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特許7585192保護フィルム及びその貼着方法並びに半導体部品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】保護フィルム及びその貼着方法並びに半導体部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241111BHJP
【FI】
H01L21/304 622L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021509617
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2020013846
(87)【国際公開番号】W WO2020196794
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】P 2019061828
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000220099
【氏名又は名称】アールエム東セロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】野上 昌男
(72)【発明者】
【氏名】森本 哲光
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-059929(JP,A)
【文献】特開2013-048296(JP,A)
【文献】特開2012-199406(JP,A)
【文献】特開2013-239564(JP,A)
【文献】特開2013-243309(JP,A)
【文献】特開2005-123382(JP,A)
【文献】特開2008-066684(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021644(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/683
C09J 7/29
C09J 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハの主面を覆うように保護フィルムを配する配置工程と、前記保護フィルムを前記主面に押し付けて貼着する貼着工程と、を備える保護フィルム貼着方法であって、
前記主面は、バンプが配された第1領域と、該主面の周縁の少なくとも一部を含んで、バンプが配されていない領域である第2領域と、を有し、
前記貼着工程は、前記保護フィルムをその厚さ方向へ圧縮する圧縮工程を含み、
前記圧縮工程は、前記保護フィルムを前記主面へ押し付けるための押圧部材と、前記第2領域の外周縁に沿って設置される支持部材とを使用して行われ
前記配置工程は、前記保護フィルムの縁部が、前記支持部材よりも内周側に位置するように前記保護フィルムを配する工程であり、
前記圧縮工程は、前記押圧部材と前記主面との間で挟むことよる前記保護フィルムの前記第2領域の外周方向への膨出を、前記支持部材の内周面で塞き止め、前記縁部を前記押圧部材と前記支持部材の内周面と前記主面とで圧縮する工程であることを特徴とする保護フィルムの貼着方法。
【請求項2】
前記保護フィルムは、流動性又は可塑性を発現できる層を有する請求項に記載の保護フィルムの貼着方法。
【請求項3】
前記圧縮工程は、前記保護フィルムを加熱して、前記流動性又は前記可塑性を発現させた状態で行われる請求項に記載の保護フィルムの貼着方法。
【請求項4】
前記バンプの平均高さをH1とし、前記保護フィルムの平均厚さをH2とした場合に、0.5≦H2/H1である請求項1に記載の保護フィルムの貼着方法。
【請求項5】
請求項1から請求項のうちの何れか一項に記載の保護フィルムの貼着方法を含むことを特徴とする半導体部品の製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項のうちの何れか一項に記載の保護フィルムの貼着方法に利用されることを特徴とする保護フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハから半導体部品を製造する際、半導体ウエハの主面に貼着する保護フィルム及びその貼着方法、並びに、その保護フィルムの貼着方法を含む半導体部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハは、回路等が形成された表面を主面、この主面と反対側の面を裏面とした場合、半導体部品の製造時に、バックグラインド工程で裏面が研削されて、所望の厚さとされる。このバックグラインド工程は、半導体ウエハの主面に保護フィルムを貼着し、保護フィルムを介して主面をチャックテーブルに吸着固定等して実施される。
保護フィルムは、通常、基層と、粘着材層とを有している。この保護フィルムの一般的な貼着方法として、粘着材層が主面と接触するように保護フィルムを半導体ウエハの主面上に配置した後、貼付ローラ等を使用して基層に所定の力を加え、粘着材層を主面に押し付ける方法が採用されている。
近年、多くの半導体ウエハは、半導体部品の高密度化への要請から、主面にバンプやマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)が設けられて、主面が凹凸状になっている。このような凹凸状の主面に上述の一般的な保護フィルムの貼着方法を採用する場合、主面に押し付けられた保護フィルムの表面は、主面の凹凸に倣って凹凸状になってしまい、諸々の不具合が発生してしまう。そこで、保護フィルムとして、凹凸吸収性樹脂層や段差吸収層等を設け、凹凸追従性を向上させることにより、凹凸が表面に生じ難くなるように工夫されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-17239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の半導体ウエハにおいて、バンプ等は、必ずしも主面の全領域に設けられているとは限らない。つまり、半導体ウエハの中には、バンプ等が設けられた凹凸の領域と、バンプ等が設けられていない平坦な領域と、の両方の領域を主面に有するものが存在する。
例えば、半導体ウエハとして、シリアル番号や製造番号を刻印等する目的で、主面の周縁部にバンプが配されていない領域を故意に設けたものが存在する(図1(a)の「符号13B」を参照)。
そして、上記の半導体ウエハの主面には、凹凸の領域と、平坦な領域との間に、凹凸の領域を高とし、平坦な領域を低とする段差が生じてしまう。
【0005】
図8は、上記の段差を主面10Aに有する半導体ウエハ10に、保護フィルム20を一般的な貼着方法で貼着した場合の説明図である。
保護フィルム20は、凹凸吸収層23により、第1領域12でバンプ11による凹凸を吸収するには十分以上の樹脂体積量(以下、「肉量」ともいう)を有しているが、第1領域12と第2領域13との間の段差を埋めるには肉量が足りず、段差を埋めきれないことがある。
特に、上述のシリアル番号や製造番号を刻印等する目的で主面10Aに設けられた第2領域13は、サイズ(主面10Aに占める面積)も大きく、このサイズの第2領域13全体で段差を埋めるには、保護フィルム20の肉量が顕著に足りない。
また、図8中に矢印で示したように、保護フィルム20の肉部(凹凸吸収層23)は、半導体ウエハ10の主面10Aの周縁よりも更に外側へ逃げるように流動するが、一般的な貼着方法は、こうした肉部の流動を規制する手段を有していない。
【0006】
従って、第2領域13で段差を埋めるのに保護フィルム20の肉量が足りないことから、保護フィルム20の表面には、段差に倣ったへこみやくぼみ等の欠陥24が形成されてしまう。
前述したバックグラインド工程で主面を吸着固定する際、欠陥24の部分で保護フィルム20は、チャックテーブルから浮き上がった状態になり、真空が破れやすくなるため、バックグラインド工程でバキュームエラー、すなわち半導体ウエハのチャックテーブルへの吸着不良を発生させる可能性がある。
また、バキュームエラーを発生させない場合でも、欠陥24の部分で保護フィルム20は、チャックテーブルから浮き上がった状態になり、バックグラインド工程の実施時に裏面側から加わる外力を十分に支えることができない。このため、バックグラインド工程実施後の半導体ウエハにクラックや割れ、あるいは目に見えないマイクロクラックが発生する可能性がある。
【0007】
上述の通り、半導体ウエハの主面に生じた段差は、凹凸吸収性樹脂層等が設けられた保護フィルムを使用して尚、一般的な保護フィルムの貼着方法では埋めることができない。このため、保護フィルムの表面には、段差に倣ったへこみやくぼみ等が形成されてしまい、バックグラインド工程でバキュームエラーやクラックが発生する等のような不具合が発生してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、半導体ウエハの主面の段差に起因する不具合の発生を抑制することができる保護フィルム及びその貼着方法並びに半導体部品の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の問題点を解決する手段として、本発明は以下の通りである。
[1]第1発明の保護フィルムの貼着方法は、半導体ウエハの主面を覆うように保護フィルムを配する配置工程と、前記保護フィルムを前記主面に押し付けて貼着する貼着工程と、を備える保護フィルム貼着方法であって、
前記主面は、バンプが配された第1領域と、該主面の周縁の少なくとも一部を含む領域であるとともに、バンプが配されていない領域である第2領域と、を有し、
前記貼着工程は、前記保護フィルムをその厚さ方向へ圧縮する圧縮工程を含み、
前記圧縮工程は、前記保護フィルムを前記主面へ押し付けるための押圧部材と、前記第2領域の外周縁に沿って設置される支持部材とを使用して行われることを要旨とする。
【0010】
[2]第1発明の保護フィルムの貼着方法では、前記配置工程は、前記保護フィルムの縁部が、前記第2領域の前記周縁から外側へはみ出すように前記保護フィルムを配する工程であり、
前記圧縮工程は、前記支持部材に前記縁部を支持させて、前記支持部材と前記押圧部材との間で前記縁部を挟むことにより、前記縁部を圧縮する工程であるものとすることができる。
[3]第1発明の保護フィルムの貼着方法では、前記支持部材において、前記保護フィルムの前記縁部を支持する支持面は、前記主面に対して平行であるか、又は、前記主面側を向くように傾斜されたものとすることができる。
[4]第1発明の保護フィルムの貼着方法では、前記半導体ウエハの前記主面と前記押圧部材の押圧面とのクリアランスをCとし、前記支持部材の前記支持面と前記押圧部材の前記押圧面とのクリアランスをCとした場合に、C>Cであるものとすることができる。
[5]第1発明の保護フィルムの貼着方法では、前記配置工程は、前記保護フィルムの縁部が、前記支持部材よりも内周側に位置するように前記保護フィルムを配する工程であり、前記圧縮工程は、前記押圧部材と前記主面との間で挟むことよる前記保護フィルムの前記第2領域の外周方向への膨出を、前記支持部材の内周面で塞き止め、前記縁部を前記押圧部材と前記支持部材の内周面と前記主面とで圧縮する工程であるものとすることができる。
【0011】
[6]第1発明の保護フィルムの貼着方法では、前記保護フィルムは、流動性又は可塑性を発現できる層を有することができる。
[7]第1発明の保護フィルムの貼着方法では、前記圧縮工程は、前記保護フィルムを加熱して、前記流動性又は前記可塑性を発現させた状態で行うことができる。
[8]第1発明の保護フィルムの貼着方法では、前記バンプの平均高さをH1とし、前記保護フィルムの平均厚さをH2とした場合に、0.5≦H2/H1であるものとすることができる。
[9]第2発明の半導体部品の製造方法は、第1発明の保護フィルムの貼着方法を含むことを要旨とする。
[10]第3発明の保護フィルムは、第1発明の保護フィルムの貼着方法に利用されることを要旨とする。
【0012】
[11]第4発明の保護フィルム貼着方法は、保護フィルムを加工して加工済みフィルムを得る加工工程と、
半導体ウエハの主面を覆うように前記加工済みフィルムを配する配置工程と、
前記加工済みフィルムを前記主面に押し付けて貼着する貼着工程と、を備える保護フィルム貼着方法であって、
前記主面は、バンプが配された第1領域と、該主面の周縁の少なくとも一部を含んで、バンプが配されていない領域である第2領域と、を有し、
前記加工工程は、前記保護フィルムに厚さの異なる部位を形成して前記加工済みフィルムを得る工程であり、
前記配置工程は、前記加工済みフィルムの前記厚さの異なる部位のうちの厚さが相対的に厚い領域を、前記第2領域に対応させて配置する工程であることを要旨とする。
[12]第4発明の保護フィルムの貼着方法では、前記保護フィルムは、流動性又は可塑性を発現できる層を有することができる。
[13]第4発明の保護フィルムの貼着方法では、前記加工工程は、前記保護フィルムを加熱して、前記流動性又は前記可塑性を発現させた状態で行うことができる。
[14]第4発明の保護フィルムの貼着方法では、前記バンプの平均高さをH1とし、前記保護フィルムの平均厚さをH2とした場合に、0.5≦H2/H1であるものとすることができる。
[15]第5発明の半導体部品の製造方法は、第4発明の保護フィルムの貼着方法を含むことを要旨とする。
[16]第6発明の保護フィルムは、第4発明の保護フィルムの貼着方法に利用されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明及び第4発明の保護フィルムの貼着方法によれば、半導体ウエハの主面にバンプの有無による段差が存在する場合、この段差を抑制又は解消するように保護フィルムを貼着することができる。その結果、保護フィルムの表面を略平坦にすることができ、半導体ウエハの主面の段差に起因する不具合の発生を抑制することができる。
【0014】
第2発明及び第5発明の半導体部品の製造方法によれば、半導体ウエハの主面の段差に起因する不具合の発生を抑制することができる。その結果、効率良く半導体部品の製造を行うことができる。
第3発明及び第6発明の保護フィルムによれば、半導体ウエハの主面の段差に起因する不具合の発生を抑制することができる。その結果、効率良く半導体部品の製造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の貼着方法に供される半導体ウエハを説明する(a)は平面図、(b)は図1(a)の1B-1B指示線における拡大側断面図である。
図2】本発明に係る保護フィルムを説明する拡大側断面図である。
図3】第1発明の貼着方法に係る貼着装置を説明する(a)は平面図、(b)は拡大側断面図である。
図4】第1発明の貼着方法に係る配置工程を説明する(a)は平面図、(b)は拡大側断面図である。
図5】第1発明の貼着方法に係る貼着工程を説明する拡大側断面図である。
図6】第1発明の貼着方法に係る圧縮工程を説明する拡大側断面図である。
図7】第1発明の貼着方法に係る保護フィルムが貼着された半導体ウエハを説明する拡大側断面図である。
図8】通常の貼着方法に係る保護フィルムが貼着された半導体ウエハを説明する拡大側断面図である。
図9】第1発明の貼着方法に係る支持部材の変更例を説明する拡大側断面図である。
図10】実施例において保護フィルム表面の凹凸を測定した結果を説明するグラフである。
図11】本発明の貼着方法に供される半導体ウエハの別例を説明する(a)は平面図、(b)は図11(a)の11B-11B指示線における拡大側断面図である。
図12】第1発明の貼着方法に係り、(a)、(b)は、押圧部材に対する半導体ウエハのクリアランスCと支持部材のクリアランスCとの関係を説明する拡大側断面図である。
図13】第1発明の貼着方法に係り、(a)は配置工程を説明する拡大側断面図であり、(b)は圧縮工程を説明する拡大側断面図である。
図14】第4発明の貼着方法に係る加工工程を説明する(a)は側断面図、(b)は拡大側断面図である。
図15】第4発明の貼着方法に係る配置工程を説明する拡大側断面図である。
図16】第4発明の貼着方法に係る貼着工程を説明する拡大側断面図である。
図17】第4発明の貼着方法に係る加工工程の別例を説明する(a)、(b)は、拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。ここで示す事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要で、ある程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0017】
[1]貼着方法(第1の実施形態)
本貼着方法は、第1発明に係る第1の実施形態であり、半導体ウエハ10の主面10Aを保護する保護フィルム20の貼着方法である。
この貼着方法は、半導体ウエハ10の主面10Aを覆うように保護フィルム20を配する配置工程S1(図4(b)参照)と、保護フィルム20を主面10Aに押し付けて貼着する貼着工程S2(図5参照)と、を備える。
半導体ウエハ10の主面10Aは、バンプ11が配された第1領域12と、主面10Aの周縁の少なくとも一部を含む領域であるとともに、バンプ11が配されていない領域である第2領域13と、を有する(図1(a),(b)参照)。
そして、貼着工程S2は、保護フィルム20をその厚さ方向へ圧縮する圧縮工程S3を含む(図6参照)。この圧縮工程S3は、保護フィルム20を主面10Aへ押し付けるための押圧部材32と、第2領域13の外周縁に沿って設置される支持部材33とを使用して行われる。
【0018】
本貼着方法によって保護フィルム20が貼着された半導体ウエハ10が、バックグラインド工程で所望の薄さとされ、個片化されて、諸々の加工を施されることにより、半導体ウエハ10から半導体部品が製造される。
すなわち、本貼着方法(第1の実施形態)は、第2発明に係る半導体部品の製造方法に含まれるものである。
【0019】
本貼着方法に供される半導体ウエハ10は、表裏両面の何れか一方にバンプ11を有するものであり、この半導体ウエハ10でバンプ11を有する側の全面を主面10Aとする(図1(b)参照)。
本貼着方法は、配置工程S1、貼着工程S2及び圧縮工程S3を実行可能な貼着装置30(図3参照)を使用して実施することができる。
上記の押圧部材32及び支持部材33は、貼着装置30に設けることができる。
【0020】
本貼着方法において、貼着工程S2は、保護フィルム20をその厚さ方向へ圧縮する圧縮工程S3を含む。この圧縮工程S3は、保護フィルム20を主面10Aへ押し付けるための押圧部材32と、主面10Aの第2領域13の外周縁に沿って設置される支持部材33とを使用して行われる。
圧縮工程S3において、厚さ方向へ圧縮された保護フィルム20は、流動性又は可塑性を発現する層(凹凸吸収層23)が段差や凹凸に応じて適宜流動し、段差や凹凸を埋めるような肉部の片寄りを発生させる。
また、押圧部材32及び支持部材33を使用して圧縮工程S3を行う場合、主面10Aの周縁よりも更に外側へ向かおうとする保護フィルム20の肉部の流動が規制される。
そして、上記のように保護フィルム20の肉部の流動が規制されることで、主面10Aの第2領域13上に保護フィルム20の肉部(凹凸吸収層23)が厚く片寄ることで、主面10Aの段差が埋まり、保護フィルム20の表面は平坦となる。
【0021】
[2]半導体ウエハ
本貼着方法に係る半導体ウエハ10は、材料、形状について特に限定されないが、通常は珪素(シリコン)を材料に用いて円板状に形成されている。
図1(a),(b)に示すように、この半導体ウエハ10は、主面10Aに複数のバンプ11を有している。
ここで、主面10Aは、バンプ11を有する半導体ウエハ10におけるバンプ11が設けられた側の全面である。この主面10Aには、半導体ウエハ10の表面と、バンプ11の表面と、が含まれる。また、この半導体ウエハ10において、主面10Aの反対側の面は、裏面とする。
【0022】
この主面10Aは、バンプ11が配された第1領域12と、バンプ11が配されていない第2領域13と、を有する。
このうち第2領域13は、周縁領域13Aと、ブランク領域13Bと、を有する。
上記のうち、周縁領域13Aは、半導体ウエハ10の周縁をなす領域である(即ち、主面10Aの周縁をなす領域である)。一般に、半導体ウエハ10は、その周縁の欠けや割れを防ぐ目的で、該周縁に面取り部14が設けられており(図1(b)及び図11(b)参照)、この面取り部14を含む領域が周縁領域13Aである。このため、面取り部14を含む周縁領域13Aは、バンプが配されていない。
一方、ブランク領域13Bは、バンプを配することが可能であるが、実際にはバンプが配されていない領域である。具体的に、ブランク領域13Bは、第2領域13から周縁領域13Aを除いた領域である。
【0023】
上述の各領域の形状(平面形状)は限定されないが、例えば、第1領域12は、主面10Aの略中央部分において、図1(a)に例示されるように、平面視で略円形状に設けることができる。また、第1領域12は、主面10Aの略中央部分において、図11(a)に例示されるように、平面視で多角形状に設けることができる。
なお、第1領域12及び第2領域13を分かり易くするため、これら領域の境界線を図1(a)及び図11(a)中に二点鎖線で示す。
【0024】
また、第2領域13は、例えば、図1(a)及び図11(a)に例示されるように、第1領域12を囲んだ形状に設けることができる。
更に、第2領域13を構成する周縁領域13Aの形状は、例えば、第1領域12を内側に囲い込むように、平面視で略円環状にすることができる(図1及び図11参照)。
【0025】
ブランク領域13Bの形状(平面形状)は、図1(a)に例示されるように、弓型にすることができる。即ち、主面10Aの左側部で周縁領域13Aが該主面10Aの中心へ向かい弓状に拡張されて設けられたブランク領域13Bとすることができる。このようなブランク領域13Bは、半導体ウエハ10のシリアル番号や製造番号等の各種情報を表示(例えば、刻印等)する目的で利用できる。従って、図1(a)の弓型のブランク領域13Bは、識別領域ということもできる。
また、ブランク領域13Bの形状(平面形状)は、図11(a)に例示されるように、第1領域12の周囲を前後左右の四方から取り囲む形状にすることができる。より具体的に、ブランク領域13Bの形状は、4つの円弧形状が連なった形状にすることができる。このようなブランク領域13Bは、例えば、製品化の際にエラーが生じやすい等の理由から、バンプ11が配されない領域として利用できる。
更に、図11(a)のブランク領域13Bは、半導体ウエハ10から切り出すチップのサイズが大きい場合に形成される領域ということもできる。即ち、チップのサイズが小さい場合、第1領域12は、図1(a)の平面視で略円形状になる。一方、チップのサイズが大きい場合、第1領域12は、図11(a)の平面視で略多角形状になる。そして、第1領域12が平面視で略多角形状になると、この第1領域12の周囲を取り囲むように、図11(a)のブランク領域13Bが形成される。図11(a)のブランク領域13Bが形成される場合、チップのサイズは、例えば、100mm以上である。
なお、以降の文中では、このブランク領域13Bの表面を、「ブランク領域表面101A」と記載する。
【0026】
主面10A上におけるバンプ11の平均高さH1は、特に限定されず、めっきバンプ、ボールバンプ、印刷バンプ等といったバンプ11の種類に応じて任意に設定することができる。通常、主面10A上におけるバンプ11の平均高さH1は、好ましくは350μm未満、より好ましくは5~250μmの範囲、さらに好ましくは10~150μmの範囲とされる。
主面10Aの全面積に対する第2領域13の面積の比率は、特に限定されず、ブランク領域13Bのサイズ次第で任意に設定することができるが、好ましくは30%未満、より好ましくは23%以下、さらに好ましくは15%以下である。
主面10Aの全面積に対する周縁領域13Aの面積の比率は、特に限定されないが、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下である。
また、主面10Aの全面積に対するブランク領域13Bの面積の比率は、特に限定されず、任意に設定することができるが、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
【0027】
第2領域13において、周縁領域13Aとブランク領域13Bは、何れもが第1領域12との間に段差を有しており、この段差に倣ったへこみやくぼみ等が保護フィルム20の表面に形成されることで、バキュームエラーの発生やクラック、割れの発生等といった不具合を発生させる可能性を有する。
周縁領域13Aとブランク領域13Bとを比較した場合、ブランク領域13Bは、周縁領域13Aに比べて主面10Aの全面積に対する面積の比率が大きいため、周縁領域13Aよりも大きなへこみやくぼみ等が保護フィルム20の表面に形成されやすく、上記の不具合を発生させる可能性が高い。
そこで、これ以降の記載において、第2領域13は、特に断りのない限りブランク領域13Bを挙げて説明する。
【0028】
[3]保護フィルム
本貼着方法で使用される保護フィルム20は、半導体部品の製造方法に用いられるフィルムであり、より具体的には半導体部品の製造方法において、半導体ウエハを所望の薄さにするバックグラインド工程に用いられるフィルムである。
すなわち、本保護フィルムは、第3発明に係る保護フィルムである。
【0029】
図2に示すように、保護フィルム20は、基層21と、粘着材層22と、を有する構成とすることができる。
保護フィルム20は、バンプ11による凹凸と第1領域12及び第2領域13の高低差による段差とを解消するという観点から、流動性又は可塑性を発現できる層を有することが好ましい。本実施形態の保護フィルム20は、基層21と粘着材層22との間に、流動性又は可塑性を発現できる層として凹凸吸収層23を有している。
【0030】
保護フィルム20の平均厚さH2は、バンプ11による凹凸と第1領域12及び第2領域13の高低差による段差とを好適に解消するという観点から、上記バンプ11の平均高さH1との間で、0.5≦H2/H1の関係式を満たすことが好ましい。
H2/H1の上限について、保護フィルム20が、その肉量で以て、バンプ11による凹凸と第1領域12及び第2領域13の高低差による段差とを吸収して好適に解消するという観点では、特に制限されない。保護フィルム20の平均厚さH2が増すことによる材料のロスを抑制し、更に保護フィルム20の成形性を好適に維持するという観点では、H2/H1は、通常は10以下(H2/H1≦10)、好ましくは5以下(H2/H1≦5)、より好ましくは4以下(H2/H1≦4)である。
【0031】
具体的に、保護フィルム20の平均厚さH2は、好ましくは30μm以上、より好ましくは100μm以上、さらに好ましくは200μm以上である。
尚、平均高さH1は、全バンプ数のうち、無作為に選択された1/10個のバンプの実測高さの平均値であるものとする。また、平均厚さH2は、互いに2cm以上離れるように選択された10ヶ所のフィルムの実測厚さの平均値であるものとする。
【0032】
以下、保護フィルムの各層について説明する。
(1)基層
基層21は、保護フィルム20の取り扱い性や機械的特性、耐熱性等の特性を向上させることを目的として設けられる層である。
基層21に使用される材料は、バックグラインド工程で半導体ウエハの研削時に加わる外力に耐え得る機械的強度を有するのであれば、特に限定されない。
通常、基層21の材料には、合成樹脂のフィルムが使用される。
【0033】
上述の合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(1-ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン-6、ナイロン-66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタアクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリエーテルイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリフェニレンエーテル等から選択される1種または2種以上の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
これら合成樹脂の中でも、バックグラインド工程で半導体ウエハを好適に保護するという観点から、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選択される1種または2種以上が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選択される1種または2種以上がより好ましい。
また、合成樹脂中には添加剤として、可塑剤、軟化剤(鉱油等)、充填剤(炭酸塩、硫酸塩、チタン酸塩、珪酸塩、酸化物(酸化チタン、酸化マグネシウム)、シリカ、タルク、マイカ、クレー、繊維フィラー等)、酸化防止剤、光安定化剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤等を添加することができる。これら添加剤は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0034】
上述のフィルムは、延伸の有無を問わず、無延伸フィルム、一軸延伸フィルムや二軸延伸フィルム等の延伸フィルムの何れも使用することができるが、機械的強度の向上という観点から、延伸フィルムが好ましい。
また、フィルムは、単層フィルム、複数の層を有する多層フィルムの何れも使用することができる。
【0035】
基層21には、凹凸吸収層23等との接着性の向上という観点から、表面処理されたフィルムを使用することが好ましい。表面処理の具体例として、コロナ処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理等を挙げることができる。
基層21の厚さは、特に限定されないが、良好な特性を得るという観点から、好ましくは10~200μm、より好ましくは20~150μm、さらに好ましくは30~100μmである。
【0036】
(2)粘着材層
粘着材層22は、半導体ウエハ10の主面10Aに、保護フィルム20を貼着して固定することを目的として設けられる層である。
粘着材層22の材料は、特に限定されないが、少なくとも粘着主剤を含むものが使用される。この粘着主剤としては、(メタ)アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を例示することができる。
また、粘着材層22の材料は、粘着主剤以外に、架橋剤を含むことができる。
【0037】
粘着材層22の材料には、エネルギー線によって硬化できるエネルギー線硬化型粘着材、エネルギー線によって硬化されないエネルギー線非硬化型粘着材の何れも使用することができる。これらの中でもエネルギー線硬化型粘着材は、エネルギー線照射により硬化して粘着力を低下させることで主面10Aから保護フィルム20を糊残りなく剥離することができるという観点から、粘着材層22の材料として好ましい。
エネルギー線硬化型粘着材について、エネルギー線の種類は、特に限定されず、紫外線、電子線、赤外線等が挙げられる。
また、エネルギー線硬化型粘着材は、粘着主剤の他に、分子内に炭素-炭素二重結合を有する化合物と、エネルギー線に反応して硬化性化合物の重合を開始させることができる光重合開始剤と、を含むことができる。硬化性化合物は、分子中に炭素-炭素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノマー、オリゴマー、ポリマーが好ましい。
【0038】
粘着材層22の粘着力は、特に限定されないが、半導体ウエハとの良好な接着性を確保しつつ、剥離時に半導体ウエハへの糊残りを抑制できるという観点から、シリコンウエハの表面に貼着して60分間放置した後、シリコンウエハの表面から剥離するときの、JIS Z0237に準拠して測定されるシリコンウエハに対する粘着力が(温度23℃、相対湿度50%の環境下にて測定)0.1~10N/25mmであることが好ましい。粘着力は、より好ましくは0.2~9N/25mm、さらに好ましくは0.3~8N/25mmである。
粘着材層22の厚さは、特に限定されないが、好適な接着力を発揮しつつ糊残りなく剥離できるという観点から、好ましくは1~50μm、より好ましくは2~45μm、さらに好ましくは3~40μmである。
【0039】
(3)凹凸吸収層
凹凸吸収層23は、流動性又は可塑性の発現によって奏される凹凸吸収性により、主面10A上に配されたバンプ11による凹凸形状を吸収して、及び、第1領域12及び第2領域13の高低差による段差を埋めて、保護フィルム20の表面を平滑にすることを目的として設けられる層である。
凹凸吸収層23の材料は、流動性又は可塑性の発現による凹凸吸収性を有するものであれば、特に限定されないが、通常、熱可塑性樹脂が使用される。
【0040】
熱可塑性樹脂の具体例として、オレフィン系樹脂、エチレン・極性モノマー共重合体、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、凹凸吸収性が良好であるという観点から、オレフィン系樹脂およびエチレン・極性モノマー共重合体から選択される少なくとも1種が好ましい。
【0041】
オレフィン系樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンおよび炭素数3~12のα-オレフィンとを含むエチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレンおよび炭素数4~12のα-オレフィンとを含むプロピレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・環状オレフィン共重合体等を例示することができる。
【0042】
エチレン・極性モノマー共重合体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・ステアリン酸ビニル共重合体等のエチレン・ビニルエステル共重合体等を例示することができる。
また、上記した熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0043】
凹凸吸収層23の密度は、特に限定されないが、凹凸吸収性に係る柔軟性と、バックグラインド工程での耐久性に係る剛性とのバランス(剛柔性)の観点から、好ましくは800~990kg/m、より好ましくは830~980kg/m、さらに好ましくは850~970kg/mである。
凹凸吸収層23の厚さは、バンプ11による凹凸形状と第1領域12及び第2領域13の高低差による段差とに対する凹凸吸収性を発揮できる厚さであれば、特に限定されないが、凹凸吸収性を好適に発揮できるという観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは80μm以上、さらに好ましくは170μm以上である。
【0044】
凹凸吸収層23の60℃における貯蔵弾性率G’(60)は、保護フィルム20の貼り付け時に、加温によって凹凸吸収層23が好適な凹凸吸収性を発現できるという観点から、0.05×10~1.0×10Paが好ましく、より好ましくは0.075×10~0.5×10Paである。
凹凸吸収層23の25℃における貯蔵弾性率G’(25)は、保護フィルム20の貼り付け後に、凹凸吸収層23がその形状を保持でき、主面10Aに対する好適な密着性を維持できるという観点から、4.0×10~7.0×10Paが好ましく、より好ましくは4.5×10~6.5×10Paである。
【0045】
凹凸吸収層23の貯蔵弾性率G’(25)と貯蔵弾性率G’(60)との弾性率比G’(60)/G’(25)は、良好な凹凸吸収性を発現できるとともに、主面10Aに対する良好な密着性を維持できるという観点から、G’(60)/G’(25)<0.1が好ましく、より好ましくはG’(60)/G’(25)≦0.08、さらに好ましくはG’(60)/G’(25)≦0.05である。
尚、貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置(例えば、レオメトリックス社製、形式「RMS-800」)を用いて、測定周波数1Hz、歪み0.1~3%の条件下、G’(25)は25℃で、貯蔵弾性率G’(60)は60℃で測定される。
【0046】
(4)その他の層
保護フィルム20は、上述の基層21、粘着材層22及び凹凸吸収層23を有する構成に限らず、基層21と凹凸吸収層23との間、あるいは凹凸吸収層23と粘着材層22との間に他の層を有する構成とすることができる。
他の層としては、粘着材層22との界面強度を向上する界面強度向上層、粘着材層22の粘着面への低分子量成分の移行を抑制する移行防止層、保護フィルム20の帯電を防止する帯電防止層等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0047】
[4]貼着装置
貼着装置30は、配置工程S1、貼着工程S2及び圧縮工程S3を実行可能な構成であれば、特に限定されない。
貼着装置30として、以下に示すような構成を例示することができる。
図3(a),(b)に示すように、貼着装置30は、チャックテーブル31と、チャックテーブル31の上方位置に配された押圧部材32と、チャックテーブル31横に配された支持部材33と、を有している。
チャックテーブル31は、その表面に載置された半導体ウエハ10を支持固定するためのものである。
押圧部材32は、チャックテーブル31に支持固定された半導体ウエハ10の主面10Aへ、保護フィルム20を押し付けるためのものである。
支持部材33は、チャックテーブル31に支持固定された半導体ウエハ10の第2領域13の外周縁に沿って設置され、保護フィルム20の縁部を支持するためのものである。
【0048】
貼着装置30は、保護フィルム20の凹凸吸収層23に流動性又は可塑性を好適に発現させるという観点から、保護フィルム20を加熱するための加熱機構を有する構成とすることができる。この加熱機構として、温風ヒーター等を例示することができる。
貼着装置30は、配置工程S1を好適に実行できるという観点から、装置内に保護フィルム20を供給する供給機構を有する構成とすることができる。この供給機構として、フィルム供給ローラ、フィルム供給アーム等を例示することができる。
【0049】
以下、貼着装置が有する各部材について説明する。
(1)チャックテーブル
チャックテーブル31は、半導体ウエハ10を支持固定することができるものであれば、種類、構成等について特に限定されない。
チャックテーブル31は、半導体ウエハ10を好適に固定することができるとともに、半導体ウエハ10の汚損や傷付きを防止することができるという観点から、真空吸着テーブルとすることが好ましい。
【0050】
(2)押圧部材
押圧部材32は、半導体ウエハ10の主面10Aへ保護フィルム20を押し付けることができるものであれば、形状、構成等について特に限定されない。
図3(a),(b)に示した押圧部材32は、円盤状に形成され、チャックテーブル31に支持固定された半導体ウエハ10の上方位置に配されて、この半導体ウエハ10に対して接近又は離間できるように構成されている。
【0051】
押圧部材32は、半導体ウエハ10の主面10Aに貼着された保護フィルム20の表面を平坦にするという観点から、保護フィルム20を押し付ける押圧面32Aが平坦面であることが好ましい。
押圧面32Aの硬さは、保護フィルム20を押し付ける際の変形を抑制して押圧面32Aが平坦面であることを維持するという観点から、モース硬度で、好ましくは2.5~8.5、より好ましくは3~7、さらに好ましくは4~6である。
押圧面32Aの材料は、特に限定されないが、上記モース硬度を満たすという観点から、鉄、銅、アルミニウム、スチール鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属、ガラス、セラミックス等の無機材料を使用することができる。
押圧部材32は、例えば押圧面32Aのみを上記無機材料で形成し、押圧面32A以外の部分は合成樹脂で形成する等の構成とすることができる。
【0052】
押圧部材32を半導体ウエハ10に接近又は離間させる構成等は、特に限定されない。
例えば、押圧部材32は、貼着装置30に一端縁が回動自在に取り付けてられ、跳ね下ろした場合は半導体ウエハ10に接近し、跳ね上げた場合は半導体ウエハ10から離間するように構成することができる。
また、押圧部材32は、半導体ウエハ10の厚さ方向に伸びるように貼着装置30に設けられたレール等に昇降自在に取り付けられ、下降した場合は半導体ウエハ10に接近し、上昇した場合は半導体ウエハ10から離間するように構成することができる。
また、押圧部材32はチャックテーブル31の上方位置に固定されており、チャックテーブル31を昇降自在に構成して、チャックテーブル31が上昇した場合は押圧部材32に半導体ウエハ10が接近し、チャックテーブル31が下降した場合は押圧部材32から半導体ウエハ10が離間するように構成することができる。
【0053】
(3)支持部材
支持部材33は、圧縮工程S3で保護フィルム20を圧縮できるのであれば、構成等について特に限定されない。
支持部材33の形状は、半導体ウエハ10の第2領域13の外周縁に沿って設置することができるとともに、圧縮工程S3を好適に実行できるのであれば、特に限定されない。このような形状として、平面視で円環状、扇状、弧状等が例示できる。
支持部材33の材料は、押圧部材32とともに保護フィルム20を挟んで圧縮することができるのであれば、特に限定されない。このような材料として、押圧部材32で挙げた金属等の無機材料の他に、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチック等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が例示できる。
【0054】
図3(a),(b)に示した支持部材33は、半導体ウエハ10の全体を内側に囲い込むことができるように、平面視で円環状に形成されている。
なお、支持部材33の形状を平面視で扇状、弧状等とした場合には、第2領域13の中でも特にブランク領域13Bの外周縁に沿って支持部材33を設置することが好ましい。
【0055】
図6に示すように、支持部材33は、平面視で一定以上の幅Wを要することにより、保護フィルム20による作用、つまり押圧部材32と支持部材33とで挟まれた部分でブランク領域13Bの段差を埋める作用を発揮させることができる。
段差を埋めるために要する体積は、バンプ11の高さ、半導体ウエハ10の主面10A上に占めるブランク領域13Bの面積、保護フィルム20の厚み等の条件に応じて適宜調節される。
このため、支持部材33の平面視での幅Wは、特に限定されないが、押圧部材32との間で保護フィルム20を確実に挟んで圧縮することができるという観点から、一般的に、好ましくは1~20mm、より好ましくは2~15mm、さらに好ましくは3~10mmである。
【0056】
支持部材33において保護フィルム20の縁部を支持する支持面33Aは、圧縮工程S3で圧縮された保護フィルム20の縁部の肉(例えば、凹凸吸収層23)を、半導体ウエハ10の主面10Aの第2領域13へ、特にブランク領域13Bのブランク領域表面101A上へ好適に移動させるという観点から、半導体ウエハ10の主面10Aに対して平行とされている。
あるいは、図9に示すように、支持部材33の支持面33Aは、圧縮工程S3で圧縮された保護フィルム20の縁部の肉(例えば、凹凸吸収層23)を、ブランク領域表面101A上へより好適に移動させるという観点から、半導体ウエハ10の主面10A側を向くように傾斜させてもよい。
【0057】
図3(a),(b)に示した貼着装置30は、圧縮工程S3を好適に実行できるという観点から、半導体ウエハ10の主面10Aと押圧部材32とのクリアランスをCとし、支持部材33と押圧部材32とのクリアランスをCとした場合、C>Cとされている。このC>Cの場合、支持部材33の支持面33Aは、半導体ウエハ10の主面10Aでブランク領域表面101Aよりも高い位置に配される。
なお、上記のクリアランスCとクリアランスCは、C=C、あるいはC<Cとすることもできる。C=Cの場合、支持部材33の支持面33Aは、半導体ウエハ10の第2領域13の表面と同じ高さに配され、C<Cの場合、支持部材33の支持面33Aは、半導体ウエハ10の第2領域13の表面よりも低い位置に配される。
【0058】
より具体的には、半導体ウエハ10の厚さ方向における、ブランク領域表面101Aの位置をP、支持部材33の支持面33Aの位置をP、これらPとPとの間の距離をd(μm)、とした場合において、C及びCがC>Cを満たす場合(図12(a)参照)、50≦d(μm)≦2000とすることが好ましく、100≦d(μm)≦1000とすることがより好ましい。
また、同様に、半導体ウエハ10の厚さ方向における、ブランク領域表面101Aの位置をP、支持部材33の支持面33Aの位置をP、これらPとPとの間の距離をd(μm)、とした場合において、C及びCがC<Cを満たす場合(図12(b)参照)、0<d(μm)<400とすることが好ましく、10≦d(μm)≦300とすることがより好ましく、50≦d(μm)≦200とすることがより好ましい。
【0059】
[5]配置工程
配置工程S1は、図4(a),(b)に示すように、半導体ウエハ10から押圧部材32(図示略)を離間させた状態とし、半導体ウエハ10の主面10A上に保護フィルム20を供給する工程である。
この配置工程S1において、供給された保護フィルム20は、半導体ウエハ10の主面10Aを覆うように配される(図4(b)及び図5参照)。
【0060】
供給される保護フィルム20の形状は、特に限定されず、平面視で円形状、正方形状、長方形状、帯状の何れも使用することができる。
保護フィルム20の供給方式は、特に限定されず、保護フィルム20を1枚ずつ供給するバッチ式と、保護フィルム20を連続して供給する連続式との何れも使用することができる。
図4(a),(b)に示す配置工程S1では、供給される保護フィルム20の形状は、主面10Aに応じた平面視円形状であり、保護フィルム20の供給方式は、バッチ式である。
【0061】
配置工程S1では、第2領域13全体にわたって段差を十分に埋められるだけの肉量を充足する、主面10Aの周縁よりも更に外側への肉部の流動を好適に規制する、という2つの観点から、保護フィルム20の縁部(周縁部)が、第2領域13の周縁から外側へはみ出すように、保護フィルム20を配する。
保護フィルム20の縁部のはみ出し量は、特に限定されない。このはみ出し量は、圧縮工程S3を確実に行うという観点から、はみ出した縁部を支持部材33の支持面33Aに載せることができる量とすることが好ましい。
【0062】
図6に示すように、保護フィルム20による作用、つまり押圧部材32と支持部材33とで挟まれた部分でブランク領域13Bの段差を埋める作用を発揮させるため、保護フィルム20の縁部のはみ出し量は、平面視で一定以上の幅Wを有するようにして、支持部材33の支持面33Aに載せることが好ましい。
段差を埋めるために要する体積は、バンプ11の高さ、半導体ウエハ10の主面10A上に占めるブランク領域13Bの面積、保護フィルム20の厚み等の条件に応じて適宜調節される。
このため、保護フィルム20の縁部のはみ出し量について、その平面視での幅Wは、特に限定されないが、保護フィルム20の余剰分として廃棄等される量を減らすという観点から、一般的に、支持面33Aの周縁から更に外側へはみ出さない量とすることがより好ましい。
具体的に、保護フィルム20の縁部のはみ出し量は、保護フィルム20上で主面10Aの周縁に相応する位置と、保護フィルム20の外周縁との間の長さを上記平面視での幅Wとした場合に、該幅Wが、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは1~8mm、さらに好ましくは1.5~6mmである。
【0063】
[6]貼着工程
貼着工程S2は、図5に示すように、半導体ウエハ10の主面10Aに押圧部材32を接近させ、この押圧部材32で保護フィルム20を主面10Aに押し付けて貼着する工程である。
貼着工程S2は、保護フィルム20をその厚さ方向へ圧縮する圧縮工程S3を含む。
貼着工程S2における圧縮工程S3の実行タイミングは、特に限定されず、例えば圧縮工程S3の開始時が貼着工程S2の開始後、圧縮工程S3の終了時と貼着工程S2の終了時とが略同時、圧縮工程S3の終了時が貼着工程S2の終了前などとすることができる。
【0064】
また、貼着工程S2では、貼着装置30の加熱機構を使用して保護フィルム20を加熱することにより、圧縮工程S3において保護フィルム20の肉部(凹凸吸収層23)を好適に変形させることができる。
保護フィルム20の加熱温度は、上述した凹凸吸収層23の貯蔵弾性率G’に応じて、この凹凸吸収層23を好適に変形させることが可能な温度に設定すればよく、特に限定されない。
具体的に、保護フィルム20の加熱温度は、上述した凹凸吸収層23の貯蔵弾性率G’の範囲であれば、好ましくは50~200℃、より好ましくは60~100℃、さらに好ましくは70~90℃である。
【0065】
(1)圧縮工程
圧縮工程S3は、図6に示すように、保護フィルム20の縁部を支持部材33に支持させて、この縁部を、支持部材33と押圧部材32との間で挟むことにより圧縮する。
保護フィルム20の縁部を圧縮する際の圧縮力は、押圧部材32による加圧力で設定することができる。具体的な加圧力は、保護フィルム20の縁部を好適に圧縮することができるとともに、半導体ウエハ10のひび割れ、クラックの発生を防止するという観点から、好ましくは0.3~2MPa、より好ましくは0.4~1.5MPa、さらに好ましくは0.5~1MPaである。
【0066】
圧縮工程S3において、主面10Aの第1領域12上では、押圧部材32とバンプ11との間に挟まれて厚さ方向へ潰れた保護フィルム20の肉部(凹凸吸収層23)が、バンプ11の凹凸に倣って変形し、この凹凸を埋める。
そして、厚さ方向へ潰れた保護フィルム20の肉部の一部は、図6中に右側の矢印で示したように、第2領域13のブランク領域13B上へ流動して、ブランク領域表面101A上における保護フィルム20の肉量を増やす。
【0067】
一方、支持部材33と押圧部材32との間で挟まれて厚さ方向へ圧縮された保護フィルム20の縁部は、図6中に左側の矢印で示したように、肉部(凹凸吸収層23)がブランク領域表面101A上へ絞り出されるように流動されることで、ブランク領域表面101A上における保護フィルム20の肉量を増やす。
また、厚さ方向へ圧縮された保護フィルム20の縁部は、支持部材33及び押圧部材32がブランク領域表面101A上からの肉部の流動を規制することにより、第2領域13の周縁から更に外側へ肉部が逃がされることを防ぐ。
【0068】
従って、ブランク領域表面101A上における保護フィルム20には、第1領域12上と圧縮された縁部とから肉部が流入することで、第2領域13全体にわたって段差を埋められるだけの十分な肉量が充足される。このように、肉量が充足されたブランク領域表面101A上の保護フィルム20は、肉厚を増すことにより、第2領域13全体にわたって段差を埋める。
また、保護フィルム20の表面は、押圧部材32によって押圧された状態であるため、肉部の流動に影響されることなく、押圧面32Aに倣って平坦面とされる。
【0069】
圧縮工程S3の後、主面10Aに保護フィルム20が貼着された半導体ウエハ10は、貼着装置30から取り出されて、圧縮された保護フィルム20の縁部等といった余剰部分が切除される。
余剰部分が切除された半導体ウエハ10は、図7に示すように、保護フィルム20の肉部がブランク領域表面101A上に厚く片寄ることで段差が埋められている。
また、上述の記載では第2領域13としてブランク領域13Bを挙げて説明を行ったが、このブランク領域13Bと同様にして、周縁領域13Aでも保護フィルム20の肉部が第2領域13上に厚く片寄ることで段差が埋められている。
そして、半導体ウエハ10に貼着された保護フィルム20の表面は、半導体ウエハ10の段差に倣った欠陥が形成されることなく、全体で一様な平坦面となる。
【0070】
なお、上述した本貼着方法は、図1(a),(b)に示したような主に識別領域として利用されるブランク領域13Bを例に挙げて説明したが、図11(a),(b)に示したようなブランク領域13Bでも、同様の効果を得ることができる。
すなわち、本貼着方法は、対象となる半導体ウエハ10が、バンプが配されていない領域である第2領域13に、平坦状のブランク領域表面101Aを有するブランク領域13Bが存在する場合、特に有用である。
【0071】
[7]貼着方法(第2の実施形態)
本貼着方法は、第1発明に係る第2の実施形態である。
本貼着方法(第2の実施形態)は、第1の実施形態と同様に、第2発明に係る半導体部品の製造方法に含まれるものである。
本貼着方法に供される半導体ウエハ10及び保護フィルム20は、上記[2]半導体ウエハ及び上記[3]保護フィルムに記載した通りであり、説明を省略する。
【0072】
第2の実施形態の貼着方法は、上述した第1の実施形態と配置工程及び圧縮工程が異なる。以下、本貼着方法の配置工程及び圧縮工程について説明する。
(1)配置工程
上述した配置工程S1は、図13(a)に示すように、保護フィルム20の縁部(周縁部)が、支持部材33よりも内周側に位置するように、保護フィルム20を配する工程とすることができる。この配置工程S1において、保護フィルム20の縁部は、支持部材33の支持面33Aに載せられていない。
この配置工程S1では、後述する圧縮工程S3で発生する保護フィルム20の第2領域13の外周方向への膨出を支持部材33の内周面で塞き止めるため、保護フィルム20の縁部と支持部材33の内周面との間の平面視での距離を、可能な限り短くすることが望ましい。
具体的に、保護フィルム20の縁部と支持部材33の内周面との間の平面視での距離は、好ましくは1mm未満、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。そして、最も好ましくは、保護フィルム20の縁部と支持部材33の内周面との間の平面視での距離が0mm、つまりは保護フィルム20の縁部が支持部材33の内周面に接触する状態である。
【0073】
(2)圧縮工程
上記配置工程S1の後の圧縮工程S3では、押圧部材32と主面10Aとの間で挟まれた保護フィルム20が、その縁部(周縁部)から肉部(凹凸吸収層23)を第2領域13の外周方向へ膨出させようとする。この肉部(凹凸吸収層23)の膨出は、図13(b)中に左側の矢印で示したように、支持部材33の内周面で塞き止められる。
保護フィルム20の縁部は、支持部材33の内周面で塞き止められた肉部(凹凸吸収層23)がブランク領域表面101A上に留まるとともに、第1領域12からブランク領域表面101A上へ肉部が流入することにより、第2領域13全体にわたって段差を埋めることが可能な肉量を充足される。
ブランク領域表面101A上の保護フィルム20の縁部は、肉量が充足されることによって肉厚を増している。このため、圧縮工程S3は、押圧部材32の押圧面32Aと、支持部材33の内周面と、半導体ウエハ10の主面10Aとによって、保護フィルム20の縁部を圧縮する工程となる。そして、第2領域13は、圧縮された保護フィルム20の縁部によって、その全体にわたって段差を埋められる。
【0074】
本貼着方法によって保護フィルム20が貼着された半導体ウエハ10が、バックグラインド工程で所望の薄さとされ、個片化されて、諸々の加工を施されることにより、半導体ウエハ10から半導体部品が製造される。すなわち、本貼着方法は、半導体部品の製造方法に含まれるものである。
【0075】
なお、本願の貼着方法について、第1の実施形態と第2の実施形態とを比較した場合、第1の実施形態では支持部材33と押圧部材32との間で保護フィルム20の縁部を圧縮して押し潰すのに対し、第2の実施形態では支持部材33と押圧部材32との間で保護フィルム20の縁部を圧縮せずに、支持部材33の内周面で保護フィルム20の膨出を塞き止めている点で差異がある。この差異による効果は、保護フィルム20が、流動性又は可塑性を発現できる層、つまり凹凸吸収層23を有する場合、より顕著に生じ得る。
【0076】
すなわち、保護フィルム20が流動性又は可塑性を発現できる層(凹凸吸収層23)を有する場合であって、第1の実施形態の貼着方法を実施した場合には、縁部を構成する当該層(凹凸吸収層23)を流動させて主面10Aの第2領域13へ押し出すことにより、第1領域12から押し出された分だけでなく、第2領域13の外側の縁部から押し出された分までをも使用して、肉量を補充することができる。簡潔に言い換えると、第1の実施形態の貼着方法は、保護フィルム20の凹凸吸収層23を、第2領域13を取り囲む周縁部のうち内周縁部及び外周縁部の両方から、この第2領域13へ押し出すことで、段差を埋めている。
【0077】
これに対し、保護フィルム20が流動性又は可塑性を発現できる層(凹凸吸収層23)を有する場合であって、第2の実施形態の貼着方法を実施した場合には、縁部を構成する当該層(凹凸吸収層23)を流動させて主面10Aの第2領域13へ押し出すことが出来ず、第1領域12から押し出された分だけで肉量を補充する必要がある。簡潔に言い換えると、第2の実施形態の貼着方法は、保護フィルム20の凹凸吸収層23を、第2領域13を取り囲む周縁部のうち内周縁部のみから、この第2領域13へ押し出すことで、段差を埋めている。
【0078】
従って、保護フィルム20が流動性又は可塑性を発現できる層(凹凸吸収層23)を有する場合、第1の実施形態は、第2領域13の段差を埋めるために、この第2領域13よりも外側の縁部を構成する当該層(凹凸吸収層23)を利用できる点において、より大きなブランク領域13Bを有する半導体ウエハ10にも対応可能であり、第2の実施形態よりも有利といえる。
【0079】
[8]貼着方法(第3の実施形態)
本貼着方法は、第4発明に係る第3の実施形態である。
本貼着方法(第3の実施形態)に供される半導体ウエハ10は、上述の各実施形態の貼着方法に供されるものと同じであり、その詳細については、上記[2]半導体ウエハに記載した通りであるため、説明を省略する。
本貼着方法(第3の実施形態)に供される保護フィルム20は、上述の各実施形態の貼着方法に供されるものと同じであり、その詳細については、上記[3]保護フィルムに記載した通りであるため、説明を省略する。すなわち、保護フィルム20は、第6発明に係る保護フィルムでもある。
【0080】
本貼着方法(第3の実施形態)は、保護フィルム20を加工して加工済みフィルム20Aを得る加工工程S11(図14(a),(b)参照)と、半導体ウエハ10の主面10Aを覆うように加工済みフィルム20Aを配する配置工程S12(図15参照)と、加工済みフィルム20Aを主面10Aに押し付けて貼着する貼着工程S13(図16参照)とを備える。
加工工程S11は、保護フィルム20に厚さの異なる部位を形成して、加工済みフィルム20Aを得る工程である。
そして、配置工程S12は、加工済みフィルム20Aの厚さの異なる部位のうちの厚さが相対的に厚い領域201を、第2領域13に対応させて配置する工程である。
【0081】
本貼着方法によって保護フィルム20が貼着された半導体ウエハ10が、バックグラインド工程で所望の薄さとされ、個片化されて、諸々の加工を施されることにより、半導体ウエハ10から半導体部品が製造される。
すなわち、本貼着方法(第3の実施形態)は、第5発明に係る半導体部品の製造方法に含まれるものである。
【0082】
本貼着方法において、加工工程S11は、これを実行可能な加工装置40(図14(a),(b)参照)を使用して実施することができる。
加工工程S11において、保護フィルム20は、流動性又は可塑性を発現する層(凹凸吸収層23)で肉部の片寄りを発生させることで、厚さの異なる部位が形成されるように加工されて、加工済みフィルム20Aとされる。
【0083】
本貼着方法において、配置工程S12及び貼着工程S13は、これらを実行可能な貼着装置30(図15図16参照)を使用して実施することができる。
配置工程S12において、加工済みフィルム20Aは、厚さの異なる部位のうち、厚さが相対的に厚い領域201が、ブランク領域表面101A上に位置するようにして、主面10A上に配置される。
貼着工程S13において、加工済みフィルム20Aは、押圧部材32によって主面10Aに押し付けられるとともに、主面10Aのブランク領域表面101A上に配された厚さが相対的に厚い領域201に肉部(凹凸吸収層23)が厚く片寄ることで、主面10Aの段差が埋まり、保護フィルム20(加工済みフィルム20A)の表面は平坦となる。
なお、本貼着方法の配置工程S12及び貼着工程S13で使用される貼着装置30は、上述した第1及び第2の実施形態の貼着方法で使用した貼着装置30とほぼ同様のチャックテーブル31、押圧部材32、支持部材33等を有するものを使用することができる。この貼着装置30の詳細については、上記[4]貼着装置に記載した通りであるため、説明を省略する。
【0084】
[9]加工装置
加工装置40は、加工工程S11実行可能な構成であれば、特に限定されない。
加工装置40として、以下に示すような構成を例示することができる。
図14(a),(b)に示すように、加工装置40は、保護フィルム20を挟んで互いに対向するように配置された第1ローラ41と第2ローラ42とを有している。
第1ローラ41は、保護フィルム20の基層21に接触するように、保護フィルム20の上方に回転自在に支持されている。
第2ローラ42は、保護フィルム20の粘着材層22に接触するように、保護フィルム20の下方に回転自在に支持されている。
第2ローラ42の周面には、複数の凸部43が凸設されている。
第1ローラ41、第2ローラ42及び凸部43は、保護フィルム20を加工することができるものであれば、材質、駆動方式、構成等について特に限定されない。
【0085】
[10]加工工程
加工工程S11は、図14(a)に示すように、加工装置40の第1ローラ41と第2ローラ42との間に保護フィルム20を供給し、この保護フィルム20を第1ローラ41と第2ローラ42との間から図14(a)中に矢印で示す進行方向へと送り出す工程である。
加工工程S11において、第1ローラ41と第2ローラ42との間から送り出された保護フィルム20は、厚さの異なる部位が形成された加工済みフィルム20Aとされる。
【0086】
加工装置40に供給される保護フィルム20の形状は、特に限定されず、平面視で円形状、正方形状、長方形状、帯状の何れも使用することができる。
保護フィルム20の供給方式は、特に限定されず、保護フィルム20を1枚ずつ供給するバッチ式と、保護フィルム20を連続して供給する連続式との何れも使用することができる。
図14(a),(b)に示す加工工程S11では、供給される保護フィルム20の形状は、主面10Aに応じた平面視円形状であり、保護フィルム20の供給方式は、バッチ式である。
【0087】
加工装置40において、保護フィルム20は、第1ローラ41と第2ローラ42との間に挟まれて進行方向に送り出される際、第1ローラ41及び第2ローラ42をそれぞれ回転させる。
第2ローラ42は、その周面に凸部43が凸設されており、図14(b)に示すように、回転に伴って保護フィルム20に凸部43を接触させる。
保護フィルム20の凸部43が接触された部位は、この凸部43と第1ローラ41との間で厚さ方向へ押し潰される。
【0088】
保護フィルム20の押し潰された部位の肉部(凹凸吸収層23)は、図14(b)中に矢印で示したように、押し潰された部位と隣接する部位へ流動して片寄ることで、その隣接する部位の肉量を増やす。
そして、保護フィルム20には、押し潰された部位が薄く、その押し潰された部位と隣接する部位が厚くなるように、厚さの異なる部位が形成されて、加工済みフィルム20Aが得られる。
この加工済みフィルム20Aは、厚さの異なる部位のうち、厚さが相対的に厚い領域201を有しており、配置工程S12では、この厚さが相対的に厚い領域201が利用される。
【0089】
[11]配置工程
配置工程S12は、図15に示すように、チャックテーブル31に固定された半導体ウエハ10から押圧部材32を離間させた状態としたうえで、上記加工工程S11で得られた加工済みフィルム20Aを半導体ウエハ10の主面10A上に供給する工程である。
この配置工程S12において、供給された加工済みフィルム20Aは、半導体ウエハ10の主面10Aを覆うように配置される。
また、半導体ウエハ10の横には、第2領域13の外周縁に沿って支持部材33が設置される。
このとき、加工済みフィルム20Aは、厚さが相対的に厚い領域201を第2領域13に対応させることで、その厚さが相対的に厚い領域201がブランク領域表面101Aの上方に位置するように配置される。
【0090】
[12]貼着工程
貼着工程S13は、図16に示すように、保護フィルム20の縁部を支持部材33に支持させた状態として、半導体ウエハ10の主面10Aに押圧部材32を接近させ、この押圧部材32で保護フィルム20を主面10Aに押し付けて貼着する工程である。
貼着工程S13において、主面10Aの第1領域12上では、押圧部材32とバンプ11との間に挟まれて厚さ方向へ潰れた加工済みフィルム20Aの肉部(凹凸吸収層23)が、バンプ11の凹凸に倣って変形し、この凹凸を埋める。
圧縮行程S3では、保護フィルム20の縁部が支持部材33及び押圧部材32の間に挟まれることにより、ブランク領域表面101A上から保護フィルム20の縁部への肉部の流動が規制されており、第2領域13の周縁から更に外側へ肉部が逃がされることを防いでいる。
そして、厚さ方向へ潰れた加工済みフィルム20Aの肉部の一部は、図16中に矢印で示したように、第2領域13のブランク領域13B上へ流動し、ブランク領域表面101A上における加工済みフィルム20Aの肉量を増やす。
【0091】
加工済みフィルム20Aにおいて、ブランク領域表面101A上には、厚さが相対的に厚い領域201が配置工程S12で配置されていたことから(図15参照)、貼着工程S13で第1領域12上からの流動分が加わることで、ブランク領域表面101A上における加工済みフィルム20Aの肉量がさらに増す(図16参照)。
また、加工済みフィルム20Aにおいて、厚さが相対的に厚い領域201と隣接する部位は、上述した加工工程S11で押し潰されて薄くなっているため、この押し潰されて薄くなっている部位を介して第2領域13の周縁から更に外側へ肉部が逃がされることを抑制することができる。
さらに、貼着工程S13では、加工工程S11で押し潰されて薄くなっている部位を、支持部材33及び押圧部材32の間に挟むことにより、第2領域13の周縁から更に外側へ肉部が逃がされることを防止することができる。
【0092】
従って、加工済みフィルム20Aは、厚さが相対的に厚い領域201を第2領域13に対応させるとともに、第1領域12上から肉部が流入することで、第2領域13全体にわたって段差を埋められるだけの十分な肉量を充足される。
そして、肉量が充足されたブランク領域表面101A上の加工済みフィルム20Aは、肉厚を増すことにより、第2領域13全体にわたって段差を埋める。
また、加工済みフィルム20Aの表面は、押圧部材32によって押圧された状態であるため、肉部の流動に影響されることなく、押圧面32Aに倣って平坦面とされる。
上述の記載では第2領域13としてブランク領域13Bを挙げて説明を行ったが、このブランク領域13Bと同様にして、周縁領域13Aでも加工済みフィルム20Aの肉部が第2領域13上に厚く片寄ることで段差が埋められている。
さらに、ブランク領域13Bは、図1(a),(b)に示したような主に識別領域として利用されるものに限らず、図11(a),(b)に示したようなブランク領域13Bでも同様の効果を得ることができる。
すなわち、本貼着方法は、対象となる半導体ウエハ10が、バンプが配されていない領域である第2領域13に、平坦状のブランク領域表面101Aを有するブランク領域13Bが存在する場合、特に有用である。
そして、半導体ウエハ10に貼着された保護フィルム20の表面は、半導体ウエハ10の段差に倣った欠陥が形成されることなく、全体で一様な平坦面となる。
【0093】
[13]加工工程(第4の実施形態)
本加工工程を含む貼着方法は、第4発明に係る第4の実施形態である。この貼着方法(第4の実施形態)は、加工装置40と、該加工装置40を使用した加工工程S11の他は、上述の第3の実施形態と同様であり、加工装置40及び加工工程S11以外の詳細な説明を省略する。
なお、本加工工程を含む貼着方法(第4の実施形態)は、第3の実施形態と同様に、第5発明に係る半導体部品の製造方法に含まれるものである。
また、本加工工程を含む貼着方法(第4の実施形態)に供される半導体ウエハ10及び保護フィルム20は、第3の実施形態を含む上述の各実施形態の貼着方法に供されるものと同じであり、その詳細について説明を省略する。
【0094】
本加工工程S11において、加工装置40は、図17(a),(b)に示すように、チャックテーブル31に支持固定された半導体ウエハ10の第2領域13の外周縁に沿うように、半導体ウエハ10の横に立設された支持柱45と、この支持柱45との間に保護フィルム20を挟んで上下方向で対向するように配置された押圧体46とを有している。
支持柱45は、半導体ウエハ10の上方位置に保護フィルム20が配されるように、この保護フィルム20の縁部を支持しているとともに、下降することで半導体ウエハ10の主面10Aに保護フィルム20を接近させるように構成されている。
押圧体46は、盤状に形成されており、下降して支持柱45に接近するように構成されている。
そして、支持柱45に支持された保護フィルム20は、押圧体46が下降する際、支持柱45と押圧体46との間に挟まれることにより、押し潰されて加工される。
上述の支持柱45、押圧体46は、保護フィルム20を加工することができるものであれば、材質、駆動方式等について特に限定されない。
【0095】
上述の加工装置40を使用した加工工程S11について説明する。
図17(a)に示すように、加工工程S11において、保護フィルム20は、支持柱45と押圧体46との間で厚さ方向へ押し潰される。
保護フィルム20の押し潰された部位の肉部(凹凸吸収層23)は、図17(b)に示すように、押し潰された部位と隣接する部位へ流動して片寄ることで、その隣接する部位の肉量を増やす。
そして、保護フィルム20には、押し潰された部位が薄く、その押し潰された部位と隣接する部位が厚くなるように、厚さの異なる部位が形成されて、加工済みフィルム20Aが得られる。
加工済みフィルム20Aは、厚さの異なる部位のうち、厚さが相対的に厚い領域201を有しており、この厚さが相対的に厚い領域201の位置は、支持柱45が半導体ウエハ10の第2領域13の外周縁に沿うように設けられていることから、第2領域13と対応している。
よって、この加工工程S11は、図17(b)中に矢印で示したように、支持柱45を下降させて、加工済みフィルム20Aの厚さが相対的に厚い領域201をブランク領域表面101Aの上方に配置することで、配置工程S12を含めて実行することができる。
【実施例
【0096】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
[1]保護フィルム
保護フィルム20として、12インチ用リングフレームに貼付したものを使用した。
保護フィルム20の構成、基層21、粘着材層22、凹凸吸収層23は、以下の通りである。
基層21 材質:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:75μm。
粘着材層22 材質:UV硬化型アクリル系粘着剤、厚さ:10μm。
凹凸吸収層23 材質:熱可塑性エチレン・α-オレフィン共重合体(密度:0.861g/cm、G’(25):5.15MPa、G’(60):0.14MPa、メルトフローレート(190℃):2.9g/10分)、厚さ:510μm。
【0097】
[2]半導体ウエハ
バンプ11が設けられた半導体ウエハ10として、以下の諸元のものを用いた。
直径:300mm。
厚さ:810μm。
材質:珪素(シリコン)。
バンプ11の平均高さ:200μm。
バンプ11のピッチ:400μm。
非バンプ領域(周縁領域13A):外周から3mm。
非バンプ領域(識別領域としてのブランク領域13B):図1(a)中のLの長さが90mm、図1(a)中のLの長さが7mm。
【0098】
[3]保護フィルムの貼着
〈実施例1〉
真空ラミネーター装置(タカトリ社製の品番「TPL-0612W」)を用意し、チャックテーブル31上に平面視で円環状に形成された支持部材33(厚さ:1mm、幅W:5mm)を載置し、押圧部材32の押圧面32Aを鉄製とした。
支持部材33の内側に半導体ウエハ10をセットした後、配置工程S1で保護フィルム20をバッチ式で供給し、この保護フィルム20を半導体ウエハ10の主面10Aを覆うように配置した。
その後、保護フィルム20の加熱温度を80℃に設定するとともに、押圧部材32による加圧力を0.7MPaに設定し、貼着工程S2、圧縮工程S3の順番で各工程を実行して、半導体ウエハ10の主面10Aに保護フィルム20を貼着した。
そして、保護フィルム20の周縁部において、半導体ウエハ10の外周縁からはみ出した余剰部分を切除し、実施例1の試料を得た。
〈比較例1〉
ロール貼付装置(日東精機社製の品番「DR-3000II」)を使用し、支持部材33を使用しなかった他は、実施例1と同様にして、半導体ウエハ10の主面10Aに保護フィルム20を貼着し、保護フィルム20の周縁部の余剰部分を切除して、比較例1の試料を得た。
〈比較例2〉
押圧面32Aをシリコーンゴム製とし、支持部材33を使用しなかった他は、実施例1と同様にして、半導体ウエハ10の主面10Aに保護フィルム20を貼着し、保護フィルム20の周縁部の余剰部分を切除して、比較例2の試料を得た。
【0099】
[4]保護フィルム表面の凹凸の測定
半導体ウエハの周縁の端部において、図10の下部の説明図で示した位置を、水平位置0mmと垂直位置0μmとして、所定の水平位置における保護フィルム表面の垂直位置を測定した。その結果を図10の上部にグラフで示す。
なお、図10の下部の説明図は、上部のグラフに対して、水平位置については対応するように描かれており、垂直位置については誇張して描かれている。
【0100】
保護フィルム表面の垂直位置を測定した結果、図10のグラフから、以下のことが分かった。
実施例1は、何れの水平位置においても垂直位置の高低差がほぼ無く、保護フィルム表面が平坦であった。
比較例1は、水平位置が4mmの辺り、つまり第2領域で垂直位置が低くなり、水平位置が7~8mmの範囲、つまり第1領域で垂直位置が高くなる。この結果から、比較例1では、第2領域と第1領域との間に生じた段差に応じるように、第2領域内で保護フィルム表面にへこみが形成されていることが分かった。
比較例2は、水平位置が5mm以下の範囲、つまり第2領域内で垂直位置が高くなっていく傾向を示す一方で、水平位置が7mm以上の範囲、つまり第1領域内では垂直位置が低くなっていく傾向を示す。この結果から、比較例2では、第2領域と第1領域との間に生じた段差の影響が及ぶことで、第2領域で保護フィルムが山なりに撓み、第1領域内で保護フィルム表面にへこみが形成されていることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の保護フィルムの貼着方法は、半導体部品製造の用途において広く用いられる。特に、バックグラインド工程が施される半導体ウエハにおいて、保護フィルム表面を好適に平坦化できる特性を有するため、生産性に優れた部品製造を行うために好適に利用される。
【符号の説明】
【0102】
10;半導体ウエハ、
10A;主面、
11;バンプ、
12;第1領域、
13;第2領域、13A;周縁領域、13B;ブランク領域、
14;面取り部、
20;保護フィルム、
20A;加工済みフィルム、
21;基層、
22;粘着材層、
23;凹凸吸収層、
30;貼着装置、
31;チャックテーブル、
32;押圧部材、32A;押圧面、
33;支持部材、33A;支持面、
40;加工装置、
41;第1ローラ、
42;第2ローラ、
43;凸部、
45;支持柱、
46;押圧体、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17