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特許7584909撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラム
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  • 特許-撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20241111BHJP
   H04N 23/54 20230101ALI20241111BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241111BHJP
   G03B 5/08 20210101ALI20241111BHJP
【FI】
H04N23/52
H04N23/54
G03B17/02
G03B5/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020088070
(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公開番号】P2021182718
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】本田 浩也
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-028544(JP,A)
【文献】特開2005-159711(JP,A)
【文献】特開2020-052397(JP,A)
【文献】特開2007-189401(JP,A)
【文献】特開2008-219711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/52
H04N 23/68
H04N 23/54
G03B 17/02
G03B 5/00-5/08
G03B 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子に付着した塵埃を除去する除塵処理を実行する除塵手段と、
前記撮像素子を撮像光軸に直交する平面内で移動させるシフト手段と、
前記撮像素子に対する開光制御及び遮光制御を行うシャッタと、
前記シフト手段によって前記撮像素子を移動させた後に、前記除塵手段による除塵処理を実行させる制御を行う制御手段と、
を備え、
前記シャッタは、前記撮像光軸に直交する所定の方向における第1の側から第2の側に移動することで前記開光制御を行うものであって、
前記制御手段は、前記シャッタが前記開光制御を行う前の待機状態において前記シフト手段によって前記撮像素子を前記第1の側に移動させた後に、前記除塵手段による前記除塵処理を実行させることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記シフト手段によって前記撮像素子を前記第1の側に移動させた後に前記シャッタの前記開光制御を行わせ、前記開光制御の後に前記除塵手段による前記除塵処理を実行させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記除塵手段による前記除塵処理を実行した後に、前記シフト手段によって前記撮像素子を前記第2の側に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記シャッタは、前記撮像光軸に直交する所定の方向における前記第2の側から前記第1の側に移動することで前記遮光制御を行うものであって、
前記制御手段は、前記シャッタが前記遮光制御を行う前の待機状態において前記シフト手段によって前記撮像素子を前記第1の側に移動させ、前記シャッタが前記遮光制御を行った後に前記シフト手段によって前記撮像素子を前記第2の側に移動させてから前記除塵手段による前記除塵処理を実行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像素子を移動させることで振れ補正を行う振れ補正手段を備え、
前記シフト手段は、前記振れ補正手段を用いて前記撮像素子を移動させる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
被写体を撮像する撮像素子に付着した塵埃を除去する除塵処理を実行する除塵工程と、
前記撮像素子を撮像光軸に直交する平面内で移動させるシフト工程と、
前記撮像素子に対する開光制御及び遮光制御を行うシャッタの待機状態に応じた位置に、前記シフト工程によって前記撮像素子を移動させた後に、前記除塵工程による前記除塵処理を実行させる制御を行う制御工程と、
を備え、
前記シャッタは、前記撮像光軸に直交する所定の方向における第1の側から第2の側に移動することで前記開光制御を行うものであって、
前記制御工程は、前記シャッタが前記開光制御を行う前の前記待機状態において前記シフト工程によって前記撮像素子を前記第1の側に移動させた後に、前記除塵工程による前記除塵処理を実行させることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項7】
前記制御工程は、前記シフト工程によって前記撮像素子を前記第1の側に移動させた後に前記シャッタの前記開光制御を行わせ、前記開光制御の後に前記除塵工程による前記除塵処理を実行させることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項8】
前記制御工程は、前記除塵工程による前記除塵処理を実行した後に、前記シフト工程によって前記撮像素子を前記第2の側に移動させることを特徴とする請求項6又は7に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項9】
前記シャッタは、前記撮像光軸に直交する所定の方向における前記第2の側から前記第1の側に移動することで前記遮光制御を行うものであって、
前記制御工程は、前記シャッタが前記遮光制御を行う前の前記待機状態において前記シフト工程によって前記撮像素子を前記第1の側に移動させ、前記シャッタが前記遮光制御を行った後に前記シフト工程によって前記撮像素子を前記第2の側に移動させてから前記除塵工程による前記除塵処理を実行させることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項10】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の前記制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置においては、撮像素子の撮像面に塵埃等の異物が付着すると、その陰が黒く撮影画像に映り込む問題があった。従来、これに対応し、超音波振動させることによって付着した塵埃等の異物を除去する除塵機能を備えた防塵フィルタを、撮像面の前面に配置することが知られている。
【0003】
また、撮像装置においては、手ぶれを抑制するために加速度センサの検出方向と逆にレンズの光学部品をシフト駆動させるレンズIS、及び加速度センサの検出方向と逆に撮像素子をシフト駆動させるセンサISが知られている。ISは、手振れ補正機構の略称である。
【0004】
特許文献1は、撮像装置が重力方向を検知し、天から地方向へ順次除塵機能を実行することを開示している。
特許文献2は、除塵機能を実行すると同時にセンサISでセンサを駆動端まで駆動させることでサンサISの衝撃を除塵機能に加え、除塵効果を上げることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-122558号公報
【文献】特開2008-98838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来技術では、撮像素子の正面で駆動するシャッタに除塵機能により落ちた塵埃が付着することや、そのシャッタに付着した塵埃が再度撮像素子に付着することについて考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、除塵効果をより高めた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態の撮像装置は、被写体を撮像する撮像素子と、前記撮像素子に付着した塵埃を除去する除塵処理を実行する除塵手段と、前記撮像素子を撮像光軸に直交する平面内で移動させるシフト手段と、前記撮像素子に対する開光制御及び遮光制御を行うシャッタと、前記シフト手段によって前記撮像素子を移動させた後に、前記除塵手段による除塵処理を実行させる制御を行う制御手段と、を備え、前記シャッタは、前記撮像光軸に直交する所定の方向における第1の側から第2の側に移動することで前記開光制御を行うものであって、前記制御手段は、前記シャッタが前記開光制御を行う前の待機状態において前記シフト手段によって前記撮像素子を前記第1の側に移動させた後に、前記除塵手段による前記除塵処理を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、除塵効果をより高めた撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図2図1に示した撮像素子ユニット101の構成図である。
図3】撮影レンズ201、メカシャッタ104、及び撮像素子12の位置関係を示す側断面図である。
図4】カメラ本体100の電源ON前後、使用中、電源OFFのときの、メカシャッタ104の待機状態と、除塵機能実施時の撮像素子12のシフト移動について説明する図である。
図5】電源ON/OFF前後のシャッタ制御、撮像素子位置、除塵実行を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の実施例1に係る撮像システムについて、図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
本実施例の撮像システムは、撮像装置であるカメラ本体100と、カメラ本体100に装着される、撮影光学係としての着脱可能なレンズユニット200とを有している。本実施例は、カメラ本体100とレンズユニット200とが別体である例について示しているが、本発明は、これに限らず、カメラ本体とレンズユニットとが一体の撮像装置にも適用可能である。
【0013】
まず、レンズユニット200内の構成について説明する。
撮影レンズ201は、撮影光学系を構成するレンズである。図1では、撮影レンズ201を1つのレンズで表しているが、実際には、撮影レンズ201は、フォーカスレンズやズームレンズ等、複数のレンズから構成されている。
【0014】
レンズCPU205は、レンズ制御部202を介して撮影レンズ201の駆動を制御すると共に、絞り制御部204を介して絞り203の駆動を制御し、撮影動作時の被写体輝度に応じた絞りの制御を行う。CPUは、Central Processing Unitの略称である。
レンズCPU205は、レンズユニット200側の通信接点206及びカメラ本体100側の通信接点106を介して、後述するカメラ本体100内のカメラCPU110と通信することができる。
レンズCPU205は、通信接点206及び106を介して、レンズ情報をカメラCPU110の要求に応じて通知する。
【0015】
次に、カメラ本体100の構成について説明する。
撮像素子ユニット101は、CMOSセンサ及び/又はCCDなどにより構成される撮像素子12(図2参照)を有する。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductorの略称である。CCDは、Charge Coupled Deviceの略称である。レンズユニット200からの被写体光束は、撮像素子12へ向かう。
【0016】
撮像素子12の各画素は、露光されている間、レンズユニット200により結像された被写体光学像を光量に応じて光電変換し、得られた電荷を蓄積する。
信号処理部102は、撮像素子12から読み出された信号に対して、二重相関サンプリング処理(CDS)、ゲイン(AG)処理、及び所定の処理(色処理、及びガンマ補正等)を施すことにより画像データを生成する。
カメラCUP110は、信号処理部102によって生成された画像データを、画像表示部103に出力して撮影画像として表示する。
【0017】
撮像素子12のレンズユニット200側には、メカシャッタ(メカニカルシャッタ)104が配置されている。
メカシャッタ104は、複数の遮光羽根で構成された先幕(以下、「メカ先幕」と呼ぶ。)、及び後幕(以下、「メカ後幕」と呼ぶ。)を有し、撮像素子12に対する開光制御、及び遮光制御を行う。
カメラCPU110は、シャッタ制御部105を介してメカシャッタ104のメカ先幕及びメカ後幕の駆動制御を行う。
【0018】
振れ検出部107は、ジャイロセンサなどで撮影者の手振れや車載の振れを検出する。カメラCPU110は、振れ検出部107で検出した振れ情報をセンサシフト制御部108へ渡す。センサシフト制御部108は、渡された振れ情報に応じて撮像素子12を上下左右に移動させるシフト移動制御を行う。センサシフト制御部108は、撮像素子12を撮像光軸に直交する平面内で移動させるシフト手段の一例である。
【0019】
SWユニット109は、主電源のON/OFFを制御するスイッチ、撮影条件等を設定するために操作されるスイッチ、並びに、撮影準備動作及び撮影動作を開始させるために操作されるスイッチ(レリーズ釦)を含む。
SWユニット109が含むレリーズ釦の半押し操作(スイッチSW1のON)がされることで、カメラCPU110は、撮影準備動作(測光動作及び焦点調節動作等)を開始する。更に、SWユニット109が含むレリーズ釦の全押し操作(スイッチSW2のON)がされることで、カメラCPU110は、撮影動作を開始する。カメラCPU110は、スイッチユニット109の操作に応じた動作を行う。
【0020】
図2は、図1に示した撮像素子ユニット101の構成図である。図2(A)は、撮像素子ユニット101のセンサ保持板11に係る構成を示す。図2(B)は、撮像素子ユニット101のセンサベース16に係る構成を示す。撮像素子ユニット101は、カメラCPU110からの指示に基づいて撮像素子12を振動させることで、撮像素子12の塵埃等を除去する除塵処理を実行する除塵機能を有する。カメラ本体100は、撮像素子12を振動させる振動手段を有する。撮像素子12を振動させる振動手段としては、撮像素子12を移動させることで手振れ補正を行う手振れ補正機構を利用してもよいし、他の振動手段を利用してもよい。
【0021】
図2(A)に示すセンサ保持板11には撮像素子12が取り付けられている。また、撮像素子12を囲むように金属枠13を備え、金属枠13と撮像素子12の間には圧電素子14を備えたローパスフィルタ15が配置されている。
図2(B)に示すセンサベース16は、図2(A)の撮像素子12が光軸に直交する方向に移動可能に取り付けられている。具体的にはセンサ保持板11とセンサベース16とで転動ボール17a、及び17bを挟持し、バネによる付勢力もしくはマグネットによる磁力によってセンサ保持板11とセンサベース16とがお互いに引き合うように付勢される。カメラCPU110は、センサシフト制御部108の信号によりセンサ保持板11に取り付けられた駆動手段としての第1のアクチュエータ18a及び第2のアクチュエータ18bに通電することでセンサ保持板11を介して撮像素子12を移動させる。
【0022】
なお、例えば第1のアクチュエータ18a及び第2のアクチュエータ18bは、マグネットとコイルからなるが、本実施例においては、センサベース16にマグネットを配置し、センサ保持板11にコイルを配置する。ただし、センサベース16にコイルを配置し、センサ保持板11にマグネットを配置しても良い。
【0023】
撮像素子12を保持するセンサ保持板11は、光軸を法線とする鉛直面内において可動する。
センサ保持板11は、センサ保持板11の可動領域を規制する第1の可動規制リブ19a及び第2の可動規制リブ19bを有する。第1の可動規制リブ19a及び第2の可動規制リブ19bは、光軸方向に突出する凸形状である。
センサベース16は、第1の可動規制穴20a及び第2の可動規制穴220bを有する。第1の可動規制穴20a及び第2の可動規制穴220bは、第1の可動規制リブ19a及び第2の可動規制リブ19bに対応して設けられている。
【0024】
第1の可動規制リブ19aの少なくとも一部は、第1の可動規制穴20aに入る。第2の可動規制リブ19bの少なくとも一部は、第1の可動規制穴20a及び第2の可動規制穴220bに入る。カメラ本体100は、第1の可動規制穴20a及び第2の可動規制穴220bの内面、すなわち第1の可動規制リブ19a及び第2の可動規制リブ19bを囲う穴形状により、センサ保持板11の可動領域を決めている。
【0025】
図3は、撮影レンズ201、メカシャッタ104、及び撮像素子12の位置関係を示す側断面図である。図3は、光軸に直交する方向から見た図である。
メカシャッタ104は、メカ先幕104a、及びメカ後幕104bを有する。このメカシャッタ104の走行方向は上から下方向である。また、撮影レンズ201から入射した光のうち、メカ先幕104aとメカ後幕104bのスリット幅を通り、撮像素子12へ届いた光が撮像される。
【0026】
図4は、カメラ本体100の電源ON前後、使用中、電源OFFのときの、メカシャッタ104の待機状態と、除塵機能実施時の撮像素子12のシフト移動について説明する図である。撮像素子12のシフト移動は、センサシフト制御部108によって実行することができる。
図4(A)は、電源ON前のメカシャッタ104の待機状態と撮像素子12のシフト移動位置を示す図である。電源ON前は、メカシャッタ104は遮光状態であり、撮像素子12は重力方向で静止する。
図4(B)は、電源ON直後のメカシャッタ104の制御状態と撮像素子12のシフト移動位置を示す図である。電源ON直後は、撮像素子12がメカシャッタ104の走行開始側、すなわち図4(B)における上側へシフトした後に、メカ先幕104aが開口走行し、その後、撮像素子12が上側にシフトしたまま除塵機能を実施する。
図4(C)は、使用中のメカシャッタ104の待機状態と撮像素子12のシフト移動位置を示す図である。使用中とは、例えば図4(B)の除塵機能の実施から所定時間が経った時や、ユーザーによる操作を検出した時などであり、この時の撮像素子12は光学中心にシフト移動し、撮像動作の待機状態となる。
図4(D)は、電源OFF直後のメカシャッタ104の制御状態と撮像素子12のシフト移動位置を示す図である。電源OFF直後は、撮像素子12がメカシャッタ104の走行開始側、すなわち図4(D)における上側へシフトした後に、メカ先幕104aが遮光走行する。その後、撮像素子12が下側へシフト移動した後に、除塵機能を実施し、電源OFFシーケンスを終了する。
以上のような構成を有する本実施例の撮像システムにおける概略について、図5のフローチャートを用いて、以下に説明する。
【0027】
図5は、電源ON/OFF前後のシャッタ制御、撮像素子位置、除塵実行を示すフローチャートである。
ステップS101で、カメラCUP110は、電源ONを検出すると、センサシフト制御部108により、撮像素子12をメカシャッタ104の走行開始方向、すなわち上側へシフト移動する。
ステップS102で、カメラCUP110は、シャッタ制御部105により、メカ先幕104aを開口走行させる。
【0028】
ステップS103では、カメラCUP110は、撮像素子12をメカシャッタ104の走行開始側に維持したまま、除塵機能を実行する。
このステップS103における除塵機能では、撮像素子12が上側に位置する状態で塵埃等が除去されるので、撮像素子12とメカ先幕104aとの間に距離があり、撮像素子12から除去された塵埃等はメカ先幕104aに付着しにくい。また、メカ先幕104aに塵埃等が付着した場合でも、撮像素子12が上側に位置する状態でメカ先幕104aを走行開始側に移動させることで、メカ先幕104aに付着した塵埃等は撮像素子12の下側に落下し、塵埃等が撮像素子12に再付着しにくい。
【0029】
ステップS104で、カメラCUP110は、SWユニット109をユーザーが操作したか否かを判断し、操作を検出した場合はステップS106へ進み、操作が検出されなかった場合はステップS105へ進む。
ステップS105で、カメラCUP110は、除塵機能が所定時間動いているかを判断し、所定時間経過している場合はステップS106へ進み、所定時間経過していない場合はステップS104へ進む。
【0030】
ステップS106で、カメラCUP110は、センサシフト制御部108により、撮像素子12を光学中心にシフト移動し、撮像待機状態とする。
【0031】
なお、カメラCUP110は、除塵機能の実行、及びシャッタ104の動作を交互に実行する場合は、シャッタ104の動作前に撮像素子12をシャッタの走行開始側に移動させた後に、シャッタの動作を行うようにしてもよい。
【0032】
ステップS107で、カメラCUP110は、ユーザーによるSWユニット109操作により、又は所定時間操作がなかった時のオートパワーオフ機能により、電源OFF状態となったか否かを判断する。カメラCUP110は、電源OFF状態となった場合は、ステップS108へ進み、電源OFF状態でない場合はステップS106へ進む。
ステップS108で、カメラCUP110は、センサシフト制御部108により、撮像素子12をシャッタ走行開始側、すなわち上側へシフト移動する。
【0033】
ステップS109で、カメラCUP110は、シャッタ制御部105により、メカ先幕104aを遮光走行させる。
ステップS110で、カメラCUP110は、センサシフト制御部108により、撮像素子12をシャッタ走行完了側、すなわち下側へシフト移動後、ステップS111へ進む。
【0034】
ステップS111で、カメラCUP110は、撮像素子12がシャッタ走行完側の位置で、撮像素子12の除塵機能を実行する。カメラCUP110は、撮像素子12の除塵機能実行後に、電源OFFシーケンスを終了する。
このステップS111における除塵機能では、メカ先幕104aをメカシャッタ104の走行開始側に位置し、撮像素子12が下側に位置する状態で塵埃等が除去される。このため、除去された塵埃等は、メカ先幕104aに付着したとしても、メカ先幕104aの下側に付着する。その後、撮像素子12が上側に位置する状態でメカ先幕104aを走行完側に移動させることで、メカ先幕104aに付着した塵埃等は撮像素子12の下側に落下し、塵埃等が撮像素子12に再付着しにくい。
【0035】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
12 撮像素子
100 カメラ本体
101 撮像素子ユニット
110 カメラCPU
200 レンズユニット
201 撮影レンズ
205 レンズCPU
図1
図2
図3
図4
図5