(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】格納筐体内に配置された電気機械ユニットを備えた電気化学装置
(51)【国際特許分類】
C25B 1/042 20210101AFI20241111BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20241111BHJP
C25B 9/23 20210101ALI20241111BHJP
C25B 9/67 20210101ALI20241111BHJP
C25B 9/77 20210101ALI20241111BHJP
C25B 15/08 20060101ALI20241111BHJP
H01M 8/12 20160101ALI20241111BHJP
H01M 8/2475 20160101ALI20241111BHJP
H01M 8/248 20160101ALI20241111BHJP
【FI】
C25B1/042
C25B9/00 A
C25B9/23
C25B9/67
C25B9/77
C25B15/08 302
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
H01M8/2475
H01M8/248
(21)【出願番号】P 2021521971
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(86)【国際出願番号】 FR2019052512
(87)【国際公開番号】W WO2020084249
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-12
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・プランク
(72)【発明者】
【氏名】シャルロット・ベルナール
(72)【発明者】
【氏名】ギレム・ルー
【審査官】隅川 佳星
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-076890(JP,A)
【文献】特表2012-506946(JP,A)
【文献】特開2013-038034(JP,A)
【文献】特開2013-105662(JP,A)
【文献】特開2014-232678(JP,A)
【文献】特開2015-049958(JP,A)
【文献】特表2016-516129(JP,A)
【文献】特開2018-073715(JP,A)
【文献】特開2018-085327(JP,A)
【文献】国際公開第2015/087913(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/102657(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/080570(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0019943(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00 - 15/08
H01M 8/00 - 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学ユニット(100)であって、該電気化学ユニットは、
高温で作動するSOEC/SOFCタイプ固体酸化物積層体(200)と、
2つのクランププレートが設けられたクランプシステムであって、該クランププレートはそれぞれ、第1のクランププレート(300)および第2のクランププレート(310)と称され、これらのクランププレートの間に前記積層体(200)が挟まれ、2つの前記クランププレートのうちの一方および/または他方は、少なくとも1つのガス入口(EG)および少なくとも1つのガス出口(SG)を備えた、クランプシステムと、
少なくとも1つの前記ガス入口(EG)および少なくとも1つの前記ガス出口(SG)とそれぞれ協働する、前記積層体(200)の作動を目的とされたガス分配および放出手段(330)と、
前記電気化学ユニット(100)を加熱するように構成され、且つ前記ユニット(100)内に統合された加熱手段(340)と、
を備え
る電気化学ユニット(100)と、
内部空間Vと称される空間内に前記電気化学ユニット(100)を収容した格納チャンバ(500)であって、前記内部空間Vは、前記格納チャンバ(500)の内面Sと称される表面により区切られて、前記電気化学ユニット(100)の形状に合致した、格納チャンバ(500)と、
を備えている電気化学装置(10)。
【請求項2】
前記格納チャンバ(500)は、前記電気化学ユニットが載置される床(500s)と、壁(500m)と、ルーフ(500v)と、を備え、前記床(500s)、壁(500m)、およびルーフ(500v)は、取外し可能な取り付け手段により保持されて、前記格納チャンバ(500)を取り外し可能にしている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記壁(500m)およびルーフ(500v)は、前記格納チャンバ(500)の開放を可能にするために
、前記床(500s)に直交した軸の周りに回動可能な2つのハーフシェル(500c1、500c2)を形成している、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記格納チャンバ(500)は
、ハンドルが設けられ
た運搬手段を備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記加熱手段(340)は、2つの前記クランププレートの一方および/または他方に統合されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記加熱手段(340)は抵抗フィラメントを備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記電気化学ユニット(100)は、第1のエンドプレート(240a)および第2のエンドプレート(240b)とそれぞれ称される2つのエンドプレートをさらに備え、これらのエンドプレートはそれぞれ、前記第1のクランププレート(300)と前記電気化学積層体(200)との間、および前記第2のクランププレート(310)と前記電気化学
積層体(200)との間に介在しており、前記第1のエンドプレート(240a)および/または前記第2のエンドプレート(240b)の各々は、前記ガス分配または放出ダクトと協働する少なくとも1つのガス循環ダクトをさらに備え、該ガス循環ダクトは、ガスを前記電気化学ユニット(100)へと移送する前に、第1の端部から第2の端部へとガスの循環を可能にしている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ガス循環ダクト(241)は、前記第1のエンドプレート(240a)および/または前記第2のエンドプレート(240b)の一つの面に形成された溝を備え、該溝は渦巻を有し、前記溝
は正弦波形状である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記クランプシステムは、2つの前記クランププレートの一方から他方へと延び且つ各プレート内に形成されたクランプ開口部と称される開口部を横断した少なくとも2つのタイロッド(300t)をさらに備え、少なくとも2つの前記タイロッド(300t)は
、ボルトであるクランプ手段と共に、2つのプレートを互いに組み立てることを可能にしている、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも2つの前記タイロッド(300t)は中空管を備え、前記ガス分配および/または放出手段と協働して、管の一端から前記管の他端へのガスの循環を可能にしている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ガス供給および出口(SG)のための、前記積層体(200)の高温密着連結システムをさらに備え、前記連結システム(30)は、
- 前記ガス供給および出口(SG)のための、少なくとも2つの収集ダクトを備え、各ダクトには、少なくとも1つの前記ガス入口(EG)および少なくとも1つの前記ガス出口(SG)にそれぞれ面して配置された収集開口部(33)が設けられた、コレクタ(31)と、
- 各々が各収集開口部(33)と前記ガス出口(SG)または前記ガス入口(EG)との間に配置された、少なくとも2つのシール(35)と、
を備えている、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温下において作動する固体酸化物電気化学セルが設けられた電気化学装置の一般的な分野に関する。
【0002】
本発明は特に、2つのクランププレート間にクランプされた複数の電気化学セルを備えた電気化学装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電気化学セルおよびクランププレートにより形成されたユニットは、一体型加熱システム、およびそのエネルギ性能、特にその熱性能を増強することを目的とした手段も備えている。
【0004】
本発明による装置は、特に高温電気分解のために、または燃料電池として使用可能である。
【0005】
図1は、先行技術による、および本明細書の最後に記載された文献1に記載された電気機械装置を示している。
【0006】
電気化学装置は、電解槽モードまたは燃料電池モードのいずれかにおいて作動可能な、2つのクランププレートに挟まれた、高温において作動する固体酸化物積層体を備えている。
【0007】
電気化学装置10は、頭文字「SOEC」(固体酸化物電解槽セル)または「SOFC」(固体酸化物燃料電池)のいずれかにより全体的に示されており、それはそれぞれ電解槽モードまたは燃料電池モードにおいて作動する。
【0008】
図2に示された、高温において作動する固定酸化物積層体は、基礎電気化学セル210の積層体200を備え、これらのセルの間に、基礎電気化学セル間の電気的接触を設け、且つその試薬ガスの分配を実行することを目的とされた中間インターコネクタ230が挿入されている。
【0009】
各基礎電気化学セルは、陽極210aと陰極210cとの間に介入した電解質210eを含んでいる。
【0010】
本願の記載を通して、「陽極」、「陰極」、および「電解質」は、例えば層形式の全体的に平坦な形状の要素を示しており、輪郭により接続された、基本的に平行な2つの主面を備えている。
【0011】
各基礎電気化学セルの陽極および陰極は、全体的に多孔質層を備え、一方で電解質は緻密な不透水性層を形成している。
【0012】
電気化学セルのいずれかの側に配置された各中間インターコネクタは、個々に陽極と共に陽極ガス分配収集区画230aを形成し、陰極と共に陰極ガス分配収集区画230bを形成している。
【0013】
動作において、陽極および陰極は電気化学反応の部位であり、一方で電解質は、電気化学セルが電解槽モードにおいてまたは燃料電池モードにおいて作動しているかにより、陰極から陽極へ、またはその逆へとイオンを搬送することが可能である。
【0014】
したがって、陰極区画は水蒸気の供給および水還元物質特に水素の排出が可能であり、一方で陽極区画は、排出ガスを通じて、陰極から陽極へと移動するO2-イオンの酸化から生じた二酸素を排出する。
【0015】
基礎電気化学セルによる水蒸気の電気分解の仕組み(「SOEC」モード)は、
図3に示されている。この電気分解の間に、基礎電気化学セルは、陰極から陽極へと循環する電流により電力供給される。次に、陰極区画により分配された水蒸気は、以下の半反応にしたがった電流の効果の下で減少する。
2H
2O+4e
-→2H
2+O
2-
【0016】
次に、この反応の間に生じた二水素は排出され、この反応の間に生じたO2-イオンは、電解質を通じて陰極から陽極へと移動し、このときこれらのイオンは、半反応にしたがって二酸素へと酸化される。
2O2-→O2+4e-
【0017】
このようにして形成された二酸素は、陽極区画内を循環する排出ガスにより、その一部が排出される。
【0018】
水蒸気の電気分解は、以下の反応にしたがっている。
2H2O→2H2+O2
【0019】
燃料電池モード(「SOFC」)においては、空気が陰極区画内に噴射され、O2-イオンへと分割される。O2-イオンは陽極へと移動し、陽極区画内を循環する二水素と反応して、水を形成する。
【0020】
燃料電池モードにおける動作は、電流の生成を可能にしている。
【0021】
そのような電気化学装置の動作の最適化は先行技術から知られているが、いくつかの制限を必要とする。
【0022】
特に、2つの連続した中間インターコネクタの間に絶縁体を備え、基礎電気化学セルの短絡のあらゆる危険性を回避するが、基礎電気化学セルと中間インターコネクタとの間の電気的接触および十分な接触面積を満足する必要がある。そのとき、最低の可能なオーム抵抗が、セルと中間インターコネクタとの間に求められる。これは、対面した材料に依存するが、積層体のクランプの程度にも依存する。
【0023】
さらに、効率の低下、とりわけ積層体を損傷させるホットスポットの存在を誘発する、生成したガスの再結合のあらゆる危険性を回避するために、陽極区画と陰極区画との間には密着性が必要とされる。繰り返すが、この密着性は、シールのデザインおよび使用された材料に依存するが、積層体のクランプの程度にも依存する。
【0024】
最後に、生成物の入口および再生の両方においてガスの分配を満足し、異なった基礎ユニットにおける効率、圧力、および温度の不均一性、または電気化学セルの劣化のあらゆる危険性を回避することが好適である。
【0025】
さらに、特にそのような装置は炉50の筐体内に配置され、600℃から1000℃の間の温度、特に800℃の温度に筐体を維持する。炉は、例えば電気化学装置の外側に装着された加熱要素51が設けられた高出力炉である。この構成は、その装置内において熱エネルギが減少されて、均一に分配されることを許容しない。
【0026】
高い温度勾配は、特に電気化学装置内と炉の筐体内との両方に観察され得る。
【0027】
動作において、非均一な加熱は、電気化学装置の効率の損失を不可避的に誘発し、電気化学装置を損傷する可能性のある熱応力の原因にもなる。
【0028】
さらに、電気分解モードおよび燃料電池モードの両方における高温、特に600℃から1000℃の間でのガスの噴射は、特定の利点を有する。
【0029】
SOECまたはSOFC高温固体酸化物積層体内の流入および流出ガスは、特に
図5に示された炉によって、積層体内へのガスの噴射前に加熱されることが可能である。
【0030】
この観点から、炉50はしたがって低温部品PFおよび高温部品PCを含み、高温部品PCは炉床11、ループチューブ12を備え、電気化学装置のガス入口および出口を管理している。
【0031】
高温電解槽セル(SOEC)または燃料電池(SOFC)積層体内へのガス入口の過熱を実施するために、2つの主な技術が存在する。
【0032】
概略的に
図5に示されたように、その高温部分PC内の炉20の加熱抵抗器の隣に、巻かれたループチューブ12を配置することが可能である。
【0033】
次に、交換機出口においてガスは約500℃近辺の温度に事前に加熱され、次いで加熱抵抗器の放射熱に暴露されるために、ループチューブ12内を循環する。放射熱へのこの暴露は、ガスが固体酸化物積層体内に噴射される前に、約300℃の温度のガスを過熱させる。
【0034】
代替的に、鋼製の慣性質量体31、加熱抵抗器32、および慣性質量体31に巻かれたガスダクトチューブ33を備えた電気ヒータ30(
図6)を通じて、ガスを通すことが可能である。そのような電気ヒータ30は、固体酸化物積層体内に(流出ガスGS)を導入する前に、20℃の流入ガGEスを約800℃の温度に上昇させることが可能である。
【0035】
しかしながら、これら2つの技術は、電気化学装置の正確な動作を確実にするために、ガスの温度の非常に精密な調節を必要とする。
【0036】
さらに、
図5に開示された原理による過熱の実施は、ループチューブの巻き付け、特に曲げの存在により、複雑なアセンブリの使用を必要とする。ループチューブは、装置の体積を均等に増加させ、装置のアセンブリ全体(電流供給部、熱電対等の経路等)に関する困難性をさらに生じさせる。
【0037】
さらに、ループチューブは高価であり、酸化物によるその汚染を防止するために、高価な且つ時間を浪費する処理必要とする。
【0038】
その部品に関して、
図6において実施された技術は、ますます小型のシステムを提案する現在の傾向とは互換性のないサイズを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0039】
したがって、本発明の目的は、先行技術から知られた装置と比較して、電気化学装置の加熱が均一に増強された電気化学装置を提案することである。
【0040】
本発明のさらなる目的は、先行技術から知られた装置のものよりもより良好に加熱が規制された電気化学装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本発明の目的は、少なくとも部分的に電気化学装置により達成され、この電気化学装置は、
電気化学ユニットであって、この電気化学ユニットは、
高温で作動するSOEC/SOFCタイプ固体酸化物積層体と、
2つのクランププレートが設けられたクランプシステムであって、クランププレートは、それぞれ第1のクランププレートおよび第2のクランププレートと称され、これらのクランププレートの間に積層体が挟まれ、2つのクランププレートのうちの一方および/または他方は、少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス出口を備えた、クランプシステムと、
少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス出口とそれぞれ協働する、積層体の作動を目的とされたガス分配および放出手段と、
電気化学ユニットを加熱するように構成され、且つユニット内に統合された加熱手段と、
を備えた電気化学ユニットと、
内部空間Vと称される空間内に電気化学ユニットを収容した格納チャンバであって、内部空間Vは、格納チャンバの内面Sと称される表面により区切られて、電気化学ユニットの形状に合致しており、所定の距離Dpよりも大きい、ユニットからの距離Dにおいて、所定の距離が調節され、これにより、内面と電気化学ユニットとの間の空間内に二水素が漏れた場合に、この二水素の酸化が15%よりも大きい酸素レベルを維持することを可能にしており、格納チャンバは断熱材料をさらに備えた、格納チャンバと、を備えている。
【0042】
統合加熱手段および電気化学ユニットの形状に合致した内面Sの組み合わせは、電気化学装置の熱効率の増大を可能にしている。
【0043】
実際に、内面Sの合致性は、内面が電気化学ユニットにより放出された熱をそのユニットに向けてより効率的に反射することを可能にしており、結果的に、このタイプの用途に従来使用されているものに対して、低電力の加熱手段を検討することも可能である。
【0044】
さらに、この組み合わせは、電気化学ユニット内の温度の均一性も補助し、これによりその効率を増大させる。
【0045】
一実施形態によれば、格納チャンバは、電気化学ユニットが載置される床と、壁と、ルーフと、を備え、床、壁、およびルーフは、取り外し可能な取り付け手段により保持されて、格納チャンバを取り外し可能にしている
【0046】
一実施形態によれば、壁およびルーフは、格納チャンバの開放を可能にするために、有利に床に直交した軸の周りに回動可能な2つのハーフシェルを形成している。
【0047】
一実施形態によれば、格納チャンバは、特にハンドルが設けられたフープである運搬手段を備えている。
【0048】
一実施形態によれば、加熱手段は、2つのクランププレートの一方および/または他方に統合されている。
【0049】
一実施形態によれば、加熱手段は抵抗フィラメントを備えている。
【0050】
一実施形態によれば、電気化学ユニットは、第1のエンドプレートおよび第2のエンドプレートとそれぞれ称される2つのエンドプレートをさらに備え、これらのエンドプレートは、第1のクランププレートと電気化学積層体との間、および第2のクランププレートと電気化学ユニットとの間にそれぞれ介在しており、第1のエンドプレートおよび/または第2のエンドプレートの各々は、ガス分配または放出ダクトと協働する少なくとも1つのガス循環ダクトをさらに備え、このガス循環ダクトは、ガスを電気化学ユニットへと移送する前に、第1の端部から第2の端部へのガスの循環を可能にしている。
【0051】
したがって、ガス循環ダクトは、電気化学ユニットにより生成された熱の放射効果により、ガスを過熱することを可能にしており、これにより電気化学装置の性能を増大させている。
【0052】
一実施形態によれば、ガス循環ダクトは、第1のエンドプレートおよび/または第2のエンドプレートの一方の面に形成された溝を備え、この溝は渦巻を有し、溝は有利に正弦波形状である。
【0053】
一実施形態によれば、クランプシステムは、2つのクランププレートの一方から他方へと延び且つ各プレート内に形成されたクランプ開口部と称される開口部を横断した少なくとも2つのタイロッドをさらに備え、少なくとも2つのタイロッドは、特にボルトであるクランプ手段と共に、2つのプレートを互いに組み立てることを可能にしている。
【0054】
一実施形態によれば、少なくとも2つのタイロッドは中空管を備え、ガス分配および/または放出手段と協働して、その管の一端から管の他端へのガスの循環を可能にしている。
【0055】
一実施形態によれば、装置は、ガス供給および出口のための、積層体の高温密着連結システムをさらに備え、この連結システムは、
- ガス供給および出口のための少なくとも2つの収集ダクトを備え、各ダクトには、少なくとも1つのガス入口および少なくとも1つのガス出口にそれぞれ面して配置された収集開口部が設けられた、コレクタと、
- 各々が各収集開口部とガス出口またはガス入口との間に配置された、少なくとも2つのシールと、
を備えている
【0056】
さらなる特徴および利点は、添付図を参照するとともに非限定的な例により与えられた、電気化学装置の以下の記載に現れている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】先行技術(特許文献1の
図3)から知られた電気化学装置の一部を示した斜視図である。
【
図2】先行技術から知られ、本発明の範囲内で使用されることが可能な、2つの基礎電気化学セルの積層体を概略的に示した分解図である。
【
図3】高温固体酸化物電解槽セル(SOEC)モードにおける、基礎電気化学セルの作動原理を示した概略図である。
【
図4】炉内に配置された、先行技術から知られた電気化学装置を概略的に示した図である。
【
図5】高温で作動する高温電解槽セル(SOEC)または燃料電池(SOFC)が配置された炉の構造の原理を示した図である。
【
図6】先行技術による電気ガスヒータの原理を示した図である。
【
図7】本発明による統合加熱システムが設けられたクランププレートを概略的に示した図であり、
図7に示された統合加熱システムは、特に抵抗フィラメントを備えている。
【
図8a】格納チャンバが設けられた、本発明による電気化学装置を示した断面図であり、特にクランププレートの主面に直交した断面に沿って電気化学アセンブリを切断した図である。
【
図8b】格納チャンバが設けられた、本発明による電気化学装置を示した断面図であり、クランププレートの主面に平行な断面に沿ってプレートを切断した図である。
【
図9】2つのハーフシェルが設けられた格納チャンバを概略的に示した斜視図である。
【
図10a】2つのエンドプレートが設けられた電気化学ユニットを概略的に示した分解図であり、各エンドプレートにはガス循環ダクトが設けられている。
【
図10b】ガス循環ダクトが設けられたエンドプレートを概略的に示した斜視図である。
【
図11】ガス循環を目的とした中空管が設けられた電気化学装置を概略的に示した図である。
【
図12】本発明による連結システムとの連結を示した、本発明による電気化学装置を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明は、2つのクランププレートの間に挟まれて統合加熱システムが設けられた、SOEC/SOFCタイプの固体酸化物電気化学積層体により形成された電気化学ユニットが設けられた、電気化学装置10に関する。
【0059】
「クランププレート」は一般的に平坦な形状のプレートを示し、輪郭により接続された2つの主面を備え、それらが一対に組み立てられた場合に、基礎電気化学セルの積層体の結束性を維持することを目的とされている。
【0060】
本発明による装置は格納筐体を備え、その内部空間は電気化学ユニットを収容している。
【0061】
この観点において、筐体の内部空間は、外部形状に適合した内面により、二水素の漏れの場合でも最小の二酸素のレベルを確実にする所定の距離よりも長い距離Dにおいて区切られている。
【0062】
格納筐体および統合加熱システムの組み合わされた使用は、本発明による電気化学装置の作動の間の、外部向けの放射損失を制限することを可能にしている。
【0063】
さらに、作動の間に、格納筐体は積層体に与えられる加熱の優れた制御を可能にしている。
【0064】
本発明は、
図1から
図12を参照してここに詳細に記載されている。
【0065】
本発明による電気化学装置10は、高温電気分解(「SOEC」モード)のために、または燃料電池(「SOFC」モード)として使用されることを意図している。
【0066】
電気化学装置10は、電気化学ユニット100を備えている。
【0067】
電気化学ユニット100には、高温において作動するSOEC/SOFC固体酸化物積層体200が設けられている(
図1および
図2)。
【0068】
積層体200は特に、複数の基礎電気化学セル210を備え、これらのセルの各々は、陰極210c、電解質210e、および陽極210aの順に形成されている。
【0069】
「陰極」、「陽極」、および「電解質」は、例えば層形状のような一般的に平坦な形状であり、輪郭により接続された基本的に平行な2つの主面を備えていることが、明記されることなく理解される。
【0070】
換言すると、基礎電気化学セル210は、特に陽極、電解質、および陰極の、セラミック層のアセンブリである。電解質は、この観点において固体および高密度の導電性イオン層を含み、一方で陽極および陰極は多孔質層である。
【0071】
積層体200は中間インターコネクタ230を備えることも可能であり、各中間インターコネクタ230は、2つの隣接した基礎電気化学セル210の間に介在している(
図2)。
【0072】
中間インターコネクタ230は、2つの隣接した基礎電気化学セル210の陰極と陽極との間の電気的接続を提供している。
【0073】
すべての中間インターコネクタは、電極の表面において流体区画を区切っており、これらの区画は電極の表面と接触している。
【0074】
特に、基礎電気化学セル210の陽極210aと接触した中間インターコネクタ230の面は、陽極区画230aと称される区画を区切っている。
【0075】
同等に、基礎電気化学セル210の陰極210cと接触した中間インターコネクタ230の面は、陰極区画230cと称される区画を区切っている。
【0076】
陽極区画230aおよび陰極区画230cの各々は、特にガスを分配および収集するためのガス循環を可能にしている。
【0077】
より具体的には、水の電気分解の実施の範囲内において、陰極区画230cは、陰極において水蒸気の分配を実施して、二水素の放出を可能にしており、一方で陽極区画230aは、陽極において排出ガスの循環を実施して、二酸素を放出する。
【0078】
電気化学ユニット100は、2つのクランププレートが設けられたクランプシステムも備えており、これらのプレートはそれぞれ第1のクランププレート300および第2のクランププレート310と称される(
図1)。
【0079】
各クランププレートは、輪郭により接続された基本的に平行な2つの主面を備えている。
【0080】
特に、積層体200は2つのクランププレート300および310の間に挟まれている。
【0081】
クランププレートを一体に機械的に保持するように構成された手段も使用されている。この手段は特にタイロッド300tを備えることが可能であり、このロッドは2つのクランププレートの一方から他方へと延びて、各プレートに形成されたクランプ開口部と称される開口部を横断している。
【0082】
タイロッドはクランプ手段、特にボルトと協働して、これらのクランププレートを互いに組み立てることを可能にしている。これらのクランプ手段は、この観点において、本明細書の末端に引用された文献1内に記載されている。
【0083】
クランププレートは、特にAISI310型の耐熱性オーステナイト鋼製とすることが可能である。合金ステンレス鋼は、高温に対する優れた耐性を有するので、特に有利である。これらの鋼は、クリープおよび変形に対して特に非常に高耐性を有し、環境攻撃に対抗する。
【0084】
クランププレート300、310は、各々が20mmから30mmの間、特に25mmのオーダーの厚さを有する。
【0085】
クランププレートは、少なくとも1つのガス入口EGおよび/または少なくとも1つのガス出口SGを備えることが可能である。これらのガス入口および出口は、例えばクランププレート内に形成された貫通穴である。
【0086】
電気化学ユニットは、積層体10a)の作動を意図されたガス分配および/または放出手段330も備えている。
【0087】
ガス分配および放出手段330は特に、ガス、より一般的には流体の循環、ならびに基礎電気化学セルの陽極および陰極において流体を分配および/または放出するためのダクトシステムを備えている。
【0088】
ガス分配および放出手段330は、少なくとも1つのガス入口EGおよび/または少なくとも1つのガス出口SGから電気化学ユニットを部分的に横断した中空管を特に備えることが可能である。これらの中空管は、陽極区画および陰極区画と連通した側方開口部も備え、それらの区画においてガスの分配および/または放出を実行している。
【0089】
本発明による電気化学ユニットは、電気化学ユニットの加熱を提供するように構成された加熱手段340も備えている(
図7、
図8a、および
図10a)。
【0090】
加熱手段340は、電気化学ユニット内に統合されている。
【0091】
「電気化学ユニット内に統合された」とは、電気化学ユニットの内部空間内に配置された加熱手段を示している。
【0092】
加熱手段340は第1のおよび第2のクランププレートの一方および/または他方の主面の一方、好適に内面に配置された抵抗フィラメントを、特に備えることが可能である(
図7)。
図7の抵抗フィラメントはコイルを表しているが、任意の他のパターンが考えられる。
【0093】
電気化学装置10は格納チャンバ500も備え、このチャンバは内部空間Vと称されるその空間V内に電気化学ユニットを収容している(
図8a、
図8b、および
図9)。
【0094】
特に、空間Vは面S、基本的に電気化学ユニットの形状に合致した内面Sにより区切られている。
【0095】
「電気化学ユニットの形状に合致した」とは、同じ形状であるが、内面の寸法を電気化学ユニットの寸法に限定することがないことを示している。換言すると、内面Sは電気化学ユニットの形状を造形している。
【0096】
格納チャンバは閉鎖筐体であることが、明記されることなく理解される。
【0097】
さらに、内面Sは電気化学ユニットから距離Dの位置にあり、特に距離Dは所定の距離Dpよりも大きくすることが可能である。
【0098】
所定の距離Dpは、二水素が内面と電気化学ユニットとの間の自由空間と称される空間内へと漏れた場合に、二水素の酸化が15%以上の酸素レベルを維持することを可能にするように調節されている。
【0099】
この所定の距離Dpは、二水素を生成する積層体の能力に依存しており、当業者には既知の技術により決定されることが可能であり、したがって本発明においては詳述されない。
【0100】
例えば、距離Dは10mm未満、有利に5mmから10mmの間とすることが可能である。
【0101】
自由空間は、温度センサ、水素センサ、圧力センサ等のセンサ、または電流供給部を収容することも可能である。
【0102】
格納チャンバ500は床500sを備え、この床上に電気化学装置10、壁500m、およびルーフ500vが載置されている。
【0103】
床、壁、およびルーフは、格納チャンバを取り外し可能にした取外し可能な取付手段により保持されることが可能である。
【0104】
追加的にまたは代替的に、格納チャンバの開放を可能にするために、壁およびルーフは、有利に床に直交した軸の周りに回動されることが可能な2つのハーフシェル500c1および500c2を形成している。
【0105】
また、追加的にまたは代替的に、格納チャンバは、特にハンドルが設けられたフープである運搬手段を備えている。
【0106】
本発明の用語による格納チャンバおよび統合加熱手段の組み合わせは、外部への熱損失を減少することを可能にし、結果的に電気化学装置の正確な作動に必要な加熱手段の熱出力を限定することを可能にしている。
【0107】
発明者は、熱損失のこの減少が、基本的に電気化学ユニットの形状を有する内面Sの適合によるものであることを観察した。
【0108】
さらに、加熱手段の電気化学ユニット内への統合は、電気化学ユニットの過熱の均一性を確実にすることを可能にしている。
【0109】
格納チャンバは、断熱材を備えている。
【0110】
「断熱材」は、エネルギ損失、特に熱損失を制限するように形成された材料を示している。本発明によるそのような材料は、適合された厚さおよび熱伝導率を有し、これら2つの物理量の成果は、電気化学ユニットにより実際に生じる熱量の熱損失を30%に制限することが可能である。
【0111】
例えば、電気化学ユニットにより生じる(物理的、または化学的熱生成工程の)発熱性に等しい損失の生成は、その損失が全損失の、すなわちダクトおよび/または過熱部材における損失ならびにガス損失の総計に等しくなることを必要とし得る。換言すると、
30%にほぼ等しい発熱性=ガス損失+変換損失+断熱材損失
である。
【0112】
例によると、以下の表は、異なった温度範囲における異なった材料の熱伝導率を示しており、本発明の範囲内に使用することに適している。
【0113】
【0114】
実際のところ、当業者は、特に電気化学装置の作動温度範囲内において、最も低い熱伝導率を有する材料を選択することが可能であるだろう。実際に、熱伝導率が低ければ低いほど、材料はより断熱性を有する。
【0115】
断熱材の例によれば、アルカリ土類ケイ酸ウール(「AES」または「アルカリおよびアルカリ土類ケイ酸塩」)を含んだ材料の少なくとも1つを使用することが考えられる。
【0116】
十分な格納は、200mmから300mmの間の厚さの格納チャンバにより提供することが可能である。
【0117】
一般的な規則として、高温断熱材の選択に関して、以下の特徴が、高温断熱材の選択のために考えられる。
- 断熱材が暴露されるであろう最高温度、最低温度、ピーク温度、および連続温度。
- 断熱材が暴露されるであろう機械的応力(圧縮、振動等)。
- 断熱材が暴露されるであろう化学的応力。
- 断熱材が配置される環境のタイプ。
- 格納チャンバの形状、交差、平面。
【0118】
格納チャンバを形成した材料は、水蒸気拡散を制限するように形成されることも可能である。特に材料は、適合された厚さおよび水蒸気拡散係数を有し、これによりこれら2つの量の成果は水蒸気拡散を制限することが可能である。
【0119】
水蒸気拡散障壁を使用することも考えられる。
【0120】
この障壁は、例えばアルミナであり、且つ例えば格納チャンバと電気化学ユニットとの間に配置された0.25mmから2mmの間の厚さを有する第1のセラミック筐体である。この第1のチャンバは、以下の特性を有し得る。
- 非多孔性障壁、
- 高温耐性、
- 腐食、機械的摩耗、および摩耗に対する非常に高い耐性、
- 比較的軽量である、
- 超高硬度、
- 低熱容量、
- 高い機械的強度、
- 薄い基板の高い柔軟性。
【0121】
代替的な解決策は、液体状のアルミナ(セラミックモルタル、またはセラミックモールドもしくは被覆セラミックと称される)による、格納チャンバの内面の被覆を構成し得る。
【0122】
格納チャンバの内面のような複雑な形状を被覆することが可能であるので、この解決策は特に有利である。この面は、ブラシまたはスパチュラを使用して被覆されることが可能である。そのような被覆は、環境空気内でまたは炉内で乾燥させることが可能である。
【0123】
したがって、これらの解決策は、水蒸気拡散を制限する熱障壁およびより薄い層を生成するための、薄い層から成る複合断熱材を提案している。
【0124】
例として、以下の表は、本発明の範囲内で使用することに適した、くつかの材料の水蒸気拡散抵抗を列記している。
【0125】
【0126】
格納チャンバを形成した材料は、高温、特に電気化学ユニットの作動温度に暴露された場合に、チャンバのあらゆる劣化を制限することを可能にした熱抵抗性を有することが、明記することなく理解される。
【0127】
可能な適切な材料のうち、アルカリ土類ケイ酸塩(または「AES」)ウールは、選択され得る材料と考えられる。
【0128】
電気化学ユニットはエンドプレートを備え、これらは個々に、積層体100の各側に配置された第1のエンドプレート240aおよび第2のエンドプレート240bと称される(
図1、
図8a、および
図10a)。
【0129】
特に、第1のエンドプレート240aおよび第2のエンドプレート240bは、それぞれ第1のクランププレートと電気化学積層体との間、および第2のクランププレートと電気化学積層体との間に介在している。
【0130】
第1のエンドプレートおよび第2のエンドプレートの各々は、ガス分配または排出ダクトと協働する少なくとも1つのガス循環ダクトを備えることが可能であり、ガス循環ダクトは、ガスを電気化学ユニットに移送する前に、第1の端部および第2の端部からのガスの循環を可能にしている(
図8a、
図10a、および
図10b)。
【0131】
ガス循環ダクト241は、第1のエンドプレートおよび/または第2のエンドプレートの1つの面に形成された溝を備え、この溝は渦巻を有し、有利に溝は正弦波形状である。
【0132】
そのような構成は、異なった基礎電気化学セルの陽極および陰極においてガスを分配する前に、ガスの過熱を実施することを可能にしている。
【0133】
実際に、動作において、電気化学装置、特に基礎電気化学セルは、エンドプレートの方向に放射することが可能な熱を生成する。放射されたそのような熱エネルギは、次いでガス循環ダクト内を循環するガスの過熱に有利に寄与し得る。
【0134】
そのような過熱システムは、本記載の末端に記載されて出願番号により参照された仏国特許出願2に記載された過熱システムの特徴を基本的に含んでいる。この文献2は、この観点において、参照により本願に統合されている。
【0135】
前述のガス循環ダクトに追加して、またはその代わりに、電気化学装置は、タイロッド300tにより形成されたガスダクトを備えることも可能である。特に、タイロッドは、ガス分配および放出手段と協働する中空管を備え、これによりその管の一端から他端へとガスの循環を可能にしている(
図11)。
【0136】
したがって、電気化学装置の作動段階の間、タイロッド内を循環するガスは、ガス分配および/または放出手段内に導入される前に、基礎電気化学セルにより生成された熱の放射により加熱または過熱されることが可能である。
【0137】
所与のタイロッド内を循環するガスと、放射された熱エネルギと、の間の熱交換時間を、タイロッド内面にバッフルを配置することにより長くすることが可能である。
【0138】
そのような過熱システムは、本記載の末端に記載されて出願番号により参照された仏国特許出願3に記載された過熱システムの特徴を基本的に含んでいる。この文献3は、この観点において、参照により本願に統合されている。
【0139】
装置は、ガス供給および出口のための、積層体の高温密着連結システムをさらに備え、この連結システム30は、
- ガス供給および出口のための、少なくとも2つの収集ダクトを備え、各ダクトには、少なくとも1つのガス入口EGおよび少なくとも1つのガス出口SGにそれぞれ面して配置された収集開口部33が設けられた、コレクタ31、
- 各々が各収集開口部33とガス出口またはガス入口との間に配置された、少なくとも2つのシール35、
を備えている(
図12)。
【0140】
そのような密着連結システムは、本記載の末端に記載されて出願番号により参照された仏国特許出願4に記載された密着連結システムの特徴を基本的に含んでいる。この文献4は、この観点において、参照により本願に統合されている。
【0141】
この連結システムは、電気化学装置とガス供給部との間の素早い連結を可能にしている。この連結器は、特に一方のクランププレートに形成されている。
【0142】
本発明の用語による電気化学装置の提案された手段は、個別におよび集合的に考慮されることが可能である。
【0143】
格納筐体および統合された加熱システムを考慮することにより、従来技術から知られている装置と比較して、熱効率が向上した小型の電気化学装置を製造することが可能になる。
【0144】
さらに、格納筐体は、「ラック」の形式に複数の電気化学装置を積層または統合することが可能であるように形成され得る。
【0145】
参考文献
1 ・・・仏国特許出願公開第3 045 215号明細書
2 ・・・仏国特許出願第1760114号
3 ・・・仏国特許出願第1760106号
4 ・・・仏国特許出願第1762507号
【符号の説明】
【0146】
10 ・・・電気化学装置
11 ・・・炉床
12 ・・・ループチューブ
30 ・・・電気ヒータ
31 ・・・慣性質量体
32 ・・・加熱抵抗器
33 ・・・ガスダクトチューブ
50 ・・・炉
51 ・・・加熱要素
100 ・・・電気化学ユニット
200 ・・・積層体
210 ・・・基礎電気化学セル
210a ・・・陽極
210c ・・・陰極
210e ・・・電解質
230 ・・・中間インターコネクタ
230a ・・・陽極ガス分配収集区画
230b ・・・陰極ガス分配収集区画
241 ・・・ガス循環ダクト
300 ・・・第1のクランププレート
310 ・・・第2のクランププレート
330 ・・・ガス分配および/または放出手段
340 ・・・加熱手段
500 ・・・格納チャンバ
500c1、500c2 ・・・ハーフシェル