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特許7584876プログラム、システム、方法、及びサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】プログラム、システム、方法、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/95 20140101AFI20241111BHJP
   A63F 13/20 20140101ALI20241111BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20241111BHJP
   A63F 13/216 20140101ALI20241111BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20241111BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20241111BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20241111BHJP
【FI】
A63F13/95 A
A63F13/20 A
A63F13/213
A63F13/216
A63F13/5375
A63F13/79
A63F13/80 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023118218
(22)【出願日】2023-07-20
(62)【分割の表示】P 2019161812の分割
【原出願日】2019-09-05
(65)【公開番号】P2023126621
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】100151688
【弁理士】
【氏名又は名称】今 智司
(72)【発明者】
【氏名】石川 洋生
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-079095(JP,A)
【文献】特開2007-082636(JP,A)
【文献】特開2018-149198(JP,A)
【文献】特許第6488038(JP,B1)
【文献】特開2019-122493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
アナログカードの撮像画像から当該アナログカードを一意に特定せずに、当該アナログカードのカード情報を特定するステップと、
特定した前記アナログカードに対応するデジタルカードの継続利用に要求される前記アナログカードの再撮像までの期間を示す期間情報を取得するステップと、
前記期間情報に基づいて、前記アナログカードに関連付けられる前記デジタルカードのデジタルデータとしての使用可能期間を設定するステップと、
使用可能期間内の前記デジタルカードを用いたカードゲームを実行するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
ユーザを識別するユーザ情報に、特定された前記カード情報を対応付けるステップと、
前記ユーザ情報に対応付けて前記カード情報を所持カード情報格納部に格納するステップと、
前記特定された前記カード情報が前記所持カード情報格納部に格納されているか否か判断するステップと
を更に備え、
前記所持カード情報格納部に前記ユーザ情報に対応付けて前記カード情報が格納されていないと判断された場合、前記ユーザ情報に前記特定された前記カード情報を対応付け、
前記所持カード情報格納部に前記ユーザ情報に対応付けて前記カード情報が格納されていると判断された場合、前記期間情報に基づいて前記使用可能期間を延長する請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記使用可能期間の設定後、前記使用可能期間の残り期間が予め定められた期間以下になった場合に、当該使用可能期間が設定された前記デジタルカードに関連付けられる前記アナログカードの再度の撮像の推奨を通知するステップ
を更に備える請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記アナログカードにはレアリティが設定されており、
前記期間情報が示す前記再撮像までの前記期間が、前記レアリティが高いほど短くなる請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する手段を備えるシステム。
【請求項6】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する手段を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード利用システム、カード利用方法、及びカード利用プログラムに関する。特に、本発明は、アナログカードに対応するデジタルカードをデジタルゲームに利用可能にするカード利用システム、カード利用方法、及びカード利用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個別情報及び登録状態情報を記憶したICチップ及び通信アンテナを有する複数のトレーディングカードと、トレーディングカードと非接触通信が可能な携帯端末と、携帯端末と通信可能なネットワーク上にゲーム用サーバと、携帯端末と通信可能なゲーム機と備えた、トレーディングカード利用システムであって、携帯端末は、トレーディングカードの収集済・未収集を示すコレクション状態情報を記憶しており、ICチップに記憶されている登録状態情報は、未登録又は登録済の状態を示す情報であり、トレーディングカードに記憶されている登録状態情報を確認する登録状態情報確認機能と、登録状態情報確認機能において登録状態情報が未登録であることが確認された場合に、携帯端末がトレーディングカードから個別情報を受信する判断を行う個別情報送受信判断機能と、携帯端末に記憶されているコレクション状態情報において、携帯端末が受信した個別情報が示すトレーディングカードを未収集から収集済に更新するコレクション状態情報更新機能と、トレーディングカードの記憶している登録状態情報を、未登録から登録済に更新する登録状態情報更新機能とを具備し、携帯端末とゲーム機とが通信を行い、携帯端末が記憶しているコレクション状態情報において、収集済となっているトレーディングカードが、ゲーム機にて行うゲームにおいて利用可能となるトレーディングカード利用システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のトレーディングカード利用システムによれば、カード利用者に関する情報を記憶したICチップをトレーディングカードが有しているので、利用者が登録されているか否か等の情報をICチップに書き込むだけでデジタル上でのカードの増殖を防止できる
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-141564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のトレーディングカード利用システムにおいては、トレーディングカード1枚ごとにICチップを設けることを要し、ICチップを有していないトレーディングカードを利用対象にすることはできない。また、特許文献1に記載のトレーディングカード利用システムにおいては、ICチップに記憶させるコードの管理コストやICチップ付きトレーディングカードの発行コストを無視できない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、トレーディングカードにICチップ等を搭載させなくても、トレーディングカードに対応するデジタルカードのデジタル上での増殖を抑制しつつ、デジタル上で利用可能にできるカード利用システム、カード利用方法、及びカード利用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、アナログカードの撮像画像から当該アナログカードを一意に特定せずに、当該アナログカードのカード情報を特定するステップと、特定したアナログカードに対応するデジタルカードの継続利用に要求されるアナログカードの再撮像までの期間を示す期間情報を取得するステップと、期間情報に基づいてアナログカードに関連付けられるデジタルカードのデジタルデータとしての使用可能期間を設定するステップと、使用可能期間内のデジタルカードを用いたカードゲームを実行するステップとを実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るカード利用システムによれば、トレーディングカードにICチップ等を搭載させなくても、トレーディングカードに対応するデジタルカードのデジタル上での増殖を抑制しつつ、デジタル上で利用可能にできるカード利用システム、カード利用方法、及びカード利用プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るカード利用システムの概要図である。
図2】本実施形態に係るカード利用システムの機能構成ブロック図である。
図3】本実施形態に係る各格納部のデータ構成を示す図である。
図4】本実施形態に係るアナログカードの構成の概要図である。
図5】本実施形態に係るカード利用システムにおける処理のフロー図である。
図6】本実施形態に係るカード利用システムにおける処理のフロー図である。
図7】本実施形態に係るカード利用システムにおける処理のフロー図である。
図8】本実施形態に係るカード利用システムにおけるアナログカードの読み込みの図である。
図9】本実施形態に係る通知部おける通知処理のフロー図である。
図10】位置情報を用い、アナログカードのデジタルカード化を防止する場合の処理のフロー図である。
図11】デジタルカードの券面選択の処理のフロー図である。
図12】本実施形態に係るカード利用システムにおける券面の選択の図である。
図13】本実施形態に係るユーザ端末の機能構成ブロック図である。
図14】本実施形態に係るアナログカードの撮像処理の例を示す図である。
図15】本実施形態に係るアナログカードの撮像処理の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
<カード利用システム1の概要>
本実施形態に係るカード利用システム1は、アナログカードに対応するデジタルカードをデジタル上(例えば、デジタルゲーム上)で利用可能にするシステムである。カード利用システム1は、ユーザがアナログカードを有している場合にこのアナログカードに対応するデジタルデータであるデジタルカードをユーザに付与し、所定期間、このデジタルカードのデジタル上での利用を可能にする。その上でカード利用システム1は、アナログカードを再撮像することで当該所定期間を延長し、デジタルカードの継続利用を可能にする。なお、アナログカードは、トレーディングカードゲーム等のカードゲームに用いられる有体物のカード(例えば、トレーディングカード)である。
【0012】
上述の通り、従来、アナログカードに対応するデジタルカードをデジタル上で利用可能にする場合、まず、アナログカードにICタグを予め設けることや所定の識別コードを予め印刷することでアナログカードを一意に識別可能としていた。そして、ICタグや識別コードから識別情報を読み取り、読み取った識別情報で指定されるデジタルカードをデジタル上で利用可能としていた。なお、識別コードには、例えば、アナログカードを一意に識別するための情報等が含まれ得る。すなわち、ユーザ端末3等が識別コードを読み取ることにより、識別コードに含まれる情報として、アナログカードを一意に識別するための情報を取得することができる。
【0013】
しかしながら、本発明者は、上記のような課題を把握し、また、ユーザが既に所有しており、ICタグや識別コード等が設けられていないアナログカードについてもデジタル上で平等に利用可能にすることがユーザフレンドリーの観点等から望ましいと考え、アナログカードの撮像画像の画像認識を利用することに想到した。
【0014】
すなわち、本発明者は、アナログカードの価値を低下させないこと、これまでアナログカードを利用していたユーザやこれからアナログカードの利用を考えているユーザが特別な装置を利用しなくても煩雑な操作なく簡易にアナログカードをシステムに認識させるだけでデジタルカードを利用できること、所定期間ごとにアナログカードをシステムに再認識させることでデジタルカードが簡単に増殖されてしまうことを抑制すること、アナログカードのシステムへの再認識の方法が簡便で容易であること等のコンセプトを実現するためには、アナログカードの撮像画像の画像認識を利用することが最適であると考え、本発明に想到した。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係るカード利用システムの概要を示す。
【0016】
本実施形態に係るカード利用システム1は、アナログカード7の券面の撮像画像をユーザ端末3に設けられたカメラ等の撮像手段によって撮像し、撮像した画像を画像認識することでアナログカード7に対応するデジタルカード8を所定期間、ユーザ端末3に対応付けて、又は、ユーザ端末3を使用するユーザのアカウントに対応付けて利用可能にするシステムである。そして、カード利用システム1は、原則として、所定期間が経過するまでにアナログカード7を再度、撮像することで、当該アナログカード7に対応するデジタルカード8の利用可能期間を延長できるシステムである。なお、アナログカード7は所定の券面を有して構成され、この券面とは、キャラクター等が表示されている面を指す。
【0017】
具体的に、カード利用システム1においては、ユーザ端末3等でアナログカード7を撮像した場合に、当該アナログカード7の撮像画像に基づいて当該アナログカード7に対応するデジタルカード8をユーザ端末3で利用可能にすると共に、当該デジタルカード8のデジタル上での使用可能期間を設定する。この使用可能期間が経過した後、カード利用システム1は、原則として、デジタルカード8の利用を停止する。ただし、カード利用システム1は、使用可能期間が経過した後であっても、利用が停止されたデジタルカード8に対応するアナログカード7の撮像画像を再度、取得することで再び当該デジタルカード8の利用を可能にする。また、カード利用システム1は、使用可能期間が経過する前にアナログカード7の撮像画像を再度、取得した場合、当該アナログカード7に対応するデジタルカード8に設定した使用可能期間を延長する。また、カード利用システム1は、同一の券面の複数枚のアナログカード7が一度に撮像された撮像画像を取得した場合、当該撮像画像に映るアナログカード7の枚数を当該アナログカード7に対応するデジタルカード8の枚数として設定することでデジタルカード8を管理する。例えば、1つの撮影画像に、同一の券面の複数枚のアナログカード7が被写体として含まれる場合に、撮影画像に含まれるアナログカード7の枚数を、デジタルカード8の枚数として設定することができる。また、ユーザ端末3等で動画を撮影し、当該動画に、同一の券面の複数枚のアナログカード7が被写体として含まれる場合も、同様に、動画に含まれるアナログカード7の枚数を、デジタルカード8の枚数として設定することができる。
【0018】
例えば、カード利用システム1は、アナログカード7に関する情報であるカード情報に対応付けて、アナログカード7の再撮像までの期間を示す期間情報を予め格納する期間情報格納部30と、ユーザに関する情報であるユーザ情報に対応付けて、ユーザが所持するデジタルカード8のカード情報、デジタルカード8の使用可否情報、デジタルカード8の使用可能期間の情報、デジタルカード8に対応するアナログカード7の再撮像までの残り期間(使用が不可能となるまでの期間)を示す情報、及び/又はデジタルカード8の所持枚数等の情報を格納する所持カード情報格納部32とを備える。そして、カード利用システム1は、通信網5を介し、ユーザ端末3と双方向通信可能に接続される。
【0019】
図1の例で期間情報格納部30は、カード情報としての「ピカチュウ」に期間情報として「5日」を対応付けて格納し、カード情報としての「ライチュウ」に期間情報として「30日」を対応付けて格納し、カード情報としての「イーブイ」に期間情報として「360日」を対応付けて格納し、カード情報としての「リーリエ」に期間情報として「365日」を対応付けて格納している。なお、期間情報は、アナログカード7に設定されているカードの価値の指標であるレアリティに基づいて設定してよい。また、「ピカチュウ」等は券面に表示されているキャラクター等の名称である。
【0020】
ここで、ユーザが所有するアナログカード7が複数枚、存在する例を説明する。例えば、ユーザが、2枚の「ピカチュウ」のアナログカード、4枚の「イーブイ」のアナログカード、及び4枚の「リーリエ」のアナログカードを所持しているとする。
【0021】
この場合、まず、撮像部を有するユーザ端末3は、アナログカード7を撮像する。カード利用システム1は、通信網5を介し、ユーザ端末3が撮像したアナログカード7の撮像画像を取得する。そして、カード利用システム1は、取得した撮像画像の画像認識により、撮像画像に含まれるアナログカード7のカード情報及びアナログカード7の枚数を特定する。カード情報は例えば、アナログカード7及びアナログカード7に対応するデジタルカード8のカードIDである。この場合、カード利用システム1は、「ピカチュウ」のカードID、「イーブイ」のカードID、及び「リーリエ」のカードIDを特定すると共に各カードの枚数を特定する。なお、カード利用システム1は、特定した枚数をデジタルカードの枚数として扱う。
【0022】
そして、カード利用システム1は、特定したカードIDに対応するデジタルカード8をユーザ端末3において使用可能に設定すると共に、カードIDに対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報に基づいて、デジタルカード8のデジタル上における使用可能期間を設定する。図1の例では、例えば、「ピカチュウ」のデジタルカードの使用可能期間は「5日」である。
【0023】
また、カード利用システム1は、設定内容を所持カード情報格納部32に格納する。例えば、図1の(a)に示すように、所持カード情報格納部32は、ユーザ情報に対応付けて、「ピカチュウ」のカードID(図1では説明の簡略化のため、カードIDを「ピカチュウ」と表示する。以下同じ。)、当該カードの使用可否情報(この場合、使用可能を示す「可」の情報)、「ピカチュウ」のデジタルカードの使用可能期間(5日)、再撮像までの残り期間(5日)、及びデジタルカードの枚数(2枚)を格納する。「イーブイ」のカード及び「リーリエ」のカードについても同様である。ただし、図1の例でユーザは「ライチュウ」のアナログカードを所持していないため、所持カード情報格納部32は、ユーザ情報に対応付けて、「ライチュウ」のカードIDに、使用可否情報(この場合、使用不可を示す「否」の情報)、「ライチュウ」のデジタルカードの使用可能期間(30日)、及びデジタルカードの枚数(0枚)を格納し、再撮像までの残り期間は格納しない(つまり、No Data)。これにより、ユーザが所持しているアナログカード7に対応するデジタルカード8をユーザ端末3において利用することができるようになる。
【0024】
続いて、ユーザ端末3によるアナログカード7の撮像日から時間が経過した場合を説明する。例えば、当該撮像日から「4日」経過した例を説明する。この場合、図1の(b)に示すように、所持カード情報格納部32に格納されている各カード情報の残り期間が経過日数分、減少する。例えば、所持カード情報格納部32は、ユーザ情報に対応付けて、「ピカチュウ」のカードID、当該カードの使用可否情報(この場合、使用可能を示す「可」の情報)、「ピカチュウ」のデジタルカードの使用可能期間(5日)、再撮像までの残り期間(1日)、及びデジタルカードの枚数(2枚)を格納する。「イーブイ」のカード及び「リーリエ」のカードについても同様である。
【0025】
そして、カード利用システム1は、残り期間が予め定められた期間以下になった場合(例えば、残り期間が「1日」以下になった場合)、ユーザ端末3に残り期間が予め定められた期間以下になったデジタルカード8に対応するアナログカード7の再撮像を促す情報を供給する。カード利用システム1は、ユーザ端末3から再撮像を促したアナログカード7の撮像画像を取得した場合、当該アナログカード7に対応するデジタルカード8の残り期間を期間情報に基づいて延長する。例えば、図1の例においてカード利用システム1は、残り期間が「1日」以下になった「ピカチュウ」のアナログカードの再撮像を促す情報をユーザ端末3に供給する。そして、カード利用システム1は、ユーザ端末3から「ピカチュウ」の撮像画像(再撮像された画像)を取得した場合、「ピカチュウ」のデジタルカードの残り期間を、期間情報に基づいて「5日」まで延長(回復)する。「イーブイ」のカード及び「リーリエ」のカードについても同様である。これにより、ユーザ端末3においてユーザが所持しているアナログカード7に対応するデジタルカード8を継続利用することができる。また、アナログカード7を再撮像しなければデジタルカード8を継続利用できないことから、ユーザは利用を欲するアナログカード7については所持し続けることを要する。これにより、アナログカード7をユーザとは異なる第三者に渡し、撮像させることによるデジタルカードの増殖を抑制できる。
【0026】
なお、ユーザ端末3は、携帯電話、スマートフォン、カメラ機能を有するかWebカメラを接続可能なノートパソコン、タブレット型PC、カメラ機能を有するかWebカメラを接続可能なPC、カメラ機能を有するかWebカメラを接続可能な携帯用ゲーム機、及び/又はカメラ機能を有するかWebカメラを接続可能な家庭用ゲーム機等の撮像機能を有する情報通信端末である。また、通信網5は、携帯電話網、及び/又はインターネット等の通信網である。通信網5は、有線LAN及び無線LAN等の通信ネットワークや近距離通信網を含むこともできる。そして、以下において本実施形態に係るカード利用システム1の詳細を説明するが、上記説明及び下記説明における固有名や数値はあくまで例示であり、これらの固有名や数値に限定されることはないことを付言する。
【0027】
<カード利用システム1の詳細>
図2は、本実施形態に係るカード利用システムの機能構成の一例を示す。また、図3は、本実施形態に係る各格納部のデータ構成の一例を示す。
【0028】
[カード利用システム1の構成の概要]
本実施形態に係るカード利用システム1は、カードゲーム用のアナログカード7に対応するデジタルカード8をデジタルゲームに利用可能にするシステムである。カード利用システム1は、撮像画像を取得する撮像画像取得部10と、カード情報を特定するカード情報特定部12と、アナログカード7若しくはデジタルカード8の枚数を特定する枚数特定部14と、ユーザがデジタルカード8を所持しているか否かを判断する所持判断部16と、ユーザ情報にカード情報等を対応付ける登録制御部18と、デジタルカード8の使用可否を設定する使用可否設定部20と、デジタルカード8の使用可能期間を設定する使用可能期間設定部22と、ユーザ端末3にアナログカード7の再撮像を推奨する情報を通知する通知部24と、ユーザ端末3の位置情報を取得する位置情報取得部26と、ユーザ端末3から所定のデジタルカードの使用指示を受け付けるカード指示受付部28と、期間情報を格納する期間情報格納部30と、ユーザが所持するカードに関する情報を格納する所持カード情報格納部32と、アナログカード7及びデジタルカード8に関する情報を格納するカード情報格納部34と、ユーザに関連する情報及び他のユーザに関連する情報を格納するユーザ情報格納部36とを備える。
【0029】
なお、カード利用システム1が備える各構成要素それぞれの機能の全て若しくは一部を、他の構成要素が有するか、別途、独立の構成にしてもよい。例えば、期間情報格納部30、所持カード情報格納部32、カード情報格納部34、及び/又はユーザ情報格納部36を他の構成要素とは独立のサーバ(例えば、データベースサーバ)として構成してもよいように、カード利用システム1が備える各構成要素の一部を、独立のサーバとして構成してもよい。更に、カード利用システム1を構成する一部の構成要素を、ユーザ端末3若しくはユーザ端末3にインストールされるアプリケーションが有していてもよい。また、本実施形態において、各装置(ユーザ端末、サーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、カード利用システム1を複数の装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るカード利用システム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はカード利用システム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0030】
[カード利用システム1の構成の詳細]
(期間情報格納部30)
期間情報格納部30は、アナログカード7及び当該アナログカード7に対応するデジタルカード8に関連付けられるカード情報に対応付けて期間情報を予め格納する(図3参照)。期間情報とは、アナログカード7に対応するデジタルカード8の継続利用に要求されるアナログカード7の再撮像までの期間である。なお、カード情報は、例えば、アナログカード7及びデジタルカード8を識別するカードIDである。一のアナログカード7、及び当該一のアナログカード7に対応するデジタルカード8には同一のカードIDが対応付けられる。
【0031】
なお、一のアナログカード7に対応するデジタルカード8は、一のアナログカード7の券面をほぼそのままデジタル化したカードであってよい。また、期間情報は、期間の管理を容易にする観点から、日数を示す情報であることが好ましい。更に、アナログカード7にはアナログカードの希少性を示すレアリティが設定されていてよい。この場合、デジタルカード8の第三者による増殖を抑制する等の観点から、期間情報が示す再撮像までの期間は、レアリティが高いアナログカード7に対応するデジタルカード8ほど短くすることが好ましい。期間情報格納部30は、他の構成要素からの働きかけに応じ、格納している情報を他の構成要素に供給する。
【0032】
(所持カード情報格納部32)
所持カード情報格納部32は、ユーザを識別するユーザ情報に対応付けて、ユーザ情報に対応付けられるカード情報を格納する。具体的に、所持カード情報格納部32は、図3に示すように、ユーザ情報に対応付けて、カード情報、デジタルカード8の券面を示す券面データを識別する券面データID、デジタルカード8の使用可否を示す使用可否情報、デジタルカード8をデジタル上において使用することができる期間を示す使用可能期間、ユーザ情報にカード情報が対応付けられた日から経過した日数を使用可能期間から差し引いた期間である残り期間、カード情報に対応するアナログカード7が撮像された回数である撮像回数、及び/又はユーザ情報に対応付けられるデジタルカード8の枚数を示す枚数情報を格納する。なお、ユーザ情報は、例えば、ユーザを識別するユーザIDである。所持カード情報格納部32は、他の構成要素からの働きかけに応じ、格納している情報を他の構成要素に供給する。
【0033】
(カード情報格納部34)
カード情報格納部34は、グループ情報に対応付けて、カード情報、アナログカード7の特徴情報、及び/又はデジタルカード8の特徴情報を格納する。ここで、グループ情報とは、同一種類のアナログカード7であるものの、アナログカード7の券面が異なる複数のアナログカード7が存在する場合、これら複数のアナログカード7を一のグループとしてまとめ、このグループを識別する情報である。例えば、グループ情報は、グループを識別するグループIDである。一例として、券面に「ピカチュウ」が表示されているアナログカード7には、アナログカード7のレアリティの違いによって複数の券面が互いに異なるアナログカード7が存在する(ただし、各カードのゲーム上での効果は同一である。このように、ゲーム上での機能・効果が同一であるものの、レアリティが異なること等により券面が異なるカードは、「同一種類」のカードと称する場合がある。)。この場合においてこれら複数のアナログカード7を一のグループ(例えば、「ピカチュウ」カードグループ)として把握することができる。そして、この一のグループを識別する情報が、グループ情報である。したがって、一のグループには複数の同一種類のアナログカード7が属することになる。
【0034】
また、アナログカード7の特徴情報は、例えば、アナログカード7の券面に関する情報(例えば、券面に表示されているキャラクターの画像や画像の特徴量等に関する情報。)、当該券面に表示されているキャラクターやアイテム等の名称、アナログカード7のレアリティ、及び/又は券面に表示されている各種のテキスト等の情報である。また、デジタルカード8の特徴情報は、例えば、券面データを識別する券面データID、券面データIDに対応する券面を表示するための券面データ、及び/又はレアリティ(つまり、対応するアナログカード7のレアリティ)等である。カード情報格納部34は、他の構成要素からの働きかけに応じ、格納している情報を他の構成要素に供給する。
【0035】
図4は、本実施形態に係るアナログカードの構成の概要の一例を示す。具体的に図4(a)は、アナログカード7の表面70を示し、図4(b)はアナログカード7の裏面72を示す。
【0036】
図4に示すように、本実施形態に係るアナログカード7は、キャラクター等が表示される表面70と、複数のアナログカード7の全てにおいて共通の図柄や模様が表示される裏面72とを有して構成される。なお、アナログカード7は、ゲームの所定の場に山札等にして配置される。この場合においてアナログカード7の表面70がユーザに視認できないように、同一模様の裏面72が上になるように複数のアナログカード7を揃えて山札にし、場に配置されてゲーム等に供される。
【0037】
そして、表面70には、カードに表示されているキャラクターの名称を表示するカード名称表示領域700(図4(a)の例では「ピカチュウ」と表示されている。)と、キャラクターの画像を表示するキャラクター画像表示領域702と、ゲームにおけるカードの効果を表示するカード効果表示領域704と、アナログカード7を識別するカード番号が表示されるカード番号表示領域706と、アナログカード7のレアリティが表示されるレアリティ表示領域708とが設けられる。これらの領域の配置に特に限定はないが、一例として、表面70が略長方形状の場合、カードの長手方向に沿って一方の短辺付近から他方の短辺に向けて、カード名称表示領域700、キャラクター画像表示領域702、及びカード効果表示領域704が順に配置され、他方の短辺付近において当該短辺に沿ってカード番号表示領域706とレアリティ表示領域708とが並んで配置される。
【0038】
ここで、カード番号表示領域706には、アナログカード7を識別するカード番号が表示される。したがって、後述するカード情報特定部12は、カード情報特定部12が採用する画像認識手法の認識精度に応じ、カード番号表示領域706に表示されているカード番号を用いてカード情報を認識してもよい。つまり、この場合、カード情報特定部12は、テキストデータ(カード番号)を用い、画像認識を実行してもよい。
【0039】
(ユーザ情報格納部36)
ユーザ情報格納部36は、ユーザ情報に対応付けて、ユーザ情報で識別されるユーザに関するユーザ関連情報、ユーザとフレンド登録している他のユーザに関する情報であるフレンド情報、及び/又はユーザと過去にデジタル上のゲームを対戦した他のユーザに関する情報である対戦情報等を格納する。なお、ユーザ関連情報は、例えば、デジタルゲームへのログイン名等の情報を含む。ユーザ情報格納部36は、他の構成要素からの働きかけに応じ、格納している情報を他の構成要素に供給する。
【0040】
(撮像画像取得部10)
撮像画像取得部10は、ユーザ端末3において撮像された撮像画像を取得する。すなわち、撮像画像取得部10は、通信網5を介してユーザ端末3から、ユーザ端末3において撮像されたアナログカード7の撮像画像を取得する。撮像画像取得部10は、取得した撮像画像をカード情報特定部12に供給する。
【0041】
(カード情報特定部12)
カード情報特定部12は、アナログカード7を撮像した撮像画像に対する画像認識に基づいて、アナログカード7のカード情報を特定する。カード情報特定部12は、既知の画像認識技術や機械学習を用いて撮像画像の画像認識をすることによって、その撮像画像に写っているアナログカードのカード情報を特定する。例えば、カード情報特定部12は、撮像画像を画像認識し、撮像画像の特徴とカード情報格納部34が格納しているアナログカードの特徴情報とに基づいて、撮像画像に含まれるアナログカード7のカード情報を特定できる。また、カード情報特定部12は、複数のアナログカード7の券面内容と当該券面内容に対応するカード情報との組み合わせを含む教師データを取得若しくは生成し、取得若しくは生成した複数の教師データに基づき、複数の撮像画像を入力、対応するカード情報を出力とする学習モデルを生成してもよい。そして、カード情報特定部12は、生成した学習モデルに基づいてカード情報を特定してもよい。
【0042】
また、カード情報特定部12は、複数のアナログカード7のカード情報を特定する場合に、同一の券面を有する2以上のアナログカード7について、同一のカード情報を対応付ける。すなわち、カード情報特定部12は、複数のアナログカード7のカード情報を特定する場合において、同一の券面(少なくともテキスト部分を除く画像部分が同一)を有する複数のアナログカード7については、それぞれ同一のアナログカード7としてカード情報を特定する。例えば、カード情報特定部12は、同一の券面を有する複数枚のアナログカード7のそれぞれに一つのカード情報を対応付ける。つまり、カード情報特定部12は、同一の券面を有する複数枚のアナログカード7のそれぞれを一意に識別しない。換言すれば、カード情報特定部12は、同一の券面のアナログカード7が複数ある場合、それぞれを一意に識別せず、一の種類のアナログカード7が複数枚存在していると判断する。なお、カード情報特定部12は、同一の券面を有する複数のアナログカード7それぞれのカード情報を特定する場合に、券面に表される画像部分ではなく、テキスト部分(例えば、アナログカード7のカード番号を表す数字等)が一のアナログカード7と他のアナログカード7とで一致した場合に、各アナログカード7を同一のアナログカードとしてカード情報を特定してもよい。また、カード情報特定部12は、券面に表される画像部分とテキスト部分との双方を用いてカード情報を特定してもよい。
【0043】
また、カード情報特定部12は、複数のアナログカード7のカード情報を特定する場合に、互いに異なる券面を有するものの各カードに対応付けられているカードゲーム若しくはデジタルゲーム上の機能や効果が同一であり、各アナログカード7の券面のキャラクターやアイテム名が同一である場合、複数のアナログカード7それぞれに、同一のグループ情報を対応付ける。そして、カード情報特定部12は、これら複数のアナログカード7が同一種類に属すると判断し(つまり、複数のアナログカード7それぞれのレアリティが異なり、それぞれの券面が異なると判断し)、複数のアナログカード7それぞれを独立に識別し、複数のアナログカード7それぞれに互いに異なるカード情報を対応付けることもできる。
【0044】
更に、一の撮像画像に複数のアナログカード7の画像が含まれている場合、カード情報特定部12は、複数のアナログカード7それぞれ、及び/又は複数のアナログカード7の種類ごとにカード情報を特定することもできる。すなわち、ユーザ端末3において複数のアナログカード7がまとめて撮像された場合、カード情報特定部12は、複数のアナログカード7それぞれ、及び/又は複数のアナログカード7の種類ごとにカード情報を特定できる。なお、アナログカード7の種類とは、券面に表示されているキャラクターやアイテムの名称、キャラクターの属性、及び/又はキャラクターに特有のパラメータ(例えば、キャラクターの属性、ヒットポイント、攻撃力、及び/又は技名等)等で分類される種類である。本実施形態では、ユーザが最も視認しやすい観点から、アナログカード7の種類は、券面に表示されているキャラクターやアイテム等の名称で分類される種類を用いることが好ましい。なお、この場合、複数のアナログカード7それぞれの券面に表示されているキャラクターやアイテム等の名称が同一である場合、これら複数のアナログカード7が同一種類のカードになる。
【0045】
カード情報特定部12は、特定したカード情報を所持判断部16、登録制御部18、及び/又は使用可能期間設定部22に供給する。なお、カード情報特定部12は、複数のアナログカード7それぞれのカード情報を特定する場合、カード情報を特定したアナログカード7に関する情報をアナログカード7の種類ごとにユーザ端末3に出力させてもよい。例えば、カード情報特定部12は、2枚の「ピカチュウ」のアナログカード、4枚の「イーブイ」のアナログカード、及び4枚の「リーリエ」のアナログカードそれぞれのカード情報を特定した場合、ユーザ端末3の表示部に、「ピカチュウ」の券面、「イーブイ」の券面、及び「リーリエ」の券面をそれぞれ1枚ずつ表示させ、各券面に重畳させて、若しくは各券面の近傍に各カードの枚数を表示させてもよい。なお、カードの枚数は枚数特定部14が特定した枚数を用いることができる。
【0046】
(枚数特定部14)
枚数特定部14は、カード情報特定部12における撮像画像の画像認識結果を用い、1つの撮像画像に含まれているアナログカード7の枚数を特定する。枚数特定部14は、アナログカード7の枚数をデジタルカード8の枚数として特定してよい。そして、枚数特定部14は、撮像画像に複数のアナログカード7が含まれている場合、同一の券面のアナログカードの枚数を特定する。枚数特定部14は、特定した枚数を示す枚数情報を登録制御部18に供給する。なお、カード情報特定部12は、枚数特定部14の機能を併せて有していてもよい。また、カード情報特定部12は、枚数特定部14が特定した枚数が予め定められた枚数を超える場合、当該枚数を超えた分のアナログカード7についてはカード情報を特定しなくてもよい。これにより、同一の券面のアナログカード7に対応するデジタルカード8のユーザが所持できる枚数に制限を設けることができる。
【0047】
(所持判断部16)
所持判断部16は、カード情報特定部12が特定したカード情報が所持カード情報格納部32に格納されているか否か判断する。すなわち、所持判断部16は、特定されたカード情報が、所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けて格納されているか否かを判断することにより、ユーザが既にカード情報に対応するアナログカード7若しくはデジタルカード8を所持しているか否か判断する。所持判断部16は、所持カード情報格納部32に特定されたカード情報がユーザ情報に対応付けて格納されている場合、ユーザが既にカード情報に対応するアナログカード7及び/又はデジタルカード8を所持していると判断する。所持判断部16は、判断結果を登録制御部18、及び/又は使用可能期間設定部22に供給する。
【0048】
(登録制御部18)
登録制御部18は、ユーザ情報にカード情報特定部12が特定したカード情報を対応付ける。具体的に、登録制御部18は、カード情報特定部12が特定したカード情報が所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けて格納されていないと所持判断部16が判断した場合、カード情報特定部12が特定したカード情報をユーザ情報に対応付ける。一方、登録制御部18は、所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けてカード情報が格納されていると所持判断部16が判断した場合、カード情報特定部12が特定したカード情報のユーザ情報への対応付けを省略できる。また、登録制御部18は、枚数特定部14が枚数を特定したアナログカード7若しくはデジタルカード8のカード情報に、特定した枚数を対応付けることもできる。登録制御部18は、登録結果を示す情報を使用可否設定部20に供給する。
【0049】
(使用可否設定部20)
使用可否設定部20は、登録制御部18がユーザ情報に対応付けたカード情報に対応するデジタルカード8のデジタルゲームにおける使用可否を設定する。具体的に、使用可否設定部20は、登録制御部18がユーザ情報に対応付けたカード情報に対応するデジタルカード8について、デジタルゲームにおける使用を許可する。使用可否設定部20は、設定結果を所持カード情報格納部32に格納する。また、使用可否設定部20は、設定結果を使用可能期間設定部22に供給する。
【0050】
また、使用可否設定部20は、同一種類の複数のアナログカード7それぞれのレアリティが異なり、これらのアナログカード7の券面の画像がそれぞれ異なる場合であって、ユーザ情報に同一種類の複数のアナログカード7のうち一部のアナログカード7のカード情報が対応付けられている場合であっても、当該一部を除く他のアナログカード7の券面画像に対応するデジタルカード8をデジタルゲームで選択可能にすること(つまり、使用可能にすること)もできる。
【0051】
すなわち、同一種類の複数のアナログカード7は、ゲーム上は同一の機能・効果を奏するものの、現実世界においてはそれぞれ異なる価値を有する。一方、特にデジタルゲーム上においては、同一種類の複数のアナログカード7に対応する複数のデジタルカード8はいずれも、券面の表示は異なるものの同一の機能・効果を奏する。つまり、同一種類の複数のアナログカード7それぞれのレアリティが異なる場合であっても、同一種類の複数のアナログカード7に対応するデジタルカード8それぞれのデジタルゲーム上における機能・効果は同一である。
【0052】
したがって、仮にユーザが同一種類の複数のアナログカード7のうち一部のアナログカード7しか所持していない場合であっても、ユーザが所持しているアナログカード7と同一グループに属する他のアナログカード7に対応するデジタルカード8の券面をデジタルゲームにおいてユーザに使用させたとしても、アナログカード7の価値は低下しない。むしろ、デジタルゲームを通じて様々なアナログカード7が存在することをユーザが知る機会を与えることができる利点がある。そのため、使用可否設定部20は、ユーザが所持しているアナログカード7と同一グループに属する他のアナログカード7に対応するデジタルカード8の券面を、ユーザが選択可能にすることができる。
【0053】
(使用可能期間設定部22)
使用可能期間設定部22は、期間情報格納部30に格納されている期間情報に基づいて、デジタルカード8のデジタルデータとしての使用可能期間を設定する。このデジタルカード8は、カード情報特定部12が特定したカード情報に対応するアナログカード7に関連付けられるデジタルカード8である。ここで、使用可能期間設定部22は、使用可否設定部20が使用可能に設定したデジタルカード8について使用可能期間を設定する。また、使用可能期間設定部22は、設定した使用可能期間をユーザ情報及びカード情報に対応付け、所持カード情報格納部32に格納する。更に、ユーザ情報に対応付けて所持カード情報格納部32にカード情報が格納されていると所持判断部16が判断した場合、使用可能期間設定部22は、期間情報格納部30に格納されている期間情報に基づいて、当該カード情報に対応するデジタルカード8の使用可能期間を延長する。
【0054】
すなわち、使用可能期間設定部22は、カード情報に対応するデジタルカード8に使用可能期間を最初に設定する場合、若しくはカード情報に対応するデジタルカード8に使用可能期間を設定した後、その使用可能期間が経過していた場合、期間情報に対応する期間を使用可能期間として設定する。一方、使用可能期間設定部22は、カード情報に対応するデジタルカード8に使用可能期間を設定した後、その使用可能期間の経過が開始し、かつ、その使用可能期間が経過する前において使用可能期間を設定する場合、期間情報に対応する期間を上限として使用可能期間を設定する。
【0055】
また、使用可能期間設定部22は、所持カード情報格納部32に格納されている撮像回数に基づいて使用可能期間を設定してもよい。例えば、使用可能期間設定部22は、一のカード情報に対応付けられている撮像回数が所定回数を超えた場合、及び/又は撮像回数が多いほど、当該一のカード情報に対応付けられている元の使用可能期間より長い期間を新たな使用可能期間として設定してもよい。すなわち、所定のアナログカード7の撮像回数が多いということは、ユーザが当該アナログカード7を長期間所持していることを指し、ユーザが当該アナログカード7に愛着を有しており、その後も当該アナログカード7を手放さない可能性が高いと考えられる。したがって、使用可能期間設定部22は、撮像回数が所定回数を超えた場合、及び/又は撮像回数が多いほど使用可能期間を予め定められた期間分、伸ばしてもよい。また、使用可能期間設定部22は、アナログカード7のレアリティが所定のレアリティより低い場合において、当該アナログカード7の撮像回数が所定回数を超えた場合、当該アナログカード7のカード情報に対応付ける使用可能期間の制限をなくしてもよい(つまり、実質的に永久に使用可能にしてもよい。)し、50,000日等、数年では到達できないような日数を対応付けることで実質的に制限をなくしてもよい。なお、使用可能期間は、期間の管理を容易にする観点から、日数を示す情報であることが好ましいがこれに限らず、時間を示す情報や年数を示す情報であってもよい。
【0056】
そして、使用可否設定部20は、使用可能期間設定部22が設定した使用可能期間が経過したデジタルカード8のカード情報に、当該デジタルカード8の使用ができないことを示す情報を設定し(つまり、「使用否」の情報を設定し)、所持カード情報格納部32に格納する。なお、使用可否設定部20は、使用可能期間が設定されたデジタルカード8のデジタルゲームにおける使用を許可して使用可能期間が経過した後、当該デジタルカード8の使用ができないことを示す情報を設定した場合、予め定められた条件に基づいて、デジタルカード8のデジタルゲームにおける使用を限定的に可能にしてもよい。予め定められた条件とは、例えば、デジタルカード8の使用回数、使用期間、使用条件等である。一例として、使用可否設定部20は、予め定められた条件として、デジタルカード8の使用ができないことを示す情報を設定した後、所定回数だけデジタルカード8を使用できる内容をユーザ情報及びカード情報に対応付けて設定してもよい。
【0057】
なお、使用可能期間設定部22は、撮像画像取得部10が取得した撮像画像に同一券面の複数のアナログカード7が含まれている場合、期間情報格納部30に格納されている期間情報に予め定められた加算期間を付与し、デジタルカード8のデジタルゲームにおける使用可能期間を伸ばして設定してもよい。
【0058】
(通知部24)
使用可能期間は、設定後、設定日時点からの時間の経過に伴い減少する。例えば、使用可能期間は、日ごとに減少する。そして、通知部24は、使用可能期間が設定された後、使用可能期間の残り期間が予め定められた期間以下になった場合、若しくは残り期間がなくなった場合に、アナログカード7の再度の撮像(再撮像)の推奨をユーザ端末3に通知する。ここで、再撮像が推奨されるアナログカード7は、使用可能期間が設定されたデジタルカード8のユーザ情報に対応付けられているカード情報に関連付けられているアナログカード7である。なお、予め定められた期間は、カード情報毎に同一でも異なっていてもよい。
【0059】
また、通知部24は、通知をする場合、通知をすべきカード情報に対応するアナログカード7若しくはデジタルカード8と、当該カード情報に対応しないアナログカード7若しくはデジタルカード8とのカードゲーム若しくはデジタルゲームにおける使用に関する関係性に基づいて、当該カード情報に対応しないカード情報に対応するアナログカード7についても再度の撮像の推奨をユーザ端末3に通知することができる。
【0060】
使用に関する関係性とは、例えば、同時使用可能性、再登録期限の近似性等が挙げられる。例えば、アナログゲーム若しくはデジタルゲームにおいて、通知をすべきカード情報に対応するアナログカード7若しくはデジタルカード8(以下、「カードA」と称する。)と実質的に同時、及び/又は同一の対戦中に用いられる可能性が高いアナログカード7若しくはデジタルカード8(以下、「カードB」と称する。)とが存在する場合、カードBはカードAと同時使用可能性が高いカードという。また、カードAの属性と同一の属性に属するカードB、及び/又は、過去のデジタルゲームのプレイにおいてカードAと同一のデッキで用いられたことがあるカードBについても同時使用可能性が高いカードとし、これらを除くアナログカード7若しくはデジタルカード8については同時に用いられる可能性が低いカードとする。
【0061】
通知部24は、通知をすべきカード情報に対応するアナログカード7に加え、同時使用可能性が高いアナログカード7についても再撮像の推奨を通知することができる。なお、デッキとは、ゲームの実行に要求される、複数のアナログカード7を組んだセットを指す。また、「アナログゲーム若しくはデジタルゲーム上で実質的に同時に用いられる可能性」については、ユーザ若しくは他のユーザの過去のゲーム履歴から判断してもよい。
【0062】
また、再登録期限の近似性とは、例えば、通知をすべきカード情報に対応するアナログカード7若しくはデジタルカード8の使用可能期間の残り期間と、当該カード情報に対応しないアナログカード7若しくはデジタルカード8の残り期間との差が所定の範囲内にある関係を指す。当該差が所定の範囲内にある場合、再登録期限に近似性があるとする。そして、通知部24は、再登録期限に近似性があるカード情報が存在する場合、当該カード情報に対応するアナログカードについても再撮像の推奨をユーザ端末3に通知する。これにより、複数のアナログカードについての再撮像を所定のタイミングでまとめて実行できるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0063】
(位置情報取得部26)
位置情報取得部26は、撮像画像が取得された場所(つまり、ユーザ端末3の場所)の位置情報を取得する。例えば、ユーザ端末3はGPS機能を有しており、このGPS機能において特定される位置情報を、位置情報取得部26は取得する。位置情報取得部26は、取得した位置情報を登録制御部18に供給する。
【0064】
登録制御部18が位置情報取得部26から位置情報を受け取った場合、登録制御部18は、位置情報に基づいて、カード情報特定部12が特定したカード情報のユーザ情報への対応付けをするか否かを決定する。例えば、位置情報取得部26が、一のユーザ端末3と他のユーザ端末3とからそれぞれ位置情報を取得した場合において、各位置情報が実質的に同一の位置を示し、位置情報の取得日時が所定の時間帯に含まれるか実質的に同一の日時である場合、登録制御部18は、当該位置情報が示す場所において一のユーザ端末3及び他のユーザ端末3から取得した撮像画像に含まれるアナログカード7に対応するデジタルカード8のユーザ情報への対応付けを禁止する。なお、登録制御部18は、当該位置情報が示す場所において一のユーザ端末3及び他のユーザ端末3から取得した撮像画像に含まれるアナログカード7に対応するデジタルカード8のユーザ情報への対応付けを禁止する代わりに、使用可能期間設定部22に働きかけて、当該デジタルカード8の使用可能期間を本来の使用可能期間より短くさせてもよい。
【0065】
この場合において登録制御部18は、アナログカード7のレアリティに基づいてユーザ情報への対応付けの許否を決定してもよい。例えば、アナログカード7のレアリティが所定レベル以上の場合に、登録制御部18は、所定レベル以上のレアリティのアナログカード7に対応するデジタルカード8のユーザ情報への対応付けを禁止する一方で、所定レベル未満のレアリティのアナログカード7に対応するデジタルカード8のユーザ情報への対応付けを許可してもよい。これにより、例えば、レアリティの高い1枚のアナログカード7に対応するデジタルカード8を、同一の場所に存在する複数のユーザ端末3のそれぞれにおいて使用可能にすることを防止できる。例えば、複数のアナログカード7が梱包されている1つのパックを開封し、当該パックに含まれる高レアリティの少数のカードをデジタルカード8としてユーザ端末3において使用する場合に、その場にいる他の複数のユーザのユーザ端末3それぞれに当該少数のアナログカード7に対応するデジタルカード8を使用させることを防止できる。
【0066】
なお、登録制御部18は、位置情報と共に複数のユーザ間の関係性に基づいて、カード情報特定部12が特定したカード情報のユーザ情報への対応付けを許可するか否かを決定してもよい。すなわち、実質的に同一の位置に偶然、同一カードを有した複数のユーザが存在する可能性がある。この場合に、実質的に同一の位置にユーザが存在していることのみに基づいてユーザ情報へのカード情報の対応付けを完全に禁止することは好ましくない場合がある。そこで、登録制御部18は、一のユーザ端末3の一のユーザと、他のユーザ端末3の他のユーザとがデジタル上でフレンド登録しているか否か、過去に一のユーザと他のユーザとがゲームで対戦したかどうか等のユーザ間の所定の関係性についての情報に基づいて、カード情報特定部12が特定したカード情報のユーザ情報への対応付けを許可するか否かを決定することができる。
【0067】
例えば、登録制御部18は、ユーザ情報格納部36を参照し、一のユーザと他のユーザとがフレンド登録している場合(つまり、一のユーザのユーザ情報に対応付けて他のユーザのフレンド情報が対応付けられている場合)、及び/又は一のユーザと他のユーザとが過去に対戦したことを示す情報が存在する場合(つまり、一のユーザのユーザ情報に他のユーザの対戦情報が対応付けられている場合)、カード情報特定部12が特定したカード情報のユーザ情報への対応付けを禁止し、フレンド登録及び/又は過去に対戦したことを示す情報がない場合、カード情報のユーザ情報への対応付けを禁止しないようにすることができる。
【0068】
また、登録制御部18は、位置情報取得部26から位置情報を受け取った場合、位置情報が示す位置が予め定められた場所である場合、カード情報特定部12が特定したカード情報のユーザ情報への対応付けを禁止してもよい。予め定められた場所とは、例えば、アナログカード7を用いるカード大会等が実施される場所である。これにより、多数のアナログカード7が用いられるカード大会等の多数のユーザが集まる場所でのアナログカード7のデジタルカード8化を防止することができる。なお、カード大会ではアナログカード7を用いることでユーザは他のユーザと対戦することができるので、アナログカード7のデジタルカード8化を大会等の会場において防止してもユーザの利便性を損なうことはない。
【0069】
更に、登録制御部18は、位置情報取得部26から位置情報を受け取った場合、位置情報が示す位置が予め定められたカードのトレード場所である場合、カード情報特定部12が特定したカード情報のユーザ情報への対応付けを許可してよい。トレード場所とは、一のユーザが有するアナログカード7を、当該アナログカード7を有さない他のユーザのユーザ端末3においてデジタルカード8化することが許可された場所である。なお、この場合、登録制御部18は、使用可能期間設定部22に働きかけて、当該デジタルカード8の使用可能期間を本来の使用可能期間より短く設定してもよい。これにより、他のユーザは、自身が所持していないアナログカード7を自身のユーザ端末3においてデジタルカード8として用いることができ、デジタルゲームにおいて当該デジタルカード8を試用できる。したがって、他のユーザは、当該デジタルカード8に対応するアナログカード7を購入する前に、当該デジタルカード8及び対応するアナログカード7の機能や効果を把握することができる。
【0070】
(カード指示受付部28)
カード指示受付部28は、同一グループに属する複数のデジタルカード8の券面のうち、いずれの券面をデジタルゲームで用いるかについてのユーザからの指示を受け付ける。すなわち、カード指示受付部28は、ユーザ端末3が受け付けたユーザの指示に応じ、ユーザが使用を要求するデジタルカード8の券面の指定の指示を受け付ける。カード指示受付部28は、受け付けた指示に応じ、ユーザが使用を要求したデジタルカード8の券面に対応する券面データIDをユーザ情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納する。
【0071】
[カード利用システム1の処理の流れの概要]
図5図7は、本実施形態に係るカード利用システムにおける処理の流れの一例を示す。また、図8は、本実施形態に係るカード利用システムにおけるアナログカードの読み込みの一例を示す。
【0072】
まず、ユーザ端末3の撮像部が、アナログカード7を撮像する(ステップ10。以下、ステップを「S」と表す。)。ここで、撮像部が撮像するアナログカード7の枚数は1枚以上である。すなわち、撮像部は、1枚のアナログカード7を撮像してもよく、また、複数枚のアナログカード7を一度に撮像してもよい。例えば、トレーディングカードゲームにおいては複数枚(例えば、60枚)のアナログカード7の組み合わせを一つの「デッキ」として扱う。そこで、図8(a)に示すように、1つのデッキに含まれる複数枚のアナログカード7を並べ、並べられた複数枚のアナログカード7を撮像部は撮像してよい。ユーザ端末3は、撮像部が撮像した撮像画像をユーザ情報と共に撮像画像取得部10に供給する。
【0073】
撮像画像取得部10は、ユーザ端末3からユーザ情報及び/又は撮像日に対応付けて撮像画像を取得する(S12)。撮像画像取得部10は取得した撮像画像をカード情報特定部12に供給する。カード情報特定部12は、画像認識により撮像画像に含まれる撮像されたアナログカード7のカード情報を特定する(S14)。カード情報特定部12は、複数のアナログカード7のカード情報を特定する場合において、同一の券面を有する複数のアナログカード7については、同一のアナログカード7としてカード情報を特定する。そして、枚数特定部14は、カード情報特定部12における画像認識結果に基づき、撮像画像に含まれるアナログカード7の枚数を特定する。この場合に、枚数特定部14は、同一券面のアナログカード7の枚数を同一券面ごとに特定する(S16)。
【0074】
(S16において枚数が「1枚」の場合)
枚数特定部14が特定した同一券面のアナログカード7の枚数が「1枚」の場合(S16の「1枚」)、すなわち、撮像画像に当該アナログカード7と同一の券面が他に存在していない場合は以下の処理が実行される。まず、図6に示すように、所持判断部16は、ユーザ情報に対応付けてカード情報特定部12が特定したカード情報が所持カード情報格納部32に格納されているか否か、すなわち、ユーザが既にカード情報に対応するデジタルカード8を所持しているか否かを判断する(S18)。
【0075】
例えば、図8(a)のように、撮像画像に1枚の「フーパGX」のアナログカード7が含まれている例を挙げる。更に、この場合において、図8(b)に示すように、所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けてデジタルカード8としての「フーパGX」カードのカード情報と、当該カードの所持数(図8(b)では、撮影前所持数「1枚」として表示されている。)とが既に格納されているとする。また、アナログカード7としての「フーパGX」カードの撮影前におけるデジタルカード8としての「フーパGX」カードの残り期間が「15日」であることが所持カード情報格納部32に格納されているとする。この場合、所持判断部16は、ユーザが1枚の「フーパGX」カード(ただし、残り期間15日)を既に所持していると判断する。
【0076】
そして、カード情報特定部12が特定したカード情報が所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けて格納されていると所持判断部16が判断した場合(S18のYes)、使用可能期間設定部22は当該カード情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納されている残り期間を、当該カード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報に基づいて延長する(S20)。具体的に、使用可能期間設定部22は、所持カード情報格納部32に格納されている残り期間を、期間情報格納部30に格納されている期間情報に合わせて延長する。これにより、当該カード情報に対応付けられているデジタルカード8のデジタル上で使用できる期間が延長され、当該デジタルカード8を引き続きデジタルゲームで使用可能となる(S30)。
【0077】
図8での例では、まず、期間情報格納部30が、「フーパGX」カードのカード情報に対応付けて期間情報として「30日」を格納しているものとする。そして、使用可能期間設定部22は、図8(b)に示すように所持カード情報格納部32に格納されているアナログカード7としての「フーパGX」カードの撮影前におけるデジタルカード8としての「フーパGX」カードの残り期間である「15日」を、図8(c)に示すように「30日」に延長する。これにより、ユーザは、デジタルカード8としての「フーパGX」カードを改めて30日間、デジタルゲームで使用することができる。
【0078】
一方、カード情報特定部12が特定したカード情報が所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けて格納されていないと所持判断部16が判断した場合(S18のNo)、登録制御部18は、カード情報特定部12が特定したカード情報をユーザ情報に対応付ける(S22)。これにより、カード情報に対応するデジタルカード8がユーザ情報に対応付けられる。また、登録制御部18は、枚数特定部14が特定した枚数を枚数情報としてユーザ情報に対応付ける(この場合、「1枚」を示す枚数情報が対応付けられる。)。これにより、所持カード情報格納部32に、ユーザが所持する当該デジタルカード8の所持数が設定される(S24)。
【0079】
更に、使用可否設定部20は、ユーザ情報に対応付けられたカード情報に対応するデジタルカード8のデジタルゲームでの使用可否を設定する(S26)。この場合、使用可否設定部20は、「使用可」を示す情報をユーザ情報及びカード情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納する。そして、使用可能期間設定部22は、カード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報を参照し、当該カード情報に対応するデジタルカード8の使用可能期間を設定する(S28)。この場合、使用可能期間は期間情報と同一期間である。これにより、ユーザは、当該カード情報に対応するデジタルカード8を、使用可能期間の間、デジタルゲームにおいて使用することができるようになる(S30)。
【0080】
図8(b)の例では、撮影前において、所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けてデジタルカード8としての「ガオガエンGX」カードのカード情報は格納されていない。この場合において、カード情報特定部12が特定したカード情報が「ガオガエンGX」カードのカード情報であり、枚数情報が1枚である場合、登録制御部18は、「ガオガエンGX」カードのカード情報をユーザ情報に対応付けると共に、図8(c)に示すように、「ガオガエンGX」カードの枚数を枚数情報としてユーザ情報に対応付ける(この場合、「1枚」を示す枚数情報が対応付けられる。図8(c)では、撮影後所持数として表示されている。)。そして、使用可否設定部20が「ガオガエンGX」のデジタルカード8の使用を許可すると共に、使用可能期間設定部22が「ガオガエンGX」カードのカード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報(この場合、30日)を、「ガオガエンGX」カードの使用可能期間として設定する(設定直後、「ガオガエンGX」カードの残り期間は使用可能期間と一致することになる。)。これによりユーザは、デジタルカード8としての「ガオガエンGX」カードを30日間、デジタルゲームで使用できるようになる。
【0081】
(S16において枚数が「複数枚」の場合)
そして、枚数特定部14が特定した同一券面のアナログカード7の枚数が「複数枚」の場合(S16の「複数枚」)、すなわち、撮像画像に当該アナログカード7と同一の券面が他に1枚以上存在している場合は以下の処理が実行される。まず、図7に示すように、所持判断部16は、所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けてカード情報特定部12が特定したカード情報が格納されているか否か、すなわち、ユーザが既にカード情報に対応するデジタルカード8を所持しているか否かを判断する(S32)。
【0082】
例えば、図8(a)のように、撮像画像に4枚の「ニャビー」のアナログカード7が含まれている例を挙げる。更に、この場合において、図8(b)に示すように、所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けてデジタルカード8としての「ニャビー」カードのカード情報と、当該カードの所持数(図8(b)では、撮影前所持数「4枚」として表示されている。)とが既に格納されているとする。また、アナログカード7としての「ニャビー」カードの撮影前におけるデジタルカード8としての「ニャビー」カードの残り期間が「10日」であることが所持カード情報格納部32に格納されているとする。この場合、所持判断部16は、ユーザが4枚の「ニャビー」カード(ただし、残り期間10日)を既に所持していると判断する。
【0083】
そして、カード情報特定部12が特定したカード情報が所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けて格納されていると所持判断部16が判断した場合(S32のYes)、使用可能期間設定部22は、ユーザ情報及び当該カード情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納されている所持枚数と、枚数特定部14において特定された枚数(特定枚数)とを比較する(S42)。
【0084】
使用可能期間設定部22が、所持枚数と特定された枚数とが一致すると判断した場合(S42のYes)、使用可能期間設定部22は当該カード情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納されている残り期間を、所持枚数の全てについて一括して、当該カード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報に基づいて延長する(S44)。具体的に、使用可能期間設定部22は、所持カード情報格納部32に格納されている残り期間を、期間情報格納部30に格納されている期間情報に合わせて一括して延長する。これにより、当該カード情報に対応付けられているデジタルカード8のデジタル上で使用できる期間が延長され、当該デジタルカード8を引き続きデジタルゲームで使用可能となる(S60)。
【0085】
図8での例では、まず、期間情報格納部30が、「ニャビー」カードのカード情報に対応付けて期間情報として「180日」を格納しているものとする。そして、使用可能期間設定部22は、図8(b)に示すように所持カード情報格納部32に格納されているアナログカード7としての「ニャビー」カードに対応する撮影前におけるデジタルカード8としての「ニャビー」カードの残り期間である「10日」を、所持枚数の全て(この場合、4枚)について一括して、図8(c)に示すように「180日」に延長する。これにより、ユーザは、デジタルカード8としての「ニャビー」カードを改めて180日間、デジタルゲームで使用することができる。
【0086】
また、図8の例において「リーリエ」のカードについて説明する。この場合、期間情報格納部30が、「リーリエ」カードのカード情報に対応付けて期間情報として「365日」を予め格納しているものとする。そして、図8(b)の例では、撮影前において所持カード情報格納部32には、ユーザ情報及びデジタルカード8としての「リーリエ」カードのカード情報とに対応付けて、所持枚数「1枚」かつ残り期間「180日」の情報と、所持枚数「3枚」かつ残り期間「85日」の情報とが格納されている。この場合において、カード情報特定部12が特定したカード情報が「リーリエ」カードのカード情報であり、枚数特定部14が特定した枚数が「4枚」である場合(つまり、撮像画像に4枚の「リーリエ」のアナログカードが含まれていた場合)、使用可能期間設定部22は、所持枚数と特定された枚数とが一致すると判断する。そして、使用可能期間設定部22は当該カード情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納されている残り期間が複数存在する場合であっても(つまり、互いに異なる残り期間が存在する場合であっても)、各残り期間を、所持枚数の全てについて一括して、当該カード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報に基づいて延長する。例えば、図8(b)及び図8(c)に示すように、デジタルカード8としての「リーリエ」カードの撮影前の残り期間である「180日」及び「85日」を、一括して「365日」に延長する。
【0087】
一方、使用可能期間設定部22が、所持枚数と特定された枚数とが一致しないと判断した場合(S42のNo)、使用可能期間設定部22は、更に所持枚数と特定された枚数(特定枚数)のいずれが多いかを判断する(S46)。使用可能期間設定部22が所持枚数の方が特定された枚数より多いと判断した場合(S46のYes)、登録制御部18は、ユーザ情報及びカード情報に対応付けて、特定された枚数と、所持枚数から特定された枚数を差し引いた差分とを分けて設定する(S48)。
【0088】
例えば、図8(a)においては、アナログカード7としての「ドンカラス」カードは3枚存在している。つまり、撮像画像には3枚の「ドンカラス」カードが含まれる。したがって、この場合の特定された枚数は「3枚」である。一方、所持カード情報格納部32には、ユーザ情報及び「ドンカラス」カードのカード情報に対応付けて「4枚」の所持枚数が対応付けられている(図8(b)の例では、撮影前所持数として「4枚」が「ドンカラス」に対応付けられている。)。そして、これら4枚の「ドンカラス」カードのカード情報には「15日」の残り期間が対応付けられている。この場合において登録制御部18は、図8(c)に示すように、ユーザ情報及び「ドンカラス」カードのカード情報に対応付けて、特定された枚数である「3枚」の枚数情報、及び撮影前の所持枚数であった「4枚」から特定された枚数である「3枚」を差し引いた「1枚」の枚数情報を設定する。つまり、撮影前の「4枚」の「ドンカラス」カードのうち、「3枚」の枚数情報に対応する「ドンカラス」のデジタルカード8に対応するアナログカード7が再撮像され、残りの「1枚」の枚数情報に対応する「ドンカラス」のデジタルカード8に対応するアナログカード7については再撮像されなかったとみなして扱う。
【0089】
そして、使用可否設定部20は、ユーザ情報に対応付けられたカード情報に対応するデジタルカード8のデジタルゲームでの使用可否を設定する(S50)。具体的に、使用可否設定部20は、ユーザ情報及びカード情報に対応付けられた特定された枚数分についてはそのまま使用可能に設定し、所持枚数から特定された枚数を差し引いた差分については撮影前の残り期間が残存している場合に使用可能に設定し、残存していない場合は使用不可に設定する。
【0090】
続いて、使用可能期間設定部22は、ユーザ情報及びカード情報に対応付けられた特定された枚数分については、当該カード情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納されている残り期間を一括して、当該カード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報に基づいて延長する(S52)。一方、使用可能期間設定部22は、所持枚数から特定された枚数を差し引いた差分の枚数分については、残り期間をそのまま維持する(なお、残り期間が既に消滅している場合は、残り期間を「ゼロ」に設定する。)(S52)。これにより、ユーザは、撮像したアナログカード7に対応するデジタルカード8については予め定められた使用可能期間の間、デジタルゲームにおいて使用できる(S60)。また、撮像したアナログカード7に対応するデジタルカード8の枚数が既に所持しているデジタルカード8の枚数より少ない場合、差分枚数に対応するデジタルカード8については、残り期間がある限り、当該残り期間の間、デジタルゲームにおいて使用することができるようになる(S60)。
【0091】
例えば、図8の例においては、撮像された「ドンカラス」のアナログカード7は3枚である。そして、所持カード情報格納部32には既に「ドンカラス」カードのカード情報に対応付けて「4枚」の所持数が格納されている。なお、期間情報格納部30に「ドンカラス」カードのカード情報に対応付けて「180日」の期間情報が格納されているとする。したがって、図8(c)に示すように、使用可能期間設定部22は、特定された枚数分(この場合、3枚分)については、期間情報に基づいて撮影前の残り期間を一括して「180日」に延長する。そして、使用可能期間設定部22は、撮影前の所持枚数から特定された枚数を差し引いた差分の枚数分(この場合、1枚)については、残り期間の延長をせず、撮影前の残り期間をそのまま維持する。
【0092】
ここで、所持カード情報格納部32に、撮影前において、ユーザ情報及びデジタルカード8としての「リーリエ」カードのカード情報に対応付けて、所持枚数「1枚」かつ残り期間「180日」の情報と、所持枚数「3枚」かつ残り期間「85日」の情報とが格納されているとする。この場合において、カード情報特定部12が特定したカード情報が「リーリエ」カードのカード情報であり、枚数特定部14が特定した枚数が「2枚」である場合を説明する(図8において図示しない。)。
【0093】
この場合、撮像された「リーリエ」のアナログカード7は2枚である。そして、所持カード情報格納部32には既に「リーリエ」カードのカード情報に対応付けて所持枚数「1枚」かつ残り期間「180日」の情報と、所持枚数「3枚」かつ残り期間「85日」の情報とが格納されている。なお、期間情報格納部30に「リーリエ」カードのカード情報に対応付けて「365日」の期間情報が格納されているとする。したがって、使用可能期間設定部22は、特定された枚数分(この場合、2枚分)については、期間情報に基づいて撮影前の残り期間を一括して「365日」に延長する。一方、使用可能期間設定部22は、撮影前の所持枚数から特定された枚数を差し引いた差分の枚数分(この場合、2枚)については、残り期間の延長をせず、撮影前の残り期間をそのまま維持する(この場合、85日で維持する。図8において図示しない。)。
【0094】
また、使用可能期間設定部22が所持枚数の方が特定された枚数より少ないと判断した場合(S46のNo)、登録制御部18は、ユーザ情報及びカード情報に対応付けて、特定された枚数を所持枚数として設定する(S54)。
【0095】
例えば、図8(a)においては、アナログカード7としての「ニャヒート」カードは4枚存在している。つまり、撮像画像には4枚の「ニャヒート」カードが含まれる。一方、所持カード情報格納部32には、ユーザ情報及び「ニャヒート」カードのカード情報に対応付けて「2枚」の所持枚数が対応付けられている(図8(b)の例では、撮影前所持数として「2枚」が「ニャヒート」に対応付けられている。)。そして、これら2枚の「ニャヒート」カードのカード情報には「90日」の残り期間が対応付けられている。この場合において特定された枚数である「4枚」の枚数情報と撮影前の所持枚数であった「2枚」とを比較すると特定された枚数の方が多い。したがって、登録制御部18は、図8(c)に示すように、ユーザ情報及び「ニャヒート」カードのカード情報に対応付けて、特定された枚数である「4枚」の枚数情報を設定する。つまり、撮影前の「2枚」の「ニャヒート」カードを含め、「4枚」の枚数情報に対応する「ニャヒート」のデジタルカード8に対応するアナログカード7が再撮像されたとみなして扱う。
【0096】
そして、使用可否設定部20は、ユーザ情報に対応付けられたカード情報に対応するデジタルカード8のデジタルゲームでの使用可否を設定する(S56)。具体的に、使用可否設定部20は、ユーザ情報及びカード情報に対応付けられた特定された枚数分について使用可能に設定する。
【0097】
続いて、使用可能期間設定部22は、ユーザ情報及びカード情報に対応付けられた特定された枚数分について、当該カード情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納されている残り期間を一括して、当該カード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報に基づいて延長する(S58)。これにより、ユーザは、撮像したアナログカード7に対応するデジタルカード8及び既に所持していたデジタルカード8について予め定められた使用可能期間の間、デジタルゲームにおいて使用できる(S60)。
【0098】
例えば、図8の例においては、撮像された「ニャヒート」のアナログカード7は4枚である。そして、所持カード情報格納部32には既に「ニャヒート」カードのカード情報に対応付けて「2枚」の所持数が格納されている。なお、期間情報格納部30に「ニャヒート」カードのカード情報に対応付けて「180日」の期間情報が格納されているとする。したがって、図8(c)に示すように、使用可能期間設定部22は、特定された枚数分(この場合、4枚分)について、期間情報に基づいて撮影前の残り期間を一括して「180日」に延長する。
【0099】
また、カード情報特定部12が特定したカード情報が所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けて格納されていないと所持判断部16が判断した場合(S32のNo)、登録制御部18は、同一券面の複数のアナログカード7毎に、カード情報特定部12が特定したカード情報をユーザ情報に対応付ける(S34)。また、登録制御部18は、枚数特定部14が特定した枚数を枚数情報としてユーザ情報に対応付ける。これにより、所持カード情報格納部32に、ユーザが所持する当該デジタルカード8の所持数が設定される(S36)。
【0100】
更に、使用可否設定部20は、ユーザ情報に対応付けられたカード情報に対応するデジタルカード8のデジタルゲームでの使用可否を設定する(S38)。この場合、使用可否設定部20は、「使用可」を示す情報をユーザ情報及びカード情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納する。そして、使用可能期間設定部22は、カード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報を参照し、当該カード情報に対応するデジタルカード8の使用可能期間を設定する(S40)。これにより、ユーザは、当該カード情報に対応するデジタルカード8を、使用可能期間の間、デジタルゲームにおいて使用することができるようになる(S60)。
【0101】
図8(b)の例では、撮影前において、所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けてデジタルカード8としての「ヤミカラス」カードのカード情報は格納されていない。この場合において、カード情報特定部12が特定したカード情報が「ヤミカラス」カードのカード情報であり、枚数特定部14が特定した枚数が3枚である場合、登録制御部18は、「ヤミカラス」カードのカード情報をユーザ情報に対応付けると共に、図8(c)に示すように、「ヤミカラス」カードの枚数を枚数情報としてユーザ情報に対応付ける(この場合、「3枚」を示す枚数情報が対応付けられる。図8(c)では、撮影後所持数として表示されている。)。そして、使用可否設定部20が「ヤミカラス」のデジタルカード8の使用を許可すると共に、使用可能期間設定部22が、「ヤミカラス」カードのカード情報に対応付けて期間情報格納部30に格納されている期間情報(この場合、180日)を、「ヤミカラス」カードの使用可能期間として一括して設定する(設定直後、「ヤミカラス」カードの残り期間は使用可能期間と一致することになる。)。これによりユーザは、デジタルカード8としての「ヤミカラス」カードを180日間、デジタルゲームで使用できるようになる。
【0102】
[カード利用システム1の他の処理の流れの概要]
<通知のフロー>
図9(a)は、本実施形態に係る通知部おける通知処理の流れの一例を示す。
【0103】
通知部24は、所定のカード情報に対し、使用可能期間設定部22によって使用可能期間が設定された後、使用可能期間の残り期間が残存しているか否かを監視する(S70)。通知部24は、残り期間が残存していると判断した場合(S70のYes)、残り期間が所定期間以下であるか否かを判断する(S72)。
【0104】
通知部24は、残り期間が所定期間以下であると判断した場合(S72のYes)、ユーザ端末3に所定のカード情報に対応するアナログカード7の再撮像を推奨する情報を通知する(S74)。また、通知部24は、所定のカード情報に対し、使用可能期間設定部22によって使用可能期間が設定された後、使用可能期間の残り期間が残存していないと判断した場合(S70のNo)も、ユーザ端末3に所定のカード情報に対応するアナログカード7の再撮像を推奨する情報を通知する(S74)。一方、通知部24は、残り期間が所定期間以下でないと判断した場合(S72のNo)、使用可能期間の残り期間が残存しているか否かの監視を続行する。
【0105】
<通知の他のフロー>
図9(b)は、本実施形態に係る通知部における通知処理の他の流れの一例を示す。
【0106】
図9(b)において図9(a)と同一のステップ番号が付された工程は図9(a)における該当ステップ番号と同様の処理がなされるので詳細な説明は省略する。
【0107】
通知部24は、残り期間が所定期間以下であると判断した場合(S72のYes)、残り期間が所定期間以下になったことによって再撮像の通知をすべきことになったアナログカード7と当該アナログカード7とのカードゲームにおける使用に関する関係性に基づいて、再撮像を推奨する他のアナログカードがあるか否か判断する(S76)。通知部24は、再撮像を推奨する他のアナログカードがあると判断した場合(S76のYes)、所定のカード情報に対応するアナログカード7に加え、再撮像を推奨する他のアナログカード7の再撮像を推奨する情報をユーザ端末3に通知する(S78)。一方、通知部24は、再撮像を推奨する他のアナログカードがないと判断した場合(S76のNo)、所定のカード情報に対応するアナログカード7の再撮像を推奨する情報をユーザ端末3に通知する(S80)。
【0108】
<位置情報を用いたフロー(デジタルカード化防止)>
図10は、位置情報を用い、アナログカードのデジタルカード化を防止する場合の処理の流れの一例である。
【0109】
まず、一のユーザ端末3(図10において「ユーザ端末A」)と他のユーザ端末3(図10において「ユーザ端末B」)とのそれぞれで、所定のアナログカード7が撮像される(S90、S94)。この場合において、所定のアナログカード7は同一のカードであるとする。そして、撮像画像取得部10は、ユーザ端末A及びユーザ端末Bから、ユーザ情報及び撮像日時に対応付けて撮像画像を取得する。そして、カード情報特定部12は、画像認識により、ユーザ端末Aから取得した撮像画像に含まれるアナログカード7のカード情報を特定すると共に、ユーザ端末Bから取得した撮像画像に含まれるアナログカード7のカード情報を特定する。更に、位置情報取得部26は、ユーザ端末A及びユーザ端末Bから、ユーザ端末Aの位置情報及びユーザ端末Bの位置情報を取得する(S92、S96)。
【0110】
そして、登録制御部18は、取得したユーザ端末Aの位置情報及びユーザ端末Bの位置情報が所定の条件を満たすか否か判断する(S98)。登録制御部18は、所定の条件を満たすと判断した場合(S98のYes)、ユーザ端末Aのユーザのユーザ情報、及びユーザ端末Bのユーザのユーザ情報へ、特定したカード情報の対応付け処理を禁止する(S100)。一方、登録制御部18は、所定の条件を満たさないと判断した場合(S98のNo)、ユーザ端末Aのユーザのユーザ情報、及びユーザ端末Bのユーザのユーザ情報へ、特定したカード情報の対応付け処理を続行する(S102)。
【0111】
ここで、所定の条件とは、例えば、ユーザ端末Aの位置情報が示す位置とユーザ端末Bの位置情報が示す位置とが所定の領域内に含まれ、かつ、ユーザ端末Aの位置情報が取得された日時とユーザ端末Bの位置情報が取得された日時とが所定の時間範囲内に含まれることを示す条件である。また、既に説明したように、アナログカード7のレアリティの高低、ユーザ端末Aのユーザとユーザ端末Bのユーザとの関係性(例えば、フレンド登録の有無、過去の対戦情報の有無等)の有無等を所定の条件にしてもよい。
【0112】
<券面選択のフロー>
図11は、デジタルカードの券面選択の処理の流れの一例を示す。また、図12は、本実施形態に係るカード利用システムにおける券面の選択の一例を示す。
【0113】
具体的に、図11は、同一グループに属する複数のアナログカード7それぞれのレアリティが異なる場合、ユーザが当該グループに属するいずれかのアナログカード7を所持してさえいれば、デジタルゲーム上では自身が所持するアナログカード7とは別の一つのアナログカード7に対応するデジタルカード8の券面を使用できるようにする処理の流れを示す。
【0114】
まず、図11のS10及びS12は、図5におけるS10及びS12と同一の処理なので説明は省略する。続いて、カード情報特定部12は、画像認識により撮像画像に含まれる撮像されたアナログカード7のグループ情報とカード情報とを特定する(S110)。また、カード情報特定部12は、カード情報格納部34を参照し、特定したグループ情報に複数のカード情報が対応付けられているか否か判断する(S112)。カード情報特定部12が、特定したグループ情報に複数のカード情報が対応付けられていると判断した場合(S112のYes)、カード情報特定部12は、カード情報格納部34を参照し、これら複数のカード情報に対応するデジタルカード8の券面データをユーザ端末3に供給する。そして、ユーザ端末3は、受け取った券面データをユーザ端末3の表示部に表示する。
【0115】
カード指示受付部28は、ユーザ端末3を介し、デジタルゲームにおいてユーザが用いることを希望する券面データを有するデジタルカード8の選択指示を受け付ける(S114)。そして、カード指示受付部28は、受け付けた選択指示に応じ、ユーザが使用を要求したデジタルカード8の券面に対応する券面データIDをユーザ情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納する(S116)。これによりユーザは、自身が所持していないアナログカード7であっても、所持していないアナログカード7と同一グループに属する他のアナログカード7を所持していれば、所持していないアナログカード7の券面を有するデジタルカード8を、ユーザ端末3において使用することができる。
【0116】
一方、カード情報特定部12が、特定したグループ情報に複数のカード情報が対応付けられていないと判断した場合(S112のNo)、カード情報特定部12は、カード情報特定部12が特定したカード情報に対応するデジタルカード8の券面データの券面データIDをユーザ情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納する(S118)。したがって、この場合、ユーザは、自身が所持しているアナログカード7に対応するデジタルカード8をユーザ端末3において使用可能となる。
【0117】
例えば、図12(a)に示すように、一のグループ9に複数のアナログカード(アナログカード7a、アナログカード7b、及びアナログカード7c)が含まれている場合を説明する。すなわち、一のグループ情報(グループ9のグループ情報)に複数のカード情報(アナログカード7a、アナログカード7b、及びアナログカード7cそれぞれのカード情報)が対応付けられている例である。ここで、これらのアナログカードのレアリティ及び券面はそれぞれ異なる。つまり、これらのアナログカードは、それぞれのレアリティ及び券面の表示自体は異なるものの、これらのアナログカードの券面それぞれに表示されているキャラクターやアイテムの名称、及びゲーム上での機能・効果は同一である。そのため、同一のグループ情報にこれらのカード情報が対応付けられている。
【0118】
これは、デジタルゲーム上においては、同一グループに属する複数のアナログカード7それぞれのレアリティが相違していたとしても、同一グループに属する限り、アナログカード7に対応するデジタルカード8のデジタルゲーム上での機能・効果は同一であり、これらデジタルカード8を平等に扱うことを意味する。換言すれば、アナログカード7のレアリティの相違に基づくアナログカード7の価値が、アナログカード7に対応するデジタルカード8においてはなくなることを意味する(なお、デジタルゲーム上においてなくなるという意味であり、現実世界においてアナログカード7のレアリティの違いによる価値には影響しないことを付言する。)。
【0119】
この場合、カード情報格納部34は、グループ9を識別するグループ情報に対応付けて、アナログカード7aのカード情報、アナログカード7bのカード情報、及びアナログカード7cのカード情報を格納する。そして、例えば、ユーザがグループ9に属する複数のアナログカード7のうち、一のアナログカード(例えば、アナログカード7c)のみ所持している場合に、ユーザ端末3においてアナログカード7cを撮像すると、カード情報特定部12は、カード情報格納部34を参照し、アナログカード7cのカード情報を特定すると共に当該カード情報に対応付けられているグループ情報を特定する。
【0120】
更に、カード情報特定部12は、特定したグループ9のグループ情報に、アナログカード7a及びアナログカード7bのカード情報も対応付けられていることを把握する。カード情報特定部12は、カード情報格納部34を参照し、アナログカード7a、アナログカード7b、及びアナログカード7cそれぞれの券面データをユーザ端末3に供給する。ユーザ端末3は、受け取った券面データをユーザ端末3の表示部に表示する。そして、カード指示受付部28は、ユーザ端末3を介し、ユーザが選択したアナログカード7a、アナログカード7b、又はアナログカード7cいずれかの券面の選択指示を受け付ける。例えば、図12(b)の例では、カード指示受付部28は、アナログカード7bに対応するデジタルカード8bの券面の指示を受け付ける。そして、カード指示受付部28は、受け付けた選択指示に応じ、ユーザが使用を要求したデジタルカード8bの券面に対応する券面データIDをユーザ情報に対応付けて所持カード情報格納部32に格納する。これによりユーザは、自身が選択したデジタルカード8bの券面を、デジタルゲームにおいて使用することができる。
【0121】
以上よりユーザは、自身が所持しているアナログカードが所定のグループに属している場合、当該グループに属する他のアナログカードに対応するデジタルカードの券面を自身で自由に選択し、当該券面を有するデジタルカードをユーザ端末3において使用することができる。したがって、カード利用システム1によれば、例えば、ユーザが所持していないレアリティの高いアナログカードであっても、当該アナログカードと同一グループに属する他のレアリティのアナログカードを所持さえしていれば、高いレアリティのアナログカードに対応するデジタルカードの券面をデジタルゲーム上で自由に選択して使用できる。これによりユーザは、デジタルゲームにおいては様々なデジタルカードを容易に入手できると共に、デジタルゲームにおいて自身が所持していないアナログカードの券面を試用できるので、デジタルゲームでの試用の結果に応じ、自身が所持していないアナログカードの入手の要否を容易に決定することができる。
【0122】
[実施の形態の効果]
本実施形態に係るカード利用システム1は、画像認識を用いてアナログカード7に対応するデジタルカード8をユーザに所持させることができると共に、ユーザが所持しているアナログカード7の再撮像を前提にデジタルカード8を継続利用させることができるので、デジタルカード8の安易な増殖を抑制しつつ、ユーザにとって利便性の高いトレーディングカードゲームを実現することができる。また、カード利用システム1によれば、アナログカード7を撮像するだけで、所定期間、デジタルカード8の使用可否、及びデジタルカード8の所持枚数の管理ができる。したがって、ユーザは、デジタルカードを利用するたびにアナログカードの所持を確認することを要さないので、ユーザにとってデジタルカードを利用する場合におけるアナログカードの読み取りに関する手間を少なくすると共に、デジタルカードの無限増殖を抑制できる。
【0123】
また、カード利用システム1によれば、アナログカードをデジタルカード化し、デジタルカードをデジタル上のゲームに用いることができるので、ユーザはデジタルカードを用いてゲームの練習をすることができる。また、デジタル上のゲームでオンライン対戦が可能である場合にはユーザは、デジタルカードに対応するアナログカードを用い、他のユーザと対戦する自信を有することができる。なお、アナログカードを用いたゲーム大会においてはデジタルカードを用いることを要さない。つまり、実際に開催されるゲーム大会ではアナログカードが必須になる。よって、デジタルカード自体の複製を厳格に管理するより、柔軟性のある対応を可能にする観点から、本実施形態に係るカード利用システム1であれば、アナログカードでのトレーディングカードゲームを前提とした場合に、デジタルカードの利用とアナログカードの利用とのバランスをとることができる。
【0124】
[実施の形態の変形例]
図13は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の概要の一例を示し、図14は、アナログカードの撮像処理の概要の一例を示す。
【0125】
まず、図13に示すようにユーザ端末3は、シャッター等を介して画像の撮像の指示を受け付ける撮像指示受付部300と、撮像領域の画像を撮像及び/又は撮像領域の撮像画像を取得する撮像部302と、撮像領域に含まれるアナログカード7及びアナログカード7に関する情報を認識するカード認識部304と、撮像部302が撮像する画像等を表示する表示部306と、表示部306の表示を制御する表示制御部308とを有する。なお、カード利用システム1が備えるカード情報特定部12が、ユーザ端末3が有する各構成の一部の機能(例えば、カード認識部304や表示制御部308の機能、若しくはこれらの機能の一部の機能)を有していてもよい。この場合、カード情報特定部12の一部の機能が通信網5を介してアプリケーション等の形式でユーザ端末3に供給される。また、撮像部302は、撮像指示受付部300が受け付けた撮像指示に応じて撮像画像を取得する一方、撮像指示を受け付ける前は撮像画像を取得せず、表示制御部308に制御され、撮影中の画像を表示部306に表示させる。
【0126】
まず、ユーザ端末3の表示制御部308は、撮像部302を介して取得される撮像領域に含まれるアナログカードの画像を表示部306に表示させる。この場合において、表示制御部308は、撮像領域に含まれる1枚以上のアナログカードの画像を撮像部302から受け取り、表示部306に表示させる。この時点ではアナログカードの撮像画像を取得する意味での撮像は未だ実行されていない。つまり、未だシャッターは押されていない状態である。したがって、この時点では、カード利用システム1の撮像画像取得部10による撮像画像の取得はもちろん、カード情報特定部12によるカード情報の特定、登録制御部18による登録処理、及び使用可能期間設定部22における使用可能期間の設定等は実行されていない。
【0127】
そして、カード認識部304は、撮像領域に含まれる1枚以上のアナログカードの券面を画像認識する。カード認識部304は、通信網5を介してカード利用システム1のカード情報格納部34を参照するか、カード情報格納部34が格納している情報をユーザ端末3内に予め格納させ、ユーザ端末3内に格納されている当該情報を参照することにより、アナログカードの券面を画像認識する。なお、カード認識部304における画像認識の機能は、カード情報特定部12における画像認識の機能と同様であってよい。
【0128】
そして、カード認識部304は、撮像領域に含まれるアナログカードが存在することを示す情報、アナログカードのカード名称、カードの効果、カード番号、レアリティ、及び/又はアナログカードの枚数等のアナログカードに関する情報を特定する。カード認識部304は、特定した情報を表示制御部308に供給する。表示制御部308は、カード認識部304から受け取った情報の少なくとも一部を画像認識したアナログカードの画像に合成(重畳)させ、表示部306に表示させる。
【0129】
例えば、図14(a)に示すように、複数枚のアナログカード(アナログカード7d、アナログカード7e、アナログカード7f、アナログカード7g、アナログカード7h、及びアナログカード7h)をユーザ端末3において撮像する場合を説明する。但し、複数枚のアナログカードのうち一部のアナログカード(図14(a)の例では、アナログカード7h)がずれて並んでいる例を説明する。そして、アナログカード7d及びアナログカード7eは「ピカチュウ」のカードであり、アナログカード7f、アナログカード7g、及びアナログカード7hは「イーブイ」のカードであり、アナログカード7iは「ライチュウ」のカードであるとする(以下、同じ。)。
【0130】
この場合において、表示制御部308は、撮像部302が撮像している複数枚のアナログカードを表示部306に表示させる。例えば、図14(b)に示すように、表示制御部308は、撮像部302の撮像領域に含まれるアナログカード7d、アナログカード7e、アナログカード7f、アナログカード7g、及びアナログカード7iそれぞれの全体を表示部306に表示させ、撮像領域に一部のみ含まれるアナログカード7hについては、撮像領域に含まれる部分のみを表示部306に表示させる。
【0131】
そして、カード認識部304は、アナログカードに関する情報(例えば、アナログカードのカード名称表示領域700、キャラクター画像表示領域702、カード効果表示領域704、及び/又はカード番号表示領域706等に表示若しくは記載されている情報)を特定することが可能であって、撮像領域に含まれるアナログカードについては、特定したアナログカードに関する情報の少なくとも一部を当該アナログカードの画像に重畳表示させることができる。図14(b)の例では、アナログカード7d、アナログカード7e、アナログカード7f、アナログカード7g、及びアナログカード7iのそれぞれについて、特定されたアナログカードに関する情報が重畳表示される。重畳表示する情報は、例えば、アナログカードの名称、及び撮像領域内に含まれており同時に撮像されている同一若しくは同種カードの枚数等である。一例として、図14(b)においては、2枚の「ピカチュウ」のカード(アナログカード7d及びアナログカード7e)が撮像領域に含まれているので、表示制御部308は、これらのカードの画像それぞれに、カード名称(「ピカチュウ」)と、同時に撮像されている同一カードの枚数(「2枚」を示す「2」の表示)とを重畳表示させる。「イーブイ」のカード及び「ライチュウ」のカードも同様である。これにより、ユーザは、読み取りエラー(例えば、カード認識部304があるアナログカードについて実際のアナログカードとは異なるアナログカードとして認識している場合)になっていることを撮像指示の前に把握することができる。
【0132】
ただし、アナログカード7hについてはその券面の一部しか撮像領域に含まれていない。そのため、カード認識部304は、アナログカード7hのようなアナログカードについてはアナログカードに関する情報を特定することができない場合がある。このように、カード認識部304がアナログカードに関する情報を特定することができない場合、表示制御部308は、アナログカードの一部が撮像領域に含まれているものの、アナログカードに関する情報を特定できないアナログカードについてはカード名称及び同一カードの枚数のそれぞれが不明であることを示すマーク(例えば、クエスチョンマーク)を当該アナログカードに重畳表示させる(図14(b)のアナログカード7hの画像の例参照。)。
【0133】
これにより、ユーザは、意図した枚数のアナログカードの撮像が実行できないことを表示部306を参照することで容易に把握することができる。図14(b)の例では、3枚の「イーブイ」のカードの撮像をユーザは欲しているところ、2枚の「イーブイ」のカードしか画像認識されていないことにユーザは撮像指示をする前に予め容易に気が付くことができ、アナログカードの配列を直すことができる。なお、図14(b)の例ではアナログカードの一部のみが撮像領域に含まれている例を説明したが、一のアナログカードの上に他のアナログカードが重なることで当該一のアナログカードのアナログカードに関する情報を特定することができない場合も同様である。
【0134】
また、カード認識部304は、ユーザ情報を用い、通信網5を介してカード利用システム1の所持カード情報格納部32を参照するか、所持カード情報格納部32が格納している情報をユーザ端末3内に予め格納させ、ユーザ端末3内に格納されている当該情報を参照することにより、撮像領域に含まれているアナログカードのカード情報がユーザ情報に対応付けて所持カード情報格納部32に既に格納されているか否か確認することもできる。カード認識部304が、撮像領域に含まれているアナログカードのカード情報が所持カード情報格納部32に格納されていないと判断した場合、表示制御部308は、当該アナログカードの画像にユーザが新たに所持したことを示す情報を重畳表示させ、表示部306に表示させることができる。
【0135】
図14(b)の例では、ユーザが「ライチュウ」のアナログカード7iをこれまで所持しておらず、新たに「ライチュウ」のアナログカード7iを取得してユーザ端末3において撮像したとする。この場合、カード認識部304は、ユーザ情報に対応付けて所持カード情報格納部32に「ライチュウ」のカード情報が格納されているか否か確認する。そして、この例では所持カード情報格納部32にユーザ情報に対応付けて「ライチュウ」のカード情報は格納されていないので、表示制御部308は、「ライチュウ」のアナログカード7iの画像に「ライチュウ」の名称及び枚数と「NEW!」のテキスト情報及び/又は画像とを重畳表示させる。
【0136】
また、カード認識部304は、ユーザ情報及び特定したカード情報を用い、通信網5を介してカード利用システム1の所持カード情報格納部32を参照するか、所持カード情報格納部32が格納している情報をユーザ端末3内に予め格納させ、ユーザ端末3内に格納されている当該情報を参照することにより、撮像領域に含まれているアナログカードに対応するデジタルカードの残り期間、及び/又はアナログカードの撮像後に更新されて使用可能になるデジタルカードの使用可能期間を取得することもできる。カード認識部304が残り期間及び/又は撮像後の更新により設定される使用可能期間を取得した場合、表示制御部308は、当該アナログカードの画像にこれらの期間を重畳表示させてもよい。
【0137】
続いて、撮像指示受付部300がユーザからの撮像指示を受け付けた場合、撮像部302は撮像領域の画像を撮像し、撮像画像を取得する。カード利用システム1は、この撮像画像を用い、アナログカード7d、アナログカード7e、アナログカード7f、アナログカード7g、及びアナログカードiそれぞれに対応するデジタルカードの利用を可能にすると共に、使用可能期間を設定若しくは延長する。これにより、図14の例では、2枚の「ピカチュウ」のデジタルカード、2枚の「イーブイ」のデジタルカード、及び1枚の「ライチュウ」のデジタルカードがそれぞれ所定の使用可能期間、ユーザ端末3において利用可能になる。
【0138】
図15は、アナログカードの撮像処理の概要の他の例を示す。
【0139】
例えば、カード認識部304が、撮像領域320にアナログカード(図15の例ではアナログカード7h)の券面の一部しか含まれていないことにより、当該アナログカードのアナログカードに関する情報を特定することができない場合、上記の通り、表示制御部308は、当該アナログカードのカード名称及び同一カードの枚数のそれぞれが不明であることを示すマークを当該アナログカードに重畳表示させる(図15(a)。なお、図15(a)~(c)においては図面を見やすくするため、カード名称の表示を省略する。)。これにより、ユーザは、アナログカード7hを撮像領域320に含めるため、ユーザ端末3に対するアナログカード7hの位置をずらす必要があることを把握できる。
【0140】
そこで、ユーザ端末3は、撮像領域320にアナログカード7hの全体が含まれるようにユーザに操作される。例えば、ユーザは、アナログカード7hの全体が撮像領域320に含まれるようにユーザ端末3を移動する。これにより、撮像部302はアナログカード7hの全体が撮像領域内に含まれる状態を撮像し、カード認識部304は、アナログカード7hのアナログカードに関する情報を特定することができる。そのため、図15(b)に示すように、表示制御部308は表示部306に、アナログカード7hのカード名称及び同一カードの枚数情報を当該アナログカードに重畳表示させる(図15(b)の例では、撮像領域にアナログカード7hが1枚のみ含まれるので、「1枚」を示す「1」がアナログカード7hの画像に重畳表示される。)。そして、カード認識部304は、図15(a)における撮像領域に一部のみ含まれていたアナログカードがアナログカード7hであると認識する。なお、この時点においては、未だユーザによる撮像指示はなされていない。
【0141】
続いて、ユーザ端末3の撮像領域320が再び移動した場合であっても、カード認識部304は、撮像領域320にアナログカード7hの一部が含まれている限り、先に認識した結果を維持する。例えば、図15(c)に示すように、ユーザ端末3の撮像領域320が図15(b)における位置から移動し、移動後の撮像領域320にアナログカード7hの一部のみが含まれている場合であっても、カード認識部304は、アナログカード7hについて認識した結果を維持する。そして、この場合、撮像領域320にはアナログカード7hと同一若しくは同種のアナログカードがアナログカード7hに加え更に2枚含まれている(アナログカード7f及びアナログカード7g)。したがって、カード認識部304は、撮像領域320に3枚の同一若しくは同種のアナログカード(この場合、「イーブイ」のアナログカード)が含まれていると認識する。そして、図15(c)に示すように表示制御部308は、カード認識部304の認識結果を用い、表示部306に、アナログカード7f、アナログカード7g、及びアナログカード7hのそれぞれの画像に「3枚」を示す「3」のマーク及び「イーブイ」のテキストを重畳表示する。
【0142】
続いて、撮像指示受付部300がユーザからの撮像指示を受け付けた場合、撮像部302は撮像領域320の画像を撮像し、撮像画像を取得する。カード利用システム1は、この撮像画像を用いると共にカード認識部304の認識結果を用い、アナログカードd乃至アナログカードiそれぞれに対応するデジタルカードの利用をユーザ端末3において可能にすると共に、各デジタルカードの使用可能期間を設定若しくは延長する。これにより、図15の例では、2枚の「ピカチュウ」のデジタルカード、3枚の「イーブイ」のデジタルカード、及び1枚の「ライチュウ」のデジタルカードがそれぞれ所定の使用可能期間、ユーザ端末3において利用可能になる。
【0143】
このように、本実施の形態の変形例においては、ユーザ端末3においてアナログカードの撮像画像を取得する前、すなわち、ユーザによる撮像指示を撮像指示受付部300が受け付ける前に、撮影途中であって表示部306に表示される画像に対し、アナログカードの名称や枚数等を重畳表示することができる。これにより、ユーザは、デジタルカードを取得する前に、アナログカードの画像に重畳表示された情報を表示部306において確認した上で、シャッター等を用いて撮像画像の取得をユーザ端末3に指示できる。そして、撮像指示を受け付けた撮像指示受付部300による制御に応じて撮像部302により取得された撮像画像が撮像画像取得部10によって取得され、カード情報特定部12によるカード情報の特定、登録制御部18による登録処理、及び使用可能期間設定部22における使用可能期間の設定等が実行される。
【0144】
[カード利用プログラム]
図1図15に示した本実施形態に係るカード利用システム1が備える各構成要素は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)等の演算処理装置にプログラム(すなわち、カード利用プログラム)を実行させること、つまり、ソフトウェアによる処理により実現できる。また、集積回路(Integrated Circuit:IC)等の電子部品としてのハードウェアにプログラムを予め書き込むことで実現することもできる。なお、ソフトウェアとハードウェアとを併用することもできる。
【0145】
本実施形態に係るカード利用プログラムは、例えば、ICやROM等に予め組み込むことができる。また、カード利用プログラムは、インストール可能な形式、又は実行可能な形式のファイルで、磁気記録媒体、光学記録媒体、半導体記録媒体等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータプログラムとして提供することもできる。プログラムを格納している記録媒体は、CD-ROMやDVD等の非一過性の記録媒体であってよい。更に、カード利用プログラムを、インターネット等の通信ネットワークに接続されたコンピュータに予め格納させ、通信ネットワークを介してダウンロードによる提供ができるようにすることもできる。
【0146】
本実施形態に係るカード利用プログラムは、CPU等に働きかけて、カード利用プログラムを、図1図15にかけて説明した撮像画像取得部10、カード情報特定部12、枚数特定部14、所持判断部16、登録制御部18、使用可否設定部20、使用可能期間設定部22、通知部24、位置情報取得部26、カード指示受付部28、期間情報格納部30、所持カード情報格納部32、及びカード情報格納部34として機能させる。
【0147】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。更に、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品とのような複数の部分に分割されて適用されるようにすることもできる。
【0148】
なお、本実施形態に係る情報通信端末(ユーザ端末)は、特許請求の範囲と混同されるべきでない以下の付記項でも言及できる。
(付記項1)
撮像領域の画像を撮像する撮像部と、
前記撮像領域に含まれるアナログカードに関する情報を認識するカード認識部と、
前記撮像部が撮像する前記撮像領域に含まれる前記アナログカードの画像を表示する表示部と、
前記アナログカードに関する情報の少なくとも一部を前記表示部が表示する前記アナログカードの画像に合成する表示制御部と
を備える情報通信端末。
(付記項2)
前記撮像領域に前記アナログカードの一部のみ含まれている場合において、
前記カード認識部が、前記アナログカードに関する情報を認識できる範囲の前記アナログカードの画像が前記撮像領域に含まれた場合に、前記アナログカードに関する情報を認識し、前記撮像領域に前記アナログカードの一部が含まれている限り、認識した前記情報を維持する上記に記載の情報通信端末。
【符号の説明】
【0149】
1 カード利用システム
3 ユーザ端末
5 通信網
7、7a、7b、7c アナログカード
7d、7e、7f、7g、7h、7i アナログカード
8、8b デジタルカード
9 グループ
10 撮像画像取得部
12 カード情報特定部
14 枚数特定部
16 所持判断部
18 登録制御部
20 使用可否設定部
22 使用可能期間設定部
24 通知部
26 位置情報取得部
28 カード指示受付部
30 期間情報格納部
32 所持カード情報格納部
34 カード情報格納部
36 ユーザ情報格納部
70 表面
72 裏面
300 撮像指示受付部
302 撮像部
304 カード認識部
306 表示部
308 表示制御部
320 撮像領域
700 カード名称表示領域
702 キャラクター画像表示領域
704 カード効果表示領域
706 カード番号表示領域
708 レアリティ表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15