(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】付設ユニット、換気ユニット、及び、段窓
(51)【国際特許分類】
E06B 7/10 20060101AFI20241111BHJP
【FI】
E06B7/10
(21)【出願番号】P 2021018432
(22)【出願日】2021-02-08
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西塔 都志雄
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-20146(JP,A)
【文献】特開2021-4508(JP,A)
【文献】特開2017-95960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/00 -7/10
E06B 7/28
F24F 7/013
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建具と共に並べて設けられ、前記建具と躯体との間に配置される前記建具の付設ユニットであって、
前記建具と前記躯体との間にて室内外を隔てる隔壁部と、前記隔壁部の前記建具側の端に設けられて当該建具と接合される建具側接合部と、前記隔壁部の前記躯体側の端に設けられて当該躯体と接合される躯体側接合部と、を備えた単一の部材でなる本体部材、
前記本体部材の、前記建具と当該付設ユニットとが並ぶ方向と交差する交差方向の両端部に取り付けられ、前記躯体に固定される一対の端部材、及び、
前記本体部材の室外側に設けられ前記一対の端部材間に挟持される付属部材、
を有し、
前記本体部材は、前記隔壁部の室内側と室外側とにおいて前記一対の端部材に各々固定されており、
前記一対の端部材は、前記付属部材とは反対側に配置されて前記交差方向において当該付属部材の小口と重なる補強材とともに、前記本体部材に固定されていることを特徴とする付設ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の付設ユニットであって、
前記本体部材を前記隔壁部の室内側及び室外側にて前記一対の端部材に固定する固定部は、前記建具側と前記躯体側にそれぞれ設けられていることを特徴とする付設ユニット。
【請求項3】
建具と共に並べて設けられ、前記建具と躯体との間に配置される前記建具の付設ユニットであって、
前記建具と前記躯体との間にて室内外を隔てる隔壁部と、前記隔壁部の前記建具側の端に設けられて当該建具と接合される建具側接合部と、前記隔壁部の前記躯体側の端に設けられて当該躯体と接合される躯体側接合部と、を備えた単一の部材でなる本体部材、
前記本体部材の、前記建具と当該付設ユニットとが並ぶ方向と交差する交差方向の両端部に取り付けられ、前記躯体に固定される一対の端部材、及び、
前記本体部材の室外側に設けられ前記一対の端部材間に挟持される付属部材、
を有し、
前記本体部材は、前記隔壁部の室内側と室外側とにおいて前記一対の端部材に各々固定されており、
前記本体部材を前記隔壁部の室内側及び室外側にて前記一対の端部材に固定する固定部は、前記建具側と前記躯体側にそれぞれ設けられていることを特徴とする付設ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の付設ユニットであって、
前記一対の端部材には、前記付属部材とは反対側に配置され、前記交差方向において当該付属部材の小口と重なる補強材が固定されていることを特徴とする付設ユニット。
【請求項5】
請求項1
,請求項2及び請求項4のいずれかに記載の付設ユニットであって、
前記補強材は、前記建具と接合されることを特徴とする付設ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の付設ユニットを備え、
前記隔壁部に、前記室内外を連通する隔壁連通孔と、
前記隔壁連通孔にて空気を流通させるファンと、
が設けられていることを特徴とする換気ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の換気ユニットと、前記建具とが、上下方向に並べて配置されることを特徴とする段窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具と共に並べて設けられる付設ユニット、換気ユニット、及び、段窓に関する。
【背景技術】
【0002】
建具と共に並べて設けられる付設ユニットとしては、たとえば、既製のサッシ窓の上側に設けられ、室内雰囲気(空気)を強制換気する窓付け換気装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この窓付け換気装置は、サッシ枠体とは別体の換気扇枠体と、換気扇ユニットと、カバー部材を備えている。換気扇枠体は、換気扇上枠と、換気扇下枠と、左右一対の換気扇縦枠と、支持枠と、室外側パネルと、を備えている。支持枠は、外周が換気扇上枠と、換気扇下枠と、左右一対の換気扇縦枠と、にて囲まれており、室外側パネルは、支持枠を屋外側から覆うように配置されて一対の換気扇縦枠間に挟持されて一対の換気扇縦枠にビス止めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の換気装置は、左右一対の換気扇縦枠の間に、換気扇上枠、換気扇下枠、支持枠、室外側パネルが設けられている。また、室外側パネルは、支持枠を屋外側から覆うように配置されている。このため、例えば換気装置が日照等により加熱されると、屋外側から覆っている室外側パネルは、室外側パネルに覆われている支持枠よりも熱延び量が大きいため、一対の換気扇縦枠がそれらの間隔が広がる方向に変形することにより一対の換気扇縦枠と支持枠との間に隙間が生じる虞があるという課題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱延びが生じても隙間が生じ難い付設ユニット、換気ユニット、及び、段窓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための主たる発明は、建具と共に並べて設けられ、前記建具と躯体との間に配置される前記建具の付設ユニットであって、前記建具と前記躯体との間にて室内外を隔てる隔壁部と、前記隔壁部の前記建具側の端に設けられて当該建具と接合される建具側接合部と、前記隔壁部の前記躯体側の端に設けられて当該躯体と接合される躯体側接合部と、を備えた単一の部材でなる本体部材、前記本体部材の、前記建具と当該付設ユニットとが並ぶ方向と交差する交差方向の両端部に取り付けられ、前記躯体に固定される一対の端部材、及び、前記本体部材の室外側に設けられ前記一対の端部材間に挟持される付属部材、を有し、前記本体部材は、前記隔壁部の室内側と室外側とにおいて前記一対の端部材に各々固定されていることを特徴とする付設ユニットである。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱延びが生じても隙間が生じ難い付設ユニット、換気ユニット、及び、段窓を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る換気ユニットを備えた段窓を示す内観図である。
【
図3】本実施形態に係る換気ユニットの横断面図である。
【
図5】換気ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図8】本発明の他の実施形態となる連窓を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る建具の付設ユニットについて図面を参照して説明する。
本実施形態では、例えば
図1~
図3に示すように、縦すべり出し窓用の建具1と共に建物の躯体2に取り付けられる付設ユニットであって、室内の空気を換気ファン4により強制的に吹き出し可能な換気ユニット3が建具1と共に段窓10を構成している例について説明する。
【0010】
以下の説明においては、建物に取り付けられている状態の換気ユニット3及び段窓10を室内側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向、室内外方向を見込み方向として示す。換気ユニット3及び段窓10の各部位であっても、また、換気ユニット3を構成する各部材については単体の状態であっても、換気ユニット3及び段窓10が取り付けられている状態にて上下方向、左右方向、見込み方向にて方向を特定して説明する。
【0011】
本実施形態の付設ユニットとしての換気ユニット3は、建具1の上に設けられ建具1と共に段窓10を構成している。
換気ユニット3と共に取り付けられる建具1は、矩形状に枠組みされた枠体1aと、枠体1aに開閉自在に支持された障子1bと、を有している。枠体1aを構成する左右一対の縦枠1cと、縦枠1cの下端を連結する下枠1dは躯体2に固定され、縦枠1cの上端を連結する上枠1eは、換気ユニット3と接合されている。
【0012】
本実施形態の換気ユニット3は、
図4~
図6に示すように、換気ファン4と、換気ファン4が取り付けられて室内外を隔てる本体部材5と、本体部材5の左右に設けられて躯体2に固定される一対の側枠6と、本体部材5の室外側に設けられて一対の側枠6の間に挟持される付属部材としての室外カバー7と、本体部材5及び換気ファン4の室内側を覆う室内カバー8と、本体部材5と建具1の上枠1eとを連結するアングル材9と、を有している。本実施形態においては、建具1と換気ユニット3とが上下方向に並べて配置されており、本体部材5において上下方向と交差する交差方向となる左右方向の両端部に取り付けられて躯体2に固定される一対の側枠6が、一対の端部材に相当する。
【0013】
本体部材5、室外カバー7、室内カバー8、及び、アングル材9は、いずれも左右方向を押し出し方向として押し出し成形された部材であり、一対の側枠6は、上下方向を押し出し方向として押し出し成形された部材である。
【0014】
換気ファン4は、本体部材5に取り付けられるケーシング4aと、ケーシング4a内に設けられ左右方向に沿うモータ軸が左右方向の両側に突出するモータユニット4bと、各モータ軸に取り付けられたファン本体4cと、を有している。換気ファン4は、ケーシング4aが本体部材5に取り付けられ、本体部材5の左右に設けられている一対の側枠6の室内側の端よりも室内側に突出している。
【0015】
ケーシング4aは、本体部材5に取り付けられた状態でケーシング4aの内外を連通する吹き出し開孔4d(
図3)、及び、ケーシング4aにおいてファン本体4cが収容されている部位に設けられている吸引開孔4eを有している。ケーシング4aには、吹き出し開孔4dを閉塞可能な閉塞板(不図示)が、上端部を揺動自在に支持されて設けられている。閉塞板は、換気ファン4が停止している状態では、ほぼ垂直な姿勢をなして吹き出し開孔4dを閉塞し、換気ファン4が稼働すると風圧により、下端側が室外側に移動するように揺動し吹き出し開孔4dが開放されるように構成されている。
【0016】
本体部材5は、建具1と、建具1の上方に位置する躯体2との間に配置されている。本体部材5は、室内外を隔てる隔壁部50と、隔壁部50における建具1側の端に設けられて当該建具1と接合される建具側接合部51と、隔壁部50における躯体2側の端に設けられて当該躯体2と接合される躯体側接合部52と、を備えており、単一の部材で形成されている。
【0017】
隔壁部50には、上端側に配置され、左右方向の全長に亘り室内側に向かってほぼ水平に延出され、室内カバー8が固定される室内カバー固定部50aが設けられている。隔壁部50における室内カバー固定部50aよりも下の部位には、左右方向に間隔を空けて、室内外を連通する2つの隔壁連通孔50bが設けられている。
【0018】
本体部材5に換気ファン4が取り付けられると、2つの隔壁連通孔50bは、換気ファン4のケーシング4aに設けられている吹き出し開孔4dと連通する。このため、換気ファン4により吸引された室内側の空気は閉塞板を揺動させて吹き出し開孔4d及び隔壁連通孔50bから室外側に吹き出される。
【0019】
室内カバー固定部50aはほぼ板状をなしており、下面から下方に突出させて、側枠6を左右方向に貫通して側枠6と本体部材5とを接合するビス11が螺合される第1ビスホール50cが設けられている。
【0020】
隔壁部50の上端は、躯体側接合部52と繋がり、隔壁部50の下端は、建具側接合部51と繋がっている。隔壁部50において隔壁連通孔50bと建具側接合部51との間には、室外カバー7の下端側が係止される室外カバー下係止部50dが設けられている。
【0021】
躯体側接合部52は、隔壁部50の上端から室内外方向に沿ってほぼ水平に延出されている上枠部52aを有している。上枠部52aの室外側に延出された先端部は、外壁20よりも室外側に位置しており、この先端部に室外カバー7の上端部が係止される室外カバー上係止部52bが設けられている。上枠部52aの室内側に延出された先端近傍には、上方に立設されて躯体2に固定される躯体固定部52cが設けられている。
【0022】
隔壁部50の上端にて上枠部52aと繋がる部位の室外側には、側枠6を左右方向に貫通して側枠6と本体部材5とを接合するビス11が螺合される第2ビスホール52dが設けられている。
【0023】
建具側接合部51は、隔壁部50の下端から室外側に向かって高さが低くなるように傾斜した板状の室外傾斜部51aと、隔壁部50の下端から下方向に延出された下方延出部51bと、下方延出部51bの下端から室内側に向かってほぼ水平に延出された板状をなす室内延出部51cと、室内延出部51cの室内側の端から上方に延出されアングル材9が固定されるアングル材固定部51dと、が設けられている。
【0024】
室外傾斜部51aにおける室外側端部近傍の下面には、建具1の上枠1eに係止される建具係止部51eが設けられている。また、室外傾斜部51aの下面には、建具係止部51eと下方延出部51bとの間に下方に突出して設けられ、側枠6を左右方向に貫通して側枠6と本体部材5とを接合するビス11が螺合される第3ビスホール51fが設けられている。
【0025】
室内延出部51cの上面には、上方に突出して設けられ、側枠6を左右方向に貫通して側枠6と本体部材5とを接合するビス11が螺合される第4ビスホール51gが設けられている。そして、本体部材5は、左右に配置された一対の側枠6を貫通するビス11が第1ビスホール50c、第2ビスホール52d、第3ビスホール51f、第4ビスホール51gの4カ所で固定されている。
【0026】
すなわち、本体部材5は、躯体2側においては、隔壁部50の室内側に設けられた第1ビスホール50c及び隔壁部50の室外側に設けられた第2ビスホール52dに、側枠6を貫通するビス11が螺合されて側枠6と固定されている。また、本体部材5は、建具1側においては、隔壁部50の室外側に設けられた第3ビスホール51f及び隔壁部50の室内側に設けられた第4ビスホール51gに、側枠6を貫通するビス11が螺合されて側枠6と固定されている。これらビス11により固定されている部位が、本体部材5を一対の側枠(端部材)に固定する固定部に相当する。
【0027】
室内カバー8は、本体部材5の室内カバー固定部50aに固定され換気ファン4の上方を覆う上部カバー80と、換気ファン4の室内側を覆う室内カバー本体81と、を有している。換気ファン4は、側枠6の室内側の端よりも室内側に突出しており、本体部材5に固定された室内カバー8の左右の小口は、側枠6の室内側に設けられている額縁12により覆われている。
【0028】
上部カバー80は、換気ファン4よりも室内側までほぼ水平に延出されており、室内側の端部に室内カバー本体81の上端部を固定する上端固定部80aが設けられている。
【0029】
室内カバー本体81は、換気ファン4の室内側に位置するファンカバー部81aと、ファンカバー部81aの下端から室外側に延出され換気ファン4の下側に位置する下カバー部81bと、下カバー部81bの室外側の端から下方に延出された下方延出部81cと、を有している。
【0030】
換気ファン4の下方にて延出されている下カバー部81bは、延出された先端が、換気ファン4の見込方向におけるほぼ中央に位置しており、上下方向に貫通する複数の室内開孔81dを有している。
【0031】
下カバー部81bの先端から下方に延出された下方延出部81cは、見込方向において隔壁部50と間隔を空けて対向している。下方延出部81cは、下方に設けられている建具1の上枠1eの上端よりも低い位置まで延出されている。下方延出部81cの下端は、アングル材9を介して建具1の上枠1e及び本体部材5と接合されている。
【0032】
アングル材9は、本体部材5のアングル材固定部51dに固定される被固定部9aと、被固定部9aから下方に延出されて建具1の上枠1eに固定される上枠固定部9bと、上枠固定部9b下端から室内側に延出されて室内カバー本体81の下端が固定されるカバー固定部9cとを有している。
【0033】
アングル材9の上端に設けられた被固定部9aが本体部材5に固定され、カバー固定部9cに室内カバー本体81の下端が固定されると、本体部材5と室内カバー8との間が閉塞される。このため、本体部材5と室内カバー8との間の空間は、下カバー部81bに設けられた室内開孔81dにより室内と連通しており、換気ファン4が稼働されると、室内開孔81dから室内の空気が吸引される。
【0034】
室外カバー7は、隔壁部50の室外側に間隔を空けて配置され、隔壁部50を室外側から覆う室外カバー本体7aと、室外カバー本体7aの下端近傍から室内側に延出された室外カバー延出部7bと、室外カバー延出部7bの室内側端に設けられ隔壁部50に設けられた室外カバー下係止部50dに係止される外係止片7cと、を有している。
【0035】
室外カバー本体7aの上端部には、本体部材5に設けられた室外カバー上係止部52bに係止される室外カバー被係止部7dが設けられており、室外カバー被係止部7dは、側枠6を左右方向に貫通して側枠6と室外カバー7とを接合するビス11aが螺合される第5ビスホール7eを有している。
【0036】
室外カバー延出部7bは、下方に位置する本体部材5の室外傾斜部51aと上下方向に間隔を空けて配置され、上下方向に貫通する複数の室外開孔7fを有している。室外カバー7は、一対の側枠6の間にて、室外カバー上係止部52bに室外カバー被係止部7dが係止され、室外カバー下係止部50dに外係止片7cと係止された状態で、側枠6を貫通するビス11aが第5ビスホール7eに螺合されて取り付けられる。すなわち、室外カバー7は、一対の側枠6に挟持されている。
【0037】
室外カバー7が取り付けられた状態では、本体部材5における室外カバー下係止部50dより下の部位の室外側の面、及び、室外傾斜部51aの上側の面は室外に露出している。このため、換気ファン4により吸引された室内の空気は、隔壁連通孔50bから本体部材5と室外カバー7との間に形成される空間に吹き出され、室外カバー延出部7bに設けられた複数の室外開孔7fを通り室外傾斜部51aに沿って室外側に排出される。
【0038】
一対の側枠6は、互いに左右が反転した形状をなしている。各側枠6は、見込面を形成し互いに間隔を空けて対向する見込み壁部6aと、見込み壁部6aに設けられ各々対向する側とは反対側(以下、反対向側という)に延出されて躯体2に固定される側枠固定部6bと、見込み壁部6aの室外側の端に設けられた補強片6cと、見込み壁部6aの室内側の端に設けられ額縁12と対向する額縁対向部6dと、を有している。
【0039】
見込み壁部6aは、本体部材5に室外カバー7が係止された状態で本体部材5の上枠部52aから室外カバー延出部7bの間において、本体部材5と室外カバー7の小口を覆う大きさをなしている。
【0040】
各見込み壁部6aの反対向側の面には、見込み壁部6aの下端側の部位の変形を抑制すべく例えばアルミニウム製の板状をなす補強材13が取り付けられている。補強材13は、
図7に示すように、見込み壁部6aの下端側において、側枠6に固定された室外カバー7の室外カバー延出部7bよりも高い位置まで設けられ、側枠固定部6bに近接する位置から、見込方向において室外カバー本体7aの小口の近傍まで設けられている。
【0041】
また、見込み壁部6aは、下方に設けられる建具1の縦枠1cが有して見込面を形成する縦枠壁部1fと、上下に位置する互いの見込面が同一平面をなすように配置されている。補強材13は、側枠6と建具1の縦枠1cとに跨がるように配置されて縦枠壁部1fと重なる位置まで延出されており、本体部材5の第3ビスホール51fと、建具1の上枠1eに設けられている上枠ビスホール1gに螺合されるビス11bにより固定されている。
【0042】
本実施形態の換気ユニット3によれば、一対の側枠6間に配置されて室外カバー7に室外側から覆われている本体部材5は、隔壁部50の室内側と室外側とにおいて一対の側枠6に各々ビス11により固定されているので、一対の側枠6間に挟持されて当該一対の側枠6に固定される室外カバー7が熱延びしたとしても、側枠6において本体部材5の隔壁部50と隣接している部位に変形が生じ難い。このため、室外カバー7が熱延びしたとしても、本体部材5の隔壁部50と側枠6との間に隙間が生じることを抑制することが可能である。
【0043】
また、本体部材5は、建具1側と躯体2側とにおいて各々、隔壁部50の室内側及び室外側で一対の側枠6にビス11により固定されている。このため、室外カバー7が熱延びしたとしても、本体部材5の隔壁部50と側枠6との間に隙間が生じることをより確実に抑制することが可能である。
【0044】
また、一対の側枠6と重ねて設けられる補強材13が、室外カバー7の小口と重なる位置に配置されているので、補強材13により室外カバー7の熱延びが抑制される。このため、補強材13により、室外カバー7の熱延びによる一対の側枠6の変形を抑制することが可能であり、本体部材5の隔壁部50と側枠6との間に隙間が生じることを更に確実に抑制することが可能である。
【0045】
また、換気ユニット3は、補強材13により建具1と接合されるので、一対の側枠6の変形を抑制しつつ換気ユニット3と建具1とを接合することが可能である。また、建具1と換気ユニット3を接合するためだけの部材を設ける必要がないので、部品点数を削減することができ、コストを低減することが可能である。
【0046】
また、上述したように、室外カバー7が熱延びしたとしても本体部材5の隔壁部50と側枠6との間に隙間が生じ難いので、換気ファン4により、隔壁連通孔50bから空気を効率よく流通させることが可能である。そして、換気ユニット3と、建具1とを上下方向に並べて配置されて、空気を効率よく流通させることが可能な換気ユニット3を備えた段窓10を実現することが可能である。
【0047】
上記実施形態においては、換気ユニット3が建具1の上側に設けられている例について説明したが、これに限るものではない。例えば、換気ユニット3が建具1の下側に設けられていても構わない。また、
図8に示すように、換気ユニット3と建具1とが左右方向に並べて配置されていても、本体部材5に、隔壁部50の室内側と室外側とにおいて一対の端部材(上枠と下枠)を各々固定することができる構成であれば構わない。この場合には、たとえば、本体部材5に、端部材(上枠と下枠)を貫通するビスが螺合されるビスホール5aが設けられている。
【0048】
また、上記実施形態においては、建具1と共に並べて設けられる付設ユニットとして換気ユニット3を例に挙げて説明したが、これに限らず、建具1と共に並べて設けられる例えば、パネルユニット等であっても構わない。
【0049】
また、付設ユニットを共に設けられる建具として縦すべり出し窓用の建具1を例に挙げて説明したが、これに限るものではない。例えば、引き違い窓、FIX窓、片引き窓等の各種窓を構成する建具や、引戸や開き戸を備えた建具などであっても構わない。
【0050】
また、上記実施形態においては、本体部材5の室外側に設けられる付属部材として、室外側から本体部材5を覆う室外カバー7を例に挙げて説明したが、これに限らず付属部材は、本体部材5の室外側に設けられて一対の側枠6の間に挟持される部材であれば構わない。
【0051】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
【0052】
建具と共に並べて設けられ、前記建具と躯体との間に配置される前記建具の付設ユニットであって、前記建具と前記躯体との間にて室内外を隔てる隔壁部と、前記隔壁部の前記建具側の端に設けられて当該建具と接合される建具側接合部と、前記隔壁部の前記躯体側の端に設けられて当該躯体と接合される躯体側接合部と、を備えた単一の部材でなる本体部材、前記本体部材の、前記建具と当該付設ユニットとが並ぶ方向と交差する交差方向の両端部に取り付けられ、前記躯体に固定される一対の端部材、及び、前記本体部材の室外側に設けられ前記一対の端部材間に挟持される付属部材、を有し、前記本体部材は、前記隔壁部の室内側と室外側とにおいて前記一対の端部材に各々固定されていることを特徴とする付設ユニットである。
【0053】
このような付設ユニットによれば、一対の端部材の間に配置されて室外側が付属部材に覆われている本体部材は、隔壁部の室内側と室外側とにおいて一対の端部材に各々固定されているので、一対の端部材の間に挟持される付属部材が熱延びしたとしても、端部材において本体部材の隔壁部と隣接している部位に変形が生じ難い。このため、付属部材が熱延びしたとしても、本体部材の隔壁部と端部材との間に隙間が生じることを抑制することが可能である。
【0054】
かかる付設ユニットであって、前記本体部材を前記隔壁部の室内側及び室外側にて前記一対の端部材に固定する固定部は、前記建具側と前記躯体側にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0055】
このような付設ユニットによれば、本体部材は、建具側と躯体側とにおいて各々、隔壁の室内側及び室外側で一対の端部材に固定されている。このため、付属部材が熱延びしたとしても、本体部材の隔壁部と端部材との間に隙間が生じることをより確実に抑制することが可能である。
【0056】
かかる付設ユニットであって、前記一対の端部材には、前記付属部材とは反対側に配置され、前記交差方向において当該付属部材の小口と重なる補強材が固定されていることを特徴とする。
【0057】
このような付設ユニットによれば、交差方向において一対の端部材と重ねて設けられる補強材が、付属部材の小口と重なる位置に配置されているので、補強材により付属部材の熱延びが抑制される。このため、補強材により付属部材の熱延びによる一対の端部材の変形も抑制することが可能であり、本体部材の隔壁部と側枠との間に隙間が生じることを更に確実に抑制することが可能である。
【0058】
かかる付設ユニットであって、前記補強材は、前記建具と接合されることを特徴とする。
このような付設ユニットによれば、補強材により建具と接合されるので、一対の端部材の変形を抑制しつつ付設ユニットと建具とを接合することが可能である。また、建具と付設ユニットを接合するためだけの部材を設ける必要がないので、部品点数を削減することができ、コストを低減することが可能である。
【0059】
また、上記付設ユニットを備え、前記隔壁部に、前記室内外を連通する隔壁連通孔と、前記隔壁連通孔にて空気を流通させるファンと、が設けられていることを特徴とする換気ユニットである。
このような換気ユニットによれば、付属部材が熱延びしたとしても、本体部材の隔壁部と端部材との間に隙間が生じ難いので、ファンにより、連通孔から空気を効率よく流通させることが可能である。
【0060】
また、換気ユニットと、前記建具とが、上下方向に並べて配置されることを特徴とする段窓である。
このような段窓によれば、空気を効率よく流通させることが可能な換気ユニットを備えた段窓を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 建具、2 躯体、3 換気ユニット(付設ユニット)、
4 換気ファン、5 本体部材、6 側枠、7 室外カバー、
10 段窓、11 ビス、13 補強材、50 隔壁部、50b 隔壁連通孔、
50c 第1ビスホール、51 建具側接合部、51f 第3ビスホール、
51g 第4ビスホール、52 躯体側接合部、52d 第2ビスホール