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特許7584908什器、什器制御システム、及び什器制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】什器、什器制御システム、及び什器制御方法
(51)【国際特許分類】
   A47B 9/00 20060101AFI20241111BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20241111BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20241111BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20241111BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20241111BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
A47B9/00 Z
E05B49/00 Z
E05B65/02 B
G06F3/042 470
G06F3/041 595
G06F3/01 570
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020085544
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2021178070
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】須賀 政晴
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0368569(US,A1)
【文献】特開2014-085338(JP,A)
【文献】実開昭58-116038(JP,U)
【文献】特開昭60-016680(JP,A)
【文献】特開2014-158651(JP,A)
【文献】特開平06-241783(JP,A)
【文献】特開昭58-099808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 9/00-9/20
H03K 17/78
H01H 35/00
G06F 3/042
G06F 3/041
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
什器本体と、
前記什器本体に備えられ、非接触で物体の動作を検知し、検知された前記動作を示す操作信号を出力する操作部と、
前記操作部から出力される少なくとも1つの前記操作信号からなる操作パターンが所定のパターンである場合、前記什器本体に備えられた機能を動作させる制御部と、
を備え、
前記操作パターンの少なくとも1つは、前記什器本体の動作を許可するための許可パターンであり、前記許可パターンを構成する複数の前記操作信号は予め設定された順序で使用者によって行われる複数の種類の動作の組み合わせに相当する信号である
什器。
【請求項2】
請求項1に記載の什器において、
前記操作部は、
少なくとも1つの発光部と、
前記発光部によって投光された光を受光する複数の受光素子と、
を備え、
前記複数の受光素子によってそれぞれ受光された前記光の受光に基づく特徴量の変化に基づいて、前記物体の動作を検知する
什器。
【請求項3】
請求項2に記載の什器において、
前記特徴量の変化とは、前記複数の受光素子によってそれぞれ受光された前記光の受光強度の変化である
什器。
【請求項4】
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の什器において、
前記什器本体は、
天板を昇降可能に支持する支持体
を備え、
前記制御部は、前記操作パターンが所定のパターンである場合、前記支持体による前記天板の昇降を制御する
什器。
【請求項5】
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の什器において、
前記什器本体は、
前記什器本体の内部の気体を排気するファン
を備え、
前記制御部は、前記操作パターンが所定のパターンである場合、前記ファンの稼働状態を制御する
什器。
【請求項6】
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の什器において、
前記什器本体は、
扉を施錠する電子錠
を備え、
前記制御部は、前記操作パターンが所定のパターンである場合、前記電子錠を施開錠する
什器。
【請求項7】
非接触で物体の動作を検知し、検知された前記動作を示す操作信号を出力する操作部と、
前記操作部から出力される少なくとも1つの前記操作信号からなる操作パターンが所定のパターンである場合、什器に備えられた機能を動作させる制御部と、
を備え、
前記操作パターンの少なくとも1つは、前記什器の動作を許可するための許可パターンであり、前記許可パターンを構成する複数の前記操作信号は予め設定された順序で使用者によって行われる複数の種類の動作の組み合わせに相当する信号である
什器制御システム。
【請求項8】
非接触で物体の動作を検知し、検知された前記動作を示す操作信号を出力する操作ステップと、
前記操作ステップにおいて出力される少なくとも1つの前記操作信号からなる操作パターンが所定のパターンである場合、什器に備えられた機能を動作させる制御ステップと、
を有し、
前記操作パターンの少なくとも1つは、前記什器の動作を許可するための許可パターンであり、前記許可パターンを構成する複数の前記操作信号は予め設定された順序で使用者によって行われる複数の種類の動作の組み合わせに相当する信号である
什器制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器、什器制御システム、及び什器制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば天板又はモニタなどの物体(被支持体)を支持する支持体を備え、当該物体を制御する什器が知られている。このような什器の1つとして、例えば天板を昇降させる昇降機能を備えた天板付什器であるデスク装置が知られている。天板を昇降させる技術として、例えば、ガススプリングを用いる方法、及びギアを用いる方法(特許文献1,2)などが知られている。また、使用者が操作部により天板付什器が備えるワイヤーを操作することにより、ガススプリングのストッパなどをロック又は解除して、天板を昇降させる技術が知られている(特許文献3,4,5)。また、天板を昇降させる際の操作性を向上させるために、電動式の駆動ユニットを用いて天板を昇降させる技術が知られている(特許文献6)。特許文献3,4,5,6に開示された技術では、使用者が、天板近傍に配される操作部やスイッチなど(以下、単に「操作部」という。)を用いて、天板の昇降のための操作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3371959号公報
【文献】特許第3391285号公報
【文献】実用新案登録第3164739号公報
【文献】特開2014-113505号公報
【文献】特許第5718503号公報
【文献】特開2016-86909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、使用者が操作部に直接触れて操作を行うことによって天板を昇降させる。しかしながら、例えば薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者が什器を操作した場合、操作部にも薬品又は病原体などが付着する。これにより、後に什器を利用するために操作部に触れた使用者にも薬品又は病原体などが付着する恐れがあるという課題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、操作部に触れることなく什器の動作を制御することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、什器本体と、前記什器本体に備えられ、非接触で物体の動作を検知し、検知された前記動作を示す操作信号を出力する操作部と、前記操作部から出力される少なくとも1つの前記操作信号からなる操作パターンが所定のパターンである場合、前記什器本体に備えられた機能を動作させる制御部と、を備える什器である。
【0007】
このように構成することで、使用者は、操作部に直接触れることなく什器を制御することができる。これにより、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、操作部に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後に什器を利用するために操作部に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【0008】
前記什器において、前記操作部は、少なくとも1つの発光部と、前記発光部によって投光された光を受光する複数の受光素子と、を備え、前記複数の受光素子によってそれぞれ受光された前記光の受光に基づく特徴量の変化に基づいて、前記物体の動作を検知するようにしてもよい。
【0009】
この場合、例えばジェスチャーセンサなどの汎用的な装置を用いて操作部を構成することができるため、装置コストを安価に抑えられる。
【0010】
前記什器において、前記特徴量の変化とは、前記複数の受光素子によってそれぞれ受光された前記光の受光強度の変化であってもよい。
【0011】
この場合、例えばジェスチャーセンサなどの汎用的な装置を用いて操作部を構成することができるため、装置コストを安価に抑えられる。
【0012】
前記什器において、前記什器本体は、天板を昇降可能に支持する支持体を備え、前記制御部は、前記操作パターンが所定のパターンである場合、前記支持体による前記天板の昇降を制御してもよい。
【0013】
この場合、使用者は、操作部に直接触れることなく天板の昇降動作を制御することができる。これにより、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、操作部に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後に什器を利用するために操作部に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【0014】
前記什器において、前記什器本体は、前記什器本体の内部の気体を排気するファンを備え、前記制御部は、前記操作パターンが所定のパターンである場合、前記ファンの稼働状態を制御してもよい。
【0015】
この場合、使用者は、操作部に直接触れることなく什器本体による局所排気を制御することができる。これにより、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、操作部に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後に什器を利用するために操作部に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【0016】
前記什器において、前記什器本体は、扉を施錠する電子錠を備え、前記制御部は、前記操作パターンが所定のパターンである場合、前記電子錠を施開錠してもよい。
【0017】
この場合、使用者は、操作部に直接触れることなく扉を施錠する電子錠を施開錠することができる。これにより、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、操作部に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後に什器を利用するために操作部に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【0018】
また、本発明の一態様は、非接触で物体の動作を検知し、検知された前記動作を示す操作信号を出力する操作部と、前記操作部から出力される少なくとも1つの前記操作信号からなる操作パターンが所定のパターンである場合、什器に備えられた機能を動作させる制御部と、を備える什器制御システムである。
【0019】
このように構成することで、使用者は、操作部に直接触れることなく什器を制御することができる。そのため、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、操作部に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後に什器を利用するために操作部に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【0020】
また、本発明の一態様は、非接触で物体の動作を検知し、検知された前記動作を示す操作信号を出力する操作ステップと、前記操作ステップにおいて出力される少なくとも1つの前記操作信号からなる操作パターンが所定のパターンである場合、什器に備えられた機能を動作させる制御ステップと、を有する什器制御方法である。
【0021】
このように構成することで、使用者は、操作部に直接触れることなく什器を制御することができる。そのため、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、操作部に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後に什器を利用するために操作部に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、操作部に触れることなく当該什器の動作を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aを天板2の上面側から見た図である。
図3】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aを天板2の下面側から見た図である。
図4】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aのセンサ部11aの構成を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの機能構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aaの天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
図7】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの天板2を下降させる場合の昇降操作を説明するための図である。
図8】本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの制御部15の動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の第1実施形態の変形例による天板昇降式什器1aの天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
図10】本発明の第1実施形態の変形例による天板昇降式什器1aの天板2を下降させる場合の昇降操作を説明するための図である。
図11】本発明の第2実施形態によるヒュームフード1bの斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態によるヒュームフード1bの照明21を点灯及び消灯させる操作を説明するための図である。
図13】本発明の第2実施形態によるヒュームフード1bに備えられたファン22を稼働状態及び非稼働状態にさせる操作を説明するための図である。
図14】本発明の第3実施形態による収納システム1cの斜視図である。
図15】本発明の第3実施形態による収納システム1cの扉30を開いた状態を示す図である。
図16】本発明の第3実施形態による収納システム1cの電子錠32に対して登録される施開錠パターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について説明する。なお、本実施形態では、一例として、天板を支持し、天板を昇降させる什器について説明するが、これに限られるものではない。例えばモニタなどの他の物体を支持して動作させる什器であっても構わない。
【0025】
[天板昇降式什器の全体構成]
以下、本実施形態による天板昇降式什器1aの全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aを天板2の上面側から見た図である。図3は、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aを天板2の下面側から見た図である。
【0026】
図1から図3までに示されるように、本実施形態による天板昇降式什器1aは、天板2と、支持体5と、センサ部11aと、制御部15とを備えている。
【0027】
天板2は、上面3と下面4とを有する。天板2は、下面4の使用者側から見て右手前角の近傍に、後述するセンサ部11aを取り付けるための構造(例えばネジ穴など(不図示))を有している。天板2の他の構成は特に限定されない。
【0028】
支持体5は、梁部6と、軸部7と、脚部8と、昇降駆動部10とを有している。
梁部6は、天板2の前後方向に延びている。梁部6は、天板2の左右端に1つずつ配されている。
【0029】
軸部7は、梁部6を介して天板2に接続されている。軸部7は、天板2の下面4から垂直に下方へ延びている。
【0030】
脚部8は、床面に接触して本実施形態による天板昇降式什器1aを支持するとともに、昇降駆動部10を介して軸部7に連結されている。本実施形態では、脚部8は、床面と平行に延びる水平部8aと、軸部7と同軸をなして垂直に延びる第一筒部8b及び第二筒部8cとを有している。
【0031】
昇降駆動部10は、軸部7、第一筒部8b及び第二筒部8cの長手軸方向に軸部7、第一筒部8b、及び第二筒部8cを相対移動させるためのモーターとギア(不図示)を有している。昇降駆動部10は、制御部15に電気的に接続されている。昇降駆動部10が動作することによって、支持体5は、天板2の板厚方向に伸縮可能である。
【0032】
センサ部11a(操作部)は、使用者の(例えば手の)動作を検知可能な非接触センサによって構成される。センサ部11aは、天板2の下面4の使用者側から見て右手前角の近傍に配されている。センサ部11aの表面は、例えば、天板2の使用者側の側面と略同一面に位置している。
【0033】
なお、センサ部11aが設置される向きは、天板2の側方(使用者側の方向)に向けて設置される構成に限られるものではない。センサ部11aが設置される向きは、天板2の上方、又は斜め上方などであってもよい。
【0034】
なお、天板2におけるセンサ部11aの位置は任意である。なお、センサ部11aの位置は、天板昇降式什器1aを使用する使用者が容易に手を翳すことができる範囲の位置であることが好ましい。なお、センサ部11aの位置は、使用者による天板昇降式什器1aの通常の使用時(使用者が天板2の昇降操作を行わない時)には、使用者の動作を誤って検知することが起こりにくいような位置であることが好ましい。
【0035】
また、図1及び図2に示されるように、天板2の使用者側から見て左奥角の近傍には電気スタンド12が備えられ、天板2の使用者側から見て右奥角の近傍にはコンセント13が備えられている。
【0036】
[センサ部の構成]
以下、センサ部11aの構成について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aのセンサ部11aの構成を示す図である。図4(A)は、センサ部11aの斜視図である。図4(B)は、センサ部11aの内部構造図である。
【0037】
センサ部11aは、内部にジェスチャーセンサ114を有する。なお、センサ部11aが有するセンサは、ジェスチャーセンサ114に限られるものではない。センサ部11aが有するセンサは、人間の身振り手振りなどの、身体(例えば、手)の動作を非接触で検知可能なセンサであれば、その他のセンサであってもよい。
【0038】
図4(A)に示されるように、センサ部11aは、インジケータ111と、投光穴115と、受光穴116とを有する。また、図4(B)に示されるように、センサ部11aは、内部に基板110を有する。また、基板110は、インジケータ111の発光部112と、ジェスチャーセンサ114とを有する。ジェスチャーセンサ114は、投光部117と、受光部118とを有する。
【0039】
投光部117は、例えば赤外発光ダイオードを有する。投光部117は、光を照射する。投光部117から照射された光は、投光穴115を通過して対象物(例えば使用者の手)にまで到達する。
【0040】
受光部118は、投光部117から照射された光が対象物に当たって反射した反射光を受光する。反射光は、受光穴116を通過して受光部118に到達する。受光部118は、複数の受光素子を備える。複数の受光素子は、例えば60×60画素の赤外線近接センサである。
【0041】
なお、本実施形態では、センサ部11aは、反射型のセンサであるジェスチャーセンサ114を有するものとしたが、透過型のセンサが用いられてもよい。この場合、投光部と受光部とは離れた位置に設置される。
【0042】
ジェスチャーセンサ114は、受光部118によって捕らえられた光の、各画素それぞれの受光強度の変化に基づいて、対象物の(例えば、使用者の手)の動作を検知する。受光部118は、検知結果に基づいて発光パターンを決定し、発光部112を発光させる。これにより、インジケータ111には、ジェスチャーセンサ114が検知した対象物の動作などに関する情報が表示される。
【0043】
なお、本実施形態では、反射光の受光強度の変化に基づいて対象物の動作を検知するジェスチャーセンサ114が用いられるものとした。但し、この構成に限られるものではなく、当該反射光の受光に基づくその他の特徴量の変化に基づいて対象物の動作を検知するセンサが用いられてもよい。受光に基づくその他の特徴量の変化とは、例えば、投光部117が光を投光してから受光部118が反射光を受光するまでの時間の変化等である。
【0044】
例えば、使用者が、センサ部11aの前方において、手を下から上へ向かって動かした場合には、上向きの矢印の形状がインジケータ111に表示されるように発光部112が発光する。また、使用者が、センサ部11aの前方において、手を上から下へ向かって動かした場合には、下向きの矢印の形状がインジケータ111に表示されるように発光部112が発光する。なお、発光パターンは図形に限られるものではなく、文字などであってもよい。
【0045】
なお、本実施形態におけるインジケータ111は、使用者に対して、ジェスチャーセンサ114の動作状態などを発光によって通知するものである。但し、これに限られるものではなく、センサ部11aが、発光以外の方法によって使用者に対して通知を行う構成であってもよい。例えば、センサ部11aが、使用者に対して、音声を再生したり、画像及び言葉などを表示したりすることによって通知を行う構成であってもよい。
【0046】
[天板昇降式什器の機能構成]
図5は、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの機能構成を示すブロック図である。図1及び図5に示されるように、制御部15は、センサ部11aによる使用者の動作に関する検知結果に基づいて支持体5の伸縮動作を制御する。制御部15は、例えば支持体5の内部に配されている。
【0047】
図5に示されるように、制御部15は、操作信号取得部151と、操作許可判定部152と、昇降情報受付部153と、動作信号生成部154とを有している。
【0048】
操作信号取得部151は、センサ部11aに接続されている。操作信号取得部151は、センサ部11aが有するジェスチャーセンサ114によって検知された、使用者の動作を示す操作信号をセンサ部11aから取得する。操作信号取得部151は、記憶媒体(不図示)を備えており、操作信号を取得して当該記憶媒体に記憶させる。操作信号取得部151は、操作信号を操作許可判定部152によって参照可能となるように記憶媒体に記憶させる。
また、本実施形態では、操作信号取得部151は、センサ部11aが検知した使用者の複数の動作の順序(すなわち、取得した複数の操作信号の順序)についても認識可能な形式で、操作信号を記憶媒体に記憶させる。
【0049】
なお、上記の記憶媒体とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、又はHDD(Hard Disk Drive)などである。
【0050】
操作許可判定部152は、操作信号取得部151に接続されている。操作許可判定部152は、操作信号取得部151によって取得された操作信号に基づいて、予め設定された複数の操作信号の順序を示す操作パターン(以下、「許可パターン」と称する)を受け付けたか否かを判定する。操作許可判定部152は、許可パターンを受け付けたと判定した場合、昇降情報受付部153へ、許可パターンを受け付けたことを示す許可情報を出力する。
【0051】
なお、ここでいう許可パターンとは、使用者が行う準備操作によって生成される、予め設定された操作パターンである。ここでいう準備操作とは、センサ部11aが誤って使用者の動作を検知することによる天板2の誤操作(使用者の意図に反する昇降動作)が生じることがないように、昇降操作の際にまず行われる操作である。
【0052】
なお、許可パターンは、使用者による複数の動作が検知された順序だけでなく、これら複数の動作の間の時間間隔(例えば、使用者の動作のリズム)を示す情報も含んだ操作パターンであってもよい。なお、許可パターンは、複数の操作信号の順序やリズムを示す操作パターンだけでなく、複数の操作信号の時間変化を示す操作パターンであってもよい。すなわち、許可パターンは、使用者が動作させる対象物(例えば手)の動作方向、及び軌跡を示す操作パターンであってもよい。
【0053】
昇降情報受付部153(操作情報受付部)は、操作許可判定部152から出力された許可情報を取得した場合に、天板2の昇降操作のためのセンサ部11aからの操作信号(以下、「昇降操作信号」と称する)を受け付ける。
【0054】
動作信号生成部154(制御信号生成部)は、昇降情報受付部153によって受け付けられた昇降操作信号に基づいて、支持体5に対して支持体5を伸縮動作させるための指令(以下、「動作信号」と称する)を、支持体5に設けられた昇降駆動部10に対して出力する。これにより、天板2が昇降する。
【0055】
なお、天板2を上昇させるための昇降操作信号(以下、「上昇操作信号」と称する)が昇降情報受付部153から動作信号生成部154へ出力された場合には、動作信号生成部154は、支持体5を伸長させるための動作信号(以下、「上昇動作信号」と称する)を生成して昇降駆動部10へと出力する。また、天板2を下降させるための昇降操作信号(以下、「下降操作信号」と称する)が昇降情報受付部153から動作信号生成部154へ出力された場合には、動作信号生成部154は、支持体5を収縮させるための動作信号(以下、「下降動作信号」と称する)を生成して昇降駆動部10へと出力する。
【0056】
[天板昇降式什器の作用]
以下、本実施形態による天板昇降式什器1aの作用について説明する。まず、天板2を上昇させる場合について説明する。
図6は、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
【0057】
図6(A)~(C)は、使用者による許可パターンの動作を示している。本実施形態においては、一例として、許可パターンは、センサ部11aの前方(投光穴115の正面の位置)で、使用者が、所定の回数以上(例えば3回以上)、手などを上下に動かしていることを検知した場合に認識される操作パターンであるものとする。したがって、図6(A)~(C)に示されるように、例えば使用者は、センサ部11aの前方に手を翳し、その位置で所定の回数以上、上下に手を振る動作を行う。
【0058】
ジェスチャーセンサ114が、下から上へ向かって移動する手の動作を検知した時、インジケータ111には上向きの矢印が表示され(図6(A),(C))、上から下へ向かって移動する手の動作を検知した時、インジケータ111には下向きの矢印が表示される(図6(B))。
【0059】
また、本実施形態においては、一例として、上昇指示を示す許可パターン(以下、「上昇許可パターン」という。)は、使用者が手などを所定の回数以上、上下に動かし、最後の動作(図6(C))が、下から上へ向かって手などを移動させた動作である場合にセンサ部11aによって検知される操作パターンであるものとする。
【0060】
このようにすることで、使用者は、上昇指示を行う場合はセンサ部11aの前方で、手などを振った後、最後に手を下から上へ振り上げる動作をすることになるため、使用者は直感的に天板2の上昇のための昇降操作を行うことができる。
【0061】
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において上昇許可パターンが受け付けられ、昇降情報受付部153へ上昇指示を示す許可情報が出力される(以下、上昇指示を示す許可情報を「上昇許可情報」という。)。
【0062】
なお、使用者の手などが上下に振られる動作をジェスチャーセンサ114が検知しない状態が所定の時間以上続いた場合に、ジェスチャーセンサ114は、一連の動作が終了したものとして認識する。これにより、天板2の動作方向が決定する。一連の動作が終了したことをジェスチャーセンサ114が認識し、上昇許可パターンが受け付けられると、インジケータ111は、既に点灯状態となっている上向きの矢印の形状の発光を点滅状態に切り替える(図6(D))。これにより使用者は、上昇許可パターンが受け付けられたことを認識することができる。
【0063】
上昇許可パターンが受け付けられた状態で、使用者が、センサ部11aの前方に手などを翳し、センサ部11aのほうへ向けて手などを移動させる(手などをセンサ部11aのほうへ近づけていく)ことによって、反射光の受光強度が変化する。例えば、当該受光強度が所定の閾値以上になることによって、昇降情報受付部153において操作信号(上昇操作信号)が受け付けられる。これにより、上昇操作信号が受け付けられている間は、天板2が上昇する。操作信号が受け付けられた場合、インジケータ111は、点滅状態である上向きの矢印の形状を点灯状態に再び切り替える(図6(E))。これにより使用者は、上昇操作信号が受け付けられたことを認識することができる。
【0064】
また、上昇操作信号が受け付けられている間において、使用者が、手などをセンサ部11aに翳す動作を中止することによって、反射光の受光強度が変化する。例えば、当該受光強度が所定の閾値未満になることによって、昇降情報受付部153への操作信号(上昇操作信号)の出力が停止する。これにより、天板2の上昇が停止する。又は、天板2が可動可能範囲の上限の位置まで上昇した場合、天板2の上昇が停止する。
【0065】
なお、操作許可判定部152において上昇許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)、使用者による操作(例えば、使用者がセンサ部11aの前に手などを翳し、センサ部11aのほうへ手など移動させる動作)が行われなかった場合には、タイムアウトとなる。これにより、上昇許可パターンの受け付けがキャンセルされ、天板2の上昇は行われない。
【0066】
次に、天板2を下降させる場合について説明する。
図7は、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの天板2を下降させる場合の昇降操作を説明するための図である。
【0067】
図7(A)~(C)は、使用者による許可パターンの動作を示している。上述したように本実施形態においては、一例として、許可パターンは、センサ部11aの前方(投光穴115の正面の位置)で、使用者が、所定の回数以上(例えば3回以上)、手などを上下に動かしていることを検知した場合に認識される操作パターンであるものとする。したがって、図7(A)~(C)に示されるように、例えば使用者は、センサ部11aの前方に手を翳し、その位置で所定の回数以上、上下に手を振る動作を行う。
【0068】
ジェスチャーセンサ114が、上から下へ向かって移動する手の動作を検知した時、インジケータ111には下向きの矢印が表示され(図7(A),(C))、下から上へ向かって移動する手の動作を検知した時、インジケータ111には上向きの矢印が表示される(図7(B))。
【0069】
また、本実施形態においては、一例として、下降指示を示す許可パターン(以下、「下降許可パターン」という。)は、使用者が手などを所定の回数以上、上下に動かし、最後の動作(図7(C))が、上から下へ向かって手などを移動させた動作である場合にセンサ部11aによって検知される操作パターンであるものとする。
【0070】
このようにすることで、使用者は、下降指示を行う場合はセンサ部11aの前方で、手などを振った後、最後に手を上から下へ振り下ろす動作をすることになるため、使用者は直感的に天板2の下降のための昇降操作を行うことができる。
【0071】
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において下降許可パターンが受け付けられ、昇降情報受付部153へ下降指示を示す許可情報が出力される(以下、下降指示を示す許可情報を「下降許可情報」という。)。
【0072】
なお、使用者の手などが上下に振られる動作をジェスチャーセンサ114が検知しない状態が所定の時間以上続いた場合に、ジェスチャーセンサ114は、一連の動作が終了したものとして認識する。これにより、天板2の動作方向が決定する。一連の動作が終了したことをジェスチャーセンサ114が認識し、下降許可パターンが受け付けられると、インジケータ111は、既に点灯状態となっている下向きの矢印の形状の発光を点滅状態に切り替える(図7(D))。これにより使用者は、下降許可パターンが受け付けられたことを認識することができる。
【0073】
下降許可パターンが受け付けられた状態で、使用者が、センサ部11aの前方に手などを翳し、センサ部11aのほうへ向けて手などを移動させる(手などをセンサ部11aのほうへ近づけていく)ことによって、反射光の受光強度が変化する。例えば、当該受光強度が所定の閾値以上になることによって、昇降情報受付部153において操作信号(下降操作信号)が受け付けられる。これにより、下降操作信号が受け付けられている間は、天板2が下降する。操作信号が受け付けられた場合、インジケータ111は、点滅状態である下向きの矢印の形状を点灯状態に再び切り替える(図7(E))。これにより使用者は、下降操作信号が受け付けられたことを認識することができる。
【0074】
また、下降操作信号が受け付けられている間において、使用者が、手などをセンサ部11aに翳す動作を中止することによって、反射光の受光強度が変化する。例えば、当該受光強度が所定の閾値未満になることによって、昇降情報受付部153への操作信号(下昇操作信号)の出力が停止する。これにより、天板2の下降が停止する。又は、天板2が可動可能範囲の下限の位置まで下降した場合、天板2の下降が停止する。
【0075】
なお、操作許可判定部152において下降許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)、使用者による操作(例えば、使用者がセンサ部11aの前に手などを翳し、センサ部11aのほうへ手など移動させる動作)が行われなかった場合には、タイムアウトとなる。これにより、下降許可パターンの受け付けがキャンセルされ、天板2の下降は行われない。
【0076】
このように、本実施形態による天板昇降式什器1aによれば、天板2を昇降させる際には、使用者は予め定められた準備操作を行って許可パターンを示す操作入力を行った後、昇降指示を示す操作入力を行う必要がある。これにより、使用者が天板2を昇降させるためには2段階の操作入力が必要となるため、天板2の昇降における誤操作がより発生し難くなる。
【0077】
[制御部の動作]
以下、本実施形態による天板昇降式什器1aの制御部15の動作について説明する。
図8は、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aの制御部15の動作を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、センサ部11aから制御部15の操作信号取得部151へ操作信号が出力された際に開始する。
【0078】
(ステップS101)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS102へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS101に留まる。
(ステップS102)操作許可判定部152が、操作信号取得部151に入力された操作信号に基づいて、予め設定された操作パターンでからなる許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を受け付けたと判定した場合、ステップS103へ進む。そうでない場合(許可パターンを受け付けたと判定されなかった場合)、ステップS101へ戻る。
【0079】
(ステップS103)操作許可判定部152は、昇降情報受付部153へ許可情報(上昇許可情報又は下降許可情報)を出力する。その後、ステップS104へ進む。
(ステップS104)操作信号取得部151にいかなる操作信号の入力もない状態となった場合、ステップS105へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がある状態が継続している場合)、ステップS104に留まる。
【0080】
(ステップS105)操作許可判定部152が許可パターン(上昇許可パターン又は下降許可パターン)を受け付けたと判定してから所定の期間が経過している場合(タイムアウトした場合)、当該許可パターンの受け付けはキャンセルされ、ステップS101へ戻る。そうでない場合(タイムアウトしていない場合)、ステップS106へ進む。
(ステップS106)操作信号取得部151に操作信号の入力があった場合、ステップS107へ進む。そうでない場合(操作信号の入力がない場合)、ステップS105に戻る。
【0081】
(ステップS107)操作許可判定部152から昇降情報受付部153へ出力された許可情報が上昇許可情報である場合、ステップS108へ進む。そうでない場合(下降許可情報である場合)、ステップS111へ進む。
(ステップS108)動作信号生成部154は、昇降情報受付部153から操作信号を取得し、上昇動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した上昇動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS109へ進む。
【0082】
(ステップS109)操作信号取得部151への操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS110へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS108へ戻る。なお、操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS110へ進む)ような構成にしてもよい。
(ステップS110)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への上昇動作信号の出力を停止する。以上で図8のフローチャートが示す制御部15の動作が終了する。
【0083】
(ステップS111)動作信号生成部154は、昇降情報受付部153から操作信号を取得し、下降動作信号を生成する。動作信号生成部154は、生成した下降動作信号を昇降駆動部10へ出力する。その後、ステップS112へ進む。
(ステップS112)操作信号取得部151への操作信号の入力が停止(終了)した場合、ステップS113へ進む。そうでない場合(操作信号の入力が停止していない場合)ステップS111へ戻る。なお、操作信号の入力が所定の時間を超えても停止しなかった場合には、タイムアウトさせる(すなわち、ステップS113へ進む)ような構成にしてもよい。
【0084】
(ステップS113)動作信号生成部154は、昇降駆動部10への下降動作信号の出力を停止する。以上で図8のフローチャートが示す制御部15の動作が終了する。
【0085】
以上説明したように、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器1aは、上記の構成を備えることによって、使用者がセンサ部11a(操作部)に直接触れることなく当該天板昇降式什器1aを昇降させることができる。これにより、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、センサ部11a(操作部)に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後に天板昇降式什器1aを使用するためにセンサ部11a(操作部)に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【0086】
また、本実施形態による天板昇降式什器1aによれば、天板2を昇降させる際には、使用者は予め定められた準備操作を行って許可パターンを示す操作入力を行った後、昇降指示を示す操作入力を行う必要がある。これにより、使用者が天板2を昇降させるためには2段階の操作入力が必要となるため、天板2の昇降における誤操作がより発生し難くなる。
【0087】
(変形例)
以下、第1実施形態の変形例について説明する。なお、変形例における天板昇降式什器1aの外観図、機能構成ブロック図、及びセンサ部11aの構成図は、図1図5に示される前述の第1実施形態における各図と同様である。
【0088】
[天板昇降式什器の作用]
以下、本変形例における天板昇降式什器1aの作用について説明する。まず、天板2を上昇させる場合について説明する。
図9は、本発明の第1実施形態の変形例による天板昇降式什器1aの天板2を上昇させる場合の昇降操作を説明するための図である。
【0089】
図9(A)~(C)は、使用者による許可パターンの動作を示している。本変形例においては、一例として、許可パターンは、センサ部11aの前方(投光穴115の正面の位置)で、使用者が、手などをセンサ部11aの方へ2度近づけた後、手などを下から上の方向、又は上から下の方向へ向かって振ることを検知した場合に認識される操作パターンであるものとする。したがって、図9(A)~(B)に示されるように、例えば使用者は、センサ部11aの前方に手を翳し、その位置で手を2度センサ部11aの方へ近づける動作を行う。その後、図9(C)に示されるように、例えば使用者は、手などを下から上の方向、又は上から下の方向へ向かって振る動作を行う。
【0090】
ジェスチャーセンサ114が、下から上へ向かって移動する手の動作を検知した時、インジケータ111には上向きの矢印が表示され(図9(C))、上から下へ向かって移動する手の動作を検知した時、インジケータ111には下向きの矢印が表示される(後述される図10(C))。
【0091】
また、本変形例においては、一例として、上昇許可パターンは、使用者が手などをセンサ部11aの方へ2度近づけた後、最後の動作(図9(C))が、下から上へ向かって手などを移動させた動作である場合にセンサ部11aによって検知される操作パターンであるものとする。
【0092】
このようにすることで、使用者は、上昇指示を行う場合はセンサ部11aの前方で、最後に手を下から上へ振り上げる動作をすることになるため、使用者は直感的に天板2の上昇のための昇降操作を行うことができる。
【0093】
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において上昇許可パターンが受け付けられ、昇降情報受付部153へ上昇許可情報が出力される。
【0094】
なお、使用者の手などの動作をジェスチャーセンサ114が検知しない状態が所定の時間以上続いた場合に、ジェスチャーセンサ114は、一連の動作が終了したものとして認識する。これにより、天板2の動作方向が決定する。一連の動作が終了したことをジェスチャーセンサ114が認識し、上昇許可パターンが受け付けられると、インジケータ111は、既に点灯状態となっている上向きの矢印の形状の発光を点滅状態に切り替える(図9(D))。これにより使用者は、上昇許可パターンが受け付けられたことを認識することができる。
【0095】
上昇許可パターンが受け付けられた状態で、使用者が、センサ部11aの前方に手などを翳し、センサ部11aのほうへ向けて手などを移動させる(手などをセンサ部11aのほうへ近づけていく)ことによって、反射光の受光強度が変化する。例えば、当該受光強度が所定の閾値以上になることによって、昇降情報受付部153において上昇操作信号が受け付けられる。これにより、上昇操作信号が受け付けられている間は、天板2が上昇する。操作信号が受け付けられた場合、インジケータ111は、点滅状態である上向きの矢印の形状を点灯状態に再び切り替える(図9(E))。これにより使用者は、上昇操作信号が受け付けられたことを認識することができる。
【0096】
また、上昇操作信号が受け付けられている間において、使用者が、手などをセンサ部11aに翳す動作を中止することによって、反射光の受光強度が変化する。例えば、当該受光強度が所定の閾値未満になることによって、昇降情報受付部153への操作信号(上昇操作信号)の出力が停止する。これにより、天板2の上昇が停止する。又は、天板2が可動可能範囲の上限の位置まで上昇した場合、天板2の上昇が停止する。
【0097】
なお、操作許可判定部152において上昇許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)、使用者による操作(例えば、使用者がセンサ部11aの前に手などを翳し、センサ部11aのほうへ手など移動させる動作)が行われなかった場合には、タイムアウトとなる。これにより、上昇許可パターンの受け付けがキャンセルされ、天板2の上昇は行われない。
【0098】
次に、天板2を下降させる場合について説明する。
図10は、本発明の第1実施形態の変形例による天板昇降式什器1aの天板2を下降させる場合の昇降操作を説明するための図である。
【0099】
図10(A)~(C)は、使用者による許可パターンの動作を示している。上述したように本変形例においては、一例として、許可パターンは、センサ部11aの前方(投光穴115の正面の位置)で、手などをセンサ部11aの方へ2度近づけた後、手などを下から上の方向、又は上から下の方向へ向かって振ることを検知した場合に認識される操作パターンであるものとする。したがって、図10(A)~(C)に示されるように、例えば使用者は、センサ部11aの前方に手を翳し、その位置で手を2度センサ部11aの方へ近づける動作を行う。その後、図9(C)に示されるように、例えば使用者は、手などを下から上の方向、又は上から下の方向へ向かって振る動作を行う。
【0100】
ジェスチャーセンサ114が、上から下へ向かって移動する手の動作を検知した時、インジケータ111には下向きの矢印が表示され(図10(C))、下から上へ向かって移動する手の動作を検知した時、インジケータ111には上向きの矢印が表示される(前述の図9(C))。
【0101】
また、本変形例においては、一例として、下降許可パターンは、使用者が手などをセンサ部11aの方へ2度近づけた後、最後の動作(図10(C))が、上から下へ向かって手などを移動させた動作である場合にセンサ部11aによって検知される操作パターンであるものとする。
【0102】
このようにすることで、使用者は、下降指示を行う場合はセンサ部11aの前方で、最後に手を上から下へ振り下ろす動作をすることになるため、使用者は直感的に天板2の下降のための昇降操作を行うことができる。
【0103】
使用者による上記の操作入力により、操作許可判定部152において下降許可パターンが受け付けられ、昇降情報受付部153へ下降許可情報が出力される。
【0104】
なお、使用者の手などの動作をジェスチャーセンサ114が検知しない状態が所定の時間以上続いた場合に、ジェスチャーセンサ114は、一連の動作が終了したものとして認識する。これにより、天板2の動作方向が決定する。一連の動作が終了したことをジェスチャーセンサ114が認識し、下降許可パターンが受け付けられると、インジケータ111は、既に点灯状態となっている下向きの矢印の形状の発光を点滅状態に切り替える(図10(D))。これにより使用者は、下降許可パターンが受け付けられたことを認識することができる。
【0105】
下降許可パターンが受け付けられた状態で、使用者が、センサ部11aの前方に手などを翳し、センサ部11aのほうへ向けて手などを移動させる(手などをセンサ部11aのほうへ近づけていく)ことによって、反射光の受光強度が変化する。例えば、当該受光強度が所定の閾値以上になることによって、昇降情報受付部153において操作信号(下降操作信号)が受け付けられる。これにより、下降操作信号が受け付けられている間は、天板2が下降する。操作信号が受け付けられた場合、インジケータ111は、点滅状態である下向きの矢印の形状を点灯状態に再び切り替える(図10(E))。これにより使用者は、下降操作信号が受け付けられたことを認識することができる。
【0106】
また、下降操作信号が受け付けられている間において、使用者が、手などをセンサ部11aからに翳す動作を中止することによって、反射光の受光強度が変化する。例えば、当該受光強度が所定の閾値未満になることによって、昇降情報受付部153への操作信号(下降操作信号)の出力が停止する。これにより、天板2の下降が停止する。又は、天板2が可動可能範囲の下限の位置まで下降した場合、天板2の下降が停止する。
【0107】
なお、操作許可判定部152において下降許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)、使用者による操作(例えば、使用者がセンサ部11aの前に手などを翳し、センサ部11aのほうへ手など移動させる動作)が行われなかった場合には、タイムアウトとなる。これにより、下降許可パターンの受け付けがキャンセルされ、天板2の下降は行われない。
【0108】
なお、上述した第1実施形態及び変形例においては、一例として、天板昇降式什器1aの天板の昇降操作を行う場合について説明をしたが、これに限られるものではない。本発明は、例えば、使用者によるセンサ部11bへの操作入力に基づいて、図1及び図2に示した電気スタンド12の調光操作がなされるような天板付什器に対しても適用することができる。また、本発明は、例えば、使用者によるセンサ部11bへの操作入力に基づいて、図1及び図2に示したコンセント13の通電状態(オンまたはオフ)の切り替えがなされるような天板付什器に対しても適用することができる。
【0109】
その他、本発明は、例えば、使用者によるセンサ部11bへの操作入力に基づいて、天板付什器と通信接続された外部機器(例えば、空調機器など)の電源(オンまたはオフ)の切り替えや、モニタの表示の切り替えなどの外部機器の動作状態の調節がなされるようなシステムに対しても適用することができる。
また、本発明は、例えば、モニタ付き台車のモニタ昇降等にも適用することができる。
【0110】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、一例として、研究者や実験者を有害物質から保護するため局所排気を行う什器であるヒュームフードについて説明する。
【0111】
[ヒュームフードの全体構成]
以下、本実施形態によるヒュームフード1bの全体構成について説明する。
図11は、本発明の第2実施形態によるヒュームフード1bの斜視図である。図11に示されるように、本実施形態によるヒュームフード1bは、センサ部11bと、制御部15と、照明21と、ファン22とを備えている。
【0112】
センサ部11bは、使用者の(例えば手の)動作を検知可能な非接触センサによって構成される。センサ部11bは、ヒュームフード1bの作業台の下面の使用者側から見て右手前角の近傍に配されている。センサ部11bの表面は、例えば、ヒュームフード1bの作業台の使用者側の側面と略同一面に位置している。
【0113】
なお、センサ部11bが設置される向きは、ヒュームフード1bの作業台の側方(使用者側の方向)に向けて設置される構成に限られるものではない。センサ部11bが設置される向きは、ヒュームフード1bの作業台の上方、又は斜め上方などであってもよい。
【0114】
なお、ヒュームフード1bにおけるセンサ部11bの位置は任意である。なお、センサ部11bの位置は、ヒュームフード1bを使用する使用者が容易に手を翳すことができる範囲の位置であることが好ましい。なお、センサ部11bの位置は、使用者によるヒュームフード1bの通常の使用時(使用者がヒュームフード1bの操作を行わない時)には、使用者の動作を誤って検知することが起こりにくいような位置であることが好ましい。
【0115】
制御部15は、センサ部11bによる使用者の動作に関する検知結果に基づいてヒュームフード1bの動作を制御する。
【0116】
照明21は、ヒュームフード1bの作業台に向けて光を照射する。照明21は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を含んで構成される。
ファン22は、ヒュームフード1bの内部の気体を排気するファンである。なお、図11では、例えば排気ダクト等の排気機能を構成するその他の部材については、記載を省略している。なお、ファン22は、ヒュームフード1bの外部に備えられていてもよい。
【0117】
[ヒュームフードの作用]
以下、本実施形態におけるヒュームフード1bの作用について説明する。まず、ヒュームフード1bに備えられた照明21を点灯及び消灯させる場合について説明する。
図12は、本発明の第2実施形態によるヒュームフード1bの照明21を点灯及び消灯させる操作を説明するための図である。
【0118】
図12(A)~(B)は、使用者による許可パターンの動作を示している。本実施形態においては、一例として、許可パターンは、センサ部11bの前方(投光穴115の正面の位置)で、使用者が、手などを時計回りに1周させた後、手などを例えば上下左右方向のいずれかへ向かって振ることを検知した場合に認識される操作パターンであるものとする。したがって、図12(A)に示されるように、例えば使用者は、センサ部11bの前方に手を翳し、その位置で手を時計回りに1周させる動作を行う。その後、図12(B)に示されるように、例えば使用者は、手などを上下左右方向のいずれかへ向かって振る動作を行う。
【0119】
ジェスチャーセンサ114が、右から左へ向かって移動する手の動作を検知した時、センサ部11bには左向きの矢印が表示され(図12(B))、上から下へ向かって移動する手の動作を検知した時、センサ部11bには下向きの矢印が表示される(後述される図13(B))。
【0120】
また、本実施形態においては、一例として、照明21の点灯及び消灯を制御するための照明制御許可パターンは、使用者がセンサ部11bの前方で手などを時計回りに1周させた後(図12(A))、手などを右から左へ向かって振る動作(図12(B))である場合にセンサ部11bによって検知される操作パターンであるものとする。
【0121】
使用者による上記の操作入力により、制御部15において、照明制御許可パターンが受け付けられ、照明21の点灯及び消灯に関する許可情報が出力される。
【0122】
なお、使用者の手などの動作をジェスチャーセンサ114が検知しない状態が所定の時間以上続いた場合に、ジェスチャーセンサ114は、一連の動作が終了したものとして認識する。これにより、ヒュームフード1bの動作内容が決定する。一連の動作が終了したことをジェスチャーセンサ114が認識し、照明制御許可パターンが受け付けられると、センサ部11bは、電球の形状の発光を点滅状態にする(図12(C))。これにより使用者は、照明制御許可パターンが受け付けられたことを認識することができる。
【0123】
照明制御許可パターンが受け付けられた状態で、使用者が、センサ部11bの前方に手などを翳し、センサ部11bのほうへ向けて手などを移動させる(手などをセンサ部11bのほうへ近づけていく)ことによって、制御部15において照明21を点灯させるための点灯操作信号が受け付けられる。これにより、照明21が点灯する。操作信号が受け付けられた場合、センサ部11bは、点滅状態である電球の形状を点灯状態に切り替える(図12(D))。
【0124】
さらに、使用者が、センサ部11bの前方に手などを翳し、再びセンサ部11bのほうへ向けて手などを移動させる(手などをセンサ部11bのほうへ近づけていく)ことによって、制御部15において照明21を消灯させるための消灯操作信号が受け付けられる。これにより、照明21が消灯する。
【0125】
なお、制御部15において照明制御許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)、使用者による操作(例えば、使用者がセンサ部11bの前に手などを翳し、センサ部11bのほうへ手など移動させる動作)が行われなかった場合には、タイムアウトとなる。これにより、照明制御許可パターンの受け付けがキャンセルされ、照明21の点灯は行われない。
【0126】
次に、ヒュームフード1bに備えられたファン22を稼働状態及び非稼働状態にさせる場合について説明する。
図13は、本発明の第2実施形態によるヒュームフード1bに備えられたファン22を稼働状態及び非稼働状態にさせる操作を説明するための図である。
【0127】
図13(A)~(B)は、使用者による許可パターンの動作を示している。前述の通り、本実施形態においては、一例として、許可パターンは、センサ部11bの前方(投光穴115の正面の位置)で、使用者が、手などを時計回りに1周させた後、手などを例えば上下左右方向のいずれかへ向かって振ることを検知した場合に認識される操作パターンであるものとする。したがって、図13(A)に示されるように、例えば使用者は、センサ部11bの前方に手を翳し、その位置で手を時計回りに1周させる動作を行う。その後、図13(B)に示されるように、例えば使用者は、手などを上下左右方向のいずれかへ向かって振る動作を行う。
【0128】
ジェスチャーセンサ114が、上から下へ向かって移動する手の動作を検知した時、センサ部11bには左向きの矢印が表示され(前述の図12(B))、上から下へ向かって移動する手の動作を検知した時、センサ部11bには下向きの矢印が表示される(図13(B))。
【0129】
また、本実施形態においては、一例として、ファン22の稼働及び非稼働を制御するためのファン制御許可パターンは、使用者がセンサ部11bの前方で手などを時計回りに1周させた後(図13(A))、手などを上から下へ向かって振る動作(図13(B))である場合にセンサ部11bによって検知される操作パターンであるものとする。
【0130】
使用者による上記の操作入力により、制御部15において、ファン制御許可パターンが受け付けられ、ファン22の稼働及び非稼働の制御に関する許可情報が出力される。
【0131】
なお、使用者の手などの動作をジェスチャーセンサ114が検知しない状態が所定の時間以上続いた場合に、ジェスチャーセンサ114は、一連の動作が終了したものとして認識する。これにより、ヒュームフード1bの動作内容が決定する。一連の動作が終了したことをジェスチャーセンサ114が認識し、ファン制御許可パターンが受け付けられると、センサ部11bは、ファンの形状の発光を点滅状態にする(図13(C))。これにより使用者は、ファン制御許可パターンが受け付けられたことを認識することができる。
【0132】
ファン制御許可パターンが受け付けられた状態で、使用者が、センサ部11bの前方に手などを翳し、センサ部11bのほうへ向けて手などを移動させる(手などをセンサ部11bのほうへ近づけていく)ことによって、制御部15においてファン22を稼働状態にさせるための稼働操作信号が受け付けられる。これにより、ファン22が稼働状態になる。操作信号が受け付けられた場合、センサ部11bは、点滅状態であるファンの形状を点灯状態に切り替える(図12(D))。
【0133】
さらに、使用者が、センサ部11bの前方に手などを翳し、再びセンサ部11bのほうへ向けて手などを移動させる(手などをセンサ部11bのほうへ近づけていく)ことによって、制御部15においてファン22を非稼働状態にさせるための非稼働操作信号が受け付けられる。これにより、ファン22が非稼働状態になる。
【0134】
なお、制御部15においてファン制御許可パターンが受け付けられた後、所定の期間(例えば、10秒間)、使用者による操作(例えば、使用者がセンサ部11bの前に手などを翳し、センサ部11bのほうへ手など移動させる動作)が行われなかった場合には、タイムアウトとなる。これにより、ファン制御許可パターンの受け付けがキャンセルされ、ファン22の稼働及び非稼働の制御は行われない。
【0135】
以上説明したように、本発明の第2実施形態によるヒュームフード1bは、上記の構成を備えることによって、使用者がセンサ部11b(操作部)に直接触れることなく当該ヒュームフード1bに備えられた、照明21及びファン22の動作を制御することができる。これにより、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、センサ部11b(操作部)に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後にヒュームフード1bを使用するためにセンサ部11b(操作部)に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【0136】
また、本実施形態によるヒュームフード1bによれば、照明21及びファン22の動作を制御する際には、使用者は予め定められた準備操作を行って許可パターンを示す操作入力を行った後、照明21及びファン22の動作指示を示す操作入力を行う必要がある。これにより、使用者が天板2を照明21及びファン22の動作を制御するためには2段階の操作入力が必要となるため、ヒュームフード1bの制御における誤操作がより発生し難くなる。
【0137】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、一例として、電子錠を備え書類等を安全に保管することができる什器である収納システムについて説明する。
【0138】
[収納システムの全体構成]
以下、本実施形態による収納システム1cの全体構成について説明する。
図14は、本発明の第3実施形態による収納システム1cの斜視図である。図14に示されるように、本実施形態による収納システム1cは、収納領域が4区画に区切られている。各々の区画には、それぞれ扉30が備えられ、各々の扉30には、それぞれセンサ部11cが備えられている。
【0139】
センサ部11cは、使用者の(例えば手の)動作を検知可能な非接触センサによって構成される。センサ部11cは、収納システム1cの扉30の表面と略同一面に位置している。
【0140】
図15は、本発明の第3実施形態による収納システム1cの扉30を開いた状態を示す図である。図15に示されるように、扉30の裏面には、登録ボタン31と、電子錠32とが備えられている。電子錠32には、当該電子錠32を施開錠する際に使用者が行う操作パターンである施開錠パターンを示す情報が予め登録される。登録ボタン31は、施開錠パターンの登録時に使用者によって用いられる。
【0141】
[収納システムの作用]
以下、本実施形態における収納システム1cの作用について説明する。まず、収納システム1cに備えられた電子錠32に対して施開錠パターンを登録させる場合について説明する。
【0142】
使用者は、電子錠32に対して施開錠パターンを登録させる場合に、まず登録ボタン31を押下する。これにより、電子錠32は、施開錠パターンの登録のための操作入力を受け付ける状態となる。次に、使用者は、センサ部11cの前方において、手を移動させるいくつかの操作入力を行う。これにより、電子錠32に対して、操作パターンが入力される。その後、使用者は、再び登録ボタン31を押下する。これにより、入力された操作パターンが、施開錠パターンとして登録される。
【0143】
図16は、本発明の第3実施形態による収納システム1cの電子錠32に対して登録される施開錠パターンの一例を示す図である。
【0144】
使用者は、登録ボタン31を押下した後、センサ部11cの前方において、図16(A)~(D)に示される手の動作を順に行う。すなわち、使用者は、まず手を時計回りに1周させ(図16(A))、次に手を上から下へ向かって振り(図16(B))、次に手を左から右へ向かって振り(図16(C))、次に手をセンサ部11cの方へ近づける。最後に、使用者は登録ボタンを再度押下する。これにより、図16(A)~(D)に示される手の動作を示す操作パターンが、電子錠32の施開錠パターンとして登録される。
【0145】
なお、電子錠32に対して施開錠パターンが登録された状態において、例えば、扉30が閉じられて所定の時間が経過すると、扉30は電子錠32によって自動的に施錠されるようにしてもよい。扉30が施錠された状態において、使用者が、センサ部11cの前方において、施開錠パターンに相当する動作を行った場合、電子錠32が再び開錠される。
【0146】
以上説明したように、本発明の第3実施形態による収納システム1cは、上記の構成を備えることによって、使用者がセンサ部11c(操作部)に直接触れることなく収納システム1cに備えられた電子錠32に対する施開錠パターンの登録及び施開錠を行うことができる。これにより、例えば使用者が薬品又は病原体などが手などに付着した研究者や医療従事者であっても、センサ部11b(操作部)に薬品又は病原体などが付着することがない。これにより、後に収納システム1cを使用するためにセンサ部11c(操作部)に触れた使用者に薬品又は病原体などが付着する恐れがない。
【0147】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な設計変更などをすることが可能である。
【0148】
なお、上述した実施形態における天板昇降式什器1a及びヒュームフード1bの制御部15、及び収納システム1cの電子錠32の一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、天板昇降式什器1a及びヒュームフード1bの制御部15、及び収納システム1cの電子錠32に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【0149】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信回線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0150】
また、上述した実施形態における天板昇降式什器1a及びヒュームフード1bの制御部15、及び収納システム1cの電子錠32の一部を、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路として実現してもよい。天板昇降式什器1a及びヒュームフード1bの制御部15、及び収納システム1cの電子錠32の一部の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0151】
1a…天板昇降式什器、1b…ヒュームフード、1c…収納システム、2…天板、3…上面、4…下面、5…支持体、6…梁部、7…軸部、8…脚部、8a…水平部、8b…第一筒部、8c…第二筒部、10…昇降駆動部、11a…センサ部、11b…センサ部、11c…センサ部、12…電気スタンド、13…コンセント、15…制御部、21…照明、22…ファン、30…扉、31…登録ボタン、32…電子錠、110…基板、111…インジケータ、112…発光部、114…ジェスチャーセンサ、115…投光穴、116…受光穴、117…投光部、118…受光部、151…操作信号取得部、152…操作許可判定部、153…昇降情報受付部、154…動作信号生成部
図1
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