(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】材料および組織刺激のためのジャーク電磁場の印加
(51)【国際特許分類】
A61N 2/02 20060101AFI20241111BHJP
A61N 1/40 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
A61N2/02 Z
A61N1/40
(21)【出願番号】P 2021500876
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(86)【国際出願番号】 US2019042081
(87)【国際公開番号】W WO2020018594
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】NC2018/0007468
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CO
(73)【特許権者】
【識別番号】520167759
【氏名又は名称】パナシア・クワンタム・リープ・テクノロジー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ・ハビエル・ベラスコ・バルケ
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-518959(JP,A)
【文献】特開平06-233825(JP,A)
【文献】特表2009-528073(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0043174(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 2/02
A61N 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁場で組織を刺激するための装置であって、
- 演算器と、
- 前記演算器に接続された外部電源と、
- 前記外部電源にかつ前記演算器に接続された減結合回路と、
- 前記演算器にかつ前記減結合回路に接続された電磁変換器の配列であって、機能的に前記組織上方に設置されている電磁変換器の配列とを備え、
前記演算器が、
A)電磁場ジャークを発生させる波形を有する活性化信号を発生させ、
B)電磁変換器の前記配列に前記活性化信号を印加するように構成され、
電磁変換器の前記配列が、前記活性化信号の印加に応じて前記組織を刺激するジャーク発生電磁場を生成し、
前記波形が、数学関数の或る点でのその三次導関数において少なくとも単位三重項が得られる前記数学関数によって描画される、装置。
【請求項2】
前記演算器が、
a)一連のパルスを持つ搬送波信号を発生させ、
b)ジャークを発生させる波形を有する変調信号を発生させ、
c)ジャークを発生させる波形を有する前記変調信号を使用して前記搬送波信号を変調することによって活性化信号を発生させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
電磁場で組織を刺激するための装置であって、
- 演算器と、
- 前記演算器に接続された外部電源と、
- 前記外部電源にかつ前記演算器に接続された減結合回路と、
- 前記演算器にかつ前記減結合回路に接続された電磁変換器の配列であって、機能的に前記組織上方に設置されている電磁変換器の配列とを備え、
前記演算器が、
a)一連のパルスを持つ搬送波信号を発生させ、
b)ジャークを発生させる変調信号を発生させ、
c)ジャークを発生させる前記変調信号を使用して前記搬送波信号を変調することによって活性化信号を発生させ、
d)電磁変換器の前記配列に前記活性化信号を印加するように構成され、
電磁変換器の前記配列が、前記活性化信号の印加に応じて前記組織を刺激するジャーク発生電磁場を生成し、
前記活性化信号が波形を有し、前記波形が、数学関数の或る点でのその三次導関数において少なくとも単位三重項が得られる前記数学関数によって描画される、装置。
【請求項4】
材料の粒径を減少させる際に使用するための、請求項1または3に記載の装置。
【請求項5】
組織の粒径を減少させる際に使用するための、請求項1または3に記載の装置。
【請求項6】
前記電磁変換器の前記配列の前記電磁変換器が、電場変換器、磁場変換器、静電場変換器およびその組合せから選択される、請求項1または3に記載の装置。
【請求項7】
前記電磁変換器が、モータ、電極、光電変換器、電気誘導アクチュエータ、電場を発生させる導電板、アンテナ、およびその組合せから成る電場変換器および静電場変換器から選択される、請求項1または3に記載の装置。
【請求項8】
前記電磁変換器が、モータ、磁気誘導アクチュエータ、磁場を発生させるコアまたは非コアコイル、電磁石、アンテナ、およびその組合せから成る群から選択される磁場変換器から選択される、請求項1または3に記載の装置。
【請求項9】
前記活性化信号が、組織インピーダンス応答フィードバックに基づいて、その電圧振幅、周波数および位相のパラメータを変化させる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記搬送波信号の前記変調が、電圧振幅の変更による変調、相変更による変調、デューティサイクルの変更による変調、パルス位置の変更による変調、およびその組合せから成る群から選択される、請求項2または3に記載の装置。
【請求項11】
前記活性化信号が、
1nsと
0.5sとの間に及ぶ時間で-20kVから20kVに変化する、請求項1または3に記載の装置。
【請求項12】
前記搬送波信号が交互パルスの信号である、請求項2または3に記載の装置。
【請求項13】
前記搬送波信号が、前記変調信号の周波数より少なくとも1周波数次数高い周波数を有する、請求項2または3に記載の装置。
【請求項14】
一連のパルスによって形成される前記搬送波信号が、持続時間が
1nsと
0.5sとの間の少なくとも1つのパルスを有する、請求項2または3に記載の装置。
【請求項15】
前記変調信号が、交流信号、直流信号、パルス信号、デューティサイクルの変動を伴う方形波信号、三角波信号、鋸歯状波信号、区分信号、およびその組合せから成る群から選択される、請求項2または3に記載の装置。
【請求項16】
前記搬送波信号の前記変調が、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相変調(PM)、パルス幅変調(PWM)、パルス位置変調(PPM)およびその組合せから成る群から選択される、請求項2または3に記載の装置。
【請求項17】
前記変調信号および前記搬送波信号が組織温度フィードバックと共に変化する、請求項2に記載の装置。
【請求項18】
前記変調信号および前記搬送波信号が、組織温度フィードバックに基づいて、それらの電圧振幅、周波数および位相のパラメータを変化させる、請求項3に記載の装置。
【請求項19】
前記変調信号および前記搬送波信号が、組織インピーダンス応答フィードバックに基づいて、それらの電圧振幅、周波数および位相のパラメータを変化させる、請求項3に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月16日に出願されたコロンビア出願番号NC2018/0007468の優先権利益を主張する。上記特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれて本出願の一部とされる。
【0002】
本開示は、概して、電磁場による組織または材料刺激のための方法に関連する。より詳細には、本開示は、ジャーク発生電磁場、例えば、ジャークを発生させる静電場、電場および磁場を使用する組織または材料刺激のための方法に関する。ジャークに関しては、概して、https://en.wikipedia.org/wiki/Jerk_(physics)に記載されている。
【背景技術】
【0003】
ジャーク効果に関しては、典型的に、機械および輸送工学における加速(例えばロボットアーム、自動車ブレーキシステム)(https://arxiv.org/ftp/arxiv/papers/1503/1503.07051.pdf)、電磁ジャーク力学および電気回路の過渡過程におけるそれらの応用(http://www.jpier.org/PIERM/pierm08/15.09021501.pdf)ならびに電気砲弾(https://ieeexplore.ieee.org/document/195695)の脈絡内で研究されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】PCT/IB2019/051007
【文献】PCT/IB2019/051005
【非特許文献】
【0005】
【文献】https://en.wikipedia.org/wiki/Jerk_(physics)
【文献】https://arxiv.org/ftp/arxiv/papers/1503/1503.07051.pdf
【文献】http://www.jpier.org/PIERM/pierm08/15.09021501.pdf
【文献】https://ieeexplore.ieee.org/document/195695
【文献】https://tienda.icontec.org/wp-content/uploads/pdfs/NTC926.pdf
【文献】https://www.icbf.gov.co/sites/default/files/ftp_-_fecula_de_maiz_-_150224.pdf
【文献】http://sieve.advantechmfg.com/Asset/ASTM%20E%2011-13%20Standards%20Table.pdf
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、電磁変換器の配列に印加される活性化信号を有する、ジャーク発生電磁場、例えば、ジャークを発生させる静電場、電場および磁場を使用して電磁変換器によって組織または材料を刺激するための方法および装置に関する。関心組織または材料内の電磁場ベクトル、静電場、電場および磁場の大幅な変動が得られる。上記大幅な変動は、上記組織を構成する細胞または材料の粒子の過加速度を発生させる。この過加速度は物理学においてジャークとして知られており、例えば、https://en.wikipedia.org/wiki/Jerk_(physics)も参照されたい。
【0007】
電磁変換器の配列によって組織を刺激するための第1の方法は、A)演算器によって電磁場ジャークを発生させる波形を有する活性化信号を発生させるステップと、B)演算器によって電磁変換器の配列に活性化信号を印加するステップとを含み、電磁変換器の配列が、活性化信号の印加に応じて組織を機械的に刺激するジャーク発生電磁場を生成する。
【0008】
電磁場ジャークを発生させる波形を有する活性化信号は、例えば、1Hz(ヘルツ)と3MHz(メガヘルツ)との間の、任意選択で1Hz(ヘルツ)と500kHz(キロヘルツ)との間の周波数を有する。
【0009】
上記活性化信号は、交流もしくは直流信号、パルス信号、デューティサイクル変動を伴う方形波信号、三角波信号、鋸歯状波信号、区分信号、またはその組合せ間で選択される。例えば、それは、パルス持続時間が約1nsと0.5sとの間のパルス信号でよい。
【0010】
本開示の1つの実施形態において、活性化信号は、電磁変換器の配列が関心組織または材料と接触しているか否かに応じて-20kV(キロボルト)と20kV(キロボルト)との間の電圧範囲を有する。
【0011】
電磁変換器の配列によって組織または材料を刺激するための第2の方法は、a)信号発生器を用いて一連のパルスを持つ搬送波信号を発生させるステップと、b)信号発生器を用いてジャークを発生させる変調信号を発生させるステップと、c)ジャークを発生させる変調信号で搬送波信号を変調した活性化信号を発生させるステップと、d)演算器によって電磁変換器の配列に活性化信号を印加するステップとを含み、電磁変換器の配列が、活性化信号の印加に応じて組織または材料を機械的に刺激するジャーク発生電磁場を生成する。
【0012】
開示される方法の1つの実施形態において、搬送波信号の周波数は、1Hz(ヘルツ)と3MHz(メガヘルツ)との間、任意選択で1Hz(ヘルツ)と500kHz(キロヘルツ)との間である。
【0013】
他方で、ジャークを発生させる変調信号は、0.1Hz(ヘルツ)と5kHz(キロヘルツ)との間の、任意選択で0.1Hz(ヘルツ)と10Hz(ヘルツ)との間の周波数を有する。
【0014】
開示される方法の一部の実施形態において、搬送波信号の各パルスの持続時間は1nsと0.5sとの間である。
【0015】
加えて、本開示は、材料の粒径を減少させるためにジャーク発生電磁場を使用するステップを含む。
【0016】
本開示は、電磁場で組織を刺激するための装置であって、演算器と、演算器に接続される外部電源と、外部電源にかつ演算器に接続される減結合回路と、演算器にかつ減結合回路に接続される電磁変換器の配列とを備え、演算器が、減結合回路を通じて電磁変換器の配列によって受信される活性化信号を発生させる方法を実装する、装置も含む。
【発明の効果】
【0017】
本装置が組織に印加されることになるジャーク発生電磁場を可能にするだけでなく、それは、生存生物のリンパ系を通じた浮遊死細胞の排出を改善および加速するために組織内の、例えば生体内環境内の上記浮遊死細胞の粒径の減少も可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】以前に治療されて組織の一部分が壊死した癌組織を包含する容量に及ぶ変換器配列の一例を図示する。
【
図1B】ジャーク発生電磁場が変換器配列を介して容量に印加されて、壊死した癌組織に作用し、それを小粒子状物質へ粉砕するのを図示する。
【
図1C】容量に印加される同様のジャーク発生電磁場がどのようにして、間質液中に浮遊される小粒子状物質をリンパ管へ送り込むのにも機能するかを図示する。
【
図4】
図3の交互被変調かつ区分信号の一次導関数を図示する。
【
図5】
図3の交互被変調かつ区分信号の二次導関数を図示する。
【
図6】
図3の交互被変調かつ区分信号の三次導関数を図示する。
【
図7】活性化信号のパルス持続時間の表現を図示する。
【
図9】本開示の組織刺激装置の一例のブロック図を示す。
【
図10】本開示の電磁変換器の配列を使用して組織を刺激するための方法のフローチャートの一例を示す。
【
図11】本開示の信号の変調を含む電磁変換器の配列を使用して組織を刺激するための方法のフローチャートの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、電磁変換器の配列を介してジャーク発生電磁場を印加することによって組織または材料を刺激するための方法に関する。
【0020】
図10は、本開示の電磁変換器の配列を使用して組織を刺激するための方法であって、(100)演算器によって電磁場ジャークを発生させる波形を有する活性化信号を発生させるステップと、(120)演算器によって電磁変換器の配列に活性化信号を印加するステップとを含み、電磁変換器の配列が、演算器による電磁変換器への活性化信号の印加に応じて組織を機械的に刺激するジャーク発生電磁場を生成する、方法のフローチャートの一例を示す。
【0021】
本開示において、表現「組織を機械的に刺激する」は、組織にまたは材料に、上記組織または材料を物理的に移動させる、変形させる、圧縮する、伸長する、分割する、剪断するまたは破断させるのに十分な電磁力を印加することに相当する。印加電磁場が場の付近の帯電素子の挙動に影響を及ぼすことが理解されるべきである。組織または材料に印加される電磁力が、組織または材料の粒子の垂直歪み帯を上回る機械的応力を発生させるのに十分強いときに、ハンマリング、剪断またはねじれ効果が達成されて、結果として組織細胞または材料の粒子の移動、変形、圧縮、伸長、分割、剪断または破断になる。
【0022】
活性化信号は、或る僅かな時間でそのパラメータ、例えば、極性、傾きまたは電圧値を急激に変化させる信号である。例えば、約1nsと0.5sとの間に及ぶ時間で-20kVから20kVに変化する信号。
【0023】
任意選択で、活性化信号が電磁場ベクトルのパラメータを急激に変化させるためにかかる僅かな時間は、約1nsから約0.5s、約1nsから約49μs、約10nsから約100ns、約20nsから約100ns、約30nsから約100ns、約40nsから約100ns、約50nsから約100ns、約60nsから約100ns、約70nsから約100ns、約80nsから約100ns、約90nsから約100ns、約10nsから約20ns、約20nsから約30ns、約30nsから約40ns、約40nsから約50ns、約50nsから約60ns、約60nsから約70ns、約70nsから約80ns、約80nsから約90ns、約90nsから約100ns、約100nsから約900ns、約200nsから約800ns、約300nsから約700ns、約400nsから約600ns、約100nsから約1000ns、約200nsから約1000ns、約300nsから約1000ns、約400nsから約1000ns、約500nsから約1000ns、約600nsから約1000ns、約700nsから約1000ns、約800nsから約1000ns、約900nsから約1000ns、約100μsから約200μs、約200μsから約300μs、約300μsから約400μs、約400μsから約500μs、約500μsから約600μs、約600μsから約700μs、約700μsから約800μs、約800μsから約900μs、約900μsから約1000μs、約100μsから約1000μs、約200μsから約1000μs、約300μsから約1000μs、約400μsから約1000μs、約500μsから約1000μs、約600μsから約1000μs、約700μsから約1000μs、約800μsから約1000μs、約900μsから約1000μs、約100msから約200ms、約200msから約300ms、約300msから約400ms、約400msから約500ms、約100msから約500ms、約200msから約500ms、約300msから約500ms、約400msから約500msから選択される。
【0024】
開示される方法は、材料の粒径を減少させるために使用できる。材料は、有機または無機、固体状態でまたは流体(液体もしくは気体)中に浮遊状態でを含め、任意の種類の材料であることができる。
【0025】
開示される方法は、組織を粉砕するためにも使用できる。
図1Aを参照すると、2019年2月7日に出願されたPCT/IB2019/051007に開示されるものなどの、電磁場治療を使用して或る時間の間、癌組織(3)が刺激されると、結果的な死癌細胞の一部が壊死組織(12)の層または部分を形成し始めることになる。この壊死組織(12)は、インピーダンス、導電率および透磁率の変化により適用されている治療の有効性を低下させる電磁シールドを呈し始める。
図1Bおよび
図1Cに図示されるように、変換器配列(1)(変換器1aおよび1a’)を介して開示されるジャーク発生電磁場を印加することで、この壊死組織(12)を微粒子状物質(15)へ破断粉砕することが可能になる。これは、上述した電磁シールド効果を低減させ、次いでリンパ管(18)を通じた壊死組織の排出も促進する。更には、異なるジャーク発生電磁場を印加することによって、リンパ管(18)への排泄を加速するように間質液中に浮遊される粒子状物質(15)にポンピング効果を発生させることもできる。
【0026】
図1Bは、容量(2)の表面上の、変換器(1a)および変換器(1a’)から成る電磁変換器の配列(1)を図示する。
【0027】
図8Aおよび
図8Bに図示されるように、本開示の1つの実施形態において、変換器の作用面は、関心組織(3)または材料(10)からの電磁変換器の電気分離を可能にする誘電材料(17)によって覆われる。その上、作用面は種々の形状を有することができ、正方形、長方形、円、卵形、同心環またはその組合せなどの幾何図形の群から選択される。
【0028】
本開示によれば、電磁変換器は、或る電気エネルギー信号(例えば、活性化信号)を、電場、静電場および磁場の強度によって表現される電磁エネルギーへ変換または換算することが可能な装置である。
【0029】
本文書の目的で、電磁変換器は電磁場変換器として理解されるものとし、電場変換器、磁場変換器、静電場変換器またはその組合せでよい。
【0030】
電場が卓越する電磁現象に言及するとき、電磁変換器が電場変換器として理解されることになることが留意されるべきである。卓越する電磁現象が磁場であるとき、電磁変換器が磁場変換器であることが理解されるであろう。卓越する電磁現象が静電場であるとき、電磁変換器が静電場変換器であることが理解されるであろう。
【0031】
本開示の一部の実施形態において、電磁変換器の配列の電磁変換器は、電場変換器および磁場変換器、静電場変換器、またはその組合せから選択される。
【0032】
更には、本開示の他の実施形態において、電場変換器および静電場変換器は、とりわけ、モータ、電極、光電変換器、電気誘導アクチュエータ、電場を発生させる導電板、アンテナ、またはその組合せから成る群から選択される。他方で、磁場変換器は、とりわけ、モータ、磁気誘導アクチュエータ、磁場を発生させるコアもしくは非コアコイル、電磁石、アンテナ、またはその組合せから成る群から選択される。
【0033】
本開示の一例では、電磁変換器の配列(1)の電場変換器の作用面は、組織(3)外表面(典型的に、組織が刺激されている被術者の皮膚)と接触している。このように、電場変換器が組織(3)外表面から或る距離である別の代替例と比較して、電場変換器の動作のために必要とされる電位は少ない。
【0034】
別の例では、電磁変換器の配列(1)を形成する変換器の作用面は、組織(3)外表面から或る距離で離間される(例えば、組織(3)外表面との物理的接触に達することが可能でないときに必要)。このように、電場変換器が組織(3)外表面と接触している代替例と比較して電場変換器の動作のために必要とされる電位は大きい。
【0035】
本開示に関しては、組織という用語は、1つまたは複数の細胞から構成される生物の生体組織を指しており、1つの分類だけの細胞によって、同じく、または整然とした様式で配列されて器官もしくは有機体を形成する様々な種類の細胞によって構成され得る。挙げられた組織は、上皮組織、結合組織、筋組織、筋パッケージ(muscular package)、神経組織またはその組合せなどの健常組織でよい。組織は、健常組織に完全または部分生化学的不均衡を伴う組織でもよく、上記生化学的不均衡も、良性組織、腫瘍組織、悪性腫瘍組織、または非恒常状態もしくは恒常状態の任意の細胞に相当し得る。また、組織は、生体内の細胞を、または生体内環境へ移植する前の細胞を指し得る。組織は生体外環境の細胞も指し得る。組織は壊死組織も指し得る。
【0036】
本開示に関しては、組織インピーダンス応答は、組織(3)を刺激するときの電磁変換器に印加された信号の電圧降下の測定値である。言い換えれば、組織に印加される電圧が組織電磁刺激に従って時間とともに変動するにつれて、組織インピーダンス応答は電圧が時間とともに変動する。組織インピーダンスも、2019年2月7日に出願された出願番号PCT/IB2019/051007に記載されているように挙動する。
【0037】
図8Aは、電磁変換器の配列(1)を一対の平行平板電極(9)を持つ構成で図示しており、上記電極の作用面は互いに向き合っており、かつ材料(10)の方向にある。上記対の各電極は、開示される方法を実行して、ジャークを発生させる電磁場を発生させ、かつ材料(10)の粒径を減少させるのを可能にする活性化信号を発生させる組織刺激装置(11)に接続される。1つの例では、上記活性化信号は、1nsと0.5sとの間の時間で、かつ1Hz(ヘルツ)と3MHz(メガヘルツ)との間の、任意選択で1Hz(ヘルツ)と500kHz(キロヘルツ)との間の周波数で-20kVと20kVとの間で変化するパルス信号である。
【0038】
図8Bは、
図8Aのものと同様の、かつ
図1Bにも例示されるような電磁変換器の具体構成を教示する。しかしながら、変換器の上記対の作用面は組織(3)の方向にあり、そしてジャーク発生電磁場は、組織(3)が機械的に刺激されるのを可能にする。1つの例では、上記活性化信号は、1nsと0.5sとの間の時間で、かつ1Hz(ヘルツ)と3MHz(メガヘルツ)との間の、任意選択で1Hz(ヘルツ)と500kHz(キロヘルツ)との間の周波数で-20kVと20kVとの間で変化するパルス信号である。
【0039】
図9は、本開示の組織刺激装置(11)の一例である。組織刺激装置(11)は、演算器(21)と、演算器(21)に接続される外部電源(22)と、外部電源(22)にかつ演算器(21)に接続される減結合回路(23)と、減結合回路(23)に接続される電磁変換器の配列(1)とを備える。演算器(21)は、本開示の方法(ジャーク発生電磁場を使用して電磁変換器の配列によって組織を刺激するための方法)を実装し、かつ減結合回路(23)によってジャーク発生電磁場、静電場、電場および磁場変換器、またはその組合せに受信される活性化信号を発生させるために組織刺激装置が構成されてよい。
【0040】
代替的に、本開示の組織刺激装置(11)の1つの例では、電磁変換器の配列(1)は直接演算器(21)に接続される。
【0041】
任意選択で、周波数、位相、振幅、デューティサイクルなどの各活性化信号のパラメータは、組織刺激装置に接続されるHIDを通じてユーザにより、遠隔演算器の命令によって修正できる。
【0042】
演算器(21)は組織インピーダンス応答フィードバックを受信し、そして活性化信号は、組織インピーダンス応答に関連して組織を刺激する変換器に対して動的に調整される。特定の実施形態において、演算器は信号発生器である。この組織インピーダンス応答フィードバックは、組織刺激装置(11)の挙動を制御するために、その制御の或る一部分がその入力に転送される機構である。例えば、電場、静電場、磁場またはその組合せで組織を刺激することによって、組織インピーダンス応答は変動し得る。例えば、本開示の特定の実施形態において、電磁変換器の配列の電場変換器は、組織インピーダンス応答がどのように変動するかを測定するために使用され、そして上記フィードバックは、変換器の活性化信号を動的に調整することを可能にする。これは、例えば、組織を過刺激から保護することを可能にする。
【0043】
代替的に、フィードバックは、組織(3)の電磁刺激に対する組織インピーダンスの測定値または組織インピーダンス応答変動を得ることに限定されない。それには、例えば、組織疲労を判定する組織温度測定値、組織(3)表面の画像を撮って組織(3)血管分布を判定すること、またはその組合せも取り入れ得る。
【0044】
本開示の一例では、活性化信号は、組織温度フィードバックに基づいて、その電圧振幅、周波数および位相、パルス持続時間、デューティサイクルまたはパルス位置のパラメータを変化させる。
【0045】
本開示の別の例では、活性化信号は、組織インピーダンス応答フィードバックに基づいて、その電圧振幅、周波数、位相、パルス持続時間、デューティサイクルまたはパルス位置のパラメータを変化させる。
【0046】
演算器は、データを処理する装置、例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、DSC(デジタル信号コントローラ)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、CPLD(複合プログラマブルロジックデバイス)、ASIC(特定用途向け集積回路)、SoC(システムオンチップ)、PSoC(プログラマブルシステムオンチップ)、コンピュータ、サーバ、タブレット、携帯電話、スマートフォン、信号発生器、および当業者に公知のコンピュータユニット、またはその組合せとして理解される。この演算器は、記憶デバイス、ディスプレイデバイスおよび/またはヒューマンインタフェースデバイス(HID)、画像取得デバイスを含んでよく、本開示の方法を実行するようにプログラムされた専用演算器でもまたはそれを含んでもよい。
【0047】
記憶デバイスは、限定することなく、RAMメモリ(キャッシュメモリ、SRAM、DRAM、DDR)、ROMメモリ(フラッシュ、キャッシュ、HDD、SSD、EPROM、EEPROM、リムーバブルメモリROM(とりわけ、SD(miniSD、microSD等)、MMC(マルチメディアカード)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SMC(スマートメディアカード)、SDC(セキュアデジタルカード)、MS(メモリスティック)))、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光メモリ、磁気カセット、磁気テープ、ストレージもしくは情報を記憶するために使用できかつ、とりわけ当業者に公知のコンピュータユニットによってアクセスできる任意の他の手段、またはその組合せを含む。記憶デバイスはメモリレジスタを有してよく、ここに命令、データ構造およびソフトウェアモジュールが記憶される。
【0048】
ディスプレイは、限定することなく、演算器に接続されてその出力を表示することが可能なモニタを含む。CRTモニタ、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、アクティブマトリックスLCD、パッシブマトリックスLCD、LEDディスプレイ、表示プロジェクタ、TV(4KTV、HDTV、プラズマTV、スマートTV)、OLEDディスプレイ、AMOLEDディスプレイ、量子ドット(QD)ディスプレイ、セグメントディスプレイの他、当業者に公知の、ユーザにデータを示すことが可能な他のデバイス、またはその組合せ。
【0049】
HIDは、限定することなく、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、ジョイスティック、タッチスクリーンの他、当業者に公知の、ユーザが組織刺激装置の演算器へデータを入力するのを可能にすることが可能な他のデバイス、またはその組合せを含む。
【0050】
減結合回路は、電磁変換器の配列から外部電源を電気的に減結合することを可能にしており、上記回路は、オプトカプラ、リレー、オペアンプ、抵抗器、コンデンサ、トランス、ダイオード、ならびに2つの電気回路または素子を電気的に減結合するためのこれらおよび他の電子素子の組合せに基づいてよい。
【0051】
外部電源は、電磁変換器の配列の動作のために必要とされる電力を提供することを可能にし、かつ交流電源、直流電源、電池、光起電源、熱電電源の他、当業者に公知の、2つ以上の端子間の電圧を維持することが可能な他のデバイス、またはその組合せなどの、2つ以上の端子間の電力差分を維持することが可能なデバイスでよい。
【0052】
追加的に、演算器は、1つまたは幾つかの活性化信号が、ランダムにまたは変換器の各々に対する設定プログラムに従って、別の活性化信号または幾つかの刺激信号に関して位相シフトして、或る時間をかけて各変換器に順次印加されるのを可能にする。これらの信号は、プログラムおよびフィードバックに従って、演算器によってもしくは信号発生器によって、またはその組合せで発生される。
【0053】
本開示によって言及されるプログラムは、演算器において符号化されまたはされず、電磁変換器の配列(1)の変換器を活性化する活性化信号の全てのパラメータを修正する情報に相当する。活性化信号のパラメータは、周波数、相電圧振幅、パルス持続時間、デューティサイクルまたはパルス位置の中で選択される。
【0054】
画像取得デバイスは、それの視野内である画像を取り込むために使用される、可視スペクトルにまたは電磁スペクトルの他の部分に感応するセンサを有する。画像取得デバイスは、小型カメラ、APSカメラ(アドバンストフォトシステム)、SLRカメラ(一眼レフ)、デジタルカメラ、カメラTLR(二眼レフ)、赤外線カメラ、サーマルカメラ、スキャナおよびこれらの組合せから成る群から選択される。
【0055】
カメラのセンサ素子技術は、CCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)またはハイブリッドCCD/CMOSセンサから成る群から選択される。センサ素子技術は、カラー、モノクロ、高精細度、高感度、高速、赤外線、冷凍の赤外線、または非冷凍型の赤外線型から成る群から選択できる。
【0056】
図10に戻って、ステップ(100)で、電磁場ジャークを発生させる波形を有する活性化信号の発生が演算器によって行われる。上記活性化信号は、活性化信号の周期内で少なくとも一度決定される僅かな時間で極性、傾きまたは電圧値を急激に変化させる。
【0057】
ジャークを発生させる波形は、概して、数学関数の或る点でのその三次導関数において少なくとも単位三重項が得られる数学関数によって描画される波形を指す。本開示によれば、単位三重項がディラックのデルタ関数または単位インパルスの二次導関数である一方で、単位二重項はディラックのデルタ関数または単位インパルスの導関数である。
【0058】
1つの例では、活性化信号は、交流もしくは直流信号、パルス信号、デューティサイクル変動を伴う方形波信号、鋸歯状波信号、区分信号、またはその組合せ間で選択される。また、例えば、活性化信号は、交互パルスまたは非交互パルスのジャーク発生信号から選択されてよい。活性化信号は、-20kV(キロボルト)と20kV(キロボルト)との間の電圧振幅の範囲を有する。上記電圧の範囲を使用することによって、電磁変換器の作用面が組織(3)外表面(再び、典型的に被術者の皮膚)と接触しているときに2V/cmと5V/cmとの間の組織(3)内の電場の強度を得ることが可能である。
【0059】
他方で、電場変換器が組織(3)外表面から規定の距離であれば、電場強度値は、組織(3)外表面から0.01cmと50cmとの間の、および任意選択で組織(3)表面から0.01cmと4cmとの間の距離に対して-20kV/cmと20kV/cmとの間である。後者は、組織内の電場の強度が2V/cmと5V/cmとの間であることを保証するものである。
【0060】
他方で、組織刺激が-20kV(キロボルト)と20kV(キロボルト)との間の電圧振幅を有する活性化信号により磁場変換器で行われれば、1ガウスに相当する0.1mT(ミリテスラ)と2000ガウスに相当する200mT(ミリテスラ)との間の磁場強さを得ることが可能である。
【0061】
開示される方法の一例では、80Vの最大電圧が27cmの電極間距離で電磁変換器の配列(1)の電場変換器に印加される活性化信号が使用される。これは、組織(3)を刺激するために3V/cmと5V/cmとの間の電場強度を得ることを可能にする。
【0062】
その上、開示される方法の別の特定例では、電極間距離が40cmであるときに活性化信号に対して120Vで動作することが可能である。上記電圧は、組織(3)外表面から分離された電極に印加される。
【0063】
別の異なる実施形態において、活性化信号は、周波数が1Hz(ヘルツ)と3MHz(メガヘルツ)との間の、および任意選択で1Hz(ヘルツ)と500kHz(キロヘルツ)との間の一連のパルスである。
【0064】
次いで、活性化信号の一連のパルスは、持続時間が1nsと0.5sとの間の少なくとも1つのパルスを有する。
【0065】
任意選択で、活性化信号のパルスの持続時間は、約1nsから約0.5s、約10nsから約100ns、約20nsから約100ns、約30nsから約100ns、約40nsから約100ns、約50nsから約100ns、約60nsから約100ns、約70nsから約100ns、約80nsから約100ns、約90nsから約100ns、約10nsから約20ns、約20nsから約30ns、約30nsから約40ns、約40nsから約50ns、約50nsから約60ns、約60nsから約70ns、約70nsから約80ns、約80nsから約90ns、約90nsから約100ns、約100nsから約900ns、約200nsから約800ns、約300nsから約700ns、約400nsから約600ns、約100nsから約1000ns、約200nsから約1000ns、約300nsから約1000ns、約400nsから約1000ns、約500nsから約1000ns、約600nsから約1000ns、約700nsから約1000ns、約800nsから約1000ns、約900nsから約1000ns、約100μsから約200μs、約200μsから約300μs、約300μsから約400μs、約400μsから約500μs、約500μsから約600μs、約600μsから約700μs、約700μsから約800μs、約800μsから約900μs、約900μsから約1000μs、約100μsから約1000μs、約200μsから約1000μs、約300μsから約1000μs、約400μsから約1000μs、約500μsから約1000μs、約600μsから約1000μs、約700μsから約1000μs、約800μsから約1000μs、約900μsから約1000μs、約100msから約200ms、約200msから約300ms、約300msから約400ms、約400msから約500ms、約100msから約500ms、約200msから約500ms、約300msから約500ms、約400msから約500msから選択できる。
【0066】
図7Aは、電圧対時間図における開示される方法の活性化信号の一例である。上記活性化信号は、変調信号(31)によって変調されるパルス搬送波信号(30)を含む。変調信号(31)は、(i)電圧0から始まりVまでの正の傾きランプによって描画される第1の区分、(ii)変調信号(31)がVに等しい電圧に搬送波信号(30)を制限する、時間t1からt2までの第2の区分、および最後に(iii)t2に電圧Vで始まりt3に電圧0に降下する電圧の指数関数的低下を描画する、時間t2からt3までの第3の区分を有する、時間t0からt3までの、3つの区分の区分信号である。
【0067】
この例では、搬送波信号(30)は、t0とt3との間に適時に分散される一連のパルスである。
【0068】
図7Bに見て取れるように、搬送波信号(30)のパルスの詳細が瞬間t=t1に図示される。パルスは、Vに等しい電圧振幅およびt
x2引くt
x1に等しいパルス持続時間(7)を有する。このパルス持続時間(7)は1nsと0.5sとの間である。一般に、一連のパルスは少なくとも1つのパルスを有し、そして上記一連のパルスは周期的または非周期的であることができる。
【0069】
磁場によって発生されるジャークに言及するときに、磁場変換器のヒステリシスが考慮されなければならないことが理解されるべきである。典型的に、磁場変換器は電場変換器より大きなヒステリシスを有する。
【0070】
この理由で、ジャーク発生磁場で組織を刺激するために、例えば、磁場変換器の動作周波数に従って活性化信号周波数が使用される。開示される方法の一例では、1Hz(ヘルツ)と3MHz(メガヘルツ)との間に、および任意選択で1Hz(ヘルツ)と500kHz(キロヘルツ)との間に及ぶ周波数ならびに1nsから0.5sのパルス持続時間を使用する磁場変換器によりジャーク組織刺激を得ることが可能である。別の特定例では、周波数が1Hz(ヘルツ)と5kHz(キロヘルツ)との間で決定される磁場変換器によりジャーク組織刺激が得られる。
【0071】
図2は、開示される方法の一例における電磁変換器(静電絶縁変換器)の配列の活性化信号を図示しており、上記活性化信号(8)は以下の6つの区分を含む:
- t0からt1までの第1の区分は、初期電圧Viから最終電圧Vfまで増加するランプ型関数であり、Viは0ボルトでVfはVボルトである;
- t1からt2までの第2の区分は、定電圧関数Vであり、例えば、VはVボルトに等しい;
- t2からt3までの第3の区分は、初期電圧Viから最終電圧Vfまで降下ランプ型関数であり、ViはVボルトに等しくVfは0ボルトに等しい;
- t3からt4までの第4の区分は、初期電圧Viから端電圧Vfまで降下ランプ型関数であり、Viは0ボルトに等しくVfは-Vボルトに等しい;
- t4からt5までの第5の区分は、定電圧関数であり、Vは-Vボルトに等しい;および
- t5からt6までの第6の区分は、初期電圧Viから最終電圧Vfまで増加するランプ型関数であり、Viは-VボルトでVfは0ボルトである。
【0072】
例における変数の各々がとることができる値の範囲が以下に掲載される。
【0073】
【0074】
上記活性化信号(8)から始まり、時間間隔を修正することによって種々の信号形状、例えば、交流もしくは直流信号、パルス信号、デューティサイクル変動を伴う方形波信号、鋸歯状波信号、区分信号、またはその組合せ、が得られる。
【0075】
「t」の値は活性化信号(8)の周期に相当し、上記周期は1nsと0.5sとの間である。
【0076】
代替的に、活性化信号は、組織温度に基づいて、または組織インピーダンス応答フィードバック、もしくは温度フィードバックおよび組織インピーダンス応答の組合せと共に変化する。フィードバックを使用することで、活性化信号を制御して、したがって過刺激することまたは組織刺激を加速することによる組織損傷を防止することを可能にする。例えば、以上は、組織温度に反比例する活性化信号の電圧振幅を増加させるか減少させるかによって可能である。
【0077】
また、ステップ(100)で、活性化信号の逐次導関数を上記信号の三次導関数まで作り、信号の或る点に少なくとも1つの単位三重項が得られることによって、ジャークを発生させる活性化信号を検証することが可能である。これは、ジャークを発生させる変調信号のための特定例として以下に示される。
【0078】
続いて、ステップ(120)は、演算器によって電磁変換器の配列に活性化信号を印加することにあり、電磁変換器の配列は、演算器による電磁変換器への活性化信号の印加に応じて組織を機械的に刺激するジャーク発生電磁場を生成する。
【0079】
図11は、本開示の信号の変調を含む電磁変換器の配列を使用して組織を刺激するための方法であって、(101)a)信号発生器によって一連のパルスを持つ搬送波信号を発生させるステップと、(102)b)信号発生器によってジャークを発生させる変調信号を発生させるステップと、(103)c)ジャークを発生させる変調信号で搬送波信号を変調した活性化信号を発生させるステップと、(120)d)演算器によって電磁変換器の配列に活性化信号を印加するステップとを含み、電磁変換器の配列が、活性化信号の印加に応じて組織を機械的に刺激するジャーク発生電磁場を生成する、方法のフローチャートの一例を示す。
【0080】
図11および
図3を参照すると、開示される方法の1つの実施形態において、ステップ(100)は、(101)a)演算器によって一連のパルスを持つ搬送波信号(30)を発生させるサブステップと、(102)b)演算器によってジャークを発生させる波形を有する変調信号(31)を発生させるサブステップと、(103)c)演算器によってジャークを発生させる波形を有する変調信号で搬送波信号(30)を変調することによって活性化信号を発生させるサブステップとを有する。このように、電圧振幅、位相、パルス持続時間、デューティサイクルまたはパルス位置などの活性化信号のパラメータの1つまたは複数を修正することによって組織を刺激することが可能である。
【0081】
サブステップ(101)で、演算器によって一連のパルスを持つ搬送波信号(30)を発生させることから成り、上記搬送波信号(30)は、関心組織を刺激するために使用され、また本開示の一例では、演算器によって発生できる。
【0082】
代替的に、搬送波信号(30)は交互または非交互パルスの信号から選択される、すなわち搬送波信号(30)はその極性を交互に変化させることができ、したがって電磁変換器の配列の電磁変換器を活性化して、所与の時間で電磁場ベクトルを変化させる電磁場を発生させる。
【0083】
開示される方法の一例では、交互または非交互パルスの搬送波信号(30)は一連のパルスによって形成される。一例では、サブステップ(101)で、一連のパルスは、1Hz(ヘルツ)と3MHz(メガヘルツ)との間の決定された周波数を有する。上記決定された周波数はユーザによって選択されてよいが、しかし演算器においてもプログラムできる。任意選択で、一連のパルスは、1Hzと3MHzとの間の決定された周波数を有しており、組織(3)刺激のために1Hzと500kHzとの間の周波数範囲を使用することも可能である。
【0084】
開示される方法の別の例では、サブステップ(101)で、搬送波信号(30)は、持続時間が1nsと0.5sとの間の少なくとも1つのパルスを有する一連のパルス関数によって形成される。
【0085】
次いで、演算器によってジャークを発生させる波形を持つ変調信号(31)を発生させるサブステップ(102)で、上記変調信号(31)は、関心組織を刺激するために使用される。上記変調信号(31)は、本開示の一例に見られるように、演算器(21)または信号発生器によって発生され得る。
【0086】
変調信号(31)は、交流もしくは直流信号、パルス信号、デューティサイクル変動を伴う方形波信号、鋸歯状波信号、区分信号、またはその組合せ間で選択される。開示される方法の一例では、変調信号(31)は、デューティサイクル変動を伴う区分関数によって描画される波信号である。
【0087】
1つの実施形態において、開示される方法のサブステップ(102)で、ジャークを発生させる変調信号(31)は0.1Hzと5kHzとの間の周波数を有し、そしてサブステップ(b)の別の実施形態において、変調信号(31)は0.1Hzと10Hzとの間の周波数を有する。
【0088】
開示される方法の一例では、サブステップ(a)で、搬送波信号(30)は-20kVと20kVとの間の電圧振幅を有し、サブステップ(b)で、変調信号(31)は-20kVと20kVとの間の電圧振幅を有する。
【0089】
上記電圧振幅の範囲を使用して、変換器の作用面が組織(3)外表面と接触しているときに2V/cmと5V/cmとの間の組織(3)内の電場の強度を得ることが可能である。
【0090】
他方で、電場変換器が組織(3)外表面から規定の距離であれば、電場強さの値は、組織(3)外表面から0.01cmと50cmとの間の、および任意選択で組織(3)外表面から0.01cmと4cmとの間の距離に対して330V/cmと20kV/cmとの間である。上記は、組織内の電場の強度が2V/cmと5V/cmとの間であることを保証しようとするものである。
【0091】
他方で、組織刺激が、-20kVと20kVとの間の電圧振幅を有する活性化信号により、磁場変換器で行われれば、1および2000ガウス間に見られる磁場強さを得ることが可能である。
【0092】
開示される方法の一例では、80Vの最大電圧が27cmの電極間距離で電磁変換器の配列の電場変換器に印加される活性化信号が使用される。これは、組織(3)を刺激するために3V/cmと5V/cmとの間の電場の強度を得ることを可能にする。
【0093】
その上、開示される方法の別の特定例では、電極間距離が40cmであるときに活性化信号に対して120Vで動作することが可能である。上記電圧は、組織(3)外表面から分離された電極に印加される。
【0094】
搬送波信号(30)は、変調信号(31)の周波数より少なくとも1周波数次数(order of frequency)高い周波数を有する。しかしながら、関心組織(3)の刺激は、たとえこれが該当しなくても、例えば、搬送波信号(30)の周波数が変調信号(31)の周波数の5倍である場合も、達成され得る。特定例では、搬送波信号(30)の周波数は変調信号(31)の周波数の10倍である。
【0095】
続いて、開示される方法のサブステップ(103)は、サブステップ(102)のジャークを発生させる変調信号(31)で搬送波信号(30)を変調することによる活性化信号の発生を伴う。
【0096】
図3、
図4および
図5は、電磁刺激のための被変調信号の一例を図示する。電圧(v(t))は、適時(t)に変動する電磁変換器の配列(1)の端子間の差分電位である。
【0097】
特に、この例での活性化信号は、7秒の周期を持つ信号であり、かつジャークを発生させる変調信号(31)および搬送波信号(30)を含み、上記変調信号(31)は、7つの区分を備える区分関数によって描画される。
【0098】
被変調信号の各区分は、1秒の持続時間および以下に示されるように区分ごとに関数に従う変調信号(31)の各区分に対する特定の波形を有する:
- 第1の区分は、時刻t0から1の式v(t)S01イコール(V)(t)によって描画されるランプ関数に相当する;
- 第2の区分は、時刻t1から2の式v(t)S12イコール(V)によって描画されるステップ関数に相当する;
- 第3の区分は、時刻t2から3の式v(t)S23イコール-V(t-3)2によって描画される放物線関数に相当する;
- 第4の区分は、時刻t3から4の式v(t)S34イコール-V(t-3)によって描画されるランプ関数に相当する;
- 第5の区分は、時刻t4から5の式v(t)S45イコール2V(t-4.5)によって描画されるランプ関数に相当する;
- 第6の区分は、時刻t5から6の式v(t)S56イコール-Vによって描画されるステップ関数に相当する;および
- 第7の区分は、時刻t6から7の式v(t)S67イコール-V(t-7)によって描画されるランプ関数に相当する。
【0099】
搬送波信号(30)は、1Hzと3MHzとの間の周波数範囲で固定または可変でよい周期を持つ一連の交互パルスを有し、搬送波信号(30)のパルスの各々の電圧振幅は-VとVとの間で変調信号(31)によって制限され、Vは-20kVと20kVとの間の電圧振幅の任意の値をとることができる。
【0100】
例えば、変調信号(31)の電圧振幅は-10kVと10kVとの間、または別の例では、-3kVと7kVとの間でよい。すなわち、組織から或る距離隔てられた電磁変換器で電磁刺激を印加する。例えば、静電場の変換器が組織から20cmの距離だけ隔てられる。
【0101】
別の例では、サブステップ(102)で、変調信号(31)は-20kVと20kVとの間の電圧振幅を有する。
【0102】
サブステップ(101)で、搬送波信号(30)は、変調信号(31)の周波数より少なくとも1周波数次数(frequency order)高い周波数を有する。例えば、変調信号(31)は1/7Hz(ほぼ0.1428Hz)の周波数を有し、そして搬送波信号(30)の周波数は2Hzから3kHzまでの間である。
【0103】
図6に図示されるように、変調信号(31)は、三次導関数まで逐次導関数を作るときに、少なくとも1つの単位三重項(32)を有する関数が得られるような波形を有する。この意味で、変調信号(31)の3つの逐次導関数を作り、単位三重項(32)を得ることによってジャーク効果の検証を実施することが可能である。
【0104】
開示される方法の別の実施形態において、活性化信号が電磁変換器に印加されると、組織は、同じ電磁変換器を使用して任意選択で測定されるそのパラメータの変動で応答する。刺激された組織のこの測定値はフィードバックとして作用し、かつサブステップ101で搬送波信号(30)の周波数およびパルス持続時間の他に、サブステップ102で変調信号(31)の波形などの特徴を動的に変化させることを可能にする。
【0105】
図4、
図5および
図6は、変調信号(31)の逐次導関数を描画する。特に、
図4は、
図3の被変調信号の一次導関数を図示する。上記変調信号(31)を微分することによって信号が区分されて得られ、次の通り7つの区分を含む:
- 第1の区分は、時刻tイコール0から時刻tイコール1の式
【数1】
によって描画されるステップ関数に相当する;
- 第2の区分は、時刻tイコール1から時刻tイコール2の定数値イコール0に相当する;
- 第3の区分は、時刻tイコール2から時刻tイコール3の式
【数2】
によって描画されるランプ関数に相当する;
- 第4の区分は、時刻tイコール3から時刻tイコール4の定数値イコール-Vに相当する;
- 第5の区分は、時刻tイコール4から時刻tイコール5の定数値イコール2Vに相当し、追加的に導関数はtイコール5で負のインパルスを有する;
- 第6の区分は、時刻tイコール5から時刻tイコール6の定数値イコール0に相当し、追加的に導関数はtイコール6で正のインパルスを有する;および
- 第7の区分は、時刻tイコール6から時刻tイコール7の定数値イコール-Vに相当する。
【0106】
ステップA)のサブステップb)で、変調信号(31)は、交流もしくは直流信号、パルス信号、デューティサイクル変動を伴う方形波信号、鋸歯状波信号、区分信号、またはその組合せから選択され、そして任意選択で、ステップA)のサブステップb)で、変調信号(31)の変調は、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相変調(PM)、パルス幅変調(PWM)、パルス位置変調(PPM)またはその組合せ間で選択される。
【0107】
図5は、下記されるように
図3の変調信号(31)の二次導関数である:
- 第1の区分は、時刻tイコール0から時刻tイコール1の定数値イコール0およびtイコール1で負のパルスに相当する;
- 第2の区分は、時刻tイコール1から時刻tイコール2の定数値イコール0およびtイコール2で負のパルスに相当する;
- 第3の区分は、時刻tイコール2から時刻tイコール3の定数値イコール-2Vおよびtイコール3で負のパルスに相当する;
- 第4の区分は、時刻tイコール3から時刻tイコール4の定数値イコール0およびtイコール4で正のパルスに相当する;
- 第5の区分は、時刻tイコール4から時刻tイコール5の定数値イコール0およびtイコール5で負の単位二重項に相当する;
- 第6の区分は、時刻tイコール5から時刻tイコール6の定数値イコール0およびtイコール6で正の単位二重項に相当する;ならびに
- 第7の区分は、時刻tイコール6から時刻tイコール7の定数値イコール0およびtイコール7で正のパルスに相当する。
【0108】
図6は、
図3の例の変調信号(31)の三次導関数である。この図は以下の区分を有する:
- 第1の区分は、時刻tイコール0から時刻tイコール1の定数値イコール0およびtイコール1で負の単位二重項に相当する;
- 第2の区分は、時刻tイコール1から時刻tイコール2の定数値イコール0およびtイコール2で負の単位二重項に相当する;
- 第3の区分は、時刻tイコール2から時刻tイコール3の定数値イコール0、tイコール3で負のパルスおよび別の正のパルスに相当する;
- 第4の区分は、時刻tイコール3から時刻tイコール4の定数値イコール0およびtイコール4で正の単位二重項に相当する;
- 第5の区分は、時刻tイコール4から時刻tイコール5の定数値イコール0およびtイコール5で負の単位三重項に相当する;
- 第6の区分は、時刻tイコール5から時刻tイコール6の定数値イコール0およびtイコール6で正の単位三重項に相当する;ならびに
- 第7の区分は、時刻tイコール6から時刻tイコール7の定数値イコール0およびtイコール7で正の単位二重項に相当する。
【0109】
単位三重項が理論上はインパルス関数の二次導関数であり、本開示の目的でジャークの数学的表現であり、かつそれは電磁、静電、電場または磁場のベクトルの加速度の変化または変動率に相当することが理解されるはずである。
【0110】
以下は、
図3、
図4および
図5に例示される関数結果の概要の表である。
【0111】
【0112】
最後に、開示される方法の一例では、ステップ(120)は、演算器(21)によって電磁変換器の配列(1)に活性化信号を印加することにある。この活性化信号は、周期ごとに少なくとも1つのジャークを伴う波形を有し、これにより組織(3)が組織(3)に印加される電磁場の破壊的変化により刺激されるのを可能にする。
【0113】
別の実施形態において、開示される方法は、AA)一連のパルスであって、持続時間が1ns(ナノ秒)と0.5s(秒)との間の、電圧が-20kV(キロボルト)と20kV(キロボルト)との間の、かつ周波数が1Hz(ヘルツ)と3MHz(メガヘルツ)との間の、各パルスを持つ搬送波信号(30)を発生させるステップと、BB)発生される電磁場による組織細胞の加速度の変化であるジャークを生成する変調信号(31)であって、電圧が-20kV(キロボルト)と20kV(キロボルト)との間の、かつ周波数が0.1Hz(ヘルツ)と5kHz(キロヘルツ)との間の、変調信号(31)を発生させるステップと、CC)ジャークを生成する変調信号(31)で搬送波信号(30)を変調した活性化信号を発生させるステップと、DD)電磁変換器の配列(1)に活性化信号を印加するステップとを含み、発生された電磁場が、演算器(21)による電磁変換器への活性化信号の印加に応じて、組織を機械的に刺激する。
【0114】
代替的に、演算器(21)と、演算器(21)に接続される外部電源(22)と、外部電源(22)に接続される減結合回路(23)と、演算器(21)に接続される電磁変換器の配列(1)とを備える、電磁場で組織を刺激するための装置(11)の実施形態において、電磁変換器の配列(1)が機能的に組織(3)上方に設置され、演算器(21)が、A)演算器(21)によって電磁場ジャークを発生させる波形を有する活性化信号を発生させ、B)演算器(21)によって電磁変換器の配列(1)に活性化信号を印加するように構成され、電磁変換器の配列(1)が、活性化信号の印加に応じて組織(3)を機械的に刺激するジャーク発生電磁場を生成する。
【0115】
別の実施形態において、実装された方法のステップA)の間、a)演算器によって一連のパルスを持つ搬送波信号を発生させるサブステップと、b)演算器によってジャークを発生させる波形を有する変調信号を発生させるサブステップと、c)演算器によってジャークを発生させる波形を有する変調信号を使用して搬送波信号を変調することによって活性化信号を発生させるサブステップとが実行される。
【0116】
代替的に、電磁場で組織を刺激するための装置(11)の実施形態において、装置(11)が、演算器(21)と、演算器(21)に接続される外部電源(22)と、外部電源(22)にかつ演算器(21)に接続される減結合回路(23)と、演算器(21)に接続される電磁変換器の配列(1)とを備え、配列が機能的に組織(3)上方に設置され、演算器(21)が、AA)演算器(21)によって一連のパルスを持つ搬送波信号(30)を発生させ、BB)演算器(21)によってジャークを生成する変調信号(31)を発生させ、CC)演算器(21)によってジャークを生成する変調信号(31)を使用して搬送波信号(30)を変調することによって活性化信号を発生させ、DD)演算器(21)によって電磁変換器の配列(1)に活性化信号を印加するように構成され、電磁変換器の配列(1)が、活性化信号の印加に応じて組織を機械的に刺激するジャーク発生電磁場を生成する。
【0117】
任意選択で、電磁場で組織を刺激するための装置(11)の実施形態において、電磁変換器の配列(1)が演算器(21)に接続され、したがって演算器(21)が電磁変換器の配列(1)に印加される活性化信号を直接管理するのを可能にする。
【0118】
電磁場で組織を刺激するための装置(11)は、材料の粒径を減少させるために使用できる。
【0119】
深部組織黒色腫がある個人に適用される本開示の方法および装置の使用の例:
国際出願番号PCT/IB2019/051007に記載されている、電場および磁場の周波数走査を使用した組織刺激方法ならびに国際出願番号PCT/IB2019/051005に記載されている、応用となる電場および磁場の空間走査を使用した組織刺激方法と併せて、以下の組織刺激が実施された。
【0120】
以下の初期所見を有する個人に組織刺激が行われた:
【0121】
2つの深部組織黒色腫の各々が各個人の前腕に位置し、更に3つの深部組織黒色腫が胸部の腹面に位置し、黒色腫は2cmの底面直径の直円錐形状を有する。
【0122】
上記個人の上記深部組織黒色腫を刺激するための手順は以下であった:
【0123】
深部組織黒色腫位置の周りに10個の電磁変換器の配列が設置され、次いで演算器によって、一連のパルスが15.75kHzの固定周波数と共に0.8%のデューティサイクルおよび400Vpp(ピーク間電圧)の電圧を有する搬送波信号が発生され、次いで周波数変動が150Hzと350Hzとの間で50%のデューティサイクルおよび400Vppの電圧の変調方形波信号が発生された。上記方形波信号が発生された後、変調信号が搬送波信号と共に変調されて活性化信号を得、次に演算器によって活性化信号が電磁変換器の配列に印加され、こうして活性化信号の印加に応じて組織を機械的に刺激する。
【0124】
国際出願番号PCT/IB2019/051007に記載されている方法と併せて、下記の組織刺激が実施された。そのため、以下に提供される結果はこれらの2つの方法の組合せの結果である。
【0125】
個人が6時間の間上記の刺激を受け、最終的に深部組織黒色腫の大きさのおよそ50%の減少を達成したことが個人において観察された。
【0126】
開示された装置により本開示の方法を使用した材料粒径減少の例:
商用の顆粒国産コーンスターチ(Maizena)Unilever Andina Colombia Ltda.、Cali、Colombiaが地域取引で取得された。10グラムの国産コーンスターチサンプルが計量された。国産コーンスターチ国内規制の粒径(https://www.icbf.gov.co/sites/default/files/ftp_-_fecula_de_maiz_-_150224.pdfで入手可能)ならびに金網試験用ふるい布および試験用ふるいのための標準仕様ASTM e11-09(http://sieve.advantechmfg.com/Asset/ASTM%20E%2011-13%20Standards%20Table.pdfで入手可能)を概説するためにUS Tyler No.60およびNo.80ふるいが使用されているので、国産コーンスターチサンプルの最大粒径は、NTC926(https://tienda.icontec.org/wp-content/uploads/pdfs/NTC926.pdfで入手可能)によりほぼ308μmであると予想される。
【0127】
国産コーンスターチサンプルの周りに、2cm×2cmに達する一対の正方形状平行平板電極が設置され、両平行平板がサンプルから5cmの距離に設けられ、次いで演算器によって、一連のパルスが6kHzの固定周波数と共に30%のデューティサイクルおよび4kVpp(ピーク間電圧キロボルト)の電圧を有する搬送波信号が発生され、次いで固定周波数が25Hzで50%のデューティサイクルおよび4kVppの電圧の変調方形波信号が発生された。上記方形波信号が発生された後、変調信号が搬送波信号と共に変調されて活性化信号を得、次に演算器によって活性化信号が電磁変換器の配列に印加され、こうして活性化信号の印加に応じて国産コーンスターチサンプルの粒径を機械的に減少させる。
【0128】
記載された電気刺激をサンプルに印加した後、より微細な粒径が得られた。
【0129】
定義および頭字語
AM: 振幅変調(Amplitude Modulation)
AMOLED: アクティブマトリクス式有機発光ダイオード(Active Matrix Organic Light Emitting Diode)
ASIC: 特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits)
CPLD: 複合プログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Devices)
DSC: デジタル信号コントローラ(Digital Signal Controllers)
EEG: 脳波(Electroencephalogram)
EMF: 電磁場(Electromagnetic Fields)
FM: 周波数変調(Frequency Modulation)
FPGA: フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Arrays)
HID: ヒューマンインタフェースデバイス(Human Interface Device)
LCD: 液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)
LED: 発光ダイオード(Light Emitting Diode)
OLED: 有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)
PEMF: パルス化電磁場(Pulsed Electromagnetic Fields)
PM: 位相変調(Phase Modulation)
PPM: パルス位置変調(Pulse Position Modulation)
PSoC: プログラマブルシステムオンチップ(Programmable Systems on Chip)
PWM: パルス幅変調(Pulse Width Modulation)
QD: 量子ディスプレイ(Quantum Display)
SoC: システムオンチップ(Systems on Chip)
【0130】
本開示は、記載および例示された実施形態に限定されない。以下の請求項によってのみ定められる、本開示の趣旨から逸脱しない変形および可能な変更があることは当業者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0131】
1 電磁変換器の配列
1a 変換器
1a’ 変換器
2 容量
3 組織
7 パルス持続時間
8 活性化信号
9 平行平板電極
10 材料
11 組織刺激装置
12 壊死組織
15 粒子状物質
17 誘電材料
18 リンパ管
21 演算器
22 外部電源
23 減結合回路
30 搬送波信号
31 変調信号
32 単位三重項