(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】画像形成システム、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20241111BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20241111BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20241111BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G03G15/00 303
G03G15/01 Y
B41J29/393 107
H04N1/00 567M
H04N1/00 002A
(21)【出願番号】P 2021012777
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】辻田 孝介
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-221111(JP,A)
【文献】特開2009-134222(JP,A)
【文献】特開2010-122377(JP,A)
【文献】特開2020-086117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 15/01
B41J 29/393
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブに基づく所定枚数の画像の印刷が実行されたことに従って、給紙段から送られた用紙に階調パターン画像を形成する形成手段と、
前記形成手段によって形成された階調パターン画像を読み取り測色する測色手段と、
前記測色手段による測色結果と基準値に基づき、階調補正データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された階調補正データを用いて、画像データに階調補正を行う補正手段と
、
前記階調パターン画像を形成すべき用紙の設定をユーザから受け付ける受付手段とを有し、
前記形成手段によって前記階調パターン画像が形成される用紙は、前記
受付手段によって受け付けた設定に
よって決定されることを特徴とする画像形成
システム。
【請求項2】
前記印刷ジョブは、複数種類の用紙が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成
システム。
【請求項3】
前記印刷ジョブは、それぞれのページに対して用紙タイプ、用紙サイズが設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成
システム。
【請求項4】
前記印刷ジョブは、それぞれのページに対してカラーモードが設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成
システム。
【請求項5】
前記階調パターン画像は、色の濃度を段階的に変化させた複数のパッチ画像で構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成
システム。
【請求項6】
前記受付手段は、前記階調パターン画像を形成すべき用紙の種類の設定を前記ユーザから受け付けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記受付手段は、前記階調パターン画像を形成すべき用紙のサイズの設定を前記ユーザから受け付けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
印刷ジョブに基づく所定枚数の画像の印刷が実行されたことに従って、給紙段から送られた用紙に階調パターン画像を形成する形成ステップと、
前記形成ステップによって形成された階調パターン画像を読み取り測色する測色ステップと、
前記測色ステップによる測色結果と基準値に基づき、階調補正データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップによって生成された階調補正データを用いて、画像データに階調補正を行う補正ステップと
、
前記階調パターン画像を形成すべき用紙の設定を受け付ける受付手段とを有し、
前記形成ステップによって前記階調パターン画像が形成される用紙は、前記
受付手段によって受け付けた設定に
よって決定されることを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
前記印刷ジョブは、複数種類の用紙が設定されていることを特徴とする請求項
8に記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記印刷ジョブは、それぞれのページに対して用紙タイプ、用紙サイズが設定されていることを特徴とする請求項
8に記載の画像形成方法。
【請求項11】
前記印刷ジョブは、それぞれのページに対してカラーモードが設定されていることを特徴とする請求項
8に記載の画像形成方法。
【請求項12】
前記階調パターン画像は、色の濃度を段階的に変化させた複数のパッチ画像で構成されることを特徴とする請求項
8乃至
11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至
7のいずれか1項に記載の画像形成
システムの各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、カラー印刷時と白黒印刷時で画像形成の手段を切替えることが出来る複数の印刷モードを有する構成が知られている。例えば、一定数の白黒画像ページの印刷が連続して発生した時、画像形成装置の形成手段を、ブラックトナーのみ印刷可能な白黒画像形成モードに切替える。ブラック以外のトナーや感光ドラムといった部材は、制御を一旦休止する。印刷モードを切替えることで、生産性を向上させつつ機械的劣化を抑えることが期待できる。一方で、印刷モードの切替えは、形成手段を変更するため長い時間を要する。
【0003】
また、用紙に画像を形成する画像形成装置の後段にインラインセンサを接続し、画像形成装置が形成した用紙上の画像をインラインセンサで読み取る印刷システムが知られている。
【0004】
このような印刷システムでは、画像形成装置が用紙上に印字した濃度調整用のパッチをインラインセンサで読み取ることで、大量ページのジョブを印刷中であってもリアルタイムで調整結果を印刷装置にフィードバックすることができる。出力物(用紙)の余白にパッチを印字することが望ましいが、用紙の種類やサイズによっては調整用のパッチを印字することができない場合がある。
【0005】
特許文献1では、印刷ジョブの出力物とは異なる用紙にパッチを印字して調整チャートを生成し、ジョブの印刷中に印刷ページが所定枚数に到達したら調整チャートを挿入して印刷する技術が開示されている。また、特許文献1では、前記印刷された調整チャートのパッチの濃度を読み取り、装置にフィードバックして濃度調整を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、1つの印刷ジョブで複数種類の用紙を使用することについて開示されていないため、複数種類の用紙が設定されている印刷ジョブに対して調整チャートを挿入する場合、どの種類の用紙を挿入するか自動で設定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像形成システムは以下のような構成を備える。すなわち、印刷ジョブに基づく所定枚数の画像の印刷が実行されたことに従って、給紙段から送られた用紙に階調パターン画像を形成する形成手段と、前記形成手段によって形成された階調パターン画像を読み取り測色する測色手段と、前記測色手段による測色結果と基準値に基づき、階調補正データを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された階調補正データを用いて、画像データに階調補正を行う補正手段と、前記階調パターン画像を形成すべき用紙の設定をユーザから受け付ける受付手段とを有し、前記形成手段によって前記階調パターン画像が形成される用紙は、前記受付手段によって受け付けた設定によって決定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷ジョブに基づく所定枚数の画像の印刷が実行されたことに従って階調パターンを形成する用紙の設定を受け付け、受け付けた設定によって、階調パターンが形成される用紙を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3A】デバイスコントローラのソフトウェア構成の一例を示すブロック図
【
図3B】RIPコントローラのソフトウェア構成の一例を示すブロック図
【
図4】画像処理装置における実行フローチャートを示すフロー図
【
図5】画像処理装置における割込み調整の用紙決定処理の実行フローチャートを示すフロー図
【
図6】画像形成装置における割込み調整の実行フローチャートを示すフロー図
【
図7】画像形成装置における調整チャートのページ画像生成についての実行フローチャートを示すフロー図
【
図8】割込み調整間隔を設定する画面の一例を示す図
【
図9A】印刷管理アプリケーション画面の一例を示す図
【
図9B】印刷管理アプリケーション画面の一例を示す図
【
図9C】印刷管理アプリケーション画面の一例を示す図
【
図9D】印刷管理アプリケーション画面の一例を示す図
【
図9E】印刷管理アプリケーション画面の一例を示す図
【
図10A】印刷ジョブの設定テーブルの一例を示す図
【
図10B】割込み用紙を印刷する際のカラーモード、割込み用紙の用紙タイプ、用紙サイズの設定テーブルの一例を示す図
【
図11】画像形成装置が備える給紙装置にセットされる用紙の用紙タイプ、用紙サイズに関する情報を設定するテーブルの一例を示す図
【
図12A】ラージ系サイズの用紙に印字する調整チャートのレイアウトの一例を示す図。
【
図12B】スモール系サイズの用紙に印字する調整チャートのレイアウトの一例を示す図。
【
図13】(a)は測定値データの一例を示す図、(b)は基準値データの一例を示す図、(c)は補正値の一例を示す図
【
図14】(a)、(b)、(c)画像形成装置における割込み調整の実行フローチャートを示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0012】
<印刷システムの構成>
図1は、本実施形態に係る印刷システムの構成の一例を示す図である。
図1Aに示すように、印刷システムは、画像形成装置10に接続された画像処理装置20、およびクライアントPC30が、LAN等のネットワーク40で接続されている。画像形成装置10および画像処理装置20は、クライアントPC30から受信した印刷要求に従って、紙やプラスチックシート(以下、「用紙」と呼ぶ。)等の記録媒体上に画像を形成する機能(印刷機能)を有する。
【0013】
印刷システムの構成は、
図1Aに示すものに限定されるものではなく、少なくとも1つ以上のクライアントPC30と、画像形成装置10および画像処理装置20とがネットワーク40を介して通信可能に接続されていればよい。
【0014】
画像処理装置20は、図に示すように画像形成装置10とは独立したプリントサーバとして構成していてもよいし、画像形成装置10が内部で同じ機能を有する一体化したシステムであってもよい。
【0015】
また、ネットワーク40は有線であっても無線であってもよい。
【0016】
<印刷システムのハードウェア構成>
図1Bは、本実施形態に係る印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。画像形成装置10において、デバイスコントローラ100は画像形成装置10のデバイスを制御するコントローラである。CPU111は、ROM112またはハードディスク(HDD)114に記憶された制御プログラムに基づいてシステムバス116に接続される各種のデバイスとのアクセスを総括的に制御する。
【0017】
ROM112は、CPU111が実行可能な制御プログラム等を記憶している。RAM113は、主としてCPU111の主メモリ、ワークエリア等として機能し、不図示の増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。ハードディスク(HDD)114は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル等を記憶する。なお、本実施例ではHDD114を用いたが、HDD114の他にSDカードや、フラッシュメモリなどを外部記憶装置として利用してもよい。
【0018】
制御系I/F115は、印刷制御に必要な情報を、画像処理装置20へと送受信する。プリンタI/F117は、プリント装置200への画像出力を制御する。操作部I/F119は、操作部130が備える表示部132の表示制御および、入力部131で設定される各種設定情報の入力を制御する。画像データ系I/F120は、プリント装置200へ送信するための画像データを画像処理装置20から受信する。
【0019】
センサI/F118は、プリント装置200の内部に備わるセンサ220の動作指示の送信とセンサ220の測定結果を受信する。センサ220は、プリント装置200の紙搬送経路上の定着器と排紙口の間に配置される。あるいは、プリント装置200の後段に接続される不図示のフィニッシング装置の紙搬送経路上に配置されていてもよい。センサの配置箇所に合わせてカラーパッチを配置した測定チャートを印刷し、そのチャートがセンサ220を通過することで、センサ220は、例えば、分光値や色度値、濃度といったパッチの情報を測定する。測定された情報は、双方の装置の調整機能に利用される。
【0020】
画像処理装置20において、RIPコントローラ140は、投入された印刷ジョブの解析、画像データへの展開処理など画像処理装置20における印刷実行に必要な処理を行う。CPU141は、ROM142またはハードディスク(HDD)144に記憶された制御プログラムに基づいてシステムバス146に接続される各種のデバイスとのアクセスを総括的に制御する。
【0021】
ROM142は、CPU141が実行可能な制御プログラム等を記憶している。RAM143は、主としてCPU141の主メモリ、ワークエリア等として機能し、不図示の増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。ハードディスク(HDD)144は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル等を記憶する。なお、本実施例ではHDD144を用いたが、HDD144の他にSDカードや、フラッシュメモリなどを外部記憶装置として利用してもよい。
【0022】
制御系I/F145は、印刷制御に必要な情報を、画像形成装置10と送受信する。画像データ系I/F147は、プリント装置200により出力させる画像データを画像形成装置10へ送信する。操作部I/F148は、操作部150が備える表示部152の表示制御および、入力部151で設定される各種設定情報の入力を制御する。ネットワークI/F149は、ネットワークケーブルを経由して、外部ネットワーク40とデータ通信を行う。
【0023】
また、画像処理装置20は、後述するクライアントPC30と同じ印刷ジョブを投入する機能を持つ場合もある。印刷ジョブの投入は、操作部150からプリンタドライバあるいは印刷管理アプリケーションを介して印刷ジョブをRIPコントローラ140へ投入する。
【0024】
クライアントPC30は、外部ネットワーク40を通じて、画像処理装置20と接続される。クライアントPC30は、画像処理装置20に対して、プリンタドライバあるいは印刷管理アプリケーションを介して印刷ジョブを投入する。
【0025】
<印刷システムの内部構造>
図2は、本実施形態に係る、画像形成装置10が搭載する電子写真方式のプリント装置200の内部構造、および各装置間の関係を説明する図である。
【0026】
図2において破線で囲まれた部分がプリント装置200を示している。プリント装置200には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各トナーに対応した4つのステーションが存在している。水平方向に配列されたこれら4つのステーションによって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順にトナー像が順次形成される。
【0027】
各ステーションには像担持体として感光ドラム201を備えている。
【0028】
感光ドラム201の周面には帯電器202、露光装置203、現像装置204、クリーニング装置207、前露光器208が配置されている。現像装置204には感光ドラム201へ現像材(トナー)を供給する現像ローラ205が配置されている。中間転写ユニット206では中間転写ベルト209と、中間転写ベルト209を介して各ステーションに1次転写ローラ210が感光ドラム201と対向で接触する。
【0029】
さらに、2次転写内側ローラ211と2次転写ローラ212も中間転写ベルト209を介して接触し、搬送方向に中間転写ベルトが回転するような構成で配置されている。定着装置213は、加熱フィルム(加熱回転体)214、定着ローラ215及び加圧ローラ216で構成され、用紙222に転写されているトナーを加熱、加圧して定着させる。排紙ローラ217は定着装置213を通紙した用紙222を排紙トレイ218に排出する。
【0030】
測色センサ220は、定着装置213と排紙ローラ217との間に印刷面を読み取り可能に設置され、定着を終えた用紙222上に形成されたパッチの濃度を測定して測色データ(濃度データ)をコントローラ100に通知する。クリーニングブレード221は2次転写時に用紙222に転写されずに中間転写ベルト209上に残存したトナーのクリーニングを行う。給紙ローラ224は給紙段223に格納されている用紙222を給紙する。なお、
図2では給紙段223の数は1つであるが、印刷装置10は様々な用紙サイズ・用紙タイプに対応した複数の給紙段223を備えているものとする。
【0031】
次に、本実施形態に係る各種装置のソフトウェア構成を説明する。
【0032】
<画像形成装置のソフトウェア構成>
図3Aは、画像形成装置10のソフトウェアモジュール構成となるデバイスコントローラ100に関するブロック図である。これらのソフトウェアモジュールは、HDD114にプログラムとして格納されCPU111によってRAM113に読み出され実行される。
【0033】
UI制御部301は、操作部I/F119を介して、操作部130における表示部132の表示制御および、入力部131で設定される各種設定情報の入力を制御する。
【0034】
ページ画像解析部302は、画像処理装置20から受信する印刷ジョブを解析する。本実施形態においては、印刷ジョブの割込み調整設定が有効になっているかどうかを判断する。
【0035】
ページ画像制御部303は、印刷ジョブに対して画像形成装置10で必要な印刷処理を実行する。濃度階調補正処理やハーフトーン処理の適用などを実行し、プリント装置200で印刷可能なデータを作成する。
【0036】
エンジン制御部304は、プリント装置200にて行われる一連の印刷動作を制御する。印刷ジョブはページ単位で処理され、印刷実行される。
【0037】
センサ制御部305は、センサ220を制御して、センサ測定指示を受けたページに対して印刷後の用紙上に形成されたパッチの濃度を測定し、測色データ(測色結果)を取得する。
【0038】
データ送受信部306は、画像処理装置20との間のデータ送受信を制御する。送受信するデータとは、例えば、印刷ジョブのデータ、画像形成装置に保存されている設定登録情報などである。また、給紙段223の各給紙段にセットされる用紙タイプ、用紙サイズ情報に関する情報を画像処理装置20に通知する。
【0039】
割込み調整間隔設定部307は、調整チャートの割込み印刷の間隔を設定する。
【0040】
<割込み調整間隔の設定を行うためのUI画面について>
図8は、本実施形態に係る、割込み調整間隔の設定を行うためのUI画面の一例である。本UI画面801は、割込み調整間隔設定部307によって作成され、UI制御部301を介して、表示部132上に表示される。
【0041】
802は、調整を実行するために必要な調整チャートを印刷する間隔情報を表す。入力部131を介してオペレータより設定を受け付ける。ここでは、割込みの間隔情報として印刷枚数を指定する。本UI画面801では803あるいは804を操作し設定変更を受け付けるようにしているが、例えば、テンキーを表示し直接数値を受け付けるようなUIであっても良い。オペレータによりOKボタン805が押下されると、割込み調整間隔設定部307は、指定された情報を後述する割込み調整チャート印刷制御部309に通知し、本UI画面801を終了する。キャンセルボタン806が押下されると、割込み調整間隔設定部307は、ただちに本UI画面801を終了する。
【0042】
割込み調整チャート決定部308は、画像処理装置20からの指示を基に、挿入する調整チャートのパッチレイアウト構成を決定する。詳細は後述する。
【0043】
割込み調整チャート印刷制御部309は、割込み印刷を実行するための制御を行う。指定された間隔で測定チャートを印刷するために、印刷ページ数のカウントやクリア、調整チャート画像の作成など、調整チャートの印刷に関する処理を行う。
【0044】
割込み調整実行部310は、センサ220からの測色データを取得し、階調補正のための補正値を算出する。補正値を基に階調補正データを更新する。
【0045】
給紙段用紙管理部311は、データ送受信部344を介して給紙段用紙管理部311から通知される画像形成装置10に備わる給紙段223の各給紙段にセットされる用紙情報(用紙タイプ、用紙サイズ)に関する情報を受信して管理する。
【0046】
<画像処理装置のソフトウェア構成>
図3Bは、画像処理装置20のソフトウェアモジュール構成となるRIPコントローラ140に関するブロック図である。これらのソフトウェアモジュールは、HDD144にプログラムとして格納されCPU141によってRAM143に読み出され実行される。
【0047】
UI制御部341は、操作部I/F148を介して、操作部150における表示部152の表示制御および、入力部151で設定される各種設定情報の入力を制御する。
【0048】
印刷ジョブ管理部342は、オペレータから受け付けた印刷ジョブデータを管理する。具体的には、HDD144に保存された印刷ジョブの呼び出しや、オペレータによる印刷ジョブ設定変更の反映、印刷済みのジョブの履歴管理などの処理を行う。一般的に、一連の処理をオペレータが簡単に実行するために印刷管理アプリケーションが存在する。
【0049】
印刷ジョブ処理部343は、オペレータから受け付けた印刷ジョブの解析、画像データへの展開、画像圧縮伸長など、印刷処理実行に必要な処理を行う。
【0050】
データ送受信部344は、画像形成装置10との間の各種データの送受信を管理する。印刷ジョブ処理部343によって生成された印刷ジョブデータはデータ送受信部344により画像形成装置10へと送信される。また、データ送受信部344は、外部ネットワーク40を介して接続されるクライアントPC30とのデータ送受信も管理する。
【0051】
割込み調整設定部345は、印刷ジョブに対して割込み調整を行うかどうかを設定する。本設定は、前述の印刷管理アプリケーション901の、プロパティボタン904押下より表示設定される印刷設定項目の一つである。
【0052】
割込み調整チャート用紙決定部346は、印刷ジョブに対して割込み調整が行う設定がなされている場合に、印刷設定に応じて割込み調整チャートとして使用する用紙を決定する。詳細は後述する。
【0053】
給紙段用紙管理部347は、データ送受信部344を介して画像形成装置10に備わる給紙段223の各給紙段にセットされる用紙タイプと用紙サイズに関する情報を管理する。
【0054】
<印刷ジョブの属性を管理するテーブルについて>
ここで、印刷管理アプリケーションが表示する印刷ジョブの設定項目について説明する。
図10Aの1001は印刷ジョブの属性を管理するテーブルである。テーブル1001は、HDD144に格納されており、印刷ジョブ管理部342が、印刷設定に関する印刷設定情報を読み込んだ結果、印刷設定を印刷ジョブ毎にテーブル1001に保存する。テーブル1001の[1]列目にはジョブ名が格納される。[2]列目には、[3]~[5]列目で指定される項目が、印刷ジョブ設定で指定されているか、メディアミックスで指定されているかが定義される。印刷ジョブ設定およびメディアミックスに関しては後述する。[3]列目には、カラーモードが記される。[4]列目には用紙タイプが記される。[5]列目には、用紙サイズが記される。
【0055】
<印刷ジョブの属性を設定する画面UIについて>
図9は、本実施形態に係る、印刷管理アプリケーションのUI画面の一例である。本UI画面901は、印刷ジョブ管理部342によって管理作成され、UI制御部341を介して表示部152上に表示される。
【0056】
画面901に表示されるジョブ名(ジョブA~ジョブD)は、テーブル1001の[1]列目に記載のジョブ名にそれぞれ対応する。
【0057】
印刷設定には様々な項目が存在する。例えば、印刷ジョブに使用する印刷用紙や、ページ面付けなどレイアウトや、色や画像処理に関するものなど、がある。ここで設定される印刷設定項目は、印刷ジョブ管理部342に通知される。削除ボタン905が押下されると、選択された印刷ジョブのデータをキューから削除する。
【0058】
902は印刷処理装置20が受信した印刷ジョブの情報を表示するジョブキューを表している。ここでは、印刷ジョブの名前、印刷ジョブのページ数、部数の情報、後述する割込み調整が有効か否かの情報を表示する。表示する情報はこれに限らず、例えば印刷ジョブに設定されている任意の項目を表示してもよい。
【0059】
これら印刷ジョブの設定項目は、オペレータが画面901で、表示されるジョブ名を選択し、プロパティ904を押下することで編集することが出来る。例えば、オペレータが、「ジョブC」を選択し、プロパティ904を押下すると、UI制御部341は、印刷ジョブ管理部342に、選択された「ジョブC」のジョブプロパティを取得するよう指示する。印刷ジョブ管理部342は、この指示を受け、テーブル1001にアクセスし、「ジョブC」に設定される[d]~[f]行目に記載される値を取得する。
【0060】
そして、UI制御部341に指示し、ジョブプロパティ画面910を表示部152に表示させる。画面910には「ジョブC」に設定される印刷設定が表示される。具体的には、912には、[3]列[d]行目に設定される「グレースケール」が表示される。913には、[4]列[d]行目に設定される「普通紙1」が表示される。914には、[5]列[d]行目に設定される「A4」が表示される。915は、メディアミックス設定内容を表示する部分である。919にその設定内容を表示する。メディアミックスとは、印刷ジョブにカバーページや、ページ範囲を指定し、指定した範囲でカラーモードと、用紙タイプ、用紙サイズを指定する機能である。
【0061】
922には、[3]~[5]列[e]行目に記載される「メディアミックス(フロントカバー)」の値が表示される。923には、[3]~[5]列[f]行目に記載される「メディアミックス(ページ範囲:3-11)」の値が表示される。メディアミックスの設定は、オペレータが画面910で、追加ボタン916を押下することで追加することが出来る。また、919で表示される、922、923を選択して編集ボタン917を押下することで編集することが出来る。
【0062】
また、922、923を選択して削除ボタン918を選択することで設定を削除することが出来る。メディアミックスの編集例について説明する。オペレータが922を選択して、編集ボタン917を押下すると、UI制御部341は、これを印刷ジョブ管理部342に通知する。これを受けて、印刷ジョブ管理部342は、「ジョブC」の「メディアミックス(フロントカバー)」で指定される印刷設定をテーブル1001の[3]~[5]列「e」行目から取得する。そして、UI制御部341に指示し、画面931を表示部152に表示させる。画面931は、メディアミックス設定を行う画面である。画面931において、932はカバーページ設定を行うラジオボタンである。
【0063】
さらに、934はフロントカバー、935はバックカバーの設定を行うチェックボックスである。本例では、画面910における922が選択され、編集ボタン917が押下された。922の設定はテーブル1001の[e]行の設定に基づいている。[2]列[e]行目の設定は、フロントカバーであるため、カバーページ設定932、および、フロントカバー934にチェックが入った状態で表示される。さらに、936~938はフロントカバーの印刷設定が表示される。具体的には、936には、[3]列[e]行目に設定される「カラー」が表示される。
【0064】
937には、[4]列[e]行目に設定される「厚紙2」が表示される。938には、[5]列[e]行目に設定される「A3」が表示される。オペレータは、934~938を選択すると不図示の選択画面が表示され、印刷設定を変更することが出来る。オペレータが、保存ボタン945を押下すると、UI制御部341はこれを印刷ジョブ管理部342に通知する。印刷ジョブ管理部342は、932~938に設定される印刷設定を、テーブル1001に書き込み、UI制御部341に指示して画面910を表示部152に表示させる。
【0065】
また、画面931にてオペレータがキャンセル946を選択した場合、UI制御部341はこれを印刷ジョブ管理部342に通知する。印刷ジョブ管理部342は、934~938に設定される印刷設定を、テーブル1001には書き込まずに、UI制御部341に指示して画面910を表示部152に表示させる。
【0066】
画面910にて、オペレータが923を選択して、編集ボタン917を押下すると、UI制御部341は、印刷ジョブ管理部342にこれを通知する。そして印刷ジョブ管理部342は、「ジョブC」の「メディアミックス(ページ範囲:3-11)」で指定される印刷設定をテーブル1001の[3]~[5]列「f」行目から取得する。そして、UI制御部341に指示し、メディアミックス設定画面931を表示部152に表示させる。画面931の939~943はページ範囲設定を行う部分である。
【0067】
本例では、画面910における923が選択され、編集ボタン917が押下された。923の設定はテーブル1001の[f]行の設定に基づいている。[2]列[f]行目の設定は、ページ範囲指定であるため、ページ範囲指定939にチェックが入った状態で表示される。940にはページ範囲が表示される。テーブル1001の[2]列[f]行目には、ページ範囲が「3-11」と記されているため、このページ範囲が表示される。以降の941~943の表示項目に関してはカバーページ設定で述べた936~938の表示処理を同じであるため処理を割愛する。
【0068】
オペレータが、保存ボタン945を押下すると、UI制御部341はこれを印刷ジョブ管理部342に通知する。印刷ジョブ管理部342は、940~943に設定される印刷設定を、テーブル1001に書き込み、UI制御部341に指示して画面910を表示部152に表示させる。また、画面931にてオペレータがキャンセルボタン946を押下した場合、UI制御部341はこれを印刷ジョブ管理部342に通知する。印刷ジョブ管理部342は、940~943に設定される印刷設定を、テーブル1001には書き込まずに、UI制御部341に指示して画面910を表示部152に表示させる。
【0069】
画面910にてオペレータが追加ボタン916を押下した場合、UI制御部341は、印刷ジョブ管理部342に通知する。これを受け、印刷ジョブ管理部342は、UI制御部341に指示して画面931を表示部152に表示させる。この場合は、メディアミックスの追加であるため、カバーページ設定932にチェックが入った状態で、本画面が表示され、それ以外の領域にはチェックや、設定値は無い状態で表示される。なお、ラジオボタンの特性上、カバーページ設定932にチェックが入った状態で表示すると述べたが、ページ範囲設定939にチェックが入った状態で本画面を表示しても良い。
【0070】
オペレータは画面931を操作することにより、カバーページまたは、ページ範囲設定を新規に行うことが出来る。画面910にて、オペレータが922を選択して、削除ボタン918を押下すると、UI制御部341は、印刷ジョブ管理部342に通知する。これを受け、印刷ジョブ管理部342は、「ジョブC」の「メディアミックス(フロントカバー)」で指定される印刷設定をテーブル1001の「f」行目を削除する。なお、画面910に備わる割込み調整ボタン924を押下すると、ジョブCに対する割込み調整設定画面を開くことが出来る。詳細は後述する。
【0071】
図9Dに、本実施形態に係る、印刷ジョブの印刷設定を行うためのUI画面の一例を示す。本UI画面951は、印刷ジョブ管理部342上で割込み調整設定部345によって管理作成され、UI制御部341を介して表示部152上に表示される。調整952は、割込み調整を行うか否かを指定するためのチェックボックスである。本設定は、PC30等でジョブ設定する際にチェックされていると、印刷管理アプリケーション901が、自身の管理する印刷設定項目として、調整「有」で表示する。
【0072】
調整952にチェックが入っていると、印刷ジョブに対する割込み調整が有効となる。また、オペレータにより、調整952のチェックが外されると印刷ジョブに対する割込み調整が無効となる。953~957は、割込みチャートのカラーモード、用紙タイプ、用紙サイズを表示する部分である。詳細は後述する。
図9Eも
図9D同様、割込みチャートのカラーモード、用紙タイプ、用紙サイズを編集する画面である。詳細は後述する。
【0073】
<印刷ジョブの印刷設定に応じて決定した割込みチャートのカラーモードおよび割込みチャートの用紙タイプ、用紙サイズを管理するテーブルについて>
図10Bの1002は印刷ジョブの印刷設定に応じて決定した割込み調整チャートのカラーモードおよび割込み調整チャートの用紙タイプ、用紙サイズを管理するテーブルである。テーブル1002は、HDD144に格納されており、後述する割込み調整チャートの用紙決定フローに基づいて決定したカラーモードおよび用紙タイプ、用紙サイズの値が記録される。
【0074】
<画像処理装置の給紙段にセットされる用紙情報を画像処理装置で管理するテーブルについて>
図11の1101は、画像形成装置10に備わる給紙段223の各給紙段にセットされる用紙タイプと用紙サイズに関する情報を管理するテーブルである。給紙段用紙管理部347は、画像形成装置10に備わる給紙段223の用紙タイプおよび用紙サイズ情報の通知を基にテーブル1101の情報を更新する。
【0075】
<調整チャートに印字するチャート種、およびこれらを印刷する用紙サイズについて>
調整チャートに印字するチャート種は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類がある。この4種類のチャートを用紙に収まるようにレイアウトするとき、チャートの大きさと、チャート読み取りセンサの位置によっては、複数の用紙に分けてチャート印刷する必要性が出る場合がある。本実施例では一例として、4種類のチャートを印刷する際は、いわゆる4種類のチャートを1枚の用紙に収めることが可能な用紙サイズをラージ系サイズの用紙と定義する。また、4種類のチャートを2種類ずつのチャートに分けて、合計2枚の用紙で印刷するときの用紙サイズをスモール系サイズの用紙と定義する。本例では、ラージ系サイズの用紙を「A3」、スモール系サイズの用紙を「A4」として扱う。
【0076】
また、例えば、4種類のチャートをラージ系サイズである「A3」1枚を使用して印刷する場合と、2種類ずつに分けてスモール系サイズの「A4」2枚を使用して印刷する場合とを比較する。このとき、画像処理装置よっては、「A3」1枚でチャート印刷を行った方が、印刷に要する時間が短い場合がある。本実施例はこのようなケースも考慮する。
【0077】
<調整チャートのページについて>
図12を用いて、生成する調整チャートのページについて説明する。
【0078】
図12AおよびBは、調整チャートのページ画像の一例を示す図である。本チャートは、割込み調整チャート決定部308において決定、生成される。ページ画像1201は、カラー用の階調パッチがレイアウトされる場合のページ画像例であり、ページ画像1211は、白黒用の階調パッチがレイアウトされる場合のページ画像例である。
【0079】
図12Aの1201では、ラージ系サイズのページ内の所定の位置に4色のトナーで表現された階調パッチが配置されている(1202~1205)。この例では、各トナーは10個の階調パッチ(階調パターン)として構成されているが、前述の階調補正処理において説明した通り、パッチの数はこれに限定するものではない。階調パターン画像は、色の濃度を段階的に変化させた複数のパッチ画像で構成される。220は、紙搬送経路上に設置されているセンサを示しており、設置されるセンサ220の位置を通るように1202~1205が配置されたページ画像となっている。ここで、センサ220は2つ固定に配置されている構成として説明したが、センサ220の数および位置はこれに限定されるものではない。
【0080】
任意の場所に1個だけ固定配置されていたり、4個固定配置されていたり、また1つ以上のセンサが可動可能な状態で設置されていてもよい。さらに、生成する調整チャートは、それらセンサ220の数や設置状態に応じて、センサ220が階調パッチを読み取れるレイアウトとして配置されていればよい。また、センサ220が読み取り可能な仕様の一因として、用紙のサイズや種類に応じて調整チャート上に配置される階調パッチのレイアウトを変更してもよい。
【0081】
1211は、ページ内の所定の位置にブラックトナー1色で表現された階調パッチが配置されている(1212~1215)。この例では、ブラックトナーは40個の階調パッチとして構成されているが、前述の通り、配置される階調パッチの数およびレイアウトはこれに限定するものではない。
【0082】
図12Bの1221、1222は、スモール系サイズのページ内の所定の位置に2色のトナーで表現された諧調パッチがそれぞれ配置されている(1202~1205)。スモール系サイズ等の用紙を使用するとき、諧調パッチの個数やサイズ、センサ220の配置によっては、複数枚の用紙に分けて諧調パッチをレイアウトすることが考えられる。本チャートはその一例を示すものである。
【0083】
本実施例では、印刷ジョブに設定される調整チャートで使用する用紙サイズを基に生成するチャートを切り替える。具体的には、調整チャートで使用する用紙サイズ「A3」に指定されている場合、A3はラージ系サイズであると判断し、カラーモードがカラーの場合は、1201、カラーモードがグレースケールの場合は1211に例示する調整チャートを生成する。また、調整チャートで使用する用紙サイズ「A4」に指定されている場合、A4はスモール系サイズであると判断し、カラーモードがカラーの場合は、1221および1222、カラーモードがグレースケールの場合は1211に例示する調整チャートを生成する。
【0084】
<階調補正処理について>
ここで、階調補正処理について説明する。
【0085】
階調補正処理とは、画像形成装置10の出力濃度を一定に保つための補正処理である。トナーやインクを制御して印刷を行うプリント装置200において、印字する用紙や装置が設置されている環境の温湿度などの影響を受けやすく、印刷される出力濃度は常に変化する。同じ画像処理で作成したページであっても、プリント装置200の出力濃度が変化してしまうと、印刷した時の出力画質にも差が出てしまう。常に安定した出力画質を求めるために、階調補正処理がある。
【0086】
階調補正処理は、トナーあるいはインク成分が予め定められた最適な出力となるように印刷データの補正を行う処理である。一般的に、トナーあるいはインク成分毎に入力信号値に対する適切な出力となる出力信号値に変換するルックアップテーブル(LUT)を持ち、印刷データ処理実行時にLUTによる補正を実施することで実現する。ここでは、変換のためのLUTを階調補正テーブルと呼ぶ。
【0087】
図13を用いて、階調補正処理の原理について説明する。ここで示すデータは、HDD114に格納されページ画像制御部303によって管理されている。
【0088】
(a)は色毎に出力濃度の基準値となるターゲットの濃度を定めた表の一例を表している。ここでは、10%から100%の10個の入力信号に対して最適な出力濃度値の情報が定められている。このターゲット情報は、あらかじめプリンタベンダが定めている情報であってもよいし、オペレータが実際に出力測定した値を操作部130を介して登録した情報であってもよい。また、出力濃度は任意の段階で10個以外の入力信号値に対して最適な出力濃度を定める形でもよい。
【0089】
(b)は、ある時点で10個の入力信号値から作成した階調パッチ画像(階調パターン画像)を印刷し、その濃度を読み取った測定値の例を表している。この測定値が、現在のプリント装置200の出力濃度となる。ページ画像制御部303は、階調ターゲット(a)と測定値(b)から、階調補正テーブルを算出する。
【0090】
(c)は、濃度の差分を補正値として算出した例である。差分をそのまま補正値としてもよいし、定数を掛けるなど一定の加工を行って得た値を補正値としてもよい。この補正値を基に、入力信号値のターゲット濃度と同じ濃度になる信号値を出力信号値として関連付けて階調補正テーブルを生成する。この例では10個の入力信号値を例に説明を行ったが、これに限定されるものではない。使用する信号値の個数を増やすほど補正の精度は上がるが、測定のために必要なパッチ数は増加する。また、出力濃度は印字される用紙によっても異なるため、用紙毎に階調ターゲットおよび階調補正テーブルを有する場合もある。
【0091】
ここでは4色全ての階調補正処理について説明したが、全てを一度に行う必要はない。1つあるいは複数の任意のカラーのみを行ってもよい。本実施形態においては、後述する調整チャートの構成が4色カラーの場合は4色全て、白黒の場合はブラック1色、に対して補正処理を行う。
【0092】
<割込み調整チャートの用紙決定フロー>
印刷物は複数種類の用紙を使うことがある。美術館や博物館が提供する図録を例に挙げると、表紙を飾るカバーページ、写真等が掲載される本文ページ、本文ページを区切る章立てのページから構成され、それぞれ表面性が異なる用紙が使われることがある。割り込みでの調整チャートに用いる用紙は、印刷ジョブで使用される用紙を用いることが望ましいが、印刷ジョブで使用する用紙の種類が複数存在する場合、どの用紙で調整チャートを印刷するかを決める必要がある。例えば、図録の場合、本文のページには美術品等の展示物が多数印刷される。このため、最もお客様に伝えたいコンテンツが掲載される本文ページを使用して調整チャートを印刷し、色味調整を行うことが望ましい。また、文庫本を例に挙げると、本文は活字がメインで、カバーページに装飾デザインを施すことで、店頭に冊子が並んだときにカバーページがお客様の目を引くよう、カバーページの色味を重視する冊子構成にすることがある。この場合、カバーページに使用する用紙で調整チャートを出力して色味調整をすることが望ましい。このように、印刷実行者は、どの用紙で調整チャートを印刷するかを決める必要があるが、調整チャートの用紙を都度指定することは手間がかかる。
【0093】
本実施形態に係る、割込み調整チャートの用紙決定フローについて説明する。
図5は、画像処理装置20における、実行フローチャートを示すフロー図である。本フローチャートは、画像処理装置20のHDD144に格納されたプログラムがRAM143に読み出され、CPU141によって実行されることで実現される。尚、説明には、
図10A、
図10B、
図11を用いる。本フローチャートは、後述する
図4のS405にて呼び出される。より具体的には、S405にて、印刷ジョブ管理部342が印刷ジョブに対して割込み調整を行う指示がなされていることを確認し、割込み調整チャート用紙決定部346が本フローを開始させる。
【0094】
<ジョブAで使用する割込み調整チャートのカラーモード、用紙決定について>
まず、割込み調整を行う指示がなされた「ジョブA」の割り込みチャート用紙を決定する方法について説明する。割込み調整チャート用紙決定部346は、印刷設定情報に、割込み調整を行う指示がなされていることを確認し、印刷設定情報をテーブル1001に記録する。本例では、
図10B[a]列に「ジョブA」に関する印刷設定情報が記載される。そして処理を
図5のS501に進める。S501において、割込み調整チャート用紙決定部346は、テーブル1001にアクセスし、メディアミックスで用紙が登録されているかを確認する。
【0095】
「ジョブA」では、メディアミックスで用紙が登録されていないため、処理をS502に進める。S502において、割込み調整チャート用紙決定部346は、テーブル1001にアクセスする。そして「ジョブA」のジョブ設定に登録される、カラーモード、用紙タイプ、用紙サイズに関する情報を、割込み調整チャートで使用するカラーモードおよび用紙としてRAM143に記録する。
【0096】
本例の場合、カラーモード「カラー」、用紙タイプ「普通紙1」、用紙サイズ「A4」がRAM143に記録される。そして処理をS503に進める。S503において、割込み調整チャート用紙決定部346は、RAM143にアクセスし、割込み調整チャートで使用するカラーモードおよび用紙に関する情報を取得する。そして、
図10Bのテーブル1002にアクセスし、[a]行の[1]列目にジョブ名称「ジョブA」、[2]列目にカラーモード「カラー」、[3]列目に用紙タイプ「普通紙1」、[4]列目に用紙サイズ「A4」と記載する。そして処理を終了する。
【0097】
<ジョブBで使用する割込み調整チャートのカラーモード、用紙決定について>
次に、割込み調整を行う指示がなされた「ジョブB」の割り込みチャート用紙を決定する方法について説明する。割込み調整チャート用紙決定部346は、印刷設定情報に、割込み調整を行う指示がなされていることを確認し、印刷設定情報を
図10Aのテーブル1001に記録する。本例では、[b][c]列に「ジョブB」に関する印刷設定情報が記載される。そして処理をS501に進める。S501において、割込み調整チャート用紙決定部346は、テーブル1001にアクセスし、メディアミックスで用紙が登録されているかを確認する。「ジョブB」では、メディアミックスで用紙が登録されているため、処理をS504に進める。S504において、割込み調整チャート用紙決定部346は、テーブル1001にアクセスし、「ジョブB」のジョブ設定およびメディアミックスで指定される用紙の内、カラーモードが「カラー」と記載されているものがあるかを確認する。本例の場合、「ジョブB」の用紙設定は、[b]行と[c]行に登録されている。ただし、[3]列に記載されるカラーモードに「カラー」と記載されているものは無い。従って、割込み調整チャート用紙決定部346は、「ジョブB」には、カラーモードが「カラー」と記載されているものが無いと判断し、処理をS505に進める。
【0098】
S505において、割込み調整チャート用紙決定部346は、ジョブ設定に登録される、カラーモード、用紙タイプに関する情報を、割込み調整チャートで使用するカラーモードおよび用紙タイプとしてRAM143に記録する。本例の場合、カラーモード「グレースケール」、用紙タイプ「普通紙1」がRAM143に記録される。そして処理をS506に進める。
【0099】
S506において、割込み調整チャート用紙決定部346は、テーブル1001にアクセスし、ジョブで使用する用紙を確認する。そしてテーブル1101にアクセスし、ジョブで使用する用紙がすべて給紙段223のいずれかにセットされているかを確認する。本例の場合、「ジョブB」で使用する用紙は、用紙タイプ「普通紙1」 用紙サイズ「A4」と、用紙タイプ「厚紙1」 用紙サイズ「A4」であり、それぞれ、給紙段1、給紙段2にセットされている。この場合、印刷ジョブで使用する用紙がすべて給紙段223のいずれかにセットされていると判断し、処理をS507に進める。
【0100】
S507では、割込み調整チャート用紙決定部346は、調整用紙タイプのラージ系サイズが給紙段223にセットされているかを確認する。S507では、割込み調整チャート用紙決定部346は、RAM143にアクセスし、割込み調整チャートで使用する用紙タイプが「普通紙1」であることを確認する。そして、テーブル1101にアクセスし、「普通紙1」のラージ系サイズの用紙がセットされているかを確認する。本例の場合、「普通紙1」のラージ系サイズである「A3」が給紙段5にセットされている。この場合、処理をS508に進める。
【0101】
S508において、割込み調整チャート用紙決定部346は、RAM143にアクセスし、割込み調整チャートで使用する用紙タイプをラージ系サイズの用紙サイズに設定する。本例の場合、用紙サイズは「A4」から「A3」に更新される。処理をS507に戻す。S507において、テーブル1101の給紙段5に用紙がセットされていない場合、割込み調整チャート用紙決定部346は、用紙タイプ「普通紙1」のラージ系サイズの用紙は給紙段223にセットされていないと判断し、処理をS509に進める。
【0102】
S509において、割込み調整チャート用紙決定部346は、RAM143にアクセスし、用紙タイプ「普通紙1」の用紙サイズを確認する。本例の場合、用紙サイズは「A4」でスモール系サイズの用紙である。この場合、割込み調整チャートで使用する用紙サイズはスモール系サイズである「A4」のままにして処理をS503に進める。以降の処理は説明済みなので割愛する。
【0103】
<ジョブCで使用する割込み調整チャートのカラーモード、用紙決定について>
まず、割込み調整を行う指示がなされた「ジョブC」の割り込みチャート用紙を決定する方法について説明する。割込み調整チャート用紙決定部346は、印刷設定情報に、割込み調整を行う指示がなされていることを確認し、印刷設定情報をテーブル1001に記録する。
【0104】
本例では、[d]~[f]列に「ジョブC」に関する印刷設定情報が記載される。そして処理をS501に進める。S501において、割込み調整チャート用紙決定部346は、テーブル1001にアクセスし、メディアミックスで用紙が登録されているかを確認する。「ジョブC」では、メディアミックスで用紙が登録されているため、処理をS504に進める。S504において、割込み調整チャート用紙決定部346は、テーブル1001にアクセスし、「ジョブC」のジョブ設定およびメディアミックスで指定される用紙の内、カラーモードが「カラー」と記載されているものがあるかを確認する。本例の場合、「ジョブC」の用紙設定は、[d]~[f]行に登録されている。
【0105】
また、[e][f]列の[3]行目に、カラーモードに「カラー」と記載されている。従って、割込み調整チャート用紙決定部346は、「ジョブC」には、カラーモードが「カラー」と記載されているものがあると判断し、処理をS510に進める。S510において、割込み調整チャート用紙決定部346は、ジョブ設定に登録される、カラーモード、用紙タイプ、用紙サイズに関する情報を、割込み調整チャートで使用するカラーモードおよび用紙候補としてRAM143に記録する。
【0106】
本例の場合、カラーモード「カラー」、用紙タイプ「厚紙2」がRAM143に記録される。そして処理をS506に進める。S506において、割込み調整チャート用紙決定部346は、テーブル1001にアクセスし、印刷ジョブで使用する用紙を確認する。そしてテーブル1101にアクセスし、印刷ジョブで使用する用紙がすべて給紙段223のいずれかにセットされているかを確認する。本例の場合、「ジョブC」で使用する用紙は、用紙タイプ「普通紙1」 用紙サイズ「A4」、用紙タイプ「厚紙2」 用紙サイズ「A3」、そして、用紙タイプ「厚紙2」 用紙サイズ「A4」である。用紙タイプ「厚紙2」 用紙サイズ「A3」のみが給紙段223にセットされていない。この場合、割込み調整チャート用紙決定部346は、印刷ジョブで使用する用紙すべてが給紙段223にセットされてはいないと判断し、処理をS511に進める。S511では、割込み調整チャート用紙決定部346は、RAM143にアクセスし、調整用紙タイプが「厚紙2」であることを確認する。
【0107】
そして、テーブル1101にアクセスし、「ジョブC」が調整用紙タイプ「厚紙2」のラージ系サイズとスモール系サイズの両方の用紙を使用するかを確認する。本例の場合、「A3」と「A4」が使用する設定となっているため、処理をS512に進める。S512では、割込み調整チャート用紙決定部346は、RAM143にアクセスし、割込み調整チャートで使用する用紙サイズをラージ系サイズの用紙サイズに設定する。本例の場合、用紙サイズは「A3」に設定される。以降の処理は説明済みなので割愛する。
【0108】
<ジョブDで使用する割込み調整チャートのカラーモード、用紙決定について>
まず、割込み調整を行う指示がなされた「ジョブA」の割り込みチャート用紙を決定する方法について説明する。割込み調整チャート用紙決定部346は、印刷設定情報に、割込み調整を行う指示がなされていることを確認し、印刷設定情報をテーブル1001に記録する。
【0109】
本例では、[g][h]列に「ジョブD」に関する印刷設定情報が記載される。そして処理をS501に進める。以降、処理はS501、S504、S510、S506、S511と進むが詳細は説明済みなので割愛する。S511では、割込み調整チャート用紙決定部346は、RAM143にアクセスし、調整用紙タイプが「厚紙3」であることを確認する。そして、テーブル1101にアクセスし、「ジョブD」が調整用紙タイプ「厚紙3」のラージ系サイズとスモール系サイズの両方の用紙を使用するかを確認する。
【0110】
本例の場合、「A4」のみ使用する設定となっているため、処理をS513に進める。S513では、割込み調整チャート用紙決定部346は、RAM143にアクセスし、割込み調整チャートで使用する用紙サイズを割込み調整用紙の用紙サイズに設定する。本例の場合、用紙サイズは「A4」に設定される。以降の処理は説明済みなので割愛する。
【0111】
<割込み調整チャートの設定変更について>
図9Bの画面910において、オペレータが、割込み調整ボタン924を押下すると、UI制御部341はこれを印刷ジョブ管理部342に通知する。印刷ジョブ管理部342は、割込み調整設定部345に指示し、ジョブに対して割込み設定がなされているかを確認する。ジョブに割込み設定がなされている場合、テーブル1002にアクセスし、割込み調整チャート用紙のカラーモード、用紙タイプ、用紙サイズを取得する。そして、UI制御部341に指示し、表示部152に画面951を表示させる。
【0112】
本例では、「ジョブC」に設定される、チャート割込み指示、カラーモード、用紙タイプ、用紙サイズが表示されている。オペレータが操作部150を操作し、チャート用紙、カラーモード変更ボタン957を押下すると、UI制御部341はこれを印刷ジョブ管理部342に通知する。これを受けて、印刷ジョブ管理部342は、テーブル1001にアクセスし、ジョブで指定されるすべての用紙の用紙タイプ、用紙サイズを取得する。さらに、テーブル1002にアクセスし、割込み調整チャート用紙のカラーモード、用紙タイプ、用紙サイズを取得する。そして、UI制御部341に指示し、表示部152に画面961を表示させる。画面961は、割込みチャートの設定変更を行う画面である。
【0113】
本画面では、「ジョブC」に対して、ジョブの設定に応じて決定した割込み調整チャートのカラーモード、用紙タイプ、および用紙サイズが962、964に選択された状態で表示される。また、テーブル1001から取得した、「ジョブC」に設定されている用紙の用紙タイプ、用紙サイズを選択候補の用紙として965、966に表示させる。
【0114】
オペレータが操作部152を操作してカラーモード、または、用紙変更を指定して、OKボタン967を押下すると、UI制御部341はこれを印刷ジョブ管理部342に通知する。印刷ジョブ管理部342は、テーブル1002にアクセスし、画面961で指定された値を書き込む。例えば画面961において、グレースケール963、用紙タイプ「普通紙1」 用紙サイズ「A4」965が選択されると、テーブル1002の[C]行で定義される[2]列目が「グレースケール」、[3]列目が「普通紙1」、[4]列目が「A4」となる。
【0115】
オペレータによって対象となる印刷ジョブが選択された状態で、903~905ボタンが押下されると、印刷ジョブ管理部342は、各ボタンに応じた処理を実行する。印刷ボタン903が押下されると、選択された印刷ジョブの印刷処理を開始し、処理が完了したら画像形成装置10へ印刷データを送信する。
【0116】
<割込み調整を伴う印刷ジョブの実行フローについて>
本実施形態に係る、割込み調整を伴う印刷ジョブの実行フローについて説明する。
【0117】
印刷ジョブの実行は、画像処理装置20および画像形成装置10の両装置でそれぞれ処理が行われるため、順に説明する。まずは、画像処理装置20の処理について説明する。
【0118】
図4は、画像処理装置20における、実行フローチャートを示すフロー図である。本フローチャートは、画像処理装置20のHDD144に格納されたプログラムがRAM143に読み出され、CPU141によって実行されることで実現される。
【0119】
本フローチャートは、
図9Aの印刷管理アプリケーションUI画面901において、印刷ジョブが選択された状態で印刷ボタン903が押下されると開始する。
【0120】
S401において、印刷ジョブ管理部342は、対象の印刷ジョブデータを読み込む。
【0121】
S402において、印刷ジョブ管理部342は、印刷設定に関する印刷設定情報を読み込む。前述の
図9で説明した項目や、他に例えば印刷ジョブのページレイアウト設定、カラープロファイルなどCMS(ColorManagementSystem)に係る設定項目がある。さらに、ハーフトーンなど画像処理補正に係る設定、フィニッシング装置動作に係る設定、割込み調整指示等、多数の項目がある。印刷ジョブに対する印刷設定はもちろんここに挙げた項目に限定されるものではなく、他にも様々な設定項目が存在する。
【0122】
S405において、印刷ジョブ管理部342は、印刷設定情報として、印刷ジョブに対して割込み調整を行う指示がなされていることを確認し、
図5のフローチャートを開始する。印刷ジョブに対して割込み調整を行う指示がなされていない場合は、
図5のフローチャートの実行を行わずに、S403に進む。
【0123】
S403において、印刷ジョブ処理部343は、印刷ジョブのRIP処理を行う。ここで、印刷ジョブのRIP(RasterImageProcessor)処理とは、投入された印刷ジョブを解析し、S402で読み込んだ印刷設定情報に従って色変換など必要な処理を行いラスタライズされた画像データへ展開することである。本処理実行後、印刷ジョブは、ページ単位の画像データ群となる。
【0124】
続くS404において、印刷ジョブ管理部342は、処理された印刷ジョブデータをデータ送受信部344を介して画像形成装置10へ送信する。印刷ジョブデータは、展開したページ画像データ群に加え、画像形成装置10での処理に必要な印刷ジョブの設定項目情報を含む。さらに、割込み調整がジョブに設定されているときに、S405で決定する割込み調整チャートのカラーモード、および使用する用紙タイプ、用紙サイズに関する情報を含む。
【0125】
印刷ジョブ管理部342は、S404が終了すると、本フローを終了する。
【0126】
次に、画像形成装置10の処理について説明する。
【0127】
まず、割込み調整を伴う印刷ジョブの実行フローについて説明する。
【0128】
図6は、画像形成装置10における、割込み調整を伴う印刷ジョブの実行フローチャートを示すフロー図である。本フローチャートは、画像形成装置10のHDD114に格納されたプログラムがRAM113に読み出され、CPU111によって実行されることで実現する。
【0129】
本フローチャートは、S404において画像処理装置20での印刷ジョブの印刷処理が完了し画像データが受信されると開始する。
【0130】
S6001において、ページ画像解析部302は、受信した印刷ジョブの解析を行う。ここでは、受信した印刷ジョブの画像データ群および設定項目情報の内容を確認する。ここで設定項目には、割込み設定が有効になっているか、また、有効になっている場合、割込み印刷のカラーモード、および、割込み印刷で使用する用紙タイプ、用紙サイズに関する情報を含む。
【0131】
S6002において、ページ画像解析部302は、割込み調整設定が有効になっているかどうかを判断する。有効になっている場合、S6003に進む。
【0132】
S6003で、割込み調整チャート印刷制御部309は、割込み調整チャート印刷制御部309より割込み調整カウンタ情報および調整間隔情報を読み込む。
【0133】
S6002で割込み調整設定が無効である場合、あるいはS6003の処理が終了後、S6004へ進む。S6004において、ページ画像制御部303は、受信解析した印刷ジョブの最初のページ画像データを選択する。続くS6005において、ページ画像制御部303は、選択したページの印刷処理を実行する。
【0134】
ここで、S6005で実行されるページの印刷処理について、
図14(a)を用いて説明する。
図14(a)は、画像形成装置10における、ページ画像の印刷処理を示すフロー図である。本フローチャートは、画像形成装置10のHDD114に格納されたプログラムがRAM113に読み出され、CPU111によって実行されることで実現する。
【0135】
S6101において、ページ画像制御部303は、後述する階調補正テーブルを読み込む。
【0136】
続いてS6102において、ページ画像制御部303は、階調補正処理を実行する。
【0137】
S6102において、ページ画像制御部303は、S6101で読み込んだ階調補正テーブルを使用して処理対象となるページ画像の信号値を変換する。
【0138】
続くS6103で、ページ画像制御部303は、ハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理とは、多階調で表現されているページ画像の信号値を、プリント装置200が出力可能な少ない階調数まで変換を行う処理である。ページ画像内の1つの画素を、多面積で表現することで、階調数を減らしつつも擬似的に多階調を表現する技術として一般的に知られている。
【0139】
S6104において、エンジン制御部304は、プリント装置200で印刷可能な状態に変換処理したページ画像データを用紙上へ形成し、印刷処理を実行する。対象ページの印刷出力が完了すると、本フローを終了する。
【0140】
図6のフローチャートに戻り、続くS6006において、ページ画像制御部303は、S6002と同じく割込み調整設定が有効になっているかどうかを判断する。
【0141】
S6006で割込み調整設定が無効である場合S6007に移り、ページ画像制御部303は、処理したページが印刷ジョブの最終ページか否かを判断する。最終ページと判断すると、本フローを終了する。最終ページではないと判断した場合は、続くS6008において、次のページを選択し、S6005へ戻る。
【0142】
S6006で割込み調整設定が有効である場合、S6009へ進む。S6009において、割込み調整チャート印刷制御部309は、S6003で読み込んだ調整カウンタを一つ増やすインクリメント操作を行う。
【0143】
S6010において、割込み調整チャート印刷制御部309は、調整カウンタがS6003で読み込んだ調整間隔の設定値に到達したかどうかを判断する。調整間隔値に到達した場合、続くS6011以降で調整ページの印刷処理を実行する。到達していない場合、S6007に移り、前述の処理を続行する。
【0144】
S6010において、調整カウンタが調整間隔値に到達した場合、S6011において、割込み調整チャート決定部308および割込み調整チャート印刷制御部309は、割込み調整ページを生成する。
【0145】
ここで、S6011で実行される割込み調整チャートの決定および生成について説明する。
図7は、S6011の割込み調整ページの生成に係る処理フローを示すフロー図である。本フローチャートは、画像形成装置100のHDD114に格納されたプログラムがRAM113に読み出され、CPU111によって実行されることで実現する。
【0146】
S701において、割込み調整チャート決定部308は、受信した割込み印刷のカラーモードを確認する。そして、処理をS702に進める。
【0147】
S702において、割込み調整チャート決定部308は、S701の確認結果より割込み印刷ページのカラーモードがカラーであるかグレースケールであるかを判定する。カラーの場合はS703へ進み、グレースケールの場合はS704へ進む。S702でカラーと判定されると、S703に移り、割込み調整チャート決定部308は、カラー用の階調パッチを選択する。
【0148】
S702でグレースケールと判定されると、S704に移り、割込み調整チャート決定部308は、グレースケール用の階調パッチを選択する。
【0149】
続くS705において、割込み調整チャート決定部308は、割込み印刷ページの用紙サイズを確認する。用紙サイズがラージ系サイズの場合は、S706へ進む。用紙サイズがスモール系サイズの場合は、S707へ進む。S706において、割込み調整チャート決定部308は、S703もしくはS704で選択された諧調パッチを使用してラージ系サイズの調整チャートを生成する。S707において、割込み調整チャート決定部308は、S703もしくはS704で選択された諧調パッチを使用してスモール系サイズの調整チャートを生成する。
【0150】
続くS6012において、割込み調整チャート印刷制御部309は、割込み調整チャートの印刷処理を実行する。
【0151】
ここで、S6012で実行される割込み調整チャート印刷処理について、
図14(b)を用いて説明する。
【0152】
図14(b)は、画像形成装置10における割込み調整チャート印刷処理を示すフロー図である。本フローチャートは、画像形成装置10のHDD114に格納されたプログラムがRAM113に読み出され、CPU111によって実行されることで実現する。
【0153】
S6201において、割込み調整チャート印刷制御部309は、現在の階調補正テーブルを読み込む。S6202において、割込み調整チャート印刷制御部309は、階調補正処理を実行する。
【0154】
S6203において、割込み調整チャート印刷制御部309は、ハーフトーン処理を実行する。S6204において、割込み調整チャート印刷制御部309は、割込み印刷ページの用紙サイズを確認し、エンジン制御部304に通知する。そして、センサ制御部305に対して、センサ220を制御しS706またはS707で生成した調整チャートに形成印刷した階調パッチの濃度を測定する指示を出す。
【0155】
S6205において、エンジン制御部304は、S6204から通知されたサイズの用紙を給紙し、調整チャートのページ画像を給紙した用紙上へ形成し、印刷出力を行う。同時に、センサ制御部305は、パッチの濃度を測定する。印刷が完了すると、本フローを終了する。
【0156】
図6のフローチャートに戻り、続くS6013において、割込み調整実行部310は、センサ220によって測定された調整パッチの測定結果を受信する。
【0157】
続くS6014において、割込み調整実行部310は、階調補正データを作成する。
【0158】
ここで、S6014で実行される階調補正データの作成処理について、
図14(c)を用いて説明する。階調補正についての原理は前述の通りである。
【0159】
図14(c)は、画像形成装置10における割込み調整チャート印刷処理を示すフロー図である。本フローチャートは、画像形成装置10のHDD114に格納されたプログラムがRAM113に読み出され、CPU111によって実行されることで実現する。
【0160】
S6301において、割込み調整実行部310は、ページ画像制御部303から、調整チャートを印刷した用紙に対応する階調補正ターゲットを読み込む。
【0161】
S6302において、割込み調整実行部310は、S6013で受信したセンサ220による調整パッチの測定結果(測色値)を読み込む。S6303において、割込み調整実行部310は、階調ターゲットと測定値の差分を算出する。
【0162】
S6304において、割込み調整実行部310は、算出した差分から新しい階調補正テーブルを作成する。
【0163】
以上より、割込みが発生して調整チャートが出力される度に、新しい階調補正テーブルが作成される。前述の通り、作成する新しい補正テーブルは、S6013において測定された調整パッチのカラー構成に応じて変更してもよい。本実施形態においては、調整チャートの構成が4色カラーの場合は4色全て、白黒の場合はブラック1色、に対して階調補正テーブル作成を行う。
【0164】
図6のフローチャートに戻り、続くS6015において、割込み調整実行部310は、新しく作成した階調補正テーブルを更新して保存する。続くS6016において、割込み調整チャート印刷制御部309は、割込み調整カウンタをクリアし、S6007へ移り、前述の処理を続行する。
【0165】
以上より、本フローチャートを実行することで、調整設定が有効である印刷ジョブの印刷実行中、印刷ページ数が設定された調整間隔に到達する度に、画像処理装置20の指示に基づくカラーモード、用紙タイプ、用紙サイズに応じた調整チャートが生成印刷される。調整チャート上に印刷された階調パッチを測定して得られる測定値に基づいて、階調補正テーブルが新しく生成し更新され続ける。更新される階調補正テーブルは、更新直後の印刷処理から適用されるため、印刷ジョブの印刷実行中は安定した出力画質を実現することが可能となる。
【0166】
以上、本実施形態によれば、印刷ジョブ実行中に調整チャートを印刷しチャートのパッチ濃度を測定した結果を階調補正処理へ適用する印刷システムにおいて、ジョブの設定に応じたカラーモード、用紙タイプ、用紙サイズで調整チャートが生成され印刷される。その結果、印刷ジョブの設定に応じた最適な出力画質を実現することが可能となる。
【0167】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。