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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】電極の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/139 20100101AFI20241111BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
H01M4/139
H01M4/36 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022026177
(22)【出願日】2022-02-22
(65)【公開番号】P2023122455
(43)【公開日】2023-09-01
【審査請求日】2022-02-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519100310
【氏名又は名称】APB株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】堀江 英明
(72)【発明者】
【氏名】草野 亮介
(72)【発明者】
【氏名】横山 祐一郎
【合議体】
【審判長】篠原 功一
【審判官】井上 信一
【審判官】須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0051354(KR,A)
【文献】特開2009-245788(JP,A)
【文献】特開平11-3701(JP,A)
【文献】国際公開第2013/180166(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/139
H01M 4/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、ガラス転移温度が-70℃以上50℃以下である被覆樹脂で被覆された被覆活物質を含む電極組成物を供給する供給工程と、
70℃以上100℃未満の表面温度に調節されたロールプレスを用いて、前記ロールプレスの周速度を5mm/s以上40mm/s以下として、前記電極組成物を加圧する加圧工程と、
を有し、
前記供給工程の後、前記加圧工程の前に、面状に加熱する加熱プレス機又は線状に加熱するロールプレスを用いて、前記基材上に供給された前記電極組成物を70℃以上100℃未満の温度に加熱する加熱工程を有する、
電極の製造方法。
【請求項2】
前記加圧工程における前記ロールプレスの表面温度から前記被覆樹脂のガラス転移温度を差し引いた値が、70℃以上150℃以下である、
請求項1に記載の電極の製造方法。
【請求項3】
前記供給工程では、前記基材上に前記電極組成物を連続的に供給し、
前記加圧工程の前又は後に、前記基材上に連続的に供給された前記電極組成物の一部を除去し、前記基材上に前記電極組成物を間欠的に残す除去工程を有する、
請求項1又は2に記載の電極の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時では、高容量で小型軽量な電池として、リチウムイオン電池が注目されている。一般的なリチウムイオン電池は、例えば特許文献1のように、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極集電体、及び負極活物質層が積層された単電池を複数重ねて組電池とされた状態で、電池外装材により封止されて構成されている。リチウムイオン電池では、正極集電体及び正極活物質層により正電極が、負極集電体及び負極活物質層により負電極がそれぞれ構成され、電極とされている。
【0003】
リチウムイオン電池の電極を製造するには、例えば特許文献2のように、集電体となるシート状の基材上に活物質を塗布し、基材上の活物質をロールプレスにより加圧した後、所定の長さに切断する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6070822号公報
【文献】特開2016-181469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電極の製造方法では、製造された電極の強度が不十分となる場合がある。例えば加圧工程を行った後や形成された電極に電解液を供給した後に、電極にひび割れが生じるという問題があった。
【0006】
本発明は、ひび割れ等が発生することのない優れた強度の電極を得ることができる、電極の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記のような知見に基づいて鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の態様に想到した。
【0008】
基材上に電極組成物を供給する供給工程と、
70℃以上100℃未満の表面温度に調節されたロールプレスを用いて、前記電極組成物を加圧する加圧工程と、
を有する、
電極の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電極の製造方法によれば、ひび割れ等が発生することのない優れた強度の電極を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る二次電池モジュールを示す概略断面図である。
図2】第1の実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極の製造方法を工程順に示すフロー図である。
図3】第1の実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極の製造方法におけるマスキング工程の一例を示す概略斜視図である。
図4】第1の実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極の製造方法における供給工程の一例を示す概略斜視図である。
図5】第1の実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極の製造方法における除去工程の一例を示す概略斜視図である。
図6】第1の実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極の製造方法における加圧工程の一例を示す概略側断面図である。
図7】第2の実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極の製造方法を工程順に示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による電極の製造方法をリチウムイオン二次電池の電極の製造に適用した諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
先ず、第1の実施形態について説明する。
【0013】
(リチウムイオン二次電池の構成)
本実施形態について説明するにあたり、先ず、本実施形態で製造される電極を備えたリチウムイオン二次電池の二次電池モジュールの構成について述べる。図1は、第1の実施形態に係る二次電池モジュールを示す概略断面図である。
【0014】
二次電池モジュール1は、負極集電体11及び負極活物質層12からなる負電極2と、正極活物質層14及び正極集電体15からなる正電極3とが、セパレータ13を介して積層させた平板上の積層電池(単電池)からなる電池セル20として構成される。即ち、二次電池モジュール1を構成する電池セル20は、負極集電体11、負極活物質層12、セパレータ13、正極活物質層14、正極集電体15が上方向に向けて積層され、全体として略矩形平板状に形成されている。
【0015】
二次電池モジュール1は、更に電池セル20の周縁に配設される環状の枠部材9を備えている。枠部材9は、セパレータ13の端部が埋め込まれてなることで当該セパレータ13を支持すると共に、枠部材9は、その上面及び下面に正極集電体15及び負極集電体11を面接触させた上でそれぞれ固定している。負極集電体11、正極集電体15及びセパレータ13の周縁部がこの枠部材9を介して固定されることにより、負極活物質層12及び正極活物質層14を外部に漏洩させることなく強固に封止することが可能となる。また、枠部材9は、負極集電体11、セパレータ13、正極集電体15のそれぞれの位置関係を定めることができる。負極集電体11とセパレータ13との間隔、セパレータ13と正極集電体15との間隔は、電池の容量に応じて予め調整されるが、枠部材9を通じてこの調整された間隔を保持できるように負極集電体11、セパレータ13、正極集電体15を固定することができる。
【0016】
負極集電体11の下側には、導電体層としての負極側電流供給層10が平面状に積層され、正極集電体15の上側には、同じく導電体層としての正極側電流取出層16が平面状に積層されている。負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16には、それぞれ電流が供給される箇所となる導電部7,8が形成されている。
【0017】
二次電池モジュール1では、電池セル20、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16を覆う不図示の外装フィルムを設けてもよい。外装フィルムとしては、例えば絶縁材料からなり、電池に用いられている公知の材質のものを用いることが可能であり、好ましくはラミネートフィルムである。ラミネートフィルムとしては、外側にナイロンフィルム、中心にアルミニウム箔、内側に変性ポリプロピレン等の接着層を有した3層ラミネートフィルムを好ましく用いることができる。
【0018】
なお、本発明を適用した二次電池モジュール1は、リチウムイオン二次電池の電池セル20を単電池で構成される場合に限定されるものではない。例えば、電池セル20を複数に亘り積層させて接続した組電池を形成するものであってもよい。
【0019】
このような組電池では、複数の電池セル20を直列接続することにより、最上段の電池セル20の正極側電流取出層16に接続された導電部8と最下段の電池セル20の負極側電流供給層10に接続された導電部7を介して電流を供給自在に構成するようにしてもよい。かかる場合には、互いに接続する電池セル20の負極側電流供給層10の下面と正極側電流取出層16の上面が隣接するように積層されている。更にこのような組電池を形成する場合には、複数の電池セル20を並列接続するようにしてもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。このような組電池を構成することにより、高容量、高出力と得ることができる。これ以外には、個々の電池セル20の負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16にそれぞれ接続された導電部7,8から独立に電流を供給自在に構成するようにしてもよい。
【0020】
以下、電池セル20を構成する各構成材料の好ましい態様について説明する。
【0021】
正極活物質層には、電極組成物として正極活物質が含まれる。
正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属元素が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi1-xCo、LiMn1-yCo、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)及び遷移金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM'M”(M、M'及びM”はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ-p-フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用しても良い。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであっても良い。
【0022】
本実施形態では、正極活物質は、導電助剤及び被覆樹脂で被覆された被覆正極活物質である。
正極活物質の周囲が被覆樹脂で被覆されていると、電極の体積変化が緩和され、電極の膨張を抑制することができる。
【0023】
導電助剤としては、金属系導電助剤[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、炭素系導電助剤[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの導電助剤は1種単独で用いられても良いし、2種以上併用しても良い。また、これらの合金又は金属酸化物として用いられても良い。
【0024】
なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、炭素系導電助剤及びこれらの混合物であり、更に好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及び炭素系導電助剤であり、特に好ましくは炭素系導電助剤である。
また、これらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[好ましくは、上記した導電助剤のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでも良い。
【0025】
導電助剤の形状(形態) は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であっても良く、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電助剤として実用化されている形態であっても良い。
【0026】
被覆樹脂と導電助剤の比率は特に限定されるものではないが、電池の内部抵抗等の観点から、重量比率で被覆樹脂(樹脂固形分重量):導電助剤が1:0.01~1:50であることが好ましく、1:0.2~1:3.0であることがより好ましい。
【0027】
被覆樹脂としては、例えば、炭素数4~12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)並びに(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基を2つ以上有する化合物(b1)、ラジカル重合性を有する基を2つ以上有する化合物(b2)及び(メタ)アクリル酸(a12)のカルボキシル基と反応しうる基とラジカル重合性を有する基をそれぞれ1つ以上有する化合物(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる架橋剤(b)を含んでなる単量体組成物を重合してなる非水系二次電池活物質被覆樹脂を好適に用いることができる。この非水系二次電池活物質被覆樹脂では、エステル化合物(a11)と(メタ)アクリル酸(a12)の重量比[エステル化合物(a11)/(メタ)アクリル酸(a12)]が10/90~90/10であることが好ましい。
【0028】
また、正極活物質層は、被覆正極活物質に含まれる導電助剤以外にも導電助剤を含んでも良い。
導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
【0029】
正極活物質層は、正極活物質を含み、正極活物質同士を結着する結着材を含まない非結着体であることが好ましい。
ここで、非結着体とは、正極活物質が結着材(バインダともいう)により位置を固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質と集電体が不可逆的に固定されていないことを意味する。
【0030】
正極活物質層には、粘着性樹脂が含まれていても良い。
粘着性樹脂としては、例えば、特開2017-54703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10-255805号公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。
【0031】
なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性(水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、結着材として用いられる溶液乾燥型の電極バインダは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。
従って、溶液乾燥型の電極バインダ(結着材)と粘着性樹脂とは異なる材料である。
【0032】
正極活物質層の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150μm~600μmであることが好ましく、200μm~450μmであることがより好ましい。
【0033】
負極活物質層には、電極組成物として負極活物質が含まれる。
負極活物質としては、公知のリチウムイオン電池用負極活物質が使用でき、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素-炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素-アルミニウム合金、珪素-リチウム合金、珪素-ニッケル合金、珪素-鉄合金、珪素-チタン合金、珪素-マンガン合金、珪素-銅合金及び珪素-スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-アルミニウム合金及びリチウム-アルミニウム-マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
【0034】
本実施形態では、負極活物質は、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆樹脂で被覆された被覆負極活物質である。
導電助剤及び被覆樹脂としては、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆樹脂を好適に用いることができる。
【0035】
また、負極活物質層は、被覆負極活物質に含まれる導電助剤以外にも導電助剤を含んでもよい。導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
【0036】
負極活物質層は、正極活物質層と同様に、負極活物質同士を結着する結着材を含まない非結着体であることが好ましい。また、正極活物質層と同様に、粘着性樹脂が含まれていても良い。
【0037】
負極活物質層の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150μm~600μmであることが好ましく、200μm~450μmであることがより好ましい。
【0038】
正極集電体及び負極集電体は、金属集電体でもよいが、例えば導電性高分子材料からなり、可撓性を有する樹脂集電体であることが好ましい。
樹脂集電体の形状は特に限定されず、導電性高分子材料からなるシート状の集電体、及び、導電性高分子材料で構成された微粒子からなる堆積層であっても良い。
樹脂集電体の厚さは、特に限定されないが、50μm~500μmであることが好ましい。
【0039】
樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては例えば、導電性高分子や、樹脂に必要に応じて導電剤を添加したものを用いることができる。
導電性高分子材料を構成する導電剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
【0040】
導電性高分子材料を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、更に好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
【0041】
セパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム、多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)又はガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン電池用のセパレータが挙げられる。
【0042】
正極活物質層及び負極活物質層には電解液が含まれる。
電解液としては、公知のリチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する公知の電解液を使用することができる。
【0043】
電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiN(FSO、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF及びLiClO等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。これらのうち、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはイミド系電解質[LiN(FSO、LiN(CFSO及びLiN(CSO等]及びLiPFである。
【0044】
非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
【0045】
電解液の電解質濃度は、15mol/L~5mol/Lであることが好ましく、1.5mol/L~4mol/Lであることがより好ましく、2mol/L~3mol/Lであることが更に好ましい。
電解液の電解質濃度が1mol/L未満であると、電池の充分な入出力特性が得られないことがあり、5mol/Lを超えると、電解質が析出してしまうことがある。
なお、電解液の電解質濃度は、リチウムイオン電池用電極又はリチウムイオン電池を構成する電解液を、溶媒等を用いずに抽出して、その濃度を測定することで確認することができる。
【0046】
(電極の製造方法)
以下、リチウムイオン二次電池の電極(正電極及び負電極)の製造方法にについて説明する。
図2は、第1の実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極の製造方法を工程順に示すフロー図である。
【0047】
本実施形態に係る電極(正電極及び負電極)の製造方法は、基材上にマスク層を載置するマスキング工程S1、基材上に電極組成物を供給する供給工程S2、基材上に電極組成物を間欠的に残す除去工程S3、及びロールプレスを用いて基材上の電極組成物を加圧する加圧工程S4、及び電極を切り出す切断工程S5を備えている。
【0048】
本実施形態では、除去工程S3と加圧工程S4の順序は特に限定されない。従って、除去工程S3を行ってから加圧工程S4を行ってもよいし、加圧工程S4を行ってから除去工程S3を行ってもよい。また、除去工程S3及び加圧工程S4を同時に行ってもよい。以下では、先ず除去工程S3を行い、その後、加圧工程S4を行う場合について説明する。
【0049】
(マスキング工程S1)
マスキング工程S1では、図3に示すように、間欠的に配置された電極組成物層配置部に対応する大きさの開口部A1,A2,A3,A4及びA5を有するマスク層110を、連続するシート状の基材100上に載置する。基材100上にマスク層110が載置された状態では、マスク層110の開口(ここでは、A1,A2,A3,A4及びA5のみ図示する。)から基材100の電極組成物層配置部が露出する。ここで、電極組成物層配置部が間欠的に配置されているとは、基材100の表面に、電極組成物層が配置される部分(電極組成物層配置部)と、電極組成物層が配置されていない部分(電極組成物層非配置部)とが存在し、電極組成物層配置部が2個以上存在し、かつ、互いに接触していない状態を意味する。互いに接触しないように設けられた電極組成物層配置部同士の距離は、一定であってもよく、異なっていてもよい。
【0050】
本実施形態では、基材100としては、長尺シート状の集電体が用いられる。この場合、上述した電極の集電体(正極集電体及び負極集電体)となる例えば樹脂集電体の長尺フィルムが使用される。集電体の代わりにセパレータの長尺フィルムを用いてもよい。また、基材100として例えば転写用フィルムを用い、当該転写用フィルム上に形成された活物質層を集電体上に転写するようにしてもよい。
【0051】
(供給工程S2)
供給工程S2では、基材上に電極活物質を含む電極組成物を連続的に供給する。
連続的に供給する、とは、後述する除去工程S3によって形成される2以上の電極組成物層配置部に跨るように、電極組成物を途切れないように供給することを意味する。この時、電極組成物を間欠的に供給してもよい。ただし、電極組成物を間欠的に供給する場合、電極組成物を間欠的に供給することで基材上に形成された電極組成物を、後述する除去工程によって2以上の電極組成物層配置部とする必要がある。従って、間欠的に供給された1つの電極組成物に1つの電極組成物層配置部しか形成しない場合は、基材上に電極組成物を連続的に供給しているとはいえない。
【0052】
また基材上に供給するとは、基材の表面に直接供給するだけでなく、基材の上に配置された別の部材上に電極組成物を供給する場合も含む。従って、供給工程では、基材上に、直接又は間接的に電極組成物を供給する。
【0053】
基材上に供給された電極組成物の厚さは、必要に応じて調整してもよい。
電極組成物の厚さを調整する方法としては、スキージ、回転ローラ、ドクターブレード、アプリケータ等を用いる方法が挙げられる。電極組成物の厚さを調整する工程は、上述した供給工程S2において用いられる装置によって行われてもよく、供給工程において用いられる装置とは別の装置を用いて行われてもよい。
【0054】
供給工程S2の一例について、図4を参照しながら説明する。
供給工程S2では、長尺シート状の基材100上に、電極組成物120を連続的に供給する。供給された電極組成物120は、基材100上に載置されたマスク層140の開口A1,A2,A3,A4及びA5内を埋め込んでマスク層110上を覆うように堆積される。電極組成物120としては、上述した電極活物質(導電助剤及び被覆樹脂で被覆された被覆正極活物質又は被覆負極活物質)が用いられる。
【0055】
具体的には、定量的に電極組成物120を供給可能なホッパーと基材100との相対位置を変化させながら、基材100上に配置されたホッパーから、電極組成物120を連続的に供給する方法を用いることができる。
【0056】
ホッパーと基材100との相対位置を変化させる方法は特に限定されず、ベルトコンベアによって基材100を一方向に移動させてもよい。また、ホッパーに車輪を設け、車輪を駆動させる方法や、ホッパーをウインチにより一方向に巻き取る方法等であってもよい。
ホッパーと基材との相対位置の変化速度は、電極組成物層120の密度や厚さ、及び電極組成物層の粘度により適宜調整することができる。
【0057】
供給工程の他の一例として、基材100上に電極組成物を間欠的に供給した後、供給された電極組成物についてスキージを用いて厚み調整するようにしてもよい。
【0058】
(除去工程S3)
除去工程S3では、基材100上に供給された電極組成物の一部を除去して、基材表面の電極組成物層配置部に電極組成物層を形成する。電極組成物層が形成されなかった領域が、電極組成物層非配置部となる。
なお、除去工程S3よりも後に加圧工程S4が行われる場合であって、加圧工程S4によって電極組成物層の大きさが変化する場合には、加圧後に所望の形状となるような電極組成物層の大きさを予め設定しておくことが好ましい。
【0059】
除去工程S3の一例について、図5を参照しながら説明する。
除去工程S3では、マスク層110を基材100上から除去する。このとき、マスク層110の開口部の中に配置されている電極組成物120は基材100上に残存することとなる。一方、マスク層140上に供給された電極組成物120は、マスク層110と共に基材100上から除去される。マスク層110の開口部(A1、A2、A3、A4及びA5)があった領域だけに電極組成物120が残存することで、基材100上には、電極組成物120からなる電極組成物層120Aが間欠的に形成される。
【0060】
マスキング工程、供給工程、及び除去工程の他の一例について説明する。ここでは、先ず供給工程により基材100上に電極組成物120を連続的に供給する。続いて、マスキング工程により基材100上に堆積した電極組成物120上に、電極組成物層に対応する大きさのカバー層を電極組成物層が配置される場所にそれぞれ載置する。続いて、除去工程により、カバー層によって覆われていない電極組成物120を、吸引器によって吸引除去した後、カバー層を電極組成物120上から除去することによって、基材100上に、電極組成物120からなる電極組成層を間欠的に配置することができる。
【0061】
(加圧工程S4)
加圧工程S4では、供給工程S3によって基材上に供給された電極組成物を、ロールプレスにより加圧して、被覆活物質層を得る。ロールプレスにおける線圧は特に限定されず、電極組成物の組成、電極組成物の流動性及び電極組成物の密度に応じて、調整することができる。
【0062】
本発明者は、リチウムイオン電池において、強度に優れた電極を得る製造方法について鋭意検討した結果、電極組成物として被覆活物質を用いて、電極組成物の加圧工程におけるロールプレスの表面温度を所定範囲内の値に設定して加圧工程を行うことにより、強度に優れた電極が得られることに想到した。
【0063】
加圧工程S4の一例について、図6を参照しながら説明する。
加圧工程S4では、基材100上に配置された電極組成物層120をロールプレス140a及び140bにより加圧する。電極組成物層120の加圧によって、基材100上に被覆活物質層130が形成される。本実施形態では、加圧工程の際に、ロールプレス140a及び140bの表面温度を70℃以上100℃未満の範囲内の所定温度に調節し、温度調節されたロールプレス140a及び140bを用いて電極組成物層120を加圧する。
【0064】
なお、図6に示す加圧工程S4は、除去工程S3の後に行われる加圧工程の例である。除去工程S3の前に加圧工程S4を行う場合には、除去工程で使用される部材(例えばマスク層)を、電極組成物層と共に加圧するようにしてもよい。
【0065】
ロールプレス140a及び140bの表面温度が70℃未満であると、電極組成物層120の加圧時に電極組成物層120の材料である被覆活物質を被覆する被覆樹脂が十分に溶融しない。加圧時に被覆活物質を被覆する被覆樹脂が溶融することにより電極強度が確保されるところ、被覆樹脂の溶融が不十分であると、製造された電極について優れた強度が得られない。
ロールプレス140a及び140bの表面温度が100℃以上であると、電極組成物層120が配置された基材100が劣化するおそれがある。特に基材100として樹脂集電体を用いた場合に劣化する可能性が高い。
ロールプレス140a及び140bの表面温度を70℃以上100℃未満の範囲内に調節して加圧工程S4を行うことにより、基材100の性能を保持しつつ、加熱を伴う加圧により被覆活物質を被覆する被覆樹脂が十分に溶融して、優れた強度の電極が得られることとなる。
【0066】
また、本実施形態では、加圧工程S4時におけるロールプレス140a及び140bの周速度を、5mm/s以上40mm/s以下とすることが望ましい。
ロールプレス140a及び140bの周速度が5mm/s未満であると、加圧時における電極組成物層120へのロールプレス140a及び140bからの熱伝達が過剰となり、電極組成物層120が配置された基材100(特に樹脂集電体)が劣化するおそれがある。
ロールプレス140a及び140bの周速度が40mm/s超であると、加圧時における電極組成物層120へのロールプレス140a及び140bからの熱伝達が不十分となり、電極組成物層120において被覆活物質を被覆する被覆樹脂が十分に溶融しない。
ロールプレス140a及び140bの表面温度を、70℃以上100℃未満の範囲内の温度に調節すると共に、ロールプレス140a及び140bの周速度を5mm/s以上40mm/s以下に調節して加圧工程S4を行うことにより、優れた強度の電極が確実に得られることとなる。
【0067】
また、本実施形態では、電極組成物層120の材料である被覆活物質を被覆する被覆樹脂として、そのガラス転移温度Tgが-70℃以上50℃以下の範囲内の温度である被覆樹脂を用いることが望ましい。
ガラス転移温度Tgが-70℃未満である被覆樹脂を電極組成物層120の被覆活物質の被覆樹脂に用いると、被覆樹脂の結晶性が高過ぎるため、加圧工程S4時におけるロールプレス140a及び140bの温度を上記の所定範囲内に調節しても、電極強度に反映されない可能性がある。
ガラス転移温度Tgが50℃超である被覆樹脂を電極組成物層120の被覆活物質の被覆樹脂に用いると、加圧工程S4時におけるロールプレス140a及び140bの表面温度を例えば上述した所定範囲における最大値である100℃未満程度とすれば被覆樹脂が流動すると考えられるが、被覆樹脂が十分に溶融しきれず、電極強度に反映されない可能性がある。
ロールプレス140a及び140bの表面温度を、70℃以上100℃未満の範囲内の温度に調節すると共に、ガラス転移温度Tgが-70℃以上50℃以下の範囲内の温度である被覆樹脂を、電極組成物層120の材料である被覆活物質を被覆する被覆樹脂に用いることにより、優れた強度の電極が確実に得られることとなる。
【0068】
また、本実施形態では、加圧工程S4時におけるロールプレス140a及び140bの表面温度を、当該表面温度と電極組成物層120の材料である被覆活物質を被覆する被覆樹脂のガラス転移温度Tgとの差分が70℃以上150℃以下の範囲内の温度となるように調節することが望ましい。
当該差分が70℃未満であると、電極組成物層120の加圧時に電極組成物層120の材料である被覆活物質を被覆する被覆樹脂が十分に溶融しない。
当該差分が150℃超であると、電極組成物層120が配置された基材100(特に樹脂集電体)が劣化するおそれがある。
ロールプレス140a及び140bの表面温度を、70℃以上100℃未満の範囲内の温度であり、且つ当該表面温度と電極組成物層120の材料である被覆活物質を被覆する被覆樹脂のガラス転移温度Tgとの差分が70℃以上150℃以下の範囲内の温度となるように調節して加圧工程S4を行うことにより、優れた強度の電極が確実に得られることとなる。
【0069】
(切断工程S5)
切断工程S5では、表面に複数の被覆活物質層130が形成された基材100について、電極組成物層非配置部で切断して、集電体(正極集電体又は負極集電体)上に被覆活物質層(正極活物質層又は負極活物質層)が設けられてなる個々の電極(正電極又は負電極)を切り出す。基材を切断する方法は特に限定されないが、公知の切断方法(回転式切断刃、ギロチン刃、トムソン型及びレーザーによる切断等)が挙げられる。
【0070】
以上のようにして、リチウムイオン二次電池の電極(正電極又は負電極)を製造することができる。
【0071】
本実施形態により製造された電極を用いてリチウムイオン二次電池を製造するには、例えば、上述した電極の製造方法により製造された正電極と、上述した電極の製造方法により製造された負電極とを、セパレータを介して、被覆活物質層同士(正極活物質層と負極活物質層)が対向するように積層して電池セルを作製し、この電池セルを外装フィルムで被覆して封止する方法が挙げられる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、ひび割れ等が発生することのない優れた強度のリチウムイオン二次電池の電極を得ることができる。
【0073】
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様にリチウムイオン二次電池用の電極の製造方法を開示するが、製造プロセスが一部異なる点で第1の実施形態と相違する。
図7は、第2の実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極の製造方法を工程順に示すフロー図である。
【0074】
本実施形態による電極の製造方法では、第1の実施形態と同様に、マスキング工程S1、供給工程S2、及び除去工程S3を順次行う。続いて、加圧工程S4の事前工程として加熱工程S11を行い、その後、第1の実施形態と同様に加圧工程S4及び切断工程S5を順次行う。
【0075】
本実施形態では、除去工程S3と加熱工程S11及び加圧工程S4との順序は特に限定されない。従って、除去工程S3を行ってから加熱工程S11及び加圧工程S4を行ってもよいし、加熱工程S11及び加圧工程S4を行ってから除去工程S3を行ってもよい。
【0076】
(加熱工程S11)
加熱工程S11では、加圧工程S4に先立って、供給工程S3によって基材上に供給された電極組成物を予備的に加熱する。
具体的には、面状に加熱する加熱プレス機又は線状に加熱するロールプレスを用いて、加熱プレス機又はロールプレスの表面温度を、続く加圧工程S4における温度と同等の温度、即ち70℃以上100℃未満の範囲内の所定温度に調節して、基材上の電極組成物を加熱する。このとき、加圧工程S4とは異なり、基材上の電極組成物を殆ど加圧することなく加熱する。
【0077】
加熱工程S11の後、第1の実施形態と同様に加圧工程S4を行う。
本実施形態では、加圧工程S4に先立って先ず加熱工程S11を行うことにより、電極組成物層の材料である被覆活物質を被覆する被覆樹脂が溶融する。引き続き加圧工程S4を行う際に、加熱工程S11により被覆樹脂が適度に溶融した状態とされているため、ロールプレスの表面温度を電極組成物層が配置された基材を劣化させる懸念のない程度に調節して電極組成物層を加圧することができる。これにより、基材の劣化を確実に抑えつつも、ロールプレスにより電極組成物層の被覆樹脂を十分に溶融して優れた強度の電極を得ることができる。
【0078】
しかる後、第1の実施形態と同様に切断工程S5を行って、リチウムイオン二次電池の電極(正電極又は負電極)が製造される。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、電極組成物層が形成される基材の劣化を確実に抑えながら、ひび割れ等が発生することのない優れた強度のリチウムイオン二次電池の電極を得ることができる。
【0080】
本発明の一実施形態に係る電極の製造方法は、基材上に、被覆活物質を含む電極組成物を供給する供給工程と、
70℃以上100℃未満の表面温度に調節されたロールプレスを用いて、前記電極組成物を加圧する加圧工程と、
を有する。
【0081】
上記一実施形態では、前記加圧工程における前記ロールプレスの周速度は、5mm/s以上40mm/s以下である。
【0082】
上記一実施形態では、前記加圧工程における前記ロールプレスの表面温度と、前記被覆活物質の被覆樹脂のガラス転移温度との差分が、70℃以上150℃以下である。
【0083】
上記一実施形態では、前記被覆樹脂のガラス転移温度が-70℃以上50℃以下である。
【0084】
上記一実施形態では、前記加圧工程の前に、
前記基材上に供給された前記電極組成物を加熱する加熱工程を有する。
【0085】
上記一実施形態では、前記供給工程において、前記基材上に前記電極組成物を連続的に供給し、
前記加圧工程の前又は後に、前記基材上に連続的に供給された前記電極組成物の一部を除去し、前記基材上に前記電極組成物を間欠的に残す除去工程を有する。
【符号の説明】
【0086】
1 二次電池モジュール
2 負電極
3 正電極
7,8 導電部
9 枠部材
10 負極側電流供給層
11 負極集電体
12 負極活物質層
13 セパレータ
14 正極活物質層
15 正極集電体
16 正極側電流取出層
20 電池セル
100 基材
110 マスク層
120 電極組成物
120A 電極組成物層
130 被覆活物質層
140a及び140b ロールプレス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7