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特許7585281パターン化された有機金属フォトレジスト及びパターニングの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】パターン化された有機金属フォトレジスト及びパターニングの方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/40 20060101AFI20241111BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20241111BHJP
   G03F 7/16 20060101ALI20241111BHJP
   G03F 7/32 20060101ALI20241111BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G03F7/40 511
G03F7/004
G03F7/004 531
G03F7/16
G03F7/32 501
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183183
(22)【出願日】2022-11-16
(62)【分割の表示】P 2021521115の分割
【原出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2023025059
(43)【公開日】2023-02-21
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】62/746,808
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511130955
【氏名又は名称】インプリア・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Inpria Corporation
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・コクシス
(72)【発明者】
【氏名】ペーテル・デ・シェッペル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・グリア
(72)【発明者】
【氏名】シュー-ハオ・チャン
【審査官】川口 真隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-502173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/40
G03F 7/004
G03F 7/16
G03F 7/32
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面上の放射線感受性有機金属レジストフィルムにおいてパターンを形成するための方法であって、最初のパターン化された構造をリンス溶液でリンスして、現像されたフォトレジストの一部を除去し、パターン寸法を制御し、且つ調節されパターン化された構造を形成することを含み、
ここでは、前記最初のパターン化された構造は、酸化水酸化有機スズおよびスズ残渣を含む、方法。
【請求項2】
前記酸化水酸化有機スズがR‐Sn結合を含み、Rは1~31個の炭素原子を有するヒドロカルビル配位子であり、前記ヒドロカルビル配位子は、第一級炭素、第二級炭素または第三級炭素においてスズに結合した直鎖状、分岐状または環状部分であり、かつ任意にアリール、アルケニル、アルキニル基および/またはヘテロ原子官能基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記除去された部分がスズ残渣を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
リンスはスズ残渣を除去し、スズ残渣の除去は露光されていないか、若しくは部分的に露光された現像されたフォトレジストの領域および/または1つ以上のマイクロブリッジの欠陥を除去する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記露光されていないか、若しくは部分的に露光された現像されたフォトレジストの領域が、最初の現像されたパターンのフィーチャのエッジに沿ったものである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記リンス溶液が、水酸化第四級アンモニウム水溶液を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記リンス溶液が、有機溶媒を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記リンス溶液が、0.5~30重量パーセントの水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記最初のパターン化された構造がネガティブトーンパターンを含み、前記リンス溶液がポジティブトーン現像剤組成物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記最初のパターン化された構造がポジティブトーンパターンを含み、前記リンス溶液がネガティブトーン現像剤組成物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記最初のパターン化された構造は、(i)前記基板の表面を有機金属放射線感受性レジスト材料でコーティングし、前記放射線感受性レジストフィルムを形成することと、(ii)前記放射線感受性レジストフィルムをパターン化された放射線に露光して、露光された部分及び露光されていない部分を有する露光されたフィルムを形成することと、(iii)前記露光されたフィルムを現像溶液と接触させ、現像されたフォトレジストを形成すること、によって形成され、ここでは、前記露光された部分又は前記露光されていない部分は、前記現像溶液に選択的に可溶性である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記現像溶液が、前記リンス溶液と異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
コーティングの間および/またはコーティングの後に、有機金属レジスト材料を加水分解して、放射線感受性レジストフィルムを形成することを更に含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
加水分解することが、水蒸気と共に行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記有機金属レジスト材料が、式RSnX
(式中、Rは金属‐炭素結合でスズに結合した1~31個の炭素原子を有するヒドロカルビル配位子であり、Xはスズと加水分解性結合を有する配位子である。)
によって表される組成物を含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒドロカルビル配位子は、第一級炭素、第二級炭素または第三級炭素においてスズに結合した直鎖状、分岐状または環状部分であり、かつ任意にアリール、アルケニル、アルキニル基および/またはヘテロ原子官能基を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、tert-アミル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ベンジル、またはアリル基である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒドロカルビル配位子は、シアノ、チオ、シリル、エーテル、ケト、エステル、またはハロゲン化基で置換されている、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
Xは、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(‐NR;式中、RおよびRは独立して1~10個の炭素原子を有する炭化水素基または水素である)、‐OR(式中、Rは1~10個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基である)、アミド(‐NR(COR);式中、RおよびRは独立して1~7個の炭素原子を有する炭化水素基または水素である)、またはそれらの組み合わせである、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
および/またはRが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、またはtert-アミル基である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
および/またはRが、分岐状アルキル基である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
コーティングが、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、蒸着、ナイフエッジコーティング、および/または印刷を含む、請求項13~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記放射線感受性レジストフィルムが、放射線感受性スズ‐炭素結合を含む、請求項13~22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書中に組み込まれている「Patterned Organometallic Photoresists and Method of Patterning」という名称のKocsisらへの2018年10月17日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第62/746,808号明細書に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、パターン化された有機金属フォトレジスト、及び放射線をベースとするリソグラフィ、例えば、極端紫外線(EUV)リソグラフィ又は電子ビームリソグラフィを使用して基板上に有機金属フォトレジストをパターニングする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
パターニング技術を使用して、複雑な微細構造を有する半導体をベースとする電子デバイス及び他の電子デバイスを形成することができる。マイクロ製作及びナノ製作の分野において、集積回路は非常に小さくなってきている。これは、回路サイズの一様の減少及び回路構成部品密度の増加によって部分的に推進されてきている。
【0004】
光リソグラフィ技術を使用して、このような集積回路が製作及び製造されてきた。光リソグラフィにおいて、フォトレジストのパターニングは一般に、フォトレジストを、マスクを通して選択したエネルギー源に露光して、潜像を記録することと、次いで、フォトレジストの選択した領域を現像し、除去することとを含むいくつかのステップが関与する。フォトレジストの露光された領域は変換されて、パターン化された領域を選択的に除去可能なものとする。ポジティブトーンフォトレジストについて、露光された領域は除去されて、露光されていない領域が残る。ネガティブトーンフォトレジストについて、露光されていない領域は除去されて、露光された領域が残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
極端紫外線(EUV)リソグラフィは、半導体製造におけるフィーチャ・サイズの継続的低減を可能とする特定の光リソグラフィ技術である。EUV放射線の短波長(λ=13.5nm)は、光リソグラフィによる光の高密度パターンの生成、それによって、小さく密なフィーチャの製作を可能とする。EUV光リソグラフィプロセスにおいて、フォトレジストは、薄膜として堆積され、EUV放射線のパターンと共に露光されて潜像を生じさせ、次いで、液体、例えば、有機溶媒で現像し、レジストの現像されたパターンを生じさせる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本発明は、基板の表面上の放射線感受性有機金属レジストフィルムにおいてパターンを形成する方法に関し、この方法は、最初のパターン化された構造をリンス溶液(またはリンス液、rinse solution)でリンスし、現像されたフォトレジストの一部を除去し、パターンの寸法、質、及び/又は解像度を制御し、調節されパターン化された構造を形成することを含む。リンスのステップは一般に、現像されたフォトレジストの露光不足の部分の除去を含む。一部の実施形態では、最初のパターン化された構造は、(i)基板の表面を有機金属放射線感受性レジスト材料でコーティングして、放射線感受性レジストフィルムを形成することと、(ii)放射線感受性レジストフィルムをパターン化された放射線に露光して、露光された部分及び露光されていない部分を有する露光されたフィルムを形成させることと、(iii)露光されたフィルムを現像溶液(または現像液、developing solution)と接触させて、現像されたフォトレジストを形成させることとによって形成することができ、ここで一般に、露光されていない部分又は露光された部分は、現像溶液中で選択的に可溶性である。上記の要約は、本開示のそれぞれの例示された実施形態又は全ての実行を説明することを意図しない。
【0007】
本出願に含まれる図面は、明細書に組み込まれ、その部分を形成する。図面は本開示の実施形態を例示し、記載内容と共に、本開示の原理を説明する役割を果たす。図面は特定の実施形態の単に例示であり、本開示を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態による光リソグラフィプロセスのためのフローチャートである。
図2】潜像を伴う放射線パターン化構造の概略斜視図である。
図3図2の構造の側面平面図である。
図4】パターン化された構造を形成するために照射されていないコーティング材料を除去した、潜像の現像の後の図2の構造の概略斜視図である。
図5図4のパターン化された構造の側面図である。
図6】パターン化された構造を形成するために照射されたコーティング材料を除去した、潜像の現像の後の図2の構造の概略斜視図である。
図7図6のパターン化された構造の側面図である。
図8】互いに隣接して配置された一組の4つの走査型電子顕微鏡写真であり、EUVリソグラフィによってパターン化されたそれぞれの32nmのピッチライン及び16nmの間隔を伴い、ここで、最も左の像は、現像、それに続くリンス処理なしが関与し、左から二番目の像は、加工、それに続くリンス溶液による10秒のリンスが関与し、左から三番目の像は、加工、それに続くリンス溶液による20秒のリンスが関与し、最も右の像は、加工、それに続くリンス溶液による30秒のリンスが関与する。
図9】EUVリソグラフィによってパターン化され、32nmのピッチライン(P32)を形成する、有機金属レジストを有するシリコン基板の16の走査型電子顕微鏡写真(SEM)の配列であり、16nmのライン間隔に対応する上の4つのSEM像(DOM1)、17nmのライン間隔に対応する第2列の4つのSEM像(DOM2)、19nmのライン間隔に対応する第3列のSEM像(DOM4)、及び20nmのライン間隔に対応する第4列のSEM像(DOM5)を伴い、ここで、左から右への各列における4つの像は、それぞれ、リンスなし、10秒のTMAHリンス、20秒のTMAHリンス、及び30秒のTMAHリンスに対応する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態は、様々な修正形態及び代替形態の影響を受けやすい一方、その詳細は図面において例として示してきており、これから詳細を説明する。しかし、本開示を記載する特定の実施形態に限定されないことを意図することを理解すべきである。それどころか、本開示の精神及び範囲内に入る全ての修正形態、等価物、及び代替形態をカバーすることを意図する。
【0010】
有機金属放射線感受性組成物を使用して形成されたパターンの改善された加工は、非常に微細なラインと共に形成されたパターンの改善された均一性及び再現性を実現する。有機金属をベースとする放射線感受性レジストは、特に、極端紫外光(extreme ultraviolet light)を使用した非常に微細なパターンの形成を達成する能力を実現する。特に、酸化水酸化アルキルスズ(alkyl tin oxide hydroxide)組成物は、商業的に許容される加工アプローチで配備することができる。これらの組成物のかなりのEUV吸収は、非常に高いエッチングコントラストを達成する能力と共に、非常に微細なパターニングの形成を実現する。また、これらの組成物は、ネガレジスト又はポジレジストとして機能することができる。ポジレジスト及びネガレジストとしての潜在的な加工のこの普通でない特性は、リソグラフィパターンの均一性を改善させるための逐次的現像剤の使用によって活用されてきた。特に、第1の現像ステップを行い、パターンを形成することができ、第1の現像によって除去されない材料を対象とする第2の穏やかな現像は、第2の現像溶液で最初の現像されたパターンを浄化することができる。第2の現像ステップは、第1の現像ステップの後に残存する部分的に照射された材料及びパターンのエッジの除去が関与し得る。一般に、1つの現像液体は有機溶媒であり、第2の現像溶液はアルカリ性水溶液である。このように、改善されたパターニングを達成することができ、これによって、規格による性能を達成することができないための製品の不良品発生率を低減させることができる。製品の不具合による廃棄物を低減させる能力は、商業生産のための相当な価値を実現することができる。
【0011】
放射線をベースとする小さなリソグラフィーフィーチャを形成するためのパターニングは、放射線感受性材料上へのパターンに基づいて、マスクを通して放射線、例えば、極端紫外線を投入することが関与する。当然ながら、照射プロセスは、数学的に正確なプロセスではない。このように、パターンのエッジ付近において、様々な潜在的原因、例えば、一般にマスクの不完全な状態及び照射の不均一性、並びに確率的変動及び/又はプロセス変動によるパターンのぶれが存在し得る。このように、現像溶液を使用してパターンが現像されるとき、対応する不完全が現像されたパターンにおいて存在し得る。本明細書に記載されている酸化水酸化アルキルスズ組成物について、照射されていない組成物は一般に、有機溶媒に可溶性であり、照射されたレジストは一般に、塩基性(すなわち、アルカリ性)水溶液に可溶性である。現像ステップの後に残存する材料は、残存する組成物を除去するように設計された現像剤に供することができる。穏やかな条件下にて、例えば、短期間で第2の異なる現像を行うことによって、部分的に照射された材料は、第1の現像ステップに基づいた少量の残存するパターンと共に除去することができる。第2の現像ステップは、パターニングプロセスの均一性を改善させ、対応する製品が規格を満たすことができないことを低減させる傾向がある。
【0012】
非常に小さなフィーチャのパターニングは、最近開発された有機金属放射線レジスト組成物で達成されてきた。特に、酸化水酸化アルキルスズ組成物は、スズと関連する高いEUV吸収と、放射線によって推進されるアルキル-スズ結合の分断による非常に高いエッチングコントラストとを少なくとも部分的にベースとする、望ましいパターニング性能を実現する。酸化水酸化アルキルスズ組成物は、ネガレジスト(ここでは、最初の現像の後で放射線露光された領域が残存する)、又はポジレジスト(ここでは、最初の現像の後で露光されていない領域が残存する)として機能することができる付加されたフィーチャを実現する。いずれにせよ、現像プロセスは、構造の残存する部分を相当に変化させない加工条件が関与することを意図する。酸化水酸化アルキルスズ組成物について、ネガレジストパターニングは、照射されていないレジストを溶解する有機溶媒現像薬と共に行うことができ、ポジレジストパターニングは、照射されたレジストを溶解する水性アルカリ性組成物と共に行うことができる。ネガティブトーン加工又はポジティブトーン加工下で行うこの能力は、合わせた本加工において効果的に活用され、非常に小さなスケールでより一貫した均一なパターンが生じる。
【0013】
現存するプロセス用設備との改善された適合性を伴う一貫したパターニング性能のために、酸化水酸化モノアルキルスズ(monoalkyl tin oxide hydroxide)組成物は、小さなパターン形成のために特に有効であることが見出されてきた。酸化水酸化モノアルキルスズ組成物は一般に、式RSnXによって表される組成物から合成され、式中、Rは、アルキル基であり、Xは、加水分解性基、例えば、NR’R’’(アミド基)又はOR(アルコキシド基)であり、R’、R’’及びRは、ヒドロカルビル基である。酸化水酸化アルキルスズを形成させる反応は、加工(または処理)される基板上へのコーティングの後で、溶液中で又は代わりに、in situで行うことができる。望ましい加工は進化することができる一方、現在の望ましい加工アプローチは、モノアルキルスズトリアルコキシド組成物の堆積、及びそれに続くin situでの加水分解が関与し、酸化水酸化組成物が形成され、容易に除去することができるアルコール蒸気副生成物の放出を伴う。下記の考察は、特定の加工に関するさらなる詳細と共により一般の考察を提供する。
【0014】
図1を参照して、改善された微細なパターニングのための本プロセス、放射線をベースとするパターニングプロセス、例えば、極端紫外線(EUV)リソグラフィプロセスの概略において、フォトレジスト材料は、基板上の薄膜として堆積されるか、又はコーティングされ01、露光前/ソフトベークされ02、放射線のパターンと共に露光され、潜像を生じさせ03、露光後ベークされ04、次いで、液体、典型的には、有機溶媒で現像され05、レジストの現像されたパターンを生じさせる。このプロセスは、パターン化されたフィーチャの間で残留する露光されていないか、若しくは露光不足の有機金属フォトレジストが残り得、これは、パターン化されたプロファイルの質を歪め得る。したがって、本開示の実施形態によるプロセスは、フォトレジストをリンスし06、残渣を除去することをさらに含むことができる。このプロセスを下記で詳細に記載する。
【0015】
コーティング
有機金属レジスト組成物のコーティングは、選択した基板上への前駆体溶液の堆積によって形成することができる。基板は一般に、その上にコーティング材料を堆積することができる表面を提示し、基板は、複数の層を含み得、ここで、表面は最上層に関連する。基板表面を処理して、コーティング材料の接着のための表面を調製することができる。表面の調製の前に、表面は、必要に応じて浄化し、且つ/又は滑らかにすることができる。適切な基板表面は、任意の妥当な材料を含むことができる。目的のいくつかの基板は、基板の表面に亘り及び/又は層において、例えば、シリコンウエハー、シリカ基板、他の無機材料、ポリマー基板、例えば、有機ポリマー、これらの複合体及びこれらの組合せを含む。ウエハー、例えば、相対的に薄い円柱状の構造は好都合であり得るが、任意の妥当な成形した構造を使用することができる。ポリマー基板、又は非ポリマー構造上のポリマー層を有する基板は、それらの低価格及び可撓性に基づいた特定の用途のために望ましくてもよく、適切なポリマーは、本明細書に記載されているパターン化可能な有機金属材料の加工のために使用することができる相対的に低い加工温度に基づいて選択することができる。適切なポリマーは、例えば、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステル、ポリアルケン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物を含むことができる。一般に、特に、高解像度用途のために、基板が平坦な表面を有することが望ましい。
【0016】
アルキルスズ組成物、例えば、概ね、式RSnO(2-z/2-x/2)(OH)によって表される酸化水酸化アルキルスズに基づいた有機金属放射線感受性レジストが現像されてきたが、式中、0<x<3、0<z≦2、x+z≦4であり、Rは、スズ原子と炭素結合を形成するヒドロカルビル基である。これらの組成物の特に有効な形態は、酸化水酸化モノアルキルスズであり、ここで上記の式において、z=1である。アルキルスズをベースとするフォトレジスト材料は、これらのそれぞれが参照により本明細書中に組み込まれている「Organometallic Solution Based High Resolution Patterning Compositions」という名称のMeyersらへの米国特許第9,310,684号明細書、及び「Organometallic Solution Based High Resolution Patterning Compositions and Corresponding Methods」という名称のMeyersらへの米国特許出願公開第2016/0116839A1号明細書、及び「Organotin Oxide Hydroxide Patterning Compositions, Precursors, and Patterning」という名称のMeyersらへの同第2017/0102612A1号明細書(本明細書の下記で、’612出願)にさらに記載されている。
【0017】
アルキルスズアミド及び/又はアルキルスズアルコキシドのin situでの加水分解は、酸化水酸化アルキルスズ組成物の堆積を実現する。本明細書における考察は、モノアルキルスズ組成物に焦点を合わせているが、より一般なアルキルスズ組成物を同様に使用することができる。加水分解性基(X)、例えば、アミド又はアルコキシド基を有する組成物を変換することができる加水分解及び縮合反応を、下記の反応において示す。
RSnX+3HO→RSn(OH)+3HX、
RSn(OH)→RSnO(1.5-(x/2))OH+(x/2)H
【0018】
加水分解生成物HXが十分に揮発性である場合、in situでの加水分解は、副生成物HXの対応する除去を伴う基板コーティングプロセスの間に水蒸気と共に行うことができる。
【0019】
モノアルキルスズトリアミド組成物は一般に、式RSn(NR’)によって表すことができ、式中、R及びR’は、独立に、1~31個の炭素原子を有するアルキル若しくはシクロアルキル(1個若しくは複数の炭素原子は、O、N、Si、及び/若しくはハロゲン原子を含有する1個若しくは複数のヘテロ原子官能基で任意選択で置換されている)、又はフェニル若しくはシアノ基でさらに官能化されているアルキル若しくはシクロアルキルである。一部の実施形態では、R’は、≦10個の炭素原子を含むことができ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、イソブチル、又はt-アミルでよい。R基は、直鎖状、分岐状、(すなわち、金属結合炭素原子において二次若しくは三次)、又は環状ヒドロカルビル基でよい。各R基は、個々に及び一般に、1~31個の炭素原子を有し、二次結合炭素原子を有する基について3~31個の炭素原子、及び三次結合炭素原子を有する基について4~31個の炭素原子を伴う。特に、分岐状アルキル配位子は、いくつかのパターニング組成物のために望ましくてもよく、ここで化合物は、RCSn(NR’)として表すことができ、式中、R及びRは、独立に、1~10個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、水素、又は1~10個の炭素原子を有するアルキル基である。下記で記述したように、アルキル配位子Rのこの表示は、一般に、RCSn(X)を伴う他の実施形態に同様に適用可能であり、Xは、トリアルコキシド又はトリアミド部分に対応する。一部の実施形態では、R及びRは、環状アルキル部分を形成することができ、Rはまた、環状部分における他の基を接合し得る。適切な分岐状アルキル配位子は、例えば、イソプロピル(R及びRは、メチルであり、Rは、水素である)、tert-ブチル(R、R及びRは、メチルである)、tert-アミル(R及びRは、メチルであり、Rは、-CHCHである)、sec-ブチル(Rは、メチルであり、Rは、-CHCHであり、Rは、水素である)、ネオペンチル(R及びRは、水素であり、Rは、-C(CHである)、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、及びシクロプロピルでよい。適切な環式基の例は、例えば、1-アダマンチル(第三級炭素において金属に結合している-C(CH(CH)(CH又はトリシクロ(3.3.1.13,7)デカン)及び2-アダマンチル(第二級炭素において金属に結合している-CH(CH)(CH(CH)(CH)又はトリシクロ(3.3.1.13,7)デカン)を含む。他の実施形態では、ヒドロカルビル基は、アリール又はアルケニル基、例えば、ベンジル若しくはアリル、又はアルキニル基を含み得る。他の実施形態では、ヒドロカルビル配位子Rは、もっぱらC及びHからなり、且つ1~31個の炭素原子を含有する任意の基を含み得る。要約すれば、スズに結合した適切なアルキル基のいくつかの例は、例えば、直鎖状若しくは分岐状アルキル(i-Pr((CHCH-)、t-Bu((CHC-)、Me(CH-)、n-Bu(CHCHCHCH-))、シクロアルキル(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル)、オレフィン(アルケニル、アリール、アリル)、又はアルキニル基、又はこれらの組合せを含む。さらなる実施形態では、適切なR基は、シアノ、チオ、シリル、エーテル、ケト、エステル、又はハロゲン化基又はこれらの組合せを含めた、ヘテロ原子官能基で置換されているヒドロカルビル基を含み得る。
【0020】
アルキルスズトリアルコキシド組成物は、式RSn(ORによって表すことができる。アルキルスズトリアルコキシドは、アルキルスズトリアミドから合成することができるが、参照により本明細書中に組み込まれている「Monoalkyl Tin Compounds with Low Polyalkyl Contamination, Their Compositions and Methods」という名称のEdsonらへの米国特許出願第15/950,292号明細書はまた、アルキルトリアミドスズからのモノアルキルスズトリアルコキシドの合成、及び使用し得る他の合成経路について記載している。アルキルトリアミドスズ組成物は、式RSn(NR’’COR’’’)によって表すことができる。アルキルスズトリアルコキシド及びアルキルトリアミドスズ組成物についての式におけるR基は、アルキルスズトリアミド組成物について上記で要約したのと同じR基でよく、上記のこれらのR基の対応する考察は、このパラグラフにおいてその全体がコピーされているかのようである。モノアルキルトリアミドスズ組成物は、本明細書においてさらに考察しない。アルコキシド配位子-ORについて、R基は、独立に、1~10個の炭素原子を有する炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基などでよい。
【0021】
一般に、任意の適切なコーティングプロセスを使用して、前駆体溶液を基板に送達することができる。適切なコーティングアプローチは、例えば、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、蒸着、ナイフエッジコーティング、印刷、例えば、インクジェット印刷及びスクリーン印刷などを含むことができる。蒸着は、上記で引用した’612出願において考察されている。前駆体溶液を形成するために、レジスト組成物を一般に、適切な有機溶媒に溶解することができる。上記のスズをベースとするレジストについて、いくつかのプロセスパラメーターは有機金属レジストの特定の組成によって決まる一方、スズ濃度は一般に、スズの量によって、約1mM~約1M、さらなる実施形態では、約2mM~約750mM、他の実施形態では、約5mM~約500mMの範囲でよい。これらのコーティングアプローチのいくつかは、コーティングプロセスの間にコーティング材料のパターンを形成するが、印刷などから現在利用可能である解像度は、本明細書に記載のような放射線をベースとするパターニングから利用可能なものより相当に低いレベルの解像度を有する。
【0022】
パターニングが放射線を使用して行われる場合、スピンコーティングは、基板を相対的に均一にカバーする望ましいアプローチであり得るが、エッジ効果が存在し得る。一部の実施形態では、ウエハーは、約500rpm~約10,000rpm、さらなる実施形態では、約1000rpm~約7500rpm、さらなる実施形態では、約2000rpm~約6000rpmの速度でスピンすることができる。スピンのスピードを調節して、望ましいコーティング厚さを得ることができる。スピンコーティングは、約5秒~約5分、さらなる実施形態では、約15秒~約2分の時間行うことができる。例えば、50rpm~250rpmでの最初の低スピードのスピンを使用して、基板に亘る組成物の最初のバルク拡散を行うことができる。裏面リンス、エッジビーム除去ステップなどを水又は他の適切なリンスで行って、エッジビーズを除去することができる。上記の明示的な範囲内のスピンコーティングパラメーターのさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。
【0023】
コーティングの厚さは一般に、前駆体溶液濃度、粘度、及びスピンスピードの関数であり得る。他のコーティングプロセスのために、厚さを一般にまた、コーティングパラメーターの選択によって調節することができる。一部の実施形態では、薄いコーティングを使用して、小さく高度に分解されたフィーチャの形成を促進することが望ましくあり得る。一部の実施形態では、コーティング材料は、リンスの前に、約1ミクロン以下、さらなる実施形態では、約250ナノメートル(nm)以下、さらなる実施形態では、約1ナノメートル(nm)~約50nm、他の実施形態では、約1nm~約40nm、一部の実施形態では、約1nm~約25nmの平均乾燥厚さを有することができる。本明細書において教示されるリンスプロセスは、行われるパターニングによって露光されたレジスト若しくは露光されていないレジストであり得る、現像されたレジストパターンの厚さを低減させる。リンスプロセスは一般に、現像されたレジストパターンから材料を過剰に除去するべきではないが、ドライレジストコーティング材料の最初の厚さは、リンス・プロセスを見込んで選択することができる。リンス後及び現像後のコーティング厚さの範囲は一般に、上で提示したのと同じ範囲内に入り、リンス中で除去された材料のパーセントに基づいて、リンスはリンス後のコーティング厚さの上限を効果的にある程度まで低減させることが認識される。
【0024】
上記の明示的な範囲内の厚さのさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。厚さは、X線反射率の非接触方法及び/又はフィルムの光学特性に基づいた偏光解析法を使用して評価することができる。
【0025】
多くのコーティングプロセスは、より大きな表面積及び/又は蒸発を刺激する溶液の動きを伴う液滴又は他の形態のコーティング材料を形成させるため、コーティングプロセス自体が溶媒の一部の蒸発をもたらし得る。溶媒の喪失は、材料中の種の濃度が増加するにつれコーティング材料の粘度を増加させる傾向がある。コーティングプロセスの間の1つの目的は、十分な溶媒を除去して、さらなる加工のためにコーティング材料を安定化することであり得る。溶媒除去プロセスによってコーティング材料中に残存する特定の量の溶媒に関して定量的に制御し得ず、このように得られたコーティング材料の特性の経験的な評価を一般に行って、パターニングプロセスのために有効な加工条件を選択することができる。
【0026】
露光前ベーク
プロセスの適用の成功のために加熱は必要とし得ない一方、加工を加速し、且つ/又はプロセスの再現性を増加させるためにコーティングされた基板を加熱することは望ましくてもよい。in situでの加水分解が使用されて酸化水酸化アルキルスズを形成する実施形態について、露光前ベークは、加水分解を推進して、放射線感受性パターニング組成物を形成させる。熱が加えられて、溶媒を除去し、且つ/又は加水分解を推進する実施形態において、コーティング材料は、約45℃~約150℃、さらなる実施形態では、約50℃~約130℃、他の実施形態では、約60℃~約110℃の温度に加熱することができる。溶媒除去のための加熱は一般に、少なくとも約0.1分間、さらなる実施形態では、約0.25分~約30分間、さらなる実施形態では、約0.50分~約10分間行うことができる。上記の明示的な範囲内の加熱温度及び時間のさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。in situでの加水分解が行われる実施形態について、加水分解副生成物、例えば、アミン又はアルコールは、副生成物が適切に揮発性である場合、この加熱ステップの間に除去することができる。
【0027】
露光
コーティング材料は、放射線を使用して微細にパターン化することができる。上で述べたように、前駆体溶液の組成物、及びその結果、対応するコーティング材料は、望ましい形態の放射線の十分な吸収のために設計することができる。放射線の吸収は、アルキルスズ結合を分断するエネルギーの移転をもたらし、その結果、アルキル配位子の少なくともいくらかは、材料を安定化させるためにもはや利用可能でない。十分な量の放射線の吸収を伴って、露光されたコーティング材料は縮合し、すなわち、増進された金属オキソ-ヒドロキソネットワークを形成し、これは、周囲雰囲気から吸収された水が関与し得る。放射線は一般に、選択したパターンによって送達することができる。放射線パターンは、照射されたエリア及び照射されていないエリアを有するコーティング材料において対応するパターン又は潜像に移転される。照射されたエリアは、縮合コーティング材料を含み、照射されていないエリアは、一般に形成されたままのコーティング材料を含む。鋭いエッジは、照射されていないコーティング材料の除去を伴うコーティング材料の現像によって形成し得る。
【0028】
放射線は一般に、マスクを通してコーティングされた基板に向けることができるか、又は放射線ビームは、基板に亘って制御可能にスキャンすることができる。一般に、放射線は、電磁放射線、電子ビーム(ベータ放射線)、又は他の適切な放射線を含むことができる。一般に、電磁放射線は、望ましい波長又は波長の範囲、例えば、可視線、紫外線又はX線を有することができる。放射パターンのために達成可能である解像度は一般に、放射線の波長によって決まり、より高解像度パターンは一般に、より短い波長の放射線で達成することができる。このように、特に高解像度パターンを達成するために、紫外線光、X線又は電子ビームを使用することは望ましいことであり得る。
【0029】
参照により本明細書中に組み込まれている国際規格ISO21348(2007)に従って、紫外線光は、100nm以上及び400nm未満の波長の間に広がる。フッ化クリプトンレーザーは、248nmの紫外線光のための源として使用することができる。紫外線領域は、一般に認められた標準下でいくつかの方法で細区画することができる(例えば、10nm以上から121nm未満までの極端紫外線(EUV)、及び122nm以上から200nm未満までの遠紫外線(FUV))。EUV光は、13.5nmでのリソグラフィのために使用されてきており、この光は、高エネルギーレーザー又は放出パルスを使用して励起されたXe又はSnプラズマ源から生じる。酸化水酸化モノアルキルスズをベースとする放射線感受性組成物は、EUV及び電子ビームパターニングのための特に有効なレジストを提供することが見出されてきたが、これらは伝統的な有機レジストが、これらのリソグラフィプロセスの完全なパターニング性能を届けないと考えられてきたドメインである。
【0030】
電磁放射線の量は、露光時間に亘る統合された放射性フラックスによって得られるフルエンス又は線量によって特性決定することができる。適切な放射線フルエンスは、約1mJ/cm~約150mJ/cm、さらなる実施形態では、約2mJ/cm~約100mJ/cm、さらなる実施形態では、約3mJ/cm~約50mJ/cmであり得る。一実施形態では、EUV放射線は、約100mJ/cm以下の線量で、又は電子ビームは、30kVにて約2mC/cm以下の線量で行うことができる。上記の明示的な範囲内の放射線フルエンスのさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。
【0031】
電子ビームリソグラフィでは、電子ビームは一般に、照射された材料を一般に変化させる二次電子を誘発する。解像度は、少なくとも部分的に材料中の二次電子の範囲の関数でよく、ここで、より高い解像度は一般に、二次電子のより短い範囲からもたらされると考えられる。本明細書に記載されている有機金属コーティング材料を使用した電子リソグラフィで達成可能な高解像度に基づいて、有機金属材料中の二次電子の範囲は限定される。電子ビームは、ビームのエネルギーによって特性決定することができ、適切なエネルギーは、約5eV~約200keV、さらなる実施形態では、約7.5eV~約100keVの範囲でよい。30keVでの近接効果補正したビーム線量は、約0.1マイクロクーロン/平方センチメートル(μC/cm)~約5ミリクーロン/平方センチメートル(mC/cm)、さらなる実施形態では、約0.5μC/cm~約1mC/cm、他の実施形態では、約1μC/cm~約100μC/cmの範囲でよい。当業者は本明細書における教示に基づいて他のビームエネルギーでの対応する線量をコンピュータで計算することができ、上記の明示的な範囲内の電子ビーム特性のさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。
【0032】
放射線による露光に続いて、コーティング材料は、照射された領域及び照射されていない領域を伴ってパターン化される。図2及び3を参照すると、基板102、薄膜103及びパターン化されたコーティング材料104を含むパターン化された構造100を示す。パターン化されたコーティング材料104は、照射されたコーティング材料の縮合領域110、112、114、116及び領域及び照射されていないコーティング材料の非縮合領域118、120、122を含む。縮合領域110、112、114、116及び非縮合領域118、120によって形成されるパターンは、コーティング材料への潜像を表す。
【0033】
有機金属コーティング材料の設計に基づいて、縮合コーティング材料を有する照射された領域と、照射されていない非縮合コーティング材料との間に材料特性の大きなコントラストが存在する。コントラストは照射後熱処理で改善することができるが、一部の実施形態では、照射後熱処理を伴わずに満足のいく結果を達成することができることが驚いたことに見出されてきた。露光後熱処理は、照射されたコーティング材料をアニールし、コーティング材料の照射されていない領域をかなり縮合させることなしに、その縮合を改善させるように思われる。
【0034】
露光後ベーク
露光ステップの完了の後、コーティング材料を熱処理して、露光された放射線感受性組成物のさらなる縮合によってエッチングコントラストを増加させることができる。一部の実施形態では、パターン化されたコーティング材料は、約90℃~約600℃、さらなる実施形態では、約100℃~約400℃、さらなる実施形態では、約125℃~約300℃の温度で加熱することができる。加熱は、少なくとも約10秒間、他の実施形態では、約15秒~約30分間、さらなる実施形態では、約20秒~約15分間行うことができる。上記の明示的な範囲内の熱処理のための温度及び時間のさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。材料特性におけるこの高いコントラストは、下記のセクションにおいて記載するような現像に続いてパターンにおける鋭いラインの形成をさらに促進する。
【0035】
現像
ネガティブトーンイメージングに関して、図4及び5を参照すると、図2及び3において示す構造の潜像は、現像剤と接触させることによって現像され、パターン化された構造130を形成した。像の現像の後、薄膜103は、上表面に沿って開口部132、134、135を通して露光される。開口部132、134、135は、それぞれ、非縮合領域118、120、122の位置に配置されている。ポジティブトーンイメージングに関して、図6及び7を参照すると、図2及び3において示す構造の潜像は、現像され、パターン化された構造140を形成した。パターン化された構造140は、パターン化された構造130の共役像を有する。パターン化された構造140は、照射された領域110、112、114、116の位置において露光される薄膜103を有し、これらは現像されて、開口部142、144、146、148を形成する。
【0036】
有機安定化配位子を有するコーティング組成物は、本質的に疎水性である材料を生じさせる。有機金属結合の少なくともいくらかを分断する照射は、材料をより疎水性ではない、すなわち、より親水性の材料へと変換させる。性質におけるこの変化は、照射されたコーティング及び照射されていないコーティングの間でかなりのコントラストを実現し、これによって、同じレジスト組成物でポジティブトーンパターニング及びネガティブトーンパターニングの両方を行う能力を実現する。具体的には、照射されたコーティング材料は、より金属酸化物組成物へとある程度まで縮合される。しかし、縮合の程度は一般に、かなりの加熱を伴わずに中程度であり、それゆえ、照射された材料は、好都合な現像薬で現像するのに相対的に直接的である。
【0037】
ネガティブトーンイメージングについて、現像剤は、有機溶媒、例えば、前駆体溶液を形成するために使用される溶媒でよい。一般に、現像剤の選択は、コーティング材料(照射されたもの及び照射されていないものの両方)に関する溶解度パラメーター、並びに現像剤の揮発性、引火性、毒性、粘度及び他のプロセス材料との潜在的な化学的相互作用によって影響を受け得る。特に、適切な現像剤は、例えば、芳香族化合物(例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン)、エステル(例えば、プロピレングリコールモノメチルエステルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチル、n-ブチルアセテート、ブチロラクトン)、アルコール(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノール)、ケトン(例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、2-オクタノン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール)などを含む。現像は、約5秒~約30分間、さらなる実施形態では、約8秒~約15分間、さらなる実施形態では、約10秒~約10分間行うことができる。上記の明示的な範囲内のさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。
【0038】
ポジティブトーンイメージングについて、現像剤は一般に、酸又は塩基水溶液でよい。一部の実施形態では、塩基水溶液を使用して、より鋭い像を得ることができる。現像剤からの汚染を低減させるために、金属原子を有さない現像剤を使用することが望ましくてもよい。このように、水酸化第四級アンモニウム組成物、例えば、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム又はこれらの組合せは、現像剤として望ましい。一般に、特に関心のある水酸化第四級アンモニウムは、式RNOHで表すことができ、式中、R=メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの組合せである。本明細書に記載されているコーティング材料は一般に、ポリマーレジストのために現在一般に使用されているものと同じ現像剤、特に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)で現像することできる。市販のTMAHは2.38重量パーセントで利用可能であり、この濃度は本明細書に記載されている加工のために使用することができる。さらに、混合した水酸化第四級テトラアルキルアンモニウムを使用することができる。一般に、現像剤は、約0.5~約30重量パーセント、さらなる実施形態では、約1~約25重量パーセント、他の実施形態では、約1.25~約20重量パーセントの水酸化テトラアルキルアンモニウム又は同様の水酸化第四級アンモニウムを含むことができる。上記の明示的な範囲内の現像剤の濃度のさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。
【0039】
本明細書に記載されている改善された加工のために、リンス剤は、ネガティブトーンに対するポジ現像という意味で、反対の現像剤でよい。そのように、ネガティブトーンパターンが形成される場合、ポジティブトーン現像剤組成物でリンスを行って、下記で例示するように、像を改善させることができる。同様に、ポジティブトーンパターンが現像される場合、ネガティブトーン現像薬剤を伴う穏やかなリンスを使用することができる。リンスプロセスを、下記のセクションにおいてさらに記載する。
【0040】
主要な現像剤組成物に加えて、現像剤は、現像プロセスを促進するさらなる組成物を含むことができる。適切な添加物は、例えば、アンモニウム、d-ブロック金属カチオン(ハフニウム、ジルコニウム、ランタンなど)、f-ブロック金属カチオン(セリウム、ルテチウムなど)、p-ブロック金属カチオン(アルミニウム、スズなど)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、及びこれらの組合せからなる群から選択されるカチオン、並びにフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオン、過酸化物イオン、ブトキシドイオン、ギ酸イオン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)イオン、タングステン酸イオン、モリブデン酸イオンなど、及びこれらの組合せからなる群から選択されるアニオンを伴う溶解した塩を含む。任意選択の添加物が存在する場合、現像剤は、約10重量パーセント以下の添加物、さらなる実施形態では、約5重量パーセント以下の添加物を含むことができる。上記の明示的な範囲内の添加物濃度のさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。添加物は、コントラスト、感受性及びライン幅ラフネスを改善させるために選択することができる。現像剤中の添加物はまた、金属酸化物粒子の形成及び沈殿を阻害することができる。
【0041】
より弱い現像剤、例えば、より低い濃度の現像剤では、より高い温度での現像プロセスを使用して、プロセスの速度を増加させることができる。より強い現像剤では、速度を低減させ、且つ/又は現像の反応速度を制御するのに、現像プロセスの温度はより低くてもよい。一般に、現像の温度は、適当な値の水性溶媒の間で調節することができる。さらに、現像剤-コーティング界面付近で溶解した有機金属コーティング材料を伴う現像剤は、現像の間の超音波処理で分散させることができる。
【0042】
現像剤は、任意の妥当なアプローチを使用してパターン化されたコーティング材料に適用(または付着)させることができる。例えば、現像剤は、パターン化されたコーティング材料上へと噴霧することができるか、又は構造を、現像剤中に浸漬若しくは他の方法で沈めることができる。また、スピンコーティングを使用することができる。自動化された加工のために、コーティング材料上への現像剤を固定されたフォーマットで注ぐことが関与するパドル法(puddle method)を使用することができる。必要に応じて、スピンリンス及び/又は乾燥を使用して、現像プロセスを完了することができる。像が現像された後、コーティング材料は、基板上にパターンとして処理される。
【0043】
リンス
上記で考察するように、現像のステップの後で、パターン化されたフィーチャの間に残留する露光されていないか、若しくは露光不足のフォトレジストが存在し得る。この残渣は、パターン化されたプロファイルの質を歪め、エッチングに基づいたそれに続くパターン移転プロセスの有効性に影響を与え得る。本明細書に記載のように、リンスのステップを使用して、このような残渣を除去することができる。ネガ現像に基づいた実施形態について、有機溶媒中の現像の後の、水酸化第四級アンモニウム水溶液(または水性水酸化第四級アンモニウム、aqueous quaternary ammonium hydroxide)、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(または水性水酸化テトラメチルアンモニウム、aqueous tetramethylammonium hydroxide)中でのリンスは、フォトレジスト残渣を効果的に除去して、パターンの忠実度を増進し、且つマイクロブリッジの欠陥を低減又は排除することができる。このようなリンスは、例として、(i)槽へのウエハーの浸漬、(ii)ウエハー上へと直接スプレーノズルを通してリンス溶液を分注すること、及び(iii)ウエハーをオーバーフローリンスタンク中へと入れることを含めたいくつかのリンス方法のいずれかによって達成することができる。自動化された加工のために、例えば、パドル法でリンスを行うことができ、ここで、リンス溶液はウエハー表面上に堆積され、スピン又はブロー乾燥され(spun or blown dry)、リンスプロセスが完了する。他のリンス方法が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。
【0044】
ネガパターン化された基板をリンスするために、アルカリ性リンス剤を使用することができる。金属の導入を回避するために、例えば、ポジレジストの現像剤として上記で記載されているような水酸化第四級アンモニウムを使用することが望ましくてもよい。一部の実施形態では、リンス溶液は、約0.5~約30重量パーセント、さらなる実施形態では、約1~約25重量パーセント、他の実施形態では、約1.25~約20重量パーセントの水酸化テトラアルキルアンモニウム又は同様の水酸化第四級アンモニウムを含むことができる。またさらなる実施形態では、リンス溶液は、2.38%w/wの水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を含む。水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の濃度のさらなる範囲を使用することができることを当業者は認識する。
【0045】
下記の実施例において示すように、リンス時間を調節して、パターン均一性及びライン幅の選択における望ましい改善を達成することができる。選択したリンス時間はまた、リンス剤濃度及びリンス温度によって影響を受け得る。自動化された加工のための適切なプロセス時間に基づいて、一般に、リンス時間は、少なくとも約1秒から、他の実施形態では、約2秒~約30分、さらなる実施形態では、約4秒~約20分、他の実施形態では、約6秒~約5分であるように設計することができる。上記の明示的な範囲内のリンス時間のさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。リンスは一般に、パターン化されたレジストの厚さを低減させると考えられる。パターン化されたレジストの厚さの量は、ライン幅が両方の方向から狭まるため、ライン幅の狭小化の規模の半分と概ね同様であると予想される。必要に応じて、レジストのために堆積される厚さは、対応して調節することができるが、パターン厚さの小さな減少はさらなる加工を変化させ得ない。リンスに続いて、パターン化された構造を使用して、製品形成へのステップとして、基板上へと堆積するか、又は基板からエッチングすることができる。
【0046】
ピッチは設計によって評価し、例えば、トップダウン像を伴う走査型電子顕微鏡観察(SEM)で確認することができる。本明細書において使用する場合、ピッチは、反復する構造エレメントの空間的周期、又は中心-中心間距離を指し、当技術分野で一般に使用されるように、ハーフピッチは、ピッチの半分である。パターンのフィーチャ寸法はまた、一般に、コーナーなどから離れて評価するフィーチャの平均幅に関して記載することができる。また、フィーチャは、材料エレメントの間のギャップ及び/又は材料エレメントを指すことができる。リンスを使用して、ギャップを対応して増加させ、最初の現像からのブリッジ及び不完全を除去する一方で、フィーチャの幅を減少させることができる。平均ライン幅ラフネスは、約5nm以下、一部の実施形態では、約4.8nm以下であり得る。ライン幅ラフネスを評価することは、トップダウンSEM像の分析によって行われ、平均ライン幅からの3σ偏差を引き出す。平均は、高頻度及び低頻度ラフネスの両方、すなわち、それぞれ、短い相関長及び長い相関長を含有する。有機レジストのライン幅ラフネスは、長い相関長によって主に特性決定され、一方、本有機金属コーティング材料は、有意により短い相関長を示す。パターン移転プロセスにおいて、短い相関ラフネスはエッチングプロセスの間に滑らかにすることができ、非常により高い忠実度のパターンを生じさせる。上記の明示的な範囲内のピッチ、平均幅及びライン幅ラフネスのさらなる範囲が意図され、本開示の範囲内であることを当業者は認識する。これらのプロセスに基づいて、パターニングは、一般に、適切に層状の構造、例えば、トランジスタ又は他の構成要素を形成する反復パターニングプロセスによって、様々なデバイス、例えば、電子集積回路が形成するように適合させることができる。
【実施例
【0047】
EUV露光の後のネガティブトーン現像をベースとするレジストパターンを、下記の実施例において使用した。図1を特に参照すると、下記のステップに従った:コーティング01、ベーク02、露光03、ベーク04、現像05、及びリンス06(対照試料に基づく比較例はリンスを受けなかったことを除く)。一連のパターンについてのリンス時間を検査する。
【0048】
コーティング-アルキルスズフォトレジスト製品(Inpria、Oregon、USA)を、300mm直径のシリコンウエハー上に1307rpmにて40秒間スピンコーティングした。フォトレジスト製品は、’612出願に記載されているようなアルコール溶媒中のアルキルスズトリアルコキシド組成物であった。
【0049】
露光前ベーク-次いで、コーティングされた基板を、ホットプレート上で100℃にて1分間周囲雰囲気中でベークした。従前の研究は、周囲空気中でのこのような加工がスズ-アルコキシド配位子の加水分解をもたらし、酸化水酸化アルキルスズ組成物をin situで形成させることを示唆してきた。偏光解析法を使用し、フィルム厚さがベークの後で概ね22nmであったことが示された。
【0050】
露光-次いで、コーティングされた基板は、Dipole90Sigma0.878/0.353を適用したASML NXE3350ツールによってEUV放射線に露光された。パターン化されたラインの間の様々な間隔を伴う4つの異なるマスクを介して基板を露光した。各マスクは、32nmのピッチで離間されたパターン化されたラインを有した。第1の一連の実施例は、パターン化されたラインの間に16nmのオープンな空間を有した。第2、第3、及び第4の実施例は、それぞれ、パターン化されたラインの間に17nm、19nm、及び20nmのオープンな空間を有した。より大きなオープンな空間を伴うマスクは、より多くのEUV光を反射することができ、したがって、設定した露光時間でフォトレジストへとより高い露光線量を送達することができる。
【0051】
露光後ベーク-露光の後、コーティングを、露光後ベーク(PEB)に170℃にて1分間供した。
【0052】
現像-次いで、露光しベークしたフィルムを、2-ヘプタノン(TOK、>99%)に概ね40秒間浸漬し、フォトレジストフィルムの露光されていない部分を除去し、ネガティブトーンパターンを現像した。
【0053】
リンス-現像の後、次いで、パターン化されたフィルムのそれぞれを、2.38%w/wのTMAH水溶液中で10~30秒の範囲の期間処理した。このようなリンスを、コーティングされた基板を2.38%w/wのTMAH水溶液に浸すことによって行った。比較例は、TMAHによるリンスを受けなかった。
【0054】
実施例1
32nmのピッチ、16nmの間隔、リンスなし、10秒、20秒、又は30秒のリンス時間を伴う
この実施例は、TMAHリンスなし又は選択したリンス時間によるリンスを伴う現像に続くパターニングの結果の比較を伴う、EUV露光の後のネガティブトーン現像をベースとするレジストパターンの形成を示す。
【0055】
4組のパターン化された試料を、32nmのパターン化されたラインのピッチ、及び16nmのラインの間のオープンな空間に基づいて考察する。4つの試料は、リンスなし、又はそれぞれ、概ね10秒、20秒、若しくは30秒のリンス時間を伴った。リンスに続いて、4つの試料は、下記のようなライン幅及びライン幅ラフネスを有した。
a)リンスなし-20.8nm及び7.8nm(図8、左から第1の像)
b)10秒のリンス時間-19.2nm及び5.9nm(図8、第2の像);
c)20秒のリンス時間-16.9nm及び5.0nm(図8、左から第3の像);及び
d)30秒のリンス時間-14.6nm及び4.4nm(図8、左から第4の像)。
【0056】
試料がより長い期間リンスされるにつれ進行的に減少するライン幅は、パターンのエッジに沿った露光されていない及び露光不足のフォトレジスト残渣の除去、並びにマイクロブリッジの欠陥の排除を反映する。このように得られたより均一な構造は、図8の走査型電子顕微鏡写真において明白である。ライン幅はまた、リンスの結果として減少する。残存するレジスト組成物の高さにおける対応する小さな減少が起こると考えられるが、リンス後のパターンの高さは測定しなかった。
【0057】
実施例2
32nmのピッチ、様々なライン間隔、リンスなし、10秒、20秒、又は30秒のリンス時間を伴う
この実施例は、一連のライン間隔と共に調製した試料上の現像後アルカリ性リンスの効果を示す。
【0058】
この実施例における試料は、32nmのパターン化されたラインのピッチ、及び16nm、17nm、19nm又は20nmのライン幅(リンス前ライン幅)を有した。各ライン幅について、異なる試料を、それぞれ、概ね10秒、20秒又は30秒のリンス時間に供した。比較のために、リンスを伴わない対照試料(CS)を調製した。リンスに続いて、試料をSEMによって評価して、リンス後のライン幅及びライン幅ラフネスを決定した。図9を参照されたい。結果を表1において提示する。
【0059】
【表1】
【0060】
試料がより長い期間リンスされるにつれ進行的に減少するライン幅は、露光されていないフォトレジスト残渣及び露光不足のフォトレジスト残渣の除去、並びにマイクロブリッジの欠陥の排除を反映する。対照試料(CS1~CS4)は、最初のパターニングから直接もたらされる名目上のライン幅を提供する。
【0061】
実施例によって見ることができるように、広いプロセスウィンドウは、標的寸法を伴うライン-空間パターンを生じさせるために利用可能である。使用者が特定のフィーチャ・サイズ/幅を望む場合、使用者はマスク・サイズ(ピッチ及び/又はライン間隔)、溶液、及びリンス持続時間を選択して、望ましい(または所望の)フィーチャ・サイズ/幅を得ることができる。例として、使用者が約13nmのフィーチャ・サイズ/幅を望み、使用者が32nmのピッチ及び17nmのライン幅を伴うマスクを有する場合、使用者は、パターン化されたフィルムを2.38%w/wのTMAH水溶液中で約20秒の期間リンスして、13nmの望ましいフィーチャ・サイズ/幅を得ることができる。リンスの前に、フィーチャは、約17.61nmのライン幅を有する。
【0062】
上記の実施形態は、例示的であることを意図し、限定的であることを意図しない。さらなる実施形態は、特許請求の範囲内である。さらに、本発明を特定の実施形態を参照して記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細において変更を行うことができることを当業者なら理解するであろう。本明細書における明確な開示に反している主題は組み込まれないように、上記の文献を参照することによる任意の組込みは限定される。特定の構造、組成物及び/又はプロセスが、構成要素、エレメント、成分又は他の区分と共に本明細書に記載されている限りにおいて、本明細書における本開示は、他に特に明示しない限り、考察において示唆するように、特定の実施形態、特定の構成要素、エレメント、成分、他の区分又はこれらの組合せを含む実施形態、並びに主題の基本的性質を変化させないさらなるフィーチャを含むことができるこのような特定の構成要素、成分又は他の区分又はこれらの組合せから本質的になる実施形態をカバーすることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9