(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20241111BHJP
【FI】
H01L29/78 616S
H01L29/78 618B
(21)【出願番号】P 2020206634
(22)【出願日】2020-12-14
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡壁 創
(72)【発明者】
【氏名】三浦 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊成
(72)【発明者】
【氏名】境 武志
(72)【発明者】
【氏名】花田 明紘
(72)【発明者】
【氏名】津吹 将志
【審査官】西村 治郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/175086(WO,A1)
【文献】特開2017-028288(JP,A)
【文献】特開平09-232583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の上方に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置された島状の酸化物半導体と、
前記酸化物半導体を覆う第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置されたゲート電極と、
前記酸化物半導体に接するソース電極及びドレイン電極と、
前記ゲート電極を覆う第3絶縁層と、を備え、
前記酸化物半導体は、
前記ゲート電極と交差する第1縁部と、
前記第1縁部の反対側で前記ゲート電極と交差する第2縁部と、
前記第1縁部と前記第2縁部との間で第1方向に延出し、前記ゲート電極に重畳する第1領域と、
前記第1領域と前記ソース電極との間に位置し、前記第1縁部に沿った第2領域と、
前記第1領域と前記ソース電極との間に位置し、前記第2縁部に沿った第3領域と、
前記第1領域と前記ドレイン電極との間に位置し、前記第1縁部に沿った第4領域と、
前記第1領域と前記ドレイン電極との間に位置し、前記第2縁部に沿った第5領域と、
前記第1領域、前記第2領域、及び、前記第3領域で囲まれた第6領域と、
前記第1領域、前記第4領域、及び、前記第5領域で囲まれた第7領域と、を有し、
前記第1領域、前記第2領域、前記第3領域、前記第4領域、及び、前記第5領域は、前記第6領域及び前記第7領域と比較して、高抵抗であ
り、
前記ソース電極は、前記第2領域及び前記第3領域に接することなく、前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を貫通するコンタクトホールを介して前記第6領域に接し、
前記ドレイン電極は、前記第4領域及び前記第5領域に接することなく、前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を貫通するコンタクトホールを介して前記第7領域に接し、
前記第2領域、前記第3領域、前記第4領域、及び、前記第5領域は、前記第1領域に繋がり、
前記ゲート電極の幅は、前記第6領域と前記第7領域との間における前記第1領域の幅と同等であり、
前記第2領域、前記第3領域、前記第4領域、及び、前記第5領域は、前記ゲート電極に重畳している、半導体装置。
【請求項2】
基材と、
前記基材の上方に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置された島状の酸化物半導体と、
前記酸化物半導体を覆う第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置されたゲート電極と、
前記酸化物半導体に接するソース電極及びドレイン電極と、
前記ゲート電極を覆う第3絶縁層と、を備え、
前記酸化物半導体は、
前記ゲート電極と交差する第1縁部と、
前記第1縁部の反対側で前記ゲート電極と交差する第2縁部と、
前記第1縁部と前記第2縁部との間で第1方向に延出し、前記ゲート電極に重畳する第1領域と、
前記第1領域と前記ソース電極との間に位置し、前記第1縁部に沿った第2領域と、
前記第1領域と前記ソース電極との間に位置し、前記第2縁部に沿った第3領域と、
前記第1領域と前記ドレイン電極との間に位置し、前記第1縁部に沿った第4領域と、
前記第1領域と前記ドレイン電極との間に位置し、前記第2縁部に沿った第5領域と、
前記第1領域、前記第2領域、及び、前記第3領域で囲まれた第6領域と、
前記第1領域、前記第4領域、及び、前記第5領域で囲まれた第7領域と、を有し、
前記第1領域、前記第2領域、前記第3領域、前記第4領域、及び、前記第5領域は、前記第6領域及び前記第7領域と比較して、高抵抗であり、
前記ソース電極は、前記第2領域及び前記第3領域に接することなく、前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を貫通するコンタクトホールを介して前記第6領域に接し、
前記ドレイン電極は、前記第4領域及び前記第5領域に接することなく、前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を貫通するコンタクトホールを介して前記第7領域に接し、
前記第2領域、前記第3領域、前記第4領域、及び、前記第5領域は、前記第1領域から離間し、
さらに、前記第2領域、前記第3領域、前記第4領域、及び、前記第5領域にそれぞれ重畳する島状の金属層を備え、
前記金属層は、前記ゲート電極と同一材料によって形成されている、半導体装置。
【請求項3】
前記金属層の各々は、平面視において、前記ゲート電極、前記ソース電極、及び、前記ドレイン電極のいずれとも重畳しない、請求項
2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第6領域及び前記第7領域の各々の不純物濃度は、前記第1領域、前記第2領域、前記第3領域、前記第4領域、及び、前記第5領域の各々の不純物濃度より高い、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液晶表示装置において、表示領域の画素回路に酸化物半導体を備えたトランジスタが設けられ、且つ、周辺領域の駆動回路にシリコン半導体を備えたトランジスタが設けられる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-183312号公報
【文献】特開2020-129635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、信頼性の低下を抑制することが可能な半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の半導体装置は、
基材と、前記基材の上方に配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置された島状の酸化物半導体と、前記酸化物半導体を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置されたゲート電極と、前記酸化物半導体に接するソース電極及びドレイン電極と、を備え、前記酸化物半導体は、前記ゲート電極と交差する第1縁部と、前記第1縁部の反対側で前記ゲート電極と交差する第2縁部と、前記第1縁部と前記第2縁部との間で第1方向に延出し、前記ゲート電極に重畳する第1領域と、前記第1領域と前記ソース電極との間に位置し、前記第1縁部に沿った第2領域と、前記第1領域と前記ソース電極との間に位置し、前記第2縁部に沿った第3領域と、前記第1領域と前記ドレイン電極との間に位置し、前記第1縁部に沿った第4領域と、前記第1領域と前記ドレイン電極との間に位置し、前記第2縁部に沿った第5領域と、前記第1領域、前記第2領域、及び、前記第3領域で囲まれた第6領域と、前記第1領域、前記第4領域、及び、前記第5領域で囲まれた第7領域と、を有し、前記第1領域、前記第2領域、前記第3領域、前記第4領域、及び、前記第5領域は、前記第6領域及び前記第7領域と比較して、高抵抗である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る半導体装置1の一構成例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、トランジスタTR2の一例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した半導体SC2の製造方法の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した半導体SC2の製造方法の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
【
図10】
図10は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
【
図11】
図11は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
【
図12】
図12は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0008】
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向または第3方向と称する。X軸及びY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X-Y平面を見ることを平面視という。
【0010】
本実施形態に係る半導体装置1は、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、電気泳動表示装置、LED表示装置などの各種表示装置の他、静電容量式センサーや光学式センサーなどの各種センサー、その他の電子機器に適用可能である。
【0011】
図1は、本実施形態に係る半導体装置1の一構成例を示す断面図である。
半導体装置1は、基材10と、絶縁層11乃至19と、トランジスタTR1及びTR2と、素子電極30と、を備えている。
【0012】
トランジスタTR1は、半導体SC1と、ゲート電極(第1ゲート電極)GE1と、ソース電極(第1ソース電極)SE1と、ドレイン電極(第1ドレイン電極)DE1と、を備えている。半導体SC1は、例えば多結晶シリコン半導体であるが、その他のシリコン系半導体であってもよい。ゲート電極GE1は、ゲート線と電気的に接続された電極である。ソース電極SE1は、ソース線SLと電気的に接続された電極である。
【0013】
トランジスタTR2は、半導体SC2と、ゲート電極(第2ゲート電極)GE2と、ソース電極(第2ソース電極)SE2と、ドレイン電極(第2ドレイン電極)DE2と、を備えている。半導体SC2は、例えば酸化物半導体である。ゲート電極GE2は、ゲート線と電気的に接続された電極である。ソース電極SE2は、ソース線あるいは電源線などと電気的に接続された電極である。ドレイン電極DE2は、素子電極30と電気的に接続された電極である。
【0014】
基材10は、ガラス、樹脂フィルム等の絶縁性の材料によって形成されている。絶縁層11は、基材10の上に配置されている。
【0015】
遮光層LS1は、トランジスタTR1に対応して設けられ、絶縁層11の上に配置され、絶縁層12によって覆われている。遮光層LS1は、例えば金属層である。半導体SC1は、遮光層LS1の直上に位置し、絶縁層12の上に配置され、絶縁層13によって覆われている。
【0016】
ゲート電極GE1は、半導体SC1の直上に位置し、絶縁層13の上に配置され、絶縁層14によって覆われている。ゲート電極GE1は、例えば遮光層LS1と同電位である。
【0017】
ソース電極SE1及びドレイン電極DE1は、絶縁層15の上に配置され、絶縁層16によって覆われている。これらのソース電極SE1及びドレイン電極DE1は、それぞれ絶縁層13乃至15を貫通するコンタクトホールCH11及びCH12を介して半導体SC1に接している。
ソース線SLは、絶縁層16の上に配置され、絶縁層17によって覆われている。ソース線SLは、絶縁層16を貫通するコンタクトホールCH13を介してソース電極SE1に接している。
【0018】
遮光層LS2は、トランジスタTR2に対応して設けられ、絶縁層13の上に配置され、絶縁層14によって覆われている。ゲート電極GE1及び遮光層LS2は、同一層に位置し、同一材料によって形成された金属層である。半導体SC2は、遮光層LS2の直上に位置し、絶縁層14の上に配置され、絶縁層15によって覆われている。
【0019】
ゲート電極GE2は、半導体SC2の直上に位置し、絶縁層15の上に配置され、絶縁層16によって覆われている。ゲート電極GE2は、例えば遮光層LS2と同電位である。ゲート電極GE2、ソース電極SE1、及び、ドレイン電極DE1は、同一層に位置し、同一材料によって形成された金属層である。
【0020】
ソース電極SE2及びドレイン電極DE2は、絶縁層16の上に配置され、絶縁層17によって覆われている。これらのソース電極SE2及びドレイン電極DE2は、それぞれ絶縁層15及び16を貫通するコンタクトホールCH21及びCH22を介して半導体SC2に接している。ソース電極SE2、ドレイン電極DE2、及び、ソース線SLは、同一層に位置し、同一材料によって形成された金属層である。
【0021】
接続電極CN1は、絶縁層18の上に配置され、絶縁層19によって覆われている。接続電極CN1は、絶縁層17及び18を貫通するコンタクトホールCH23を介してドレイン電極DE2に接している。接続電極CN1は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極であるが、金属層であってもよい。
【0022】
素子電極30は、絶縁層19の上に配置され、絶縁層19を貫通するコンタクトホールCH24を介して接続電極CN1に接している。素子電極30は、各種電子機器の画素電極、下部電極、アノード、あるいは、カソードなどを構成するものである。素子電極30は、例えば、ITOやIZOなどの透明導電材料によって形成された透明電極である。なお、素子電極30は、銀、アルミニウムなどの金属材料によって形成された金属電極であってもよい。また、素子電極30は、透明電極及び金属電極の積層体であってもよい。例えば、素子電極30は、透明電極、金属電極、及び、透明電極の順に積層された積層体として構成されてもよいし、3層以上の積層体として構成されてもよい。
【0023】
絶縁層11乃至17は、例えば、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸化物(SiO)などによって形成された透明な無機絶縁層である。なお、絶縁層11乃至17の各々は、単一の絶縁材料によって形成された単層体であってもよいし、複数の絶縁材料によって形成された積層体であってもよい。
絶縁層18及び19は、ポリイミドなどによって形成された透明な有機絶縁層である。
【0024】
次に、
図1に示したトランジスタTR2の一例についてより具体的に説明する。
【0025】
図2は、トランジスタTR2の一例を示す平面図である。
図2では、半導体SC2を実線で示し、ゲート電極GE2、ソース電極SE2、及び、ドレイン電極DE2をそれぞれ一点鎖線で示している。
【0026】
半導体SC2は、島状に形成され、例えば四角形の平面形状を有している。半導体SC2は、第2方向Yに延出した縁部(第1縁部)E1及び縁部(第2縁部)E2と、第1方向Xに延出した縁部E3及び縁部E4と、を有している。縁部E2は、第1方向Xにおいて、縁部E1の反対側に位置している。縁部E4は、第2方向Yにおいて、縁部E3の反対側に位置している。なお、半導体SC2の形状は、図示した例に限らない。
【0027】
ゲート電極GE2は、第1方向Xに延出し、縁部E1及びE2と交差している。ソース電極SE2は、半導体SC2のうち、縁部E3を含む領域に重畳している。ドレイン電極DE2は、半導体SC2のうち、縁部E4を含む領域に重畳している。
図2に示す例では、ゲート電極GE2は、縁部E1及びE2とそれぞれ直交しているが、縁部E1及びE2と90°未満の角度で交差していてもよい。また、ソース電極SE2は、縁部E3の全体を含むように重畳しているが、縁部E3の一部と重畳していてもよい。同様に、また、ドレイン電極DE2は、縁部E4の全体を含むように重畳しているが、縁部E4の一部と重畳していてもよい。
【0028】
半導体SC2は、領域A1乃至A7を有している。各領域について、以下に具体的に説明する。
【0029】
領域(第1領域)A1は、縁部E1と縁部E2との間で第1方向Xに延出し、ゲート電極GE2に重畳している。領域A1は、縁部E1の一部を含み、また、縁部E2の一部を含んでいる。つまり、領域A1において、第1方向Xに沿った一端部は縁部E1の一部に相当し、第1方向Xに沿った他端部は縁部E2の一部に相当する。
【0030】
平面視において、領域A1とゲート電極GE2とが完全に一致するように重畳するとは限らない。
図2に示す例では、ゲート電極GE2の第2方向Yに沿った幅W1は、領域A6と領域A7との間における領域A1の第2方向Yに沿った幅W2より大きい。また、ゲート電極GE2は、縁部E1から縁部E2までの間でほぼ一定の幅W1を有している。ゲート電極GE2の一部は、後述する領域A2乃至A7に重畳している。
【0031】
領域(第2領域)A2及び領域(第3領域)A3は、領域A1(あるいはゲート電極GE2)とソース電極SE2との間に位置している。領域A2は、縁部E1に沿った領域である。領域A2は、縁部E1の一部を含み、また、縁部E3の一部を含んでいる。領域A3は、縁部E2に沿った領域である。領域A3は、縁部E2の一部を含み、また、縁部E3の一部を含んでいる。また、
図2に示す例では、領域A2及びA3は、領域A1に繋がっている。
【0032】
領域(第4領域)A4及び領域(第5領域)A5は、領域A1(あるいはゲート電極GE2)とドレイン電極DE2との間に位置している。領域A4は、縁部E1に沿った領域である。領域A4は、縁部E1の一部を含み、また、縁部E4の一部を含んでいる。領域A5は、縁部E2に沿った領域である。領域A5は、縁部E2の一部を含み、また、縁部E4の一部を含んでいる。また、
図2に示す例では、領域A4及びA5は、領域A1に繋がっている。
【0033】
領域(第6領域)A6は、領域A1、領域A2、及び、領域A3によって囲まれた領域である。領域A6は、縁部E3の一部を含んでいる。
領域(第7領域)A7は、領域A1、領域A4、及び、領域A5によって囲まれた領域である。領域A7は、縁部E4の一部を含んでいる。
【0034】
第1方向Xに沿った幅を比較すると、領域A6の幅と領域A7の幅は同等であり、また、領域A2乃至A5の各々の幅は同等であり、領域A6及び領域A7の各々の幅は領域A2乃至A5の各々の幅より大きい。一例では、領域A2乃至A5の各々の幅は、2μm程度である。
【0035】
縁部E1は、第2方向Yに並んだ領域A2、領域A1、及び、領域A4のそれぞれの端部によって形成されている。縁部E2は、第2方向Yに並んだ領域A3、領域A1、及び、領域A5のそれぞれの端部によって形成されている。縁部E3は、第1方向Xに並んだ領域A2、領域A6、及び、領域A3のそれぞれの端部によって形成されている。縁部E4は、第1方向Xに並んだ領域A4、領域A7、及び、領域A5のそれぞれの端部によって形成されている。
【0036】
半導体SC2において、領域A1乃至A5は、領域A6及びA7と比較して、高抵抗である。なお、領域A1乃至A5の各々の領域の抵抗値は同等であり、また、領域A6及びA7の各々の領域の抵抗値は同等である。
【0037】
また、他の観点では、領域A6及びA7の各々の不純物濃度は、領域A1乃至A5の各々の領域の不純物濃度より高い。なお、領域A6及びA7の各々の不純物濃度は同等であり、また、領域A1乃至A5の各々の領域の不純物濃度は同等である。例えば、領域A6及びA7の各々には、不純物としてホウ素(B)がドープされているが、領域A1乃至A5の各々には、ほとんどホウ素がドープされていない。本明細書における不純物濃度とは、単位体積当たりの不純物数として表すことができる。
【0038】
なお、酸化物半導体について、不純物濃度が高いということは、単位体積当たりの酸素欠損数が多い、あるいは、単位体積当たりの欠陥数が多いことを意味するものである。
【0039】
ソース電極SE2は、平面視において、領域A2、領域A6、及び、領域A3に亘って重畳している。但し、ソース電極SE2は、領域A2及びA3に接することなく、
図1に示した絶縁層15及び16を貫通するコンタクトホールCH21を介して領域A6に接している。絶縁層15及び16を領域A2及びA3まで貫通するコンタクトホールは、形成されていない。つまり、ソース電極SE2は、半導体SC2のうち、低抵抗領域(ソース領域)である領域A6に接し、高抵抗領域である領域A2及びA3には接していない。
【0040】
ドレイン電極DE2は、平面視において、領域A4、領域A7、及び、領域A5に亘って重畳している。但し、ドレイン電極DE2は、領域A4及びA5に接することなく、絶縁層15及び16を貫通するコンタクトホールCH22を介して領域A7に接している。絶縁層15及び16を領域A4及びA5まで貫通するコンタクトホールは、形成されていない。つまり、ドレイン電極DE2は、半導体SC2のうち、低抵抗領域(ドレイン領域)である領域A7に接し、高抵抗領域である領域A4及びA5には接していない。
【0041】
次に、上記の半導体SC2の製造方法の一例について
図3を参照しながら説明する。
【0042】
まず、絶縁層14(あるいはシリコン酸化物層)の上に、酸化物半導体膜を形成し、この酸化物半導体膜をエッチングすることで所定の形状にパターニングする。これにより、島状の半導体SC2を形成する。
【0043】
続いて、半導体SC2の上に、所望の形状にパターニングしたレジストR1を形成する。レジストR1は、半導体SC2のうち、領域A4及びA5を形成すべき領域に重畳している。半導体SC2のうち、領域A7を形成すべき領域には、レジストR1は重畳していない。なお、レジストR1は、
図2に示した領域A1乃至A3を形成すべき領域にも重畳する一方で、領域A6を形成すべき領域には重畳していない。
【0044】
続いて、レジストR1をマスクとして、半導体SC2にイオン注入を行う。一例では、イオン注入により、不純物としてホウ素(B)を半導体SC2にドープする。なお、ホウ素の代わりに、リン(P)などの他の不純物を半導体SC2にドープしてもよい。これにより、半導体SC2には、ほとんど不純物がドープされない領域A1乃至A5と、不純物がドープされた領域A6及びA7とがそれぞれ形成される。半導体SC2において、例えば、領域A1はチャネル領域に相当し、領域A6はソース領域に相当し、領域A7はドレイン領域に相当する。
【0045】
続いて、レジストR1を除去した後に、シリコン酸化物を堆積して絶縁層15を形成し、その後、絶縁層15の上にゲート電極GE2を形成する。このとき、ゲート電極GE2は、領域A1に重畳するようにパターニングされる。ここに示す例の製造方法では、半導体SC2へのイオン注入はゲート電極GE2をマスクとするのではなく、レジストR1をマスクとしている。このため、上記の通り、ゲート電極GE2の幅W1はチャネル領域である領域A1の幅W2には一致するとは限らない。また、ゲート電極GE2が領域A1の全体を確実に重畳するために、幅W1は幅W2より大きく設定されている。つまり、ゲート電極GE2は、領域A1の全体に重畳するとともに、領域A6の一部及び領域A7の一部にも重畳している。
【0046】
上記のトランジスタTR2によれば、半導体SC2において、領域A1を挟んだ領域A6と領域A7との間に電流パスを形成することができる。また、ゲート電極GE2と交差する縁部E1に沿った領域A2及びA4、及び、縁部E2に沿った領域A3及びA5は、チャネル領域である領域A1と同程度に高抵抗である。このため、領域A2乃至A5は、電流パスにはなり得ない。
【0047】
つまり、ゲート電極GE2にしきい値以上のゲート電圧が印加された際に、半導体SC2の領域A1、A6、及び、A7を介して、ソース電極SE2とドレイン電極DE2との間を電流が流れる。一方で、半導体SC2において、領域A2乃至A5には、電流がほとんど流れない。
【0048】
このため、領域A2乃至A5の発熱が抑制され、これらの領域の発熱に起因した劣化が抑制される。特に、縁部E1を含む領域A2及びA4、及び、縁部E2を含む領域A3及びA5は、島状の半導体SC2を形成する際のエッチングによってダメージを受けやすく、電流が流れることによる発熱に起因して劣化しやすい領域である。したがって、領域A2乃至A5を高抵抗化して電流が流れにくくすることは、これらの領域の劣化を抑制する上で有効である。
また、たとえこれらの領域A2乃至A5が劣化したとしても、もともと電流パスを形成する領域ではないため、トランジスタTR2の特性変化、例えば、しきい値電圧のシフトが抑制される。したがって、信頼性の低下を抑制することができる。
【0049】
図4は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
図4に示す例は、
図2に示した例と比較して、領域A6と領域A7との間において、ゲート電極GE2の幅W1が領域A1の幅W2と同等である点で相違している。半導体SC2における領域A1乃至A7の各々の形状については、
図2を参照して説明した通りであり、領域A2乃至A5は、それぞれ領域A1に繋がっている。
【0050】
平面視において、領域A1と領域A6との境界は、ゲート電極GE2の第1方向Xに沿った一方の縁部GE21に重畳し、また、領域A1と領域A7との境界は、ゲート電極GE2の第1方向Xに沿った他方の縁部GE22に重畳している。
【0051】
図4に示す例では、ゲート電極GE2は、領域A1のみならず、領域A2乃至A5の各々にも重畳している。平面視において、領域A2と領域A6との境界は、ゲート電極GE2の第2方向Yに沿った縁部GE23に重畳し、領域A3と領域A6との境界は、ゲート電極GE2の第2方向Yに沿った縁部GE24に重畳し、領域A4と領域A7との境界は、ゲート電極GE2の第2方向Yに沿った縁部GE25に重畳し、領域A5と領域A7との境界は、ゲート電極GE2の第2方向Yに沿った縁部GE26に重畳している。
【0052】
ソース電極SE2は、平面視において、領域A6に重畳し、領域A2及び領域A3には重畳していないし、また、ゲート電極GE2にも重畳していない。ソース電極SE2は、コンタクトホールCH21を介して領域A6に接している。
ドレイン電極DE2は、平面視において、領域A7に重畳し、領域A4及び領域A5には重畳していないし、また、ゲート電極GE2にも重畳していない。ドレイン電極DE2は、コンタクトホールCH22を介して領域A7に接している。
【0053】
次に、上記の半導体SC2の製造方法の一例について
図5を参照しながら説明する。
【0054】
まず、絶縁層14(あるいはシリコン酸化物層)の上に、酸化物半導体膜を形成し、この酸化物半導体膜をパターニングする。これにより、島状の半導体SC2を形成する。
【0055】
続いて、シリコン酸化物を堆積して絶縁層15を形成し、その後、絶縁層15の上にゲート電極GE2を形成する。ゲート電極GE2は、半導体SC2のうち、領域A4及びA5を形成すべき領域に重畳している。半導体SC2のうち、領域A7を形成すべき領域には、ゲート電極GE2は重畳していない。なお、ゲート電極GE2は、
図4に示した領域A1乃至A3を形成すべき領域にも重畳する一方で、領域A6を形成すべき領域には重畳していない。
【0056】
続いて、ゲート電極GE2をマスクとして、半導体SC2にイオン注入を行う。これにより、半導体SC2には、ほとんど不純物がドープされない領域A1乃至A5と、不純物がドープされた領域A6及びA7とがそれぞれ形成される。ここに示す例の製造方法では、半導体SC2へのイオン注入はゲート電極GE2をマスクとしている。このため、上記の通り、ゲート電極GE2の幅W1はチャネル領域である領域A1の幅W2に一致している。また、ゲート電極GE2は、領域A1乃至A5の各々に重畳している。
【0057】
図4及び
図5を参照して説明したトランジスタTR2においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0058】
図6は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
図6に示す例は、
図4に示した例と比較して、ゲート電極GE2が領域A1に重畳する一方で、領域A2乃至A5に重畳していない点で相違している。ゲート電極GE2は、交差する縁部E1と縁部E2との間でほぼ一定の幅W1を有している。
【0059】
ソース電極SE2は、平面視において、領域A2、領域A6、及び、領域A3に亘って重畳し、領域A2及びA3に接することなく、コンタクトホールCH21を介して領域A6に接している。
ドレイン電極DE2は、平面視において、領域A4、領域A7、及び、領域A5に亘って重畳し、領域A4及びA5に接することなく、コンタクトホールCH22を介して領域A7に接している。
【0060】
このような形状のゲート電極GE2は、例えば以下のようにして形成される。すなわち、
図5を参照して説明したように、ゲート電極GE2は、半導体SC2のうち、領域A1乃至A5を形成すべき領域に重畳するようにパターニングされる。その後、ゲート電極GE2をマスクとして、半導体SC2にイオン注入を行う。その後、ゲート電極GE2のうち、領域A2乃至A5に重畳する部分をエッチングによって除去する。これにより、
図6に示した形状のゲート電極GE2が形成される。
【0061】
図7は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
図7に示す例は、
図6に示した例と比較して、ゲート電極GE2の一部の幅が拡大された点で相違している。すなわち、ゲート電極GE2は、平面視において、領域A6と領域A7との間で幅W1を有し、縁部E1と交差する位置において幅W11を有し、縁部E2と交差する位置において幅W12を有している。幅W11及びW12は、幅W1より大きい。
【0062】
つまり、縁部E1に近接する側においては、ゲート電極GE2は、領域A1のみならず、領域A2の一部、及び、領域A4の一部に重畳している。また、縁部E2に近接する側においては、ゲート電極GE2は、領域A1のみならず、領域A3の一部、及び、領域A5の一部に重畳している。
【0063】
図8は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
図8に示す例は、
図6に示した例と比較して、ゲート電極GE2の一部の幅が縮小された点で相違している。すなわち、ゲート電極GE2において、縁部E1と交差する位置の幅W11、及び、縁部E2と交差する位置の幅W12は、領域A6と領域A7との間の幅W1より小さい。
【0064】
つまり、縁部E1に近接する側においては、ゲート電極GE2は、領域A1の一部に重畳し、領域A2及びA4には重畳していない。また、縁部E2に近接する側においては、ゲート電極GE2は、領域A1の一部に重畳し、領域A3及びA5には重畳していない。
【0065】
これらの
図6乃至
図8を参照して説明したトランジスタTR2においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0066】
図9は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
図9に示す例は、
図6に示した例と比較して、半導体SC2において、領域A2乃至A5の各々が領域A1から離間している点で相違している。
【0067】
領域A2及びA3は、領域A1(あるいはゲート電極GE2)とソース電極SE2との間に位置し、また、ゲート電極GE2及びソース電極SE2のいずれとも重畳しない。領域A2は、縁部E1の一部を含み、縁部E3を含まない。領域A3は、縁部E2の一部を含み、縁部E3を含まない。領域A1と領域A2との間、及び、領域A1と領域A3との間には、領域A1よりも低抵抗の領域(あるいは領域A1よりも不純物濃度が高い領域)が介在している。
【0068】
領域A4及びA5は、領域A1(あるいはゲート電極GE2)とドレイン電極DE2との間に位置し、また、ゲート電極GE2及びドレイン電極DE2のいずれとも重畳しない。領域A4は、縁部E1の一部を含み、縁部E4を含まない。領域A5は、縁部E2の一部を含み、縁部E4を含まない。領域A1と領域A4との間、及び、領域A1と領域A5との間には、領域A1よりも低抵抗の領域(あるいは領域A1よりも不純物濃度が高い領域)が介在している。
【0069】
領域A2乃至A5には、それぞれ島状の金属層M2乃至M5が重畳している。これらの金属層M2乃至M5は、ゲート電極GE2と同一層に位置し、ゲート電極GE2と同一材料によって形成されている。つまり、金属層M2乃至M5、及び、ゲート電極GE2は、同一工程で一括して形成することができる。
【0070】
金属層M2及びM3は、ゲート電極GE2とソース電極SE2との間に位置し、また、ゲート電極GE2及びソース電極SE2のいずれとも重畳しない。金属層M4及びM5は、ゲート電極GE2とドレイン電極DE2との間に位置し、また、ゲート電極GE2及びドレイン電極DE2のいずれとも重畳しない。このため、金属層M2乃至M5は、電気的にフローティングであるが、ゲート電極GE2、ソース電極SE2、及び、ドレイン電極DE2のいずれの電位の影響もほとんど受けることがない。
【0071】
このような領域A1乃至A7を有する半導体SC2は、ゲート電極GE2、及び、金属層M2乃至M5をマスクとしてイオン注入を行うことにより形成することができる。なお、イオン注入後に金属層M2乃至M5を除去してもよい。
【0072】
図9を参照して説明したトランジスタTR2においても、半導体SC2のうち、縁部E1の近傍、及び、縁部E2の近傍に電流パスが形成されないため、上記したのと同様の効果が得られる。
【0073】
図10は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
図10に示す例では、半導体SC2は、チャネル領域に相当する領域A1と、ソース領域に相当する領域A6と、ドレイン領域に相当する領域A7と、を有しており、上記の高抵抗領域である領域A2乃至A5を有していない。
【0074】
ソース電極SE2は、平面視において、縁部E1と縁部E2とのほぼ中間の位置で半導体SC2に重畳し、コンタクトホールCH21を介して領域A6に接している。縁部E1からコンタクトホールCH21までの第1方向Xに沿った距離D11は、縁部E2からコンタクトホールCH21までの第1方向Xに沿った距離D12と同等である。領域A1からコンタクトホールCH21までの第2方向Yに沿った距離D13は、距離D11及びD12より小さい。一例では、距離D11及びD12は、距離D13の2倍以上である。
【0075】
ドレイン電極DE2は、平面視において、縁部E1と縁部E2とのほぼ中間の位置で半導体SC2に重畳し、コンタクトホールCH22を介して領域A7に接している。縁部E1からコンタクトホールCH22までの第1方向Xに沿った距離D21は、縁部E2からコンタクトホールCH22までの第1方向Xに沿った距離D22と同等である。領域A1からコンタクトホールCH22までの第2方向Yに沿った距離D23は、距離D21及びD22より小さい。一例では、距離D21及びD22は、距離D23の2倍以上である。
【0076】
図10を参照して説明したトランジスタTR2においては、ゲート電極GE2にしきい値以上のゲート電圧が印加された際に、ソース電極SE2とドレイン電極DE2との間の電気力線が半導体SC2の中央部分に集中する一方で、電気力線は縁部E1の近傍及び縁部E2の近傍に広がりにくい。このため、半導体SC2のうち、主にソース電極SE2及びドレイン電極DE2が配置される中央部に電流パスが形成され、縁部E1の近傍及び縁部E2の近傍にはほとんど電流が流れない。このため、上記したのと同様の効果が得られる。
【0077】
図11は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
図11に示す例は、
図10に示した例と比較して、ソース電極SE2及びドレイン電極DE2が幅広に形成された点で相違している。
ソース電極SE2は、縁部E3の全体に亘って重畳するように配置されている。但し、ソース電極SE2は、
図10に示した例と同様に、縁部E1及びE2から十分に離れた位置に形成されたコンタクトホールCH21を介して領域A6に接している。
ドレイン電極DE2は、縁部E4の全体に亘って重畳するように配置されている。但し、ドレイン電極DE2は、
図10に示した例と同様に、縁部E1及びE2から十分に離れた位置に形成されたコンタクトホールCH22を介して領域A7に接している。
図11に示した例のトランジスタTR2においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0078】
図12は、トランジスタTR2の他の例を示す平面図である。
図12に示す例は、半導体SC2のうち、縁部E1に沿った領域A8及び縁部E2に沿った領域A9が中央部の領域(領域A1、A6、A7)より薄く形成された点で相違している。領域A8及びA9の各々の第1方向Xに沿った幅は、2μm程度である。
【0079】
ソース電極SE2は、平面視において、領域A8、領域A6、及び、領域A9に亘って重畳し、領域A8及びA9に接することなく、コンタクトホールCH21を介して領域A6に接している。
ドレイン電極DE2は、平面視において、領域A8、領域A7、及び、領域A9に亘って重畳し、領域A8及びA9に接することなく、コンタクトホールCH22を介して領域A7に接している。
【0080】
次に、上記の半導体SC2の製造方法の一例について
図13を参照しながら説明する。
【0081】
まず、絶縁層14の上に、酸化物半導体膜SC0を形成する。その後、酸化物半導体膜SC0の上に、所望の形状にパターニングしたレジストR2を形成する。続いて、レジストR2をマスクとして、酸化物半導体膜SC0をエッチングする。これにより、島状の半導体SC2を形成する。
【0082】
さらに継続してエッチングを行う(あるいは、アッシング処理を行う)ことで、レジストR2の体積が縮小し、半導体SC2のうちの縁部E1の近傍の領域及び縁部E2の近傍の領域がレジストR2から露出し、半導体SC2の表層が除去される。
【0083】
領域A8のうち、縁部E1の近傍の領域のエッチング時間は、領域A7の近傍の領域のエッチング時間よりも長い。このため、縁部E1の近傍の領域の膜厚は、領域A7の近傍の領域の膜厚よりも薄くなる。
同様に、領域A9のうち、縁部E2の近傍の領域のエッチング時間は、領域A7の近傍の領域のエッチング時間よりも長い。このため、縁部E2の近傍の領域の膜厚は、領域A7の近傍の領域の膜厚よりも薄くなる。
一方で、半導体SC2のうち、中央部はレジストR2が重畳しているため、ほとんど膜厚が変化していない。この領域は、
図12に示した領域A1、A6、A7を形成する。
【0084】
このような形状の半導体SC2において、ゲート電極GE2をマスクとしてイオン注入を行った場合、領域A8及びA9のうち、ゲート電極GE2に重畳しない領域には、領域A6及びA7と同様に不純物がドープされる。但し、縁部E1の近傍の膜厚及び縁部E2の近傍の膜厚が極めて薄く、領域A6及びA7のようには低抵抗化されない。このため、半導体SC2のうち、縁部E1の近傍及び縁部E2の近傍にはほとんど電流が流れず、上記したのと同様の効果が得られる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制することが可能な半導体装置を提供することができる。
【0086】
以上、本発明の実施形態として説明した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0087】
1…半導体装置 14…絶縁層(第1絶縁層) 15…絶縁層(第2絶縁層) 16…絶縁層(第3絶縁層) CH21、CH22…コンタクトホール
TR1…トランジスタ GE1…ゲート電極 SE1…ソース電極 DE1…ドレイン電極 SC1…半導体(多結晶シリコン半導体)
TR2…トランジスタ GE2…ゲート電極 SE2…ソース電極 DE2…ドレイン電極 SC2…半導体(酸化物半導体) E1…縁部(第1縁部) E2…縁部(第2縁部) A1乃至A9…領域 A1…第1領域(チャネル領域) A2…第2領域 A3…第3領域 A4…第4領域 A5…第5領域 A6…第6領域(ソース領域) A7…第7領域(ドレイン領域)
M1乃至M4…金属層