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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】液体を分配するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20241111BHJP
【FI】
B67D3/00 K
B67D3/00 J
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021505901
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2020060344
(87)【国際公開番号】W WO2020208241
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】19305475.6
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521042828
【氏名又は名称】ソシエテ アノニム デ オー ミネラル デビアン エ アン アブレジェ “エス.アー.ウー.エム.ウー.”
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タンシェット,ジャン-バティスト
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/212659(WO,A1)
【文献】特表2016-504245(JP,A)
【文献】米国特許第05431205(US,A)
【文献】特開2019-006404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(40)をユーザに分配するためのシステムであって、
基準容器容積を有し、かつ
底部分(11)と、
前記底部分(11)に隣接する側面部分(12)と、
前記側面部分(12)に隣接する肩部分(13)と、を有する壁を備え、大気圧に暴露されている、容器(10)と、
前記容器(10)内の液体(40)と、
前記容器(10)を受容および保持するように配設されたディスペンサ(30)と、
を備え、
前記底部分(11)および前記肩部分(13)が類似する雄型形状を有し、
前記ディスペンサ(30)が、前記容器(10)を安定的に保持するために、前記底部分(11)または前記肩部分(13)のいずれかと嵌合するように配設された雌型形状を有する受容部分(31)を備え
前記容器(10)の壁は、リッジ、リブ、または溝を含まず、
前記システムは、
前記ユーザによって作動される、前記ディスペンサ(30)に配設された制御ユニット(32)と、
前記容器(10)に接続され、かつ前記容器(10)からの液体(40)の流れを選択的に放出または停止させるために前記制御ユニット(32)に接続された、弁(20)と、
を備え、
前記液体(40)の少なくとも一部を放出した時点で、大気圧に暴露されている前記容器(10)は、容器容積が減少して、前記容器から排出された液体容量の少なくとも80%を補償するように変形可能であり、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記弁(20)が、前記容器(10)からの前記液体(40)の流れを放出し、
前記液体(40)の少なくとも別の一部を放出した時点で、前記弁(20)が、大気圧に暴露されている前記容器(10)からの前記液体(40)の流れを放出し、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記容器(10)の中へのガスの流れを可能にする、
システム。
【請求項2】
前記底部分(11)および前記肩部分(13)が、半球形状を呈する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記受容部分(31)は、前記容器(10)が分配位置で保持されるときに首部を受容するためのウエル(37)を形成する、中空部分(37)を備える、請求項1または2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記側面部分(12)が、直線部分を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記側面部分(12)が、円筒状である、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記容器(10)が、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作製される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記容器(10)が、5.27g/L~9.33g/Lのその重量とその基準容積との比を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記基準容器容積が、少なくとも3.0Lである、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記容器(10)が、ブロー成形された容器(10)である、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記容器(10)が、変形可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記液体(40)が、飲料である、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1~11いずれか一項に記載のシステムのための容器(10)。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載のシステムのためのディスペンサ(30)。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムによって液体をユーザに分配するプロセスであって、
前記容器を安定した直立位置で保持するために、液体を充填した前記容器の前記底部分を前記受容部分に位置決めするステップと、
前記容器に取り付けられた封止を取り外すステップと、
常閉弁を前記容器に取り付けるステップと、
前記容器を安定した倒立位置で保持するために、前記容器の前記肩部分を前記受容部分に位置決めするように前記容器を戻し、一方で、前記弁を前記ディスペンサの制御ユニットに結合させるステップと、
前記弁を開くために、前記制御ユニットを動作させて、前記ユーザに液体を分配するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記容器を安定した直立位置で保持するために、前記容器の前記底部分を前記受容部分に位置決めするステップと、
前記容器に取り付けられた封止を取り外すステップと、
常閉弁を前記容器に取り付けるステップと、
容器を安定した倒立位置で保持するために、前記容器の前記肩部分を前記受容部分に位置決めするように前記容器を戻し、一方で、前記弁を前記受容部分の中空部分の中へ位置付けるステップと、
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を充填した容器を受容するように配設されたディスペンサを備える、液体を分配するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許出願文書WO2010/07744は、容器およびディスペンサを備える水分配システムを記載している。そのような既知のシステムでは、ユーザは、液体を満たした変形可能な容器を取り扱い、容器の首部分をディスペンサの受容部分に取り付けるように、その容器を倒立位置に取り付けなければならない。しかしながら、特に容器の容積が大きい(典型的には約5リットル)場合、そのような取り扱いは困難である。ユーザが、加えて、取り付ける前に封止またはキャップを取り外す場合は、取り扱いがさらに困難であり、容器の変形性のため、封止またはキャップを取り出すときに液体が流出するリスクが存在する。
【0003】
特許出願文書US5431205A、US2015/0298957A1、EP1645523A2、US5647416Aは、ボトルまたは容器と、ディスペンサとを備えるシステムを開示している。しかしながら、これらの特許文献によって開示されているシステムのいずれも、ボトルまたは容器を取り扱うときの向上した使い易さを提供するためのいかなる解決策も提案していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の上述した欠点に対処すること、および特に容器に液体が充填されているときに向上した容器の取り扱いを伴う液体をユーザに分配するためのシステムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的において、本発明の第1の態様は、液体をユーザに分配するためのシステムであり、該システムは、
-基準容器容積を有し、かつ
・底部分と、
・底部分に隣接する側面部分と、
・側面部分に隣接する肩部分と、を有する壁を備える、容器と、
-容器内の液体と、
-容器を受容および保持するように配設されたディスペンサと、を備え、
-底部分および肩部分が、類似する雄型形状を有することと、
-ディスペンサが、容器を安定的に保持するために、底部分または肩部分のいずれかと嵌合するように配設された雌型形状を有する受容部分を備えることと、特徴とする。容器は、底部分の形状に類似する形状を有する肩部分を備え、よって、ディスペンサの受容部分は、直立位置で、同じ様式で分配(倒立)位置で、容器を受容するように設計される。換言すれば、受容部分によって提供される結合または嵌合(相互貫入)は、底部分または肩部分と同じである。その結果、ユーザは、安定的な様式で、液体を充填した容器をディスペンサの受容部分に直立位置で配置することができる。次いで、ユーザは、随意に、容器から封止、キャップ、保護カバーを取り外し、ユーザは、適切に容器を再度把握し、再度把持し、または再度掴んで、容器を分配位置で再度受容部分に配置することができる。ユーザは、容器を両方の位置(直立または倒立)に同様に配置することができるので、使い易さが向上する。ユーザは、例えば、封止を取り外すときに容器の首部を保持し、変形させることなく容器を保持し、そして随意に、首部を保持している間、および変形させることなく容器を保持している間に、弁を配置することができる。
【0006】
有利には、受容部分によって提供される結合または嵌合(相互貫入)は、底部分または肩部分に限定される。側面部分と受容部分の間には、いかなる相互作用も存在しない。したがって、受容部分の高さを底部分または受容部分の高さに制限することができる。
【0007】
有利には、縦方向断面平面において、底部分が底部湾曲BCを呈し、肩部分が肩部湾曲SCを呈し、BC=SC±20%である。
【0008】
有利には、底部分および肩部分は、縦方向断面平面において、変曲点を含まない湾曲を呈する。換言すれば、側面部分から首部分まで(底部分および肩部分と断面平面との)交差曲線は凹状にから凸状に、またはその逆にも変化しない。
【0009】
有利には、側面部分は、外部直径EDを呈し、底部分は縦方向断面平面において底部湾曲BC(半径)を呈し、BC=ED/2±30%である。
【0010】
上の実施形態によれば、底部湾曲BCの半径は、一定であるか、または一定でない場合があるが、任意の点で、それは、上述した関係を満たし、よって、相当な湾曲を呈し、容器を平坦面の上で安定位置に静置することを不可能にする。
【0011】
有利には、底部分および肩部分は半球形状を呈する。この種類の形状は、特にブロー成形プロセスでの製造が容易であり、容器の圧力が、適切に受容部分に分散される。
【0012】
有利には、受容部分は、ディスペンサから取り外し可能である。これは、異なる種類/形状の容器を受容する能力を提供するために、受容部分を交換することを可能にする。
【0013】
有利には、システムは、異なる種類/形状の容器の取り付けを可能にするために、いくつかの異なる受容部分を備える。
【0014】
有利には、システムは、ディスペンサに取り付けられる受容部分の種類/形状を認識するように配設された、形状認識手段を備える。この実施形態は、システムの動作を受容部分/容器の種類/形状に適合させることを可能にする。
【0015】
有利には、受容部分は、少なくとも1つの滑り止め一部分、例えば、ゴム(天然ゴム、エチレンプロピレンジエンメチレンゴムなどの合成ゴム)などの高摩擦材料で作製された少なくとも1つのインサート、または、例えば、ユーザがキャップまたは弁を容器に対してねじ込む/ねじ抜きする場合であっても摺動/滑りを防止するように、高い褶曲性または粗さを有する部分を備える。
【0016】
有利には、受容部分は、容器が分配位置で保持されるときに首部を受容するためのウエルを形成する、中空部分を備える。受容部分に提供された中空部分は、容器が分配位置にあるときに首部分を受容し、よって、任意の干渉が回避される。典型的には、中空部分は、容器を直立位置で保持することが影響を受けないように、受容部分の中央下側部分に位置付けられる。
【0017】
有利には、側面部分は、直線部分を備える。
【0018】
有利には、側面部分は、円筒状、好ましくは円柱状である。
【0019】
有利には、容器の壁は、リッジ、リブ、または溝を含まない。この実施形態によれば、容器は、液体を分配する間であってもその変形または潰れが促進されるように、滑らかな壁を有する。
【0020】
有利には、容器は、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作製され、好ましくは少なくとも部分的にリサイクルされる。
【0021】
有利には、容器は、5.27g/L~9.33g/L、好ましくは5.27g/L~7.33g/L、好ましくは5.80g/L~7.00g/Lの、その重量とその基準容積との比を有する。そのような軽量の容器は、分配位置で受容部分に配置されているときに液体を分配する間であっても、向上した変形能力を有する。その結果、受容部分の逆形状が、容器に密接に嵌合して、容器が変形しないように、受容部分が容器を直立位置で保持することができるので、水を充填した容器の取り扱いが向上する。次いで、ユーザはさらに、封止キャップ(容器を開く)を取り外して、弁を取り付けることができる。安定した保持(容器が開いているときの直立位置で)は、容器からの水の漏れ、射出、容器からの流出のリスクを回避する。
【0022】
有利には、容器基準容積は、少なくとも3.0L、好ましくは少なくとも4.0L、好ましくは少なくとも5.0L、好ましくは最大で22.0L、および好ましくは最大で11.0Lである。そのような大きい容積は、水を充填したときに容器を重くし、受容部分によって提供される保持は、容器を再度把握すること、再度把持すること、再度掴むこと、またはその周囲に手を再位置決めすることを支援する。
【0023】
有利には、容器は、ブロー成形された容器、好ましくは射出ブロー成形された容器である。
【0024】
有利には、容器は、液体基準容量が充填され、封止されたときに、少なくとも5mmの変形に対して少なくとも10daNの頂部負荷抵抗、および/または少なくとも2.5mmの変形に対して少なくとも5daNの横方向負荷抵抗を呈する。
【0025】
有利には、本システムは、
-ユーザによって作動される、ディスペンサに配設された制御ユニットと、
-容器に接続され、かつ容器からの液体の流れを選択的に放出または停止させるために制御ユニットに接続された弁と、を備え、
-液体の少なくとも一部を放出した時点で、容器が変形可能であり、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出することと、
-液体の少なくとも別の一部を放出した時点で、弁が、容器からの液体の流れを放出し、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、容器の中へのガスの流れを可能にすることと、を特徴とする。
【0026】
上の実施形態によれば、弁は、2つの異なる動作モードを提供するように配設される。第1の動作モードでは、主に容器から液体を放出/排出する。この第1の動作モードでは、容器が変形して、液体の放出によって生じた容量の喪失を補償する(容器は、容器容積が減少するように変形して、容器から排出された液体容量の少なくとも80%、または90%、または99%、または好ましくは100%を補償する)。換言すれば、容器は、液体を排出している間、自動的に変形可能である。第2の動作モードでは、容器から液体を放出/排出し、容器の中へ空気を進入/流入させて容器から排出された液体容量の大部分を補償する)。この第2の動作モードでは、容器が変形して、液体の放出によって生じた容量の喪失を補償するが、容器容積の減少は、容器から排出された液体容量の50%未満、または30%未満、さらには20%未満であり、それによって、容器の中への空気の(相当な)進入/流入を生じさせ得る。容器変形の結果として、液体が完全に排出されたときに、容器は、潰れた状態であり、廃棄するために、および理想的に再利用するために、その空間/容積を低減させる。本発明によれば、空の容器の取り扱いは、より容易である。加えて、容器の変形は、ガス/空気の進入を制限し、よって、容器内の残存液体の汚染が制限されることに留意されたい。それによって、液体の鮮度が改善される。
【0027】
第1の動作モードまたは第2の動作モードは、少なくともカップまたはグラスを満たすために液体を排出する間、すなわち、容器から少なくとも0.125リットル、好ましくは少なくとも0.25リットル、およびより好ましくは少なくとも0.5リットルの液体容量を排出するために、連続的に動作させることに留意されたい。
【0028】
換言すれば、システムは、以下のように配設される。
-第1の動作モードの間、容器から少なくとも0.125リットル、好ましくは少なくとも0.25リットル、およびより好ましくは少なくとも0.5リットルの液体容量を排出するために、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器から液体の流れを放出し、容器容積が容器から排出された液体容量の少なくとも80%、または90%、または99%、より好ましくは100%減少するように容器が変形可能であるように、
-第2の動作モードの間、容器から少なくとも0.125リットル、好ましくは少なくとも0.25リットル、およびより好ましくは少なくとも0.5リットルの液体容量を排出するために、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器から液体の流れを放出し、容器が、容器から排出される液体容量の最大で50%、または30%、さらには20%変形可能であり、それによって、容器の中への空気の進入/流入を生じさせるように、構成される。
【0029】
典型的に、第1の動作モードと第2の動作モードとの間の移行は、液体基準容量の5%~66%、好ましくは20%~20%~40%、好ましくは10%~50%で構成される空気進入閾値の場合に生じる。
【0030】
システムは、アクティブポンプ手段を含まない場合があることに留意されたい。換言すれば、重力だけで容器から液体の放出を生じさせ、システムは、いかなるポンプも備えない。
【0031】
有利には、
・第1の分配段階の間、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出のみするように容器が変形可能であり、
・第2の分配段階の間、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出し、容器の中へのガスの流れを可能にする。
【0032】
有利には、
・第1の分配段階の間、内部容器液体圧力が、大気圧と平衡するように、大気圧の下で、容器壁が変形可能であり、
・第2の分配段階の間、内部容器液体圧力が、大気圧よりも小さくなるように、大気圧の下で、容器壁がほとんどまたは全く変形可能でない。
【0033】
有利には、弁は、容器に取り外し可能に結合されるように配設される。換言すれば、容器は、ユーザに送達されるときに、標準的なキャップまたは蓋によって封止されている。ユーザは、最初に、この封止を破壊し(キャップまたは蓋を取り外し)、次いで弁を容器に接続して、次いでこの組立体をディスペンサに取り付けなければならない。
【0034】
有利には、弁は、制御ユニットに取り外し可能に接続されるように配設される。
【0035】
有利には、液体は、飲料、好ましくは水、好ましくは静水である。
【0036】
有利には、受容部分は、容器を安定した分配位置で保持するために、肩部分と嵌合するように配設される。
【0037】
有利には、受容部分は、容器を安定した直立位置で保持するために、底部分と嵌合するように配設される。
【0038】
有利には、受容部分は、肩部分および/または底部分の形状に対する逆形状である形状を有する。
【0039】
有利には、システムは、ユーザまたは処理エンティティに少なくとも1つの情報または命令メッセージを表示または送信するように配設された、電子制御ユニットをさらに備える。好ましくは、電子制御ユニットは、ディスペンサ内に提供されるが、スマートフォンなどの電子ポータブル装置でも(部分的に)提供され得る。
【0040】
有利には、本システムは、液体量測定ユニットをさらに備える。
【0041】
有利には、液体量測定ユニットは、容器内の液体を計量するように配設され、かつ電子ユニットに接続された計量ユニットであり、電子ユニットは、計量ユニットで測定された容器重量に基づいて、情報または命令メッセージを表示または送信するように配設される。
【0042】
有利には、メッセージは、少なくとも1つの充填した容器を注文するためのリマインダ、または少なくとも1つの充填した容器の注文であり、液体量測定ユニットによって測定された液体内容量が液体閾値未満であるときに生成される。
【0043】
有利には、本システムは、
-電子ユニットに接続された時計と、
-容器存在センサと、を備え、
メッセージは、容器存在センサが容器の取り付けを検出するために、状態が変化したときに開始された期間が、鮮度時間閾値を超えたときの、容器を取り替えるためのリマインダ、または新しい充填された容器の注文である。上述した実施形態によれば、ユーザは、容器が長期間取り付けられた場合に、さらには容器が空でない場合であっても、容器に貯蔵された液体の鮮度に関して通知され、容器を取り替えるように促される。
【0044】
有利には、メッセージは、測定された容器重量が重量閾値未満になったときに開始した第2の期間が、容器内のガス時間閾値を超えたときの、容器を取り替えるためのリマインダである。上述した実施形態によれば、ユーザは、容器内の空気の存在に基づいて決定される、容器内に貯蔵された液体の鮮度に関して通知される。実際に、第1の動作モードでは、容器の中へのガスの進入はほとんどまたは全く存在しないので、汚染のリスクが低い。しかしながら、第2の動作モードでは、より多くのガスまたは空気が容器の中へ進入することが可能になり、よって、汚染または汚濁のリスクがあり得る。したがって、容器の取り替えは、第2の動作モードが生じたときに、より早期に送信される。
【0045】
有利には、少なくとも1つのメッセージは、液体消費の追跡を含む。ユーザは、例えば1日当たり十分に消費していることを確認するために、消費に関して通知される。
【0046】
有利には、本システムは、少なくとも1つの容器種類認識センサを備え、電子制御ユニットは、容器種類認識センサが許可された種類の容器を認識できない場合に、あらゆるメッセージの送信を阻止するように配設される。使用上の安全性が向上し、メッセージは、検出された容器の種類にも適合され得る。
【0047】
有利には、少なくとも1つの容器種類認識センサは、
-RFID受信機およびRFIDタグを備え、および/または
-コードリーダーを備え、および/または
-容器の特定の一部分によって作動されるように適合された、機械感知タッチを備える。
【0048】
本発明の第2の態様は、第1の態様によるシステムのための容器である。
【0049】
本発明の第3の態様は、第1の態様によるシステムのためのディスペンサである。
【0050】
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様のシステムによって液体をユーザに分配するプロセスであり、該プロセスは、
-容器を安定した直立位置で保持するために、液体を充填した容器の底部分を受容部分に位置決めするステップと、
-容器に取り付けられた封止を取り外すステップと、
-常閉弁を容器に取り付けるステップと、
-容器を安定した倒立位置で保持するために、容器の肩部分を受容部分に位置決めするように容器を戻し、一方で、弁をディスペンサの制御ユニットに結合させるステップと、
-弁を開くために、制御ユニットを動作させて液体をユーザに分配するステップと、を含む。ユーザは、容器が変形可能または高度に変形可能な場合であっても、直立位置および倒立位置において、受容部分が安定した位置決めを提供するので、水漏れのリスクを伴うことなく、容器を容易に取り扱うことができる。
【0051】
第5の本発明の態様は、本発明の第1の態様のシステムの使用であり、該使用は、
-容器を安定した直立位置で保持するために、容器の底部分を受容部分に位置決めするステップと、
-容器に取り付けられた封止を取り外すステップと、
-常閉弁を容器に取り付けるステップと、
-容器を安定した倒立位置で保持するために、容器の肩部分を受容部分に位置決めするように容器を戻し、一方で、弁を受容部分の中空部分の中へ位置付けるステップと、を含む。
【0052】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面によって示される、本発明の特定の非制限的な実施例の以下の詳細な説明からより明確に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明によるシステムのための容器を表す。
図2】本発明によるシステムのためのディスペンサを表す。
図3】流体が充填され、直立位置で図2ディスペンサに受容された図1の容器を備える本発明のシステム、および容器に接続するための弁を表す。
図4】弁が容器に結合された、図3のシステムを表す。
図5】弁が容器に結合され、分配位置または倒立位置であり、ディスペンサに接続された、図4のシステムを表す。
図6】容器から流体を排出する異なる瞬間での図5のシステムを表す。
図7】容器から流体を排出する異なる瞬間での図5のシステムを表す。
図8】容器から流体を排出する異なる瞬間での図5のシステムを表す。
図9】5L容器を形成するための、32gの適切なPETプレフォームを表す。寸法は、mmである。
図10図9のプレフォームから形成された、32gの適切なPETの5L容器を表す。寸法は、mmである。
図11】5L容器を形成するための、32gの別の適切なPETプレフォームを表す。寸法は、mmである。
図12図11のプレフォームから形成された、32gの適切なPETの5L容器を表す。寸法は、mmである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、本発明による容器10を表す。容器10は、流体、好ましくは液体、より好ましくは水、静水を含むように設計される。
【0055】
液体
容器内に含まれ、容器から放出される液体は、好ましくは、飲用に適した飲料用液体である。そのような液体の例としては、水および飲料が挙げられる。
【0056】
水の例としては、水道水、蒸留水などの精製水および/または滅菌水、井戸水、湧水、ならびに鉱水が挙げられる。水は、塩、鉱物、電解質などのいくつかの添加物が追加されてもよい。水は、ビタミンなどのいくつかの機能性添加剤を追加することができる。水は、酸性、中性、またはアルカリ性の水であってもよい。水は、静水、または例えば炭酸入り、例えば天然炭酸入り、人工炭酸入り、または一部天然炭酸入りの発泡水であってもよい。
【0057】
飲料の例としては、アルコールまたはノンアルコール飲料、風味付きの水、アクアドリンク、随意に風味付きのミルク、例えば、牛乳などの動物起源のミルク、または豆乳、アーモンド乳、カシュー乳、オート麦乳、白米乳、ココナッツ乳などの植物代用物、飲用ヨーグルトもしくは植物代用物、ケフィア、昆布茶、煎じた飲料などの発酵飲料、インスタントコーヒー、インスタント茶、インスタントクリーマ、フルーツジュースもしくはネクター、コーラもしくはソーダなどの炭酸入りソフトドリンクが挙げられる。ノンアルコール飲料は、例えば、砂糖、甘味料、および/または果実もしくは野菜、またはこれらの抽出物を含み得る。
【0058】
容器の特徴
容器10は、典型的に、プラスチック材料で作製される。プラスチック材料、ならびに厚さおよび形状などの容器の構造的特徴は、容器が空になったときに好ましくは少なくとも変形可能な可撓性を有するほどのものである。材料の例としては、リサイクル可能なポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレン2,5-フランジカルボキシレート(PEF)、ポリトリメチレン2,5-フランジカルボキシレート(PTF)が挙げられる。PETおよびrPETは、例えば様々なグレードまたは組成物、例えばパッケージグレードまたは組成物、例えばボトルグレードまたは組成物で入手可能である。PETは、特に水に適している。水は、味覚修飾に非常に敏感であり、PETは、少なくとも3ヵ月、好ましくは少なくとも6ヵ月、好ましくは少なくとも12ヵ月の貯蔵期間にわたって、水の味感を変化させないことが分かっている。
【0059】
プラスチック材料は、好ましくは、例えば機械的ルート、化学的ルート、および/または微生物学的ルートによってリサイクル可能である。PETは、そのようなルートによってリサイクル可能である。プラスチック材料は、好ましくは、少なくとも部分的にリサイクルされる。プラスチック材料は、例えば100%リサイクル材料であり得、またはリサイクル材料のR重量%の量の、および100-R%の未使用材料の量の、好ましくはリサイクル材料と同じ材料を含み得、Rは、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%であってもよい。PETは、例えば、100%リサイクルPET(rPET)、またはrPETのR重量%の量、および未使用PETの100-R%の量を含み得、Rは、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%であってもよい。
【0060】
リサイクルは、好ましくは使用済(PC)リサイクルであり、容器は、消費者による使用およびユーザまたは消費者による処理の後に、廃棄物ストリームからリサイクルされる。rPETは、PCrPETであってもよい。リサイクルは、典型的には、廃棄物ストリームを分類して、選択された材料のストリームを回収することと、精製、洗浄、および/または研磨などのステップによってストリームを処理することと、を含む。例えば、PETは、廃棄物ストリームから分類し、次いで、様々なルートに従って処理することができる。機械ルートは、rPETポリマーを回収するために、精製すること、洗浄すること、および/または研磨することを含む。回収rPETポリマーは、固相重合を受けさせて、その分子量を再増加させること、例えば、その固有粘度(IV)を再増加させることができる。化学的ルートは、解重合させて、モノマーを回収することを含む。モノマーは、再重合させて、リサイクルされた新しいポリマーを得ることができる。例えば、PETまたはrPETは、加水分解、メタノリシス、解糖、アンモノリシス、またはアミノ分解によって解重合させて、リサイクルしたテレフタル酸またはそのジエステル、およびリサイクルしたモノエチレングリコールを得ることができる。リサイクルされたテレフタル酸もしくはジエステルおよび/またはリサイクルされたモノエチレングリコールは、随意にいくつかの未使用のテレフタル酸もしくはジエステルおよび/またはモノエチレングリコールを加えることで、再重合させることができる。同様に、微生物学的ルートは、微生物によって材料ストリームを処理して、解重合オリゴマーまたはモノマーを得て、次いで、随意にいくつかの未使用のモノマーまたはオリゴマーを加えることで、該モノマーまたはオリゴマーを再重合させることを含む。
【0061】
容器は、ブロー成形プロセスなどの成形プロセス、例えば押し出しブロー成形プロセス、または射出ブロー成形プロセス、例えば射出延伸ブロー成形プロセスによって、プラスチック材料から形成することができる。射出(延伸)ブロー成形プロセスは、特にPET材料に好適である。これらのプロセスは、射出によってPETプレフォームを形成することと、プレフォームを加熱することと、プレフォームを金型内に配置することと、ガス、通常は空気を加熱されるプレフォームの中にブローして金型内の材料をブローすることと、材料を金型に適合させることと、を含む。ブローした時点で、PETは、延伸し、より薄くなり、歪み硬化および/または歪み誘起の結晶化現象(複数可)によって抵抗性を得る。そのようなプロセスは、よく知られている。機器および未使用またはリサイクルの材料は、市販されている。
【0062】
プレフォームは、単層容器を得るために、単層プレフォームであってもよい。例えば、プレフォームは、単層PETである。例えば、容器は、単層PET容器であってもよい。プレフォームは、多層容器を得るために、多層プレフォームであってもよい。例えば、プレフォームは、好ましくは外部の少なくとも部分層として、未使用のPETの層およびrPETの層を有することができる。例えば、容器は、好ましくは外部の少なくとも部分層として、未使用のPETの層およびrPETの層を有することができる。
【0063】
容器は、容器が変形していないときの最大容積として定義される、基準容積を有する。それが、図1に示す状態である。
【0064】
容器基準容積は、少なくとも3.0L、好ましくは少なくとも4.0L、好ましくは少なくとも5.0Lであってもよい。容器は、最大で22.0L、好ましくは最大で11.0Lの基準容積を有することができる。容器は、3.0~4.4L、または4.0~5.5L、または5.0~6.6L、または6.0~7.7L、または7.0~8.8L、または8.0~9.9L、または9.0L~10.0Lの基準容積を有することができる。例えば、図に示す容器は、4.9L~5.2Lの基準容積を有する。
【0065】
容器は、典型的に基準容積の液体で充填され、封止される。液体基準容量は、放出する前に、容器内に含まれる液体の最大量である。液体基準容量は、充填されて封止された容器が典型的にはヘッド空間(充填されていない一部または容器)を呈するので、典型的には、容器基準容積よりもわずかに少ない。ヘッド空間は、好ましくは、液体基準容量の0%~10%、例えば1%~10%、または1%~5%である。液体基準容積は、少なくとも3.0L、好ましくは少なくとも4.0L、好ましくは少なくとも5.0Lであってもよい。液体基準容量は、最大で20.0L、好ましくは最大で10.0Lであってもよい。液体基準容量は、3.0~4.0L、または4.0~5.0L、または5.0~6.0L、または6.0L~7.0L、または7.0~8.0L、または8.0~9.0L、または9.0L~10.0L、または10.0~15.0L、または15.0~20.0Lであってもよい。例えば、液体基準容量は、4.9L~5.1Lであってもよい。
【0066】
充填された容器は、使用前に、典型的には閉鎖具によって封止される。閉鎖具は、任意のタイプの閉鎖具、例えばキャップまたは可撓性の蓋であり得る。閉鎖具は、例えば、ねじ付きキャップまたはスナップキャップであり得る。容器は、閉鎖具を取り外すことによって、または少なくとも部分的に閉鎖具に穿孔することによって開くことができる。
【0067】
容器は、本体および開口部、例えば首部を有する薄壁容器である。本体は、底部分、側面部分、および肩部分を備える壁を有することができる。開口部は、底部分の反対側の肩部分に提供された首部であり得る。一実施形態では、変形を可能にし、かつプラスチックの節約を可能にするために、本体は、少なくとも一部分が、好ましくは本体の長さまたは表面の少なくとも50%が、好ましくは少なくとも80%を表す少なくとも一部分が、好ましくは本体の全てが、薄い平均厚さを有する。底部および/または肩部は、本体の残部の平均厚さ最大100%超える、より厚い平均厚さを示すことができる。本体の平均厚さは、例えば、30μm~200μm、好ましくは50μm~150μm、例えば50μm~75μm、または75μm~100μm、または100μm~125μm、または125μm~150μmであり得る。
【0068】
ブローした容器の厚さは、所与の容器基準容積、プレフォーム、特にその形状および壁厚に適合させることによって、および延伸パラメータに適合させることによって管理することができる。その長さ、その直径、およびその底部形状などのプレフォームの幾何学形状は、首部と共に、プレフォームの重量、したがって容器の重量を決定すると言及される。延伸は、以下のパラメータによって説明することができる。
-軸方向延伸比(首部下の容器の長さと首部下のプレフォームの長さとの比)、
-フープ延伸比(半分の長さでの、容器の直径とプレフォームの直径との比)、
-平面延伸比:軸方向延伸比×フープ延伸比。
【0069】
平面延伸比は、例えば、12.0~27.0、好ましくは15.0~20.0であり得る。軸方向延伸比は、例えば、3.0~4.5、好ましくは3.3~4.0であり得る。フープ延伸比は、例えば、4.0~6.0、好ましくは4.5~5.5であり得る。
【0070】
容器は、5.27g/L~9.33g/L、好ましくは5.27g/L~7.33g/L、好ましくは5.80g/L~7.00g/Lの、容器重量と液体基準容量との比として決定される、包装有効性を表すことができる。
【0071】
容器は、100~200g/mの、本体の表面と容器重量との比として決定される表面密度を表すことができる。
【0072】
そのような非常に軽い容器は、必要な原材料が少なく、安価で、かつ流体を分配する間に潰れる能力の向上を呈する。
【0073】
有利には、容器は、液体基準容量が充填され、封止されたときに、少なくとも5mmの変形に対して少なくとも10daNの頂部負荷抵抗、および/または少なくとも2.5mmの変形に対して少なくとも5daNの横方向負荷抵抗を呈する。
【0074】
次に、容器10の幾何学形状を参照すると、底部分11と、側面部分12と、肩部分13と、首部分14と、を備える。
【0075】
首部分14は、封止を受容するように設計され、図1に示す場合、封止は、首部分14にねじ込まれるキャップ15である。しかしながら、スナップ嵌め係合のキャップ、または接着剤もしくは溶接によって保持された蓋などの、他の封止が可能である。
【0076】
側面部分12は、直線部分を備え、すなわち、側面部分は、円筒形状、好ましくは環状円筒形状を呈する。側面部分12の厚さは、好ましい実施形態に従って変形を可能にするように十分に薄い。例えば、PET容器の場合、側面部分の平均厚さは、30μm~200μm、好ましくは50μm~150μm、例えば、50μm~75μm、または75μm~100μm、または100μm~125μm、または125μm~150μmであり得る。また、側面部分は、リッジ、縁部、溝、またはリブを含まない。その結果、そのような薄く滑らかな側面部分12は、容易に変形可能である。しかしながら、リッジ、縁部、溝を伴う、より厚い壁を有する(より変形が少ない)側面部分12を有する容器もまた、本発明による可能な実施形態である。
【0077】
底部分11を参照すると、半球形状を呈し、その厚さは、例えば、PET容器の場合、105μm~275μm、好ましくは125μm~225μm、例えば、125μm~150μm、または150μm~175μm、または175μm~200μm、または200μm~225μmであり得る。また、底部分11は、リッジ、縁部、溝、またはリブを含まない。その結果、そのような薄く滑らかな底部分11は、容易に変形可能である。しかしながら、リッジ、縁部、溝を伴う、底部分により厚い壁を有する(より変形が少ない)容器もまた、本発明による可能な実施形態である。
【0078】
肩部分13を参照すると、半球形状を呈し、その厚さは、例えば、PET容器の場合、105μm~275μm、好ましくは125μm~225μm、例えば、125μm~150μm、または150μm~175μm、または175μm~200μm、または200μm~225μmであり得る。また、肩部分13は、リッジ、縁部、溝、またはリブを含まない。その結果、そのような薄く滑らかな肩部分13は、容易に変形可能である。しかしながら、リッジ、縁部、溝を伴う、肩部分により厚い壁を有する(より変形が少ない)容器もまた、本発明による可能な実施形態である。
【0079】
有利には、底部分11および肩部分13は、類似する形状を呈し、好ましくは、底部分11および肩部分13は、同じ半球形状を呈する。その結果、側面部分12が円柱状であるとみなした場合、容器10は、対称形であり(首部分14を除く)、半球状で雌型の相手側を有するデバイス内で直立または倒立位置で受容することができる。加えて、そのような形状は、ブロー前の時点で自然の形状に近くなり、ブロー成形プロセスの間に、金型に合わせる時点で制約が少ないので、より簡単な製造プロセスを提供する。
【0080】
図2は、本発明のシステムのためのディスペンサ30を表す。ディスペンサ30は、図1の容器10を受容および保持するように配設される。具体的には、ディスペンサ30は、容器10の底部分11および肩部分13に類似する半球形状を有する、受容部分31を備える。換言すれば、受容部分の形状は、底部分および肩部分の形状の逆形状である。
【0081】
ディスペンサ30はまた、下で説明するように、特に、ユーザが分注を手動で作動させるためのシャフト33およびレバー34備える、制御ユニット32も備える。受容部分31の底部分は、中空部分を呈し、シャフト33がアクセスすることができるウエルまたは窪み37を形成する。示されていないが、制御ユニット32は、レバー34を図2に示す静止位置に自動的に位置決めするための弾性要素も備える。いくつかの実施形態では、制御ユニットはまた、下で詳述するいくつかの機能を行うために、電動アクチュエータも備え得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、ディスペンサはまた、容器10内の流体の量を測定するための電子ユニット35、ユーザに情報を送信または表示するためのスクリーン36、(無線波、インターネット、・・・を介して)リモートサーバとの間の、またはユーザのスマートフォントなどのポータブルデバイスへのデータの交換を提供するための通信ユニットも備え得る。
【0083】
図3は、液体40(例えば、静水)を充填した図1の容器10と、図2のディスペンサ30と、容器10に接続された弁20と、を備える、本発明によるシステムを表す。
【0084】
弁20は、容器10の首部分14を介して該容器に結合されるように設計される。基本的に、弁20は、ディスペンサの制御ユニット32と協働して、容器10の液体40を分配するように配設される。具体的には、液体を容器10から放出するために開くまたは閉じることができる、弁20内の少なくとも1つのオリフィスが存在する。
【0085】
すでに説明したように、ディスペンサ30は、図1の容器10を受容および保持するように配設される。この図3に表される容器10は、容器基準容積(例えば5リットル)を有し、また、流体基準容量を有する液体40が完全に、またはほぼ完全に充填され、液体40は、例えば静水である。好ましくは、流体基準容積は、容器容積の少なくとも90%、およびより好ましくは、容器基準容積の少なくとも95%である。
【0086】
具体的には、ディスペンサ30は、容器10の底部分11および肩部分13に類似する半球形状を有する、受容部分31を備える。その結果、容器10は、図3および図4に示すようにその底部分11を介して、ディスペンサによる直立位置で、または図5図8に示すようにその肩部分13を介して倒立位置で上側ダウン位置力で、保持および受容され得る。
【0087】
図3および図4は、示すように、ユーザが容易に封止キャップ15を取り外して、弁20を取り付けることができるように、直立位置で容器10がディスペンサ30によって安定的に受容されることを表す。そのような安定した直立位置では、キャップ15(図3)をねじ抜きして、弁20(図4)をねじ込むことが容易である。
【0088】
例えば、容器10が段ボール箱でユーザの家に配達される場合、ユーザは、この段ボール箱から取り出した後に、上で説明したように容器10を受容部分に直接配置して、キャップ15を取り外すことができる。取り扱いが容易である。
【0089】
さらに、いくつかの実施形態によれば、容器10は、変形可能または高度に変形可能であり得(壁が薄く、リッジ/溝を含まない)、半球状の受容部分は、容器10を変形させることなく、安定して保持することを可能にし、よって、容器10から放出または噴出した水の漏れまたは垂れを伴うことなく、キャップ15を容易かつ安全に取り外すことができる。
【0090】
図5は、倒立位置でその肩部分13を介してディスペンサ30の受容部分31に保持された容器10を示し、弁20は、ディスペンサ30の窪み37で受容される。その位置において、シャフト33は、弁20に面する。
【0091】
第1に、肩部分13は、底部分11と同じ一般的形状を有するので、ユーザは、容器10を直立位置から分配位置または倒立位置に位置決めすることが容易であり、ディスペンサに対して行う特定の動作が存在しないことに留意されたい。
【0092】
さらに、図6に示すように、ユーザがレバー34を押したときに、シャフト33は弁20に向かって移動し、弁20を作動させて、液体40を容器10から放出し、該液体は、示されるように、カップ50に分配される。
【0093】
図6図7、および図8は、異なる使用期間および異なるシナリオを表す。
【0094】
図6は、容器10に液体40が完全に、またはほぼ完全に充填されているときの分配を表す。
【0095】
図7に示す第1の実施形態によれば、容器10は、示されるように容器10から液体40を排出することが空気の進入を引き起こすように、大気圧に耐えるのに十分な剛性を有する。
【0096】
図8に示される第2の実施形態によれば、容器10は、大気圧の作用下で、容器10から液体40を排出することが、容器10の中への空気の進入を全くまたはほとんど伴うことなく、示されるように容器10の変形を引き起こすように、十分に変形可能である。
【0097】
特に、容器10の特性のうちの1つがその低いまたは薄い厚さであるとき、容器10は、図8に示されるように、いくらかの液体40が容器10から放出されると、容易に変形することができる。加えて、弁20は、図8に示される分配段階の間、液体40だけが容器10から放出され、ガスまたは空気の容器10への進入を全くないかまたは非常に少量にすることを可能にし、容器は、それによって変形して、液体の喪失を完全に、またはほぼ完全に補償するように設計され得る。
【0098】
容器10の中への空気の進入が全くない、または非常に制限された、そのような分配段階は、任意の外部構成要素によって液体40が汚濁または汚染されないことを確実にする。したがって、液体40の分配を開始してから外部の空気が容器10に進入することを可能にする場合と比較して、鮮度および貯蔵寿命時間がより長くなる。
【0099】
最後に、第2のステップで、容器10が限界まで変形したときに、容器はそれ以上変形しなくなり、液体40の分配は、図7の硬質容器10に類似して空気の進入を引き起こす。
【0100】
実施例1
5.0Lの水(基準容積)のrPET容器の詳細な実施例を、本発明によるシステムのための容器の非限定的な実施例として下に提供する。容器の他の形状(寸法、厚さ、外側形状、・・・)は、可能な実施形態である。
詳細な実施例では、容器10は、図9に表すプレフォーム10Aを射出延伸ブロー成形することによって準備され(寸法はmm)、図10に表す容器10を得る(寸法はmm)。主パラメータおよび特徴を、下記の表1に報告する。容器は、5.0Lの水を充填し、ねじ蓋で封止する。
【0101】
【表1】
【0102】
実施例2
5.0Lの水(基準容量)のrPET容器を実装する。
【0103】
容器は、図11に表すプレフォームを射出延伸ブロー成形によって準備され(寸法はmm)、図12に表される容器を得る(寸法はmm)。主パラメータおよび特徴を、下記の表2に報告する。容器は、5.0Lの水を充填し、ねじ蓋で封止する。
【0104】
【表2】
【0105】
当然ながら、当業者には、明らかな改善および/または修正が実施され得、それでも添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12