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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241111BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20241111BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241111BHJP
【FI】
F21S2/00 436
H01S5/022
F21S2/00 439
F21Y115:30
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021064251
(22)【出願日】2021-04-05
(65)【公開番号】P2022159826
(43)【公開日】2022-10-18
【審査請求日】2024-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 真一
(72)【発明者】
【氏名】奥田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小野田 憲
(72)【発明者】
【氏名】雉嶋 裕明
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-200927(JP,A)
【文献】特開2018-045778(JP,A)
【文献】国際公開第2019/069909(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0105997(US,A1)
【文献】特開2010-204251(JP,A)
【文献】特開2004-069751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H01S 5/022
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1平面と、前記第1平面と対向し前記第1平面とほぼ平行な第2平面と、側面と、前記側面と前記第1平面との間に位置し前記第1平面に対して傾斜した第1傾斜面と、前記側面と前記第2平面との間に位置し前記第2平面に対して傾斜した第2傾斜面と、を有し、前記側面と前記第1傾斜面とのなす角度及び前記側面と前記第2傾斜面のなす角度が鋭角である、導光板と、
第1基部と、第1発光部と、を有する第1半導体レーザ素子と、
第2基部と、第2発光部と、を有する第2半導体レーザ素子と、
第3基部と、第3発光部と、を有する第3半導体レーザ素子と、を備え、
前記第1基部及び前記第2基部は互いに非平行であり、前記第3基部は前記第1基部に隣接し、
前記第1発光部及び前記第3発光部は前記側面と前記第1傾斜面との第1交差部に対向し、前記第2発光部は前記側面と前記第2傾斜面との第2交差部に対向し
前記第1発光部、前記第2発光部、及び、前記第3発光部は、互いに異なる波長の光を放射するように構成されている、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネルを照明する照明装置(バックライト装置)が種々提案されている。例えば、半導体レーザ素子から放射されたレーザ光の長手方向を導光板の側面の長手方向に揃える技術が知られている。また、他の例として、導光板がLED光源と対向する端部にLED光源に向かって傾斜した集光部を有する技術が知られている。
【0003】
照明装置においては、互いに異なる波長の光が導光板に入射した際、各色の光が十分に混ざり合うこと要求される。特に、光源として半導体レーザ素子が適用された場合、半導体レーザ素子から放射される光の指向性が高いため、各色の光が十分に混ざり合うのに必要な導光板の長さが長くなる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-87570号公報
【文献】特開2012-123995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、面内における色度の均一性を向上するとともに小型化が可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る照明装置は、
第1平面と、前記第1平面と対向し前記第1平面とほぼ平行な第2平面と、側面と、前記側面と前記第1平面との間に位置し前記第1平面に対して傾斜した第1傾斜面と、前記側面と前記第2平面との間に位置し前記第2平面に対して傾斜した第2傾斜面と、を有し、前記側面と前記第1傾斜面とのなす角度及び前記側面と前記第2傾斜面のなす角度が鋭角である、導光板と、第1基部と、第1発光部と、を有する第1半導体レーザ素子と、第2基部と、第2発光部と、を有する第2半導体レーザ素子と、を備え、前記第1基部及び前記第2基部は互いに非平行であり、前記第1発光部は前記側面と前記第1傾斜面との第1交差部に対向し、前記第2発光部は前記側面と前記第2傾斜面との第2交差部に対向している。
【0007】
本実施形態に係る照明装置は、
第1平面と、前記第1平面に対して傾斜した第1傾斜面と、前記第1平面と対向し前記第1平面とほぼ平行な第2平面と、前記第1平面と対向し前記第2平面に対して傾斜した第2傾斜面と、を有し、前記第1平面と前記第1傾斜面とのなす角度及び前記第2平面と前記第2傾斜面のなす角度が鈍角である、導光板と、第1基部と、第1発光部と、を有する第1半導体レーザ素子と、第2基部と、第2発光部と、を有する第2半導体レーザ素子と、を備え、前記導光板は、前記第1発光部と前記第2発光部との間に位置し、前記第1発光部は前記第1傾斜面に対向し、前記第2発光部は前記第2傾斜面に対向している。
【0008】
本実施形態に係る照明装置は、
第1平面と、前記第1平面と対向し前記第1平面とほぼ平行な第2平面と、側面と、前記側面に対して窪んだ第1凹部及び第2凹部と、を有する導光板と、第1基部と、第1発光部と、を有する第1半導体レーザ素子と、第2基部と、第2発光部と、を有する第2半導体レーザ素子と、第3基部と、第3発光部と、を有する第3半導体レーザ素子と、を備え、前記第1発光部、前記第2発光部、及び、前記第3発光部は、互いに異なる波長の光を放射するように構成され、前記第1半導体レーザ素子は、前記第1凹部に配置され、前記第3半導体レーザ素子は、前記第2凹部に配置され、前記第2半導体レーザ素子は、前記第1半導体レーザ素子と前記第3半導体レーザ素子との間に位置し、前記側面に対向している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る照明装置ILを説明するための図である。
図2図2は、図1に示した導光板1の一例を示す図である。
図3図3は、図2に示した導光板1を備える照明装置ILの一例を示す側面図である。
図4図4は、図3に示した照明装置ILの形状例を説明するための断面図である。
図5図5は、図3に示した照明装置ILの一例を示す平面図である。
図6図6は、図1に示した導光板1の他の例を示す図である。
図7図7は、図6に示した導光板1を備える照明装置ILの一例を示す側面図である。
図8図8は、図7に示した照明装置ILの一例を示す断面図である。
図9図9は、図8に示した照明装置ILの一部を拡大した断面図である。
図10図10は、図7に示した照明装置ILの一例を示す平面図である。
図11図11は、図1に示した導光板1の他の例を示す図である。
図12図12は、図11に示した導光板1を備える照明装置ILの一例を示す側面図である。
図13図13は、図12に示した照明装置ILの一部を拡大した断面図である。
図14図14は、図12に示した照明装置ILの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向または第3方向と称する。X軸及びY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X軸及びZ軸によって規定される面をX-Z平面と称し、Y軸及びZ軸によって規定される面をY-Z平面と称する。X-Y平面を見ることを平面視という。第1方向X及び第2方向Yは、照明装置に含まれる導光板の主面に平行な方向に相当し、また、第3方向Zは、導光板の厚さ方向に相当する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る照明装置ILを説明するための図である。
照明装置ILは、導光板1と、発光装置2と、を備えている。なお、図1に示す導光板1及び発光装置2は、それらの形状を反映したものではなく、導光板1及び発光装置2の詳細については後述する。発光装置2は、導光板1の一端側に配置されている。導光板1の有効領域AAは、導光板1の内部を伝播した光が出射される領域であり、照明対象物3に重畳している。図中に点線で示した照明対象物3は、例えば液晶パネルである。
【0013】
液晶パネルが照明光を選択的に透過することで画像を表示する透過型パネルである場合、照明装置ILはバックライト装置として機能する。また、液晶パネルが照明光を選択的に反射することで画像を表示する反射型パネルである場合、照明装置ILはフロントライト装置として機能する。
なお、照明対象物3は、液晶パネルに限らず、電気泳動素子を備えた表示パネル、MEMS(micro electro mechanical systems)を応用した表示パネルなどであってもよい。
本実施形態に係る照明装置ILと、照明対象物3である表示パネルとを組み合わせることで、表示装置を構成することができる。
【0014】
《構成例1》
図2は、図1に示した導光板1の一例を示す図である。
導光板1は、第1平面11と、第2平面12と、側面13と、第1傾斜面141と、第2傾斜面142と、を有している。第1平面11は、X-Y平面と平行な面である。第2平面12は、第3方向Zにおいて、第1平面11と対向している。第2平面12は、第1平面11あるいはX-Y平面とほぼ平行な面である。側面13は、第1平面11及び第2平面12に対して垂直な面であり、Y-Z平面とほぼ平行な面である。
【0015】
第1傾斜面141及び第2傾斜面142は、第2方向Yに延出し、第3方向Zにおいて互いに対向している。また、第1傾斜面141及び第2傾斜面142は、互いに非平行である。
第1傾斜面141は、第1方向Xにおいて、側面13と第1平面11との間に位置し、側面13及び第1平面11を接続している。第1傾斜面141は、第1平面11あるいはX-Y平面に対して傾斜した面である。第2傾斜面142は、第1方向Xにおいて、側面13と第2平面12との間に位置し、側面13及び第2平面12を接続している。第2傾斜面142は、第2平面12あるいはX-Y平面に対して傾斜した面である。
【0016】
側面13と第1傾斜面141とのなす角度θ1、及び、側面13と第2傾斜面142のなす角度θ2は、鋭角である。一例では、角度θ1は、角度θ2と同等であるが、角度θ2とは異なる場合もあり得る。
【0017】
側面13と第1傾斜面141との第1交差部151、及び、側面13と第2傾斜面142との第2交差部152は、第2方向Yに延出し、稜線を形成しているが、丸みを帯びていてもよいし、面取りされていてもよい。
【0018】
導光板1において、第1平面11及び第2平面12が対向する領域での第3方向Zに沿った厚さTは、一例では、1.0mm~1.5mmである。第1傾斜面141及び第2傾斜面142が対向する領域では、第1方向Xにおいて側面13に向かうにしたがって次第に厚さが増加する。
このような導光板1は、ガラス製であってもよいし、樹脂製であってもよい。
【0019】
図3は、図2に示した導光板1を備える照明装置ILの一例を示す側面図である。ここでは、照明装置ILをY-Z平面で見た側面図を示している。
照明装置ILは、発光装置2として、第1半導体レーザ素子21、第2半導体レーザ素子22、第3半導体レーザ素子23を含む複数の半導体レーザ素子を備えている。
【0020】
第1半導体レーザ素子21は、第1基部211と、第1発光部212と、第1キャップ213と、を有している。第1キャップ213は、第1発光部212を囲んでいる。第1発光部212は、詳細な図示を省略するが、第1基部211に実装された半導体レーザチップと、半導体レーザチップからの放射光を透過する窓部と、を有している。
【0021】
同様に、第2半導体レーザ素子22は、第2基部221と、第2発光部222と、第2キャップ223と、を有している。第2キャップ223は、第2発光部222を囲んでいる。
第3半導体レーザ素子23は、第3基部231と、第3発光部232と、第3キャップ233と、を有している。第3キャップ233は、第3発光部232を囲んでいる。
【0022】
第1発光部212、第2発光部222、及び、第3発光部232は、互いに異なる波長の光を放射するように構成されている。一例では、第1発光部212は赤色の光(R)を放射し、第2発光部222は緑色の光(G)を放射し、第3発光部232は青色の光(B)を放射するように構成されている。
【0023】
半導体レーザ素子24及び27は、第1半導体レーザ素子21と同様に、赤光を放射するように構成されている。半導体レーザ素子25及び28は、第2半導体レーザ素子22と同様に、緑光を放射するように構成されている。半導体レーザ素子26は、第3半導体レーザ素子23と同様に、青光を放射するように構成されている。
【0024】
第1半導体レーザ素子21、第3半導体レーザ素子23、半導体レーザ素子25及び27は、第2方向Yに沿って等ピッチで並んでいる。第2半導体レーザ素子22、半導体レーザ素子24、26、28は、第2方向Yに沿って等ピッチで並び、第1半導体レーザ素子21などとは導光板1を挟んで反対側に位置している。
【0025】
第1基部211及び第2基部221は、互いに非平行である。第1基部211及び第3基部231は、第2方向Yにおいて隣接し、互いにほぼ平行である。
第1発光部212、第3発光部232は、第1交差部151に対向している。第2発光部222は、第2交差部152に対向している。第2方向Yに沿った位置に関して、第2発光部222は、第1発光部212と第3発光部232とのほぼ中間に位置している。
【0026】
図4は、図3に示した照明装置ILの形状例を説明するための断面図である。ここでは、照明装置ILをX-Z平面で見た断面図を示している。
第1発光部212からの放射光の主光線B1及び第2発光部222からの放射光の主光線B2は、いずれもX-Y平面に対して傾斜している。
【0027】
主光線B2のX-Y平面に対する傾斜、あるいは、第2半導体レーザ素子22のX-Y平面に対する傾斜は、主光線B2が側面13から入射した直後に第1平面11で全反射される条件、つまり、第1平面11への入射角が臨界角以上となる条件を満たすように設定される。さらには、第2発光部222からの放射光が主光線の他に主光線に対してわずかに広がった発散成分D21及びD22を有する場合を想定する。この場合、主光線B2の傾斜は、主光線B2のみならず、発散成分D21及びD22も側面13から入射した直後に第1平面11で全反射される条件を満たすように設定される。つまり、第2発光部222からの放射光は、そのほとんどが第1傾斜面141に到達することなく、第1平面11で全反射される。
一例では、主光線B2は、X-Y平面に対して時計回りに42°の角度で傾斜している。
【0028】
第2傾斜面142のX-Y平面に対する傾斜は、発散成分D21が導光板1から漏れ出ることなく第1平面11に到達するように設定される。導光板1に入射する前の発散成分D21の傾斜が32°であって、導光板1を伝播する発散成分D21の傾斜が20.7°である場合を想定すると、第2傾斜面142の傾斜は、X-Y平面に対して時計回りに20.7°以上に設定される。
【0029】
第1半導体レーザ素子21についても上記の第2半導体レーザ素子22と同様であり、例えば、主光線B1は、X-Y平面に対して反時計回りに42°の角度で傾斜している。また、第1傾斜面141の傾斜は、X-Y平面に対して反時計回りに20.7°以上に設定される。
【0030】
このような照明装置ILにおいて、第1発光部212から放射された赤光、及び、第2発光部222から放射された緑光は、それぞれ側面13から入射する。赤光は、そのほとんどが第2傾斜面142に到達することなく、第2平面12で全反射され、導光板1の内部を伝播する。青光は、そのほとんどが第1傾斜面141に到達することなく、第1平面11で全反射され、導光板1の内部を伝播する。図示を省略した第3発光部232から放射された青光も、赤光と同様に、第2平面12で全反射され、導光板1の内部を伝播する。
【0031】
図5は、図3に示した照明装置ILの一例を示す平面図である。なお、導光板1の下方に位置する半導体レーザ素子は点線で示し、導光板1の上方に位置する半導体レーザ素子は実線で示している。
【0032】
平面視において、第1半導体レーザ素子21及び半導体レーザ素子24及び27からそれぞれ放射された赤光、第2半導体レーザ素子22及び半導体レーザ素子25及び28からそれぞれ放射された緑光、及び、第3半導体レーザ素子23及び半導体レーザ素子26からそれぞれ放射された青光は、第1方向Xに沿って伝播しながら第2方向Yに広がり、互いに混ざり合う。
【0033】
このような照明装置ILによれば、第2方向Yに沿って一列に並んだ複数の半導体レーザ素子が導光板1の側面に対向するエッジライト方式と比較して、半導体レーザ素子が高密度に配置され、互いに異なる波長の光が混ざり合うのに必要な第1方向Xに沿った距離を短縮することができる。
また、上記の照明装置ILによれば、第3方向Zに並んだ複数の半導体レーザ素子が導光板1の側面に対向するエッジライト方式と比較して、導光板1の厚さを薄くすることができる。
これにより、面内における色度の均一性を向上することができ、且つ、照明装置ILの小型化を実現することができる。
【0034】
《構成例2》
図6は、図1に示した導光板1の他の例を示す図である。
導光板1は、第1平面11と、第2平面12と、第1傾斜面141と、第2傾斜面142と、を有している。第1平面11は、X-Y平面と平行な面である。第1傾斜面141及び第1平面11は、第1方向Xに並んでいる。第1傾斜面141は、第1平面11に繋がり、第1平面11に対して傾斜している。第2平面12は、第1平面11あるいはX-Y平面とほぼ平行な面である。第2傾斜面142及び第2平面12は、第1方向Xに並び、第3方向Zにおいて第1平面11と対向している。第2傾斜面142は、第2平面12に繋がり、第2平面12に対して傾斜している。
【0035】
第1傾斜面141及び第2傾斜面142は、第2方向Yに延出し、第1方向Xにずれて形成されており、互いに非平行である。
第1平面11と第1傾斜面141とのなす角度θ11、及び、第2平面12と第2傾斜面142のなす角度θ12は、180°未満の鈍角である。一例では、角度θ11は、角度θ12と同等であるが、角度θ12とは異なる場合もあり得る。
第1平面11のうち、第2傾斜面142の直下の領域は、入光領域11Eに相当する。第2平面12のうち、第1傾斜面141の直上の領域は、入光領域12Eに相当する。
【0036】
導光板1において、第1平面11及び第2平面12が対向する領域での第3方向Zに沿った厚さTは、一例では、1.0mm~1.5mmである。
このような導光板1は、ガラス製であってもよいし、樹脂製であってもよい。
【0037】
図7は、図6に示した導光板1を備える照明装置ILの一例を示す側面図である。ここでは、照明装置ILをY-Z平面で見た側面図を示している。
照明装置ILは、発光装置2として、第1半導体レーザ素子21、第2半導体レーザ素子22、第3半導体レーザ素子23を含む複数の半導体レーザ素子を備えている。
【0038】
第1半導体レーザ素子21、半導体レーザ素子24及び27は、赤光を放射するように構成されている。第2半導体レーザ素子22、半導体レーザ素子25及び28は、緑光を放射するように構成されている。第3半導体レーザ素子23、半導体レーザ素子26は、青光を放射するように構成されている。
【0039】
第1半導体レーザ素子21、第3半導体レーザ素子23、半導体レーザ素子25及び27は、第2方向Yに沿って等ピッチで並んでいる。第2半導体レーザ素子22、半導体レーザ素子24、26、28は、第2方向Yに沿って等ピッチで並び、第1半導体レーザ素子21などとは導光板1を挟んで反対側に位置している。第2方向Yに沿った位置に関して、第2発光部222は、第1発光部212と第3発光部232とのほぼ中間に位置している。
【0040】
第1基部211及び第2基部221は、互いにほぼ平行である。また、第1基部211及び第3基部231は、互いにほぼ平行である。
【0041】
図8は、図7に示した照明装置ILの一例を示す断面図である。ここでは、照明装置ILをX-Z平面で見た断面図を示している。
照明装置ILは、さらに、第1反射層51及び第2反射層52を備えている。第1反射層51は、第1傾斜面141のほぼ全面を覆うように配置されている。第2反射層52は、第2傾斜面142のほぼ全面を覆うように配置されている。
【0042】
第1半導体レーザ素子21及び、第2半導体レーザ素子22は、第1方向Xにずれて配置されている。導光板1の第1傾斜面141及び第2傾斜面142を含む一端部は、第3方向Zにおいて、第1半導体レーザ素子21と第2半導体レーザ素子22との間に位置している。第1半導体レーザ素子21は導光板1が位置する上方に向かって発光し、第2半導体レーザ素子22は導光板1が位置する下方に向かって発光する。以下により具体的に説明する。
【0043】
第1半導体レーザ素子21について、第1発光部212は、第3方向Zにおいて、入光領域11E及び第2傾斜面142に対向している。入光領域11Eは、第1発光部212と第2傾斜面142との間に位置している。第1発光部212は、入光領域11Eに向かって発光するように構成されている。
【0044】
第2半導体レーザ素子22について、第2発光部222は、第3方向Zにおいて、入光領域12E及び第1傾斜面141に対向している。入光領域12Eは、第2発光部222と第1傾斜面141との間に位置している。第2発光部222は、入光領域12Eに向かって発光するように構成されている。
【0045】
再び図7を参照すると、第3半導体レーザ素子23について、第3基部231は、第2方向Yにおいて第1基部211に隣接し、第3発光部232は、第3方向Zにおいて入光領域11E及び第2傾斜面142に対向している。第3発光部232は、入光領域11Eに向かって発光するように構成されている。
【0046】
要するに、第1半導体レーザ素子21、第3半導体レーザ素子23、半導体レーザ素子25及び27の各々は、第2傾斜面142に対向し、入光領域11Eに向かって発光するものである。また、第2半導体レーザ素子22、半導体レーザ素子24、26、28の各々は、第1傾斜面141に対向し、入光領域12Eに向かって発光するものである。
【0047】
図9は、図8に示した照明装置ILの一部を拡大した断面図である。なお、図9では説明に必要な構成のみを図示している。
【0048】
第1発光部212から放射された赤光は、入光領域11Eから入射し、第2反射層52あるいは第2傾斜面142と第2反射層52との界面で反射される。反射された赤光は、第1平面11で全反射され、導光板1の内部を伝播する。
第2発光部222から放射された緑光は、入光領域12Eから入射し、第1反射層51あるいは第1傾斜面141と第1反射層51との界面で反射される。反射された緑光は、第2平面12で全反射され、導光板1の内部を伝播する。
図示を省略した第3発光部232から放射された青光も、赤光と同様に、入光領域11Eから入射し、第2反射層52で反射された後に、第1平面11で全反射され、導光板1の内部を伝播する。
【0049】
第1平面11と第1傾斜面141とのなす角度θ11は、第1傾斜面141での反射光が第2平面12で全反射される条件、つまり、第2平面12への入射角が臨界角以上となる条件を満たすように設定される。同様に、第2平面12と第2傾斜面142のなす角度θ12は、第2傾斜面142での反射光が第1平面11で全反射される条件、つまり、第1平面11への入射角が臨界角以上となる条件を満たすように設定される。一例では、角度θ11は、145°~150°であり、角度θ12は、145°~150°である。
【0050】
図10は、図7に示した照明装置ILの一例を示す平面図である。なお、導光板1の下方に位置する半導体レーザ素子は点線で示し、導光板1の上方に位置する半導体レーザ素子は実線で示している。
【0051】
平面視において、第1半導体レーザ素子21及び半導体レーザ素子24及び27からそれぞれ放射された赤光、第2半導体レーザ素子22及び半導体レーザ素子25及び28からそれぞれ放射された緑光、及び、第3半導体レーザ素子23及び半導体レーザ素子26からそれぞれ放射された青光は、第1方向Xに沿って伝播しながら第2方向Yに広がり、互いに混ざり合う。
【0052】
このような照明装置ILにおいても、上記の例と同様に、半導体レーザ素子が高密度に配置され、互いに異なる波長の光が混ざり合うのに必要な第1方向Xに沿った距離を短縮することができる。
加えて、半導体レーザ素子の各々は、平面視において、少なくとも発光部が導光板1に重畳するように配置されている。このため、複数の半導体レーザ素子が導光板1の側面に対向するエッジライト方式と比較して、照明装置ILの第1方向Xに沿った長さを短縮することができる。
【0053】
《構成例3》
図11は、図1に示した導光板1の他の例を示す図である。
導光板1は、第1平面11と、第2平面12と、側面13と、第1凹部161と、第2凹部162と、を有している。第1平面11は、X-Y平面と平行な面である。第2平面12は、第1平面11あるいはX-Y平面とほぼ平行な面である。第2平面12は、第3方向Zにおいて第1平面11と対向している。
【0054】
第1凹部161及び第2凹部162は、導光板1において、側面13に対して窪んだ領域に相当する。第1凹部161及び第2凹部162を含む複数の凹部16は、第2方向Yに沿って等ピッチで形成されている。側面13は、Y-Z平面とほぼ平行な面であり、隣接する凹部16の間に位置している。
【0055】
凹部16の各々は、点線で示すように、半導体レーザ素子20のうち、基部201の形状に応じて窪んだ第1部分16Aと、キャップ203の形状に応じて窪んだ第2部分16Bと、を有している。第1方向Xに沿った第1部分16Aの奥行は基部201の厚さと同等であり、第1方向Xに沿った第2部分16Bの奥行はキャップ203の厚さと同等である。
【0056】
隣接する凹部16の間隔、つまり、側面13の第2方向Yに沿った幅W1は、凹部16における第2部分16Bの第2方向Yに沿った幅W2より小さい。
【0057】
導光板1において、第1平面11及び第2平面12が対向する領域での第3方向Zに沿った厚さTは、一例では、1.0mm~1.5mmである。
このような導光板1は、ガラス製であってもよいし、樹脂製であってもよい。
【0058】
図12は、図11に示した導光板1を備える照明装置ILの一例を示す側面図である。ここでは、照明装置ILをY-Z平面で見た側面図を示している。
照明装置ILは、発光装置2として、第1半導体レーザ素子21、第2半導体レーザ素子22、第3半導体レーザ素子23を含む複数の半導体レーザ素子を備えている。
【0059】
第1半導体レーザ素子21、半導体レーザ素子24及び27は、赤光を放射するように構成されている。第2半導体レーザ素子22、半導体レーザ素子25は、緑光を放射するように構成されている。第3半導体レーザ素子23、半導体レーザ素子26は、青光を放射するように構成されている。
【0060】
第1半導体レーザ素子21、第2半導体レーザ素子22、第3半導体レーザ素子23、半導体レーザ素子24乃至28は、第2方向Yに沿って等ピッチで並んでいる。第2方向Yに沿った位置に関して、第2発光部222は、第1発光部212と第3発光部232とのほぼ中間に位置している。第1基部211、第2基部221、及び、第3基部231は、互いにほぼ平行である。
【0061】
第1半導体レーザ素子21は第1凹部161に配置され、第3半導体レーザ素子23は第2凹部162に配置されている。同様に、他の半導体レーザ素子25及び27は、それぞれ凹部16に配置されている。これらの凹部16に配置された各半導体レーザ素子については、発光部が第2部分16Bに対向している。
第2半導体レーザ素子22は、第1半導体レーザ素子21と第3半導体レーザ素子23との間に位置し、側面13に対向している。同様に、他の半導体レーザ素子24及び26は、それぞれ側面13に対向している。これらの各半導体レーザ素子については、発光部が側面13に対向している。
【0062】
第2半導体レーザ素子22の第2キャップ223は、第1半導体レーザ素子21の第1基部211及び第3半導体レーザ素子23の第3基部231に重畳している。第2発光部222は、第1基部211と第3基部231との間に位置している。
【0063】
図13は、図12に示した照明装置ILの一部を拡大した断面図である。
点線で示す第1半導体レーザ素子21において、第1発光部212は第1凹部161の第2部分16Bに対向している。第1発光部212から放射された赤光は、第2部分16Bから入射し、第1平面11及び第2平面12で全反射され、導光板1の内部を伝播する。
実線で示す第2半導体レーザ素子22において、第2発光部222は側面13に対向している。第2発光部222から放射された緑光は、側面13から入射し、第1平面11及び第2平面12で全反射され、導光板1の内部を伝播する。
図示を省略した第3発光部232から放射された青光も、赤光と同様に、第2部分16Bから入射し、第1平面11及び第2平面12で全反射され、導光板1の内部を伝播する。
【0064】
図14は、図12に示した照明装置ILの一例を示す平面図である。
平面視において、第1半導体レーザ素子21及び半導体レーザ素子24からそれぞれ放射された赤光、第2半導体レーザ素子22などからそれぞれ放射された緑光、及び、第3半導体レーザ素子などからそれぞれ放射された青光は、第1方向Xに沿って伝播しながら第2方向Yに広がり、互いに混ざり合う。
【0065】
このような照明装置ILにおいても、上記の例と同様に、半導体レーザ素子が高密度に配置され、互いに異なる波長の光が混ざり合うのに必要な第1方向Xに沿った距離を短縮することができる。
【0066】
上記した本実施形態によれば、面内における色度の均一性を向上するとともに小型化が可能な照明装置を提供することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態として説明した照明装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての照明装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0068】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0069】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0070】
IL…照明装置
1…導光板 11…第1平面 11E…入光領域 12…第2平面 12E…入光領域
13…側面
141…第1傾斜面 142…第2傾斜面
151…第1交差部 152…第2交差部
161…第1凹部 162…第2凹部
21…第1半導体レーザ素子 211…第1基部 212…第1発光部
22…第2半導体レーザ素子 221…第2基部 222…第2発光部
23…第3半導体レーザ素子 231…第3基部 232…第3発光部
51…第1反射層 52…第2反射層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14