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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】超音波センサシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/24 20060101AFI20241111BHJP
   G01N 29/07 20060101ALI20241111BHJP
   G01B 17/02 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G01N29/24
G01N29/07
G01B17/02 B
G01B17/02 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021121063
(22)【出願日】2021-07-21
(65)【公開番号】P2023016604
(43)【公開日】2023-02-02
【審査請求日】2024-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】田村 明紀
(72)【発明者】
【氏名】大城戸 忍
(72)【発明者】
【氏名】沖田 俊介
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-186963(JP,A)
【文献】特開2014-115128(JP,A)
【文献】特開2018-205225(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0144238(US,A1)
【文献】特開2013-113752(JP,A)
【文献】特開平04-295758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00-29/52
G01B 17/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の表面に沿って互いに離間して配置される複数の圧電素子と、
複数のケーブルを介し前記複数の圧電素子に接続され、前記被検体の表面に沿って互いに離間して配置される複数の素子コイルと、
前記複数の素子コイルのうちのいずれか1つに対向するように移動可能とし、対向した前記素子コイルとの間で電磁結合によって信号の送受信が可能な送受信コイルと、
前記送受信コイル及び前記素子コイルを介し前記圧電素子へパルス信号を出力して超音波を発生させ、前記被検体で反射された超音波が前記圧電素子で受信されて変換された波形信号を前記素子コイル及び前記送受信コイルを介し入力する制御装置と、を備えた超音波センサシステムにおいて、
全体的に格子状に形成され、複数の格子交点に形成された複数の拡大部にて前記複数の圧電素子及び前記複数の素子コイルを保持すると共に、前記被検体の表面に取付けられるバンドを備え、
前記バンドは、前記複数の圧電素子を前記被検体の表面に接触させると共に、前記複数の素子コイルと前記被検体の表面との間の電磁波を遮断しており、
前記複数の圧電素子と前記複数の素子コイルは、複数対1の関係で、前記複数のケーブルを介し接続され、且つ、前記バンドを介し重なるように配置されたことを特徴とする超音波センサシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波センサシステムにおいて、
前記バンドの材質は、軟磁性材料の粉末を柔軟性樹脂に練りこんだものであることを特徴とする超音波センサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の厚さを計測する超音波センサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば使用中の被検体の厚さを計測するために、被検体の表面に超音波センサ(詳細には、電気信号と超音波の変換を行う圧電素子)を固定したいものの、何らかの理由により、超音波センサと制御装置の間のケーブルの接続が困難な場合がある。特許文献1は、このような課題を解決するための超音波センサシステムを開示する。
【0003】
特許文献1の超音波センサシステムは、被検体の表面に配置される圧電素子(圧電変換器)と、ケーブルを介し圧電素子に接続され、被検体の表面に配置される素子コイル(変換器コイル)と、電磁結合(言い換えれば、電磁誘導による結合)によって素子コイルとの間で信号の送受信が可能な送受信コイルと、送受信コイルに接続された制御装置とを備える。このシステムでは、素子コイルと送受信コイルの間のケーブルを不要とする。
【0004】
特許文献1の超音波センサシステムは、素子コイルと被検体の間に配置された電磁波遮断シートを更に備える。これにより、電磁誘導による被検体の渦電流の発生を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2017-524908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、国内の原子力プラントにおける配管肉厚検査方法は、日本機械学会が定める発電用設備規格に準拠することが求められている。本設備規格では、配管の周方向及び軸方向に100mm以下の間隔で格子状に複数の計測点を設け、各計測点で超音波による肉厚の計測を行うことが規定されている。配管の肉厚を計測するため、特許文献1に記載の技術を採用した場合を想定すれば、次のような課題が生じる。
【0007】
配管の計測点毎に圧電素子、素子コイル、及び電磁波遮断シートを取付ける必要があり、それらの取付時間が増大する。また、圧電素子などを配管の表面に固定するために接着剤を用いるが、接着剤の接着機能が発現するまで、圧電素子などを保持した状態で接着剤を加熱する必要がある。ここで、圧電素子などを保持するための治具を用いれば、接着剤の接着機能が発現するのを待ってから、治具を取外さなければならない。この観点からも、取付時間が増大する。
【0008】
本発明の目的は、複数の圧電素子などを被検体に短時間で取付けることができる超音波センサシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、被検体の表面に沿って互いに離間して配置される複数の圧電素子と、複数のケーブルを介し前記複数の圧電素子に接続され、前記被検体の表面に沿って互いに離間して配置される複数の素子コイルと、前記複数の素子コイルのうちのいずれか1つに対向するように移動可能とし、対向した前記素子コイルとの間で電磁結合によって信号の送受信が可能な送受信コイルと、前記送受信コイル及び前記素子コイルを介し前記圧電素子へパルス信号を出力して超音波を発生させ、前記被検体で反射された超音波が前記圧電素子で受信されて変換された波形信号を前記素子コイル及び前記送受信コイルを介し入力する制御装置と、を備えた超音波センサシステムにおいて、全体的に格子状に形成され、複数の格子交点に形成された複数の拡大部にて前記複数の圧電素子及び前記複数の素子コイルを保持すると共に、前記被検体の表面に取付けられるバンドを備え、前記バンドは、前記複数の圧電素子を前記被検体の表面に接触させると共に、前記複数の素子コイルと前記被検体の表面との間の電磁波を遮断しており、前記複数の圧電素子と前記複数の素子コイルは、複数対1の関係で、前記複数のケーブルを介し接続され、且つ、前記バンドを介し重なるように配置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バンドを用いることにより、複数の圧電素子などを被検体に短時間で取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態における超音波センサシステムの構成を表す概略図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられた状態を示す。
図2】本発明の第1の実施形態における超音波センサユニットの構造を表す断面図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられた状態を示す。
図3】本発明の第1の実施形態における超音波センサユニットの構造を表す平面図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられていない状態を示す。
図4】本発明の第1の実施形態における超音波センサユニットの取付方法を表すフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態における超音波センサユニットの構造を表す平面図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられていない状態を示す。
図6】本発明の第3の実施形態における超音波センサユニットの構造を表す平面図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられていない状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本実施形態における超音波センサシステムの構成を表す概略図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられた状態を示す。図2は、本実施形態における超音波センサユニットの構造を表す断面図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられた状態を示す。図3は、本実施形態における超音波センサユニットの構造を表す平面図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられていない状態を示す。
【0014】
本実施形態の被検体である配管1は、例えば炭素鋼製であり、プラント運転中に液体もしくは気体が流れて高温となる。そのため、例えばケイ酸カルシウム製、ロックウール製、グラスウール製、無定形水練製、もしくは硬質ウレタンフォーム製の保温材2で覆われている。
【0015】
本実施形態の超音波センサシステムは、配管1の表面(外面)に取付けられた超音波センサユニット11と、保温材2の表面(外面)に配置される送受信コイル12と、送受信コイル12に接続された制御装置13と、制御装置13に接続された表示装置14(ディスプレイ)とを備える。
【0016】
超音波センサユニット11は、例えば格子状に形成されたバンド15と、バンド15の格子交点に(詳細には、配管1の周方向及び軸方向にそれぞれ対応するバンド15の長さ方向及び幅方向に所定の間隔Lで)配置され、複数のバッキング材16を介しバンド15の内面側(図2の下側、図3の紙面に対して奥側)に固定された複数の圧電素子17と、バンド15の格子交点に配置され、バンド15の外面側(図2の上側、図3の紙面に対して手前側)に固定された複数の素子コイル18とを備える。なお、本実施形態ではL=100mmであるが、100mm未満であってもよい。
【0017】
バンド15は、長さ方向の一端側(図3の左側)に複数のバックル19A(留め具)が設けられ、長さ方向の他端側(図3の右側)に複数のバックル19B(留め具)が設けられている。複数のバックル19Aは、複数のバックル19Bにそれぞれ着脱可能とし、且つ、バンド15の有効長さを調整可能としている。
【0018】
バンド15は、配管1の周方向に延在するように配置され、複数のバックル19Aと複数のバックル19Bの装着や、複数のバックル19Aによるバンド15の有効長さの調整により、配管1の表面に取付けられる。これにより、複数の圧電素子17を配管1の表面に接触させると共に、複数の素子コイル18と配管1の表面の間の電磁波を遮断する。バンド15の材質は、例えば、ソフトフェライト、センダスト、鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、又はパーメンジュールなどの軟磁性材料の粉末を、シリコンゴムなどの柔軟性樹脂に練りこんだものである。
【0019】
複数の圧電素子17は、配管1における複数の計測点にそれぞれ対応し、配管1の周方向及び軸方向に所定の間隔Lで離間されて配置される。各圧電素子17は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛またはニオブ酸リチウム等の材質で構成されている。
【0020】
複数の圧電素子17と複数の素子コイル18は、1対1の関係で、複数のケーブル20を介し接続され、且つ、バンド15及びバッキング材16を介し重なるように配置されている。すなわち、複数の素子コイル18は、複数の圧電素子17と同様、配管1の周方向及び軸方向に所定の間隔Lで離間されて配置されている。
【0021】
送受信コイル12は、検査員又は移動装置(図示せず)によって配管1の周方向及び軸方向に移動可能とし、複数の素子コイル18のうちのいずれか1つに対向する。送受信コイル12は、対向した素子コイル18との間で電磁結合によって信号の送受信を可能としている。
【0022】
制御装置13は、送受信コイル12に接続されたパルサ21及びレシーバ22と、信号処理部23と、記憶部24とを有する。信号処理部23は、プログラムに従って処理を実行するプロセッサ等で構成され、記憶部24は、ハードディスクやメモリ等で構成されている。
【0023】
送受信コイル12は、制御装置13のパルサ21からのパルス信号(電気信号)を磁束に変換し、素子コイル18は、前述した磁束をパルス信号に変換し、ケーブル20を介し圧電素子17へ出力する。圧電素子17は、素子コイル18からのパルス信号によって振動し、配管1の内面に向けて超音波を送信する。
【0024】
その後、圧電素子17は、配管1の内面で反射した超音波を受信し、受信した超音波を波形信号(電気信号)に変換し、ケーブル20を介し素子コイル18へ出力する。素子コイル18は、圧電素子17からの波形信号を磁束に変換し、送受信コイル12は、前述した磁束を波形信号に変換して制御装置13のレシーバ22へ出力する。
【0025】
制御装置13の信号処理部23は、レシーバ22を介して入力された波形信号を、送受信コイル12の走査位置(言い換えれば、送受信コイル12に対向する素子コイル18に接続された圧電素子17の位置であって、配管1の計測点の位置)と関連付けながら、記憶部24に記憶させる。そして、波形信号から得られた超音波の伝播時間と音速に基づき、対応する計測点の厚さを演算し、表示装置14に表示させる。
【0026】
複数のバッキング材16は、上述した波形信号のノイズを低減するため、複数の圧電素子17からバンド側に送信された超音波を吸収する。また、複数のバッキング材16は、弾性を有し、バンド15から複数の圧電素子17に付与される押付力を分散する。各バッキング材16は、例えば、ポリウレタン樹脂を母材とし、フィラーとしてマンガン金属粉末などを含む材質で構成されている。
【0027】
次に、本実施形態における超音波センサユニットの取付方法を説明する。図4は、本実施形態における超音波センサユニットの取付方法を表すフローチャートである。
【0028】
ステップS1にて、配管1から保温材2を除去する。その後、ステップS2にて、超音波センサユニット11を配管1の表面に仮付けする(すなわち、バンド15の有効長さを調整する)。
【0029】
ステップS3にて、超音波センサユニット11を一旦取外し、複数の圧電素子17の接着面に接着剤(詳細には、耐熱性を有する熱硬化型の接着剤)を塗布してから、超音波センサユニット11を配管1の表面に本付けする。
【0030】
ステップS4にて、配管1の保温材2を復旧する。その後、ステップ5にて、プラントの運転を開始して液体もしくは気体を配管1に流すことにより、接着剤を加熱する。これにより、接着剤が硬化して、接着剤の接着機能が発現する。
【0031】
以上のように本実施形態においては、バンド15を用いて、複数の圧電素子17及び複数の素子コイル18などと共に超音波センサユニット11を構成するので、超音波センサユニット11を配管1の表面に容易に取付けることができる。例えば、バンド15を用いず、複数の圧電素子17及び複数の素子コイル18を個別に配管1の表面に取付ける場合と比べ、取付時間を短縮することができる。また、圧電素子17の間隔が予め設定されているから、取付時間を短縮することができる。また、バンド15が電磁波遮断機能を有するため、複数の素子コイル18に対応する複数の電磁波遮断シートを用意する必要が無く、それらの取付時間も不要となる。
【0032】
また、本実施形態においては、バンド15を用いているので、複数の圧電素子17に塗布した接着剤の接着機能が発現するまでの間、複数の圧電素子17を保持するための治具を用意する必要がないし、接着剤の接着機能が発現するのを待ってから、治具を取外す必要もない。そのため、接着剤の接着機能が発現するのを待たなくても、配管1の保温材2を復旧することができる。このような観点からも、取付時間を短縮することができる。
【0033】
本発明の第2の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。
【0034】
図5は、本実施形態における超音波センサユニットの構造を表す平面図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられていない状態を示す。
【0035】
本実施形態では、超音波センサユニット11Aのバンド15Aは、全体的に格子状に形成されるものの、格子交点に拡大部(詳細には、素子コイル18よりも面積が大きい部分)が形成されている。そして、前述した拡大部毎に、例えば4つの圧電素子17と1つの素子コイル18の組合せが配置されている。すなわち、複数の圧電素子17と複数の素子コイル18は、4対1の関係で(詳細には、4つの圧電素子17が1つの素子コイル18に対し並列となるように)、複数のケーブル20を介し接続され、且つ、バンド15及びバッキング材16を介し重なるように配置されている。
【0036】
4つの圧電素子17は、1つの素子コイル18からのパルス信号によって振動し、配管1の内面に向けて超音波を送信する。その後、4つの圧電素子17は、配管1の内面で反射した超音波を受信し、受信した超音波を波形信号に変換し、ケーブル20、素子コイル18、及び送受信コイル12を介し制御装置13のレシーバ22へ出力する。
【0037】
制御装置13のレシーバ22に入力された波形信号は、4つの圧電素子17でそれぞれ得られた4つの波形信号を重ねたものになる。制御装置13の信号処理部23は、レシーバ22を介して入力された波形信号から得られた超音波の伝播時間と音速に基づき、4つの計測点の厚さのうちの最小厚さを演算し、表示装置14に表示させる。
【0038】
上述した本実施形態においても、第1の実施形態と同様、バンド15Aを用いて、複数の圧電素子17及び複数の素子コイル18などと共に超音波センサユニット11Aを構成するので、超音波センサユニット11Aを配管1の表面に容易に取付けることができる。また、超音波センサユニット11Aを配管1の表面に短時間で取付けることができる。
【0039】
また、本実施形態においては、素子コイル18の直径より、圧電素子17の間隔Lを小さくすることができる(例えばL=20mm)。これにより、例えば、第1の実施形態の超音波センサユニット11を用いて配管1の減肉の進行が確認された場合に、超音波センサユニット11Aに交換して、計測点の間隔を小さくすることが可能である。また、素子コイル18の直径を小さくする必要がないため、素子コイル18と送受信コイル12の間の電磁結合を維持することが可能である。
【0040】
本発明の第3の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。
【0041】
図6は、本実施形態における超音波センサユニットの構造を表す平面図であり、超音波センサユニットが配管の表面に取付けられていない状態を示す。
【0042】
本実施形態の超音波検査システムは、1つ若しくは複数の超音波センサユニット11Bを備える。超音波センサユニット11Bのバンド15Bは、直線部25と、直線部25の幅方向の一方側及び反対側(図6の上側及び下側)に形成された複数の拡大部26(詳細には、素子コイル18よりも面積が大きい部分)とを有する。バンド15Aの直線部25は、長さ方向の一端側(図6の左側)にバックル19Aが設けられ、長さ方向の他端側(図6の右側)にバックル19Bが設けられている。
【0043】
複数の圧電素子17は、直線部25に(詳細には、配管1の周方向に対応する直線部25の長さ方向に所定の間隔Lで)配置され、複数のバッキング材16を介し直線部25の内面側(図6の紙面に対して奥側)に固定されている。複数の素子コイル18は、複数の拡大部26にそれぞれ配置され、複数の拡大部26の外面側(図6の紙面に対して手前側)に固定されている。
【0044】
上述した本実施形態においても、第1の実施形態と同様、バンド15Bを用いて、複数の圧電素子17及び複数の素子コイル18などと共に超音波センサユニット11Bを構成するので、超音波センサユニット11Bを配管1の表面に容易に取付けることができる。また、超音波センサユニット11Bを配管1の表面に短時間で取付けることができる。
【0045】
また、本実施形態においては、第1の実施形態とは異なり、複数の圧電素子17と複数の素子コイル18が、バンド15B及びバッキング材16を介し重ならないように配置されている。そのため、圧電素子17の間隔Lより、素子コイル18の直径を大きくすることができる。これにより、電磁結合を維持しつつ、素子コイル18と送受信コイル12の間の距離を大きくすることが可能である。
【0046】
また、本実施形態においては、例えば、複数の超音波センサユニット11Bを配管エルボの表面に取付ける場合に、複数の超音波センサユニット11Aの向きを互いに異ならせることが可能であり、配管エルボの腹側の計測点の間隔と配管エルボの背側の計測点の間隔を異ならせることが可能である。
【0047】
なお、以上においては、配管1が保温材2で覆われている場合を例にとって説明したが、これに限られず、保温材2で覆われていなくてもよい。また、被検体が配管1である場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えば容器の側壁であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 配管(被検体)
12 送受信コイル
13 制御装置
15,15A,15B バンド
17 圧電素子
18 素子コイル
20 ケーブル
25 直線部
26 拡大部
図1
図2
図3
図4
図5
図6