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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】試料ホルダー及び電子顕微鏡
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/20 20060101AFI20241111BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20241111BHJP
   H01J 37/295 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
H01J37/20 A
H01J37/28 C
H01J37/295
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021116020
(22)【出願日】2021-07-13
(65)【公開番号】P2023012394
(43)【公開日】2023-01-25
【審査請求日】2024-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】谷垣 俊明
(72)【発明者】
【氏名】市橋 史朗
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-245944(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0114294(US,A1)
【文献】特表2010-527123(JP,A)
【文献】特開2010-192126(JP,A)
【文献】特開2019-021524(JP,A)
【文献】特開2015-037079(JP,A)
【文献】特開2014-102879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-23/2276
H01J 37/00-37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子顕微鏡内でガス環境における試料を観察するために前記試料を保持する試料ホルダーであって、
前記試料を設置する試料設置部と、
前記試料設置部の上部を覆う上部隔膜と、
前記試料設置部の下部を覆う下部隔膜と、
前記試料設置部にガスを導入するガス導入管と、
前記上部隔膜と前記下部隔膜の少なくとも一方に、電子線が通過する微細な穴と、
を備え、
前記上部隔膜または前記下部隔膜に加熱ヒータが設置され、
試料を配置する試料支持膜を支持する支持部が、前記加熱ヒータ上に取り付けられていることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項2】
請求項1に記載の試料ホルダーにおいて、
前記上部隔膜と前記下部隔膜の少なくとも一方に備える、電子線が通過する微細な穴の面積は、10000μm以下であることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項3】
請求項1に記載の試料ホルダーにおいて、
前記上部隔膜と前記下部隔膜の少なくとも一方に備える、電子線が通過する微細な穴は、丸穴または横長形状の穴であることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項4】
請求項1に記載の試料ホルダーにおいて、
前記上部隔膜と前記下部隔膜の少なくとも一方に備える、電子線が通過する微細な穴は、複数の微細な穴であることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項5】
請求項に記載の試料ホルダーにおいて、
試料を配置する前記試料支持膜を微動する試料微動機構を備えることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項6】
電子線を、ガス環境における試料に照射して、試料の観察や分析を行う電子顕微鏡であって、
排気ポンプが接続された試料室と、
試料室上のオリフィスで領域を区切られた、排気ポンプが接続された試料上部室と、
試料室下のオリフィスで領域を区切られた、排気ポンプが接続された試料下部室と、
前記試料室に配置される試料ホルダーと、
を備え、
前記試料ホルダーは、
前記試料を設置する試料設置部と、
前記試料設置部の上部を覆う上部隔膜と、
前記試料設置部の下部を覆う下部隔膜と、
前記試料設置部にガスを導入するガス導入管と、
前記上部隔膜と前記下部隔膜の少なくとも一方に、電子線が通過する微細な穴と、
を備え、
前記上部隔膜または前記下部隔膜に加熱ヒータが設置され、
試料を配置する試料支持膜を支持する支持部が、前記加熱ヒータ上に取り付けられていることを特徴とする電子顕微鏡。
【請求項7】
請求項に記載の電子顕微鏡において、
前記試料ホルダーの前記上部隔膜と前記下部隔膜の少なくとも一方に備える、電子線が通過する微細な穴の面積は、10000μm以下であることを特徴とする電子顕微鏡。
【請求項8】
請求項に記載の電子顕微鏡において、
前記試料ホルダーは、試料を配置する前記試料支持膜を微動する試料微動機構を備える電子顕微鏡。
【請求項9】
請求項に記載の電子顕微鏡が、
結像系に一つ以上の電子線バイプリズムを備える電子線ホログラフィー、または、
細く絞った電子線を走査する走査型電子顕微鏡であることを特徴とする電子顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子線を利用する装置に係り、特にガス環境における試料を観察及び分析する顕微鏡装置に関する。本明細書は電子顕微鏡に関して記載するが、電子線以外の粒子線を利用したイメージングや分析機能を有する装置にも応用可能な発明である。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡は物質の構造を原子分解能のレベルで観察及び分析を行うことができる装置であり、物性研究からバイオ分野まで様々な分野で利用されている。電子顕微鏡は、電子線を電子源から試料まで到達させるため、電子線が通過する領域を高真空にする必要がある。そのため、一般的な電子顕微鏡は試料が真空領域に設置され、例えばバイオ試料では何も前処理をせずに電子顕微鏡中にそのまま導入してしまうと、試料が乾燥してしまい、本来の状態を観察することができなくなる。そのため、試料は大気圧環境に置かれるが、電子線が伝搬する領域は真空となるような、大気圧電子顕微鏡が開発されている。一方、材料観察においても、観察対象の試料が機能を発現する環境がガス環境となる触媒やガスセンサのような場合がある。その様な試料の本来の構造や振る舞いを観察するためには、試料をガス環境下に設置できる機能を有する電子顕微鏡が必要となる。特に原子レベルの観察を行うためには、加速電圧100kV以上で電子を加速することで波長の短い電子線を用い、試料を透過した電子線をレンズで結像し試料の像を得る透過型電子顕微鏡や、試料に電子線を細く絞り、その電子線を走査しながら透過電子を検出して試料の画像を得る、走査透過型電子顕微鏡などが用いられる。近年の収差補正器の実用化により、収差補正電子顕微鏡では加速電圧30kV程度でも、原子分解能が得られるようになってきており、顕微鏡の加速電圧は観察目的に合わせて選択できるようになってきている。
【0003】
ガス環境下で試料を電子顕微鏡観察する従来方法としては、大きく分け二つの方式がある。一つ目は、試料室にガスを導入する開放型の装置である(特許文献1参照)。図1にガス導入型の電子顕微鏡の模式図を示す。電子源1より発せられた電子波2は図示するように進む。第1の照射電子レンズ3と第2の照射電子レンズ4により電流密度が調整され、第2の照射電子レンズ4と対物レンズ5との間に試料6が置かれ、試料6を電子線が照射する。対物レンズ5の作用により得られる像は拡大レンズ7により拡大され、観察面8において拡大像が検出される。観察室15にガス導入管11でガスを導入し、その流入ガス量はガス導入のフロー制御機構12により調整される。試料室15と試料上部室14は試料室上のオリフィス21で領域を区切られ、同様に試料室15と試料下部室16は試料室下のオリフィス22で領域を区切られる。オリフィスは電子線が様々な光学条件でも十分に通過できる大きさである0.5mm~1.0mm程度の穴であり、試料室15とその上下の領域との間に圧力差を実現するために利用される。
【0004】
電子顕微鏡の電子源1から電子検出器25までの間は、図示されない多数の排気装置で真空排気されているが、ここでは試料室のガス環境を制御するために重要な役割を果たす、試料室上部の排気ポンプ18、試料室の排気ポンプ19、試料室下部の排気ポンプ20を示す。試料室15のガス圧を高くするためには、試料室の排気ポンプ19を停止するか、排気速度を遅くするか、そのままの排気速度で排気し、ガス導入管11により導入されたガスが、試料室15に入り、上下のオリフィス21,22を通過し、試料室上部の排気ポンプ18、試料室下部の排気ポンプ20により排気されるような、差動排気となるガス流を実現する。図1では試料室上下のオリフィスはそれぞれ一つであるが、多段型の機能により差動排気の効果を大きくし、より高いガス圧を試料室15で実現することもできる。
【0005】
ガス導入型の他の例として、試料ホルダーにガス管11を設置する方式としては、特許文献2がある。特許文献2には、試料近傍を大気圧環境に制御するためのガス導入パイプとガス排出パイプを有し、荷電粒子通路孔と試料から発せられる二次電子を検出可能な微小オリフィスを試料上部に共有し、試料下部のオリフィスを試料上部の微小オリフィスよりも穴径を大きくすることでガス導入時の排気を積極的に行える荷電粒子通路孔を有する試料ホルダー(請求項1)、が開示されている。
【0006】
ガス導入型の課題は、試料室15において10kPa以上のガス圧を実現することが困難なことである。差動排気を基本原理としていることが一つの要因であるが、仮に多数の差動排気機構を構築し、試料室15全体のガス圧を10kPa以上にできたとしても、その場合は、ガスが充満した低真空領域を長い距離にわたって電子線が通過することになり、電子の散乱による影響で分解能が低下する問題が生じる。結果的に、やはり電子顕微鏡観察として利用できるガス圧として10kPa以上を得ることは困難である。
【0007】
もう一つの方式は、カーボン膜、酸化膜、窒化膜などの軽元素で構成される非晶質の膜で電子線が透過できる程度に薄い隔膜で封じたガス環境に試料を設置する方法である。この隔膜を用いた特殊な試料ホルダーを用いる装置の模式図を、図2に示す(特許文献3参照)。電子線を用い、試料の拡大像を得る電子顕微鏡装置において、試料ホルダー10の試料室44は上部隔膜27と下部隔膜28で封じられており、電子顕微鏡本体の真空とは切り離されている。この試料ホルダーの試料室44はガス導入管11とガス排気管29とつながっており、ガス導入のフロー制御機構12とガス排気のフロー制御機構30により試料ホルダーの試料室44における、ガス圧とガス流量が制御される。こうすることで、ガス環境に置かれた試料6の拡大像を観察することや、各種分析装置を利用した分析をすることができる。この方式では試料ホルダーの試料室44のガス圧を大気圧程度の約100kPaまで高くすることができ、大気圧近傍で機能を発現する物質の解析に有用である。電子顕微鏡本体の試料室15やその他の領域の真空部分と試料ホルダーの試料室44が分けられており、電子顕微鏡とは切り離して試料位置でのガス環境を制御するシステムを構築することができることもこの方式の利点である。しかし、隔膜方式の課題は、上下二枚の隔膜を通過する際の電子線散乱により、試料6の観察における像質の低下が起こることである。この問題により、ガス環境下で試料を観察する応用研究として触媒の観察が挙げられるが、触媒研究で観察が期待される、触媒表面原子の微細構造や触媒表面への軽元素や分子の付着・離脱を観察することは、隔膜での電子散乱が重畳されるこの方法では実現が困難である。
【0008】
このように、大きく分け二つの従来手法であるガス導入方式と隔膜方式それぞれの利点はあるが、高画質と10kPa以上のガス環境を同時に実現する手法が無いことが、これまでの従来手法における課題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2015-88337号公報
【文献】特開2015-69832号公報
【文献】特開2011-175809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記既存手法であるガス導入方式では、10kPa以上のガス環境を実現することが困難である。一方、隔膜方式では隔膜による像質の低下が起こり、高画質の像を得ることが出来ない。ガス環境における試料の電子顕微鏡観察では、試料の機能が発現する条件での観察が求められる。多くの機能性物質は大気圧程度のガス圧で利用されるため、10kPa以上のガス環境で高画質な像を得ることができる方法が求められていた。
【0011】
本発明の目的は、ガス環境における電子顕微鏡での試料観察において、10kPa以上のガス環境で高画質な像を得ることができる試料ホルダーおよび電子顕微鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための、本発明の「試料ホルダー」の一例を挙げるならば、
電子顕微鏡内でガス環境における試料を観察するために前記試料を保持する試料ホルダーであって、
前記試料を設置する試料設置部と、前記試料設置部の上部を覆う上部隔膜と、前記試料設置部の下部を覆う下部隔膜と、前記試料設置部にガスを導入するガス導入管と、前記上部隔膜と前記下部隔膜の少なくとも一方に、電子線が通過する微細な穴と、を備え、前記上部隔膜または前記下部隔膜に加熱ヒータが設置され、試料を配置する試料支持膜を支持する支持部が、前記加熱ヒータ上に取り付けられているものである。
【0013】
また、本発明の「電子顕微鏡」の一例を挙げるならば、
電子線を、ガス環境における試料に照射して、試料の観察や分析を行う電子顕微鏡であって、
排気ポンプが接続された試料室と、試料室上のオリフィスで領域を区切られた、排気ポンプが接続された試料上部室と、試料室下のオリフィスで領域を区切られた、排気ポンプが接続された試料下部室と、前記試料室に配置される試料ホルダーと、を備え、
前記試料ホルダーは、前記試料を設置する試料設置部と、前記試料設置部の上部を覆う上部隔膜と、前記試料設置部の下部を覆う下部隔膜と、前記試料設置部にガスを導入するガス導入管と、前記上部隔膜と前記下部隔膜の少なくとも一方に、電子線が通過する微細な穴と、を備え、前記上部隔膜または前記下部隔膜に加熱ヒータが設置され、試料を配置する試料支持膜を支持する支持部が、前記加熱ヒータ上に取り付けられているものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ガス環境における電子顕微鏡での試料観察において、10kPa以上のガス環境で高画質な像を得ることができる試料ホルダー及び電子顕微鏡を提供することができる。
【0015】
上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】試料室にガスを導入する従来方法による、電子線装置の一例の模式図である。
図2】隔膜で封じた試料ホルダーを用い、ガス環境に試料を設置する従来方法による、電子線装置の一例の模式図である。
図3】本発明の第1の実施例に係る、電子顕微鏡の模式図である。
図4】第1の実施例に係る、試料ホルダーを拡大して示した模式図である。
図5図4の試料ホルダーの隔膜に設置した微細穴を示す図である。
図6】第2の実施例に係る、試料ホルダーの隔膜に設置した横長形状の微細穴を示す図である。
図7】第3の実施例に係る、試料ホルダーの隔膜に設置した複数の微細穴を示す図である。
図8】第4の実施例に係る、試料加熱機構を兼ね備えた試料ホルダーの構成図である。
図9】第5の実施例に係る、試料加熱機構と試料微動機構を兼ね備えた試料ホルダーの構成図である。
図10】第6の実施例に係る、試料加熱機構を兼ね備えた試料ホルダーの構成図である。
図11】第7の実施例に係る、試料ホルダーの上部隔膜もしくは下部隔膜のどちらかに微細穴を設置する試料ホルダーの構成図である。
図12】第8の実施例に係る、試料ホルダーの上部隔膜もしくは下部隔膜のどちらかに微細穴を設置し、試料加熱機構を兼ね備えた試料ホルダーの構成図である。
図13】第9の実施例に係る、電子線バイプリズムを備えた電子線ホログラフィーの一例を示す図である。
図14】第10の実施例に係る、走査透過型電子顕微鏡の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし主旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
また、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。
【実施例1】
【0018】
本発明の電子顕微鏡の実施例1を、図3に従い説明する。図3は、透過型電子顕微鏡を利用したガス環境における電子顕微鏡の実施例1の一構成を示す図である。なお、以下に説明する原理構成は、他の実施例の電子顕微鏡においても同様に適用できる。
【0019】
図3において、電子源1が電子波の流れる方向の最上流部に位置し、第1引き出し電極70、第2引き出し電極71、加速電極72に電圧が印加され、電子源1から放出された電子波は、加速され、第1の電子源26に収束される。本明細書では、第1引き出し電極70、第2引き出し電極71、加速電極72をまとめて加速管73と定義する。印加される電圧の制御により、電子線はその波長が変化し、その軌道も変化する。従って、電子光学上の第1の電子源26を図中に改めて描いている。
【0020】
本構成において、図3では加速管73と試料6の間に絞りは図示されていないが、試料6への電子波照射領域を調整するために、絞りを使用することは一般的な顕微鏡とかわらないため、ここでは図示を割愛している。また、照射電子レンズ3,4は2個しか図示されていないが、照射電子レンズを2個以上用い、試料への電子線照射条件を調整することも、一般的な顕微鏡とかわらないため、ここでは図示を割愛している。
【0021】
試料ホルダー10の試料室(試料設置部)44は、上部隔膜27と下部隔膜28で基本的には封じられており、電子顕微鏡本体の真空とはほぼ切り離されている。しかし、上部隔膜27と下部隔膜28の両方に、試料6を観察するために最低限必要な領域を電子線が通過できる100μm以下の微細な穴を有している。微細な穴により、ガス環境下で試料6の電子顕微鏡像を高画質で観察もしくは記録することができる。微細な穴の面積は、10000μm以下が好ましい。
【0022】
図4に、試料ホルダー10の試料室44を拡大した模式図を示す。試料支持膜9は上下隔膜27,28の間の位置に試料支持膜9の支持部49で支えられている。試料支持膜9は薄いカーボン膜もしくは穴の開いた網目状のマイクログリッドを用いることで、試料6に支持膜の模様がほとんどもしくは全く重畳されない状態で、試料6の高画質の観察結果を得ることができる。観察試料が触媒ナノ粒子の場合には、観察対象のナノ粒子のサイズが数nmであるため、隔膜に設置する微細孔は20nm程度にまで小さくすることができる。このような微細孔による差動排気の効果は大きく、少なくとも電子顕微鏡本体の試料室15のガス圧より一桁大きなガス圧を試料ホルダーの試料室44で実現することができる。電子顕微鏡本体に試料室上のオリフィス21、試料室下のオリフィス22を設置することで、電子顕微鏡本体の試料室15のガス圧は10kPa程度まで高くすることができるため、本発明の方式により、試料ホルダーの試料室44のガス圧は大気圧程度(100kPa程度)まで高くすることができる。この方式の本質は、オリフィスで電子顕微鏡の部屋を区切り差動排気を行うことにあり、図3に示すオリフィスと試料、レンズの配置に限るものではない。
【0023】
図5に、上部隔膜27或いは下部隔膜28の隔膜45に設置した微細穴46の模式図を示す。図5に示す微細穴46の形状は丸であるが、本質的には面積が小さければ良く、丸以外の形でも良い。
【0024】
試料ホルダー10の試料室44はガス導入管11とガス排気管29とつながっており、ガス導入のフロー制御機構12とガス排気のフロー制御機構30、さらには試料室の排気ポンプ19、試料室上部の排気ポンプ18、試料室下部の排気ポンプ20と、試料室上のオリフィス21、試料室下のオリフィス22の効果による差動排気の性能により、試料ホルダーへのガス導入と電子顕微鏡本体の排気システム全体の最適制御により、試料ホルダーの試料室44における、ガス圧とガス流量が制御される。ガス圧の制御はシミュレーションにより概要設計までは実施できるが、実際の電子顕微鏡と試料ホルダーの機械的な構造は複雑であり、シミュレーションにより各部位のガス圧とガス流の全てを計算することは困難である。そこで実用的には、MEMSガスセンサを試料ホルダーの試料室44に設置し、実際の電子顕微鏡とガス環境試料ホルダーとガス制御システム全体を組み合わせ、実験に使用するガス圧、ガス流の実験条件で条件だしを行い、本番の計測ではメモリに記録された制御条件を自動的に読みだし制御することが有用である。
【0025】
試料ホルダーの試料室44へ導入するガスは、第一のガスボンベ31、第二のガスボンベ32から、第一のガスフロー制御機構33、第二のガスフロー制御機構34を制御し、第一のガス管35、第二のガス管(符号は割愛)をガスが通過し、ガス混合室36で混合される。図3ではガスボンベは二本しか図示していないが、目的により、ガスボンベとガス種は複数使用してもよい。混合された試料へ導入する前のガス成分は第一のガス分析装置37で分析を行うことができ、試料を通過した反応ガスの成分は第二のガス分析装置38で分析することができる。ガス混合比は、ガス混合室36にガスを導入する手順で制御することができる。たとえば一度ガス混合室をガス混合室36の排気装置39で排気した後、第一のガスを1kPa、その後、第二のガスを追加し、2kPaまでガス混合室36に導入すると、第一のガスと第二のガスが50:50%で混合したガスが作製できる。そのため、試料室44に導入する前のガスの成分はおおよそ制御することができるため、厳密な入力成分を調べる必要が無い場合は第一のガス分析装置37は割愛することができる。
【0026】
また、試料6を通過した電子線は、対物レンズ5の作用により結像され、さらに、その試料の像は、拡大結像もしくは縮小結像する結像レンズ系により、試料の像を観察する観察面8上に結像され、結像された試料の像は、電子顕微鏡フィルムやCCDカメラなどの電子線検出器25によって検出される。
【0027】
図3の電子顕微鏡において、それぞれの電子源1、加速管73、への印加電圧、試料微動機構(試料ホルダー10の付属機構として符号割愛)、および電子レンズの励磁状態、試料室の排気ポンプ19、試料室上部の排気ポンプ18、試料室下部の排気ポンプ20、は制御パーソナルコンピュータ(PC)41に接続された制御系43でコントロールされている。実際の電子顕微鏡ではこの模式図で示した他に、電子線の進行方向を変化させる偏向系、電子線の透過する領域を制限する絞り機構などが存在し、それらの要素もまた制御PC41に接続された制御系43でコントロールされている。しかし、これらの装置は本明細書に開示される電子顕微鏡には直接的な関係が無いので、この図では割愛する。
【0028】
また、制御PC41に接続された制御系43は、試料室44のガス環境を制御するため、第一のガスフロー制御機構33、第二のガスフロー制御機構34、ガス導入のフロー制御機構12、ガス排気のフロー制御機構30を試料室15、試料上部室14、試料下部室16のガス圧をモニタしながらフィードバック制御もしくはマニュアル制御する目的でも使用される。
【0029】
なお、制御PC41は、相互に接続された処理部である中央処理部(Central Processing Unit:CPU)、記憶部であるメモリ、入出力インタフェース部等を有する通常のコンピュータ構成を備えている。本明細書においては、装置の制御を行う、これらのPC41、制御系43を纏めて装置の制御部と呼ぶ場合がある。なお、この制御部は一台のコンピュータで構成されている必要はなく、例えばガス環境を制御するコンピュータを、電子顕微鏡を構成する他の要素を制御するコンピュータと別に備えるよう構成することもできる。この場合は、複数のコンピュータを纏めて制御部と称する。また、この模式図に示すごとく、電子光学要素は真空容器である顕微鏡本体74中に組み立てられ、真空ポンプにて継続的に真空排気されている。試料室近傍以外の真空系についても、本願発明の電子顕微鏡とは直接の関係がないため図示、説明は割愛する。
【0030】
以上説明した構成の試料ホルダーを利用するガス環境における電子顕微鏡と、試料ホルダーの試料室内に設置される試料加熱機構と組み合わせると、ガス環境での試料加熱状態での試料の挙動をその場観察することができるようになる。試料ホルダー上に設置される試料加熱機構は、例えば、特許文献3に詳細が開示されているので、ここでは記述しない。
【0031】
以上概説した、本実施例の電子顕微鏡の態様によれば、10kPa以上のガス環境で高画質な像を得ることができる電子顕微鏡を提供することができる。これにより、例えば触媒研究においては、触媒メカニズムの解明のためにその場観察の実現が期待されている、触媒表面原子の微細構造や触媒表面への軽元素や分子の付着・離脱を観察することが可能になると期待される。
【実施例2】
【0032】
図6は、実施例2の試料ホルダーの隔膜を示す模式図である。本実施例の電子顕微鏡の試料ホルダーの構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0033】
前記上部隔膜27及び下部隔膜28に設けられる微細穴はその面積が試料ホルダーの試料室44のガス圧を制御するのに重要な要素であるが、その形状に関しては自由度がある。図6に、本実施例での試料ホルダーの隔膜45(上部隔膜27又は下部隔膜28)に設置した微細穴の形状を示す模式図を示す。前述記載のガス流を発生される観察条件では、ガスの流れる方向に対して直行する方向に、図6に示す横長形状の微細穴47の長手方向が配置されるようにする。横長形状の微細穴を設けることで、同じガス圧環境の試料を広い範囲にわたり観察することができる。
【0034】
本実施例の本質は、隔膜に設ける微細穴の形状の縦横比を変えることにあり、図6に示す穴形状に限るものではない。
【実施例3】
【0035】
図7は、実施例3の試料ホルダーの隔膜を示す模式図である。本実施例の電子顕微鏡の試料ホルダーの構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0036】
前記上部隔膜27及び下部隔膜28に設けられる微細穴はその面積が試料ホルダーの試料室44のガス圧を制御するのに重要な要素であるが、その形状に関しては自由度がある。図7に、本実施例での試料ホルダーの隔膜45に設置した複数の微細穴を示す模式図を示す。隔膜45には縦横に複数の微細穴が設けられている。複数の微細穴48を設けることで、試料6を観察できる場所を多くすることができる。
【0037】
本実施例の本質は、隔膜に設ける微細穴の数を増やすことにあり、図7に示す微細穴の配置や形状に限るものではない。
【実施例4】
【0038】
図8は、実施例4の電子顕微鏡の試料ホルダーを示す模式図である。本実施例の電子顕微鏡の試料ホルダーの構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0039】
本実施例では、試料ホルダー10の試料支持薄膜9に設置された加熱ヒータ50と、加熱ヒータ50の温度を電流で制御するためのヒータ用導線51を備える。加熱ヒータ50は、微細タングステン線や微細タンタル線でも良いし、試料支持膜9に微細加工でパターンを作製したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ヒータでも良い。また、加熱ヒータ50の温度制御は図示されない、追加の2本の電極配線を利用し、合計4端子を利用することで、4端子法での加熱ヒータの温度制御を行ってもよい。この加熱機構の設置により、ガス環境下で試料を加熱した状態における試料の挙動を観察することができるようになる。
【0040】
本実施例の本質は、試料6を支持する部分に加熱ヒータが設置されることにあり、図8に示す形状に限るものではない。
【実施例5】
【0041】
図9は、実施例5の電子顕微鏡の試料ホルダーを示す模式図である。本実施例の電子顕微鏡の試料ホルダーの構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0042】
本実施例では、実施例4の試料ホルダーの構成に加えて、試料ホルダー上に試料微動機構53を配置し、試料微動機構53に試料支持膜6の支持部49を取り付ける。試料微動機構53としては、ピエゾ駆動機構、電界制御型の駆動機構などでよい。試料支持膜の支持部49は試料ホルダー上の試料微動機構53により位置をコントロールすることができる。これにより、微細穴46の部分で電子線を通過させて観察することのできるように、試料6の位置を移動させることができ、様々な試料支持膜9上の試料を観察することができる。
【0043】
本実施例の本質は、試料6を支持する部分に加熱ヒータが設置され、その機構全体を試料微動機構53により微動することにあり、図9に示す形状に限るものではない。
【実施例6】
【0044】
図10は、実施例6の電子顕微鏡の試料ホルダーを示す模式図である。本実施例の電子顕微鏡の試料ホルダーの構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0045】
本実施例では、試料ホルダー10の上部隔膜27もしくは下部隔膜28に設置された加熱ヒータ50と、加熱ヒータ50の温度を電流で制御するためのヒータ用導線51を備える。加熱ヒータ50は、微細タングステン線や微細タンタル線でも良いし、試料支持膜9に微細加工でパターンを作製したMEMSヒータでも良い。試料支持膜9は試料支持膜の支持部49により、加熱ヒータ50もしくは加熱ヒータの熱が伝わる位置に接続されている。図の例では、加熱ヒータ50に試料支持膜の支持部49が取り付けられている。また、加熱ヒータ50の温度制御は図示されない、追加の2本の電極配線を利用し、合計4端子を利用することで、4端子法での加熱ヒータの温度制御を行ってもよい。この加熱機構の設置により、ガス環境下で試料を加熱した状態における試料の挙動を観察することができる。
【0046】
本実施例の本質は、隔膜に設置された加熱ヒータ50に試料6を支持する支持膜9が試料支持膜の支持部49で接続されていることにあり、図10に示す形状に限るものではない。
【実施例7】
【0047】
図11は、実施例7の電子顕微鏡の試料ホルダーを示す模式図である。本実施例の電子顕微鏡の試料ホルダーの構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0048】
本実施例では、試料ホルダー10の上部隔膜27もしくは下部隔膜28のどちらか一方にのみ、微細穴を設置する。例えば電子顕微鏡では、電子銃方向の真空度をできるだけ高くしたいというニーズから、下部隔膜28のみに微細穴46を設置する。試料ホルダーの構造が比較的簡単である点が、本実施例の利点である。
【0049】
本実施例の本質は、隔膜に設置される微細穴46を、上下隔膜のどちらか一方に設ける、もしくは、もう一方とは異なる形状の穴を設けることにあり、図11に示す形状に限るものではない。
【実施例8】
【0050】
図12は、実施例6の電子顕微鏡の試料ホルダーを示す模式図である。本実施例の電子顕微鏡の試料ホルダーの構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0051】
本実施例では、試料ホルダー10の上部隔膜27もしくは下部隔膜28のどちらか一方にのみ微細穴を設置する。例えば電子顕微鏡では、電子銃方向の真空度をできるだけ高くしたいというニーズから、下部隔膜28のみに微細穴46を設置する。また、試料ホルダー10の上部隔膜27に、加熱ヒータ50と、加熱ヒータ50の温度を電流で制御するためのヒータ用導線51を備える。加熱ヒータ50は微細タングステン線や微細タンタル線でも良いし、上部隔膜27に微細加工でパターンを作製したMEMSヒータでも良い。また、加熱ヒータ50の温度制御は図示されない、追加の2本の電極配線を利用し、合計4端子を利用することで、4端子法での加熱ヒータの温度制御を行ってもよい。この加熱機構の設置により、ガス環境下で試料を加熱した状態における試料の挙動を観察することができるようになる。実施例7と同様に、試料ホルダーの構造が比較的簡単である点が本実施例の利点である。
【0052】
本実施例の本質は、隔膜に設置される微細穴46を、上下隔膜のどちらか一方に設ける、もしくは、もう一方とは異なる形状の穴を設けることと、試料6を設置する隔膜に加熱ヒータ50を設置することにあり、図12に示す形状に限るものではない。
【実施例9】
【0053】
図13は、実施例9の電子顕微鏡の電子線ホログラフィーを示す模式図である。本実施例のガス環境における電子顕微鏡の構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0054】
電子源1より発せられた電子波2は、図示するように進む。第1の照射電子レンズ3と第2の照射電子レンズ4により電流密度が調整され、第2の照射電子レンズ4と対物レンズ5との間に試料6が置かれ、試料6を電子線が照射する。対物レンズ5の作用により得られる像は拡大レンズ7により拡大され、試料面上の第1の領域(試料)を通過した電子波81と、試料面上の試料がない第2の領域を通過した電子波82は結像系の電子線バイプリズム80により内側に曲げられ、観察面8において重畳され干渉し干渉パターン83(以下、ホログラムとも呼ぶ)が電子検出器25により記録される。得られたホログラムから再生を行い、試料6による電子波の変化を得ることができる。この電子波の変化は試料6の電場や磁場の情報を含んでいるため、機能性物質の機能発現の根幹となる電磁場を観察することができる。
【0055】
電子線バイプリズム80は電子波進行方向と平行な平行平板の間に、電極フィラメントを設置し、電極フィラメントに電位を印加することで発生する、フィラメント電極と平行平板との間の電場により、電極フィラメントの左右を通過する電子波を光軸にたいして、内側もしくは外側に偏向する機能を有する。一般的に、光軸に対して回転する機構、光軸に対して垂直な面内で電子線バイプリズムを移動させる機構を有するシステムが市販されている。
【0056】
本実施例の本質は、電子線バイプリズム80を用い、ホログラムを得ることで、試料を透過した電子波の情報を得ることにあり、図13に示す装置構成に限るものではない。たとえば、電子線バイプリズムを二本以上使用し、ホログラムを取得してもよい。
【実施例10】
【0057】
図14は、実施例10の走査透過型電子顕微鏡を示す模式図である。本実施例のガス環境における電子顕微鏡の構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
【0058】
電子源1より発せられた電子波2は、図示するように進む。第1の照射電子レンズ3と第2の照射電子レンズ4によりビーム径が調整され、第2の照射電子レンズ4と対物レンズ5との間に試料6が置かれ、試料6を収束した電子線が照射する。細く絞った電子線を偏向コイル(図示せず)により走査しながら、電子検出器25で取得される信号や図示されない環境電子検出器の信号を同期させることで、試料6の構造情報を得ることができる。また、電子検出器25において電子を二次元観察し、その強度分布の解析を行う、微分位相コントラスト法やタイコグラフィという手法を用いることで、試料6の電磁場情報を得ることができる。
【0059】
本実施例の本質は、細く絞った電子線を走査しながら走査透過型電子顕微鏡像を得ることにあり、図14に示す装置構成に限るものではない。たとえば、照射系に収差補正器を組み込み、高い分解能を得ることもできる。さらには、エネルギー分散型X線分光法やエネルギー損失分光法と組み合わせ、元素分析や化学結合状態の解析を行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明した、本発明の電子顕微鏡は、ガス環境下での試料の構造や挙動を観察および分析することに実用化され、本発明を新規装置にて実施することにより、大気圧程度のガス環境下で試料を加熱しながら高画質の観察を行えるようになる。本発明を利用した新装置が新たに実現する観察機能により、例えば触媒のメカニズムが解明され、今後世界的に求められるカーボンニュートラル社会を実現するために必要とされている、高性能、高耐久性を有する燃料電池やCO2燃料化触媒の開発に貢献すると期待される。
【符号の説明】
【0061】
1 電子源
2 電子波
3 第1の照射電子レンズ
4 第2の照射電子レンズ
5 対物レンズ
6 試料
7 拡大レンズ
8 観察面
9 試料支持膜
10 試料ホルダー
11 ガス導入管
12 ガス導入のフロー制御機構
13 電子銃室
14 試料上部室
15 試料室
16 試料下部室
17 カメラ室
18 試料上部室の排気ポンプ
19 試料室の排気ポンプ
20 試料下部室の排気ポンプ
21 試料室上のオリフィス
22 試料室下のオリフィス
23 電子銃のオリフィス
24 結像系のオリフィス
25 電子線検出器
26 第一の電子源
27 上部隔膜
28 下部隔膜
29 ガス排気管
30 ガス排気のフロー制御機構
31 第一のガスボンベ
32 第二のガスボンベ
33 第一のガスフロー制御機構
34 第二のガスフロー制御機構
35 第一のガス管
36 ガス混合室
37 第一のガス分析装置
38 第二のガス分析装置
39 ガス混合室の排気装置
40 ガス混合室の排気制御機構
41 制御PC
42 モニタ
43 制御系
44 試料ホルダーの試料室(試料設置部)
45 隔膜
46 微細穴
47 横長形状の微細穴
48 複数の微細穴
49 試料支持膜の支持部
50 加熱ヒータ
51 ヒータ用導線
53 ホルダー上の試料微動機構
73 加速管
74 電子顕微鏡本体
80 結像系の電子線バイプリズム
81 第1の領域を通過する電子波
82 第2の領域を通過する電子波
83 干渉パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14