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特許7584985ガスタービンエンジン用のケーシングの内面にスロットを機械加工するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジン用のケーシングの内面にスロットを機械加工するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20241111BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20241111BHJP
   F01D 25/24 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
F02C7/00 D
F01D25/00 X
F01D25/24 D
F01D25/24 R
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020174589
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2021071113
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】16/668,846
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】カート・クラマー・シュレイフ
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン・グーベルマン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・デイビッド・エリス
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・デイビット・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・グロール
(72)【発明者】
【氏名】ロマン・ステファン・ペーター
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第7029371(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0185570(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 1/00- 9/00
F01D 1/00-25/36
F02C 1/00- 9/58
F23R 3/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(11)用のケーシング(42)の内面にスロット(45)を機械加工するためのミリング装置(7496134)であって、当該ミリング装置(74,96,134)が、
前記ケーシング(42)の前記内面上の構造的特徴(66)と係合し、前記ケーシング(42)の長手方向軸(36)に対する当該ミリング装置(7496134)の軸方向位置を維持するように構成された複数の構造ガイド(88132)を備えるフレームアセンブリ(7698136)と、
前記フレームアセンブリ(7698136)に結合されたミリングカッタ(78100138)と
を備えており
当該ミリング装置(7496134)、前記長手方向軸(36)に対して円周方向(34)に変位し、前記ミリングカッタ(78100138)を介して、前記円周方向(34)に前記ケーシング(42)の前記内面に沿って前記スロット(45)を機械加工するように構成されており、
前記フレームアセンブリ(76,98,136)が、一対のバー(148)に結合された一対のレール(150,152)を備えており、前記一対のレール(150,152)の各レール(150,152)の位置が、前記一対のバー(148)の長さに沿って調整可能である、ミリング装置(7496134)。
【請求項2】
前記複数の構造ガイド(88132)の各構造ガイド(88132)の断面が、L字形状を有する、請求項1に記載のミリング装置(7496134)。
【請求項3】
前記フレームアセンブリ(7698136)、サイズが調整可能であり、構造ガイド(88132)の異なるセットに交換可能に結合されるように構成され、構造ガイド(88132)の各異なるセット、前記ケーシング(42)の前記内面上で、異なるサイズ、形状又はそれらの組み合わせの構造的特徴(66)と係合するように構成される、請求項1に記載のミリング装置(7496134)。
【請求項4】
前記フレームアセンブリ(7698136)に結合されたプレート(158)を備え、前記ミリングカッタ(78100138)、前記プレート(158)を介して前記フレームアセンブリ(7698136)に結合される、請求項1に記載のミリング装置(7496134)。
【請求項5】
前記プレート(158)上の前記ミリングカッタ(78100138)の位置、前記ケーシング(42)の前記長手方向軸(36)に対して軸方向(30)に調整可能である、請求項に記載のミリング装置(7496134)。
【請求項6】
ガスタービンエンジン(11)のケーシング(42)の内面と連係するように構成され、前記ケーシング(42)の前記長手方向軸(36)に垂直な方向に支持力を提供し、前記長手方向軸(36)に対して円周方向(34)への当該ミリング装置(7496134)の移動を可能にするベアリング支持体をさらに備えており
前記ベアリング支持体、前記ケーシング(42)の前記内面に面する前記フレームアセンブリ(7698136)の表面上に配置される、請求項1に記載のミリング装置(7496134)。
【請求項7】
前記ベアリング支持体、前記ケーシング(42)の前記長手方向軸(36)に垂直な方向に支持力を提供するように構成された複数のばね荷重ピン(190)を備え、前記複数のばね荷重ピン(190)の各ばね荷重ピン(190)、摩擦がなく、前記円周方向(34)への当該ミリング装置(7496134)の移動を可能にする、請求項に記載のミリング装置(7496134)。
【請求項8】
前記円周方向(34)への当該ミリング装置(7496134)の移動を可能にするローラ(120)を備える、請求項1に記載のミリング装置(7496134)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、ガスタービンシステムに関し、より具体的には、ガスタービンシステムのケーシングにスロットを機械加工するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、様々な用途で動力を生成するために使用される。典型的には、これらのガスタービンを利用する前に(例えば、発電所で)、試験および検証が実施される。効果的な試験および検証により、ガスタービンならびに発電所の効率および生産性を向上させることができる。しかし、ガスタービンエンジンに対して試験および検証を実施するための機器の設置は、労働集約的であり、時間がかかる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
最初に特許請求する主題の範囲に相応する特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求する主題の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、これらの実施形態は、本主題の可能性がある形態の概要を提供することのみを意図している。実際、本主題は、以下に記載する実施形態に類似してもよく、あるいは異なってもよい様々な形態を包含することができる。
【0004】
一実施形態では、ガスタービンエンジン用のケーシングの内面にスロットを機械加工するためのミリング装置が提供される。ミリング装置は、ケーシングの内面上の構造的特徴と係合し、ケーシングの長手方向軸に対するミリング装置の軸方向位置を維持するように構成された複数の構造ガイドを含むフレームアセンブリを含む。ミリング装置はまた、フレームアセンブリに結合されたミリングカッタを含む。ミリング装置は、長手方向軸に対して円周方向に変位し、ミリングカッタを介して、円周方向にケーシングの内面に沿ってスロットを機械加工するように構成される。
【0005】
別の実施形態では、スレッドミリング装置が提供される。スレッドミリング装置は、フレームアセンブリと、フレームアセンブリに結合されたミリングカッタとを含む。スレッドミリング装置はまた、ガスタービンエンジンのケーシングの内面と連係するように構成され、ケーシングの長手方向軸に垂直な方向に支持力を提供し、長手方向軸に対して円周方向へのスレッドミリング装置の移動を可能にするベアリング支持体を含む。スレッドミリング装置は、円周方向に変位し、ミリングカッタを介して、円周方向にケーシングの内面に沿ってスロットを機械加工するように構成される。
【0006】
さらなる実施形態では、ガスタービンエンジン用のケーシングの内面にスロットを機械加工するためのミリングシステムが提供される。ミリングシステムは、フレームアセンブリと、ミリングカッタとを含むスレッドミリング装置を含む。スレッドミリング装置は、ケーシングの長手方向軸に対して円周方向に変位し、ミリングカッタを介して、円周方向にケーシングの内面に沿ってスロットを機械加工するように構成され、フレームアセンブリは、構造ガイドの異なるセットに交換可能に結合されるように構成される。構造ガイドの各セットは、異なるサイズ、形状、またはそれらの組み合わせを含み、スレッドミリング装置がケーシングの内面上の異なる構造的特徴と係合し、ケーシングの長手方向軸に対するミリング装置の軸方向位置を維持することを可能にする。ミリングシステムはまた、構造ガイドの異なるセットを含む。
【0007】
本主題のこれらの、ならびに他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解されよう。添付の図面では、図面の全体にわたって、類似する符号は類似する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】空気力学測定システムを有するタービンシステムの一実施形態のブロック図である。
図2】空気力学測定システムを備えた、図1に示されるタービンシステムの一実施形態の断面側面図である。
図3】複数の円周方向トラックを有するガスタービンエンジン用のケーシング(例えば、圧縮機ケーシング)の一部の内面の一実施形態の斜視図である。
図4図3の線4-4内にある、ケーシングの内面に埋め込まれた円周方向トラックの一部の一実施形態の斜視図である。
図5】ケーシングの内面に沿ってスロットを機械加工するために利用されているミリングシステムの一実施形態の側面概略図である。
図6】ケーシングの内面に沿ってスロットを機械加工するために利用されているミリング装置の一実施形態の斜視図である。
図7図6のスロットを機械加工するために利用されているミリング装置の上面斜視図である。
図8図6のスロットを機械加工するために利用されているミリング装置の側面断面図である。
図9】ケーシングの内面に沿ってスロットを機械加工するために利用されているミリング装置の一実施形態の正面斜視図である。
図10図9のスロットを機械加工するために利用されているミリング装置の背面斜視図である。
図11図9のスロットを機械加工するために利用されているミリング装置の側面図である。
図12図9のミリング装置の一部の(例えば、構造ガイドの)側面図である。
図13】ミリング装置を利用して、ケーシングの内面に沿ってスロットを機械加工するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つまたは複数の具体的な実施形態を、以下に記載する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供しようと努力しても、実際の実施態様のすべての特徴を本明細書に記載することができるというわけではない。エンジニアリングまたは設計プロジェクトなどの実際の実施態様の開発においては、開発者の特定の目的を達成するために、例えばシステム関連および事業関連の制約条件への対応など実施態様に特有の決定を数多くしなければならないし、また、これらの制約条件は実施態様ごとに異なる可能性があることを理解されたい。さらに、このような開発努力は、複雑で時間がかかるが、それでもなお本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作、および製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
【0010】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a、an)」、「この(the)」、および「前記(said)」は、その要素が1つまたは複数存在することを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外にもさらなる要素が存在してもよいことを意味する。
【0011】
本開示の実施形態は、ガスタービンエンジンのケーシング(例えば、圧縮機ケーシング)の内面または直径にスロット(例えば、円周方向スロット)をミリングするためのミリングシステムを含む。スロットは、ケーシングまたはガスタービンエンジンの長手方向軸に対して円周方向に延びる。スロットは、ガスタービンエンジンの動作を検証するための測定システム(例えば、複数のセンサを有する)を受け入れるための空洞を画定する円周方向トラックを受け入れるように構成される。ミリングシステムは、フレームアセンブリと、フレームアセンブリに結合されたミリングカッタ(例えば、エンドミルカッタまたはビット)とを含むミリング装置またはツール(例えば、スレッド型のミリング装置またはツール)を含む。フレームアセンブリは、ケーシングの内面上の構造的特徴(例えば、圧縮機ステータベーンを保持するためのスロットを画定する構造的特徴(例えば、突起部)上のスロットまたは保持ローブ)と係合し、長手方向軸に対するミリング装置の軸方向位置を維持するように構成された構造ガイドを含むか、またはそれに結合される。フレームアセンブリは、構造ガイドの異なるセット(例えば、構造ガイドのサイズおよび/または形状がセット間で異なる)に交換可能に結合されてもよく、構造ガイドの各セットは、異なるサイズおよび/または形状を有するケーシングの内面上の構造的特徴と係合するように設計されている。ミリング装置は、ケーシングの内面に沿って円周方向に(例えば、オペレータによって加えられる力を介して)変位し、ミリングカッタを介してスロットを機械加工するように構成される。特定の実施形態では、ミリング装置は、ケーシングの内面と連係するベアリング支持体を含み、これは、長手方向軸に垂直な方向に支持力を提供しながら、円周方向にスレッドミリング装置の移動を可能にする。ミリング装置のアーキテクチャは、ミリングされる領域の近くにケーシングの特徴を有するガスタービンエンジンの任意のケーシング(例えば、円形または半円形のケーシング)の内面に装置を適合させて利用することを可能にする。ミリング装置はまた、ケーシングの特徴を利用して円周方向スロットを形成するために、ミリングまたは切削ツールの正確な位置合わせを可能にする。ミリング装置は、損傷した、反りのある、または摩耗したケーシングにも利用することができる。加えて、ミリング装置は、小型かつ軽量であるために輸送性が高く、一人で利用してスロットを機械加工することができる。
【0012】
図を参照すると、図1は、ガスタービンエンジン11を有するタービンシステム10の一実施形態のブロック図である。参考までに、ガスタービンエンジン11は、軸方向30(例えば、ガスタービンエンジン11またはケーシング42の長手方向軸36に対して、図2参照)、長手方向軸36に向かう、または長手方向軸36から離れる半径方向32、および長手方向軸36周りの円周方向34に延びることができる。開示されたタービンシステム10は、測定システム13(例えば、空気力学測定システム)を採用し、その設置および使用は、以下でより詳細に説明されるミリングシステムによって可能になる。測定システム13は、ガスタービンエンジン11の動作を検証する際のベースラインデータを提供するために利用される多様な動作パラメータを測定する複数のセンサを有するセンサアセンブリを含み得る。測定システム13は、ガスタービンエンジン11の制御システムとは独立して動作する。センサの数は、数十から数百~数千のセンサの範囲である場合がある。センサの少なくともいくつかは、光学系および/または光ファイバを採用することができる。測定される動作パラメータは、ブレード先端のタイミング(例えば、変位、応力、周波数など)、ブレード先端のクリアランス、温度、動圧、静圧、ロータ振動、ストール検出、およびロータ速度を含み得る。
【0013】
センサアセンブリは、ガスタービンエンジン11のケーシング(例えば、圧縮機ケーシング)の内面または直径に沿った円周方向スロット内に埋め込まれた円周方向トラックによって画定された空間または空洞内に配置される。円周方向トラックおよびスロットは、ガスタービンエンジン11の長手方向軸36に対して円周方向34に延びる。特定の実施形態では、ケーシングは、軸方向30において互いに間隔を置いて配置された複数の円周方向トラック(および円周方向スロット)を含み得る。特定の実施形態では、測定システム13は、各々が複数のセンサを有する複数のセンサアセンブリを含んでもよく、センサアセンブリは、複数の円周方向トラックに挿入することができる。
【0014】
円周方向スロットは、埋め込まれたセンサトラックシステムを受け入れるために特定のプロファイルを有することが必要である。ミリング装置を含むミリングシステム(例えば、スレッド型のミリングシステム)を利用して、円周方向スロットを機械加工する。ミリング装置は、ミリング装置用のサポートとミリング装置の経路用のガイドの両方として、ミリングまたは機械加工される領域の近くのケーシングの内面上にある既存のケーシング構造的特徴(例えば、圧縮機ステータベーンを保持するための保持ローブまたはスロットを画定する突起部)を利用する。ミリング装置は、フレームアセンブリと、フレームアセンブリに結合されたミリングカッタ(例えば、エンドミルカッタまたはビット)とを含む。ミリング装置で利用されるカッタのタイプは、交換可能である。フレームアセンブリは、ケーシングの内面上の構造的特徴と係合し、長手方向軸に対するミリング装置の軸方向位置を維持するように構成された構造ガイドを含むか、またはそれに結合される。フレームアセンブリは、構造ガイドの異なるセット(例えば、構造ガイドのサイズおよび/または形状がセット間で異なる)に交換可能に結合されてもよく、構造ガイドの各セットは、異なるサイズおよび/または形状を有するケーシングの内面上の構造的特徴と係合するように設計されている。したがって、ミリング装置を利用して、異なるタイプのスロットプロファイルを形成することができる。ミリング装置の適応性により、装置は、損傷した、反りのある、または摩耗したケーシングに利用することが可能である。加えて、ミリング装置は、ケーシングの内面に沿って円周方向に(例えば、オペレータによって加えられる力を介して)変位し、ミリングカッタを介してスロットを機械加工するように構成される。特定の実施形態では、ミリング装置は、ケーシングの内面と連係するベアリング支持体を含み、これは、長手方向軸に垂直な方向に支持力を提供しながら、円周方向にスレッドミリング装置の移動を可能にする。ミリング装置は、任意のタイプの円形または半円形のケーシング(例えば、圧縮機ケーシング、タービンケーシングなど)で利用されてもよい。
【0015】
タービンシステム10は、タービンシステム10を駆動するために、天然ガスおよび/または合成ガスなどの液体またはガス燃料を使用することができる。図示のように、1つまたは複数の燃料ノズル12は、燃料供給14を取り込み、燃料を空気と部分的に混合して燃料および空気-燃料混合物を燃焼器16に分配し、そこで燃料と空気との間でさらなる混合が行われる。空気-燃料混合物は、燃焼器16内の燃焼室において燃焼することで、高温の加圧された排気ガスを生成する。燃焼器16は、排気ガスをタービン18を通して排気出口20に向けて送る。排気ガスがタービン18を通過すると、ガスはタービンブレードに力を与え、タービンシステム10の軸に沿ってシャフト22を回転させる。示されるように、シャフト22は、圧縮機24を含むタービンシステム10の様々な構成要素に接続される。圧縮機24はまた、シャフト22に結合されたブレードを含む。シャフト22が回転すると、圧縮機24内のブレードも回転し、それによって吸気口26から圧縮機24を通る空気を圧縮し、燃料ノズル12および/または燃焼器16に送る。シャフト22はまた、負荷28に接続されてもよく、負荷28は、例えば、発電プラント内の発電機または航空機のプロペラなどの車両または静止負荷であってもよい。負荷28は、タービンシステム10の回転出力によって動力が供給され得る任意の適切な装置を含んでもよい。
【0016】
図2は、図1に示されるガスタービンエンジン11の一実施形態の断面側面図である。ガスタービンエンジン11は、長手方向軸36を有する。動作中、空気は、吸気口26を通ってガスタービンエンジン11に入り、圧縮機24内で加圧される。次に、圧縮空気は、燃焼器16内で燃焼するためにガスと混合する。例えば、燃料ノズル12は、燃料-空気混合物を、最適な燃焼、排出量、燃料消費、および動力出力ために適切な比率で燃焼器16に噴射することができる。燃焼は、高温の加圧された排気ガスを生成し、これは次にタービン18内のタービンブレード38を駆動してシャフト22を回転させ、したがって、圧縮機24および負荷28を回転させる。タービンブレード38の回転は、シャフト22の回転を引き起こし、それによって圧縮機24内のブレード40(例えば、圧縮機ブレード)は、吸気口26によって受け取られた空気を引き込んで加圧する。
【0017】
図示のように、ケーシング42(例えば、圧縮機ケーシング)が、圧縮機24のブレード40(およびステータベーン)を取り囲んでいる。ケーシング42は、圧縮機24の内部を画定するために長手方向軸36の周りに完全に互いに延びる複数のセクション(例えば、2つの半体)を含み得る。円周方向トラック44が、ケーシング42の内面または直径46に沿ってスロット45内に埋め込まれている。測定システム13は、円周方向トラック44とケーシング42の内径46との間に画定された空間または空洞内に配置された複数のセンサを有するセンサアセンブリ48を含む。円周方向トラック44は、ステータベーンの列(図示せず)の間に軸方向30に配置され、それにより円周方向トラック44、およびしたがって、センサアセンブリ48のセンサは、回転ブレード40の平面内にある(かつ回転ブレード40と軸方向30に整列する)。円周方向トラック44は、ケーシング42の内径46の周りの少なくとも一部を円周方向34に延びる。特定の実施形態では、円周方向トラック44は、ケーシング42の内径46全体の周りに延びる。
【0018】
図3は、複数の円周方向トラック44を有するガスタービンエンジン11用のケーシング42(例えば、圧縮機ケーシング)の一部の内面46の一実施形態の斜視図である。ステータベーンおよびそれらを受け入れるためのそれぞれのスロットは、示されていない。特定の実施形態では、円周方向トラック44の数は、ブレード40の段の数に対応し得る。他の実施形態では、円周方向トラック44の数は、ブレード40の段の数よりも少なくても多くてもよい。図示のように、円周方向トラック44は、長手方向軸36に対して互いに間隔を置いて軸方向30に配置される。上述のように、円周方向トラック44は、ステータベーンの列の間に軸方向30に配置され、それにより円周方向トラック44、およびしたがって、センサアセンブリ48のセンサは、回転ブレード40の平面内にある(かつ回転ブレード40と軸方向30に整列する)。円周方向トラック44は、ケーシング42の内径46の周りの少なくとも一部を円周方向34に延びる。特定の実施形態では、円周方向トラック44は、ケーシング42の内径46全体の周りに延びる。
【0019】
特定の実施形態では、円周方向トラック44は、円周方向トラック52で図示されるような単一のセグメント50である。他の実施形態では、円周方向トラック44は、円周方向トラック54で図示されるような複数のセグメント50を含み得る。各円周方向トラック44は、センサアセンブリ48が円周方向トラック44およびケーシング42の内径46によって画定された空間内に適切に挿入されたとき、センサアセンブリ48のセンサが圧縮機24の内部に(例えば、ブレード40に)面することを可能にする開口部56を含む。開口部56は、特定のセンサ用のサイズであるより大きな開口部58およびより小さな開口部60を含むことができる。特定の実施形態では、開口部56は、円周方向34または軸方向30に整列され得る。図4に図示のように、空間または空洞62が、円周方向トラック44とケーシング42の内面46との間に画定される。センサアセンブリ48は、空間または空洞62に挿入され、かつ/またはそこから取り外すことができる。
【0020】
図5は、ケーシング42の内面46に沿ってスロット45を機械加工するために利用されているミリングシステム64(例えば、機械加工システム)の一実施形態の側面概略図である。図示のように、ケーシング42の内面46は、構造的特徴66を含む。これらの構造的特徴は、突起部70の間に画定されたステータベーン(例えば、圧縮機ステータベーン)を保持するために円周方向34に延びるスロット68を含む。突起部70は、スロット68内にステータベーンを保持するのに利用される保持ローブ、スロット、または凹部72を含む。これらの構造的特徴66は、サイズ、形状、または互いの間の間隔が異なり得る。ミリングシステム64は、スロット45を機械加工する際のミリングシステム64の支持とガイドの両方において構造的特徴66を利用する。
【0021】
ミリングシステム64は、スロット45(例えば、突起部70内)を機械加工(例えば、ルーティング、研削、ミリングなど)するためのミリング装置またはツール74を含む。ミリング装置74は、フレームアセンブリ76と、フレームアセンブリ76に結合され、スロット45を機械加工するミリングカッタまたはビット78(例えば、エンドミルカッタ)とを含む。ミリング装置74は、異なるミリングカッタ(例えば、荒削りエンドミル、仕上げエンドミル、スクエアエンドミル、ボールエンドミルなど)に交換可能に結合することができる。ミリングカッタ78は、電源(図示せず)に結合された電気モータドライブに結合され得る。図示のように、フレームアセンブリ76は、プレート80と、プレート80に隣接する一対のレール82とを含む。プレート80は、一対のレール82(半径方向32に垂直に延びる)に対して水平に配向されている。ミリングカッタ78は、プレート80に結合される。特定の実施形態では、プレート80に沿ったミリングカッタ78の位置は、調整されてもよい(例えば、長手方向軸36に対するミリングカッタ78の軸方向位置を変更するために)。フレームアセンブリ76は、ケーシング42の内面46上の構造的特徴66を考慮してサイズが調整可能である。特に、レール82間の距離84は、突起部70の幅86に対応するように調整可能である。図示のように、ミリング装置74は、突起部70上に延びる。特定の実施形態では、ミリング装置74は、複数の隣接する突起部70の間に延びる。
【0022】
ミリングシステム64は、レール82に結合された構造ガイド88を含む。構造ガイド88は、突起部70上の構造的特徴66(例えば、保持ローブ72)と係合し、ミリング装置74の軸方向位置(例えば、長手方向軸36に対して)を維持するように構成される。図示のように、構造ガイド88は、レール82の内面90上に配置され、同じ突起部70の対向する側上に配置された保持ローブ72と係合する。特定の実施形態では、構造ガイド88は、レール82の外面またはフレームアセンブリ76の別の部分上に配置され、異なる突起部70上でそれぞれの保持ローブ72と係合することができる(例えば、異なる突起部70が、スロット45が機械加工される突起部70に隣接する場合)。ミリングシステム64は、構造ガイド88の異なるセットを含み得る。構造ガイド88の各セットは、異なるサイズおよび/または形状の異なる構造的特徴66に合わせて特別に成形またはサイズ設定されてもよい。ミリング装置74は、構造ガイド88の異なるセットに交換可能に結合することができる。これにより(フレームアセンブリ76の調整可能性と共に)、ミリング装置74は、任意のタイプの円形または半円形のケーシング42(損傷した、反りのある、または摩耗した内面46を有するものを含む)上の異なる構造的特徴66に結合することが可能になる。
【0023】
ミリング装置74はまた、ケーシング42の内面46(例えば、突起部70の上部)と連係する(例えば、接触する)摩擦なし支持構造(frictionless support structures)92を含む。特定の実施形態では、摩擦なし支持構造92は、ベアリング支持体として機能する。摩擦なし支持構造92は、長手方向軸36に垂直な方向(例えば、半径方向32)に支持力を提供する。加えて、摩擦なし支持構造92は、オペレータによって加えられた力に応じて、ケーシング42の内面46に沿って円周方向34での移動(矢印94によって示される)を可能にする。したがって、ミリング装置74は、スレッド型のミリング装置として機能する。ミリング装置74が小型かつ軽量であるため、ミリング装置74は、一人で利用してスロット45を機械加工することが可能である。特定の実施形態では、摩擦なし支持構造92は、ばね荷重摩擦なしピン(spring loaded frictionless pins)(例えば、プラスチック、グラファイト、またはいくつかの他の摩擦なし材料で製作される)を含んでもよい。図示のように、摩擦なし支持構造92は、プレート80の底部から延びる。他の実施形態では、摩擦なし支持構造92は、フレームアセンブリ76の別の部分(例えば、レール82)から延びることができる。
【0024】
図6図8は、ケーシング42の内面46に沿ってスロット45を機械加工するために利用されているミリング装置96を図示する。ケーシング42およびその特徴は、図5を参照して説明した通りである。ミリング装置96は、フレームアセンブリ98と、フレームアセンブリ98に結合され、スロット45を機械加工するミリングカッタまたはビット100(例えば、エンドミルカッタ)とを含む。ミリング装置96は、異なるミリングカッタ(例えば、荒削りエンドミル、仕上げエンドミル、スクエアエンドミル、ボールエンドミルなど)に交換可能に結合することができる。ミリングカッタ100は、ハウジング102内に配置された電源(図示せず)に結合された電気モータドライブに結合され得る。
【0025】
フレームアセンブリ98は、半径方向32に垂直に配向されたプレートまたはブラケット104を含む。ミリング装置96は、プレート106を介して支持プレート104に結合される。一対の支持アームまたはレール108は、一対のそれぞれの支持ブラケット110を介してプレート104に結合される。支持アーム108は、締結具111(例えば、ボルト)を介して支持ブラケット110に結合される。支持アーム108および支持ブラケット110は、ミリングカッタ100に隣接し、プレート104から離れて延びる。支持ブラケット110は、締結具(図示せず)を介して、プレート106に隣接するプレート104内のそれぞれのスロット112に結合される。支持アーム108間の幅または距離114は、スロット112に沿った軸方向30における支持アーム108の位置を変更することによって調整することができる。支持アーム108はまた、支持アーム108の位置を支持ブラケット110に対して半径方向32に調整することを可能にし、したがって、ミリングカッタ100の垂直位置およびスロット45の深さ118を変更することを可能にするスロット116を含む。
【0026】
各支持アーム108は、ローラ120に結合される。それぞれのローラ120は、支持アーム108の各端部122の対向する内面に結合される。各支持ブラケット110は、支持構造126に結合される。支持構造126は、長手方向軸36に垂直な方向(例えば、半径方向32)に支持力を提供する。各支持構造126は、ステム部分128と、端部部分130とを含む。ステム部分128は、支持構造126内の凹部131内で半径方向32に移動し、支持構造126が(例えば、軸方向における)ケーシング42の内面46に沿った構造的特徴66の高さの差に調整することを可能にするように構成される。図8に図示のように、支持構造126は、突起部70上の隣接する保持ローブ72間の高さの差に対応するために、異なる長さでそれらのそれぞれの支持ブラケット110から延びる。端部部分130は、保持ローブ72内に係合または嵌合するフランジまたは構造ガイド132を含む。フランジ132は、ミリング装置96が長手方向軸36に対して軸方向位置を維持することを可能にする。端部部分130は、摩擦がない。摩擦なし端部部分(frictionless end portions)130は(ローラ120と共に)、オペレータによって加えられた力に応じて、ケーシング42の内面46に沿って円周方向34での移動を可能にする。したがって、ミリング装置96は、スレッド型のミリング装置として機能する。ミリング装置96は、端部部分130の異なるセットに交換可能に結合することができる。端部部分130の各セットは、異なるサイズおよび/または形状の構造的特徴66と係合するように特別に成形またはサイズ設定された構造ガイド132を含み得る。これにより(フレームアセンブリ98の調整可能性と共に)、ミリング装置96は、任意のタイプの円形または半円形のケーシング42(損傷した、反りのある、または摩耗した内面46を有するものを含む)上の異なる構造的特徴66に結合することが可能になる。
【0027】
図9図12は、ケーシング42の内面46に沿ってスロット45を機械加工するために利用されているミリング装置134を図示する。ケーシング42およびその特徴は、図5を参照して説明した通りである。ミリング装置134は、フレームアセンブリ136と、フレームアセンブリ136に結合され、スロット45を機械加工するミリングカッタまたはビット138(例えば、エンドミルカッタ)とを含む。ミリング装置134は、異なるミリングカッタ(例えば、荒削りエンドミル、仕上げエンドミル、スクエアエンドミル、ボールエンドミルなど)に交換可能に結合することができる。ミリングカッタ138は、ハウジング140内に配置された電源(図示せず)に結合された電気モータドライブに結合され得る。ミリング装置134は、オペレータが円周方向34にミリング装置を変位させるための1つまたは複数のハンドル142を含むことができる。ハンドル142の1つは、ミリングカッタ138を作動させるためのアクチュエータ144(例えば、トリガ)を含み得る。ミリング装置134はまた、スロット45の機械加工を検査するための計装器146を含み得る。
【0028】
フレームアセンブリ136は、一対のバー148と、締結具154、156(例えば、ボルト)を介してバー148に結合された(例えば、クランプされた)第1の対のレール150および第2の対のレール152とを含む。バー148は、軸方向30に延び、レール150、152は、円周方向34に延びる。第1の対のレール150は、第2の対のレール152に隣接している。レール150、152は、バー148に沿って軸方向30で調整可能である。これにより、フレームアセンブリ136は、ケーシング42の内面46に沿った構造的特徴66に調整することが可能である。
【0029】
プレート158が、締結具160(例えば、ボルト)を介して第1の対のレール150に結合される。プレート162が、締結具166(例えば、ボルト)を介してプレート158に締結されたブラケット164を介してプレート158に結合される。ミリングカッタ138は、プレート158、162の両方を通って延びるハウジング140内のドライブ(図示せず)に結合される。ミリングカッタ138は、プレート158上のスロット168内に配置される。スロット168は、軸方向30に延びる。各プレート158、162は、それぞれのねじ付きレセプタクル170、172に結合される。ねじ付きレセプタクル170、172は、軸方向30で互いに垂直に整列する。アクチュエータ174(例えば、ノブねじ)は、レセプタクル170、172を通って延びる。アクチュエータ174は、ノブ176と、ねじ付き部分178とを含む。ねじ付き部分178は、レセプタクル170、172のねじ付き部分内で連係する。アクチュエータ174の作動(例えば、回転)は、軸方向30におけるプレート158に対するプレート162の位置を調整し、これは、スロット168内のミリングカッタ138の軸方向位置を調整する。
【0030】
図10に示すように、ミリング装置134は、レール152に結合された構造ガイド180を含む。各レール152上の構造ガイド180の数は、異なってもよい(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の構造ガイド180)。構造ガイド180は、突起部70上の構造的特徴66(例えば、保持ローブ72)と係合し、ミリング装置134の軸方向位置(例えば、長手方向軸36に対して)を維持するように構成される。構造ガイド180は、締結具184(例えば、ボルト)を介してレール152に結合されたブラケット支持体182にそれぞれ結合される。図示のように、構造ガイド180は、レール82の外面186上に配置され、スロット45が機械加工される突起部70に隣接する突起部70上に配置された保持ローブ72と係合する。図示のように、構造ガイド180は、L字形状を有する。ミリング装置134は、構造ガイド180の異なるセットに交換可能に結合され得る。構造ガイド180の各セットは、異なるサイズおよび/または形状の異なる構造的特徴66に合わせて特別に成形またはサイズ設定されてもよい。これにより(フレームアセンブリ136の調整可能性と共に)、ミリング装置は、任意のタイプの円形または半円形のケーシング42(損傷した、反りのある、または摩耗した内面46を有するものを含む)上の異なる構造的特徴66に結合することが可能になる。
【0031】
ミリング装置134はまた、(例えば、スロット68内で)ケーシング42の内面46と連係する(例えば、接触する)摩擦なし支持構造188を含む。摩擦なし支持構造188は、ばね荷重摩擦なしピン190(例えば、プラスチック、グラファイト、またはいくつかの他の摩擦なし材料で製作される)である。図示のように、摩擦なし支持構造188は、レール152の底面192から延びる。摩擦なし支持構造188は、長手方向軸36に垂直な方向(例えば、半径方向32)に支持力を提供する。加えて、摩擦なし支持構造188は、摩耗を補償するものである。特に、ばね荷重摩擦なしピン190のばねは、システムのセットアップまたは精度を変更することなく、摩擦なし支持構造188が摩耗または消費されることを可能にする。さらに、摩擦なし支持構造188は、オペレータによって加えられた力に応じて、ケーシング42の内面46に沿って円周方向34での移動を可能にする。したがって、ミリング装置134は、スレッド型のミリング装置として機能する。ミリング装置134が小型かつ軽量であるため、ミリング装置134は、一人で利用してスロット45を機械加工することが可能である。
【0032】
図13は、ミリング装置(例えば、ミリング装置74、96、134)を利用して、ガスタービンエンジンのケーシングの内面に沿ってスロットを機械加工するための方法194のフローチャートである。方法194は、構造ガイドをミリング装置のフレームアセンブリ上に結合することを含む(ブロック196)。上記のように、構造ガイドは、ミリング装置がガスタービンエンジンのケーシングの内面上の構造的特徴と係合し、ミリング装置の軸方向位置(例えば、ケーシングの長手方向軸に対して)を維持することを可能にする。特定の実施形態では、構造ガイドがミリング装置に既に結合されている場合、構造ガイドは、異なるサイズおよび/または形状を有する別のセットの構造ガイドに交換することができる。方法194はまた、フレームアセンブリのサイズを調整し、内面の構造的特徴を利用してミリング装置をケーシングの内面に取り付けることを含む(ブロック198)。方法194は、ミリング装置を利用して、ケーシングの内面にスロットを機械加工することをさらに含む(ブロック200)。ミリング装置は、ケーシングの内面の周りに円周方向に押される。
【0033】
開示された実施形態の技術的効果は、ガスタービンエンジンのケーシングの内面に沿って円周方向スロットを機械加工するように構成されたミリング装置を提供することを含む。ミリング装置のアーキテクチャは、ミリングされる領域の近くにケーシングの特徴を有するガスタービンエンジンの任意のケーシング(例えば、円形または半円形のケーシング)の内面に装置を適合させて利用することを可能にする。ミリング装置はまた、ケーシングの特徴を利用して円周方向スロットを形成するために、ミリングまたは切削ツールの正確な位置合わせを可能にする。ミリング装置は、損傷した、反りのある、または摩耗したケーシングにも利用することができる。加えて、ミリング装置は、小型かつ軽量であるために輸送性が高く、一人で利用してスロットを機械加工することができる。
【0034】
本明細書は、開示される主題を最良の態様を含めて開示すると共に、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる関連の方法の実施を含む開示される主題の実践を当業者にとって可能にするために、実施例を使用している。開示される主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差異を有さない等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0035】
10 タービンシステム
11 ガスタービンエンジン
12 燃料ノズル
13 測定システム
14 燃料供給
16 燃焼器
18 タービン
20 排気出口
22 シャフト
24 圧縮機
26 吸気口
28 負荷
30 軸方向
32 半径方向
34 円周方向
36 長手方向軸
38 タービンブレード
40 回転ブレード
42 ケーシング
44 円周方向トラック
45 スロット
46 内面、直径、内径
48 センサアセンブリ
50 セグメント
52 円周方向トラック
54 円周方向トラック
56 開口部
58 より大きな開口部
60 より小さな開口部
62 空間、空洞
64 ミリングシステム
66 構造的特徴
68 スロット
70 突起部
72 保持ローブ、スロット、凹部
74 ミリング装置、ツール
76 フレームアセンブリ
78 ミリングカッタ、ビット
80 プレート
82 レール
84 距離
86 幅
88 構造ガイド
90 内面
92 摩擦なし支持構造
94 矢印
96 ミリング装置
98 フレームアセンブリ
100 ミリングカッタ、ビット
102 ハウジング
104 ブラケット、支持プレート
106 プレート
108 支持アーム、レール
110 支持ブラケット
111 締結具
112 スロット
114 距離
116 スロット
118 深さ
120 ローラ
122 端部
126 支持構造
128 ステム部分
130 摩擦なし端部部分
131 凹部
132 フランジ、構造ガイド
134 ミリング装置
136 フレームアセンブリ
138 ミリングカッタ、ビット
140 ハウジング
142 ハンドル
144 アクチュエータ
146 計装器
148 バー
150 第1の対のレール
152 第2の対のレール
154 締結具
156 締結具
158 プレート
160 締結具
162 プレート
164 ブラケット
166 締結具
168 スロット
170 ねじ付きレセプタクル
172 ねじ付きレセプタクル
174 アクチュエータ
176 ノブ
178 ねじ付き部分
180 構造ガイド
182 ブラケット支持体
184 締結具
186 外面
188 摩擦なし支持構造
190 ばね荷重摩擦なしピン
192 底面
194 方法
196 ブロック
198 ブロック
200 ブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13