(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】材料混合装置及び材料混合方法
(51)【国際特許分類】
B28C 5/34 20060101AFI20241111BHJP
B01F 23/60 20220101ALI20241111BHJP
B01F 25/83 20220101ALI20241111BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20241111BHJP
B01F 101/28 20220101ALN20241111BHJP
【FI】
B28C5/34
B01F23/60
B01F25/83
B01F35/71
B01F101:28
(21)【出願番号】P 2020162371
(22)【出願日】2020-09-28
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000231198
【氏名又は名称】日本国土開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100136261
【氏名又は名称】大竹 俊成
(72)【発明者】
【氏名】大西 利満
(72)【発明者】
【氏名】山田 善之
【審査官】浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-205041(JP,A)
【文献】特開2000-334494(JP,A)
【文献】特開2000-225612(JP,A)
【文献】特開平11-189327(JP,A)
【文献】特開平10-251045(JP,A)
【文献】特開2011-156735(JP,A)
【文献】特開平11-090920(JP,A)
【文献】特開昭63-217015(JP,A)
【文献】特開昭61-032715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 1/00-9/04
B01F 25/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合土の作製に用いられる、ベントナイトからなる材料と、砂と礫とを含む少なくとも2種以上の材料とを含む複数の材料を投入する複数の材料投入部と、
前記材料投入部によって投入された前記複数の材料を搬送する上流側コンベアと、
当該上流側コンベアの下流側に配置された下流側コンベアと、
前記材料投入部から、前記上流側コンベアの材料搭載面に到達する前に、前記複数の材料に水分を供給する第1給水部と、
前記上流側コンベアと前記下流側コンベアとの乗り継ぎ部に設けられた、前記上流側コンベアから放出される前記複数の材料を衝突させて前記下流側コンベア上に落下させる衝突面を備えた乗り継ぎシュートと、を備え、
前記少なくとも2種以上の材料のうち、硬い材料が投入される前記材料投入部ほど、前記上流側コンベアの下流側に設けられ、
前記乗り継ぎシュートが、前記上流側コンベアに搬送される前記少なくとも2種以上の材料を、前記衝突面に衝突させることで、前記少なくとも2種以上の材料の硬さに応じて跳ね返る距離を異ならせる、材料混合装置。
【請求項2】
前記上流側コンベアと前記下流側コンベアが前記乗り継ぎ部において交差しており、
前記乗り継ぎ部に配置された前記乗り継ぎシュートの前記衝突面は、凹状に湾曲している請求項
1記載の材料混合装置。
【請求項3】
前記衝突面は、曲率半径を前記上流側コンベアのベルト全幅の0.3倍の長さから1.1倍の長さとした請求項
1又は
2に記載の材料混合装置。
【請求項4】
前記混合土の集積地に向かって落下する、前記複数の材料が混合された混合材料に給水する第2給水部を備えた請求項
1~
3のいずれか一項に記載の材料混合装置。
【請求項5】
搬送される前記混合材料の実含水量を測定する含水量測定部と、
前記実含水量と予め設定された前記混合材料の目標含水量とに基づいて、前記混合材料の含水量が前記目標含水量となるための前記混合材料への給水量を算出し、前記第2給水部に前記混合材料に対して前記給水量の給水をさせる制御部と、
を含む請求項
4に記載の材料混合装置。
【請求項6】
前記複数の材料のうち、2種類以上の材料が投入されるとともに、投入された前記2種類以上の材料を破砕しながら混合する破砕混合部をさらに備えた請求項
1~
5のいずれか一項に記載の材料混合装置。
【請求項7】
第1コンベア上に、ベントナイトからなる材料と、砂と礫とを含む少なくとも2種以上の材料と、を含む複数の材料を投入する
際に、前記少なくとも2種以上の材料のうち、硬い材料を後から投入するステップと、
投入された前記複数の材料を前記
第1コンベアにより搬送するステップと、
投入された前記複数の材料が前記
第1コンベアに到達して前記
第1コンベアにおいて混合される前に、前記複数の材料に水分を供給するステップと、
前記第1コンベアで搬送された材料を衝突面で衝突させ、前記少なくとも2種以上の材料の硬さに応じて跳ね返る距離を異ならせて第2コンベアに落下させるステップと、
を含む材料混合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入装置、材料混合装置及び材料投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルトコンベア上に複数の材料を投入し、これらの複数の材料をベルトコンベアによって搬送しながら混合し、混合土を得る混合土作製装置及び混合土の作製方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の材料は、その混合割合や最終的に得られる混合土における含水量を考慮して給水されることがあり、特許文献1に開示された混合土作製装置も水供給部を装備している。特許文献1に開示された混合土作製装置における水供給部は、混合材料の一つであるベントナイトが玉状となることに起因する混合土のむらの発生の回避等を目的として、ベルトコンベアに向けて水を給水する。しかしながら、特許文献1の混合土作製装置では、ベルトコンベアの表面が濡れることで、ベントナイトやその他の材料がベルトコンベアに付着することがある。ベルトコンベアの表面に付着した材料は、混合土に混合されない。このため、最終的な混合土において、材料が所望の混合割合とならない、含水量が所望の値とならない、材料が均質に混合されていない等、混合土が所望の混合状態にならないことが想定される。
【0005】
そこで、本発明は、所望の混合状態の混合土を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された材料混合装置は、混合土の作製に用いられる、ベントナイトからなる材料と、砂と礫とを含む少なくとも2種以上の材料とを含む複数の材料を投入する複数の材料投入部と、前記材料投入部によって投入された前記複数の材料を搬送する上流側コンベアと、当該上流側コンベアの下流側に配置された下流側コンベアと、前記材料投入部から、前記上流側コンベアの材料搭載面に到達する前に、前記複数の材料に水分を供給する第1給水部と、前記上流側コンベアと前記下流側コンベアとの乗り継ぎ部に設けられた、前記上流側コンベアから放出される前記複数の材料を衝突させて前記下流側コンベア上に落下させる衝突面を備えた乗り継ぎシュートと、を備え、前記少なくとも2種以上の材料のうち、硬い材料が投入される前記材料投入部ほど、前記上流側コンベアの下流側に設けられ、前記乗り継ぎシュートが、前記上流側コンベアに搬送される前記少なくとも2種以上の材料を、前記衝突面に衝突させることで、前記少なくとも2種以上の材料の硬さに応じて跳ね返る距離を異ならせている。
【0007】
本明細書に開示された材料混合装置は、上記の投入装置と、前記投入装置によって投入された前記材料を含む複数の材料を搬送する上流側コンベアと、当該上流側コンベアの下流側に配置された下流側コンベアと、前記上流側コンベアと前記下流側コンベアとの乗り継ぎ部に設けられた乗り継ぎシュートと、を備え、前記乗り継ぎシュートは、前記上流側コンベアの下流端と対向し、当該下流端から放出される前記複数の材料を衝突させて前記下流側コンベア上に落下させる衝突面を備え、当該衝突面は、凹状に湾曲している。
【0008】
本明細書の開示された他の材料混合装置は、複数の材料が混合されて、コンベア上を搬送される混合材料の実含水量を測定する含水量測定部と、前記コンベアの下流において、前記混合土の集積地に向かって落下する前記混合材料に給水する給水部と、前記実含水量と予め設定された前記混合材料の目標含水量とに基づいて、前記混合材料の含水量が前記目標含水量となるための前記混合材料への給水量を算出し、前記給水部に前記混合材料に対して前記給水量の給水をさせる制御部と、を含む。
【0009】
さらに、本明細書に開示された材料投入方法は、混合土の作製において、コンベア上に材料を投入する方法であって、材料投入部を通じて前記コンベアの材料搭載面に前記材料を投入する際に、前記材料搭載面に到達する前の前記材料に水分を供給する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所望の混合状態の混合土を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は第1実施形態の材料混合装置の概略構成を模式的に示す説明図である。
【
図2】
図2は、第1コンベア及びその周辺を上方からみた様子を示す説明図である。
【
図3】
図3は第2投入装置を拡大して示す説明図である。
【
図4】
図4はコンベアの乗り継ぎ部に設置される乗り継ぎシュートの斜視図である。
【
図5】
図5は第1実施形態における乗り継ぎシュートに衝突した材料が跳ね返る様子を模式的に示す説明図である。
【
図6】
図6は乗り継ぎシュートに衝突した材料が跳ね返る距離を示す概念図である。
【
図7】
図7は第1実施形態の材料混合装置が備える乗り継ぎシュートの衝突面の曲率半径を示す説明図である。
【
図8】
図8は第1実施形態の材料混合装置が備える放出シュートの斜視図である。
【
図9】
図9は第1実施形態の材料混合装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は交差させて配置されたコンベアに設置された乗り継ぎシュートに衝突した材料が跳ね返る様子を模式的に示す説明図である。
【
図11】
図11(A)及び
図11(B)は、比較例の乗り継ぎシュートに衝突した材料が跳ね返る様子を模式的に示す図であり、
図11(A)は第1コンベアの側方かつ第2コンベアの上流側からみた図であり、
図11(B)は第1コンベア及び第2コンベアを上方からみた図である。
【
図12】
図12は交差させて配置されたコンベアの乗り継ぎ部に設置される乗り継ぎシュートの衝突面の曲率半径を示す説明図である。
【
図13】
図13(A)は第2投入装置の変形例を示す図であり、
図13(B)は第1コンベアに設置された囲い部を第1コンベアの下流側からみた状態を示す説明図である。
【
図14】
図14は第2実施形態の材料混合装置の概略構成を模式的に示す説明図である。
【
図15】
図15は第2実施形態の材料混合装置が備える破砕混合部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて、実施形態について説明する。なお、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
【0013】
(第1実施形態)
まず、
図1を参照して、第1実施形態の材料混合装置(以下、単に「混合装置」という)100について説明する。本実施形態の混合装置100は、砂S、粉体であるベントナイトB及び礫Gを混合して混合土Mを作製する。混合装置100は、材料搭載面1aを備えた第1コンベア1、材料搭載面2aを備えた第2コンベア2、及び材料搭載面3aを備えた第3コンベア3を備える。
【0014】
第1コンベア1、第2コンベア2及び第3コンベア3は、上流側からこの順に並べられている。このため、第1コンベア1と第2コンベア2との関係では、第1コンベア1が上流側コンベアとなり、第2コンベア2が下流側コンベアとなる。また、第2コンベア2と第3コンベア3との関係では、第2コンベア2が上流側コンベアとなり、第3コンベア3が下流側コンベアとなる。
【0015】
本実施形態の混合装置100は、3台のコンベアを備えているが、コンベアの数はこれに限定されず、混合装置はコンベアを少なくとも2台備えていればよい。
【0016】
本実施形態では、複数のコンベアを直列に繋ぎ、搬送方向が一方向に向くように配列されている。
【0017】
混合装置100は、混合される材料毎に、投入装置を備える。混合装置100は、砂Sを投入するための第1投入装置10、ベントナイトBを投入するための第2投入装置15及び礫Gを投入するための第3投入装置20を備えている。
【0018】
第1投入装置10、第2投入装置15及び第3投入装置20は、上流側から順にこの順番で設けられている。第1投入装置10、第2投入装置15及び第3投入装置20は、いずれも、第1コンベア1の材料搭載面1a上に材料を投入する。
【0019】
第1投入装置10は、材料投入部としてのホッパ10a及びフィーダ10bを備える。フィーダ10bは、ベルトフィーダであるが、他の形式のフィーダ(例えばスクリューフィーダ)であってもよい。ここで、第1コンベア1及びその周辺を上方からみた様子を示す
図2を参照すると、ホッパ10aは、第1コンベア1の側方にずらした位置に設置されている。ホッパ10aの上方には、ホッパ10a内の砂Sに給水する第1給水部としての給水ノズル11が装備されている。なお、給水ノズル11は、フィーダ10bによって切り出される砂Sに対して給水するように設けてもよい。また、給水ノズル11は、ホッパ10a内の砂Sとフィーダ10b上の砂Sの双方に給水するようにしてもよい。要は、給水ノズル11は、第1コンベア1の材料搭載面1aに到達する前の砂Sに給水することができるように装備されていればよい。給水ノズル11は、
図1に示すように、給水経路12を介して水槽5と接続されている。給水経路12には、流量計12aと給水ポンプ12bが配設されている。流量計12aと給水ポンプ12bは、制御部6に電気的に接続されており、給水ノズル11を介して行われる給水の給水量は、制御部6によって管理されている。給水量は、砂Sの性状や、混合される他の材料の性状を考慮して適宜設定される。また、元々の砂Sの含水量によっては、給水が停止される場合もある。
【0020】
制御部6は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、制御プログラムを記憶する記憶部を備える。制御部6は、入力インターフェースと接続されている。ここで、制御プログラムは、給水ポンプ12bの駆動制御プログラムを含む。本実施形態では、記憶部はHDD(Hard Disk Drive)であるが、SSD(Solid State Drive)であってもよいし、可搬型記憶媒体用ドライブによって読み取られる可搬型記憶媒体であってもよい。作業者は、入力インターフェースを介して制御部6に対し、砂Sの性状等に応じた給水量の値を入力する。制御部6は、駆動制御プログラムに応じて給水ポンプを駆動する。制御部6は、後に説明する給水ポンプ18b、22b、26bの駆動制御も同様の要領で行う。
【0021】
第2投入装置15は、材料投入部としてのホッパ15a及びフィーダ15bを備える。フィーダ15bは、スクリューフィーダであるが、他の形式のフィーダ(例えばベルトフィーダ)であってもよい。フィーダ15bの下側には、加湿器15cが装備されている。加湿器15cは、
図2に示すように、第1コンベア1の材料搭載面1aの上方に設置されている。ただし、加湿器15cは、
図1に示すように、材料搭載面1aと接触しないように設置されている。
図3を参照すると、加湿器15cには、フィーダ15bと給水ノズル17が取り付けられている。加湿器15c内には、掻き混ぜ羽根15c1が取り付けられている。加湿器15cの下部には、投下口15c2が設けられている。給水ノズル17は、第1給水装置に相当し、加湿器15c内にミスト状の水分を噴射する。加湿器15c内に供給されたベントナイトBは、吸湿し、掻き混ぜ羽根15c1で適度に掻き混ぜられた後、投下口15c2から材料搭載面1a上へ投下される。ベントナイトBは加湿器15c内で加湿されることで、玉状になることがなく、満遍なく吸湿することができる。また、ベントナイトBは、加湿器15c内に供給され、また、投下口15c2から投下される際に適度に吸湿していることから粉塵になりにくい。
【0022】
給水ノズル17は、
図1に示すように、給水経路18を介して水槽5と接続されている。給水経路18には、流量計18aと給水ポンプ18bが配設されている。流量計18aと給水ポンプ18bは、制御部6に電気的に接続されており、給水ノズル17を介して行われる給水の給水量は、制御部6によって管理されている。給水量は、ベントナイトBの性状や、混合される他の材料の性状を考慮して適宜設定される。作業者は、入力インターフェースを介して制御部6に対し、ベントナイトBの性状等に応じた給水量を入力する。制御部6は、入力された給水量の値に応じて給水ポンプ18bを駆動する。
【0023】
第3投入装置20は、材料投入部としてのホッパ20a及びフィーダ20bを備える。フィーダ20bは、ベルトフィーダであるが、他の形式のフィーダ(例えばスクリューフィーダ)であってもよい。
図2を参照すると、ホッパ20aは、ホッパ10aと同様に第1コンベア1の側方にずらした位置に設置されている。ホッパ20aの上方には、ホッパ20a内の礫Gに給水する第1給水部としての給水ノズル21が装備されている。なお、給水ノズル21は、フィーダ20bによって切り出される礫Gに対して給水するように設けてもよい。また、給水ノズル21は、ホッパ20a内の礫Gとフィーダ20b上の礫Gの双方に給水するようにしてもよい。給水ノズル21は、
図1に示すように、給水経路22を介して水槽5と接続されている。給水経路22には、流量計22aと給水ポンプ22bが配設されている。制御部6による給水ポンプ22bの制御は、給水ポンプ12bの制御と共通するので、ここでは説明を省略する。
【0024】
給水ノズル11は、ホッパ10a内の砂Sとフィーダ10b上の砂Sの少なくともいずれかに対して水分を供給する。また、給水ノズル17は、加湿器15c内にミスト状の水分を供給する。さらに、給水ノズル21は、ホッパ20a内の礫Gとフィーダ20b上の礫Gの少なくともいずれかに対して水分を供給する。いずれの給水ノズルも、第1コンベア1に対して直接水が供給されることを回避している。
【0025】
このように、第1コンベア1に直接水が供給されることが回避されることで、第1コンベア1が過度に濡れることがなく、材料が第1コンベア1に付着することが回避される。これにより、第1コンベア1を適切に作動させることができ、混合土Mにおける材料の混合割合を予め定めた所望の混合割合とすることができる。
【0026】
混合土Mの材料は、適宜選択することができ、投入装置は、材料毎に準備される。混合土Mは、建設発生土などの原料土や、添加材を材料としてもよい。添加材は、生石灰、消石灰などの石灰系固化材や、普通セメント、高炉セメントなどのセメント系固化材、あるいは高分子材料からなる土質改良材、天然繊維、樹脂からなる化学繊維などであり、他の材料に対し、所望の割合で投入される。これにより、混合土Mの性状や強度などの調整が行われる。
【0027】
混合装置100は、第1乗り継ぎシュート30a、第2乗り継ぎシュート30b及び放出シュート35を備えている。第1乗り継ぎシュート30aは、第1コンベア1から第2コンベア2への乗り継ぎ部に設けられ、第1コンベア1の下流端1bと対向させて配置されている。第2乗り継ぎシュート30bは、第2コンベア2から第3コンベア3への乗り継ぎ部に設けられ、第2コンベア2の下流端2bと対向させて配置されている。放出シュート35は、第3コンベア3の下流端よりも下流側に設けられ、第3コンベア3の下流端3bと対向させて配置されている。第1乗り継ぎシュート30aと第2乗り継ぎシュート30bは共通している。第1コンベア1の材料搭載面1a上を搬送され、第1コンベア1の下流端から放出された混合材料は、第1乗り継ぎシュート30aに衝突し、第2コンベア2の材料搭載面2a上に落下する。第2コンベア2の材料搭載面2a上を搬送され、第2コンベア2の下流端から放出された混合材料は、第2乗り継ぎシュート30bに衝突し、第3コンベア3の材料搭載面3a上に落下する。そして、第3コンベア3の材料搭載面3a上を搬送された混合材料は、第3コンベア3から放出される。放出された材料は、放出シュート35に衝突して集積地Dに堆積する。
【0028】
本実施形態では、投入装置の設置順は、各投入装置から投入される材料の性状を考慮し、これらの材料が適切に混合されることを考慮して決められている。ここで、
図4から
図7を参照して第1乗り継ぎシュート30aの材料の混合作用とともに、材料の投入順について説明する。
【0029】
まず、
図4を参照すると、第1乗り継ぎシュート30aは、一方を開放し、それ以外の3方に立壁部を有する枠体31を備えている。
図5を参照すると、第1乗り継ぎシュート30aは、枠体31の開放された側を材料の搬送方向の上流側に一致させて、第1コンベア1の下流端1bよりも下流側であり、かつ、第2コンベア2の上方となる位置に設置されている。枠体31内には、衝突板32が設けられている。衝突板32は、衝突面32aを備えている。衝突面32aは、第1コンベア1の下流端1bと対向している。衝突面32aは、第1コンベア1の下流端1bから放出される砂S、ベントナイトB及び礫Gを衝突させて第2コンベア2上に落下させる。衝突面32aは、凹状に湾曲している。湾曲した衝突面32aの水平断面は、円弧状である。また、
図4を参照すると、衝突面32aに対向する位置に3本のせん断バー33が設けられている。せん断バー33は、第1コンベア1から放出された材料が衝突することで材料の混合を促進する。材料は、せん断バー33に衝突して衝突面32aに到達する前に落下したり、せん断バー33に接触した後に衝突面32aに到達したりする。せん断バー33に衝突した材料は、不規則に跳ね返り、また、跳ね返る距離が変化する。これにより、材料は、分散されて第2コンベア2の材料搭載面2aへ落下する。なお、せん断バー33の本数は、3本以外であってもよい。なお、
図5では、せん断バー33は省略されている。
【0030】
ここで、
図6を参照すると、第1コンベア1において、最も上流側に砂Sが投入され、砂Sの投入位置の下流側でベントナイトBが投入される。そして、ベントナイトBが投入された位置の下流側で礫Gが投入される。このため、第1コンベア1の材料搭載面1a上には、まず、砂Sが層状に敷き詰められた状態となり、その砂Sの上にベントナイトBが供給される。そして、その上に礫Gが供給される。これにより、ベントナイトBは、砂Sと礫Gによって挟まれた状態となっている。また、ベントナイトBは、適度に給水され、吸湿した状態とされており、また、砂Sや礫Gも適度な含水量とされている。このため、ベントナイトBは、砂Sの一粒一粒や、礫Gの一粒一粒の表面に纏わりついて付着し、恰も砂Sの一粒一粒、礫Gの一粒一粒をコーティングしているような状態となり、砂Sや礫Gと分離し難い状態となっている。
【0031】
このような状態の砂S、ベントナイトB及び礫Gが第1コンベア1の下流端1bから放出されると、各材料は、第1乗り継ぎシュート30aの衝突面32aに衝突する。第1乗り継ぎシュート30aの衝突面32aに衝突した各材料は、跳ね返る。各材料は、その硬さに応じて跳ね返る距離が異なる。つまり、跳ね返ったあとの物体の速度は、理論的には跳ね返り係数のみに依存し、跳ね返り係数は、物体の硬さと相関性を有していることから、物体は、硬いほど跳ね返ったあとの速度が高く、跳ね返る距離も長くなる。
【0032】
ここで、砂Sが跳ね返る距離をL1で表し、礫Gが跳ね返る距離をL2で表す。一般的に砂Sの粒よりも礫Gの粒の方が硬いため、砂Sの粒よりも礫Gの粒の方が跳ね返る距離が長く、L1<L2の関係が成り立つ。なお、ベントナイトBについては、砂Sや礫Gに付着した状態となっていることから、跳ね返る距離の比較にベントナイトBは含めておらず、跳ね返る距離の比較は、砂Sと礫Gとの間でのみ行っている。また、跳ね返る距離の比較を容易にするため、せん断バー33に衝突した場合については考慮していない。
【0033】
距離L1と距離L2との間に、L1<L2の関係が成り立つことから、第2コンベア2の材料搭載面2aにおいて、多くの礫Gは多くの砂Sよりも上流側に落下する。このため、第2コンベア2の材料搭載面2a上には、まず、礫Gが敷き詰められ、その上に砂Sが供給される。このように、乗り継ぎシュートに材料を衝突させて落下させることで、材料の層は上下で入れ替わる作用を受ける。材料は、上下で入れ替わる作用を受けることで混合される。
【0034】
さらに、
図5において矢示7aのように衝突面32aに衝突した各材料は、矢示7bのように第2コンベア2の材料搭載面2aの幅方向中心部に向かって跳ね返されて落下する。材料は落下しながら混合される。材料は、落下する際に材料同士で衝突することもあり、より混合が促進される。なお、衝突面32aが平面であると、衝突した材料がコンベアの外側に向かって跳ね返される場合があるが、本実施形態のように衝突面32aを湾曲させておくことで、材料がコンベアの外側に向かって跳ね返されることが抑制される。
【0035】
ここで、
図7を参照して、湾曲した衝突面32aの曲率半径Rについて説明する。衝突面32aの曲率半径Rは、第1コンベア1のベルト全幅をWとしたときに、0.3Wから1.1Wの範囲で設定される。例えば、ベルト全幅Wが500mmである場合、曲率半径Rは、150mm~550mmの範囲で設定される。
【0036】
曲率半径Rがその下限値である0.3倍未満となると、第1コンベア1のベルト全幅Wを覆うように衝突面32aを設けることが難しくなり、また、第1コンベア1から衝突面32aの外側に向かって材料が放出されるケースが生じ得る。一方、曲率半径Rがその上限値である1.1倍を超えると、衝突面32aは平面に近づき、曲面としたことの効果が得難くなる。また、1.1倍を超えると、衝突板32を支持している枠体31が大型化し、重量が重くなることが懸念される。そこで、衝突面32aの曲率半径Rは、ベルト全幅Wの0.3から1.1倍となる長さに設定されることが望ましい。また、衝突面32aを湾曲させたことの効果を十分に得るために、曲率半径Rは、ベルト全幅Wの0.5から0.6倍となる長さに設定されることがより望ましい。
【0037】
なお、第2乗り継ぎシュート30bは、第1乗り継ぎシュート30aと同様の構成とされており、第2乗り継ぎシュート30bにおいても同様の混合作用を得ることができる。このように、本実施形態の混合装置100では、乗り継ぎシュートが装備されたコンベアの乗り継ぎ部を通過する度に、材料の混合作用を得ることができる。
【0038】
ここで、各コンベアの搬送速度について説明する。混合土の作製に採用されているコンベアの搬送速度は、一般的に50~80m/min程度である。これに対し、本実施形態の各コンベアは、例えば120~160m/minの速度で運転する。このように各コンベアを高速で運転することにより、第1乗り継ぎシュート30aや第2乗り継ぎシュート30bの湾曲した衝突面32aに衝突する材料に勢いを与え、跳ね返った材料の混合をより促進する。
【0039】
つぎに、複数のコンベアの最後段となる第3コンベア3の下流側に配置されている放出シュート35について、
図8を参照して説明する。放出シュート35は、上流側が開放された枠体36内に、衝突板37を備えている。衝突板37は、第3コンベア3の下流端3bと対向しており、混合材料が衝突する衝突面37aは凹状に湾曲している。衝突面37aは、第1乗り継ぎシュート30aや第2乗り継ぎシュート30bにおける衝突面32aとは異なり、湾曲した衝突面37aの垂直断面は、1/4円弧状である。衝突面37aは衝突した材料を下方へ向かって跳ね返し、また、材料の水平方向の速度成分を鉛直方向成分に変換する。これにより、跳ね返った材料の水平方向の移動距離に差が出にくく、材料の落下地点にバラツキが生じにくいことから、各材料は、近い位置に落下する。このため、混合された材料は分離しにくく、混合状態を保ったまま地表に堆積し易い。なお、このような形状の衝突面を有するシュートを乗り継ぎシュートとして採用することもできる。例えば、コンベアの乗り継ぎ部における材料の落下距離が長い場合に、衝突面37aのような形状の衝突面を有するシュートを乗り継ぎシュートとして採用することができる。このような形状の衝突面は、材料を下方に向かって跳ね返し易く、落下距離に対する水平移動の割合を小さくすることができる。跳ね返った材料の落下距離に対する水平移動の割合が小さいと、材料の落下距離が長い場合であっても材料の水平方向移動距離を短くすることができる。
【0040】
再び
図1に戻って、混合装置100は、第2給水部としての給水ノズル25及び含水量測定部としての連続水分計27を備えている。給水ノズル25は、放出シュート35の下側に設けられている。これにより、給水ノズル25は、放出シュート35に衝突して落下する混合材料に給水する。給水された混合材料は、最終的な混合土Mとして集積地Dに堆積する。給水ノズル25は、給水経路26を介して水槽5と接続されている。給水経路26には、流量計26aと給水ポンプ26bが配設されている。流量計26a、給水ポンプ26b及び連続水分計27は、制御部6に電気的に接続されており、給水ノズル25を介して行われる給水の給水量は、制御部6によって管理されている。
【0041】
ここで、連続水分計27は、第3コンベア3の材料搭載面3a上を搬送される混合材料の実含水量を計測する。本実施形態における連続水分計27は、近赤外線連続水分計であるが、従来公知の形式の連続水分計を採用することができる。例えば、中性子連続水分計等を採用することができる。これらの連続水分計は、従来公知のものであるので、その詳細な説明は省略する。連続水分計27の測定結果を反映させた給水を行うことで、混合土Mの実含水量を目標含水量に近づくように調節することができる。具体的に、制御部6は、連続水分計27によって測定された混合材料の実含水量と、予め設定された目標含水量とに基づき、その差分を補うように給水ポンプ26bを作動させ、給水ノズル25から混合材料に向かって給水する。
【0042】
本実施形態では、給水ノズル11から砂Sに対して給水し、給水ノズル21から礫Gに対して給水している。ここで、砂Sや礫Gは、その粒度がある程度大きく、排水性がよいため、給水ノズル11や給水ノズル21からの給水量が多くなっても余分な水分は流れ落ちる。このため、砂Sや礫Gの水分は過剰になり難く、混合材料の実含水量が、最終的な混合土Mの目標含水量より多くなることは稀である。このため、最終的な混合土Mにおける目標含水量は、給水ノズル25から給水を行うことで調整することができる。
【0043】
ここで、
図9を参照して混合装置100における制御の一例について説明する。まず、制御部6は、ステップS1において、予め入力されている目標含水量の値を読み込む。目標含水量は、作業者によって入力インターフェースを介して制御部6に入力されている。制御部6は、ステップS2おいて、連続水分計27によって測定した実含水量の測定値を読み込む。制御部6は、ステップS3において、ステップS1で読み込んだ目標含水量の値とステップS2で読み込んだ実含水量の値に基づいて、給水量を算出する。給水量は、目標含水量の値と実含水量の値の差分として算出される。制御部6は、ステップS4において、ステップS3で算出した給水量に基づいて給水ポンプ26bの回転数を決定する。そして、制御部6は、ステップS5において、給水ポンプ26bをステップS4で決定した回転数で駆動するように、給水ポンプ26bに対して駆動指令を発する。制御部6は、ステップS5に引き続いて行うステップS6において、予め設定された所定時間が経過したか否かを判断する。制御部6は、ステップS6で肯定判定(Yes判定)をしたときは、ステップS2からステップS6の工程を繰り返し実行する。一方、制御部6は、ステップS6で否定判定(No判定)をしたときは、所定時間が経過し、ステップS6で肯定判定を行うまでステップS6を繰り返す。ここで、ステップS6における所定時間は、任意に設定することができるが、例えば、1秒~2秒に設定することができる。なお、ステップS6における所定時間の下限値は、概ね0.3秒程度であり、上限値は、概ね10秒程度である。下限値を概ね0.3秒程度とするのは、仮に、0.3秒未満の間隔でステップS2からステップS6までの工程を繰り返しても、データ量、計算量が増加するだけで、混合土Mの含水量の制御の更なる精度向上には結びつかないためである。また、上限値を概ね10秒程度とするのは、仮に、10秒以上の間隔でステップS2からステップS6までの工程を繰り返すと、正確なサンプリングができず、含水量のバラツキが大きくなることを考慮したものである。
【0044】
給水ノズル25から給水を受け、水分が調整された混合材料は、最終的な混合土Mとして集積地Dに堆積する。
【0045】
(第1変形例)
つぎに、
図10~
図12を参照して、変形例として、上流側コンベアと下流側コンベアとの間の乗り継ぎ部において搬送方向が変わるように、コンベアを交差させて配置した場合について説明する。
図10~
図12では、第1コンベア1と第2コンベア2とが交差して配置された例が示されているが、第2コンベア2と第3コンベア3とを交差させて配置した場合であっても同様である。
【0046】
第1変形例では、
図10で示すように、湾曲した衝突面32aを備えた第1乗り継ぎシュート30aを用いることで、砂Sと礫Gとの分離を抑制している。衝突面32aは、矢示7eのように衝突した砂Sや礫Gを矢示7fのように、いずれも第2コンベア2の材料搭載面2aの幅方向の中心部に向かって跳ね返す。
【0047】
ここで、比較例について、
図11(A)及び
図11(B)を参照しつつ説明する。
図11(A)及び
図11(B)は、比較例の乗り継ぎシュート130が用いられた場合に乗り継ぎシュート130に衝突した材料が跳ね返る様子を模式的に示している。乗り継ぎシュート130は、衝突面132aが平面である衝突板132を備えている。第1コンベア1と第2コンベア2とが交差して配置されていると、第2コンベア2の搬送方向は
図11(A)において紙面奥側となり、
図11(B)において紙面上側となる。この場合、跳ね返る距離が異なる砂Sと礫Gは、第2コンベア2の材料搭載面2aの幅方向の異なる位置に落下する。つまり、礫Gは第1コンベア1に近い側に落下し、砂Sは第1コンベア1から離れた側に落下する。このため、砂Sと礫Gは、材料搭載面2aの幅方向に沿って分離される。これに対し、第1変形例では、湾曲した衝突面32aに砂Sと礫Gを衝突させることで両者を混合することができる。
【0048】
上流側コンベアと下流側コンベアを交差させて配置した場合でも、
図12に示す衝突面32aの曲率半径Rは、第1コンベア1のベルト全幅Wに対し0.3から1.1倍、より好ましくは、0.5から0.6倍の範囲で設定する。これにより、効果的に材料を混合することができる。なお、上流側コンベアと下流側コンベアが直交以外の角度で交差している場合であっても湾曲した衝突面32aを有する乗り継ぎシュートを採用することで、材料の混合が促進される。その際、乗り継ぎシュートは、上流側コンベアの下流端との位置関係、対向する向き等を適宜調整することができる。
【0049】
(第2変形例)
つぎに、
図13(A)及び
図13(B)を参照して第2変形例について説明する。第2変形例には、
図1に示す第2投入装置15に代えて、第2投入装置150が装備されている。第2投入装置150は、加湿器15cに代えて第1コンベア1に囲い部16を備えている。囲い部16は、上流側と下流側の双方に開口部16aを有している。第1コンベア1によって搬送される砂Sは、囲い部16の内部を通過する。各開口部16aには、暖簾状のカーテン部16a1が設けられている。カーテン部16a1は、短冊状のゴム板を材料搭載面1aの幅方向に複数並べることで形成されている。囲い部16には、第1給水装置としての給水ノズル17が取り付けられており、給水ノズル17は、囲い部16内にミスト状の水分を噴射する。ミスト状の水分は、囲い部16内に充満する。囲い部16には、フィーダ16bが接続されている。ホッパ15a内のベントナイトBは、フィーダ15bを介して囲い部16内に放出される。ホッパ15a内に供給されたベントナイトBは、囲い部16内で吸湿しながら、第1コンベア1の材料搭載面1a上に搭載されている砂Sの上に到達し、下流側に向かって搬送される。ベントナイトBは、ミスト状の水分を吸収することで、玉状になることなく、適度な水分を含むことができる。
【0050】
囲い部16の下流では、
図1に示す例と同様に、第3投入装置20から礫Gが供給され、さらに下流側に搬送され、最終的に混合土Mとして集積地Dに集積される。
【0051】
ここで、本明細書に記載された実施形態の効果についてまとめると、実施形態の混合装置100によれば、各材料投入部において、材料搭載面に到達する前の材料に水分を供給するので、コンベアに直接水を供給することなく、各材料の含水量を調節することができる。
【0052】
この際、材料投入部が備えるホッパ、フィーダの少なくともいずれかに対して水分を供給することにより、コンベアに直接水を供給することを回避することができる。
【0053】
また、ミスト状の水分を噴霧することで、投入される材料に満遍なく給水し、材料を満遍なく吸湿した状態とすることができる。特に、ベントナイトBに給水するときに、ミスト状の水分を噴霧することで、ベントナイトBの全体に給水し、ベントナイトBが玉状になることを抑制することができる。また、粉塵の発生を抑制することができる。
【0054】
本実施形態の混合装置100は、上流側コンベアの下流端と対向し、下流端から放出される複数の材料を衝突させて下流側コンベア上に落下させる衝突面32aを備え、衝突面を凹状に湾曲させることで、材料の混合を促進する。衝突面32aは、曲率半径を上流側コンベアのベルト全幅の0.3倍の長さから1.1倍の長さとすることで、材料の混合作用を効果的に得ることができる。
【0055】
さらに、本実施形態の混合装置は、コンベアから排出された混合材料に給水する給水ノズル25を備えることで、最終的な混合土Mの含水量を調整することができる。この際、含水量測定部としての連続水分計27で測定した実含水量と、予め設定された目標含水量とに基づいて給水量を算出し、給水することで、精度よく混合土Mの含水量を調整することができる。
【0056】
(第2実施形態)
つぎに、
図14及び
図15を参照して第2実施形態の混合装置200について説明する。混合装置200は、第1コンベア1と第2コンベア2との間に第4コンベア4を備えている。そして、第4コンベア4の材料搭載面4aの上側に破砕混合部50が設けられている。また、第1実施形態では、第1コンベア1の材料搭載面1aに礫Gを投入していた第3投入装置20が第4コンベア4の材料搭載面4aに礫Gを投入するように移設されている。第3投入装置20は、破砕混合部50の下流側に配置されている。第3投入装置20によって投入される礫Gは、破砕混合部50による破砕の対象とならない。
【0057】
混合装置200は、第1実施形態の混合装置100と同様に、第1投入装置10を備えている。混合装置100における第1投入装置10は、砂Sを投入していたのに対し、混合装置200における第1投入装置10は、泥岩(砂岩)を投入する。泥岩(砂岩)は、混合土Mの作製にあたり、破砕や解砕が必要となる材料の一つである。また、混合装置200は、泥岩(砂岩)に代えて、または、泥岩(砂岩)とともに破砕や解砕が必要となる他の材料が投入される場合にも適用することができる。
【0058】
第1コンベア1と第4コンベア4との乗り継ぎ部には、第3乗り継ぎシュート30cが配置され、第4コンベア4と第2コンベア2との乗り継ぎ部には、第4乗り継ぎシュート30dが配置されている。また、第2コンベア2と第3コンベア3との乗り継ぎ部には、第5乗り継ぎシュート30eが設置されている。これらの乗り継ぎシュートは、第1実施形態における第1乗り継ぎシュート30a及び第2乗り継ぎシュート30bと共通しているので、その詳細な説明は省略する。
【0059】
また、その他の基本的な構成は、第1実施形態の混合装置100と共通しているので、共通する構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0060】
ここで、
図15を参照して、破砕混合部50について説明する。破砕混合部50は、ドラム51とこのドラム51内で回転可能に設けられた回転部材52を備えている。回転部材52は、軸部材52a、軸部材52aを回転可能に支持する軸受け部材52b、インパクト部材52c及び回転軸側プーリ52dを備える。軸受け部材52bは、ボールベアリングを採用することができ、軸部材52aの回転精度の向上や剛性の向上を図るため、アンギュラ玉軸受を採用することができる。
【0061】
また、破砕混合部50は、ドラム51に装着される蓋部53を備える。蓋部53には、投入口53aが設けられている。回転部材52は、不図示のモータ側プーリ及び駆動ベルトを介して、不図示のモータによって回転駆動される。
【0062】
回転部材52が回転駆動されることにより、インパクト部材52cが回転する。回転するインパクト部材52cは、第3乗り継ぎシュート3cに衝突して落下し、投入口53aからベントナイトBとともにドラム51内に投入された泥岩を破砕する。ドラム51の下部は開放されており、破砕された泥岩は、下方へ落下する。
【0063】
本実施形態にあっては、
図14に示すように、破砕混合部50の下側に第4コンベア4が配置されているため、破砕された泥岩及びベントナイトBは、第4コンベア4の材料搭載面4a上に供給され、搬送される。そして、破砕された泥岩上に、第3投入装置20から礫Gが供給される。
【0064】
泥岩、ベントナイトB及び礫Gは、搬送過程において、第4乗り継ぎシュート30dや第5乗り継ぎシュート30eに衝突することで、混合される。
【0065】
このように、本実施形態の混合装置200によれば、破砕や解砕が必要となる材料を搬送しつつ、他の材料と混合して、混合土Mを得ることができる。すなわち、混合装置200を採用することで、混合土Mの材料の選択の幅を広げることができる。
【0066】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。例えば、第1実施形態では、第1コンベア1に砂S、ベントナイトB及び礫Gをこの順に投入したが、砂S、ベントナイトB、砂S及び礫Gの順で投入する等、材料の投入の順番や投入の回数を適宜変更することができる。また、投入する材料も適宜選択することができる。また、砂Sや礫G等、ベントナイトB以外の材料に対してもミスト状の水分を供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 第1コンベア
1a、2a、3a、4a 材料搭載面
1b、2b、3b 下流端
2 第2コンベア
3 第3コンベア
4 第4コンベア
5 水槽
6 制御部
10 第1投入装置
10a、15a、20a ホッパ
10b、15b、20b フィーダ
11、17、21 給水ノズル(第1給水部)
15、150 第2投入装置
20 第3投入装置
25 給水ノズル(第2給水部)
27 連続水分計
30a~30e 乗り継ぎシュート
35 放出シュート
50 破砕混合部
100、200 材料混合装置