(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 23/67 20230101AFI20241111BHJP
G06F 3/04812 20220101ALI20241111BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20241111BHJP
H04N 23/62 20230101ALI20241111BHJP
H04N 23/661 20230101ALI20241111BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20241111BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20241111BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20241111BHJP
G03B 13/36 20210101ALI20241111BHJP
【FI】
H04N23/67 100
G06F3/04812
H04N23/63 330
H04N23/62
H04N23/661
G03B17/18
G03B17/02
G02B7/28 N
G03B13/36
(21)【出願番号】P 2022151448
(22)【出願日】2022-09-22
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】大谷 礁太
(72)【発明者】
【氏名】濱田 成
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129765(JP,A)
【文献】特開2018-036802(JP,A)
【文献】特表2017-517811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/67
G06F 3/04812
H04N 23/63
H04N 23/62
H04N 23/661
G03B 17/18
G03B 17/02
G02B 7/28
G03B 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置から受信したライブビュー画像及びアイテムに関するデータに基づいて、前記ライブビュー画像に前記アイテムを重畳して画像表示領域に表示する表示手段と、
操作面に対するタッチ操作を受け付ける操作手段と、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさ
が所定の大きさよりも小さい場合、前記移動操作の移動量に対
する前記アイテムの表示位置
の移動量
を、表示されている前記アイテムの小ささに応じて減少させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさが前記所定の大きさ以上である場合、前記移動操作の移動量と同じ移動量で前記アイテムの表示位置を移動させることを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記画像表示領域の大きさが所定の大きさより
も小さい場合、前記移動操作の移動量に対する前記アイテムの表示位置の移動量を、前記画像表示領域の小ささに応じて減少させることを特徴とする請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
撮像装置から受信したライブビュー画像及びアイテムに関するデータに基づいて、前記ライブビュー画像に前記アイテムを重畳して画像表示領域に表示する表示手段と、
操作面に対するタッチ操作を受け付ける操作手段と、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムと前記画像表示領域との大きさの比が所定の条件を満たす場合、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムと前記画像表示領域との大きさの比が所定の値よりも小さい場合、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記アイテムは、オートフォーカス処理を行う範囲を示すAF枠であることを特徴とする請求項1
又は4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、
第1の操作が設定されていれば、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御し、
第2の操作が設定されていれば、前記操作面におけるタッチされている位置に対応した位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御することを特徴とする請求項1
又は4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記移動操作による移動後の前記アイテムの表示位置を前記撮像装置に送信する通信手段を有することを特徴とする請求項1
又は4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記アイテムの大きさと、前記移動操作の移動量に対する前記アイテムの表示位置の移動量とを対応付けた制御データに基づいて、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させる
ように前記撮像装置に指示することを特徴とする請求項1
又は4に記載の情報処理装置。
【請求項10】
撮像装置から受信したライブビュー画像及びアイテムに関するデータに基づいて、前記ライブビュー画像に前記アイテムを重畳して表示手段の画像表示領域に表示する表示工程と、
操作手段の操作面に対するタッチ操作を受け付ける操作工程と、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御する制御工程とを有し、
前記制御工程では、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさ
が所定の大きさよりも小さい場合、前記移動操作の移動量に対
する前記アイテムの表示位置
の移動量
を、表示されている前記アイテムの小ささに応じて減少させることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
撮像装置から受信したライブビュー画像及びアイテムに関するデータに基づいて、前記ライブビュー画像に前記アイテムを重畳して表示手段の画像表示領域に表示する表示工程と、
操作手段の操作面に対するタッチ操作を受け付ける操作工程と、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御する制御工程とを有し、
前記制御工程では、前記表示手段に表示されている前記アイテムと前記画像表示領域との大きさの比が所定の条件を満たす場合、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
コンピュータに請求項10又は11に記載の情報処理装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータに請求項10又は11に記載の情報処理装置の制御方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置と有線/無線で接続し、情報処理装置から遠隔制御を行うことができる撮像装置がある。情報処理装置が撮像装置のライブビューを受信可能な構成において、撮像装置のライブビューを情報処理装置のディスプレイに表示することによって、ユーザは撮像装置の撮影した画像を情報処理装置側で確認しながら撮像装置を制御することが可能である。例えば、情報処理装置で表示されたライブビューにユーザがタッチ操作を行うことで、情報処理装置が撮像装置へAF(オートフォーカス)枠位置の指定命令を送信し、撮像装置がライブビュー上の指定された位置に対してAF処理を実行することができる。
【0003】
特許文献1には、タッチ操作によるAF枠等の所定のアイテムの位置の指定方法として、絶対操作と相対操作とを切り替える技術が提案されている。特許文献1では、絶対操作の場合には、タッチ操作に応じて、タッチ開始前の所定のアイテムの表示位置に基づかず、タッチの開始位置に基づいた位置に所定のアイテムを表示するように制御する。また、相対操作の場合には、タッチが開始されても所定のアイテムを移動せず、タッチ位置の移動があると、タッチ位置の移動前の所定のアイテムの表示位置から、タッチ位置の移動に応じた分、移動した位置に所定のアイテムを表示するように制御する。
【0004】
また、特許文献2には、相対操作でのAF枠等の指標の移動距離を制御する技術が提案されている。特許文献2では、指標を移動させるスワイプ操作の移動距離に応じた指標の移動距離である感度を、ユーザが行ったタッチパネルへの接触動作に応じて第1の感度又は第2の感度に設定し、設定された感度に基づいて指標を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-129765号公報
【文献】特開2021-132383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した技術では、情報処理装置上に表示されるライブビューの表示サイズが小さくなるほど、ユーザのタッチ操作によってAF枠等のアイテムの位置の指定を行うことが困難となる。また、AF枠等のアイテムの位置の指定を相対操作で行い、相対操作での移動量を制御するとしても、ユーザのタッチ操作での移動量に対するライブビュー上でのアイテムの移動量を、ユーザが操作を行うことで調整する必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、タッチ操作によるAF枠等のアイテムの位置の指定に関する操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理装置は、撮像装置から受信したライブビュー画像及びアイテムに関するデータに基づいて、前記ライブビュー画像に前記アイテムを重畳して画像表示領域に表示する表示手段と、操作面に対するタッチ操作を受け付ける操作手段と、前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさが所定の大きさよりも小さい場合、前記移動操作の移動量に対する前記アイテムの表示位置の移動量を、表示されている前記アイテムの小ささに応じて減少させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タッチ操作によるAF枠等のアイテムの位置の指定に関する操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態におけるカメラの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態における端末装置の構成例を示す図である。
【
図3】カメラと端末装置の通信の一例を説明する図である。
【
図4】AF枠位置の指定処理のシーケンスを示す図である。
【
図5A】AF枠位置の指定処理の例を示すフローチャートである。
【
図5B】AFタッチイベント発生処理を示すフローチャートである。
【
図6】AF枠の移動量の制御例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下では、撮像装置(カメラ)100と、カメラ100から受信したライブビュー(LV)画像を表示する情報処理装置の一例である端末装置200と、を含むシステムを例に説明する。カメラ100は、いわゆる撮影機能をメイン機能とするスチルカメラやビデオカメラの他、カメラ付携帯電話やいわゆるタブレット端末等であってもよい。また、端末装置200は、いわゆるスマートフォンなどの携帯電話の他、いわゆるタブレット端末や一般的なパーソナルコンピュータ、テレビ等であってもよい。
【0012】
図1は、カメラ100の構成例を示すブロック図である。カメラ100は、CPU(Central Processing Unit)101、揮発性メモリ102、不揮発性メモリ103、撮像部104、及び信号処理部105を有する。また、カメラ100は、通信I/F106、コネクタ/アンテナ107、記録媒体I/F108、記録媒体109、入力I/F110、操作部111、出力I/F112、表示部113、及び内部バス120を有する。カメラ100の各部は、CPU101で動作するプログラムによって制御される。内部バス120に接続される各部は、内部バス120を介して互いにデータのやりとりを行うことができるようにされている。
【0013】
CPU101は、不揮発性メモリ103又は記録媒体109に格納されているプログラムを実行し、揮発性メモリ102をワークメモリとして用いて、カメラ100の各部を制御する。揮発性メモリ102は、CPU101が動作時に必要とするプログラムや変数、作業用の一時データ等を記憶する。揮発性メモリ102は、例えばDRAM(Dynamic Random Access memory)等で構成される。不揮発性メモリ103は、CPU101が動作するための各種プログラムやデータ等を格納する。不揮発性メモリ103は、例えばフラッシュメモリ等で構成される。
【0014】
撮像部104は、光学系や撮像素子を有し、被写体の光学像を形成し、光学像をアナログ電気信号に変換した後にデジタル信号に変換する。信号処理部105は、CPU101の制御に基づいて、撮像部104で変換されたデジタル信号に対して、各種処理を行う。例えば、信号処理部105は、撮像部104で変換されたデジタル信号を所定のビットレート、フォーマット形式で圧縮符号化する。また、例えば、信号処理部105は、映像圧縮符号化データの復号化を行う。
【0015】
通信I/F106は、CPU101の制御に基づいて、コネクタ/アンテナ107を介して、外部の装置(例えば、端末装置200)との通信を行う。記録媒体I/F108は、HDDや不揮発性メモリ等の記録媒体109が接続され、CPU101の制御に基づいて、接続された記録媒体109からのデータの読み出しや、記録媒体109に対するデータの書き込みを行う。なお、記録媒体I/F108が接続可能な記録媒体109は、不図示のソケットなどを介して、例えばメモリーカード等の着脱可能な不揮発性メモリを接続するものとしてもよい。
【0016】
入力I/F110は、操作部111でのタッチ操作等を含むユーザ操作を受け付け、その操作に応じた制御信号を生成して、CPU101に供給する。例えば、操作部111は、ユーザ操作を受け付ける入力デバイスとして、ズーム操作レバーや、キーボードといった文字情報入力デバイスや、マウスやタッチパネルといったポインティングデバイスや、姿勢情報を取得する姿勢センサ等を有する。また、操作部111には、赤外線リモコン等の遠隔操作可能なものも含む。なお、タッチパネルは、例えば平面的に構成された入力部に対して接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスである。これにより、カメラ100に対し、ユーザ操作に応じた動作を行わせることができる。
【0017】
出力I/F112は、CPU101がプログラムに従い生成したGUI(Graphical User Interface)等の表示データに基づいて、表示部113に対してGUIを表示させるための表示信号を出力する。また、出力I/F112は、撮像部104から得られるデジタル信号で構成されるライブビュー画像等の表示データに基づいて、表示部113に対してライブビューを表示させるための表示信号を出力する。ライブビューは、静止画の撮影待機状態、動画の撮影待機状態、動画の記録時に表示可能であり、撮像された被写体像がほぼリアルタイムに表示される。表示部113は、出力I/F112が出力する表示信号に応じて画像等を表示する。表示部113は、例えば表示信号に応じた表示を行う、液晶ディスプレイやEL(electroluminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。
【0018】
なお、操作部111としてタッチパネルを用いる場合、操作部111と表示部113とを一体的に構成することができる。例えば、タッチパネルを光の透過率が表示部113の表示を妨げないように構成し、表示部113の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネルにおける入力座標と、表示部113上の表示座標とを対応付ける。これにより、ユーザが表示部113上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを実現することができる。
【0019】
図2は、端末装置200の構成例を示すブロック図である。端末装置200は、CPU201、揮発性メモリ202、及び不揮発性メモリ203を有する。また、端末装置200は、通信I/F204、コネクタ/アンテナ205、記録媒体I/F206、記録媒体207、入力I/F208、操作部209、出力I/F210、表示部211、及び内部バス220を有する。端末装置200の各部は、CPU201で動作するプログラムによって制御される。内部バス220に接続される各部は、内部バス220を介して互いにデータのやりとりを行うことができるようにされている。
【0020】
CPU201は、不揮発性メモリ203又は記録媒体207に格納されているプログラムを実行し、揮発性メモリ202をワークメモリとして用いて、端末装置200の各部を制御する。揮発性メモリ202は、CPU201が動作時に必要とするプログラムや変数、作業用の一時データ等を記憶する。揮発性メモリ202は、例えばDRAM等で構成される。不揮発性メモリ203は、CPU201が動作するための各種プログラムやデータ等を格納する。不揮発性メモリ203は、例えばフラッシュメモリ等で構成される。
【0021】
通信I/F204は、CPU201の制御に基づいて、コネクタ/アンテナ205を介して、外部の装置(例えば、カメラ100)との通信を行う。記録媒体I/F206は、HDDや不揮発性メモリ等の記録媒体207が接続され、CPU201の制御に基づいて、接続された記録媒体207からのデータの読み出しや、記録媒体207に対するデータの書き込みを行う。なお、記録媒体I/F206が接続可能な記録媒体207は、不図示のソケットなどを介して、例えばメモリーカード等の着脱可能な不揮発性メモリを接続するものとしてもよい。
【0022】
入力I/F208は、操作部209でのタッチ操作等を含むユーザ操作を受け付け、その操作に応じた制御信号を生成して、CPU201に供給する。操作部209は、操作部111と同様に入力デバイスやタッチパネルといったポインティングデバイスを有する。
【0023】
出力I/F210は、CPU201がプログラムに従い生成したGUIや、カメラ100からのライブビュー画像等の表示データに基づいて、表示部211に対して画像等を表示させるための表示信号を出力する。表示部211は、出力I/F210が出力する表示信号に応じて画像等を表示する。表示部211は、例えば表示信号に応じた表示を行う、液晶ディスプレイやELディスプレイ等のディスプレイである。操作部209がタッチパネルである場合、操作部209と表示部211とを一体的に構成することができる。そして、タッチパネルにおける入力座標と、表示部211上の表示座標とを対応付けることで、ユーザが表示部211上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを実現することができる。
【0024】
以下、本実施形態におけるカメラ100の遠隔制御について説明する。カメラ100において、ユーザが操作部111を操作してカメラ100の遠隔制御を指示すると、カメラ100は、CPU101の制御により、通信I/F106を通信可能状態とする。さらに、端末装置200において、ユーザが操作部209を操作して通信接続処理及び遠隔制御に必要なアプリケーション・ブラウザ等のプログラム起動を指示する。その操作部209に対するユーザ操作を受け付けて、端末装置200のCPU201は、不揮発性メモリ203又は記録媒体207に格納されているプログラムに従い、通信I/F204を制御してカメラ100との通信を開始し、接続処理を行う。カメラ100と端末装置200の接続処理が完了すると、カメラ100及び端末装置200は、カメラ100の遠隔制御に必要な処理を開始する。
【0025】
図3は、遠隔制御において、カメラ100がCPU101の制御によって、揮発性メモリ102に格納されているライブビュー画像301とオートフォーカス枠(AF枠)302とを端末装置200に送信する例を説明する図である。AF枠とは、カメラ100がオートフォーカス処理(AF処理)を行う対象範囲(焦点検出領域)を示す枠である。AF枠は、アイテムの一例である。AF枠は、カメラ100のライブビュー上、及び端末装置200のライブビュー上に表示することが可能である。
【0026】
カメラ100は、CPU101の制御によって、ライブビュー画像301及びAF枠302を端末装置200に送信することができる。AF枠302は、画像データ、もしくは端末装置200上でAF枠の描画を行うために必要な数値データとして送信される。端末装置200は、CPU201の制御によって、カメラ100から送信されたライブビュー画像301及びAF枠302に関するデータを受信し、ライブビュー画像301にAF枠302を重畳した形で画像表示領域304に表示する。これにより、端末装置200は、画像表示領域304にて、カメラ100の画像表示領域303に類似したライブビュー画像301とAF枠302の画像表示を行うことができる。
【0027】
端末装置200は、CPU201の制御によって、画像表示領域304に表示されているライブビュー画像301に対してユーザがタッチ操作を行うとき、操作に応じたAF枠位置の指定を制御命令としてカメラ100に送信することができる。また、端末装置200は、CPU201の制御によって、遠隔制御を行うためのアイコン群305に対して行ったユーザ操作において操作されたアイコンに応じた制御指示をカメラ100に送信することができる。
【0028】
端末装置200においては、ユーザがAF枠相対操作ON/OFFアイコン306に対する操作を行うことによって、AF枠位置の指定操作を相対操作とするか、あるいは絶対操作とするかを切り替え可能となっている。AF枠相対操作ON/OFFアイコン306は、AF枠位置の指定操作方法を切り替えるためのアイコンである。ユーザがAF枠相対操作ON/OFFアイコン306に対する操作を行うことで、AF枠位置の指定操作の設定を相対操作と絶対操作との間で切り替えることができる。
【0029】
AF枠位置の相対操作とは、操作面におけるタッチされた位置に対応した位置にAF枠が移動することなく、現在のAF枠の表示位置から移動操作の方向及び移動量に応じた位置にAF枠の表示位置を移動するように制御する制御手法である。また、AF枠位置の絶対操作とは、操作面におけるタッチされている位置に対応した位置にAF枠が移動するように制御する制御手法である。すなわち、AF枠位置の絶対操作では、操作面におけるタッチされた位置に対応した位置にAF枠が移動し、タッチした位置が移動した場合も移動後の位置にAF枠が移動するようにAF枠の表示位置が制御される。また、本実施形態では、AF枠位置の指定操作が相対操作である場合、例えば表示されるAF枠の大きさが一定の基準より小さいときには、タッチした位置の移動量に対するAF枠の移動量を異ならせるように制御する。これにより、通常より小さいライブビューの表示に対しても、AF枠位置の相対操作による指定を適切に実行することが可能となる。
【0030】
図4は、AF枠位置の指定処理に関する処理シーケンスの例を示す図である。
図4には、端末装置200のCPU201の制御によって、端末装置200にライブビュー画像とAF枠とを表示し、端末装置200からカメラ100にAF枠位置の指定命令を送信する例を示している。
図4に示すシーケンスにおけるカメラ100による処理は、CPU101が不揮発性メモリ103又は記録媒体109に記憶されたプログラムに基づいて動作し、カメラ100の各部を制御することによって実現される。また、
図4に示すシーケンスにおける端末装置200による処理は、CPU201が不揮発性メモリ203又は記録媒体207に記憶されたプログラムに基づいて動作し、端末装置200の各部を制御することによって実現される。
【0031】
処理401において、端末装置200は、カメラ100に対してライブビュー画像(LV画像)及びAF枠データの送信を要求する。処理402において、カメラ100は、処理401での要求に対する応答として、端末装置200に対してライブビュー画像及びAF枠データを送信する。処理403において、端末装置200は、処理402でカメラ100から送信されたライブビュー画像及びAF枠データを受信し、受信したライブビュー画像及びAF枠データに応じた画像を画像表示領域304に表示する。ユーザは表示されたライブビュー画像上でAF枠位置の確認を行う。また、この処理403においては、端末装置200は、ユーザによるタッチ操作に応じてAF枠位置を指定する処理を行う。
【0032】
次に、処理404において、端末装置200は、処理403での処理結果に基づき、カメラ100に対してAF枠位置を指定するAF枠位置の指定命令を送信する。処理405において、カメラ100は、処理404で端末装置200から送信されたAF枠位置の指定命令を受信し、受信したAF枠位置の指定命令に基づいて、AF枠を指定位置に移動させる。以降、カメラ100及び端末装置200は、端末装置200からカメラ100へのライブビュー画像及びAF枠データの送信要求、カメラ100から端末装置200へのライブビュー画像及びAF枠データの送信、及びそれに続く処理を、同様に順次実行する。
【0033】
図5Aは、本実施形態におけるカメラ100の遠隔制御でのAF枠位置の指定処理の例を示すフローチャートである。
図5Aに示すフローチャートは、
図4に示した処理403において、操作部209及びAF枠相対操作ON/OFFアイコン306の各状態に基づいて、ライブビュー上でのAF枠位置を指定する処理の流れを示している。
図5Aに示すフローチャートの各処理は、端末装置200のCPU201が不揮発性メモリ203又は記録媒体207に記憶されたプログラムに基づいて動作し、端末装置200の各部を制御することによって実現される。また、端末装置200の操作部209はタッチパネルを含み、
図3に例示したように、操作部209としてのタッチパネルと表示部211とは一体的に構成されているものとする。
【0034】
図5Aを参照して、カメラ100の遠隔制御において、端末装置200が、ユーザが行ったAF枠位置の指定操作に基づいてAF枠位置を制御し、ユーザの指定したAF枠位置をカメラ100に制御命令(AF枠位置の指定命令)として送信する処理を説明する。
図5Aに示す処理に開始時には、端末装置200では、カメラ100から受信したライブビュー画像及びAF枠データに基づいて、ライブビュー画像にAF枠を重畳した画像が表示部211の画像表示領域304に表示されている。
【0035】
ステップS501において、端末装置200のCPU201は、ユーザからの入力イベントの待ち受け処理を行う。このステップS501で待つユーザの入力イベントは、次の2つのイベントである。1つの入力イベントは、ユーザによって操作部209の操作面に対するタッチ操作が行われてAF枠位置の指定操作が開始されることである。もう1つの入力イベントは、ユーザによってAF枠相対操作ON/OFFアイコン306が操作されてAF枠位置の指定操作が相対操作と絶対操作で切り替わることである。CPU201は、前述した2つの入力イベントの内の何れかの入力イベントが発生したと判定した場合(ステップS501でYES)にはステップS502へ進む。一方、CPU201は、前述した2つの入力イベントの何れも発生していないと判定した場合(ステップS501でNO)には、再度ステップS501へ進む。
【0036】
ステップS502において、CPU201は、ユーザの入力イベントがユーザによってAF枠位置の指定操作が開始されることであるか否かを判定する。CPU201は、ユーザの入力イベントがユーザによってAF枠位置の指定操作が開始されることでないと判定した場合(ステップS502でNO)にはステップS503へ進む。一方、CPU201は、ユーザの入力イベントがユーザによってAF枠位置の指定操作が開始されることであると判定した場合(ステップS502でYES)にはステップS507へ進む。
【0037】
ステップS503において、CPU201は、ユーザの入力イベントがユーザによってAF枠相対操作ON/OFFアイコン306が操作されることであり、AF枠相対操作ON/OFFアイコン306がONに設定されたか否かを判定する。CPU201は、ユーザによってAF枠相対操作ON/OFFアイコン306が操作され、AF枠相対操作ON/OFFアイコン306がONに設定されたと判定した場合(ステップS503でYES)にはステップS504へ進む。一方、そうでない場合(ステップS503でNO)にはステップS505へ進む。
【0038】
ステップS504において、CPU201は、AF枠位置の指定操作を相対操作に設定し、ステップS501へ戻る。
【0039】
ステップS505において、CPU201は、ユーザの入力イベントがユーザによってAF枠相対操作ON/OFFアイコン306が操作されることであり、AF枠相対操作ON/OFFアイコン306がOFFに設定されたか否かを判定する。CPU201は、ユーザによってAF枠相対操作ON/OFFアイコン306が操作され、AF枠相対操作ON/OFFアイコン306がOFFに設定されたと判定した場合(ステップS505でYES)にはステップS506へ進む。一方、そうでない場合(ステップS505でNO)にはステップS501へ戻る。
【0040】
ステップS506において、CPU201は、AF枠位置の指定操作を絶対操作に設定し、ステップS501へ戻る。
【0041】
ステップS502でユーザの入力イベントがユーザによってAF枠位置の指定操作が開始されることであると判定した場合に進むステップS507において、CPU201は、AF枠位置の指定操作の設定が相対操作であるか否かを判定する。CPU201は、AF枠位置の指定操作が相対操作であると判定した場合(ステップS507でYES)にはステップS508へ進む。一方、CPU201は、AF枠位置の指定操作が相対操作ではない、すなわちAF枠位置の指定操作が絶対操作であると判定した場合(ステップS507でNO)にはステップS517へ進む。
【0042】
ステップS508において、CPU201は、画像表示領域304に表示されているAF枠の大きさが基準とする所定の大きさより小さいか否かを判定する。CPU201は、AF枠の大きさが基準とする所定の大きさより小さいと判定した場合(ステップS508でYES)にはステップS509へ進み、そうでない場合(ステップS508でNO)にはステップS510へ進む。
【0043】
ステップS509において、CPU201は、AF枠の小ささに応じてAF枠位置の相対操作の移動量を入力量(ドラッグ入力量、操作面における移動操作の移動量)に対して減少させるよう設定し、ステップS511へ進む。相対操作の移動量は、例えば、AF枠の大きさと、入力量(ドラッグ入力量、移動操作の移動量)に対するAF枠位置の移動量とを対応付けた制御データを不揮発性メモリ203又は記録媒体207に記憶しておき、その制御データに基づいて設定すればよい。例えば、
図6(A)~
図6(D)のグラフで示されるような制御データを用いることで、入力量(ドラッグ入力量、移動操作の移動量)に対するAF枠位置の相対操作での移動量を、AF枠の小ささに応じて減少させるように設定することができる。
図6(A)~
図6(D)は、AF枠の大きさに応じたAF枠位置の移動量の変更パターンの例を示すグラフである。
図6(A)~
図6(D)において、横軸は表示されているAF枠の大きさであり、縦軸はAF枠の移動量である。ここで、
図6(A)~
図6(D)において、AF枠の移動量は、AF枠の大きさが閾値V1(基準とする所定の大きさに相当)以上のときの入力量に対するAF枠位置の移動量を1としたときの入力量に対するAF枠位置の移動量の割合(0~1)を示している。
【0044】
ステップS510において、CPU201は、AF枠位置の相対操作の移動量を入力量(ドラッグ入力量、操作面における移動操作の移動量)と同等に設定し、ステップS511へ進む。すなわち、CPU201は、AF枠の大きさが基準とする所定の大きさ以上である場合、AF枠位置の移動量が入力量(ドラッグ入力量、移動操作の移動量)と同じになるように設定する。
【0045】
ステップS511において、CPU201は、
図5Bに示すAFタッチイベント発生処理を行う。AFタッチイベント発生処理は、ライブビューが表示されている画像表示領域304(操作部209の操作面でもある)に対してユーザが行ったAF枠位置指定のためのタッチ操作に応じてAFタッチイベントを発生させるための処理である。AFタッチイベント発生処理の詳細は、後述する。このステップS511でのAFタッチイベント発生処理では、AFタッチイベントとして、タップ操作のイベントあるいはドラッグ操作のイベントが発行される。タップ操作のイベントは、ライブビューが表示されている画像表示領域304(操作面)に対して、叩くようにタッチするタップを行うと発行される。また、ドラッグ操作のイベントは、ライブビューが表示されている画像表示領域304(操作面)に対して、タッチして一定量以上移動するドラッグ(スワイプ)を行うと発行される。
【0046】
ステップS512において、CPU201は、AFタッチイベントの待ち受け処理を行う。ステップS511でのAFタッチイベント発生処理で発行され得るAFタッチイベントは、タップ操作とドラッグ操作の2つである。CPU201は、AFタッチイベント(タップ操作のイベントあるいはドラッグ操作のイベント)が発生したと判定した場合(ステップS512でYES)にはステップS513へ進む。一方、CPU201は、AFタッチイベントが発生していないと判定した場合(ステップS512でNO)にはステップS511へ進む。
【0047】
ステップS513において、CPU201は、ユーザがドラッグ操作を終了したか否かを判定する。CPU201は、ユーザがドラッグ操作を終了したと判定した場合(ステップS513でYES)にはステップS514へ進み、ユーザがドラッグ操作を終了していないと判定した場合(ステップS513でNO)にはステップS515へ進む。
【0048】
ステップS514において、CPU201は、通信I/F204等を制御して、端末装置200での操作によってユーザの指定したAF枠位置をカメラ100に送信し、ステップS525へ進む。
【0049】
ステップS515において、CPU201は、AFタッチイベントがドラッグ操作のイベントであるか否かを判定する。CPU201は、AFタッチイベントがドラッグ操作のイベントであると判定した場合(ステップS515でYES)にはステップS516へ進み、ドラッグ操作のイベントではないと判定した場合(ステップS515でNO)にはステップS513へ戻る。
【0050】
ステップS516において、CPU201は、ドラッグ入力量に応じてAF枠位置を相対操作で移動させ、ステップS513へ進む。相対操作での移動量は、前述したステップS509又はステップS510で決定された移動量の設定に従う。したがって、表示されているAF枠の大きさが基準とするAF枠より小さければ、AF枠位置は、ユーザによるドラッグ入力量よりも少ない移動量で移動される。また、表示されているAF枠の大きさが基準とするAF枠以上であれば、AF枠位置は、ユーザによるドラッグ入力量と同等の移動量で移動される。
【0051】
なお、AFタッチイベントがタップ操作のイベントである場合、CPU201は、ステップS513でドラッグ操作を終了したと判定し(YES)、ステップ514で現在のAF枠位置をカメラ100に送信し、ステップS525へ進む。すなわち、CPU201は、AF枠位置の指定操作が相対操作である場合、タップ操作においてタッチされた位置に対応した位置にAF枠を移動させることなく、AF枠位置をカメラ100に送信する。
【0052】
ステップS507でAF枠位置の指定操作が相対操作ではない、すなわちAF枠位置の指定操作が絶対操作であると判定した場合に進むステップS517において、CPU201は、
図5Bに示すAFタッチイベント発生処理を行う。このステップS517でのAFタッチイベント発生処理では、AFタッチイベントとして、タップ操作のイベントあるいはドラッグ操作のイベントが発行される。
【0053】
ステップS518において、CPU201は、AFタッチイベントの待ち受け処理を行う。ステップS517でのAFタッチイベント発生処理で発行され得るAFタッチイベントは、タップ操作とドラッグ操作の2つである。CPU201は、AFタッチイベント(タップ操作のイベントあるいはドラッグ操作のイベント)が発生したと判定した場合(ステップS518でYES)にはステップS519へ進む。一方、CPU201は、AFタッチイベントが発生していないと判定した場合(ステップS518でNO)にはステップS517へ進む。
【0054】
ステップS519において、CPU201は、AFタッチイベントがタップ操作のイベントであるか否かを判定する。CPU201は、AFタッチイベントがタップ操作のイベントであると判定した場合(ステップS519でYES)にはステップS520へ進み、タップ操作のイベントではないと判定した場合(ステップS519でNO)にはステップS522へ進む。
【0055】
ステップS520において、CPU201は、AF枠位置をタップ位置(タップ操作においてタッチされた位置)に対応した位置に移動させる。
【0056】
ステップS521において、CPU201は、通信I/F204等を制御して、端末装置200での操作によってユーザの指定したAF枠位置をカメラ100に送信し、ステップS525へ進む。
【0057】
ステップS522において、CPU201は、ユーザがドラッグ操作を終了したか否かを判定する。CPU201は、ユーザがドラッグ操作を終了したと判定した場合(ステップS522でYES)にはステップS521へ進み、ユーザがドラッグ操作を終了していないと判定した場合(ステップS522でNO)にはステップS523へ進む。
【0058】
ステップS523において、CPU201は、AFタッチイベントがドラッグ操作のイベントであるか否かを判定する。CPU201は、AFタッチイベントがドラッグ操作のイベントであると判定した場合(ステップS523でYES)にはステップS524へ進み、ドラッグ操作のイベントではないと判定した場合(ステップS523でNO)にはステップS522へ戻る。
【0059】
ステップS524において、CPU201は、ドラッグ入力量に応じてAF枠位置を絶対操作で移動させ、ステップS522へ戻る。AF枠位置の絶対操作では、AF枠位置は、ドラッグ操作(スワイプ操作)において最終的にタッチされていた位置に移動される。
【0060】
ステップS525において、CPU201は、端末装置200によるカメラ100の遠隔制御を終了したか否かを判定する。CPU201は、カメラ100の遠隔制御を終了したと判定した場合(ステップS525でYES)には
図5Aに示した処理を終了し、カメラ100の遠隔制御を終了していないと判定した場合(ステップS525でNO)にはステップS501に戻る。
【0061】
図5Bは、
図5AのステップS511又はステップS517で行うAFタッチイベント発生処理を示すフローチャートである。AFタッチイベント発生処理では、端末装置200のCPU201が、表示部211と一体的に構成された操作部209の操作面に対してユーザが行ったAF枠位置指定のためのタッチ操作を、タップ操作のイベント及びドラッグ操作のイベントとして発行する。
【0062】
ステップS531において、CPU201は、操作部209の操作面に対してユーザの行った操作がタップ操作であるか否かを判定する。CPU201は、ユーザの行った操作がタップ操作であると判定した場合(ステップS531でYES)にはステップS532へ進み、タップ操作ではないと判定した場合(ステップS531でNO)にはステップS533へ進む。
【0063】
ステップS532において、CPU201は、タップ操作のイベントを発行し、AFタッチイベント発生処理を終了する。
【0064】
ステップS533において、CPU201は、ユーザが操作部209の操作面にタッチしたまま指(あるいは、ユーザが操作面に接触させたタッチペン等の操作部材)を一定量動かしたか否かを判定する。CPU201は、操作面にタッチしたまま指(あるいは、操作部材)を一定量動かしたと判定した場合(ステップS533でYES)にはステップS534へ進む。一方、CPU201は、タッチしたまま指(あるいは、操作部材)が一定量動かされていないと判定した場合(ステップS533でNO)には、ユーザの行ったタッチ操作に関するイベントを発行することなく、AFタッチイベント発生処理を終了する。
【0065】
ステップS534において、CPU201は、ドラッグ操作のイベントを発行し、AFタッチイベント発生処理を終了する。
【0066】
図6(A)~
図6(D)は、端末装置200のCPU201が、AF枠位置の指定操作が相対操作である場合に、ユーザによる移動操作の移動量に対するAF枠位置の移動量を変更する際のパターンの例を示したグラフである。相対操作での移動量を制御する際、
図6(A)~
図6(D)に示したグラフのいずれのパターンに従って移動量を変更するかは、固定しておいてもよいし、ユーザもしくはCPU201の判別によって切り替えとしてもよい。
【0067】
図6(A)は、端末装置200のCPU201の制御によって、AF枠の大きさが閾値V1(基準とする所定の大きさに相当)より小さくなった場合に、AF枠の移動量を線形で減少させる例を示している。
図6(B)は、端末装置200のCPU201の制御によって、AF枠の大きさが閾値V1より小さくなった場合に、AF枠の移動量を非線形で減少させる例を示している。
【0068】
図6(C)は、端末装置200のCPU201の制御によって、AF枠の大きさが閾値V1より小さくなった場合に、1段階以上の段階をもって、階段状にAF枠の移動量を減少させる例を示している。
図6(D)は、端末装置200のCPU201の制御によって、AF枠の大きさが閾値V1より小さくなった場合に、異なる条件の閾値V2と、AF枠の移動量の減少手法を組み合わせることで、AF枠の移動量を減少させる例を示している。異なる条件の閾値として、例えば表示部211とライブビュー画像301の表示サイズの比率などが挙げられる。
【0069】
本実施形態によれば、AF枠位置の指定を相対操作で行う場合に、ユーザによる移動操作の移動量に対するAF枠位置の移動量が、ユーザが操作を行うことなく、AF枠の大きさに応じて設定される。したがって、ユーザが移動操作の移動量に対するAF枠位置の移動量を調整することなく、小さいライブビュー表示に対してもAF枠位置の相対操作による指定を適切に実行でき、タッチ操作によるAF枠位置の指定に関する操作性を向上させることができる。
【0070】
なお、前述した実施形態では、画像表示領域304に表示されているAF枠の大きさが基準とする所定の大きさより小さい場合に、ユーザによる移動操作の移動量とAF枠位置の移動量とを異ならせるようにしている。これに限らず、端末装置200における表示されているAF枠等のアイテムの大きさ及び画像表示領域の大きさの少なくとも一方が所定の条件を満たす場合に、ユーザによる移動操作の移動量とAF枠位置の移動量とを異ならせるようにしてもよい。例えば、画像表示領域の大きさが所定の大きさより小さい場合に、ユーザによる移動操作の移動量とAF枠位置の移動量とを異ならせ、移動操作の移動量に対するAF枠位置の移動量を、画像表示領域の小ささに応じて減少させるようにしてもよい。また、例えば、画像表示領域の大きさに対する、表示されているAF枠等のアイテムの大きさの比が所定の値より小さい場合に、ユーザによる移動操作の移動量とAF枠位置の移動量とを異ならせるようにしてもよい。
【0071】
(本発明の他の実施形態)
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0072】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0073】
本実施形態の開示は、以下の構成及び方法等を含む。
(構成1)
撮像装置から受信したライブビュー画像及びアイテムに関するデータに基づいて、前記ライブビュー画像に前記アイテムを重畳して画像表示領域に表示する表示手段と、
操作面に対するタッチ操作を受け付ける操作手段と、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさ及び前記画像表示領域の大きさの少なくとも一方が所定の条件を満たす場合に、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させることを特徴とする情報処理装置。
(構成2)
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさ及び前記画像表示領域の大きさの少なくとも一方が所定の条件を満たす場合に、前記移動操作の移動量に対する前記アイテムの表示位置の移動量を、表示されている前記アイテムの大きさに応じて異ならせることを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
(構成3)
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムと前記画像表示領域との大きさの比が所定の条件を満たす場合に、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させることを特徴とする構成1又は2に記載の情報処理装置。
(構成4)
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさが所定の大きさより小さい場合、前記移動操作の移動量に対する前記アイテムの表示位置の移動量を、表示されている前記アイテムの小ささに応じて減少させることを特徴とする構成1~3の何れか1項に記載の情報処理装置。
(構成5)
前記制御手段は、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさが前記所定の大きさ以上である場合、前記移動操作の移動量と同じ移動量で前記アイテムの表示位置を移動させることを特徴とする構成4に記載の情報処理装置。
(構成6)
前記制御手段は、前記画像表示領域の大きさが所定の大きさより小さい場合、前記移動操作の移動量に対する前記アイテムの表示位置の移動量を、前記画像表示領域の小ささに応じて減少させることを特徴とする構成1~3の何れか1項に記載の情報処理装置。
(構成7)
前記アイテムは、オートフォーカス処理を行う範囲を示すAF枠であることを特徴とする構成1~6の何れか1項に記載の情報処理装置。
(構成8)
前記制御手段は、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、
第1の操作が設定されていれば、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御し、
第2の操作が設定されていれば、前記操作面におけるタッチされている位置に対応した位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御することを特徴とする構成1~7の何れか1項に記載の情報処理装置。
(構成9)
前記移動操作による移動後の前記アイテムの表示位置を前記撮像装置に送信する通信手段を有することを特徴とする構成1~8の何れか1項に記載の情報処理装置。
(構成10)
前記制御手段は、前記アイテムの大きさと、前記移動操作の移動量に対する前記アイテムの表示位置の移動量とを対応付けた制御データに基づいて、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させることを特徴とする構成1~9の何れか1項に記載の情報処理装置。
(方法11)
撮像装置から受信したライブビュー画像及びアイテムに関するデータに基づいて、前記ライブビュー画像に前記アイテムを重畳して表示手段の画像表示領域に表示する表示工程と、
操作手段の操作面に対するタッチ操作を受け付ける操作工程と、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御する制御工程とを有し、
前記制御工程では、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさ及び前記画像表示領域の大きさの少なくとも一方が所定の条件を満たす場合に、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
(プログラム12)
情報処理装置のコンピュータに、
撮像装置から受信したライブビュー画像及びアイテムに関するデータに基づいて、前記ライブビュー画像に前記アイテムを重畳して表示手段の画像表示領域に表示する表示ステップと、
操作手段の操作面に対するタッチ操作を受け付ける操作ステップと、
前記表示手段に前記アイテムが表示されている状態で前記操作面にタッチして移動する移動操作が行われると、前記操作面におけるタッチされた位置に対応した位置に移動することなく、表示されている位置から前記移動操作の方向及び移動量に応じた位置に移動するように前記アイテムの表示位置を制御する制御ステップとを実行させ、
前記制御ステップでは、前記表示手段に表示されている前記アイテムの大きさ及び前記画像表示領域の大きさの少なくとも一方が所定の条件を満たす場合に、前記移動操作の移動量に対して、前記アイテムの表示位置を異なる移動量で移動させる処理を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0074】
100:カメラ 200:端末装置 201:CPU 202:揮発性メモリ 203:不揮発性メモリ 204:通信I/F 206:記録媒体I/F 208:入力I/F 209:操作部 210:出力I/F 211:表示部