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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20241111BHJP
   A01D 34/13 20060101ALI20241111BHJP
   H01H 3/20 20060101ALI20241111BHJP
   B27B 19/09 20060101ALN20241111BHJP
【FI】
B25F5/00 B
A01D34/13 C
H01H3/20 A
B27B19/09
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021022461
(22)【出願日】2021-02-16
(65)【公開番号】P2022124687
(43)【公開日】2022-08-26
【審査請求日】2024-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】509264132
【氏名又は名称】株式会社やまびこ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】清水 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】大澤 久人
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/230707(WO,A1)
【文献】特開2009-255236(JP,A)
【文献】特開2019-025636(JP,A)
【文献】特開2011-167812(JP,A)
【文献】特開2016-022576(JP,A)
【文献】特開2017-019025(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106457547(CN,A)
【文献】特許第5698035(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00 - 5/02
A01D 34/13
H01H 3/20
H01H 13/00
H01H 23/00
B27B 19/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象を刈払又は切断するための手持ち式の駆動装置であって、
筐体と、ロック部材と、トリガーレバーと、作用部とを備え、
前記筐体は、ユーザーが位置する後方側から前記対象が位置する前方側に向かって延在し、
前記ロック部材は、
第1位置と第2位置との間を移動可能に構成され、ここで該第1位置と該第2位置とを結ぶ直線は、前記筐体の延在する方向又は前記筐体の延在する方向に直交する方向に伸び、
前記トリガーレバーは、
第3位置と第4位置との間を移動可能に構成され、
前記ロック部材が前記第1位置にある状態では、該第4位置への移動が制限され、
前記ロック部材が前記第2位置にある状態では、該第4位置への移動が制限されず、
前記作用部は、
前記筐体の前記前方側に設けられ、
前記トリガーレバーが前記第4位置にあるときに、前記対象を刈払又は切断するための力学的作用を前記対象に付与可能に、駆動するように構成され、
保持部材をさらに備え、
前記保持部材は、
第5位置と第6位置との間を移動可能に構成され、
前記ロック部材が前記第1位置にある状態では、該保持部材の該第6位置への移動が制限され、
前記ロック部材が前記第2位置にある状態では、該保持部材の該第6位置への移動が制限されず、
該第6位置にあるときに、前記ロック部材の移動を制限可能、且つ、前記トリガーレバーが前記第3位置と前記第4位置との間を移動可能に構成される、
もの。
【請求項2】
対象を刈払又は切断するための手持ち式の駆動装置であって、
筐体と、ロック部材と、トリガーレバーと、作用部とを備え、
前記筐体は、ユーザーが位置する後方側から前記対象が位置する前方側に向かって延在し、
前記ロック部材は、
第1位置と第2位置との間を移動可能に構成され、ここで該第1位置と該第2位置とを結ぶ直線は、前記筐体の延在する方向又は前記筐体の延在する方向に直交する方向に伸び、
前記トリガーレバーは、
第3位置と第4位置との間を移動可能に構成され、
前記ロック部材が前記第1位置にある状態では、該第4位置への移動が制限され、
前記ロック部材が前記第2位置にある状態では、該第4位置への移動が制限されず、
前記作用部は、
前記筐体の前記前方側に設けられ、
前記トリガーレバーが前記第4位置にあるときに、前記対象を刈払又は切断するための力学的作用を前記対象に付与可能に、駆動するように構成され、
保持部材をさらに備え、
前記保持部材は、
第5位置と第6位置との間を移動可能に構成され、
前記ロック部材が前記第1位置にある状態では、該保持部材の該第6位置への移動が制限され、
前記ロック部材が前記第2位置にある状態では、該保持部材の該第6位置への移動が制限されず、
該第6位置にあるときに、前記ロック部材の移動を制限可能に構成され、
把持部をさらに備え、
前記把持部は、前記トリガーレバーと、前記保持部材とを有し、
前記保持部材は、前記把持部を介して前記トリガーレバーと対向する位置に配置され、押下されて前記第5位置から前記第6位置に移動する、
もの
【請求項3】
対象を刈払又は切断するための手持ち式の駆動装置であって、
筐体と、ロック部材と、トリガーレバーと、作用部とを備え、
前記筐体は、ユーザーが位置する後方側から前記対象が位置する前方側に向かって延在し、
前記ロック部材は、
第1位置と第2位置との間を移動可能に構成され、ここで該第1位置と該第2位置とを結ぶ直線は、前記筐体の延在する方向又は前記筐体の延在する方向に直交する方向に伸び、
前記トリガーレバーは、
第3位置と第4位置との間を移動可能に構成され、
前記ロック部材が前記第1位置にある状態では、該第4位置への移動が制限され、
前記ロック部材が前記第2位置にある状態では、該第4位置への移動が制限されず、
前記作用部は、
前記筐体の前記前方側に設けられ、
前記トリガーレバーが前記第4位置にあるときに、前記対象を刈払又は切断するための力学的作用を前記対象に付与可能に、駆動するように構成され、
保持部材をさらに備え、
前記保持部材は、
第5位置と第6位置との間を移動可能に構成され、
前記ロック部材が前記第1位置にある状態では、該保持部材の該第6位置への移動が制限され、
前記ロック部材が前記第2位置にある状態では、該保持部材の該第6位置への移動が制限されず、
該第6位置にあるときに、前記ロック部材の移動を制限可能に構成され、
前記ロック部材は、第2突起部を備え、
前記保持部材は、前記第6位置にある状態で前記第2突起部と当接し、これにより前記ロック部材が前記第2位置から前記第1位置に移動することを制限可能に構成される、
もの
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の駆動装置において、
前記ロック部材は、
前記筐体との間に第1弾性体を備え、該第1弾性体が前記ロック部材を該第2位置から該第1位置に向かう方向に付勢し、
前記前方側から前記後方側に向かう方向に押圧されることで、前記第1位置から前記第2位置に移動可能に構成される、
もの。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の駆動装置において、
把持部をさらに備え、
前記ロック部材は、前記把持部に接続され、付勢されて前記第1位置から前記第2位置に移動し、
前記トリガーレバーは、前記把持部に接続され、押下されて前記第3位置から前記第4位置に移動し、
前記保持部材は、前記トリガーレバーに対向する前記把持部に接続され、押下されて前記第5位置から前記第6位置に移動する、
もの。
【請求項6】
請求項1~請求項の何れか1つに記載の駆動装置において、
前記ロック部材は、第1突起部を備え、
前記第1突起部は、前記ロック部材が前記第1位置にある状態で前記トリガーレバーと当接し、これにより前記トリガーレバーが前記第3位置から前記第4位置に移動することを制限可能に構成される、
もの。
【請求項7】
請求項~請求項の何れか1つに記載の駆動装置において、
前記ロック部材は、第2突起部を備え、
前記保持部材は、前記第6位置にある状態で前記第2突起部と当接し、これにより前記ロック部材が前記第2位置から前記第1位置に移動することを制限可能に構成される、
もの。
【請求項8】
請求項~請求項の何れか1つに記載の駆動装置において、
前記保持部材は、前記筐体との間に第2弾性体を備え、該第2弾性体が前記保持部材を前記第6位置から前記第5位置に向かう方向に付勢する、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項の何れか1つに記載の駆動装置において、
リミットスイッチをさらに備え、
前記リミットスイッチは、
前記ロック部材と前記トリガーレバーの間に配置され、
前記ロック部材が前記第2位置に移動し且つ前記トリガーレバーが前記第4位置に移動したときに、電気回路を通電させて前記作用部を駆動させるように構成される、
もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
草木等の対象を刈払又は切断するための手持ち式の駆動装置は、安全規格が厳格化し、ロックアウトレバー(ロック部材)とトリガーレバーの操作を独立して実行させることで電源が入るように構成されている。
【0003】
特許文献1には、ロックアウトレバー(保持部材)とボタン(ロック部材)を同時に操作することで、ロックアウト状態となり、トリガーレバーの操作によって電源が入るように構成されている技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第9636792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に開示されている技術では、駆動装置の電源を入れるためにロックアウトレバー(ロック部材)とボタン(保持部材)を同時に操作させる必要があり、操作が煩わしい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、対象を刈払又は切断するための手持ち式の駆動装置が提供される。この駆動装置は、筐体と、ロック部材と、トリガーレバーと、作用部とを備える。筐体は、ユーザーが位置する後方側から対象が位置する前方側に向かって延在する。ロック部材は、第1位置と第2位置との間を移動可能に構成される。該第1位置と該第2位置とを結ぶ直線は、筐体の延在する方向又は筐体の延在する方向に直交する方向に伸び、トリガーレバーは、第3位置と第4位置との間を移動可能に構成される。ロック部材が第1位置にある状態では、該第4位置への移動が制限される。ロック部材が第2位置にある状態では、該第4位置への移動が制限されず、作用部は、筐体の前方側に設けられる。トリガーレバーが第4位置にあるときに、対象を刈払又は切断するための力学的作用を対象に付与可能に、駆動するように構成される。
【0007】
このような駆動装置の出力操作によれば、ロック部材の操作後に、トリガーレバーを操作することで電源を入れることができる。そのため駆動装置の操作性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】刈払機11を表す概略の斜視図である。
図2】刈払機11の筐体2の構成を表す断面図である。
図3】ロック部材4のロック(操作制限)状態の把持部7の断面図である。
図4】ロック部材4のロックアウト(操作解除)状態の断面図である。
図5】ロック部材4及び保持部材6が備える弾性体を表した断面図である。
図6】第2実施形態に係るロック部材4a、トリガーレバー5a及び保持部材6aのロック(操作制限)状態及び機構を表す概略図である。
図7】第2実施形態に係るロック部材4a、トリガーレバー5a及び保持部材6aのロックアウト(操作解除)状態及び機構を表す概略図である。
図8】第2実施形態に係るトリガーレバー5a及び保持部材6aが備える弾性体を表した断面図である。
図9】トリガーレバー5と保持部材6が接続された把持部7を三角法で表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
1.全体構成
第1章では、本実施形態に係る駆動装置について説明する。駆動装置1は、対象を刈払又は切断するための手持ち式の装置である。また、好ましくは、駆動装置1は、刈払機11又はチェーンソー(不図示)である。以下刈払機11(駆動装置1)を例に説明する。
【0011】
図1は、刈払機11を表す概略の斜視図である。図1に表したように、刈払機11は、筐体2と、作用部3とを備える。図2は、刈払機11の筐体2の構成を表す断面図である。図2に表したように、刈払機11は、ロック部材4と、トリガーレバー5と、保持部材6と、把持部7と、リミットスイッチ8とを備える。また、把持部7は、筐体2の一部であってもよいし、独立して設けてもよい。さらに、ロック部材4、トリガーレバー5又は保持部材6は、把持部7に接続されてもよい。
【0012】
1.1 筐体2
本実施形態において、筐体2は、刈払機11を動作させる機械及び電気機器を収めた箱であり、刈払機11の操作棹を含む。よって、筐体2は、ユーザーが位置する後方側から対象が位置する前方側に向かって延在する。筐体2の長さは特に限定されるものではないが、想定されるユーザーが成人であるため、成人の身長に合わせた適切な長さであることが好ましい。このように、筐体として長尺なパイプ状の操作棹を採用することで、ユーザーがわざわざ屈むことなく、自然な姿勢で歩きながら地面に生えた雑草等の刈払を効率的に行うことができる。また、筐体2の内部にはモータ、シャフト等(不図示)の機器が設けられ、後述する作用部3の備える刃と接続され動力が伝達可能な構成となっている。
【0013】
1.2 作用部3
刈払機11において、作用部3は、筐体2の前方側に設けられる。作用部3は、対象を刈払又は切断するための力学的作用を対象に付与可能に、駆動するように構成される。このように作用部3は、対象を刈払又は切断するため、刃を備える。また、刃は、回転駆動するように構成されてもよいし、直線駆動するように構成されてもよい。
【0014】
1.3 ロック部材4
図3は、ロック部材4のロック(操作制限)状態の把持部7の断面図である。図4は、ロック部材4のロックアウト(操作解除)状態の断面図である。図3及び図4に表されるように、ロック部材4は、筐体2に接続され、第1位置P1と第2位置P2との間を移動可能に構成される。第1位置P1と第2位置P2とを結ぶ直線は、筐体2の延在する方向に伸びる。ロック部材4の材質及び大きさ、形状等の構造は、ユーザーがロック部材4を操作できるのであれば限定されない。さらに、ロック部材4は、第1弾性体41と、第1突起部42と、第2突起部43とを備える。ここで、弾性体とは、弾性の性質をもつ物体である。
【0015】
図5は、ロック部材4及び保持部材6が備える弾性体を表した断面図である。図5に表したように、ロック部材4は、筐体2との間に第1弾性体41を備える。第1弾性体41の一端が筐体2に当接しているため、第1弾性体41がロック部材4を第2位置P2から第1位置P1に向かう方向に付勢する。そのため、ロック部材4は、押圧されない限り、第1位置P1の位置の状態である。第1弾性体41は、圧縮コイルバネ、板バネ等のその他のバネでもよく、ゴムやエラストマー等の弾性を有する材料であってもよい。また、第1弾性体41のばね定数、ヤング率等の物性値は限定されない。
【0016】
第1突起部42は、ロック部材4が第1位置P1にある状態でトリガーレバー5と当接し、第2突起部43は、ロック部材4が第1位置P1にある状態で保持部材6と当接する。このように、ロック部材4が第1位置P1にある状態で、第1突起部42と第2突起部43がそれぞれトリガーレバー5と保持部材6と当接することで、トリガーレバー5と保持部材6の移動が制限される。このように、ユーザーがロック部材4を押圧して、それを第1位置P1から第2位置P2に移動させない限り、刈払機11はロック(操作制限)状態である。その結果、ユーザーや物等が意図せずロック部材4に触れても、ロック(操作制限)状態は解除されないため、不用意に刈払機11は、駆動されない。
【0017】
1.4 トリガーレバー5
トリガーレバー5は、筐体2に接続され、第3位置P3と第4位置P4との間を移動可能に構成される。しかし、トリガーレバー5は、ロック部材4が第1位置P1にある状態では、第4位置P4への移動が制限され、ロック部材4が第2位置P2にある状態では、第4位置P4への移動が制限されない。そのため、トリガーレバー5の移動範囲は、ロック部材4の位置により制限される。このような構造により、トリガーレバー5が第3位置P3にあるときは、前述した作用部3は駆動せず、第4位置P4にあるときは、作用部3は、駆動するように構成される。トリガーレバー5の材質及び大きさ、形状等の構造は、ユーザーがトリガーレバー5を操作できるのであれば限定されないが、形状は、操作性を考慮するとシャークフィン型レバーが好ましい。
【0018】
1.5 保持部材6
保持部材6は、筐体2に接続され、第5位置P5と第6位置P6との間を移動可能に構成される。保持部材6は、ロック部材4が第1位置P1にある状態では、保持部材6の第6位置P6への移動が制限さる。一方で、ロック部材4が第2位置P2にある状態では、保持部材6の第6位置P6への移動が制限されない。そのため、ロック部材4が押圧されて第1位置P1から第2位置P2に移動した後、保持部材6が第6位置P6にあるときに、ロック部材4の移動を制限可能に構成される。即ち、ロックアウト(操作解除)状態が維持される。保持部材6の材質及び大きさ、形状等の構造は、ユーザーが保持部材6を操作できるのであれば限定されないが、形状は、操作性を考慮するとシャークフィン型レバーが好ましい。
【0019】
図5に表したように、保持部材6は、筐体2との間に第2弾性体61を備え、第2弾性体61が保持部材を第6位置P6から第5位置P5に向かう方向に付勢する。このように保持部材6は、押圧されることで第6位置P6に移動する。移動後は、保持部材6は、第6位置にある状態で第2突起部43と当接し、これによりロック部材4が第2位置から第1位置に移動することを制限可能に構成される。このようにロックアウト(操作解除)状態は、ユーザーが保持部材6を押圧し続けることで維持される。その結果、トリガーレバー5は、第3位置P3と第4位置P4の間の移動は制限されず、ユーザーは、刈払機11を駆動させ、又は停止させることができる。ここで、第2弾性体61は、図5に表したように、トーションバー(ねじりばね)でもよいが、圧縮コイルバネ、板バネ等のその他のバネでもよく、ゴムやエラストマー等の弾性を有する材料であってもよい。また、第2弾性体61のばね定数、ヤング率等の物性値は限定されない。
【0020】
1.6 把持部7
把持部7は、ユーザーが刈払機11を操作する上で把持する箇所である。本実施形態において、把持部7は、ユーザーの手で握る箇所に限定されず、その周囲も含む。そのため、刈払機11を操作するロック部材4は、把持部7に接続され、付勢されて第1位置P1から第2位置P2に移動してもよい。刈払機11を把持している手でロック部材4を動かす場合、動作範囲が小さくなるため操作性が高くなる。
【0021】
同様にトリガーレバー5は、把持部7に接続され、押下されて第3位置P3から第4位置P4に移動してもよい。図2図5で表したように、トリガーレバー5は把持部7の上部又は下部に接続されることで、ユーザーは刈払機11を把持した状態で、トリガーレバー5を移動させることができる。また、保持部材6は、トリガーレバー5に対向する把持部7に接続され、押下されて第5位置から第6位置に移動してもよい。保持部材6が、対向する把持部7に接続されることで、ユーザーが把持部7と保持部材6を同時に、又は独立して移動させることができる。
【0022】
1.6 リミットスイッチ8
リミットスイッチ8は、ロック部材4とトリガーレバー5の間に配置される。リミットスイッチ8は、機械的な作動をするスイッチで、刈払機11に付随する電気回路(不図示)を開閉する機能をもっている電気的スイッチである。したがって本実施形態において、リミットスイッチ8は、ロック部材4が第2位置P2に移動し且つトリガーレバー5が第4位置に移動したときに、機械的に作動し、電気回路(不図示)を通電させて作用部3を駆動させるように構成される。リミットスイッチ8は、機械的強度が高く、耐環境性に優れているため、刈払機11のように駆動中に振動を伴い、屋外で使用される機器に使用されることは好ましい。
【0023】
2. 第2実施形態について
本章では、第2実施形態について説明する。第2実施形態において、刈払機11のロック部材4の第1位置P1と第2位置P2とを結ぶ直線は、筐体2の延在する方向に直交する方向に伸びる。前記の実施形態と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0024】
図6は、第2実施形態に係るロック部材4a、トリガーレバー5a及び保持部材6aのロック(操作制限)状態及び機構を表す概略図である。図7は、第2実施形態に係るロック部材4a、トリガーレバー5a及び保持部材6aのロックアウト(操作解除)状態及び機構を表す概略図である。各図に表されたように、第2実施形態では、前記の実施形態と同様の構成要素である。
【0025】
第2実施形態と前記の実施形態の異なる点を説明する。ロック部材4aは、円筒状の凸部(不図示)を備え、筐体2内に備えられた円筒状の凹部(不図示)と係合している。この係合により円筒状の凸部は、軸方向に移動可能である。そのためロック部材4aは、第1位置P1aと第2位置P2aの間を直動可能に移動することができる。ここで、第1位置P1aと第2位置P2aとを結ぶ直線は、筐体2の延在する方向に直交する方向である。
【0026】
前記の実施形態と同様に、ロック部材4aは、第1突起部42aと第2突起部43aとを備える。そのためロック部材4aが第1位置P1aにある状態では、第1突起部42a及び第2突起部43aが、それぞれトリガーレバー5a及び保持部材6aの一部に当接し、それらの移動を制限する。よって、トリガーレバー5aは第3位置P3の位置に、保持部材6aは第5位置P5の位置に留まる。
【0027】
ロック部材4aは、押圧されて、第1位置P1aから第2位置P2aに移動する。ロック部材4aが第2位置P2aにある状態では、第1突起部42a及び第2突起部43aが、それぞれトリガーレバー5a及び保持部材6aには当接しない。具体的には、第1突起部42aは、トリガーレバー5a内に形成された中空部44aに侵入可能な状態になるためトリガーレバー5aには当接せず、第2突起部43aは、移動することで保持部材6aには当接しない。このようにロックアウト(操作解除)状態が生成される。そのため、トリガーレバー5aは、第3位置P3から第4位置P4に移動することができる。トリガーレバー5aが第3位置P3から第4位置P4に移動したときに、リミットスイッチ8と当接することで、電気回路を通電させて作用部3を駆動させる。一方、保持部材6aが第5位置P5から第6位置P6にある状態で、保持部材6aの一部が第2突起部43と当接し、ロック部材4aの移動が制限される。
【0028】
上述したように、ロック部材4aが第1位置P1aの状態では、トリガーレバー5a及び保持部材6aの移動は制限されるが、ロック部材4が第2位置P2aの状態では、両者の移動は制限されない。このようにロック部材4の位置に応じて、ロック(操作制限)状態とロックアウト(操作解除)状態が生成される機構は、前記の実施形態と同一である。
【0029】
図8は、第2実施形態に係るトリガーレバー5a及び保持部材6aが備える弾性体を表した断面図である。前記の実施形態と同様にロック部材4aは、弾性体(不図示)を有しているため、押圧されて第1位置P1aから第2位置P2aに移動する。一方、トリガーレバー5aと保持部材6aは、図8に表されたように、第3弾性体61aで双方が拘束されている。そのため、保持部材6aは、押圧されて第5位置P5aから第6位置P6aに移動する。トリガーレバー5aも、押圧されて第3位置P3aから第4位置P4aに移動する。
【0030】
このように前記の実施形態と第2実施形態のロック(操作制限)状態及びロックアウト(操作制限)状態を形成する機構は同一である。ロック部材4を、直動させる方向は、駆動装置1の技術的な仕様、用途、使用環境等の各種条件を考慮して決定される。
【0031】
3. 刈払機11(駆動装置1)の出力操作部(把持部7)の構造について
刈払機11の出力操作に係るロック部材4、トリガーレバー5及び保持部材6は、把持部7に接続されて、ユーザーに操作される。そのため、これらの構成要素は、操作性のよい配置と構造が求められる。ロック部材4は、前述したように、筐体2の延在する方向に移動するように構成される。これは、ロック部材4が第1位置P1から第2位置P2に移動した後、ロック解除となり、ロック部材4と同様に筐体2の延在する方向に備わるトリガーレバー5と保持部材6の操作が迅速に行われるためである。
【0032】
そのため、ロック部材4の第1位置P1から第2位置P2の移動は、筐体2の延在する方向又は筐体2の延在する方向に直交する方向であれば、直動であつても、回転であってもよい。
【0033】
次に、トリガーレバー5と保持部材6であるが、これらは、把持部7に接続され、ユーザーが片手で、操作されることが好ましい。具体的には、ユーザーが把持部を握ったときに、人差し指、中指、薬指及び小指のうち少なくとも1つの指がトリガーレバー5を押下できるような構造である。そして、保持部材6は、トリガーレバー5に対向する把持部7に接続され、ユーザーの親指、手のひら及び母指球のうち少なくとも1つの部位が保持部材6を押下できる構造である。
【0034】
図9は、トリガーレバー5と保持部材6が接続された把持部7を三角法で表した図である。保持部材6を中心にトリガーレバー5と保持部材6の構造と配置は、ユーザーの操作性を考慮して決定される。
図9に表したように、トリガーレバー5と保持部材6は、操作性を考慮するとシャークフィンが好ましいが、これに限定されない。
【0035】
ユーザーの手の大きさ、形状を考慮し、なるべくユーザーが自然に把持部7を把持できて、トリガーレバー5と保持部材6を操作できることが望まれる。そのため、これらの寸法は、以下に記すような設計データが好ましい。
【0036】
シャークフィンの形状をしたトリガーレバー5と保持部材6の(トリガーレバー高さH2/トリガーレバー長さL2)と(保持部材高さH3/保持部材長さL3)は、0より大きく、かつ1より小さいことが好ましい。そのため、(トリガーレバー高さH2/トリガーレバー長さL2)と(保持部材高さH3/保持部材長さL3)の値は、0.01,0.02,0.03,0.04,0.05,0.06,0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16,0.17,0.18,0.19,0.2,0.21,0.22,0.23,0.24,0.25,0.26,0.27,0.28,0.29,0.3,0.31,0.32,0.33,0.34,0.35,0.36,0.37,0.38,0.39,0.4,0.41,0.42,0.43,0.44,0.45,0.46,0.47,0.48,0.49,0.5,0.51,0.52,0.53,0.54,0.55,0.56,0.57,0.58,0.59,0.6,0.61,0.62,0.63,0.64,0.65,0.66,0.67,0.68,0.69,0.7,0.71,0.72,0.73,0.74,0.75,0.76,0.77,0.78,0.79,0.8,0.81,0.82,0.83,0.84,0.85,0.86,0.87,0.88,0.89,0.9,0.91,0.92,0.93,0.94,0.95,0.96,0.97,0.98,0.99であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0037】
把持部7の高さに対して、トリガーレバー5又は保持部材6の高さの比について、(トリガーレバー高さH2/把持部高さH1)と(保持部材高さH3/把持部高さH1)は、0より大きく、かつ1より小さいことが好ましい。そのため、(トリガーレバー高さH2/把持部高さH1)と(保持部材高さH3/把持部高さH1)の値は、0.01,0.02,0.03,0.04,0.05,0.06,0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16,0.17,0.18,0.19,0.2,0.21,0.22,0.23,0.24,0.25,0.26,0.27,0.28,0.29,0.3,0.31,0.32,0.33,0.34,0.35,0.36,0.37,0.38,0.39,0.4,0.41,0.42,0.43,0.44,0.45,0.46,0.47,0.48,0.49,0.5,0.51,0.52,0.53,0.54,0.55,0.56,0.57,0.58,0.59,0.6,0.61,0.62,0.63,0.64,0.65,0.66,0.67,0.68,0.69,0.7,0.71,0.72,0.73,0.74,0.75,0.76,0.77,0.78,0.79,0.8,0.81,0.82,0.83,0.84,0.85,0.86,0.87,0.88,0.89,0.9,0.91,0.92,0.93,0.94,0.95,0.96,0.97,0.98,0.99であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0038】
把持部7の幅に対して、トリガーレバー5又は保持部材6の幅の比について、(トリガーレバー幅W2/把持部幅W1)と(保持部材幅W3/把持部幅W1)は、0より大きく、かつ1より小さいことが好ましい。そのため、(トリガーレバー幅W2/把持部幅W1)と(保持部材幅W3/把持部幅W1)の値は、0.01,0.02,0.03,0.04,0.05,0.06,0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16,0.17,0.18,0.19,0.2,0.21,0.22,0.23,0.24,0.25,0.26,0.27,0.28,0.29,0.3,0.31,0.32,0.33,0.34,0.35,0.36,0.37,0.38,0.39,0.4,0.41,0.42,0.43,0.44,0.45,0.46,0.47,0.48,0.49,0.5,0.51,0.52,0.53,0.54,0.55,0.56,0.57,0.58,0.59,0.6,0.61,0.62,0.63,0.64,0.65,0.66,0.67,0.68,0.69,0.7,0.71,0.72,0.73,0.74,0.75,0.76,0.77,0.78,0.79,0.8,0.81,0.82,0.83,0.84,0.85,0.86,0.87,0.88,0.89,0.9,0.91,0.92,0.93,0.94,0.95,0.96,0.97,0.98,0.99であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0039】
上述したように、トリガーレバー5は、人差し指、中指、薬指及び小指のうち少なくとも1つの指によって操作され、保持部材6は、親指、手のひら及び母指球のうち少なくとも1つの部位によって操作される。そのため、それらの操作する指と部位の位置関係を考慮して、トリガーレバー5は、保持部材6よりも前方側1fに配置されるのが好ましい。
【0040】
トリガーレバー5の先端から保持部材6の後端までの距離に対するトリガーレバー5の長さと保持部材6の長さの比率について、(保持部材長さL3/トリガーレバー先端から保持部材末端までの全長さL23)と(トリガーレバー長さL2/トリガーレバー先端から保持部材末端までの全長さL23)は、0より大きく、かつ1より小さいことが好ましい。そのため、(保持部材L3/トリガーレバー先端から保持部材末端までの全長さL23)と(トリガーレバー長さL2/トリガーレバー先端から保持部材末端までの全長さL23)の値は、0.01,0.02,0.03,0.04,0.05,0.06,0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16,0.17,0.18,0.19,0.2,0.21,0.22,0.23,0.24,0.25,0.26,0.27,0.28,0.29,0.3,0.31,0.32,0.33,0.34,0.35,0.36,0.37,0.38,0.39,0.4,0.41,0.42,0.43,0.44,0.45,0.46,0.47,0.48,0.49,0.5,0.51,0.52,0.53,0.54,0.55,0.56,0.57,0.58,0.59,0.6,0.61,0.62,0.63,0.64,0.65,0.66,0.67,0.68,0.69,0.7,0.71,0.72,0.73,0.74,0.75,0.76,0.77,0.78,0.79,0.8,0.81,0.82,0.83,0.84,0.85,0.86,0.87,0.88,0.89,0.9,0.91,0.92,0.93,0.94,0.95,0.96,0.97,0.98,0.99であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0041】
3. 刈払機11の駆動に係る操作手順について
本章では、刈払機11の駆動に係る操作手順を時系列に沿って説明する。表1は、刈払機11の駆動させる構成要素の状態遷移表である。以下、前記の実施形態の構成要素及びこの表に基づいて説明する。
【表1】
【0042】
3.1 ロック部材4、トリガーレバー5及び保持部材6の状態遷移について
位置パターンA1では、ロック部材4が第1位置P1の位置の状態である。トリガーレバー5は、第3位置P3の状態であり、保持部材6は、第5位置P5の状態である。この状態では、安全上、トリガーレバー5及び保持部材6の移動は制限される。いわゆるロック(操作制限)状態である。刈払機11が使用されていない状態である。具体的には、ロック部材4の備える第1突起部42と第2突起部43が、それぞれトリガーレバー5と保持部材6に当接する。これによりトリガーレバー5が第3位置P3から第4位置P4に移動することと、保持部材6が第5位置P5から第6位置P6に移動することが制限可能に構成される。
【0043】
ロック部材4は、第2位置P2から第1位置P1に向かう力を付勢する第1弾性体41を備えている。そのため、誤ってロック部材4が第1位置P1から第2位置P2に移動することは、防止される。したがって、ロック部材4は、前方側1fから後方側1rに向かう方向にユーザーによって押圧されることで、第1位置P1から第2位置P2に移動可能に構成される。
【0044】
位置パターンA2では、ロック部材4が第2位置P2の位置の状態である。トリガーレバー5は、第3位置P3の状態であり、保持部材6は、第5位置P5の状態である。このように、ロック部材4が第2位置P2の位置である状態は、いわゆるロックアウト(操作解除)状態である。そのためトリガーレバー5及び保持部材6の移動の制限は、解除される。
【0045】
位置パターンA3では、ロック部材4が第2位置P2の位置の状態である。トリガーレバー5は、第4位置P4の状態であり、保持部材6は、第5位置P5の状態である。この状態では、トリガーレバー5が第4位置P4に移動することで、ロック部材4とトリガーレバー5の間に配置されているリミットスイッチ8が、刈払機11の備える電気回路(不図示)を通電させて作用部3を駆動させる。このようなロックアウト(操作解除)状態では、ユーザーはロック部材4を押し続け、かつトリガーレバー5を第4位置P4に押下して留めておく必要がある。
【0046】
位置パターンA4では、ロック部材4が第2位置P2の位置の状態である。トリガーレバー5は、第3位置P3の状態であり、保持部材6は、第6位置P6の状態である。この状態では、保持部材6の一部がロック部材4の有する第2突起部43と当接し、ロック部材4の移動が制限される。
【0047】
位置パターンA5では、ロック部材4が第2位置P2の位置の状態である。トリガーレバー5は、第4位置P4の状態であり、保持部材6は、第6位置P6の状態である。この状態では、保持部材6の一部がロック部材4の有する第2突起部43と当接し、ロック部材4の移動が制限される。即ち、ロックアウト(操作解除)状態が維持されている。トリガーレバー5が第4位置P4に移動することで、ロック部材4とトリガーレバー5の間に配置されているリミットスイッチ8が、刈払機11の備える電気回路(不図示)を通電させて作用部3を駆動させる。
【0048】
3.2 刈払機11の駆動操作手順について
ロック部材4が第1位置P1から第2位置P2に移動することで、位置パターンA1から位置パターンA2に状態遷移し、ロックアウト(操作解除)状態となる。この状態で、トリガーレバー5のみを第3位置P3から第4位置P4に移動させて、位置パターンA3にして作用部3を駆動させることができる。また、このようにトリガーレバー5を移動させると同時に、又は時間差を設けて、ユーザーは、保持部材6を第5位置P5から第6位置P6に移動させて、位置パターンA5の状態にして作用部3を駆動させてもよい。前者は、一時的に保持部材6を操作せず迅速に作用部3を駆動させるときに有用な機能である。後者は、保持部材6が、ロック部材4の移動を制限するため、継続的にロックアウト(操作解除)状態を保持させるときに有用な機能である。
【0049】
継続的にロックアウト状態を維持させるには、ユーザーは、保持部材6を押下して、それを第5位置P5から第6位置P6に移動させる。その結果、位置パターンA2は、位置パターンA4又は位置パターンA5の状態になる。この場合、トリガーレバー5の移動とは独立して、保持部材6を第5位置P5から第6位置P6に移動させて位置パターンA4又は位置パターンA5の状態にさせることができる。ユーザーは、柔軟に刈払機11の操作ができる。
【0050】
このように継続的にロックアウト(操作解除)状態を維持している間、ユーザーは、トリガーレバー5を移動させる操作をすることで、作用部3を駆動させ、また停止させることができる。ユーザーは、石等の異物を検出した場合、トリガーレバー5を操作するだけで迅速に作用部3を停止させることができる。ユーザーは、石等の破砕から身を守ることができる。
【0051】
4. その他
下記のような態様によって前述の実施形態を実施してもよい。
(1)刈払機11(駆動装置1)は、電流制御機構を備えてもよい。例えば、筐体2内に可変抵抗器を備えることで、トリガーレバー5が第1位置P1と第2位置P2の間を移動する間、電流値が可変可能に構成される。対象を刈払又は切断するための力学的エネルギーを変化させることで、柔軟な芝刈りが行われる。
(2)刈払機11(駆動装置1)は、異常検知機構を備えてもよい。異常検知機構が、作用部3の大きな負荷を検知した場合、強制的にロック部材4を第2位置P2から第1位置P1に移動させて、刈払機11を停止させる。その結果、さらなる安全性が確保される。
(3)刈払機11(駆動装置1)は、ロック部材4が第1位置P1に移動するとき、保持部材6も連動して第5位置P5に移動させる機構を設けてもよい。保持部材6は、ロック部材4が第1位置P1の位置であるとき、即ちロック(操作制限)状態であるとき、第6位置P6の位置の状態になる。ロック部材4が第2位置P2の位置に移動して、ロックアウト(操作解除)となって。保持部材6が第5位置P5の位置になり、第5位置P5と第6位置P6の間を移動可能となる。刈払機11が操作していないときに、保持部材6を触らせないことが可能となる。
(4)ロック部材4の第1位置P1と第2位置P2を結ぶ直線は、筐体2の延在する方向に対して斜め方向に伸びてもよい。駆動装置1の用途、仕様、使用環境等の内容に応じてロック部材4の移動方向を決定することがユーザーフレンドリーの観点から好ましい。
【0052】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記駆動装置において、前記ロック部材は、前記筐体との間に第1弾性体を備え、該第1弾性体が前記ロック部材を該第2位置から該第1位置に向かう方向に付勢し、前記前方側から前記後方側に向かう方向に押圧されることで、前記第1位置から前記第2位置に移動可能に構成される、もの。
前記駆動装置において、保持部材をさらに備え、前記保持部材は、第5位置と第6位置との間を移動可能に構成され、前記ロック部材が前記第1位置にある状態では、該保持部材の該第6位置への移動が制限され、前記ロック部材が前記第2位置にある状態では、該保持部材の該第6位置への移動が制限されず、該第6位置にあるときに、前記ロック部材の移動を制限可能に構成される、もの。
前記駆動装置において、把持部をさらに備え、前記ロック部材は、前記把持部に接続され、付勢されて前記第1位置から前記第2位置に移動し、前記トリガーレバーは、前記把持部に接続され、押下されて前記第3位置から前記第4位置に移動し、前記保持部材は、前記トリガーレバーに対向する前記把持部に接続され、押下されて前記第5位置から前記第6位置に移動する、もの。
前記駆動装置において、前記ロック部材は、第1突起部を備え、前記第1突起部は、前記ロック部材が前記第1位置にある状態で前記トリガーレバーと当接し、これにより前記トリガーレバーが前記第3位置から前記第4位置に移動することを制限可能に構成される、もの。
前記駆動装置において、前記ロック部材は、第2突起部を備え、前記保持部材は、前記第5位置にある状態で前記第2突起部と当接し、これにより前記ロック部材が前記第2位置から前記第1位置に移動することを制限可能に構成される、もの。
前記駆動装置において、前記保持部材は、前記筐体との間に第2弾性体を備え、該第2弾性体が前記保持部材を前記第6位置から前記第5位置に向かう方向に付勢する、もの。
前記駆動装置において、リミットスイッチをさらに備え、前記リミットスイッチは、前記ロック部材と前記トリガーレバーの間に配置され、前記ロック部材が前記第2位置に移動し且つ前記トリガーレバーが前記第4位置に移動したときに、電気回路を通電させて前記作用部を駆動させるように構成される、もの。
もちろん、この限りではない。
【0053】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1 :駆動装置
11 :刈払機
1f :前方側
1r :後方側
2 :筐体
3 :作用部
4 :ロック部材
4a :ロック部材
41 :第1弾性体
42 :第1突起部
42a :第1突起部
43 :第2突起部
43a :第2突起部
44a :中空部
5 :トリガーレバー
5a :トリガーレバー
6 :保持部材
6a :保持部材
61 :第2弾性体
61a :第3弾性体
7 :把持部
8 :リミットスイッチ
H1 :把持部高さ
H2 :トリガーレバー高さ
H3 :保持部材高さ
L1 :把持部長さ
L2 :トリガーレバー長さ
L23 :全長さ
L3 :保持部材長さ
P1 :第1位置
P1a :第1位置
P2 :第2位置
P2a :第2位置
P3 :第3位置
P4 :第4位置
P5 :第5位置
P6 :第6位置
W1 :把持部幅
W2 :トリガーレバー幅
W3 :保持部材幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9