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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】複数相トランスおよび3相トランス
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/12 20060101AFI20241111BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
H01F30/12 C
H01F30/12 A
H01F27/28 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021016418
(22)【出願日】2021-02-04
(65)【公開番号】P2022119356
(43)【公開日】2022-08-17
【審査請求日】2023-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】繁内 宏治
(72)【発明者】
【氏名】石垣 将紀
(72)【発明者】
【氏名】岡村 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】杉山 義信
(72)【発明者】
【氏名】田内 豊
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0206060(US,A1)
【文献】実開平01-120317(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0230776(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/28
H01F 30/12
H01F 38/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの複数相トランス用巻線構造を含む複数相トランスであって、
各前記複数相トランス用巻線構造は、複数の巻線を含み、
前記複数の巻線のうちの1つである上位巻線におけるループが、
前記複数の巻線のうちの他の1つである下位巻線における正巻きループおよび逆巻きループから発生する磁束を囲み、
各前記複数相トランス用巻線構造は、
前記下位巻線における正巻きループを貫く第1コアと、前記下位巻線における逆巻きループを貫く第2コアと、を備え、
前記下位巻線を貫く前記第1コアおよび前記第2コアは、前記上位巻線における同一のループを貫き、
前記第1コアおよび前記第2コアは、それぞれの一端が、共通のコアに結合されており、
2つの前記複数相トランス用巻線構造のうち一方の前記第1コアの先端および前記第2コアの先端が、他方の前記第1コアの先端および前記第2コアの先端にそれぞれ対向し、ギャップが形成されていることを特徴とする複数相トランス。
【請求項2】
請求項1に記載の複数相トランスであって、
前記上位巻線における正巻きループおよび逆巻きループのうちいずれか一方が、前記第1コアおよび前記第2コアに貫かれ、前記下位巻線における正巻きループおよび逆巻きループから発生する磁束を囲むことを特徴とする複数相トランス。
【請求項3】
請求項2に記載の複数トランスであって、
各前記複数相トランス用巻線構造は、
前記共通のコアに一端が結合された第3コアと、
前記上位巻線および前記下位巻線とは別の、前記第3コアに設けられた巻線と、
を含み、
2つの前記複数相トランス用巻線構造のうち一方の前記第3コアの先端が、他方の前記第3コアの先端に対向し、ギャップが形成されていることを特徴とする複数相トランス。
【請求項4】
2つの3相トランス用巻線構造を含む3相トランスであって、
各前記3相トランス用巻線構造は、
A相巻線、B相巻線およびC相巻線を含み、
前記A相巻線、前記B相巻線および前記C相巻線のそれぞれは、正巻きループおよび逆巻きループを含み、
前記C相巻線の正巻きループは、前記A相巻線の正巻きループおよび逆巻きループが発生する磁束を囲み、
前記C相巻線の逆巻きループは、前記B相巻線の正巻きループおよび逆巻きループが発生する磁束を囲み、
各前記3相トランス用巻線構造は、
前記A相巻線の正巻きループおよび逆巻きループをそれぞれ貫く第1コアおよび第2コアと、
前記B相巻線の正巻きループおよび逆巻きループをそれぞれ貫く第3コアおよび第4コアと、を備え、
前記A相巻線を貫く前記第1コアおよび前記第2コアは、前記C相巻線の正巻きループを貫き、
前記B相巻線を貫く前記第3コアおよび前記第4コアは、前記C相巻線の逆巻きループを貫き、
前記第1コアから前記第4コアは、それぞれの一端が、共通のコアに結合されており、
2つの前記相トランス用巻線構造のうち一方の前記第1コアから前記第4コアの先端が、他方の前記第1コアから前記第4コアの先端にそれぞれ対向し、ギャップが形成されていることを特徴とする3相トランス。
【請求項5】
請求項4に記載の3相トランスであって、
各前記3相トランス用巻線構造は、
前記共通のコアに一端が結合された第5コアと、
前記第5コアに貫かれたX相巻線と、を備え、
2つの前記相トランス用巻線構造のうち一方の前記第5コアの先端が、他方の前記第5コアの先端に対向し、ギャップが形成されていることを特徴とする3相トランス。
【請求項6】
請求項4に記載の3相トランスであって、
各前記共通のコアは板状に形成されており、
前記共通のコアの板面上に四角形を画定する4つの頂点の位置から、前記第1コアから前記第4コアが突出していることを特徴とする3相トランス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数相トランス用巻線構造、複数相トランス、3相トランス用巻線構造および3相トランスに関し、特に、トランスに用いられる複数相の巻線の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電池の出力電力を利用する技術、あるいは、電池を充電する技術につき広く研究が行われている。例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動自動車には、駆動用のモータジェネレータに電力を供給するための電池が搭載されている。電気自動車やプラグイン機能付きのハイブリッド自動車では、外部の装置から供給される電力によって電池が充電される。
【0003】
このような外部充電型の電動自動車では、外部から供給された電力を調整して電池に出力する電力変換装置が用いられる。電力変換装置には、複数のスイッチング回路に加えて複数のスイッチング回路を結合するトランスを用いることで、各スイッチング回路の入出力電圧を整合させるものがある。また、トランスを用いることで、ユーザが操作する部位を電池から絶縁する設計が行われることもある。さらに、自動車分野に限らず、トランスの1次巻線が設けられた装置と、トランスの2次巻線が設けられた装置とを個別に構成し、1次巻線側の装置と2次巻線側の装置とを着脱自在としたものも検討されている。
【0004】
電力変換装置には、伝送電力を大きくするため、複数相の交流電力を伝送するものがある。複数相の交流電力を伝送する場合、複数相の1次巻線と複数相の2次巻線とを結合させた複数相トランスが用いられる。以下の特許文献1には、複数相トランス(多相変圧器)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-149517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数相トランスでは、異なる相の巻線同士が磁気的に結合することがある。このような相間結合がある場合、相間結合がない場合と比較して巻線に流れる電流が変化し、巻線やスイッチング回路で発生する電力損失が増加してしまうことがある。
【0007】
本発明の目的は、複数相トランスに用いられる複数の巻線について、異なる相の巻線同士の結合を小さくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、2つの複数相トランス用巻線構造を含む複数相トランスであって、各前記複数相トランス用巻線構造は、複数の巻線を含み、前記複数の巻線のうちの1つである上位巻線におけるループが、前記複数の巻線のうちの他の1つである下位巻線における正巻きループおよび逆巻きループから発生する磁束を囲み、各前記複数相トランス用巻線構造は、前記下位巻線における正巻きループを貫く第1コアと、前記下位巻線における逆巻きループを貫く第2コアと、を備え、前記下位巻線を貫く前記第1コアおよび前記第2コアは、前記上位巻線における同一のループを貫き、前記第1コアおよび前記第2コアは、それぞれの一端が、共通のコアに結合されており、2つの前記複数相トランス用巻線構造のうち一方の前記第1コアの先端および前記第2コアの先端が、他方の前記第1コアの先端および前記第2コアの先端にそれぞれ対向し、ギャップが形成されていることを特徴とする。
【0009】
望ましくは、前記上位巻線における正巻きループおよび逆巻きループのうちいずれか一方が、前記第1コアおよび前記第2コアに貫かれ、前記下位巻線における正巻きループおよび逆巻きループから発生する磁束を囲む。
【0010】
望ましくは、各前記複数相トランス用巻線構造は、前記共通のコアに一端が結合された第3コアと、前記上位巻線および前記下位巻線とは別の、前記第3コアに設けられた巻線と、を含み、2つの前記複数相トランス用巻線構造のうち一方の前記第3コアの先端が、他方の前記第3コアの先端に対向し、ギャップが形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の関連技術は、複数の巻線を含む複数相トランス用巻線構造であって、前記複数の巻線のうちの1つである上位巻線が起磁力を発生する上位磁路上に、前記複数の巻線のうちの他の1つである下位巻線による下位磁路であって、往路および復路が並列に配置された下位磁路が取り込まれており、前記下位巻線に含まれる正巻きループおよび逆巻きループが、それぞれ、前記往路および前記復路に起磁力を発生する。
【0012】
また、本発明は、2つの3相トランス用巻線構造を含む3相トランスであって、各前記3相トランス用巻線構造は、A相巻線、B相巻線およびC相巻線を含み、前記A相巻線、前記B相巻線および前記C相巻線のそれぞれは、正巻きループおよび逆巻きループを含み、前記C相巻線の正巻きループは、前記A相巻線の正巻きループおよび逆巻きループが発生する磁束を囲み、前記C相巻線の逆巻きループは、前記B相巻線の正巻きループおよび逆巻きループが発生する磁束を囲み、各前記3相トランス用巻線構造は、前記A相巻線の正巻きループおよび逆巻きループをそれぞれ貫く第1コアおよび第2コアと、前記B相巻線の正巻きループおよび逆巻きループをそれぞれ貫く第3コアおよび第4コアと、を備え、前記A相巻線を貫く前記第1コアおよび前記第2コアは、前記C相巻線の正巻きループを貫き、前記B相巻線を貫く前記第3コアおよび前記第4コアは、前記C相巻線の逆巻きループを貫き、前記第1コアから前記第4コアは、それぞれの一端が、共通のコアに結合されており、2つの前記相トランス用巻線構造のうち一方の前記第1コアから前記第4コアの先端が、他方の前記第1コアから前記第4コアの先端にそれぞれ対向し、ギャップが形成されていることを特徴とする。
【0013】
望ましくは、各前記3相トランス用巻線構造は、前記共通のコアに一端が結合された第5コアと、前記第5コアに貫かれたX相巻線と、を備え、2つの前記相トランス用巻線構造のうち一方の前記第5コアの先端が、他方の前記第5コアの先端に対向し、ギャップが形成されている。望ましくは、各前記共通のコアは板状に形成されており、前記共通のコアの板面上に四角形を画定する4つの頂点の位置から、前記第1コアから前記第4コアが突出している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数相トランスに用いられる複数の巻線について、異なる相の巻線同士の結合を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る3相トランスの構造を模式的に示す図である。
図2】第1実施形態に係る3相トランスの磁気回路を示す図である。
図3】磁気回路を1つの起磁力源および1つの磁気抵抗器に変換する過程を示す図である。
図4】第2実施形態に係る4相トランスの構造を模式的に示す図である。
図5】第2実施形態に係る4相トランスの磁気回路を示す図である。
図6】第3実施形態に係る5相トランスの構造を模式的に示す図である。
図7】第3実施形態に係る5相トランスの磁気回路を示す図である。
図8】第4実施形態に係る変形型3相トランスの構造を模式的に示す図である。
図9】第4実施形態に係る変形型3相トランスの磁気回路を示す図である。
図10】変形型3相トランスの他の例についての磁気回路を示す図である。
図11】変形実施形態に係る3相トランスの構造を模式的に示す図である。
図12】電力変換システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
各図を参照して本発明の各実施形態について説明する。複数の図面に示されている同一の事項については同一の符号を付してその説明を省略する。また、本明細書における「上」、「下」、「左」、「右」、「縦」、「横」等の用語は図面における方向を示す。これらの用語は、構成を説明するための便宜上のものであり、各構成要素を配置する際の姿勢を限定するものではない。
【0017】
図1には、本発明の第1実施形態に係る3相トランス100の構造が模式的に示されている。3相トランス100は、1次側および2次側のトランス用巻線構造として、1次巻線構造1-1および2次巻線構造1-2を備えている。1次巻線構造1-1は、1次コア10-1、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wを備えている。1次コア10-1は、横方向コア120、第1縦方向コア121~第4縦方向コア124を備えている。横方向コア120および第1縦方向コア121~第4縦方向コア124は角柱状、円柱状等の柱状に形成されている。
【0018】
横方向コア120は横方向に延びている。第1縦方向コア121は、横方向コア120の左端から上方向に延びている。第2縦方向コア122は、第1縦方向コア121の右側に、第1縦方向コア121との間に所定の間隔を隔てて、横方向コア120から上方向に延びている。第3縦方向コア123は、第2縦方向コア122の右側に、第2縦方向コア122との間に所定の間隔を隔てて、横方向コア120から上方向に延びている。第4縦方向コア124は、第3縦方向コア123の右側に、第3縦方向コア123との間に所定の間隔を隔てて、横方向コア120の右端から上方向に延びている。本明細書に記載される各実施形態では、特に断らない場合には、複数の縦方向コアは等間隔に配置される。
【0019】
2次巻線構造1-2は、1次巻線構造1-1と同様の構成を有し、2次コア10-2、2次U相巻線16u、2次V相巻線16vおよび2次W相巻線16wを備えている。ただし、図1に示される例では、2次巻線構造1-2における各巻線の巻き方向は、1次コア10-1および10-2を同一の姿勢にし、基準端から導線を辿って見たときは、1次巻線構造1-1に対して逆方向である。2次巻線構造1-2は、2次コア10-2の第1縦方向コア121~第4縦方向コア124の先端面が、それぞれ、1次コア10-1の第1縦方向コア121~第4縦方向コア124の先端面に、所定のギャップ長を隔てて対向するように配置されている。1次コア10-1における第i縦方向コアと2次コア10-2における第i縦方向コアとの間には、第iギャップGiが形成されている。ただし、iは、1~4の整数である。各実施形態では、特に断らない場合には、各ギャップのギャップ長は同一である。
【0020】
なお、1次巻線構造1-1および2次巻線構造1-2は、コアの姿勢を同一として見た場合の巻線の巻き方向を除き同様の構成を有しているため、本明細書では1次巻線構造1-1の動作について主に説明し、2次巻線構造1-2の動作についての説明を簡略化または省略する。
【0021】
1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wは、3相トランス用巻線としての3相1次巻線を構成する。2次U相巻線16u、2次V相巻線16vおよび2次W相巻線16wは、3相トランス用巻線としての3相2次巻線を構成する。1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wのそれぞれの両端のうち、基準端とされる側には黒点が付されている。同様に、2次U相巻線16u、2次V相巻線16vおよび2次W相巻線16wのそれぞれの両端のうち、基準端とされる側にも黒点が付されている。1次U相巻線14uの基準端から流入する電流が増加したときには、2次U相巻線16uの基準端を正とする誘導起電力が2次U相巻線16uに発生する。V相およびW相についても同様である。
【0022】
1次U相巻線14uを構成する導線は、第2縦方向コア122の周りを右回りに周回した後、第1縦方向コア121の周りを左周りに周回している。1次V相巻線14vを構成する導線は、第4縦方向コア124の周りを右回りに周回した後、第3縦方向コア123の周りを左周りに周回している。1次W相巻線14wを構成する導線は、第3縦方向コア123および第4縦方向コア124の周りを右周りに周回した後、第2縦方向コア122および第1縦方向コア121の周りを左周りに周回している。
【0023】
このように、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wのそれぞれを構成する導線は、8の字状に縦方向コアの周りを周回する。各導線は、8の字を描く2つのループのうちの一方のループを1回または複数回に亘って周回した後に、他方のループを1回または複数回に亘って周回してよい。また、各導線は、1つの8の字を1回描いた後に、次の8の字を1回描くという巻き過程が、複数回に亘って繰り返されるように縦方向コアの周りを周回してもよい。後述される他の実施形態において、8の字状に周回する導線によって構成される巻線についても同様である。
【0024】
1次U相巻線14uに電流が流れることによって、1次コア10-1の第1縦方向コア121、第1ギャップG1、2次コア10-2の第1縦方向コア121、2次コア10-2の横方向コア120、2次コア10-2の第2縦方向コア122、第2ギャップG2、1次コア10-1の第2縦方向コア122、および1次コア10-1の横方向コア120を通る磁束Φuが発生し、この磁束Φuによって2次U相巻線16uに誘導起電力が発生する。
【0025】
1次V相巻線14vに電流が流れることによって、1次コア10-1の第3縦方向コア123、第3ギャップG3、2次コア10-2の第3縦方向コア123、2次コア10-2の横方向コア120、2次コア10-2の第4縦方向コア124、第4ギャップG4、1次コア10-1の第4縦方向コア124、および1次コア10-1の横方向コア120を通る磁束Φvが発生し、この磁束Φvによって2次V相巻線16vに誘導起電力が発生する。
【0026】
1次W相巻線14wに電流が流れることによって、1次コア10-1の第1縦方向コア121、第1ギャップG1、2次コア10-2の第1縦方向コア121、2次コア10-2の横方向コア120、2次コア10-2の第4縦方向コア124、第4ギャップG4、1次コア10-1の第4縦方向コア124、および1次コア10-1の横方向コア120を通る磁束Φw1が発生する。さらに、1次コア10-1の第2縦方向コア122、第2ギャップG2、2次コア10-2の第2縦方向コア122、2次コア10-2の横方向コア120、2次コア10-2の第3縦方向コア123、第3ギャップG3、1次コア10-1の第3縦方向コア123、および1次コア10-1の横方向コア120を通る磁束Φw2が発生する。これらの磁束Φw1およびΦw2によって2次W相巻線16wに誘導起電力が発生する。
【0027】
このような構成によれば、1つの巻線において8の字を描く2つのループのうち一方から発せられる磁束は、他の巻線において8の字を描く2つのループのいずれもくぐらない(いずれにも鎖交しない)か、あるいは、他の巻線の8の字を描く2つのループに鎖交する。8の字を描く2つのループのうち一方のループから発せられる磁束が、他の巻線の8の字を描く2つのループに鎖交する場合、当該他の巻線の2つのループには逆極性の誘導起電力が発生する。そのため、当該他の巻線の端子間に発生する誘導起電力が抑制される。
【0028】
すなわち、1次U相巻線14uから発生した磁束Φuは、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wの端子間に誘導起電力を発生しないか、この端子間に発生する誘導起電力は微小である。また、1次V相巻線14vから発生した磁束Φvは、1次W相巻線14wおよび1次U相巻線14uの端子間に誘導起電力を発生しないか、この端子間に発生する誘導起電力は微小である。さらに、1次W相巻線14wから発生した磁束Φw1およびΦw2は、1次U相巻線14uおよび1次V相巻線14vの端子間に誘導起電力を発生しないか、この端子間に発生する誘導起電力は微小である。したがって、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wにおける相互の結合が抑制される。
【0029】
図2には、3相トランス100の磁気回路200が示されている。磁気回路200は、U相磁路φu、V相磁路φvおよびW相磁路φwから構成されている。U相磁路φu、V相磁路φvおよびW相磁路φwのそれぞれは、並列接続された往路および復路から構成されている。復路は、往路における磁束が上方向に向かっているときに、磁束が下方向に向かい、往路における磁束が下方向に向かっているときに、磁束が上方向に向かう経路である。図2においては、ある時刻において磁束が上向きである経路を往路としている。ただし、往路および復路に対して定義された方向は、経路を辿って構造を説明するための便宜上のものである。V相およびW相についても同様に往路および復路が定義される。
【0030】
U相磁路φuの往路および復路のそれぞれでは、1次U相巻線14uによる起磁力源52uおよび磁気抵抗器50uが直列接続されており、V相磁路φvの往路および復路のそれぞれでは、1次V相巻線14vによる起磁力源52vおよび磁気抵抗器50vが直列接続されている。また、W相磁路φwの往路では、U相磁路φuにおける往路および復路を並列接続したものと起磁力源52wとが直列接続されている。W相磁路φwの復路では、V相磁路φvにおける往路および復路を並列接続したものと起磁力源52wとが直列接続されている。
【0031】
なお、各磁路の往路における起磁力源の極性の基準端は上端であり、各磁路の復路における起磁力源の極性の基準端は下端である。すなわち、往路における起磁力源に上端を正とする起磁力が発生しているときに、復路における起磁力源には下端を正とする起磁力が発生する。また、往路における起磁力源に上端を負とする起磁力が発生しているときに、復路における起磁力源には下端を負とする起磁力が発生する。
【0032】
U相磁路φuの往路および復路における起磁力源52uが発生する起磁力は、Nu/2・Iuである。Nuは1次U相巻線14uの総巻き数を示し、Iuは1次U相巻線14uに流れる電流を示す。V相磁路φvの往路および復路における起磁力源52vが発生する起磁力は、Nv/2・Ivである。Nvは1次V相巻線14vの総巻き数を示し、Iuは1次V相巻線14vに流れる電流を示す。W相磁路φwの往路および復路における起磁力源52wが発生する起磁力は、Nw/2・Iwである。Nwは1次W相巻線14wの総巻き数を示し、Iwは1次W相巻線14wに流れる電流を示す。本実施形態では、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wのそれぞれは8の字を描き、Nu、NvおよびNwは、各巻線が8の字を描く回数の2倍となる。U相磁路φuおよびV相磁路φvのそれぞれの往路および復路における磁気抵抗器50u,50vおよび50wの磁気抵抗はRcである。以下に説明する他の実施形態における素子定数についても同様の規則性に従う符号が用いられる。
【0033】
図3(a)および(b)には、テブナンの定理によって、U相磁路φuの磁気回路を1つの起磁力源および1つの磁気抵抗器50ueに変換する過程が示されている。図3(a)に示された回路は変換前の回路であり、図3(b)に示された回路は変換後の回路である。変換後の回路では、起磁力源の起磁力が0となるため、起磁力源は示されていない。このように、U相磁路φuの往路および復路は、起磁力源を有さない磁路で表される。同様の原理によって、V相磁路φvおよびW相磁路φwの往路および復路もまた、起磁力源を有さない磁路で表される。したがって、U相磁路φu、V相磁路φvおよびW相磁路φwは、相互に磁束を与えることはなく、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wにおける相互の結合が抑制される。
【0034】
図4には、本発明の第2実施形態に係る4相トランス102の構造が模式的に示されている。4相トランス102は、1次巻線構造2-1および2次巻線構造2-2を備えている。1次巻線構造2-1は、1次コア18-1、1次U相巻線14u、1次V相巻線14v、1次W相巻線14wおよび1次X相巻線14xを備えている。1次コア18-1は、横方向コア120、第1縦方向コア121~第5縦方向コア125を備えている。2次巻線構造2-2は、2次コア18-2、2次U相巻線16u、2次V相巻線16v、2次W相巻線16wおよび2次X相巻線16xを備えている。2次コア18-2は、横方向コア120、第1縦方向コア121~第5縦方向コア125を備えている。
【0035】
4相トランス102は、図1に示される3相トランス100に対し、1次コア18-1および2次コア18-2のそれぞれの横方向コア120を右方向に延長し、1次コア18-1および2次コア18-2のそれぞれの右端に、第5縦方向コア125を追加すると共に、1次X相巻線14xおよび2次X相巻線16xを追加したものである。1次コア18-1の第5縦方向コア125は、第4縦方向コア124との間に所定の間隔を隔てて、1次コア18-1の横方向コア120の右端から上方向に延びている。2次コア18-2の第5縦方向コア125は、第4縦方向コア124との間に所定の間隔を隔てて、2次コア18-2の横方向コア120の右端から下方向に延びている。
【0036】
1次コア18-1の第5縦方向コア125の先端面は、2次コア18-2の第5縦方向コア125の先端面に、所定のギャップ長を隔てて対向している。1次コア18-1における第5縦方向コア125と2次コア18-2における第5縦方向コア125との間には、第5ギャップG5が形成されている。
【0037】
1次X相巻線14xを構成する導線は、1次コア18-1の第5縦方向コア125を右周りに周回している。2次X相巻線16xを構成する導線は、2次コア18-2の第5縦方向コア125を右周りに周回している。
【0038】
1次X相巻線14xに電流が流れることによって、2次コア18-2の第5縦方向コア125、第5ギャップG5、および1次コア18-1の第5縦方向コア125を通る磁束Φxが発生し、この磁束Φxによって2次X相巻線16xに誘導起電力が発生する。
【0039】
このような構成によれば、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wについては、1つの巻線において8の字を描く2つのループのうち一方から発せられた磁束は、他の巻線の8の字を描く2つのループのいずれにも鎖交しないか、あるいは、他の巻線において8の字を描く2つのループに鎖交する。8の字を描く2つのループのうち一方のループから発せられる磁束が、他の巻線の8の字を描く2つのループに鎖交する場合、当該他の巻線の2つのループには逆極性の誘導起電力が発生する。そのため、当該他の巻線の端子間に発生する誘導起電力が抑制される。そして、1次X相巻線14xから発せられた磁束は、他の巻線の8の字を描く2つのループに鎖交する。当該他の巻線の2つのループには逆極性の誘導起電力が発生するため、当該他の巻線の端子間に発生する誘導起電力が抑制される。
【0040】
したがって、1つの巻線から発生した磁束は、他の巻線の端子間に誘導起電力を発生しないか、この端子間に発生する誘導起電力は微小である。これによって、1次U相巻線14u、1次V相巻線14v、1次W相巻線14wおよび1次X相巻線14xにおける相互の結合が抑制される。
【0041】
図5には、4相トランス102の磁気回路202が示されている。磁気回路202は、図2に示されている磁気回路200を、X相磁路φxの復路に取り込んだものである。X相磁路φxの往路では、1次X相巻線14xによる起磁力源52xおよび磁気抵抗器50xが直列接続されている。また、W相磁路φwの往路と復路とを並列接続したものが、X相磁路φxの復路を構成している。
【0042】
テブナンの定理によれば、X相磁路φxの往路から左側を見た回路の起磁力は0である。したがって、U相磁路φu、V相磁路φvおよびW相磁路φwは、X相磁路φxに磁束を与えない。また、上記のように、U相磁路φu、V相磁路φvおよびW相磁路φwは相互に磁束を与えない。さらに、X相磁路φxにおける起磁力源52xは、U相磁路φuに含まれる2つの磁気抵抗器50uに、上下同一方向の逆起磁力(磁束)を与える。したがって、U相磁路φuを1周に亘って見たときに、起磁力源52xによって生じる磁束は0である。同様に、V相磁路φvおよびW相磁路φwのそれぞれを1周に亘って見たときに、起磁力源52xによって生じる磁束は0である。すなわち、U相磁路φu、V相磁路φv、W相磁路φwおよびX相磁路φxのそれぞれは、他の磁路に磁束を生じさせない。これによって、1次U相巻線14u、1次V相巻線14v、1次W相巻線14wおよび1次X相巻線14xにおける相互の結合が抑制される。
【0043】
図6には、本発明の第3実施形態に係る5相トランス104の構造が模式的に示されている。5相トランス104は、1次巻線構造3-1および2次巻線構造3-2を備えている。1次巻線構造3-1は、1次コア20-1、1次U相巻線14u、1次V相巻線14v、1次W相巻線14w、1次X相巻線14xおよび1次Y相巻線14yを備えている。1次コア20-1は、横方向コア120、第1縦方向コア121~第6縦方向コア126を備えている。
【0044】
2次巻線構造3-2は、1次巻線構造3-1と同様の構成を有している。ただし、図6に示される例では、1次コア20-1および20-2を同一の姿勢にし、基準端から導線を辿って見たときは、2次巻線構造3-2における各巻線の巻き方向は1次巻線構造3-1に対して逆方向である。2次巻線構造3-2は、2次コア20-2、2次U相巻線16u、2次V相巻線16v、2次W相巻線16w、2次X相巻線16xおよび2次Y相巻線16yを備えている。2次コア20-2は、横方向コア120、第1縦方向コア121~第6縦方向コア126コアを備えている。
【0045】
5相トランス104は、図1に示される3相トランス100に対し、1次コア10-1および2次コア10-2のそれぞれの横方向コア120を右方向に延長して、横方向コア120を延長した箇所に、第5縦方向コア125および第6縦方向コア126を追加すると共に、1次X相巻線14x、1次Y相巻線14y、2次X相巻線16xおよび2次Y相巻線16yを追加したものである。
【0046】
1次コア20-1における第5縦方向コア125は、第4縦方向コア124の右側に、第4縦方向コア124との間に所定の間隔を隔てて、横方向コア120から上方向に延びている。第6縦方向コア126は、第5縦方向コア125の右側に、第5縦方向コア125との間に所定の間隔を隔てて、横方向コア120の右端から上方向に延びている。
【0047】
2次コア20-2における第5縦方向コア125は、第4縦方向コア124の右側に、第4縦方向コア124との間に所定の間隔を隔てて、横方向コア120から下方向に延びている。第6縦方向コア126は、第5縦方向コア125の右側に、第5縦方向コア125との間に所定の間隔を隔てて、横方向コア120の右端から下方向に延びている。
【0048】
2次コア20-2の第5縦方向コア125および第6縦方向コア126の先端面は、それぞれ、1次コア20-1の第5縦方向コア125および第6縦方向コア126の先端面に、所定のギャップ長を隔てて対向する。1次コア20-1における第5縦方向コア125と2次コア20-2における第5縦方向コア125との間には、第5ギャップG5が形成され、1次コア20-1における第6縦方向コア126と2次コア20-2における第6縦方向コア126との間には、第6ギャップG6が形成されている。
【0049】
1次X相巻線14xを構成する導線は、第6縦方向コア126の周りを右回りに周回した後、第5縦方向コア125の周りを左周りに周回している。1次Y相巻線14yを構成する導線は、第5縦方向コア125および第6縦方向コア126の周りを右周りに周回している。
【0050】
2次X相巻線16xを構成する導線は、第6縦方向コア126の周りを右回りに周回した後、第5縦方向コア125の周りを左周りに周回している。2次Y相巻線16yを構成する導線は、第5縦方向コア125および第6縦方向コア126の周りを右周りに周回している。
【0051】
1次X相巻線14xに電流が流れることによって、1次コア20-1の第5縦方向コア125、第5ギャップG5、2次コア20-2の第5縦方向コア125、2次コア20-2の横方向コア120、2次コア20-2の第6縦方向コア126、第6ギャップG6、1次コア20-1の第6縦方向コア126、および1次コア20-1の横方向コア120を通る磁束Φxが発生し、この磁束Φxによって2次X相巻線16xに誘導起電力が発生する。
【0052】
1次Y相巻線14yに電流が流れることによって、2次コア20-2の第5縦方向コア125および第6縦方向コア126、第5ギャップG5および第6ギャップG6、ならびに1次コア20-1の第5縦方向コア125および第6縦方向コア126を通る磁束Φyが発生し、この磁束Φyによって2次Y相巻線16yに誘導起電力が発生する。
【0053】
このような構成によれば、1次U相巻線14u、1次V相巻線14v、1次W相巻線14wおよび1次X相巻線14xについては、1つの巻線において8の字を描く2つのループのうち一方から発せられた磁束は、他の巻線の8の字を描く2つのループのいずれにも鎖交しないか、あるいは、他の巻線において8の字を描く2つのループに鎖交する。8の字を描く2つのループのうち一方のループから発せられる磁束が、他の巻線の8の字を描く2つのループに鎖交する場合、当該他の巻線の2つのループには逆極性の誘導起電力が発生する。そのため、当該他の巻線の端子間に発生する誘導起電力が抑制される。そして、1次Y相巻線14yから発せられた磁束は、他の巻線の8の字を描く2つのループに鎖交する。当該他の巻線の2つのループには逆極性の誘導起電力が発生するため、当該他の巻線の端子間に発生する誘導起電力が抑制される。
【0054】
したがって、1つの巻線から発生した磁束は、他の巻線の端子間に誘導起電力を発生しないか、この端子間に発生する誘導起電力は微小である。これによって、1次U相巻線14u、1次V相巻線14v、1次W相巻線14w、1次X相巻線14xおよび2次Y相巻線16yにおける相互の結合が抑制される。
【0055】
図7には、5相トランス104の磁気回路204が示されている。磁気回路204は、図2に示されている磁気回路200をY相磁路φyの復路に取り込み、X相磁路φxをY相磁路φyの往路に取り込んだものである。Y相磁路φyでは、W相磁路φwの往路と復路とを並列接続したものが復路を構成している。また、X相磁路φxの往路と復路とを並列接続したものと、起磁力源52yとを直列接続したものが往路を構成している。
【0056】
テブナンの定理によれば、U相磁路φu、V相磁路φv、W相磁路φwおよびX相磁路φxは、起磁力源を有さず1つの磁気抵抗器を有する回路に変換される。したがって、U相磁路φu、V相磁路φv、W相磁路φwおよびX相磁路φxは、いずれも他の磁路に磁束を生じさせない。そして、Y相磁路φyにおける起磁力源52yは、U相磁路φu、V相磁路φv、W相磁路φwおよびX相磁路φxのそれぞれに含まれる2つの磁気抵抗器に、上下同一方向の逆起磁力を与える。したがって、U相磁路φu、V相磁路φv、W相磁路φwおよびX相磁路φxのそれぞれを1周に亘って見たときに、起磁力源52yによって生じる磁束は0である。すなわち、U相磁路φu、V相磁路φv、W相磁路φw、
X相磁路φxおよびY相磁路φyのそれぞれは、他の磁路に磁束を生じさせない。これによって、1次U相巻線14u、1次V相巻線14v、1次W相巻線14w、1次X相巻線14xおよび1次Y相巻線14yにおける相互の結合が抑制される。
【0057】
図8には、本発明の第4実施形態に係る変形型3相トランス106の構造が模式的に示されている。変形型3相トランス106は、1次巻線構造4-1および2次巻線構造4-2を備えている。1次巻線構造4-1は、1次コア10-1、1次U相巻線30u、1次V相巻線30vおよび1次W相巻線30wを備えている。2次巻線構造4-2は、2次コア10-2、2次U相巻線32u、2次V相巻線32vおよび2次W相巻線32wを備えている。1次コア10-1および2次コア10-2は、それぞれ、図1に示された3相トランス100に用いられる1次コア10-1および2次コア10-2と同様の構造を有している。
【0058】
1次U相巻線30uを構成する導線は、第1縦方向コア121の周りを左回りに1回に亘り周回した後、第2縦方向コア122の周りを右周りに1回に亘って周回している。1次V相巻線30vを構成する導線は、第2縦方向コア122および第1縦方向コア121の周りを左回りに1回に亘って周回した後、第3縦方向コア123の周りを右周りに2回に亘って周回している。1次W相巻線30wを構成する導線は、第3縦方向コア123、第2縦方向コア122および第1縦方向コア121の周りを左周りに1回に亘って周回した後、第4縦方向コア124の周りを右周りに3回に亘って周回している。1次U相巻線30u、1次V相巻線30vおよび1次W相巻線30wの巻き数は、これらの巻線の巻き数の比率を保ちながら2以上の整数倍されてもよい。
【0059】
1次U相巻線30uに電流が流れることによって、2次コア10-2の第1縦方向コア121、第1ギャップG1、1次コア10-1の第1縦方向コア121、1次コア10-1の横方向コア120、1次コア10-1の第2縦方向コア122、第2ギャップG2、2次コア10-2の第2縦方向コア122、および2次コア10-2の横方向コア120を通る磁束Φuが発生し、この磁束Φuによって2次U相巻線32uに誘導起電力が発生する。
【0060】
1次V相巻線30vに電流が流れることによって、2次コア10-2の第1縦方向コア121、第1ギャップG1、2次コア10-2の第1縦方向コア121、1次コア10-1の横方向コア120、1次コア10-1の第3縦方向コア123、第3ギャップG3、2次コア10-2の第3縦方向コア123、および2次コア10-2の横方向コア120を通る磁束Φv1が発生する。また、2次コア10-2の第2縦方向コア122、第2ギャップG2、1次コア10-1の第2縦方向コア122、1次コア10-1の横方向コア120、1次コア10-1の第3縦方向コア123、第3ギャップG3、2次コア10-2の第3縦方向コア123、および2次コア10-2の横方向コア120を通る磁束Φv2が発生する。これらの磁束Φv1およびΦv2によって2次V相巻線32vに誘導起電力が発生する。
【0061】
1次W相巻線30wに電流が流れることによって、2次コア10-2の第1縦方向コア121、第1ギャップG1、1次コア10-1の第1縦方向コア121、1次コア10-1の横方向コア120、1次コア10-1の第4縦方向コア124、第4ギャップG4、2次コア10-2の第4縦方向コア124、および2次コア10-2の横方向コア120を通る磁束Φw1が発生する。また、2次コア10-2の第2縦方向コア122、第2ギャップG2、1次コア10-1の第2縦方向コア122、1次コア10-1の横方向コア120、1次コア10-1の第4縦方向コア124、第4ギャップG4、2次コア10-2の第4縦方向コア124、および2次コア10-2の横方向コア120を通る磁束Φw2が発生する。さらに、2次コア10-2の第3縦方向コア123、第3ギャップG3、1次コア10-1の第3縦方向コア123、1次コア10-1の横方向コア120、1次コア10-1の第4縦方向コア124、第4ギャップG4、2次コア10-2の第4縦方向コア124、および2次コア10-2の横方向コア120を通る磁束Φw3が発生する。これらの磁束Φw1~Φw3によって2次W相巻線32wに誘導起電力が発生する。
【0062】
本実施形態においては、1次V相巻線30vおよび1次W相巻線30wについては、8の字を描く2つのループのうちの一方の巻き数と他方の巻き数が異なり、一方のループが囲む縦方向コアの本数と、他方のループが囲む縦方向コアの本数とが異なる。すなわち、8の字を描く2つのループのうちの一方の起磁力と他方の起磁力とが異なり、一方のループが囲む縦方向コアの磁気抵抗と、他方のループが囲む縦方向コアの磁気抵抗とが異なる。そこで、図9に示される磁気回路206によって動作を説明する。
【0063】
磁気回路206は、U相磁路φu、V相磁路φvおよびW相磁路φwから構成されている。U相磁路φu、V相磁路φvおよびW相磁路φwのそれぞれは、並列接続された往路および復路を備えている。U相磁路φuの往路および復路のそれぞれにおいては、1次U相巻線30uによる起磁力源52uおよび磁気抵抗器50uが直列接続されている。V相磁路φvの往路では、U相磁路φuにおける往路および復路を並列接続したものと起磁力源52vとが直列接続されている。V相磁路φvの復路では、1次V相巻線30vによる起磁力源52vおよび磁気抵抗器50vが直列接続されている。また、W相磁路φwの往路では、V相磁路φvにおける往路および復路を並列接続したものと起磁力源52wとが直列接続されている。W相磁路φwの復路では、1次W相巻線30wによる起磁力源52wおよび磁気抵抗器50wが直列接続されている。
【0064】
1次U相巻線30uについては、8の字を描く2つのループの巻き数が同一であるため、往路および復路における起磁力は等しい。1次V相巻線30vについては、8の字を描く2つのループのうちの復路側の一方の巻き数は、往路側の他方の巻き数の2倍である。したがって、復路側の起磁力は往路側の起磁力の2倍である。1次W相巻線30wについては、8の字を描く2つのループのうちの復路側の一方の巻き数は、往路側の他方の巻き数の3倍である。したがって、復路側の起磁力は往路側の起磁力の3倍である。
【0065】
各相の磁路をテブナンの定理に従って、1つの起磁力源および1つの磁気抵抗器に変換すると、U相磁路φu、V相磁路φvおよびW相磁路φwのそれぞれは、いずれも他の磁路に磁束を生じさせないことが明らかとなる。したがって、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wにおける相互の結合が抑制される。
【0066】
図8に示される変形型3相トランス106については、1次V相巻線30vおよび1次W相巻線30wについて、8の字を描く2つのループのそれぞれの巻き数を同一とし、ギャップまたは縦方向コアの構造を変更してもよい。図10にはこの場合の磁気回路208が示されている。1次U相巻線30u、1次V相巻線30vおよび1次W相巻線30wのいずれについても、8の字を描く2つのループのそれぞれの巻き数が同一であるため、往路および復路の起磁力は等しい。
【0067】
U相磁路φuの往路および復路の磁気抵抗は、W相磁路φwの復路の磁気抵抗の4倍であり、V相磁路φvの復路の磁気抵抗は、W相磁路φwの復路の磁気抵抗の2倍である。磁気抵抗をK倍する場合には、例えば、縦方向コアの断面積を1/K倍すればよい。また、磁気抵抗がK倍になるように、ギャップ長を変更してもよい。一般に、磁気抵抗はギャップ長が大きくなる程、大きくなる。
【0068】
上記では、各縦方向コアおよび横方向コアの断面の形状および大きさが等しく、縦方向コアの配置間隔が等しい実施形態について説明した。各縦方向コアおよび横方向コアの断面の形状や大きさ、縦方向コアの配置間隔等は、トランスに要求される性能に応じて異ならせてもよい。
【0069】
図11には、変形実施形態に係る3相トランス108の構造が模式的に示されている。3相トランス108は、第1実施形態に係る3相トランス100の1次コア10-1および2次コア10-2を変形したものである。3相トランス108は、1次巻線構造5-1および2次巻線構造5-2を備えている。1次巻線構造5-1は、1次コア40-1、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wを備えており、2次巻線構造5-2は、2次コア40-2、2次U相巻線16u、2次V相巻線16vおよび2次W相巻線16wを備えている。1次コア40-1は、矩形の板状コア600と、板状コア600の四隅から手前側に突出した第1四角柱コア601~第4四角柱コア604から構成されている。板状コア600は、第1実施形態における横方向コア120に対応し、第1四角柱コア601~第4四角柱コア604は、第1実施形態における第1縦方向コア121~第4縦方向コア124に対応している。
【0070】
1次U相巻線14uが描く8の字における2つのループのうちの一方は第1四角柱コア601の周りを周回し、他方は第2四角柱コア602の周りを周回する。1次V相巻線14vが描く8の字における2つのループのうちの一方は第3四角柱コア603の周りを周回し、他方は第4四角柱コア604の周りを周回する。1次W相巻線14wが描く8の字における2つのループのうちの一方は第1四角柱コア601および第2四角柱コア602の周りを周回し、他方は第3四角柱コア603および第4四角柱コア604の周りを周回する。
【0071】
2次コア40-2の構造は、1次コア40-1の構造に対して鏡像の関係にある。すなわち、1次コア40-1および2次コア40-2は、その間にある平面に関して対称な構造を有している。2次コア40-2は、矩形の板状コア600と、板状コア600の四隅から奥側に突出した第1四角柱コア601~第4四角柱コア604から構成されている。板状コア600は、第1実施形態における横方向コア120に対応し、第1四角柱コア601~第4四角柱コア604は、第1実施形態における第1縦方向コア121~第4縦方向コア124に対応している。2次コア40-2における第1四角柱コア601~第4四角柱コア604の先端面は、それぞれ、1次コア40-1における第1四角柱コア601~第4四角柱コア604の先端面に、所定のギャップ長を隔てて対向する。
【0072】
3相トランス108の動作は、図1に示す3相トランス100の動作と同様である。なお、図11に示される1次コア40-1および2次コア40-2を用いて、図8の変形型3相トランス106と同様のトランスを構成してもよい。
【0073】
このように、各実施形態に係るトランスは、複数の1次巻線(複数相1次巻線)と、複数の2次巻線(複数相2次巻線)とが磁気的に結合した複数相トランスである。複数の1次巻線および複数の2次巻線には、周回方向が逆である正巻きループおよび逆巻きループによって8の字を描く巻線が含まれている。ここで、「正巻きループ」および「逆巻ループ」の用語は、一方のループの巻き方向が他方の巻き方向に対して逆方向であることを意味し、相対的に巻き方向が逆である2つのループを意味する。「正巻きループ」および「逆巻ループ」の用語は、必ずしも、何らかの巻き方向を基準とした絶対的な巻き方向を意味するものではない。
【0074】
各実施形態に係るトランスでは、複数の1次巻線のうちの1つである上位巻線におけるループは、複数の1次巻線のうちの他の1つである下位巻線における正巻きループおよび逆巻きループから発生する磁束を囲んでいる。
【0075】
例えば、図1の3相トランス100、図4の4相トランス102および図6の5相トランス104では、1次W相巻線14wは、1次U相巻線14uおよび1次V相巻線14vに対する上位巻線である。また、1次U相巻線14uおよび1次V相巻線14vは、1次W相巻線14wに対する下位巻線である。
【0076】
図4の4相トランス102では、1次X相巻線14xは他の巻線に対する上位巻線であり、他の巻線は1次X相巻線14xに対する下位巻線である。図6に示される5相トランス104では、1次Y相巻線14yは他の巻線に対する上位巻線であり、他の巻線は1次Y相巻線14yに対する下位巻線である。
【0077】
図8に示される3相トランスでは、1次V相巻線14vは、1次U相巻線14uに対する上位巻線である。また、1次W相巻線14wは、1次U相巻線14uおよび1次V相巻線14vに対する上位巻線である。そして、1次U相巻線14uおよび1次V相巻線14vは、1次W相巻線14wに対する下位巻線であり、1次U相巻線14uは、1次V相巻線14vに対する下位巻線である。
【0078】
また、各実施形態に係るトランスは、下位巻線における正巻きループを貫く第1コア(縦方向コア)と、下位巻線における逆巻きループを貫く第2コア(別の縦方向コア)とを備えている。下位巻線を貫く第1コアおよび第2コアは、上位巻線における同一のループを貫いている。
【0079】
例えば、図1に示される3相トランス100では、1次U相巻線14uの正巻きループおよび逆巻きループをそれぞれ貫く第1縦方向コア121および第2縦方向コア122(第1コアおよび第2コア)と、1次V相巻線14vの正巻きループおよび逆巻きループをそれぞれ貫く第3縦方向コア123および第4縦方向コア124(第3コアおよび第4コア)と、を備えている。1次U相巻線14uを貫く第1縦方向コア121および第2縦方向コア122が1次W相巻線14wの正巻きループを貫き、1次V相巻線14vを貫く第3縦方向コア123および第4縦方向コア124が1次W相巻線14wの逆巻きループを貫いている。
【0080】
1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wのうちの1つをA相巻線、他の1つをB相巻線、そして、残りの1つをC相巻線とした場合、3相トランスを構成する3相トランス用巻線構造は、次のような構成を有してよい。すなわち、A相巻線、B相巻線およびC相巻線のそれぞれは、正巻きループおよび逆巻きループを含む。C相巻線の正巻きループは、A相巻線の正巻きループおよび逆巻きループが発生する磁束を囲み、C相巻線の逆巻きループは、B相巻線の正巻きループおよび逆巻きループが発生する磁束を囲む。
【0081】
3相トランス用巻線構造は、A相巻線の正巻きループおよび逆巻きループをそれぞれ貫く第1コアおよび第2コアと、B相巻線の正巻きループおよび逆巻きループをそれぞれ貫く第3コアおよび第4コアとを備える。A相巻線を貫く第1コアおよび第2コアはC相巻線の正巻きループを貫き、B相巻線を貫く第3コアおよび第4コアはC相巻線の逆巻きループを貫く。
【0082】
磁気回路の観点から、各実施形態に係るトランスでは、上位巻線が起磁力を発生する上位磁路上に、往路および復路が並列に配置された下位磁路が取り込まれている。例えば、図2に示される磁気回路200、図5に示される磁気回路202および図7に示される磁気回路204では、W相磁路φwは、U相磁路φuおよびV相磁路φvに対する上位磁路であり、U相磁路φuおよびV相磁路φvは、W相磁路φwに対する下位磁路である。W相磁路φwの往路上および復路上には、それぞれ、U相磁路φuとV相磁路φvが取り込まれている。1次U相巻線14uの正巻きループおよび逆巻きループは、それぞれ、U相磁路φuの往路および復路に逆向きの起磁力を発生する。また、1次V相巻線14vの正巻きループおよび逆巻きループは、それぞれ、V相磁路φvの往路および復路に逆向きの起磁力を発生し、1次W相巻線14wの正巻きループおよび逆巻きループは、それぞれ、W相磁路φwの往路および復路に逆向きの起磁力を発生する。
【0083】
また、図5に示される磁気回路202では、X相磁路φxはW相磁路φwに対する上位磁路であり、W相磁路φwはX相磁路φxに対する下位磁路である。図7に示される磁気回路204では、Y相磁路φyはW相磁路φwおよびX相磁路φxに対する上位磁路であり、W相磁路φwおよびX相磁路φxはY相磁路φyに対する下位磁路である。
【0084】
図9および図10に示される磁気回路206および208では、V相磁路φvはU相磁路φuに対する上位磁路であり、W相磁路φwはV相磁路φvに対する上位磁路である。そして、V相磁路φvはW相磁路φwに対する下位磁路であり、U相磁路φuはV相磁路φvに対する上位磁路である。
【0085】
図12には、第1実施形態に係る3相トランス100が用いられた電力変換システム110の構成が示されている。電力変換システム110は、AC/DC変換回路80、1次側スイッチング回路62-1、3相トランス100、および2次側スイッチング回路62-2を備えている。AC/DC変換回路80は、3相交流電源78から出力された3相交流電圧を直流電圧に変換し、1次側スイッチング回路62-1に出力する。
【0086】
1次側スイッチング回路62-1は、上コンデンサ70、下コンデンサ72、U相スイッチングアームα、V相スイッチングアームβ、およびW相スイッチングアームγを備えている。各スイッチングアームは、直列に接続された上スイッチング素子74および下スイッチング素子76を備えている。上コンデンサ70および下コンデンサ72は直列接続され、コンデンサアームCAを構成している。上コンデンサ70と下コンデンサ72の接続点は正極端子となり、下コンデンサ72の下端は負極端子となっている。AC/DC変換回路80は、正極端子および負極端子に直流電圧を印加する。
【0087】
コンデンサアームCA、U相スイッチングアームα、V相スイッチングアームβおよびW相スイッチングアームγは、並列に接続されている。U相スイッチングアームαにおける上スイッチング素子74と下スイッチング素子76との接続端には、1次U相巻線14uの一端が接続されている。V相スイッチングアームβにおける上スイッチング素子74と下スイッチング素子76との接続端には、1次V相巻線14vの一端が接続されている。W相スイッチングアームγにおける上スイッチング素子74と下スイッチング素子76との接続端には、1次W相巻線14wの一端が接続されている。
【0088】
1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wのそれぞれの他端は共通に接続されている。上コンデンサ70と下コンデンサ72の接続点には、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wの共通接続点が接続されている。
【0089】
2次U相巻線16u、2次V相巻線16v、2次W相巻線16wおよび2次側スイッチング回路62-2は、それぞれ、1次U相巻線14u、1次V相巻線14v、1次W相巻線14wおよび1次側スイッチング回路62-1と同様の構成を有している。2次側スイッチング回路62-2の正極端子と負極端子との間には、二次電池82が接続されている。
【0090】
1次側スイッチング回路62-1および2次側スイッチング回路62-2の各スイッチングアームの上スイッチング素子74および下スイッチング素子76は、交互にオンオフを繰り返す。すなわち、上スイッチング素子74がオフからオンに切り換わると共に、下スイッチング素子76がオンからオフに切り換わり、上スイッチング素子74がオンからオフに切り換わると共に、下スイッチング素子76がオフからオンに切り換わる。
【0091】
1次側スイッチング回路62-1および2次側スイッチング回路62-2のそれぞれにおいて、U相スイッチングアームα、V相スイッチングアームβおよびW相スイッチングアームγのスイッチングの位相は、例えば、相互に120°異なるものとする。
【0092】
このような動作によって、1次側スイッチング回路62-1から、3相トランス100を介して2次側スイッチング回路62-2に電力が伝送される。2次側スイッチング回路62-2は、2次U相巻線16u、2次V相巻線16vおよび2次W相巻線16wのそれぞれに現れる電圧に基づいて、二次電池82に直流電圧を印加する。1次側スイッチング回路62-1の各スイッチングアームをスイッチングする位相と、2次側スイッチング回路62-2の各スイッチングアームをスイッチングする位相との差異を調整することで、3相交流電源78から二次電池82に向かって伝送される電力、あるいは、二次電池82から3相交流電源78に,向かって伝送される電力が調整される。
【0093】
3相トランス100では、1次U相巻線14u、1次V相巻線14vおよび1次W相巻線14wにおける相互の結合が抑制されている。また、2次U相巻線16u、2次V相巻線16vおよび2次W相巻線16wにおける相互の結合が抑制されている。これによって、相間の結合によって巻線に流れる電流が理想的な値から変化する現象が抑制され、各巻線、1次側スイッチング回路62-1および2次側スイッチング回路62-2で発生する電力損失が低減される。
【0094】
ここでは、3相トランス100が用いられた電力変換システム110が示された。3相トランス100に代えて、図8に示される変形型3相トランス106、図10の磁気回路108を実現する3相トランス、または図11に示される3相トランス108が用いられてもよい。また、AC/DC変換回路80は、単相交流電力を直流電力に変換し、直流電力を単相交流電力に変換するものであってもよい。
【0095】
電力変換システム110は、電動自動車に搭載され、外部の充電装置によって二次電池を充電する自動車用電力変換システムとして用いられてよい。
【符号の説明】
【0096】
1-1,2-1,3-1,4-1,5-1 1次巻線構造、1-2,2-2,3-2,4-2,5-2 2次巻線構造、10-1,18-1,20-1,40-1 1次コア、10-2,18-2,20-2,40-2 2次コア、120 横方向コア、121~126 第1縦方向コア~第6縦方向コア、14u,30u 1次U相巻線、14v,30v 1次V相巻線、14w,30w 1次W相巻線、14x 1次X相巻線、14y 1次Y相巻線、16u,32u 2次U相巻線、16v,32v 2次V相巻線、16w,32w 2次W相巻線、16x 2次X相巻線、16y 2次Y相巻線、50u,50v,50w,50x,50y,50ue 磁気抵抗器、52u,52v,52w,52x,52y 起磁力源、600 板状コア、601~604 第1四角柱コア~第4四角柱コア、62-1 1次側スイッチング回路、62-2 2次側スイッチング回路、70 上コンデンサ、72 下コンデンサ、74 上スイッチング素子、76 下スイッチング素子、78 3相交流電源、80 AC/DC変換回路、82 二次電池、100,108 3相トランス、102 4相トランス、104 5相トランス、106 変形型3相トランス、110 電力変換システム、200,202,204,206,208 磁気回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12