(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】黒鉛材料の黒鉛フレークを丸み付けするための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B01J 2/00 20060101AFI20241111BHJP
B07B 1/22 20060101ALI20241111BHJP
B07B 1/46 20060101ALI20241111BHJP
C01B 32/21 20170101ALI20241111BHJP
H01M 4/587 20100101ALN20241111BHJP
【FI】
B01J2/00 A
B07B1/22 B
B07B1/22 D
B07B1/46 K
C01B32/21
H01M4/587
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020205247
(22)【出願日】2020-12-10
【審査請求日】2021-03-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10 2020 100 907.0
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509107781
【氏名又は名称】ネッチュ トロッケンマールテヒニク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン ジッケル
(72)【発明者】
【氏名】クリスチアン ヘーフェルス
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル ヘルツォーク
【合議体】
【審判長】原 賢一
【審判官】金 公彦
【審判官】増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-066378(JP,A)
【文献】特開2002-233787(JP,A)
【文献】特開平11-028380(JP,A)
【文献】特公昭50-021695(JP,B2)
【文献】独国特許出願公開第19520325(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 2/00- 2/30
B02C 1/00- 7/18
B02C 15/00-17/24
C01B 32/00-32/991
H01M 4/00- 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒鉛材料(GM)を丸み付けするための装置(1)であって、該装置(1)が、・前記黒鉛材料(GM)を、前記装置(1)に供給するための供給手段(3)と、・回転軸線(D)周りで回転方向(DR)に回転するディスク(7)の外周上に配置されると共に、循環回転するよう構成された複数の丸み付け工具(5)と、・少なくとも1個のガイド手段(60)と、
・微細材料及び超微細材料(FM)を分離するための分離手段(10)と、
・前記装置(1)の下側領域から、処理空気を上方に向けて供給する空気供給手段(14)と、
・製品出口(17)と、
を備え、
カバーリング(18)が、前記丸み付け工具(5)上において前記ディスク(7)の上面に平行に配置され、カバーリング(18)により黒鉛材料と丸み付け工具(5)との間で反復的な能動接触を行わせる、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(1)であって、前記カバーリング(18)が、前記ディスク(7)の外周上に配置された前記丸み付け工具(5)の全てにわたって延在している装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置(1)であって、前記黒鉛材料(GM)が、前記少なくとも1個の丸み付け工具(5)に一回又は繰り返し能動接触した後に旋回作用を受け、前記黒鉛材料(GM)が、前記少なくとも1個のガイド手段(60)により、垂直方向に方向転換可能であると共に、旋回作用を受けることなく前記分離手段(10)に送給可能である装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の装置(1)であって、前記各丸み付け工具(5)が、前記回転軸線(D)を指向する側の側面(50)を有し、該側面(50)が、前記回転軸線(D)方向に凸状に形成されているか又は半径(R)を有し、又は前記回転軸線(D)を指向する側の前記側面(50)が、複数の長方形によって形成されている装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の装置(1)であって、前記ガイド手段が、複数のガイド要素(25)及び1個のガイドリング(15)を含み、前記ガイド要素(25)の個数が、前記丸み付け工具(5)の個数よりも少ない装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の装置(1)であって、該装置(1)が
、前記空気供給手段
(14)による供給空気により、前記黒鉛材料(GM)を前記丸み付け工具(5)に対して繰り返し搬送可能であり、前記空気供給手段が、微細材料及び超微細材料(FM)を、丸み付けられた前記黒鉛材料(GM)から分離するよう更に構成されている装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の装置(1)であって、前記分離手段が、分離ホイール(11)を有する空気分離機であり、前記分離ホイールが、前記丸み付け工具(5)を有する前記ディスク(7)の上方に同軸に配置されている装置。
【請求項8】
請求項5又は請求項5に従属する請求項6~7の何れか一項に記載の装置(1)であって、前記ガイド要素(25)が、前記ガイドリング(15)上に配置されたガイドプレートとして構成され、前記ガイドリング(15)が、前記丸み付け工具(5)を有する前記ディスク(7)の上方に静的に配置され、前記各ガイドプレートが、前記丸み付け工具(5)の上方において、前記ディスク(7)に対して垂直であると共に前記ディスク(7)の接線に対しても垂直な平面内に形成され、前記ガイドプレートが、前記垂直な平面の下側領域にて、回転方向(DR)に向けて折り曲げられている装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の装置(1)であって、該装置(1)が、制御手段(20)を更に備え、前記制御手段(20)により、前記供給手段(3)を介した黒鉛材料(GM)の供給が制御可能である装置。
【請求項10】
請求項5又は請求項5に従属する請求項6~9の何れか一項に記載の装置(1)であって、該装置(1)が、製品材料用に前記製品出口(17)に割り当てられた吸引手段(65)を更に備え、該吸引手段(65)の吸引位置が、前記ガイドリング(15)上に直接に設けられ、前記吸引手段(65)が、前記ガイドリング(15)に対して半径方向に延在している装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置(1)であって、前記吸引手段(65)が、可動シリンダ(66)を有するか又は可動シリンダ(66)が前記吸引手段(65)に割り当てられ、前記可動シリンダ(66)が、第1作動位置で前記製品出口(17)を閉鎖する装置。
【請求項12】
黒鉛材料(GM)を丸み付けするための方法であって、
該方法を、請求項1~11の何れか一項に記載の装置(1)内で実施し、
黒鉛材料(GM)を前記装置(1)に供給し、
前記装置(1)の下側領域から、処理空気が上方に向けて供給され、
処理空気流によって搬送された前記黒鉛材料(GM)
は、循環回転するよう構成された複数の丸み付け工具(5)の少なくとも1個に能動接触
することにより、旋回作用を受け、
少なくとも1個のガイド手段により、旋回する黒鉛材料(GM)は、ほぼ垂直上方に向けて方向転換されると共に、旋回作用を受けることなく分離手段に搬送され、
微細材料及び/又は超微細材料は、処理空気に取り込まれて分離手段を介して装置から除去され、
カバーリング(18)により、前記黒鉛材料(GM)を搬送する処理空気流用の移動空間を制限し、前記黒鉛材料(GM)と前記少なくとも1個の丸み付け工具(5)との間の接触回数を増加させる方法。
【請求項13】
請求項
12に記載の方法であって、前記装置(1)の制御手段(20)が、スイッチオフ値に関する情報を含み、所定の前記スイッチオフ値に達したときに、更なる黒鉛材料(GM)の供給を終了し、所定の前記スイッチオフ値を
、駆動部の消費電流に基づいて計算する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の特徴部分に係る、黒鉛材料の黒鉛フレークを丸み付けするための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、黒鉛粉末の製造方法に関し、特にフレーク状黒鉛を丸み付けするための方法に関する。黒鉛は炭素で構成され、天然に存在するが、人工的に製造することもできる。人造黒鉛は、例えば、コーキングによって褐炭又は石炭又は石油から製造され、結晶を生じる。しかしながら、このようにして製造された結晶は、製造工程が多くのステップで行われる場合にのみ均一である。製造工程が多くのステップで行われる場合、コストがかかる。天然黒鉛は、アモルフォス黒鉛、フレーク状黒鉛、又は網目黒鉛として存在すると共に、特に灰色から黒色の六角形結晶を形成し、これら結晶は、原則として積層配置されている。アモルフォス黒鉛は、結晶サイズが小さく人造黒鉛に類似する。
【0003】
黒鉛は、高い耐熱性、極めて優れた電気伝導性及び熱伝導性を特徴とする。黒鉛粉末は、例えば、電池の製造、特に負極材料として使用される。特許文献1(独国特許出願公開第112013005116号明細書)には、リチウム・空気電池における負極用の炭素含有材料が記載されており、その炭素含有材料は、従来の炭素含有材料よりも大きな容量を有する。
【0004】
特許文献2(独国特許出願公開第112016000490号明細書)には、リチウムイオン二次電池における負極材料用の黒鉛粉末を製造する方法が記載されており、この方法は、黒鉛前駆体を粉砕する工程と、粉砕後の黒鉛前駆体とアルカリ性化合物との混合物を2800~3500℃で加熱して黒鉛化処理をする工程とを含む。
【0005】
特定の用途では、丸み付けられた黒鉛フレーク、特に、特定の粒径を有すると共に、好適には均一な丸み形状、とりわけ角や縁を有さない黒鉛粒子が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】独国特許出願公開第112013005116号明細書
【文献】独国特許出願公開第112016000490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、例えば、電池の製造に使用するために丸み付けられた黒鉛粒子を含む黒鉛粉末を、費用効率良く容易に製造可能とする装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、黒鉛材料、特に黒鉛フレークを丸み付けするための独立請求項に記載の特徴を有する装置と、黒鉛材料を丸み付けするための独立請求項に記載の特徴を有する方法とにより解決される。他の有利な構成は、従属請求項に記載した通りである。
【0009】
本発明の装置は、丸み付けすべき黒鉛材料を供給するための供給手段と、循環回転するよう構成された複数の丸み付け工具と、黒鉛材料を丸み付け工具及び/又は分離手段にガイドする少なくとも1個のガイド手段と、後続するステップを妨害し得る微細材料及び超微細材料を分離するための分離手段とを備える。複数の丸み付け工具は、回転軸線周りで回転方向に回転するディスク上に規則的に配置され、特に、回転ディスクの外周に規則的に固定されている。本発明の装置は、少なくとも1つの製品出口を更に備え、その少なくとも1つの製品出口を介して、装置内で処理、特に丸み付けられた黒鉛材料を装置から搬出することができる。更に、カバーリングを、丸み付け工具上に配置することが想定されている。
【0010】
カバーリングは、好適には、ディスクの外周上に配置された丸み付け工具の全てにわたって延在している。カバーリングにより、処理空気の内部流ガイド性が改善され、従って装置内における処理空気内でガイドされる黒鉛材料のガイド性も改善され、特に装置内における黒鉛材料の有利な循環が可能になる。カバーリングにより、粗い黒鉛材料、特に黒鉛フレーク及び/又は既に丸み付けられた黒鉛粒子が丸み付け工具に接触することなく、丸み付け工具にて形成された圧力波によって上方に投げられると共に、丸み付け工具の上方における処理空気によって搬送されることを回避できる。カバーリングにより、特に、粗い黒鉛材料と丸み付け工具との間で反復的な能動接触が強制的に可能になる。これは、カバーリングにより、黒鉛材料をガイド及び/又は搬送する処理空気の移動空間が上方に向けて制限され、黒鉛材料と少なくとも1個の丸み付け工具との間の接触回数が増加するからである。カバーリングにより、特に、黒鉛材料が少なくとも1個の丸み付け工具に能動接触することなく、装置内を循環することが回避される。
【0011】
処理空気流によって搬送された黒鉛材料は、装置における少なくとも1個の丸み付け工具に一回又は繰り返し能動接触することにより、旋回作用を受ける。少なくとも1個のガイド手段により、旋回する黒鉛材料は、ほぼ垂直方向上方に向けて方向転換されると共に、旋回作用をほぼ受けることなく分離手段に搬送される。これにより、分離手段に関して最適な流入流が生じ、従って分離手段に関して高い分離選択性が得られる。
【0012】
処理すべき黒鉛材料用の供給手段は、丸み付け工具を有する回転ディスクの上方に配置されている。回転ディスクは、好適には、円筒状構成要素内に配置され、その円筒状構成要素の長手方向軸線及び回転ディスクの回転軸線は一致している。円筒状構成要素の内側側面は、少なくとも一部が、黒鉛材料用のいわゆる跳ね返り面として構成されている。供給手段によって装置内部に導入された黒鉛材料は、丸み付け工具により、捕捉され、加速され、跳ね返り面に向けてガイドされる。跳ね返り面及び丸み付け工具は、好適には、黒鉛材料が跳ね返り面に搬送される前に、黒鉛材料が異なる角度で丸み付け工具に特に繰り返し衝突するよう構成されている。これにより黒鉛フレークに関して特に有利な変形、特に所望の折り畳みが実現可能である。
【0013】
黒鉛材料が丸み付け工具に対して衝突すると、黒鉛フレークの角が折り畳まれて各黒鉛フレークの芯周りに巻き付けられる。より小さな黒鉛粒子は、凝集してより大きな特に球状粒子を形成する。更に、初期の内部空隙率は、丸み付け中に最小化される。このようにして丸み付けられた黒鉛粒子は、最初の黒鉛フレークよりも小さな表面を有する。これにより、不可逆容量がより小さくなると共に、長寿命化が図られる。丸み付けられた黒鉛粒子の滑らかな表面により、フレーキング又は剥離が回避される。丸み付けられた黒鉛粒子を含む粉末は、より高いタンピング密度、従って特により高いエネルギー密度を有する。丸み付けられた黒鉛粒子を含む粉末は、特にリチウムイオン電池の製造に適している。なぜなら、リチウムイオンは、丸み付けられた黒鉛粒子の間に形成されたキャビティに起因して黒鉛に対してより容易にアクセス可能であり、特に折り畳まれた黒鉛フレークの間の面に蓄積するからである。丸み付けられた黒鉛粒子を含む粉末は、丸み付け後及び電池の製造などに使用する前に、化学的に再度洗浄されると共に、コーティングが施される。
【0014】
分離手段は、例えば、分離ホイールを有する空気分離機として構成可能であり、これにより黒鉛フレークの丸み付け時に生じ得る微細材料及び/又は超微細材料の形態の摩耗粉が丸み付け工程中に除去される。分離手段は、丸み付け工具を有するディスクの上方に配置されている。丸み付け工具を有する回転ディスクの回転軸線及び分離ホイールの回転軸線は、好適には一致している。分離ホイールは、特に、丸み付け工具を有する回転ディスクの上方に同軸に配置されている。装置の下側領域には、処理空気用の供給ノズルが形成されている。処理空気は、特に、上方に供給されて丸み付け領域、特に丸み付け工具に搬送されると共に、ガイド手段によって分離手段に搬送される。装置内には更に、内部循環も生じる。処理空気のこの循環により、黒鉛材料が丸み付け工具に対して繰り返し搬送される。更に、微細材料及び/又は超微細材料は、処理空気に取り込まれて分離手段を介して装置から除去される。
【0015】
一実施形態によれば、各丸み付け工具は、回転軸線を指向する側の側面を有し、その側面は、好適には、回転軸線方向に凸状に形成されているか及び/又は半径を有し、又は複数の長方形によって形成されている。各丸み付け工具は、特に、ディスクの回転軸線を基準とする半径と一致する長手方向軸線を有する。ディスクの回転軸線を指向する側の丸み付け工具の側面は、半径を有するか又は長方形として形成されている。側面は、好適には、半径によって鏡面対称に分割される。ディスクの回転軸線を指向する側面を、凸状形状として、又は半径Rとして、又は互いに角度をなす複数の部分領域を有する長方形として形成すれば、黒鉛材料GMに対する負荷が軽減される。特に、丸み付け工具に関して選択された形状により、黒鉛材料が折り畳み処理にとって有利な90°の角度で衝突する確率が増加する。このように、好適には、黒鉛材料と丸み付け工具との間の各能動接触によって折り畳み処理が生じる。これにより、黒鉛材料は折り畳まれるが、特に粉砕されることはない。これは、常に、丸み付け工具の表面と黒鉛材料との間で中心的な衝撃が生じるからである。
【0016】
一実施形態によれば、隣接する丸み付け工具の間の距離は、丸み付け工具の幅の0.5倍~5倍である。丸み付け工具の幅は、各丸み付け工具が配置された半径に対して直交する方向で特定される。この場合、半径は、特に丸み付け工具が配置されたディスクの回転軸線を基準とする。これに対して、丸み付け工具の長さは、ディスクの回転軸線を基準とする半径によって特定される。距離は、好適には、丸み付け工具の幅の3倍未満であり、特に好適には、丸み付け工具の幅の1.5倍未満である。
【0017】
丸み付け工具の個数は、好適には、丸み付け工具が配置された回転ディスクの円周m当たり、15個~35個である。
【0018】
本発明の装置の一実施形態によれば、ガイド手段は、特に少なくとも1個のガイドリングに配置された複数のガイド要素を含む。この場合、ガイド要素の個数は、丸み付け工具の個数よりも少なくすることが想定可能である。代替的に、ガイド要素の個数は、丸み付け工具の個数に対応するか又は丸み付け工具の個数よりも多くてもよい。供給手段によって供給された黒鉛材料は、ガイドリングに衝突し、その際に分離ホイールを通過するよう搬送されるため、既に存在する微細材料及び/又は超微細材料が作動中の装置から分離される。黒鉛材料はその後、丸み付け用のエネルギーを発生させる丸み付け工具を有する回転ディスクに衝突する。この場合、黒鉛材料は、捕捉され、加速され、跳ね返り面に対して投げ付けられることにより、黒鉛材料が折り畳まれて丸み付けが生じる。
【0019】
黒鉛材料は、好適には、装置内で所定の時間にわたって処理され、特に、丸み付け工具に繰り返し能動接触し、その接触に応じて変形する。この場合に所定の時間は、特に、その時間の経過後に黒鉛材料が電池の製造に有利に使用可能な丸み付けられた黒鉛粒子のみで基本的に構成されるよう定められる。丸み付け工程の完了後、特に、所定の処理時間の経過後、丸み付けられた黒鉛粒子は、製品出口を介して装置から搬出、例えば吸引によって装置から吸い出される。製品の吸引は、好適には、ガイド手段のガイドリングにて直接に行われる。これにより、以前に分離ホイールを通過するよう搬送されて微細材料及び/又は超微細材料が除去された製品だけが装置から搬出される。
【0020】
ガイド要素及びガイドリングを含むガイド手段は、丸み付け工具を有する回転ディスクの上方に配置されている。ガイド手段は、特に、装置内において静的に配置されている。一実施形態によれば、ガイド手段のガイド要素は、ガイドリング上に配置されたガイドプレートとして構成されている。各ガイドプレートは、丸み付け工具の上方において、回転ディスクに対して垂直であると共に回転ディスクの接線に対しても垂直な平面内に部分的に配置及び/又は形成されている。ガイドプレートは、特に、丸み付け工具を有する回転ディスクの回転軸線に対して半径方向に実質的に垂直に延在している。ガイドプレートの下側領域は、好適には、回転ディスクの回転方向に向けて折り曲げられているため、ガイドプレートの折り曲げ領域と垂直領域との間で鈍角が形成されている。折り曲げ領域は、ガイド要素を含むガイド手段の垂直領域に黒鉛粒子の最適で衝突を伴わない進入を可能にする。ガイド要素の折り曲げ領域は、特に、旋回する微細材料及び/又は超微細材料に関して上述した方向転換、即ち回転ディスクに対して垂直方向への方向転換を支援する。この場合、供給された黒鉛材料は、先ず、装置内の空気流によって分離ホイールを通過するよう搬送され、回転ディスクに衝突し、丸み付け工具及び跳ね返り面に向けてガイドされる。
【0021】
一実施形態によれば、黒鉛材料の供給の調整は、本発明の装置における制御手段によって行われる。制御手段により、例えば、丸み付け工具を有する回転ディスクの駆動部、及び/又は、分離手段の駆動部、及び/又は、装置の更なる機械構成要素が制御され、特に、回転ディスク及び/又は分離手段の各速度が制御される。制御手段は、例えば、いわゆるスイッチオフ値に基づいて黒鉛材料の供給を調整することができる。作動中の装置が黒鉛材料で満たされると、駆動部の消費電流が増加する。制御手段は、少なくとも1つのスイッチオフ値に関する情報、特に駆動部の消費電流値に関する情報を含む。規定のスイッチオフ値又は両方の規定のスイッチオフ値に達すると、黒鉛材料の更なる供給が終了する。供給手段は、例えば、バルブを有し、そのバルブは、スイッチオフ値に達したときに制御手段によって作動すると共に、制御信号に基づいて閉鎖され、これにより更なる黒鉛材料が装置内に到達することができなくなる。
【0022】
丸み付け工程中、消費電流値が再び低下する可能性があるため、その測定値によって丸み付け工程の進行に関する情報を得ることができる。一実施形態によれば、特に、消費電流値が第2スイッチオフ値とも称される第2規定消費電流値を下回ったときに、計量及び/又は材料供給を再び開始することが想定可能である。回転ディスク及び/又は分離手段の駆動部は、黒鉛材料が装置内に依然として存在する限り、工程全体にわたってスイッチオフされることはない。代替的に、充填が完了した後、即ち第1スイッチオフ値に達した後、装置は、例えば、予め経験的に特定され、かつ全ての黒鉛フレークの丸み付けが確実に終了している所定の時間にわたって作動させることが想定可能である。スイッチオフ値に基づいて黒鉛材料の供給を制御することにより、装置が過剰に充填されることがなく、特に各製造サイクルにおいて再現可能に均等に充填されることが保証される。
【0023】
丸み付けられた黒鉛粒子が丸み付け工程後に装置から搬出される製品出口は、例えば、製品材料に適した吸引手段を有することができる。吸引手段の吸引位置は、好適には、ガイド手段の内側ガイドリング上に直接に設けられ、製品出口が特にその内側ガイドリングに対して半径方向に延在している。吸引ユニットは、負圧を発生させる。製品を搬出するには、吸引ユニットが開放され、吸引された空気が分離要素、例えばフィルタ付きサイクロン内に搬送される。この場合、丸み付けられた黒鉛粒子を含む製品が吸引空気から分離される。この体積流に関連して、製品は、処理チャンバから空圧で搬送され、装置における処理チャンバ内の製品濃度は、装置内の濃度が完全になくなるまで急速に減少する。この製品搬出工程の間、分離手段による微細材料及び/又は超微細材料の除去、並びに回転ディスク上に配置された丸み付け工具によって黒鉛粒子に及ぼされる作用は、引き続き継続される。
【0024】
吸引ユニットは、好適には、ガイド手段の内側ガイドリングにて直接に吸引位置を有する。吸引ユニットによる製品の搬出は、特に、内側ガイドリングに対して半径方向に行われる。黒鉛材料の丸み付け中、吸引ユニットは、例えば、内側ガイドリングに対して半径方向に延在する可動シリンダによって閉鎖されている。丸み付けられた黒鉛材料を搬出するために、可動シリンダが変位することによって吸引ユニットが開放され、丸み付けられた黒鉛粒子を含む製品・空気混合物が吸引ユニット内に吸引される。
【0025】
処理条件を更に最適化するために、回転ディスク、従って丸み付け工具の移動速度を作動中に変化させられることが想定可能である。例えば、最初に小さな回転速度を選択し、その後の進行中に最大回転速度まで増加させることが想定可能である。代替的に、特定の処理に関しては、最初に大きな速度で開始し、その後の進行中に速度を低下させることが有利な場合もある。本発明の装置は、回転ディスクの(円周に関連して)毎秒60メートル~120メートルの最大速度で作動するのが好適である。
【0026】
本発明に係る装置及び方法により、丸み付けられた黒鉛粒子は、費用効率良く容易に製造可能であると共に、電池の製造に関して最適化されている。この場合に黒鉛フレークは、特に、その角が折り畳まれて黒鉛フレークの芯周りに巻き付けられることによって丸み付けられる。より小さな黒鉛粒子は、凝集することによってより大きな球状粒子を形成することができる。更に、丸み付け時に、黒鉛粒子の内部空隙率は最小化され、そのことも電池の製造にとって有利である。
【0027】
本発明に係る装置は、特に、機械寸法が小さいことにより区別される。特に、微細材料及び/又は超微細材料の形態の摩耗粉が装置内で全く生じないか又は僅かにのみ生じ、直接に除去される。摩耗粉は、特に、丸み付け工程中のみならず、製品搬出前及び搬出中も装置から除去されるため、本発明の装置及び方法により、丸み付けられると共に、少なくともほぼ微細材料を含まない均一な黒鉛材料を特に歩留まり良く得ることができる。本発明の装置及び方法により、特に、均一であると共にほぼ摩耗粉を含まない製品が製造され、その製品は、特に1リットル当たり少なくとも800グラムのタンピング密度を有する。
【0028】
本発明に係る装置に関連して記載した全ての態様及び実施形態は、本発明に係る方法の部分態様にも同様に当てはまる場合があることに留意されたい。従って、明細書又は特許請求の範囲において、本発明に係る装置に関する特定の態様及び/又は関係及び/又は効果について言及される場合、その特定の態様及び/又は関係及び/又は効果は本発明に係る方法にも同様に当てはまる。逆もまた然りであり、本発明に係る方法に関連して記載した全ての態様又は実施形態は、本発明に係る装置の部分態様にも同様に当てはまる場合があることに留意されたい。従って、明細書又は特許請求の範囲において、本発明に係る方法に関する特定の態様及び/又は関係及び/又は効果について言及される場合、その特定の態様及び/又は関係及び/又は効果は本発明に係る装置にも同様に当てはまる。
【0029】
以下、添付図面に基づいて本発明の例示的な実施形態及びその利点を詳述する。図面における個々の要素間の寸法比は、実際の寸法比を必ずしも表すものではない。これは、明瞭性を高める見地から幾つかの要素の形状が簡略表示されており、他の幾つかの要素の形状が拡大表示されているからである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】黒鉛材料の黒鉛フレークを丸み付けするための本発明に係る装置を示す説明図である。
【
図2】
図2A~
図2Eは、黒鉛材料、特に使用される黒鉛フレークを、本発明に係る装置内にて処理中及び処理後の状態で示す説明図である。
【
図3】
図3A~
図3Dは、黒鉛材料の黒鉛フレークを丸み付けするための本発明に係る装置の更なる実施形態を異なる観点で示す説明図である。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、本発明に係る装置における更なる実施形態の内部及び部分領域を異なる観点で示す説明図であり、
図4C及び
図4Dは、跳ね返り面の異なる実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の同一要素又は同一作用を有する要素については、同一参照符号で表すものとする。更に、明瞭性を高める見地から、各図面における参照符号は、各図面の記載にとって必要なものに限定してある。図面における各実施形態は、本発明に係る装置及び方法の単なる例示に過ぎず、限定的なものではない。
【0032】
図1は、黒鉛材料GMの黒鉛フレークGFを丸み付けするための本発明に係る装置1を示す。装置1は、ほぼ直立の円筒部として構成されたハウジング2を備え、そのハウジング2の上側には、黒鉛材料GM、特に黒鉛フレークGFを供給するための供給手段3が配置されている。図示の実施形態において、供給手段3は、特に、ダウンパイプ4として構成されているが、黒鉛材料GMをインジェクター供給部で供給することも想定可能である。
【0033】
黒鉛材料GMは、丸み付け工具5に衝突する。この場合、黒鉛フレークGFの角が折り畳まれて各黒鉛フレークGFの芯周りに巻き付けられる。より小さな黒鉛粒子は、凝集してより大きな特に球状粒子を形成する。更に、初期の内部空隙率は、丸み付け中に最小化される。このようにして丸み付けられた黒鉛粒子vGTは、最初の黒鉛フレークGFよりも小さな表面を有する。これにより、不可逆容量がより小さくなると共に、長寿命化が図られる。丸み付けられた黒鉛粒子vGTの滑らかな表面により、フレーキング又は剥離が回避される。丸み付けられた黒鉛粒子vGTを含む粉末は、より高いタンピング密度、従って高いエネルギー密度を有する。この粉末は、特にリチウムイオン電池の製造に適している。なぜなら、リチウムイオンは、丸み付けられた黒鉛粒子vGTの間に形成されたキャビティを介して黒鉛に対してより容易にアクセス可能であり、特に折り畳まれた黒鉛フレークの間の面に蓄積するからである。丸み付けられた黒鉛粒子を含む粉末は、丸み付け後及び電池の製造などに使用する前に、化学的に再度洗浄されると共に、コーティングが施される。
【0034】
装置1は、好適には、回転移動可能なディスク7上に配置された複数の丸み付け工具5を備える。供給手段3によって装置内部に導入された黒鉛材料GMは、丸み付け工具5により、捕捉され、加速され、跳ね返り面6に対して搬送される。跳ね返り面6は、特に、ハウジング2において円筒状に形成された内側側面21の一領域を構成している。
【0035】
丸み付け工具5は、特に、第1駆動シャフト8を介して第1駆動部9に配置された回転移動可能なディスク7の外周の全周にわたって、互いに一定間隔で配置されている。跳ね返り面6及び丸み付け工具5は、黒鉛材料GMが異なる角度で丸み付け工具5に衝突するよう構成され、これにより黒鉛フレークGFに関して特に有利な変形、特に折り畳みが実現可能である。丸み付け工具5は、特に、異なる衝突角度で粒子の衝突数が可能な限り最大になるよう最適化されている。
【0036】
装置1は、分離手段10、例えば、分離ホイール11を有する空気分離機を備える。黒鉛フレークGFの丸み付け中に、微細材料及び/又は超微細材料FMの形態の摩耗が生じる可能性がある。所望の最終製品EPは、丸み付けられた黒鉛粒子vGTのみを有するのが好適であるため、微細材料及び/又は超微細材料FMは、装置1内で、丸み付けられた黒鉛粒子vGTから直接に分離されて装置1から除去される。分離手段10は、丸み付け工具5を有するディスク7の上方に配置されている。分離ホイール11は、第2駆動シャフト12によって第2駆動部13に接続されている。特に、第1駆動シャフト8及び第2駆動シャフト12は、同軸に配置されている。
【0037】
装置1の下側領域、特に丸み付け工具5を有する回転ディスク7の下方における供給ノズル14を介して、処理空気PLが下方から上方に向けて供給され、丸み付け領域及びガイド要素25を介して分離手段10にガイドされる。この場合に処理空気PLは、微細材料及び/又は超微細材料FMを取り込み、吸引ノズル16を介して装置1から排出される。
【0038】
装置1内において、黒鉛材料GMは、少なくとも1個の丸み付け工具5に少なくとも一回は能動接触し、これにより黒鉛材料GMが旋回作用を受ける。ガイド要素25により、旋回する黒鉛フレークGF、旋回すると共に丸み付けられた黒鉛粒子vGT、並びに旋回する微細材料及び/又は超微細材料FMは、垂直方向、特に回転ディスク7に対して垂直方向に方向転換し、従って旋回作用をほぼ受けることなく分離手段10に到達する。これにより、分離手段10に関して最適な流入流が生じ、従って高い分離選択性が得られる。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、黒鉛材料GMは、供給手段3によって装置1の処理チャンバ40に供給される。黒鉛材料GMは、ガイドリング41に衝突し、分離ホイール11を通過するよう搬送されるため、既に存在する微細粉塵が分離される。黒鉛材料GMはその後、丸み付け用のエネルギーを供給する丸み付け工具5を有するプレート7に衝突する。黒鉛材料GMは、特に、丸み付け工具5を有するディスク7により、捕捉され、加速され、跳ね返り面6に対して衝突される。
図3A及び
図3Dに関連して以下により詳細に説明するように、これら最初の2つのステップが実施される間、製品出口17は閉鎖されている。
【0040】
処理空気及び/又はプロセス空気PLは、供給ノズル14を介して装置1のハウジング2内に到達し、丸み付け工具5を有するディスク7と跳ね返り面6との間に形成されたギャップ45を通って流れる。ギャップ45を通過するときに、空気量流による作用を受けた黒鉛粒子は、ガイドリング41を通って分離ホイール11に直接に送給される。この場合に少なくとも部分的に丸み付けられた黒鉛粒子を含む材料は、内部流により、丸み付け工具5を有するディスク7に戻り、微細粉塵、特に微細材料及び/又は超微細材料FMは、吸引ノズル16を介して処理空気及び/又はプロセス空気PLにより装置1を離れる。
【0041】
丸み付けられた黒鉛粒子vGT(
図2D及び
図2E参照)は、インジェクター供給部に類似する吸引手段により、製品出口17を通って搬出される。この吸引は、リング41の内側で直接に行われる。これにより、以前に分離ホイール11を通過するよう搬送されたことのない黒鉛材料GMは、装置1から取り出されることがない。
【0042】
黒鉛材料GMは、所定の時間にわたって装置内で処理され、特に、回転する丸み付け工具5に繰り返し能動接触し、これにより折り畳まれて丸み付けられた黒鉛粒子vGTに変形する。所定の時間の経過後、黒鉛材料GMの大部分は、丸み付けられた黒鉛粒子vGTのみで構成されていると想定することができる。この段階において、丸み付けられた黒鉛粒子vGTの形態の最終製品は、製品出口17を介して装置1から搬出し、例えば電池の製造に使用することができる。
【0043】
黒鉛材料GMに作用する負荷を、より好適な流れ制御によって更に改善するために、各丸み付け工具5上にカバーリング18を配置することが想定可能である。カバーリング18は、有利には、回転ディスク7の外周に配置された全ての丸み付け工具5上に延在し、丸み付けるべき黒鉛粒子に関して有利な循環が可能になる。これは、装置1内における黒鉛粒子の流れ制御がカバーリング18で最適化されるからである。このカバーリング18により、粗い黒鉛材料GM、特に黒鉛フレークGF及び/又は既に丸み付けられた黒鉛粒子vGTが上方に投げられ、丸み付け工具5に接触することなく装置1内を循環することが回避される。カバーリング18により、特に、丸み付け工具5と粗い黒鉛材料GMとの間で反復的な能動接触が強制的に可能になる。
【0044】
一実施形態によれば、装置1は、制御手段20を更に備える。その制御手段20により、第1駆動部9及び/又は第2駆動部13、従って分離ホイール11の速度及び/又は丸み付け工具5を有するディスク7の速度を、製品要件に応じて調節及び/又は調整することができる。
【0045】
更に、黒鉛材料GMの供給を、いわゆるスイッチオフ値に基づいて調整することが想定可能である。このスイッチオフ値は、特に、装置1自体によって生成される。作動中の装置1に黒鉛材料GMを充填する間、駆動部9,13の消費電流が増加する。制御手段20は、少なくとも1つのスイッチオフ値に関する情報、特に駆動部9,13の消費電流値に関する情報を含む。規定のスイッチオフ値又は両方の規定のスイッチオフ値に達すると、黒鉛材料GMの更なる供給が終了する。供給手段3(
図3A~
図3Cに関する記載も参照)は、例えば、バルブを有し、そのバルブは、スイッチオフ値に達したときに制御手段20によって作動すると共に、制御信号によって閉鎖され、これにより更なる黒鉛材料GMが装置1内に到達することがない。
【0046】
丸み付け工程中、消費電流値が再び低下する可能性があるため、丸み付け工程の進行に関する情報を得ることができる。一実施形態によれば、特に、消費電流値が第2スイッチオフ値とも称される第2規定消費電流値を下回ったときに、計量及び/又は材料供給を再び開始することが想定可能である。駆動部9,13は、黒鉛材料GMが装置1内に存在する限り、スイッチオフされることはない。
【0047】
代替的に、充填が完了した後、即ち第1スイッチオフ値に達した後、装置1は、例えば、予め経験的に特定され、かつ全ての黒鉛フレークGFの丸み付けが確実に終了している所定の時間にわたって作動させることが想定可能である。
【0048】
スイッチオフ値によって黒鉛材料GMの供給を制御することにより、装置1が過剰に充填されることがなく、特に各製造サイクルにおいて再現可能に均等に充填されることが保証される。
【0049】
本明細書に記載された装置1及び方法による黒鉛材料GMの丸み付けは、3つのステップ、特に、充填、丸み付け、並びに搬出に分けることができる。これら3つのステップは、互いに明確に分けることはできないが、以下において個別に説明する。
【0050】
黒鉛材料GMは、充填に際して、例えば、インジェクターを介して処理チャンバ40内に導入される。回転ディスク7により循環される処理空気PLも、処理チャンバ40内を流れる。回転ディスク7上の丸み付け工具5は、処理空気PLと一緒に黒鉛粒子をハウジング2の内側側面21方向に加速させ、その黒鉛粒子は、空気流に従って分離ホイール11に向けて搬送される。その後、黒鉛粒子は、空気流によって規定された循環路を再び移動する。分離ホイール11の第2駆動部13における消費電流は、製品の充填に応じて増加する。従って、装置1は、選択されたレベルまで充填可能であり、切り替え点として使用できる直接的な処理値を得ることが可能である。充填中、計量は、場合によって「トップアップ計量」可能であり、これにより初期の重量及び/又は濃度の減少が補償される。ただし所望の状態に達すると、充填が終了して第2ステップの丸み付けが開始する。
【0051】
実際には、第2ステップは、第1黒鉛材料GMが装置1内に到達した直後に開始する。これは、第1黒鉛粒子が処理空気PLの空気流に搬送されると、丸み付けもすぐに開始するからである。ただし、ここでは、装置1内で生成される上述した分離流に関する切り替え点を、開始点として統一的に見なすものと理解されたい。装置1内で所望の充填レベルに達すると、所定の切り替え点をその後に下回ったとしても、第3ステップの搬出後まで計量が再び行われることはない。これは、全ての黒鉛粒子に関して、均一な丸み付け時間を保証するのに必要である。丸み付け時間全体において、処理パラメータを変化させることは多くの分野で望ましい場合がある。
【0052】
第3ステップの搬出は、特に吸引ユニットを使用して行われる。吸引ユニットは、負圧を発生させると共に、フラップで閉鎖された吸引ノズルによって装置1に接続されている。第3の搬出ステップ又は製品搬出ステップの開始時に、吸引ユニットが開放され、吸引された空気が分離要素内に搬送される。このような吸引ユニット65の一実施形態を、
図3A及び3Dに関連して以下に記載する。分離要素としては、例えば、フィルタ付きサイクロンが適している。この場合、丸み付けられた黒鉛粒子を含む製品が気体から分離される。この体積流に関連して、製品は、処理チャンバ40から空圧で搬送され、濃度が完全になくなるまで急速に減少する。この工程の間、微細材料及び/又は超微細材料FMの除去、並びに回転ディスク7上に配置された丸み付け工具5によって粒子に及ぼされる作用は、引き続き継続される。
【0053】
図2A~
図2Eは、黒鉛材料GM、特に初期材料として使用される黒鉛フレークGFを、本発明に係る装置内にて処理中及び処理後の状態で示す。特に
図2A及び
図2Bは、初期材料として使用される異なる黒鉛フレークGFを異なるサイズで示す。
図2Aに示す黒鉛材料GMは、基本的に小さな黒鉛フレークGFを含むのに対して、
図2Bに示す黒鉛材料GMは、基本的に大きな黒鉛フレークgGFを含む。
図2Cは、黒鉛材料GMの丸み付けにおける中間段階を示す。この中間段階においては、大きな黒鉛フレークgGFの折り畳みによる部分的な丸み付け及び/又は小さな黒鉛フレークkGFの凝集による部分的な丸み付けが既に行われている。
図2D及び
図2Eは、本発明に係る装置内で丸み付けられた黒鉛材料GMを示す。この場合、黒鉛材料GMは、基本的に丸み付けられた黒鉛粒子vGTのみを含み、特に微細材料及び/又は超微細材料を含まない。
【0054】
図3A~
図3D並びに
図4A及び
図4Bは、黒鉛材料GMの黒鉛フレークGFを丸み付けするための本発明に係る装置1の更なる実施形態を異なる観点で示す。特に、
図3Aは、閉鎖状態の吸引ユニット65を備える装置1の上側領域の垂直断面を示し、
図3Bは、
図3Aにおける部分領域の拡大図を示し、
図3Cは、装置1における上側領域の水平断面を示し、
図3Dは、開放状態の吸引ユニット65を備える装置1の上側領域の垂直断面を示す。
【0055】
装置1におけるハウジング2の上側には、例えば黒鉛フレークGFを含む黒鉛材料GMを供給するためにダウンパイプ4として構成された供給手段3が設けられている。装置1内には、回転ディスク7が配置されている。ディスク7外周の上側には、装置1におけるハウジング2の内側側面21又はガイドリング41に隣接して、丸み付け工具5が規則的に配置及び/又は固定されている。ディスク7は、駆動シャフト8上に位置し、その駆動シャフト8によって回転軸線D周りで回転駆動される。内側側面21は、特に、ディスク7に隣接する跳ね返り面6として構成され、黒鉛材料GMの折り畳み及び/又は凝集を支援する構造又はプロファイルを有する。
【0056】
ダウンパイプ4を介して供給された黒鉛材料GMは、回転ディスク7上に配置された丸み付け工具5に衝突し、加速されて跳ね返り面6に対して搬送される。その後、黒鉛材料GMは、上昇する空気流を介してガイド要素25によって分離ホイール11に搬送される。吸引ユニット65は、好適には、ガイド手段の内側ガイドリング15にて直接に吸引位置APを有する。吸引ユニット65による搬出は、特に内側ガイドリング15に対して半径方向に行われる。
【0057】
黒鉛材料GMの丸み付け中、吸引ユニット65は、可動シリンダ66により内側ガイドリング15に向けて半径方向に閉鎖されている。シリンダ66は、特に、いわゆる閉鎖位置66c(
図3A参照)に位置している。この場合、空気Lのみが補助空気ノズル67を介して吸引ユニット65によって吸引される。これにより、黒鉛材料GMが丸み付け工具5及び跳ね返り面6に衝突する前に、吸引されることが回避される。吸引ユニット65は、丸み付けられた黒鉛材料vGTが製品出口17を介して搬出されるために、可動シリンダ66の変位が生じた後でなければ開放されない(
図3D参照)。特に、丸み付けられた黒鉛粒子vGTを含む製品・空気混合物及び補助空気ノズル67を介して吸引された空気Lは、シリンダ66が開放位置66oに後退する間及び後退した後に吸引ユニット65内に吸引される。
【0058】
一実施形態によれば、丸み付け工具5において、ディスク7の回転軸線Dを指向する側の側面50には、それぞれ半径Rが設けられるのが想定可能である。丸み付けられた側面50により、黒鉛材料GMの丸み付けを更に支援する更なる跳ね返り面51が形成されている。
【0059】
更に、ディスク7上に立設している丸み付け工具5における全ての側面が同じ高さを有し、丸み付け工具5の上側が回転ディスク7の平面と平行な平面内にそれぞれ配置されることが想定可能である。
【0060】
装置1は、分離手段10としての分離ホイール11を更に備え、その分離手段10により、黒鉛材料GMの丸み付け時に生じる微細材料及び/又は超微細材料FMの形態の摩耗は、吸引ノズル16を介して装置1から分離除去される。分離ホイール11は、丸み付け工具5を有するディスク7の上方に配置されている。図示の実施形態において、分離ホイール11は、ディスク7の駆動シャフト8と同軸のシャフト上に配置されているため、分離ホイール11及びディスク7は互いに独立して回転移動することができる。
【0061】
処理空気PLは、供給ノズル14を介して装置の下側領域に供給され、その処理空気は、上方に向けてガイド要素25を通過して丸み付け領域に流れ、部分的かつ主に分離手段10にガイドされる。処理空気PLの主な流れは、微細材料及び/又は超微細材料FMを取り込み、吸引ノズル16を介して装置1から排出される。
【0062】
丸み付け工具5は、例えば、ディスク7上に配置されると共に、ねじ接続部31、溶接接合部、接着接合部などの適切な固定手段30によってディスク7上に固定されている。代替的に、ディスク7は、丸み付け工具と一体的に構成してもよい。ガイド要素25は、丸み付け工具5を上方から屋根状に部分的に覆うよう配置されている。特に、隣接する丸み付け工具5は、ガイド要素25により、上方から異なるよう屋根状に覆われることが想定可能である。規則的に配置された幾つかの丸み付け工具5*は、好適には、ガイド要素25によって屋根状に覆われていない。特に、ガイド要素25の個数は、丸み付け工具5の個数よりも少ない構成とすることが想定可能である。ガイド要素25は、装置内において静的に配置されているため、丸み付け工具5及びガイド要素25の相対的な配置は、装置の作動中に恒久的に変化する。
【0063】
この実施形態において、ガイド要素25は、特に、実質的に垂直に配置されたガイドプレート26として構成され、そのガイドプレート26は、回転軸線Dに向けて半径方向に延在すると共に、下側領域の回転方向DRに向けて折り曲げ可能であるため、折り曲げ領域27と垂直ガイドプレート26との間に鈍角が形成されている(
図4A及び
図4Bも参照)。折り曲げ領域27は、特に、回転方向DRに向けて折り曲げられると共に、ガイド要素25を含むガイド手段60の垂直部分に黒鉛粒子の最適で衝突を伴わない進入を可能にする。ガイド要素25の折り曲げ領域27は、特に、旋回する微細材料及び/又は超微細材料FM及び黒鉛材料GMが回転ディスク7に対して垂直方向に方向転換するのを支援する。この場合、空気流内の供給黒鉛材料は、先ず、分離ホイール11を通過するよう搬送され、ディスク7に衝突し、丸み付け工具5及び跳ね返り面6に搬送される。
【0064】
ガイド要素25は、特に、回転軸線Dを指向する側において、いわゆる空気ガイドリング15を介して互いに接続することができる。各ガイド要素25は空気ガイドリング15と一緒に、特に、いわゆるガイド手段60を構成している。少なくとも1個のガイド手段60により、丸み付け工具5及び/又は跳ね返り面6に接触後に旋回する黒鉛材料GMは、ほぼ垂直方向上方に向けて方向転換されると共に、旋回作用をほぼ受けることなく分離手段10に送給される。これにより、分離手段10に関して最適な流入流が生じ、従って高い分離選択性が得られる。処理空気PLの一部は、二次流として分離し、跳ね返り面6と丸み付け工具5との間の丸み付け領域内で循環させておくことができる。この二次空気は、黒鉛材料GMが丸み付け工具5に異なる角度で繰り返し接触することを確実に支援する作用を有し、これにより黒鉛材料GMの折り畳み及び/又は凝集を改善して丸み付けられた黒鉛粒子vGTが形成される。
【0065】
更に、
図3A及び
図3Bにおいては、丸み付け工具5の上方にカバーリング18が明示されている。このカバーリング18は、丸み付け領域において黒鉛材料GMを保持し、これにより黒鉛材料GMと跳ね返り面及び/又は丸み付け工具5との間の接触回数を増加させる機能も発揮する。特に、カバーリング18による最適化された流れ制御により、装置1内における黒鉛材料GMの循環が改善される。
【0066】
一実施形態によれば、隣接する丸み付け工具5の間の距離Aは、丸み付け工具5の幅B5の0.5倍~5倍である。丸み付け工具5の幅B5は、ディスク7の回転軸線Dを基準とする半径r(D)に対して直交する方向で特定される。距離Aは、好適には、丸み付け工具5の幅B5の3倍未満であり、特に好適には、丸み付け工具5の幅B5の1.5倍未満である。
図3Cに示す実施形態において、距離Aは、丸み付け工具5の幅5Bにほぼ等しい。
【0067】
丸み付け工具5の個数は、好適には、丸み付け工具5が配置された回転ディスク7の円周m当たり、15個~35個である。
【0068】
最終製品、特に丸み付けられた黒鉛粒子vGTの搬出は、製品出口17を介して行われ、好適には、黒鉛材料GMが装置1内で所定の時間にわたって処理された後に行われる。製品出口17には、好適には、吸引ユニット65が割り当てられている。吸引ユニット65は、例えば、製品出口17に割り当てられた可動シリンダ66の後退によって負圧を発生させ、また可動シリンダ66の後退によって製品出口17が開放する。この段階で、好適には丸み付けられた黒鉛粒子のみを含む装置1内の黒鉛材料GMは、装置1内に存在する空気と一緒に吸引され、黒鉛粒子を含むその空気は、先ず、分離要素(図示せず)、例えばフィルタ付きサイクロン内に搬送される。丸み付けられた粒子を含む製品は、分離要素内で空気から分離される。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、本発明の方法は、黒鉛材料GMが絶えず供給され、丸み付けられた黒鉛粒子vGTが恒久的に搬出される連続式処理を含むのではなく、装置1が所定量の黒鉛材料GMで充填されると共に、丸み付けられた黒鉛粒子vGTの形態の最終製品が搬出される前に、所定の時間にわたって所定の回転値で作動するバッチ式処理を含む。
【0070】
装置1において、黒鉛材料GMは、好適には、丸み付けが行われた後にのみ分離ホイール11に搬送されるのに対して、微細材料及び/又は超微細材料FMの形態の摩耗は、丸み付け工程中に既に分離ホイール11に搬送可能であると共に、吸引ノズル16を介して装置1から排出可能である。製品の搬出は、特に製品出口17を介して分離処理後にのみ行われるため、搬出された最終製品は実質的に丸み付けられた黒鉛粒子vGTのみを含み、特に微細材料及び/又は超微細材料FMは含まない。
【0071】
丸み付け工具5の個数及び形状は、本発明の方法に合わせて最適化されている。跳ね返り面6も、丸み付け中の黒鉛材料GMに対する軽度の負荷及び微細材料及び/又は超微細材料FMの回避に関して最適化されている。
【0072】
図4A及び
図4Bは、装置1における部分領域の異なる観点の斜視図を示す。個々の構成要素の説明に関しては、特に
図3Bの記載を参照されたい。
図4A及び
図4Bは実質的に互いに対応しているが、
図4Bにおいては、丸み付け工具5をより明瞭に確認できるよう丸み付け工具5上のカバーリング18が取り付けられていない。
【0073】
図4C及び
図4Dは、跳ね返り面6の異なる実施形態及び回転ディスク7上に配置された丸み付け工具5を示す。丸み付け工具5は、ディスク7の回転軸線を基準とする半径r(D)と一致する長手方向軸線L5を有する。ディスク7の回転軸線を指向する側の丸み付け工具5の側面50は、半径Rを有するか又は長方形として構成されている。側面50は、好適には、半径r(D)によって鏡面対称に分割される。
【0074】
ディスク7の回転軸線を指向する側の側面50を、半径Rとして又は互いに角度をなす複数の部分領域を有する長方形として形成すれば、黒鉛材料GMに対する負荷が軽減される。これにより、黒鉛材料は折り畳まれるが、特に粉砕されることはない。これは、常に、丸み付け工具5の表面と黒鉛材料GMとの間で中心的な衝撃が生じるからである。
【0075】
ディスク7の回転軸線を指向する側の側面50に対向する側面55は、特に、回転軸線から離れた側の側面55とも称される。回転軸線から離れた側の側面55は、好適には、半径r(D)によって鏡面対称に分割されない。これは、側面55が、互いに鈍角εをなす2つの部分領域56,57で構成されているからである。特に、回転方向DRにおいて先行する部分領域57は、半径r(D)に対して直交するか又は実質的に直交するよう配置され、回転方向DRにおいて後続する部分領域56と先行する部分領域57の延長線上との間に鋭角αが形成されている。好適には、鋭角α及び鈍角εの和は180°とする。
【0076】
更に、好適には、回転方向DRにおいて先行する部分領域57の長さL57は、回転方向DRにおいて後続する部分領域56の長さL56よりも大幅に小さいことが想定可能である。長さL57は、特に、長さL56の5%~30%、特に好適には13%~20%である。
【0077】
側面55における部分領域56,57を上述したように配置すれば、特に、回転方向DRにおいて先行する部分領域57が跳ね返り面6に対してより近接する。上述した角度αは、逃げ角とも称される。この逃げ角αにより、特に、跳ね返り面6と丸み付け工具5との間に形成されたギャップ45が回転方向DRにおいてテーパ付けされ、黒鉛材料GMの緩やかな丸み付けが付加的に支援される。これにより、特に、圧迫及び/摩擦による黒鉛材料GMの不所望な熱負荷が緩和される。
【0078】
更に、跳ね返り面6のプロファイルと跳ね返り面6に対してより近接配置された部分領域57との間に角度βが形成され、その角度βは、実施形態の変形に応じて、50°~90°である。角度βは、特に好適には、常に55°よりも大きく、常に90°よりも小さい。
【0079】
図1、
図3、並びに
図4によれば、跳ね返り面は、特に、円筒状構成要素の内側側面によって構成されている。
図4Cによれば、跳ね返り面6は、鋸歯状内側側面70を有する円筒部分として構成されている。跳ね返り面6のこのプロファイルにより、黒鉛材料GMが衝突する面が拡大されている。更に、鋸歯状内側側面70の角は、更なる衝突要素72として機能し、従って黒鉛材料GMの丸み付けが更に支援される。
図4Dによれば、跳ね返り面6は、波形状内側側面71を有する円筒部分として構成されているため、黒鉛材料GMが衝突する面がやはり拡大されている。波形状内側側面71の場合、特に、跳ね返り面6上に鋭角が設けられないため、黒鉛材料GMがより緩やかに処理され、従って丸み付けが更に最適化可能である。
【0080】
本発明に係る装置1及び方法により、黒鉛材料GMの供給量に関連する丸み付けられた黒鉛粒子vGTの歩留まりは、従来技術に既知の装置及び方法に比べて大幅に増加する。
【0081】
本発明に係る装置及び方法は、特に、折り畳み及び/又は凝集を可能にする多層材料の丸み付けに適している。また、処理されるべき材料は、丸み付け中に破損しないよう一定の柔軟性を有する必要がある。
【0082】
上述した実施形態、実施例、並びに変形と、特許請求の範囲又は以下の記載及び各図(各図における様々な観点又は個々の特徴を含む)は、互いに独立させるか又は任意に組み合わせることができる。一実施形態に関連して記載された特徴は、その特徴が互換性を有さない場合を除いて、全ての実施形態に適用することができる。
【0083】
図面との関連で「概略的」という用語が使用されていたとしても、図面及びその説明が本発明の開示において二次的な重要さしか有さないことを意味するわけではない。当業者であれば、必ずしも寸法比を反映していない装置の一部又は図示された他の要素に対する理解が損なわれることなく、概略的かつ抽象的な図面から十分な情報を得て本発明をより容易に理解することができる。従って、当業者は、図面を参照すれば、より具体的に記載された本発明に係る方法の実施形態及びより具体的に記載された本発明に係る装置の実施形態との関連で、特許請求の範囲及び明細書本文に一般的及び/又は抽象的に記載された本発明の思想をより容易に理解することが可能である。
【0084】
以上、本発明を好適な実施形態を参照しつつ説明した。ただし、当業者であれば、添付の特許請求の保護範囲を逸脱することなく、本発明に対して修正又は変更を加えられることは自明のことであろう。
【符号の説明】
【0085】
1 装置
2 ハウジング
3 供給手段
4 ダウンパイプ
5,5* 丸み付け工具
6,6-5,6-19 跳ね返り面
7 ディスク
8 第1駆動シャフト
9 第1駆動部
10 分離手段
11 分離ホイール
12 第2駆動シャフト
13 第2駆動部
14 供給ノズル
15 空気ガイドリング
16 吸引ノズル
17 製品出口
18,18-5,18,19 カバーリング
19 第2丸み付け工具
20 制御手段
21 内側側面
25 ガイド要素
26 ガイドプレート
27 折り曲げ領域
30 固定手段
31 ねじ接続部
40 処理チャンバ
41 ガイドリング
45 ギャップ
50 回転軸線を指向する側の側面
51 跳ね返り面
55,55-5,55-19 回転軸線から離れた側の側面
56 部分領域
57 部分領域
60 ガイド手段
65 吸引ユニット
66 可動シリンダ
66c 閉鎖位置にある可動シリンダ
66o 開放位置にある可動シリンダ
67 補助空気ノズル
70 鋸歯状内側側面
71 波形状内側側面
72 更なる衝突要素
A 距離
AP 吸引位置
B5 丸み付け工具の幅
d5,d19 回転軸線からの距離
d6-1,d6-2 回転軸線からの距離
D 回転軸線
DR 回転方向
EP 最終製品
FM 微細材料及び/又は超微細材料
GF 黒鉛フレーク
GM 黒鉛材料
gGF 大きな黒鉛フレーク
kGF 小さな黒鉛フレーク
L 空気
L5 長手方向軸線
L56 回転方向において後続する部分領域の長さ
L57 回転方向において先行する部分領域の長さ
R 半径
PL 処理空気
vGT 丸み付けられた黒鉛粒子