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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】加湿フィルタユニット及び加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/06 20060101AFI20241111BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
F24F6/06
F24F6/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020172567
(22)【出願日】2020-10-13
(65)【公開番号】P2022064061
(43)【公開日】2022-04-25
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 伸夫
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-066478(JP,A)
【文献】特開2016-123926(JP,A)
【文献】特開2009-216320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/06
F24F 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸線の周りに回転可能な加湿フィルタユニットであって、
水槽から水を吸水し、空気を通過させる加湿フィルタと、
前記水槽から前記水を汲み上げて、前記水を前記加湿フィルタに供給する供給部と、
前記加湿フィルタと前記供給部とを保持する保持部と
を備え、
前記保持部は、
円形状の枠体と、
非円形状であり、前記供給部を収容する収容部と
を含み、
前記加湿フィルタは、非円形状であり、前記枠体の内側に配置され、
前記収容部は、前記加湿フィルタと異なる位置であって、前記枠体の内側に配置され
前記供給部は、
前記水を排出する排出口と、
前記水を汲み上げる汲上口と
を有し、
前記排出口は、前記加湿フィルタと対向し、
前記汲上口は、前記排出口よりも前記回転軸線に対する径方向の外側に配置され、
前記供給部は、
前記汲上口から汲み上げた前記水を貯留する貯留部と、
前記貯留部と前記排出口とが連通する状態と、前記貯留部と前記排出口とが連通しない状態との間で前記貯留部の状態を切り替える切替部とをさらに含む、加湿フィルタユニット。
【請求項2】
前記貯留部は、
汲み上げた前記水を貯留する第1貯留部と、
汲み上げた前記水を貯留する第2貯留部と
を有し、
前記保持部は、第1回転方向と、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向とに回転可能であり、
前記第1貯留部は、前記第1回転方向に向かって開いた開口を有し、
前記保持部が前記第1回転方向に回転するときに、前記第1貯留部は前記汲上口から流入した前記水を貯留し、
前記第2貯留部は、前記第2回転方向に向かって開いた開口を有し、
前記保持部が前記第2回転方向に回転するときに、前記第2貯留部は前記汲上口から流入した前記水を貯留する、請求項に記載の加湿フィルタユニット。
【請求項3】
前記第1貯留部の開口は、前記第2貯留部の開口と対向する、請求項に記載の加湿フィルタユニット。
【請求項4】
前記切替部は、前記保持部の回転に応じて、前記第1貯留部の状態と前記第2貯留部の状態とを第1状態と第2状態との間で切り替え、
前記第1状態は、前記第1貯留部の開口と前記排出口とが連通し、前記第2貯留部の開口と前記排出口とが連通しない状態を示し、
前記第2状態は、前記第2貯留部の開口と前記排出口とが連通し、前記第1貯留部の開口と前記排出口とが連通しない状態を示す、請求項に記載の加湿フィルタユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の加湿フィルタユニットと、
水を貯留する水槽と、
前記加湿フィルタユニットの回転位置を検知する検知部と
を備える、加湿装置。
【請求項6】
前記加湿フィルタユニットは、前記検知部に検知される被検知部材をさらに備え、
前記被検知部材は、前記収容部に配置され、
前記検知部は、前記被検知部材を検知することで前記加湿フィルタユニットの回転を検知する、請求項に記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿フィルタユニット及び加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の加湿装置は、加湿構造体と、送風手段と、水供給手段とを備える。加湿構造体は、空気を加湿する。加湿構造体は、円盤形状である。送風手段は、加湿構造体に向かって風を送る。水供給手段は、加湿構造体に水を供給する。水供給手段は、ひしゃくである。ひしゃくは、加湿構造体の外周側面に沿うように配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-282980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の加湿装置では、ひしゃくを加湿構造体の外周側面に取り付けるため、加湿構造体のような加湿フィルタユニットの外径は大きくなる。したがって、製品の大きさによっては、加湿フィルタユニットを搭載できなかった。つまり、製品の設計の自由度が低減していた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、製品の設計の自由度を向上できる加湿フィルタユニット及び加湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、加湿フィルタユニットは、回転軸線の周りに回転可能である。前記加湿フィルタユニットは、加湿フィルタと、供給部と、保持部とを備える。前記加湿フィルタは、水槽から水を吸水し、空気を通過させる。前記供給部は、前記水槽から前記水を汲み上げて、前記水を前記加湿フィルタに供給する。前記保持部は、前記加湿フィルタと前記供給部とを保持する。前記保持部は、枠体と、収容部とを含む。前記枠体は、円形状である。前記収容部は、非円形状であり、前記供給部を収容する。前記加湿フィルタは、非円形状であり、前記枠体の内側に配置される。前記収容部は、前記加湿フィルタと異なる位置であって、前記枠体の内側に配置される。
【0007】
本発明の他の局面によれば、加湿装置は、上記の加湿フィルタユニットと、水槽と、検知部とを備える。前記水槽は、水を貯留する。前記検知部は、前記被検知部材を検知する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の加湿フィルタユニット及び加湿装置によれば、製品の設計の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る加湿装置を示す図である。
図2図1のII-II線に沿った加湿装置の断面図である。
図3図1に示す加湿装置の加湿フィルタユニットを拡大して示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る加湿装置の供給部を模式的に示す図である。
図5】実施形態1の加湿フィルタユニットを示す図である。
図6】本発明の実施形態2に係る加湿装置の加湿フィルタユニットを拡大して示す図である。
図7】実施形態2の加湿フィルタユニットを示す図である。
図8】実施形態3に係る加湿フィルタユニットを示す図である。
図9】実施形態3の変形例1に係る加湿フィルタユニットを示す図である。
図10】実施形態3の変形例2に係る加湿フィルタユニットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図面には、説明の便宜のため、三次元直交座標系(X、Y、Z)を適宜記載している。そして、図中、X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0011】
[実施形態1]
図1図5を参照して、本発明の実施形態に係る加湿装置100を説明する。まず、図1図3を参照して、加湿装置100を説明する。加湿装置100は、気化方式によって空気を加湿する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る加湿装置100を示す図である。図1に示すように、加湿装置100は、筐体1と、操作パネル3とを備える。筐体1は、例えば、略直方体形状を有する。操作パネル3は筐体1の上面1aに配置される。操作パネル3は、加湿装置100を操作するための入力を受け付けたり、加湿装置100の状態を報知したりする。加湿装置100は、空気を吹き出すための吹出口5を有する。吹出口5は筐体1の上面1aに配置される。
【0013】
図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図2では、加湿装置100を側面断面視している。また、図2では、空気の流れを白抜きの矢印で示している。図3は、図1に示す加湿装置100の加湿フィルタユニット13を拡大して示す図である。
【0014】
図2に示すように、加湿装置100は、脱臭フィルタ9と、集塵フィルタ11と、加湿フィルタユニット13と、回転軸15と、一対の軸支持部17と、水槽19と、駆動機構21と、送風機23と、検知部30とをさらに備える。筐体1は、脱臭フィルタ9、集塵フィルタ11、加湿フィルタユニット13、回転軸15、一対の軸支持部17、水槽19、駆動機構21、送風機23、及び、検知部30を収容する。また、加湿装置100は、空気を吸い込むための複数の吸込口7を有する。吸込口7は筐体1の背面1bに配置される。
【0015】
図2に示すように、検知部30は、加湿フィルタユニット13の回転位置を検知する。具体的には、検知部30は、後述する被検知部材を検知することで、加湿フィルタユニット13の回転を検知する。本実施形態の検知部30は、磁気を検出するホール素子である。ホール素子は、加湿フィルタユニット13の回転速度に相当する時間間隔で、磁気を発生する磁石の接近を示す信号を出力する。検知部30は、水槽19を収容する収容部の側面に取付けられる。
【0016】
送風機23は、複数の吸込口7から空気を導入する。そして、送風機23は、吹出口5から空気を吹き出す。したがって、筐体1の内部には、複数の吸込口7と吹出口5とを連絡する送風路PSが形成される。具体的には、送風機23は、ファン23aと、ファンモータ23bとを含む。ファンモータ23bは、ファン23aを駆動して、ファン23aを回転させる。
【0017】
脱臭フィルタ9は、空気中の臭い成分を吸着する。臭い成分は、例えば、アセトアルデヒド、アンモニア、または、酢酸である。脱臭フィルタ9は、複数の吸込口7に対向して配置される。脱臭フィルタ9は、例えば、不織布に活性炭を分散保持させた構成を有し、通気中の臭い成分を吸着または除去する。
【0018】
集塵フィルタ11は、通気中の微細な塵埃を捕集または除去する。集塵フィルタ11は、脱臭フィルタ9を介して複数の吸込口7に対向して配置される。集塵フィルタ11は、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。
【0019】
加湿フィルタユニット13は、送風路PS上に配置され、回転軸線AXの周りに回転可能である。図2図3とに示すように、加湿フィルタユニット13は、保持部131と、加湿フィルタ133と、供給部140と、被検知部材301とを含む。
【0020】
被検知部材301は、検知部30に検知される。被検知部材301は、磁石である。被検知部材301は、保持部131に保持される。被検知部材301は、供給部140が配置される位置と略同じ位置に配置される。
【0021】
保持部131は、加湿フィルタ133と供給部140とを保持する。保持部131は、略円盤形状を有しており、例えば、合成樹脂製である。
【0022】
加湿フィルタ133は、送風路PSにおいて、吸込口7、脱臭フィルタ9、及び、集塵フィルタ11よりも、空気の流れの下流に配置される。具体的には、加湿フィルタ133は、送風機23と吸込口7との間に配置される。
【0023】
供給部140は、加湿フィルタ133に水を供給する。
【0024】
水槽19は、加湿フィルタ133に対応して、筐体1の底部に配置される。水槽19は、加湿フィルタ133に供給する水Wを貯留する。水槽19は、例えば、合成樹脂製である。加湿フィルタ133の一部は、水槽19内に位置して、水槽19の水Wに浸漬される。具体的には、水槽19に所定水位レベルLVの水Wが貯留されている場合、加湿フィルタ133の一部は、水槽19内に位置して、水槽19の水Wに浸漬される。
【0025】
回転軸15は、加湿フィルタユニット13を貫通している。回転軸15は、加湿フィルタユニット13の回転中心に固定される。具体的には、回転軸15は、保持部131の回転中心に固定される。つまり、回転軸15は回転軸線AX上に配置される。回転軸15は、略円柱形状を有している。
【0026】
一対の軸支持部17は、回転軸15を、回転軸線AXを中心として回転自在に支持する。つまり、一対の軸支持部17は、回転軸15を介して、加湿フィルタユニット13を、回転軸線AXを中心として回転自在に支持する。
【0027】
具体的には、一対の軸支持部17は、水槽19の一対の側壁の上部から上方に延びている。一対の軸支持部17の各々は、例えば、U字形状または円形形状の支持体17aを含む。そして、一対の支持体17aは、回転軸15を回転自在に支持する。支持体17aは、例えば、軸受であってもよい。
【0028】
なお、回転軸15が、一対の軸支持部17に固定されていてもよい。この場合は、回転軸15が、加湿フィルタユニット13を、回転軸線AXを中心として回転自在に支持する。つまり、回転軸15が、保持部131を回転自在に支持する。この場合、保持部131は、回転中心に軸受を有することが好ましい。
【0029】
駆動機構21は、加湿フィルタユニット13の周縁部に当接して、加湿フィルタユニット13を回転させる。具体的には、駆動機構21は、駆動ギア21aと、モータ21bとを含む。駆動ギア21aの回転軸は、回転軸線AXに対して略平行である。モータ21bは、駆動ギア21aを駆動して、駆動ギア21aを回転させる。
【0030】
一方、保持部131は、円形状の枠体131aと、リングギア131xとを含む。リングギア131xは、枠体131aの外周面1311において円周上に形成されている。リングギア131xには、駆動ギア21aが噛み合う。したがって、駆動ギア21aがモータ21bによって回転すると、保持部131が回転軸線AXを中心として回転する。その結果、保持部131とともに、加湿フィルタ133が、回転軸線AXを中心として回転する。つまり、駆動ギア21aがモータ21bによって回転すると、加湿フィルタユニット13が回転軸線AXを中心として回転する。
【0031】
なお、駆動機構21は、駆動ギア21aに代えて、ローラを含んでいてもよい。また、加湿フィルタユニット13が回転軸線AXを中心として回転可能である限りは、加湿装置100は回転軸15を備えていなくてもよい。例えば、水槽19内に複数の回転体を配置して、複数の回転体が加湿フィルタユニット13を回転自在に支持してもよい。
【0032】
引き続き図2図3とを参照して、加湿フィルタユニット13を詳しく説明する。
【0033】
図2図3とに示すように、保持部131は、枠体131aに加えて、軸挿通部131dと収容部131eとを含む。
【0034】
枠体131aは、円形状を有する。枠体131aは、加湿フィルタ133の縁EG1を覆い、加湿フィルタ133よりも外側に配置される。また、枠体131aは、供給部140の縁EG3を覆い、供給部140の縁EG3の外側に配置される。つまり、枠体131aは、加湿フィルタ133を保持する。枠体131aは、第1保持部分と第2保持部分との外側に配置される。
【0035】
枠体131aは、複数の第1補強部材131bと、第2補強部材131cと、軸挿通部131dとを含む。複数の第1補強部材131bは、軸挿通部131dを中心に放射状に延びて、枠体131aに接続される。その結果、枠体131aは複数の第1補強部材131bによって補強される。
【0036】
第2補強部材131cは、略円環形状を有し、複数の第1補強部材131bを連結する。その結果、複数の第1補強部材131bは第2補強部材131cによって補強される。
【0037】
軸挿通部131dは、略円筒形状を有し、加湿フィルタ133の貫通孔133cに挿入される。軸挿通部131dには、回転軸15(図2)が挿通される。本実施形態では、軸挿通部131dに回転軸15が固定される。なお、回転軸15が軸挿通部131dに固定されずに、軸挿通部131dが軸受を有していてもよい。
【0038】
収容部131eは、供給部140を収容する。収容部131eは、非円形状を有する。本実施形態では、収容部131eは、正面視において、略D字形状を有する。本実施形態において、正面視は、回転軸線AX(図2)の延びる方向から対象を見ることを示す。具体的には、収容部131eの形状に関し、「非円形状」は、直線と曲線とを含む。換言すると、収容部131eは、略平板形状及び略弓形状を有する。加湿装置100の非駆動時には、収容部131eは、水槽19(図2)に収容される位置に配置される。その結果、加湿装置100の非駆動時には、加湿フィルタ133は水Wに浸からない。収容部131eには、供給部140と、被検知部材301とが配置される。収容部13eは、加湿フィルタ133と異なる位置であって、枠体131aの内側に配置される。
【0039】
加湿フィルタ133は吸水性及び通風性を有する。つまり、加湿フィルタ133は、水槽19から水を吸水し、空気を通過させる。水を吸水した加湿フィルタ133に空気が通過することで、空気は加湿される。換言すると、加湿フィルタ133は気化フィルタとして機能する。加湿フィルタ133は、枠体131aの内側に配置される。
【0040】
図3に示すように、加湿フィルタ133は、回転軸線AX(図2)の周りに配置される。加湿フィルタ133は、回転軸線AXを中心として回転する。加湿フィルタ133の一部は、水槽19の水Wに浸漬される。送風機23は、吸水した加湿フィルタ133に対して、加湿装置100が設置されている室内の空気を吸込口7から送風する。その結果、加湿フィルタ133に吸収されていた水が気化する。そして、送風機23は、気化した水を含む空気を吹出口5から、加湿装置100が設置されている室内に向けて送風する。その結果、室内の空気が加湿される。
【0041】
本実施形態では、加湿フィルタ133は、プリーツ構造を有する。具体的には、加湿フィルタ133は、シート材が蛇腹状に折り重ねられた形状を有する。つまり、加湿フィルタ133は、側面断面視においてジグザグ形状を有する。その結果、加湿フィルタ133の表面積が大きくなって含水量が大きくなる。本実施形態において、側面断面視は、回転軸線AX(図2)に直交し、かつ、水平方向に平行な方向から対象の断面を見ることを示す。なお、加湿フィルタ133は、吸水性及び通風性を有する限りにおいては、蛇腹状でなくてもよく、他の形状をとり得る。例えば、加湿フィルタ133は、ハニカム構造を有していてもよい。
【0042】
加湿フィルタ133の形状は、非円形状を有する。本実施形態では、加湿フィルタ133は、正面視において、略D字形状を有する。加湿フィルタ133の形状に関し、「円形形状」は、直線と曲線とを含む。つまり、円形形状は、直線と曲線とを含む形状である限りは、略真円形状であってもよいし、略楕円形状であってもよい。
【0043】
加湿フィルタ133の曲線側の縁EG1が最下位置に位置する場合、縁EG1は水槽19の水Wに浸漬される。つまり、加湿フィルタ133は、水を吸収する。加湿フィルタ133の直線側の縁EG2が、最下位置に位置するとともに、水槽19の水面に略平行である場合、縁EG2は水槽19の水Wに浸漬されない。つまり、加湿フィルタ133は、水を吸収しない。
【0044】
具体的には、検知部30が被検知部材301を検知する位置で加湿装置100は、非駆動状態となる。加湿装置100の非駆動状態では、供給部140は、水槽19(図2)に収容される位置に配置される。その結果、加湿装置100の非駆動時には、加湿フィルタ133は水Wに浸からず、加湿されない。
【0045】
供給部140は、水槽19から水を汲み上げて、加湿フィルタ133に水を供給する。加湿フィルタ133は、水槽19に貯留された水を吸水するだけでなく、供給部140からも水が供給される。図3に示すように、供給部140は、加湿フィルタ133と共に保持部131に保持される。具体的には、供給部140は、収容部131eの内部に収容される。したがって、保持部131の外径を大きくせずに、供給部140と加湿フィルタ133とを保持部131に配置できる。つまり、本来なら加湿に使用しない部分のスペースを使用して、供給部140を加湿フィルタ133に配置できる。この結果、製品の設計の自由度を向上できる。
【0046】
また、収容部131eには、被検知部材301が収容される。保持部131の外縁よりも内側に供給部140と加湿フィルタ133と被検知部材301とが配置される。したがって、保持部131の外径を大きくせずに、供給部140と加湿フィルタ133と被検知部材301とを保持部131に配置できる。つまり、収容部131eの空いたスペースに供給部140と被検知部材301とを配置できる。よって、様々な大きさの製品に供給部140と被検知部材301とを配置することが容易となる。この結果、製品の設計の自由度を向上できる。さらに、被検知部材301が収容部131eに配置されるため、収容部131eが水槽19に侵入した位置で加湿フィルタユニット13の回転を停止できる。したがって、加湿を行わないときに、加湿フィルタ133が水を吸収せず、加湿を低減できる。
【0047】
次に、図3図4とを参照して、供給部140を詳しく説明する。図4は、供給部140を模式的に示す図である。
【0048】
供給部140の形状は、略円形形状の一部を含む。本実施形態では、供給部140は、正面視において、略D字形状を有する。供給部140の形状に関し、「円形形状」は、直線と曲線とを含む。つまり、円形形状は、直線と曲線とを含む形状である限りは、略真円形状であってもよいし、略楕円形状であってもよい。
【0049】
供給部140の曲線側の縁EG3が最下位置に位置する場合、縁EG3は水槽19の水Wに浸漬される。つまり、供給部140の曲線側の縁EG3が最下位置となる場合、供給部140は水を汲み上げる。供給部140の直線側の縁EG4が、最上位置に位置するとともに、水槽19の水面に略平行である場合、供給部140は水を加湿フィルタ133に供給する。
【0050】
図3図4とに示すように、供給部140は、貯留部141と、汲上口145と、排出口144と、切替部142とを含む。
【0051】
貯留部141は、汲上口145から汲み上げた水を貯留する。貯留部141は、一方が開口し、他方が閉口した筒形状である。貯留部141は、第1側板241と、第2側板242と、第3側板243と、第4側板244と、フランジ部245とを有する。第1側板241と第3側板243とは、供給部140の縁EG3に沿って延びる辺を有する。第2側板242は、供給部140の縁EG3に沿って延びる面を有する。第4側板244は、供給部140の縁EG4に沿って延びる面を有する。第1側板241、第2側板242、第3側板243、及び、第4側板244からフランジ部245は延びる。フランジ部245は、開口143を囲む。
【0052】
排出口144は、貯留部141から水を排出する。図3に示すように、排出口144は、加湿フィルタ133と対向する。したがって、図3に示すように、供給部140の直線側の縁EG4が、最上位置に位置するとともに、水槽19の水面に略平行である場合、排出口144は水を排出する。排出された水は、加湿フィルタ133に吸収される。換言すると、加湿フィルタ133に水が供給される。つまり、加湿フィルタ133は、水槽19の水を吸収するだけでなく、排出口144から排出された水も吸収する。この結果、加湿フィルタ133が過剰に乾くことを抑制できる。
【0053】
汲上口145は、水槽19から水を汲み上げる。具体的には、供給部140が水槽19の内部に位置する場合、汲上口145は水槽19から水を汲み上げる。図3に示すように、汲上口145は、排出口144よりも回転軸線AXに対する径方向の外側に配置される。つまり、汲上口145は、保持部131の内側であって保持部131の外縁の近くに配置される。したがって、汲上口145が水槽19の内部に位置する場合、汲上口145は水槽19の底部付近に位置する。この結果、水槽19の水位が下がっても、汲上口145は水槽19の水を汲み上げることができる。
【0054】
切替部142は、貯留部141と排出口144とが連通する状態と、貯留部141と排出口144とが連通しない状態との間で貯留部141の状態を切り替える。貯留部141と排出口144とが連通する状態では、貯留部141に貯留された水が排出口144から排出される。貯留部141と排出口144とが連通しない状態では、貯留部141に貯留された水が排出口144から排出されない。換言すると、供給部140が加湿フィルタ133に水を供給する状態と、供給部140が加湿フィルタ133に水を供給しない状態とを切替部142は切り替える。例えば、供給部140が最上位置に位置したときに、切替部142は貯留部141と排出口144とが連通する状態に供給部140を切り替えることができる。つまり、供給部140が最上位置に位置するまで、貯留部141に貯留した水が排出口144から排出されないようにできる。したがって、加湿フィルタ133に水を供給するのに適した位置で、排出口144から水を加湿フィルタ133に排出できる。この結果、加湿フィルタ133が過剰に乾くことをさらに抑制できる。
【0055】
切替部142は、回動軸142Aと、回動板142Bとを有する。回動軸242Aは、回動板142Bを回動可能に支持する。回動軸142Aの端部は、保持部131に固定される。
【0056】
回動板142Bは、回動軸142Aの回転軸線の周りに回動する。具体的には、回動板142Bは、開口143に接近する方向と、開口143から離隔する方向に回動する。
【0057】
回動板142Bが開口143に接近する方向に回動する場合、排出口144は狭くなる。また、回動板142Bが開口143に離隔する方向に回動する場合、排出口144は広くなる。なお、回動板142Bが開口143に接近する方向に回動し、回動板142Bと開口143とが接触する場合、開口143は閉塞されてもよい。
【0058】
次に、図3図5を参照して、実施形態1の加湿フィルタユニット13をさらに詳しく説明する。図5は、実施形態1の加湿フィルタユニット13を示す図である。図5では、汲み上げた水を加湿フィルタ133に供給するまでの供給部140の動作を示している。図5に示すように、実施形態1の駆動機構21は、加湿フィルタユニット13を第1回転方向R1に回転させる。また、貯留部141の開口143は、第1回転方向R1に向かって開いている。
【0059】
図5では、加湿フィルタユニット13の第1回転状態RAと、第2回転状態RBと、第3回転状態RCとが示される。第1回転状態RAは、供給部140が水槽19(図3参照)の内部に位置する状態である。第1回転状態RAでは、水槽19(図3参照)の水が汲上口145から貯留部141に流入する。
【0060】
第1回転状態RAでは、切替部142は第1回転方向R1とは逆の方向に水圧を受ける。したがって、切替部142は、貯留部141と排出口144とが連通しない状態に貯留部141の状態を切り替える。また、第1回転状態RAでは、加湿フィルタ133は水槽19(図3参照)の内部に位置しない。
【0061】
第2回転状態RBは、保持部131が第1回転状態RAから第1回転方向R1に所定角度だけ回転した状態を示す。第2回転状態RBは、供給部140が水槽19の外部に位置する状態である。第2回転状態RBでは、貯留部141が水槽19の外部に位置し、貯留部141には水が貯留される。
【0062】
第2回転状態RBでは、切替部142は貯留部141と排出口144とが連通しない状態を維持する。切替部142は、排出口144に付着した水の表面張力によって、排出口144と当接する。具体的には、回動板142Bは、排出口144に付着した水の表面張力によって、フランジ部245に当接する。また、第2回転状態RBでは、加湿フィルタ133の一部が水槽19(図3参照)の内部に位置する。つまり、第2回転状態RBでは、加湿フィルタ133は水槽19の水を吸収する。
【0063】
第3回転状態RCは、保持部131が第2回転状態RBから第1回転方向R1に所定角度だけ回転した状態を示す。第3回転状態RCは、供給部140が水槽19の外部に位置する状態であって、供給部140が加湿フィルタ133に水を供給する状態である。第3回転状態RCでは、切替部142は貯留部141と排出口144とが連通する状態に貯留部141の状態を切り替える。
【0064】
具体的には、第3回転状態RCにおいて、貯留部141に貯留された水は、切替部142を第1回転方向R1に押圧する。そして、貯留部141と排出口144とが連通しない状態から貯留部141と排出口144とが連通する状態に供給部140の状態を切替部142は、切り替える。したがって、貯留部141に貯留された水が排出口144から排出される。この結果、加湿フィルタ133に水が供給される。
【0065】
さらに、第3回転状態RCでは、加湿フィルタ133の一部が水槽19(図3参照)の内部に位置する。つまり、第3回転状態RCでは、加湿フィルタ133は水槽19の水を吸収する。したがって、加湿フィルタ133は、供給部140から加湿フィルタ133に水が供給され、水槽19からも水を吸収することが可能となる。この結果、加湿フィルタ133が乾燥することを抑制できる。
【0066】
[実施形態2]
次に、図1図2図6図7とを参照して、実施形態2の加湿フィルタユニット13を説明する。実施形態2の加湿フィルタユニット13は、複数の貯留部141を有する点で、実施形態1の加湿フィルタユニット13と異なる。以下、実施形態2について、実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
【0067】
図6は、実施形態2の加湿装置100の加湿フィルタユニット13を拡大して示す図である。図6に示すように、加湿フィルタ133は、回転軸線AX(図2)の周りに配置される。
【0068】
図1図2とに示すように、実施形態2の加湿装置100は、筐体1と、操作パネル3と、脱臭フィルタ9と、集塵フィルタ11と、加湿フィルタユニット13と、回転軸15と、一対の軸支持部17と、水槽19と、駆動機構21と、送風機23と、検知部30とを備える。筐体1は、脱臭フィルタ9、集塵フィルタ11、加湿フィルタユニット13、回転軸15、一対の軸支持部17、水槽19、駆動機構21、送風機23、及び、検知部30を収容する。
【0069】
駆動機構21は、加湿フィルタユニット13の周縁部に当接して、加湿フィルタユニット13を回転させる。実施形態2の駆動機構21は、加湿フィルタユニット13を第1回転方向R1と第2回転方向R2とに回転させる。第2回転方向R2は、第1回転方向R1の逆方向である。
【0070】
加湿フィルタユニット13の保持部131は、加湿フィルタ133と供給部140とを保持する。実施形態2の保持部131は、第1回転方向R1と第2回転方向R2とに回転する。
【0071】
供給部140は、水槽19から水を汲み上げて、加湿フィルタ133に水を供給する。図6図7とに示すように、供給部140は、第1貯留部141Aと、第2貯留部141Bと、汲上口145と、排出口144と、切替部142とを含む。
【0072】
第1貯留部141Aは、汲上口145から汲み上げた水を貯留する。第1貯留部141Aは、一方が開口し、他方が閉口した筒形状である。第1貯留部141Aは、第1回転方向R1に向かって開いた開口143Aを有する。保持部131が第1回転方向R1に回転するときに、第1貯留部141Aは汲上口145から流入した水を貯留する。
【0073】
第2貯留部141Bは、汲上口145から汲み上げた水を貯留する。第2貯留部141Bは、一方が開口し、他方が閉口した筒形状である。第2貯留部141Bは、第2回転方向R2に向かって開いた開口143Bをする。保持部131が第2回転方向R2に回転するときに、第2貯留部141Bは汲上口145から流入した水を貯留する。
【0074】
つまり、保持部131が第1回転方向R1に回転するときは、第1貯留部141Aに水を貯留でき、保持部131が第2回転方向R2に回転するときは、第2貯留部141Bに水を貯留できる。したがって、第1回転方向R1、または、第2回転方向R2のどちらに保持部131が回転しても、水槽19から汲み上げた水を貯留できる。したがって、第1回転方向R1、または、第2回転方向R2のどちらに保持部131が回転しても加湿フィルタ133に水を供給できる。この結果、加湿フィルタ133が乾燥することをさらに抑制できる。
【0075】
また、加湿フィルタ133に対して、水が過剰に供給されることを抑制できる。例えば、第1回転方向R1に保持部131が回転する場合、第1貯留部141Aには水が貯留され、第2貯留部141Bには水が貯留されない。第2貯留部141Bの開口143Bは、第2回転方向R2に向かって開口しているため、第1回転方向R1に保持部131が回転して水槽19の外部に供給部140が位置するときに、第2貯留部141Bに流入した水は水槽19に戻る。
【0076】
また、例えば、第2回転方向R2に保持部131が回転する場合、第2貯留部141Bには水が貯留され、第1貯留部141Aには水が貯留されない。第1貯留部141Aの開口143Aは、第1回転方向R1に向かって開口しているため、第2回転方向R2に保持部131が回転して水槽19の外部に供給部140が位置するときに、第1貯留部141Aに流入した水は水槽19に戻る。
【0077】
図6に示すように、実施形態2の第1貯留部141Aの開口143Aと第2貯留部141Bの開口143Bとは対向する。したがって、検知部30が被検知部材301を検知する位置で保持部131が停止した時に、第1貯留部141Aと第2貯留部141Bとにそれぞれに水Wが貯留される。つまり、駆動機構21が保持部131の回転を再開するときに、第1回転方向R1または第2回転方向R2のどちらに保持部131が回転しても、加湿フィルタ133に対してすぐに水を供給できる。この結果、加湿フィルタ133を湿らすことが容易となる。
【0078】
排出口144は、第1貯留部141Aの水、または、第2貯留部141Bの水を排出する。排出口144は、加湿フィルタ133と対向する。排出口144から排出された水は、加湿フィルタ133に吸収される。排出口144は、第1貯留部141Aと第2貯留部141Bとの間に配置される。
【0079】
汲上口145は、水槽19から水を汲み上げる。汲み上げられた水は、第1貯留部141A、及び、第2貯留部141Bに流入する。具体的には、水槽19から汲上口145を通じて、水が第1貯留部141A及び第2貯留部141Bに流入する。汲上口145は、第1貯留部141Aと第2貯留部141Bとの間に配置される。
【0080】
また、図6に示すように、汲上口145の位置には、被検知部材301が配置される。駆動機構21は、検知部30が被検知部材301を検出する位置で駆動を停止する。つまり、汲上口145が水槽19の底部と対向する位置で、駆動機構21は駆動を停止し、汲上口145は水槽19の水の水面よりも下方に位置する。したがって、汲上口145から水が第1貯留部141Aと第2貯留部141Bに流入することが容易となる。第1貯留部141A、及び、第2貯留部141Bへの水の流入は、水槽19の水面と同じ水位になるまで継続する。
【0081】
切替部142は、保持部131の回転に応じて、第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態とを切り替える。具体的には、切替部142は、第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態とを第1状態と第2状態との間で切り替える。第1状態は、第1貯留部141Aの開口143Aと排出口144とが連通し、第2貯留部141Bの開口143Bと排出口144とが連通しない状態を示す。第2状態は、第2貯留部141Bの開口143Bと排出口144とが連通し、第1貯留部141Aの開口143Aと排出口144とが連通しない状態を示す。
【0082】
したがって、保持部131の回転に応じて、切替部142が第1状態と第2状態との間で切り替わって、加湿フィルタ133に水を供給する位置まで水を運ぶことができる。さらに運んだ水を加湿フィルタ133に供給できる。この結果、加湿フィルタ133に供給する水の量が減少することを抑制しつつ、加湿フィルタ133に十分な水を供給できる。加えて、対向する貯留部141に供給部140から排出される水が流れ込まず、貯留部141の水を加湿フィルタ133に供給できる。
【0083】
例えば、第1回転方向R1に回転するときに、第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態を切替部142が第2状態に切り替えることで、第1貯留部141Aに貯留されている水が漏れて、加湿フィルタ133に供給する水の量が少なくなることを抑制できる。さらに例えば、第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態を切替部142が第1状態に切り替えることで、第1貯留部141Aに貯留されている水を加湿フィルタ133に供給できる。
【0084】
例えば、第2回転方向R2に回転するときに、第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態を切替部142が第1状態に切り替えることで、第2貯留部141Bに貯留されている水が漏れて、加湿フィルタ133に供給する水の量が少なくなることを抑制できる。さらに例えば、第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態を切替部142が第2状態に切り替えることで、第2貯留部141Bに貯留されている水を加湿フィルタ133に供給できる。
【0085】
切替部142は、図6に示すように、汲上口145の位置に配置される。具体的には、切替部142は、第1貯留部141Aと第2貯留部141Bとの間に配置される。
【0086】
次に、図6図7とを参照して、実施形態2の加湿フィルタユニット13をさらに詳しく説明する。図7は、実施形態2の加湿フィルタユニット13を示す図である。図7では、汲み上げた水を加湿フィルタ133に供給するまでの供給部140の動作を示している。図7では、駆動機構21は、加湿フィルタユニット13を第1回転方向R1に回転させる。実施形態2の駆動機構21は、第1回転方向R1と第2回転方向R2とに保持部131を回転させることが可能であるが、第1回転方向R1に回転する場合を例に説明する。
【0087】
図7では、加湿フィルタユニット13の第1回転状態RAと、第2回転状態RBと、第3回転状態RCとが示される。第1回転状態RAは、供給部140が水槽19(図6参照)の内部に位置する状態である。汲上口145から汲み上げられた水は、第1貯留部141Aと第2貯留部141Bとに侵入する。第1回転状態RAでは、切替部142は第1回転方向R1とは逆の方向に水圧を受ける。したがって、切替部142は、第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態とを第2状態に切り替える。つまり、切替部142は、第2貯留部141Bの開口143Bと排出口144とが連通し、第1貯留部141Aの開口143Aと排出口144とが連通しない状態に切り替える。また、第1回転状態RAでは、加湿フィルタ133は水槽19(図6参照)の内部に位置しない。
【0088】
第2回転状態RBは、保持部131が第1回転状態RAから第1回転方向R1に所定角度だけ回転した状態を示す。第2回転状態RBは、第1貯留部141Aと第2貯留部141Bとが水槽19の外部に位置する状態である。第1貯留部141Aには、水が貯留される。第2貯留部141Bには、水が貯留されない。第2貯留部141Bの開口143Bは第2回転方向R2に向かって開口するため、第2回転状態RBとなる場合、第2貯留部141Bの水は水槽19に戻る。第2回転状態RBでは、切替部142は第2状態を維持する。また、第2回転状態RBでは、加湿フィルタ133の一部が水槽19(図3参照)の内部に位置する。つまり、第2回転状態RBでは、加湿フィルタ133は水槽19の水を吸収する。
【0089】
第3回転状態RCは、保持部131が第2回転状態RBから第1回転方向R1に所定角度だけ回転した状態を示す。第3回転状態RCは、供給部140が水槽19の外部に位置する状態であって、供給部140が加湿フィルタ133に水を供給する状態である。第3回転状態RCでは、切替部142は第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態とを第1状態に切り替える。つまり、切替部142は、第1貯留部141Aの開口143Aと排出口144とが連通し、第2貯留部141Bの開口143Bと排出口144とが連通しない状態に切り替える。
【0090】
具体的には、第3回転状態RCでは、第1貯留部141Aに貯留された水は、切替部142を第1回転方向R1に押圧する。そして、切替部142は第1貯留部141Aの状態と第2貯留部141Bの状態とを第1状態に切り替える。したがって、第1貯留部141Aに貯留された水が排出口144から排出される。この結果、加湿フィルタ133に水が供給される。
【0091】
さらに、第3回転状態RCでは、加湿フィルタ133の一部が水槽19(図3参照)の内部に位置する。つまり、第3回転状態RCでは、加湿フィルタ133は水槽19の水を吸収する。したがって、加湿フィルタ133は、供給部140から加湿フィルタ133に水が供給され、水槽19から水を吸収することが可能となる。この結果、加湿フィルタ133が乾燥することを抑制できる。
【0092】
なお、第2回転方向R2に保持部131が回転する場合、切替部142の第1状態と第2状態とに切り替える動きが反対となる。
【0093】
[実施形態3]
次に、図1図2図8とを参照して、実施形態3の加湿フィルタユニット13を説明する。実施形態3の加湿フィルタユニット13は、供給部140の形状が実施形態1と実施形態2と異なる。以下、実施形態3について、実施形態1、及び、実施形態2と異なる事項について説明し、実施形態1及び実施形態2と重複する部分についての説明は割愛する。
【0094】
図8は、実施形態3に係る加湿フィルタユニット13を示す。なお、図8では、発明を見易くするため、収容部131eを省略している。図8に示すように、枠体131aは、円形状を有する。枠体131aは、加湿フィルタ133の縁EG1を覆い、加湿フィルタ133よりも外側に配置される。また、枠体131aは、供給部140の縁EG3を覆い、供給部140の縁EG3の外側に配置される。つまり、枠体131aは、第1保持部分と第2保持部分との外側に配置される。
【0095】
実施形態3の供給部140は、不図示の収容部131eの形状に合わせて、扇形の形状を有する。加湿フィルタ133は、一部が扇形に切り欠かれている。
【0096】
供給部140は、加湿フィルタ133に水を供給する。供給部140の曲線側の縁EG3が最下位置に位置する場合、縁EG3は水槽19の水Wに浸漬される。つまり、供給部140の曲線側の縁EG3が最下位置となる場合、供給部140は水を汲み上げる。供給部140の直線側の縁EG4が、最上位置に位置するとともに、水槽19の水面に略平行である場合、供給部140は水を加湿フィルタ133に供給する。
【0097】
図8に示すように、供給部140は、貯留部141を含む。
【0098】
貯留部141は、水を貯留する。貯留部141は、一方が開口し、他方が閉口した形状である。貯留部141は、開口143を有する。
【0099】
開口143は、排出口、及び、汲上口として機能する。
【0100】
排出口としての開口143は、貯留部141から水を排出する。図8に示すように、開口143は、加湿フィルタ133と対向する。したがって、図8に示すように、供給部140の直線側の縁EG4が、最上位置に位置するとともに、水槽19の水面に略平行である場合、排出口としての開口143は水を排出する。排出された水は、加湿フィルタ133に吸収される。換言すると、加湿フィルタ133に水が供給される。つまり、加湿フィルタ133は、水槽19の水を吸収するだけでなく、排出口としての開口143から排出された水も吸収する。この結果、加湿フィルタ133が過剰に乾くことを抑制できる。
【0101】
汲上口としての開口143は、水槽19から水を汲み上げる。具体的には、供給部140が水槽19の内部に位置する場合、汲上口としての開口143は水槽19から水を汲み上げる。具体的には、汲上口としての開口143が、水槽19の内部に位置したときに第1回転方向R1に加湿フィルタユニット13が回転することで、汲上口としての開口143から水槽19の水を汲み上げることができる。
【0102】
[変形例1]
次に、図1図2図9とを参照して、実施形態3の加湿フィルタユニット13の変形例1を説明する。実施形態3の変形例1に係る加湿フィルタユニット13は、供給部140の形状が実施形態3と異なる。以下、実施形態3の変形例1について、実施形態3と異なる事項について説明し、実施形態3と重複する部分についての説明は割愛する。
【0103】
図9は、実施形態3の変形例1に係る加湿フィルタユニット13を示す。図9では、発明を見易くするため、収容部131eを省略している。
【0104】
変形例1の供給部140は、不図示の収容部131eの形状に合わせて、非円形状を有する。変形例1では、供給部140は、正面視において、略D字形状を有する。具体的には、供給部140の形状に関し、「非円形状」は、直線と曲線とを含む。
【0105】
図9に示すように、供給部140は、貯留部141を含む。貯留部141は、水を貯留する。貯留部141は、一方が開口し、他方が閉口した形状である。貯留部141は、開口143を有する。開口143は、供給部140の直線側の縁EG4上に配置される。具体的には、開口143は、回転軸線AXと被検知部材301とを繋ぐ仮想線上に配置される。したがって、供給部140の直線側の縁EG4が、水槽19の水に浸かることで、開口143から水が侵入し、貯留部141に水が貯留される。開口143は、排出口、及び、汲上口として機能する。
【0106】
[変形例2]
次に、図1図2図10とを参照して、実施形態3の加湿フィルタユニット13の変形例1を説明する。実施形態3の変形例2に係る加湿フィルタユニット13は、供給部140の形状が実施形態3と異なる。以下、実施形態3の変形例2について、実施形態3と異なる事項について説明し、実施形態3と重複する部分についての説明は割愛する。
【0107】
図10は、実施形態3の変形例2に係る加湿フィルタユニット13を示す。図10では、発明を見易くするため、収容部131eを省略している。
【0108】
変形例2の供給部140は、不図示の収容部131eの形状に合わせて、非円形状を有する。変形例1では、供給部140は、正面視において、略D字形状を有する。具体的には、供給部140の形状に関し、「非円形状」は、直線と曲線とを含む。
【0109】
図10に示すように、供給部140は、貯留部141を含む。貯留部141は、水を貯留する。貯留部141は、一方が開口し、他方が閉口した形状である。貯留部141は、開口143を有する。開口143は、供給部140の直線側の縁EG4上に配置される。変形例2では、第1回転方向R1に回転するときに、開口143から水槽19に入水する。したがって、第1回転方向R1の回転にあわせて、開口143から貯留部141に水が侵入する。開口143から水が侵入し、貯留部141に水が貯留される。開口143は、排出口、及び、汲上口として機能する。
【0110】
なお、実施形態3の供給部140、実施形態3の変形例1、及び、実施形態3の変形例2は、実施形態1及び実施形態2に示す切替部142をさらに有していてもよい。
【0111】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0112】
(1)実施形態1の保持部131は、第1回転方向D1に回転したがこれに限らない。例えば、保持部131は、第2回転方向D2に回転してもよい。保持部131が第2回転方向D2に回転する場合、貯留部141の開口143は、第2回転方向D2に向かって開口する。
【0113】
(2)実施形態1の加湿フィルタ133と実施形態2の加湿フィルタ133とは、略D字形状であったがこれに限らない。加湿フィルタ133は、例えば、多角形状であり得る。例えば、加湿フィルタ133は、例えば、略3角形状であり得る。また、例えば、加湿フィルタ133は、略四角形状であり得る。
【0114】
(3)実施形態1及び実施形態2では、排出口144に付着した水の表面張力によって、回動板142Bがフランジ部245に当接することを説明したが、これに限らない。例えば、回動軸142Aは、駆動機構21を有し、加湿フィルタユニット13の周囲近傍の側壁に増設された検知部により、加湿フィルタユニット13に取り付けられた被検知部材301を検知し、回動軸142Aが、貯留部141と排出口144とが連通しない状態と貯留部141と排出口144とが連通する状態とを繰り返し切り替えるものであってもよい。
【0115】
具体的には、回動板142Bは駆動機構21のモータにより回動する。駆動機構21は、検知部30が被検知部材301を検知した時に、回動板142Bを回動させる。つまり、開口143が上方に来たことを検知して回動板142Bを回動させ、加湿フィルタ133に水を供給する。したがって、加湿フィルタ133に対して、効率的に水を供給できる。
【0116】
(4)汲上口145を排出口144よりも回転軸線AXに対する径方向の外側に配置する一例を示したが、汲上口145は必ずしも排出口144の外側に形成される必要はなく、汲上口145と排出口144とが兼用されるものであってもよい。
【0117】
(5)実施形態2では、第1貯留部141Aの開口143と第2貯留部141Bの開口143とが対向する例を説明したが、これに限らない。例えば、第1貯留部141Aの開口143と第2貯留部141Bの開口143とが対向してなくてもよい。この場合、供給部140は、第1貯留部141Aの状態を切り替える切替部142と、第2貯留部141Bの状態を切り替える切替部142とをさらに備える。第1貯留部141Aの状態を切り替える切替部142は、第1貯留部141Aと排出口144とが連通する状態と、第1貯留部141Aと排出口144とが連通しない状態との間で第1貯留部141Aの状態を切り替える。また、第2貯留部141Bの状態を切り替える切替部142は、第2貯留部141Bと排出口144とが連通する状態と、第2貯留部141Bと排出口144とが連通しない状態との間で第2貯留部141Bの状態を切り替える。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、加湿フィルタユニット及び加湿装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0119】
13 :加湿フィルタユニット
15 :回転軸
19 :水槽
30 :検知部
100 :加湿装置
131 :保持部
131a :枠体
131e :収容部
133 :加湿フィルタ
140 :供給部
141 :貯留部
141A :第1貯留部
141B :第2貯留部
142 :切替部
143 :開口
143A :開口
143B :開口
144 :排出口
145 :汲上口
301 :被検知部材
AX :回転軸線
R1 :第1回転方向
R2 :第2回転方向
W :水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10