(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20241111BHJP
【FI】
G08G1/14 A
(21)【出願番号】P 2021064801
(22)【出願日】2021-04-06
【審査請求日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2021049561
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】入矢 真一
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 克次
(72)【発明者】
【氏名】赤川 聰
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-91330(JP,A)
【文献】特開2003-132349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成部を有し、
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するフェンス型グラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するボックス型グラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するフェンス型表示データとし、
駐車可能スペース識別用表示データを、車両接地面に平行な平面型グラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データを異なる表示特性を持つグラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データを異なる色、または異なる模様を有するグラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データを1つのライン上に並べた表示データを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示データ生成部は、さらに、
駐車可否不明スペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データと、駐車可否不明スペース識別用表示データを、各々異なる表示特性を持つグラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データと、駐車可否不明スペース識別用表示データを異なる色、または異なる模様を有するグラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとし、さらに車両接地面からの距離に応じて透明度が変化するグラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとし、さらに車両接地面からの距離に応じて透明度が低下するグラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するフェンス型グラフィックデータとし、さらに車両接地面からの距離に応じて透明度が低下するフェンス型グラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するボックス型グラフィックデータとし、さらに車両接地面からの距離に応じて透明度が低下するボックス型グラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース識別用表示データを、車両接地面に平行な平面型グラフィックデータとし、駐車可能スペースの前方側である駐車出入口側ほど透明度が高く、後方ほど透明度が低い設定を持つグラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース識別用表示データを、車両接地面に平行な平面型グラフィックデータとし、駐車可能スペースの前方側である駐車出入口側ほど透明度が低く、後方ほど透明度が高い設定を持つグラフィックデータとして生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記情報処理装置は、さらに、
駐車区分領域単位の駐車可否を解析する駐車スペース解析部を有し、
前記表示データ生成部は、
前記駐車スペース解析部の解析情報を入力して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記駐車スペース解析部は、
車両に装着されたセンサの検出情報、または外部装置からの受信情報に基づいて、駐車区分領域単位の駐車可否を解析する請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
表示データ生成部が、
車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成処理を実行し、
前記表示データ生成部は、前記表示データ生成処理において、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する情報処理方法。
【請求項20】
情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
表示データ生成部に、
車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成処理を実行させ、
前記プログラムは、前記表示データ生成処理において、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。具体的には、例えば駐車場において車両の駐車可能スペースを車両運転者であるユーザに分かりやすく提示する表示データを生成する情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ショッピングセンターや遊園地、観光地、その他、街中等の駐車場の多くは、多数の車両を駐車可能としている場合が多い。
車両の運転者であるユーザは、駐車場から駐車可能な空きスペースを探して駐車する。この場合、ユーザは、駐車場内で車両を走行させ、周囲を目視で確認して空きスペースを探すことになる。
【0003】
このような駐車可能スペースの確認処理は時間を要し、また、狭い駐車場内で走行を行うと他の車両や人との接触事故が起こりやすいという問題がある。
【0004】
このような問題を解決する構成を開示した従来技術として、例えば特許文献1(特開2016-118851号公報)がある。
【0005】
この特許文献1は、駐車しようとする車両の運転者が確認可能な車両内の表示部に駐車場内の各駐車領域の駐車可否を識別可能とした表示データを表示する構成を開示している。
具体的には、駐車場内の各駐車スペースの前方の地面位置に、各駐車スペースの駐車可否を識別可能としたライン状の虚像を貼り付けた画像を生成して表示する構成を開示している。
【0006】
この特許文献1に記載の構成は、例えば駐車可能位置には緑のライン、駐車不可能位置には赤や青のラインを車両駐車スペース前方の地面上に貼り付けた画像を提示するものである。
【0007】
しかし、これらのラインは、駐車可能位置も駐車不可能位置も同じ形状のラインであり、単に色が異なるのみであるため、運転者であるユーザから認識しづらいしという問題がある。
さらに、青や赤や緑のラインは駐車場の走行面上に実際に記録されている場合もある。駐車場内に様々な色のラインが実在する場合には、運転者は表示部に表示される虚像のラインと、実際のラインを混同してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、例えば駐車場において車両の駐車可能スペースを車両運転者であるユーザに分かりやすく提示する表示データを生成する情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の側面は、
車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成部を有し、
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する情報処理装置にある。
【0011】
さらに、本開示の第2の側面は、
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
表示データ生成部が、
車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成処理を実行し、
前記表示データ生成部は、前記表示データ生成処理において、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する情報処理方法にある。
【0012】
さらに、本開示の第3の側面は、
情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
表示データ生成部に、
車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成処理を実行させ、
前記プログラムは、前記表示データ生成処理において、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成させるプログラム。
にある。
【0013】
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置、画像処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0014】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0015】
本開示の一実施例の構成によれば、駐車可能スペースや駐車不可スペースを容易に確実に識別することを可能とした表示データを生成して表示部に表示すること可能とした構成が実現される。
具体的には、例えば、車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成部を有する。表示データ生成部は、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するフェンス型、あるいはボックス型のグラフィックデータとして撮影画像に重畳した表示データを生成して表示部に出力して表示する。
本構成により、駐車可能スペースや駐車不可スペースを容易に確実に識別することを可能とした表示データを生成して表示部に表示すること可能とした構成が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】駐車場に駐車する車両の走行例について説明する図である。
【
図2】駐車場に駐車する車両の走行例について説明する図である。
【
図3】駐車場に駐車する車両の走行例について説明する図である。
【
図4】本開示の情報処理装置が生成する表示データを適用して駐車場に駐車する処理例について説明する図である。
【
図5】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図6】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図7】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図8】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図9】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図10】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図11】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図12】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図13】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図14】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図15】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図16】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図17】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図18】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図19】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図20】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図21】本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する図である。
【
図22】本開示の情報処理装置が実行する処理の処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図23】本開示の情報処理装置の構成例について説明する図である。
【
図24】本開示の情報処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。
【
図25】本開示の情報処理装置を搭載した車両の構成例について説明する図である。
【
図26】本開示の情報処理装置を搭載した車両のセンサの構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本開示の情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行う。
1.駐車場における車両駐車処理の一般的な処理と、その問題点について
2.駐車可能スペースと駐車不可スペースを分かりやすくユーザに提示する本開示の処理について
3.グラフィックデータのバリエーションについて
4.本開示の情報処理装置が実行する処理のシーケンスについて
5.本開示の情報処理装置の構成例について
6.本開示の情報処理装置のハードウェア構成例について
7.車両の構成例について
8.本開示の構成のまとめ
【0018】
[1.駐車場における車両駐車処理の一般的な処理と、その問題点について]
まず、駐車場における車両駐車処理の一般的な処理と、その問題点について説明する。
【0019】
図1以下を参照して、車両を駐車場に駐車させる場合の一般的な走行例について説明する。
図1には、車両10と駐車場20を示している、車両10は、駐車場20の入り口から駐車場20に入り、空きスペースを探して駐車しようとしている。
【0020】
図1の状態で、車両10の運転者であるユーザは、車両前方を見ながら、駐車場20の入り口から駐車場内に侵入するが、この侵入時点では、駐車区分領域のどこが空いているかを確認することは困難である。
【0021】
そのため、車両10の運転者であるユーザは、
図2に示すようなシーケンスで、車両10を駐車場内で走行させて、空きスペースを確認して駐車を行うことになる。
【0022】
まず、
図2に示す(ステップS1)において、車両10が駐車場20の入り口から入る。
この時点で、ユーザ(運転者)は、どこが空いているかを確認できない。
ユーザ(運転者)は、どこが空いているかを確認するため、(ステップS2)に示すように左側にある駐車区分領域の右側を直進して、左側の駐車区分領域の各々に車があるか否かを、順次確認する。
【0023】
車両10が直進し、(ステップS2)に示す位置まで進むと、ユーザ(運転者)は、車のない空きスペースを目視で確認することができる。
【0024】
この結果、ユーザ(運転者)は、(ステップS2)の位置で、目視によって確認できた空きスペースに駐車するようにハンドルを操作する。
すなわち、(ステップS3)に示すように、まず右前方方向に進み、その後バックして空きスペースに駐車するための運転操作行うことになる。
【0025】
これらの一連の処理における車両10の走行ルートは
図3に示すような走行ルートとなる。
車両10は、駐車可能スペースの確認処理のために
図3に示すような走行ルートに従って駐車場内を走行して駐車することが必要となる。このような空きスペース確認のための走行は、時間を要し、また、狭い駐車場内での走行は他車や人との接触事故を起こしやすく安全性の問題もある。
【0026】
[2.駐車可能スペースと駐車不可スペースを分かりやすくユーザに提示する本開示の処理について]
次に、駐車可能スペースと駐車不可スペースを分かりやすくユーザに提示する本開示の処理について説明する。
【0027】
図4は、先に説明した
図1と同様の図である。
図4には、車両10と駐車場20を示しており、車両10は、駐車場20の入り口から駐車場20に入り、空きスペースに駐車しようとしている。
【0028】
図4の状態で、車両10の運転者であるユーザは、車両前方を見ても、目視では駐車区分領域のどこが空いているかを確認することは困難である。
しかし、車両10に備えられた本開示の情報処理装置は、車両10に装着したセンサの検出情報、または、例えば駐車場管理サーバ等の外部装置からの受信情報に基づいて、駐車場20内の各駐車区分領域単位で駐車可能か駐車不可能かを解析する。
【0029】
車両10に備えられたセンサは、例えばカメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、ToF(Time of Flight)センサ等のセンサである。
なお、LiDAR(Light Detection and Ranging)やToFセンサは、例えばレーザ光等の光を出力してオブジェクトによる反射光を解析して、周囲のオブジェクトの距離を計測するセンサである。
【0030】
車両10内の情報処理装置は、これらのセンサ検出情報を用いて車両の周囲の状況を解析し、駐車場20の各駐車区分領域単位の空き状態を確認する。
【0031】
なお、車両10に備えられた情報処理装置は、これらのセンサ検出情報に限らず、例えば駐車場管理サーバ等の外部装置から駐車場20内の各駐車区分領域単位の空き状態、すなわち、各駐車区分領域が駐車可能か駐車不可能かの情報を受信してもよい。
【0032】
このように、本開示の情報処理装置はセンサ検出情報、または外部からの受信情報の少なくともいずれかの情報を利用して各駐車区分領域が駐車可能か駐車不可能かを解析する。さらにこの解析処理の結果に基づいて、車両の駐車可能区分領域を車両運転者であるユーザに分かりやすく提示する表示データを生成して表示部に表示する。
図5以下を参照して、本開示の情報処理装置が生成する表示データの具体例について説明する。
【0033】
図5には、車両10の内部である車両10のフロントパネルの例を示している。車両10のフロントパネルに構成された表示部50に本開示の情報処理装置が生成する表示データが表示される。
なお、
図5に示す車両10は、
図4に示す車両10に相当し、駐車場20の入り口から駐車場20に入る位置にある。
【0034】
この位置において、車両10に備えられた情報処理装置は、センサ検出情報、あるいは外部からの受信情報に基づいて、駐車場20の各駐車区分領域の各々が駐車可能スペースであるか、駐車不可能スペースであるかの情報を取得している。
【0035】
情報処理装置は、この情報を用いて、駐車場20内の各駐車区分領域が駐車可能か駐車不可能かを容易に判別可能とした表示データを生成して表示部に表示する。
【0036】
図6に本開示の情報処理装置が生成する表示データの一例を示す。
図6に示す表示データは、車両10のフロントパネルに構成された表示部50に表示されるデータの一例を示す図である。
【0037】
図6に示す表示データは、車両10に備えられたカメラによって撮影された実画像上に、駐車不可スペース識別用表示データ101と、駐車可能スペース識別用表示データ102の2種類のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)を表示した表示データである。
【0038】
すでに車両が駐車している駐車不可スペースには、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有する赤色のフェンス型の表示データ、すなわち駐車不可スペース識別用表示データ101を表示する。
また、車両が駐車していない駐車可能スペースには、車両接地面に平行な青色の表示データ、すなわち駐車可能スペース識別用表示データ102を表示する。
【0039】
駐車場の画像は車両10に備えられたカメラによって撮影された実画像である。
車両10に備えられた情報処理装置は、この実画像上に仮想オブジェクトである駐車不可スペース識別用表示データ101や、駐車可能スペース識別用表示データ102等のグラフィックデータを重畳して表示する。
すなわち、車両10の情報処理装置は実オブジェクトと仮想オブジェクトを混在させた拡張現実画像であるAR(Augumented Reality)画像を生成して表示部50に表示する。
【0040】
図6に示す赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101は、下方側(車両接地面側)ほど透明度が高く、上方側ほど透明度が低い。すなわち上方側ほど赤色がより鮮明となる設定を持つ赤色半透明型のフェンス型の3次元グラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0041】
この駐車不可スペース識別用表示データ101は、駐車場の駐車区分領域にすでに車両が存在し、車両駐車不可スペースであると判定された駐車区分の前方位置にほぼ直立して立つように表示される。
【0042】
一方、
図6に示す青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が高く、駐車領域の後方ほど透明度か低い。すなわち、駐車領域の後方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0043】
なお、この2種類のグラフィックデータ、すなわち、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101と、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車区分領域の前方ライン、すなわち、車両を駐車する際の入り口となる駐車区分領域の前方ライン上に並ぶように配置して表示される。
【0044】
駐車場20に侵入して車両10を駐車しようとするユーザ(運転者)は、車両10の表示部50に表示された表示データのグラフィックデータを見て、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101が表示されている領域は駐車不可スペースであり、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102が表示されている領域は駐車可能スペースであることを容易に、かつ確実に判別することが可能となる。
【0045】
ユーザ(運転者)は、この判別結果に基づいて、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102が表示されている領域に車両10を効率的に駐車させることが可能となる。
【0046】
赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101は、現実の駐車場には存在可能性がほぼないオブジェクトであり、運転者は、表示部50に表示される実在可能性がない赤色フェンスを見て、即座にかつ確実に駐車不可領域を識別することができる。
【0047】
なお、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101は、前述したように半透明型のグラフィックデータであり、表示された赤色フェンスによって隠れてしまう後ろ側の実画像やグラフィックデータも確認することができる。
例えば、
図6において手前から3番目にある駐車区分は、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102が表示されているが、その一部が、手前の赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101と重なっている。
この手前の赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101は透明性があるため、赤色フェンスを介してその後方の青色平面型のグラフィックデータを確認することが可能となる。
【0048】
このように、本開示の情報処理装置は、車両接地面に対して直立型のフェンスを透明性のあるフェンスとし、ユーザ(運転者や乗員)の視界を邪魔しない表示データを生成して表示する。
ユーザ(運転者や乗員)は、赤色フェンスを介してその後方の青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102を見て、駐車可能スペースの存在を即座に確認することができる。
更に、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101は、下方側(車両接地面側)ほど透明度が高く、上方側ほど透明度が低い。この構成とすることで、車両10から遠方にある駐車不可スペースであっても、ユーザ(運転者や乗員)が容易に認識しやすくすることができる。
【0049】
次に、
図7を参照して本開示の情報処理装置が表示データとして生成するグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101と、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102の詳細について説明する。
【0050】
図7には、以下の2つのグラフィックデータを示している。
(A)駐車不可スペース識別用表示データ
(B)駐車可能スペース識別用表示データ
いずれも各駐車区分の前方から見た状態を示している。
【0051】
(A)駐車不可スペース識別用表示データは、駐車区分の前方位置に立つフェンス型の表示データであり、車両走行面に対して垂直に立つ赤色のフェンス型形状を持つ3次元グラフィックデータである。
図に示すように、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データは、下方側(車両接地面側)ほど透明度が高く、上方側ほど透明度が低い。すなわち上方側ほど赤色がより鮮明となる設定を持つ赤色半透明型のフェンス型の3次元グラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0052】
一方、(B)駐車可能スペース識別用表示データは、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が高く、駐車領域の後方ほど透明度か低い。すなわち、駐車領域の後方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
図に示すように、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データは、駐車平面である接地面に広がる青色平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0053】
図8は、
図6、
図7を参照して説明した青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102の透明度設定を逆の設定とした例である。
赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101は、先に
図6、
図7を参照して説明したデータと同様のデータであり、下方側(車両接地面側)ほど透明度が高く、上方側ほど透明度が低い。すなわち上方側ほど赤色がより鮮明となる設定を持つ赤色半透明型のフェンス型の3次元グラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0054】
この駐車不可スペース識別用表示データ101は、駐車場の駐車区分領域にすでに車両が存在し、車両駐車不可スペースであると判定された駐車区分の前方位置にほぼ直立して立つように表示される。
【0055】
一方、
図8に示す青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が低く青色出力が大きく、駐車領域の後方ほど透明度か高く青色出力が小さくなる設定である。すなわち、駐車領域の後方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0056】
このような設定とすることで、例えば、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102の手前に車両があり、その位置に赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101が存在しても、その奥の青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102の前方の青色を容易に確認することができる。従って、例えば、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101に隠れる部分の画像を生成して表示させるといったオクルージョン領域に対する処理を行う必要がない。
【0057】
なお、この2種類のグラフィックデータ、すなわち、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101と、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車区分領域の前方ライン、すなわち、車両を駐車する際の入り口となる駐車区分領域の前方ライン上に並ぶように配置して表示される。
【0058】
駐車場20に侵入して車両10を駐車しようとするユーザ(運転者)は、車両10の表示部50に表示された表示データのグラフィックデータを見て、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101が表示されている領域は駐車不可スペースであり、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102が表示されている領域は駐車可能スペースであることを容易に、かつ確実に判別することが可能となる。
【0059】
ユーザ(運転者)は、この判別結果に基づいて、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102が表示されている領域に車両10を効率的に駐車させることが可能となる。
【0060】
図9は、
図8に示す赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101と、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102の詳細について説明する図である。
【0061】
図9には、以下の2つのグラフィックデータを示している。
(A)駐車不可スペース識別用表示データ
(B)駐車可能スペース識別用表示データ
いずれも各駐車区分の前方から見た状態を示している。
【0062】
(A)駐車不可スペース識別用表示データは、先に
図7を参照して説明したデータと同様のデータであり、駐車区分の前方位置に立つフェンス型の表示データであり、車両走行面に対して垂直に立つ赤色のフェンス型形状を持つ3次元グラフィックデータである。
図に示すように、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データは、下方側(車両接地面側)ほど透明度が高く、上方側ほど透明度が低い。すなわち上方側ほど赤色がより鮮明となる設定を持つ赤色半透明型のフェンス型の3次元グラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0063】
一方、(B)駐車可能スペース識別用表示データは、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102の詳細を示す図であり、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が低く青色出力が大きく、駐車領域の後方ほど透明度か高く青色出力が小さくなる設定である。すなわち、駐車領域の前方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0064】
なお、本実施例では、駐車不可スペース識別用表示データ101を赤色半透明型の直立フェンスとし、駐車可能スペース識別用表示データ102を青色半透明型の平面とした例を説明したが、これらグラフィックデータの色や形状、透明度の設定は、様々な設定が可能である。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。以下、これらの様々な設定例について説明する。
【0065】
[3.グラフィックデータのバリエーションについて]
次に、駐車不可スペース識別用表示データ101や、駐車可能スペース識別用表示データ102として表示するグラフィックデータのバリエーションについて説明する。
【0066】
図6、
図7を参照して説明した実施例では、駐車不可スペース識別用表示データ101は、駐車区分の前方位置の車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有する直立した赤色半透明のフェンス型形状を持つグラフィックデータであり、下方側(車両接地面側)ほど透明度が高く、上方側ほど透明度が低い設定としたグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
一方、駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車平面である接地面に広がる青色平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0067】
以下、これらの設定と異なるグラフィックデータのバリエーションについて説明する。
図10は、先に説明した
図6と同様、車両10のフロントパネルに構成された表示部50に表示されるデータの一例を示す図である。
【0068】
図10に示す表示データは、先に説明した
図6と同様、車両10に備えられたカメラによって撮影された実画像上に、駐車不可スペース識別用表示データ101bと、駐車可能スペース識別用表示データ102の2種類のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)を表示した表示データである。
【0069】
すでに車両が駐車している駐車不可スペースには、車両接地面から斜め上方に延びる赤色のフェンス型の表示データ、すなわち駐車不可スペース識別用表示データ101bを表示する。
また、車両が駐車していない駐車可能スペースには、車両接地面に平行な青色の表示データ、すなわち駐車可能スペース識別用表示データ102を表示する。
【0070】
先に説明した
図6に示す赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101は接地面に対して垂直上方に延びるフェンス型形状を有していたが、
図10に示す赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101bは、接地面から斜め上方に延びるフェンス型形状を有している。
図10に示す赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101bは、この点が
図6に示す赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101と異なる。
【0071】
なお、
図10に示す赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101bの透明度設定は、下方側(車両接地面側)ほど透明度が高く、上方側ほど透明度が低い設定である。すなわち上方側ほど赤色がより鮮明となる設定を持つ赤色半透明型のフェンス型の3次元グラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0072】
この駐車不可スペース識別用表示データ101bは、駐車場の駐車区分領域にすでに車両が存在し、車両駐車不可スペースであると判定された駐車区分の前方位置に斜めに傾いて立つように表示される。
【0073】
一方、
図10に示す青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が高く、駐車領域の後方ほど透明度か低い。すなわち、駐車領域の後方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。これは、先に
図6を参照して説明した駐車可能スペース識別用表示データ102と同様のグラフィックデータである。
【0074】
なお、この2種類のグラフィックデータ、すなわち、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データ101bと、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車区分領域の前方ライン、すなわち、車両を駐車する際の入り口となる駐車区分領域の前方ライン上に並ぶように配置して表示される。
【0075】
さらに、
図11を参照してグラフィックデータの変形例について説明する。
図11は、先に説明した
図6と同様、車両10のフロントパネルに構成された表示部50に表示されるデータの一例を示す図である。
【0076】
図11に示す表示データも、先に説明した
図6と同様、車両10に備えられたカメラによって撮影された実画像上に、駐車不可スペース識別用表示データ101cと、駐車可能スペース識別用表示データ102の2種類のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)を表示した表示データである。
【0077】
すでに車両が駐車している駐車不可スペースには、駐車不可スペース識別用表示データ101cとして、赤色ボックス型の表示データを表示する。駐車不可スペース識別用表示データ101cは、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有する赤色ボックス型の表示データである。
また、車両が駐車していない駐車可能スペースには、車両接地面に平行な青色の表示データ、すなわち駐車可能スペース識別用表示データ102を表示する。
【0078】
図11に示す駐車不可スペース識別用表示データ101cは、
図6や
図10を参照して説明したフェンス型ではなく、駐車車両全体を内蔵する形状を持つボックス型形状を有している。
【0079】
なお、
図11に示す赤色ボックス型の駐車不可スペース識別用表示データ101cの透明度設定は、下方側(車両接地面側)ほど透明度が高く、上方側ほど透明度が低い設定である。すなわち上方側ほど赤色がより鮮明となる設定を持つ赤色半透明型のボックス型の3次元グラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0080】
この駐車不可スペース識別用表示データ101cは、駐車場の駐車区分領域にすでに車両が存在し、車両駐車不可スペースであると判定された駐車区分全体を含むボックスとして表示される。
【0081】
一方、
図11に示す青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が高く、駐車領域の後方ほど透明度か低い。すなわち、駐車領域の後方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。これは、先に
図6を参照して説明した駐車可能スペース識別用表示データ102と同様のグラフィックデータである。
【0082】
なお、この2種類のグラフィックデータ、すなわち、赤色ボックス型の駐車不可スペース識別用表示データ101cと、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データ102は、駐車区分領域の前方ライン、すなわち、車両を駐車する際の入り口となる駐車区分領域の前方ライン上に並ぶように配置して表示される。
【0083】
図12以下を参照して、駐車不可スペース識別用表示データや駐車可能スペース識別用表示データとして利用可能なグラフィックデータの例について説明する。
【0084】
図12は、
図6、
図10、
図11を参照して説明した3種類の駐車不可スペース識別用表示データ101をまとめて説明する図である。以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(a)赤色直立フェンス画像
(b)赤色傾斜フェンス画像
(c)赤色ボックス画像
駐車不可スペース識別用表示データ101として、例えばこれら3種類の画像のいずれかを利用することができる。
【0085】
なお、透明度は、(a)~(c)のいずれも接地面側の透明度が高く、接地面から離れ上方側ほど透明度が低い設定である。すなわち、接地面から離れ上方側ほど赤色が強く出力される。
なお、本例では、赤色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0086】
図13は、
図12と異なる駐車不可スペース識別用表示データ101の例を示す図である。以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(a)赤色直立フェンス画像
(b)赤色傾斜フェンス画像
(c)赤色ボックス画像
【0087】
図13に示すこれら3つの駐車不可スペース識別用表示データ101のグラフィックデータは、透明度の設定が
図12に示す例の逆の設定としたグラフィックデータである。
すなわち、透明度は、(a)~(c)のいずれも接地面側の透明度が低く、接地面から離れ上方側ほど透明度が高い設定である。すなわち、接地面に近いほど赤色が強く出力される。
なお、本例では、赤色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0088】
図14は、駐車不可スペース識別用表示データ101のさらに異なる例を示す図である。以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(a)赤色直立フェンス画像
(b)赤色傾斜フェンス画像
(c)赤色ボックス画像
【0089】
図14に示すこれら3つの駐車不可スペース識別用表示データ101のグラフィックデータは、透明度をフェンス、またはボックス全体で均一の設定としたグラフィックデータである。
すなわち、透明度は、(a)~(c)のいずれも接地面から上方まで均一に設定される。赤色も均一に出力される。
なお、本例では、赤色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0090】
図15は、駐車不可スペース識別用表示データ101のさらに異なる例を示す図である。以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(a)赤色直立フェンス画像
(b)赤色傾斜フェンス画像
(c)赤色ボックス画像
【0091】
図15に示すこれら3つの駐車不可スペース識別用表示データ101のグラフィックデータは、透明度を0、すなわちフェンス、またはボックス全体を不透明の設定としたグラフィックデータである。
すなわち、(a)~(c)のいずれも接地面から上方まで不透明の赤色として出力される。
なお、本例では、赤色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0092】
図16は、駐車不可スペース識別用表示データ101のさらに異なる例を示す図である。以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(a)赤色直立フェンス画像
(b)赤色傾斜フェンス画像
(c)赤色ボックス画像
【0093】
図16に示すこれら3つの駐車不可スペース識別用表示データ101のグラフィックデータは、枠のみ赤色として、枠以外の面を透明としたフェンス、またはボックスを有する設定としたグラフィックデータである。
なお、本例では、枠の色を赤色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0094】
次に、
図17を参照して、駐車可能スペース識別用表示データ102のグラフィックデータの例について説明する。
【0095】
先に説明した
図6、
図10、
図11では、駐車可能スペース識別用表示データ102のグラフィックデータとして、駐車可能スペースの駐車平面に平行な青色平面画像を出力する例について説明した。
【0096】
駐車可能スペース識別用表示データ102についても、このような平面画像に限らず、その他のグラフィックデータを利用してもよい。
図17には、駐車可能スペース識別用表示データ102の例として以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(a)青色平面画像
(b)青色フェンス画像(直立または傾斜)
(c)青色ボックス画像
駐車可能スペース識別用表示データ102として、例えばこれら3種類の画像のいずれかを利用することができる。
【0097】
(a)青色平面画像は、
図6、
図10、
図11を参照して説明したグラフィックデータに相当する。すなわち、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が高く、駐車領域の後方ほど透明度か低い。すなわち、駐車領域の後方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
(b),(c)は、接地面側の透明度が高く、接地面から離れ上方側ほど透明度が低い設定である。すなわち、接地面から離れ上方側ほど青色が強く出力される。
なお、本例では、青色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0098】
さらに、
図18には、
図17を参照して説明した駐車可能スペース識別用表示データ102の透明度設定を逆の設定とした例を示している。以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(d)青色平面画像
(e)青色フェンス画像(直立または傾斜)
(f)青色ボックス画像
【0099】
(d)青色平面画像は、
図17を参照して説明した(a)青色平面画像の透明度設定を逆の設定とした画像である。すなわち、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が低く青色出力が大きい設定であり、駐車領域の後方ほど透明度か高く青色出力が小さい設定である。すなわち、駐車領域の前方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0100】
(b),(c)は、接地面側の透明度が低く、接地面から離れ上方側ほど透明度が高い設定である。すなわち、接地面ほど青色が強く出力される。
なお、本例では、青色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0101】
駐車可能スペース識別用表示データ102についても、駐車不可スペース識別用表示データ101の具体例として説明した
図14~
図16の各変形例を利用可能である。すなわち、以下のような変形例が可能である。
【0102】
(1)
図14を参照して説明した全面を一律の透明度の半透明とした設定(この設定は、
図17(a)平面型、
図17(b)フェンス型、
図17(c)ボックス型全てに適用可能である)
【0103】
(2)
図15を参照して説明した全面を不透明とした設定(この設定は、
図17(a)平面型、
図17(b)フェンス型、
図17(c)ボックス型全てに適用可能である)
(3)
図16を参照して説明した内部領域を透明として色枠を設けた設定(この設定は、
図17(a)平面型、
図17(b)フェンス型、
図17(c)ボックス型全てに適用可能である)
【0104】
なお、前述したように、本開示の車両10の情報処理装置は、車両10に装着したセンサの検出情報、または、例えば駐車場管理サーバ等の外部装置からの受信情報に基づいて、駐車場20内の各駐車スペース単位で、駐車可能か駐車不可能かを解析する。
しかし、これらの情報が不明確な場合、例えば、車両10に装着したセンサの検出情報に基づいて駐車区分内に車両があるか否かを明確に判別できない場合もある。
この場合、情報処理装置は、カメラ撮影画像である実画像に含まれる駐車可否が不明な駐車区分に、駐車可否不明スペース固有のグラフィックデータを重畳した表示データを生成して運転者(ユーザ)に提示する。
【0105】
駐車可否不明スペースのグラフィックデータは、駐車不可スペース識別用表示データ101や、駐車可能スペース識別用表示データ102と異なるデータとすることが必要である。
図19を参照して、駐車可否不明スペース識別用表示データのグラフィックデータの例について説明する。
【0106】
図19には、駐車可否不明スペース識別用表示データの例として以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(a)黄色平面画像
(b)黄色フェンス画像(直立または傾斜)
(c)黄色ボックス画像
駐車可否不明スペース識別用表示データとして、例えばこれら3種類の画像のいずれかを利用することができる。
【0107】
(a)黄色平面画像は、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が高く、駐車領域の後方ほど透明度か低い。すなわち、駐車領域の後方ほど青色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
(b),(c)は、接地面側の透明度が高く、接地面から離れ上方側ほど透明度が低い設定である。すなわち、接地面から離れ上方側ほど黄色が強く出力される。
なお、本例では、黄色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0108】
さらに、
図20には、
図19を参照して説明した駐車可否不明スペース識別用表示データの透明度設定を逆の設定とした例を示している。以下の3種類の画像(グラフィックデータ)を示している。
(d)黄色平面画像
(e)黄色フェンス画像(直立または傾斜)
(f)黄色ボックス画像
【0109】
(d)黄色平面画像は、
図19を参照して説明した(a)黄色平面画像の透明度設定を逆の設定とした画像である。すなわち、駐車領域の前方側(駐車出入口側)ほど透明度が低く黄色出力が大きい設定であり、駐車領域の後方ほど透明度か高く黄色出力が小さい設定である。すなわち、駐車領域の前方ほど黄色が鮮明となる設定を持つ平面型のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)である。
【0110】
(b),(c)は、接地面側の透明度が低く、接地面から離れ上方側ほど透明度が高い設定である。すなわち、接地面ほど黄色が強く出力される。
なお、本例では、黄色の設定としているが、これは一例であり、その他の色の設定としてもよい。また、模様やテクスチャを付加したグラフィックデータとしてもよい。
【0111】
駐車可否不明スペース識別用表示データについても、駐車不可スペース識別用表示データ101の具体例として説明した
図14~
図16の各変形例を利用可能である。すなわち、以下のような変形例が可能である。
【0112】
(1)
図14を参照して説明した全面を一律の透明度の半透明とした設定(この設定は、
図19(a)平面型、
図19(b)フェンス型、
図19(c)ボックス型全てに適用可能である)
(2)
図15を参照して説明した全面を不透明とした設定(この設定は、
図19(a)平面型、
図19(b)フェンス型、
図19(c)ボックス型全てに適用可能である)
(3)
図16を参照して説明した内部領域を透明として色枠を設けた設定(この設定は、
図19(a)平面型、
図19(b)フェンス型、
図19(c)ボックス型全てに適用可能である)
【0113】
なお、駐車不可スペース識別用表示データ101と、駐車可能スペース識別用表示データ102と、駐車可否不明スペース識別用表示データは、各々異なる表示特性を持つ表示データとする。例えば、異なる色、または異なる模様を有する表示データとする。
【0114】
本開示の駐車不可スペース識別用表示データ、駐車可能スペース識別用表示データ、さらに、駐車可否不明スペース識別用表示データは、駐車場に限らず、例えば道路上の駐車スペースに適用して表示することも可能である。
【0115】
図21は、道路を走行中の車両10の表示部50に表示する表示データの例を示す図である。
車両10が走行中の道路の両サイドには、駐車区分領域が設けられている。
この駐車区分領域は、他の車両によって占有されていない場合、駐車することが可能となる。
【0116】
道路を走行中の車両10に装着された本開示の情報処理装置は、走行中の道路前方の様子をカメラで撮影し、この撮影画像に上述した駐車不可スペース識別用表示データ、駐車可能スペース識別用表示データ、あるいは駐車可否不明スペース識別用表示データを重畳表示したAR画像を生成して表示部に表示する。
この表示データの一例が
図21に示す表示データである。
【0117】
なお、本開示の情報処理装置は、車両10に装着したセンサの検出情報、または、例えば道路管理サーバ等の外部装置からの受信情報に基づいて、道路の各駐車スペース単位で、駐車可能か駐車不可能かを解析する。
さらに、本開示の情報処理装置はこの解析処理の結果に基づいて、車両の駐車可能スペースを車両運転者であるユーザに分かりやすく提示する表示データを生成して表示部に表示する。
この表示データの一例が
図21に示す表示データである。
【0118】
図21に示す表示データは、すでに他の車両が駐車している駐車区分領域に駐車不可スペース識別用表示データ101である赤色ボックス画像(グラフィックデータ)を表示し、他の車両が駐車していない駐車区分領域に駐車可能スペース識別用表示データ102である青色平面画像(グラフィックデータ)を表示している。
【0119】
道路を走行中の車両10の運転者(ユーザ)は、表示部50に表示された画像、すなわち、
図21に示す画像を見てすぐに駐車可能な位置を確実に発見することが可能となり、スムーズな駐車を行うことができる。
【0120】
[4.本開示の情報処理装置が実行する処理のシーケンスについて]
次に、本開示の情報処理装置が実行する処理のシーケンスについて説明する。
【0121】
図22は、車両10に搭載された本開示の情報処理装置が実行する処理のシーケンスの一例について説明するフローチャートである。
なお、
図22に示すフローチャートは、本開示の情報処理装置のデータ処理部の制御の下で実行される。本開示の情報処理装置は例えばCPU等のプログラム実行機能を持つデータ処理部を有し、データ処理部は情報処理装置内の記憶部に格納されたプログラムに従って
図22に示すフローに従った処理を実行する。
以下、
図22に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【0122】
(ステップS101)
まず、車両10に搭載された情報処理装置のデータ処理部は、ステップS101において、駐車可能スペース探索処理開始指示を入力したか否かを判定する。
【0123】
この駐車可能スペース探索処理開始指示は、例えば車両10の運転者(ユーザ)から入力される。
なお、車両10が自動運転車両であり、目的地として駐車場が設定されている場合には、ユーザ入力の代わりに自動運転制御部が駐車可能スペース探索処理開始指示をデータ処理部に出力してもよい。
【0124】
ステップS101において、駐車可能スペース探索処理開始指示を入力したと判定した場合は、ステップS102に進む。
【0125】
(ステップS102)
ステップS101において、駐車可能スペース探索処理開始指示を入力したと判定した場合、データ処理部は、ステップS102において、駐車可能スペースの探索処理を開始する。
【0126】
(ステップS103)
次に、データ処理部は、ステップS103において、車両10に備えられたセンサの検出情報、または駐車場管理サーバ等、外部装置からの入力情報、これらの少なくともいずれかの情報に基づいて、各駐車区分領域単位で、駐車可能スペースと駐車不可スペースの判別処理を実行する。ただし、駐車可否不明領域が検出された場合は、駐車可否不明スペースとする。
【0127】
(ステップS104)
次にデータ処理部はステップS104において、ステップS103での判別処理の結果を用いて、
(a)駐車可能スペース、
(b)駐車不可スペース、
(c)駐車可否不明スペース、
上記(a)~(c)各スペース状態を識別可能とした表示データを生成して表示部に出力する。
【0128】
例えば
図6~
図21を参照して説明した駐車不可スペース識別用表示データ101と、駐車可能スペース識別用表示データ102と、駐車可否不明スペース識別用表示データの3種類のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)を、駐車場や道路の実画像上に重畳した拡張現実画像であるAR(Augumented Reality)画像を生成して表示部に表示する。
【0129】
(ステップS105)
次に、データ処理部は、ステップS105において、運転者であるユーザから目標駐車スペースの指定入力の有無を判定する。
【0130】
なお、車両10が自動運転車両であり、目的地として駐車場が設定されている場合には、ユーザ入力の代わりに自動運転制御部が予め規定されたアルゴリズムに従って決定した目標駐車スペースをデータ処理部に入力してもよく、この場合、データ処理部はステップS105において自動運転制御部からの入力有無を判定してもよい。
【0131】
ステップS105において、目標駐車スペースの指定入力が検出された場合、ステップS106に進む。
一方、ステップS105において、目標駐車スペースの指定入力が検出されない場合、ステップS107に進む。
【0132】
(ステップS106)
ステップS105において、目標駐車スペースの指定入力が検出された場合、データ処理部は、ステップS106において、ユーザ(または自動運転制御部)から指定された駐車スペースを駐車目標位置に設定し、設定した駐車目標位置に駐車する自動駐車走行を開始する。
【0133】
(ステップS107)
一方、ステップS105において、目標駐車スペースの指定入力が検出されない場合、データ処理部は、ステップS107において、予め規定した時間が経過したか否かを判定する。
予め規定した時間が経過していない判定した場合は待機する。
一方、予め規定した時間が経過したと判定した場合はステップS108に進む。
【0134】
(ステップS108)
ステップS107において、予め規定した時間が経過したと判定した場合は、データ処理部は、ステップS108において、現在の車両10の位置に最も近い駐車可能スペースを駐車目標位置に設定し、設定した駐車目標位置に駐車する自動駐車走行を開始する。
【0135】
(ステップS109)
ステップS106、またはステップS108における処理、すなわち、駐車目標位置に駐車する自動駐車走行の後、データ処理部はステップS109において、目標駐車位置への駐車に成功したか否かを判定する。
【0136】
駐車に成功した場合はステップS110に進む。
一方、駐車に成功しなかった場合は、ステップS103に戻り、再度、車両10に備えられたセンサの検出情報、または駐車場管理サーバ等、外部装置からの入力情報、これらの少なくともいずれかの情報に基づいて、各駐車区分領域単位で、駐車可能スペースと駐車不可スペースの判別処理を実行する。
【0137】
なお、ステップS109において駐車に成功しない場合とは、例えば目標駐車位置に先に他車両が侵入してしまった場合などである。
【0138】
(ステップS110)
ステップS109において、駐車に成功したと判定した場合はステップS110に進む。
この場合、データ処理部は、ステップS110において自動駐車走行を終了する。
【0139】
以上、説明したように、本開示の情報処理装置は、車両10に備えられたセンサの検出情報、または例えば駐車場管理サーバ等の外部装置からの受信情報に基づいて、各駐車区分領域単位の空き状態、すなわち、各駐車スペースが駐車可能か駐車不可能かを判別し、判別した結果に基づいて、先に
図6~
図21を参照して説明したような表示データを生成して表示する。
【0140】
すなわち、
(a)駐車可能スペース、
(b)駐車不可スペース、
(c)駐車可否不明スペース、
上記(a)~(c)各スペース状態を識別可能とした表示データを生成して表示部に出力する。
【0141】
ユーザである運転者は、この表示データに基づいて、容易にかつ確実に駐車可能スペースの位置を確認することが可能となり、駐車可能スペースから駐車目的位置を選択することが可能となる。さらに、駐車目的位置の選択情報を入力して、車両を目的位置に駐車させる自動駐車処理を実行させることが可能となる。
【0142】
なお、車両10が、自動駐車走行のできない車両である場合は、ユーザ自らの運転で駐車可能スペースへ駐車するための運転を行ってもよい。
【0143】
[5.本開示の情報処理装置の構成例について]
次に本開示の情報処理装置の構成例について説明する。
【0144】
図23は、車両10に搭載される本開示の情報処理装置150の一例を示すブロック図である。
図23に示すように情報処理装置150は、センサ151、通信部152、駐車スペース解析部153、表示データ生成部154、表示部155、入力部(UI)156、自動走行制御部157を有する。
【0145】
センサ151は、例えばカメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、ToF(Time of Flight)センサ等のセンサである。
なお、LiDAR(Light Detection and Ranging)やToFセンサは、例えばレーザ光等の光を出力してオブジェクトによる反射光を解析して、周囲のオブジェクトの距離を計測するセンサである。
【0146】
センサ151の検出情報は、駐車スペース解析部153、表示でーた生成部154、および自動走行制御部157に出力される。
【0147】
通信部152は、外部装置、例えば駐車場管理サーバや道路管理サーバ等の外部装置と通信を行い、これら外部装置から駐車区分領域単位の駐車可否情報を受信して、受信情報を駐車スペース解析部153に出力する。
【0148】
駐車スペース解析部153は、センサ151からセンサ検出情報を入力する。さらに、通信部152を介して外部装置からの受信情報を入力する。
駐車スペース解析部153は、これらの入力情報を用いて、駐車場や道路上の駐車区分領域単位の駐車可否を解析する。
すなわち、駐車場や道路上の駐車区分領域各々について、駐車可能スペースであるか、駐車不可能スペースであるか、あるいは駐車可否不明スペースであるかを判別する。
【0149】
なお、駐車スペース解析部153は、センサ151から入力するセンサ検出情報と、通信部152を介して外部装置から入力する受信情報のいずれか、あるいは両情報を用いて、駐車場や道路上の駐車区分領域各々が駐車可能スペースであるか、駐車不可能スペースであるか、あるいは駐車可否不明スペースであるかを判別する。
【0150】
駐車スペース解析部153が解析した駐車区分領域各々の駐車可否情報は、表示データ生成部154と、自動走行制御部157に出力される。
【0151】
表示データ生成部154は、駐車スペース解析部153が解析した駐車区分領域各々の駐車可否情報に基づいて表示部155に表示するための表示データを生成する。
【0152】
表示データ生成部154は、センサ151を構成するカメラによって撮影された実画像上に、駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データと、駐車可否不明スペース識別用表示データの3種類のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)を重畳した表示データを生成する。すなわち、実オブジェクトと仮想オブジェクトを混在させた拡張現実画像であるAR(Augumented Reality)画像を生成して表示部155に表示する。
【0153】
表示データ生成部154が生成する表示データは、例えば先に
図6~
図21を参照して説明した駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データと、駐車可否不明スペース識別用表示データの3種類のグラフィックデータ(仮想オブジェクト)をカメラ撮影画像上に重畳したAR画像である。
表示部155は、表示データ生成部154が生成したAR画像を表示する。
【0154】
車両を駐車しようとするユーザ(運転者)は、車両の表示部155に表示された表示データのグラフィックデータを見て、駐車可能スペースを確認することができる。
【0155】
例えば、赤色フェンス型の駐車不可スペース識別用表示データが表示されている領域は駐車不可スペースであり、青色平面型の駐車可能スペース識別用表示データが表示されている領域は駐車可能スペースであることを容易に、かつ確実に判別することができる。
【0156】
入力部(UI)156は、例えばユーザである運転者による、駐車可能スペース探索処理の開始指示の入力処理や、目的駐車位置の選択情報の入力処理等に利用するUIである。入力部(UI)156は、表示部155上に構成されるタッチパネルを利用した構成としてもよい。
【0157】
入力部(UI)156の入力情報は、駐車スペース解析部153、および自動走行制御部153に入力される。
駐車スペース解析部153は、例えば入力部(UI)156から入力される駐車可能スペース探索処理の開始指示に応じて駐車可能スペース探索処理を開始する。
自動走行制御部153は、例えば入力部(UI)156から入力される目的駐車位置の選択情報に応じて目的駐車位置への自動駐車を行う。
【0158】
自動走行制御部153は、車両の自動運転を実行する。上述したように、入力部(UI)156から目的駐車位置の選択情報が入力された場合は、目的駐車位置への自動駐車のための走行制御を実行する。
なお、目的駐車位置への自動駐車に失敗した場合は、失敗情報が駐車スペース解析部153に通知され、駐車スペース解析部153は、この通知に応じて、駐車スペース解析処理を再度、実行する。
【0159】
[6.本開示の情報処理装置のハードウェア構成例について]
次に、
図24を参照して、本開示の情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。
なお、情報処理装置は車両10内に装着される。
図24に示すハードウェア構成は、車両10内の情報処理装置のハードウェア構成例である。
図24に示すハードウェア構成について説明する。
【0160】
CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302、または記憶部308に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。RAM(Random Access Memory)303には、CPU301が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304により相互に接続されている。
【0161】
CPU301はバス304を介して入出力インタフェース305に接続され、入出力インタフェース305には、各種スイッチ、タッチパネル、マイクロホン、さらに、ユーザ入力部やカメラ、LiDAR等各種センサ321の状況データ取得部などよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続されている。
また、出力部307は、車両の駆動部322に対する駆動情報も出力する。
【0162】
CPU301は、入力部306から入力される指令や状況データ等を入力し、各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部307に出力する。
入出力インタフェース305に接続されている記憶部308は、例えばハードディスク等からなり、CPU301が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部309は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
また、CPUの他、カメラから入力される画像情報などの専用処理部としてGPU(Graphics Processing Unit)を備えてもよい。
【0163】
入出力インタフェース305に接続されているドライブ310は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア311を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
【0164】
[7.車両の構成例について]
次に、本開示の情報処理装置を搭載した車両の構成例について説明する。
【0165】
図25は、本開示の情報処理装置を搭載した車両500の車両制御システム511の構成例を示すブロック図である。
【0166】
車両制御システム511は、車両500に設けられ、車両500の走行支援および自動運転に関わる処理を行う。
【0167】
車両制御システム511は、車両制御ECU(Electronic Control Unit)521、通信部522、地図情報蓄積部523、GNSS(Gloval Navigation Satellite System)受信部524、外部認識センサ525、車内センサ526、車両センサ527、記録部528、走行支援・自動運転制御部529、DMS(Driver Monitoring System)530、HMI(Human Machine Interface)531、および、車両制御部532を備える。
【0168】
車両制御ECU(Electronic Control Unit)521、通信部522、地図情報蓄積部523、GNSS受信部524、外部認識センサ525、車内センサ526、車両センサ527、記録部528、走行支援・自動運転制御部529、ドライバモニタリングシステム(DMS)530、ヒューマンマシーンインタフェース(HMI)531、および、車両制御部532は、通信ネットワーク41を介して相互に通信可能に接続されている。通信ネットワーク241は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)、FlexRay(登録商標)、イーサネット(登録商標)といったディジタル双方向通信の規格に準拠した車載通信ネットワークやバス等により構成される。通信ネットワーク241は、通信されるデータの種類によって使い分けられても良く、例えば、車両制御に関するデータであればCANが適用され、大容量データであればイーサネットが適用される。なお、車両制御システム511の各部は、通信ネットワーク241を介さずに、例えば近距離無線通信(NFC(Near Field Communication))やBluetooth(登録商標)といった比較的近距離での通信を想定した無線通信を用いて直接的に接続される場合もある。
【0169】
なお、以下、車両制御システム511の各部が、通信ネットワーク241を介して通信を行う場合、通信ネットワーク241の記載を省略するものとする。例えば、車両制御ECU(Electronic Control Unit)521と通信部522が通信ネットワーク241を介して通信を行う場合、単にプロセッサと通信部522とが通信を行うと記載する。
【0170】
車両制御ECU(Electronic Control Unit)521は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)といった各種プロセッサにより構成される。車両制御ECU(Electronic Control Unit)521は、車両制御システム511全体もしくは一部の機能の制御を行う。
【0171】
通信部522は、車内および車外の様々な機器、他の車両、サーバ、基地局等と通信を行い、各種のデータの送受信を行う。このとき、通信部522は、複数の通信方式を用いて通信を行うことができる。
【0172】
通信部522が実行可能な車外との通信について、概略的に説明する。通信部522は、例えば、5G(第5世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)等の無線通信方式により、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク上に存在するサーバ(以下、外部のサーバと呼ぶ)等と通信を行う。通信部522が通信を行う外部ネットワークは、例えば、インターネット、クラウドネットワーク、又は、事業者固有のネットワーク等である。通信部522による外部ネットワークに対して通信を行う通信方式は、所定以上の通信速度、且つ、所定以上の距離間でディジタル双方向通信が可能な無線通信方式であれば、特に限定されない。
【0173】
また例えば、通信部522は、P2P(Peer To Peer)技術を用いて、自車の近傍に存在する端末と通信を行うことができる。自車の近傍に存在する端末は、例えば、歩行者や自転車など比較的低速で移動する移動体が装着する端末、店舗などに位置が固定されて設置される端末、あるいは、MTC(Machine Type Communication)端末である。さらに、通信部522は、V2X通信を行うこともできる。V2X通信とは、例えば、他の車両との間の車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路側器等との間の路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、家との間(Vehicle to Home)の通信、および、歩行者が所持する端末等との間の歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信等の、自車と他との通信をいう。
【0174】
通信部522は、例えば、車両制御システム511の動作を制御するソフトウェアを更新するためのプログラムを外部から受信することができる(Over The Air)。通信部522は、さらに、地図情報、交通情報、車両500の周囲の情報等を外部から受信することができる。また例えば、通信部522は、車両500に関する情報や、車両500の周囲の情報等を外部に送信することができる。通信部522が外部に送信する車両500に関する情報としては、例えば、車両500の状態を示すデータ、認識部573による認識結果等がある。さらに例えば、通信部522は、eコール等の車両緊急通報システムに対応した通信を行う。
【0175】
通信部522が実行可能な車内との通信について、概略的に説明する。通信部522は、例えば無線通信を用いて、車内の各機器と通信を行うことができる。通信部522は、例えば、無線LAN、Bluetooth、NFC、WUSB(Wireless USB)といった、無線通信により所定以上の通信速度でディジタル双方向通信が可能な通信方式により、車内の機器と無線通信を行うことができる。これに限らず、通信部522は、有線通信を用いて車内の各機器と通信を行うこともできる。例えば、通信部522は、図示しない接続端子に接続されるケーブルを介した有線通信により、車内の各機器と通信を行うことができる。通信部522は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、MHL(Mobile High-definition Link)といった、有線通信により所定以上の通信速度でディジタル双方向通信が可能な通信方式により、車内の各機器と通信を行うことができる。
【0176】
ここで、車内の機器とは、例えば、車内において通信ネットワーク241に接続されていない機器を指す。車内の機器としては、例えば、運転者等の搭乗者が所持するモバイル機器やウェアラブル機器、車内に持ち込まれ一時的に設置される情報機器等が想定される。
【0177】
例えば、通信部522は、電波ビーコン、光ビーコン、FM多重放送等の道路交通情報通信システム(VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System))により送信される電磁波を受信する。
【0178】
地図情報蓄積部523は、外部から取得した地図および車両500で作成した地図の一方または両方を蓄積する。例えば、地図情報蓄積部523は、3次元の高精度地図、高精度地図より精度が低く、広いエリアをカバーするグローバルマップ等を蓄積する。
【0179】
高精度地図は、例えば、ダイナミックマップ、ポイントクラウドマップ、ベクターマップなどである。ダイナミックマップは、例えば、動的情報、準動的情報、準静的情報、静的情報の4層からなる地図であり、外部のサーバ等から車両500に提供される。ポイントクラウドマップは、ポイントクラウド(点群データ)により構成される地図である。ここで、ベクターマップは、車線や信号の位置といった交通情報などをポイントクラウドマップに対応付けた、ADAS(Advanced Driver Assistance System)に適合させた地図を指すものとする。
【0180】
ポイントクラウドマップおよびベクターマップは、例えば、外部のサーバ等から提供されてもよいし、レーダ552、LiDAR553等によるセンシング結果に基づいて、後述するローカルマップとのマッチングを行うための地図として車両500で作成され、地図情報蓄積部523に蓄積されてもよい。また、外部のサーバ等から高精度地図が提供される場合、通信容量を削減するため、車両500がこれから走行する計画経路に関する、例えば数百メートル四方の地図データが外部のサーバ等から取得される。
【0181】
GNSS受信部524は、GNSS衛星からGNSS信号を受信し、車両500の位置情報を取得する。受信したGNSS信号は、走行支援・自動運転制御部529に供給される。なお、GNSS受信部524は、GNSS信号を用いた方式に限定されず、例えば、ビーコンを用いて位置情報を取得してもよい。
【0182】
外部認識センサ525は、車両500の外部の状況の認識に用いられる各種のセンサを備え、各センサからのセンサデータを車両制御システム511の各部に供給する。外部認識センサ525が備えるセンサの種類や数は任意である。
【0183】
例えば、外部認識センサ525は、カメラ551、レーダ552、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)553、および、超音波センサ554を備える。これに限らず、外部認識センサ525は、カメラ551、レーダ552、LiDAR553、および、超音波センサ554のうち1種類以上のセンサを備える構成でもよい。カメラ551、レーダ552、LiDAR553、および、超音波センサ554の数は、現実的に車両500に設置可能な数であれば特に限定されない。また、外部認識センサ525が備えるセンサの種類は、この例に限定されず、外部認識センサ525は、他の種類のセンサを備えてもよい。外部認識センサ525が備える各センサのセンシング領域の例は、後述する。
【0184】
なお、カメラ551の撮影方式は、測距が可能な撮影方式であれば特に限定されない。例えば、カメラ551は、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラといった各種の撮影方式のカメラを、必要に応じて適用することができる。これに限らず、カメラ551は、測距に関わらずに、単に撮影画像を取得するためのものであってもよい。
【0185】
また、例えば、外部認識センサ525は、車両500に対する環境を検出するための環境センサを備えることができる。環境センサは、天候、気象、明るさ等の環境を検出するためのセンサであって、例えば、雨滴センサ、霧センサ、日照センサ、雪センサ、照度センサ等の各種センサを含むことができる。
【0186】
さらに、例えば、外部認識センサ525は、車両500の周囲の音や音源の位置の検出等に用いられるマイクロホンを備える。
【0187】
車内センサ526は、車内の情報を検出するための各種のセンサを備え、各センサからのセンサデータを車両制御システム511の各部に供給する。車内センサ526が備える各種センサの種類や数は、現実的に車両500に設置可能な数であれば特に限定されない。
【0188】
例えば、車内センサ526は、カメラ、レーダ、着座センサ、ステアリングホイールセンサ、マイクロホン、生体センサのうち1種類以上のセンサを備えることができる。車内センサ526が備えるカメラとしては、例えば、ToFカメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラといった、測距可能な各種の撮影方式のカメラを用いることができる。これに限らず、車内センサ526が備えるカメラは、測距に関わらずに、単に撮影画像を取得するためのものであってもよい。車内センサ526が備える生体センサは、例えば、シートやステリングホイール等に設けられ、運転者等の搭乗者の各種の生体情報を検出する。
【0189】
車両センサ527は、車両500の状態を検出するための各種のセンサを備え、各センサからのセンサデータを車両制御システム511の各部に供給する。車両センサ527が備える各種センサの種類や数は、現実的に車両500に設置可能な数であれば特に限定されない。
【0190】
例えば、車両センサ527は、速度センサ、加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサ)、および、それらを統合した慣性計測装置(IMU(Inertial Measurement Unit))を備える。例えば、車両センサ527は、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ、ヨーレートセンサ、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ、および、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサを備える。例えば、車両センサ527は、エンジンやモータの回転数を検出する回転センサ、タイヤの空気圧を検出する空気圧センサ、タイヤのスリップ率を検出するスリップ率センサ、および、車輪の回転速度を検出する車輪速センサを備える。例えば、車両センサ527は、バッテリの残量および温度を検出するバッテリセンサ、および、外部からの衝撃を検出する衝撃センサを備える。
【0191】
記録部528は、不揮発性の記憶媒体および揮発性の記憶媒体のうち少なくとも一方を含み、データやプログラムを記憶する。記録部528は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)として用いられ、記憶媒体としては、HDD(Hard Disc Drive)といった磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、および、光磁気記憶デバイスを適用することができる。記録部528は、車両制御システム511の各部が用いる各種プログラムやデータを記録する。例えば、記録部528は、EDR(Event Data Recorder)やDSSAD(Data Storage System for Automated Driving)を備え、事故等のイベントの前後の車両500の情報や車内センサ526によって取得された生体情報を記録する。
【0192】
走行支援・自動運転制御部529は、車両500の走行支援および自動運転の制御を行う。例えば、走行支援・自動運転制御部529は、分析部561、行動計画部562、および、動作制御部563を備える。
【0193】
分析部561は、車両500および周囲の状況の分析処理を行う。分析部561は、自己位置推定部571、センサフュージョン部572、および、認識部573を備える。
【0194】
自己位置推定部571は、外部認識センサ525からのセンサデータ、および、地図情報蓄積部523に蓄積されている高精度地図に基づいて、車両500の自己位置を推定する。例えば、自己位置推定部571は、外部認識センサ525からのセンサデータに基づいてローカルマップを生成し、ローカルマップと高精度地図とのマッチングを行うことにより、車両500の自己位置を推定する。車両500の位置は、例えば、後輪対車軸の中心が基準とされる。
【0195】
ローカルマップは、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の技術を用いて作成される3次元の高精度地図、占有格子地図(Occupancy Grid Map)等である。3次元の高精度地図は、例えば、上述したポイントクラウドマップ等である。占有格子地図は、車両500の周囲の3次元又は2次元の空間を所定の大きさのグリッド(格子)に分割し、グリッド単位で物体の占有状態を示す地図である。物体の占有状態は、例えば、物体の有無や存在確率により示される。ローカルマップは、例えば、認識部573による車両500の外部の状況の検出処理および認識処理にも用いられる。
【0196】
なお、自己位置推定部571は、GNSS信号、および、車両センサ527からのセンサデータに基づいて、車両500の自己位置を推定してもよい。
【0197】
センサフュージョン部572は、複数の異なる種類のセンサデータ(例えば、カメラ551から供給される画像データ、および、レーダ552から供給されるセンサデータ)を組み合わせて、新たな情報を得るセンサフュージョン処理を行う。異なる種類のセンサデータを組合せる方法としては、統合、融合、連合等がある。
【0198】
認識部573は、車両500の外部の状況の検出を行う検出処理と、車両500の外部の状況の認識を行う認識処理と、を実行する。
【0199】
例えば、認識部573は、外部認識センサ525からの情報、自己位置推定部571からの情報、センサフュージョン部572からの情報等に基づいて、車両500の外部の状況の検出処理および認識処理を行う。
【0200】
具体的には、例えば、認識部573は、車両500の周囲の物体の検出処理および認識処理等を行う。物体の検出処理とは、例えば、物体の有無、大きさ、形、位置、動き等を検出する処理である。物体の認識処理とは、例えば、物体の種類等の属性を認識したり、特定の物体を識別したりする処理である。ただし、検出処理と認識処理とは、必ずしも明確に分かれるものではなく、重複する場合がある。
【0201】
例えば、認識部573は、LiDAR553又はレーダ552等によるセンサデータに基づくポイントクラウドを点群の塊毎に分類するクラスタリングを行うことにより、車両500の周囲の物体を検出する。これにより、車両500の周囲の物体の有無、大きさ、形状、位置が検出される。
【0202】
例えば、認識部573は、クラスタリングにより分類された点群の塊の動きを追従するトラッキングを行うことにより、車両500の周囲の物体の動きを検出する。これにより、車両500の周囲の物体の速度および進行方向(移動ベクトル)が検出される。
【0203】
例えば、認識部573は、カメラ551から供給される画像データに対して、車両、人、自転車、障害物、構造物、道路、信号機、交通標識、道路標示などを検出または認識する。また、セマンティックセグメンテーション等の認識処理を行うことにより、車両500の周囲の物体の種類を認識してもいい。
【0204】
例えば、認識部573は、地図情報蓄積部523に蓄積されている地図、自己位置推定部571による自己位置の推定結果、および、認識部573による車両500の周囲の物体の認識結果に基づいて、車両500の周囲の交通ルールの認識処理を行うことができる。認識部573は、この処理により、信号の位置および状態、交通標識および道路標示の内容、交通規制の内容、並びに、走行可能な車線などを認識することができる。
【0205】
例えば、認識部573は、車両500の周囲の環境の認識処理を行うことができる。認識部573が認識対象とする周囲の環境としては、天候、気温、湿度、明るさ、および、路面の状態等が想定される。
【0206】
行動計画部562は、車両500の行動計画を作成する。例えば、行動計画部562は、経路計画、経路追従の処理を行うことにより、行動計画を作成する。
【0207】
なお、経路計画(Global path planning)とは、スタートからゴールまでの大まかな経路を計画する処理である。この経路計画には、軌道計画と言われ、経路計画で計画された経路において、車両500の運動特性を考慮して、車両500の近傍で安全かつ滑らかに進行することが可能な軌道生成(Local path planning)の処理も含まれる。経路計画を長期経路計画、および起動生成を短期経路計画、または局所経路計画と区別してもよい。安全優先経路は、起動生成、短期経路計画、または局所経路計画と同様の概念を表す。
【0208】
経路追従とは、経路計画により計画した経路を計画された時間内で安全かつ正確に走行するための動作を計画する処理である。行動計画部562は、例えば、この経路追従の処理の結果に基づき、車両500の目標速度と目標角速度を計算することができる。
【0209】
動作制御部563は、行動計画部562により作成された行動計画を実現するために、車両500の動作を制御する。
【0210】
例えば、動作制御部563は、後述する車両制御部532に含まれる、ステアリング制御部581、ブレーキ制御部582、および、駆動制御部583を制御して、軌道計画により計算された軌道を車両500が進行するように、加減速制御および方向制御を行う。例えば、動作制御部563は、衝突回避あるいは衝撃緩和、追従走行、車速維持走行、自車の衝突警告、自車のレーン逸脱警告等のADASの機能実現を目的とした協調制御を行う。例えば、動作制御部563は、運転者の操作によらずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行う。
【0211】
DMS530は、車内センサ526からのセンサデータ、および、後述するHMI531に入力される入力データ等に基づいて、運転者の認証処理、および、運転者の状態の認識処理等を行う。この場合にDMS530の認識対象となる運転者の状態としては、例えば、体調、覚醒度、集中度、疲労度、視線方向、酩酊度、運転操作、姿勢等が想定される。
【0212】
なお、DMS530が、運転者以外の搭乗者の認証処理、および、当該搭乗者の状態の認識処理を行うようにしてもよい。また、例えば、DMS530が、車内センサ526からのセンサデータに基づいて、車内の状況の認識処理を行うようにしてもよい。認識対象となる車内の状況としては、例えば、気温、湿度、明るさ、臭い等が想定される。
【0213】
HMI531は、各種のデータや指示等の入力と、各種のデータの運転者などへの提示を行う。
【0214】
HMI531によるデータの入力について、概略的に説明する。HMI531は、人がデータを入力するための入力デバイスを備える。HMI531は、入力デバイスにより入力されたデータや指示等に基づいて入力信号を生成し、車両制御システム511の各部に供給する。HMI531は、入力デバイスとして、例えばタッチパネル、ボタン、スイッチ、および、レバーといった操作子を備える。これに限らず、HMI531は、音声やジェスチャ等により手動操作以外の方法で情報を入力可能な入力デバイスをさらに備えてもよい。さらに、HMI531は、例えば、赤外線あるいは電波を利用したリモートコントロール装置や、車両制御システム511の操作に対応したモバイル機器若しくはウェアラブル機器等の外部接続機器を入力デバイスとして用いてもよい。
【0215】
HMI531によるデータの提示について、概略的に説明する。HMI531は、搭乗者又は車外に対する視覚情報、聴覚情報、および、触覚情報の生成を行う。また、HMI531は、生成されたこれら各情報の出力、出力内容、出力タイミングおよび出力方法等を制御する出力制御を行う。HMI531は、視覚情報として、例えば、操作画面、車両500の状態表示、警告表示、車両500の周囲の状況を示すモニタ画像等の画像や光により示される情報を生成および出力する。また、HMI531は、聴覚情報として、例えば、音声ガイダンス、警告音、警告メッセージ等の音により示される情報を生成および出力する。さらに、HMI531は、触覚情報として、例えば、力、振動、動き等により搭乗者の触覚に与えられる情報を生成および出力する。
【0216】
HMI531が視覚情報を出力する出力デバイスとしては、例えば、自身が画像を表示することで視覚情報を提示する表示装置や、画像を投影することで視覚情報を提示するプロジェクタ装置を適用することができる。なお、表示装置は、通常のディスプレイを有する表示装置以外にも、例えば、ヘッドアップディスプレイ、透過型ディスプレイ、AR(Augmented Reality)機能を備えるウエアラブルデバイスといった、搭乗者の視界内に視覚情報を表示する装置であってもよい。また、HMI531は、車両500に設けられるナビゲーション装置、インストルメントパネル、CMS(Camera Monitoring System)、電子ミラー、ランプなどが有する表示デバイスを、視覚情報を出力する出力デバイスとして用いることも可能である。
【0217】
HMI531が聴覚情報を出力する出力デバイスとしては、例えば、オーディオスピーカ、ヘッドホン、イヤホンを適用することができる。
【0218】
HMI531が触覚情報を出力する出力デバイスとしては、例えば、ハプティクス技術を用いたハプティクス素子を適用することができる。ハプティクス素子は、例えば、ステアリングホイール、シートといった、車両500の搭乗者が接触する部分に設けられる。
【0219】
車両制御部532は、車両500の各部の制御を行う。車両制御部532は、ステアリング制御部581、ブレーキ制御部582、駆動制御部583、ボディ系制御部584、ライト制御部585、および、ホーン制御部586を備える。
【0220】
ステアリング制御部581は、車両500のステアリングシステムの状態の検出および制御等を行う。ステアリングシステムは、例えば、ステアリングホイール等を備えるステアリング機構、電動パワーステアリング等を備える。ステアリング制御部581は、例えば、ステアリングシステムの制御を行うECU等の制御ユニット、ステアリングシステムの駆動を行うアクチュエータ等を備える。
【0221】
ブレーキ制御部582は、車両500のブレーキシステムの状態の検出および制御等を行う。ブレーキシステムは、例えば、ブレーキペダル等を含むブレーキ機構、ABS(Antilock Brake System)、回生ブレーキ機構等を備える。ブレーキ制御部582は、例えば、ブレーキシステムの制御を行うECU等の制御ユニット等を備える。
【0222】
駆動制御部583は、車両500の駆動システムの状態の検出および制御等を行う。駆動システムは、例えば、アクセルペダル、内燃機関又は駆動用モータ等の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構等を備える。駆動制御部583は、例えば、駆動システムの制御を行うECU等の制御ユニット等を備える。
【0223】
ボディ系制御部584は、車両500のボディ系システムの状態の検出および制御等を行う。ボディ系システムは、例えば、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウインドウ装置、パワーシート、空調装置、エアバッグ、シートベルト、シフトレバー等を備える。ボディ系制御部584は、例えば、ボディ系システムの制御を行うECU等の制御ユニット等を備える。
【0224】
ライト制御部585は、車両500の各種のライトの状態の検出および制御等を行う。制御対象となるライトとしては、例えば、ヘッドライト、バックライト、フォグライト、ターンシグナル、ブレーキライト、プロジェクション、バンパーの表示等が想定される。ライト制御部585は、ライトの制御を行うECU等の制御ユニット等を備える。
【0225】
ホーン制御部586は、車両500のカーホーンの状態の検出および制御等を行う。ホーン制御部586は、例えば、カーホーンの制御を行うECU等の制御ユニット等を備える。
【0226】
図26は、
図25の外部認識センサ525のカメラ551、レーダ552、LiDAR553、および、超音波センサ554等によるセンシング領域の例を示す図である。なお、
図26において、車両500を上面から見た様子が模式的に示され、左端側が車両500の前端(フロント)側であり、右端側が車両500の後端(リア)側となっている。
【0227】
センシング領域591Fおよびセンシング領域591Bは、超音波センサ554のセンシング領域の例を示している。センシング領域591Fは、複数の超音波センサ554によって車両500の前端周辺をカバーしている。センシング領域591Bは、複数の超音波センサ554によって車両500の後端周辺をカバーしている。
【0228】
センシング領域591Fおよびセンシング領域591Bにおけるセンシング結果は、例えば、車両500の駐車支援等に用いられる。
【0229】
センシング領域592F乃至センシング領域592Bは、短距離又は中距離用のレーダ552のセンシング領域の例を示している。センシング領域592Fは、車両500の前方において、センシング領域591Fより遠い位置までカバーしている。センシング領域592Bは、車両500の後方において、センシング領域591Bより遠い位置までカバーしている。センシング領域592Lは、車両500の左側面の後方の周辺をカバーしている。センシング領域592Rは、車両500の右側面の後方の周辺をカバーしている。
【0230】
センシング領域592Fにおけるセンシング結果は、例えば、車両500の前方に存在する車両や歩行者等の検出等に用いられる。センシング領域592Bにおけるセンシング結果は、例えば、車両500の後方の衝突防止機能等に用いられる。センシング領域592Lおよびセンシング領域592Rにおけるセンシング結果は、例えば、車両500の側方の死角における物体の検出等に用いられる。
【0231】
センシング領域593F乃至センシング領域593Bは、カメラ551によるセンシング領域の例を示している。センシング領域593Fは、車両500の前方において、センシング領域592Fより遠い位置までカバーしている。センシング領域593Bは、車両500の後方において、センシング領域592Bより遠い位置までカバーしている。センシング領域593Lは、車両500の左側面の周辺をカバーしている。センシング領域593Rは、車両500の右側面の周辺をカバーしている。
【0232】
センシング領域593Fにおけるセンシング結果は、例えば、信号機や交通標識の認識、車線逸脱防止支援システム、自動ヘッドライト制御システムに用いることができる。センシング領域593Bにおけるセンシング結果は、例えば、駐車支援、および、サラウンドビューシステムに用いることができる。センシング領域593Lおよびセンシング領域593Rにおけるセンシング結果は、例えば、サラウンドビューシステムに用いることができる。
【0233】
センシング領域594は、LiDAR553のセンシング領域の例を示している。センシング領域594は、車両500の前方において、センシング領域593Fより遠い位置までカバーしている。一方、センシング領域594は、センシング領域593Fより左右方向の範囲が狭くなっている。
【0234】
センシング領域594におけるセンシング結果は、例えば、周辺車両等の物体検出に用いられる。
【0235】
センシング領域595は、長距離用のレーダ552のセンシング領域の例を示している。
センシング領域595は、車両500の前方において、センシング領域594より遠い位置までカバーしている。一方、センシング領域595は、センシング領域594より左右方向の範囲が狭くなっている。
【0236】
センシング領域595におけるセンシング結果は、例えば、ACC(Adaptive Cruise Control)、緊急ブレーキ、衝突回避等に用いられる。
【0237】
なお、外部認識センサ525が含むカメラ551、レーダ552、LiDAR553、および、超音波センサ554の各センサのセンシング領域は、
図26以外に各種の構成をとってもよい。具体的には、超音波センサ554が車両500の側方もセンシングするようにしてもよいし、LiDAR553が車両500の後方をセンシングするようにしてもよい。また、各センサの設置位置は、上述した各例に限定されない。また、各センサの数は、1つでもよいし、複数であってもよい。
【0238】
[8.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0239】
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) 車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成部を有し、
前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する情報処理装置。
【0240】
(2) 前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するフェンス型グラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する(1)に記載の情報処理装置。
【0241】
(3) 前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するボックス型グラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する(1)または(2)に記載の情報処理装置。
【0242】
(4) 前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するフェンス型表示データとし、
駐車可能スペース識別用表示データを、車両接地面に平行な平面型グラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する(1)~(3)いずれかに記載の情報処理装置。
【0243】
(5) 前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データを異なる表示特性を持つグラフィックデータとして生成する(1)~(4)いずれかに記載の情報処理装置。
【0244】
(6) 前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データを異なる色、または異なる模様を有するグラフィックデータとして生成する(1)~(5)いずれかに記載の情報処理装置。
【0245】
(7) 前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データを1つのライン上に並べた表示データを生成する(1)~(6)いずれかに記載の情報処理装置。
【0246】
(8) 前記表示データ生成部は、さらに、
駐車可否不明スペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する(1)~(7)いずれかに記載の情報処理装置。
【0247】
(9) 前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データと、駐車可否不明スペース識別用表示データを、各々異なる表示特性を持つグラフィックデータとして生成する(1)~(8)いずれかに記載の情報処理装置。
【0248】
(10) 前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データと、駐車可能スペース識別用表示データと、駐車可否不明スペース識別用表示データを異なる色、または異なる模様を有するグラフィックデータとして生成する(1)~(9)いずれかに記載の情報処理装置。
【0249】
(11) 前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとし、さらに車両接地面からの距離に応じて透明度が変化するグラフィックデータとして生成する(1)~(10)いずれかに記載の情報処理装置。
【0250】
(12) 前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとし、さらに車両接地面からの距離に応じて透明度が低下するグラフィックデータとして生成する(1)~(11)いずれかに記載の情報処理装置。
【0251】
(13) 前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するフェンス型グラフィックデータとし、さらに車両接地面からの距離に応じて透明度が低下するフェンス型グラフィックデータとして生成する(1)~(12)いずれかに記載の情報処理装置。
【0252】
(14) 前記表示データ生成部は、
駐車不可スペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するボックス型グラフィックデータとし、さらに車両接地面からの距離に応じて透明度が低下するボックス型グラフィックデータとして生成する(1)~(13)いずれかに記載の情報処理装置。
【0253】
(15) 前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース識別用表示データを、車両接地面に平行な平面型グラフィックデータとし、駐車可能スペースの前方側である駐車出入口側ほど透明度が高く、後方ほど透明度が低い設定を持つグラフィックデータとして生成する(1)~(14)いずれかに記載の情報処理装置。
【0254】
(16) 前記表示データ生成部は、
駐車可能スペース識別用表示データを、車両接地面に平行な平面型グラフィックデータとし、駐車可能スペースの前方側である駐車出入口側ほど透明度が低く、後方ほど透明度が高い設定を持つグラフィックデータとして生成する(1)~(14)いずれかに記載の情報処理装置。
【0255】
(17) 前記情報処理装置は、さらに、
駐車区分領域単位の駐車可否を解析する駐車スペース解析部を有し、
前記表示データ生成部は、
前記駐車スペース解析部の解析情報を入力して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する(1)~(16)いずれかに記載の情報処理装置。
【0256】
(18) 前記駐車スペース解析部は、
車両に装着されたセンサの検出情報、または外部装置からの受信情報に基づいて、駐車区分領域単位の駐車可否を解析する(17)に記載の情報処理装置。
【0257】
(19) 情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
表示データ生成部が、
車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成処理を実行し、
前記表示データ生成部は、前記表示データ生成処理において、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成する情報処理方法。
【0258】
(20) 情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
表示データ生成部に、
車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成処理を実行させ、
前記プログラムは、前記表示データ生成処理において、
駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するグラフィックデータとして前記撮影画像に重畳した表示データを生成させるプログラム。
【0259】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0260】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にある場合もあるが、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0261】
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、駐車可能スペースや駐車不可スペースを容易に確実に識別することを可能とした表示データを生成して表示部に表示すること可能とした構成が実現される。
具体的には、例えば、車両周囲の撮影画像に対して、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データをグラフィックデータとして重畳した表示データを生成する表示データ生成部を有する。表示データ生成部は、駐車可能スペース、または駐車不可スペースの少なくともいずれかのスペース識別用表示データを、車両接地面から上方に延びる上方延伸面を有するフェンス型、あるいはボックス型のグラフィックデータとして撮影画像に重畳した表示データを生成して表示部に出力して表示する。
本構成により、駐車可能スペースや駐車不可スペースを容易に確実に識別することを可能とした表示データを生成して表示部に表示すること可能とした構成が実現される。
【符号の説明】
【0262】
10 車両
20 駐車場
50 表示部
101 駐車不可スペース識別用表示データ
102 駐車可能スペース識別用表示データ
150 情報処理装置
151 センサ
152 通信部
153 駐車スペース解析部
154 表示データ生成部
155 表示部
156 入力部(UI)
157 自動走行制御部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 バス
305 入出力インタフェース
306 入力部
307 出力部
308 記憶部
309 通信部
310 ドライブ
311 リムーバブルメディア
321 センサ
322 駆動部