(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】リモートセンシングのためのデルタ符号化
(51)【国際特許分類】
H04B 7/185 20060101AFI20241111BHJP
H04B 7/155 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
H04B7/185
H04B7/155
(21)【出願番号】P 2021547155
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(86)【国際出願番号】 US2020017536
(87)【国際公開番号】W WO2020167679
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリニッジ、デビッド ディ.
(72)【発明者】
【氏名】チャッコ、スティーブ
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-277007(JP,A)
【文献】特開平04-082329(JP,A)
【文献】特開2003-101452(JP,A)
【文献】国際公開第2017/103481(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/185
H04B 7/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートセンシングプラットフォーム(175)を有する衛星(105)によって、第1の地理的分布情報(210)を含むベースマップを受信することと、ただし、前記ベースマップは、前記第1の地理的分布情報(210)の1つ以上の識別されたオブジェクトを更に含んでおり、
前記リモートセンシングプラットフォーム(175)を使用して、前記衛星(105)によって、第2の地理的分布情報(230)を検出することと、
前記衛星によって、前記第2の地理的分布情報(230)と前記第1の地理的分布情報(210)との間の差を表す差分情報(250)を決定することと、ただし、前記差分情報(250)を決定することは、前記第1の地理的分布情報(210)にはない、前記第2の地理的分布情報(230)における1つ以上の追加のオブジェクトを識別すること、又は前記第1の地理的分布情報(210)と前記第2の地理的分布情報(230)との間の1つ以上のオブジェクトの移動を識別すること、又は前記識別されたオブジェクトのうちの1つ以上のオブジェクトが、前記第2の地理的分布情報(230)にはないことを識別すること、又はそれらの組み合わせを含み、
通信リンク(160、140)を介して前記衛星(105)によって地上局(110)に、前記差分情報(250)を送信することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記衛星(105)は第1の衛星(105-a)を含み、前記通信リンクは第2の衛星(105-b)によってサービスされ、前記差分情報を前記地上局(110)に送信することは、
前記第2の衛星(105-b)による前記地上局(110)への中継のために、
前記第1の衛星(105-a)によって、前記差分情報を前記第2の衛星(105-b)に送信すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の衛星(105-a)によって、前記ベースマップを受信することは、
前記第2の衛星(105-b)を介して前記地上局(110)から前記ベースマップを受信すること
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の衛星(105-a)は低地球軌道にあり、前記第2の衛星(105-b)は静止軌道にある、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ベースマップは、前記衛星(105)の第1の軌道位置に対応する第1のベースマップを含み、前記方法は、
衛星(105)によって、前記衛星(105)の第2の軌道位置に対応する第2のベースマップであって、第3の地理的分布情報(210)を含む第2のベースマップを受信することと、
前記リモートセンシングプラットフォーム(175)を使用する前記衛星(105)によって、前記第2の軌道位置から第4の地理的分布情報(230)を検出することと、
前記衛星(105)によって、前記第4の地理的分布情報(230)と前記第3の地理的分布情報(210)との間の差を表す第2の差分情報(250)を決定することと、
前記衛星(105)によって、前記通信リンク(160、140)を介し
て前記地上局(110)に、前記第2の差分情報(250)を送信することと
を更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のベースマップを受信することは、前記第1の軌道位置と前記第2の軌道位置との間の前記衛星(105)の軌道の一部において行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リモートセンシングプラットフォーム(175)は、可視スペクトル撮像装置、赤外線撮像装置、ハイパースペクトル撮像装置、合成開口レーダ、又はこれらの組み合わせを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記通信リンク(160、140)のチャネル条件、前記通信リンク(160、140)の帯域幅のコスト、又は前記差分情報(250)のデータの量に少なくとも部分的に基づいて、前記差分情報(250)の前記送信のスケジューリングを決定すること
を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記衛星(105)によって、前記地上局(110)から、前記差分情報(250)を決定するための1つ以上のパラメータを受信すること
を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記衛星(105)によって、前記第1の地理的分布情報(210)と第5の地理的分布情報(210)との間の差を表す第2の差分情報(250)を受信することと、
前記衛星(105)によって、前記第2の差分情報(250)に少なくとも部分的に基づいて、更新されたベースマップを生成することと
を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
リモートセンシングプラットフォーム(175)を有する衛星(105)に、第1の地理的分布情報(210)を含んでおり、かつ前記衛星(105)の第1の軌道位置に対応する第1のベースマップを送信することと、ただし、前記
第1のベースマップは、前記第1の地理的分布情報(210)の1つ以上の識別されたオブジェクトを更に含んでおり、
通信リンク(160、140)を介して前記衛星(105)から、前記第1の軌道位置で前記リモートセンシングプラットフォーム(175)によって検出された第2の地理的分布情報(230)と前記第1の地理的分布情報(210)との間の決定された差を表す差分情報(250)を含む送信を受信することと、を含み、
前記差分情報(250)を決定することは、前記第1の地理的分布情報(210)にはない、前記第2の地理的分布情報(230)における1つ以上の追加のオブジェクトを識別すること、又は前記第1の地理的分布情報(210)と前記第2の地理的分布情報(230)との間の1つ以上のオブジェクトの移動を識別すること、又は前記識別されたオブジェクトのうちの1つ以上のオブジェクトが、前記第2の地理的分布情報(230)にはないことを識別すること、又はそれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項12】
前記衛星(105)は第1の衛星(105-a)を含み、前記送信を受信することは、
前記送信を、第2の衛星(105-b)を介して前記第1の衛星(105-a)に対して前記通信リンク(160、140)を提供する地上局(110)において受信すること
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のベースマップを送信することは、
前記第1のベースマップを、前記第2の衛星(105-b)を介して、前記地上局(110)から前記第1の衛星(105-a)に送信すること
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の衛星(105-a)は低地球軌道にあり、前記第2の衛星(105-b)は静止軌道にある、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のベースマップを、前記第1の地理的分布情報(210)
に対応する地理的領域の1つ以上の画像及び前記地理的領域の標高モデ
ルに少なくとも部分的に基づいて、生成すること
を更に含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のベースマップを生成することは、
前記地理的領域の前記標高モデルに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の軌道位置における前記衛星(105)の視点を表すように、前記1つ以上の画像を修正すること
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のベースマップを生成することは、
前記1つ以上の画像を、時刻、前記地理的領域の気象情報、又はそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて修正すること
を含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記衛星(105)に、前記衛星(105)の第2の軌道位置に対応しており、かつ第3の地理的分布
情報(210)を含
む第2のベースマップを送信することと、
前記衛星(105)から、前記第2の軌道位置で前記リモートセンシングプラットフォーム(175)によって検出された第4の地理的分布情報(230)と前記第3の地理的分布情報(210)との間の決定された差を表す第2の差分情報(250)を含む第2の送信を受信することと
を更に含む、請求項11から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のベースマップの前記送信は、前記第1の軌道位置と前記第2の軌道位置との間の、前記衛星(105)の軌道の一部において行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記通信リンク(160、140)のチャネル条件、前記通信リンク(160、140)の帯域幅のコスト、又は前記差分情報(250)のデータの量に少なくとも部分的に基づいて、前記送信を受信するスケジューリングを決定すること
を更に含む、請求項11から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記衛星(105)に、前記差分情報(250)を決定するための1つ以上のパラメータを送信すること
を更に含む、請求項11から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記リモートセンシングプラットフォーム(175)は、可視スペクトル撮像装置、赤外線撮像装置、ハイパースペクトル撮像装置、又はこれらの組み合わせを備える、請求項11から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
衛星(105、403、505)であって、
送信器(525)と、
受信器(535)と、
センシングプラットフォーム(175、515)と、
プロセッサ(190、520、530、540)と、
前記プロセッサ(
190、520、530、540)に接続されたメモリと、
前記メモリに記憶された命令と
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって、
前記受信器(535)を介して、第1の地理的分布情報(210)を含むベースマップを受信し、
ただし、前記ベースマップは、前記第1の地理的分布情報(210)の1つ以上の識別されたオブジェクトを含んでおり、
前記センシングプラットフォーム(175、515)を使用して、第2の地理的分布情報(230)を検出し、
前記第2の地理的分布情報(230)と前記第1の地理的分布情報(210)との間の差を表す差分情報(250)を決定し、
ただし、前記差分情報(250)を決定することは、前記第1の地理的分布情報(210)にはない、前記第2の地理的分布情報(230)における1つ以上の追加のオブジェクトを識別すること、又は前記第1の地理的分布情報(210)と前記第2の地理的分布情報(230)との間の1つ以上のオブジェクトの移動を識別すること、又は前記識別されたオブジェクトのうちの1つ以上のオブジェクトが、前記第2の地理的分布情報(230)にはないことを識別すること、又はそれらの組み合わせを含み、
前記送信器(525)を使用して、前記差分情報(250)を地上局(110)に送信する、ように実行可能である、衛星。
【請求項24】
装置(110、130、401、605)であって、
プロセッサ(620、625)と、
前記プロセッサ(620、625)に接続されたメモリと、
前記メモリに記憶された命令と
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって、
衛星(105)に、第1の地理的分布情報(210)を含み、かつ前記衛星(105)の第1の軌道位置に対応するベースマップを送信させ、
ただし、前記ベースマップは、前記第1の地理的分布情報(210)の1つ以上の識別されたオブジェクトを更に含んでおり、
通信リンク(160、140)を介して前記衛星(105)から、前記第1の軌道位置で前記衛星(105)によって検出された第2の地理的分布情報(230)と前記第1の地理的分布情報(210)との間の決定された差を表す差分情報(250)を含む送信を受信する、ように実行可能であり、
前記差分情報(250)を決定することは、前記第1の地理的分布情報(210)にはない、前記第2の地理的分布情報(230)における1つ以上の追加のオブジェクトを識別すること、又は前記第1の地理的分布情報(210)と前記第2の地理的分布情報(230)との間の1つ以上のオブジェクトの移動を識別すること、又は前記識別されたオブジェクトのうちの1つ以上のオブジェクトが、前記第2の地理的分布情報(230)にはないことを識別すること、又はそれらの組み合わせを含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、Greenidgeらによる「DELTA ENCODING FOR LEO REMOTE EARTH SENSING」と題する、2019年2月11日に出願された米国仮特許出願第62/803,778号に対する利益を主張し、その出願は、この文書の出願人に譲渡され、その全体が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
以下は、リモートセンシングのためのデルタ符号化のための技術を含むリモートセンサシステムに関する。
【0003】
リモートセンサシステムは、地理的分布情報に関連する情報を感知するための様々なプラットフォームを提供することができる。場合によっては、リモートセンサシステムは、感知された情報を1つ以上の他のデバイスに無線で通信してもよい。例えば、リモートセンサシステムは、衛星通信システムの衛星に含まれてもよく、感知された情報は、衛星通信システムの地上セグメントへの戻りリンクを介して通信することができる。感知された情報の通信は、戻りリンクの可用性又はコストによって制限されることがあり、戻りリンクの可用性又はコストは、戻りリンクの容量、又は戻りリンクを占有している他の情報、又は他の要因の中でも、接続が断続的であることによる戻りリンクの欠落に基づくことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記載された技術は、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする改善された方法、システム、デバイス、及び装置に関する。いくつかの例では、リモートセンサシステムは、別のデバイス(例えば、無線通信リンク、衛星通信リンク)との通信リンクを使用して感知された情報を通信することができ、そのような通信リンクは、制限された容量又は帯域幅、制限された可用性、制限された信頼性、又は他の考慮事項などに関連付けられる。本明細書で開示される例によれば、情報のリモートセンシングをサポートするシステムは、感知された情報と、初期地理的分布情報を備える情報のベースマップなどの、ベースライン条件との間の差を決定するように構成された処理能力を含むことができる。ベースライン条件から決定された差は、通信リンクを介して通信してもよく、通信リンクは、リモートセンサシステムによって感知された情報の「デルタ符号化」と称されるか、又は「デルタ符号化」に関連付けられてもよい。いくつかの実施例では、デルタ符号化のための記載された技術は、感知された情報の全体を通信するよりも、通信リンクを介したより小さい情報転送をサポートすることができる。そのような差分情報を通信することによって、リモートセンサシステムは、他の利点の中でも、より効率的に、より頻繁に、より迅速に、又はより確実に更新情報をサポートする(例えば、地理的分布情報を更新する)ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする衛星通信システムの一例を示す。
【0006】
【
図2】
図2は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする差分決定の例を示す。
【
図3】
図3は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする差分決定の例を示す。
【0007】
【
図4】
図4は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートするシステム及び対応する動作の一例を示す。
【0008】
【
図5】
図5は、本開示の態様による、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートするリモートセンシングシステムのブロック図を示す。
【0009】
【
図6】
図6は、本開示の態様による、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする中央マッピングシステムのブロック図を示す。
【0010】
【
図7】
図7は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする1つ又は複数の方法を示すフローチャートを示す。
【
図8】
図8は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする1つ又は複数の方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載される技術によるシステムは、システムの第1のデバイスによって感知された情報のデルタ符号化をサポートすることができ、システムの第1のデバイスは、システムの第1のデバイスとシステムの別のデバイスとの間の感知された情報に関連する通信を改善することができる。例えば、リモートセンサシステムは、通信リンク(例えば、無線通信リンク、衛星通信リンク)を使用して、感知された空間的分布情報を通信するために使用してもよく、そのような通信リンクは、制限された能力、制限された可用性、制限された信頼性、又は他の考慮事項などの制限に関連付けられてもよい。本明細書に開示される実施例によれば、リモートセンサシステムは、感知された情報とベースライン条件、例えば、情報のベースマップとの差を決定するように構成された処理能力を含んでもよい。ベースライン条件から決定された差は、リモートセンサシステムによって感知された情報の「デルタ符号化」と称されるか、又は「デルタ符号化」に関連付けられてもよく、通信リンクを介して通信してもよい。いくつかの実施例では、デルタ符号化は、感知された情報の全体を通信するよりも、通信リンクを介したより小さい情報の転送をサポートすることができる。そのような差分情報を通信することによって、リモートセンサシステムは、他の利点の中でも、より効率的に、より頻繁に、より迅速に、より確実に、又は差分の優先順位に従って、更新情報をサポートする(例えば、空間的分布情報を更新する)ことができる。
【0012】
デルタ符号化のための記載された技術の一例は、衛星のリモートセンサプラットフォームによって収集された空間的分布情報(例えば、地理的分布情報)のデルタ符号化を指し得る。例えば、衛星は、第1の空間的分布情報を有するベースマップを(例えば、地上セグメントからの順方向リンクを介して)受信することができ、衛星のリモートセンサプラットフォームは、第2の空間的分布情報を決定するために使用することができれる。衛星の処理能力は、第1の空間的分布情報と第2の空間的分布情報との間の差を表す差分情報を決定するように構成してもよい。衛星は、差分情報を地上セグメントに(例えば、戻りリンクを介して)送信するように構成してもよく、このことは、第2の空間的分布情報全部を送信することと比較して、良好な通信性能を提供することができる。例えば、差分情報を通信することにより、他の利点の中でも、通信リンクを使用して他の通信をサポートすることができる通信リンク(例えば、戻りリンク)の利用率を低減することができ、又は通信リンクを使用して転送される感知情報の忠実度を高めることができ、又は通信リンクが失われる前に(例えば、衛星の軌道経路と地上セグメントとの間の見通し線の喪失に起因して)情報更新を完了することができる。
【0013】
この説明は、リモートセンシングをサポートするためのデルタ符号化のための技術の様々な例を提供し、そのような例は、本明細書に記載された原理による例の範囲、適用性、又は構成の限定ではない。逆に、後続の説明は、本明細書に記載された原理の実施形態を実施するための可能な説明と共に当業者に提供するものである。様々な変更を、各要素の機能及び配置において行うことができる。
【0014】
したがって、本明細書に開示される実施例による様々な実施形態は、適宜、様々な手順又はコンポーネントを省略、代用、又は追加してもよい。例えば、各方法は、記載された順番と異なる順番で実行してもよく、様々なステップを、追加、省略、又は組み合わされてもよいことを理解されたい。また、特定の実施形態に関して記載された態様及び要素は、様々な他の実施形態において組み合わされてもよい。また、以下のシステム、方法、装置、及びソフトウェアは、別々に又は集合的に、より大規模なシステムのコンポーネントであってもよく、他の手順は、それらのアプリケーションを優先するか、ないし修正してもよいことも理解されたい。
【0015】
図1は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする衛星通信システム100の一例を示す。衛星通信システム100の例は、衛星マッピングシステム170を含む第1の衛星105-aを含む。衛星通信システム100の例はまた、地上セグメントアンテナ115、ゲートウェイシステム120、ネットワーク125、及び地上セグメントマッピングシステム130のうちの1つ以上を含むことができる地上セグメント110を含む。地上セグメントマッピングシステム130及び衛星マッピングシステム170は、地理的分布情報などの情報の収集、処理、及び通信のための様々な動作をサポートするように構成することができる。
【0016】
いくつかの例では、衛星通信システム100は、第1の衛星105-aと地上セグメント110との間の通信中継能力をサポートする(例えば、第1の衛星105-aと地上セグメント110との間の通信リンクをサポートすることであり、第2の衛星105-bは中継デバイスの一例である)第2の衛星105-bを含んでもよい。例えば、第2の衛星105-bは、(例えば、地上セグメントアンテナ115から)順方向リンク地上セグメント送信135を受信し、受信された信号の少なくとも一部を転送するか、又は順方向リンク中継送信155として、順方向リンク地上セグメント送信135に少なくとも部分的に基づく信号を送信することができる。追加的又は代替的に、第2の衛星105-bは、戻りリンク衛星送信160を(例えば、第1の衛星105-aから)受信し、受信信号の少なくとも一部を転送するか、又は戻りリンク中継送信140として、戻りリンク衛星送信160に少なくとも部分的に基づく信号を送信することができる。しかしながら、記載された技術による他の例では、第2の衛星105-bは省略してもよく、通信リンクは、別の衛星105又は他の装置による中継なしに、衛星105(例えば、衛星マッピングシステム170に関連付けられた衛星)とゲートウェイシステム120(例えば、地上セグメントマッピングシステム130に関連付けられる)との間でサポートすることができれる。更に、記載された技術によるいくつかのシステムは、第1の衛星105-aと地上セグメント110との間の2つ以上の中継衛星などの複数の中継デバイスを含むことができる。
【0017】
衛星通信システム100は、静止軌道(GEO)衛星システム、中地球軌道(MEO)衛星システム、若しくは低地球軌道(LEO)衛星システム、又はそれらの様々な組み合わせを含む、任意の適切なタイプの衛星システムを含むことができる。いくつかの例では、(例えば、衛星マッピングシステム170に関連付けられた)第1の衛星105-aは、LEO又はMEOに構築してもよく、第2の衛星105-b(例えば、中継衛星)は、静止軌道に構築してもよい。場合によっては、そのような構成を使用して、第1の衛星105-aの比較的広い感知カバレッジと、第2の衛星105-bを介した比較的一貫した通信カバレッジとを組み合わせることができる。(例えば、第1の衛星の広い感知カバレッジは、LEO又はMEOの経路がより広い範囲の地上位置にわたることによる。又は地上位置により近接したオーバヘッドパスをサポートすることによる)、(例えば、第2の衛星105-bと地上セグメントアンテナ115との間の向き、又は見通し線は比較的安定しているため、第1の衛星105-aと第2の衛星105-bとの間の見通し線は、第1の衛星105-aと地上セグメント110又は地上セグメントアンテナ115などの地上セグメントとの間の見通し線よりも比較的長く、又はより頻繁である。)いくつかの例では、第2の衛星105-bは、順方向リンクと戻りリンクとの間の非対称通信スループットにより構成されたGEO衛星であってもよい。例えば、第2の衛星105-bは、順方向リンクに割り当てられた帯域幅が戻りリンクよりも実質的に大きくてもよく、又は順方向リンクのスペクトル効率がより高くてもよい。いくつかの例では、そのような構成は、比較的大容量又はより大容量の地上セグメントアンテナ115、又は第2の衛星105-bの電力又はビーム形成能力に関連し得る。
【0018】
ゲートウェイシステム120は、ネットワーク125と衛星105との間のインターフェースを提供するデバイス又はシステムであってもよい。いくつかの例では、ゲートウェイシステム120は、ハブ又は地上局と呼ばれてもよい。ゲートウェイシステム120は、地上セグメントアンテナ115を使用して、ゲートウェイアップリンクを介して(例えば、順方向リンク地上セグメント送信135を介して)衛星105と信号を送受信することができ、ゲートウェイダウンリンクを介して(例えば、戻りリンク中継送信140を介して)衛星105と信号を送受信することができる。地上セグメントアンテナ115は、双方向通信することができ、1つ以上の衛星105と確実に通信するために適切な送信電力及び受信感度を備えるよう設計することができる。
【0019】
ゲートウェイシステム120は、1つ以上の有線又は無線リンクを介してネットワーク125と接続することができる。いくつかの事例において、ゲートウェイシステム120は、第2の衛星105-bを介して第1の衛星105-aと通信するように構成することができる。ネットワーク125は、任意の好適な公衆ネットワーク又はプライベートネットワークを含んでもよく、インターネット、電話ネットワーク(例えば、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)など)などの他の通信ネットワーク(図示せず)に接続してもよい。ネットワーク125は、ゲートウェイシステム120を、衛星105(例えば、第1の衛星105-a、第2の衛星105-b、他の衛星105)と通信する他のゲートウェイシステムと接続することができる。あるいは、様々な通信を協調的にサービスするために、別個のネットワークリンキングゲートウェイ及び他のノードが使用されてもよい。
【0020】
衛星通信システム100は、国際電気通信連合(ITU)のKu帯、K帯、又はKa帯(例えば、Ka帯域のダウンリンクでは17.7~21.2ギガヘルツ(GHz)、アップリンク部分では27.5~31GHz)のうちの1つ以上で動作することができる。代替的に、衛星通信システム100は、Cバンド、Xバンド、Sバンド、Lバンドなどのような他の周波数帯域で動作してもよい。いくつかの例では、地上セグメントアンテナ115又は衛星105は、1つ以上の指定された周波数帯域、1つ以上の特定の偏波、又はその両方で信号を送信又は受信するように構成することができる。様々な例では、地上セグメント110と第2の衛星105-bとの間の通信は、第2の衛星105-bと第1の衛星105-aとの間の通信と同じ周波数又は周波数帯域にわたって構成してもよく、第2の衛星105-bと第1の衛星105-aとの間の通信と異なる周波数又は周波数帯域にわたって構成してもよく、又はその両方であってもよい。
【0021】
衛星マッピングシステム170は、地理的又は空間的分布情報を収集するように構成されたリモートセンシングシステム又はその一部の一例であり得る。例えば、衛星マッピングシステム170は、センサプラットフォーム175を含むことができ、このセンサプラットフォームは、様々な条件又は現象を検出するための1つ以上のセンサを含むことができる。センサプラットフォームは、可視スペクトル、IRスペクトル、熱スペクトル、又は電磁スペクトルの情報を感知するように構成された1つ以上のセンサを含むことができ、あるいはハイパースペクトル撮像、レーダ撮像、合成開口レーダ撮像、又は他の情報に関連する1つ以上のセンサを含むことができる。そのような情報は、二次元分布、標高プロファイルに重ねられた二次元分布、三次元分布、及び他の分布などの空間的又は地理的分布に従ってセンサプラットフォーム175によって収集することができる。
【0022】
衛星マッピングシステム170はまた、情報処理の様々な態様のために構成され得るデータプロセッサ190を含む。例えば、データプロセッサ190は、センサプラットフォーム175によって感知された情報を処理するように構成してもよい。このような感知された情報は、オブジェクト識別、境界識別、水又は他の物質検出、空間フィルタリング、又は(例えば、雲量、スモーク、又は汚染を廃棄するための)大気除去などである。いくつかの例では、データプロセッサ190は、ビーム追従に関連する動作を実行するように構成することができる。このような動作は、太陽の既知の位置又は他の考慮事項(例えば、時刻)に従って可視スペクトル撮像を調整すること、雲量などの大気条件を補償することに関連する動作、又は異なる観測方向又は視点(例えば、ベースマップを生成又は適合させるために、ベースマップとの比較のために感知された情報を処理するために)に情報を適合させることに関連する動作などである。衛星マッピングシステムはまた、(例えば、センサプラットフォーム175からの)生情報、(例えば、第1の衛星105-aで受信される)ベースマップ、(例えば、データプロセッサ190によって処理される時に)処理された情報、及び他の情報(例えば、構築情報)を格納するように構成することのできるデータストレージ185を含む。
【0023】
リモートセンシングシステムのいくつかの例は、可能な限り多くのデータを収集し、そのようなデータを様々な処理動作のために別の装置に転送するように構成することができる。例えば、いくつかの衛星センサシステムは、特定の処理能力(例えば、コスト、複雑さ、又は軌道ビークル内のそのような能力の位置を特定することに関連する他の問題のため)なしで構成してもよく、代わりに、感知データを地上セグメント110などの地上セグメントに送信するように構成してもよい。したがって、いくつかの衛星センサシステムでは、通信は、比較的低容量のコマンドチャネル又はテレメトリチャネル(例えば、1秒当たりのキロビットのオーダーで)及び比較的高容量のデータチャネル(例えば、ダウンリンクチャネル、戻りチャネル)を用いて、非対称であるように構成することができる。
【0024】
そのような衛星センサシステムの一例では、衛星は、集中ダウンリンクデータバーストを実行するまで、衛星のデータストレージにデータを格納するように構成することができる。例えば、LEO又はMEOセンサ衛星をサポートするために、極位置で地球局に通信されるデータバーストなど、集中ダウンリンクデータバーストを軌道ごとに1回実行してもよい。そのような例では、情報処理は地上セグメントで行ってもよく、そのような処理の待ち時間は衛星センサシステムの軌道時間を含んでもよい。別の例では、データは、比較的低い戻りリンク容量(例えば、第2の衛星105-bから地上セグメント110への比較的低容量の通信)に関連する容量非対称を有するGEO衛星を介して(例えば、第2の衛星105-bを介して)中継することができる。いずれの場合も、利用可能な通信リソースをよりよく利用するために、戻りリンクを介して伝達される情報の量を減らすことが好ましい場合がある。
【0025】
いくつかの例では、デルタ符号化のための記載された技術は、感知された情報を通信する様々な態様を改善するために、リモートセンシングシステム(例えば、衛星通信システム100の1つ以上の部分)に実装することができる。例えば、デルタ符号化は、通信リソースを最大化し、オブジェクトベースの画像又は他の空間分析のためにオンボード処理(例えば、第1の衛星105-aにおいて)を活用する、LEO又はMEOリモートセンシング衛星のためのデータ取扱パラダイムとして実装することができる。そのような技術は、いくつかの動作概念では不可能な頻度で、リアルタイムの地理空間情報を効率的に提供するために活用することができる。
【0026】
デルタ符号化のための記載された技術は、ベースマップ、又は差分が決定される他のベースライン条件に(例えば、データプロセッサ190によって)関連付けることができる。様々な例では、そのようなベースマップは、第1の衛星105-aにプリロードしてもよく、他の衛星からの情報に基づいて第1の衛星105-aにロードしてもよく、又は第1の衛星105-aで収集された情報に基づいて(例えば、センサプラットフォーム175によって感知された情報に基づいて、又は地上セグメント110での処理後に第1の衛星105-aに戻される時に)ロードしてもよい。いくつかの例では、ベースマップは、グラウンドトゥルース、又は地上セグメント110によって維持される他のベースライン条件と呼ばれることがある。1つ以上のベースマップは、第1の衛星105-a(例えば、データストレージ185内)に記憶してもよい。
【0027】
ベースマップは、様々な通信を介して、第1の衛星105-aで受信してもよい。例えば、ベースマップは、地上セグメント110から直接、又は第2の衛星105-b(例えば、中継衛星)を介して、第1の衛星105-aで受信してもよい。いくつかの例では、ベースマップは、経時的に更新してもよく(例えば、センサプラットフォーム175によって感知された情報によって、他の衛星からの情報によって、地上セグメント110で処理された情報によって)、第1の衛星105-aは、1つ以上の地上位置に関連付けられた様々なベースマップ(例えば、経時的に)を記憶してもよい。
【0028】
いくつかの例では、受信又は格納されたベースマップは、それ自体が特定の位置からの感知データとの比較に適した空間的分布情報を表す処理された情報を指すことができる。いくつかの例では、第1の衛星105-a(例えば、衛星マッピングシステム170)は、生データを受信し、(例えば、特定のタイプの差を検出するために)そのような比較に適した別の形式に生データを処理することができる。いくつかの例では、ベースマップは、特定の関心野に関連付けてもよく、これは、複数の軌道通過にわたって第1の衛星105-aが通過する反復関心野であってもよい。いくつかの例では、ベースマップは、完全な又は連続的な空間的分布を参照しなくてもよく、代わりにオブジェクトカタログ及びロケータ(例えば、識別子及び座標)を参照してもよい。
【0029】
データプロセッサ190は、デルタ符号化のための記載された技術をサポートするために、様々な動作を実行することができる。例えば、データプロセッサ190は、センサフレーム正規化、地理的位置及びフレーム登録、オルソレクティフィケーション、地理的レクティフィケーション、又はシーン分割を実行するように構成してもよい。いくつかの例では、データプロセッサ190は、特徴抽出、オブジェクト分析、又はカタログルックアップを実行するように構成してもよい。データプロセッサ190はまた、シーンデルタを生成すること、又はベースライン条件に対して識別されたオブジェクトの様々な変化を識別することなど、差分決定の様々な態様を実行するように構成することができる。したがって、データプロセッサ190は、センサプラットフォーム175によって感知された情報のすべてではなく、センサプラットフォーム175によって感知された情報の一部を送信することを可能にするように構成された動作を実行することができ、第1の衛星105-aによって実行される様々な通信を合理化することができる。
【0030】
デルタ符号化のいくつかの例では、衛星マッピングシステム170は、センサデータを連続的に処理し、近似的リアルタイム待ち時間をサポートすることができる、Last Known State(LKT)アルゴリズムとの差を形成するように構成してもよい。第1の衛星105-aによって(例えば、地上セグメント110に対して)通信される情報は、感知された情報の一部であってもよく、第1の衛星105-aに通信される情報は、連続的に更新されるLKT情報(例えば、連続的に更新されるグラウンドトゥルース)に関連してもよい。いくつかの例では、第1の衛星105-aは、特定のタイプの差分判定のために特に構成してもよく、デルタアルゴリズム又は他の差分判定構成を、アップリンク又は順方向リンクを介して第1の衛星105-a(例えば、地上セグメント110から)に提供することができる。例えば、衛星通信システム100は、第1の衛星105-aと地上セグメントとの間の双方向リンクによって可能になる、第1の衛星105-aの再プログラム可能なミッション定義をサポートすることができ、新しいベースマップ又はオブジェクトカタログのアップロードをサポートすることができる。いくつかの例では、第1の衛星105-aは特定のエリアに指令されてもよく、第1の衛星105-aは地上インフラからベースマップを要求するか、又は関連アルゴリズムを検索してもよい。
【0031】
差分情報の決定は、様々な技術に従って衛星マッピングシステム170によって実行してもよい。例えば、差は、(例えば、センサプラットフォーム175によって)感知された生情報に基づいて、又はオブジェクト検出の差(例えば、以前に存在しなかったオブジェクトの識別、もはや存在しないオブジェクトの識別、既知のオブジェクトの移動又は移動の識別)などの処理された情報に基づいて決定することができる。そのような決定は、異なる軌道位置で繰り返してもよく、その軌道位置は、同じ表面位置に対応してもしなくてもよい。場合によっては、比較的大きな検出された差を使用して、情報セット全体、又は比較的高忠実度の情報セットを通信する動作をトリガすることができる。場合によっては、衛星マッピングシステム170は、感知された情報に悪影響を及ぼす場合などに、差分情報をバッチで通信するように構成してもよい。これら及び他の技術によれば、衛星通信システム100は、実施可能な情報を絶えずリフレッシュすることをサポートするように構成することができる。
【0032】
いくつかの例では、差分情報の決定は、衛星通信システム100の様々なコンポーネントによって実行され得る画像解析の様々な態様を指すことができる。例えば、差分情報の決定は、衛星マッピングシステム170によって全体的に実行される画像処理を参照することができ、第1の衛星105-aは、第2の衛星105-b(例えば、GEO衛星)を介して地上セグメント110に、又は直接地上セグメント110にデルタ情報を送信することができる。いくつかの例では、第2の衛星105-bはバックホール機能をサポートしてもよく、そのような画像処理又は分析は、第2の衛星105-bで完全に実行してもよい。いくつかの例では、そのような画像処理は、第1の衛星105-aと地上セグメント110との間、第1の衛星105-aと第2の衛星105-bとの間、第1の衛星105-a、第2の衛星105-bと地上セグメント110との間、又は第2の衛星105-bと地上セグメント110との間などに分散してもよい。いくつかの例では、そのような処理は柔軟性があり(例えば、第1の衛星105-a、第2の衛星105-b、及び地上セグメント110の間)、順方向リンク又は戻りリンク(例えば、第1の衛星105-aに)上のリソースの柔軟な割り当てをサポートすることができる。
【0033】
差分情報の送信はまた、様々な技術に従って衛星通信システム100によってサポートしてもよい。いくつかの例では、差分情報は、第1の衛星105-aから地上セグメント110に直接送信してもよい。いくつかの例では、差分情報は、静止中継器、LEO中継器、又はMEO中継器などの1つ以上の中継デバイス(例えば、第2の衛星105-b)を介して、第1の衛星105-aから地上セグメント110に通信してもよい。いくつかの例では、差分情報の送信のスケジューリングは、第1の衛星105-a又は地上セグメント110のうちの1つ以上によって実行してもよい。例えば、そのような送信のスケジューリングは、通信リンクのチャネル条件、帯域幅のコスト、データ量、データの時間値若しくは優先度、又は他の通信(例えば、通信リンクの利用可能な帯域幅)の有無に少なくとも部分的に基づいてもよい。いくつかの例では、そのようなスケジューリングは、識別された差の優先度に少なくとも部分的に基づくことができ、これは、より高い優先度の差に対して迅速に措置を講じる能力をサポートすることができる。
【0034】
追加的又は代替的に、本明細書に記載されたもの以外の他の問題を解決するために、本開示の1つ以上の態様が衛星通信システム100、又は他の通信システム若しくは情報システムに実装され得ることを当業者は理解されたい。更に、本開示の態様は、本明細書に記載の「従来の」システム又はプロセスに技術的改善を提供することができる。しかしながら、説明及び添付の図面は、本開示の態様を実施することから生じる例示的な技術的改善を含むにすぎず、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善のすべてを表すものではない。
【0035】
図2は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする差分決定の実施例200を示す。いくつかの実施例では、実施例200の差決定の態様は、
図1を参照して説明されるように、第1の衛星105-aの衛星マッピングシステム170によって実行することができる。いくつかの例では、例200の差分決定の態様は、より一般的にリモートセンシングシステムとして説明することができる異なるデバイス又はデバイスのタイプによって実行することができる。
【0036】
実施例200は、第1の衛星105-a又は他のリモートセンシングシステムによって受信され、後で比較するために(例えば、データストレージ185において)記憶され得る第1の地理的分布情報を含むベースマップ210-aを含む。ベースマップ210-aは、(例えば、第1の衛星105-a又は他の装置によって)差分決定が可能なベースライン条件の一例であってよい。ベースマップ210-aの情報は、地上位置(例えば、地平にある、または地平の上方にある地上基準位置)又は上空位置(例えば、地上位置の上方のオーバヘッドパスの位置、第1の衛星105-aの軌道経路の位置)の一方又は両方に関連付けられてもよい。ベースマップ210-aの情報は、各種の情報を含み得る。いくつかの例では、ベースマップ210-aは、可視スペクトル撮像、赤外線撮像、熱撮像、ハイパースペクトル撮像、合成開口レーダ撮像、他のタイプの撮像、又はそれらの組み合わせなどの撮像情報を参照することができる。いくつかの例では、ベースマップ210-aの情報は、大気組成情報、地上レベルの組成情報、又は他の空間的若しくは地理的分布情報などの他のタイプの情報を含むことができる。ベースマップ210-aは、画像又はプロットなどの情報の空間表現として表すことができる。
【0037】
いくつかの例では、ベースマップ210-aの情報のタイプは、センサプラットフォームによって収集された情報のタイプに対応することができる。例えば、ベースマップ210-aは、リモートセンシングシステムの可視スペクトルセンサによって収集された可視スペクトル撮像情報を含むことができる。いくつかの例では、ベースマップ210-aの情報の種類は、処理、フィルタリング、又は別の方法で変換された情報を表してもよい。例えば、ベースマップは、他の種類の境界の中でも、感知された特性、又は複数の感知された特性が閾値を上回るか下回るかの境界領域、又は感知された特性の組み合わせが識別基準を満たすか満たさないかの境界領域を含むことができる。いくつかの例では、ベースマップ210-aは、異なる位置で収集され、(例えば、オルソレクティフィケーションを使用して)既知の標高モデルにマッピングされた処理情報(例えば、画像)に少なくとも部分的に基づいてもよく、そうでなければ(例えば、差分情報を決定するために)比較が行われる視点を表すように傾斜又は適合されてもよい(例えば、センサフレーム正規化に基づいて、ビーム追従に基づいて、時刻に基づいて、雲量を補償する)。
【0038】
ベースマップ210-aは、そこから様々な差異が決定される第1の地理的又は空間的分布情報の一例であり得る。例えば、ベースマップ210-aは、第1の特徴220-a及び第2の特徴220-bを含んでもよい。いくつかの例では、特徴220は、画像情報(例えば、特定の色又は色範囲の領域、特定のスペクトル波長又は振幅の領域)、別の感知された特徴(例えば、熱分布、大気成分の分布)の分布、又は植生(例えば、樹木被覆、農業地域、人口地域)、インフラストラクチャ(例えば、道路、橋、列車の線路)、車両、若しくは他の特徴などの識別された特徴を指すことができる。ベースマップ210-aは、第1の衛星105-a又は他のリモートセンシングシステムに提供されてもよく、(例えば、後続のオーバヘッドパス又は軌道パスにおいて)別の地理的分布情報、又は別の方法で別の地理的分布情報に変換することができる情報を感知した後、ベースマップ210-aは、(例えば、第1の衛星105-a又は他のリモートセンシングシステムでは、衛星マッピングシステム170によって)差分情報を決定するために使用されてもよい。
【0039】
実施例200はまた、(例えば、第1の衛星105-aのセンサプラットフォーム175又は他の遠隔感知システムによって感知される)リモートセンサシステムによって感知された情報に少なくとも部分的に基づく空間分布情報の第2の地理的位置を含む感知マップ230-aを含む。感知されたマップ230-aの情報はまた、地上位置(例えば、地平にある、又は地平の上方にある地上基準位置)又はオーバヘッド位置(例えば、地上位置の上方の軌道又はその他のオーバヘッドパスの位置、感知されたマップ230-aを生成するために使用される情報の収集中のセンサプラットフォームの位置)の一方又は両方に関連付けてもよい。感知されたマップ230-aの地上位置は、一般に、ベースマップ210-aと同じ地上位置に対応することができる。しかしながら、感知されたマップ230-aに関連付けられたオーバヘッド位置は、ベースマップ210-aに関連付けられたオーバヘッド位置と同じであってもよいし、ベースマップ210-aに関連付けられたオーバヘッド位置と異なっていてもよい。
【0040】
感知されたマップ230-aに関連付けられた俯瞰位置がベースマップ210-aに関連付けられた俯瞰位置と異なる場合、感知されたマップは、ベースマップ210-aとの比較をサポートするようにスケーリング、投影、又は他の方法で修正された情報を含むことができる。例えば、感知されたマップ230-aは、(例えば、標高モデルに基づいて、関連する地理的領域を、俯瞰位置と地上位置との間のスキュー又は斜視角又は向きに基づいて)ベースマップ210-aの視点を表すために1つ以上の画像を変更することに少なくとも部分的に基づいて生成することができる。追加的又は代替的に、ベースマップ210-aは、(例えば、関連する地理的領域の標高モデルに基づいて、俯瞰位置と地上位置との間のスキュー又は斜視角又は向きに基づいて)感知されたマップ230-aの視点を表すように1つ以上の画像を変更することに少なくとも部分的に基づいて生成することができる。より一般的には、ベースマップ210-aに関連する情報、又は感知されたマップ230-aに関連する情報、又はその両方は、比較及び差の決定を容易にするために、共通の視点に従って処理又は修正することができる。
【0041】
実施例200では、感知されたマップ230-aは、同じ位置にある第1の特徴220-a、異なる位置にある第2の特徴220-b、及びベースマップ210-aに含まれていない新しい特徴220-cも含む。したがって、感知されたマップ230-aの特徴220-b及び220-cの態様は、所与の地上位置又は地上領域についての地理的又は空間的分布情報の変化を例示することができる。ベースマップ210-aと感知されたマップ230-aとは、(例えば、第1の衛星105-aのデータプロセッサ190又は他のリモートセンシングシステムによって)差分判定240-aにおいて比較され、差分マップ250-aを生成することができる。差分マップ250-aは、第2の地理分布情報と第1の地理分布情報との差を表す差分情報の一例であってよい。実施例200では、特徴220-aは、(例えば、リモートセンシングシステムに提供されるような)ベースマップ210-aと、(例えば、遠隔感知システムで感知又は別の方法で決定されるような)感知マップ230-aの両方に存在するため、差分マップ250-aは、特徴220-aを省略し、特徴220-b(例えば、動きベクトル260として)の移動及び特徴220-cの追加の指示を含むことができる。
【0042】
リモートセンシングシステムは、差分マップ250-aを通信してもよく、これは、感知されたマップ230-aに関連付けられた情報を通信する様々な態様を改善し得る。例えば、特徴220-bの移動及び特徴220-cの追加に関連付けられた情報を送信すること、及び特徴220-aに関連付けられた情報を送信することを控えることは、特徴220-a、220-b、及び220-cの各々に関連付けられた情報を送信するよりも少ない通信トラフィックに関連することができる。したがって、差決定240-aを行うことによって、第1の衛星105-aと地上セグメント110との間の通信リンクを、他の情報(例えば、感知されたマップ230-aに関連しない情報)のために使用することができ、又は第1の衛星105-aと地上セグメント110との間の通信リンクを、感知されたマップ230-aの情報に関連する、高忠実度又は高解像度の情報を送信するために使用することができる。
【0043】
図3は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする差分決定の実施例300を示す。いくつかの実施例では、実施例300の差決定の態様は、
図1を参照して説明されるように、第1の衛星105-aの衛星マッピングシステム170によって実行してもよい。いくつかの例では、実施例300の差分決定の態様は、より一般的にリモートセンシングシステムとして説明することができる異なるデバイス又はデバイスのタイプによって実行することができる。
【0044】
実施例300は、第1の地理的分布情報を含むベースマップ210-bを含む。第1の地理的分布情報は、第1の衛星105-a又は他のリモートセンシングシステムによって受信され、後で比較するために(例えば、データストレージ185において)記憶され得る。ベースマップ210-bは、(例えば、第1の衛星105-a又は他の装置によって)差分決定が可能なベースライン条件の別の例であってよい。ベースマップ210-bの情報は、地上位置(例えば、地平にある、または地平の上方にある地上基準位置)又は上空位置(例えば、地上位置の上方のオーバヘッドパスの位置、第1の衛星105-aの軌道経路の位置)の一方又は両方に関連付けることができる。
【0045】
ベースマップ210-bの情報は、各種の情報を含み得る。いくつかの例では、ベースマップ210-aは、特定されたオブジェクト、又は特定の閾値を満たす位置のグリッドを指してもよい。例えば、ベースマップ210-bは、識別されたオブジェクト(例えば、車両、建物、又は空間座標を有する他の構造物などのオブジェクトのタイプ)、又はそうでなければ閾値(例えば、植生の地域、地表水を有する地域、開発又は自然災害の影響を受ける地域)を満たす識別された領域若しくは座標に関連付けられたベースカタログ310を含むか、又はそれに対応することができる。様々な例では、第1の衛星105-a又は他のリモートセンシングシステムは、ベースマップ210-bを受信し、ベースマップ310を生成してもよく、又は第1の衛星105-aないし他のリモートセンシングシステムは、ベースマップ210-bを受信する代わりに、ベースカタログ310を受信してもよい。ベースマップ210-b又はベースカタログ310の各々は、カタログ又は情報リスト(例えば、特徴のカタログ、識別されたオブジェクトのカタログ、識別された位置のカタログ)の例であってもよい。
【0046】
いくつかの例では、ベースマップ210-bの情報のタイプは、センサプラットフォームによって収集された情報のタイプに対応することができる。いくつかの実施例では、ベースマップ210-bの情報の種類は、処理された、フィルタ処理された、ないしは別の方法で変換された情報を表すことができる(例えばオブジェクトの識別又はカタログの座標をサポートするため)。
【0047】
ベースマップ210-b又はベースカタログ310は、そこから様々な違いが判定される第1の地理的又は空間的分布情報の他の例であり得る。例えば、ベースマップ210-b又はベースカタログ310は、第1の特徴A、第2の特徴B、及び第3の特徴Cを含んでもよい。ベースマップ210-b又はベースカタログ310を、第1の衛星105-a又は他のリモートセンシングシステムに提供してもよく、(例えば、後続のオーバヘッドパス又は軌道パスにおいて)別の地理的分布情報、又は別の方法で別の地理的分布情報に変換することができる情報を感知した後、ベースマップ210-b又はベースカタログ310を、(例えば、第1の衛星105-a又は他のリモートセンシングシステムでは、衛星マッピングシステム170によって)差分情報を決定するために使用してもよい。
【0048】
実施例200はまた、第2の地理的または空間的位置情報を含む感知マップ230-aを含む。この情報は、リモートセンサシステムによって感知された(例えば、第1の衛星105-bのセンサプラットフォーム175又は他の遠隔感知システムによって感知された)情報に少なくとも部分的に基づく。感知されたマップ230-bの情報はまた、地上位置(例えば、地平にある、又は地平の上方にある地上基準位置)又はオーバヘッド位置(例えば、地上位置の上方の軌道又はその他のオーバヘッドパスの位置、感知されたマップ230-bを生成するために使用される情報の収集中のセンサプラットフォームの位置)の一方又は両方に関連付けてもよい。感知されたマップ230-bの地上位置は、一般に、ベースマップ210-bと同じ地上位置に対応することができる。しかしながら、感知されたマップ230-bに関連付けられたオーバヘッド位置は、ベースマップ210-bに関連付けられたオーバヘッド位置と同じであってもよいし、ベースマップ210-bに関連付けられたオーバヘッド位置と異なっていてもよい。感知されたマップ230-bは、感知されたカタログ330を含んでもよく、あるいは、感知されたカタログ330に関連付けてもよい。感知されたカタログ330は、第1の衛星105-a又は他のリモートセンシングシステムによって(例えば、データプロセッサ190によって)、直接又は感知されたマップ230-bに少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
【0049】
実施例200では、感知されたマップ230-bは、特徴Aを含まず、特徴Bの異なる位置を含み、同じ位置に特徴Cを含み、ベースマップ210-b又はベースカタログ310に含まれなかった新しい特徴Dを含む。したがって、感知された地
図230-b又は感知されたカタログ330の特徴A、B、及びDに関連する態様は、所与の地上位置又は地上領域に対する地理的又は空間的分布情報の変化を例示することができる。差分判定240-bにおいて、(例えば、第1の衛星105-aのデータプロセッサ190又は他のリモートセンシングシステムによって)ベースマップ210-bとセンシングマップ230-b、又はベースカタログ310とセンシングカタログ330を比較して、差分マップ250-a又は差分カタログ350の一方又は両方を生成してもよい。差分マップ250-b又は差分カタログ350のいずれかは、第2の地理的分布情報と第1の地理的分布情報との間の差を表す差分情報の例であってもよい。
【0050】
リモートセンシングシステムは、差分マップ250-b又は差分カタログ350の一方又は両方を通信することができ、これにより、感知されたマップ230-b又は感知されたカタログ330に関連する情報を通信する様々な態様を改善することができる。例えば、差分マップ250-b又は差分カタログ350の情報を送信することは、検知されたマップ230-b又は検知されたカタログ330の全体を送信するよりも少ない通信トラフィックに関連する。したがって、差決定240-bの1つ以上の態様を実行することによって、第1の衛星105-aと地上セグメント110との間の通信リンクは、他の情報(例えば、感知されたマップ230-bの情報に関連しない情報)のために使用することができ、又は、第1の衛星105-aと地上セグメント110との間の通信リンクは、感知されたマップ230-bの情報に関連付けられる、より高い忠実度又はより高い解像度の情報を送信するために使用することができる。
【0051】
図4は、本明細書に開示される実施例に係る、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートするシステム400及び対応する動作の一例を示す。システムは、中央マッピングシステム401、中継デバイス402、及びリモートセンシングシステム403を含む。一例では、システム400は、
図1を参照して説明した衛星通信システム100などの衛星通信システムのコンポーネントを含むことができる。例えば、中央マッピングシステム401は、地上セグメント110の態様(例えば、地上セグメントマッピングシステム130)を含むことができ、中継デバイス402は、第2の衛星105-bの態様(例えば、静止軌道内の衛星)を含むことができ、リモートセンシングシステム403は、第1の衛星105-aの態様(例えば、衛星マッピングシステム170を含むことができるLEO又はMEO衛星)を含むことができる。他の例では、システム400は、他のコンポーネント(例えば、リモートセンシングシステム403が、車両、飛行機、ヘリコプタ、UAV、又は遠隔監視ステーションなどの別の種類の遠隔又は移動装置の態様を含む場合)を例示することができる。システム400は、単一のリモートセンシングシステム403により示されているが、記載された技術は、複数のリモートセンシングシステム403(例えば、リモートセンシングシステム403のコンスタレーション)に適用してもよい。
【0052】
410において、中央マッピングシステム401は、第1の地理的分布情報を含むベースマップ又は他のベースライン条件を生成することができる。第1の地理的分布情報は、情報の空間的表現(例えば、画像、空間的プロット)、又は情報のカタログ(例えば、特徴のカタログ)を含むことができ、第1の位置(例えば、リモートセンシングシステム403のオーバヘッド又は軌道位置、ベースマップの地上又は地上参照位置)に対応することができる。いくつかの例では、第1の地理的分布情報の生成は、
図2及び3を参照して説明したベースマップ210又はベースカタログ310を生成する態様を含んでもよい。410でのベースマップの生成は、リモートセンシングシステム403によって感知された情報(例えば、中央マッピングシステム401に以前に送信された以前のデータ)、(例えば、リモートセンシングシステム403のコンスタレーションの)他のリモートセンシングシステム403、又は他の情報源若しくはそれらの(例えば、集約ベースマップのための)組み合わせに基づくことができ、これは、第1の位置に対して感知された情報の1つ以上のセットを正規化するための各々の適応を含むことができる。
【0053】
420において、中央マッピングシステム401は、生成されたベースマップ又は他のベースライン条件を送信することができる。図示の例では、ベースマップは、中継デバイス402に送信してもよく、421において、ベースマップは、中継デバイス402によってリモートセンシングシステム403に送信してもよい。他の例では、ベースマップ又は他のベースライン条件は、中継デバイス402によって中継されることなく、(例えば、420において)リモートセンシングシステム403に送信することができる。
【0054】
いくつかの例では、中央マッピングシステム401は、ベースマップ又は他のベースライン条件との差を検出又は識別するために使用される様々なパラメータ又はアルゴリズムを決定することができる。例えば、中央マッピングシステム401は、自然災害(例えば、火災地帯、地震被害)、インフラストラクチャの変更(例えば、新しい建物又は道路の建設、構造物の解体)、車両の移動(例えば、車両の存在、車両の不在、車両の位置の変化)、又は他の検出を検出するように構成することができる。いくつかの例では、差分検出構成の変更は、所与の地理的領域を観察するための衛星105又は他のリモートセンシングシステム(例えば、UAV)の(例えば、地上システムの、又は地上システム110を介する)再要求又は展開と一致し得る。
【0055】
リモートセンシングシステム403が特定の差分検出のために構成される例では、430において、中央マッピングシステム401は、差分検出又はその構成に関連する差分パラメータを送信することができる。図示の例では、異なるパラメータは、中継デバイス402に送信してもよく、431において、異なるパラメータは、中継デバイス402によってリモートセンシングシステム403に送信してもよい。他の例(例えば、ベースマップが中継デバイス402を介して通信された例、又はされなかった例)では、差分パラメータを、中継デバイス402によって中継することなく、(例えば、430において)リモートセンシングシステム403に送信することができる。
【0056】
440において、リモートセンシングシステム403は、地理的分布情報を検出することができる。例えば、リモートセンシングシステム403は、(例えば、センサプラットフォーム175を介して)様々な情報を検出して、
図2及び3を参照して説明したような感知されたマップ230又は感知されたカタログ330の生成をサポートすることができる。いくつかの例では、検出は、ベースマップと同じ位置(例えば、同じオーバヘッド位置、ベースマップの同じ地上又は地上参照位置)に対応することができる。いくつかの例では、440の検出は、ベースマップとは異なるオーバヘッド位置に対応し得るが、リモートセンシングシステム403は、(例えば、標高モデルに基づいて、関連する地理的領域を、オーバヘッド位置と地上位置との間のスキュー又は斜視角又は向きに基づいて)感知された情報を処理して、ベースマップとの比較をサポートすることができる。440の検出は、リモートセンシングシステム403がベースマップを受信し、任意選択的に差分パラメータを受信した後であるように示されているが、いくつかの例では、リモートセンシングシステム403は、ベースマップを受信する前又は差分パラメータを受信する前に440の検出を実行することができる。
【0057】
450において、リモートセンシングシステム403は、(例えば、420で送信されたベースマップ及び440で検出された情報に少なくとも部分的に基づいて)差分情報を決定することができる。例えば、リモートセンシングシステム403は、
図2及び3を参照して説明したように、差分決定240の1つ以上の態様を実行することができる。いくつかの例では、450の動作は、
図2及び3を参照して説明したように、差分マップ250又は差分カタログ350の一方又は両方の生成に関連付けることができる。様々な例において、差分情報は、他の差の中でも、スペクトル若しくは他の撮像情報の差、又は識別された特徴の追加、削除、若しくは移動を含むことができる。
【0058】
460において、リモートセンシングシステム403は、450において決定された差分情報を送信することができる。図示の例では、差分情報は、中継デバイス402に送信してもよく、461において、差分情報は、中継デバイス402によって中央マッピングシステム401に送信してもよい。他の例(例えば、ベースマップが中継デバイス402を介して通信された例、またはされなかった例)では、差分情報を、中継デバイス402によって中継することなく、(例えば、460において)リモートセンシングシステム401に送信することができる。いくつかの例では、460の送信は、通信リンクのチャネル条件、通信リンクの帯域幅のコスト、又は差分情報のデータ量に少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、そのような送信は、中継デバイスとの通信の信号対ノイズ比、異なる地上又は中継デバイスとの通信の相対コスト、バッファ状態(例えば、リモートセンシングシステム403のバッファ容量のうちのどれだけが使用されているか)を考慮することができる。いくつかの例では、460の送信は、これら及び他の要因に基づいて、中央マッピングシステム401、中継デバイス402、又はリモートセンシングシステム403によってスケジュールしてもよい。
【0059】
460で送信される差分情報は、様々な機能性をサポートするために、中央マッピングシステム401によって使用することができる。いくつかの例では、中央マッピングシステム401は、差分情報に少なくとも部分的に基づいてベースマップを更新することができ、更新されたベースマップは、(例えば、リモートセンシングシステム403、リモートセンシングシステム403のコンスタレーションを含むか、又はそれとは異なり)1つ以上のリモートセンシングシステム403、又は地理的分布情報のエンドユーザに提供することができる。例えば、中央マッピングシステム401は、集約され処理された(例えば、オルソ化された)情報をエンドユーザに提供することができる。いくつかの例では、差分情報自体は、(例えば、リモートセンシングシステム403とは異なり、ベースマップを更新するために)1つ以上のリモートセンシングシステム403に、又は地理的分布情報のエンドユーザ(例えば、理的分布情報において相違が識別されたユーザ)に転送してもよい。いくつかの例では、複数のリモートセンシングシステム403から差分情報を集約することができ、それに応じて差分情報又は更新されたベースマップを配信することができる。
【0060】
図示された例は、単一のベースマップ及び差分情報の決定を参照しているが、記載された技術は、異なる場所で実行してもよい。例えば、システム400は、第3の地理的分布情報を含む第2のベースマップ(例えば、リモートセンシングシステム403の第2のオーバヘッド又は軌道位置に対応する)の通信をサポートするように構成してもよい。いくつかの例では、第2のベースマップは、リモートセンシングシステム403が第1の位置と第2の位置との間の経路に沿って(例えば、440の情報の検出を実行した後、情報の別の検出の前に、第1の軌道位置と第2の軌道位置との間の軌道の一部に)配置されている間に、又は第2の位置に到達若しくは通過した後に、通信してもよい。したがって、リモートセンシングシステム403は、(例えば、第2の位置からの)第4の地理的分布情報の検出と、第4の地理的分布情報と第3の地理的分布情報との間の差を表す第2の差分情報の決定とをサポートするように構成することができる。したがって、システム400は、第2の差分情報を(例えば、リモートセンシングシステム403と中央マッピングシステム401との間で)通信するように構成してもよい。一般に、リモートセンシングシステム403は、カバレッジエリア全体のベースマップ(例えば、全地球カバレッジに対応する1つ以上のベースマップ)までの複数の位置に対応することができる、ある量のベースマップを記憶する能力を有することができる。いくつかの例では、リモートセンシングシステム403は、最後のパス以降にベースマップが更新された領域についての更新されたベースマップのみを受信することができる。
【0061】
システム400は、デルタ符号化のための記載された技術をサポートするための一例を示しているが、他のシステムは、異なる方法で動作を実行してもよく、又は異なるコンポーネント間で動作を分散してもよい。一例では、リモートセンシングシステム403は、感知情報(例えば、その全体)を中継デバイス402に送信するように構成してもよく、中継デバイス402は、ベースマップとリモートセンシングシステム403から受信した感知情報との間の差分情報を決定するように構成してもよい。したがって、中継デバイス402は、中継デバイス402において決定された差分情報を送信することができ、これは、461の送信と同様の送信を含むことができる。
【0062】
別の例では、ベースマップは、中央マッピングシステム401によって送信しなくてもよいが、システム400の他の動作は依然としてサポートされる。例えば、リモートセンシングシステム403は、それ自体のベースマップ又は他のベースライン条件を生成し、更に(例えば、中継デバイス402、中継デバイス402に)送信される差分情報を決定することができる。いくつかの例では、中継デバイス402は、ベースマップ又は他のベースライン条件(例えば、中継デバイス402がリモートセンシングシステム403の一例でもある場合)を決定するように構成してもよく、ベースマップ又は他のベースライン条件は、(例えば、421の送信と同様である)リモートセンシングシステム403に送信してもよい。
【0063】
いくつかの例(例えば、中継デバイス402がリモートセンシングシステム403の一例である場合、又は、複数のリモートセンシングシステム403から差分情報を受信する場合)では、中継デバイス402は、中央マッピングシステム401への集約された差分情報送信、又は(例えば、ベースマップの分散更新のための)リモートセンシングシステム403のネットワーク間での差分情報の中継、又は差分情報の集約に応じたベースマップの更新(例えば、中継デバイス402において)をサポートすることができ、それに応じて様々なリモートセンシングシステム403に更新することができる。
【0064】
図5は、本明細書に開示される実施例による、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートするリモートセンシングシステム505のブロック
図500を示す。リモートセンシングシステム505は、
図1から
図4を参照して説明したリモートセンシングシステムの態様の一例であってもよい(例えば、第1の衛星105-a、リモートセンシングシステム403)。リモートセンシングシステム505は、ベース条件受信器510と、センサプラットフォーム515と、差分識別コンポーネント520と、差分情報送信器525と、送信スケジューリングコンポーネント530と、差分構成受信器535と、ベース条件更新コンポーネント540とを含むことができる。これらのモジュールの各々は、互いに直接的又は間接的に通信することができる(例えば、1つ以上のバスを介して)。いくつかの例では、リモートセンシングシステム505は、衛星であってもよく、又は衛星(例えば、
図1を参照して説明した衛星105)に含まれてもよい。場合によっては、リモートセンシングシステム505は、LEO又はMEO衛星であってもよく、又はそれらに含まれてもよい。いくつかの例では、リモートセンシングシステム505は、別の種類の車両(例えば、移動車両、飛行機、ヘリコプタ、UAV)に含まれてもよい。
【0065】
ベース条件受信器510は、第1の地理的分布情報を含むベースマップを受信することができる。いくつかの例では、第1の地理的分布情報は、リモートセンシングシステム505の第1の位置に対応することができる。いくつかの実施例では、ベース条件受信器510は、中継デバイス(例えば、リレー衛星)を介して、中央マッピングシステム(例えば、地上セグメント110、地上局、中央マッピングシステム401)からベースマップを受信してもよい。いくつかの例では、中継デバイスは、静止軌道にある中継衛星であってもよい。
【0066】
いくつかの例では、ベース条件受信器510は、第2の位置に対応する第2のベースマップを受信することができ、第2のベースマップは、リモートセンシングシステムの第2の位置に対応する第3の地理的分布情報を含む。いくつかの実施例では、第2のベースマップを受信することは、第1の軌道位置と第2の軌道位置との間の衛星の軌道の一部において行われる。
【0067】
センサプラットフォーム515は、地理的分布情報を検出することができる。いくつかの例では、センサプラットフォーム515は、リモートセンシングシステム505の異なる位置からの異なる地理的分布情報を検出することができる。場合によっては、センサプラットフォーム515は、可視スペクトル撮像装置、赤外線撮像装置、ハイパースペクトル撮像装置、合成開口レーダ、又はそれらの組み合わせを含む。
【0068】
差分識別コンポーネント520は、検出された(例えば、第2の)地理的分布情報と、ベースマップ又は他のベースライン条件の地理的分布情報(例えば、第1の地理的分布情報)との間の差分を表す差分情報を決定することができる。いくつかの例では、差分識別コンポーネント520は、受信した地理的分布情報にない、検出された地理的分布情報内の1つ以上の追加のオブジェクト、又は受信した地理的分布情報と検出された地理的分布情報との間の1つ以上のオブジェクトの移動を識別することができる。いくつかの例では、差分識別コンポーネント520は、リモートセンシングシステム505の異なる位置に対応する異なる差分情報を決定することができる。
【0069】
差分情報送信器525は、差分情報を送信することができる。いくつかの例では、差分情報送信器525は、差分情報を中央マッピングシステム(例えば、地上セグメント110、地上局、中央マッピングシステム401)に送信することができる。いくつかの例では、差分情報送信器525は、中央マッピングシステム401に中継するために、差分情報を別のデバイス(例えば、中継デバイス、中継衛星)に送信することができる。
【0070】
送信スケジューリングコンポーネント530は、通信リンクのチャネル条件、通信リンクの帯域幅のコスト、又は差分情報のデータ量に基づいて、差分情報を送信するためのスケジューリングを決定することができる。
【0071】
差分構成受信器535は、差分情報を決定するための1つ以上のパラメータを(例えば、中央マッピングシステム401から、地上セグメント110から、地上局から)受信することができる。
【0072】
ベース条件更新コンポーネント540は、ベースマップの地理的分布情報と別の地理的分布情報との間の差を表す情報を受信することができる。いくつかの例では、ベース条件更新コンポーネント540は、情報に基づいて更新されたベースマップを生成することができる。
【0073】
図6は、本明細書に開示される実施例による、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする中央マッピングシステム605のブロック
図600を示す。中央マッピングシステム605は、
図1から
図4を参照して説明した中央マッピングシステムの態様の一例であってもよい(例えば、地上セグメントマッピングシステム130、中央マッピングシステム401)。中央マッピングシステム605は、ベース条件送信器610と、差分情報受信器615と、ベース条件生成コンポーネント620と、受信スケジューリングコンポーネント625と、差分構成送信器630とを含むことできる。これらのモジュールの各々は、互いに直接的又は間接的に通信することができる(例えば、1つ以上のバスを介して)。
【0074】
ベース条件送信器610は、第1の地理的分布情報を含む第1のベースマップを、リモートセンシングプラットフォームを有する装置(例えば、衛星、移動車両、飛行機、ヘリコプタ、UAV)に送信することができる。いくつかの例では、第1のベースマップは、デバイスの第1の位置(例えば、第1のオーバヘッド位置、第1の軌道位置)に対応し得る。場合によっては、リモートセンシングプラットフォームは、可視スペクトル撮像装置、赤外線撮像装置、ハイパースペクトル撮像装置、又はこれらの組み合わせを含む。
【0075】
いくつかの例では、ベース条件送信器610は、別のデバイス(例えば、中継デバイス、中継衛星)を介して中央マッピングシステム605からデバイスに第1のベースマップを送信することができる。場合によっては、装置はLEO又はMEO衛星であり、他の装置は静止軌道にある中継衛星である。
【0076】
いくつかの例では、ベース条件送信器610は、デバイスの第2の位置に対応する第2のベースマップを送信することができ、第2のベースマップは、第3の地理的分布情報を含む。場合によっては、第2のベースマップを送信することは、第1の位置と第2の位置との間の経路(例えば、第1の軌道位置と第2の軌道位置との間の衛星の軌道の一部において)に沿って行われてもよい。
【0077】
差分情報受信器615は、第1の位置でリモートセンシングプラットフォームによって検出された第2の地理的分布情報と第1の地理的分布情報との間の決定された差を表す差分情報を含む送信を受信することができる。いくつかの例では、差分情報受信器615は、他の装置(例えば、中継デバイス、中継衛星)を介して送信を受信してもよい。場合によっては、差分情報は、第1の地理的分布情報と比較して、1つ以上の追加のオブジェクト、1つ以上の省略されたオブジェクト、及び/又は1つ以上の移動されたオブジェクトを含む。
【0078】
いくつかの例では、差分情報受信器615は、第2の位置でリモートセンシングプラットフォームによって検出された第4の地理的分布情報と第3の地理的分布情報との間の決定された第2の差分情報を表す差分情報を含む送信を受信することができる。
【0079】
ベース条件生成コンポーネント620は、第1の地理的分布情報に対応する地理的領域の1つ以上の画像及び地理的領域の標高モデルに基づいて第1のベースマップを生成してもよい。いくつかの例では、ベース条件生成コンポーネント620は、地理的領域の標高モデルに基づいて、第1の位置におけるデバイスの視点を表すように、1つ以上の画像を修正することができる。いくつかの例では、ベース条件生成コンポーネント620は、時刻、地理的領域の気象情報、又はそれらの組み合わせに基づいて、1つ以上の画像を修正することができる。
【0080】
受信スケジューリングコンポーネント625は、通信リンクのチャネル条件、通信リンクの帯域幅のコスト、又は差分情報のデータ量に基づいて、送信を受信するためのスケジューリングを決定することができる。
【0081】
差分構成送信器630は、差分情報を決定するために1つ以上のパラメータをデバイスに送信することができる。
【0082】
図7は、本開示の態様によるリモートセンシングのためにデルタ符号化をサポートする方法700を例示するフローチャートを示す。方法700の動作は、本明細書に記載されているように、リモートセンシングシステム又はそのコンポーネントによって実行することができる。例えば、方法700の動作は、
図4及び
図5を参照して説明したようなリモートセンシングシステムによって実行することができる。いくつかの例では、方法700の動作は、
図1を参照して説明した衛星105などのリモートセンシングプラットフォームを有する衛星のコンポーネントによって実行してもよい。いくつかの例では、リモートセンシングシステムは、説明された機能を実行するようにリモートセンシングシステムの機能要素を制御するための命令セットを実行することができる。追加的に又は別の方法として、リモートセンシングシステムは、専用ハードウェアを使用して、記載された機能の態様を実行することができる。
【0083】
705において、方法700は、第1の地理的分布情報を含むベースマップを受信することを含むことができる。いくつかの例では、705の動作の態様は、
図5を参照して説明したように、ベース条件受信器によって実行してもよい。
【0084】
710において、方法700は、第2の地理的分布情報を検出すること(例えば、リモートセンシングプラットフォームを使用すること)を含むことができる。いくつかの例では、710の動作の態様は、
図5を参照して説明したセンサプラットフォームによって実行してもよい。
【0085】
715において、方法700は、第2の地理的分布情報と第1の地理的分布情報との間の差を表す差分情報を決定することを含むことができる。いくつかの例では、715の動作の態様は、
図5を参照して記載されたような差分識別コンポーネントによって実行してもよい。
【0086】
720において、方法700は、差分情報を送信することを含むことができる。いくつかの例では、720の動作の態様は、
図5を参照して説明したような差分情報送信機によって実行してもよい。
【0087】
いくつかの例では、本明細書に説明した装置は、方法700などの方法又は複数の方法を実行することができる。装置は、第1の地理的分布情報を含むベースマップを(例えば、リモートセンシングプラットフォームを有する衛星などのデバイスによって)受信し、第2の地理的分布情報を検出し、第2の地理的分布情報と第1の地理的分布情報との間の差を表す差分情報を決定し、(例えば、通信リンクを介して、中央マッピングシステムに)差分情報を送信するための特徴、手段、又は命令(例えば、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体)を含み得る。
【0088】
本明細書に記載された方法700及び装置のいくつかの例では、差分情報を送信することは、(例えば、衛星によって)通信リンクを介して地上局に差分情報を送信するための動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0089】
本明細書に記載された方法700及び装置のいくつかの例では、差分情報を送信することは、中央マッピングシステム(例えば、地上局)に中継するために別のデバイス(例えば、中継デバイス、中継衛星)に差分情報を送信するための動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0090】
本明細書に記載された方法700及び装置のいくつかの例では、ベースマップを受信することは、別のデバイス(例えば、中継デバイス、中継衛星)を介して地上局からベースマップを受信するための動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0091】
本明細書に記載の方法700及び装置のいくつかの例では、装置は、低地球軌道にある第1の衛星であってもよく、他の装置は、静止軌道にある中継衛星であってもよい。
【0092】
本明細書に記載された方法700及び装置のいくつかの例は、通信リンクのチャネル条件、通信リンクの帯域幅のコスト、又は差分情報のデータ量に基づいて、差分情報を送信するためのスケジューリングを決定するための動作、特徴、手段、又は命令を更に含み得る。
【0093】
本明細書に記載の方法700及び装置のいくつかの例は、差分情報を決定するための1つ以上のパラメータを(例えば、中央マッピングシステムから、地上局から)受信するための動作、特徴、手段、又は命令を更に含むことができる。
【0094】
本明細書に記載の方法700及び装置のいくつかの例では、リモートセンシングプラットフォームは、可視スペクトル撮像装置、赤外線撮像装置、ハイパースペクトル撮像装置、合成開口レーダ、又はそれらの組み合わせを含む。
【0095】
本明細書に記載の方法700及び装置のいくつかの例は、第1の地理的分布情報にはない第2の地理的分布情報における1つ以上の追加の物体を識別するための動作、特徴、手段、又は命令、又は第1の地理的分布情報と第2の地理的分布情報との間の1つ以上の物体の移動を含み得る。
【0096】
本明細書に記載の方法700及び装置のいくつかの例では、ベースマップは、第1の位置に対応する第1のベースマップを含んでもよく、方法又は装置は、第2の位置に対応する第2のベースマップを受信する動作、特徴、手段、又は命令を含んでもよく、第2のベースマップは、第3の地理的分布情報を含み、第2の位置から第4の地理的分布情報を検出し、第4の地理的分布情報と第3の地理的分布情報との差を表す第2の差分情報を決定し、第2の差分情報を送信する。
【0097】
本明細書に記載の方法700及び装置のいくつかの例では、第2のベースマップを受信することは、第1の位置と第2の位置との間の経路(例えば、第1の軌道位置と第2の軌道位置との間の衛星の軌道の一部において)に沿って行われてもよい。
【0098】
本明細書に記載の方法700及び装置のいくつかの例は、第1の地理的分布情報と第5の地理的分布情報との差を表す情報(例えば、差分情報)を受信し、情報に基づいて更新されたベースマップを生成するための動作、特徴、手段、又は命令を更に含み得る。
【0099】
図8は、本明細書に開示される例による、リモートセンシングのためのデルタ符号化をサポートする方法800を示すフローチャートを示す。方法800の動作は、本明細書に記載の中央マッピングシステム又はそのコンポーネントによって実行することができる。例えば、方法800の動作は、
図4及び
図6を参照して説明したような中央マッピングシステムによって実行してもよい。いくつかの例では、方法800の動作は、
図1を参照して説明した地上セグメントマッピングシステム130などの地上セグメント110のコンポーネントによって実行することができる。いくつかの例では、中央マッピングシステムは、説明された機能を実行するように中央マッピングシステムの機能要素を制御するための命令セットを実行することができる。追加的に又は別の方法として、中央マッピングシステムは、専用ハードウェアを使用して、記載された機能の態様を実行することができる。
【0100】
805において、方法800は、リモートセンシングプラットフォームを有するデバイス(例えば、衛星)に、第1の地理的分布情報を含む第1のベースマップを送信することを含むことができ、第1のベースマップはデバイスの第1の位置(例えば、オーバヘッド位置、軌道位置)に対応する。いくつかの例では、805の動作の態様は、
図6を参照して説明したように、ベース条件送信機によって実行してもよい。
【0101】
810において、方法800は、通信リンク(例えば、無線通信リンク)を介してデバイスから、第1の位置でリモートセンシングプラットフォームによって検出された第2の地理的分布情報と第1の地理的分布情報との間の決定された差を表す差分情報を含む送信を受信するステップを含むことができる。いくつかの例では、810の動作の態様は、
図6を参照して説明したように、差分情報受信器によって実行してもよい。
【0102】
いくつかの例では、本明細書に記載の装置は、方法800などの方法を実行することができる。装置は、第1の地理的分布情報を含む第1のベースマップをリモートセンシングプラットフォームを有するデバイスに送信し、第1のベースマップはデバイスの第1の位置に対応し、通信リンクを介してデバイスから、第1の位置でリモートセンシングプラットフォームによって検出された第2の地理的分布情報と第1の地理的分布情報との間の決定された差を表す差分情報を含む送信を受信するための特徴、手段、又は命令(例えば、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体)を含むことができる。
【0103】
本明細書に記載された方法800及び装置のいくつかの例では、送信を受信することは、別のデバイス(例えば、中継デバイス、中継衛星)を介してデバイスのための通信リンクを提供する地上局で送信を受信するための動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0104】
本明細書に記載された方法800及び装置のいくつかの例では、第1のベースマップを送信することは、別のデバイス(例えば、中継デバイス、中継衛星)を介して地上局からデバイスに第1のベースマップを送信するための動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0105】
本明細書に記載の方法800及び装置のいくつかの例では、装置は低地球軌道の第1の衛星であってもよく、他の装置は静止軌道の第2の衛星であってもよい。
【0106】
本明細書に記載の方法800及び装置のいくつかの例は、第1の地理的分布情報に対応する地理的領域の1つ以上の画像及び地理的領域の標高モデルに基づいて第1のベースマップを生成するための動作、特徴、手段、又は命令を更に含み得る。
【0107】
本明細書に記載される方法800及び装置のいくつかの例では、第1のベースマップを生成することは、地理的領域の標高モデルに基づいて、第1の位置における装置の視点を表すように、1つ以上の画像を修正するための操作、特徴、手段、又は命令を含んでもよい。
【0108】
本明細書に記載の方法800及び装置のいくつかの例では、第1のベースマップを生成することは、時刻、地理的領域の気象情報、又はそれらの組み合わせに基づいて1つ以上の画像を修正するための動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0109】
本明細書に記載された方法800及び装置のいくつかの例は、通信リンクのチャネル条件、通信リンクの帯域幅のコスト、又は差分情報のデータ量に基づいて、送信を受信するためのスケジューリングを決定するための動作、特徴、手段、又は命令を更に含み得る。
【0110】
本明細書に記載の方法800及び装置のいくつかの例は、差分情報を決定するための1つ以上のパラメータをデバイスに送信するための動作、特徴、手段、又は命令を更に含むことができる。
【0111】
本明細書に記載の方法800及び装置のいくつかの例では、リモートセンシングプラットフォームは、可視スペクトル撮像装置、赤外線撮像装置、ハイパースペクトル撮像装置、又はそれらの組み合わせを含む。
【0112】
本明細書に記載の方法800及び装置のいくつかの例では、第1のベースマップは、第1の地理的分布情報の1つ以上の識別されたオブジェクトを含み、差分情報は、第1の地理的分布情報にはない、第2の地理的分布情報の1つ以上の追加のオブジェクトを含む。
【0113】
本明細書に記載の方法800及び装置のいくつかの例は、通信リンクを介してデバイスに、デバイスの第2の位置(例えば、第2の軌道位置)に対応する第2のベースマップを送信し、第2のベースマップは、第3の地理的分布情報を含み、通信リンクを介してデバイスから、第2の位置でリモートセンシングプラットフォームによって検出された第4の地理的分布情報と第3の地理的分布情報との間の決定された差を表す第2の差分情報を含む第2の送信を受信するための動作、特徴、手段、又は命令を更に含むことができる。
【0114】
本明細書に記載の方法800及び装置のいくつかの例では、第2のベースマップを送信することは、第1の位置と第2の位置との間の経路に沿った位置(例えば、第1の位置と第2の位置との間の装置の軌道経路の一部において)で行われる。
【0115】
装置について説明する。装置は、送信器、受信器、センシングプラットフォーム、プロセッサ、プロセッサに接続されたメモリ、及びメモリに記憶された命令を含むことができる。命令は、受信器を介して、プロセッサによって、第1の地理的分布情報を含むベースマップを受信し、センシングプラットフォームを使用して、第2の地理的分布情報を検出し、第2の地理的分布情報と第1の地理的分布情報との間の差を表す差分情報を決定し、送信器を用いて、差分情報を地上局に送信する、ように実行可能であってもよい。いくつかの実施例では、装置は衛星であってもよい。
【0116】
本明細書に記載の方法は可能な実装形態であり、動作又はコンポーネントは再配置又は他の方法で修正することができ、他の実装形態も可能であることに留意されたい。更に、2つ以上の方法から組み合わされた態様であってもよい。
【0117】
本明細書に記載の情報及び信号は、様々な異なる技術及び技術のいずれかを使用して表すことができる。例えば、説明全体を通じて参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって表すことができる。
【0118】
本明細書の開示に関連して説明される様々な例示的なブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブルロジックデバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェアコンポーネント、又は本明細書に記載される機能を実行するように設計された、これらのいずれかの組み合わせで実現又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイス(例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、又はそのような任意の他の構成)の組み合わせとして実装されてもよい。
【0119】
本明細書で説明される関数は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのいずれかの組み合わせで実現することができる。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実現される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして格納されるか、又は送信することができる。他の例及び実施態様は、本開示及び添付の請求項の範囲内にある。例えば、ソフトウェアの性質により、本明細書の機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハード配線、又はこれらのいずれかの組み合わせを使用して実現することができる。また、機能を実施する特徴は、様々な位置において物理的に配置されてもよく、機能の一部が物理的に異なる配置において実施されるように分散されることも含む。
【0120】
コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ記憶媒体と、コンピュータプログラムの1つ場所から別の場所への転送を容易にするいずれかの媒体を含む通信媒体との両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスすることができるいずれかの利用可能な媒体であってもよい。例として、限定するものではないが、非一時的コンピュータ可読媒体としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROM、又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶装置、又は命令若しくはデータ構造の形態で望ましいプログラムコードを搬送若しくは記憶するために使用することができ、汎用又は専用コンピュータ、あるいは汎用又は専用プロセッサによってアクセスすることができるいずれかの他の非一時的媒体を含んでもよい。また、いずれかの接続は、コンピュータ可読媒体と適切に称される。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(digital subscriber line、DSL)、又は赤外線、無線、マイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、無線、マイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるように、ディスク(Disk)及びディスク(Disc)には、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多目的ディスク(digital versatile disc、DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイディスクが含まれ、ディスクは通常、磁気的にデータを再現し、一方、ディスクはレーザを用いて光学的にデータを再現する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0121】
特許請求の範囲も含めて本明細書で使用されるとき、項目の列挙(例えば、「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ以上」などの熟語によって前置きされる項目の列挙)で使用されるときの「又は」は、包含的列挙を示し、その結果、例えば、A、B、又はCのうちの少なくとも1つとは、A若しくはB若しくはC、又はAB若しくはAC若しくはBC、又はABC(すなわち、AかつBかつC)を意味する。また、本明細書で使用されるように、「に基づく」という語句は、排他的な条件の集合を参照するものとして解釈されるべきではない。例えば、「条件Aに基づく」と記載される例示的な工程は、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づき得る。換言すれば、本明細書で使用されるように、「に基づく」という語句は、「少なくとも部分的に基づく」という語句と同じように解釈されるものとする。
【0122】
添付図面において、同様のコンポーネント又は特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。更に、同じタイプの様々な構成要素は、ダッシュ記号による参照ラベル、及びその同様の構成要素の間を区別する第2のラベルを後に続けることによって、区別され得る。第1の参照符号のみが本明細書で使用される場合、説明は、第2の参照符号又は他の後続の参照符号に関係なく、同じ第1の参照符号を有する類似のコンポーネントのうちのいずれか1つに適用可能である。
【0123】
本明細書に記載の説明は、添付の図面に関連して、例示的な構成を説明しており、実施され得る、又は特許請求の範囲内にあるすべての例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、事例、又は実例としての役割を果たすこと」を意味し、「好ましい」又は「他の例よりも有利である」ことを意味しない。詳細な説明には、記載された技術の理解を提供する目的のための具体的な詳細内容が含まれる。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な詳細を伴わずに実践してもよい。いくつかの事例では、周知の構造体及び装置が、ブロック図の形式で示され、記載された例の概念を曖昧にすることを回避している。
【0124】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正が、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書に定義された包括的な原理が、本開示の範囲から逸脱することなく他のバリエーションに適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に記載される例及び設計に限定されず、本明細書に開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。