(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】僧帽弁腱索修復のためのアンカー
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20241111BHJP
【FI】
A61F2/24
(21)【出願番号】P 2022518291
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(86)【国際出願番号】 US2020052163
(87)【国際公開番号】W WO2021061735
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-04-07
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ディー.コンブ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス アール.ギアリー,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジェイク エム.ゴールデン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック エム.ノリス
(72)【発明者】
【氏名】アネット アイ.ピコ
(72)【発明者】
【氏名】スーザン ジェイ.ルーデス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ジェイ.セクター
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェイ.ズカイティス
【審査官】丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-529608(JP,A)
【文献】特表2006-502749(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0000624(US,A1)
【文献】国際公開第2019/177909(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
A61B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位端を有する管状部材、
前記管状部材の遠位端から延在している複数のアンカーと、前記近位端から延在しているアイレットと、を形成するように前記管状部材を通して配置された少なくとも1つのワイヤ、及び、
前記管状部材の近位端から延在しそして前記複数のアンカーに隣接しかつ前記複数のアンカーの間に配置された組織穿刺要素、
を含み、
各アンカーは、前記近位端に向かう方向に延在している曲線を画定しており、
前記管状部材は、前記近位端と前記遠位端との間に延在している複数の管腔を含み、前記管状部材の前記管腔は、少なくとも1つのワイヤの配置を維持するように構成されている、組織アンカー。
【請求項2】
前記少なくとも1つのワイヤは前記管状部材を通して配置された少なくとも2つのワイヤを含み、前記少なくとも2つのワイヤは重なり合ってアイレットを形成する、請求項1記載の組織アンカー。
【請求項3】
前記少なくとも2つのワイヤは前記複数のアンカーを形成し、前記複数のアンカーは少なくとも4つのアンカーを含む、請求項2記載の組織アンカー。
【請求項4】
前記組織穿刺要素は、組織内の複数のアンカーの埋め込みをしている医師に対する触知フィードバックを提供するように構成された長手方向部分及び深さインジケータを含む、請求項1~
3のいずれか1項記載の組織アンカー。
【請求項5】
前記深さインジケータは、スペーサ及び前記組織穿刺要素の長手方向部分の周りに配置されたバイアス部材を含み、前記スペーサは、組織に接触しそして前記管状部材の遠位端に向かって前記バイアス部材を推進するように構成されており、その程度は、前記複数のアンカーが組織内に延びる程度を示すように構成されている、請求項
4記載の組織アンカー。
【請求項6】
前記管状部材は、PEEK及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~
5のいずれか1項記載の組織アンカー。
【請求項7】
前記組織アンカーを組織に結合するためにアイレットを通して配置された可撓性コードをさらに含む、請求項1~
6のいずれか1項記載の組織アンカー。
【請求項8】
前記管状部材の遠位端に配置され、組織壁の傾斜又は角度を示すように構成された位置フィードバック機構をさらに含む、請求項1~
7のいずれか1項記載の組織アンカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月23日に出願された仮出願第62/904,327号の利益を主張し、その全体を、あらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む。
【0002】
分野
本開示は、一般に、メディカルデバイスのためのアンカーを含む装置、システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、腱索修復のためのアンカーを含む装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
房室弁(僧帽弁及び三尖弁)の弁尖は、負荷状態での弁の能力を維持するために長くて細いコード状の支持体のシステムに依存する薄くて透けて見える構造である。これらの支持体である腱索は、乳頭筋を弁尖に取り付ける。
【0004】
腱索は、変性しそして伸展することがあり、これは、弁尖逸脱をもたらす可能性がある。その結果、弁尖は収縮期負荷下にずれることがある。腱索の開胸手術は侵襲性が高く、罹患率及び死亡リスクが高くなる。したがって、開胸外科的処置(又は経心尖又は経心房デリバリーアプローチ)を使用しない、腱索の置換又は修復における人工腱索のデリバリー及びインプラント処置は、罹患率及び死亡リスクを低減することができる。
【発明の概要】
【0005】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、組織アンカーは、
近位端及び遠位端を有する管状部材、
前記管状部材の遠位端から延在している複数のアンカー、ここで、各アンカーは、前記近位端に向かう方向に延在している曲線を画定している、及び、
前記近位端から延在しているアイレット、
を形成するように前記管状部材を通して配置された少なくとも1つのワイヤ、及び、
前記管状部材の近位端から延在しそして前記複数のアンカーに隣接して配置された組織穿刺要素、
を含む。
【0006】
別の例(「例2」)によれば、例1の組織アンカーに加えて、前記少なくとも1つのワイヤは前記管状部材を通して配置された少なくとも2つのワイヤを含み、前記少なくとも2つのワイヤは重なり合ってアイレットを形成する。
【0007】
別の例(「例3」)によれば、例2の組織アンカーに加えて、前記少なくとも2つのワイヤは前記複数のアンカーを形成し、前記複数のアンカーは少なくとも4つのアンカーを含む。
【0008】
別の例(「例4」)によれば、例1~2のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記管状部材は、前記近位端と前記遠位端との間に延在している複数の管腔を含み、前記管腔は、少なくとも1つのワイヤの配置を維持するように構成されている。
【0009】
別の例(「例5」)によれば、例1~4のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記組織穿刺要素は、組織内の複数のアンカーの埋め込みをしている医師に対する触知フィードバックを提供するように構成された長手方向部分及び深さインジケータを含む。
【0010】
別の例(「例6」)によれば、例5の組織アンカーに加えて、前記深さインジケータは、スペーサ及び前記組織穿刺要素の長手方向部分の周りに配置されたバイアス部材を含み、前記スペーサは、組織に接触しそして前記管状部材の遠位端に向かって前記バイアス部材を推進するように構成されており、その程度は、前記複数のアンカーが組織内に延びる程度を示すように構成されている。
【0011】
別の例(「例7」)によれば、例1~6のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記管状部材は、PEEK及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
別の例(「例8」)によれば、例1~7のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記組織アンカーはまた、前記組織アンカーを組織に結合するためにアイレットを通して配置された可撓性コードを含む。
【0013】
別の例(「例9」)によれば、例1~8のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記組織アンカーはまた、前記管状部材の遠位端に配置され、組織壁の傾斜又は角度を示すように構成された位置フィードバック機構を含む。
【0014】
別の例(「例10」)によれば、組織アンカーは、
可撓性コードとインターフェースするように構成された上部円形部分、
組織表面に係合するように構成された1つ以上の組織穿刺要素であって、前記1つ以上の組織穿刺要素が前記組織表面に実質的に平行に配置される第一の構成と、前記1つ以上の組織穿刺要素が前記組織表面に非平行に配置される第二の構成との間で移動するように構成された、1つ以上の組織穿刺要素、及び、
中央部分の直径の減少に応答して、前記1つ以上の組織穿刺要素を前記第一の構成から前記第二の構成に移動させるように構成された中間部分、
を形成するように配置された少なくとも1つのワイヤを含む。
【0015】
別の例(「例11」)によれば、例10の組織アンカーに加えて、前記中間部分は実質的に楕円形形状である。
【0016】
別の例(「例12」)によれば、例10~11のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記少なくとも1つのワイヤは第二の円形部分を含み、そして前記1つ以上の組織穿刺要素は前記第二の円形部分から延在している。
【0017】
別の例(「例13」)によれば、例10~12のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記組織アンカーはまた、前記中間部分の直径を減少させ、前記中間部分を拘束解除して、前記1つ以上の組織穿刺要素の前記第一の構成から前記第二の構成への移動を可能にするように構成されたデリバリーシースを含む。
【0018】
別の例(「例14」)によれば、例13の組織アンカーに加えて、前記1つ以上の組織穿刺要素は、前記第一の構成から前記第二の構成への移動に応答して前記組織表面を把持するように構成されている。
【0019】
別の例(「例15」)によれば、例10~14のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記可撓性コードは前記組織アンカーを組織に結合するように構成されている。
【0020】
1つの例(「例16」)によれば、組織アンカーは、
長手方向軸、近位端及び遠位端を有する筒形部分、及び、
前記筒形部分を組織表面下に固定するように構成された複数のアンカー、ここで、前記複数のアンカーのそれぞれは、前記筒形部分の遠位端から前記長手方向軸に平行に延在している実質的に直線状のセクション、及び、前記実質的に直線状のセクションから延在しており、デリバリー構成では長手方向軸に対して実質的に直線状のセクションと整列し、展開構成では長手方向軸に対して半径方向外向きに、前記筒形部分の遠位端に向かって湾曲するように構成されている湾曲セクションを含む、
を含む。
【0021】
別の例(「例17」)によれば、例16の組織アンカーに加えて、前記筒形部分は、前記筒形部分の外面に1つ以上のノッチを含む。
【0022】
別の例(「例18」)によれば、例17の組織アンカーに加えて、前記1つ以上のノッチは、前記筒形部分の可撓性を促進するように構成されている。
【0023】
別の例(「例19」)によれば、例16~18のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記組織アンカーはまた、前記組織アンカーを組織に結合するように構成された前記筒形部分における開口部を通して配置された可撓性コードを含む。
【0024】
別の例(「例20」)によれば、例19の組織アンカーに加えて、前記筒形部分は、前記可撓性コードの長さを調整するように構成された調整機構を含む。
【0025】
1つの例(「例21」)によれば、組織アンカーは、
第一の湾曲セクション及び前記第一の湾曲セクションの頂点の内面から長手方向に延在している第一の組織穿刺要素を含む、第一のアンカーセクション、
第二の湾曲セクション及び前記第二の湾曲セクションの頂点の内面から長手方向に延在している第二の組織穿刺要素を含む、第二のアンカーセクション、
第一の平面内で前記第一のアンカーセクションと前記第二のアンカーセクションとの間に配置され、それらに垂直に延在している第一の遷移セクション、及び、
第二の平面内で前記第一のアンカーセクションと前記第二のアンカーセクションとの間に配置され、それらに垂直に延在している第二の遷移セクション、
を含む。
【0026】
別の例(「例22」)によれば、例21の組織アンカーに加えて、前記第一の平面及び前記第二の平面は互いに離間している。
【0027】
別の例(「例23」)によれば、例21~22のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記第一の遷移セクション及び前記第二の遷移セクションのうちの少なくとも1つは曲線を画定する。
【0028】
別の例(「例24」)によれば、例21~23のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記第一のアンカーセクション、前記第二のアンカーセクション、前記第一の遷移セクション及び前記第二の遷移セクションは実質的に共通の平面内で展開するように構成されている。
【0029】
別の例(「例25」)によれば、例21~24のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記組織アンカーはまた、前記組織アンカーを組織に結合するための、前記第一のアンカーセクション、前記第二のアンカーセクション、前記第一の遷移セクション及び前記第二の遷移セクションのうちの少なくとも1つに結合された可撓性コードを含む。
【0030】
1つの例(「例26」)によれば、組織アンカーは、
管腔、近位端及び遠位端を有する筒形部分、
前記管腔からそして前記筒形部分の外面に対して半径方向外向きに延在している複数のアンカー、
前記筒形部分の遠位端に又はそれに隣接して配置されたボール、及び、
前記筒形部分の管腔内に延在しそして前記ボールに結合された可撓性コードであって、前記可撓性コードは、前記ボールを近位端に向かって引き込み、前記複数のアンカーと係合して前記複数のアンカーの構成を変更するように構成されている、可撓性コード、
を含む。
【0031】
別の例(「例27」)によれば、例26の組織アンカーに加えて、前記ボールは、少なくとも部分的に前記管腔内に引き込んで、前記複数のアンカーの構成を変更するように構成されている。
【0032】
1つの例(「例28」)によれば、組織アンカーは、
近位端及び遠位端を有する筒形部分、及び、
前記筒形部分を組織表面に又はその下に固定するように構成されたアンカー要素、ここで、前記アンカー要素はらせん構造を有し、前記らせん構造は前記筒形部分の遠位端に配置された近位端を有し、前記らせん構造の近位端から前記らせん構造の遠位端に向かって直径が増加している複数のループを含む、
を含む。
【0033】
別の例(「例29」)によれば、例28の組織アンカーに加えて、前記組織アンカーはまた、前記らせん構造の外面上に配置された1つ以上の棘を含む。
【0034】
別の例(「例30」)によれば、例28~29のいずれか1つの組織アンカーに加えて、前記組織アンカーはまた、前記組織アンカーを組織に結合するように構成された前記筒形部分に結合された可撓性コードを含む。
【0035】
1つの例(「例31」)によれば、組織アンカーは、
近位端及び遠位端を有する筒形部分、
前記筒形部分の遠位端から延在している複数の実質的に直線状のセクション、及び、
前記筒形部分を組織壁に固定するように構成された複数の実質的に直線状のセクションのそれぞれの遠位端に配置された複数のらせん状アンカー、
を含む。
【0036】
別の例(「例32」)によれば、例31の組織アンカーに加えて、前記組織アンカーはまた、前記組織アンカーを組織に結合するように構成された前記筒形部分に結合された可撓性コードを含む。
【0037】
1つの例(「例33」)によれば、腱索修復のための方法は、
弁尖を通して可撓性コードを配置しそして前記可撓性コードの第一の端部を弁尖に固定すること、前記可撓性コードの第二の端部を前記組織アンカーに結合すること、及び、例1~32のいずれか1つの組織アンカーを心臓の組織に固定すること、
を含む。
【0038】
上記の例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限又は他の方法で狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0040】
【
図1】
図1は、1つの実施形態による、患者の心臓及び腱索の図である。
【0041】
【
図2】
図2は、1つの実施形態による例示的な腱索修復デバイスの図である。
【0042】
【
図3A】
図3Aは、1つの実施形態による例示的な組織アンカーの例示の第一の斜視図である。
【0043】
【
図3B】
図3Bは、1つの実施形態による、
図3Aに示される組織アンカーの第二の斜視図である。
【0044】
【
図3C】
図3Cは、1つの実施形態による、
図3A~Bに示される組織アンカーの第三の斜視図である。
【0045】
【
図4A】
図4Aは、1つの実施形態による別の例示的な組織アンカーの例示の側面図である。
【0046】
【
図4B】
図4Bは、1つの実施形態によるデリバリー構成における
図4Aに示される組織アンカーの図である。
【0047】
【
図4C】
図4Cは、1つの実施形態による展開構成における
図4A~Bに示される組織アンカーの図である。
【0048】
【
図5】
図5は、1つの実施形態による例示的な組織アンカーの例示の第一の斜視図である。
【0049】
【
図6A】
図6Aは、1つの実施形態による展開構成における例示的な組織アンカーの図である。
【0050】
【
図6B】
図6Bは、1つの実施形態によるデリバリー構成における
図6Aに示される組織アンカーの図である。
【0051】
【
図6C】
図6Cは、1つの実施形態による、可撓性コードピボットを備えた、
図6A~Bに示される組織アンカーの図である。
【0052】
【
図6D】
図6Dは、1つの実施形態による、調整機構を備えた
図6A~Cに示される組織アンカーの図である。
【0053】
【
図7A】
図7Aは、1つの実施形態による別の例示的な組織アンカーの例示の斜視図である。
【0054】
【
図7B】
図7Bは、1つの実施形態による、針が配置された、
図7Aに示される組織アンカーの斜視図である。
【0055】
【
図7C】
図7Cは、1つの実施形態による、
図7A~Bに示される組織アンカーの展開図である。
【0056】
【
図8A】
図8Aは、1つの実施形態によるデリバリー構成における第一の構成の組織アンカーの図である。
【0057】
【
図8B】
図8Bは、1つの実施形態による第二の構成における
図8Aに示される組織アンカーの図である。
【0058】
【
図8C】
図8Cは、1つの実施形態による
図8A~Bに示される、組織アンカーの一部のカットパターンの図である。
【0059】
【
図9A】
図9Aは、1つの実施形態による別の例示的な組織アンカーの例示の斜視図である。
【0060】
【
図9B】
図9Bは、1つの実施形態による、1つ以上の棘を備えた、
図9Aに示される組織アンカーの一部の斜視図である。
【0061】
【
図10】
図10は、1つの実施形態による別の例示的な組織アンカーの例示の斜視図である。
【0062】
【
図11】
図11は、1つの実施形態による組織アンカーのための例示的なカットパターンの図である。
【0063】
【
図12A】
図12Aは、1つの実施形態による組織アンカーのための例示的な管状部材の側面図である。
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【
図13A】
図13Aは、1つの実施形態による、例示的な管状部材及び管状部材を通して配置された少なくとも1つのワイヤの近位端面図である。
【0068】
【
図13B】
図13Bは、1つの実施形態による、
図13Aに示される管状部材、及び、管状部材を通して配置された少なくとも1つのワイヤの別の配置の近位端図である。
【0069】
【
図14A】
図14Aは、1つの実施形態による、例示的な組織アンカー及び深さインジケータの側面図である。
【0070】
【0071】
【
図15A】
図15Aは、1つの実施形態による、例示的な管状部材及び位置フィードバック機構の遠位端面図である。組織アンカー300は、
【0072】
【
図15B】
図15Bは、1つの実施形態による、組織壁に係合する
図15Aに示される管状部材及び位置フィードバック機構の図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
詳細な説明
定義及び用語
本記載は、限定的に読まれることを意図するものではない。例えば、本記載で使用されている用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0074】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」という用語は、交換可能に、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含む測定値を指すために使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に少量だけ逸脱している。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的エラー、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた小さな調整、特定の実装シナリオ、例えば、人又は機械による対象の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味すると理解することができる。
【0075】
本明細書では、便宜上、特定の用語を使用している。例えば、「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「左(left)」、「右(right)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「上向き(upward)」、「下向き(downward)」などの単語は、図に示されている構成を単に記載するだけである。実際、参照される構成要素は、任意の方向に向けることができる。同様に、プロセス又は方法が示され又は記載される本開示の全体を通して、方法が最初に実行される特定の動作に依存することが文脈から明らかでない限り、方法は任意の順序で又は同時に実行されうる。
【0076】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0077】
本明細書で論じられる方法、システム及びデバイスの用途は、可撓性コードを含む人工腱索を提供することに向けられることができる。人工腱索は、1つ以上の弁尖及び/又は1つ以上の心臓壁(例えば、中隔又は他のチャンバー壁)、乳頭筋又は他の構造などの他の心臓構造に取り付けられるように構成されうる。幾つかの用途において、修復を受ける弁は僧帽弁又は三尖弁であることができる。様々な例において、可撓性コードは、上端で1つ以上の弁尖に結合され、下端で乳頭筋、心室壁又は他の構造に結合される。可撓性コードの一端又は両端は、心臓構造間で可撓性コードを結合するためのアンカーを含むことができる。様々な実施形態が腱索の用途に関連して記載されているが、動作の原理及び関連する特徴及び概念は、所望に応じて任意の組織固定用途に適用可能であることが特に考えられることを理解されたい。
【0078】
図1は、1つの実施形態による、患者の心臓100及び腱索102a~gの図である。
図1は、大動脈弓104、左心房106、左心室108を含み、僧帽弁が左心房106と左心室108との間に位置する、患者の心臓100の左側を示している。腱索102a~gは、一方の端部で僧帽弁の弁尖110、そしてもう一方の端部で左心室108における乳頭筋112に取り付けられる。
【0079】
伸展され、破裂され又は破損された腱索102a~gは、僧帽弁の弁尖110の機能を変化させることができる。これらの例において、例えば、僧帽弁はもはや完全に結合又は閉鎖しない可能性がある。結果として、血液は、左心室108から左心房106に戻って流れることがある(例えば、僧帽弁逆流)。
【0080】
図2は、1つの実施形態による例示的な固定デバイス200の図である。特定の例において、固定デバイス200は、可撓性コード202、可撓性コード202の一端に配置された第一の取り付け部材204、及び、可撓性コード202の他端に配置された第二の取り付け部材206を含むことができる。上記のように、固定デバイス200は、腱索の治療に使用することができる。他の例において、固定デバイス200は、組織の固定に使用することができる。
【0081】
様々な例によれば、可撓性コード202は生体適合性であり、例えば、限定するわけではないが、ポリプロピレン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン又はポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、シルクのうちの1つ以上の材料から製造されることができ、又は、他の適切な材料の中でもとりわけ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を非限定的に含むフルオロポリマーから形成されうる。可撓性コード202は、限定するわけではないが、モノフィラメント縫合糸、マルチフィラメント及び/又は編組構造、ならびに織物及び不織材料を含む縫合糸材料から形成することができる。幾つかの例において、可撓性コード202は、腱索(「CT」)治療のためのGORE-TEX(登録商標)縫合糸に関連するものなどのフルオロポリマーベースの縫合糸材料から製造されている。合成材料は様々な実施形態に従って考えられるが、幾つかの例において、可撓性コード202はまた、限定するわけではないが、ヒト又は他の動物組織又は植物系材料などの天然材料を含むことができる。
【0082】
第一の取り付け部材204及び第二の取り付け部材206は、可撓性コード202を心臓の組織に取り付けるように構成されている。第一の取り付け部材204及び第二の取り付け部材206は、組織を穿刺し、第一の位置と第二の位置との間に可撓性コード202を保持し、第一の取り付け部材204及び第二の取り付け部材206が第一の位置及び第二の位置で、それぞれ、組織の表面で又は組織内で穿刺および保持するアンカーであることができる。第一の取り付け部材204及び第二の取り付け部材206は、棘、固定らせん、フック、プロング又は任意の同様の構造を含むことができる。
【0083】
特定の例において、可撓性コード202は、欠陥のある僧帽弁又は三尖弁を治療するために使用されうる。これらのそのような例において、心臓の頂端領域は、カテーテルベースのデバイスで経皮的にアクセスされる。心臓弁は、少なくとも1つの腱索を交換することによって修復される(例えば、
図1に示されるとおり)。交換された腱索は可撓性コード202を含むことができ、これは、心臓組織の2つの部分を接続する可撓性コード202のために組織コネクタとも呼ばれることができる。他の例において、可撓性コード202は、心臓の周囲に巻き付けられることができ、又は、弁輪は、弁尖又は組織内に配置されうる。これらの例において、可撓性コード202は、心臓の1つ以上の構造をわずかに圧縮して、弁の弁尖が完全に閉じることを確保する。
【0084】
参照されるように、可撓性コード202は、1つ以上のアンカー又は取り付け機構を備えて供給されうる。幾つかの例において、可撓性コード202は、1つ以上の綿撒糸アンカー、例えば、ePTFEなどのフルオロポリマー、又は可撓性コード202に関連して記載される任意の材料から製造されている。このような綿撒糸アンカーは事前パンチ穴又は他の特徴を備えて供給されることができ、1つ以上の弁尖又は他の心臓構造に固定するために使用することができる。このようなアンカーとしては、とりわけ、フック、コルクスクリュー又は棘のある設計を挙げることができる。幾つかの例において、可撓性コード202は、以下で詳細に記載するように、自己拡張型(例えば、限定するわけではないが、ニチノール(NiTi)など)アンカーを備えて供給され、乳頭壁又は心室壁などの心臓構造に固定するのを支援するように構成されている。例えば、アンカーは、動きに抵抗するために中央の管から変位される幾つかの脚部材を備えた形状設定されたNiTiであることができる。
【0085】
図3Aは、1つの実施形態による例示的な組織アンカー300の例示の第一の斜視図である。組織アンカー300は、近位端304及び遠位端306を有する管状部材303を含む。組織アンカー300はまた、管状部材303を通して配置された少なくとも1つのワイヤ308a、308bを含む。特定の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、2つのワイヤ308a、308bを含む。他の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、管状部材303を通してループされた単一のワイヤを含む。さらに他の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、3、4、5、6又はそれ以上の数のワイヤを含む。特定の例において、管状部材303は、限定するわけではないが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ステンレス鋼又はそれらの組み合わせなどの生体適合性材料から形成されている。
【0086】
図3B~Cにさらに詳細に示されるように、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、管状部材306の遠位端306から延在している複数のアンカー310a~dを形成するように配置されている。示されるように、複数のアンカー310a~dは、4つのアンカーを含む。特定の例において、複数のアンカー310a~dは、2つ、3つ、5つ、6つ又はそれ以上のアンカー310a~dを含む。複数のアンカー310a~dは、示されるように、複数のアンカー310a~dを管状部材303の近位端304に向かって延在する曲線を含む。特定の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは2つのワイヤ308a、308bを含み、複数のアンカー310a~dは少なくとも4つのアンカー310a~dを含む。本明細書で論じられるように、ワイヤは、モノフィラメント、ストラット、マルチフィラメント、編組ストランド又は他の同様の構造を含むことができる。特定の例において、管状部材303は、近位端304と遠位端306との間に延在している複数の管腔(
図12A~C及び
図13A~Bに示されるとおり)を含む。さらに、管腔は、少なくとも1つのワイヤ308a、308bの配置を維持するように構成されている。
【0087】
少なくとも1つのワイヤ308a、308bはまた、アイレット312を形成することができる。アイレットは、近位端304から外向きに延在している。特定の例において、上記に詳細に記載されるような可撓性コードは腱索治療のためにアイレット312を通して配置されうる。特定の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、アイレット312を形成するために重なり合うように配置される。
【0088】
図3A及び3Cに示されるように、管状部材303の近位端304に対して外向きにそして管状部材303の近位端304に向かって戻る少なくとも1つのワイヤ308a、308bを延長する湾曲部分314a、314bを含む。特定の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、2つのワイヤ308a、308bを含み、ワイヤ308a、308bのそれぞれは、湾曲部分314a、314bの1つを形成する。さらに、湾曲部分314a、314bは、互いにほぼ垂直に配置することができる。さらに、そして示されるように、湾曲部分314a、314bの一方は、湾曲部分314a、314bの他方よりも上に(例えば、管状部材303の近位端304からさらに離れて)配置されうる。
【0089】
特定の場合において、そして
図3Bに示されるように、組織アンカー300はまた、管状部材303の近位端304から延在している組織穿刺要素316を含む。組織穿刺要素316は、複数のアンカー310a~dの間に配置されうる。特定の例において、組織穿刺要素316は、貫通チップ318を含む。貫通チップ318はまた、組織内に固定するように構成されうる。さらに、貫通チップ318は、らせん状であることができる(例えば、以下でさらに詳細に記載されるとおり)。
【0090】
特定の例において、組織穿刺要素316は、長手方向部分320及び深さインジケータ322を含み、組織内に複数のアンカー310a~dを埋め込んでいる医師に指示するように構成されている。深さインジケータ322は、ワッシャーなどのスペーサ、及び、長手方向部分320の周りに巻かれたばね(例えば、
図3Aに示されるとおり)などのバイアス部材を含むことができる。スペーサは、組織に接触しそして管状部材303の遠位端306に向かってバイアス部材を強制して、組織内の複数のアンカー310a~dを指示するように構成されうる。特定の例において、組織アンカー300は、展開のためにデリバリーシース内に配置されうる(例えば、
図4Bに示されるとおり)。組織穿刺要素316は組織内に押し込まれ、バイアス部材及び深さインジケータ322は医師に触知フィードバックを提供することができる。
図3A~Cに示される組織アンカー300は、1つ以上のワイヤ308から形成されるものとして議論されているが、アンカー310a~dはまた、カットチューブパターン又はカットシートによって形成されうる。
【0091】
図4Aは、1つの実施形態による別の例示的な組織アンカー300の例示の側面図である。組織アンカー300は、少なくとも1つのワイヤ308を含む。少なくとも1つは、第一の円形部分424、中間部分426及び1つ以上の組織穿刺要素316a、316bを含む。
【0092】
腱索治療のために、上記で詳細に記載したように、第一の円形部分424は、可撓性コード202とインターフェースするように構成されうる。さらに、1つ以上の組織穿刺要素316a、316bは、組織表面450と係合し、
図4Aに示される第一の構成と
図4Bに示される第二の構成との間で移動するように構成されている。第一の構成において、1つ以上の組織穿刺要素316a、316bは、組織表面450に実質的に平行に(例えば、非固定構成で)配置されうる。第二の構成において、1つ以上の組織穿刺要素316a、316bは、組織表面450に対して非平行に配置されうる。
【0093】
中間部分426は、中間部分426の直径の減少に応答して、1つ以上の組織穿刺要素316a、316bを第一の構成から第二の構成に移動させるように構成されている。特定の例において、中間部分426は、
図4Aに示されるように、形状が実質的に楕円形である。中間部分426は、
図4Bに示されるように、デリバリーシース452内の配置によって直径が減少するように構成されうる。デリバリーシース452は、組織アンカー300を収容するように構成されている。デリバリーシース452は、中間部分426の直径を縮小し、中間部分を拘束解除して、1つ以上の組織穿刺要素316a、316bの第一の構成から第二の構成への移動を可能にするように構成されている。
【0094】
中間部分426の直径の減少は、1つ以上の組織穿刺要素316a、316bを非係合構成から(例えば、中間部分426の長軸に実質的に平行に)移動させて、
図4Bに示されるように、組織表面450に対して非平行であるように(例えば、中間部分426の長軸に実質的に垂直に)配置される。1つ以上の組織穿刺要素316a、316bは、第一の構成から第二の構成への移動に応答して組織表面450を把持するように構成されている。1つ以上の組織穿刺要素316a、316bは組織表面450を穿刺して、組織アンカー300を所定の位置に固定することができる。
図4Cに示されるように、1つ以上の組織穿刺要素316a、316bは、組織表面450の除去後に組織表面450内に留まる。係合されると、中間部分426は、実質的に楕円形又は卵形に向かって戻る。組織穿刺要素316a、316bは組織表面450に対して非平行のままである。
【0095】
さらに、少なくとも1つのワイヤ308は、
図4Aに示されるように、第二の円形部分456を含み、そして組織穿刺要素316a、316bは、第二の円形部分456から延在している。第二の係合構成において、組織穿刺要素316a、316bは、離れて広げられ、第二の円形部分456は、
図4Cに示されるように外向きに拡張する。
【0096】
図5は、1つの実施形態による例示的な組織アンカー300の例示の第一の斜視図である。組織アンカー300は、近位端304及び遠位端306を有する管状部材303を含む。組織アンカー300はまた、管状部材303を通して配置された1つ以上のワイヤ308を含む。組織アンカー300はまた、複数のアンカー310a~eを含む。特定の例において、ワイヤ308の数はアンカー310a~eに等しい。他の例において、ワイヤ308の数は、アンカー310a~eの数の半分であり、ワイヤは、管状部材303を通して配置され、折り返され、一方の端部に一方のアンカー310a~eを提供し、ワイヤ308のそれぞれの別の端部に別のアンカー310a~eを提供する。アンカー310a~eは、
図3A~Bを参照してさらに詳細に記載されるように構成及び配置されうる。さらに、組織アンカーはまた、上記のような組織穿刺要素を含むことができる。
【0097】
図6Aは、1つの実施形態による、展開構成における例示的な組織アンカー300の図である。組織アンカー300は、長手方向軸660、近位端304及び遠位端306を有する筒形部分302を含むことができる。組織アンカー300はまた、筒形部分302を組織表面350の下に固定するように構成された複数のアンカー310a~cを含む。
【0098】
複数のアンカー310a~cのそれぞれは、筒形部分302の遠位端306から長手方向軸660まで平行に延在している実質的に直線状のセクション662を含む。さらに、複数のアンカー310a~cは、実質的に直線状のセクション662から延在している湾曲セクション664を含む。複数のアンカー310a~cのそれぞれの湾曲セクション664は、
図6Bに示されるデリバリー構成において、長手方向軸660に対して実質的に直線状のセクション662と整列し、
図6Aに示されるように、展開構成において、長手方向軸660に対して半径方向外向きに、そして筒形部分302の遠位端306に向かって湾曲するように構成されうる。
図6Aに示されるように、筒形部分302は、デリバリー中にデリバリーシース452内に配置されうる。
【0099】
特定の例において、筒形部分302は、筒形部分の外面に1つ以上のノッチ668を含む。ノッチ668は筒形部分302の材料の切欠又は除去部分である。ノッチ668は筒形部分302の可撓性を促進することができる。特定の例において、複数のアンカー310a~c及び筒形部分302はカットチューブなどの単一構造として形成される。さらに、筒形部分302は、腱索治療のために、上記で詳細に記載されるように、可撓性コード202とインターフェースするように構成されうるアイレット312を含むことができる。
【0100】
特定の例において、筒形部分302はまた、可撓性コードピボット670を含む。可撓性コード202は、
図6Cに示されるように、円筒形部分302内に配置され、可撓性コードピボット670の周りに延在することができる。可撓性コードピボット670は、可撓性コード202を筒形部分302に固定することを容易にすることができる。
【0101】
特定の例において、組織アンカー300はまた、調整可能な機構672を含むことができる。
図6Dに示されるように、調整可能な機構672は、筒形部分302内に配置されうる。調整可能な機構672は、示されるように可撓性コード202が通して配置されうるインサート674を含むことができる。インサート674は、接着剤又は締まりばめによって筒形部分302内に固定されうる。調整機構672は、可撓性コード202の長さを調整するように構成されうる。可撓性コード202の長さを調整するために可撓性コード202に張力を加えることができる。調整機構672は、可撓性コード202の長さをトリミングするためのブレード678を含むことができる。可撓性コード202は、インサート674内に配置及び固定されうる。
【0102】
図7Aは、1つの実施形態による別の例示的な組織アンカー300の例示の斜視図である。組織アンカー300はワイヤ又はカットチューブから形成されうる。組織アンカー300は、第一の湾曲セクション752aを含む第一のアンカーセクション750a及び第一の湾曲セクション752aの頂点の内面から長手方向に延在している第一の組織穿刺要素316aを含むことができる。組織アンカー300はまた、第二の湾曲セクション752bを含む第二のアンカーセクション750b及び第二の湾曲セクション752bの頂点の内面から長手方向に延在している第二の組織穿刺要素316bを含むことができる。頂点は、湾曲セクション752a、752bの湾曲した内面であることができる。
【0103】
組織アンカー300はまた、第一の平面において第一のアンカーセクション750aと第二のアンカーセクション750bとの間に配置され、それらから垂直に延在している第一の遷移セクション754aを含むことができる。さらに、組織アンカー300はまた、第二の平面において第一のアンカーセクション750aと第二のアンカーセクション750bとの間に配置され、それらから垂直に延在している第二の遷移セクション754bを含むことができる。特定の例において、第一の平面及び第二の平面は、互いに間隔を置いて配置されている。
【0104】
特定の例において、第一の遷移セクション754a及び第二の遷移セクション754bは互いに平行である。さらに、第一のアンカーセクション750a及び第二のアンカーセクション750bは、互いに平行に配置されうる。さらに、第一の遷移セクション754a及び第二の遷移セクション754bのうちの少なくとも1つは、
図7に示されるような湾曲を含む。
【0105】
図7Bは、1つの実施形態による針780とともに配置された
図7Aに示される組織アンカー300の斜視図である。針780は、組織アンカー300を埋め込むために使用されうる。針780は、第一のアンカーセクション750a、第二のアンカーセクション750b、第一の遷移セクション754a及び第二の遷移セクション754bを通り、それらの間に配置されうる。さらに、第一のアンカーセクション750a、第二のアンカーセクション750b、第一の遷移セクション754a及び第二の遷移セクション754bのうちの1つ以上は、腱索治療について上記で詳細に記載したように、可撓性コード202とインターフェースするように構成されうる。
【0106】
図7Cは、1つの実施形態による
図7A~Bに示される組織アンカー300の展開図である。特定の例において、第一のアンカーセクション750a、第二のアンカーセクション750b、第一の遷移セクション754a及び第二の遷移セクション754bは、示されるように実質的に共通の平面内に展開するように構成されうる。
図7Cに示される配置はまた、示される組織アンカー300のカットパターンであることができる。
【0107】
図8Aは、1つの実施形態によるデリバリー構成における、第一の構成の組織アンカー300の図である。示される組織アンカー300は、管腔840、近位端304及び遠位端306を有する筒形部分302を含む。
【0108】
組織アンカー300は、管腔840から筒形部分302の外面に対して半径方向外向きに延在する複数のアンカー310a、310bを含む(ただし、組織アンカー300は、
図8Cに示されるように、より多くのアンカーを含むことができる)。組織アンカーはまた、筒形部分302の遠位端306に又はそれに隣接して配置されたボール842を含む。可撓性コード202は、筒形部分302の管腔840内に延在することができ、そしてボール842に結合されることができる。可撓性コード202は、特定の例において、ボール842を近位端304に向かって、そして少なくとも部分的に管腔840内に引き込み、
図8Bに示されるように複数のアンカー310a、310の構成を変更するように構成される。
【0109】
張力に応答して、複数のアンカー310a、310bは、さらに広がることができる。複数のアンカー310a、310bは、組織内に固定するように構成されうる。さらに、可撓性コード202は、腱索治療のためのものであることができる。アンカー310a、310bに接触しているボール842は、アンカー310a、310bの動きを引き起こすことができる。
【0110】
図8Cは、1つの実施形態による
図8A~Bに示される組織アンカー300の一部のカットパターンの例示である。カットパターンに示されるように、組織アンカー300は、
図8A~Bに示されるよりも多くの数のアンカー310a~fを含むことができる。組織アンカー300は、組織壁に対して上向き又は下向きに展開することができる(本明細書で論じられる他の組織アンカー300と同様に)。さらに、アンカー310a~fは、より広い又はより狭い幅を含むことができる。さらに、アンカー310a~fは、サブアンカー890(例示を容易にするために強調表示されたもの)を含むことができる。サブアンカー890は、アンカー310a~fの方向と反対の方向に棘として展開することができる。これは、アンカー310a~fが組織表面の上向きに(組織アンカー300が埋め込まれている又は内部にある状態で)配置されているときに展開に有利であることができる。
【0111】
図9Aは、1つの実施形態による別の例示的な組織アンカー300の例示の斜視図である。組織アンカー300は、近位端304及び遠位端306を有する筒形部分302を含むことができる。組織アンカー300はまた、筒形部分302を組織表面450内又はその下に固定するように構成されたアンカー要素310を含むことができる。
【0112】
示されるように、アンカー要素310はらせん構造を含み、前記らせん構造は、筒形部分302の遠位端306に配置された近位端924を有し、らせん構造の近位端かららせん構造の遠位端926で直径が増加している複数のループを含む。直径が増加しているらせん構造は、アンカー要素310の表面積係合を増加させることができる。さらに、アンカー要素310(又は本明細書で論じられる任意のアンカー要素)は、らせん構造の外面上に配置された1つ以上の棘928を含むことができる。棘928は、組織表面450をさらに把持して、アンカー要素310をその中に固定することができる。筒形部分302は、腱索治療のために、上記で詳細に記載したように、可撓性コード202とインターフェースするように構成されうる。
【0113】
図10は、1つの実施形態による別の例示的な組織アンカー300の例示の斜視図である。組織アンカー300は、近位端304及び遠位端306を有する筒形部分302を含むことができる。さらに、複数の実質的に直線状のセクション590(例示を容易にするために強調表示されたもの)は筒形部分302の遠位端306から延在している。
【0114】
さらに、
図10に示される組織アンカー300は、複数の実質的に直線状のセクション590のそれぞれの遠位端に配置された複数のらせん状アンカー592を含むことができる。らせん状アンカー592は筒形部分302を組織壁に固定するように構成されうる。本明細書で論じられる組織アンカー300のいずれも、アンカーの遠位端に(例えば、貫通チップ318の代わりに)配置された追加のらせん状アンカー592を含むことができる。
【0115】
特定の例において、筒形部分302は、上記で詳細に記載されたように、腱索治療のために構成された可撓性コード202とインターフェースするように構成されうる。
【0116】
図11は、1つの実施形態による組織アンカー300の例示的なカットパターンの図である。組織アンカー300は、示されるように、複数のアンカー310a~fを含むことができる。アンカー310a~fは、鈍い又は尖っていない端部を含むことができる。
【0117】
図12Aは、1つの実施形態による組織アンカーのための例示的な管状部材303の側面図である。
図3A~Cを参照して上記で詳細に記載したように、管状部材303は近位端304及び遠位端306を含む。組織アンカー300はまた、管状部材303を通して配置された少なくとも1つのワイヤ(又はカットチューブ又はカットシートから形成されたストラット)を含む。
【0118】
図12B及び12Cに示されるように、管状部材303は、近位端304と遠位端306との間に延在している複数の管腔970a~dを含む。さらに、管腔970a~dは、少なくとも1つのワイヤ308a、308bの配置を維持するように構成されている。また、管状部材303の遠位端306を見て示されるように、管状部材303は、組織穿刺要素316のための追加の開口部972を含むことができる。特定の例において、そして示されるように、追加の開口部972は、管状部材303の遠位端306内のみに配置され、近位端304まで延在していない。
【0119】
図12Dは、1つの実施形態による
図12A~Cに示される管状部材303の別の例示的な構成の側面図である。特定の例において、管状部材303は、2つの異なる直径のセクションを含むことができる。管状部材303の第一のセクション303aは、管状部材303の第二のセクション303bよりも大きくてよい。第二のセクション303bは、管状部材303の近位端304又は管状部材303の遠位端306であることができる。特定の例において、第二のセクション303bは、デリバリーシステムを係合するように構成されている。
【0120】
図13Aは、1つの実施形態による、例示的な管状部材303及び前記管状部材を通して配置された少なくとも1つのワイヤ308a、308bの近位端面図である。
図3A~Cを参照して上記で詳細に記載したように、管状部材303は近位端304及び遠位端306を含む。組織アンカー300はまた、管状部材303を通して配置された少なくとも1つのワイヤ308a、308bを含む。特定の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは2つのワイヤ308a、308bを含む。他の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、管状部材303を通してループされた単一のワイヤ、又は上記で詳細に論じたように管状部材303を通して配置された任意の数のワイヤを含む。
【0121】
図13Aに示されるように、ワイヤ308a、308bは、管状部材303の近位端304で互いに交差する。ワイヤ308a、308bは、管状部材303を通して配置されて、複数のアンカー310a~dを形成する。他の例において、
図13Bに示されるように、ワイヤ308a、308bは、管状部材303の近位端304において重なり合わない。ワイヤ308a、308bは管状部材303を通して配置されて、複数のアンカー310a~dを形成する。
【0122】
図14Aは、1つの実施形態による例示的な組織アンカー300及び深さインジケータ322の側面図である。組織アンカー300は、管状部材303及び前記管状部材303を通して配置された少なくとも1つのワイヤ308a、308bを含む。特定の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは2つのワイヤ308a、308bを含む。他の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、管状部材303を通してループされた単一のワイヤを含む。さらに他の例において、少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、3、4、5、6又はそれ以上の数のワイヤを含む。
【0123】
少なくとも1つのワイヤ308a、308bは、管状部材303の遠位端306から延在している複数のアンカー310a~bを形成するように配置されている。
【0124】
組織アンカー300はまた、管状部材303から延在している組織穿刺要素316を含む。組織穿刺要素316は、複数のアンカー310a~bの間に配置されうる。特定の例において、組織穿刺要素316は貫通チップ318を含む。貫通チップ318はまた、組織内に固定するように構成されうる。さらに、貫通チップ318は、らせん状であることができる(例えば、以下でさらに詳細に記載されるとおり)。
【0125】
特定の例において、深さインジケータ322は、組織内に複数のアンカー310a~dを埋め込んでいる医師に指示するように構成されている。組織穿刺要素316は組織に押し込まれることができ、深さインジケータ322は医師に触知フィードバックを提供することができる。組織穿刺要素316は、特定の例において、ワイヤ又はカットチューブもしくはカットシートの一部から形成される。さらに、組織穿刺要素316は、
図14Aに示されるように実質的に直線状であることができ、又は、他の例において、組織穿刺要素316は、
図14Bに示されるようにらせん状であることができる。
【0126】
図15Aは、1つの実施形態による、例示的な管状部材303及び位置フィードバック機構974a~dの遠位端面図である。特定の例において、管状部材303は、管状部材303の遠位端306に配置された位置フィードバック機構974a~dを含むことができる。位置フィードバック機構974aは、遠位端306から半径方向外向きに延在する1つ以上のワイヤ又はストラット要素であることができる。特定の例において、位置フィードバック機構974a~dは、上記で詳細に論じられたアンカー310a~dの形態をとることができ、又は位置フィードバック機構974a~dは、アンカーに追加の構造であることができる。
【0127】
図15Bは、1つの実施形態による組織壁に係合する
図15Aに示される管状部材303及び位置フィードバック機構の図である。位置フィードバック機構は、フィードバック要素974a~d(例えば、ワイヤ、ストラット、カットチューブ要素、カットシート要素)を含むか、又は、組織壁角度の視覚的フィードバックを示すように構成されている。示されるように、管状部材303に対する位置フィードバック要素974a~dの角度は、組織壁の角度又は傾斜を示す。
【0128】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
近位端及び遠位端を有する管状部材、
前記管状部材の遠位端から延在している複数のアンカーと、前記近位端から延在しているアイレットと、を形成するように前記管状部材を通して配置された少なくとも1つのワイヤ、及び、
前記管状部材の近位端から延在しそして前記複数のアンカーに隣接して配置された組織穿刺要素、
を含み、
各アンカーは、前記近位端に向かう方向に延在している曲線を画定している、組織アンカー。
(態様2)
前記少なくとも1つのワイヤは前記管状部材を通して配置された少なくとも2つのワイヤを含み、前記少なくとも2つのワイヤは重なり合ってアイレットを形成する、態様1記載の組織アンカー。
(態様3)
前記少なくとも2つのワイヤは前記複数のアンカーを形成し、前記複数のアンカーは少なくとも4つのアンカーを含む、態様2記載の組織アンカー。
(態様4)
前記管状部材は、前記近位端と前記遠位端との間に延在している複数の管腔を含み、前記管腔は、少なくとも1つのワイヤの配置を維持するように構成されている、態様1~3のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様5)
前記組織穿刺要素は、組織内の複数のアンカーの埋め込みをしている医師に対する触知フィードバックを提供するように構成された長手方向部分及び深さインジケータを含む、態様1~4のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様6)
前記深さインジケータは、スペーサ及び前記組織穿刺要素の長手方向部分の周りに配置されたバイアス部材を含み、前記スペーサは、組織に接触しそして前記管状部材の遠位端に向かって前記バイアス部材を推進するように構成されており、その程度は、前記複数のアンカーが組織内に延びる程度を示すように構成されている、態様5記載の組織アンカー。
(態様7)
前記管状部材は、PEEK及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む、態様1~6のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様8)
前記組織アンカーを組織に結合するためにアイレットを通して配置された可撓性コードをさらに含む、態様1~7のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様9)
前記管状部材の遠位端に配置され、組織壁の傾斜又は角度を示すように構成された位置フィードバック機構をさらに含む、態様1~8のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様10)
可撓性コードとインターフェースするように構成された第一の円形部分、
組織表面に係合するように構成された1つ以上の組織穿刺要素であって、前記1つ以上の組織穿刺要素が前記組織表面に実質的に平行に配置される第一の構成と、前記1つ以上の組織穿刺要素が前記組織表面に非平行に配置される第二の構成との間で移動するように構成された1つ以上の組織穿刺要素、及び、
中央部分の直径の減少に応答して、前記1つ以上の組織穿刺要素を前記第一の構成から前記第二の構成に移動させるように構成された中間部分、
を形成するように配置された少なくとも1つのワイヤ、を含む、組織アンカー。
(態様11)
前記中間部分は実質的に楕円形形状である、態様10記載の組織アンカー。
(態様12)
前記少なくとも1つのワイヤは第二の円形部分を含み、そして前記1つ以上の組織穿刺要素は前記第二の円形部分から延在している、態様10~11のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様13)
前記中間部分の直径を減少させ、前記中間部分を拘束解除して、前記1つ以上の組織穿刺要素の前記第一の構成から前記第二の構成への移動を可能にするように構成されたデリバリーシースをさらに含む、態様10~12のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様14)
前記1つ以上の組織穿刺要素は、前記第一の構成から前記第二の構成への移動に応答して前記組織表面を把持するように構成されている、態様13記載の組織アンカー。
(態様15)
前記可撓性コードは前記組織アンカーを組織に結合するように構成されている、態様10~14のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様16)
長手方向軸、近位端及び遠位端を有する筒形部分、及び、
前記筒形部分を組織表面下に固定するように構成された複数のアンカー、
を含む、組織アンカーであって、
前記複数のアンカーのそれぞれは、
前記筒形部分の遠位端から前記長手方向軸に平行に延在している実質的に直線状のセクション、及び、
前記実質的に直線状のセクションから延在しており、デリバリー構成では長手方向軸に対して実質的に直線状のセクションと整列し、展開構成では長手方向軸に対して半径方向外向きに、前記筒形部分の遠位端に向かって湾曲するように構成されている湾曲セクション、
を含む、組織アンカー。
(態様17)
前記筒形部分は、前記筒形部分の外面に1つ以上のノッチを含む、態様16記載の組織アンカー。
(態様18)
前記1つ以上のノッチは、前記筒形部分の可撓性を促進するように構成されている、態様17記載の組織アンカー。
(態様19)
前記組織アンカーを組織に結合するように構成された前記筒形部分における開口部を通して配置された可撓性コードをさらに含む、態様16~18のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様20)
前記筒形部分は、前記可撓性コードの長さを調整するように構成された調整機構を含む、態様19記載の組織アンカー。
(態様21)
第一の湾曲セクション及び前記第一の湾曲セクションの頂点の内面から長手方向に延在している第一の組織穿刺要素を含む、第一のアンカーセクション、
第二の湾曲セクション及び前記第二の湾曲セクションの頂点の内面から長手方向に延在している第二の組織穿刺要素を含む、第二のアンカーセクション、
第一の平面内で前記第一のアンカーセクションと前記第二のアンカーセクションとの間に配置され、それらに垂直に延在している第一の遷移セクション、及び、
第二の平面内で前記第一のアンカーセクションと前記第二のアンカーセクションとの間に配置され、それらに垂直に延在している第二の遷移セクション、
を含む、組織アンカー。
(態様22)
前記第一の平面及び前記第二の平面は互いに離間している、態様21記載の組織アンカー。
(態様23)
前記第一の遷移セクション及び前記第二の遷移セクションのうちの少なくとも1つは曲線を画定する、態様21~22のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様24)
前記第一のアンカーセクション、前記第二のアンカーセクション、前記第一の遷移セクション及び前記第二の遷移セクションは実質的に共通の平面内で展開するように構成されている、態様21~23のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様25)
前記組織アンカーを組織に結合するための、前記第一のアンカーセクション、前記第二のアンカーセクション、前記第一の遷移セクション及び前記第二の遷移セクションのうちの少なくとも1つに結合された可撓性コードをさらに含む、態様21~24のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様26)
近位端及び遠位端を有する筒形部分であって、それを通る管腔を有する筒形部分、
前記管腔からそして前記筒形部分の外面に対して半径方向外向きに延在している複数のアンカー、
前記筒形部分の遠位端に又はそれに隣接して配置されたボール、及び、
前記筒形部分の管腔内に延在しそして前記ボールに結合された可撓性コードであって、前記可撓性コードは、前記ボールを近位端に向かって引き込み、前記複数のアンカーと係合して前記複数のアンカーの構成を変更するように構成されている、可撓性コード、
を含む、組織アンカー。
(態様27)
前記ボールは、少なくとも部分的に前記管腔内に引き込んで、前記複数のアンカーの構成を変更するように構成されている、態様26記載の組織アンカー。
(態様28)
近位端及び遠位端を有する筒形部分、及び、
前記筒形部分を組織表面に又はその下に固定するように構成されたアンカー要素、
を含む、組織アンカーであって、
前記アンカー要素はらせん構造を有し、前記らせん構造は前記筒形部分の遠位端に配置された近位端を有し、前記らせん構造の近位端から前記らせん構造の遠位端に向かって直径が増加している複数のループ、
を含む、組織アンカー。
(態様29)
前記らせん構造の外面上に配置された1つ以上の棘をさらに含む、態様28記載の組織アンカー。
(態様30)
前記組織アンカーを組織に結合するように構成された前記筒形部分に結合された可撓性コードをさらに含む、態様28~29のいずれか1項記載の組織アンカー。
(態様31)
近位端及び遠位端を有する筒形部分、
前記筒形部分の遠位端から延在している複数の実質的に直線状のセクション、及び、
前記筒形部分を組織壁に固定するように構成された複数の実質的に直線状のセクションのそれぞれの遠位端に配置された複数のらせん状アンカー、
を含む、組織アンカー。
(態様32)
前記組織アンカーを組織に結合するように構成された前記筒形部分に結合された可撓性コードをさらに含む、態様31記載の組織アンカー。
(態様33)
弁尖を通して可撓性コードを配置しそして前記可撓性コードの第一の端部を弁尖に固定すること、前記可撓性コードの第二の端部を前記組織アンカーに結合すること、及び、態様1~32のいずれか1項記載の組織アンカーを心臓の組織に固定すること、を含む、腱索修復のための方法。