本体10の第1の本体部100及び第2の本体部200のそれぞれに液晶モニタを設け、それぞれの撮影画像をそれぞれの液晶モニタで確認できるように構成してよい。また、第1の本体部100に液晶モニタを設け、この液晶モニタで第1の本体部100及び第2のカメラ210で撮影した画像を確認できるように構成してもよい。また、既設又はポータブルタイプのナビゲーション装置に表示させる構成であってもよい。
【0123】
また、本実施形態においては、ドラレコ本体10に対して回転可能に装着されるブラケット20を介して、ドラレコ本体10を車両のフロントガラスに取り付ける構成を用いて説明したが、例えば、第1の本体部100を直接フロントガラスに取り付けて固定させる構成であってもよい。
【0124】
また、本実施形態においては、第2の本体部200を第1の本体部100に対して180度以上回転可能に構成したが、本発明はこれに限定されない。第2の本体部200は、少なくとも第2のカメラ210で車内が撮影可能となる位置まで回転可能であればよい。また、第1の本体部100が撮影不能な場所を第2のカメラ210が撮影可能となる位置まで回転可能であればよい。例えば、第1のレンズ101の画角から外れた場所を第2のカメラ210で撮影可能となる位置まで回転可能であればよい。
【0125】
また、本実施形態においては、第1の本体部100と第2の本体部200のそれぞれを略同径の略円筒形状に形成したが、例えば、第1の本体部及び第2の本体部のそれぞれを矩形箱状に形成してもよく、相似形に形成してもよい。
【0126】
また、本実施形態においては、第1の本体部100を車外に向けて取り付け、第2のカメラ210で車内を撮影する構成を用いて説明したが、第1の本体部100を車内に向けて取り付け、第2のカメラ210で車外を撮影するように構成してもよい。この場合、第2のカメラ210の第2のレンズには、水平方向の画角が大きく、鉛直方向の画角が小さいものを用いるとよい。
【0127】
変形例や各実施形態の内容の構成要素、課題を解決するための手段に記載の要素や思想を適用した要素は、任意に組み合わせて実施形態とするとよい。
【符号の説明】
【0128】
1 ドライブレコーダ(車載機器の一例)
10 ドライブレコーダ本体
20 取付け用ブラケット
21 リング部材
30 固定部材
100 第1の本体部
101 第1のレンズ
102 装着凹部
105 ネジ部
200 第2の本体部
210 第2のカメラ
211 第2のレンズ
X 中心軸
Z 回転軸
図1
図2
図3
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図8